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1. (WO2017169939) TÔLE D'ACIER MINCE ET TÔLE D'ACIER PLAQUÉE, PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE TÔLE D'ACIER LAMINÉE À CHAUD, PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE TÔLE D'ACIER TOTALEMENT DURE LAMINÉE À FROID, PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE TÔLE TRAITÉE THERMIQUEMENT, PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE TÔLE D'ACIER MINCE ET PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE TÔLE D'ACIER PLAQUÉE
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明 細 書

発明の名称 薄鋼板およびめっき鋼板、並びに、熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法、薄鋼板の製造方法およびめっき鋼板の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010   0011  

課題を解決するための手段

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026  

発明の効果

0027   0028  

発明を実施するための形態

0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107  

実施例

0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 薄鋼板およびめっき鋼板、並びに、熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法、薄鋼板の製造方法およびめっき鋼板の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、薄鋼板およびめっき鋼板、並びに、熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法、薄鋼板の製造方法およびめっき鋼板の製造方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 近年、環境問題の高まりからCO 排出規制が厳格化しており、自動車分野においては燃費向上に向けた車体の軽量化が課題となっている。そのために自動車部品への高強度鋼板の適用による薄肉化が進められており、引張強さ(TS)が590MPa以上の鋼板の適用が進められている。自動車の構造用部材や補強用部材に使用される高強度鋼板は、防錆のために亜鉛めっきが施される。また、薄鋼板の機械的性質としては伸びフランジ性(穴広げ性)や延性に優れることが要求される。特に、複雑形状を有する部品の成形には、伸び(延性)や穴広げ性といった個別の特性が優れているだけなく、その両方が優れていることが求められている。また、自動車の構造用部材や補強用部材に使用される高強度鋼板は、プレス加工後には主にスポット溶接で組みつけられ、モジュール化されるために組付け時に高い寸法精度が求められる。そのため、このような高強度鋼板は、加工後にスプリング・バック等を起こりにくくする必要があり、加工前は低降伏比であることが必要となっている。ここで、降伏比(YR)とは、TSに対する降伏応力(YS)の比を示す値であり、YR(%)=YS/TS×100(%)で表される。さらに、車体の衝突安全性の観点からも、スポット溶接部の強度が重要であり、特に十字引張強さ(CTS(Cross-Tension-Strenght))を十分に確保する必要がある。
[0003]
 従来、成形性と高強度とを兼ね備えた低降伏比の高強度薄鋼板として、フェライト・マルテンサイト組織のデュアルフェーズ鋼(DP鋼)が知られている。主相をフェライトとしてマルテンサイトを分散させた複合組織鋼は、低降伏比でTSも高く、伸びに優れているが、フェライトとマルテンサイトの界面に応力が集中することで、クラックが発生しやすいため、穴広げ性に劣るという欠点がある。
[0004]
 そこで、特許文献1では、フェライト及びマルテンサイトの全組織に対する占積率及び平均結晶粒径を制御することで、耐衝突安全性と成形性を両立する自動車用高強度鋼板が開示されている。
[0005]
 さらに、特許文献2では、平均粒径が3μm以下の微細なフェライトと平均粒径が6μm以下のマルテンサイトの全組織に対する占積率を制御することで、伸びと伸びフランジ性を改善した高強度鋼板が開示されている。
[0006]
 また、スポット溶接性と加工性を向上させた技術として、特許文献3には、ベイナイトを鋼組織に5~49%含有させた溶融亜鉛めっき鋼板が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特許3936440号公報
特許文献2 : 特開2008-297609号公報
特許文献3 : 特許5699860号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 しかしながら、特許文献1では、フェライトとマルテンサイトの平均結晶粒径を規定しているが、プレス成形に十分な穴広げ性を確保出来ていない。
[0009]
 一方、特許文献2は、マルテンサイトの体積率が顕著に多いため、強度に対して伸びが不十分である。
[0010]
 また、特許文献3ではYRが高いため、加工後にスプリング・バック等が起こりやすい。
[0011]
 このように低YRの高強度溶融亜鉛めっき鋼板において、プレス成形に必要な、優れた伸びおよび穴広げ性を確保し、スポット溶接後のCTSも確保することは困難である。その他の鋼板を含めても、これらの特性(降伏比、強度(引張強さ)、伸び、穴広げ性、CTS)を兼備する鋼板は開発されていないのが実情である。したがって、本発明の課題は、上記特性を持つめっき鋼板及びその製造方法を提供することを目的とするとともに、上記めっき鋼板を得るために必要な薄鋼板を提供すること、上記めっき鋼板を得るために必要な熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法、薄鋼板の製造方法を提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

