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1. (WO2019026260) DISPOSITIF, PROCÉDÉ ET PROGRAMME D'ÉVALUATION
Document

明 細 書

発明の名称 評価装置、評価方法および評価プログラム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0003   0004  

課題を解決するための手段

0005   0006   0007   0008   0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5A   5B   5C   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 評価装置、評価方法および評価プログラム

技術分野

[0001]
 本発明は、ユーザの演奏を評価する評価装置、評価方法および評価プログラムに関する。

背景技術

[0002]
 ユーザによる歌唱または楽器演奏の巧拙を評価する評価装置がある。特許文献1には、歌唱音声の採点を行うカラオケ装置が記載される。このカラオケ装置では、歌唱旋律を表すリファレンスデータにローパスフィルタ処理が施され、処理後のリファレンスデータから抽出されるリファレンス周波数と、入力された歌唱音声信号から検出される歌唱周波数とが比較されることにより、歌唱音声が採点される。
特許文献1 : 特開2005-107328号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0003]
 楽器演奏においては、曲の進行に合わせて運指を行う必要がある。ユーザの演奏技術が未熟である場合、あるいは熟練者であっても不慣れな曲を演奏する場合には、運指に迷いが生じることにより、所望の音高を適切なタイミングで発生することができないことがある。上記特許文献1のカラオケ装置では、音高の比較によって採点が行われるので、このような演奏の迷いが採点に反映されにくい。演奏の巧拙を適切に評価するためには、このような演奏の迷いについて適切に評価することが求められる。
[0004]
 本発明の目的は、演奏の巧拙を適切に評価することが可能な評価装置、評価方法および評価プログラムを提供することである。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明の一局面に従う評価装置は、参照音高の変化を含む参照曲の進行に合わせてユーザにより発生される音高をユーザ音高として順次取得する音高取得部と、取得されたユーザ音高が参照音高毎に定められた許容音高範囲に到達する時点を到達時点として取得し、参照音高毎に、参照音高のノート開始時点から到達時点までの時間を遅延時間として検出する遅延時間検出部と、検出された遅延時間に基づいて、参照音高毎にユーザの演奏の迷いの有無を判定する判定部とを備える。
[0006]
 判定部は、いずれかの参照音高のノート開始時点からノート終了時点までの時間が予め定められた下限時間よりも短い場合、当該参照音高についてユーザの演奏の迷いの有無を判定しなくてもよい。参照音高毎に判定基準時間が定められ、判定部は、遅延時間が判定基準時間よりも長い場合、ユーザの演奏に迷いがあると判定してもよい。判定部は、各参照音高のノート開始時点からノート終了時点までの時間に基づいて判定基準時間を調整してもよい。判定部は、各参照音高の高低に基づいて判定基準時間を調整してもよい。
[0007]
 評価装置は、遅延時間に基づいて、ユーザの演奏の迷いの程度を表す迷い度を算出する算出部をさらに備えてもよい。評価装置は、参照曲の伴奏音を出力する音出力部をさらに備えてもよい。
[0008]
 評価装置は、各参照音高の高低に基づいて許容音高範囲を調整する範囲調整部をさらに備えてもよい。評価装置は、取得されたユーザ音高と参照音高との差および遅延時間に基づいて、参照音高毎に演奏の評価を表す演奏評価値を算出する演奏評価部をさらに備えてもよい。評価装置は、判定部による判定結果を提示する提示部をさらに備えてもよい。提示部は、参照音高の変化を表示するとともに参照音高毎に判定結果を表示してもよい。
[0009]
 本発明の他の局面に従う評価方法は、参照音高の変化を含む参照曲の進行に合わせてユーザにより発生される音高をユーザ音高として順次取得するステップと、取得されたユーザ音高が参照音高毎に定められた許容音高範囲に到達する時点を到達時点として取得し、参照音高毎に、ノート開始時点から到達時点までの時間を遅延時間として検出するステップと、取得された遅延時間に基づいて、参照音高毎にユーザの演奏の迷いの有無を判定するステップとを含む。
[0010]
 本発明のさらに他の局面に従う評価プログラムは、参照音高の変化を含む参照曲の進行に合わせてユーザにより発生される音高をユーザ音高として順次取得するステップと、取得されたユーザ音高が参照音高毎に定められた許容音高範囲に到達する時点を到達時点として取得し、参照音高毎に、ノート開始時点から到達時点までの時間を遅延時間として検出するステップと、取得された遅延時間に基づいて、参照音高毎にユーザの演奏の迷いの有無を判定するステップとを、コンピュータに実行させるためのものである。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、演奏の巧拙を適切に評価することができる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 図1は本発明の実施の形態に係る評価装置の構成を示すブロック図である。
[図2] 図2は図1の評価装置の機能的な構成を示すブロック図である。
[図3] 図3は迷い判定の一例について説明するための図である。
[図4] 図4は迷い判定の他の例について説明するための図である。
