Certains contenus de cette application ne sont pas disponibles pour le moment.
Si cette situation persiste, veuillez nous contacter àObservations et contact
1. (WO2019039350) MATÉRIAU DE NOYAU DE SIÈGE DE VÉHICULE ET COUSSIN DE SIÈGE
Document

明 細 書

発明の名称 車両用シート芯材及びシートパッド

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022  

発明の効果

0023   0024   0025  

図面の簡単な説明

0026  

発明を実施するための形態

0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

実施例

0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105  

符号の説明

0106  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 車両用シート芯材及びシートパッド

技術分野

[0001]
 本発明は、車両用シート芯材に関する。
 本発明はまた、車両用シートパッド及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 自動車、自転車等の車両用シートは、一般的に、シートパッドと、それを覆う表面カバーとを備える。そして、車両用のシートパッドとして、荷重によって弾性変形するクッション材と、クッション材に剛性を付与するためのシート芯材とを備え、該芯材に該クッション材を積層して形成されるシートパッドが知られている(特許文献1)。
[0003]
 上記態様のシートパッドを構成する、シート芯材とクッション材は、硬度の異なる樹脂材料により形成することができる。
[0004]
 例えば特許文献2では、クッション材に相当するシートパッド本体を軟質発泡樹脂材料により形成し、シート芯材に相当する別部材をビーズ発泡体により形成し、該シートパッド本体と前記別部材とを接合配置したシートパッドが開示されている。特許文献2では、シートパッド本体(クッション材)と別部材(シート芯材)との接着強度を高めるために、前記ビーズ発泡体の融着率(後述する第1融着率に相当する)を低減させることが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2011-45629号公報
特許文献2 : 特開2010-259535号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上記の通り、特許文献2は、ビーズ発泡体の融着率(後述する第1融着率に相当する)を低減することで、ビーズ発泡体と、軟質発泡樹脂材料よりなるシートパッド本体との剥離強度を高めることを開示している。
[0007]
 しかし、融着率を低減させた場合、ビーズ発泡体の圧縮、曲げ、引張り等に対する機械的特性が損なわれる可能性がある。
[0008]
 そこで本発明は、クッション材と一体化して車両用シートパッドを構成する車両用シート芯材において、機械的特性を大きく損なうことなく、クッション材との接合性を高める手段を提供する。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明の第一の実施形態において、車両用シート芯材は、
 クッション材と一体化されて車両用シートパッドを形成するための、車両用シート芯材であって、
 成形型のキャビティ内に複数の発泡樹脂粒子を充填し型内発泡成形した発泡樹脂成形体を含み、
 前記発泡樹脂成形体の、前記車両用シートパッドを形成する際に前記クッション材が接合される表面の少なくとも一部の領域が、前記領域に含まれる前記発泡樹脂成形体の、前記成形型に応じた仮想面の面積に対する、前記仮想面上の表面の面積の割合である表面伸び率が40~85%、好ましくは60~85%、の領域であり、
 前記発泡樹脂成形体の、前記発泡樹脂成形体を切断した時の断面の断面積に対する、発泡樹脂粒子の面積の割合である第1融着率が95%以上であることを特徴とする。
[0010]
 本発明の第二の実施形態において、車両用シート芯材は、
 クッション材と一体化されて車両用シートパッドを形成するための、車両用シート芯材であって、
 成形型のキャビティ内に複数の発泡樹脂粒子を充填し型内発泡成形した発泡樹脂成形体を含み、
 前記発泡樹脂成形体の、前記車両用シートパッドを形成する際に前記クッション材が接合される表面の少なくとも一部の領域が、前記領域に含まれる前記発泡樹脂成形体の、前記成形型に応じた仮想面の面積に対する、前記仮想面上の表面の面積の割合である表面伸び率が40~85%、好ましくは60~85%、の領域であり、
 前記発泡樹脂成形体の、前記発泡樹脂成形体を割ったときの破断面上に現れる、発泡樹脂粒子の総数に対する、粒子の内部で破断している発泡樹脂粒子の数の割合である第2融着率が60%以上であることを特徴とする。
[0011]
 本発明の車両用シート芯材は、発泡樹脂成形体として、前記車両用シートパッドを形成する際にクッション材が接合される表面に、表面伸び率が40~85%、好ましくは60~85%である領域を含むことによって、車両用シート芯材を、シートパッド用成形型のキャビティ内に収容し、車両用シート芯材が収容されたシートパッド用成形型のキャビティ内に、発泡硬化によりクッション材を形成する樹脂原液を充填し、発泡硬化させて、クッション材を形成する方法(インサート成形法)に用いた場合に、クッション材が、前記発泡樹脂成形体と接合する部分において、前記発泡樹脂成形体内に侵入することができ、剥離し難い状態で強固に接合することができる。
[0012]
 しかも、本発明の車両用シート芯材は、第1融着率が95%以上の発泡樹脂成形体を含むことにより、及び/又は、第2融着率が60%以上の発泡樹脂成形体を含むことにより、機械的特性が十分に高い。
[0013]
 すなわち、本発明の車両用シート芯材は、機械的特性を大きく損なうことなく、インサート成形法によりクッション材と強固に接合することが可能である。
[0014]
 本発明の車両用シート芯材の別の好ましい形態では、前記発泡樹脂成形体の、前記車両用シートパッドを形成する際に前記クッション材が接合されない表面の少なくとも一部の領域が、前記表面伸び率が90%以上の領域である。
[0015]
 本発明の車両用シート芯材のこの形態では、前記発泡樹脂成形体が、前記クッション材の接合に関与しない部分に平滑な表面を含むこととなるため、切欠き効果が低減され、破断に対する強度が高まる。
[0016]
 本発明の車両用シート芯材の別の好ましい形態では、前記発泡樹脂成形体の、前記車両用シートパッドを形成する際に前記クッション材が接合される表面の一部に、高さ40μm以上の、複数の突出部が形成されている。更に好ましくは、前記複数の突出部が、複数の凸条部であり、前記複数の凸条部間のピッチが0.8~1.5mmである。
[0017]
 本発明の車両用シート芯材のこの形態によれば、インサート成形法によりクッション材が形成されるとき、複数の突出部が、クッション材に侵入することができるため、クッション材と更に強固に接合され得る。
[0018]
 本発明はまた、
 上記の特徴を備える本発明の車両用シート芯材、及び
 前記車両用シート芯材の前記発泡樹脂成形体に接合して、前記車両用シート芯材と一体化されたクッション材
を含む車両用シートパッドを提供する。
[0019]
 本発明の車両用シートパッドは、機械的特性が十分に高く、且つ、前記車両用シート芯材と前記クッション材との剥離が生じ難い。
[0020]
 本発明の車両用シートパッドの好ましい形態では、前記クッション材が、前記発泡樹脂成形体と接合する部分において、前記発泡樹脂成形体内に侵入していることにより、前記車両用シート芯材と前記クッション材とが更に強固に接合している。
[0021]
 本発明はまた、
 車両用シートパッドの製造方法であって、
 上記の本発明の車両用シート芯材を、前記車両用シートパッドに対応する形状のキャビティが形成されたシートパッド用成形型のキャビティ内に収容すること、及び、
 前記車両用シート芯材が収容されたシートパッド用成形型のキャビティ内に、発泡硬化によりクッション材を形成する樹脂原液を充填し、発泡硬化させて、クッション材を形成すること
を含む方法を提供する。
[0022]
 本発明の方法によれば、機械的特性が十分に高く、且つ、車両用シート芯材とクッション材との剥離が生じ難い車両用シートパッドを製造することが可能である。
 本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2017-158417号の開示内容を包含する。