[0012]
 本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、低降伏比を確保しつつ、伸び、穴広げ性およびスポット溶接性(CTS)を向上させるためには、鋼組織の各相の体積率を制御し、かつ、特定の相の平均結晶粒径を制御することが重要であることを見出した。これらの制御により、高い穴広げ性を有し、さらにスポット溶接後のCTSも十分に確保できることを見出した。この発明は、上記の知見に立脚するものである。
[0013]
 低降伏比を有するためには、軟質なフェライトと高硬度のマルテンサイトを分散させる必要がある。しかしながら、穴広げ試験では鋼組織中に高硬度を有するマルテンサイト、残留オーステナイトが存在した場合、打抜き加工時にその界面、特に軟質なフェライトとこれらの相との界面にボイドが発生し、その後の穴広げ過程でボイド同士が連結、進展することで、き裂が発生する。さらに、Mnによる鋼板内の偏析が存在すると、硬質相はそのMn偏析に沿って板状に形成してしまい、打抜き加工時に局所的に応力集中するため、ボイドの生成量が増加してしまう。一方で、鋼組織中に軟質なフェライトや残留オーステナイトを含有することで伸びは向上する。また、高強度鋼板になるとスポット溶接後のCTS試験時にスポット溶接後のナゲットの端部に応力集中することで、き裂が生成してナゲット内部にき裂が進展するため破断強度が劣化することが問題であり、ナゲット端部の靭性が大きく影響する。さらにMnSに代表されるような介在物が存在することでき裂生成が安易になるため、ナゲット端部のMnSなどの介在物やPやSなどの偏析を抑える必要がある。
[0014]
 そこで、発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ボイド発生源である軟質相と硬質相の体積率を調整して、さらに結晶粒を微細化させることで、硬質なマルテンサイトを含有しながらも強度や穴広げ性を確保しつつ、さらにスポット溶接後のナゲット端部も微細化し、靭性も向上するためCTSが向上する知見を得た。
[0015]
 通常、一定量のマルテンサイトを確保するためにはMn添加が必要であるが、Mnによる偏析が起こらない含有量まで制御し、かつ、熱間圧延時の熱処理を制御することで鋼板組織内のMn偏析を抑制する。さらにマルテンサイト量確保のために他の焼入れ元素であるCrおよびMoの少なくとも1種を添加する。また、結晶粒微細化のためにV、TiおよびNbの少なくとも1種を微量添加することで、マルテンサイト生成に十分な焼入れ性を確保しつつ、微細な鋼組織を得ることが可能である。さらにMn量を低減させることで介在物が低減する上、ナゲット端部の凝固点降下に伴うPおよびSの偏析も低減するためスポット溶接性の向上も可能となった。具体的には本発明は以下のものを提供する。
[0016]
 [1]質量%で、C:0.05~0.12%、Si:0.80%以下、Mn:1.30~2.10%、P:0.001~0.050%、S:0.005%以下、Al:0.01~0.10%、N:0.010%以下を含有し、さらに、Cr:0.05~0.50%およびMo:0.05~0.50%から選択される一種以上を含有し、さらに、Ti:0.01~0.10%、Nb:0.01~0.10%およびV:0.01~0.10%から選択される一種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、体積率で、フェライトを70~90%、マルテンサイトを5~20%、残留オーステナイトを5%以下、ベイナイトを10%以下、パーライトを5%以下含み、前記フェライトの平均結晶粒径が20μm以下、前記マルテンサイトの平均結晶粒径が5μm以下、前記残留オーステナイトの平均結晶粒径が5μm以下、前記ベイナイトの平均結晶粒径が7μm以下である鋼組織と、を備え、引張強さが590MPa以上であることを特徴とする薄鋼板。
[0017]
 [2]前記成分組成は、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、B:0.01%以下、並びにCa及び/又はREMの合計:0.005%以下から選択される一種以上を含有することを特徴とする[1]に記載の薄鋼板。
[0018]
 [3][1]又は[2]に記載の薄鋼板の表面にめっき層を有することを特徴とするめっき鋼板。
[0019]
 [4]前記めっき層が溶融亜鉛めっき層又は合金化溶融亜鉛めっき層であることを特徴とする[3]に記載のめっき鋼板。
[0020]
 [5][1]又は[2]に記載の成分組成を有する鋼素材を、仕上げ圧延の最終パスの圧下率が12%以上、該最終パスの前のパスの圧下率が15%以上、仕上げ圧延終了温度が850~950℃の条件で熱間圧延し、該熱間圧延後、冷却停止温度までの第1平均冷却速度が50℃/s以上、冷却停止温度が750℃以下の条件で第1冷却をし、該第1冷却後、巻取温度までの第2平均冷却速度が5℃/s以上50℃/s未満の条件で第2冷却し、該第2冷却後に650℃以下の巻取温度で巻き取ることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
[0021]
 [6]に記載の製造方法で得られた熱延鋼板を酸洗し、冷間圧延することを特徴とする冷延フルハード鋼板の製造方法。
[0022]
 [7][6]に記載の製造方法で得られた冷延フルハード鋼板を、600℃以上の温度域における露点を-40℃以下とし、最高到達温度が730~880℃の条件で加熱し、最高到達温度において滞留時間15~600sで保持し、該保持後、冷却停止温度までの平均冷却速度が2~30℃/s、冷却停止温度が650℃以下の条件で冷却することを特徴とする薄鋼板の製造方法。
[0023]
 [8][6]に記載の製造方法で得られた冷延フルハード鋼板を、加熱温度が700~900℃の条件で加熱し、冷却することを特徴とする熱処理板の製造方法。
[0024]
 [9][8]に記載の製造方法で得られた熱処理板を、600℃以上の温度域における露点を-40℃以下とし、最高到達温度が730~880℃の条件で加熱し、最高到達温度において滞留時間15~600sで保持し、該保持後、冷却停止温度までの平均冷却速度が2~30℃/s、冷却停止温度が650℃以下の条件で冷却することを特徴とする薄鋼板の製造方法。
[0025]
 [10][7]又は[9]に記載の製造方法で得られた薄鋼板の表面にめっき処理を施すめっき工程を備えることを特徴とするめっき鋼板の製造方法。
[0026]
 [11]前記めっき処理は、溶融亜鉛めっきし、450~600℃で合金化する処理であることを特徴とする[10]に記載のめっき鋼板の製造方法。

発明の効果

[0027]
 本発明により得られるめっき鋼板は、低い降伏比を有するとともに、高い引張強度(引張強さ)と高い伸びを有し、優れた穴広げ性、優れたスポット溶接性を有する。低い降伏比とは降伏比が65%以下を意味し、高い引張強さとは引張強度が590MPa以上を意味し、高い伸びは伸びが28%以上を意味し、優れた穴広げ性は穴広げ率が50%以上を意味し、優れたスポット溶接性は板厚1.2mmを2枚重ねてスポット溶接した際、ナゲット径が5.5mmの時のCTSが9.0kN以上を意味する。なお、上記効果をバランス良く得る観点から、引張強度は780MPa未満が好ましく、より好ましくは750MPa以下である。
[0028]
 また、本発明の薄鋼板、並びに、熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法、薄鋼板の製造方法は、上記の優れためっき鋼板を得るための中間製品または中間製品の製造方法として、めっき鋼板の上記の特性改善に寄与する。