[図5A] 図5Aは許容音高範囲の調整例について説明するための図である。
[図5B] 図5Bは許容音高範囲の調整例について説明するための図である。
[図5C] 図5Cは許容音高範囲の調整例について説明するための図である。
[図6] 図6は迷い度の算出例について説明するための図である。
[図7] 図7は図6の提示部による提示例を示す図である。
[図8] 図8は図2の各機能部による評価処理の一例を示すフローチャートである。
[図9] 図9は迷い判定処理の一例を示すフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明の実施の形態に係る評価装置、評価方法および評価プログラムについて図面を用いて詳細に説明する。
[0014]
 [1]評価装置の構成
 図1は本発明の実施の形態に係る評価装置の構成を示すブロック図である。図1の評価装置100は、音入力部1、操作部4および表示部6を備える。音入力部1、操作部4および表示部6は、バス19に接続される。音入力部1は、マイクロフォン、増幅器およびアナログデジタル(A/D)変換回路等を含み、ユーザにより発生される音(以下、ユーザ音)をユーザ音データとして後述のCPU11に入力する。ユーザ音は、例えば、ユーザが楽器を奏することによって発生される音である。
[0015]
 操作部4は、オンオフ操作されるスイッチ、回転操作されるロータリエンコーダ、またはスライド操作されるリニアエンコーダ等を含み、音量の調整、電源のオンオフおよび各種設定を行うために用いられる。表示部6は、例えば液晶ディスプレイを含み、演奏または設定等に関する各種情報を表示する。操作部4および表示部6の少なくとも一部がタッチパネルディスプレイにより構成されてもよい。
[0016]
 評価装置100は、RAM(ランダムアクセスメモリ)9、ROM(リードオンリメモリ)10、CPU(中央演算処理装置)11、タイマ12および記憶装置13をさらに備える。RAM9、ROM10、CPU11および記憶装置13はバス19に接続され、タイマ12はCPU11に接続される。外部記憶装置15等の外部機器が通信I/F(インタフェース)14を介してバス19に接続されてもよい。RAM9、ROM10、CPU11およびタイマ12がコンピュータを構成する。
[0017]
 RAM9は、例えば揮発性メモリからなり、CPU11の作業領域として用いられるとともに、各種データを一時的に記憶する。ROM10は、例えば不揮発性メモリからなり、制御プログラム、評価プログラム等のコンピュータプログラムを記憶する。CPU11は、ROM10に記憶された評価プログラムをRAM9上で実行することにより後述する評価処理を行う。タイマ12は、現在時刻等の時間情報をCPU11に与える。
[0018]
 記憶装置13は、ハードディスク、光学ディスク、磁気ディスクまたはメモリカード等の記憶媒体を含み、1または複数の参照曲に対応する1または複数の参照曲データを記憶する。参照曲データは、演奏データおよび伴奏データを含む。演奏データは、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データからなり、ユーザが演奏すべきパートである演奏パートの音高(以下、参照音高と呼ぶ。)の変化を示す。演奏データは、各参照音高のノート開始時点およびノート終了時点を含む。ノート開始時点は、参照曲中においてその参照音高の演奏が開始されるべき時間位置を表し、ノート終了時点は参照曲中においてその参照音高の演奏が終了されるべき時間位置を表す。以下、各参照音高のノート開始時点からノート終了時点までの時間をノート時間と呼ぶ。伴奏データは、演奏パート以外のパートである伴奏パートの音(以下、伴奏音と呼ぶ。)を表すデータであり、オーディオデータであってもよく、またはMIDIデータであってもよい。
[0019]
 外部記憶装置15は、記憶装置13と同様に、ハードディスク、光学ディスク、磁気ディスクまたはメモリカード等の記憶媒体を含み、参照曲データおよび評価プログラムうち少なくとも一方を記憶してもよい。
[0020]
 本実施の形態における評価プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納された形態で提供され、ROM10または記憶装置13にインストールされてもよい。また、通信I/F14が通信網に接続されている場合、通信網に接続されたサーバから配信された評価プログラムがROM10または記憶装置13にインストールされてもよい。同様に、参照曲データが、記憶媒体から取得されてもよく、通信網に接続されたサーバから取得されてもよい。
[0021]
 評価装置100は、音出力部8をさらに備える。音出力部8は、音源16およびサウンドシステム18を含む。音源16はバス19に接続され、サウンドシステム18は音源16に接続される。音源16は、伴奏音を表す楽音信号を生成する。サウンドシステム18は、デジタルアナログ(D/A)変換回路、増幅器およびスピーカを含む。サウンドシステム18は、音源16から与えられる楽音信号をアナログ音信号に変換し、アナログ音信号に基づく音を発生する。それにより、伴奏音が出力される。
[0022]
 [2]評価装置の機能的な構成
 図2は図1の評価装置100の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、評価装置100は、音高取得部51、参照音高取得部52、遅延時間検出部54、判定部56、範囲調整部57、迷い度算出部58、提示部60、演奏評価部62および伴奏制御部63を含む。音高取得部51、参照音高取得部52、遅延時間検出部54、判定部56、範囲調整部57、迷い度算出部58、提示部60、演奏評価部62および伴奏制御部63の機能は、図1のCPU11が評価プログラムを実行することにより実現される。
[0023]
