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1. (WO2018123980) PLAQUETTE DE COUPE
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明 細 書

発明の名称 切削インサート

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

0004  

図面の簡単な説明

0005  

発明を実施するための形態

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

符号の説明

0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 切削インサート

技術分野

[0001]
 本開示は、切削加工に用いられる切削インサートに関する。

背景技術

[0002]
 被削材の切削加工において用いられる切削インサートとしては、例えば、特許文献1-3に記載の切削インサートが知られている。これらの特許文献に記載された切削インサートは、WCなどを含む基体と、この基体の表面に設けられた被覆層とを備え、被覆層にクラックが形成された構成となっている。被覆層としては、例えば、チタン化合物を含有する層及びアルミナを含有する層を含む複数の積層構造が記載されている。これらの特許文献では、被覆層にクラックを設けるために、乾式ブラストにより、直径が300μmの鋼球や、直径が160μmのアルミナやジルコニアを被覆層の表面に衝突させることが行われている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平5-116003号公報
特許文献2 : 特開平11-197907号公報
特許文献3 : 国際公開2015/025903

発明の概要

[0004]
 本開示の切削インサートは、基体と、該基体の上に位置する被覆層とを備えた切削インサートであって、前記被覆層は、基体の上に位置して、チタン化合物を含有する第1層と、該第1層の上に位置して、アルミナを含有する第2層と、該第2層の上に位置して、チタン化合物を含有する第3層と、を有し、前記被覆層は、該被覆層の表面から前記基体に向かって延びたクラックが存在し、該クラックは、少なくとも前記3層と前記第2層に存在し、前記被覆層の表面に直交する断面において、前記第3層のクラックの幅は1μm以上であり、前記第2層の上面におけるクラックの幅は、前記第3層のクラックの幅よりも狭く、0.5μm以上であり、前記第2層の上面よりも前記基体に近い位置に、クラックの幅が0.2μm以下の部分を有している。

図面の簡単な説明

[0005]
[図1] 一実施形態の切削インサートを示す斜視図である。
[図2] 図1に示す切削インサートの概略平面図である。
[図3] 図1に示す切削インサートにおけるA-A断面図である。
[図4] 図3に示す領域Bの拡大図である。
[図5] 図4に示す切削インサートの第1変形例の拡大図である。
[図6] 図4に示す切削インサートの第2変形例の拡大図である。

