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1. (WO2019003537) SYSTÈME DE FREIN DE VÉHICULE
Document

明 細 書

発明の名称 車両用ブレーキシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005   0006   0007   0008   0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

符号の説明

0077  

請求の範囲

1   2  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 車両用ブレーキシステム

技術分野

[0001]
 本発明は、電動ブレーキを備えた車両用ブレーキシステムに関する。

背景技術

[0002]
 車両用ブレーキシステムの電気制御システムとしては、2つの中央モジュール(中央制御装置)と、4つの車輪モジュール(車輪制御装置)と、入力装置と、を含むシステムが提案されている(特許文献1)。2つの中央モジュールはそれぞれ車輪モジュールを2つずつ制御している。2つの中央制御装置は互いに監視し合い、車輪制御装置は欠陥の際に中央制御装置により給電装置から切り離される。このシステムでは、ロック防止機能又は横滑り防止機能を備える車輪制御装置の監視を行っていない。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平7-9980号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 本発明は、電動ブレーキを備えた車両用ブレーキシステムであって、信頼性の高い車両用ブレーキシステムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[0006]
 [1]
 本発明に係る車両用ブレーキシステムの一態様は、
 摩擦パッドをロータ側に押圧するための電動アクチュエータを少なくとも1つ備える電動ブレーキと、相互に接続され、前記電動アクチュエータを制御する複数のコントローラと、を備える車両用ブレーキシステムにおいて、
 前記複数のコントローラの少なくとも一部の出力の遮断を制御する出力遮断制御部を含み、
 前記複数のコントローラは、第1コントローラ、第2コントローラ及び第3コントローラを少なくとも含み、
 前記第1コントローラ、前記第2コントローラ及び前記第3コントローラのそれぞれは、
 前記電動ブレーキの制動力を演算する制動力演算部と、
 自己が正常か否かを判定する自己判定部と、
 前記第1コントローラの制動力演算結果、前記第2コントローラの制動力演算結果及び前記第3コントローラの制動力演算結果を比較して、前記第1コントローラ、前記第2コントローラ及び前記第3コントローラのうちの自己以外の2つの前記コントローラが正常か否かを判定する他者判定部と、を含み、
 前記出力遮断制御部は、
 前記第1コントローラの前記自己判定部による判定結果と、前記第2コントローラの前記自己判定部による判定結果と、前記第2コントローラの前記他者判定部による前記第1コントローラの判定結果と、前記第3コントローラの前記自己判定部による判定結果と、前記第3コントローラの前記他者判定部による前記第1コントローラの判定結果とに基づいて、前記第1コントローラが正常であるか否かを判断し、前記第1コントローラが正常でないと判断した場合に前記第1コントローラの出力を遮断することを特徴とする。
[0007]
 上記車両用ブレーキシステムの一態様によれば、第1コントローラ、第2コントローラ及び第3コントローラが、それぞれ、自己が正常か否かを判定するとともに、各コントローラの制動力演算結果を比較して他の2つのコントローラが正常か否かを判定し、出力遮断制御部が、第1コントローラによる自己判定結果と、第2コントローラによる自己判定結果及び第1コントローラの判定結果と、第3コントローラによる自己判定結果及び第1コントローラの判定結果とに基づいて、第1コントローラが正常でないと判断した場合に第1コントローラの出力を遮断することで、制動力演算結果の信頼性を向上するとともに当該システムの冗長化を実現できる。
[0008]
 [2]
 上記車両用ブレーキシステムの一態様において、
 前記出力遮断制御部は、
 前記第2コントローラの前記自己判定部により自己が正常であると判定され、かつ、前記第3コントローラの前記自己判定部により自己が正常であると判定され、かつ、前記第2コントローラの前記他者判定部により前記第1コントローラが正常でないと判定され、かつ、前記第3コントローラの前記他者判定部により前記第1コントローラが正常でないと判定された場合には、前記第1コントローラの出力を遮断することができる。
[0009]
 上記車両用ブレーキシステムの一態様によれば、第2コントローラと第3コントローラのいずれもが、自己が正常であり、かつ、第1コントローラが正常でないと判定した場合に第1コントローラの出力が遮断されることで、第1コントローラが正常でない場合にその出力が確実に遮断されるので、制動力演算結果の信頼性を向上するとともに当該システムの冗長化を実現できる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 図1は、本実施形態に係る車両用ブレーキシステムを示す全体構成図である。
[図2] 図2は、本実施形態に係る車両用ブレーキシステムのマスタコントローラ、第1、第2サブコントローラ及びスレーブコントローラを示すブロック図である。
[図3] 図3は、出力遮断制御部の構成例を示す図である。
[図4] 図4は、出力遮断制御部の動作の一例についての説明図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。この説明に用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
[0012]