発明の効果

[0023]
 本発明の車両用シート芯材は、機械的特性を大きく損なうことなく、インサート成形法によりクッション材と強固に接合することが可能である。
[0024]
 本発明の車両用シートパッドは、機械的特性が十分に高く、且つ、車両用シート芯材とクッション材との剥離が生じ難い。
[0025]
 本発明の車両用シートパッドの製造方法によれば、機械的特性が十分に高く、且つ、車両用シート芯材とクッション材との剥離が生じ難い車両用シートパッドを製造することが可能である。

図面の簡単な説明

[0026]
[図1] 図1は、車両用シートパッド1の斜視図である。
[図2] 図2は、車両用シート芯材10の側から平面視した状態での車両用シートパッド1の模式図である。
[図3] 図3は、図2に示すI-I線に沿う断面模式図である。
[図4] 図4は、発泡樹脂成形体20の製造方法における成形型100に発泡樹脂粒子21を充填した状態を説明するための断面模式図である。図4が示す位置は、発泡樹脂成形体20の、図3に示す部位201に相当する。
[図5] 図5は、発泡樹脂成形体20の製造方法における一方加熱の工程を説明するための断面模式図である。図5が示す位置は、発泡樹脂成形体20の、図3に示す部位201に相当する。
[図6] 図6は、発泡樹脂成形体20の製造方法における逆一方加熱の工程を説明するための断面模式図である。図6が示す位置は、発泡樹脂成形体20の、図3に示す部位201に相当する。
[図7] 図7は、発泡樹脂成形体20の製造方法における逆一方加熱後の状態を説明するための断面模式図である。図7が示す位置は、発泡樹脂成形体20の、図3に示す部位201に相当する。
[図8] 図8は、発泡樹脂成形体20の製造方法における両面加熱の工程を説明するための断面模式図である。図8が示す位置は、発泡樹脂成形体20の、図3に示す部位201に相当する。
[図9] 図9は、発泡樹脂成形体20の完成時の断面模式図である。図9が示す位置は、発泡樹脂成形体20の、図3に示す部位201に相当する。
[図10] 図10は、発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20Aのうち、表面伸び率が40~85%となる領域20cの近傍の断面模式図である。
[図11] 図11は、図10に断面を示す、発泡樹脂成形体20の領域20cを、クッション材40が接合される側から見たときの模式図を示す。
[図12] 図12は、車両用シートパッド1の発泡樹脂成形体20とクッション材40との境界部分の近傍の、図3に示す部位202に相当する部位の断面の模式図である。
[図13] 図13は、発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20A上に形成することができる、複数の凸条部120を説明するための模式図である。
[図14] 図14は、車両用シートパッド1の製造方法を説明するための断面模式図(1)である。
[図15] 図15は、車両用シートパッド1の製造方法を説明するための断面模式図(2)である。
[図16] 図16は、車両用シートパッド1の製造方法に用いた発泡成形機160の構造を説明するための断面模式図である。

