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1. (WO2019003985) COMPOSITION DE CIMENT EXPANSIBLE, MORTIER ET BÉTON
Document

明 細 書

発明の名称 膨張性セメント組成物、モルタル、及びコンクリート

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009  

先行技術文献

特許文献

0010  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0011   0012   0013   0014  

課題を解決するための手段

0015   0016  

発明の効果

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033  

実施例

0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

産業上の利用可能性

0053  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 膨張性セメント組成物、モルタル、及びコンクリート

技術分野

[0001]
 本発明は、膨張性セメント組成物、モルタル、及びコンクリートに関する。

背景技術

[0002]
 セメントは安価でしかも、大きなコンクリート構造物を任意の形に造れる優れた材料である。更に、セメント混和材を併用することによって、構造物の強度や耐久性、美観を向上させることが可能である。これまでにセメント混和材は数多く提案されているが、セメント・コンクリートのひび割れ低減や曲げ耐力の向上を目的として最も使用されている混和材として、コンクリートに膨張性を付与するセメント膨張材が挙げられる。ここで、コンクリートとは、セメント、モルタル及びコンクリートを総称するものである。
[0003]
 コンクリート構造物に膨張性を付与するセメント混和材としては、例えば、遊離石灰-アウイン-無水セッコウ系膨張材(特許文献1)や遊離石灰-カルシウムシリケート-無水セッコウ系膨張材(特許文献2)等がある。また、従来よりも少ない添加量でコンクリートのひび割れを低減できる高性能型膨張材も開発されている(特許文献3~6)。
[0004]
 しかしながら、更なる経済性の向上や、生コンプラント等での開袋投入作業における作業者の負担低減を目的として、従来の膨張材と同添加量で、膨張性をより向上させることができる膨張性セメント組成物が求められていた。
[0005]
 例えば特許文献7では、低添加型膨張材を低発熱型セメントに混和し、骨材と組み合わせることでスラブや壁等の構造物を構成する面部材においても、初期欠陥となる乾燥収縮に起因するひび割れを抑制または防止できることが報告されている。また、低熱ポルトランドセメントと膨張材とを組み合わせることで膨張率が大きくなることが報告されている。
[0006]
 特許文献8では、低熱ポルトランドセメント、フライアッシュ、及び膨張性組成物の混合物からなる水硬性組成物を用いることで、高い耐久性を有するセメント系の水硬性組成物が得られることが報告されている。
[0007]
 特許文献9では、中庸ポルトランドセメントとフライアッシュ、膨張性組成物の混合物からなる水硬性組成物を用いることで、低温条件及び高温条件のいずれにおいても強度の低下がなく、ひび割れが抑制された高強度コンクリートが得られることが報告されている。
[0008]
 特許文献10~12では、特定の膨張材と無機微粉末からなる混和材を用いることで、混和材の配合量が少なくても、優れた膨張性能を付与し、ポップアウト現象が防止されたセメント混和材、及びセメント組成物が得られることが報告されている。
[0009]
 特許文献13では、任意の膨張材100質量部に対して特定の無機質鉱物微粉末を50~300質量部含有する膨張性混和材を用いたコンクリートとすることで、生コンプラントにて計量誤差に鈍感な膨張性コンクリートが得られることが報告されている。