 本実施形態に係る車両用ブレーキシステムは、摩擦パッドをロータ側に押圧するための電動アクチュエータを少なくとも1つ備える電動ブレーキと、相互に接続され、前記電動アクチュエータを制御する複数のコントローラと、を備える車両用ブレーキシステムにおいて、前記複数のコントローラの少なくとも一部の出力の遮断を制御する出力遮断制御部を含み、前記複数のコントローラは、第1コントローラ、第2コントローラ及び第3コントローラを少なくとも含み、前記第1コントローラ、前記第2コントローラ及び前記第3コントローラのそれぞれは、前記電動ブレーキの制動力を演算する制動力演算部と、自己が正常か否かを判定する自己判定部と、前記第1コントローラの制動力演算結果、前記第2コントローラの制動力演算結果及び前記第3コントローラの制動力演算結果を比較して、前記第1コントローラ、前記第2コントローラ及び前記第3コントローラのうちの自己以外の2つの前記コントローラが正常か否かを判定する他者判定部と、を含み、前記出力遮断制御部は、前記第1コントローラの前記自己判定部による判定結果と、前記第2コントローラの前記自己判定部による判定結果と、前記第2コントローラの前記他者判定部による前記第1コントローラの判定結果と、前記第3コントローラの前記自己判定部による判定結果と、前記第3コントローラの前記他者判定部による前記第1コントローラの判定結果とに基づいて、前記第1コントローラが正常であるか否かを判断し、前記第1コントローラが正常でないと判断した場合に前記第1コントローラの出力を遮断することを特徴とする。
[0013]
 1.車両用ブレーキシステム
 図1~図4を用いて本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1について詳細に説明する。図1は本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1を示す全体構成図であり、図2は本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1のマスタコントローラ30、第1、第2サブコントローラ40,41及びスレーブコントローラ50を示すブロック図である。
[0014]
 図1に示すように、車両用ブレーキシステム1は、図示しない摩擦パッドを図示しないロータ側に押圧するための電動アクチュエータであるモータ80~85を少なくとも1つ備える電動ブレーキ16a~16dと、モータ80~85を駆動するドライバ60~65と、相互に接続された複数のコントローラ(マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40、第2サブコントローラ41、スレーブコントローラ50)を備える制御装置(10,11)と、を備える。図示しないロータは、4輪車である車両VBの各車輪Wa~Wdに設けられて車輪Wa~Wdと一体に回転する。なお、車両VBは4輪車に限られない。また、1つの電動ブレーキに対して複数のモータを備えていてもよいし、1つの車輪に複数の電動ブレーキを備えていてもよい。
[0015]
 1-1.電動ブレーキ
 前輪左側(FL)の車輪Waに設けられる電動ブレーキ16aは、ブレーキキャリパ5aと、ブレーキキャリパ5aに減速機4aを介して固定されたモータ80,81と、モータ80,81によって図示しない摩擦パッドに加えられる荷重を検出する荷重センサ6aと、を備える。モータ80は、自身のステータに対する回転軸の相対位置を検出する回転角センサ90を備える。モータ81は、モータ80と同軸であるため回転角センサは不要である。荷重センサ6aの検出信号は、第1サブコントローラ40(及び第1サブコントローラ40を介してマスタコントローラ30)に入力され、回転角センサ90の検出信号は、ドライバ60,61を介して第1サブコントローラ40及びマスタコントローラ30に入力される。
[0016]
 前輪右側(FR)の車輪Wbに設けられる電動ブレーキ16bは、ブレーキキャリパ5bと、ブレーキキャリパ5bに減速機4bを介して固定されたモータ82,83と、モータ82,83によって図示しない摩擦パッドに加えられる荷重を検出する荷重センサ6bと、を備える。モータ82は、自身のステータに対する回転軸の相対位置を検出する回転角センサ92を備える。モータ83は、モータ82と同軸であるため回転角センサは不要である。荷重センサ6bの検出信号は、スレーブコントローラ50(及びスレーブコントローラ50を介してマスタコントローラ30)に入力され、回転角センサ92の検出信号は、ドライバ62,63を介してスレーブコントローラ50及びマスタコントローラ30に入力される。
[0017]
 後輪左側(RL)の車輪Wcに設けられる電動ブレーキ16cは、ブレーキキャリパ5cと、ブレーキキャリパ5cに減速機4cを介して固定されたモータ84と、モータ84によって図示しない摩擦パッドに加えられる荷重を検出する荷重センサ6cと、を備える。モータ84は、自身のステータに対する回転軸の相対位置を検出する回転角センサ94を備える。荷重センサ6cの検出信号は、第2サブコントローラ41に入力され、回転角センサ94の検出信号は、ドライバ64を介して第2サブコントローラ41に入力される。
[0018]
 後輪右側(RR)の車輪Wdに設けられる電動ブレーキ16dは、ブレーキキャリパ5dと、ブレーキキャリパ5dに減速機4dを介して固定されたモータ85と、モータ85によって図示しない摩擦パッドに加えられる荷重を検出する荷重センサ6dと、を備える。モータ85は、自身のステータに対する回転軸の相対位置を検出する回転角センサ95を備える。荷重センサ6dの検出信号は、第2サブコントローラ41に入力され、回転角センサ95の検出信号は、ドライバ65を介して第2サブコントローラ41に入力される。
[0019]
 ブレーキキャリパ5a~5dは、略C字型に形成されて図示しないロータを跨いで反対側へ延びる爪部が一体的に設けられている。
[0020]
 減速機4a~4dは、ブレーキキャリパ5a~5dに固定されて、モータ80~85の回転によって発生したトルクをブレーキキャリパ5a~5dに内蔵された図示しない直動機構に伝える。
[0021]
 直動機構は、電動ブレーキにおいて公知の機構を採用することができる。直動機構は、モータ80~85の回転を減速機4a~4dを介して摩擦パッドの直線運動に変換する。直動機構は、摩擦パッドをロータに押し付けて車輪Wa~Wdの回転を抑制する。
[0022]
 モータ80~85は、公知の電動モータを採用することができ、例えばブラシレスDCモータである。モータ80~85の駆動により、減速機4a~4d及び直動機構を介して摩擦パッドを移動させる。電動アクチュエータとしてモータを採用した例について説明するが、これに限らず、他の公知のアクチュエータを採用してもよい。
[0023]
 1-2.入力装置
 車両用ブレーキシステム1は、入力装置であるブレーキペダル2と、ブレーキペダル2に接続されたストロークシミュレータ3と、を含む。ブレーキペダル2は、運転者のブレーキペダル2の操作量を検出する第2ストロークセンサ21及び第3ストロークセンサ22を備える。ストロークシミュレータ3は、ブレーキペダル2の操作量を検出する第1ストロークセンサ20を備える。
[0024]
