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1. (WO2019003476) TUBE DE MAINTIEN DE MATÉRIAU ACTIF, SON PROCÉDÉ DE PRODUCTION, ÉLECTRODE ET BATTERIE DE STOCKAGE AU PLOMB
Document

明 細 書

発明の名称 活物質保持用チューブ及びその製造方法、電極並びに鉛蓄電池

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064  

実施例

0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

符号の説明

0089  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 活物質保持用チューブ及びその製造方法、電極並びに鉛蓄電池

技術分野

[0001]
 本発明は、活物質保持用チューブ及びその製造方法、電極並びに鉛蓄電池に関する。

背景技術

[0002]
 鉛蓄電池は、産業用又は民生用の二次電池として広く用いられており、特に、電気車用鉛蓄電池(例えばフォークリフト用バッテリー)、及び、UPS(Uninterruptible Power Supply)、防災(非常)無線、電話等のバックアップ用鉛蓄電池の需要が多い。
[0003]
 鉛蓄電池は、例えば、筒状のチューブ、チューブ内に挿入された芯金(集電体)、及び、チューブと芯金との間に充填された電極材とから構成されている。例えば特許文献1には、筒状のチューブとして、ガラス繊維又は合成繊維を主成分とする織布チューブが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平8-203506号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 上記のようなチューブを有する鉛蓄電池は、電気車に用いられることが多い。そのため、このような鉛蓄電池は振動に対する耐久性が求められる。したがって、電池に含まれるチューブにも優れた強度(例えば引張強度)が求められ、また、チューブが電解液(硫酸)に晒された場合にその強度が低下すること(劣化)を抑制する必要がある。
[0006]
 本発明は、優れた引張強度を有し、電解液による劣化を抑制可能な活物質保持用チューブ及びその製造方法、これを用いた電極並びに鉛蓄電池を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明は、第1の態様として、親水化処理された表面を有する基材と、前記基材上に保持された樹脂と、を備える活物質保持用チューブを提供する。
[0008]
 第1の態様において、前記樹脂は、好ましくは、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
[0009]
 第1の態様において、基材は、好ましくはポリオレフィン又はポリエチレンテレフタレートで形成されている。
[0010]
 本発明は、第2の態様として、上記の活物質保持用チューブと、活物質保持用チューブ内に配置された芯金及び電極材と、を備える電極を提供する。
[0011]
 本発明は、第3の態様として、上記の電極を正極として備える、鉛蓄電池を提供する。
[0012]
 本発明は、第4の態様として、基材の表面を親水化処理する工程と、基材に樹脂エマルジョンを接触させる工程と、を備える、活物質保持用チューブの製造方法を提供する。
[0013]
 第4の態様において、親水化処理は、好ましくは、硫酸処理、フッ素ガス処理、プラズマ処理、及び界面活性剤処理からなる群より選ばれる少なくとも1種である。

