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1. (WO2018181374) PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE ROTOR
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明 細 書

発明の名称 ロータの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094  

符号の説明

0095  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

明 細 書

発明の名称 : ロータの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ロータの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、接着剤を用いて永久磁石をロータコアに固定するロータの製造方法が知られている。たとえば、特開2005-304247号公報に開示されている。
[0003]
 上記特開2005-304247号公報には、接着剤を熱硬化させることにより永久磁石をロータコアのスロット内に固定する永久磁石モータの製造方法が開示されている。この製造方法では、ロータコアのスロットに、所定量の液状の接着剤が注入される。その後、接着剤が注入されたスロットに永久磁石が挿入される。その後、スロットがエンドプレートにより塞がれる。その後、ロータの上下を逆転させた状態で加熱して、接着剤が熱硬化することにより、永久磁石とロータコアとが固定される。
[0004]
 しかしながら、上記特開2005-304247号公報に記載の永久磁石モータの製造方法では、液状の接着剤が注入されたスロットに、永久磁石が挿入されるので、液状の接着剤がスロット内部で流れることにより、接着剤が配置されるべきでない位置に接着剤が入り込む場合や、設計された膜厚と異なる状態で硬化される場合があると考えられる。たとえば、ロータコアと永久磁石とが、接着剤を介さずに当接(近接)すべき位置に接着剤が入り込む場合や、接着剤の厚みが必要な部分において十分な厚みが確保されない場合があると考えられる。すなわち、上記特開2005-304247号公報に記載の永久磁石モータの製造方法では、接着剤の配置位置(接着剤配置位置)の制御が困難になるという不都合がある。
[0005]
 そこで、接着剤の配置位置の制御を容易にするために、揮発剤を含む接着剤を永久磁石に塗布した後、この揮発剤を揮発させて接着剤を乾燥させることにより、接着剤の粘度を向上させて、接着剤を接着剤配置位置に位置決めして固定するロータの製造方法が考えられる。たとえば、加熱炉に、接着剤が塗布された永久磁石を配置して、加熱炉内の雰囲気温度を上昇させて、接着剤を乾燥させることが考えられる。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2005-304247号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 しかしながら、上記の従来のロータの製造方法では、加熱炉内の上昇された雰囲気温度により、接着剤が加熱されるとともに、加熱炉に配置された永久磁石も加熱される。ところが永久磁石は、接着剤に比べて熱容量が大きく、接着剤に比べて温度上昇が遅い。よって、接着剤の表面部分は、加熱炉内の比較的高い温度を有する雰囲気からの熱により、温度が上昇する一方、接着剤の永久磁石との境界部は永久磁石に熱が奪われてしまい、接着剤の全体の温度上昇が永久磁石の温度上昇に影響されて、接着材の全体の乾燥時間が長くなってしまう。そこで、乾燥時間を短縮するために、加熱炉内の雰囲気温度をさらに上昇させることが考えられるが、加熱炉内の雰囲気温度を上昇させ過ぎると、接着剤の表面部分の温度が上昇し過ぎてしまい乾燥した表面部分の接着剤が軟化する場合があると考えられる。このため、加熱炉内の雰囲気温度を必要以上に上昇させることができず、乾燥時間を短くすることには限界がある。
[0008]
 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、乾燥された接着剤を用いて永久磁石をロータコアに固定する場合に、速やかに接着剤を乾燥させることが可能なロータの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるロータの製造方法は、ロータコアと、接着剤によりロータコアに固定される永久磁石とを備えるロータの製造方法であって、永久磁石の接着剤配置位置に、揮発剤を含む接着剤を塗布する工程と、接着剤を塗布する工程の後、磁石加熱部により永久磁石を直接的に加熱することにより、揮発剤を揮発させて接着剤を乾燥させる工程と、接着剤を乾燥させる工程の後、ロータコアに永久磁石を配置する工程と、永久磁石を配置する工程の後、接着剤を硬化させることにより、ロータコアに永久磁石を固定する工程とを備える。なお、本願明細書では、「接着剤を塗布する」という記載を、ノズル等を用いて接着剤を塗布することのみならず、スタンプ等を用いたスタンピング(転写)により、接着剤を塗布することも含む、広い概念を意味するものとして記載している。また、「永久磁石」とは、着磁後に限らず、着磁前の状態をも含む、広い概念を意味するものとして記載している。また、「磁石加熱部により永久磁石を直接的に加熱する」とは、磁石加熱部を永久磁石に接触させて直接的に加熱する場合のみならず、磁石加熱部を永久磁石から離間させた状態で誘導加熱(IH)や高エネルギービーム(レーザ)や、永久磁石への局部的な熱風により直接的に加熱する場合も含む概念である。
[0010]
 この発明の一の局面におけるロータの製造方法では、磁石加熱部により永久磁石を直接的に加熱することにより、揮発剤を揮発させて接着剤を乾燥させる。これにより、接着剤の永久磁石との境界部が永久磁石により直接的に加熱されるので、接着剤よりも永久磁石の温度が低く永久磁石に熱が奪われる場合と異なり、接着剤の永久磁石との境界部の乾燥時間が長くなるのを防止することができる。この結果、接着剤のうちの比較的乾燥時間が長くなりやすい境界部の乾燥時間が長くなるのを防止できる分、接着剤全体の乾燥時間を、容易に短縮することができる。したがって、乾燥された接着剤を用いて永久磁石をロータコアに固定する場合に、速やかに接着剤を乾燥させることができる。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、上記のように、乾燥された接着剤を用いて永久磁石をロータコアに固定する場合に、速やかに接着剤を乾燥させることができる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 本発明の一実施形態による回転電機(ロータ)の断面図である。
[図2] 本発明の一実施形態によるロータの斜視図である。
[図3] 本発明の一実施形態による永久磁石および接着剤の構成を示す側面図である。
[図4] 本発明の一実施形態による永久磁石とロータコアとが接着剤により接着された状態を示す部分平面図である。
[図5] 本発明の一実施形態による接着剤の膨張前(図5A)および膨張後(図5B)の状態を模式的に示す断面図である。
[図6] 本発明の一実施形態による接着剤の構成を示す概念図である。
[図7] 本発明の一実施形態によるロータコアに永久磁石が挿入された状態を示す部分平面図である。
[図8] 本発明の一実施形態による接着剤の乾燥前(図8A)および乾燥後(図8B)を模式的に示す部分断面図である。
[図9] 本発明の一実施形態による磁石加熱部と磁石載置治具とを組み合わる前(図9A)および組み合わせた後(図9B)の構成を説明するための断面図である。
[図10] 本発明の一実施形態による磁石加熱部の構成を示す斜視図である。
[図11] 本発明の一実施形態による磁石加熱部および磁石載置治具の構成を説明するための部分拡大図である。
[図12] 本発明の一実施形態による磁石載置治具の構成を示す斜視図である。
[図13] 本発明の一実施形態のロータの製造工程を説明するためのフローチャートである。
[図14] 本発明の一実施形態のロータの製造工程中における接着剤の厚みおよび接着剤の温度を説明するための図である。
