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1. (WO2018225340) COMPOSITION DE RÉSINE DE POLYCARBONATE POUR UN ÉLÉMENT OPTIQUE ET ÉLÉMENT OPTIQUE
Document

明 細 書

発明の名称 光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および光学部品

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008  

課題を解決するための手段

0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012   0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099  

実施例

0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108  

産業上の利用可能性

0109  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および光学部品

技術分野

[0001]
 本発明は光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および光学部品に関し、詳しくは、透明性と耐熱変色性に優れ、かつ離型性に優れる光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物およびそれを成形した光学部品に関する。

背景技術

[0002]
 パーソナルコンピュータ、携帯電話等に使用される液晶表示装置には、その薄型化、軽量化、省力化、高精細化の要求に対応するために、面状光源装置が組み込まれている。そして、この面状光源装置には、入光する光を液晶表示側に均一かつ効率的に導く役割を果たす目的で、一面が一様な傾斜面を有する楔型断面の導光板や平板形状の導光板が備えられている。
[0003]
 このような導光板は、熱可塑性樹脂の射出成形によって得られ、上記の凹凸パターンは入れ子の表面に形成された凹凸部の転写によって付与される。従来、導光板はポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂材料から成形されてきたが、最近では、より鮮明な画像を映し出す表示装置が求められ、光源近傍で発生する熱によって機器装置内が高温化する傾向にあるため、より耐熱性の高いポリカーボネート樹脂材料に置き換えられつつある。
[0004]
 ポリカーボネート樹脂は、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れるが、その透明性は、PMMA等に比べて低いことから、ポリカーボネート樹脂製の導光板と光源とから面光源体を構成した場合、輝度が低いという問題がある。また最近では導光板の入光部と入光部から離れた場所の色度差を少なくすることが求められているが、ポリカーボネート樹脂はPMMA樹脂と比べて黄変しやすいという問題がある。
[0005]
 特に最近、スマートフォンやタブレット型端末等の各種携帯端末においては、薄肉化や大型薄肉化が著しいスピードで進行しており、導光板への入光を直下型から横側エッジから行うエッジ型が採用されるようになり、超薄型の光源として光路長が長くても十分な輝度が要求されてきている。このようなハイエンドの導光板においては、上記従来技術が達成する透明性や耐黄変性レベルでは要求スペックを満たしにくいというのが現状である。
[0006]
 本発明者は、特許文献1にて、特定のアルキレングリコールユニットを有するポリアルキレングリコール共重合体を用いたポリカーボネート樹脂組成物を提案した。当該組成物は高い光線透過率と良好な色相を達成できる優れた材料であるが、射出成形時の離型性にやや難点があることが見いだされた。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2016-130298号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的(課題)は、ポリカーボネート樹脂本来の特性を何ら損なうことなく、透明性と耐熱変色性に優れ、かつ離型性に優れる光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明者は、上記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定のアルキレングリコールユニット3種をそれぞれ特定量で含むポリアルキレングリコールを、ポリカーボネート樹脂にリン系安定剤を特定の量で配合することにより、透明性と耐熱変色性に優れ、かつ離型性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
 本発明は、以下の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物の光学部品に関する。
[0010]
[1]ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ポリアルキレングリコール(B)を0.1~4質量部、リン系安定剤(C)を0.005~0.5質量部含有する樹脂組成物であって、
 ポリアルキレングリコール(B)が、テトラメチレングリコールユニット(b1)40~80モル%、(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)5~45モル%及びエチレングリコールユニット(b3)5~50モル%を含み、且つ、テトラメチレングリコールユニット(b1)、(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)及びエチレングリコールユニット(b3)から選ばれる少なくとも2以上のユニットを共重合した共重合成分を含むことを特徴とする光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[2]ポリアルキレングリコール(B)中の(2-メチル)エチレングリコールユニット及び/又はエチレングリコールユニットが、と共重合した共重合体である上記[1]に記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]ポリアルキレングリコール(B)中の(2-メチル)エチレングリコールユニット及びエチレングリコールユニットが、テトラメチレングリコールユニットと共重合した共重合体である上記[1]又は[2]に記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[4]ポリアルキレングリコール(B)の数平均分子量が、1,200超から5,000未満である上記[1]~[3]のいずれかに記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形した光学部品。