先行技術文献

特許文献

[0010]
特許文献1 : 特公昭42-21840号公報
特許文献2 : 特公昭53-31170号公報
特許文献3 : 特開平07-232944号公報
特許文献4 : 特開2002-226243号公報
特許文献5 : 特開2005-162564号公報
特許文献6 : 特開2008-239392号公報
特許文献7 : 特開2004-217514号公報
特許文献8 : 特開2009-35429号公報
特許文献9 : 特開2013-133245号公報
特許文献10 : 特開2001-322848号公報
特許文献11 : 特開2001-122650号公報
特許文献12 : 特開2001-151547号公報
特許文献13 : 特開2007-269556号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0011]
 しかしながら特許文献7には、セメントが膨張率に与える影響についての記載はなく、JISに規定されたポルトランドセメントの種類に関する記載しかない。特許文献8には、低熱ポルトランドセメントとフライアッシュ、膨張材を組み合わせることで膨張性能を助長するという記述はあるものの、膨張性能を助長するための範囲や、その効果に対する具体的な記載はない。特許文献9には、セメント組成物として中庸ポルトランドセメントやフライアッシュを用いることによる膨張量の変化に対する具体的な記載は無い。
[0012]
 特許文献10~12に記載されている無機微粉末の配合割合はいずれもセメント組成物100部中7部未満である。また、無機粉末のブレーン値や活性度が膨張量に与える影響について具体的な記載は無い。
[0013]
 特許文献13には無機粉末のブレーン値や活性度が膨張量に与える影響について具体的な記載は無い。また、特許文献13は、膨張材を無機微粉末で希釈することにより、生コンプラントの計量装置が適用可能な程に添加量の大きい膨張性混和材に関するものである。
[0014]
 以上から、本発明は、従来の膨張材と同添加量で、膨張性をより向上させることができる膨張性セメント組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0015]
 本発明者らは、上記状況を鑑み種々検討した結果、膨張材と特定量の無機微粉末およびセメントからなる膨張性セメント組成物とすることで、従来の膨張材と同添加量において、膨張性をより向上させることができる膨張性セメント組成物が得られることを知見し、本発明を完成させるに至った。
 即ち、本発明は、下記のとおりである。
[0016]
[1] セメントと膨張材と無機微粉末とを含み、前記セメントと前記膨張材と前記無機微粉末との合計100質量部に対する、前記無機微粉末の含有量が8~60質量部である膨張性セメント組成物。
[2] 材齢7日の活性度指数が8~85%である[1]に記載の膨張性セメント組成物。
[3] 該無機微粉末の粉末度が、ブレーン比表面積で3000~10000cm /gである[1]又は[2]に記載の膨張性セメント組成物。
[4] 該無機微粉末が、石灰石微粉末、フライアッシュ、珪石微粉末の1種又は2種以上である[1]~[3]のいずれかに記載の膨張性セメント組成物。
[5] 前記セメントの3CaO・SiO 含有量が60質量%以上である[1]~[4]のいずれかに膨張性セメント組成物。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の膨張性セメント組成物を用いてなるモルタル。
[7] [1]~[5]のいずれかに記載の膨張性セメント組成物を用いてなるコンクリート。