 各ストロークセンサ20~22は、ブレーキペダル2の操作量の一種である踏込ストローク及び/または踏力に対応した電気的な検出信号を互いに独立して発生させる。第1ストロークセンサ20は後述するマスタコントローラ30へ検出信号を送信し、第2ストロークセンサ21は後述する第1サブコントローラ40へ検出信号を送信し、第3ストロークセンサ22は後述する第2サブコントローラ41へ検出信号を送信する。
[0025]
 車両VBは、車両用ブレーキシステム1への入力装置として、車両用ブレーキシステム1以外のシステムに設けられた複数の制御装置(以下「他の制御装置1000」という)を備える。他の制御装置1000は、CAN(Controller Area Network)によって第1の制御装置10のマスタコントローラ30及び第2の制御装置11の第2サブコントローラ41に接続され、相互にブレーキ操作に関する情報を通信する。
[0026]
 1-3.制御装置
 制御装置は、第1の制御装置10と第2の制御装置11とを含む。第1の制御装置10は、第2の制御装置11とは独立して車両VBの所定位置に配置される。第1の制御装置10及び第2の制御装置11は、電子制御ユニット(ECU)である。第1の制御装置10及び第2の制御装置11のそれぞれは、合成樹脂製の筐体に収容される。したがって、第1の制御装置10と第2の制御装置11という2つの制御装置によって、冗長化されている。なお、制御装置を2つ用いた例について説明するが、車両VBにおける配置を考慮して1つとしてもよいし、さらに冗長性を高めるために3つ以上としてもよい。
[0027]
 第1の制御装置10と第2の制御装置11との間はCANによって接続され、通信が行われる。CANの通信においては、一方向および双方向の情報の送信が行われる。なお、ECU間の通信はCANに限定されない。
[0028]
 第1の制御装置10及び第2の制御装置11は、互いに独立した3つのバッテリ100,101,102と電気的に接続される。バッテリ100,101,102は、第1の制御装置10及び第2の制御装置11が備える電子部品に電力を供給する。車両用ブレーキシステム1のバッテリ100,101,102は、車両VBの所定の位置に配置される。
[0029]
 第1の制御装置10は、マスタコントローラ30及び第1サブコントローラ40を少なくとも1つずつ備え、第2の制御装置11は、少なくとも1つのサブコントローラ(第2サブコントローラ41)を備える。第1の制御装置10がマスタコントローラ30及び第1サブコントローラ40を搭載することにより、第1の制御装置10における冗長化と信頼性が向上する。
[0030]
 また、第1の制御装置10は、さらにスレーブコントローラ50を備える。安価なスレーブコントローラ50を用いることで低コスト化を実現できる。なお、スレーブコントローラ50の代わりにサブコントローラを設けることも可能である。
[0031]
 マスタコントローラ30、第1、第2サブコントローラ40,41及びスレーブコントローラ50はそれぞれ、マイクロコンピュータである。
[0032]
 第1の制御装置10は、マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及びスレーブコントローラ50を備える。複数のコントローラを使用することによる冗長化を達成しながらも、比較的高価なマスタコントローラを複数搭載しないので低コスト化を実現できる。マスタコントローラ30は、挙動制御部303(挙動制御部303については後述する)を設けるために高い性能が必要となり、第1、第2サブコントローラ40,41に比べて比較的高価なコントローラとなる。
[0033]
 第1の制御装置10は、バッテリ100,101,102の出力電圧からマスタコントローラ30の電源電圧を生成する電源電圧生成回路110及びバッテリ100,101の出力電圧から第1サブコントローラ40の電源電圧を生成する電源電圧生成回路120を備える。また、第2の制御装置11は、バッテリ101,102の出力電圧から第2サブコントローラ41の電源電圧を生成する電源電圧生成回路130を備える。
[0034]
 図1及び図2に示すように、マスタコントローラ30は、ドライバ61,63を制御するドライバ制御部301と、電動ブレーキ16a~16dの制動力を演算する制動力演算部302と、車両VBの挙動を制御する挙動制御部303と、を含む。
[0035]
 第1サブコントローラ40は、ドライバ60を制御するドライバ制御部400と、電動ブレーキ16a~16dの制動力を演算する制動力演算部402と、を含む。第2サブコントローラ41は、ドライバ64,65を制御するドライバ制御部410と、電動ブレーキ16a~16dの制動力を演算する制動力演算部412と、を含む。第1、第2サブコントローラ40,41は、挙動制御部を備えない分、マスタコントローラ30より安価なマイクロコンピュータを採用できるため、低コスト化に貢献する。
[0036]
 スレーブコントローラ50は、制動力演算部を有しておらず、マスタコントローラ30及び第1、第2サブコントローラ40,41の少なくとも1つのコントローラの制動力演算結果に基づいてドライバ62を制御するドライバ制御部500を含む。スレーブコントローラ50は、制動力演算部を有していないため、第1、第2サブコントローラ40,41に比べて比較的安価なマイクロコンピュータを採用することができる。
[0037]
 ドライバ60~65は、モータ80~85の駆動を制御する。具体的には、ドライバ60はモータ80の駆動を制御し、ドライバ61はモータ81の駆動を制御し、ドライバ62はモータ82の駆動を制御し、ドライバ63はモータ83の駆動を制御し、ドライバ64はモータ84の駆動を制御し、ドライバ65はモータ85の駆動を制御する。ドライバ60~65は、モータ80~85を例えば正弦波駆動方式によって制御する。また、ドライバ60~65は、正弦波駆動方式に限らず、例えば矩形波の電流で制御してもよい。
[0038]
 ドライバ60~65は、ドライバ制御部301,400,410,500の指令に応じた電力をモータ80~85に供給する電源回路及びインバータを備える。
[0039]
 制動力演算部302,402,412は、ブレーキペダル2の操作量に応じた各ストロークセンサ20~22の検出信号に基づいて制動力(要求値)を算出する。また、制動力演算部302,402,412は、他の制御装置1000からの信号に基づいて制動力(要求値)を算出することができる。
[0040]