発明の効果

[0014]
 本発明によれば、優れた引張強度を有し、電解液による劣化を抑制可能な活物質保持用チューブ及びその製造方法、これを用いた電極並びに鉛蓄電池を提供することを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 一実施形態に係る鉛蓄電池を示す模式断面図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
[0017]
 図1は、一実施形態に係る鉛蓄電池を示す模式断面図である。図1に示すように、鉛蓄電池1は、正極10と、負極20と、セパレータ30とを備える鉛蓄電池である。正極10、負極20及びセパレータ30は、電槽(図示せず)内に収容されている。正極10及び負極20は、セパレータ30を介して交互に配置されている。電槽内は、電解液40で満たされている。
[0018]
 セパレータ30の一方面は、正極10に接しており、セパレータ30の他方面は、負極20に接している。正極10及び負極20のそれぞれは、セパレータ30に挟まれている。正極10及び負極20のそれぞれは、二つのセパレータによって挟まれていてもよく、折りたたまれた一つのセパレータによって挟まれていてもよい。セパレータ30,30間における正極10の周囲の空間には、電解液40が充填されている。
[0019]
 セパレータ30の材料としては、正極と負極との電気的な接続を阻止し、電解液を透過させるものであれば特に限定されない。セパレータ30の材料としては、微多孔性ポリエチレン;ガラス繊維及び合成樹脂の混合物等が挙げられる。
[0020]
 負極20は、板状であり、例えばペースト式負極板である。負極20は、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材(電極材)と、を有する。負極集電体としては、板状の集電体を用いることができる。負極集電体は、後述する正極の芯金の組成と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
[0021]
 負極材は、化成後において、負極活物質を含有し、必要に応じて添加剤を更に含有することができる。化成後の負極材は、例えば、負極活物質の原料を含む負極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の負極材を得た後に未化成の負極材を化成することで得ることができる。負極活物質の原料としては、鉛粉、酸化鉛粉等が挙げられる。化成後の負極材における負極活物質としては、多孔質の海綿状鉛(Spongy Lead)等が挙げられる。
[0022]
 負極材の添加剤としては、硫酸バリウム、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)等の補強用短繊維、炭素材料(炭素質導電材)、スルホン基及びスルホン酸塩基からなる群より選択される少なくとも一種を有する樹脂(スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂)などが挙げられる。
[0023]
 炭素材料としては、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック(ケッチェンブラック(登録商標)等)、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックなどが挙げられる。
[0024]
 スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂としては、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、フェノール類とアミノアリールスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。フェノール類としては、ビスフェノール等のビスフェノール系化合物などが挙げられる。アミノアリールスルホン酸としては、アミノベンゼンスルホン酸、アミノナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
[0025]
 正極10は、板状であり、例えば、互いに並設された複数の筒状電極(棒状電極)12から構成される筒状電極群14で構成される電極(正極板)である。筒状電極12の数は、例えば2~19本である。各筒状電極12は、活物質保持用チューブ(「ガントレット」とも呼ばれる。以下、単にチューブと呼ぶことがある。)12aと、チューブ12a内に挿入された芯金(集電体)12bと、チューブ12a及び芯金12bの間に充填された正極材(電極材)12cと、を有している。正極材12cは化成後において正極活物質を含有しており、チューブ12aは少なくとも活物質(正極活物質)を保持する。
[0026]
 チューブ12aの軸方向の両端部には、チューブ12aと芯金12bとを保持するための連座(図示せず)が取り付けられている。上部連座は、チューブ12aの軸方向における一方の端部(芯金12bを挿入し、且つ、正極材の原料(鉛粉等)を充填するための開口部)側に取り付けられている。下部連座は、チューブ12aの軸方向における他方の端部(チューブ12aの底部)側に取り付けられる。上部連座及び下部連座は、必ずしも両方設けられている必要はなく、少なくとも下部連座が設けられていればよい。
[0027]
 芯金12bは、チューブ12aの中心部においてチューブ12aの軸方向に沿って配置されている。芯金12bは、例えば、加圧鋳造法により鋳造して得ることができる。芯金12bの構成材料としては、導電性材料であればよく、例えば、鉛-カルシウム-錫系合金、鉛-アンチモン-ヒ素系合金等の鉛合金が挙げられる。当該鉛合金は、セレン、銀、ビスマス等を含んでいてもよい。芯金12bの長手方向に垂直な断面形状は、円形、楕円形等であってよい。芯金12bの長さは、例えば170~400mmである。芯金12bの直径は、例えば2.0~4.0mmである。
[0028]
 芯金12bにおけるアンチモンの含有量は、芯金12bの強度及び硬度に優れる観点から、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、更に好ましくは4.0質量%以上である。アンチモンの含有量は、耐食性に優れる観点、及び、自己放電を抑制しやすい観点から、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以下である。アンチモンの含有量は、例えば高周波誘導結合プラズマ発光分析(ICP発光分析)により測定することができる。
[0029]