 音高取得部51は、参照曲の進行に合わせてユーザにより発生された音高をユーザ音高として順次取得する。具体的には、音高取得部51は、図1の音入力部1により入力されるユーザ音データからユーザ音の周波数を一定のサンプリング周期で検出し、検出した周波数に対応する音高をユーザ音高として取得する。ユーザ音高は、例えばセント(cent)で表される。
[0024]
 参照音高取得部52は、記憶装置13に記憶される参照曲データから参照音高を順次取得する。例えば、ユーザが、参照曲データを指定し、曲の開始指示を与えると、参照音高取得部52は、参照曲データの指定を受け付け、参照曲に対する計時を開始する。参照音高取得部52による計時に基づいて、参照曲中の現在位置が特定される。現在位置とは、現時点で演奏または再生されるべき参照曲の部分をいう。参照音高取得部52は、進行中(再生中)の参照曲における現在位置が、演奏データにより示されるノート開始時点に到達すると、そのノート開始時点に対応する参照音高を取得する。
[0025]
 本例においては、参照音高毎に許容音高範囲が定められる。許容音高範囲は、対応する参照音高を含む音高の範囲である。遅延時間検出部54は、図1のタイマ12からの時間情報に基づいて、ユーザ音高が各参照音高の許容音高範囲に到達する時点を到達時点として取得し、参照音高毎に、参照音高のノート開始時点から到達時点までの時間を遅延時間として検出する。ユーザ音高が、参照音高の許容音高範囲に到達すると、ユーザによってその参照音高の音が発生されたとみなされる。
[0026]
 遅延時間検出部54は、例えば、直近に取得された一定数のユーザ音高のサンプルの平均値が許容音高範囲内である場合、または直近に取得された一定数のユーザ音高のサンプルの中央値が許容音高範囲内である場合に、ユーザ音高が許容音高範囲に到達したと判定する。あるいは、遅延時間検出部54は、直近に取得された一定数のユーザ音高のサンプルの全ての値が許容音高範囲内である場合に、ユーザ音高が許容音高範囲に到達したと判定してもよい。
[0027]
 判定部56は、検出された遅延時間に基づいて、参照音高毎にユーザの演奏の迷いの有無を判定する。具体的には、判定部56は、検出された遅延時間が予め定められた判定基準時間よりも長い場合、該当の参照音高について、ユーザの演奏に迷いがあると判定する。判定基準時間は、実時間で表されてもよく、拍数またはティックで表されてよい。以下、判定部56による迷いの有無の判定を迷い判定と呼ぶ。迷い判定の詳細については後述する。
[0028]
 範囲調整部57は、各参照音高の高低に基づいて許容音高範囲を調整する。迷い度算出部58は、遅延時間に基づいて、ユーザの演奏の迷いの程度を表す迷い度を算出する。許容音高範囲の調整および迷い度の算出方法については後述する。
[0029]
 提示部60は、判定部56による判定結果を提示する。例えば、提示部60は、図1の表示部6の画面上にユーザの演奏の迷いの有無を表示する。また、提示部60は、迷い度算出部58により算出された迷い度を提示してもよい。具体的な提示例については後述する。
[0030]
 演奏評価部62は、取得されたユーザ音高と参照音高との差および遅延時間に基づいて、参照音高毎に演奏の評価を表す演奏評価値を算出する。提示部60が、演奏評価部62により算出された演奏評価値を提示してもよい。伴奏制御部63は、記憶装置13に記憶される参照曲データに基づいて、参照曲の伴奏音の出力を制御する。具体的には、指定された参照曲データから伴奏データを取得し、その伴奏データに基づいて図1の音出力部8を制御することにより、伴奏音を出力する。
[0031]
 [3]迷い判定
 図3は、迷い判定の一例について説明するための図である。図3において、横軸は曲中の時間を表し、縦軸は音高を表す。図3には、参照音高C1,C2,C3がそれぞれ示されるとともに、参照音高C1,C2,C3の許容音高範囲R1,R2,R3がそれぞれ示される。また、ユーザ音高PUの変化が一点鎖線で示される。
[0032]
 時点t1が、参照音高C1のノート開始時点である。時点t2が、参照音高C1のノート終了時点でありかつ参照音高C2のノート開始時点である。時点t3が、参照音高C2のノート終了時点でありかつ参照音高C3のノート開始時点である。
[0033]
 本例では、時点t1より後の時点t1aにおいて、ユーザ音の発生が開始され、ユーザ音高PUが取得される。時点1aでのユーザ音高PUは、許容音高範囲R1内にある。この場合、参照音高C1における到達時点は、時点t1aであり、参照音高C1における遅延時間は、時点t1から時点t1aまでの時間T1である。
[0034]
 次に、時点t2より後の時点t2aにおいて、ユーザ音高PUが許容音高範囲R2に到達する。この場合、参照音高C2における到達時点は、時点t2aであり、参照音高C2における遅延時間は、時点t2から時点t2aまでの時間T2である。続いて、時点t3より後の時点t3aにおいて、ユーザ音高PUが許容音高範囲R3に到達する。この場合、参照音高C3における到達時点は、時点t3aであり、参照音高C3における遅延時間は、時点t3から時点t3aまでの時間T3である。
[0035]
 本例では、各参照音高に対して、一定の判定基準時間TA(例えば、200msec)が設定される。遅延時間が判定基準時間TAよりも長い場合、該当の参照音高について、ユーザの演奏に迷いがあると判定される。具体的には、参照音高C1における遅延時間T1および参照音高C3における遅延時間T3は、判定基準時間TAよりも長い。そのため、参照音高C1,C3については、ユーザの演奏に迷いがあると判定される。一方、参照音高C2における遅延時間T2は、判定基準時間TA以下である。そのため、参照音高C2については、ユーザの演奏に迷いがないと判定される。
[0036]
 図4は、迷い判定の他の例について説明するための図である。図4の例について、図3の例と異なる点を説明する。図4には、参照音高C4,C5,C6がそれぞれ示されるとともに、参照音高C4,C5,C6の許容音高範囲R4,R5,R6がそれぞれ示される。