発明の効果

[0011]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、透明性と耐熱変色性に優れ、かつ離型性に優れるので、各種の光学部品、特に薄肉の光学部品等に好適に使用できる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 実施例における離型性評価に用いた試験片等の概略図である。
[図2] 実施例における離型性の評価方法を説明するための概略図である。
[0013]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、透明性と耐熱変色性に優れ、かつ離型性に優れるので、各種の光学部品、特に薄肉の光学部品等に好適に使用できる。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明する。
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ポリアルキレングリコール(B)を0.1~4質量部、リン系安定剤(C)を0.005~0.5質量部含有する樹脂組成物であって、
 ポリアルキレングリコール(B)が、テトラメチレングリコールユニット(b1)40~80モル%、(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)5~45モル%及びエチレングリコールユニット(b3)5~50モル%を含み、且つ、テトラメチレングリコールユニット(b1)、(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)及びエチレングリコールユニット(b3)から選ばれる少なくとも2以上のユニットを共重合した共重合成分を含むことを特徴とする。
[0015]
[ポリカーボネート樹脂(A)]
 本発明において使用するポリカーボネート樹脂の種類に制限はなく、ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
 ポリカーボネート樹脂は、式:-[-O-X-O-C(=O)-]-で示される炭酸結合を有する基本構造の重合体である。
 式中、Xは一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
[0016]
 また、ポリカーボネート樹脂は、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類できるが、いずれを用いることもできる。なかでも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
[0017]
 ポリカーボネート樹脂の具体的な種類に制限はないが、例えば、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなるポリカーボネート重合体が挙げられる。この際、ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させるようにしてもよい。また、二酸化炭素をカーボネート前駆体として、環状エーテルと反応させる方法も用いてもよい。またポリカーボネート重合体は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。さらに、ポリカーボネート重合体は1種の繰り返し単位からなる単重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。なお、通常、このようなポリカーボネート重合体は、熱可塑性の樹脂となる。
[0018]
 芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例を挙げると、
[0019]
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
[0020]
2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
[0021]
2,2’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル、1,4-ビス(3-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
[0022]
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
[0023]
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
[0024]
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
[0025]
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
[0026]
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
[0027]
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
[0028]
 これらの中ではビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)が好ましい。
 なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0029]
 また、脂肪族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーの例を挙げると、
 エタン-1,2-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、2-メチル-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、デカン-1,10-ジオール等のアルカンジオール類;
[0030]
 シクロペンタン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、4-(2-ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、2,2,4,4-テトラメチル-シクロブタン-1,3-ジオール等のシクロアルカンジオール類;
[0031]
 エチレングリコール、2,2’-オキシジエタノール(即ち、ジエチレングリコール)、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、スピログリコール等のグリコール類;
[0032]
 1,2-ベンゼンジメタノール、1,3-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジエタノール、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,3-ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,6-ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、4,4’-ビフェニルジメタノール、4,4’-ビフェニルジエタノール、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビスフェノールAビス(2-ヒドロキシエチル)エーテル、ビスフェノールSビス(2-ヒドロキシエチル)エーテル等のアラルキルジオール類;
[0033]
 1,2-エポキシエタン(即ち、エチレンオキシド)、1,2-エポキシプロパン(即ち、プロピレンオキシド)、1,2-エポキシシクロペンタン、1,2-エポキシシクロヘキサン、1,4-エポキシシクロヘキサン、1-メチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、2,3-エポキシノルボルナン、1,3-エポキシプロパン等の環状エーテル類;等が挙げられる。
[0034]
 ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が使用される。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0035]
 カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
[0036]
 カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
[0037]
ポリカーボネート樹脂の製造方法
 ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
 以下、これらの方法のうち、特に好適なものについて具体的に説明する。
[0038]
界面重合法
 まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
 界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
[0039]
 ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体は、前述のとおりである。なお、カーボネート前駆体の中でもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
[0040]
 反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;などが挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0041]
 アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。なお、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0042]
 アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限はないが、通常、反応のアルカリ水溶液中のpHを10~12にコントロールするために、5~10質量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10~12、好ましくは10~11になる様にコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、中でも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、中でも1:2.5以下とすることが好ましい。
[0043]
 重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’-ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’-ジメチルアニリン、N,N’-ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;ピリジン;グアニジンの塩;等が挙げられる。なお、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0044]
 分子量調節剤としては、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール;メルカプタン;フタル酸イミド等が挙げられるが、中でも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的に、m-メチルフェノール、p-メチルフェノール、m-プロピルフェノール、p-プロピルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-長鎖アルキル置換フェノール等のアルキル基置換フェノール;イソプロペニルフェノール等のビニル基含有フェノール;エポキシ基含有フェノール;o-ヒドロキシ安息香酸、2-メチル-6-ヒドロキシフェニル酢酸等のカルボキシル基含有フェノール;等が挙げられる。なお、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0045]
 分子量調節剤の使用量は、ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
[0046]
 反応の際に、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート前駆体としてホスゲンを用いた場合には、分子量調節剤はジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。
 なお、反応温度は通常0~40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)~数時間(例えば、6時間)である。
[0047]
溶融エステル交換法
 次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。
 溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
[0048]
 ジヒドロキシ化合物は、前述の通りである。
 一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-tert-ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0049]
 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの比率は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いることが好ましく、中でも1.01モル以上用いることがより好ましい。なお、上限は通常1.30モル以下である。このような範囲にすることで、末端水酸基量を好適な範囲に調整できる。
[0050]
 ポリカーボネート樹脂では、その末端水酸基量が熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす傾向がある。このため、公知の任意の方法によって末端水酸基量を必要に応じて調整してもよい。エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率;エステル交換反応時の減圧度などを調整することにより、末端水酸基量を調整したポリカーボネート樹脂を得ることができる。なお、この操作により、通常は得られるポリカーボネート樹脂の分子量を調整することもできる。
[0051]
 炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物との混合比率を調整して末端水酸基量を調整する場合、その混合比率は前記の通りである。
 また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0052]
 溶融エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意のものを使用できる。なかでも、例えばアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。なお、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0053]
 溶融エステル交換法において、反応温度は通常100~320℃である。また、反応時の圧力は通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、前記の条件で、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
[0054]
 溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし中でも、ポリカーボネート樹脂の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
[0055]
 溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いてもよい。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体などが挙げられる。なお、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0056]
 触媒失活剤の使用量は、前記のエステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。更には、ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
[0057]
 ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量(Mv)で、10,000~15,000であることが好ましく、より好ましくは10,500以上、さらに好ましくは11,000以上、特には11,500以上、最も好ましくは12,000以上であり、より好ましくは14,500以下である。粘度平均分子量を上記範囲の下限値以上とすることにより、本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、粘度平均分子量を上記範囲の上限値以下とすることにより、本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて薄肉成形加工を容易に行えるようになる。
 なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
[0058]
 なお、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度25℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10 -4Mv 0.83 から算出される値を意味する。また、極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[η sp]を測定し、下記式により算出した値である。
[数1]