発明を実施するための形態

[0006]
 以下、本開示の切削インサート(以下、インサートともいう)について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、各実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本発明の切削インサートは、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[0007]
 本実施形態のインサート1は、図1、2、3に示すように、基体3と、この基体3の表面に位置する被覆層5とを備えている。被覆層5は、インサート1の耐摩耗性を向上させるために用いられる。また、本実施形態のインサート1は、図4に示すように、被覆層5の表面から基体3に向かって延びたクラック7を有している。
[0008]
 基体3は、第1面9を備えており、図1に示すように本実施形態における基体3は、多角板形状であって上方に位置する面が第1面9に相当している。また、基体3は、第1面9に隣接する第2面11を備えており、図1においては側面が第2面11に相当している。被覆層5は、基体3の上に位置している。本実施形態における被覆層5は、基体3の第1面9及び第2面11に位置しており、これらの面を被覆している。
[0009]
 基体3の大きさは特に限定されるものではないが、本実施形態の基体3は、図2に示すように、第1面9が四角形である。基体3の上面の一辺の長さが3~20mm程度に設定される。また、上面(第1面9)から下面までの高さは5~20mm程度に設定される。
[0010]
 本実施形態における被覆層5は、図4に示すように、基体3の上に位置して、チタン化合物を含有する第1層13と、第1層13の上に位置して、アルミナを含有する第2層15と、第2層15の上に位置して、チタン化合物を含有する第3層17とを有している。第2層15は表面側に位置する上面19と、基体3側に位置する下面21とを有している。本実施形態においては、第2層15の上面19が第3層17に接しており、第2層15の下面21が第1層13に接している。なお、第3層17は、組成の異なるチタン化合物を含有する層が複数、積層されたものでもよく、その場合にはチタン化合物を含有する複数の層を第3層17とする。また、第1層13も、組成の異なるチタン化合物を含有する層が複数、積層されたものでもよく、その場合にはチタン化合物を含有する複数の層を第1層13とする。
[0011]
 第1層13の厚みT1としては、例えば、6~13μmに設定される。第2層15の厚みT2としては、例えば、1~15μmに設定される。第3層17の厚みT3としては、例えば、0.1~3μmに設定される。なお、上記した第1層13~第3層17の厚みは、あくまで例示であって、これらの数値範囲に限定されるものではない。
[0012]
 既に示したように、本実施形態のインサート1は、被覆層5の表面から基体3に向かって延びたクラック7を有している。言い換えると、少なくとも被覆層5の第3層および第2層にクラック7が存在している。インサート1が、被覆層5の表面から少なくとも第2層15にかけて延びたクラック7を有していることによって、少なくともクラック7の近くにおいて第3層17に残留する応力の一部が解放される。これにより、インサート1の耐欠損性が高まる。
[0013]
 そして、クラック7は、被覆層5の表面に直交する断面において、第3層17のクラック幅が1μm以上である。また、第2層15の上面19は、第3層17のクラック幅よりも狭く、クラック幅が0.5μm以上である。また、クラック7は、第2層15の上面19よりも基体3に近い位置に、幅が0.2μm以下の部分(図4におけるクラック7(29))を有している。
[0014]
 なお、被覆層5の表面に直交する断面とは、被覆層5の表面に直交するとともに、被覆層5を平面視したときに観察されるクラック7の最も長さの長い長手方向に直交する断面のことである。
[0015]
 第3層17のクラック7の幅が1μm以上であるとは、部分的に第3層17のクラック7の幅が1μmを下回る部分があるものを排除するものではない。第3層17のクラック7の幅が1μm以上であるとは、断面において第3層17のクラック7の幅の平均値が1μm以上であればよい。なお、平均値は、例えば、図4に示すような断面において、第3層17の上中下の3か所を測定箇所として算出すればよい。
[0016]
 本開示のインサート1は、上記の構成を有することで、第3層17および第2層15の上面19に存在するクラック7の周辺の応力が解放され、第2層15及び第3層17の境界に加わる残留応力が小さくなり、第3層17が第2層15から剥離するおそれが小さくなる。
[0017]
 クラック7の有無は、インサート1を平面視することによって容易に視認できる。クラック7の深さ、すなわち第1面9に直交する方向の長さLは、クラック7の長手方向と直交するとともに被覆層5の表面に直交する断面において、電子顕微鏡写真(走査型電子顕微鏡(SEM)写真又は透過電子顕微鏡(TEM)写真)を観察することにより、測定することが可能である。
[0018]
 このとき、インサート1を平面視した場合におけるクラック7の長手方向に直交するとともに被覆層5の表面に直交する断面を観察することで、クラック7の状態を容易に評価できる。図3及び図4は、クラック7の進行方向に直交するとともに被覆層5の表面に直交する断面を示したものである。
[0019]
 本実施形態における基体3の第1面9は、四角形であるが、このような形状に限定されるものではない。基体3の形状の一例として、多角板形状であることが既に示されていることから明らかであるように、第1面9は、例えば、三角形、五角形又は六角形であってもよい。また、上面が円形であってもよい。
[0020]
 上記のように基体3が多角板形状であるときには、インサート1もまた多角板形状である。多角板形状であるインサート1における、第1面9に相当する面と第2面11に相当する面とが交差する部分の少なくとも一部には切刃23が位置している。このとき、第1面9に相当する面及び第2面11に相当する面の一方がすくい面として機能し、もう一方が逃げ面として機能する。