[0037]
 時点t4が、参照音高C4のノート開始時点である。時点t5が、参照音高C4のノート終了時点でありかつ参照音高C5のノート開始時点である。時点t6が、参照音高C5のノート終了時点でありかつ参照音高C6のノート開始時点である。時点t7が、参照音高C6のノート終了時点である。
[0038]
 本例では、参照音高のノート開始時点からノート終了時点までの時間(ノート時間)が予め定められた下限時間LTよりも短い場合、その参照音高について、迷い判定が行われない。具体的には、参照音高C4のノート時間N4および参照音高C6のノート時間N6は、下限時間LT以上である。それにより、参照音高C4,C6については、図3の例と同様に、迷い判定が行われる。この場合、参照音高C4,C6における遅延時間T4,T6は、判定基準時間TAより長いので、参照音高C4,C6については、ユーザの演奏に迷いがあると判定される。一方、参照音高C5のノート時間N5は、下限時間LTよりも短い。そのため、参照音高C5については、迷い判定が行われない。
[0039]
 参照音高のノート時間が短い場合には、ユーザの演奏に迷いがない場合でも、到達時点がノート開始時点からずれやすい。そのため、遅延時間が、実際の迷いの有無を表していない可能性がある。そこで、参照音高のノート時間が短い場合には迷い判定を行わないことにより、実際には迷いがないにも関わらず迷いがあると判定されることが防止される。それにより、迷い判定の信頼性が高まる。
[0040]
 参照音高のノート開始時点よりも前にユーザ音高がその参照音高の許容音高範囲に到達した場合には、その参照音高について迷い判定が行われなくてもよい。あるいは、到達時点からその参照音高のノート開始時点までの時間が一定の範囲内であれば、その参照音高について迷いがないと判定されてもよい。また、一の参照音高が他の参照音高の装飾音符に対応する場合、他の参照音高については、ノート開始時点と到達時点とがずれやすい。そのため、当該他の参照音高については、迷い判定が行われなくてもよい。
[0041]
 図3および図4の例では、各参照音高に対して一定の判定基準時間TAが設定されるが、図2の判定部56が、各参照音高のノート時間に基づいて判定基準時間を調整してもよい。上記のように、参照音高のノート時間が短い場合には、演奏に迷いがない場合でも、演奏に遅延が生じやすい。ユーザによっては、このような遅延が生じた箇所を正確に把握し、その箇所を集中的に練習したい場合がある。
[0042]
 そこで、ノート時間が短いほど判定基準時間が短くなるように、判定基準時間が調整されてもよい。例えば、判定基準時間として第1の値とその第1の値よりも短い第2の値とが用意され、ノート時間が一定のしきい値以上である場合には第1の値が選択され、ノート時間が予め定められたしきい値よりも小さい場合には第2の値が選択されてもよい。この場合、遅延時間が同じであっても、ノート時間が短い場合にはノート時間が長い場合に比べて、演奏に迷いがあると判定されやすい。そのため、ユーザは、ノート時間が短く、演奏に遅延が生じやすい箇所を容易に把握することができ、その箇所を集中的に練習することができる。それにより、ユーザの演奏技術を効果的に高めることができる。
[0043]
 また、楽器の特性により、音高によって音の発生タイミングが遅くなる場合がある。例えば、管楽器では、低音を発生しにくいため、低音の発生タイミングが遅くなりやすい。そのため、参照音高が低い場合、ユーザの演奏に迷いがなくても、遅延時間が長くなりやすく、演奏に迷いがあると判定される可能性がある。そこで、図2の判定部56は、各参照音高の高低に基づいて、判定基準時間を調整してもよい。具体的には、参照音高が低いほど判定基準時間が長くなるように、判定基準時間が調整されてもよい。例えば、判定基準時間として第3の値とその第3の値よりも長い第4の値とが用意され、参照音高が予め定められたしきい値以上である場合には第3の値が選択され、参照音高がしきい値より低い場合には第4の値が選択されてもよい。この場合、ユーザの演奏に迷いがないにも関わらず、楽器の特性に起因して演奏に迷いがあると判定されることが防止される。
[0044]
 また、楽器によって音の発生しやすさは異なるので、楽器によって判定基準時間が調整されてもよい。例えば、複数の楽器にそれぞれ対応する複数の判定基準時間が用意され、ユーザが図1の操作部4を操作して楽器を指定すると、判定部56が、指定された楽器に対応する判定基準時間を設定してもよい。さらには、楽器毎に、参照音高の高低に基づいて判定基準時間が調整されてもよい。
[0045]
 [4]許容音高範囲の調整
 ユーザが奏する楽器の特性によって、ユーザ音高に一定の傾向が現れることがある。例えば、B♭管のクラリネットでは、低音側の“F”および“G”が、基準の音高(例えば平均律の音高)よりも低くなりやすい。この場合、ユーザの運指が“F”または“G”に対応している場合でも、ユーザ音高が“F”または“G”の許容音高範囲の下限値よりも低くなり、到達時点を適切に取得することができない可能性がある。そこで、図2の範囲調整部57は、ユーザが奏する楽器の特性に応じて、各参照音高の許容音高範囲を調整してもよい。例えば、複数の楽器について、参照音高と許容音高範囲との関係を表す範囲調整テーブルが用意される。ユーザが図1の操作部4を操作して楽器を指定すると、範囲調整部57が、指定された楽器の範囲調整テーブルに基づいて、各参照音高の許容音高範囲を調整する。
[0046]
 図5A~図5Cは、許容音高範囲の調整例について説明するための図である。図5A~図5Cには、参照音高C10について設定された許容音高範囲R10の例が示される。図5A~図5Cの例において、許容音高範囲R10の上限値(上限の音高)はH10であり、許容音高範囲R10の下限値(下限の音高)はL10である。
[0047]