[0059]
 ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常1000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは600ppm以下である。これによりポリカーボネート樹脂の滞留熱安定性及び色調をより向上させることができる。また、その下限は、特に溶融エステル交換法で製造されたポリカーボネート樹脂では、通常10ppm以上、好ましくは30ppm以上、より好ましくは40ppm以上である。これにより、分子量の低下を抑制し、樹脂組成物の機械的特性をより向上させることができる。
[0060]
 なお、末端水酸基濃度の単位は、ポリカーボネート樹脂の質量に対する、末端水酸基の質量をppmで表示したものである。その測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
[0061]
 ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂単独(ポリカーボネート樹脂単独とは、ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種のポリカーボネート樹脂を含む態様を含む意味で用いる。)で用いてもよく、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂とのアロイ(混合物)とを組み合わせて用いてもよい。さらに、例えば、難燃性や耐衝撃性をさらに高める目的で、ポリカーボネート樹脂を、シロキサン構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性や難燃性をさらに向上させる目的でリン原子を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性を向上させる目的で、ジヒドロキシアントラキノン構造を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;光学的性質を改良するためにポリスチレン等のオレフィン系構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;耐薬品性を向上させる目的でポリエステル樹脂オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体として構成してもよい。
[0062]
 また、成形品の外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1500以上、好ましくは2000以上であり、また、通常9500以下、好ましくは9000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30質量%以下とすることが好ましい。
[0063]
 さらにポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂(いわゆるマテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂)であってもよい。
 ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
[0064]
[ポリアルキレングリコール(B)]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリアルキレングリコール(B)として、テトラメチレングリコールユニット(b1)、(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)及びエチレングリコールユニット(b3)を含有する。
 なお、本明細書において、ユニットとは、テトラメチレングリコール、(2-メチル)エチレングリコール及びエチレングリコール等に由来する、テトラメチレンエーテル単位、(2-メチル)エチレンエーテル単位及びエチレンエーテル単位等のアルキレンエーテル単位等のアルキレンエーテル単位を意味する。ポリアルキレングリコールの末端基は、これらのユニットに結合するヒドロキシル基、あるいは後記するような置換基であってよい。
 そして、ポリアルキレングリコール(A)がポリアルキレングリコールの混合物の場合はそれぞれのポリアルキレングリコールの構成単位、あるいは、ポリアルキレングリコール(A)が共重合体である場合はその構成単位を意味する。
[0065]
 そして、ポリアルキレングリコール(B)が含む上記(b1)、(b2)及び(b3)は、これらから選ばれる少なくとも2以上のユニットを共重合した共重合体として含むことを特徴としている。すなわち、
 (i)テトラメチレングリコールユニット(b1)と(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)を有する共重合体、
 (ii)テトラメチレングリコールユニット(b1)とエチレングリコールユニット(b3)を有する共重合体、
 (iii)(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)とエチレングリコールユニット(b3)を有する共重合体、あるいは、
 (iv)テトラメチレングリコールユニット(b1)と(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)とエチレングリコールユニット(b3)を有する共重合体
として含有されることを特徴としている。
 上記(i)~(iii)の場合、残りの他のアルキレングリコールユニットは、その単独の重合体あるいは残りの他のユニットとの共重合体、あるいは(b1)~(b3)以外の他のユニットとの共重合体であってもよい。
[0066]
 上記(i)~(iii)に示すポリアルキレングリコール(B)を製造する方法はよく知られており、例えば上記したようなグリコール、アルキレンオキシドあるいはそのポリエーテル形成性誘導体を、通常、酸触媒を用いて共重合させることによって製造することができる。具体的な製造方法としては、例えば、特開昭61-123628、特開平7-224291に記載された方法等が挙げられる。
[0067]
 (b1)~(b3)以外の他のユニットとしては、例えば、(2-エチル)エチレングリコール、(2,2’-ジメチル)プロピレングリコール、(3-メチル)テトラメチレングリコール等が好ましく挙げられる。
[0068]
 本発明において、ポリアルキレングリコール(B)中のテトラメチレングリコールユニット(b1)の量は、(b1)~(b3)の合計100モル%基準で、40~80モル%であり、(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)の量は5~45モル%、エチレングリコールユニット(b3)の量は5~50モル%である。(b1)~(b3)ユニットの割合は、(b1)は好ましくは45~75モル%、より好ましくは50~70モル%であり、(b2)は好ましくは6~40モル%、より好ましくは7~35モル%であり、(b3)は好ましくは8~45モル%、より好ましくは10~43モル%である。
[0069]
 また、前記した、(b1)~(b3)以外の他のユニットの量は、ポリアルキレングリコール(B)全体を100モル%としたとき、好ましくは1~10モル%、より好ましくは1~5モル%であり、更に好ましくは1~3モル%である。
 なお、ポリアルキレングリコール(B)中の各ユニット(b1)~(b3)のモル比率の測定は、 H-NMR測定装置を用い、重水素化クロロホルムを溶媒として測定される。
[0070]
 また、ポリアルキレングリコール(B)を構成する各ポリアルキレン(共)重合体は、その末端基はヒドロキシル基であることが好ましい。加えて、その片末端あるいは両末端がアルキルエーテル、アリールエーテル、アラルキルエーテル、脂肪酸エステル、アリールエステルなどで封鎖されたような誘導体でもその性能発現に影響はなく、エーテル化物またはエステル化物が同様に使用できる。
[0071]
 アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれも使用でき、炭素数1~22のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基等であり、ポリアルキレングリコールのメチルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、ラウリルエーテル、ステアリルエーテル等が好ましく例示できる。
[0072]
 アリールエーテルを構成するアリール基としては、好ましくは炭素数6~22、より好ましくは炭素数6~12、さらに好ましくは炭素数6~10のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基、トリル基等が好ましい。アラルキル基としては、好ましくは炭素数7~23、より好ましくは炭素数7~13、さらに好ましくは炭素数7~11のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、ベンジル基が特に好ましい。
[0073]
 脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、直鎖状又は分岐状のいずれも使用でき、飽和脂肪酸であってもよく不飽和脂肪酸であってもよい。
 脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数1~22の1価又は2価の脂肪酸、例えば、1価の飽和脂肪酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸や、1価の不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸、また炭素数10以上の二価の脂肪酸、例えば、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸及びデセン二酸、ウンデセン二酸、ドデセン二酸である。
[0074]
 アリールエステルを構成するアリール基としては、好ましくは炭素数6~22、より好ましくは炭素数6~12、さらに好ましくは炭素数6~10のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基、トリル基等が好ましい。末端封止する基は、アラルキル基であってもポリカーボネートと良好な相溶性を示すことから、アリール基と同様の作用を発現でき、アラルキル基としては、好ましくは炭素数7~23、より好ましくは炭素数7~13、さらに好ましくは炭素数7~11のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、ベンジル基が特に好ましい。
[0075]
 上記ポリアルキレングリコール(B)としては、構造中に1,4-ブタンジオール、グリセロール、ソルビトール、ベンゼンジオール、ビスフェノールA、シクロヘキサンジオール、スピログリコールなどのポリオール由来の構造が含まれていてもよい。ポリアルキレングリコールの重合時にこれらのポリオールを加えることで、これらの有機基を主鎖中に付与することができる。特に好ましくはグリセロール、ソルビトール、ビスフェノールAなどが挙げられる。
[0076]
 構造中に有機基を含有するポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコールグリセリルエーテル、ポリ(2-メチル)エチレングリコールグリセリルエーテル、ポリ(2-エチル)エチレングリコールグリセリルエーテル、ポリテトラメチレングリコールグリセリルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリ(2-メチル)エチレングリコールグリセリルエーテル、ポリテトラメチレングリコール-ポリ(2-メチル)エチレングリコールグリセリルエーテル、ポリテトラメチレングリコール-ポリ(2-エチル)ポリエチレングリコールグリセリルエーテル、ポリエチレングリコールソルビチルエーテル、ポリ(2-メチル)エチレングリコールソルビチルエーテル、ポリ(2-エチル)エチレングリコールソルビチルエーテル、ポリテトラメチレングリコールソルビチルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリ(2-メチル)エチレングリコールソルビチルエーテル、ポリテトラメチレングリコール-ポリ(2-メチル)エチレングリコールソルビチルエーテル、ポリテトラメチレングリコール-ポリ(2-エチル)エチレングリコールソルビチルエーテル、ビスフェノールA-ビス(ポリエチレングリコール)エーテル、スフェノールA-ビス(ポリ(2-メチル)エチレングリコール)エーテル、ビスフェノールA-ビス(ポリ(2-エチル)エチレングリコール)エーテル、ビスフェノールA-ビス(ポリテトラメチレングリコール)エーテル、ビスフェノールA-ビス(ポリエチレングリコール-ポリ(2-メチル)エチレングリコール)エーテル、ビスフェノールA-ビス(ポリテトラメチレングリコール-ポリ(2-メチル)エチレングリコール)エーテル、ビスフェノールA-ビス(ポリテトラメチレングリコール-ポリ(2-エチル)ポリエチレングリコール)エーテル等が好ましいものとして挙げられる。
[0077]
 ポリアルキレングリコール(B)の数平均分子量としては、1,200超から5,000未満であることが好ましく、より好ましくは1300超、さらに好ましくは1400超であり、より好ましくは4,500未満、さらに好ましくは4,000未満、特に好ましくは3,500以下、最も好ましくは3,000以下である。上記範囲の上限を超えると、相溶性が低下するので好ましくなく、又上記範囲の下限を下回ると成形時にガスが発生するので好ましくない。
 なお、本明細書中、ポリアルキレングリコール(B)の数平均分子量はJIS K1577に準拠して測定する水酸基価に基づいて算出される値として定義される。
[0078]
 ポリアルキレングリコール(B)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.1~4質量部である。ポリアルキレングリコール(B)の含有量が0.1質量部未満であると成形時の離型性が悪化し、4質量部を超えるとポリカーボネート樹脂の白濁により透過率が低下する。ポリアルキレングリコール(B)の含有量は、好ましくは0.15質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、好ましくは3.5質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、特には2.5質量部以下である。
[0079]
[リン系安定剤(C)]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、リン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤を含有することで、本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物の色相が良好なものとなり、さらに耐熱変色性が向上する。
 リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;ホスフェート化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などが挙げられるが、ホスファイト化合物が特に好ましい。ホスファイト化合物を選択することで、より高い耐変色性と連続生産性を有する光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
[0080]
 ここでホスファイト化合物は、一般式:P(OR) で表される3価のリン化合物であり、Rは1価または2価の有機基を表す。
 このようなホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレン-ジホスファイト、6-[3-(3-tert-ブチル-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
[0081]
 このようなホスファイト化合物のなかでも、下記式(1)または(2)で表される芳香族ホスファイト化合物が、本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物の耐熱変色性が効果的に高まるため、より好ましい。
[0082]
[化1]


