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1. (WO2018110226) SYSTÈME DE COMMUNICATION
Document

明 細 書

発明の名称 通信システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

課題を解決するための手段及び効果

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148  

符号の説明

0149  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 通信システム

技術分野

[0001]
 本発明は、通信システムに関する。詳細には、所定の周波数帯域を使用した移動局と基地局との通信システムに関する。

背景技術

[0002]
 従来から、移動局と基地局との通信システムであって、移動局が基地局からの測位補正情報を時々刻々と受信し、移動局においてこの測位補正情報に基づいて自らの測位情報を精度よく取得することのできる通信システムが知られている。特許文献1は、この種の通信システムを備える走行制御システムを開示する。
[0003]
 特許文献1には、開示される走行制御システムにおいて移動局(自律走行作業車両)と基地局(基準局)との通信が無線等の方法で行われるとしか記載されていないが、一般的に、移動局と基地局との通信には、例えば誰でも使用することが可能な特定小電力等の所定の周波数帯域が使用されることが考えられる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 国際公開第2015/119265号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところが、上記のような所定の周波数帯域を使用して移動局と基地局との通信を行う際に、同じ周波数帯を使用する他のシステムが隣接する等の場合、電波が干渉してしまい、通信遮断が生じてしまう可能性があった。例えば特許文献1の走行制御システムのように、移動局の正確な現在位置を途切れることなく継続して取得することが重要なシステムにおいては、測位補正情報配信の通信遮断の発生は回避しなければならず、そのような事態がより生じにくい通信システムの構築が望まれていた。
[0006]
 本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、通信遮断が生じにくい通信システムを提供することにある。

課題を解決するための手段及び効果

[0007]
 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
[0008]
 本発明の観点によれば、以下の構成の通信システムが提供される。即ち、このシステムは、所定の周波数帯域を使用した移動局と基地局との通信システムである。この通信システムは、前記移動局と前記基地局とが双方向通信を行うことが可能な第1のモードと、前記基地局が測位補正情報を配信する第2のモードとを有する。前記基地局は、前記周波数帯域に含まれる複数のチャネルを複数の群に分けた複数のチャネルリストを記憶している。前記第1のモードにおいて前記基地局は前記移動局に対して所定情報を送信する。前記所定情報には、第2のモードにおいて前記基地局が使用するチャネルリストであって、前記複数のチャネルリストから選択された何れかのチャネルリストを示す情報が含まれる。また、前記所定情報には、前記第2のモードにおいて前記基地局が使用するチャネルであって、前記選択された何れかのチャネルリストに含まれるチャネルを示す情報が含まれる。
[0009]
 これにより、第1のモードは例えば通信相手を登録するためのモードとし、第2のモードは測位補正情報を配信するためのモードとすることができ、第1のモードでは基地局が使用するチャネルリスト、チャネルの情報が移動局に対して送信され、移動局は第2のモードにおいて基地局がどのチャネルを使用するかが分かるため、第2のモードにおいて双方向通信が必要なくなる。これにより、電波干渉等に由来する通信遮断を引き起こしにくくすることができ、移動局が滞りなく精度のよい測位補正情報を取得することができるようになる。
[0010]
 前記の通信システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記基地局は前記測位補正情報を配信する第1の通信モジュール及び第2の通信モジュールを含む複数の送信モジュールを備えている。前記第2のモードにおいて前記基地局は、前記第1の通信モジュールが前記測位補正情報を配信した後の配信休止時間に、前記第2の通信モジュールが前記測位補正情報を配信する。
[0011]
 これにより、一方の通信モジュールの配信休止時間を利用して、他方の通信モジュールで測位補正情報を配信でき、周波数帯域を有効利用できる。
[0012]
 前記の通信システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記第1のモードにおける前記基地局と前記移動局との双方向通信に使用される双方向通信用チャネルは、前記複数のチャネルリストに含まれないチャネルである。また、本双方向通信用チャネル及び前記複数のチャネルリストに含まれる各チャネルは、互いに電波干渉を与えないチャネルである。
[0013]
 これにより、双方向通信用のチャネルが設けられることにより、基地局と移動局とが連携する必要がある作業を容易に行うことができる。また、通常モードの時に使用するチャネルは何れのチャネルとも互いに電波干渉を与えないので、通信帯域の重複を避けることができ、通信障害を避けることが可能となる。
[0014]
 前記の通信システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記第2のモードにおいて前記基地局は、前記測位補正情報の配信が所定時間実行できない場合に、使用するチャネルを、前記選択された何れかのチャネルリストに含まれる他のチャネルに変更する。前記第2のモードにおいて前記移動局は、前記測位補正情報の取得が所定時間途絶えた場合に、使用するチャネルを、前記選択された何れかのチャネルリストに含まれる前記他のチャネルに変更する。
[0015]
 これにより、チャネルリストは基地局、移動局で互いに記憶されているので、基地局から使用チャネルに関する情報をその都度送信しなくても、移動局は、所定時間にわたって通信が行われなければチャネルリストに従って別チャネルに変更することで、基地局とチャネルを合わせることができる。なお、チャネル変更の方式・ルールに関しては、後述するように、基地局、移動局で共有されていることが必要である。逆に、共有されていさえすればどのようなルールで変更しても、本特許の実施に影響を与えるものではない。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 本発明の一実施形態に係る通信システムに備えられる移動局であるロボットトラクタの全体的な構成を示す側面図。
[図2] ロボットトラクタの平面図。
[図3] 移動局としてのロボットトラクタの主要な構成を示すブロック図。
[図4] 基地局の主要な構成を示すブロック図。
[図5] ロボットトラクタの記憶部に記憶される複数のチャネルリストを示す表。
[図6] 移動局であるロボットトラクタ側で行われる処理のうち、主として通常モードのときの処理の流れを示すフローチャート。
[図7] 移動局であるロボットトラクタ側で行われる処理のうち、主として登録モードのときの処理の流れを示すフローチャート。
[図8] 基地局で行われる処理のうち、主として通常モードのときの処理の流れを示すフローチャート。
[図9] 基地局で行われる処理のうち、主として登録モードのときの処理の流れを示すフローチャート。