発明を実施するための形態

[0027]
 以下、本発明による車両用シート芯材及び車両用シートパッドの実施形態を、図面を参照しながら説明する。しかし、本発明の範囲は特定の実施形態には限定されない。
[0028]
<1.車両用シートパッド>
 本発明において「車両用シートパッド」とは、自動車、自転車等の車両のシートに用いられる衝撃緩衝のためのパッドである。例えば、自動車用の車両用シートは、搭乗者が着座するシートクッション、搭乗者が背もたれするシートバック、シートバックの上方に配設されるヘッドレスト、搭乗者が腕を載せるためのアームレスト等の部位により構成されるが、本発明において、「車両用シートパッド」とは、車両用シートの前記部位のいずれに用いるためのシートパッドであってもよい。車両用シートパッドは、適宜、表面カバーにより覆われる。
[0029]
 図1~3を参照して、シートクッションに用いるための車両用シートパッドの一実施形態の一般的な特徴について説明する。なお、上記の通り、本発明における車両用シートパッドは、シートクッションに用いるためのものには限定されない。
[0030]
 図1に示すように、車両用シートパッド1は、車両用シート芯材(以下「シート芯材」と呼ぶ場合がある)10と、シート芯材10に積層され一体化されたクッション材40とを備える。クッション材40は、シート芯材10の、搭乗者と接する側に配置され、シート芯材10と一体化されている。
[0031]
 シート芯材10は、少なくとも発泡樹脂成形体20を備え、本実施形態では更に、該発泡樹脂成形体20内に一体成形により埋設されたフレーム材30を備える。
[0032]
 シート芯材10及び発泡樹脂成形体20の全体形状に特に制限はないが、平面視で矩形、例えば概略長方形、である形状が一般的であり、このときシート芯材10及び発泡樹脂成形体20は、概ね平面に沿った方向に広がりを有する全体形状を有することが一般的である。もちろん、シート芯材10及び発泡樹脂成形体20の平面視での形状および厚みは、当該車両用シートパッド1が取り付けられる車両本体側の形状によって種々変化し得る。
 発泡樹脂成形体20の特徴については後述する。
[0033]
 図示する実施形態において、フレーム材30は、発泡樹脂成形体20に所要の保形性と強度を付与するために埋め込まれるものであり、一般に、直径が3~6mm程度の鋼製の線材(ワイヤー)が用いられる。薄板状の鋼材であってもよい。フレーム材30は、図示されるように、発泡樹脂成形体20の平面視において、外周に沿うようにして、外周面から少し内側に入った箇所に埋設されている本体部31と、本体部31における発泡樹脂成形体20の長手方向の一方の側面に沿う部分32で形成される2つの第1の突出部33、33とを含む。ただし、第1の突出部33、33は必ずしも前記部分32に形成されている必要はない。また、必須ではないが、図示の例では、発泡樹脂成形体20の長手方向の他の側面に沿う本体部31の部分34にも1つの第2の突出部35が形成されている。
[0034]
 第1の突出部33、33は、発泡樹脂成形体20の厚み方向に向けて突起しており、その先端部が発泡樹脂成形体20の裏面側から外部に突出している。また、第2の突出部35は、発泡樹脂成形体20の面方向に向けて突起しており、その先端部が発泡樹脂成形体20の側面側から外部に突出している。図示の例では、第1および第2の突出部33、35は本体部31を構成する鋼製の線材を略U字状に折り曲げることで形成しているが、別途構成した略U字状をなす突出部を本体部31に溶着等で一体化したものであってもよい。
[0035]
 第1の突出部33、33及び第2の突出部35が、車両用シートパッド1を取り付ける車両本体側での取り付け冶具と係合されることで、車両用シートパッド1が車両本体に固定される。
[0036]
 クッション材40は荷重がかかることによって弾性変形が可能な材料により構成される。クッション材40の特徴については後述する。
[0037]
 シート芯材10が備える発泡樹脂成形体20は、クッション材40よりも圧縮強度が大きい樹脂により形成することで、車両用シートパッド1が過度に変形することを阻止することが好ましい。一方、クッション材40は、発泡樹脂成形体20よりも圧縮強度が小さい樹脂により形成することで、搭乗者に心地よい弾性感を与えることが好ましい。図示しないが、実際の使用に当たっては、車両用シートパッド1は適宜のカバー材によって覆われる。
[0038]
<2.車両用シート芯材>
 車両用シート芯材10は、上記のように、発泡樹脂成形体20を備える。図示する実施形態では車両用シート芯材10は更に、発泡樹脂成形体20に埋設されたフレーム材30を備えるが、本発明においてフレーム材30は必須の構成ではない。以下に、発泡樹脂成形体20の特徴について説明する。
[0039]
 発泡樹脂成形体20は、成形型のキャビティ内に複数の発泡樹脂粒子を充填し成形型内で発泡成形することにより得られる。
[0040]
 ここで発泡樹脂成形体20及びそれを製造するための発泡樹脂粒子21(図4等参照)の主成分となる樹脂の種類は特に限定されないが、通常は、熱可塑性樹脂が用いられ、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを含む複合樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好適に用いられる。
[0041]
 ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、置換スチレン(置換基は、低級アルキル、ハロゲン原子(特に塩素原子)等)のスチレン系モノマーに由来する樹脂が挙げられる。置換スチレンとしては、例えば、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられる。更に、ポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体の単独重合体であってもよいし、スチレン系単量体と、スチレン系単量体と共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。他のモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル部分の炭素数1~8程度)、ジビニルベンゼン、エチレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、N-フェニルマレイミド等が挙げられる。
[0042]
 ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の炭素数2~10のオレフィンモノマー由来の単位を含む樹脂が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンモノマーの単独重合体でもよく、オレフィンモノマーと、オレフィンモノマーと共重合しうる他のモノマーとの共重合体であってもよい。
[0043]
 ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを含む複合樹脂は、上記のようなポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とが複合した樹脂である。複合樹脂において、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との配合比は限定されないが、例えば、ポリスチレン系樹脂の含有量を、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、120~400質量部とすることができる。
[0044]
 ポリエステル系樹脂としてはポリエチレンテレフタレートが例示できる。
 樹脂には、他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、着色剤、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
[0045]
 発泡樹脂粒子21は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させた発泡性樹脂粒子を、水蒸気等を用いて加熱し、予備発泡させたものである。
[0046]
 発泡剤としては、特に限定されない。特に、沸点が使用樹脂の軟化点以下であり、常圧でガス状又は液状の有機化合物が適している。例えばプロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、n-ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。樹脂粒子への発泡剤の含浸方法は特に限定されない。
[0047]
 予備発泡により発泡樹脂粒子21を形成するための発泡性樹脂粒子中における発泡剤の好ましい含有量は、発泡性樹脂粒子100質量部に対して、5~25質量部である。なお、発泡性樹脂粒子中における発泡剤の含有量は、製造直後に13℃の恒温室内に5日間放置した上で測定されたものである。
[0048]
 発泡性樹脂粒子を予備発泡して得られる発泡樹脂粒子21の発泡倍数は、樹脂の種類に応じて適宜調整することができるが、一般的には10~60倍の範囲、より好ましくは10~50倍の範囲、より好ましくは20~50倍の範囲である。発泡樹脂粒子21は、予備発泡後、24時間程度20~60℃で保存して熟成させることが好ましい。
[0049]
 ここで、発泡樹脂粒子の発泡倍数は以下の手順で測定する。
 まず、発泡樹脂粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に投入したときの体積Vcm をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて発泡粒子の発泡倍数(嵩倍数)を測定する。
 発泡倍数(倍=cm /g)=測定試料の体積(V)/測定試料の質量(W)
[0050]
 発泡樹脂粒子21の形状は真球状、楕円球状(卵状)等の形状であることができる。真球状とは略真球状を含む。楕円球状とは略楕円球状を含む。個々の発泡樹脂粒子21の最大径Lと最小径Dの比(L/D)にも、格別の制限はないが、1.0~1.6であることが好ましく、1.0~1.2であることが好ましい。
[0051]
 発泡樹脂粒子21の寸法には格別の制限はないが、好ましくは平均粒子径として1.5~5.0mmであり、より好ましくは平均粒子径として2.0~4.0mmである。ここで平均粒子径は次の測定方法で測定する。発泡粒子約50gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目 開き16.00mm、13.20mm、11.20mm、9.50mm、8.00mm、6.70mm、5.60mm、4.75mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mmのJIS標準篩で5分間分級する。篩網上の試料質量を測定し、その結果から得られた累積質量分布曲線を元にして累積質量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