[0021]
 本実施形態の基体3は、第1面9において開口する貫通孔25を有している。貫通孔25は、例えば、インサート1を切削工具のホルダにネジ止め固定する際に用いられる。そのため、被覆層5は、貫通孔25の表面にあっても無くてもいずれであってもよい。
[0022]
 基体3の材質としては、例えば、超硬合金、サーメット或いはセラミックスなどが挙げられる。超硬合金の組成としては、例えば、WC-Co、WC-TiC-Co及びWC-TiC-TaC-Coが挙げられる。WC-Coは、炭化タングステン(WC)にコバルト(Co)の粉末を加えて焼結して生成される。WC-TiC-Coは、WC-Coに炭化チタン(TiC)を添加したものである。WC-TiC-TaC-Coは、WC-TiC-Coに炭化タンタル(TaC)を添加したものである。
[0023]
 また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料である。具体的には、サーメットとして、炭化チタン(TiC)及び窒化チタン(TiN)などのチタン化合物を主成分としたものが一例として挙げられる。
[0024]
 また、セラミックスの組成としては、例えば、窒化ケイ素(Si )、酸化アルミニウム(Al )、ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(cBN)が挙げられる。
[0025]
 チタン化合物を含有する第1層13の材質としては、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)及び炭酸窒化チタン(TiCNO)などが挙げられる。第1層13は、これらの材質を主成分として含んでいる。第1層13は、これらの材質の1つのみによって構成されていてもよく、また、これらの材質のうち複数によって構成されていてもよい。第1層13は、基体3と第2層15との接合性を高めるために用いられる場合があり、このような場合には、下地層とも呼ばれる。
[0026]
 第1層13は一つの層のみによって構成されていてもよく、複数の層が積層された構成であってもよい。なお、第1層13が、複数の層が積層された構成である場合においては、各層がチタン化合物を含有する。
[0027]
 第2層15はアルミナを主成分として含有している。アルミナの構成は特に限定されるものではなく、例えばκ型結晶構造のアルミナ及びα型結晶構造のアルミナのいずれであってもよい。第2層15は、第1層13と同様に、一つの層のみによって構成されていてもよく、複数の層が積層された構成であってもよい。例えば、第2層15が、κ型結晶構造のアルミナを含有する層と、α型結晶構造のアルミナを含有する層とが積層された構成であってもよい。
[0028]
 チタン化合物を含有する第3層17の材質としては、例えば、第1層13の材質として上記したものが挙げられる。第3層17が被覆層5の最も外側に位置する場合には、切削加工時の切屑の流れを円滑にするため、第3層17が炭窒化チタン(TiCN)を主成分として含有していることが好ましい。
[0029]
 なお、上記における「主成分」とは、対象となる層を構成する材質のうち質量%が最も大きいことを意味する。例えば、第3層17が炭窒化チタン(TiCN)を主成分として含有しているとは、第3層17を構成する材質のうち炭窒化チタン(TiCN)の質量%が最も大きいことを意味する。
[0030]
 第1層13~第3層17の材質としては、上記の材質に限定されるものではない。たとえば、第1層13及び第3層17がアルミナを含有していてもよい。ただし、この場合においては、第1層13及び第3層17のそれぞれにおけるアルミナの含有比率は、第2層15におけるアルミナの含有比率よりも小さいものとする。第1層13及び第3層17がアルミナを含有している場合には、第1層13及び第3層17と、第2層15との接合性が高まる。
[0031]
 また、第2層15がチタン化合物を含有していてもよい。ただし、この場合においては、第2層15におけるチタン化合物の含有比率は、第1層13及び第3層17のそれぞれにおけるチタン化合物の含有比率よりも小さいものとする。第2層15がチタン化合物を含有している場合にも、第1層13及び第3層17と、第2層15との接合性が高まる。
[0032]
 クラック7は、被覆層5の表面から第2層15にかけて延びているが、このとき、クラック7のうち第2層15に位置する部分が、上面19の側に位置して、上面19から離れるにしたがって幅が狭くなる第1領域27と、第1領域27よりも第1層13の側に位置して、幅が一定である第2領域29とを有している場合には、第3層17が第2層15から剥離するおそれを小さくしつつ、耐摩耗性が高められる。
[0033]
 これは、以下の2つの理由による。第1の理由は、クラック7のうち第2層15に位置する部分が第2領域29のみによって構成されている場合と比較して、第2層15及び第3層17の境界に加わる残留応力を小さくすることができるため第3層17が第2層15から剥離するおそれが小さくなることである。第2の理由は、クラック7のうち第2層15に位置する部分が第1領域27のみによって構成されている場合と比較して、上面19の側におけるクラック7の幅を狭くできるとともに、切削加工時に切屑がクラック7内の深くに入り込みにくくなるため、第2層15の耐欠損性が低下するおそれが小さくなることであるである。
[0034]
 このとき、被覆層5の表面に直交する断面において、第1面9に直交する方向での第1領域27の長さL1よりも第1面9に直交する方向での第2領域29の長さL2が長い場合には、第3層17が第2層15から剥離するおそれが一層小さくなるとともに、第2層15の耐欠損性が低下するおそれが一層小さくなる。
[0035]