発明を実施するための形態

[0017]
 次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下では、図面の各図において同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。また、同一の符号に対応する部材等の名称が、簡略的に言い換えられたり、上位概念又は下位概念の名称で言い換えられたりすることがある。
[0018]
 本発明は、例えば下記の実施形態に示すように、予め定められた圃場内で1台又は複数台の作業車両を走行させて、圃場内における農作業の全部又は一部を実行させるときに、作業車両を自律的に走行させる自律走行システムに適用される。本実施形態では、作業車両としてトラクタを例に説明するが、作業車両としては、トラクタの他、田植機、コンバイン、土木・建設作業装置、除雪車等、乗用型作業機に加え、歩行型作業機も含まれる。本明細書において自律走行とは、トラクタが備える制御部(ECU)によりトラクタが備える走行に関する構成が制御されて予め定められた経路に沿ってトラクタが走行することを意味し、自律作業とは、トラクタが備える制御部によりトラクタが備える作業に関する構成が制御されて、予め定められた経路に沿ってトラクタが作業を行うことを意味する。これに対して、手動走行・手動作業とは、トラクタが備える各構成がユーザにより操作され、走行・作業が行われることを意味する。
[0019]
 以下の説明では、自律走行・自律作業されるトラクタを「無人(の)トラクタ」又は「ロボットトラクタ」と称することがあり、手動走行・手動作業されるトラクタを「有人(の)トラクタ」と称することがある。圃場内において農作業の一部が無人トラクタにより実行される場合、残りの農作業は有人トラクタにより実行される。単一の圃場における農作業を無人トラクタ及び有人トラクタで実行することを、農作業の協調作業、追従作業、随伴作業等と称することがある。本明細書において無人トラクタと有人トラクタの違いは、ユーザによる操作の有無であり、各構成は基本的に共通であるものとする。即ち、無人トラクタであってもユーザが搭乗(乗車)して操作することが可能であり(即ち、有人トラクタとして使用することができ)、あるいは有人トラクタであってもユーザが降車して自律走行・自律作業させることが可能である(即ち、無人トラクタとして使用することができる)。なお、農作業の協調作業としては、「単一の圃場における農作業を無人車両及び有人車両で実行すること」に加え、「隣接する圃場等の異なる圃場における農作業を同時期に無人車両及び有人車両が実行すること」が含まれていてもよい。
[0020]
 次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム100に備えられる移動局であるロボットトラクタ1の全体的な構成を示す側面図である。図2は、ロボットトラクタ1の平面図である。図3は、移動局としてのロボットトラクタ1の主要な構成を示すブロック図である。
[0021]
 本発明の実施の一形態に係る通信システム100は、移動局としてのロボットトラクタ(作業車両)1が基地局80からの測位補正情報を時々刻々と受信し、移動局としてのロボットトラクタ1においてこの測位補正情報に基づいて自らの測位情報を精度よく取得することのできる、通信システムである。
[0022]
 図1に示すように、ロボットトラクタ1は、無線通信端末46との間で近距離無線網を介して無線通信を行うことにより操作される。ユーザが無線通信端末46を操作して、当該トラクタ1の制御部4との間で信号のやり取りを適宜行うことにより、トラクタ1を自律走行・自律作業させることができる。
[0023]
 トラクタ1は、圃場内を自律走行することが可能な走行機体2を備える。走行機体2には、図1及び図2に示す作業機3が着脱可能に取り付けられている。この作業機3としては、例えば、耕耘機、プラウ、施肥機、草刈機、播種機等の種々の作業機があり、これらの中から必要に応じて所望の作業機3を選択して走行機体2に装着することができる。走行機体2は、装着された作業機3の高さ及び姿勢を変更可能に構成されている。
[0024]
 トラクタ1の構成について、図1及び図2を参照してより詳細に説明する。トラクタ1の走行機体2は、図1に示すように、その前部が左右1対の前輪(車輪)7,7で支持され、その後部が左右1対の後輪8,8で支持されている。
[0025]
 走行機体2の前部にはボンネット9が配置されている。このボンネット9内には、トラクタ1の駆動源であるエンジン10及び燃料タンク(図略)が収容されている。このエンジン10は、例えばディーゼルエンジンにより構成することができるが、これに限るものではなく、例えばガソリンエンジンにより構成してもよい。また、駆動源としては、エンジンに加えて、又はこれに代えて、電気モータを使用してもよい。
[0026]
 ボンネット9の後方には、ユーザが搭乗するためのキャビン11が配置されている。このキャビン11の内部には、ユーザが操向操作するためのステアリングハンドル12と、ユーザが着座可能な座席13と、各種の操作を行うための様々な操作装置と、が主として設けられている。ただし、移動局としての作業車両は、キャビン11付きのものに限るものではなく、キャビン11を備えないものであってもよい。
[0027]
 上記の操作装置としては、図2に示すモニタ装置14、スロットルレバー15、主変速レバー27、複数の油圧操作レバー16、PTOスイッチ17、PTO変速レバー18、副変速レバー19、及び作業機昇降スイッチ28等を例として挙げることができる。これらの操作装置は、座席13の近傍、又はステアリングハンドル12の近傍に配置されている。
[0028]
 モニタ装置14は、トラクタ1の様々な情報を表示可能に構成されている。スロットルレバー15は、エンジン10の出力回転数を設定するための操作具である。主変速レバー27は、トラクタ1の走行速度を無段階で変更するための操作具である。油圧操作レバー16は、図略の油圧外部取出バルブを切換操作するための操作具である。PTOスイッチ17は、トランスミッション22の後端から突出した図略のPTO軸(動力取出軸)への動力の伝達/遮断を切換操作するための操作具である。即ち、PTOスイッチ17がON状態であるときPTO軸に動力が伝達されたPTO軸が回転し、作業機3が駆動される一方、PTOスイッチ17がOFF状態であるときPTO軸への動力が遮断されてPTO軸が回転せず、作業機3が停止する。PTO変速レバー18は、作業機3に入力される動力の変更操作を行うものであり、具体的にはPTO軸の回転速度の変速操作を行うための操作具である。副変速レバー19は、トランスミッション22内の走行副変速ギア機構の変速比を切り換えるための操作具である。作業機昇降スイッチ28は、走行機体2に装着された作業機3の高さを所定範囲内で昇降操作するための操作具である。
[0029]
 図1に示すように、走行機体2の下部には、トラクタ1のシャーシ20が設けられている。当該シャーシ20は、機体フレーム21、トランスミッション22、フロントアクスル23、及びリアアクスル24等から構成されている。
[0030]
 機体フレーム21は、トラクタ1の前部における支持部材であって、直接、又は防振部材等を介してエンジン10を支持している。トランスミッション22は、エンジン10からの動力を変化させてフロントアクスル23及びリアアクスル24に伝達する。フロントアクスル23は、トランスミッション22から入力された動力を前輪7に伝達するように構成されている。リアアクスル24は、トランスミッション22から入力された動力を後輪8に伝達するように構成されている。
[0031]
 図3に示すように、トラクタ1は、走行機体2の動作(前進、後進、停止及び旋回等)並びに作業機3の動作(昇降、駆動及び停止等)を制御するための制御部4を備える。制御部4は、図示しないCPU、ROM、RAM、I/O等を備えて構成されており、CPUは、各種プログラム等をROMから読み出して実行することができる。制御部4には、トラクタ1が備える各構成(例えば、エンジン10等)を制御するためのコントローラ、及び他の無線通信機器と無線通信するための無線通信機等がそれぞれ、CAN等の規格によって電気的に接続されている。
[0032]
 上記のコントローラとして、トラクタ1は少なくとも、エンジンコントローラ41、車速コントローラ42、操向コントローラ43及び昇降コントローラ44を備える。それぞれのコントローラは、制御部4からの電気信号に応じて、トラクタ1の各構成を制御することができる。
[0033]
 エンジンコントローラ41は、エンジン10の回転数等を制御するものである。具体的には、エンジン10には、当該エンジン10の回転数を変更させるアクチュエータを備えたガバナ装置(図略)が設けられている。エンジンコントローラ41は、ガバナ装置を制御することで、エンジン10の回転数を制御することができる。また、エンジン10には、エンジン10の燃焼室内に噴射(供給)するための燃料の噴射時期・噴射量を調整する燃料噴射装置(図略)が付設されている。エンジンコントローラ41は、燃料噴射装置を制御することで、例えばエンジン10への燃料の供給を停止させ、エンジン10の駆動を停止させることができる。
[0034]
 車速コントローラ42は、トラクタ1の車速を制御するものである。具体的には、トランスミッション22には、例えば可動斜板式の油圧式無段変速装置(図略)が設けられている。車速コントローラ42は、油圧式無段変速装置の斜板の角度をアクチュエータによって変更することで、トランスミッション22の変速比を変更し、所望の車速を実現することができる。
[0035]
