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1. (WO2017002854) CAPTEUR DE GAZ ET SON PROCÉDÉ DE FABRICATION
Document

明 細 書

発明の名称 ガスセンサ及びその使用方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

非特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063  

産業上の利用可能性

0064  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3A   3B   4   5A   5B   5C   5D   5E   5F   6A   6B   6C   6D   7   8   9   10   11   12A   12B   13   14A   14B   15  

明 細 書

発明の名称 : ガスセンサ及びその使用方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ガスセンサ及びその使用方法に関する。

背景技術

[0002]
 ガスセンサは化学物質センサの一種であり、気体中に含まれる化学物質を検出する。ガスセンサは、例えば医療機器及び診断機器に使用される。人間がある特定の疾病に罹患した場合、呼気中に含まれる特定の化学物質の含有量が変化することが知られており、その変化量を検出することができれば、簡便かつ迅速な診断が可能となる。簡便かつ迅速な診断は、高齢化社会における健康維持及び医療費抑制に貢献し得る。例えば、胃癌に罹患すると、呼気中のアンモニア濃度が増加することが知られており、アンモニア濃度の経過観察が胃癌発症の判定に有効であり、その診断閾値は200ppb程度と考えられている。従って、胃癌の診断には、ppbレベルのアンモニアを検出できるガスセンサが有効である。
[0003]
 しかしながら、これまでのところ、アンモニアをppbレベルの高感度で検出できるようなガスセンサは開発されていない。他のガスについても検出感度の向上が望まれる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第3555739号公報
特許文献2 : 特開平9-159633号公報
特許文献3 : 特許第4866880号公報
特許文献4 : 特開2011-169634号公報
特許文献5 : 特開2013-108987号公報
特許文献6 : 特開2010-78604号公報
特許文献7 : 特開2012-247189号公報

非特許文献

[0005]
非特許文献1 : D. J. Kearney et al., Dig. Dis. Sci. 47, 2523 (2002)
非特許文献2 : I. Lundstrom et al., Appl. Phys. Lett., vol. 26, no. 2, pp. 55 (1975)
非特許文献3 : I. Lundstrom et al., Sensors and Actuators B, vol. 1, pp. 15(1990)
非特許文献4 : F. Schedin et al., Nature Mater. Vol. 6, pp. 652 (2007)
非特許文献5 : H. J. Yoon et al., Sensors and Actuators B, vol. 157, pp. 310 (2011)
非特許文献6 : M. Gautan et al., Materials Science and Engineering C, vol. 31, pp. 1405 (2011)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 本発明の目的は、アンモニア等のガスの検出感度を向上することができるガスセンサ及びその使用方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 ガスセンサの一態様には、半導体層と、前記半導体層上方に設けられ、少なくとも一部が気体に接するグラフェン膜と、前記半導体層と前記グラフェン膜との間のバリア膜と、が含まれる。グラフェン膜とは、1又は2以上のグラフェンの単位層からなる膜をいう。
[0008]
 ガスセンサの使用方法の一態様では、上記のガスセンサの前記グラフェン膜の仕事関数の変化量に相当する物理量を検出する。