[図15] 本発明の一実施形態の接着剤を永久磁石に塗布する工程において塗布する前(図15A)および塗布した後(図15B)を説明するための図である。
[図16] 本発明の一実施形態の永久磁石を加熱することにより接着剤を乾燥させる工程を説明するための図である。
[図17] 本発明の一実施形態の排気装置の構成を説明するための模式図である。
[図18] 本発明の一実施形態の永久磁石をロータコアに挿入する工程を説明するための図である。
[図19] 本発明の一実施形態の変形例によるロータの製造工程を説明するためのフローチャートである。
[図20] 本発明の一実施形態の変形例によるロータの構成を模式的に示した図である。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[0014]
 [本実施形態におけるロータの構造]
 図1~図8を参照して、本実施形態によるロータ100の構造について説明する。ロータ100は、回転電機101の一部を構成する。回転電機101は、たとえば、モータまたはジェネレータとして構成されている。
[0015]
 また、本願明細書では、「回転軸線方向」または「軸方向」は、ロータ100の回転軸線方向(軸C1(図2参照)に沿った方向;図1中のZ軸に平行な方向)を意味する。また、「周方向」は、ロータ100の周方向(図2中の矢印A1方向または矢印A2方向)を意味する。「径方向」は、ロータ100の径方向(図1中の矢印R1方向または矢印R2方向)を意味する。また、「径方向内側」は、ロータ100の内径側(矢印R1方向側)を意味し、「径方向外側」は、ロータ100の外径側(矢印R2方向側)を意味する。
[0016]
 (ロータの全体構造)
 ロータ100は、図1に示すように、たとえば、複数の永久磁石1がロータ100の内部に埋め込まれた埋込永久磁石型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)の一部(回転電機101の一部)を構成している。
[0017]
 また、ロータ100は、ステータ102の径方向内側において、ステータ102と径方向に対向するように配置されている。すなわち、回転電機101は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。そして、回転電機101では、ステータ102にはコイル(図示せず)が設けられており、コイルが発生させる磁界(磁束)とステータ102に対向するロータ100が発生させる磁界(磁束)との相互作用により、ロータ100が回転運動するように構成されている。そして、ロータ100は、図1に示すように、永久磁石1と、ハブ部材2と、ロータコア3と、接着剤4と、エンドプレート5とを含む。ロータ100は、シャフトに接続されるハブ部材2に固定され、ハブ部材2およびシャフトを介して、回転電機101の外部に回転運動を伝達させる(または伝達される)ように構成されている。なお、ステータ102は、回転電機101の図示しないケースに固定されている。
[0018]
 永久磁石1は、たとえば、ネオジム磁石により形成されている。ネオジム磁石は、磁化方向(矢印R1方向および矢印R2方向)に正の熱膨張係数を有する一方、磁化方向に垂直な方向(永久磁石1の幅方向およびZ軸に沿った方向)に負の熱膨張係数を有する。なお、「永久磁石1の幅方向」とは、Z軸に垂直な方向で、かつ、磁化方向に垂直な方向である。
[0019]
 図3に示すように、永久磁石1は、径方向内側から見て、軸方向の長さL1、および、長さL1より小さい幅W1を有する略矩形形状を有するように形成されている。図4に示すように、永久磁石1は、矢印Z1方向側から見て、径方向外側の2つの角部が面取りされた略矩形形状を有する。そして、永久磁石1は、径方向内側の面11が平坦面として、径方向外側の面12が弧状を有する面として構成されている。
[0020]
 また、永久磁石1の面取りされた2つの角部には、それぞれ、後述する磁石用孔部32に当接する当接面としての面13が設けられている。永久磁石1の2つの面13は、それぞれ、磁石用孔部32の壁面32aに当接する(面接触する)ように配置されている。すなわち、永久磁石1は、矢印Z1方向側から見て、一対のテーパー形状を有する壁面32aにより位置決めされた状態で、固定されている。
[0021]
 図2に示すように、ロータコア3は、円環形状を有する複数(たとえば、4つ)のコアブロック30を含む。複数のコアブロック30は、中心軸C1を一致させた状態で、軸方向に積層されている。そして、コアブロック30は、それぞれ、円環形状を有する複数の電磁鋼板31(図1参照;たとえば、珪素鋼板)が、軸方向に積層されて形成されている。
[0022]
 コアブロック30には、軸方向に沿った貫通孔として構成された複数(たとえば、16個)の孔部132が設けられている。また、複数のコアブロック30は、矢印Z1方向側から見て、互いに孔部132の位置がオーバーラップする(または完全に一致する)ように、軸方向に積層されている。これにより、ロータコア3では、複数のコアブロック30の孔部132が連続して接続されることにより、永久磁石1が軸方向に沿って挿入される磁石用孔部32が形成されている。また、複数の磁石用孔部32は、矢印Z1方向側から見て、周状に、等角度間隔で配置されている。
[0023]
 そして、複数の磁石用孔部32には、それぞれ、永久磁石1が配置されている。磁石用孔部32と永久磁石1とは、接着剤4により固定(接着)されており(図4参照)、互いに固定されている。また、磁石用孔部32の軸方向の長さL2は、永久磁石1の軸方向の長さL1以下の大きさに構成されている。
[0024]
 図4に示すように、磁石用孔部32には、接着剤4が配置されるとともに、ロータコア3の径方向内側に窪む、軸方向に沿って延びる2つの溝部32bが設けられている。詳細には、2つの溝部32bは、永久磁石1の面11の接着剤配置位置B1およびB2(図3参照)に径方向に対向する位置に配置されている。そして、2つの溝部32bは、磁石用孔部32の周方向の両端部の近傍に設けられており、2つの溝部32bの間に、突出部32cが設けられている。そして、2つの溝部32bは、それぞれ、底部32dを有し、突出部32cの頂面32eから底部32dまでの溝深さd1は、後述する厚みt1(図7参照)よりも大きく、厚みt2以下に構成されている。
[0025]
 図3に示すように、接着剤4は、永久磁石1の径方向内側の面11の一部に接触して配置されている。たとえば、接着剤4は、永久磁石1の径方向内側の面11の一部のみに配置されている。詳細には、接着剤4は、永久磁石1の面11の接着剤配置位置B1およびB2のみに配置されている。すなわち、接着剤4は、永久磁石1の面11において、短手方向の一方側(矢印A1方向側)の部分である接着剤配置位置B1および他方側(矢印A2方向側)の部分である接着剤配置位置B2の2つの部分に配置されている。そして、接着剤4は、永久磁石1の面11の長手方向(矢印Z1方向側の部分から矢印Z2方向側の部分に渡って、軸方向)に延びる矩形形状を有するように形成されている。なお、接着剤4は、永久磁石1の軸方向端面14(以下、端面14)、周方向端面15(以下、端面15)および、永久磁石1の面11の端面14の近傍の部分B3(矢印Z1方向側の部分)および部分B4(矢印Z2方向側の部分)には、配置されていない。
[0026]
 図5に示すように、接着剤4は、永久磁石1とロータコア3とが接着剤4により固定(接着)された状態において、発泡された状態の発泡剤41と、硬化された状態の主剤42および硬化剤43とを含む。発泡剤41は、膨張温度T1以上の温度に加熱されることにより発泡(膨張)する膨張剤である。また、主剤42および硬化剤43は、膨張温度T1より高温である硬化温度T2以上の温度に加熱されることにより、互いに反応して硬化する熱硬化性樹脂である。なお、発泡剤41は、請求の範囲の「膨張剤」の一例である。また、主剤42および硬化剤43は、請求の範囲の「熱硬化性樹脂」の一例である。
[0027]
 そして、発泡剤41が発泡して膨張することにより、接着剤4の厚みは、厚みt1(図5A)から、厚みt2(図5B)に変化する。その結果、接着剤4は、永久磁石1の面11から溝部32bの底部32dに渡って配置された状態になる。
[0028]