 操向コントローラ43は、ステアリングハンドル12の回動角度を制御するものである。具体的には、ステアリングハンドル12の回転軸(ステアリングシャフト)の中途部には、操向アクチュエータ(図略)が設けられている。この構成で、予め定められた経路をトラクタ1が(無人トラクタとして)走行する場合、制御部4は、当該経路に沿ってトラクタ1が走行するようにステアリングハンドル12の適切な回動角度を計算し、得られた回動角度となるように操向コントローラ43に制御信号を出力する。操向コントローラ43は、制御部4から入力された制御信号に基づいて操向アクチュエータを駆動し、ステアリングハンドル12の回動角度を制御する。なお、操向コントローラはステアリングハンドル12の回動角度を調整するものではなくトラクタ1の前輪7の操舵角を調整するものであってもよく、その場合、旋回走行を行ったとしてもステアリングハンドル12は回転しない。
[0036]
 昇降コントローラ44は、作業機3の昇降を制御するものである。具体的には、トラクタ1は、作業機3を走行機体2に連結している3点リンク機構の近傍に、油圧シリンダ等からなる昇降アクチュエータ(図略)を備えている。この構成で、昇降コントローラ44は、制御部4から入力された制御信号に基づいて昇降アクチュエータを駆動して作業機3を適宜に昇降動作させることにより、所望の高さで作業機3により農作業を行わせることができる。この制御により、作業機3を、退避高さ(農作業を行わない高さ)及び作業高さ(農作業を行う高さ)等の所望の高さで支持することができる。
[0037]
 なお、上述した複数のコントローラ41,42,43,44は、制御部4から入力される信号に基づいてエンジン10等の各部を制御していることから、制御部4が実質的に各部を制御していると把握することができる。
[0038]
 上述のような制御部4を備えるトラクタ1は、ユーザがキャビン11内に搭乗して各種操作をすることにより、当該制御部4によりトラクタ1の各部(走行機体2、作業機3等)を制御して、圃場内を走行しながら農作業を行うことができるように構成されている。加えて、本実施形態のトラクタ1は、ユーザがトラクタ1に搭乗しなくても、無線通信端末46により出力される所定の制御信号に基づいて自律走行及び自律作業をさせることが可能となっている。
[0039]
 具体的には、図3等に示すように、トラクタ1は、自律走行・自律作業を可能とするための各種構成を備えている。例えば、トラクタ1は、測位システムに基づいて自ら(走行機体2)の位置情報を時々刻々と精度よく取得するために必要な測位用アンテナ6及び第1無線通信用アンテナ5等を備える。このような構成により、トラクタ1は、測位システムに基づいて自らの位置情報を取得して、圃場上を自律走行することが可能となっている。
[0040]
 次に、自律走行を可能とするためにトラクタ1が備える構成について、より詳細に説明する。具体的には、本実施形態のトラクタ1は、図3等に示すように、測位用アンテナ6、位置情報受信機52、第1無線通信用アンテナ5、移動局通信機57、第2無線通信用アンテナ48、近距離無線通信機51、カメラ56、慣性計測装置(IMU)54、及び記憶部55等を備える。
[0041]
 測位用アンテナ6は、例えば衛星測位システム(GNSS)等の測位システムを構成する測位衛星105からの信号を受信するものである。なお、本実施形態では、GNSSとして全地球測位システム(GPS等)が用いられている。図1に示すように、測位用アンテナ6は、トラクタ1のキャビン11のルーフ26の上面に取り付けられている。測位用アンテナ6で受信された測位信号は、位置情報受信機52に入力される。
[0042]
 位置情報受信機52は、入力された測位衛星からの測位信号を信号処理して測位情報を取得する。また、位置情報受信機52は、得られた測位情報に対し、移動局通信機57で取得された測位補正情報に基づいて補正を行うことで、トラクタ1の走行機体2(厳密には、測位用アンテナ6)の位置情報を例えば緯度・経度情報として算出し、取得する。このように測位情報に対して補正を行うことで、走行機体2の位置を通常のGNSS測位よりも高い精度で取得することができる。当該位置情報受信機52で取得された位置情報は、記憶部55に記憶されるとともに、適時に記憶部55から読み出されて制御部4に入力されて、自律走行に利用される。
[0043]
 第1無線通信用アンテナ5は、基地局80との通信に用いられる通信プロトコル(本実施形態では、920MHz無線通信プロトコル)に対応したアンテナである。図1に示すように、第1無線通信用アンテナ5は、キャビン11のルーフ26の上面に配置されている。基地局80との関係で、トラクタ1は移動局であるということができる。第1無線通信用アンテナ5により、基地局80から配信される測位補正情報(位置補正に用いられる情報)を含む信号が時々刻々と受信される。なお、無線通信プロトコルの帯域は920MHzに限られるものではない。例えば、国によって使用可能な帯域が異なることがあり、欧州では860MHzを用い、米国では900MHzを用いる等、適宜適切な帯域を選択することが可能である。
[0044]
 移動局通信機57は、第1無線通信用アンテナ5で受信された測位補正情報を含む信号を信号処理して、測位補正情報を取得する。移動局通信機57で取得された測位補正情報は、位置情報受信機52で取得した測位情報を補正するために用いられる。
[0045]
 第2無線通信用アンテナ48は、ユーザが使用する無線通信端末46との通信に用いられる通信プロトコル(本実施形態では、2.4GHz及び5GHz無線通信プロトコル)に対応したアンテナである。図1に示すように、第2無線通信用アンテナ48は、トラクタ1のキャビン11が備えるルーフ26の上面に配置されている。第2無線通信用アンテナ48で受信した無線通信端末46からの信号は、近距離無線通信機51で信号処理された後、制御部4に入力される。また、制御部4等から無線通信端末46に送信する信号は、近距離無線通信機51で信号処理された後、第2無線通信用アンテナ48から送信されて無線通信端末46で受信される。
[0046]
 近距離無線通信機51は、第2無線通信用アンテナ48で受信された無線通信端末46からの信号を復調処理して情報をデジタルデータとして取り出し、制御部4に入力する。これにより、無線通信端末46を用いてユーザが発した指示等が制御部4に入力されて、エンジン10等の各部を制御するのに用いられる。
[0047]
 カメラ56は、トラクタ1の周辺の環境(例えば、走行機体2の前方及び後方の環境)をそれぞれ撮影するものである。図1及び図2には示していないが、カメラ56はトラクタ1のルーフ26に取り付けられている。カメラ56で撮影された動画データは、近距離無線通信機51で適宜の方法で変調処理された後、所定の周波数帯の搬送波に乗せられて第2無線通信用アンテナ48から送信され、無線通信端末46で受信後に表示される。
[0048]
 慣性計測装置54は、トラクタ1の走行機体2の姿勢(ロール角、ピッチ角、ヨー角)を特定することが可能なユニットである。慣性計測装置54で取得された走行機体2の姿勢に関する情報は、制御部4に入力されて、位置情報を補正するのに用いられたり、その他の制御に用いられたりする。
[0049]
 記憶部55は、トラクタ1を自律走行させる走行経路を記憶したり、トラクタ1(厳密には、測位用アンテナ6)の位置情報を記憶したりするメモリである。また、本実施形態の記憶部55は、トラクタ(移動局)1が基地局80と通信するのに必要な周波数チャネルに関する情報を記憶するとともに、基地局80との通信で取得した測位補正情報を記憶する。
[0050]
 更に、記憶部55は、その記憶領域の一部をページテーブルによりページ単位で管理する構成となっている。各ページは、登録された基地局80のうちの1つに対応付けられている。なお、基地局80の登録については、後に詳述する。
[0051]
 より具体的に説明すると、本実施形態の記憶部55は、自局ID記憶部61、位置情報記憶部62、測位補正情報記憶部63、基地局ID記憶部711、チャネルリスト記憶部712、及び使用チャネル記憶部713等を備えた構成となっている。
[0052]
 自局ID記憶部61は、自機(トラクタ1)の識別番号である自局ID番号を記憶するものである。自局ID番号は、例えばトラクタ1が出荷される際に付された識別番号であり、他のトラクタと被らないように定められている。
[0053]
 位置情報記憶部62は、位置情報受信機52から取得したトラクタ1の位置情報を、時間と対応付けて記憶するものである。
[0054]
 測位補正情報記憶部63は、移動局通信機57で取得された測位補正情報を、時間と対応付けて記憶するものである。
[0055]
 基地局ID記憶部711は、割り当てられた基地局80の識別番号である基地局ID番号を記憶する。
[0056]
 チャネルリスト記憶部712は、基地局80から送信されてきたチャネルリストを記憶する。
[0057]
 使用チャネル記憶部713は、基地局80からの測位補正情報の受信に使用するチャネルを記憶する。また、使用チャネル記憶部713は、チャネル変更方式・ルール等のその他の情報も記憶する。
[0058]
 基地局ID記憶部711、チャネルリスト記憶部712、及び使用チャネル記憶部713は、登録された基地局80ごとに情報を記憶することができる。具体的には、記憶部55は、基地局80との通信に関する情報(基地局ID記憶部711、チャネルリスト記憶部712、及び使用チャネル記憶部713の記憶内容)を、基地局80が登録されるごとに生成される基地局管理ページ71,72,73,・・・を単位として管理することができる。これにより、通信相手の基地局80の追加、削除、切替等を容易に行うことができる。