発明の効果

[0009]
 上記のガスセンサ等によれば、適切なグラフェン膜、バリア膜及び半導体層が含まれるため、アンモニア等のガスを高感度で検出することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 第1の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[図2] アンモニア分子による被覆率とグラフェンの仕事関数の変化量との関係を示す図である。
[図3A] 第1の実施形態に係るガスセンサの使用方法を示す図である。
[図3B] グラフェン膜、絶縁膜及びp型層のバンド構造を示す図である。
[図4] フラットバンド電圧の変化とドレイン電流の変化との関係を示す図である。
[図5A] 第1の実施形態に係るガスセンサの製造方法を示す断面図である。
[図5B] 図5Aに引き続き、ガスセンサの製造方法を示す断面図である。
[図5C] 図5Bに引き続き、ガスセンサの製造方法を示す断面図である。
[図5D] 図5Cに引き続き、ガスセンサの製造方法を示す断面図である。
[図5E] 図5Dに引き続き、ガスセンサの製造方法を示す断面図である。
[図5F] 図5Eに引き続き、ガスセンサの製造方法を示す断面図である。
[図6A] グラフェン膜を絶縁膜上に設ける方法を示す断面図である。
[図6B] 図6Aに引き続き、グラフェン膜を絶縁膜上に設ける方法を示す断面図である。
[図6C] 図6Bに引き続き、グラフェン膜を絶縁膜上に設ける方法を示す断面図である。
[図6D] 図6Cに引き続き、グラフェン膜を絶縁膜上に設ける方法を示す断面図である。
[図7] 第1の実施形態に係るガスセンサにおけるドレイン電流のゲート電圧に対する依存性を示す図である。
[図8] 第1の実施形態及び参考例のアンモニアに対する感度を示す図である。
[図9] 第1の実施形態及び参考例の二酸化窒素に対する感度を示す図である。
[図10] 第2の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[図11] 第3の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[図12A] 第4の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[図12B] 第1の実施形態及び第4の実施形態の水素に対する感度を示す図である。
[図13] ナノ粒子の堆積に用いられる装置の例を示す図である。
[図14A] 第5の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[図14B] グラフェンナノメッシュの構造を示す図である。
[図15] 第5の実施形態の変形例を示す図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
[0012]
 (第1の実施形態)
 先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[0013]
 第1の実施形態に係るガスセンサ100には、図1に示すように、p型層101、p型層101上の絶縁膜104及び絶縁膜104上のグラフェン膜105が含まれる。ガスセンサ100には、p型層101の表面のn型層102及びn型層103が含まれる。n型層102及びn型層103は、平面視で絶縁膜104及びグラフェン膜105を挟む。ガスセンサ100には、グラフェン膜105上のゲート電極106、n型層102上のソース電極107及びn型層103上のドレイン電極108が含まれる。ガスセンサ100には、ゲート電極106、ソース電極107及びドレイン電極108を覆う保護膜109が含まれる。グラフェン膜105の一部は保護膜109から露出しており、気体に対して曝露されている。p型層101は半導体層の一例であり、絶縁膜104はバリア膜の一例である。
[0014]
 ここで、グラフェンの性質について説明する。グラフェンにアンモニア分子(NH )が吸着されると、このアンモニア分子がグラフェンに対してドナーとして働き、グラフェンはn型にドーピングされる。アンモニア分子を吸着したグラフェンの仕事関数は密度汎関数理論を用いた第一原理計算法により求めることができる。図2は、アンモニア分子による被覆率とアンモニア分子の吸着前後のグラフェンの仕事関数の変化量Δφ との関係を示す図である。被覆率とは、表面原子数に対する吸着分子数の割合(%)である。図2に示すように、被覆率が増加するにつれて、つまりは吸着分子数が増加するに従って、グラフェンの仕事関数は減少する。図2には、比較のために、銅(Cu)層の表面に、プラス1価の電荷に相当するアルカリ金属原子であるカリウム(K)が吸着された場合の仕事関数の変化量も示してある。この変化量は、参考文献(村田好正、八木克道、服部健雄、「固体表面と界面の物性」、培風館(1999)、81頁~83頁)を参照したものである。
[0015]