 図6に示すように、発泡剤41は、カプセル体として構成されており、膨張温度T1以上の温度に加熱されることにより、カプセル体が膨張して体積が大きくなるように構成されている。たとえば、接着剤4は、発泡剤41としてのイソペンタンを含む。また、膨張温度T1は、たとえば、カプセル体が発泡成形する発泡成形温度として設定することが可能である。
[0029]
 図7に示すように、接着剤4の発泡剤41が発泡する前の状態では、接着剤4と溝部32bの底部32dとは、互いに離れた位置に配置されているとともに、永久磁石1の面13と磁石用孔部32の壁面32aとは、互いに離れた位置に配置される。そして、接着剤4の発泡剤41が発泡された後の状態(図4参照)では、接着剤4が膨張して、接着剤4が溝部32bの底部32dに接触して、永久磁石1が径方向外側に押圧され、永久磁石1の面13と磁石用孔部32の壁面32aとが、接触する位置に配置される。
[0030]
 主剤42は、たとえば、エポキシ系樹脂(たとえば、ビスフェノールA型液状エポキシ、および、エポキシ樹脂ポリマー)を含む。また、硬化剤43は、たとえば、ジシアンジアミドを含む。そして、永久磁石1とロータコア3とは、接着剤4の主剤42と硬化剤43とが硬化されることにより、接着され固定される。また、硬化温度T2は、後述する乾燥温度T3よりも高く、かつ、膨張温度T1よりも高い。また、硬化温度T2は、主剤42および硬化剤43の組み合わせにより設定され、製品上限温度T4よりも低い。また、製品上限温度T4は、たとえば、ロータ100としての性能に影響が生じない程度の温度として設定することが可能である。
[0031]
 図8に示すように、接着剤4は、永久磁石1とロータコア3とが接着剤4により接着される前で、かつ、乾燥される前の状態において、揮発性を有する揮発剤としての希釈溶剤44と、発泡される前の状態の膨張剤としての発泡剤41と、硬化されていない状態の主剤42および硬化剤43とを含む。
[0032]
 そして、接着剤4は、永久磁石1とロータコア3とが接着剤4により固定される前で、かつ、乾燥された後の状態(図8B参照)において、発泡剤41と、硬化されていない状態の主剤42および硬化剤43とを含む。すなわち、接着剤4が乾燥された後では、接着剤4における希釈溶剤44の量が減少しているか、または、接着剤4における希釈溶剤44が略含有されていない状態になる。
[0033]
 希釈溶剤44は、たとえば、メチルエチルケトン等のケトン類や、アルコール類、エーテル類などの揮発性有機溶剤を用いることができ、本実施形態ではメチルエチルケトンおよび酢酸エチルの両方を含む。また、希釈溶剤44は、発泡剤41および硬化剤43の少なくとも一方よりも粘度が低い。これにより、希釈溶剤44は、接着剤4に含有されることにより、接着剤4の粘度を低下させ、流動性を高める機能を有する。
[0034]
 また、希釈溶剤44は、乾燥温度T3以上の温度(たとえば、図14の温度T10)にされることにより、揮発する。ここで、乾燥温度T3として、たとえば、希釈溶剤44の沸点温度、または、沸点温度近傍の温度を設定することが可能である。
[0035]
 乾燥温度T3は、膨張温度T1よりも低い。また、膨張温度T1は、硬化温度T2よりも低い。これにより、接着剤4の温度を、膨張温度T1未満で、かつ、乾燥温度T3以上の温度にすることにより、発泡剤41を膨張させない状態で、かつ、主剤42および硬化剤43を硬化させない状態で、希釈溶剤44を揮発させることが可能になる。
[0036]
 図8Aに示すように、接着剤4は、乾燥される前の状態において、永久磁石1の幅方向に垂直な方向(矢印R1方向および矢印R2方向)に厚みt3を有する。そして、図8Bに示すように、接着剤4は、希釈溶剤44が揮発されることにより、体積が減少して薄膜化される。すなわち、接着剤4は、乾燥された後の状態において、厚みt3よりも小さい厚みt1を有する。なお、接着剤4のうち、永久磁石1側の部分(矢印R2方向側の部分)であり、永久磁石1の面11に接触する部分を含む部分を境界部4aとし、矢印R1方向側の雰囲気に接触する部分を含む部分を表面部分4bとする。
[0037]
 [本実施形態による磁石載置治具および磁石加熱部の構成]
 次に、図9~図12を参照して、本実施形態によるロータ100の製造に用いられる磁石加熱部50および磁石載置治具60の構成について説明する。
[0038]
 また、本願明細書では、「永久磁石の鉛直方向」は、永久磁石1の面11または面12に垂直な方向(矢印G方向)を意味し、矢印G1方向を上方、矢印G2方向を下方として記載している。
[0039]
 (磁石加熱部の構成)
 図9に示すように、磁石加熱部50は、加熱板51と加熱治具52とを含む。加熱板51(ホットプレート)は、電力等を用いて、上面51a(矢印G1方向側の面)の温度を上昇させることにより、加熱治具52を加熱するヒータとして構成されている。加熱治具52は、たとえば、加熱板51の上面51aに接触した状態で締結部材53により固定されている。そして、加熱治具52は、加熱板51に接触することにより、加熱板51からの熱が伝達されて加熱されるように構成されている。
[0040]
 図10に示すように、加熱治具52は、基台部52aと、位置決め凸部52bと、ガイド凸部52cと、突出加熱部54とを含む。基台部52aは、平板状に形成され、加熱板51の上面51aに当接した状態で、締結部材53により加熱板51に固定されている。突出加熱部54は、互いに所定の間隔を隔てて複数(たとえば、4つ)設けられている。そして、突出加熱部54は、基台部52aから矢印G1方向側に突出するように形成されている。
[0041]
 位置決め凸部52bは、F方向の中央部において、基台部52aの矢印E1方向側および矢印E2方向側の端部の近傍のそれぞれに、矢印G1方向側に突出するように設けられている。位置決め凸部52bは、たとえば、先端部が半球状(先端に向かって先細り形状)に形成された円柱形状に形成されている。そして、位置決め凸部52bが磁石載置治具60の位置決め孔部61および切欠き部62に嵌ることにより(図9B参照)、磁石載置治具60が磁石加熱部50に対して位置決めされる。
[0042]
 ガイド凸部52cは、複数の突出加熱部54の矢印F1方向側および矢印F2方向側のそれぞれに設けられている。図11に示すように、ガイド凸部52cは、磁石加熱部50に磁石載置治具60が取り付けられた状態で、磁石載置治具60の加熱部配置用孔部63の内部に位置する。そして、ガイド凸部52cは、先端部が半球状(先端に向かって先細り形状)に形成されている。これにより、ガイド凸部52cは、磁石加熱部50に磁石載置治具60が取り付けられる際に、永久磁石1を突出加熱部54の上面54a(図10参照)に案内するように構成されている。そして、ガイド凸部52cは、磁石加熱部50に磁石載置治具60が取り付けられた状態で、突出加熱部54に載置された永久磁石1のF方向の両側の端面14の近傍に配置される。
[0043]
 突出加熱部54は、たとえば、四角柱形状を有する。突出加熱部54は、F方向に長さL3を有し、E方向に長さL4を有する。長さL3は、永久磁石1の長手方向の長さL1よりも小さい。長さL4は、永久磁石1の短手方向の幅W1よりも大きい。図9Bに示すように、突出加熱部54の上面54aは、永久磁石1の面12の形状に沿った湾曲した形状を有する。また、突出加熱部54の上面54aは、永久磁石1の面12を下面とし、永久磁石1の面11を上面とした状態で、永久磁石1を載置可能に構成されている。そして、突出加熱部54は、永久磁石1の面12に接触した状態で熱を伝達することにより、永久磁石1を直接的に加熱するように構成されている。
[0044]
 図10に示すように、突出加熱部54は、上面54aのE方向の両側にそれぞれ配置され、上面54aよりも矢印G1方向側に突出するガイド板状部54bを含む。たとえば、ガイド板状部54bは、F方向に沿って延びるように形成されている。また、ガイド板状部54bは、矢印G1方向側の端面の角部が面取りされている。これにより、ガイド板状部54bは、磁石加熱部50に磁石載置治具60が取り付けられる際に、永久磁石1を突出加熱部54の上面54aに案内するように構成されている。ガイド板状部54bは、突出加熱部54に永久磁石1が載置された状態で、永久磁石1の側端面15(図11参照)の近傍に配置される。
[0045]
 これにより、図11に示すように、突出加熱部54に永久磁石1が載置された状態で、永久磁石1のE方向の両側にガイド板状部54bが配置され、F方向の両側にガイド凸部52cが配置される状態になり、永久磁石1が上面54aからE方向またはF方向にずれること、および、上面54aから永久磁石1が脱落することが防止される。
