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1. (WO2017168925) ARTICULATION
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明 細 書

発明の名称 接合体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

実施例

0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

符号の説明

0077  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 接合体

技術分野

[0001]
本発明は、第1部材と第2部材とが接合部を介して接合された接合体に関する。

背景技術

[0002]
電子部品の実装の際に用いる導電性材料としては、Sn-Pb系はんだ又はSn-Ag-Cu系はんだ等のはんだ材料が広く用いられてきた。
[0003]
この用途に用いられる導電性材料として、特許文献1には、第1金属と、第1金属よりも融点が高く、第1金属と反応して金属間化合物を生成する第2金属とからなる金属成分を含む導電性材料が開示されている。特許文献1に記載の導電性材料では、第1金属はSn又はSnを70重量%以上含む合金であり、第2金属はCu-Mn合金又はCu-Ni合金であり、第1金属と第2金属とは、310℃以上の融点を示す金属間化合物を生成することを特徴としている。特許文献1には、導電性材料がフラックス成分を含み、該導電性材料をソルダペーストとして用いることが開示されている。さらに、特許文献1には、該導電性材料を用いて接続対象物を接続する方法も開示されている。
[0004]
また、ソルダペーストを用いない接合方法として、特許文献2には、第1の接合対象物と第2の接合対象物とをインサート材を用いて接合する方法が開示されている。第1の接合対象物及び/又は第2の接合対象物は、インサート材を構成する合金よりも融点の低いSn又はSnを含む合金から構成される第1金属を有し、インサート材は、Ni、Mn、Al及びCrから選ばれる少なくとも1種と、Cuとを含む合金である第2金属を主成分としている。特許文献2に記載の接合方法では、第1の接合対象物と第2の接合対象物との間に、インサート材を配置した状態で熱処理を行い、第1の接合対象物及び/又は第2の接合対象物が有する第1金属と、インサート材を構成する第2金属との金属間化合物を生成させることにより、第1の接合対象物と第2の接合対象物を接合することを特徴としている。特許文献2には、表面積の小さい板状等の形態でインサート材を供給することが開示されている。
[0005]
特許文献1及び特許文献2に記載の方法によれば、第1金属(例えばSn)と第2金属(例えばCu-Ni合金)とが加熱されることによって、第1金属と第2金属とが反応して金属間化合物(例えば(Cu,Ni) Sn )が形成され、この金属間化合物を含む接合部を介して接合対象物が接合される。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特許第5018978号公報
特許文献2 : 国際公開第2013/132954号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
特許文献1及び特許文献2に記載の方法では、第1金属と第2金属とが速やかに反応することにより融点の高い金属間化合物の形成が促進されるため、融点の低い第1金属の残留量を少なくすることができる。その結果、従来のはんだ材料を用いる方法と比べて接合部の耐熱性を高くすることができる。
[0008]
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載の方法では、従来のはんだ材料を用いる方法と比べて接合部の熱伝導性が低いことが判明した。したがって、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の方法を用いて電子部品を基板に実装した場合、電子部品で発生した熱が接合部に充分に伝わらず、電子部品に熱がこもってしまうおそれがある。
[0009]
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、耐熱性及び熱伝導性に優れる接合体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
上記目的を達成するため、本発明の接合体は、第1部材と第2部材とが接合部を介して接合された接合体であって、上記接合部は、第1金属と、上記第1金属よりも融点の高い第2金属との金属間化合物を含み、上記第1金属は、Sn又はSn合金であり、上記第2金属は、Cu合金であり、上記第1部材と上記第2部材との間には、上記第2金属を含む伝熱部が存在し、上記第1部材は、上記接合部及び上記伝熱部と接していることを特徴とする。
[0011]
本発明の接合体では、融点の高い金属間化合物(例えば(Cu,Ni) Sn )を含む接合部を介して第1部材と第2部材とが接合されている。そのため、特許文献1及び特許文献2に記載の方法により得られる接合体と同様に耐熱性を高くすることができる。
[0012]
さらに、本発明の接合体では、第1部材が、金属間化合物を含む接合部とだけでなく、第2金属を含む伝熱部とも接している。第2金属であるCu合金は、(Cu,Ni) Sn 等の金属間化合物よりも熱伝導率が高いため、第1部材と伝熱部との間の熱伝導性を高くすることができる。その結果、第1部材側で発生した熱が伝熱部にスムーズに伝わるため、効率良く放熱することができる。
[0013]
これに対し、特許文献1のようにペーストを用いる方法では、ペーストに含まれる第1金属と第2金属とが速やかに反応して金属間化合物が形成されるため、第1金属及び第2金属の残留量は少ない。したがって、得られる接合体において、第1部材に該当する箇所は金属間化合物と接するものの、第2金属とは接していない。また、特許文献2のようにインサート材を用いる方法では、第1の接合対象物が有する第1金属とインサート材を構成する第2金属とが反応して金属間化合物が形成されるため、インサート材を構成する第2金属と第1の接合対象物との間には金属間化合物が存在する。したがって、仮にインサート材の一部が接合部の内部に残存する場合であっても、得られる接合体において、第1部材に該当する箇所は第2金属とは接していない。
[0014]
以上のように、本発明の接合体では、第1部材を接合部及び伝熱部の両方と接触させることによって、耐熱性及び熱伝導性を高くすることができる。
[0015]
本発明の接合体において、上記第1部材と接している上記伝熱部は、上記第2部材とも接していることが好ましい。
伝熱部が第1部材だけでなく第2部材とも接していると、第1部材側で発生した熱が伝熱部を介して第2部材側へスムーズに伝わるため、さらに効率良く放熱することができる。
[0016]
本発明の接合体において、上記第1部材は、貫通孔を有する伝熱部と接しており、上記貫通孔内に存在する接合部とも接していることが好ましい。
この場合、貫通孔内に存在する接合部によって第1部材を固定できるため、第1部材と接している面積が同じで形状が板状である伝熱部を設ける場合と比べて、第1部材と接合部との接合を強固にすることができる。
[0017]
本発明の接合体において、上記第1部材は、複数の伝熱部と接しており、複数の伝熱部間に存在する接合部とも接していることが好ましい。
この場合、複数の伝熱部間に存在する接合部によって第1部材を固定できるため、第1部材と接している面積が同じで形状が板状である伝熱部を設ける場合と比べて、第1部材と接合部との接合を強固にすることができる。
[0018]
本発明の接合体において、上記第2金属は、Cu-Ni合金又はCu-Mn合金であることが好ましい。
Cu-Ni合金又はCu-Mn合金は第1金属と速やかに反応して金属間化合物を形成するため、接合強度を高くすることができる。
[0019]
本発明の接合体においては、上記第1部材が電子部品の電極、上記第2部材が基板上の電極であることが好ましい。上記電子部品は、半導体チップであることが好ましい。
本発明の接合体は、半導体チップをダイボンドするタイプの半導体装置等の電子機器の構成として特に適している。