 ドライバ制御部301,400,410,500は、制動力演算部302,402,412が算出した制動力(要求値)と、各荷重センサ6a~6dの検出信号と、回転角センサ90,92,94,95の検出信号とに基づいてドライバ60~65を制御する。ドライバ60~65は、ドライバ制御部301,400,410,500からの指令に従ってモータ80~85に駆動用の正弦波電流を供給する。モータ80~85に供給された電流は、電流センサ70~75によって検出される。
[0041]
 挙動制御部303は、車両VBの挙動を制御するための信号をドライバ制御部301,400,410,500に出力する。通常のブレーキペダル2の操作に応じた単純な制動以外の挙動であり、例えば、車輪Wa~Wdのロックを防ぐ制御であるABS(Antilock Brake System)、車輪Wa~Wdの空転を抑制する制御であるTCS(Traction Control System)、車両VBの横滑りを抑制する制御である挙動安定化制御である。
[0042]
 マスタコントローラ30及び第1、第2サブコントローラ40,41は、自己の制動力演算部302,402,412の演算結果に基づいて自己が正常か否かを判定する自己判定部304,404,414を含む。例えば、マスタコントローラ30及び第1、第2サブコントローラ40,41がロックステップ方式などの自己診断機能を有するコントローラである場合、自己判定部304,404,414が自己診断を実行し、診断結果に基づいて自己が正常か否かを判定してもよい。
[0043]
 また、マスタコントローラ30及び第1、第2サブコントローラ40,41は、各コントローラの制動力演算結果を比較して他の各コントローラが正常であるか否かを判定する他者判定部305,405,415を含む。具体的には、マスタコントローラ30の他者判定部305は、マスタコントローラ30の制動力演算結果(制動力演算部302における演算結果)、第1サブコントローラ40の制動力演算結果(制動力演算部402における演算結果)及び第2サブコントローラ41の制動力演算結果(制動力演算部412における演算結果)を比較して、自己以外の2つのコントローラである第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41がそれぞれ正常か否かを判定する。また、第1サブコントローラ40の他者判定部405は、第1サブコントローラ40の制動力演算結果(制動力演算部402における演算結果)、第2サブコントローラ41の制動力演算結果(制動力演算部412における演算結果)及びマスタコントローラ30の制動力演算結果(制動力演算部302における演算結果)を比較して、自己以外の2つのコントローラである第2サブコントローラ41及びマスタコントローラ30がそれぞれ正常か否かを判定する。また、第2サブコントローラ41の他者判定部415は、第2サブコントローラ41の制動力演算結果(制動力演算部412における演算結果)、マスタコントローラ30の制動力演算結果(制動力演算部302における演算結果)及び第1サブコントローラ40の制動力演算結果(制動力演算部402における演算結果)を比較して、自己以外の2つのコントローラであるマスタコントローラ30及び第1サブコントローラ40がそれぞれ正常か否かを判定する。
[0044]
 他者判定部305,405,415は、マスタコントローラ30の制動力演算部302における演算結果と、第1サブコントローラ40の制動力演算部402における演算結果と、第2サブコントローラ41の制動力演算部412における演算結果とを比較し、多数決によって、他の各コントローラが正常か否かを判定してもよい。例えば、他者判定部305は、制動力演算部412の演算結果だけが他の演算結果(制動力演算部302,402の演算結果)と異なる場合(例えば、制動力演算部412の演算結果と他の演算結果との差分が所定の閾値を超える場合、或いは、制動力演算部412から演算結果を取得できなかった場合)には、第2サブコントローラ41が正常でないと判定し、第1サブコントローラ40が正常であると判定する。また、他者判定部405は、制動力演算部302の演算結果だけが他の演算結果(制動力演算部402,412の演算結果)と異なる場合(例えば、制動力演算部302の演算結果と他の演算結果との差分が所定の閾値を超える場合、或いは、制動力演算部302から演算結果を取得できなかった場合)には、マスタコントローラ30が正常でないと判定し、第2サブコントローラ41が正常であると判定する。また、他者判定部415は、制動力演算部402の演算結果だけが他の演算結果(制動力演算部302,412の演算結果)と異なる場合(例えば、制動力演算部402の演算結果と他の演算結果との差分が所定の閾値を超える場合、或いは、制動力演算部402から演算結果を取得できなかった場合)には、第1サブコントローラ40が正常でないと判定し、マスタコントローラ30が正常であると判定する。
[0045]
 各ドライバ制御部は、各自己判定部及び各他者判定部により正常であると判定されたコントローラの演算結果を制動力として採用して、当該演算結果に基づいてドライバを制御する。例えば、マスタコントローラ30が正常でないと判定された場合には、ドライバ制御部400は、制動力演算部402の演算結果に基づいてドライバ60を制御し、ドライバ制御部410は、制動力演算部412の演算結果に基づいてドライバ64,65を制御し、ドライバ制御部500は、制動力演算部402又は制動力演算部412の演算結果に基づいてドライバ62を制御する。また、第1サブコントローラ40が正常でないと判定された場合には、ドライバ制御部301は、制動力演算部302の演算結果に基づいてドライバ61,63を制御し、ドライバ制御部410は、制動力演算部412の演算結果に基づいてドライバ64,65を制御し、ドライバ制御部500は、制動力演算部302又は制動力演算部412の演算結果に基づいてドライバ62を制御する。また、第2サブコントローラ41が正常でないと判定された場合には、ドライバ制御部301は、制動力演算部302の演算結果に基づいてドライバ61,63を制御し、ドライバ制御部400は、制動力演算部402の演算結果に基づいてドライバ60を制御し、ドライバ制御部500は、制動力演算部302又は制動力演算部402の演算結果に基づいてドライバ62を制御する。
[0046]
 第1の制御装置10は、複数のコントローラ(マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40、第2サブコントローラ41及びスレーブコントローラ50)の少なくとも一部であるマスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41の出力の遮断を制御する出力遮断制御部200を備える。コントローラの出力とは、例えば、ドライバ制御部によるドライバに対する制御信号(指令)や、自己判定部や他者判定部による判定結果の信号等である。なお、第2の制御装置11が出力遮断制御部200を備えてもよいし、第1の制御装置10が出力遮断制御部200の一部を備え、かつ、第2の制御装置11が出力遮断制御部200の他の一部を備えてもよい。また、出力遮断制御部200の一部又は全部が、第1の制御装置10及び第2の制御装置11の外部に設けられていてもよい。