発明を実施するための形態

[0029]
 以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
[0030]
 本発明は、薄鋼板およびめっき鋼板、並びに、熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法、薄鋼板の製造方法およびめっき鋼板の製造方法である。先ず、これらの関係について説明する。
[0031]
 本発明の薄鋼板は、本発明のめっき鋼板を得るための中間製品である。1回法の場合には、スラブ等の鋼素材から出発して、熱延鋼板、冷延フルハード鋼板、薄鋼板となる製造過程を経てめっき鋼板になる。2回法の場合には、スラブ等の鋼素材から出発して、熱延鋼板、冷延フルハード鋼板、熱処理板、薄鋼板となる製造過程を経てめっき鋼板になる。本発明の薄鋼板は上記過程の薄鋼板である。
[0032]
 また、本発明の熱延鋼板の製造方法は、上記過程の熱延鋼板を得るまでの製造方法である。
[0033]
 本発明の冷延フルハード鋼板の製造方法は、上記過程において熱延鋼板から冷延フルハード鋼板を得るまでの製造方法である。
[0034]
 本発明の熱処理板の製造方法は、上記過程において、2回法の場合に、冷延フルハード鋼板から熱処理板を得るまでの製造方法である。
[0035]
 本発明の薄鋼板の製造方法は、上記過程において、1回法の場合は冷延フルハード鋼板から薄鋼板を得るまでの製造方法、2回法の場合は熱処理板から薄鋼板を得るまでの製造方法である。
[0036]
 本発明のめっき鋼板の製造方法は、上記過程において、薄鋼板からめっき鋼板を得るまでの製造方法である。
[0037]
 上記関係があることから、熱延鋼板、冷延フルハード鋼板、熱処理板、薄鋼板、めっき鋼板の成分組成は共通し、薄鋼板、めっき鋼板の鋼組織が共通する。以下、共通事項、薄鋼板、めっき鋼板、製造方法の順で説明する。
[0038]
 <成分組成>
 本発明のめっき鋼板等は、質量%で、C:0.05~0.12%、Si:0.80%以下、Mn:1.30~2.10%、P:0.001~0.050%、S:0.005%以下、Al:0.01~0.10%、N:0.010%以下を含有し、さらに、Cr:0.05~0.50%およびMo:0.05~0.50%から選択される一種以上を含有し、さらに、Ti:0.01~0.10%、Nb:0.01~0.10%およびV:0.01~0.10%から選択される一種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する。
[0039]
 また、上記成分組成は、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、B:0.01%以下、並びにCa及び/又はREMの合計:0.005%以下から選択される一種以上を含有してもよい。
[0040]
 以下、各成分について説明する。以下の説明において、成分の含有量を表す「%」は「質量%」を意味する。
[0041]
 C:0.05~0.12%
 Cは鋼板の高強度化に有効な元素である。また、Cは、フェライト以外の相である第2相(第2相とは具体的にはベイナイト、残留オーステナイト、マルテンサイト、パーライト、球状セメンタイト、未再結晶フェライト等である。)の形成にも寄与し、さらにマルテンサイトの硬度を高くする。C含有量が0.05%未満では、必要なマルテンサイトの体積率の確保が困難である。好ましいC含有量は0.06%以上であり、さらに好ましくは0.07%以上である。一方、過剰にCを含有するとフェライトとマルテンサイトの硬度差が大きくなるため穴広げ性が低下する上に、スポット溶接後のナゲット端部の靭性も劣化するためCTSが低下する。好ましいC含有量は0.11%以下であり、さらに好ましくは0.10%以下である。
[0042]
 Si:0.80%以下
 Siはフェライトを固溶強化し、フェライトと硬質相との硬度差を低下させる。このため、Siは穴広げ率の増加に寄与する。しかし、Siは焼鈍時に酸化物として鋼板表面に濃縮するため、めっき性を劣化させる。そのため、その含有量は0.80%以下とする。好ましいSi含有量は0.60%以下である。より好ましいSi含有量は0.48%以下である。さらに好ましいSi含有量は0.45%以下であり、最も好ましくは0.40%以下である。Si含有量の下限は特に限定しないが、穴広げ率の観点からSi含有量は0.05%以上が好ましい。
[0043]
 Mn:1.30~2.10%
 Mnは固溶強化および第2相を生成することで高強度化に寄与する元素である。また、降伏比を低減させるマルテンサイトを形成するために必要な成分である。その効果を得るためにはMnを1.30%以上含有することが必要である。一方、Mnを過剰に含有した場合、穴広げ性が劣化する。さらにMnSなどの介在物の生成や、スポット溶接時のナゲット端部における凝固点降下におけるPやSの偏析を助長してしまう。そのため、Mn含有量は2.10%以下とする。好ましいMn含有量は2.05%以下であり、さらに好ましくは2.00%未満である。
[0044]
 P:0.001~0.050%
 Pは固溶強化により高強度化に寄与する。Pの含有量の調整により、めっき層を合金化する際に合金化速度を制御でき、めっき性を制御できる。その効果を得るためにはP含有量を0.001%以上にすることが必要である。しかし、Pが過剰に添加された場合には、Pはスポット溶接後に粒界に偏析するためCTSが低下する。そこで、P含有量は0.050%以下とする。好ましくは0.040%以下である。
[0045]
 S:0.005%以下
 Sの含有量が多い場合には、MnSなどの硫化物が多く生成してスポット溶接性を劣化させるばかりか、打ち抜き加工時にMnSが起点となりボイドが生成するため、穴広げ性も劣化する。そのため、S含有量の上限は0.005%とする。好ましくは、0.004%以下である。S含有量の下限は特に限定しないが、S含有量を過剰に低下させると製鋼コストが上昇するため、S含有量は0.0003%以上が好ましい。
[0046]
 Al:0.01~0.10%
 Alは脱酸に必要な元素であり、この効果を得るためにはAlを0.01%以上含有することが必要である。一方で、Alはベイナイト変態時にセメンタイト析出を抑制する効果がある。この抑制により残留オーステナイトを過剰に生成してしまい、穴広げ性が劣化する。そこで、Al含有量の上限は0.10%とする。好ましいAl含有量は0.08%以下である。
[0047]
 N:0.010%以下
 Nは粗大な窒化物を形成して穴広げ性を劣化させることから、その含有量を抑える必要がある。N含有量が0.010%超では、この傾向が顕著となることからNの含有量を0.010%以下とする。好ましいN含有量は0.005%以下である。N含有量の下限は特に限定しないが、製鋼コスト面から0.0005%以上が好ましい。
[0048]
 本発明のめっき鋼板等の成分組成は、上記の成分に加え、以下の成分を1種又は2種を含有する。
[0049]
 Cr:0.05~0.50%
 Crはマルテンサイトの生成に寄与することで低降伏比および高強度化に寄与する元素であり、また、Mn偏析低減のための焼入れ性向上にも大きく寄与する。この効果を発揮させるためには、Cr含有量は0.05%以上が必要である。好ましくは0.10%以上である。一方で、Crを0.50%超含有させると、過剰にマルテンサイトが生成するだけでなく、焼鈍時にCr酸化物が鋼板表面に生成するためにめっき性が低下して、めっきムラが生成しやすい。そこで、Cr含有量は0.50%以下とする。好ましくは0.40%以下あり、さらに好ましくは0.35%以下である。
[0050]
 Mo:0.05~0.50%
 MoもCrと同様、焼入れ性を向上させることでマルテンサイトを生成して低降伏比および高強度化に寄与することが可能であり、さらに一部炭化物を生成して高強度化に寄与する元素である。その効果を発揮させるためには、Mo含有量を0.05%以上にする必要がある。好ましくは0.10%以上である。一方、Mo含有量が0.50%超えると、過剰にマルテンサイトが生成するため穴広げ性が低下する。そのため、その含有量は0.50%以下とする。好ましくは0.40%以下あり、さらに好ましくは0.30%以下である。
[0051]
 本発明のめっき鋼板等の成分組成は、上記の成分に加え、以下の成分を1種又は2種以上を含有する。
[0052]
 Ti:0.01~0.10%
 Tiは微細な炭窒化物を形成することで、焼鈍時の核成長を抑制する効果があるため鋼組織の微細化に寄与し、さらに強度上昇に寄与することができる元素である。このような効果を発揮させるためには、Ti含有量の下限値を0.01%とする。好ましい下限値は0.03%である。一方、多量にTiを添加すると、伸びが著しく低下し、さらに析出強化による降伏強度上昇が顕著になるため、その含有量は0.10%以下とする。好ましく0.07%以下である。
[0053]
 Nb:0.01~0.10%