発明の効果

[0020]
本発明によれば、耐熱性及び熱伝導性に優れる接合体を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 図1は、本発明の接合体の一例を模式的に示す断面図である。
[図2] 図2は、本発明の接合体の別の一例を模式的に示す断面図である。
[図3] 図3は、電子部品が基板上に実装された電子機器の一例を模式的に示す図である。
[図4] 図4A~図4Dは、本発明の接合体の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。
[図5] 図5A~図5Dは、本発明の接合体の製造方法の別の一例を模式的に示す断面図である。
[図6] 図6(a)~図6(f)は、第2金属部材の平面視形状の例を模式的に示す平面図である。
[図7] 図7は、実施例1の接合体の金属顕微鏡写真である。
[図8] 図8は、比較例1の接合体の金属顕微鏡写真である。

発明を実施するための形態

[0022]
以下、本発明の接合体について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
[0023]
図1は、本発明の接合体の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す接合体1は、第1部材(例えば電極)11と第2部材(例えば電極)12とが接合部10を介して接合されてなる。第1部材11と第2部材12との間には伝熱部20が存在し、第1部材11は、接合部10及び伝熱部20の両方と接している。
[0024]
図1に示すように、第1部材及び第2部材は、いずれも、少なくとも1つの主面を有する板状等の形状を有することが好ましく、伝熱部も、少なくとも1つの主面を有する板状等の形状を有することが好ましい。この場合、第1部材の一主面と第2部材の一主面とが接合部を介して接合される。そして、第1部材の一主面と第2部材の一主面との間に伝熱部が存在し、第1部材の一主面が、伝熱部の一主面と面で接する。具体的には、第1部材と接触する部分の伝熱部の面積を第1部材の一主面の面積よりも小さくすることにより、第1部材の一主面を接合部及び伝熱部の両方に接触させることができる。
[0025]
図2は、本発明の接合体の別の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示す接合体2は、第1部材11と接している伝熱部20が第2部材12とも接している以外は、図1に示す接合体1と同じ構成を有している。
[0026]
図2のように、伝熱部が第1部材及び第2部材の両方と接する場合、第1部材及び第2部材は、いずれも、少なくとも1つの主面を有する板状等の形状を有することが好ましく、伝熱部は、少なくとも2つの主面を有する板状等の形状を有することが好ましい。図1と同様、第1部材の一主面と第2部材の一主面とが接合部を介して接合される。そして、第1部材の一主面と第2部材の一主面との間に伝熱部が存在し、第1部材の一主面が、伝熱部の一方主面と面で接し、第2部材の一主面が、伝熱部の他方主面と面で接する。具体的には、第1部材と接触する部分の伝熱部の面積を第1部材の一主面の面積よりも小さくすることにより、第1部材の一主面を接合部及び伝熱部の両方に接触させることができ、第2部材と接触する部分の伝熱部の面積を第2部材の一主面の面積よりも小さくすることにより、第2部材の一主面を接合部及び伝熱部の両方に接触させることができる。
[0027]
本発明の接合体において、接合部は、第1金属(例えばSn)と第2金属(例えばCu-Ni合金)との金属間化合物(例えば(Cu,Ni) Sn )を含んでいる。
金属間化合物は、融点以上まで加熱されて溶融した第1金属が第2金属と反応することにより生成する。後述するように、接合部は、例えば、第1金属ペーストと第2金属部材とを反応させることにより形成することができる。
[0028]
第1金属は、Sn又はSn合金であり、例えば、Sn単体、又は、Cu、Ni、Ag、Au、Sb、Zn、Bi、In、Ge、Al、Co、Mn、Fe、Cr、Mg、Mn、Pd、Si、Sr、Te及びPからなる群より選ばれる少なくとも1種とSnとを含む合金が挙げられる。中でも、Sn、Sn-3Ag-0.5Cu、Sn-3.5Ag、Sn-0.75Cu、Sn-58Bi、Sn-0.7Cu-0.05Ni、Sn-5Sb、Sn-2Ag-0.5Cu-2Bi、Sn-57Bi-1Ag、Sn-3.5Ag-0.5Bi-8In、Sn-9Zn、又は、Sn-8Zn-3Biが好ましい。
上記表記において、例えば、「Sn-3Ag-0.5Cu」は、Agを3重量%、Cuを0.5重量%含有し、残部をSnとする合金であることを示している。
[0029]
第2金属は、Cu合金であり、例えば、Cu-Ni合金、Cu-Mn合金、Cu-Al合金又はCu-Cr合金が挙げられる。これらの中では、Cu-Ni合金又はCu-Mn合金が好ましい。