[0046]
 図11に示すように、永久磁石1が加熱される際には、ガイド凸部52cと永久磁石1の端面14との間には、隙間CL1が設けられている。また、ガイド板状部54bと永久磁石1の側端面15との間には、隙間CL2が設けられている。これにより、永久磁石1とガイド板状部54bおよびガイド凸部52cとの間で熱が伝達されることが抑制される。
[0047]
 (磁石載置治具の構成)
 磁石載置治具60は、たとえば、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されている。図12に示すように、磁石載置治具60は、平板状に形成されている。そして、磁石載置治具60には、位置決め孔部61と、切欠き部62と、複数(たとえば、4つ)の加熱部配置用孔部63と、複数(たとえば、4つ)の溝部64とが設けられている。たとえば、磁石載置治具60は、複数の永久磁石1を載置した状態で、複数の永久磁石1を搬送するためのトレイとして構成されている。本実施形態では、磁石載置治具60に永久磁石1を載置した状態で、永久磁石1に接着剤4を塗布する工程と、接着剤4を乾燥させる工程とが実施される。
[0048]
 位置決め孔部61は、矢印G1方向側から見て円形状の開口を有する。そして、位置決め孔部61は、図9Bに示すように、磁石加熱部50の2つの位置決め凸部52bのうちの一方が貫通する貫通孔として構成されている。また、切欠き部62は、磁石載置治具60の矢印E2方向側の端部が切り欠かれた形状を有し、2つの位置決め凸部52bのうちの他方を配置可能に構成されている。
[0049]
 図11に示すように、加熱部配置用孔部63は、F方向において、突出加熱部54の長さL3よりも大きい長さL5を有し、E方向において、突出加熱部54の長さL4よりも大きい長さL6を有する略矩形形状の孔部である。長さL5は、永久磁石1の長手方向の長さL1よりも小さい。これにより、加熱部配置用孔部63のF方向の両側にはみ出すように、永久磁石1が載置される。この状態で、矢印G1方向側から見て、永久磁石1と加熱部配置用孔部63とがオーバーラップする。すなわち、加熱部配置用孔部63は、永久磁石1が載置される側(矢印G1方向側)から見て、永久磁石1とオーバーラップする位置に設けられている。
[0050]
 また、加熱部配置用孔部63には、ガイド凸部52cが配置され、加熱部配置用孔部63から矢印F1方向側または矢印F2方向側に窪む切欠き部63aが設けられている。切欠き部63aは、永久磁石1の短手方向の幅W1よりも小さいE方向の幅W2を有する。
[0051]
 図12に示すように、溝部64は、磁石載置治具60の上面60aにおいて、E方向に沿って設けられている。詳細には、溝部64は、磁石載置治具60の矢印E1方向の端部60bから加熱部配置用孔部63、磁石載置治具60の矢印E2方向の端部60cから加熱部配置用孔部63、および、加熱部配置用孔部63同士の間を接続するように形成されている。そして、溝部64の底部64aに、永久磁石1が載置される。
[0052]
 [本実施形態によるロータの製造方法]
 次に、図1~図7、図9~図18を参照して、本実施形態によるロータ100の製造方法について説明する。図13には、本実施形態によるロータ100の製造方法(製造工程)のフローチャートを示している。また、図14には、横軸を時間とし、縦軸を接着剤4の温度(左側の縦軸)および接着剤4の厚み(右側の縦軸)とするロータ100の製造工程中(ステップS1~S7)の接着剤4の状態を説明するための図を示している。なお、温度T5は、たとえば、常温(室温)である。
[0053]
 ステップS1において、永久磁石1と、接着剤4とが準備される。ここで、本実施形態では、図6に示すように、膨張温度T1以上の温度に加熱されることにより膨張する膨張剤としての発泡剤41と、揮発性を有する希釈溶剤44と、膨張温度T1より高い温度である硬化温度T2以上の温度に加熱されることにより硬化する主剤42および硬化剤43とを含む、接着剤4が準備される。また、この時、接着剤4は溶融状態(流動性を有する状態)で準備される。たとえば、接着剤4は、液体の状態でもよいし、ゲル状の状態でもよい。そして、準備された接着剤4は、図15に示すように、塗布装置70に収納される。その後、ステップS2に進む。なお、永久磁石1は、着磁前の状態で準備されることが好ましい。
[0054]
 ステップS2において、図15Aに示すように、磁石載置治具60に複数の永久磁石1が載置される。詳細には、磁石載置治具60の底部64aに、鉛直方向(G方向)において、面12を下面とし面11を上面とした状態で、複数の永久磁石1が整列して載置される。
[0055]
 ステップS3において、図15Bに示すように、複数の永久磁石1に接着剤4が塗布される。本実施形態では、複数の永久磁石1を磁石載置治具60の底部64aに載置した状態で、複数の永久磁石1に接着剤4が塗布される。詳細には、塗布装置70のノズルの先端の開口部から接着剤4を吐出しながら、塗布装置70と磁石載置治具60とがF方向に相対移動することにより、接着剤4が永久磁石1に上方から塗布される(配置される)。
[0056]
 たとえば、接着剤4は、永久磁石1の面11の矢印E1方向側の部分(接着剤配置位置B1)において、F軸方向に沿って塗布された後、永久磁石1の面11の矢印E2方向側の部分(接着剤配置位置B2)において、F軸方向に向かって塗布される。また、接着剤4は、厚みt3(図8参照)を有し、矢印G1方向側から見て、矩形形状(図3参照)を有するように塗布されて永久磁石1の面11上に形成される。この時、接着剤4は、永久磁石1の端面14および15、および、端面14の近傍部分B3およびB4には塗布されない。その後、ステップS4に進む。
[0057]
 ステップS4において、永久磁石1が加熱されることにより、接着剤4が乾燥される。本実施形態では、磁石加熱部50により永久磁石1が加熱されることにより、希釈溶剤44が揮発して接着剤4が乾燥する。詳細には、図14に示すように、磁石加熱部50により永久磁石1が、乾燥温度T3以上で、かつ、硬化温度T2未満および膨張温度T1未満の温度T10に加熱されることにより、接着剤4が乾燥する。
[0058]
 また、比較的粘度が低い希釈溶剤44が揮発されて接着剤4が乾燥することにより、接着剤4の粘度が向上する。そして、接着剤4の粘度が向上することにより、接着剤4が接着剤配置位置B1およびB2に位置決めされて、固定された状態になる。そして、図8に示すように、接着剤4を乾燥させることにより、接着剤4の厚みが、乾燥させる前の接着剤4の厚みt3よりも小さい厚みt1になり、接着剤4が薄膜化される。また、接着剤4が薄膜化される分、永久磁石1の磁石用孔部32に対する挿入性(挿入のしやすさ)が向上する。
[0059]
 また、本実施形態では、図9に示すように、加熱部配置用孔部63から突出加熱部54を上方に突出させるように、磁石載置治具60または磁石加熱部50のうちの一方を他方に対して相対移動させることにより、永久磁石1が突出した突出加熱部54の上面54aに当接して、突出加熱部54により永久磁石1を底部64a(図12参照)から上方に離間させた状態で、突出加熱部54により永久磁石1を直接的に加熱して接着剤4が乾燥される。
[0060]
 たとえば、磁石加熱部50の加熱板51に固定された加熱治具52の上方から、複数の永久磁石1が載置された磁石載置治具60を下方に移動させることにより、加熱部配置用孔部63から突出加熱部54およびガイド板状部54bが上方に突出し、位置決め孔部61および切欠き部62から位置決め凸部52bが上方に突出し、切欠き部63aからガイド凸部52cが上方に突出する。この時、ガイド板状部54bおよびガイド凸部52cにより、永久磁石1が突出加熱部54の上面54aに案内される。
[0061]
 これにより、図16に示すように、永久磁石1は、突出加熱部54の上面54aに載置された状態になって、持ち上げられることにより、底部64aから上方に距離D10を有する離間した高さ位置に配置される。この状態で、永久磁石1と磁石載置治具60とは、接触(面接触)していない。
[0062]