[式(1)中、R 、R 及びR は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数6以上30以下のアリール基を表す。]
[0083]
[化2]


[式(2)中、R 及びR は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数6以上30以下のアリール基を表す。]
[0084]
 上記式(1)で表されるホスファイト化合物としては、なかでもトリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等が好ましく、なかでもトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトがより好ましい。このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、住友化学社製「スミライザーTNP」、城北化学工業社製「JP-351」、ADEKA社製「アデカスタブ2112」、BASF社製「イルガフォス168」、城北化学工業社製「JP-650」等が挙げられる。
[0085]
 上記式(2)で表されるホスファイト化合物としては、なかでもビス(2,4-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトのようなペンタエリスリトールジホスファイト構造を有するものが特に好ましい。このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には例えば、アデカ社製「アデカスタブPEP-24G」、「アデカスタブPEP-36」、Doverchemical社製「Doverphos S-9228」等が好ましく挙げられる。
[0086]
 ホスファイト化合物のなかでも、上記式(2)で表される芳香族ホスファイト化合物が、色相がより優れるため、より好ましい。
 なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
[0087]
 リン系安定剤(C)の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.005~0.5質量部であり、より好ましくは0.007質量部以上、さらに好ましくは0.008質量部以上、特に好ましくは0.01質量部以上であり、また、より好ましくは0.4質量以下、さらに好ましくは0.3質量部以下、中でも0.2質量部以下、特には0.1質量部以下が好ましい。リン系安定剤(C)の含有量が前記範囲の0.005質量部未満の場合は、色相、耐熱変色性が不十分となりやすく、リン系安定剤(C)の含有量が0.5質量部を超える場合は、耐熱変色性が却って悪化しやすく湿熱安定性も低下しやすい。
[0088]
[エポキシ化合物(D)]
 本発明の樹脂組成物はエポキシ化合物(D)を含有することも好ましい。エポキシ化合物(D)をポリアルキレングリコール重合体(B)と併せて含有することで耐熱変色性をより向上させることができる。
[0089]
 エポキシ化合物(D)としては、1分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が用いられる。具体的には、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、t-ブチルフェニルグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシ-6’-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、2,3-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4-(3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシル)ブチル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-6’-メチルシロヘキシルカルボキシレート、ビスフェノール-Aジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール-Aグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、ビス-エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、ビス-エポキシエチレングリコール、ビス-エポキシシクロヘキシルアジペート、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシタレート、エポキシ化ポリブタジエン、3,4-ジメチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、3,5-ジメチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、3-メチル-5-t-ブチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、オクタデシル-2,2-ジメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N-ブチル-2,2-ジメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、シクロヘキシル-2-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N-ブチル-2-イソプロピル-3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、オクタデシル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2-エチルヘキシル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,6-ジメチル-2,3-エポキシシクロヘキシル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、3-t-ブチル-4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、ジエチル4,5-エポキシ-シス-1,2-シクロヘキシルジカルボキシレート、ジ-n-ブチル-3-t-ブチル-4,5-エポキシ-シス-1,2-シクロヘキシルジカルボキシレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などを好ましく例示することができる。
 エポキシ化合物は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
[0090]
 これらのうち、脂環族エポキシ化合物が好ましく用いられ、特に、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが好ましい。