[0047]
 出力遮断制御部200は、マスタコントローラ30の自己判定部304による判定結果と、第1サブコントローラ40の自己判定部404による判定結果と、第1サブコントローラ40の他者判定部405によるマスタコントローラ30の判定結果と、第2サブコントローラ41の自己判定部414による判定結果と、第2サブコントローラ41の他者判定部415によるマスタコントローラ30の判定結果とに基づいて、マスタコントローラ30が正常であるか否かを判断し、マスタコントローラ30が正常でないと判断した場合にマスタコントローラ30の出力を遮断する。具体的には、出力遮断制御部200は、電源電圧生成回路110からマスタコントローラ30への電源電圧が出力されないように制御することにより、マスタコントローラ30の動作を停止させ、その結果、マスタコントローラ30の出力が遮断される(例えば、すべての出力端子の電圧が0Vとなる)。
[0048]
 また、出力遮断制御部200は、第1サブコントローラ40の自己判定部404による判定結果と、第2サブコントローラ41の自己判定部414による判定結果と、第2サブコントローラ41の他者判定部415による第1サブコントローラ40の判定結果と、マスタコントローラ30の自己判定部304による判定結果と、マスタコントローラ30の他者判定部305による第1サブコントローラ40の判定結果とに基づいて、第1サブコントローラ40が正常であるか否かを判断し、第1サブコントローラ40が正常でないと判断した場合に第1サブコントローラ40の出力を遮断する。具体的には、出力遮断制御部200は、電源電圧生成回路120から第1サブコントローラ40への電源電圧が出力されないように制御することにより、第1サブコントローラ40の動作を停止させ、その結果、第1サブコントローラ40の出力が遮断される(例えば、すべての出力端子の電圧が0Vとなる)。
[0049]
 また、出力遮断制御部200は、第2サブコントローラ41の自己判定部414による判定結果と、マスタコントローラ30の自己判定部304による判定結果と、マスタコントローラ30の他者判定部305による第2サブコントローラ41の判定結果と、第1サブコントローラ40の自己判定部404による判定結果と、第1サブコントローラ40の他者判定部405による第2サブコントローラ41の判定結果とに基づいて、第2サブコントローラ41が正常であるか否かを判断し、第2サブコントローラ41が正常でないと判断した場合に第2サブコントローラ41の出力を遮断する。具体的には、出力遮断制御部200は、電源電圧生成回路130から第2サブコントローラ41への電源電圧が出力されないように制御することにより、第2サブコントローラ41の動作を停止させ、その結果、第2サブコントローラ41の出力が遮断される(例えば、すべての出力端子の電圧が0Vとなる)。
[0050]
 このように、出力遮断制御部200により正常でないと判断されたコントローラの出力が遮断されるので、正常でないコントローラによってドライバが制御されないようにすることができる。
[0051]
 なお、出力遮断制御部200が正常でないと判定したコントローラの出力を遮断した結果、正常に動作しているコントローラ(マスタコントローラ、サブコントローラ)が2つ以下となった場合には、他者判定部305,405,415は、制動力演算結果の多数決を行うことができなくなるため、それ以降、他の各コントローラが正常か否かの判定処理を行わない。
[0052]
 図3は出力遮断制御部200の構成例を示す図である。図3に示す例では、マスタコントローラ30は、自己判定部304による判定結果を示す自己INH信号、他者判定部305による第1サブコントローラ40の判定結果を示す第1サブINH信号及び他者判定部305による第2サブコントローラ41の判定結果を示す第2サブINH信号を出力する。同様に、第1サブコントローラ40は、自己判定部404による判定結果を示す自己INH信号、他者判定部405によるマスタコントローラ30の判定結果を示すマスタINH信号及び他者判定部405による第2サブコントローラ41の判定結果を示す第2サブINH信号を出力する。同様に、第2サブコントローラ41は、自己判定部414による判定結果を示す自己INH信号、他者判定部415によるマスタコントローラ30の判定結果を示すマスタINH信号及び他者判定部415による第1サブコントローラ40の判定結果を示す第1サブINH信号を出力する。これらの自己INH信号、マスタINH信号、第1サブINH信号及び第2サブINH信号は、いずれも、ハイレベル(論理値が‘1’)のときに対象のコントローラが正常であるとの判定結果を示し、ローレベル(論理値が‘0’)のときに対象のコントローラが正常でない(故障している)旨の判定結果を示す。
[0053]
 図3の例では、出力遮断制御部200は、2入力のOR素子201~206、2入力のNOR素子211~213及び2入力のAND素子221~223を含む。
[0054]
 OR素子201は、第1サブコントローラ40が出力するマスタINH信号と第2サブコントローラ41が出力するマスタINH信号との論理和(OR)を示す信号を出力する。NOR素子211は、第1サブコントローラ40が出力する自己INH信号と第2サブコントローラ41が出力する自己INH信号との否定論理和(NOR)を示す信号を出力する。OR素子202は、OR素子201の出力信号とNOR素子211の出力信号との論理和(OR)を示す信号を出力する。AND素子221は、OR素子202の出力信号とマスタコントローラ30が出力する自己INH信号との論理積(AND)を示す信号を出力する。このAND素子221の出力信号は、出力遮断制御部200によるマスタコントローラ30が正常であるか否かの判断結果を示す信号(ハイレベル:正常、ローレベル:正常でない)であり、電源電圧生成回路110に供給される。
[0055]