発明の効果

[0017]
 本発明によれば、従来の膨張材と同添加量で、膨張性をより向上させることができる膨張性セメント組成物を提供することができる。具体的には、従来の膨張材を使用して得られる膨張量に比べ、さらにその膨張量を1.02倍以上とすることができる。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下、本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書における「部」や「%」は、活性度指数以外、特に規定しない限り質量基準とする。
[0019]
[1.膨張性セメント組成物]
 本発明の膨張性セメント組成物(以下、単に「セメント組成物」ということがある)は、セメントと膨張材と無機微粉末とを含む。以下、詳細に説明する。
[0020]
(無機微粉末)
 本発明で使用する無機微粉末は、セメントと膨張材と無機微粉末との合計100部に対して、8~60部配合し、10~50部配合することが好ましく、20~40部配合することがさらに好ましい。8部未満では、無機微粉末の混和による膨張性能の向上が得られない場合がある。また、60部を超えると無機微粉末の混和による圧縮強度の低下が大きくなり、膨張性能の向上が得られない場合がある。
[0021]
 当該無機微粉末は、ポルトランドセメント中に含まれる鉱物の初期水和を促進するものであり、例えば、潜在水硬性を有する高炉水砕スラグ等の急冷スラグ微粉末(例えば、ブレーン値が2500~5000cm /g、好ましくは2600~3500cm /gの高炉スラグ微粉末)、フライアッシュ、シリカフューム、及びライスハスクアッシュ(籾殻灰)や、石灰石微粉末、珪石微粉末、砕石微粉末、スラグ除冷微粉末等が使用可能である。
[0022]
 無機微粉末のブレーン値は2500~10000cm /gが好ましく、3000~10000cm /gがより好ましく、5000~8000cm /gがさらに好ましい。特に3000cm /g以上であることで、無機微粉末の混和による膨張性能の向上が得られやすくなる。また、10000cm /g以下であることで、経済性と作業性の低下を防ぐことができる。
[0023]
 膨張量の向上と良好な強度を得る観点から、材齢7日の活性度指数を8~85%とすることが好ましく、20~70%であることがより好ましく、35~65%であることがさらに好ましく、35~55%であることが特に好ましい。
 なお、ここでいう活性度指数とは、無機微粉末を含まないセメントに無機微粉末と膨張材を混和した膨張性セメント組成物を用いたモルタルの7日圧縮強さを、セメントと膨張材を用いたモルタルの7日圧縮強さで割って得た比を100倍した値である。
[0024]
 上記活性度指数とする観点から、無機微粉末として、フライアッシュや石灰石微粉末、珪石微粉末を使用することが好ましい。なかでも、フライアッシュ、石灰石微粉末、及び珪石微粉末のいずれか1種、または2種以上を使用することが好ましい。
[0025]
(セメント)
 本発明のセメント組成物で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。なかでも、セメントの3CaO・SiO 含有量が60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましい。3CaO・SiO 含有量が60%以上であるセメントを用いることで、特定の無機微粉末と膨張材を混和した場合に、従来の膨張性の向上が大きくなる。また、膨張性セメント組成物を特定の活性度指数とした場合に、セメント使用量が低減可能であることから環境負荷の低減も期待される。
[0026]
(膨張材)
 本発明で使用する膨張材は特に限定されるものではなく、市販品が使用可能であり、エトリンガイト系、エトリンガイト・石灰系、石灰系等が挙げられ、エトリンガイト・石灰系膨張材がより良好な強度発現性と膨張性の観点から好ましい。具体的には、遊離石灰、アウイン及び無水セッコウを主要な構成化合物組成とし、遊離石灰、アウイン及び無水セッコウの合計100部中、遊離石灰が10~80部(好ましくは30~70部)、アウインが15~45部(好ましくは5~20部)、無水セッコウが10~50部(好ましくは15~40)部である熱処理物、及び/又は熱処理物の混合物が好ましい。
[0027]
 本発明で使用する膨張材の使用量は、コンクリートの配合によって変化するため特に限定されるものではないが、通常、セメントと無機微粉末、膨張材からなる膨張性セメント組成物100部中、3~12部が好ましく、5~9部がより好ましい。3部以上とすることで、充分な膨張性能が得られ、12部以下とすることで、過膨張となりコンクリートに膨張クラックを生じるのを防ぐことができる。
[0028]
 無機微粉末と膨張材との質量比(無機微粉末/膨張材)は、0.5~15であることが好ましく、3~9であることがより好ましい。当該質量比が0.5~15であることで、膨張性能をより向上させることができる。
[0029]
 本発明の膨張性セメント組成物には、砂、砂利等の骨材の他、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン及び凝結調整剤、並びにセメント急硬材、ベントナイトやゼオライト等の粘土鉱物、ハイドロタルサイト等のアニオン交換体等のうちの1種又は2種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
[0030]
 本発明の膨張性セメント組成物を製造する際の各材料の混合及び混練方法は特に限定されるものではなく、通常の方法が使用できる。混合装置としては、既存の撹拌装置が使用可能であり、例えば、傾胴ミキサー、オムニミキサー、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー、及びナウターミキサー等が利用可能である。
[0031]
[2.モルタル及びコンクリート]
 本発明のモルタル及びセメントは、既述のセメント組成物を配合するように、用いてなる。
[0032]
 本発明のセメント組成物の配合方法は特に制限は無く、(1)モルタル又はコンクリートを練り混ぜる時に、骨材、水等と一緒に添加(同時添加方式)するか、(2)骨材、水を先に練り混ぜ、その後、セメント組成物を添加(後添加方式)して練り混ぜられる。
 モルタルやコンクリートの製造に使用する細骨材や粗骨材の種類や最大寸法は、特に限定されなく、その配合割合も、適宜、目的や用途に応じて、好ましいものを組み合わせて用いる。
 ここで、モルタルやコンクリートに含まれる水の量は、水とセメント組成物との質量比(水/セメント組成物)で0.25~0.65であることが好ましくは、0.45~0.55であることがより好ましい。
[0033]
 モルタル又はコンクリートを練り混ぜるときに、凝結調節剤や消泡剤等を適宜併用することができ、曲げ強度や靱性を高めるために有機繊維や金属繊維、ガラス繊維、その他の補強用繊維が利用できる。
 本発明のモルタル又はコンクリートの養生は、蒸気養生しても、しなくても良いし、オートクレーブ養生も可能であり、打設した状態で現場養生しても良く、養生方法には制限されないものである。
実施例
[0034]
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
〈使用材料〉
セメントI:普通ポルトランドセメント、市販品、3CaO・SiO 含有量58.1%
セメントII:早強ポルトランドセメント、市販品、3CaO・SiO 含有量68.5%
セメントIII:中庸熱ポルトランドセメント、市販品、3CaO・SiO 含有量42.9%
セメントIV:低熱ポルトランドセメント、市販品、3CaO・SiO 含有量28.0%
セメントV:セメントA50部とセメントB50部の混合物、3CaO・SiO 含有量63.3%
[0035]
膨張材A:デンカCSA#20、デンカ社製、市販品、エトリンガイト系
膨張材B:デンカパワ-CSAタイプS、デンカ社製、市販品、エトリンガイト・石灰系
膨張材C:DRY D-1、CEB社製、市販品、石灰系
[0036]
炭酸カルシウム微粉末(LSP):新潟県青海鉱山産石灰石を所定のブレーンに粉砕した
珪石微粉末:市販品、ブレーン比表面積3290cm /g
フライアッシュ(FA):フライアッシュII種(JISA 6201に準拠)、市販品、ブレーン比表面積3420cm /g
高炉スラグ微粉末(BFS):高炉スラグ微粉末3000(JIS A 6206に準拠)、市販品、ブレーン比表面積2710cm /gをそのまま、又は所定のブレーン値に粉砕した
シリカフューム(SF):市販品、BET比表面積17m /g
砂:JIS標準砂
[0037]
〈試験方法〉
長さ変化率:JIS A 6202 付属書1 膨張材のモルタルによる膨張性試験方法に準じ材齢養生7日までの水中(20℃)養生における長さ変化率を測定した。
圧縮強度:JIS R 5201に準じて4×4×16cmの試験体を作製し、材齢7日まで水中養生(20℃)を行い、圧縮強度を測定した。
[0038]
(実施例1)
 セメントIと無機微粉末、膨張材からなる膨張性セメント組成物100部中、無機微粉末を表1に示す割合、膨張材Aを7部となるように調整した。
 水/膨張性セメント組成物比=50%、膨張性セメント組成物/砂比=1/3のモルタルを20℃の室内で調製して、長さ変化率と圧縮強度の測定を行った。なお、無機微粉末のブレーン値はポッドミルにて調整した。
[0039]
[表1]