Cu-Ni合金は、Niの割合が5重量%以上30重量%以下であるCu-Ni合金が好ましく、例えば、Cu-5Ni、Cu-10Ni、Cu-15Ni、Cu-20Ni、Cu-25Ni、又は、Cu-30Niが挙げられる。Cu-Ni合金には、Cu-Ni-Co合金、Cu-Ni-Fe合金等のように第3成分を含む合金も含まれる。
Cu-Mn合金は、Mnの割合が5重量%以上30重量%以下であるCu-Mn合金が好ましく、例えば、Cu-5Mn、Cu-10Mn、Cu-15Mn、Cu-20Mn、Cu-25Mn、又は、Cu-30Mnが挙げられる。
Cu-Al合金は、Alの割合が5重量%以上10重量%以下であるCu-Al合金が好ましく、例えば、Cu-5Al、又は、Cu-10Alが挙げられる。
Cu-Cr合金は、Crの割合が5重量%以上10重量%以下であるCu-Cr合金が好ましく、例えば、Cu-5Cr、又は、Cu-10Crが挙げられる。
なお、第2金属は、Cu-Mn-Ni等のようにMn及びNiを同時に含んでいてもよく、また、P等の第3成分を含んでいてもよい。
上記表記において、例えば、「Cu-5Ni」は、Niを5重量%含有し、残部をCuとする合金であることを示している。Mnについても同様である。
[0030]
接合部に金属間化合物が含まれていることは、接合体の断面を金属顕微鏡を用いて観察することによって簡易的に確認することができる。詳細には、接合部に対して、エネルギー分散型X線分析(EDX)等による組成分析と、微小部X線回折等による結晶構造解析とを行うことによって、接合部に含まれる金属が(Cu,Ni) Sn 等の金属間化合物であることを確認することができる。
[0031]
接合部の耐熱性を確保する観点から、接合部には第1金属が残留していないことが好ましいが、接合体が240℃程度に加熱されても再溶融しなければ、接合部に第1金属が残留していてもよい。
[0032]
本発明の接合体において、伝熱部は、第2金属を含んでいる。第2金属としては、接合部で説明したCu合金が挙げられる。
後述するように、伝熱部は、例えば、接合部を形成する際に用いる第2金属を第1金属と反応させずに残存させることにより形成することができる。そのため、伝熱部を構成する第2金属は、接合部を構成する金属間化合物に含まれる第2金属と同じ金属元素を含むことが好ましい。
[0033]
伝熱部に第2金属が含まれていることは、接合体の断面を金属顕微鏡を用いて観察することによって簡易的に確認することができる。詳細には、伝熱部に対して、EDX等による組成分析を行うことによって、伝熱部に含まれる金属がCu-Ni合金等の第2金属であることを確認することができる。
[0034]
伝熱部は、第2金属であるCu合金のみからなることが好ましいが、Cu合金の表面には、Au、Ag、Ni、Pd、Cu又はこれらの金属を含む合金からなるめっき層が形成されていてもよい。上記めっき層を構成する金属は第2金属であるCu合金とは反応せず、第1部材と伝熱部との間に金属間化合物が形成されないため、熱伝導性が低下するおそれがない。
[0035]
伝熱部は、第1部材と接している限り、他の部分が接合部から露出していてもよいが、接合部の内部に存在することが好ましい。すなわち、図1に示すように、伝熱部の第1部材と接していない部分は、接合部と接していることが好ましい。また、図2に示すように、伝熱部が第2部材とも接している場合には、伝熱部の第1部材及び第2部材と接していない部分は、接合部と接していることが好ましい。
[0036]
伝熱部が第1部材と接する形態は特に限定されず、第1部材と線又は点で接していてもよいが、図1及び図2に示すように、第1部材と面で接することが好ましい。また、伝熱部が第2部材とも接する場合においても、伝熱部が第2部材と接する形態は特に限定されず、第2部材と線又は点で接していてもよいが、図2に示すように、第2部材と面で接することが好ましい。伝熱部が第1部材又は第2部材と面で接すると、第1部材又は第2部材との接触面積が大きくなるため、熱伝導性を高くすることができる。
[0037]
伝熱部の形状も特に限定されず、例えば、板状、柱状、メッシュ状、箔状、線状(ワイヤ状)、球状、粉状等が挙げられる。これらの中では、第1部材又は第2部材と面で接することができる板状、柱状、メッシュ状又は箔状が好ましい。
[0038]
伝熱部は、貫通孔及び/又は切り欠き部を有していることが好ましく、貫通孔を有していることがより好ましい。1つの伝熱部に設けられる貫通孔の数は、1つでもよいし、複数でもよい。同様に、1つの伝熱部に設けられる切り欠き部の数は、1つでもよいし、複数でもよい。1つの伝熱部が、貫通孔及び切り欠き部の両方を有していてもよい。
伝熱部が貫通孔及び/又は切り欠き部を有していると、貫通孔内及び/又は切り欠き部に接合部が存在することになる。したがって、貫通孔内及び又は切り欠き部に存在する接合部によって第1部材を固定できるため、第1部材と接している面積が同じで形状が板状である伝熱部を設ける場合と比べて、第1部材と接合部との接合を強固にすることができる。