 OR素子203は、マスタコントローラ30が出力する第1サブINH信号と第2サブコントローラ41が出力する第1サブINH信号との論理和(OR)を示す信号を出力する。NOR素子212は、マスタコントローラ30が出力する自己INH信号と第2サブコントローラ41が出力する自己INH信号との否定論理和(NOR)を示す信号を出力する。OR素子204は、OR素子203の出力信号とNOR素子212の出力信号との論理和(OR)を示す信号を出力する。AND素子222は、OR素子204の出力信号と第1サブコントローラ40が出力する自己INH信号との論理積(AND)を示す信号を出力する。このAND素子222の出力信号は、出力遮断制御部200による第1サブコントローラ40が正常であるか否かの判断結果を示す信号(ハイレベル:正常、ローレベル:正常でない)であり、電源電圧生成回路120に供給される。
[0056]
 OR素子205は、マスタコントローラ30が出力する第2サブINH信号と第1サブコントローラ40が出力する第2サブINH信号との論理和(OR)を示す信号を出力する。NOR素子213は、マスタコントローラ30が出力する自己INH信号と第1サブコントローラ40が出力する自己INH信号との否定論理和(NOR)を示す信号を出力する。OR素子206は、OR素子205の出力信号とNOR素子213の出力信号との論理和(OR)を示す信号を出力する。AND素子223は、OR素子206の出力信号と第2サブコントローラ41が出力する自己INH信号との論理積(AND)を示す信号を出力する。このAND素子223の出力信号は、出力遮断制御部200による第2サブコントローラ41が正常であるか否かの判断結果を示す信号(ハイレベル:正常、ローレベル:正常でない)であり、電源電圧生成回路130に供給される。
[0057]
 電源電圧生成回路110は、レギュレータ114によって、ダイオード111,112,113を介して供給されたバッテリ100,101,102の出力電圧からマスタコントローラ30の電源電圧を生成する。さらに、電源電圧生成回路110は、FET(Field Effect Transistor)115によって、AND素子221の出力信号がハイレベルのと
きはレギュレータ114が生成した電源電圧をマスタコントローラ30に供給し、AND素子221の出力信号がローレベルのときはレギュレータ114が生成した電源電圧のマスタコントローラ30への供給を遮断する。
[0058]
 電源電圧生成回路120は、レギュレータ124によって、ダイオード121,122を介して供給されたバッテリ100,101の出力電圧から第1サブコントローラ40の電源電圧を生成する。さらに、電源電圧生成回路120は、FET125によって、AND素子222の出力信号がハイレベルのときはレギュレータ124が生成した電源電圧を第1サブコントローラ40に供給し、AND素子222の出力信号がローレベルのときはレギュレータ124が生成した電源電圧の第1サブコントローラ40への供給を遮断する。
[0059]
 電源電圧生成回路130は、レギュレータ134によって、ダイオード131,132を介して供給されたバッテリ101,102の出力電圧から第2サブコントローラ41の電源電圧を生成する。さらに、電源電圧生成回路130は、FET135によって、AND素子223の出力信号がハイレベルのときはレギュレータ134が生成した電源電圧を第2サブコントローラ41に供給し、AND素子223の出力信号がローレベルのときはレギュレータ134が生成した電源電圧の第2サブコントローラ41への供給を遮断する。
[0060]
 従って、電源電圧生成回路110,120,130が有するFET115,125,135は、出力遮断制御部200によって正常でないと判断されたコントローラ(マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40、第2サブコントローラ41)への電力の供給を遮断するフェールセーフリレーとして機能する。
[0061]
 図4は、出力遮断制御部200の動作の一例についての説明図である。図4では、10個のケースについて、各信号の論理値及びマスタコントローラ30への電力供給のON/OFFが示されている。なお、図4において、斜線が施されていない論理値は正しく、斜線が施されている論理値は誤っていることを示している。例えば、ケース(2)のマスタコントローラ30の自己INH出力の斜線は、実際はマスタコントローラ30が故障しているはずなのに、自己INH信号がハイレベルとなっており、すなわち自己INH信号の論理値が誤っていることを表している。
[0062]
 ケース(1)では、マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40、第2サブコントローラ41がいずれも正常であり、AND素子221の出力信号がハイレベル(論理値が‘1’)となり、正常であるマスタコントローラ30に電力が供給される。
[0063]
 ケース(2)、ケース(3)は、いずれも、マスタコントローラ30が正常でなく(故障し)、かつ、第1サブコントローラ40、第2サブコントローラ41がいずれも正常の場合である。ただし、ケース(2)では、マスタコントローラ30の自己INH信号がハイレベル(論理値が‘1’)である(論理値が誤っている)のに対して、ケース(3)では、マスタコントローラ30の自己INH信号がローレベル(論理値が‘0’)である(論理値が正しい)。ケース(2)、ケース(3)のいずれの場合も、AND素子221の出力信号がローレベル(論理値が‘0’)となり、正常でないマスタコントローラ30への電力の供給が遮断される。このケース(2)又はケース(3)のように、出力遮断制御部200は、第1サブコントローラ40の自己判定部404により自己が正常であると判定され(第1サブコントローラ40の自己INH信号がハイレベル)、かつ、第2サブコントローラ41の自己判定部414により自己が正常であると判定され(第2サブコントローラ41の自己INH信号がハイレベル)、かつ、第1サブコントローラ40の他者判定部405によりマスタコントローラ30が正常でないと判定され(第1サブコントローラ40のマスタINH信号がローレベル)、かつ、第2サブコントローラ41の他者判定部415によりマスタコントローラ30が正常でないと判定された(第2サブコントローラ41のマスタINH信号がローレベル)場合には、マスタコントローラ30の出力を遮断する。
[0064]
 ケース(4)、ケース(5)は、いずれも、第1サブコントローラ40が正常でなく(故障し)、かつ、マスタコントローラ30、第2サブコントローラ41がいずれも正常の場合である。ただし、ケース(4)では、第1サブコントローラ40のマスタINH信号がローレベル(論理値が‘0’)であり(論理値が誤っている)、かつ、第1サブコントローラ40の自己INH信号がハイレベル(論理値が‘1’)である(論理値が誤っている)のに対して、ケース(5)では、第1サブコントローラ40のマスタINH信号がハイレベル(論理値が‘1’)であり(論理値が正しい)、かつ、第1サブコントローラ40の自己INH信号がローレベル(論理値が‘0’)である(論理値が正しい)。ケース(4)、ケース(5)のいずれの場合も、AND素子221の出力信号がハイレベル(論理値が‘1’)となり、正常であるマスタコントローラ30に電力が供給される。