 NbもTiと同様に、微細な炭化物を形成することで、鋼板組織の微細化に寄与することができ、さらに強度上昇に寄与することができる。そのためには、Nbの含有量を0.01%以上とする。好ましくは0.03%以上である。一方、多量にNbを添加すると、伸びが著しく低下し、さらに析出強化による降伏強度上昇が顕著になるため、その含有量は0.10%以下とする。好ましく0.07%以下である。
[0054]
 V:0.01~0.10%
 VもTiと同様に、微細な炭化物を形成することで、鋼組織の微細化に寄与することができ、さらに強度上昇に寄与することができる。そのためには、Vの含有量を0.01%以上とする。好ましくは0.03%以上である。一方、多量にVを添加すると、伸びが著しく低下し、さらに析出強化による降伏強度上昇が顕著になる。そこで、V含有量は0.10%以下とする。好ましく0.07%以下である。
[0055]
 本発明のめっき鋼板等の成分組成は、上記の成分に加え、以下の成分を1種又は2種以上を含有してもよい。
[0056]
 Cu:0.50%以下
 Cuは固溶強化により高強度化に寄与する。また、Cuは第2相を生成することに寄与することによっても高強度化に寄与する。本発明ではCuを必要に応じて添加することができる。これら効果を発揮するためにはCu含有量を0.01%以上にすることが好ましい。しかし、Cuを0.50%超含有させても効果が飽和し、またCuに起因する表面欠陥が発生しやすくなる。そこで、Cu含有量は0.50%以下が好ましい。より好ましくは0.05%以下である。
[0057]
 Ni:0.50%以下
 NiもCuと同様、固溶強化により高強度化に寄与する。また、Niは第2相を生成することでも高強度化に寄与する。本発明ではNiを必要に応じて添加することができる。これら効果を発揮させるためにはNi含有量を0.01%以上にすることが好ましい。また、Cuと同時に添加すると、NiにはCu起因の表面欠陥を抑制する効果があるため、Cu添加時にNiを添加することが有効である。一方、Niを0.50%超含有させても効果が飽和するため、その含有量は0.50%以下が好ましい。より好ましくは0.05%以下である。
[0058]
 B:0.01%以下
 Bは焼入れ性を向上させ、第2相を生成することで高強度化に寄与する元素であり、必要に応じて添加することができる。この効果を発揮するためには、Bを0.0002%以上含有させることが好ましい。一方、Bを0.01%超含有させても効果が飽和するため、その含有量は0.01%以下が好ましい。
[0059]
 Ca及び/又はREMの合計:0.005%以下
 CaおよびREMは、硫化物の形状を球状化し穴広げ性への硫化物の悪影響を改善に寄与する元素であり、必要に応じて添加することができる。これらの効果を発揮するためにはこれらの元素の合計含有量(一元素のみを含有する場合はその元素の含有量)を0.0005%以上にすることが好ましい。一方、これらの元素を0.005%超含有させても効果が飽和するため、その合計含有量を0.005%以下が好ましい。
[0060]
 上記以外の残部はFe及び不可避的不純物とする。不可避的不純物としては、例えば、Sb、Sn、Zn、Co等が挙げられ、これらの含有量の許容範囲としては、Sb:0.01%以下、Sn:0.10%以下、Zn:0.10%以下、Co:0.10%以下である。また、本発明では、Ta、Mg、Zrを通常の鋼組成の範囲内で含有しても、その効果は失われない。
[0061]
 <鋼組織>
 本発明のめっき鋼板等の鋼組織は、体積率で、フェライトを70~90%、マルテンサイトを5~20%、残留オーステナイトを5%以下(0%を含む)、ベイナイトを10%以下(0%を含む)、パーライトを5%以下(0%を含む)含み、フェライトの平均結晶粒径が20μm以下、マルテンサイトの平均結晶粒径が5μm以下、残留オーステナイトの平均結晶粒径が5μm以下、ベイナイトの平均結晶粒径が7μm以下である。ここで述べる体積率は鋼板の全体に対する体積分率であり、以下同様である。また、体積率や平均粒径等は実施例に記載の方法で得られる値を意味する。
[0062]
 フェライトを70~90%
 フェライトの平均結晶粒径(平均粒径)が20μm以下
 フェライトの体積率が70%未満では、硬質な第2相が多く存在するため、軟質なフェライトと第2相との硬度差が大きい箇所が多く存在し、穴広げ性が低下する。そのためフェライトの体積率は70%以上とする。好ましくは75%以上である。フェライトの体積率が90%超では硬質な第2相が少なくなり、引張強度の確保が困難となるため、フェライトの体積率の上限は90%とする。
[0063]
 また、フェライトの平均粒径が20μm超では、穴広げ時の打抜き端面にボイドが生成しやすくなり、良好な穴広げ性が得られないばかりか、スポット溶接後のナゲット端部からHAZ部の結晶粒径も粗大となるため、ナゲット端部に局所的に応力集中するためCTSが低下する。このため、フェライトの平均粒径は20μm以下とする。フェライトの平均粒径の下限は特に限定されないが4μm超え、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは6μm超、最も好ましくは7μm以上である。
[0064]
 残留オーステナイトを5%以下
 残留オーステナイトの平均結晶粒径が5μm以下
 鋼組織に残留オーステナイトを含有することで良好な延性を確保できる。しかし、残留オーステナイトの体積率が5%を超える場合、打ち抜き加工時に硬質なマルテンサイトに変態し、ボイド生成の起点となる。そこで、その体積率の上限は5%とする。また、本発明では残留オーステナイトは4%未満でもよく、3%以下でもよい。また、延性は他の構成により確保することが可能であるため上記体積率は0%でもよい。この相を含む場合に、この相の平均結晶粒径が5μmを超えると、打ち抜き加工時に変態したマルテンサイトの界面をき裂が進展しやすくなり、穴広げ性が低下する。そこで、その平均結晶粒径の上限は5μmとする。好ましい平均結晶粒径は3μm以下である。また、本発明においては、通常、残留オーステナイトの平均結晶粒径は1μm以上である。なお、本発明では上記の通り、残留オーステナイトを含まなくてもよく、その場合の残留オーステナイトの平均結晶粒径は0μmとする。
[0065]
 マルテンサイトを5~20%
 マルテンサイトの平均結晶粒径が5μm以下
 所望の引張強度および降伏比を確保するために、マルテンサイトの体積率は5%以上とすることが必要である。好ましくは8%以上である。また、良好な穴広げ性を確保するために、硬質なマルテンサイトの体積率は20%以下とする。好ましくは18%以下であり、さらに好ましくは15%以下である。より好ましくは15%未満、最も好ましくは14%以下である。また、マルテンサイトの平均結晶粒径が5μm超では、フェライトとの界面に生成するボイドが連結しやすくなり、穴広げ性が劣化する。そこで、マルテンサイトの平均結晶粒径を5μm以下とする。また、本発明において、マルテンサイトの平均結晶粒径は、通常、0.4μm以上である。
[0066]
 ベイナイトを10%以下
 ベイナイトの平均結晶粒径が7μm以下
 鋼組織にベイナイトを含有することで良好な穴広げ性を確保できる。これはフェライトとマルテンサイトの中間硬質であるベイナイトが打ち抜き加工時にボイドの生成を抑制するためである。しかし、ベイナイトの体積率が10%を超える場合、転位密度が高いため降伏強度を上昇させてしまい、所望の降伏比を得ることが困難である。そのため、ベイナイトの体積率の上限は10%とする。なお、良好な穴広げ性は他の構成で確保することもできるため上記体積率は0%でもよい。また、1%以上でもよい。また、ベイナイトの平均結晶粒径が7μmを超えると、スポット溶接後のナゲット端部からHAZ部の結晶粒径も粗大となるため、スポット溶接性を劣化させるだけでなく、穴広げ試験時のき裂進展速度が速くなるため穴広げ性が劣化する。また、本発明において、ベイナイトの平均結晶粒径は、通常、1μm以上である。また、本発明では上記の通り、ベイナイトを含まなくてもよく、その場合のベイナイトの平均結晶粒径は0μmとする。なお、ここでいうベイナイト相の体積率とは、観察面に占めるベイニティックフェライト(転位密度の高いフェライト)の体積割合のことである。また、焼鈍の冷却温度によって、ベイニティックフェライト内にセメンタイトの析出が観察されるが、そのセメンタイトを含んだ体積割合を示している。
[0067]
 5%以下のパーライト
 鋼組織にパーライトを含有することで引張強度を確保できる。しかし、パーライトの体積率が5%を超える場合、降伏強度を上昇させてしまい、所望の降伏比を得ることが困難であるため、その上限を5%とする。なお、引張強度は他の構成でも確保可能なためパーライトの体積率は0%でもよい。
[0068]
 また、本発明におけるフェライト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトおよびパーライト以外に、球状セメンタイトや未再結晶フェライトが生成される場合がある。その他の組織の含有量は通常5%以下である。上記のフェライト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトおよびパーライトの体積率、フェライト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトの平均結晶粒径が満足されていれば、本発明の目的を達成できる。