[0091]
 エポキシ化合物(D)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.0005~0.2質量部であり、より好ましくは0.001質量部以上、さらに好ましくは0.003質量部以上、特に好ましくは0.005質量部以上であり、また、より好ましくは0.15質量以下、さらに好ましくは0.1質量部以下、特に好ましくは0.05質量部以下である。エポキシ化合物(D)の含有量が0.0005質量部未満の場合は、色相、耐熱変色性が不十分となりやすく、0.2質量部を超える場合は、耐熱変色性が却って悪化しやすく色相や湿熱安定性も低下しやすい。
[0092]
[添加剤等]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、上記した以外のその他の添加剤、例えば、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、顔料、染料、ポリカーボネート樹脂以外の他のポリマー、難燃剤、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、可塑剤、相溶化剤などの添加剤を含有することができる。これらの添加剤は一種または二種以上を配合してもよい。
 なお、ポリカーボネート樹脂以外のその他の樹脂を含有する場合、その含有量は、ポリカーボネート樹脂成分(A)100質量部に対し、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下がより好ましく、さらには5質量部以下、特には3質量部以下とすることが好ましい。
[0093]
[光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリアルキレングリコール(B)としての(共)重合体、及びリン系安定剤(C)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240~320℃の範囲である。
[0094]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、高い分光透過率を示し、300mmの光路長で測定した波長420nmでの分光透過率が、好ましくは50%以上という高い分光透過率を有することができる。波長420nmでの分光透過率は、導光板等の光学部品でも多用される青色LEDの波長領域に近接する波長域での透過率であり、またこの波長域での透過率が低いと黄色味が増加することになる。
 なお、波長420nmでの分光透過率は、射出成形された長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を用い300mmの光路長で測定される。
[0095]
[光学部品]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、上記した光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物をペレタイズしたペレットを各種の成形法で成形して光学部品を製造することができる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、成形して光学部品にすることもできる。
[0096]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、流動性と離型性に優れ、透明性と耐熱変色性に優れるので、薄肉の成形品にした場合でも、白点異物のない成形品外観に優れ、透過率や色相を両立できることから、射出成形法により、薄肉の光学部品を成形するのに好適に用いられる。射出成形の際の樹脂温度は、一般にポリカーボネート樹脂の射出成形に適用される温度である260~300℃よりも高い樹脂温度にて成形することが好ましく、305~380℃の樹脂温度が好ましい。樹脂温度は310℃以上であるのがより好ましく、315℃以上がさらに好ましく、320℃以上が特に好ましく、370℃以下がより好ましい。従来の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物を用いた場合には、薄肉成形品を成形するために成形時の樹脂温度を高めると、成形品の表面に白点異物が生じやすくなるという問題もあったが、本発明の樹脂組成物を使用することで、上記の温度範囲であっても、良好な外観を有する薄肉成形品を製造することが可能となる。
 なお、樹脂温度とは、直接測定することが困難な場合はバレル設定温度として把握される。
[0097]
 ここで、薄肉成形品とは、通常肉厚が1mm以下、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.6mm以下の板状部を有する成形品をいう。ここで、板状部は、平板であっても曲板状になっていてもよく、平坦な表面であっても、表面に凹凸等を有してもよく、また断面は傾斜面を有していたり、楔型断面等であってもよい。
[0098]
 光学部品としては、LED、有機EL、白熱電球、蛍光ランプ、陰極管等の光源を直接または間接に利用する機器・器具の部品が挙げられ、導光板や面発光体用部材等が代表的なものとして例示される。
 導光板は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の中で、LED等の光源の光を導光するためのものであり、側面または裏面等から入れた光を、通常表面に設けられた凹凸により拡散させ、均一の光を出す。その形状は、通常平板状であり、表面には凹凸を有していても有していなくてもよい。
 導光板の成形は、通常、好ましくは射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法などにより行われる。
 本発明の樹脂組成物を用いて成形した導光板は、白濁や透過率の低下がなく、透過率および色相が極めて良好である。
[0099]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物による導光板は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の分野で好適に使用できる。このような装置の例としては、携帯電話、モバイルノート、ネットブック、スレートPC、タブレットPC、スマートフォン、タブレット型端末等の各種携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、各種ディスプレイ、照明機器等が挙げられる。
実施例
[0100]
 以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
[0101]
 以下の実施例及び比較例で使用した原料および評価方法は次の通りである。なお、ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量の測定方法は、前述したとおりである。
[0102]
[表1]