[0059]
 次に、図4を参照して、トラクタ(移動局)1と特定小電力等の中距離無線網を介して通信を行う基地局80の構成について詳細に説明する。図4は、基地局80の主要な構成を示すブロック図である。
[0060]
 本実施形態の基地局80は、アンテナや送受信機(詳細な構成は後述する。)を備えており、設置後は容易に動くことがないように設けられている。基地局80は、予め定められた場所であり、測位衛星105からの電波が十分に届く範囲内であり、かつ、トラクタ1へ電波が十分に届く範囲内の地点に設置される。基地局80の具体的な設置場所としては、例えば、トラクタ1が農作業を行う圃場の近傍の、丘の上等とすることが考えられる。
[0061]
 基地局80は、制御部82、測位用アンテナ101、位置情報受信機81、2本の通信用アンテナ98,98、基地局通信機83、ユーザインタフェース99、及び記憶部90等を備える。
[0062]
 測位用アンテナ101は、測位衛星105からの信号を受信するものである。測位用アンテナ101で受信された測位信号は、位置情報受信機81に入力される。
[0063]
 位置情報受信機81は、入力された測位衛星からの測位信号に基づいて、基地局80(厳密には、測位用アンテナ101)の位置情報を、例えば緯度・経度情報として算出し、取得する。当該位置情報受信機81で取得された位置情報は、記憶部90に記憶されるとともに、適時に記憶部90から読み出されて制御部82に入力されて、測位補正情報を算出するのに用いられる。
[0064]
 制御部82は、予め分かっている基地局80を設置した場所の位置情報である設置場所情報(設置場所情報記憶部96に記憶される位置情報)と、位置情報受信機81により得られる位置情報と、を比較して、測定値である測位情報を実際の位置情報により近づけるための補正値である測位補正情報を算出する。また、制御部82は、この測位補正情報を、適時に基地局通信機83に送る。なお、基地局80の上述の設置場所情報は、例えばユーザがユーザインタフェース99を操作することにより設定され、設置場所情報記憶部96に記憶される。
[0065]
 2本の通信用アンテナ98,98は、何れも、トラクタ1との通信に用いられる通信プロトコル(本実施形態では、920MHz無線通信プロトコル)に対応したアンテナである。通信用アンテナ98,98により、測位補正情報を含む信号が時々刻々と送信される。なお、本実施形態では、2本の通信用アンテナ98を用いて、測位補正情報を含む信号を一定の時間間隔で交互に送信するようにしている。それぞれの通信用アンテナ98から信号を送信する頻度は、1秒間に複数回とすることが考えられる。これにより、例えば一方の通信用アンテナ98からの電波について、いわゆるマルチパスや大地からの反射等の影響で反射波と弱め合ってトラクタ1側の受信レベルが低下しても、他方の通信用アンテナ98からの電波をトラクタ1側で受信して測位補正情報を得ることができる。このように、複数の通信用アンテナ98から測位補正情報を複数回送信することで、通信の信頼性を高めている。
[0066]
 基地局通信機83は、測位補正情報を含むデータを記憶部90から取得して変調処理して、所定の周波数帯の搬送波に乗せて通信用アンテナ98,98から送信できる状態にするとともに、適時のタイミングでこの測位補正情報を含む電波を通信用アンテナ98,98から配信する。基地局通信機83は、2本の通信用アンテナ98,98に対応付けて、2つの送信モジュールである第1送信モジュール84と第2送信モジュール85とを有している。基地局通信機83は、制御部82により制御されることにより、第1送信モジュール84が測位補正情報を含む信号を配信した後の配信休止時間に、第2送信モジュール85が測位補正情報を含む信号を配信するように、電波の送信のタイミングが調整されている。この結果、2本の通信用アンテナ98,98から交互に測位補正情報を送信し、全体として1秒間で複数回にわたり測位補正情報を配信することが可能となり、移動局(トラクタ1)側で配信情報を取りこぼす頻度を抑えることができる。
[0067]
 ユーザインタフェース99は、基地局80がトラクタ1と920MHz無線通信により通信を行う場合に、基地局80側にいるユーザがトラクタ1からの情報を受け取ったり、トラクタ1に送る情報を入力したりするためのものである。本実施形態のユーザインタフェース99は、タッチパネル式のディスプレイ等により構成され、基地局80が設置される場所の位置情報である設置場所情報を入力可能である。
[0068]
 記憶部90は、トラクタ1に配信する測位補正情報や、トラクタ1との通信に用いる複数のチャネルリスト等の、様々な情報を記憶するメモリである。本実施形態の記憶部90は、基地局(自局)80がトラクタ(移動局)1と通信するのに用いる周波数チャネルに関する情報を記憶するとともに、トラクタ1との通信で取得したトラクタ1に関する情報を記憶する。
[0069]
 より具体的に説明すると、本実施形態の記憶部90は、自局ID記憶部91、測位補正情報記憶部92、チャネルリスト記憶部93、使用チャネル記憶部94、及び移動局IDリスト記憶部95等を備えた構成となっている。
[0070]
 自局ID記憶部91は、自機(基地局80)の識別番号である自局ID番号を記憶するものである。自局ID番号は、例えば基地局80が既知の場所に設置するものとして登録された際に付された識別番号であり、他の基地局と重複しないように定められている。
[0071]
 測位補正情報記憶部92は、位置情報受信機81で受信された情報に基づいて算出された測位補正情報を、時間と対応付けて記憶するものである。
[0072]
 チャネルリスト記憶部93は、所定の周波数帯域(本実施形態では、920MHz帯域)に含まれる複数のチャネルを複数の群に分けた複数のチャネルリストを予め記憶するものである。図5に、本実施形態における複数のチャネルリストであるチャネルリスト1,2,・・・を示してある。図5は、ロボットトラクタ1の記憶部55に記憶される複数のチャネルリスト1,2,・・・を示す表である。なお、図5には、共通チャネルの例も示してある。
[0073]
 図5を見れば分かるように、複数のチャネルリスト1,2,・・・に含まれる各チャネルは、複数のチャネルリスト1,2,・・・に含まれる他のチャネルの何れとも電波干渉が発生しないように設定されている。このチャネルリストに含まれる何れかのチャネルは、基地局80とトラクタ1との通信モードが通常モード(第2のモード)の場合に使用される。
[0074]
 なお、複数のチャネルリスト1,2,・・・に含まれる各チャネルを、複数のチャネルリスト1,2,・・・に含まれる他のチャネルの何れとも電波干渉が発生しないように設定するための具体的な方法としては、例えば以下のような方法を取り得る。
[0075]
 即ち、例えば、隣接するチャネル間で電波干渉が発生する場合には、電波干渉が発生しないように各チャネルを例えばひとつ飛ばしで選択することで、同一のチャネルリストに含まれる他のチャネル又は異なるチャネルリストに含まれる複数のチャネルの何れとも被らず、かつ、隣接しないように設定することが必要である。
[0076]
 一方、隣接するチャネル同士で電波干渉が発生しない場合には、各チャネルを他のチャネルと被らないようにすれば足りる。
[0077]
 使用チャネル記憶部94は、基地局80が(選択されたチャネルリストに含まれるチャネルの中から)使用チャネルとして選んだ1つのチャネルを記憶するものである。この使用チャネルは、基地局80とトラクタ1との通信モードが通常モード(第2のモード)の場合に使用される。
[0078]
 移動局IDリスト記憶部95は、基地局80とトラクタ1とが登録モード(第1のモード)で通信することにより基地局80が取得した、登録されたトラクタ(移動局)1のID番号を記憶するものである。移動局IDリスト記憶部95には、1つ又は複数のトラクタ1のID番号を例えばリストにして記憶することが可能である。
[0079]
 以下では、基地局80とトラクタ1との通信モードについて、主として図6から図9までを参照して詳細に説明する。本実施形態の基地局80とトラクタ1との通信モードには、基地局80とトラクタ1とが相互に認証して登録を行う登録モード(第1のモード)と、基地局80からトラクタ1に測位補正情報を配信する通常モード(第2のモード)の他、相互に通信テストを行う通信テストモード等もあるが、以下では、主要な通信モードである登録モードと通常モードとに絞って説明を行う。
[0080]
 初めに、移動局であるトラクタ1側で行われる処理の流れについて、図6及び図7を参照して説明する。
[0081]
 移動局通信機57が起動されると、初めに制御部4は、図6に示すように、記憶部55に基地局80の登録情報があるか否かを判断する(ステップS101)。具体的には、基地局管理ページ71,72,73,・・・が1ページ以上存在するか否かを判断する。その結果、基地局80の登録情報が存在する場合、この基地局80からの測位補正情報の受信を試みるために、通信モードが通常モードに切り換えられ、以降の処理(ステップS102~ステップS106)が行われる。
[0082]
 通常モードに切り換えられたとき、制御部4は、過去に登録された基地局80に対応する基地局管理ページ71の使用チャネル記憶部713から、測位補正情報の受信のために使用するチャネルを読み出す。なお、以下では、使用チャネル記憶部713に記憶されていた使用チャネルがaだったものとして説明を行う。
[0083]
 そして制御部4は、基地局80からの測位補正情報の受信を試みるために、移動局通信機57で受信するチャネルをaに設定し(ステップS102)、基地局80から受信するのを待つ(ステップS103)。