[0069]
 <薄鋼板>
 薄鋼板の成分組成および鋼組織は上記の通りである。また、薄鋼板の厚みは特に限定されないが、通常、0.4mm以上3.2mm以下である。
[0070]
 <めっき鋼板>
 本発明のめっき鋼板は、本発明の薄鋼板上にめっき層を備えるめっき鋼板である。めっき層の種類は特に限定されず、例えば、溶融めっき層、電気めっき層のいずれでもよい。また、めっき層は合金化されためっき層でもよい。めっき層は亜鉛めっき層が好ましい。亜鉛めっき層はAlやMgを含有してもよい。また、溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっき(Zn-Al-Mgめっき層)も好ましい。この場合、Al含有量を1質量%以上22質量%以下、Mg含有量を0.1質量%以上10質量%以下とし残部はZnとすることが好ましい。また、Zn-Al-Mgめっき層の場合、Zn、Al、Mg以外に、Si、Ni、Ce及びLaから選ばれる一種以上を合計で1質量%以下含有してもよい。なお、めっき金属は特に限定されないため、上記のようなZnめっき以外に、Alめっき等でもよい。なお、めっき金属は特に限定されないため、Znめっき以外に、Alめっき等でもよい。
[0071]
 また、めっき層の組成も特に限定されず、一般的なものであればよい。例えば、溶融亜鉛めっき層や合金化溶融亜鉛めっき層の場合、一般的には、Fe:20質量%以下、Al:0.001質量%以上1.0質量%以下を含有し、さらに、Pb、Sb、Si、Sn、Mg、Mn、Ni、Cr、Co、Ca、Cu、Li、Ti、Be、Bi、REMから選択する1種または2種以上を合計で0質量%以上3.5質量%以下含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成である。本発明では、片面あたりのめっき付着量が20~120g/m の溶融亜鉛めっき層、これがさらに合金化された合金化溶融亜鉛めっき層を有することが好ましい。なぜなら、20g/m 未満では耐食性の確保が困難になる場合がある。一方、120g/m を超えると耐めっき剥離性が劣化する場合がある。また、目安として、めっき層が溶融亜鉛めっき層の場合にはめっき層中のFe含有量が7質量%未満であり、合金化溶融亜鉛めっき層の場合にはめっき層中のFe含有量は7~20質量%である。
[0072]
 <熱延鋼板の製造方法>
 熱延鋼板の製造方法は、上記成分組成を有する鋼素材を、仕上げ圧延の最終パスの圧下率が12%以上、該最終パスの前のパスの圧下率が15%以上、仕上げ圧延終了温度が850~950℃の条件で熱間圧延し、該熱間圧延後、冷却停止温度までの第1平均冷却速度が50℃/s以上、冷却停止温度が750℃以下の条件で第1冷却をし、該第1冷却後、巻取温度までの第2平均冷却速度が5℃/s以上50℃/s未満の条件で第2冷却し、該第2冷却後に650℃以下の巻取温度で巻き取る方法である。なお、以下の説明において、温度は特に断らない限り鋼板表面温度とする。鋼板表面温度は放射温度計等を用いて測定し得る。
[0073]
 使用する鋼スラブ(鋼素材)は、成分のマクロ偏析を防止すべく連続鋳造法で製造することが好ましい。鋼素材は、造塊法、薄スラブ鋳造法によっても製造することが可能である。
[0074]
 また、熱間圧延では、鋼スラブを鋳造後、再加熱することなく1150~1270℃で熱間圧延を開始するか、もしくは1150~1270℃に再加熱した後、熱間圧延を開始することが好ましい。熱間圧延の好ましい条件は、まず、1150~1270℃の熱間圧延開始温度で鋼スラブを熱間圧延する。本発明では、鋼スラブを製造したのち、いったん室温まで冷却し、その後、再加熱する従来法に加え、冷却することなく、温片のままで加熱炉に装入する、あるいは保熱を行った後に直ちに圧延する、あるいは鋳造後そのまま圧延する直送圧延・直接圧延などの省エネルギープロセスも問題なく適用できる。
[0075]
 仕上げ圧延の最終パスの圧下率が12%以上
 最終パスの前のパスの圧下率が15%以上
 仕上げ圧延の最終パスの圧下率を12%以上にすることはオーステナイト粒内にせん断帯を多数導入し、熱間圧延後のフェライト変態の核生成サイトを増大して熱延板の微細化を図るという観点から必要である。好ましくは13%以上である。また、上限は特に限定されないが熱延負荷荷重が増大することで、板の幅方向での板厚変動が大きくなり、材質均一性が劣化するという理由で30%以下が好ましい。
[0076]
 最終パスの前のパスの圧下率を15%以上にすることは歪蓄積効果がより高まってオーステナイト粒内にせん断帯が多数導入され、フェライト変態の核生成サイトがさらに増大して熱延板の組織がより微細化するという観点から必要である。好ましくは15%以上である。また、上限は特に限定されないが熱延負荷荷重が増大することで、板の幅方向での板厚変動が大きくなり、材質均一性が劣化するという理由で30%以下が好ましい。
[0077]
 仕上げ圧延終了温度:850~950℃
 熱間圧延は、鋼板内の組織均一化、材質の異方性低減により、焼鈍後の伸びおよび穴広げ性を向上させるため、オーステナイト単相域にて終了する必要がある。そこで、仕上げ圧延終了温度は850℃以上とする。一方、仕上げ圧延終了温度が950℃超えでは、熱延組織が粗大になり、焼鈍後の特性が低下するため、仕上げ圧延終了温度は850~950℃とする。
[0078]
 1次冷却(第1冷却)
 1次冷却として、冷却停止温度までの第1平均冷却速度が50℃/s以上、冷却停止温度が750℃以下の条件で冷却を行う。
[0079]
 1次冷却は、熱間圧延終了後、後述する焼鈍(冷間圧延後の加熱、冷却処理)後の鋼板内のMnの偏析を抑制しつつ、Ti、Nb、Vの微細な炭窒化物の析出状態を制御するため、本発明の重要な制御因子となる。この熱延鋼板の組織の状態を制御することで、最終的な鋼組織、主にフェライト、残留オーステナイト、ベイナイト、マルテンサイトを微細化させる効果がある。冷却停止温度までの第1冷却速度が50℃/s未満では多量にTi、Nb、Vの炭窒化物の形成が加速されて、鋼板の微細化に寄与することが困難となり、焼鈍後の穴広げ性やスポット溶接性が低下する。また、1次冷却の平均冷却速度の上限は特に限定されないが200℃/s以下であることが通常である。また、1次冷却で冷却する温度が750℃超えではMn偏析が助長されることに加えて、熱延板組織としてパーライトが過剰に生成し、熱延鋼板の鋼組織が不均質となり、焼鈍後の穴広げ性が低下する。また、後述する通り、本発明では2段階の冷却とする必要があるため、冷却停止温度は、600℃以上が好ましい。以上の通り、1次冷却の冷却条件を上記のようにする。
[0080]
 2次冷却(第2冷却)
 2次冷却として、1次冷却後、巻取温度までの第2平均冷却速度が5℃/s以上50℃/s未満の条件で冷却を行う。
[0081]
 巻取温度までの平均冷却速度が5℃/s未満では、焼鈍後の鋼組織の微細化が困難である。また、上記平均冷却速度が50℃/s以上では、パーライトノーズにかかる時間が速くなるため、熱延板組織にパーライトが過剰に生成し、熱延鋼板の鋼板組織が不均質となり、焼鈍後の穴広げ性やスポット溶接性が劣化する。冷却停止温度(巻取温度)が650℃超では、Mn偏析が助長されるため焼鈍後の特性が劣化する。上記の通り、平均冷却速度が遅い2次冷却を行う必要があることから1次冷却の冷却停止温度と2次冷却の冷却停止温度である巻取温度との差は50℃以上が好ましい。
[0082]
 巻取り温度:650℃以下
 巻取り温度が650℃超では、熱延鋼板においてパーライトが過剰に生成するだけでなくMn偏析も助長されるため、巻取温度の上限は650℃とする。好ましい巻取温度は630℃以下である。巻取温度の下限は特に規定はしないが、巻取温度が低温になりすぎると、硬質なマルテンサイトが過剰に生成し、冷間圧延負荷が増大するため、巻取温度は300℃以上が好ましい。
[0083]
 上記巻取後、空冷等により鋼板は冷やされ、下記の冷延フルハード鋼板の製造に用いられる。なお、熱延鋼板が中間製品として取引対象となる場合、通常、巻取後に冷やされた状態で取引対象となる。
[0084]
 <冷延フルハード鋼板の製造方法>
 本発明の冷延フルハード鋼板の製造方法は、上記製造方法で得られた熱延鋼板を冷間圧延する冷延フルハード鋼板の製造方法である。
[0085]
 冷間圧延条件は、例えば、所望の厚み等の観点から適宜設定される。本発明では30%以上の圧下率で冷間圧延を施すことが好ましい。この圧下率が低いと、フェライトの再結晶が促進されず、未再結晶フェライトが過剰に残存し、延性と穴広げ性が低下する場合があるためである。なお、通常、冷間圧延の圧下率は95%以下である。
[0086]
 なお、熱延鋼板表面のスケールを除去する目的で、上記冷間圧延の前に酸洗を行う。酸洗条件は適宜設定すればよい。
[0087]
 <薄鋼板の製造方法>