 図2に示すように、金属と比較してグラフェンの仕事関数の変化量は大きく、特に被覆率が低い場合は2倍以上である。これは次のように解釈できる。仕事関数の変化は、(1)吸着分子からの電荷移動による双極子の効果、及び(2)n型ドーピングによるフェルミ準位の上昇の効果、により引き起こされると考えられる。ドーピングされた電子濃度をρとすると、(2)によるフェルミ準位の上昇量ΔE はρ/D程度である。ここでDは物質の状態密度である。グラフェンの状態密度はフェルミ準位で0になるため、上昇量ΔE が比較的大きなものとなる。その一方で、銅等の金属の状態密度は一般にフェルミ準位で大きいため、上昇量ΔE は小さい。このような理由で、金属と比べて、グラフェンの仕事関数の変化量が大きくなると考えられる。
[0016]
 従って、第1の実施形態におけるグラフェン膜105にアンモニア分子が吸着されると、その量が僅かであってもグラフェン膜105の仕事関数が大きく変化する。このため、この変化の量を検出することで、グラフェン膜105に吸着されたアンモニア分子の量を高い精度で検出し、環境中のアンモニアの濃度を高い精度で特定することができる。
[0017]
 次に、ガスセンサ100を使用する方法について説明する。図3Aは、第1の実施形態に係るガスセンサの使用方法を示す図である。
[0018]
 図3Aに示すように、ガスセンサ100は、例えば、ソース電極107とドレイン電極108との間にこれらの間を流れる電流を検知する電流モニタリング装置111を接続して用いられる。ソース電極107は接地され、ゲート電極106にはバイアス電源112によりバイアス電圧V biasを印加する。電流モニタリング装置111に、例えば、各種の電源、増幅回路、サンプリング回路、アナログ-デジタル(AD)変換器、データ処理用コンピュータ等が含まれてもよい。
[0019]
 図3Bに、グラフェン膜105、絶縁膜104及びp型層101のバンド図を示す。グラフェン膜105の仕事関数φ とp型層101の仕事関数φ との間には、フラットバンド電圧V FBを用いて次の関係が成り立つ。
 V FB=φ -φ
[0020]
 グラフェン膜105が被検分子であるアンモニア分子113を吸着すると、アンモニア分子113はグラフェン膜105に対してドナーとして働き、グラフェン膜105はn型にドーピングされる。この結果、グラフェン膜105の仕事関数が変化し、フラットバンド電圧も変化する。グラフェン膜105の仕事関数の変化量をΔφ 、フラットバンド電圧の変化量をΔV FBとすると、次の関係が成り立つ。
 ΔV FB=Δφ
[0021]
 そして、フラットバンド電圧が変化すると、図4に示すように、同一のバイアス点V biasにおけるドレイン電流がI d1からI d2へとΔI だけ変化する。この変化量ΔI を電流モニタリング装置111で検出することにより、グラフェン膜105が吸着したアンモニア分子113の数を特定することができ、この数からアンモニアの濃度を特定することができる。変化量ΔI は物理量の一例である。
[0022]
 変化量ΔI は相互コンダクタンスに依存するため、例えばバイアス電圧V biasとしてサブスレショルド領域の電圧を用いることにより、ドレイン電流は指数関数的に変化する。従って、グラフェン膜105の仕事関数の変化量が僅かであっても、ドレイン電流の変化量ΔI を大きなものとすることができる。例えば、仕事関数の変化量が60mVの場合に一桁の変化量、すなわちΔI /I d1として1000%を得ることができる。また、例えばバイアス電圧V biasとしてオン領域の電圧を用いた場合には、ドレイン電流の絶対的変化はその電界効果トランジスタの最大電流付近に設定することができる。このような本実施形態によれば、ppbレベルのアンモニアを簡易に検出することができる。
[0023]
 なお、グラフェン膜105がアンモニア分子113を吸着すると、その量に応じてグラフェン膜105の電気伝導度が変化するため、これを検出することでアンモニアの濃度を特定することも不可能ではない。しかしながら、電気伝導度の変化は、仕事関数の変化に比べて極めて小さいため、高い感度でアンモニアの濃度を検出することはできない。
[0024]
 グラフェン膜105に含まれるグラフェンの単位層の数は限定されないが、作製プロセスの容易さ及びグラフェン膜105自体の(寄生)抵抗を勘案し、1層~100層であることが好ましく、1層であることが特に好ましい。また、より高い感度を得るために、グラフェン膜105の気体に接する部分の面積が保護膜又は電極等により覆われた部分の面積と比較して大きければ大きいほど好ましい。
[0025]
 次に、第1の実施形態に係るガスセンサの製造方法について説明する。図5A乃至図5Fは、第1の実施形態に係るガスセンサの製造方法を工程順に示す断面図である。
[0026]
 先ず、図5Aに示すように、p型層101の表面にn型層102及びn型層103を形成する。例えば、p型層101はシリコン基板の表面へのp型不純物のイオン注入により形成することができ、n型層102及びn型層103はp型層101の表面へのn型不純物のイオン注入により形成することができる。次いで、p型層101、n型層102及びn型層103上に絶縁膜104を形成する。絶縁膜104は、例えばp型層101、n型層102及びn型層103の表面の熱酸化により形成することができる。
[0027]
 その後、図5Bに示すように、絶縁膜104上にグラフェン膜105を設ける。グラフェン膜105は、例えば後述の成長基板上への成長及び転写により形成することができる。