 正極材12cは、化成後において、正極活物質を含有し、必要に応じて添加剤を更に含有することができる。化成後の正極材は、例えば、正極活物質の原料を含む未化成の正極材を化成することで得ることができる。化成後の正極材は、例えば、正極活物質の原料を含む正極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極材を得た後に未化成の正極材を化成することで得てもよい。正極活物質の原料としては、鉛粉、鉛丹等が挙げられる。化成後の正極材における正極活物質としては、二酸化鉛等が挙げられる。正極材の添加剤としては、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)等の補強用短繊維、グラファイト、四塩基性硫酸鉛などが挙げられる。
[0030]
 チューブ12aは筒状であり、チューブ12aの軸方向に垂直な断面形状は、円形、楕円形、角丸四角形等であってよい。チューブ12aの長さは、例えば160~400mmである。チューブ12aの直径(外径)は、例えば5~12mmである。
[0031]
 チューブ12aは、親水化処理された基材と、基材上に保持された樹脂とを備えている。
[0032]
 基材は、例えば、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート等のポリマーで形成されていてよく、耐酸性、耐薬品性、耐酸化性が高く、比較的安価で、活物質の膨張に適した弾性率を有している観点から、好ましくは、ポリオレフィン又はポリエチレンテレフタレートで形成されている。
[0033]
 基材がポリオレフィンで形成されている場合、ポリオレフィンは、例えば炭素数2~3のオレフィン(アルケン)の少なくとも1種をモノマー単位として含む。ポリオレフィンは、好ましくは、エチレン及びプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種をモノマー単位として含む。基材は、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの混合物で形成されている。ポリオレフィンの重量平均分子量は、例えば10000~10000000であってよい。
[0034]
 基材は、細孔を有する多孔質体であってよく、例えば織布又は不織布であってよい。基材の平均細孔径は、正極材の流出を抑制し、サイクル特性を向上させる観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下、更に好ましくは10μm以下である。基材の平均細孔径は、電気抵抗を小さくでき、放電容量を更に向上させる観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上である。平均細孔径は、細孔分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所製、AUTO PORE IV 9520)によって測定される。
[0035]
 チューブ12aに含まれる基材の目付量は、電解液による抵抗を小さくする観点から、好ましくは250g/m 以下、より好ましくは200g/m 以下、更に好ましくは180g/m 以下である。チューブ12aに含まれる基材の目付量は、サイクル特性を更に向上させる点から、好ましくは60g/m 以上、より好ましくは70g/m 以上、更に好ましくは100g/m 以上である。目付量は、JIS L1913に準拠して測定される単位面積当たりの質量を意味する。
[0036]
 基材の表面は、親水化処理がなされることにより、親水化されている。親水化処理は、例えば、硫酸処理、フッ素化処理、プラズマ処理、及び界面活性剤処理からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。基材の表面が親水化処理されていることにより、後述する基材上に保持される樹脂の保持量が多くなり、チューブの引張強度を向上させることができる。親水化処理方法について、詳細は後述する。
[0037]
 基材に保持される樹脂は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等であってよく、これらの樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。基材に保持される樹脂は、基材を形成する樹脂とは異なる樹脂であってよい。
[0038]
 アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの少なくとも1種をモノマー単位として含む。アクリル系樹脂は、当該モノマーの1種のみをモノマー単位として含むホモポリマーであってもよく、2種以上をモノマー単位として含むコポリマーであってもよい。アクリル系樹脂における(メタ)アクリロイル基を有するモノマー単位の含有量は、全モノマー単位を基準として、例えば、50質量%以上、70質量%以上又は90質量%以上であってよく、アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー単位のみからなっていてもよい。
[0039]
 エポキシ系樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ系樹脂、ビスフェノールF型エポキシ系樹脂、ビスフェノールS型エポキシ系樹脂、フェノールノボラック型エポキシ系樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ系樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ系樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ系樹脂、スチルベン型エポキシ系樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ系樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ系樹脂、ビフェニル型エポキシ系樹脂、キシリレン型エポキシ系樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ系樹脂、ナフタレン型エポキシ系樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ系樹脂、脂環式エポキシ系樹脂、多官能フェノール類及びアントラセン等の多環芳香族類のジグリシジルエーテル化合物並びにこれらにリン化合物を導入したリン含有エポキシ系樹脂などであってよい。
[0040]
 ロジン系樹脂は、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂等であってよい。テルペン系樹脂は、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等であってよい。石油系樹脂は、例えば、脂肪族系石油系樹脂、芳香族系石油系樹脂、これらの水素添加物等であってよい。
[0041]
 メラミン樹脂は、高アルキル型、メチロール型、イミノ型、および、半硬化型、メチロール/イミノ型の樹脂であってよい。
[0042]