 薄鋼板の製造方法には、冷延フルハード鋼板を加熱し冷却して薄鋼板を製造する方法(1回法)と、冷延フルハード鋼板を加熱し冷却して熱処理板とし該熱処理板を加熱し冷却して薄鋼板を製造する方法(2回法)とがある。先ず1回法を説明する。
[0088]
 最高到達温度が730~880℃
 最高到達温度が730℃未満の場合には、フェライト相の再結晶が十分に進行せず、過剰な未再結晶フェライトが鋼組織に存在してしまい、成形性が劣化する。一方、最高到達温度が880℃を超える場合は、鋼組織の微細化が困難となり、所望の平均結晶粒径を得られない。
[0089]
 また、上記加熱における加熱条件は特に限定する必要はないが、平均加熱速度は2~50℃/sの範囲にすることが好ましい。平均加熱速度が2℃/s未満の場合、微細で均一に分散したオーステナイトが生成されず、良好な穴広げ性の確保が困難になるためである。また、平均加熱速度が50℃/sを超える場合、再結晶が十分に進行しないままγ生成の温度域となる場合があるため、未再結晶フェライトが過剰に残存する場合がある。
[0090]
 最高到達温度での滞留(保持)時間を15~600s
 滞留時間が15s未満の場合には、フェライトの再結晶が十分に進行せず、過剰な未再結晶フェライトが鋼組織に存在してしまい、成形性が劣化する。また、本発明に必要な第2相の形成も困難となる。また、滞留時間が600s超となると、フェライトが粗大化し、穴広げ性が劣化するため、滞留時間は600s以下とする。
[0091]
 冷却停止温度までの平均冷却速度が2~30℃/s
 冷却停止温度が650℃以下
 上記の加熱後は、冷却停止温度までの平均冷却速度が2~30℃/sの条件で冷却する必要がある。平均冷却速度が2℃/s未満では、冷却中にフェライト変態が進行して、マルテンサイトの体積率が減少するため、強度確保および靭性確保が困難である。一方、平均冷却速度が30℃/sを超える場合には、マルテンサイトが過剰に生成するため、延性および穴広げ性の確保が困難である。また、冷却速度の制御温度域が650℃を超える場合には、パーライトが過剰に生成するため、鋼組織における所定の体積率を得られず、延性(成形性)および穴広げ性が低下する。また、冷却停止温度は上記の通り650℃以下にする必要がある。冷却停止温度が650℃未満の場合に650℃から冷却停止温度までの冷却速度は特に限定されない。また、通常、冷却停止温度は500℃以上である。
[0092]
 また、600℃以上の温度域における露点を-40℃以下とすることにより、焼鈍中の鋼板表面からの脱炭を抑制することができ、本発明で規定する590MPa以上の引張強度を安定的に実現することができる。上記温度域での露点が-40℃を超える場合は、上記脱炭により強度が590MPaを下回る場合がある。よって、600℃以上の温度域での露点は-40℃以下と定めた。雰囲気の露点の下限は特に規定はしないが、-80℃未満では効果が飽和し、コスト面で不利となるため-80℃以上が好ましい。なお、上記温度域の温度は鋼板表面温度を基準とする。即ち、鋼板表面温度が上記温度域にある場合に、露点を上記範囲に調整する。
[0093]
 なお、薄鋼板が取引対象となる場合には、通常、上記冷却後または後述する調質圧延後に、室温まで冷却されて取引対象となる。
[0094]
 次いで、2回法について説明する。2回法では先ず冷延フルハード鋼板を加熱し熱処理板とする。この熱処理板を得る製造方法が、本発明の熱処理板の製造方法である。
[0095]
 上記熱処理板を得るための加熱は、加熱温度が700~900℃の条件の加熱である。この加熱を実施することで、鋼板内のMn偏析を緩和させることが可能である。そこで、加熱温度は700~900℃とする。700℃未満では十分に上記の効果が得られない。900℃以上では、次に行われる熱処理板の加熱で鋼組織を微細化することが困難である。
[0096]
 上記加熱後に冷却する。冷却条件は特に限定されない。通常、平均冷却速度が1~30℃/sである。
[0097]
 なお、上記加熱の加熱方法は特に限定されないが、連続焼鈍ライン(CAL)やバッチ焼鈍炉(BAF)で行うのが好ましい。
[0098]
 2回法では、熱処理板に、さらに加熱および冷却を施す。この加熱及び冷却の条件(露点、最高到達温度、滞留時間、平均冷却速度、冷却停止温度等)は、1回法で冷延フルハード鋼板に施されるものと同様であるため、説明を省略する。
[0099]
 なお、上記の方法で得られた薄鋼板に調質圧延を実施し、この調質圧延された薄鋼板を本発明の薄鋼板と捉えてもよい。伸長率の好ましい範囲は0.05~2.0%である。
[0100]
 なお、薄鋼板が取引対象となる場合には、通常、室温まで冷却された後、取引対象となる。
[0101]
 <めっき鋼板の製造方法>
 本発明のめっき鋼板の製造方法は、上記で得られた薄鋼板にめっきを施す、めっき鋼板の製造方法である。
[0102]
 例えば、めっき処理としては、溶融亜鉛めっき処理、溶融亜鉛めっき後に合金化を行う処理を例示できる。また、焼鈍と亜鉛めっきを1ラインで連続して行ってもよい。その他、Zn-Ni電気合金めっき等の電気めっきにより、めっき層を形成してもよいし、溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっきを施してもよい。なお、亜鉛めっきの場合を中心に説明したが、Znめっき、Alめっき等のめっき金属の種類は特に限定されない。なお、上記めっき処理には、焼鈍後にめっき処理を行う場合以外に、めっきラインにて焼鈍とめっきを連続で施す場合のめっき処理も含む。
[0103]
 以下は、溶融亜鉛めっきの場合を例に説明する。
[0104]
 薄鋼板が、めっき浴に浸漬する鋼板温度は、(溶融亜鉛めっき浴温度-40)℃~(溶融亜鉛めっき浴温度+50)℃とすることが好ましい。めっき浴に浸漬する鋼板温度が(溶融亜鉛めっき浴温度-40)℃を下回ると、鋼板がめっき浴に浸漬される際に、溶融亜鉛の一部が凝固してしまい、めっき外観を劣化させる場合があることから、好ましい下限を(溶融亜鉛めっき浴温度-40)℃とする。また、めっき浴に浸漬する鋼板温度が(溶融亜鉛めっき浴温度+50)℃を超えると、めっき浴の温度が上昇するため、量産性に問題がある。そこで好ましい上限を(溶融亜鉛めっき浴温度+50)℃とする。
[0105]
 また、溶融めっき後に、450~600℃の温度域で合金化処理を施してもよい。450~600℃の温度域で合金化処理することにより、めっき中のFe濃度は7~15%になり、めっきの密着性や塗装後の耐食性が向上する。合金化温度が450℃未満では、合金化が十分に進行せず、犠牲防食作用の低下や摺動性の低下を招く。合金化温度が600℃より高い温度では、合金化の進行が顕著となり、パウダリング性が低下する。
[0106]
 また、生産性の観点から、上記の焼鈍(冷延フルハード鋼板等に対する加熱や冷却)、溶融めっき処理、合金化処理などの一連の処理は、連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)で行うのが好ましい。また、上記溶融亜鉛めっき処理には、Al量を0.10~0.20%含む亜鉛めっき浴を用いることが好ましい。めっき後は、めっきの目付け量を調整するために、ワイピングを行うことができる。
[0107]
 なお、上述のめっき層の説明で記載の通り、Znめっきが好ましいが、Alめっき等の他の金属を用いためっき処理でもよい。
実施例
[0108]
 以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は、もとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
[0109]
 表1に示す成分組成の鋼を溶製して鋳造してスラブを製造し、熱間圧延加熱温度を1250℃、最終直前パスの圧下率、最終パスの圧下率、仕上げ圧延終了温度(FDT)を表2に示す条件で熱間圧延を行い、板厚:3.2mmの熱延鋼板とした後、表2で示す第1平均冷却速度(冷速1)で第1冷却温度まで冷却した後、第2平均冷却温度(冷速2)で巻取温度まで冷却し、巻取温度(CT)で巻取った。ついで、得られた熱延板を酸洗した後、冷間圧延を施し、冷延板(板厚:1.2mm)を製造した(この冷延板が冷延フルハード鋼板に相当)。冷延板を連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、表2に示す製造条件に従う、焼鈍処理を行い、溶融亜鉛めっき処理を施した後、さらに表2に示す温度で合金化処理を行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得た。なお、表2に示すように、一部の鋼板については、冷間圧延後に第1の熱処理を実施した。また、表2に示すように、一部の鋼板については、めっきの合金化処理は行わなかった。ここで、めっき処理は、亜鉛めっき浴温度:460℃、亜鉛めっき浴Al濃度:0.14質量%(合金化処理する場合)、0.18質量%(合金化処理を施さない場合)、片面あたりのめっき付着量45g/m (両面めっき)とした。
[0110]
[表1]