[0052]
 発泡樹脂成形体20は、車両用シートパッド1を形成する際にクッション材40が接合される表面20Aの少なくとも一部の領域20cが、領域20cに含まれる発泡樹脂成形体20の、成形型100に応じた仮想面20Xの面積に対する、発泡樹脂成形体20の、仮想面20X上の表面20Yの面積の割合である表面伸び率が40~85%の領域であることを特徴とする。
[0053]
 ここで図10及び図11を参照して「表面伸び率」を説明する。
 図10は、発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20Aのうち、表面伸び率が上記範囲となる領域20cの近傍の断面模式図である。図11は、図10に断面を示す、発泡樹脂成形体20の領域20cを、クッション材40が接合される側から見たときの模式図を示す。
[0054]
 図4~9を参照して後述する通り、発泡樹脂成形体20は、成形型100のキャビティ101内に複数の発泡樹脂粒子21を充填し発泡成形することにより製造されるため、図10に示すように、発泡樹脂成形体20の外郭は、成形型100に応じた仮想面20Xに沿って形成される。発泡樹脂成形体20の、最表層に位置する複数の発泡樹脂粒子21aの表面のうち、型内発泡成形時に成形型100の内面100Aと当接して内面100Aに沿って広がった部分が、発泡樹脂成形体20の、仮想面20X上に位置する表面20Yとなる。一方、発泡樹脂成形体20、最表層に位置する複数の発泡樹脂粒子21aの表面のうち、型内発泡成形時に成形型100の内面100Aに接しなかった部分は、仮想面20Xよりも内側に位置する窪んだ表面20Zとなる。図11に示すように、クッション材40が接合される側から見たとき、発泡樹脂成形体20の仮想面20X上の表面20Yは、島状に点在して分布する複数の部分からなる。そして、「表面伸び率」とは、発泡樹脂成形体20の表面のある領域(例えば図11に示す領域)において、該領域上の仮想面20Xの面積に対する、該領域に含まれる発泡樹脂成形体20の仮想面20X上の表面20Yの合計面積の割合を百分率で示したものである。
[0055]
 表面伸び率が0%よりも大きく100%よりも小さい発泡樹脂成形体20の表面には、仮想面20X上の表面20Yを含む凸部分Cと、その周りの、窪んだ表面20Zにより形成された凹部分Dとを含む凹凸構造が形成される。そして、この凹凸構造を有する発泡樹脂成形体20の表面上に、クッション材40をインサート成形法により形成するとき、クッション材40を形成する樹脂の原液の一部が、凹部分Dを通じて発泡樹脂成形体20に侵入し固化すると考えられる。
[0056]
 特に、発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20Aが、表面伸び率が40~85%の領域20cを有する場合、該領域20cでは、図12に模式的に示すように、適当な量のクッション材40が発泡樹脂成形体20に侵入して形成されるため、発泡樹脂成形体20とクッション材40とが特に剥離し難く強固に接合することが可能となる。この効果は、領域20cの表面伸び率が小さい場合に特に高い。なお、図12では便宜上、クッション材40と接合した発泡樹脂成形体20の表面20Aの領域20cの断面形状を、クッション材40を接合する前の図10に示す断面形状と同じ形状として描写しているが、実際には、インサート成形時の加熱の影響で可塑化する可能性があり、クッション材40と接合した後の発泡樹脂成形体20の表面20Aの領域20cの断面形状は、クッション材40を接合する前の断面形状とは異なると推測される。
[0057]
 なお、図12は、車両用シートパッド1の発泡樹脂成形体20とクッション材40との境界部分の近傍の、図3に示す部位202に相当する部位の断面の模式図である。
[0058]
 発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20Aに占める、表面伸び率が40~85%である領域20cの割合は、特に限定されないが、領域20cの割合が大きいほど発泡樹脂成形体20とクッション材40との接合が強固となるため好ましい。発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20Aに占める、表面伸び率が40~85%である領域20cの割合は、面積%で、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、より好ましくは100%である。表面伸び率が20~80%である領域20cの1つ1つの面積は特に限定されないが、例えば、最表層の発泡樹脂粒子21aを100個以上、好ましくは200個以上、より好ましくは1000個以上含む面積である。
[0059]
 発泡樹脂成形体20の表面の表面伸び率の測定法としては、発泡樹脂成形体20の表面の写真画像を画像解析する方法や、発泡樹脂成形体20の表面の所定領域にインクを塗布し、前記所定領域を紙に当接させたのち紙から離したときに紙面上にインクが転写された部分の面積の、前記所定領域の面積に対する割合を求める方法などの、適当な方法が例示できる。
[0060]
 なお、図示しないが、発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合されない表面20Bは、前記で定義する表面伸び率が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の領域を少なくとも一部に含むことが好ましい。この形態では、発泡樹脂成形体20が、クッション材40の接合に関与しない表面に平滑な表面領域を含むこととなるため、切欠き効果が低減され、破断に対する強度が高まる。
[0061]
 本発明の第一の実施形態において、発泡樹脂成形体20は、発泡樹脂成形体20を切断した時の断面の断面積に対する、発泡樹脂粒子21の面積の割合である第1融着率が95%以上であることを更なる特徴とする。ここで第1融着率とは、特許文献2で定義される「融着率」に該当し、発泡樹脂成形体20を切断した時の断面の断面積の単位面積当たり(例えば1cm 当たり)の、発泡樹脂粒子21の面積の割合であり、発泡樹脂成形体20内部での発泡樹脂粒子21の充填率に相関する。発泡樹脂成形体20において、第1融着率が95%以上であれば、発泡樹脂粒子21間の空隙が十分に少ないため機械的強度が高い。このため本発明のシート芯材10は、発泡樹脂成形体20の部分の機械的強度が十分に高いため、車両用シート芯材として好適である。発泡樹脂成形体20の第1融着率は好ましくは98%よりも高く、より好ましくは99%以上、より好ましくは100%である。
[0062]
 本発明の第二の実施形態において、発泡樹脂成形体20は、発泡樹脂成形体20を折り曲げて破断したときに破断面上に現れる、発泡樹脂粒子21の総数に対する、粒子の内部で破断している発泡樹脂粒子21の数の割合である第2融着率が、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上、より好ましくは100%である。第2融着率の測定は具体的には次の手順で行うことができる。発泡樹脂成形体20を手で二分割し、破断面における発泡粒子について、100~150個の任意の範囲について粒子内で破断している粒子の数(a)と粒子同士の界面で破断している粒子の数(b)とを数える。結果を、式[(a)/((a)+(b))]×100に代入して得られた値を第2融着率(%)とする。発泡樹脂成形体の二分割は、例えば、発泡樹脂成形体の中心に沿ってカッターナイフで深さ約5mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って発泡樹脂成形体を手で二分割することにより行うことができる。第2融着率は、発泡樹脂成形体20内部での発泡樹脂粒子21間の融着の強さに相関する。発泡樹脂成形体20において、第2融着率が上記範囲であれば、発泡樹脂粒子21間が十分に融着しており機械的強度が更に高く、車両用シート芯材として特に好適である。
[0063]
 本発明の第二の実施形態では、より好ましくは、発泡樹脂成形体20の第1融着率が、本発明の第一の実施形態において記載の範囲である。この場合に発泡樹脂成形体20の機械的強度が特に高い。
[0064]
 より好ましくは、発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20Aの一部に、高さ40μm以上の、複数の突出部が形成されている。突出部の具体例としては図13に示すような凸条部120が例示できる。凸条部120の高さ120Hは、凸条部120の基部120Bから先端部120Tまでの突出方向に沿った距離を指す。他の突出部の高さも同様に規定できる。複数の突出部が、発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20A上に存在する場合、該表面20A上にクッション材40をインサート成形法により形成するとき、複数の突出部がクッション材40の側に侵入した状態で接合されるため、発泡樹脂成形体20とクッション材40とが特に剥離し難く強固に接合することができるため好ましい。この効果をより高めるためには、凸条部120等の突出部の高さはより好ましくは0.3~1.0mmである。また、複数の凸条部120の隣接する一対の間のピッチ120Pが0.8~1.5mmである場合に、上記の効果が特に高い。
[0065]
 上記の複数の突出部は、発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20Aのうち、表面伸び率が40~85%である領域20cに設けられてもよいし、他の領域、例えば、表面伸び率が85%を超える比較的平滑な領域に設けられてもよい。
[0066]
 上記の複数の突出部の形成方法は特に限定されない。例えば、複数の突出部に対応する窪みが内面100Aに設けられた成形型100を用いることで複数の突出部を形成することができる。また、後述する通り、蒸気孔103を備える蒸気ノズル102を備えた成形型100を用いる場合、1つの蒸気ノズル102が備える蒸気孔103が平行に並んで開口した複数のスリットであれば、該複数のスリットに対応した複数の凸条部120が発泡樹脂成形体20の表面20A上に形成される。
[0067]
<3.車両用シート芯材の製造方法>
 シート芯材10の製造方法について説明する。
 シート芯材10は、発泡樹脂成形体20と、発泡樹脂成形体20内に一体成形により埋設されたフレーム材30とを備える。
[0068]