 フェノール樹脂は、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類又はα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合あるいは共縮合させて得られる樹脂、ビフェニル骨格型フェノール樹脂、パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン・パラキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、キシリレン変性ナフトール樹脂等であってよい。
[0043]
 基材に保持される樹脂は、基材の内表面上若しくは外表面上、又は基材における細孔内の表面上(これらをまとめて、単に「基材上」ともいう)に保持されていてよく、一実施形態において、基材上に付着していてよい。樹脂は、基材上の一部に保持されていてもよく、基材上の全部に保持されていてもよい。
[0044]
 樹脂の含有量は、電極を製造する際のチューブ12aの強度(引張強度)を確保し、鉛蓄電池1の使用時の活物質の膨張に耐え得る観点から、チューブ12a全量を基準として、好ましくは11質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、例えば50質量%以下であってよい。同様の観点から、樹脂の含有量は、チューブ12a全量を基準として、好ましくは11~50質量%、より好ましくは20~50質量%、更に好ましくは30~50質量%である。
[0045]
 樹脂の含有量は、以下の手順で測定される。
 樹脂が保持された基材(活物質保持用チューブ)をすり潰したサンプルを、熱重量・示差熱測定装置(TG-DTA)用アルミパンを容器として5.0mg程度秤量し、その重量W (mg)を記録する。上記サンプルについて、TG-DTA測定装置(例えば、株式会社リガク製、TG8120)を用いて測定する。測定時、不活性ガス(ヘリウム)を流量100ml/分で流す。昇温速度10℃/分で室温(例えば25℃)から100℃まで昇温し、100℃で10分間保持し、サンプル中の水分を除去する。その後、昇温速度10℃/分で380℃まで更に昇温し、380℃で20分間保持する。続いて、昇温速度10℃/分で500℃まで更に昇温し、500℃で5分間保持する。以上の昇温過程におけるサンプルの重量減少量W (mg)を算出する。一方、参照用サンプルとして、樹脂が保持されていない基材のみについても同様に昇温し、この昇温過程における参照用サンプルの重量減少量W (mg)を算出する。樹脂の含有量は、サンプルの重量W に対する、サンプルの重量減少量W と参照用サンプルの重量減少量W との差の割合(=(W -W )/W ×100(%))として算出される。
[0046]
 続いて、鉛蓄電池1の製造方法を説明する。本実施形態に係る鉛蓄電池は、例えば、電極(正極及び負極)を得る電極作製工程と、電極を含む構成部材を組み立てて鉛蓄電池を得る組み立て工程とを備える製造方法により製造される。
[0047]
 電極作製工程は、正極作製工程と、負極作製工程とを有している。正極作製工程は、例えば、活物質保持用チューブ作製工程と、仕上げ工程と、を有している。
[0048]
 活物質保持用チューブ作製工程は、基材を成形する工程と、基材の表面を親水化処理する工程と、基材に樹脂エマルジョンを接触させる工程と、を備える。
[0049]
 まず、基材を成形する工程として、シート状の基材を筒状(例えば円筒状)に成形する。このとき、必要に応じて、シート状の基材を複数枚重ねて縫い合わせたシート積層体を用いてもよい。
[0050]
 次に、基材の表面を親水化処理する。親水化処理は、好ましくは、硫酸処理、フッ素ガス処理、プラズマ処理、及び界面活性剤処理からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
[0051]
 硫酸処理は、硫酸に基材を接触させる処理であってよい。これにより、基材の表面にスルホン基を導入させるためことができる。硫酸は、無水硫酸、発煙硫酸、熱濃硫酸等であってよい。
[0052]
 フッ素ガス処理は、フッ素ガス又はフッ素ガスを含む混合ガスに基材を接触させる処理であってよい。混合ガスとしては、フッ素ガスと不活性ガス又は酸素ガスとの混合ガスが挙げられる。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
[0053]
 プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性雰囲気下、又は、酸素等の酸化性雰囲気下で、プラズマの高エネルギーにより基材の表面を粗面化する処理であってよい。
[0054]
 界面活性剤処理は、界面活性剤に基材を接触させる処理であってよい。具体的には、界面活性剤溶液中に基材を含浸させる方法、又は、界面活性剤溶液を塗布、若しくはスプレーする方法によって界面活性剤を基材に接触させた後、乾燥させて、基材表面を改質させる。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を使用することができる。
[0055]
 活物質保持用チューブ作製工程では、続いて、基材に樹脂エマルジョンを接触させる。基材に樹脂エマルジョンを接触させる方法は、具体的には、樹脂を水に分散させたエマルジョンを基材に含浸させた後、例えば60~130℃で1~3時間乾燥させる方法であってよい。これにより、基材上に樹脂が保持される。
[0056]
 エマルジョン中の樹脂の平均粒径は、例えば50~150nmであってよい。樹脂の平均粒径は、粒度分布測定装置(例えば、BECKMAN COULTER社製、LS1320)によって測定される。具体的には、樹脂を純水中に分散させ、装置本体内に注入し、以下の測定条件で測定される。
 分散溶媒:H O-D
 分散溶媒屈折率:1.33
 サンプル屈折率:1.5
 光学モデル:1.5、rt780dPIDS
 実行時間:60秒間
 ポンプスピード:50%
 サンプル密度:1g/mL
[0057]
 活物質保持用チューブ作製工程では、他の実施形態として、基材の表面を親水化処理して樹脂を保持させた後に、樹脂が保持されたシート(シート積層体)を筒状(例えば円筒状)に成形してもよい。
[0058]
 仕上げ工程では、例えば、正極原料と芯金とをチューブ内に充填した後、チューブの下部末端の連座(下部連座)を塞ぐことにより、未化成の正極材を有する正極を得る。仕上げ工程では、例えば、水、希硫酸等の溶媒及び正極原料を含むスラリーと、芯金とをチューブ内に充填した後、チューブの下部末端の下部連座を塞ぐことにより、未化成の正極材を有する正極を得てもよい。
[0059]
 負極作製工程では、例えば、負極活物質の原料を含む負極材ペーストを負極集電体(例えば集電体格子(鋳造格子体、エキスパンド格子体等))に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の負極材を有する負極を得る。熟成は、例えば、温度35~85℃、湿度50~98RH%の雰囲気で15~60時間実施される。乾燥は、例えば、温度45~80℃で15~30時間実施される。