[0039]
第1部材と第2部材との間には、伝熱部が1つだけ存在していてもよいが、複数の伝熱部が存在することが好ましい。複数の伝熱部が存在すると、複数の伝熱部間に接合部が存在することになる。したがって、複数の伝熱部間に存在する接合部によって第1部材を固定できるため、第1部材と接している面積が同じで形状が板状である伝熱部を設ける場合と比べて、第1部材と接合部との接合を強固にすることができる。
[0040]
なお、複数の伝熱部が存在する場合、すべての伝熱部が第1部材と接していることが好ましいが、第1部材と接していない伝熱部が存在してもよい。また、複数の伝熱部が第2部材と接している場合、すべての伝熱部が第2部材とも接していることが好ましいが、第2部材と接している伝熱部と第2部材と接していない伝熱部が混在していてもよい。
[0041]
また、複数の伝熱部が貫通孔及び/又は切り欠き部を有する場合、すべての伝熱部が貫通孔及び/又は切り欠き部を有している必要はなく、貫通孔も切り欠き部も有しない伝熱部が存在してもよく、貫通孔を有する伝熱部と切り欠き部を有する伝熱部とが混在していてもよい。
[0042]
本発明の接合体においては、第1部材が電子部品の電極、第2部材が基板上の電極であることが好ましい。電子部品としては、例えば、半導体チップ(IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、ショットキーバリアダイオード、LED等)、コンデンサ、インダクタ、サーミスタ、抵抗器、バリスタ、その他チップ状の積層フィルタ等が挙げられ、これらの中では半導体チップが好ましい。
本発明の接合体は、半導体チップをダイボンドするタイプの半導体装置等の電子機器の構成として特に適している。なお、第2部材は電極箔であってもよい。
[0043]
図3は、電子部品が基板上に実装された電子機器の一例を模式的に示す図である。図3では、電子部品の電極、及び、基板上の電極は省略している。
図3に示す電子機器30では、半導体チップ等の電子部品31が、金属間化合物を含む接合部10を介して基板32にダイボンドされている。電子部品31と基板32との間には伝熱部20が存在し、電子部品31は、接合部10及び伝熱部20の両方と接している。さらに、電子部品31は、樹脂33によってモールドされている。なお、図3には示していないが、電子部品31は、ワイヤボンディング等によって基板32の端子と接続されていることが好ましい。
[0044]
本発明の接合体において、第1部材が電子部品の電極、第2部材が基板上の電極である場合、第1部材である電子部品の電極の表面には、Au、Ag、Ni、Pd、Cu又はこれらの金属を含む合金からなるめっき層が形成されていてもよい。電極側から1層目がNi、2層目がAuであるNi/Auめっき層、電極側から1層目がNi、2層目がPd、3層目がAuであるNi/Pd/Auめっき層等の複数層からなるめっき層が形成されていてもよい。第1部材である電子部品の電極の表面に上記めっき層が形成されている場合、めっき層を構成する金属は第2金属であるCu合金とは反応せず、第1部材と伝熱部との間に金属間化合物が形成されないため、熱伝導性が低下するおそれがない。
同様に、第2部材である基板上の電極の表面には、Au、Ag、Ni、Pd、Cu又はこれらの金属を含む合金からなるめっき層が形成されていてもよい。Ni/Auめっき層、Ni/Pd/Auめっき層等の複数層からなるめっき層が形成されていてもよい。第2部材である基板上の電極の表面に上記めっき層が形成されている場合、めっき層を構成する金属を含有する金属間化合物が基板と接合部との界面に形成される可能性があるが、接合体の特性に影響するものではない。
また、第2部材である基板上の電極の表面には、Sn又はSn合金からなるめっき層が形成されていてもよい。めっき層を構成するSn又はSn合金は、金属間化合物の形成に寄与するものの、通常、めっき層の厚みは接合部の厚みに比べて非常に小さいため、めっき層が接合体の特性に与える影響は小さい。一方、第1部材である電子部品の電極の表面には、Sn又はSn合金からなるめっき層が形成されていないことが好ましい。
なお、第1部材が電子部品の電極、第2部材が基板上の電極である場合に限らず、第1部材及び第2部材の表面には、上述のめっき層がそれぞれ形成されていてもよい。
[0045]
本発明の接合体において、第1部材及び/又は伝熱部にめっき層が形成されている場合、Snを含有する金属間化合物がCu合金と第1部材との間に形成されていなければ、「第1部材は伝熱部と接する」と考えることができる。
[0046]
本発明の接合体において、第1部材及び第2部材は、電極等の板状体に限定されるものではなく、例えば、第1部材がCu線等の金属線、第2部材が基板上の電極又は電子部品の電極等であってもよい。また、本発明の接合体は、電子機器以外の接合体であってもよい。
[0047]