 そして、永久磁石1の面11に磁石加熱部50の突出加熱部54の上面54aが接触した状態で、加熱板51の温度が上昇されることにより、永久磁石1が加熱される。たとえば、永久磁石1が、接着剤4の温度T5よりも高くなるように、永久磁石1が温度T10(図14参照)に加熱されることにより、永久磁石1に塗布された接着剤4も略温度T10に加熱される。これにより、接着剤4に含まれる希釈溶剤44が揮発される。
[0063]
 ここで、本実施形態では、接着剤4の永久磁石1との境界部4a(図8A参照)の温度が、接着剤4の表面部分4b(図8A参照)の温度よりも高くなるように、磁石加熱部50により永久磁石1が直接的に加熱されることにより、接着剤4が乾燥される。すなわち、永久磁石1が加熱されることにより、接着剤4のうちの永久磁石1の面11に接触する部分である境界部4aの温度が(略温度T10に)上昇する。この時、接着剤4のうちの永久磁石1に接触していない部分である表面部分4bの温度は、温度T10よりも低い温度となっている。
[0064]
 そして、本実施形態では、接着剤4の表面部分4bの温度が接着剤4の表面部分4b近傍の雰囲気温度よりも高くなるように、磁石加熱部50により永久磁石1が直接的に加熱されることにより、接着剤4が乾燥される。すなわち、永久磁石1が加熱されることにより、境界部4aの温度が略温度T10に上昇することにより、表面部分4bの温度が略温度T10に上昇する。この時、表面部分4b近傍(周囲)の雰囲気温度は、表面部分4bの温度(略温度T10)よりも低い温度となる。なお、接着剤4の表面部分4b近傍の雰囲気温度は、たとえば、ステップS3において温度T5であり、ステップS4において、接着剤4の表面部分4bの温度が上昇するにしたがって、温度T5から徐々に高い温度となる。
[0065]
 図17に示すように、本実施形態では、上記の接着剤4を乾燥させる工程中、永久磁石1の上方に配置された排気装置80により、揮発される希釈溶剤44(揮発ガスV)の排気が行われる。すなわち、排気装置80により、永久磁石1の近傍からロータ100の製造設備の外部に、揮発ガスVを排気することにより、永久磁石1の近傍の揮発ガス濃度を低下させて揮発ガス濃度を制御している。また、排気装置80は、通気経路にモータ81の接点等が配置されておらず、防爆構造を有する。
[0066]
 ステップS5において、ロータコア3が準備される。具体的には、図4に示すように、乾燥された状態の接着剤4の厚みt1の大きさよりも大きい溝深さd1を有する溝部32bが磁石用孔部32に形成されたロータコア3が準備される。詳細には、図示しない順送プレス加工装置により、複数の電磁鋼板31が打ち抜かれる。この時、溝部32bを有する孔部132(図2参照)が形成された円環状の複数の電磁鋼板31が形成される。そして、図2に示すように、複数の電磁鋼板31が、軸方向に沿って積層され、複数(たとえば、4つ)のコアブロック30が形成される。そして、コアブロック30が軸方向に積層される。そして、複数のコアブロック30のうちの一部が、他のコアブロック30に対して、周方向に回転されるかまたは反転(転積)される。これにより、ロータコア3が形成され、複数のコアブロック30の孔部132が互いに軸方向に連続して接続されて、磁石用孔部32が形成される。その後、ステップS6に進む。
[0067]
 ステップS6において、乾燥された接着剤4が配置された永久磁石1がロータコア3の磁石用孔部32に挿入される。具体的には、図18に示すように、磁石載置治具60または磁石加熱部50のうちの一方を他方に対して相対移動させることにより、乾燥した接着剤4が塗布された永久磁石1が磁石載置治具60に再び載置される。そして、磁石載置治具60に載置された永久磁石1を磁石載置治具60からロータコア3に移動させることにより、ロータコア3に永久磁石1が配置される。
[0068]
 詳細には、乾燥された接着剤4が配置された永久磁石1がロータコア3の磁石用孔部32の各々に配置される。具体的には、磁石載置治具60に載置された永久磁石1が、磁石載置治具60からロータコア3の近傍に移動(矢印H1参照)される。そして、ロータコア3と、接着剤4が配置された面11を径方向内側に向けた状態の永久磁石1とが軸方向(Z方向)に相対移動されることにより、磁石用孔部32の各々に、永久磁石1が挿入される。なお、図18では、1つの永久磁石1のみを図示しているが、磁石用孔部32の各々に、永久磁石1が挿入される。また、図7に示すように、磁石用孔部32の溝部32bの底部32dと、厚みt1を有する接着剤4とは、離れた位置に配置された状態となる。その後、ステップS7に進む。
[0069]
 ステップS7において、図5に示すように、接着剤4の発泡剤41が発泡されるとともに、接着剤4の主剤42および硬化剤43が硬化されることにより、永久磁石1とロータコア3とが固定(接着)される。具体的には、永久磁石1が配置されたロータコア3(および永久磁石1)が、接着剤4が膨張温度T1よりも高く、かつ、硬化温度T2以上の温度T11(図14参照)に加熱される。これにより、接着剤4の発泡剤41が発泡することにより膨張し、接着剤4の厚みが厚みt1から厚みt2に変化する。
[0070]
 また、図4に示すように、接着剤4の厚みt2は、永久磁石1の面11から、溝部32bの底部32dまでの距離に略等しくなる。すなわち、接着剤4が、永久磁石1の面11から溝部32bの底部32dに渡って膨張された状態になる。また、接着剤4が膨張して、永久磁石1の面13が径方向外側に押圧されて、磁石用孔部32の壁面32aと永久磁石1の面13とが当接する。そして、接着剤4の主剤42および硬化剤43が硬化することにより、硬化された接着剤4によって、永久磁石1と磁石用孔部32とが固定される。
[0071]
 その後、永久磁石1を着磁する工程、複数のコアブロック30同士の接合する工程等が行われる。これにより、図2に示すように、ロータ100が完成される。その後、ロータ100は、図1に示すように、ステータ102との組み立て等が行われ、回転電機101が完成される。
[0072]
 [本実施形態の効果]
 本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
[0073]
 本実施形態では、上記のように、磁石加熱部(50)により永久磁石(1)を直接的に加熱する。これにより、接着剤(4)の永久磁石(1)との境界部(4a)が永久磁石(1)により直接的に加熱されるので、接着剤(4)よりも永久磁石(1)の温度が低く永久磁石(1)に熱が奪われる場合と異なり、接着剤(4)の永久磁石(1)との境界部(4a)の乾燥時間が長くなるのを防止することができる。この結果、接着剤(4)のうちの比較的乾燥時間が長くなりやすい境界部(4a)の乾燥時間が長くなるのを防止できる分、接着剤(4)全体の乾燥時間を、容易に短縮することができる。したがって、乾燥された接着剤(4)を用いて永久磁石(1)をロータコア(3)に固定する場合に、速やかに接着剤(4)を乾燥させることができる。
[0074]
 また、本実施形態では、上記のように、揮発剤(44)を揮発させて接着剤(4)を乾燥させることによって、空気を介して接着剤を乾燥させる場合と異なり、密閉した空間で加熱する必要がない。これにより、防爆仕様の加熱炉を設けない場合には、接着剤(4)を乾燥させるために、ロータ(100)の製造装置の構造が複雑化するのを防止することができる。ここで、加熱炉を使用する場合では、接着剤(4)および接着剤(4)が塗布された永久磁石(1)に加えて、永久磁石を整列させるための治具等に熱が吸収されるため、加熱の効率が低下する。さらに、加熱炉に排気装置が設けられている場合には、加熱された空気が排気されるため、この分、加熱の効率が低下すると考えられる。これに対して、永久磁石(1)(のみ)を直接的に加熱するので、加熱炉を設けない場合には、治具(60)や空気等を加熱する必要がなく、排気を行っても効率が低下しないので、加熱の効率を向上させることができる。
[0075]