[0060]
 負極材ペーストは、例えば、負極活物質の原料に加えて、上述した添加剤を更に含んでいてもよい。負極材ペーストは、溶媒及び硫酸を更に含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、水及び有機溶媒が挙げられる。
[0061]
 負極材ペーストにおいて、硫酸バリウム、炭素材料、補強用短繊維、スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂等の添加剤を用いる場合、硫酸バリウムの配合量は、例えば、負極活物質の原料100質量部に対して0.01~2質量部である。炭素材料の配合量は、例えば、負極活物質の原料100質量部に対して0.1~3質量部である。補強用短繊維の配合量は、例えば、負極活物質の原料100質量部に対して0.01~0.3質量部である。スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂の配合量は、例えば、負極活物質の原料100質量部に対して、樹脂固形分換算で0.01~2質量部である。
[0062]
 組み立て工程では、例えば、セパレータを介して未化成の正極及び未化成の負極を積層すると共に、同極性の電極の集電部をストラップで溶接させて電極群を得る。この電極群を電槽内に配置して未化成の電池を作製する。次に、未化成の電池に希硫酸を入れて直流電流を通電して電槽化成する。化成後の硫酸の比重を適切な比重に調整して鉛蓄電池が得られる。硫酸の比重(化成前)は、例えば1.100~1.260である。
[0063]
 化成条件及び硫酸の比重は、電極のサイズに応じて調整することができる。また、化成処理は、組み立て工程後に実施されることに限られず、電極作製工程において実施されてもよい(タンク化成)。
[0064]
 本実施形態に係る鉛蓄電池は、フォークリフト、ゴルフカート等の電気車用の鉛蓄電池として特に好適に用いられる。
実施例
[0065]
 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[0066]
(実施例1)
 親水化処理として、硫酸処理されたポリオレフィン製不織布シート(ポリエチレン及びポリプロピレンを含む、平均細孔径:20μm、日本バイリーン(株))を4枚重ね合わせてから、14.5mm間隔で略平行に300mm以上縫合した。縫合部分から外側3mmの位置で、縫目と略平行するように裁断し、縫合されたシート状基材の積層体を得た。この積層体を、縫目と平行する方向の長さが294mmとなるよう裁断してから、積層体の2枚目と3枚目の間に9mmφの心棒を通して、シート状の積層体を中空筒状に形成させ、筒状体を得た。この筒状体に、アクリル系樹脂エマルジョン(以下、アクリル系樹脂1という。平均粒径:78nm、AJ-1800、DIC(株))の10質量%溶液を1分間含浸させた。その後、100℃の恒温槽で1時間乾燥させて、基材上にアクリル系樹脂1が保持されたチューブ(内径9mmφ×294mmの円筒状)を得た。チューブ(アクリル系樹脂が保持された基材(不織布))の厚みは、ノギスで測定したところ、0.2mmであった。
[0067]
(実施例2)
 実施例1において、硫酸処理されたポリオレフィン製不織布シートに代えて、フッ素ガス処理されたポリオレフィン製不織布シート(ポリエチレン及びポリプロピレンを含む、平均細孔径:20μm、日本バイリーン(株))を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりチューブを作製した。
[0068]
(実施例3)
 実施例1において、硫酸処理されたポリオレフィン製不織布シートに代えて、界面活性剤処理されたポリオレフィン製不織布シート(ポリエチレン及びポリプロピレンを含む、平均細孔径:30μm、日本バイリーン(株))を用いた以外は、実施例1と同様の方法により活物質保持用チューブを作製した。
[0069]
(実施例4)
 実施例1において、硫酸処理されたポリオレフィン製不織布シートに代えて、プラズマ処理されたポリオレフィン製不織布シート(ポリエチレン及びポリプロピレンを含む、平均細孔径:20μm、日本バイリーン(株))を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりチューブを作製した。
[0070]
(実施例5~9)
 実施例4において、樹脂エマルジョンを表1に示すものに変更した以外は、実施例4と同様の方法によりチューブを作製した。なお、使用した樹脂エマルジョンは以下のものである。
 アクリル系樹脂エマルジョン(以下、アクリル樹脂2ともいう。平均粒径82nm):HCAF-24C、新中村化学工業(株)
 エポキシ系樹脂エマルジョン:EN-0270、DIC(株)
 水添石油系樹脂エマルジョン(平均粒径346nm):AM-1000-NT:荒川化学工業(株)
 ロジン系樹脂エマルジョン(平均粒径310nm):E-900-NT、荒川化学工業(株)
 テルペン系樹脂エマルジョン(平均粒径346nm):タマノルE-300NT、荒川化学工業(株)
[0071]
(参考例1)
 実施例1において、硫酸処理されたポリオレフィン不織布シートに代えて、親水化処理されていないポリオレフィン製不織布シートを使用した以外は、実施例1と同様の方法によりチューブを作製した。
[0072]
(比較例1)
 実施例1において、硫酸処理されたポリオレフィン不織布シートに代えて、親水化処理されていないポリオレフィン製不織布シートを使用し、実施例1と同様の方法により筒状体を得た。筒状体にアクリル系樹脂エマルジョンを含浸させずに、比較例1に係るチューブを作製した。
[0073]
<引張強度の評価>
 実施例1~9、参考例1及び比較例1に係るチューブの引張強度を、オートグラフ(EZ-FX、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。掴み間距離は20mm、掃引速度は5mm/分とした。引張強度は、サンプルが裁断するまでの最大強度であり、サンプルの単位幅当たりの強度とした。比較例1の引張強度を1としたときの実施例1~9及び参考例1の引張強度の相対値を表1に示す。
[0074]
 <硫酸劣化試験>
 実施例1~9、参考例1及び比較例1に係るチューブを比重1.330(20℃)の硫酸へ投入させた。投入後、チューブ内に電解液が浸透するよう、12時間放置した。放置後、70℃の恒温槽へチューブを投入し、3週間放置した。3週間の放置後、流水でチューブを十分に水洗し、60℃の乾燥器内で24時間乾燥させた。乾燥後のチューブについて、上述した方法と同様の方法により引張強度を測定し、硫酸による劣化の程度を評価した。比較例1の硫酸劣化後の引張強度を1としたときの実施例1~9及び参考例1の硫酸劣化後の引張強度の相対値を表1に示す。
[0075]
[表1]