 図5Aの例では、上限値H10と参照音高C10との差分(以下、上差分と呼ぶ。)HCが、参照音高C10と下限値L10との差分(以下、下差分と呼ぶ。)LCと等しい。例えば、ユーザ音高が参照音高の基準の音高からずれにくい場合、その参照音高については、図5Aの例のように、上差分と下差分とが互いに等しく調整される。
[0048]
 図5Bの例では、上差分HCが下差分LCよりも大きい。例えば、ユーザ音高が参照音高の基準の音高よりも高くなりやすい場合、その参照音高について、図5Bの例のように、上差分が下差分より大きく調整される。図5Cの例では、下差分LCが上差分HCよりも大きい。例えば、ユーザ音高が参照音高の基準の音高よりも低くなりやすい場合、その参照音高について、図5Bの例のように、下差分が上差分より大きく調整される。
[0049]
 このようにして、参照音高毎に許容音高範囲が調整されることにより、ユーザが奏する楽器の特性によってユーザ音高が参照音高の基準の音高からずれていても、ユーザの運指が正しい場合には、ユーザ音高が許容音高範囲から外れにくい。それにより、各参照音高についての到達時点を適切に取得することができ、遅延時間を適切に検出することができる。その結果、迷い判定の信頼性が高まる。
[0050]
 [5]迷い度の算出
 図6は、迷い度の算出例について説明するための図である。図6において、横軸は一の参照音高についての遅延時間を表し、縦軸は迷い度を表す。図6の例では、迷い度基準時間TBa,TBbが設定される。迷い度基準時間TBaは、迷い度基準時間TBbよりも短い。迷い度基準時間TBaおよび迷い度基準時間TBbの一方が、判定基準時間と等しくてもよい。
[0051]
 本例では、遅延時間が長いほど、迷い度が大きくなる。具体的には、遅延時間が迷い度基準時間TBaより短い場合、迷い度が“0”となる。遅延時間が迷い度基準時間TBa以上であって迷い度基準時間TBb以下である場合、遅延時間が長くなるにつれて迷い度が線形的に増加するように、迷い度が算出される。遅延時間が迷い度基準時間TBbより長いと、迷い度が“100”となる。このようにして迷い度が算出されることにより、ユーザは、参照音高毎の迷いの程度を認識することができる。それにより、ユーザは、演奏技術を効率良く高めることができる。また、参照曲中の全ての参照音高について算出された迷い度を累積することにより、参照曲全体における迷いの程度を評価することができる。
[0052]
 ノート時間によって迷い度基準時間TBa,TBbが異なってもよい。例えば、ノート時間が短いほど迷い度基準時間TBa,TBbがそれぞれ短くてもよい。この場合、遅延時間が同じであっても、ノート時間が短いほど迷い度が高くなりやすい。
[0053]
 また、上記のように、楽器の特性によって、所定の音高範囲で遅延時間が長くなりやすい場合がある。そこで、参照音高によって迷い度基準時間TBa,TBbが異なってもよい。例えば、参照音高が低いほど迷い度基準時間TBa,TBbがそれぞれ長くてもよい。さらには、楽器毎に異なる基準時間TBa,TBbが設定されてもよい。
[0054]
 また、下式(1)または下式(2)を用いて、参照曲全体における演奏の迷いの程度を表す全体迷い度が算出されてもよい。
[0055]
 全体迷い度=(D2/D1)×100 ・・・(1)
 全体迷い度=(D3/D1)×100 ・・・(2)
 式(1)において、D1は、参照曲中の全ての参照音高の数である。D2は、参照曲中の全ての参照音高のうち、演奏に迷いがあると判定された参照音高の数である。式(1)が用いられる場合、演奏に迷いがあると判定された参照音高の数が多いほど、全体迷い度が高くなる。全ての参照音高について迷いがあると判定された場合、全体迷い度が100となる。式(2)において、D3は、全ての参照音高について算出された迷い度の累積値である。式(2)が用いられる場合、全ての参照音高における迷い度の平均値が高いほど、全体迷い度が高くなる。各参照音高についての迷い度は、例えば図6の例のように求められる。全ての参照音高について迷い度が100である場合、全体迷い度が100となる。
[0056]
 さらに、図1の演奏評価部62が、取得されたユーザ音高と参照音高との差および遅延時間に基づいて、参照音高毎に演奏の評価を表す演奏評価値を算出してもよい。例えば、参照音高毎にユーザ音高と参照音高との一致度を表す音高評価値が算出され、遅延時間に応じた係数が音高評価値に乗算されることにより、演奏評価値が算出されてもよい。係数は、例えば、0以上1以下であり、遅延時間が長いほど小さく設定される。それにより、遅延時間が長いほど演奏評価値が低くなる。
[0057]
 このようにして算出される演奏評価値は、演奏の迷いおよび音高の正確性の両方に依存する値となる。そのため、演奏評価値により、ユーザの演奏の巧拙をより正確に評価することができる。
[0058]
 [6]提示例
 図7は、図6の提示部60による提示例を示す図である。図7には、参照曲中における参照音高の変化を表す参照音高表示画面RDが示される。参照音高表示画面RDは、例えば図1の表示部6により表示される。外部装置として設けられた表示装置により参照音高表示画面RDが表示されてもよい。
[0059]
 参照音高表示画面RDはいわゆるピアノロール画面であり、横軸が曲中の時間を表し、縦軸が音高を表す。参照音高表示画面RDは、複数の音高表示子PDおよび現在位置ラインPLを含む。複数の音高表示子PDは、参照曲中の参照音高にそれぞれ対応する。横方向における各音高表示子PDの位置および長さが、対応する参照音高の位置およびノート時間をそれぞれ表し、縦方向における各音高表示子PDの位置が、対応する参照音高の高低を表す。
[0060]
 現在位置ラインPLは、参照曲中の現在位置を表す。参照曲の進行に伴い、参照音高表示画面RDが左方にスクロールすることにより、複数の音高表示子PDが順次現在位置ラインPLを通過する。各音高表示子PDの左端部が現在位置ラインPLを通過するときに、その音高表示子PDに対応する参照音高のノート開始時点が到来し、各音高表示子PDの右端部が現在位置ラインPLを通過するときに、その音高表示子PDに対応する参照音高のノート終了時点が到来する。