[0040]
 表1より、無機微粉末をセメントに対して10~50部配合し、材齢7日の活性度指数が18.4~78.5%である膨張性セメント組成物とすることで、無機微粉末を使用しない実験No.1-1よりも長さ変化率が大きくなっていることから、従来の膨張材の同添加量で膨張性をより向上させることができる膨張性セメント組成物が得られていることがわかる。なお、実験No.1-17~1-24は、実験No.1-1よりも長さ変化率が低くなっており、膨張性の向上が見られないセメント組成物であった。
[0041]
(実施例2)
 セメントI、無機微粉末、膨張材Aからなる膨張性セメント組成物100部中、無機微粉末を表2に示す割合、膨張材Aを7部となるように調整した。
水/膨張性セメント組成物比=50%、膨張性セメント組成物/砂比=1/3のモルタルを20℃の室内で調製して、長さ変化率と圧縮強度の測定を行った。
[0042]
[表2]


[0043]
 表2より、複数の無機微粉末をセメントに対して配合した場合においても、材齢7日の活性度指数が45~59%である膨張性セメント組成物とすることで、無機微粉末を使用しない実験No.1-1よりも長さ変化率が大きくなっていることから、従来の膨張材の同添加量で、膨張性をより向上させることができる膨張性セメント組成物が得られていることがわかる。特に、活性度指数が同等の場合でも、無機微粉末が石灰石微粉末、フライアッシュ、または珪石微粉末の場合に膨張量の増加が大きいことがわかる。
 なお、実験No.2-8は、実験No.1-1に対して膨張性を有していないことが確認された。
[0044]
(実施例3)
 セメントI、無機微粉末、膨張材からなる膨張性セメント組成物100部中、表3に示す無機微粉末を30部、膨張材Aを7部となるように調整した。
 水/膨張性セメント組成物比=50%、膨張性セメント組成物/砂比=1/3のモルタルを20℃の室内で調製して、長さ変化率と圧縮強度の測定を行った。なお、無機微粉末のブレーン値はポッドミルにて調整した。
[0045]
[表3]