[0103]
(実施例1~6、比較例1~3)
[樹脂組成物ペレットの製造]
 上記した各成分を、以下の表2に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチック機械社製「VS-40」)により、シリンダー温度240℃で溶融混練し、ストランドカットによりポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
 なお、各ポリカーボネート樹脂組成物において、配合したポリアルキレングリコール(B)全体(100モル%)に対する、テトラメチレングリコールユニット(b1)、(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)及びエチレングリコールユニット(b3)の割合(モル%)を、表2に示した。
[0104]
[色相(YI)]
 得られたペレットを120℃で5時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製「EC100SX-2A」)により、樹脂温度340℃、金型温度80℃で長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を成形した。
 この長光路成形品について、300mmの光路長でYI(黄変度)の測定を行った。測定には長光路分光透過色計(日本電色工業社製「ASA 1」、C光源、2°視野)を使用した。
[0105]
[ΔYI:耐熱変色性の評価]
 また、上記長光路成形品を95℃で700時間保持した後のYIを測定し、YI値の差ΔYIを求め、耐熱変色性の評価を行った。ΔYIが小さいほど耐熱変色性が優れる。
[0106]
[離型性の評価:離型できた最短時間]
 得られたペレットを、120℃で5時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機射出成形機(Sodick社製「HSP100A」)を用い、バレル温度:360℃、金型温度:80℃、射出速度:500mm/sec、保圧:1.0MPa、保圧時間:2secの条件で、図1に示した概略T字形の試験片の成形を行い、イジェクタ―ピンによる離型させる際の状況を、以下の方法で評価した。
[0107]
 図1は、試験片の形状と、これを金型からイジェクタ―ピンで離型させる試験方法を示す概念図である。試験片1は概略T字形の形をしており、試験片1の部位2、2’に可動側の金型5からのイジェクタ―ピン3、3’が当たり押し出されて、離型される。
 図2(a)は、試験片1を図1の上方側から見た金型内の状況を示す断面図である。射出成形機4からは固定側金型7内に樹脂が射出され、スプールランナー部6を通じ、可動型金型5との間のキャビティに試験片1が成形される。可動側金型5にはコアピン8が設置されており、このコアピン8が試験片1のスプールランナー部6内のAに挿入されるようになっている。コアピン8は、図2(b)に示すような形状と寸法を有しており、コアピン8があることで離型時の離型抵抗を増加させることになる。
 試験の方法は、射出成形後の冷却時間を10秒から0.5秒刻みで最短3.5秒まで変化させながら、可動側の金型5からイジェクタ―ピン3、3’を試験片1の部位2、2’に当てて押し出し、試験片1が変形することなく離型できるかどうかを観察した。冷却が長い時間行われると当然離型は容易になるが、本評価では冷却時間をどのくらい短い秒数で正しく離型できたか、その秒数により離型性を評価した。冷却時間が短いほど、離型性が良好で、成形サイクルを短くすることができることになる。
 なお、本成形においては計量時間が3.3秒程度となったので、冷却時間の最短は3.5秒とした。
 以上の評価結果を以下の表2に示す。
[0108]
[表2]