[0061]
 各音高表示子PDには、対応する参照音高の許容音高範囲にユーザ音高が到達する前と後とで、異なる色が付される。図7においては、ユーザ音高が許容音高範囲に到達した後の音高表示子PDの部分にハッチングが付される。これにより、ユーザは、各参照音高についての遅延時間を視覚的に認識することができる。
[0062]
 また、遅延時間が判定基準時間より長い場合、すなわち、演奏に迷いがあると判定された場合、対象の参照音高に対応する音高表示子PDと隣り合う位置に、迷いマークDMが表示される。図7の例では、演奏に迷いがあると判定された参照音高に対応する音高表示子PDの上に迷いマークDMとして“?”が表示される。表示のタイミングは、例えば、ユーザ音高が対象の参照音高の許容音高範囲に到達した時点(到達時点)、あるいは対象の参照音高のノート終了時点である。これにより、ユーザは、参照曲の進行とともにリアルタイムで参照音高毎に演奏に迷いがあったか否かを視覚的に認識することができる。
[0063]
 迷いマークDMの代わりに、または迷いマークDMに加えて、判定結果を表す文字列が表示されてもよい。また、演奏に迷いがあることだけでなく、演奏に迷いがないことが提示されてもよい。例えば、演奏に迷いがない場合には、対象の参照音高に対応する音高表示子PDと隣り合う位置に、“OK”等の文字列が表示されてもよい。また、参照音高毎に算出される迷い度が、参照音高表示画面RD上に表示されてもよい。例えば、各音高表示子PDと隣り合う位置に、対応する参照音高について算出された迷い度が表示されてもよい。また、現時点での迷い度の累積値が参照音高表示画面RDに表示されてもよく、参照曲の終了時に、迷い度の累積値または全体迷い度が参照音高表示画面RDに表示されてもよい。
[0064]
 [7]評価処理
 次に、本実施の形態に係る評価方法による評価処理について説明する。図8は、図2の各機能部による評価処理の一例を示すフローチャートである。図8の評価処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された評価プログラムを実行することにより行われる。
[0065]
 まず、ユーザが、図1の操作部4を操作して参照曲データを指定すると、参照音高取得部52が、参照曲データの指定を受け付ける(ステップS1)。次に、参照音高取得部52は、参照曲の開始が指示されたか否かを判定する(ステップS2)。例えば、操作部4が開始ボタンを含み、ユーザが開始ボタンを操作すると、参照曲の開始が指示される。参照曲の開始が指示されるまで参照音高取得部52は、ステップS2を繰り返す。参照曲の開始が指示されると、参照音高取得部52は、図1のタイマ12による計時を開始する(ステップS3)。これにより、予め設定されたテンポで参照曲中の現在位置が進行する。
[0066]
 続いて、伴奏制御部63が、指定された参照曲データに含まれる伴奏データに基づいて、音出力部8からの伴奏音の出力を開始する(ステップS4)。また、参照音高取得部52が、指定された参照曲データに含まれる演奏データから参照音高の取得を開始する(ステップS5)。さらに、音高取得部51が、入力されるユーザ音データからユーザ音高の取得を開始する(ステップS6)。
[0067]
 続いて、図2の遅延時間検出部54および判定部56が、迷い判定処理を行う(ステップS7)。迷い判定処理では、各参照音高について、演奏の迷いの有無が判定されるとともに、迷い度が算出される。迷い判定処理の詳細については後述する。続いて、提示部60が、ステップS7の迷い判定処理において、参照曲中の現在位置に対応する参照音高について演奏に迷いがあると判定されたか否かを判定する(ステップS8)。迷いがあると判定された場合、提示部60は、演奏に迷いがあることを提示する(ステップS9)。例えば、図7の例のように、提示部60は、参照音高表示画面RD上に迷いマークDMを表示する。また、迷いマークDMに加えて、または迷いマークDMの代わりに、迷い判定処理で算出された迷い度が表示されてもよい。迷いがないと判定された場合、ステップS9がスキップされる。
[0068]
 次に、参照音高取得部52は、参照曲の進行を停止すべきか否かを判定する(ステップS10)。例えば、操作部4が停止ボタンを含み、ユーザが停止ボタンを操作した場合に、参照音高取得部52は、参照曲の進行を停止すべきであると判定する。あるいは、参照曲中の現在位置が、参照曲の終了位置に達すると、参照音高取得部52は、参照曲の進行を停止すべきであると判定する。
[0069]
 参照曲の進行を停止すべき場合、参照音高取得部52が、参照音高の取得を停止するとともに(ステップS11)、伴奏制御部63が、伴奏音の出力が停止されるように消音処理を行う(ステップS12)。また、迷い度算出部58が、ステップS7の迷い判定処理において得られる迷い度の累積値を算出し、算出した累積値を図1の表示部6の画面上に表示する(ステップS13)。迷い度の累積値の代わりに、上式(1)または上式(2)で表される全体迷い度が表示されてもよい。これにより、評価処理が終了する。
[0070]
 図9は、ステップS7の迷い判定処理の一例を示すフローチャートである。図8のステップS7~S10の処理は、予め定められた一定の周期(以下、迷い判定周期と呼ぶ。)で繰り返される。そのため、図9の迷い判定処理は、迷い判定周期で行われる。迷い判定周期は、例えば、ユーザ音高のサンプリング周期と一致する。
[0071]