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)は、接着剤(4)の表面部分(4b)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)近傍の雰囲気温度よりも高くなるように、磁石加熱部により永久磁石(1)を直接的に加熱することにより、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)である。ここで、接着剤(4)の表面部分(4b)近傍の雰囲気温度が、接着剤(4)の表面部分(4b)の温度よりも高い場合、接着剤(4)の表面部分(4b)が他の部分よりも先に乾燥してしまい、接着剤(4)の表面部分(4b)に乾燥膜が形成されると考えられる。この場合、表面部分(4b)の乾燥膜が接着剤(4)の内部の乾燥(揮発)を妨害してしまい、接着剤(4)の内部が乾燥され難くなり、乾燥時間が長くなると考えられる。この点に対して、上記実施形態のように構成すれば、接着剤(4)の表面部分(4b)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)近傍の雰囲気温度よりも高くなる状態で、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)が行われるので、接着剤(4)の表面部分(4b)が雰囲気により加熱され、接着剤(4)の内部が乾燥されるよりも先に接着剤(4)の表面部分(4b)に乾燥膜が形成されるのを防止することができる。この結果、接着剤(4)の内部が乾燥されるよりも先に乾燥膜が形成されるのを防止することができるので、乾燥膜に起因して乾燥時間が長くなるのを防止することができる。なお、「接着剤(4)の表面部分(4b)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)近傍の雰囲気温度よりも高くなるように」とは、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)の間、常に、接着剤(4)の表面部分(4b)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)近傍の雰囲気温度よりも高い状態を維持させることを意味するのみならず、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)中の少なくとも一部の期間、接着剤(4)の表面部分(4b)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)近傍の雰囲気温度よりも高くなる状態があることを意味するものとして記載している。
[0076]
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)は、接着剤(4)の永久磁石(1)との境界部(4a)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)の温度よりも高くなるように、磁石加熱部により永久磁石(1)を直接的に加熱することにより、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)である。ここで、接着剤(4)の表面部分(4b)の温度が、接着剤(4)の永久磁石(1)との境界部(4a)の温度よりも高い場合、接着剤(4)の表面部分(4b)が他の部分よりも先に乾燥してしまい、接着剤(4)の表面部分(4b)に乾燥膜が形成されると考えられる。この場合、表面部分(4b)の乾燥膜が接着剤(4)の内部の乾燥(揮発)を妨害してしまい、接着剤(4)の内部が乾燥され難くなり、乾燥時間が長くなると考えられる。この点に対して、上記実施形態のように構成すれば、接着剤(4)の永久磁石(1)との境界部(4a)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)の温度よりも高くなる状態で、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)が行われるので、接着剤(4)の内部(境界部(4a))が乾燥されるよりも先に接着剤(4)の表面部分(4b)が乾燥して、表面部分(4b)に乾燥膜が形成されるのを防止することができる。この結果、接着剤(4)の内部が乾燥されるよりも先に乾燥膜が形成されるのを防止することができるので、乾燥膜に起因して乾燥時間が長くなるのを防止することができる。なお、「接着剤(4)の永久磁石(1)との境界部(4a)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)の温度よりも高くなるように」とは、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)の間、常に、接着剤(4)の永久磁石(1)との境界部(4a)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)の温度よりも高い状態を維持させることを意味するのみならず、接着剤(4)を乾燥させる工程(S4)中の少なくとも一部の期間、接着剤(4)の永久磁石(1)との境界部(4a)の温度が接着剤(4)の表面部分(4b)の温度よりも高くなる状態があることを意味するものとして記載している。
[0077]
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)は、硬化温度(T2)以上に加熱されることにより硬化する熱硬化性樹脂(42、43)を含み、接着剤(4)を乾燥させる工程は、硬化温度(T2)未満の温度に永久磁石(1)を加熱することにより、接着剤(4)を乾燥させる工程であり、永久磁石(1)を固定する工程は、接着剤(4)を硬化温度(T2)以上にすることにより、熱硬化性樹脂(42、43)を硬化させて、ロータコア(3)に永久磁石(1)を固定する工程である。このように構成すれば、接着剤(4)を乾燥させる工程では、熱硬化性樹脂(42、43)を硬化させずに揮発剤(44)を揮発させることができるとともに、硬化温度(T2)以上に接着剤(4)を加熱すれば、ロータコア(3)に永久磁石(1)を容易に固定する(接着する)ことができる。
[0078]
 また、本実施形態では、上記のように、ロータコア(3)は、磁石用孔部(32)を有し、接着剤(4)は、膨張温度(T1)以上に加熱されることにより膨張する膨張剤(41)を含み、接着剤(4)を乾燥させる工程は、膨張温度(T1)未満でかつ硬化温度(T2)未満の温度(T10)に永久磁石(1)を加熱することにより、接着剤(4)を乾燥させる工程であり、永久磁石(1)を配置する工程は、磁石用孔部(32)に永久磁石(1)を挿入する工程であり、永久磁石(1)を固定する工程は、接着剤(4)を膨張温度(T1)以上でかつ硬化温度(T2)以上の温度(T11)に加熱して膨張剤(41)を膨張させると共に熱硬化性樹脂(42、43)を硬化させることにより、ロータコア(3)に永久磁石(1)を固定する工程である。このように構成すれば、膨張剤(41)の膨張前では、接着剤の厚み(t1)は比較的薄いので、容易に磁石用孔部(32)に永久磁石(1)を挿入することができる。その後に、膨張剤(41)を膨張させることにより、膨張した膨張剤(41)が磁石用孔部(32)と永久磁石(1)との隙間を満たす(磁石用孔部(32)と永久磁石(1)とが密着させる)ことができるので、この状態で、熱硬化性樹脂(42、43)を硬化させれば、容易に永久磁石(1)を磁石用孔部(32)に固定させることができる。また、永久磁石(1)を膨張温度(T1)未満でかつ硬化温度(T2)未満の温度(T10)に加熱するので、膨張剤(41)を膨張させることなく、かつ、熱硬化性樹脂(42、43)を硬化させることなく、接着剤(4)を乾燥することができる。
[0079]
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を乾燥させる工程は、磁石加熱部(50)により永久磁石(1)の接着剤配置位置(B1、B2)以外の面(12)を直接的に加熱して、接着剤(4)を乾燥させる工程である。このように構成すれば、接着剤(4)に磁石加熱部(50)が接触することを防止することができるので、接着剤(4)を乾燥させる工程中に、塗布された接着剤(4)の形状が崩れることを防止することができる。
[0080]
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を乾燥させる工程は、永久磁石(1)の接着剤配置位置(B1、B2)以外の面(12)に磁石加熱部(50)を接触させることにより、永久磁石(1)を加熱して、接着剤(4)を乾燥させる工程である。このように構成すれば、磁石加熱部(50)を永久磁石(1)に接触させることにより、永久磁石(1)を容易に加熱することができる。
[0081]