[0028]
 続いて、図5Cに示すように、グラフェン膜105をパターニングする。グラフェン膜105は、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によりパターニングすることできる。エッチング技術としては、例えば酸素プラズマを用いたリアクティブイオンエッチング(reactive ion etching:RIE)が挙げられる。
[0029]
 次いで、図5Dに示すように、絶縁膜104をパターニングしてn型層102の少なくとも一部及びn型層103の少なくとも一部を露出させる。絶縁膜104は、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によりパターニングすることできる。
[0030]
 その後、図5Eに示すように、グラフェン膜105上にゲート電極106を、n型層102上にソース電極107を、n型層103上にドレイン電極108を形成する。ゲート電極106、ソース電極107及びドレイン電極108の形成では、例えば、これらを形成する予定の領域を露出するマスクを形成し、真空蒸着法により金属膜を形成し、マスクをその上の金属膜と共に除去する。すなわち、ゲート電極106、ソース電極107及びドレイン電極108はリフトオフ法により形成することができる。金属膜の形成では、例えば、厚さが5nmのTi膜を形成し、その上に厚さが200nmのAu膜を形成する。
[0031]
 続いて、図5Fに示すように、ゲート電極106、ソース電極107及びドレイン電極108を覆い、グラフェン膜105の少なくとも一部を露出する保護膜109を形成する。
[0032]
 このようにして第1の実施形態に係るガスセンサを製造することができる。
[0033]
 ここで、グラフェン膜105を絶縁膜104上に設ける方法について説明する。図6A乃至図6Dはグラフェン膜105を絶縁膜104上に設ける方法を工程順に示す断面図である。
[0034]
 先ず、図6Aに示すように、触媒作用を有する成長基板121上にグラフェン膜105を成長させる。成長基板121としては、例えばCu基板を用いることができる。グラフェン膜105は、例えば、化学気相成長(chemical vapor deposition:CVD)合成炉を用いて成長させることができる。このとき、例えば、成長基板121の温度を1000℃とし、原料ガスとしてH 及びCH の混合ガスを用い、H の流量をCH の流量の500倍とし、全圧を760Torrとする。
[0035]
 次いで、図6Bに示すように、グラフェン膜105上に支持体122を形成する。支持体122としては、例えばポリメタクリル酸メチル(polymethyl methacrylate:PMMA)膜を用いることができる。
[0036]
 その後、図6Cに示すように、成長基板121を除去する。成長基板121は、例えば塩化鉄溶液にて溶解することができる。
[0037]
 続いて、図6Dに示すように、グラフェン膜105を絶縁膜104上に配置する。そして、有機溶剤を用いて支持体122を除去する。
[0038]
 このようにして、転写によりグラフェン膜105を絶縁膜104上に設けることができる。
[0039]
 ここで、本発明者らが第1の実施形態について行った実験について説明する。本発明者らは、第1の実施形態に係るガスセンサを製造し、そのドレイン電流のゲート電圧に対する依存性を測定した。この結果を図7に示す。このガスセンサのチャネル長は約5μmとし、ゲート酸化膜の厚さは約14nmとし、ドレイン電圧は1Vとした。このガスセンサに含まれるトランジスタはエンハンスト型である。
[0040]
 次に、測定室内にガスセンサを置き、1ppmのアンモニアを導入し、ドレイン電流の変化を観察した。比較のために、グラフェンをチャネルに用いたガスセンサ(参考例)を用いた同様の観察も行った。これらの結果を図8に示す。図8の横軸は経過時間、縦軸は測定開始時のドレイン電流Id に対するドレイン電流Idの割合(Id/Id )を示す。この観察では、ゲート電圧は800mV、ドレイン電圧は1Vとした。図8に示すように、参考例におけるドレイン電流の変化の割合は1%程度であるのに対し、第1の実施形態に係るガスセンサでは数10%もの変化の割合が得られた。このことは、第1の実施形態に係るガスセンサがアンモニアに対して参考例よりも著しく高い感度を示すことを意味する。
[0041]
 更に、測定室内にガスセンサを置き、1ppmの二酸化窒素を導入し、上記と同様にドレイン電流の変化を観察した。比較のために、グラフェンをチャネルに用いたガスセンサ(参考例)を用いた同様の観察も行った。これらの結果を図9に示す。図9に示すように、第1の実施形態に係るガスセンサでは参考例よりも遥かに大きなドレイン電流の変化の割合を示した。このことは、第1の実施形態に係るガスセンサが二酸化窒素に対しても参考例よりも著しく高い感度を示すことを意味する。
[0042]
 (第2の実施形態)
 次に、第2の実施形態について説明する。図10は、第2の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[0043]