本発明の接合体は、好ましくは、以下のように製造される。
図4A~図4Dは、本発明の接合体の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。図4A~図4Dは、図1に示す接合体1を製造する方法の一例であり、第1部材11及び第2部材12として板状体を使用している。
[0048]
まず、図4Aに示すように、第1金属を含むペースト(以下、第1金属ペーストという)1Aを第2部材12の上面に塗布する。
第1金属ペーストは、第1金属とフラックスとを含み、例えば、市販のソルダペーストを用いることができる。塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサーによる塗布等の方法が挙げられる。
[0049]
次に、図4Bに示すように、第2金属からなる部材(以下、第2金属部材という)2Aを第1金属ペースト1A上に載置する。図4Bでは、第2金属からなる板状体を第1金属ペースト1A上に載置している。
後述するように、第1部材11の底面を第1金属ペースト1A及び第2金属部材2Aの両方と接触させるため、第1部材と接触する部分の第2金属部材の面積は、第1部材の底面の面積よりも小さい。
[0050]
続いて、図4Cに示すように、第1金属ペースト1A及び第2金属部材2Aの両方と接するように、第1金属ペースト1A及び第2金属部材2A上に第1部材11を載置する。
[0051]
その後、第2金属部材2Aが第1部材11と接した状態で加熱する。加熱は、第1部材及び第2部材を加圧した状態で行うことが好ましい。温度が第1金属(例えばSn)の融点以上に達すると、第1金属が溶融する。さらに加熱が続くと、図4Dに示すように、第1金属と第2金属(例えばCu-Ni合金)とが反応して金属間化合物(例えば(Cu,Ni) Sn )が生成し、接合部10となる。また、未反応の第2金属が伝熱部20となって残存し、第1部材11の底面と接することになる。以上により、接合体1を製造することができる。
[0052]
図5A~図5Dは、本発明の接合体の製造方法の別の一例を模式的に示す断面図である。図5A~図5Dは、図2に示す接合体2を製造する方法の一例である。
図5A~図5Dに示す方法では、図4A~図4Dに示す方法で用いたものよりも厚い第2金属部材2Aを第1金属ペースト1A上に載置し(図5B参照)、第2金属部材2Aが第1部材11及び第2部材12の両方と接した状態で加熱する(図5C及び図5D参照)。加熱は、第1部材及び第2部材を加圧した状態で行うことが好ましい。未反応の第2金属が伝熱部20となって残存し、第1部材の底面及び第2部材の上面の両方と接することになる。以上により、接合体2を製造することができる。
[0053]
図6(a)~図6(f)は、第2金属部材の平面視形状の例を模式的に示す平面図である。図6(a)~図6(f)では、第2部材12の上面に塗布した第1金属ペースト1A上に第2金属部材2A~2Fを載置した状態の平面図を示している。
第2金属部材の平面視形状は特に限定されず、図6(a)に示す第2金属部材2Aのような四角形をはじめとする多角形であってもよいし、図6(b)に示す第2金属部材2Bのような円形であってもよい。また、図6(c)に示す第2金属部材2C、図6(d)に示す第2金属部材2D及び図6(e)に示す第2金属部材2Eのように、1又は複数の貫通孔を有する形状であってもよい。貫通孔に代えて、あるいは、貫通孔に加えて、1又は複数の切り欠き部を有する形状であってもよい。さらに、図6(f)に示す第2金属部材2Fのように、複数の部材からなってもよい。これらの中では、第2金属部材の平面視形状は、1又は複数の貫通孔及び/又は切り欠き部を有する形状であることが好ましく、1又は複数の貫通孔を有する形状であることがより好ましい。また、複数の部材からなることも好ましい。いずれの形状であっても、第1部材と接合部との接合を強固にすることができるだけでなく、第1金属と第2金属との反応箇所が多くなるため、第1金属の残留率を低くすることができる。
[0054]
第2金属部材の形状は板状に限定されず、例えば、柱状、メッシュ状、箔状、線状(ワイヤ状)、球状、粉状等であってもよい。これらの中では、板状、柱状、メッシュ状、又は箔状が好ましい。上記形状の第2金属部材を用いると、粉状の第2金属部材を用いる場合よりも未反応の部分を伝熱部として多く残すことができるため、熱伝導性を向上することができる。
[0055]
第1部材の形状が板状である場合、第1部材と接触する部分の面積が、第1部材の底面の面積よりも小さい第2金属部材を使用する。この場合、加熱後に形成される接合部と第1部材とが接合されるだけでなく、加熱前も第1金属ペーストの粘着力によって第1部材がずれることなく保持される。
[0056]