[0076]
<圧縮強度の評価>
 実施例1~9及び参考例1に係るチューブを長さ50mmに裁断し、長さ方向(軸方向)の圧縮強度を測定した。測定については、ロードセルを備えた圧縮試験機(富士コントロールズ(株))に各チューブをセットし、上部台座をチューブがセットされた下部台座へ移動させてチューブを潰し、潰れたときの最大強度をロードセルにて測定した。参考例1の圧縮強度を1としたときの実施例1~9の圧縮強度の相対値を表2に示す。
[0077]
[表2]


[0078]
(実施例10)
 実施例4において、プラズマ処理されたポリオレフィン不織布シートに代えて、プラズマ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)製不織布シート(平均細孔径:34μm、日本バイリーン(株))を用いた以外は、実施例4と同様の方法によりチューブを作製した。
[0079]
(比較例2)
 実施例10において、プラズマ処理されたPET製不織布シートに代えて、親水化処理されていないPET製不織布シートを使用した以外は、実施例10と同様の方法によりチューブを作製した。
[0080]
(実施例11)
 親水化処理として、プラズマ処理されたPET製不織布シート(平均細孔径:15μm、日本バイリーン(株))を2枚重ね合わせてから、14.5mm間隔で略平行に100mm以上縫合した。縫合部分から外側3mmの位置で、縫目と略平行するように裁断し、縫合されたシート状のポレオリフィン積層体を得た。この積層体を、縫目と平行する長さが100mmとなるよう裁断してから、積層体の1枚目と2枚目の間に9mmφの心棒を通して、シート状の積層体を中空筒状に形成させ、筒状体を得た。この筒状体に、実施例4と同様の方法により、基材にアクリル系樹脂が保持されたチューブ(内径9mmφ×100mmの円筒状)を得た。チューブ(アクリル系樹脂が保持された基材(不織布))の厚みは、ノギスで測定したところ、0.4mmであった。
[0081]
(実施例12)
 実施例11において、プラズマ処理されたPET製不織布シートを細孔径が25μmのもの(日本バイリーン(株))に変更した以外は、実施例11と同様の方法によりチューブを作製した。
[0082]
(比較例3~4)
 実施例11において、プラズマ処理されたPET製不織布シートに代えて、親水化処理されておらず、表3に示す細孔径を有するPET製不織布シートを使用した以外は、実施例11と同様の方法によりチューブを作製した。
[0083]
<引張強度の評価>
 実施例10~12及び比較例2~4の各チューブについて、上述した方法と同様の方法により、引張強度を測定した。実施例10については比較例2、実施例11については比較例3、実施例12については比較例4の引張強度をそれぞれ1としたときの、各実施例における引張強度の相対値を表3に示す。
[0084]
<硫酸劣化試験>
 実施例10~12及び比較例2~4の各チューブについて、上述した方法と同様の方法により、硫酸による劣化の程度を評価した。実施例10については比較例2、実施例11については比較例3、実施例12については比較例4の硫酸劣化後の引張強度をそれぞれ1としたときの、各実施例における硫酸劣化後の引張強度の相対値を表3に示す。
[0085]
[表3]