産業上の利用可能性

[0109]
 本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、透明性と耐熱変色性に優れ、かつ離型性に優れるので、特に光学部品に極めて好適に利用でき、産業上の利用性は非常に高い。

請求の範囲

[請求項1]
 ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ポリアルキレングリコール(B)を0.1~4質量部、リン系安定剤(C)を0.005~0.5質量部含有する樹脂組成物であって、
 ポリアルキレングリコール(B)が、テトラメチレングリコールユニット(b1)40~80モル%、(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)5~45モル%及びエチレングリコールユニット(b3)5~50モル%を含み、且つ、テトラメチレングリコールユニット(b1)、(2-メチル)エチレングリコールユニット(b2)及びエチレングリコールユニット(b3)から選ばれる少なくとも2以上のユニットを共重合した共重合成分を含むことを特徴とする光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[請求項2]
 ポリアルキレングリコール(B)中の(2-メチル)エチレングリコールユニット及び/又はエチレングリコールユニットが、テトラメチレングリコールユニットと共重合した共重合体である請求項1に記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[請求項3]
 ポリアルキレングリコール(B)中の(2-メチル)エチレングリコールユニット及びエチレングリコールユニットが、テトラメチレングリコールユニットと共重合した共重合体である請求項1又は2に記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[請求項4]
 ポリアルキレングリコール(B)の数平均分子量が、1,200超から5,000未満である請求項1~3のいずれか1項に記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[請求項5]
 請求項1~4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形した光学部品。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]