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を塗布する工程は、永久磁石(1)の接着剤配置位置(B1、B2)を鉛直方向の上面(11)として、接着剤配置位置(B1、B2)に接着剤(4)を塗布する工程であり、接着剤(4)を乾燥させる工程は、磁石加熱部(50)により、永久磁石(1)の鉛直方向の下面(12)を直接的に接触させることにより、永久磁石(1)を加熱して、接着剤(4)を乾燥させる工程である。このように構成すれば、接着剤(4)が塗布された上面(11)とは反対側の下面(12)から永久磁石(1)を加熱するので、より確実に接着剤(4)と磁石加熱部(50)とが接触することを防止することができる。
[0082]
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を乾燥させる工程は、永久磁石(1)の鉛直方向の下面(12)に磁石加熱部(50)を接触させることにより、永久磁石(1)の鉛直方向の下面(12)を直接的に加熱して、接着剤(4)を乾燥させる工程である。このように構成すれば、永久磁石(1)の下面(12)に磁石加熱部(50)を接触させることで、永久磁石(1)の下面(12)を容易に加熱することができる。
[0083]
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を乾燥させる工程は、磁石載置治具(60)に永久磁石(1)が載置された状態から、磁石載置治具(60)または磁石加熱部(50)のうちの一方を他方に対して相対移動させることにより、磁石載置治具(60)から永久磁石(1)が離間された状態にし、磁石加熱部(50)により永久磁石(1)を加熱して接着剤(4)を乾燥させる工程である。このように構成すれば、磁石載置治具(60)から永久磁石(1)を離間させた状態で、永久磁石(1)を加熱して接着剤(4)を乾燥させるので、永久磁石(1)から磁石載置治具(60)に熱が逃げるのを抑制することができる。その結果、接着剤(4)を乾燥させるための加熱の効率を向上させることができる。
[0084]
 また、本実施形態では、上記のように、磁石加熱部(50)は、上方に突出する突出加熱部(54)を含み、磁石載置治具(60)には、永久磁石(1)が載置される側から見て、永久磁石(1)とオーバーラップするように孔部(63)が設けられており、接着剤(4)を塗布する工程は、永久磁石(1)を磁石載置治具(60)の底部(64a)に載置した状態で、永久磁石(1)に接着剤(4)を塗布する工程であり、接着剤(4)を乾燥させる工程は、孔部(63)から突出加熱部(54)を上方に突出させるように、磁石載置治具(60)または磁石加熱部(50)のうちの一方を他方に対して相対移動させることにより、永久磁石(1)が突出した突出加熱部(54)に当接して、突出加熱部(54)により永久磁石(1)を底部(64a)から上方に離間させた状態で、突出加熱部(54)により永久磁石(1)を加熱して接着剤(4)を乾燥させる工程である。このように構成すれば、突出加熱部(54)を孔部(63)から突出させるだけで、容易に永久磁石(1)を磁石載置治具(60)から離間させることができるとともに、突出加熱部(54)に永久磁石(1)を載置させた状態で容易に永久磁石(1)を加熱することができる。
[0085]
 また、本実施形態では、上記のように、永久磁石(1)を配置する工程は、接着剤(4)を乾燥させる工程の後、磁石載置治具(60)または磁石加熱部(50)のうちの一方を他方に対して相対移動させることにより、乾燥した接着剤(4)が塗布された永久磁石(1)を磁石載置治具(60)に載置し、磁石載置治具(60)に載置された永久磁石(1)を磁石載置治具(60)からロータコア(3)に移動させることにより、ロータコア(3)に永久磁石(1)を配置する工程である。このように構成すれば、接着剤(4)を乾燥させる工程において用いた磁石載置治具(60)を用いて、容易にロータコア(3)に永久磁石(1)を配置することができる。
[0086]
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を乾燥させる工程は、永久磁石(1)の上方に配置された排気装置により、揮発される揮発剤(44)を排気しながら、永久磁石(1)の温度が接着剤(4)の温度(T5)より高くなるように、磁石加熱部(50)により永久磁石(1)を温度(T10)に加熱することにより、揮発剤(44)を揮発させて接着剤(4)を乾燥させる工程である。このように構成すれば、永久磁石(1)の周辺の揮発される揮発剤(44)(揮発ガス(V))のガス濃度が高くなり過ぎるのを防止することができる。また、加熱炉に排気装置を設ける場合には、接着剤を加熱するために加熱された空気が排気されるので、加熱の効率が低下する一方、本実施形態では、永久磁石(1)を加熱することにより接着剤(4)を乾燥させるので、接着剤を加熱するために加熱された空気を排気する場合に比べて、加熱の効率が低下するのを防止することができる。
[0087]
 [変形例]
 なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
[0088]
 たとえば、上記実施形態では、ロータ100をステータ102の径方向内側に配置するいわゆるインナーロータとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ロータ100をアウターロータとして構成してもよい。
[0089]
 また、上記実施形態では、永久磁石1に突出加熱部54を接触させて永久磁石1を直接的に加熱する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁石加熱部50から永久磁石1が離間した状態で、誘導加熱(IH)や高エネルギービーム(レーザ)や永久磁石1への局部的な熱風により永久磁石1を直接的に加熱してもよい。
[0090]
 また、上記実施形態では、図14にフローチャートを示してロータ100の製造工程を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図18に示すフローチャートのように、ステップS4の後に永久磁石1および接着剤4を常温まで冷却する工程(ステップS101)、および、ステップS5の後にロータコア3を常温まで冷却する工程(ステップS102)を設けてもよい。この工程を設ければ、たとえば、作業者が冷却された状態の永久磁石1やロータコア3を把持した状態で、搬送および作業することが可能になる。
[0091]
 また、上記実施形態では、接着剤4に、発泡剤41を含める例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図20に示す変形例のロータ200のように、表面磁石型モータ(SPM)の一部を構成する場合には、発泡剤41を含まない接着剤204を永久磁石201を加熱して乾燥させた後に、ロータコア203に表面に貼り付けることにより、ロータ200を製造することが可能である。
[0092]
 また、上記実施形態では、接着剤4を永久磁石1に塗布する例(図15参照)を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、スタンピング等の他の方法により、接着剤4を永久磁石1に塗布してもよい。
[0093]
 また、上記実施形態では、接着剤4を、永久磁石1の面11の接着剤配置位置B1およびB2のみに塗布する(配置する)例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、接着剤4を、永久磁石1の面11の接着剤配置位置B1およびB2以外の位置に接着剤配置位置を設定して設定された接着剤配置位置に接着剤4を塗布(配置)してもよい。
[0094]