[0111]
[表2]



[0112]
 製造した鋼板から、JIS5号引張試験片を圧延直角方向から長手方向(引張方向)となるように採取し、引張試験(JIS Z2241(1998))により、引張強さ(TS)、全伸び(EL)、降伏強さ(YS)を測定した。また、降伏比(YR)を算出した。
[0113]
 穴広げ性に関しては、日本鉄鋼連盟規格(JFS T1001(1996))に準拠し、クリアランス12.5%にて、10mmφの穴を打抜き、かえりがダイ側になるように試験機にセットした後、60°の円錐ポンチで成形することにより穴広げ率(λ)を測定した。λ(%)が、50%以上を有するものを良好な穴広げ性を有する鋼板とした。
[0114]
 スポット溶接性に関しては、製造された溶融亜鉛めっき鋼板の2枚を重ねた板の組み合わせについて、C-タイプガンに取付けられたサーボモータ加圧式で単相交流(50Hz)の抵抗溶接機を用いて抵抗スポット溶接を行い、抵抗スポット溶接継手を作製した。なお、使用した一対の電極チップは、ともに先端の曲率半径R40、先端径6mmを有するアルミナ分散銅のDR型電極とした。溶接条件は、加圧力を3500N、通電時間は14サイクル、ホールド時間は1サイクルとし、ナゲット径が5.5mmになるように溶接電流を調節した。十字引張試験(CTS)はJIS Z3137に基づき行い、破断強度を測定した。破断強度が9.0kN以上を有するものを良好なスポット溶接性を有する鋼板とした。
[0115]
 鋼板のフェライト、マルテンサイト、パーライトの体積率は、鋼板の圧延方向に平行な板厚断面の研磨後、3%ナイタールで腐食し、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて2000倍、5000倍の倍率で表面から1/4厚み位置を観察し、ポイントカウント法(ASTM E562-83(1988)に準拠)により、面積率を測定し、その面積率を体積率とした。フェライトおよびマルテンサイトの平均結晶粒径は、Media Cybernetics者のImage-Proを用いて、鋼板組織写真から予め各々のフェライトおよびマルテンサイト結晶粒を識別しておいた写真を取り込むことで各相の面積が算出可能であり、その円相当直径を算出し、それらの値を平均して求めた。
[0116]
 残留オーステナイトの体積率は、鋼板を板厚方向の1/4厚の面まで研磨し、この板厚1/4面の回折X線強度により求めた。MoのKα線を線源として、加速電圧50keVにて、X線回折法(装置:Rigaku社製RINT2200)によって、鉄のフェライトの{200}面、{211}面、{220}面と、オーステナイトの{200}面、{220}面、{311}面のX線回折線の積分強度を測定し、これらの測定値を用いて、「X線回折ハンドブック」(2000年)理学電機株式会社、p.26、62~64に記載の計算式から残留オーステナイトの体積率を求めた。残留オーステナイトの平均結晶粒径については、EBSD(電子線後方散乱回析法)を用いて5000倍の倍率で観察し、Imasge-Proを用いて円相当直径を算出し、それらの値を平均して求めた。
[0117]
 また、SEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)、FE-SEM(電界放出形走査電子顕微鏡)により、ベイナイトを観察し、面積率を測定し、それを体積率とした。平均結晶粒径は上述のImage-Proを用いて、鋼板組織写真から円相当直径を算出し、それらの値を平均して求めた。
[0118]
 また、残部組織も確認し、結果を表3に示した。
[0119]
 測定した引張特性、穴広げ率、スポット溶接性、鋼板組織の測定結果を表3に示す。
表3に示す結果から、本発明例は何れも伸び、穴広げ性、スポット溶接性に優れ、低降伏比、高強度であることが確認された。一方、比較例は、引張強さ、伸び、降伏比、穴広げ率、スポット溶接性の少なくとも1つの特性が劣る。
[0120]
[表3]