[0086]
<圧縮強度の評価>
 実施例10~12及び比較例2~4の各チューブについて、上述した方法と同様の方法により、圧縮強度を評価した。実施例10については比較例2を、実施例11については比較例3を、実施例12については比較例4をそれぞれ1としたときの、圧縮強度の相対値を表4に示す。
[0087]
[表4]


[0088]
 親水化処理を実施した実施例1~12のチューブは、比較例1~4に係るチューブと比較して、引張強度が大きくなった。また、硫酸による劣化についても、親水化処理をした実施例1~12のチューブの方が比較例1~4に係るチューブよりも抑制された。

符号の説明

[0089]
 1…鉛蓄電池、10…正極、12…筒状電極、12a…活物質保持用チューブ、12b…芯金、12c…正極材、14…筒状電極群、20…負極、30…セパレータ、40…電解液。

請求の範囲

[請求項1]
 親水化処理された表面を有する基材と、前記基材上に保持された樹脂と、を備える活物質保持用チューブ。
[請求項2]
 前記樹脂が、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の活物質保持用チューブ。
[請求項3]
 前記基材が、ポリオレフィン又はポリエチレンテレフタレートで形成されている、請求項1又は2に記載の活物質保持用チューブ。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれか一項に記載の活物質保持用チューブと、
 前記活物質保持用チューブ内に配置された芯金及び電極材と、を備える電極。
[請求項5]
 請求項4に記載の電極を正極として備える、鉛蓄電池。
[請求項6]
 基材の表面を親水化処理する工程と、
 前記基材に樹脂エマルジョンを接触させる工程と、を備える、活物質保持用チューブの製造方法。
[請求項7]
 前記親水化処理が、硫酸処理、フッ素ガス処理、プラズマ処理、及び界面活性剤処理からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の製造方法。

図面

[ 図 1]