[0084]
 基地局80からの受信を待機していたところ、基地局80からの測位補正情報を受信できたら(ステップS104、Yes)、制御部4は、受信した測位補正情報を測位補正情報記憶部63に記憶する。その後、受信待機状態に戻り、時々刻々と基地局80からの測位補正情報を受信し続ける(ステップS103~ステップS104を繰り返す)。
[0085]
 一方、基地局80からの受信を待機していたところ、所定時間以上にわたって測位補正情報を受信できなかった場合(ステップS104、No、ステップS105、Yes)、基地局80側が何らかの事情により通信に使用するチャネルを変更したことが考えられる。そこで、制御部4は、基地局管理ページ71のチャネルリスト記憶部712から、基地局80が指定しているチャネルリストを読み出す。なお、この例の場合、チャネルaが含まれているチャネルリスト1が読み出される。制御部4は、このチャネルリスト1を参照して、予め取り決めておいたチャネルの変更方式に従って、次のチャネルを選択する。なお、ここで示す例の場合、「チャネルを変更する場合は、チャネルリストのうちの次に大きな数値のチャネルを次のチャネルとする(次に大きな数値のチャネルが存在しない場合には、チャネルリストのうちの最も小さな数値のチャネルとする)」という予め取り決めておいた変更方式に従って、次のチャネルをbと定める(図5を参照)。本実施形態では具体的な説明は割愛するが、チャネル変更方式・ルールとしては、基地局/移動局間で共有されていれば、上記以外の変更方式・ルールも使用可能である。
[0086]
 そして制御部4は、この新たなチャネルbで改めて基地局80からの測位補正情報の受信を試みるために、移動局通信機57で受信するチャネルをbに変更する(ステップS106)。この状態で、制御部4は、基地局80から受信するのを待つ(ステップS103に戻る)。
[0087]
 なお、ステップS106において選択されたチャネルbは、使用チャネル記憶部713に記憶される。即ち、使用チャネル記憶部713に記憶される使用チャネルがaからbに更新される。
[0088]
 このような処理の流れにより、制御部4は、基地局80から配信される測位補正情報を時々刻々と受信することができる。基地局80側が何らかの事情により配信に使用するチャネルを変更した場合にも、あらかじめ基地局80から受信したチャネルリスト1に従って次のチャネルを設定し、このチャネルで改めて基地局80から配信される測位補正情報の受信を試みることができる。即ち、トラクタ1は通常モードにおいて基地局80がどのチャネルを使用するかがチャネルリスト1等により分かるため、円滑に基地局80と通信することができる。よって、トラクタ1は精度のよい測位情報(時々刻々と取得する測位補正情報によって補正した位置情報)を滞りなく取得して走行や農作業を続けることができる。
[0089]
 一方、ステップS101の判断の結果、基地局の登録情報がなかった場合(ステップS101、No)、通信モードが登録モードに設定される。
[0090]
 登録モードにおいて、制御部4は、図7に示すように、移動局通信機57及び図略の移動局送信機で使用するチャネルを共通チャネルに設定し、基地局80から受信するのを待つ(ステップS107)。なお、以下では、共通チャネルとしてチャネルxに設定したものとして説明を行う。
[0091]
 共通チャネルに設定して基地局80からの受信を待機していたところ、基地局80から自局情報(具体的には、基地局80のID番号)を受信できたら(ステップS108、Yes)、基地局80側にトラクタ1を配信先として登録してもらうために、制御部4は、基地局80に登録要求を送信する(ステップS109)。登録要求には、トラクタ1のID番号を含む、トラクタ1に関する情報が含まれている。なお、この登録に際し、必要に応じてタイムアウトを設定して適宜エラー表示がされる構成とすることも可能であるが、本特許特有の事ではないので、詳細な説明は割愛する。
[0092]
 制御部4は、基地局80からの自局情報(基地局情報)を受信するまで、チャネルxで待機状態を続ける(ステップS108、No)。
[0093]
 ステップS109で送信した登録要求に対して、受信確認として送られてくる基地局80からの応答を移動局通信機57で受信したら(ステップS110、Yes)、続いて制御部4は、登録を拒否する旨の通知(拒否通知)を基地局80から受信したか否かを判断する(ステップS111)。なお、基地局80からの応答を受信しなかった場合は(ステップS110、No)、ステップS108に戻って、チャネルxでの待機を継続する。
[0094]
 ステップS111の判断の結果、拒否通知を受信した場合(ステップS111、Yes)、他の基地局で登録をしてもらうことを試みるために、チャネルxでの待機状態に戻る(ステップS108に戻る)。
[0095]
 一方、拒否通知を受信しなかった場合(ステップS111、No)、基地局80がトラクタ1の登録を許可したものと考えられる。詳細は後述するが、基地局80は、トラクタ1の登録を許可した場合、当該トラクタ1に対してチャネルリスト・使用チャネルの情報を直ちに送信するように構成されている。
[0096]
 移動局通信機57が基地局80からのチャネルリスト・使用チャネルの情報を受信したら(ステップS112、Yes)、制御部4は、この基地局80用の基地局管理ページ71を作成し、基地局ID記憶部711に基地局80のID番号を、チャネルリスト記憶部712に受信したチャネルリストを、使用チャネル記憶部713に受信した使用チャネルをそれぞれ記憶する(ステップS113)。また、制御部4は、これらのチャネルに関する情報を受信した旨の応答を、移動局通信機57を介して基地局80に送信する。
[0097]
 なお、拒否通知は受信しなかったものの、何らかの事情により基地局80からチャネルリスト・使用チャネルの情報を受信しない場合、制御部4は、他の基地局も含めて認証登録をしてもらうことを試みるために、チャネルxでの待機状態に戻る(ステップS108に戻る)。
[0098]
 このような処理の流れにより、共通チャネルを用いてトラクタ1が基地局80と双方向通信することにより、相互にやり取りして登録を行うことができる。また、この登録と併せて、基地局80がその後の通常モードでの通信のときに使用するチャネルに関する情報(チャネルリスト・使用チャネル)を予めトラクタ1に知らせるので、その後の通常モードでの通信のときには双方向通信が必要なくなり、後述するように、いわゆるブロードキャスト型で配信データを基地局から移動局に配信するだけでよい。従って、帯域が不足してしまうような状況が発生することを抑制することができ、通信が繋がりにくくなったり、通信速度が低下したり、といった問題を回避することができる。また、移動局が複数存在しているような場合にも、特別な処理を追加することなく、上述した処理と同じ仕組みで測位補正情報を配信可能である。
[0099]
 続いて、基地局80側で行われる処理の流れについて、図8及び図9を参照して説明する。
[0100]
 基地局80側のユーザがユーザインタフェース99を操作して通信モードを通常モードに設定したとき、制御部82は初めに、図8に示すように、自局のID番号に基づいて、使用するチャネルリストを選択する(ステップS201)。
[0101]
 即ち、近隣の圃場において、通信システム100と同様の通信システム100,100,・・・が複数同時に使用される場合が想定される。その場合に、各通信システム100の間での電波干渉を防ぐためには、近くに存在する通信システム100同士で電波干渉を起こさないチャネルをそれぞれ使用するように設定することが好ましい。これを実現するために、本実施形態の通信システム100では、図5に示すように複数のチャネルリスト1,2,・・・を予め用意し、各通信システム100で使用するチャネルリストが被りにくい(ばらける)ようにしている。
[0102]
 具体的には、本実施形態では、各通信システム100の基地局80は、自局のID番号(基地局ID番号)をチャネルリストの数で割った余りの数に対応する番号(序列)のチャネルリストを通信に用いるように取り決めている。
[0103]
 以下の説明で、基地局80のID番号が18745だったものとして説明すると、ステップS201において、制御部82は自局ID記憶部91から自局のID番号である18745を読み出す。18745をチャネルリストの数で割った余りが1であった場合、制御部82は、1番目のチャネルリストであるチャネルリスト1を選択する。選択されたチャネルリスト1は、他のチャネルリスト2,3,・・・とは区別してチャネルリスト記憶部93に記憶される。
[0104]
 続いて、制御部82は、チャネルリスト1に含まれるチャネルの中から、通常モードでの通信時に使用するチャネル(使用チャネル)を選択する(ステップS202)。本実施形態では、予め取り決めておいたチャネルを決める方式に従って、チャネルを選択する。ここで示す例の場合、「チャネルを初めて選択する場合は、チャネルリストのうちの最も小さい数値のチャネルを選択する」という予め取り決めておいた方式に従って、aを使用チャネルとして選択する(図5を参照)。
[0105]
 続いて、制御部82は、使用チャネルであるチャネルaが混雑しているか(帯域が不足しているか)否かを判断する(ステップS203)。この判断は、例えばチャネルaの利用状況を検知するキャリアセンス等の公知の方法により行われる。
[0106]