請求の範囲

[請求項1]
 質量%で、
C:0.05~0.12%、
Si:0.80%以下、
Mn:1.30~2.10%、
P:0.001~0.050%、
S:0.005%以下、
Al:0.01~0.10%、
N:0.010%以下を含有し、
さらに、Cr:0.05~0.50%
およびMo:0.05~0.50%から選択される一種以上を含有し、
さらに、Ti:0.01~0.10%、
Nb:0.01~0.10%
およびV:0.01~0.10%から選択される一種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、
 体積率で、フェライトを70~90%、マルテンサイトを5~20%、残留オーステナイトを5%以下、ベイナイトを10%以下、パーライトを5%以下含み、前記フェライトの平均結晶粒径が20μm以下、前記マルテンサイトの平均結晶粒径が5μm以下、前記残留オーステナイトの平均結晶粒径が5μm以下、前記ベイナイトの平均結晶粒径が7μm以下である鋼組織と、を備え、
 引張強さが590MPa以上であることを特徴とする薄鋼板。
[請求項2]
 前記成分組成は、さらに、質量%で、
Cu:0.50%以下、
Ni:0.50%以下、
B:0.01%以下、
並びにCa及び/又はREMの合計:0.005%以下から選択される一種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の薄鋼板。
[請求項3]
 請求項1又は2に記載の薄鋼板の表面にめっき層を有することを特徴とするめっき鋼板。
[請求項4]
 前記めっき層が溶融亜鉛めっき層又は合金化溶融亜鉛めっき層であることを特徴とする請求項3に記載のめっき鋼板。
[請求項5]
 請求項1又は2に記載の成分組成を有する鋼素材を、仕上げ圧延の最終パスの圧下率が12%以上、該最終パスの前のパスの圧下率が15%以上、仕上げ圧延終了温度が850~950℃の条件で熱間圧延し、該熱間圧延後、冷却停止温度までの第1平均冷却速度が50℃/s以上、冷却停止温度が750℃以下の条件で第1冷却をし、該第1冷却後、巻取温度までの第2平均冷却速度が5℃/s以上50℃/s未満の条件で第2冷却し、該第2冷却後に650℃以下の巻取温度で巻き取ることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
[請求項6]
 請求項5に記載の製造方法で得られた熱延鋼板を酸洗し、冷間圧延することを特徴とする冷延フルハード鋼板の製造方法。
[請求項7]
 請求項6に記載の製造方法で得られた冷延フルハード鋼板を、600℃以上の温度域における露点を-40℃以下とし、最高到達温度が730~880℃の条件で加熱し、最高到達温度において滞留時間15~600sで保持し、該保持後、冷却停止温度までの平均冷却速度が2~30℃/s、冷却停止温度が650℃以下の条件で冷却することを特徴とする薄鋼板の製造方法。
[請求項8]
 請求項6に記載の製造方法で得られた冷延フルハード鋼板を、加熱温度が700~900℃の条件で加熱し、冷却することを特徴とする熱処理板の製造方法。
[請求項9]
 請求項8に記載の製造方法で得られた熱処理板を、600℃以上の温度域における露点を-40℃以下とし、最高到達温度が730~880℃の条件で加熱し、最高到達温度において滞留時間15~600sで保持し、該保持後、冷却停止温度までの平均冷却速度が2~30℃/s、冷却停止温度が650℃以下の条件で冷却することを特徴とする薄鋼板の製造方法。
[請求項10]
 請求項7又は9に記載の製造方法で得られた薄鋼板の表面にめっき処理を施すめっき工程を備えることを特徴とするめっき鋼板の製造方法。
[請求項11]
 前記めっき処理は、溶融亜鉛めっきし、450~600℃で合金化する処理であることを特徴とする請求項10に記載のめっき鋼板の製造方法。