 また、上記実施形態では、接着剤4の表面部分4b近傍の雰囲気温度が、ステップS4において温度T5(加熱前の接着剤4と略同一の温度)から徐々に温度上昇する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、温度T5よりも高い雰囲気温度を有する加熱炉内で、ステップS4を実施してもよい。すなわち、ステップS3において、永久磁石1に接着剤4を塗布した後に、加熱炉内に接着剤4が塗布された永久磁石1を搬入する。その後、温度T5よりも高い雰囲気温度を有する加熱炉内で、ステップS4を実施することにより、接着剤4の表面部分4bの温度(T5)が、雰囲気温度(T5よりも高い加熱炉内の温度)よりも低い状態から、永久磁石1および接着剤4が磁石加熱部50により加熱されることにより、雰囲気温度よりも接着剤4の表面部分4bの温度を高くなる状態に変化させてもよい。また、温度T5よりも高い雰囲気温度を有する加熱炉内で、ステップS4を実施することにより、雰囲気からの熱により接着剤4の表面部分4bの温度が、接着剤4の永久磁石1との境界部4aの温度(T5)よりも高い状態から、永久磁石1および接着剤4が磁石加熱部50により加熱されることにより、境界部4aの温度を表面部分4bの温度よりも高い状態に変化させてもよい。

符号の説明

[0095]
 1、201 永久磁石         3、203 ロータコア
 4、204 接着剤          4a 境界部
 4b 表面部分            11 面(上面)
 12 面(下面)           14 軸方向端面
 32 磁石用孔部           41 発泡剤(膨張剤)
 42 主剤(熱硬化性樹脂)      43 硬化剤(熱硬化性樹脂)
 44 希釈溶剤(揮発剤)       50 磁石加熱部
 54 突出加熱部           60 磁石載置治具
 64a 底部             63 加熱部配置用孔部
 80 排気装置            100、200 ロータ

請求の範囲

[請求項1]
 ロータコアと、接着剤により前記ロータコアに固定される永久磁石とを備えるロータの製造方法であって、
 前記永久磁石の接着剤配置位置に、揮発剤を含む前記接着剤を塗布する工程と、
 前記接着剤を塗布する工程の後、前記永久磁石の温度が前記接着剤の温度より高くなるように、磁石加熱部により前記永久磁石を直接的に加熱することにより、前記揮発剤を揮発させて前記接着剤を乾燥させる工程と、
 前記接着剤を乾燥させる工程の後、前記ロータコアに前記永久磁石を配置する工程と、
 前記永久磁石を配置する工程の後、前記接着剤を硬化させることにより、前記ロータコアに前記永久磁石を固定する工程とを備える、ロータの製造方法。
[請求項2]
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記接着剤の表面部分の温度が前記接着剤の表面部分近傍の雰囲気温度よりも高くなるように、前記磁石加熱部により前記永久磁石を直接的に加熱することにより、前記接着剤を乾燥させる工程である、請求項1に記載のロータの製造方法。
[請求項3]
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記接着剤の前記永久磁石との境界部の温度が前記接着剤の表面部分の温度よりも高くなるように、前記磁石加熱部により前記永久磁石を直接的に加熱することにより、前記接着剤を乾燥させる工程である、請求項1または2に記載のロータの製造方法。
[請求項4]
 前記接着剤は、硬化温度以上に加熱されることにより硬化する熱硬化性樹脂を含み、
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記硬化温度未満の温度に前記永久磁石を直接的に加熱することにより、前記接着剤を乾燥させる工程であり、
 前記永久磁石を固定する工程は、前記接着剤を前記硬化温度以上にすることにより、前記熱硬化性樹脂を硬化させて、前記ロータコアに前記永久磁石を固定する工程である、請求項1~3のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
[請求項5]
 前記ロータコアは、磁石用孔部を有し、
 前記接着剤は、膨張温度以上に加熱されることにより膨張する膨張剤を含み、
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記膨張温度未満でかつ前記硬化温度未満の温度に前記永久磁石を直接的に加熱することにより、前記接着剤を乾燥させる工程であり、
 前記永久磁石を配置する工程は、前記磁石用孔部に前記永久磁石を挿入する工程であり、
 前記永久磁石を固定する工程は、前記接着剤を前記膨張温度以上でかつ前記硬化温度以上の温度に加熱して前記膨張剤を膨張させると共に前記熱硬化性樹脂を硬化させることにより、前記ロータコアに前記永久磁石を固定する工程である、請求項4に記載のロータの製造方法。
[請求項6]
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記磁石加熱部により前記永久磁石の前記接着剤配置位置以外の面を直接的に加熱して、前記接着剤を乾燥させる工程である、請求項1~5のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
[請求項7]
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記永久磁石の前記接着剤配置位置以外の面に前記磁石加熱部を接触させることにより、前記永久磁石を直接的に加熱して、前記接着剤を乾燥させる工程である、請求項6に記載のロータの製造方法。
[請求項8]
 前記接着剤を塗布する工程は、前記永久磁石の前記接着剤配置位置を鉛直方向の上面として該接着剤配置位置に前記接着剤を塗布する工程であり、
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記磁石加熱部により前記永久磁石の鉛直方向の下面を直接的に加熱して、前記接着剤を乾燥させる工程である、請求項6または7に記載のロータの製造方法。
[請求項9]
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記永久磁石の鉛直方向の下面に前記磁石加熱部を接触させることにより、前記永久磁石の鉛直方向の下面を直接的に加熱して、前記接着剤を乾燥させる工程である、請求項8に記載のロータの製造方法。
[請求項10]
 前記接着剤を乾燥させる工程は、磁石載置治具に前記永久磁石が載置された状態から、前記磁石載置治具または前記磁石加熱部のうちの一方を他方に対して相対移動させることにより、前記磁石載置治具から前記永久磁石が離間された状態にし、前記磁石加熱部により前記永久磁石を直接的に加熱して前記接着剤を乾燥させる工程である、請求項1~9のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
[請求項11]
 前記磁石加熱部は、上方に突出する突出加熱部を含み、
 前記磁石載置治具には、該磁石載置治具に前記永久磁石が載置される側から見て、前記永久磁石とオーバーラップするように孔部が設けられており、
 前記接着剤を塗布する工程は、前記永久磁石を前記磁石載置治具の底部に載置した状態で、前記永久磁石に前記接着剤を塗布する工程であり、
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記孔部から前記突出加熱部を上方に突出させるように、前記磁石載置治具または前記磁石加熱部のうちの一方を他方に対して相対移動させることにより、前記永久磁石が、突出した前記突出加熱部に当接して、前記突出加熱部により前記永久磁石を前記底部から上方に離間させた状態で、前記突出加熱部により前記永久磁石を直接的に加熱して前記接着剤を乾燥させる工程である、請求項10に記載のロータの製造方法。
[請求項12]
 前記永久磁石を配置する工程は、前記接着剤を乾燥させる工程の後、前記磁石載置治具または前記磁石加熱部のうちの一方を他方に対して相対移動させることにより、乾燥した前記接着剤が塗布された前記永久磁石を前記磁石載置治具に載置し、該磁石載置治具に載置された前記永久磁石を前記磁石載置治具から前記ロータコアに移動させることにより、前記ロータコアに前記永久磁石を配置する工程である、請求項10または11に記載のロータの製造方法。
[請求項13]
 前記接着剤を乾燥させる工程は、前記永久磁石の上方に配置された排気装置により、揮発される前記揮発剤を排気しながら、前記永久磁石の温度が前記接着剤の温度より高くなるように、前記磁石加熱部により前記永久磁石を直接的に加熱することにより、前記揮発剤を揮発させて前記接着剤を乾燥させる工程である、請求項1~12のいずれか1項に記載のロータの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]