 ステップS203での判断の結果、チャネルaが混雑している場合(ステップS203、Yes)、このチャネルを用いて通信したのでは通信遮断が生じる可能性があるから、制御部82は、使用チャネルをa以外の他のチャネルに変更する(ステップS204)。具体的には、制御部82は、チャネルリスト1を参照して、予め取り決めておいたチャネルの変更方式に従って、次のチャネルを選択する。なお、ここで示す例の場合、「チャネルを変更する場合は、チャネルリストのうちの次に大きな数値のチャネルを次のチャネルとする(次に大きな数値のチャネルが存在しない場合には、チャネルリストのうちの最も小さな数値のチャネルとする)」という予め取り決めておいた変更方式に従って、次のチャネルとしてbを選択(変更)する(図5を参照)。また、制御部82は、次のチャネルとして選択したチャネルbが混雑しているか否かを判断する(ステップS203)。こうして、混雑していないチャネルが見つかるまで、ステップS203が繰り返される。なお、変更後のチャネルbは、使用チャネル記憶部94に記憶される。
[0107]
 ステップS203で使用チャネルが混雑していなかった場合(ステップS203、No)には、続いてステップS205の判断が行われる。即ち、ステップS205において、制御部82は、ユーザインタフェース99の操作等により通信モードが登録モードに切り換えられたか否かを判断する。この判断の結果、通信モードが登録モードに切り換えられた場合(ステップS205、Yes)、制御部82は、後述する登録モードの一連の処理を行う(ステップS210~ステップS218)。
[0108]
 一方、ステップS205の判断の結果、通信モードが通常モードのままに維持されていた場合(ステップS205、No)、制御部82は、測位補正情報記憶部92から測位補正情報を読み出して、当該測位補正情報を含む信号を、基地局通信機83を介してトラクタ1に送信することを試みる(ステップS206)。本実施形態では、制御部82は、測位補正情報を含む信号を、基地局通信機83を介して、ブロードキャストにより送信する。これにより、移動局IDリスト記憶部95に記憶されているトラクタ1が複数ある場合においても、各トラクタ1に個別に測位補正情報を送信する必要がない。言い換えれば、全てのトラクタ1に対して一括で測位補正情報を送信(配信)することができ、送信の手順が簡潔となり、配信に必要な帯域を必要最低限に抑えることが可能となる。
[0109]
 続いて、制御部82は、ステップS206で行った測位補正情報の送信に成功したか(正常に送信できたか)否かを判断する(ステップS207)。なお、ステップS206の処理では、送信前に使用チャネルが他の無線システムで使用されていないかの確認、即ちいわゆるキャリアセンスを行い、チャネルが空いていれば送信を実際に行って、この場合に制御部82が送信成功と判断する。一方、チャネルが他の無線システムで使用されていてビジーであれば送信を行わず、この場合に送信失敗と判断される。
[0110]
 ステップS207の判断の結果、送信に成功していたら(ステップS207、Yes)、通信モードが登録モードに切り換えられるまで、測位補正情報記憶部92から測位補正情報を取得して当該測位補正情報をトラクタ1に送信することを時々刻々と繰り返す(ステップS205~ステップS207を繰り返す)。制御部82は、例えば1秒間当たりに複数回にわたって測位補正情報を配信する。
[0111]
 一方、ステップS207の判断で、ステップS206で行った測位補正情報の送信に失敗したと判断された場合(ステップS207、No)、送信に連続して失敗した回数が規定数に達したか否かを判断する(ステップS208)。
[0112]
 ステップS208での判断の結果、規定数だけ連続して送信に失敗していた場合(ステップS208、Yes)、例えば、近隣で使用されている他のシステムがチャネルaを使用しており電波干渉が生じているか、あるいは、チャネルaの通信帯域が不足していることが考えられる。その場合、他のチャネルに切り換えて改めて通信を試みるために、制御部82は、基地局通信機83で使用するチャネルを、チャネルリスト1を参照して次のチャネルに変更する(ステップS209)。具体的には、制御部82は、チャネルリスト記憶部93からチャネルリスト1を読み出すとともに、予め取り決めたおいた変更方式を用いることにより、次のチャネルをbに変更する。なお、この予め取り決めておいた変更方式は、トラクタ1側で把握されている変更方式と共通のものである。
[0113]
 そして制御部82は、この新たなチャネルbで改めて測位補正情報の送信を試みる(ステップS206)。このチャネルbで測位補正情報の送信を試みても送信失敗回数が規定数に達する場合には、更にその次のチャネルcに変更されて、送信が試みられる(図5を参照)。このように、制御部82は、安定した通信が確保できる通信帯域に行き当たるまで、チャネルリスト1と、予め取り決めておいた変更方式と、を参照してチャネルの変更を反復する。
[0114]
 なお、ステップS206で変更されたチャネルは、使用チャネル記憶部94に記憶される。即ち、使用チャネル記憶部94に記憶される使用チャネルがaからbに(状況によってはcに)更新される。
[0115]
 このような処理の流れにより、制御部82は、位置情報受信機81で受信した情報に基づいて算出された測位補正情報を時々刻々とトラクタ1に送信することができる。また、上記のように、チャネルの変更方式を予め取り決めておけば、安定した通信が確保できないために基地局80が配信に用いる使用チャネルを変更した場合においても、トラクタ1側にそれをその都度知らせる必要がない。また、最初に選択したチャネルaで測位補正情報の送信に失敗した場合には、チャネルリスト1に従って次のチャネルbで送信し、それにも失敗した場合にはチャネルリスト1に従ってその次のチャネルcで送信し、というように、通信に用いる周波数帯域を柔軟に変更することができ、他の圃場で使用されている基地局システム、或いは近隣で使用されている他の無線システムとの電波干渉の発生を抑えることが可能となり、長時間の通信遮断を回避することができる。これにより、基地局80からトラクタ1に対して欠けの少ない配信を実現することができる。
[0116]
 基地局80側のユーザがユーザインタフェース99を操作して通信モードを登録モードに設定したとき(ステップS205、Yes)、制御部82は、図9に示すように、基地局通信機83で共通チャネルxを使用して、自局情報(具体的には、基地局80のID番号)を、電波が届く範囲にあるトラクタ1に向けて送信する(ステップS210)。なお、本実施形態では、基地局80のID番号の情報は、ブロードキャストにより配信される。
[0117]
 ステップS210の処理の後、制御部82は、図略の基地局受信機での受信状況を監視する。その結果、トラクタ1からの登録要求を受信した場合(ステップS211、Yes)、制御部82は、受信確認としての応答をそのトラクタ(移動局)1に送信する(ステップS212)。
[0118]
 続いて、制御部82は、トラクタ1の登録を許可する操作が基地局80側のユーザによって行われたか否かを判断する(認証の判断、ステップS213)。基地局80側のユーザが、例えば契約等の何らかの事情によってトラクタ1の登録を許可できないと判断し、その旨の操作を行った場合、制御部82はそのトラクタ1に拒否通知を送信する(ステップS214)。
[0119]
 一方、ステップS213での判断の結果、トラクタ1の登録を許可する旨の操作がユーザによってされた場合(ステップS213、Yes)、制御部82は、自局ID記憶部91から読み出した基地局80のID番号(18745)と、チャネルリスト記憶部93から読み出した自局が使用するチャネルリスト1と、使用チャネル記憶部94から読み出した最新の使用チャネル(ここでは、aとする)とを、基地局通信機83を介してトラクタ1に送信する(ステップS215)。
[0120]
 これらのチャネルに関する情報を受信した旨の応答を当該トラクタ1から図略の基地局受信機で受信した場合(ステップS216、Yes)、制御部82は、基地局80によるトラクタ1の認証が成立したものとして、当該応答に含まれるトラクタ1のID番号を読み出して、移動局IDリスト記憶部95に登録する(ステップS217)。
[0121]
 また、制御部82は、登録モードの開始(ステップS210)から所定時間が経過したら(ステップS218、Yes)、近隣の移動局(トラクタ1)の登録はひととおり完了したものと考えられるので、登録モードを打ち切り、通常モードに移行する。
[0122]
 なお、制御部82は、登録モードの開始から所定時間が経過するまで、移動局からの受信状況を監視し続け(ステップS211)、複数の移動局を移動局IDリスト記憶部95に登録することも可能である。これにより、1台の基地局80を用いて複数台のトラクタ1,1,・・・と通信することができ、複数台のトラクタ1,1,・・・の位置情報の補正を統括的に実現することができる。
[0123]
 このような処理の流れにより、共通チャネルを用いて基地局80がトラクタ1と双方向通信することにより、トラクタ1における基地局80の登録、及び、基地局80におけるトラクタ1の登録が、情報の相互のやり取りによって容易に行うことができる。また、登録モードのときにその後の通常モードでの通信に使用するチャネルに関する情報を予めトラクタ1に知らせるので、それ以外のとき(通常モードのとき)は、一方向の通信で足りることとなる。従って、通信帯域が不足してしまうような状況が発生することを抑制することができ、通信が繋がりにくくなったり、通信速度が低下したり、といった問題を回避することができる。またこれにより、基地局80とトラクタ1との通信の信頼性を高め、通信に欠けが生じることを抑制できる。
[0124]