 なお、上記の第2領域29においてクラック7の幅が一定であるとは、厳密に一定であることを要求するものではない。被覆層5の表面に直交する断面において、クラック7が線状に延びていることを意図するものであり、被覆層5の表面に直交する断面における第1面9に直交する方向で示されるクラック7の長さLに対して5%程度のばらつきがあってもよい。第2領域29においてクラック7の幅は、0.2μm以下である。
[0036]
 クラック7が被覆層5の表面から第2層15にかけて延びていることから、被覆層5の表面に直交する断面において、クラック7の先端は第2層15に位置していてもよいが、図5に示すように、クラック7の先端が第1層13に位置しており、クラック7が第1層13にかけて延びていてもよい。クラック7が被覆層5の表面から第1層13にかけて延びている場合には、第1層13及び第2層15の境界に加わる残留応力が小さくなるため、第2層15が第1層13から剥離するおそれが小さくなる。
[0037]
 このとき、被覆層5の表面に直交する断面において、第1層13におけるクラック7の幅が、一定であるとともに、第2領域29におけるクラック7の幅と同じである場合には、第1層13及び第2層15におけるクラック7の幅が狭くなり、第1層13及び第2層15の耐欠損性が低下するおそれが小さくなる。
[0038]
 なお、第1層13におけるクラック7の幅が一定であるとは、厳密に一定であることを要求するものではない。被覆層5の表面に直交する断面における第1面9に直交する方向で示されるクラック7の長さLに対して5%程度のばらつきがあってもよい。
[0039]
 クラック7の先端は、図6に示すように基体3に位置していてもよい。すなわち、クラック7が被覆層5の表面から基体3にかけて延びていてもよい。クラック7が基体3にかけて延びている場合には、基体3及び第1層13の境界に加わる残留応力が小さくなるため、第1層13が基体3から剥離するおそれが小さくなる。
[0040]
 以下の説明にあたり、図4に示すような断面において、第2層15の上面19におけるクラック7の部分を離間部19A、第3層17のクラック幅と、第2層15の上面19のクラック幅との差異により、第2層15の上に第3層17が位置していない部分を露出部分19Bと記載して説明する。
[0041]
 図4に示すように、被覆層5の表面に直交する断面において、上面19に第3層17に覆われていない露出部分19Bを有し、露出部分19Bの幅W2が、第2層15における離間部19Aの幅W1よりも大きい場合には、上面19における露出して応力が解放される領域が広い。そのため、第2層15及び第3層17の境界に加わる残留応力が小さくなる一方で、上面19での離間部19Aの幅W1が露出部分19Bの幅W2よりも相対的に小さいことによって第2層15の耐欠損性が低下するおそれが小さくなる。
[0042]
 また、被覆層5の表面に直交する断面において、上面19の露出部分19Bの幅W2が第3層17の厚みT3よりも大きい場合には、第3層17が第2層15から剥離するおそれがさらに小さくなる。これは、第3層17の厚みT3が大きい程に第2層15及び第3層17の境界に加わる残留応力が大きくなるが、離間部19Aの幅W2が第3層17の厚みT3よりも大きい場合には、上面19における露出して応力が解放される露出部分19Bの領域が広いため、第2層15及び第3層17の境界に加わる残留応力がさらに小さくなるからである。
[0043]
 本開示の切削インサートを作製するには、例えば、以下の工程を用いるとよい。
[0044]
 まず、基体の上に第1層、第2層、第3層を備えた被覆層を有するインサートを準備する。
[0045]
 次に、水と平均粒径が50μm以下のセラミック粒子とを混合した液体をいわゆるウェットブラストで被覆層の表面側から吹きつける。この吹きつける速度は、インサートのクラックの状態を見ながら10~100m/秒の範囲で適宜、調整するとよい。セラミック粒子としては、アルミナやジルコニアを好適に用いることができる。このようなセラミック粒子は、鋼球に比べ比重が小さいために、セラミック粒子が被覆層に衝突する際のエネルギーは小さくなる。また、50μm以下の直径のセラミック粒子を用いることで、セラミック粒子が被覆層に衝突する際のエネルギーは小さくなる。
[0046]
 例えば、セラミック粒子としてアルミナを用いた場合、鋼球に比べて比重は半分以下になる。また、粒径を1/4にすると体積は、1/64になり、重さも1/64になる。つまり、ある大きさの鋼球に換えて、粒径が1/4のアルミナ粒子を用いると1つ当たりのアルミナ粒子の重さは、鋼球の1/100以下になる。
[0047]
 このように、鋼球に換えて、比較的小さな粒径のセラミック粒子を用いると、セラミック粒子1つ当たりの衝突エネルギーが小さくなる。一方、硬度の観点で見ると、鋼球よりもセラミック粒子の方が高い硬度を有している。
[0048]
 このように比較的小さな粒径のセラミック粒子を用いると、被覆膜の表面に比較的エネルギーは小さく、比較的、研磨力が高い衝突が繰り返し起こる。最初に、小さなクラックが被覆膜の表面にでき、時間の経過とともに、クラックは徐々に深さを増す。また、被覆層の表面側ではクラックの周辺領域が徐々に欠けていき、クラックの幅が広がっていく。
[0049]
 このような過程を経て、被覆層の表面に直交する断面において、第3層のクラックの幅は1μm以上であり、第2層の上面におけるクラック幅は0.5μm以上であり、第2層にクラックの幅が0.2μm以下の部分を有するインサートを製造することができる。
[0050]
 用いるセラミック粒子の平均粒径は40μm以下としてもよい。さらに30μm以下としてもよい。
[0051]
 一方、直径が50μmを越える鋼球やセラミック粒子を用いた場合には、衝撃が大きいため、クラックが発生すると同時に、被覆層の全面がほぼ均一に削れていくため、本開示のインサートとは異なる構造のクラックとなる。
[0052]
 なお、製膜時あるいは熱処理により、予め、幅が0.2μm以下のクラックを設けたインサートに、上記のブラスト処理を施してもよい。
[0053]
 本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良、組合せ等が可能である。