一方、第1部材と接触する部分の第2金属部材の面積が小さすぎると、未反応の第2金属が伝熱部として残存しにくくなり、熱伝導性向上の効果が充分に得られなくなる。そのため、第1部材と接触する部分の第2金属部材の面積は、第1部材の底面の面積の32%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。また、第1部材と接触する部分の第2金属部材の面積は、第1部材の底面の面積の90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。
[0057]
以上のように、第1金属ペースト及び第2金属部材を用いる場合、第1金属粉末及び第2金属粉末を含むペーストを用いる場合に比べて、緻密な接合部を得ることができる。ペーストを用いる場合、第1金属粉末と第2金属粉末とが反応すると、第1金属の流動によって金属間化合物が形成されるため、加熱前に第1金属の粒子が存在していた箇所に空隙(ボイド)が形成されてしまう。これに対し、板状等の第2金属部材を用いると、ペースト中の第1金属の粒子は第2金属部材に被覆されて一体化するため、空隙がほとんど形成されず、緻密な接合部となる。
[0058]
さらに、第1金属ペーストを塗布した後に第2金属部材を載置する方法では、第1金属ペーストがフラックス成分を含有しているため、従来のはんだ箔やはんだクラッドを用いる方法のようにフラックスのみを塗布する工程を別途行う必要がない。したがって、接合体の製造工程を簡略化することができる。
実施例
[0059]
以下、本発明の接合体をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[0060]
[接合体の作製]
(実施例1)
(1)ソルダペーストの印刷
第2部材としてのCu板(厚み200μm)上に、市販のソルダペースト(SAC305:Sn-3Ag-0.5Cu)をスクリーン印刷により塗布した。印刷サイズは5mm角とし、メタル版厚み0.1mmで印刷した。
[0061]
(2)Cu合金板の実装
Cu合金板として、長さ4.5mm×幅4.5mm×厚み0.1mmのCu-10Ni板をソルダペーストの中央部に実装した。
[0062]
(3)チップの実装
第1部材として、厚み300μm、5mm角のSiチップをソルダペーストの中央部に実装した。なお、Siチップの接合部分にはAuめっき処理を施した。
[0063]
(4)加熱
窒素雰囲気にて、260℃で5分間、10MPaで加圧して加熱した。以上により、実施例1の接合体を得た。
[0064]
(実施例2~実施例5、比較例1及び比較例2)
Cu-10Ni板の厚みを0.1mmに固定し、長さ及び幅を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様に接合体を作製し、実施例2~実施例5、比較例1及び比較例2の接合体を得た。なお、実施例5、比較例1及び比較例2では、板中央部に1mm×1mmサイズの貫通孔を有するCu-10Ni板を用いた。
[0065]
表1に、実施例1~実施例5、比較例1及び比較例2の接合体を作製する際に印刷したソルダペーストのサイズ、Cu合金板の成分及びサイズ、Cu合金の接触面積比率、並びに、Sn/(Sn+Cu合金)の重量比率をまとめて示す。
[0066]
[接合体の評価]
(接合体の断面観察)
得られた接合体の断面を金属顕微鏡を用いて観察し、接合部及び伝熱部の成分を特定した。表1に、接合部及び伝熱部の成分を示す。表1中、IMCは金属間化合物を意味する。
[0067]
図7は、実施例1の接合体の金属顕微鏡写真であり、図8は、比較例1の接合体の金属顕微鏡写真である。
図7に示す実施例1の接合体では、第1部材であるSiチップと第2部材であるCu板との間に、金属間化合物(IMC)を含む接合部と、Cu-Ni合金を含む伝熱部とが確認できる。一方、図8に示す比較例1の接合体では、第1部材であるSiチップと第2部材であるCu板との間に、金属間化合物(IMC)を含む接合部のみが確認できる。
[0068]
(接合強度)
得られた接合体のシアー強度を、ボンディングテスタを用いて測定し、接合強度を評価した。シアー強度の測定は、横押し速度:0.1mm・s -1、室温の条件下で行った。
シアー強度が5N以上のものを○(良)、5N未満のものを×(不可)と評価した。表1に、接合強度の値と評価結果を示す。
[0069]
(熱伝導性)
得られた接合体を室温の実験台に置き、さらに、Siチップの上に、予め180℃に加温したSUS板(10mm角×1mm厚)を載せて、3分間放置した。その後、加温したSUS板を取り除き、30秒間放冷した。放冷後、Siチップ上部の表面温度を表面温度計で計測した。表面温度が低いほど放熱性に優れるため、熱伝導性に優れると言える。
Siチップ上部の表面温度が130℃以下のものを○(良)、130℃を超えるものを×(不可)と評価した。表1に、表面温度の値と評価結果を示す。
[0070]
(総合判定)
接合強度及び熱伝導性の評価結果がすべて○のものを○(良)、1つでも×があるものを×(不可)とした。表1に、総合判定の結果を示す。
[0071]
[表1]