 本実施形態のトラクタ1のように、自律走行する移動局の場合、測位補正情報の受信が一定時間以上(例えば、数秒)途切れると、トラクタ1の自律走行が自動で停止する構成となっている場合が多く見られる。この点、本実施形態に係る通信システム100においては、トラクタ1と基地局80との通信が長時間欠けることを防止できるため、トラクタ1が通信不良により停止してしまう事態を回避することができる。
[0125]
 以上に説明したように、本実施形態の通信システム100は、所定の周波数帯域(920MHz)を使用したトラクタ(移動局)1と基地局80との通信システムである。この通信システム100は、トラクタ1と基地局80とが双方向通信を行うことが可能な登録モード(第1のモード)と、基地局80が測位補正情報を配信する通常モード(第2のモード)とを有する。基地局80は、920MHz周波数帯域に含まれる複数のチャネル(a,b,・・・)を複数の群に分けた複数のチャネルリストを記憶している。登録モードにおいて基地局80はトラクタ1に対して所定情報を送信する。前記所定情報には、通常モードにおいて基地局80が使用するチャネルリストであって、前記複数のチャネルリストから選択された何れかのチャネルリスト1を示す情報が含まれる。また、前記所定情報には、通常モードにおいて基地局80が使用するチャネルであって、前記選択された何れかのチャネルリスト1に含まれるチャネル(本実施形態で示した例では、a)を示す情報が含まれる。
[0126]
 これにより、登録モードでは基地局80が使用するチャネルリスト1、チャネルaの情報がトラクタ1に対して送信され、トラクタ1は通常モードにおいて基地局80がどのチャネルを使用するかが分かるため、通常モードにおいて双方向通信が必要なくなる。これにより、電波干渉等に由来する通信遮断を引き起こしにくくすることができ、トラクタ1が精度のよい測位情報を滞りなく取得することができるようになる。
[0127]
 また、本実施形態の通信システム100では、第1のモードにおいて、基地局80はトラクタ1に基地局ID番号を送信し、トラクタ1は基地局80に移動局ID番号を送信する。
[0128]
 これにより、基地局80とトラクタ1との間で相互に相手を特定してやり取りすることができるので、登録等の作業が容易になる。
[0129]
 また、本実施形態の通信システム100では、トラクタ1は、基地局80から受信(受領)したチャネルリスト及び使用チャネルを、基地局ID番号と対応付けて記憶する。言い換えれば、トラクタ1の記憶部55は、受信したチャネルリスト及び使用チャネルを基地局毎に記憶する。
[0130]
 これにより、トラクタ1は、状況に応じて、通信を行う基地局を変更することができる。また、通信を行う基地局を変更した場合にも、それぞれの基地局が通常モードにおいてどのチャネルを使用するかが分かるため、通常モードにおいて円滑に通信を確立することができる。
[0131]
 また、本実施形態の通信システム100においては、通常モードにおける基地局80からの送信(配信)はブロードキャストである。
[0132]
 これにより、登録モードで1つの基地局80に対して複数のトラクタ1,1,・・・が登録されたような場合においても、各トラクタ1に個別に測位補正情報を送信する必要がない。言い換えれば、全てのトラクタ1,1,・・・に対して測位補正情報を一斉送信することができ、送信の手順が簡潔となる。
[0133]
 また、本実施形態の通信システム100においては、基地局80は測位補正情報を配信する第1送信モジュール(第1の通信モジュール)84及び第2送信モジュール(第2の通信モジュール)85を含む複数の送信モジュールを備えている。通常モードにおいて基地局80は、第1送信モジュール84が測位補正情報を配信した後の配信休止時間に、第2送信モジュール85が測位補正情報を配信する。
[0134]
 これにより、一方の通信モジュールである第1送信モジュール84の配信休止時間を利用して、他方の通信モジュールである第2送信モジュール85で測位補正情報を配信することができる。従って、それぞれの送信モジュール84,85について送信時間及び送信間隔の制限内で、測位補正情報の配信の信頼性を向上させることができる。
[0135]
 また、本実施形態の通信システム100は、以下の構成とされる。即ち、登録モードにおける基地局80とトラクタ1との双方向通信に使用される双方向通信用チャネルx、yは、前記複数のチャネルリスト1,2,・・・に含まれないチャネルである。また、本双方向通信用チャネルx,y及び前記複数のチャネルリスト1,2,・・・に含まれる各チャネルは、互いに電波干渉を与えないチャネルである。
[0136]
 これにより、登録モードに用いるチャネルx、yが通常モードのチャネルとは別になるため、登録等に必要な通信を円滑に行うことができる。また、通常モードの時に使用するチャネルが何れのチャネルとも互いに電波干渉を与えないので、通信帯域の重複を避けることができ、通信障害を避けることが可能となる。
[0137]
 また、本実施形態の通信システム100は、以下の構成とされる。即ち、通常モードにおいて基地局80は、測位補正情報の配信に失敗した回数が規定数に達した場合に、使用するチャネルaを、前記選択された何れかのチャネルリストであるチャネルリスト1に含まれる他のチャネルbに変更する。通常モードにおいてトラクタ1は、測位補正情報の取得が所定時間(例えば、数秒)途絶えた場合に、使用するチャネルaを、前記選択された何れかのチャネルリストであるチャネルリスト1に含まれる他のチャネルbに変更する。
[0138]
 これにより、チャネルリスト1は基地局80及びトラクタ1で互いに記憶されているので、基地局80から使用チャネルに関する情報をその都度送信しなくても、例えば所定時間にわたって通信が行われなくなれば別チャネル(b、c等)に変更可能である。
[0139]
 また、本実施形態の通信システム100では、基地局80は、自局のID番号(例えば、18745)を、予め記憶している複数のチャネルリストの数(例えば、4)で割ったときの余りの数値に対応する番号(序列)のチャネルリスト1を、通常モードにおいて自局が使用するチャネルリストとする。
[0140]
 これにより、近隣の圃場において通信システム100と同様の通信システム100,100,・・・が複数同時に使用される場合等に、近くに存在する通信システム100同士で異なるチャネルリストに従ってチャネルが選ばれるようにすることができ、使用するチャネルに被りが生じることをなるべく避けることができる。よって、このような簡単な方法で、電波干渉を生じにくくすることができる。また、近隣に同じ周波数帯を使用する他のシステムが存在する場合にも、図8のステップS208及びステップS209に示すルーチンによって、干渉する場合にはチャネルが自動的に変更されるため、他のシステムとの電波干渉を回避可能である。
[0141]
 以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
[0142]
 上記の実施形態では、トラクタ1と基地局80とが通信に使用する所定の周波数帯域は920MHzであるものとしたが、上述したように必ずしもこれに限るものではなく、他の所定の周波数帯域を使用する移動局と基地局との通信システムにも、本発明を適用することができる。
[0143]
 上記の実施形態では、基地局80は、920MHz周波数帯域に含まれる複数のチャネル(a,b,・・・)を複数の群に分けたチャネルリスト1,2,・・・を記憶しているものとしたが、チャネルリストの数は状況に応じて増減することができる。
[0144]
 上記の実施形態で示した複数のチャネルリスト1,2,・・・に含まれる各チャネルは、例えば隣接するチャネルに対して1チャネルだけ離れたチャネルであるものとすることができるが、スキップ数は1チャネルに限るものではなく、例えばこれに代えて2チャネル飛ばしとしてもよい。
[0145]
 上記の実施形態では、通常モードにおいて基地局80は、測位補正情報の配信に失敗した回数が規定数に達した場合に、使用するチャネルaを、前記選択された何れかのチャネルリストであるチャネルリスト1に含まれる他のチャネルbに変更するものとした。しかしながら、これは、測位補正情報の配信が所定時間にわたって実行できない場合に、他のチャネルに変更する、というように、時間ベースでチャネルの変更のタイミングを決めることと、実質的には同じであるということができる。
[0146]
 上記の実施形態では、基地局80と移動局(トラクタ1)との間で予め取り決められたチャネルの変更方式は、「チャネルを変更する場合は、チャネルリストのうち次に大きな数値のチャネルを次のチャネルとする」という方式であるものとしたが、これは例示に過ぎない。即ち、基地局80と移動局(トラクタ1)との間で予め取り決められるチャネルの変更方式は、一義にチャネルを選択できるものであれば、他の方式であってもよい。具体的には、例えば、チャネルの変更方式を、「チャネルを変更する場合は、チャネルリストのうち次に小さな数値のチャネルを候補のチャネルとして選択する」としたり、「チャネルを変更する場合は、チャネルリストのうち、1つ(1チャネル)飛ばして次に大きな数値のチャネルを候補のチャネルとして選択する」としたりしてもよい。
[0147]
 基地局80は、ユーザが持ち運び可能な構造体であり圃場の近傍等に適宜設置されるものであってもよく、所定(既知)の場所に常設されるものとしてもよい。
[0148]
 上記の実施形態では、基地局80は2つの送信モジュール84,85を備えるとともに、これらに対応した2つの通信用アンテナ98,98を備えるものとした。しかしながら、通信の信頼性を高めるために複数の送信モジュール及び通信用アンテナを備えるものであればよく、その数は3つ以上であってもよい。