 フレーム材30は、発泡樹脂成形体20を型内発泡成形する際に、成形型100のキャビティ101内にフレーム材30を配置した状態で、発泡樹脂粒子21を充填し、型内発泡成形することにより、発泡樹脂成形体20に埋設することができる。成形型100は、一対の第1型111と第2型112とを組み合わせて構成することができる。
 型内発泡成形による発泡樹脂成形体20の製造方法について以下に詳述する。
[0069]
 図4~9は、発泡樹脂成形体20の、図3に示す部位201に相当する部位を例として、製造工程の各段階を説明するための図である。図4~9では、フレーム材30の描写は省略している。発泡樹脂粒子21、成形型100等の各要素の寸法と形状は説明のために適宜強調して描写しており、実際の寸法と形状を忠実に反映したものではない。
[0070]
 図4に示すように、既述の発泡性樹脂粒子を予備発泡させた複数の発泡樹脂粒子21を、車両用シート芯材用の、第1型111と第2型112とを含む成形型100のキャビティ101内に充填する。このとき、必要に応じて、キャビティ101内にフレーム材30を配置しておく。第1型111の外側には、加熱蒸気が導入される第1加熱室163が形成されており、第2型112の外側には、加熱蒸気が導入される第2加熱室164が形成されている。成形型100を構成する第1型111及び第2型112には適当な位置に、蒸気室からの水蒸気を通過させるための微細な蒸気孔103が形成された蒸気ノズル102が多数配置されている。
[0071]
 まず、第1型111及び第2型112を適当な温度まで加熱する。この工程を、金型加熱という。
[0072]
 次に、図5に示すように、第1加熱室163での水蒸気圧を高めて、第1型111に形成された蒸気ノズル102の蒸気孔103を通じて、第1型111の側からキャビティ101内に水蒸気Sを供給する。この工程では、水蒸気Sが、第1型111の側から、発泡樹脂粒子21間の空隙を通過してキャビティ101の内部に供給され、発泡樹脂粒子21の発泡が進む。この工程を一方加熱という。
[0073]
 一方加熱の工程に続いて、図6に示すように、第2加熱室164での水蒸気圧を高めて、第2型112に形成された蒸気ノズル102の蒸気孔103を通じて、第2型112の側からキャビティ101内に水蒸気Sを供給する。この工程では、水蒸気Sが、第2型112の側から、発泡樹脂粒子21間の空隙を通過してキャビティ101の内部に供給され、発泡樹脂粒子21の発泡が更に進む。この工程を逆一方加熱という。
[0074]
 図7に、逆一方加熱の終了時の発泡樹脂成形体の状態を模式的に示す。一方加熱及び逆一方加熱の工程により、キャビティ101の内部の発泡樹脂粒子21bが再発泡により互いに融着される。この時点では、成形型100の内面100Aの近傍(表層近傍)の発泡樹脂粒子21aの再発泡及び粒子間の融着は十分には完結していない。
[0075]
 次に、図8に示すように、第1加熱室163及び第2加熱室164の両方の水蒸気圧を高めて、第1型111及び第2型112の両方の側からキャビティ101内に水蒸気Sを供給する。この工程を両面加熱という。両面加熱では、第1型111及び第2型112からなる成形型100の内面100Aの近傍の発泡樹脂粒子21aを再発泡させる。通常の発泡樹脂成形体の製造方法では、両面加熱を十分に行うことで、成形型100の内面100Aの近傍の発泡樹脂粒子21aの再発泡及び粒子間の融着を完結させて、表面伸び率が100%に近い平滑な表面を有する発泡樹脂成形体を製造する。本実施形態では、両面加熱の条件を適宜調節して、成形型100の内面100Aの近傍の発泡樹脂粒子21aの再発泡を完結させずに、表面伸び率が40~85%又は60~85%の表面を有する発泡樹脂成形体20を完成させることを特徴とする。
[0076]
 両面加熱後、脱型して、図9に示すように発泡樹脂成形体20を得る。図示する例では、発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面20Aだけでなく、クッション材40が接合されない表面20Bも、表面伸び率が40~85%或いは60~85%の領域からなる。図示しないが、発泡樹脂成形体20の表面20Bの表面伸び率を、クッション材40が接合される表面20Aよりも高く、例えば90%以上とする場合には発泡樹脂成形体20の表面20Bと対向する第2型112の側からの加熱を選択的に長時間又は高温条件で行えばよい。
[0077]
<4.車両用シートパッドの製造方法>
 発泡樹脂成形体20を備える車両用シート芯材10に、クッション材40を一体化させた車両用シートパッド1の製造方法について、図14、15を参照して説明する。
[0078]
 クッション材40は、典型的には、軟質発泡樹脂材料の成形体であり、具体的には、発泡ポリウレタン成形体(ウレタンフォーム)であり、好ましくは軟質発泡ポリウレタン成形体である。発泡硬化により発泡ポリウレタンを形成する樹脂原液は、ポリイソシアネート成分及びポリオール成分に加え、鎖延長剤、触媒、発泡剤等を含む。
[0079]
 まず、図14に示すように、シート芯材10を、車両用シートパッド1に対応する形状のキャビティ131が形成されたシートパッド用成形型130のキャビティ131内に収容する。このとき、シート芯材10の発泡樹脂成形体20のクッション材40が接合される表面20Aが、キャビティ131の空隙に臨むように収容する。
[0080]
 図示する実施形態では、シートパッド用成形型130は、一対の成形型130-1,130-2の組み合わせからなり、一対の成形型130-1,130-2を組み合わせることにより内部に、車両用シートパッド1に対応する形状のキャビティ131が形成されるように構成されている。図14、15では簡略化して図示するが、シート芯材10が、発泡樹脂成形体20に加えて、第1の突出部33,33及び第2の突出部35が形成されたフレーム材30を備える場合、シートパッド用成形型130は、キャビティ131内にシート芯材10を収容した時に、フレーム材30の第1の突出部33,33及び第2の突出部35がキャビティ131の外に位置できるように構成されていることが好ましい。
[0081]
 次いで、図15に示すように、シート芯材10が収容されたシートパッド用成形型130のキャビティ131内に、発泡硬化によりクッション材40を形成する樹脂原液41を充填し、発泡硬化させて、クッション材40を形成する。クッション材40が発泡ポリウレタンフォームである場合、樹脂原液41の発泡硬化のために樹脂原液を充填後に、必要に応じて、加熱を行う。
[0082]
 樹脂原液41は液状であるため、キャビティ131への充填時に、シート芯材10の発泡樹脂成形体20の表面20Aと、該表面が有する凹凸構造に追従して密に接触することができる。この結果、形成されるクッション材40は、シート芯材10の発泡樹脂成形体20の表面20Aと、界面において一部が侵入した状態で強固に接合される。
実施例
[0083]
<成形>
 以下の実施例、比較例では、予備発泡倍数が30倍(0.033g/cm )の、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂の複合樹脂を含む発泡樹脂粒子(ピオセラン(登録商標):POOP-30ELV、積水化成品工業社製)を用いた。
[0084]
 前記発泡樹脂粒子を用いて発泡樹脂成形体を型内発泡成形により製造した。型内発泡成形には、各辺の寸法が400mm×300mm×30mmの直方体のキャビティ101を有する成形型100を備えた発泡成形機160を用いた。
[0085]
 図16を参照して発泡成形機160について説明する。発泡成形機160が備える成形型100は雌型111と雄型112を突き合わせて構成され、両型111、112間に形成されるキャビティ101に発泡樹脂粒子が導入される。可動型である雄型112は左右に移動するが、雌型111が移動してもよい。
[0086]
 雌型111の外側は第1外壁171で囲われ、雌型111の外側と第1外壁171との間に、加熱蒸気が導入される第1加熱室163が形成されている。同様に、雄型112の外側は第2外壁172で囲われ、雄型112の外側と第2外壁172との間に、加熱蒸気が導入される第2加熱室164が形成されている。第1加熱室163は第1蒸気導入筒165と蒸気が排出される第1ドレン弁166を、第2加熱室164は第2蒸気導入筒167と蒸気が排出される第2ドレン弁168をそれぞれ備える。キャビティ101内へは、供給筒169から発泡樹脂粒子が供給される。
[0087]
 雌型111、雄型112には、図示しないが、蒸気が通過することができる微小な蒸気孔(図4における蒸気孔103に相当する)が開設されており、該蒸気孔の径は発泡樹脂粒子の径よりも小さく、発泡樹脂粒子は蒸気孔から脱落しない。
[0088]
 この発泡成形機160を用いる型内発泡成形では、「金型加熱」、「一方加熱」、「逆一方加熱」、「両面加熱」の4工程を行う。
[0089]
 「金型加熱」は、成形開始前に冷えている成形型100を暖める目的で、第1,第2ドレン弁166,168はそれぞれ開いた状態で、第1,第2蒸気導入筒165,167からそれぞれ第1,第2加熱室163,164に加熱蒸気を導入する工程である。この工程では、第1,第2加熱室163,164に入った蒸気は成形型100を暖めるとともに成形型100内の余分な空気を排除し、第1,第2ドレン弁166,168から排出される。
[0090]
 「一方加熱」では、第1ドレン弁166を閉じ、第2ドレン弁168を開いた状態で、第1蒸気導入筒165から第1加熱室163に加熱蒸気を導入する。この工程では、加熱蒸気はキャビティ101内の発泡成形体を加熱した後に、第2ドレン弁168から排出される。
[0091]
 「一方加熱」の次の工程として「逆一方加熱」を行う。「逆一方加熱」では、第2ドレン弁168を閉じ、第1ドレン弁166を開いた状態で、第2蒸気導入筒167から第2加熱室164に加熱蒸気を導入する。この工程では、加熱蒸気はキャビティ101内の発泡成形体を第2加熱室164側から加熱する。
[0092]
 「逆一方加熱」の次の工程として「両面加熱」を行う。「両面加熱」では、第1,第2ドレン弁166,168を閉じた状態で、第1,第2蒸気導入筒165,167から加熱蒸気を第1、第2加熱室163,164に導入する。この工程では、加熱蒸気は、キャビティ101内の発泡成形体を加熱して、発泡成形体の表面の延びを促進する。
[0093]
 発泡成形機160を用い、予備発泡倍数が30倍の上記の発泡樹脂粒子をキャビティ101に充填し、0.08mPaの蒸気圧の蒸気を用い、金型加熱、一方加熱、逆一方加熱、両面加熱の各工程をこの順に行った後、冷却し脱型して、発泡樹脂成形体を取り出した。各工程の時間を表1に示すように調節して、表面伸び率、第1融着率及び第2融着率の異なる実施例、比較例の発泡樹脂成形体を形成した。表1に示す各数値は各工程の処理時間(秒)を示す。
[0094]
[表1]