[0072]
表1より、実施例1~実施例5、比較例1及び比較例2の接合体は、いずれも充分な接合強度を有していることが確認された。
[0073]
さらに、金属間化合物(IMC)を含む接合部とCu合金(Cu-10Ni)を含む伝熱部との両方に第1部材が接している実施例1~実施例5の接合体は、熱伝導性に優れていることが確認された。
これに対し、Cu合金板のサイズが小さい比較例1及び比較例2の接合体では、Cu合金を含む伝熱部が形成されず、熱伝導性が充分でないことが確認された。なお、比較例2の接合体では、Snが残留しているため、耐熱性も充分でないと考えられる。
[0074]
(実施例6~実施例8及び比較例3)
Cu-10Ni板の長さを4.0mm、幅を3.5mmに固定し、厚みを表2に示す値に変更した以外は、実施例1と同様に接合体を作製し、実施例6~実施例8及び比較例3の接合体を得た。
得られた接合体について、上記と同じ方法で評価した。表2に、各評価結果を示す。
[0075]
[表2]


[0076]
表2より、Cu合金板の厚みを変更した場合であっても、金属間化合物を含む接合部とCu合金を含む伝熱部との両方に第1部材が接している実施例6~実施例8の接合体は、実施例1~実施例5の接合体と同様、熱伝導性に優れていることが確認された。
一方、Cu合金板の厚みが小さい比較例3の接合体では、Cu合金を含む伝熱部が形成されず、比較例2の接合体と同様、熱伝導性が充分でないことが確認された。また、Snが残留しているため、耐熱性も充分でないと考えられる。