符号の説明

[0149]
 1 トラクタ(移動局)
 80 基地局

請求の範囲

[請求項1]
 所定の周波数帯域を使用した移動局と基地局との通信システムであって、
 前記移動局と前記基地局とが双方向通信を行うことが可能な第1のモードと、前記基地局が測位補正情報を配信する第2のモードとを有し、
 前記基地局は、前記周波数帯域に含まれる複数のチャネルを複数の群に分けた複数のチャネルリストを記憶しており、
 前記第1のモードにおいて前記基地局は前記移動局に対して所定情報を送信するものであって、
 前記所定情報には、
 前記第2のモードにおいて前記基地局が使用するチャネルリストであって、前記複数のチャネルリストから選択された何れかのチャネルリストを示す情報と、
 前記第2のモードにおいて前記基地局が使用するチャネルであって、前記選択された何れかのチャネルリストに含まれるチャネルを示す情報と、
が含まれることを特徴とする通信システム。
[請求項2]
 請求項1に記載の通信システムであって、
 前記基地局は前記測位補正情報を配信する第1の通信モジュール及び第2の通信モジュールを含む複数の送信モジュールを備えており、
 前記第2のモードにおいて前記基地局は、前記第1の通信モジュールが前記測位補正情報を配信した後の配信休止時間に、前記第2の通信モジュールが前記測位補正情報を配信することを特徴とする通信システム。
[請求項3]
 請求項1に記載の通信システムであって、
 前記第1のモードにおける前記基地局と前記移動局との双方向通信に使用される双方向通信用チャネルは、前記複数のチャネルリストに含まれないチャネルであり、
 前記複数のチャネルリストに含まれる各チャネルは、互いに電波干渉を起こさないチャネルであることを特徴とする通信システム。
[請求項4]
 請求項1に記載の通信システムであって、
 前記第2のモードにおいて前記基地局は、前記測位補正情報の配信が所定時間実行できない場合に、使用するチャネルを、前記選択された何れかのチャネルリストに含まれる他のチャネルに変更し、
 前記第2のモードにおいて前記移動局は、前記測位補正情報の取得が所定時間途絶えた場合に、使用するチャネルを、前記選択された何れかのチャネルリストに含まれる前記他のチャネルに変更することを特徴とする通信システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]