[0065]
 ケース(6)、ケース(7)は、いずれも、第2サブコントローラ41が正常でなく(故障し)、かつ、マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40がいずれも正常の場合である。ただし、ケース(6)では、第2サブコントローラ41のマスタINH信号がローレベル(論理値が‘0’)であり(論理値が誤っている)、かつ、第2サブコントローラ41の自己INH信号がハイレベル(論理値が‘1’)である(論理値が誤っている)のに対して、ケース(7)では、第2サブコントローラ41のマスタINH信号がハイレベル(論理値が‘1’)であり(論理値が正しい)、かつ、第2サブコントローラ41の自己INH信号がローレベル(論理値が‘0’)である(論理値が正しい)。ケース(6)、ケース(7)のいずれの場合も、AND素子221の出力信号がハイレベル(論理値が‘1’)となり、正常であるマスタコントローラ30に電力が供給される。
[0066]
 このケース(4)、ケース(5)、ケース(6)又はケース(7)のように、出力遮断制御部200は、マスタコントローラ30の自己判定部304により自己が正常であると判定され(マスタコントローラ30の自己INH信号がハイレベル)、かつ、第1サブコントローラ40の他者判定部405及び第2サブコントローラ41の他者判定部415の少なくとも一方によりマスタコントローラ30が正常であると判定された(第1サブコントローラ40のマスタINH信号及び第2サブコントローラ41のマスタINH信号の少なくとも一方がハイレベル)場合には、マスタコントローラ30の出力を遮断しない。
[0067]
 ケース(8)は、第1サブコントローラ40の出力が遮断されており、かつ、マスタコントローラ30、第2サブコントローラ41がいずれも正常の場合である。このケース(8)では、第1サブコントローラ40のマスタINH信号及び自己INH信号はともにローレベル(論理値が‘0’)であり、かつ、マスタコントローラ30の自己INH信号、第2サブコントローラ41のマスタINH信号及び自己INH信号はいずれもハイレベル(論理値が‘1’)である。そのため、AND素子221の出力信号がハイレベル(論理値が‘1’)となり、正常であるマスタコントローラ30に電力が供給される。このケース(8)のように、出力遮断制御部200は、第1サブコントローラ40の出力が遮断されている場合、マスタコントローラ30の自己判定部304により自己が正常であると判定され(マスタコントローラ30の自己INH信号がハイレベル)、かつ、第2サブコントローラ41の他者判定部415によりマスタコントローラ30が正常であると判定された(第2サブコントローラ41のマスタINH信号がハイレベル)場合には、マスタコントローラ30の出力を遮断しない。
[0068]
 ケース(9)は、第2サブコントローラ41の出力が遮断されており、かつ、マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40がいずれも正常の場合である。このケース(9)では、第2サブコントローラ41のマスタINH信号及び自己INH信号はともにローレベル(論理値が‘0’)であり、かつ、マスタコントローラ30の自己INH信号、第1サブコントローラ40のマスタINH信号及び自己INH信号はいずれもハイレベル(論理値が‘1’)である。そのため、AND素子221の出力信号がハイレベル(論理値が‘1’)となり、正常であるマスタコントローラ30に電力が供給される。このケース(9)のように、出力遮断制御部200は、第2サブコントローラ41の出力が遮断されている場合、マスタコントローラ30の自己判定部304により自己が正常であると判定され(マスタコントローラ30の自己INH信号がハイレベル)、かつ、第1サブコントローラ40の他者判定部405によりマスタコントローラ30が正常であると判定された(第1サブコントローラ40のマスタINH信号がハイレベル)場合には、マスタコントローラ30の出力を遮断しない。
[0069]
 ケース(10)は、第1サブコントローラ40、第2サブコントローラ41の出力がいずれも遮断されており、かつ、マスタコントローラ30が正常の場合である。このケース(10)では、第1サブコントローラ40のマスタINH信号及び自己INH信号、第2サブコントローラ41のマスタINH信号及び自己INH信号はいずれもローレベル(論理値が‘0’)であり、かつ、マスタコントローラ30の自己INH信号はハイレベル(論理値が‘1’)である。そのため、AND素子221の出力信号がハイレベル(論理値が‘1’)となり、正常であるマスタコントローラ30に電力が供給される。このケース(10)のように、出力遮断制御部200は、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41の出力がいずれも遮断されている場合、マスタコントローラ30の自己判定部304により自己が正常であると判定された(マスタコントローラ30の自己INH信号がハイレベル)場合には、マスタコントローラ30の出力を遮断しない。
[0070]
 詳細な説明を省略するが、出力遮断制御部200は、マスタコントローラ30と同様に、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41の出力の遮断を制御する。
[0071]
 なお、本実施形態において、マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41は、それぞれ、本発明における「第1コントローラ」、「第2コントローラ」及び「第3コントローラ」に相当する。あるいは、マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41は、それぞれ、本発明における「第3コントローラ」、「第1コントローラ」及び「第2コントローラ」に相当する。あるいは、マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41は、それぞれ、本発明における「第2コントローラ」、「第3コントローラ」及び「第1コントローラ」に相当する。
[0072]