符号の説明

[0077]
1,2 接合体
1A 第1金属ペースト
2A,2B,2C,2D,2E,2F 第2金属部材
10 接合部(金属間化合物を含む接合部)
20 伝熱部(第2金属を含む伝熱部)
11 第1部材(電極)
12 第2部材(電極)
30 電子機器
31 電子部品(半導体チップ)
32 基板
33 樹脂

請求の範囲

[請求項1]
第1部材と第2部材とが接合部を介して接合された接合体であって、
前記接合部は、第1金属と、前記第1金属よりも融点の高い第2金属との金属間化合物を含み、
前記第1金属は、Sn又はSn合金であり、
前記第2金属は、Cu合金であり、
前記第1部材と前記第2部材との間には、前記第2金属を含む伝熱部が存在し、
前記第1部材は、前記接合部及び前記伝熱部と接していることを特徴とする接合体。
[請求項2]
前記第1部材と接している前記伝熱部は、前記第2部材とも接している請求項1に記載の接合体。
[請求項3]
前記第1部材は、貫通孔を有する伝熱部と接しており、前記貫通孔内に存在する接合部とも接している請求項1又は2に記載の接合体。
[請求項4]
前記第1部材は、複数の伝熱部と接しており、複数の伝熱部間に存在する接合部とも接している請求項1~3のいずれか1項に記載の接合体。
[請求項5]
前記第2金属は、Cu-Ni合金又はCu-Mn合金である請求項1~4のいずれか1項に記載の接合体。
[請求項6]
前記第1部材が電子部品の電極、前記第2部材が基板上の電極である請求項1~5のいずれか1項に記載の接合体。
[請求項7]
前記電子部品は、半導体チップである請求項6に記載の接合体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]