[0095]
 得られた各実施例、比較例の発泡樹脂成形体の実発泡倍数は29.8倍であった。
[0096]
<成形体の分析>
 各発泡樹脂成形体の表面伸び率、第1融着率、第2融着率、剥離強度、圧縮強度をそれぞれ測定した。
[0097]
表面伸び率の測定:
 各発泡樹脂成形体の2つの主面のうちのいずれか一方の表面を、走査型電子顕微鏡:SEM-EDS(S-3400N)(日立+堀場製作所)を用いて観察し、観察像を画像処理して表面伸び率を測定した。具体的には、走査型電子顕微鏡で得られた1×1cmの画像に、表面が伸びていない箇所を手動でマーキングし、表面伸び有無を白黒でコントラストをつけ、画像処理ソフトNS2K-Pro(ナノシステム社製)を用いて面積率を自動算出することにより表面伸び率を測定した。
[0098]
第1融着率の測定:
 各発泡樹脂成形体を二分割し、断面の断面積1cm に対する、発泡樹脂粒子の面積の割合を求めた。
  第1融着率=(発泡樹脂粒子の断面面積/1cm )×100
第2融着率の測定:
 各発泡樹脂成形体を手で二分割し、破断面に現れる発泡粒子について、100~150個の任意の範囲について粒子内で破断している粒子の数(a)と粒子同士の界面で破断している粒子の数(b)とを数え、結果を、式[(a)/((a)+(b))]×100に代入して得られた値を第2融着率(%)とした。発泡樹脂成形体の二分割は、発泡樹脂成形体の一方の主面の中心に沿って長手方向にカッターナイフで深さ約5mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って発泡樹脂成形体を手で二分割することにより行った。
[0099]
剥離強度の測定:
 発泡ウレタン原液として、ヘンケルジャパン(ドフィックスduffix)シスタM5230を用いた。成形後2週間経過した各発泡樹脂成形体の2つの主面のうちのいずれか一方の面上に、前記発泡ウレタン原液を塗布し、72時間待ち、厚さ20mm、100mm×20mmの正方形状の発泡ウレタン層を形成した。発泡ウレタン層が形成された発泡樹脂成形体をクランプで固定し、発泡ウレタン層の一端を、剥離強度測定機器のアームにより把持し、発泡ウレタン層が形成された面に対して垂直方向に、200mm/分の速度で発泡ウレタン層を引きはがしたときの剥離強度を測定した。測定は23℃、湿度50%の条件下で行った。
[0100]
圧縮強度の測定:
 各発泡樹脂成形体の圧縮強度をISO844に準拠した方法により測定した。
[0101]
<結果>
 実施例1~3及び比較例1~4の発泡樹脂成形体の分析結果を表2に示す。
[0102]
[表2]