 本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1によれば、制動力演算部を備えたコントローラ(マスタコントローラ、サブコントローラ)を少なくとも3つ備え、そのうち少なくとも1つのコントローラが、各コントローラの制動力演算結果を比較して各コントローラが正常か否かを判断し、正常でないと判断されたコントローラの出力を遮断することで、制動力演算結果の信頼性を向上するとともに車両用ブレーキシステム1の冗長化を達成できる。
[0073]
 本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1によれば、マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41が、それぞれ、自己が正常か否かを判定するとともに、各コントローラの制動力演算結果を比較して他の2つのコントローラが正常か否かを判定し、出力遮断制御部が、第1コントローラ(マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41のいずれか)による自己判定結果と、第2コントローラ(マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41の他のいずれか)による自己判定結果及び第1コントローラの判定結果と、第3コントローラ(マスタコントローラ30、第1サブコントローラ40及び第2サブコントローラ41の他のいずれか)による自己判定結果及び第1コントローラの判定結果とに基づいて、第1コントローラが正常でないと判断した場合に第1コントローラの出力を遮断することで、制動力演算結果の信頼性を向上するとともに車両用ブレーキシステム1の冗長化を達成できる。
[0074]
 特に、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1によれば、第2コントローラと第3コントローラのいずれもが、自己が正常であり、かつ、第1コントローラが正常でないと判定した場合に第1コントローラの出力が遮断されることで、第1コントローラが正常でない場合にその出力が確実に遮断されるので、制動力演算結果の信頼性を向上するとともに車両用ブレーキシステム1の冗長化を達成できる。
[0075]
 また、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1によれば、少なくとも3つのコントローラを別々の制御装置(第1の制御装置10、第2の制御装置11)に搭載することにより、車両用ブレーキシステム1の冗長性を向上することができ、また、第1の制御装置10と第2の制御装置11とで前後輪を個別に制御することができ、制御性の向上を図ることができる。
[0076]
 本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

符号の説明

[0077]
1…車両用ブレーキシステム、2…ブレーキペダル、3…ストロークシミュレータ、4a~4d…減速機、5a~5d…ブレーキキャリパ、6a~6d…荷重センサ、10…第1の制御装置、11…第2の制御装置、16a~16d…電動ブレーキ、20…第1ストロークセンサ、21…第2ストロークセンサ、22…第3ストロークセンサ、30…マスタコントローラ、301…ドライバ制御部、302…制動力演算部、303…挙動制御部、304…自己判定部、305…他者判定部、40…第1サブコントローラ、400…ドライバ制御部、402…制動力演算部、404…自己判定部、405…他者判定部、41…第2サブコントローラ、410…ドライバ制御部、412…制動力演算部、414…自己判定部、415…他者判定部、50…スレーブコントローラ、500…ドライバ制御部、60~65…ドライバ、70~75…電流センサ、80~85…モータ、90,92,94,95…回転角センサ、100~102…バッテリ、110…電源電圧生成回路、111~113…ダイオード、114…レギュレータ、115…FET、120…電源電圧生成回路、121,122…ダイオード、124…レギュレータ、125…FET、130…電源電圧生成回路、131,132…ダイオード、134…レギュレータ、135…FET、200…出力遮断制御部、201~206…OR素子、211~213…NOR素子、221~223…AND素子、1000…他の制御装置、VB…車両、Wa~Wd…車輪

請求の範囲

[請求項1]
 摩擦パッドをロータ側に押圧するための電動アクチュエータを少なくとも1つ備える電動ブレーキと、相互に接続され、前記電動アクチュエータを制御する複数のコントローラと、を備える車両用ブレーキシステムにおいて、
 前記複数のコントローラの少なくとも一部の出力の遮断を制御する出力遮断制御部を含み、
 前記複数のコントローラは、第1コントローラ、第2コントローラ及び第3コントローラを少なくとも含み、
 前記第1コントローラ、前記第2コントローラ及び前記第3コントローラのそれぞれは、
 前記電動ブレーキの制動力を演算する制動力演算部と、
 自己が正常か否かを判定する自己判定部と、
 前記第1コントローラの制動力演算結果、前記第2コントローラの制動力演算結果及び前記第3コントローラの制動力演算結果を比較して、前記第1コントローラ、前記第2コントローラ及び前記第3コントローラのうちの自己以外の2つの前記コントローラが正常か否かを判定する他者判定部と、を含み、
 前記出力遮断制御部は、
 前記第1コントローラの前記自己判定部による判定結果と、前記第2コントローラの前記自己判定部による判定結果と、前記第2コントローラの前記他者判定部による前記第1コントローラの判定結果と、前記第3コントローラの前記自己判定部による判定結果と、前記第3コントローラの前記他者判定部による前記第1コントローラの判定結果とに基づいて、前記第1コントローラが正常であるか否かを判断し、前記第1コントローラが正常でないと判断した場合に前記第1コントローラの出力を遮断することを特徴とする、車両用ブレーキシステム。
[請求項2]
 請求項1において、
 前記出力遮断制御部は、
 前記第2コントローラの前記自己判定部により自己が正常であると判定され、かつ、前記第3コントローラの前記自己判定部により自己が正常であると判定され、かつ、前記第2コントローラの前記他者判定部により前記第1コントローラが正常でないと判定され、かつ、前記第3コントローラの前記他者判定部により前記第1コントローラが正常でないと判定された場合には、前記第1コントローラの出力を遮断することを特徴とする、車両用ブレーキシステム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]