 本例では、ノート状態値、迷い状態値、遅延カウント値、ノートカウント値および最新遅延時間が図1のRAM9に記憶される。ノート状態値は、参照曲中の現在位置における参照音高の状態を表す。参照曲中の現在位置に、いずれかの参照音高が位置するとき、ノート状態値が“1”に設定され、参照曲中の現在位置に、いずれの参照音高も位置しないとき、ノート状態値が“0”に設定される。迷い状態値は、ユーザ音高が許容音高範囲に到達しているか否かを表すとともに、ユーザ音高が許容音高範囲に到達している場合には、遅延時間に対応するカウント値を表す。ユーザ音高が許容音高範囲に到達していない場合、迷い状態値が“-1”に設定され、ユーザ音高が許容音高範囲に到達している場合、迷い状態値は、遅延時間に対応するカウント値に設定される。遅延カウント値およびノートカウント値は、参照音高のノート開始時点からの経過時間に対応するカウント値を表す。遅延カウント値に基づいて遅延時間が算出され、ノートカウント値に基づいてノート時間が算出される。最新遅延時間は、直前の参照音高についての遅延時間を表す。
[0072]
 図9の例において、遅延時間検出部54は、参照曲中の現在位置が、いずれかの参照音高のノート終了時点であるか否かを判定する(ステップS21)。参照曲中の現在位置がノート終了時点でない場合、遅延時間検出部54は、ノート状態値が“1”であるか否かを判定する(ステップS22)。現在位置がいずれかの参照音高のノート開始位置とノート終了位置との間にあるとき、ノート状態値は“1”である。現在位置にいずれの参照音高も位置しないとき、ノート状態値は、“0”である。
[0073]
 ノート状態値が“1”でない場合、すなわちノート状態値が“0”である場合、遅延時間検出部54は、参照曲中の現在位置がいずれかの参照音高のノート開始時点であるか否かを判定する(ステップS23)。参照曲中の現在位置がノート開始時点である場合、遅延時間検出部24は、ノート開始設定を行う(ステップS24)。具体的には、遅延時間検出部24は、ノート状態値を“0”から“1”に書き換え、迷い状態値を“-1”にリセットし、遅延カウント値、ノートカウント値および最新遅延時間をそれぞれ“0”にリセットする。ステップS23において、参照曲中の現在位置がノート開始時点でない場合、遅延時間検出部24は、ノート状態値を“0”に維持し、処理を終了する。
[0074]
 ステップS22において、ノート状態値が“1”である場合、遅延時間検出部54は、迷い状態値が“0以上”であるか否かを判定する(ステップS25)。ユーザ音高が、現在位置に対応する参照音高の許容音高範囲に既に到達している場合、迷い状態値は“0以上”である。一方、ユーザ音高が、現在位置に対応する参照音高の許容音高範囲に到達していない場合、迷い状態値は“-1”である。
[0075]
 迷い状態値が“0以上”でない場合、すなわち迷い状態値が“-1”である場合、遅延時間検出部54は、ユーザ音高が許容音高範囲に到達したか否かを判定する(ステップS26)。ユーザ音高が許容音高範囲に到達していない場合、遅延時間検出部54は、遅延カウント値に1を加算する(ステップS27)。この場合、ユーザ音高が許容音高範囲に到達するまで、毎回の迷い判定処理で遅延カウント値に1が加算される。すなわち、迷い判定周期で遅延カウント値が1ずつ上昇する。続いて、遅延時間検出部54は、ノートカウント値に1を加算し(ステップS28)し、処理を終了する。この場合、ステップS21で現在位置が参照音高のノート終了時点に到達するまで、毎回の迷い判定処理でノートカウント値に1が加算される。すなわち、迷い判定周期でノートカウント値が1ずつ上昇する。
[0076]
 ステップS26において、ユーザ音高が許容音高範囲に到達すると、遅延時間検出部54は、迷い状態値をその時点での遅延カウント値に設定する(ステップS29)。続いて、遅延時間検出部54は、ステップS29で設定した迷い状態値に基づいて遅延時間を算出し、最新遅延時間を算出された値に更新する(ステップS30)。具体的には、迷い判定周期に迷い状態値を乗ずることにより遅延時間を算出することができる。その後、遅延時間検出部54は、ステップS28に進み、ノートカウント値に1を加算する。
[0077]
 ステップS25において、迷い状態値が“0以上”である場合、遅延時間は既に算出済みである。その場合、遅延時間検出部54は、ステップS28に進み、ノートカウント値に1を加算する。
[0078]
 ステップS21において、参照曲中の現在位置がノート終了時点である場合、遅延時間検出部54は、ノート状態値を“1”から“0”に書き換える(ステップS31)。次に、判定部56は、迷い状態値が“0以上”であるか否かを判定する(ステップS32)。直前の参照音高について、ユーザ音高が許容音高範囲に到達した場合、迷い状態値は“0以上”である。一方、ユーザ音高が許容音高範囲に到達しなかった場合、あるいはユーザ音高が取得されなかった場合(ユーザ音が入力されなかった場合)、迷い状態値は“-1”である。
[0079]
 迷い状態値が“0以上”でない場合、すなわち迷い状態値が“-1”である場合、判定部56は、直前の参照音高について、演奏に迷いがないと判定し(ステップS33)、処理を終了する。ステップS32において、迷い状態値が“0以上”である場合、判定部56は、最新遅延時間(直前の参照音高についてステップS30で算出された遅延時間)が判定基準時間よりも長いか否かを判定する(ステップS34)。最新遅延時間が判定基準時間よりも長い場合、判定部56は、直前の参照音高について、演奏に迷いがあると判定する(ステップS35)。次に、迷い度算出部58が、直前の参照音高について、最新遅延時間に基づいて、迷い度を算出し(ステップS36)、処理を終了する。ステップS34において、最新遅延時間が判定基準時間以下である場合、判定部56は、直前の参照音高について、演奏に迷いがないと判定し(ステップS37)、ステップS36に進む。
[0080]
 [6]実施の形態の効果