[0046]
 表3より、無機微粉末のブレーン比表面積を2450~10560cm /gとすることで、無機微粉末を使用しない実験No.1-1よりも長さ変化率が大きくなり、ブレーン比表面積を5140~7780cm /gとすることで、従来の膨張材の同添加量で、膨張性をより向上させることができる膨張性セメント組成物が得られていることがわかる。また、フライアッシュや水和不活性な石灰石微粉末を用いた場合に、より高い効果が得られていることが分かる。
 なお、実験No.1-19、No.3-9は、実験No.1-1よりも長さ変化率が低くなっており、膨張性の向上が見られないセメント組成物であった。
[0047]
(実施例4)
 セメントI、無機微粉末、膨張材A~Cのいずれかからなる膨張性セメント組成物100部中、表4に示す無機微粉末を30部、膨張材Aを7部、膨張材Bを10部、膨張材Cを7部となるように調整した。水/膨張性セメント組成物比=50%、膨張性セメント組成物/砂比=1/3のモルタルを20℃の室内で調製して、長さ変化率と圧縮強度の測定を行った。
 なお、膨張材Bで配合を変えたのは、膨張材A:7部の長さ変化率を同等とするためである。
[0048]
[表4]


[0049]
 表4より、いずれの膨張材においても、無機微粉末をセメントに対して30部配合し、材齢7日の活性度指数が44.3~48.9%である膨張性セメント組成物とすることで、従来の膨張材の同添加量で、膨張性をより向上させることができる膨張性セメント組成物が得られていることがわかる。特に、膨張材にエトリンガイト・石灰系膨張材である膨張剤A、Bを用いることとで、より強度発現性と膨張性に優れた膨張性セメント組成物が得られることが分かる。
[0050]
(実施例5)
 表5に示すセメント、石灰石微粉末、膨張材Aからなる膨張性セメント組成物100部中、ブレーン値が5140cm /gの石灰石微粉末を30部、膨張材Aを7部となるように調整した。
 水/膨張性セメント組成物比=50%、膨張性セメント組成物/砂比=1/3のモルタルを20℃の室内で調製して、長さ変化率と圧縮強度の測定を行った。
[0051]
[表5]


[0052]
 表5より、いずれのセメントにおいても、本発明の範囲の膨張性セメント組成物とすることで、従来の膨張材の同添加量で、膨張性をより向上させることができる膨張性セメント組成物が得られていることがわかる。特に、3CaO・SiO 含有量が68.5%及び63.3%であるセメントII及びVを用いることで、強度発現性と膨張性により優れた膨張性セメント組成物が得られることが分かる。

産業上の利用可能性

[0053]
 本発明の膨張性セメント組成物及びそれを用いたモルタル又はコンクリートは、土木、建築分野等において好適に使用できる。

請求の範囲

[請求項1]
 セメントと膨張材と無機微粉末とを含み、前記セメントと前記膨張材と前記無機微粉末との合計100質量部に対する、前記無機微粉末の含有量が8~60質量部である膨張性セメント組成物。
[請求項2]
 材齢7日の活性度指数が8~85%である請求項1に記載の膨張性セメント組成物。
[請求項3]
 該無機微粉末の粉末度が、ブレーン比表面積で3000~10000cm /gである請求項1又は2に記載の膨張性セメント組成物。
[請求項4]
 該無機微粉末が、石灰石微粉末、フライアッシュ、珪石微粉末の1種又は2種以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の膨張性セメント組成物。
[請求項5]
 前記セメントの3CaO・SiO 含有量が60質量%以上である請求項1~4のいずれか1項に膨張性セメント組成物。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれか1項に記載の膨張性セメント組成物を用いてなるモルタル。
[請求項7]
 請求項1~5のいずれか1項に記載の膨張性セメント組成物を用いてなるコンクリート。