[0103]
 表面伸び率が40%の実施例1の発泡樹脂成形体、52%の実施例2の発泡樹脂成形体、及び、85%の実施例3の発泡樹脂成形体は、それぞれ、剥離強度が15.1N、13.7N、11.1Nという十分に高い値であり、積層された発泡ウレタン層を強固に保持することができることが確認された。また、表面伸び率が40%の実施例1の発泡樹脂成形体、52%の実施例2の発泡樹脂成形体、及び、85%の実施例3の発泡樹脂成形体は、それぞれ、第2融着率が64%、72%、88%と高く、これに伴い、圧縮強度がそれぞれ180kPa、185kPa、197kPaという十分に高い値であり、車両用シート芯材としての必要強度を満足するものであった。
[0104]
 一方、表面伸び率が35%の比較例1の発泡樹脂成形体は、剥離強度は15.3Nという高い値であったが、第2融着率(25%)が非常に低く、圧縮強度が151kPaという小さい値であった。このため、比較例1の発泡樹脂成形体は車両用シート芯材としての必要強度を満足しないものであった。
[0105]
 表面伸び率が89%の比較例2の発泡樹脂成形体、表面伸び率が95%の比較例3の発泡樹脂成形体、及び表面伸び率が99%の比較例4の発泡樹脂成形体は、それぞれ剥離強度が9.1N、8.0N、7.4Nという小さい値であった。このような剥離強度を示す比較例2、比較例3及び比較例4の発泡樹脂成形体は、積層された発泡ウレタン層を強固に保持することができない懸念がある。