 本実施の形態に係る評価装置100においては、参照曲の進行とともにユーザ音高が順次取得され、参照音高毎にユーザ音高が許容音高範囲に到達する時点が到達時点として取得される。また、参照音高毎にノート開始時点から到達時点までの時間が遅延時間として検出され、検出された遅延時間に基づいて、参照音高毎にユーザの演奏の迷いの有無が判定される。これにより、参照曲の進行とともに、リアルタイムで参照音毎に演奏の迷いの有無を判定することができる。それにより、ユーザの演奏の巧拙を適切に評価することができる。また、ユーザは、演奏を行いつつリアルタイムで演奏の迷いの有無を認識することができる。それにより、ユーザは、演奏技術を効率よく高めることができる。
[0081]
 [7]他の実施の形態
 上記実施の形態では、参照曲の進行に合わせて音出力部8から参照曲の伴奏音が出力されるが、外部装置として設けられた音出力装置により参照曲の伴奏音が出力されてもよい。あるいは、伴奏音の出力の有無をユーザが切替可能であってもよい。
[0082]
 上記実施の形態では、迷い判定の結果が表示部6により表示されるが、他の態様で迷い判定の結果が提示されてもよい。例えば、迷い判定の結果を提示する提示ランプが設けられてもよい。その場合、提示ランプにより発せられる光の色または光の点滅速度等を制御することにより、判定結果を提示することができる。また、モータおよびコンプレッサー等から構成される判定ロボットが用いられてもよい。その場合、判定ロボットの動作を制御することにより、判定結果を提示することができる。あるいは、判定結果が用紙に印刷されてもよく、判定結果がローカルエリアネットワークまたは通信網を介してサーバ等の外部装置に送信されてもよい。さらに、音出力部8または外部装置から出力される音声によって判定結果が提示されてもよい。同様にして、迷い度、全体迷い度および演奏評価値の少なくとも一つが、光、音声、ロボットの動作、外部装置への送信、印刷等によって提示されてもよい。
[0083]
 上記実施の形態では、図2の各機能部がCPU11等のハードウェアおよび評価プログラム等のソフトウェアにより実現されるが、これらの機能部が電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
[0084]
 評価装置100は、電子鍵盤楽器等の電子楽器に適用されてもよく、パーソナルコンピュータ、スマートフォンまたはタブレット端末等の他の電子機器に適用されてもよい。

請求の範囲

[請求項1]
参照音高の変化を含む参照曲の進行に合わせてユーザにより発生される音高をユーザ音高として順次取得する音高取得部と、
 取得されたユーザ音高が参照音高毎に定められた許容音高範囲に到達する時点を到達時点として取得し、参照音高毎に、参照音高のノート開始時点から前記到達時点までの時間を遅延時間として検出する遅延時間検出部と、
 検出された遅延時間に基づいて、参照音高毎にユーザの演奏の迷いの有無を判定する判定部とを備える、評価装置。
[請求項2]
前記判定部は、いずれかの参照音高のノート開始時点からノート終了時点までの時間が予め定められた下限時間よりも短い場合、当該参照音高についてユーザの演奏の迷いの有無を判定しない、請求項1記載の評価装置。
[請求項3]
参照音高毎に判定基準時間が定められ、
 前記判定部は、前記遅延時間が前記判定基準時間よりも長い場合、ユーザの演奏に迷いがあると判定する、請求項1または2記載の評価装置。
[請求項4]
前記判定部は、各参照音高のノート開始時点からノート終了時点までの時間に基づいて前記判定基準時間を調整する、請求項3記載の評価装置。
[請求項5]
前記判定部は、各参照音高の高低に基づいて前記判定基準時間を調整する、請求項3または4記載の評価装置。
[請求項6]
前記遅延時間に基づいて、ユーザの演奏の迷いの程度を表す迷い度を算出する算出部をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の評価装置。
[請求項7]
前記参照曲の伴奏音を出力する音出力部をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の評価装置。
[請求項8]
各参照音高の高低に基づいて許容音高範囲を調整する範囲調整部をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の評価装置。
[請求項9]
取得されたユーザ音高と参照音高との差および前記遅延時間に基づいて、参照音高毎に演奏の評価を表す演奏評価値を算出する演奏評価部をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の評価装置。
[請求項10]
前記判定部による判定結果を提示する提示部をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の評価装置。
[請求項11]
前記提示部は、前記参照音高の変化を表示するとともに参照音高毎に前記判定結果を表示する、請求項10記載の評価装置。
[請求項12]
参照音高の変化を含む参照曲の進行に合わせてユーザにより発生される音高をユーザ音高として順次取得するステップと、
 取得されたユーザ音高が参照音高毎に定められた許容音高範囲に到達する時点を到達時点として取得し、参照音高毎に、ノート開始時点から前記到達時点までの時間を遅延時間として検出するステップと、
 取得された遅延時間に基づいて、参照音高毎にユーザの演奏の迷いの有無を判定するステップとを含む、評価方法。
[請求項13]
参照音高の変化を含む参照曲の進行に合わせてユーザにより発生される音高をユーザ音高として順次取得するステップと、
 取得されたユーザ音高が参照音高毎に定められた許容音高範囲に到達する時点を到達時点として取得し、参照音高毎に、ノート開始時点から前記到達時点までの時間を遅延時間として検出するステップと、
 取得された遅延時間に基づいて、参照音高毎にユーザの演奏の迷いの有無を判定するステップとを、
 コンピュータに実行させるための評価プログラム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]