符号の説明

[0054]
 1・・・切削インサート(インサート)
 3・・・基体
 5・・・被覆層
 7・・・クラック
 9・・・第1面
11・・・第2面
13・・・第1層
15・・・第2層
17・・・第3層
19・・・上面
19A・・離間部
19B・・露出部分
21・・・下面
23・・・切刃
25・・・貫通孔
27・・・第1領域
29・・・第2領域

請求の範囲

[請求項1]
 基体と、該基体の上に位置する被覆層とを備えた切削インサートであって、
 前記被覆層は、
  基体の上に位置して、チタン化合物を含有する第1層と、
  該第1層の上に位置して、アルミナを含有する第2層と、
  該第2層の上に位置して、チタン化合物を含有する第3層と、
 を有し、
 前記被覆層は、該被覆層の表面から前記基体に向かって延びたクラックが存在し、
 該クラックは、
  少なくとも前記3層と前記第2層に存在し、
  前記被覆層の表面に直交する断面において、
   前記第3層のクラックの幅は1μm以上であり、
   前記第2層の上面におけるクラックの幅は、前記第3層のクラックの幅よりも狭く、0.5μm以上であり、
   前記第2層の上面よりも前記基体に近い位置に、クラックの幅が0.2μm以下の部分を有している、切削インサート。
[請求項2]
 前記断面において、前記クラックのうち前記第2層に位置する部分は、前記上面の側に位置して、前記上面から離れるにしたがって幅が狭くなる第1領域と、該第1領域よりも前記第1層の側に位置して、幅が一定である第2領域とを有している、請求項1に記載の切削インサート。
[請求項3]
 前記断面において、前記第1領域よりも前記第2領域における前記被覆層の表面に直交する方向の長さが長い、請求項2に記載の切削インサート。
[請求項4]
 前記クラックは、前記被覆層の表面から少なくとも前記第1層にかけて延びており、
 前記断面において、前記第1層における前記クラックの幅は、一定であって、かつ、前記第2領域における前記クラックの幅と同じである、請求項2又は3に記載の切削インサート。
[請求項5]
 前記クラックは、前記被覆層の表面から前記基体にかけて延びている、請求項1~4のいずれか1つに記載の切削インサート。
[請求項6]
 前記断面において、前記上面は、前記第3層に覆われていない露出部分を有し、該露出部分の幅は、前記第2層の上面におけるクラックの幅よりも大きい、請求項1~5のいずれか1つに記載の切削インサート。
[請求項7]
 前記露出部分の幅は、前記第3層の厚みよりも大きい、請求項6に記載の切削インサート。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]