符号の説明

[0106]
1:車両用シートパッド、10:車両用シート芯材、20:発泡樹脂成形体、20A:発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合される表面、20B:発泡樹脂成形体20の、クッション材40が接合されない表面、20c:所定の表面伸び率の領域、20X:成形型100に応じた仮想面、20Y:発泡樹脂成形体20の、仮想面20X上の表面、21:発泡樹脂粒子、30:フレーム材、40:クッション材、41:発泡硬化によりクッション材40を形成する樹脂原液、100:成形型、101:成形型100のキャビティ、120:凸条部、120H:凸条部120の高さ、120P:凸条部120間のピッチ、130:シートパッド用成形型、131:シートパッド用成形型130のキャビティ
 本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

請求の範囲

[請求項1]
 クッション材と一体化されて車両用シートパッドを形成するための、車両用シート芯材であって、
 成形型のキャビティ内に複数の発泡樹脂粒子を充填し型内発泡成形した発泡樹脂成形体を含み、
 前記発泡樹脂成形体の、前記車両用シートパッドを形成する際に前記クッション材が接合される表面の少なくとも一部の領域が、前記領域に含まれる前記発泡樹脂成形体の、前記成形型に応じた仮想面の面積に対する、前記仮想面上の表面の面積の割合である表面伸び率が40~85%の領域であり、
 前記発泡樹脂成形体の、前記発泡樹脂成形体を切断した時の断面の断面積に対する、発泡樹脂粒子の面積の割合である第1融着率が95%以上であることを特徴とする、車両用シート芯材。
[請求項2]
 クッション材と一体化されて車両用シートパッドを形成するための、車両用シート芯材であって、
 成形型のキャビティ内に複数の発泡樹脂粒子を充填し型内発泡成形した発泡樹脂成形体を含み、
 前記発泡樹脂成形体の、前記車両用シートパッドを形成する際に前記クッション材が接合される表面の少なくとも一部の領域が、前記領域に含まれる前記発泡樹脂成形体の、前記成形型に応じた仮想面の面積に対する、前記仮想面上の表面の面積の割合である表面伸び率が40~85%の領域であり、
 前記発泡樹脂成形体の、前記発泡樹脂成形体を割ったときの破断面上に現れる、発泡樹脂粒子の総数に対する、粒子の内部で破断している発泡樹脂粒子の数の割合である第2融着率が60%以上であることを特徴とする、車両用シート芯材。
[請求項3]
 前記領域の前記表面伸び率が60~85%である、請求項1又は2に記載の車両用シート芯材。
[請求項4]
 前記発泡樹脂成形体の、前記車両用シートパッドを形成する際に前記クッション材が接合されない表面の少なくとも一部の領域が、前記表面伸び率が90%以上の領域である、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用シート芯材。
[請求項5]
 前記発泡樹脂成形体の、前記車両用シートパッドを形成する際に前記クッション材が接合される表面の一部に、高さ40μm以上の、複数の突出部が形成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用シート芯材。
[請求項6]
 前記複数の突出部が、複数の凸条部であり、
 前記複数の凸条部間のピッチが0.8~1.5mmである、請求項5に記載の車両用シート芯材。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれか1項に記載の車両用シート芯材、及び
 前記車両用シート芯材の前記発泡樹脂成形体に接合して、前記車両用シート芯材と一体化されたクッション材
を含む車両用シートパッド。
[請求項8]
 前記クッション材が、前記発泡樹脂成形体と接合する部分において、前記発泡樹脂成形体内に侵入している、請求項7に記載の車両用シートパッド。
[請求項9]
 車両用シートパッドの製造方法であって、
 請求項1~6のいずれか1項に記載の車両用シート芯材を、前記車両用シートパッドに対応する形状のキャビティが形成されたシートパッド用成形型のキャビティ内に収容すること、及び、
 前記車両用シート芯材が収容されたシートパッド用成形型のキャビティ内に、発泡硬化によりクッション材を形成する樹脂原液を充填し、発泡硬化させて、クッション材を形成すること
を含む方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]