 第2の実施形態に係るガスセンサ200には、図10に示すように、第1の実施形態と同様に、p型層101、n型層102、n型層103、絶縁膜104、ソース電極107及びドレイン電極108が含まれる。ガスセンサ200には、絶縁膜104上のゲート電極206、絶縁膜104等を覆う層間絶縁膜221、並びに層間絶縁膜221内に設けられてゲート電極206に接する導電層222が更に含まれる。ガスセンサ200には、層間絶縁膜221及び導電層222の上面を覆い、導電層222と接するグラフェン膜205が含まれる。グラフェン膜205は層間絶縁膜221内の導電層222を介して絶縁膜104に電気的に接している。ゲート電極206の材料として、多結晶Si及び金属が例示される。導電層222は、例えば金属ビア等の導電ビアである。
[0044]
 第2の実施形態におけるグラフェン膜205にアンモニア分子が吸着されると、その量が僅かであってもグラフェン膜205の仕事関数が大きく変化する。グラフェン膜205が導電層222に接し、導電層222がゲート電極206に接しているため、グラフェン膜205の仕事関数の変化はゲート電極206に伝達される。従って、第1の実施形態と同様にして、グラフェン膜205の仕事関数の変化量に対応するドレイン電流の変化量ΔI を測定することができる。更に、第2の実施形態におけるグラフェン膜205の気体と接する部分の面積は、第1の実施形態におけるグラフェン膜105の気体と接する部分の面積よりも大きい。従って、第2の実施形態によれば、より高い感度でアンモニアの濃度を測定することができる。
[0045]
 (第3の実施形態)
 次に、第3の実施形態について説明する。図11は、第3の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[0046]
 第3の実施形態に係るガスセンサ300には、図11に示すように、第1の実施形態と同様に、p型層101、n型層102、絶縁膜104及びグラフェン膜105が含まれる。ガスセンサ300には、ゲート電極106と同様の電極306並びにソース電極107と同様の電極307が更に含まれる。
[0047]
 第3の実施形態では、アンモニア分子の吸着に伴うグラフェン膜105の仕事関数の変化量、つまりはフラットバンド電圧の変化量が、電極306と電極307との間の電気容量の変化量ΔCとして現れる。従って、この変化量ΔCを測定することにより、アンモニアの濃度を特定することができる。このような第3の実施形態によれば、第1の実施形態に対して小型化及びこれに伴う低コスト化が可能である。また、ドレイン電流を流さずに測定することが可能であるため、省電力化も可能である。変化量ΔCは物理量の一例である。
[0048]
 (第4の実施形態)
 次に、第4の実施形態について説明する。図12Aは、第4の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[0049]
 第4の実施形態に係るガスセンサ400には、図12Aに示すように、グラフェン膜105上のグラフェンの仕事関数を変化させるナノ粒子411が含まれる。他の構成は第1の実施形態と同様である。例えば、ナノ粒子411の粒径は1nm~100nm程度であり、ナノ粒子411によるグラフェン膜105の被覆率は5%~100%程度であるが、これらに限定されない。ナノ粒子411の材料としては、例えば、金、銀、銅、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、オスニウム、イリジウム及びプラチナ等の金属が例示される。ナノ粒子411の材料として、これら金属の酸化物が用いられてもよい。ナノ粒子411の材料として、シリコン、ゲルマニウム、酸化亜鉛及び酸化すず等の半導体が用いられてもよい。材料が相違する複数種のナノ粒子411がグラフェン膜105上に混在していてもよい。
[0050]
 第4の実施形態では、ナノ粒子411によりグラフェンの仕事関数が変化するため、感度が第1の実施形態とは相違し、アンモニア及び二酸化窒素以外のガスについても高い感度を示し得る。また、ナノ粒子411の材料によっては、ナノ粒子411自体がガスと反応してナノ粒子411の状態が変化し、これによって感度が変化することもある。
[0051]
 例えば、パラジウムナノ粒子は水素を吸収し、パラジウムのグラフェンとの界面における仕事関数が変化し、その結果グラフェンの仕事関数も変化する。このため、トランジスタの閾値電圧が変化してチャネルのドレイン電流が変化する。また、ニッケル、コバルト又は鉄のナノ粒子は、メタン及びアセチレン等の炭化水素系のガスを吸着するため、ナノ粒子411がニッケル、コバルト又は鉄を含む場合、ガスセンサ400は炭化水素系ガスのセンサとして機能し得る。
[0052]
 図12Bに、Pdのナノ粒子411が用いられたガスセンサ400の応答例を示す。このガスセンサ400に含まれるトランジスタはnチャネルトランジスタであり、水素が吸着することにより閾値電圧が負側に変化し、ゲート電圧が同一であればドレイン電流が増加する。このため、Pdのナノ粒子411が用いられたガスセンサ400によれば、図12Bに示すように、水素に対して第1の実施形態よりも高い感度を示す。
[0053]
 ここで、ナノ粒子411を堆積する方法の一例について説明する。図13は、ナノ粒子411の堆積に用いられる装置の例を示す図である。この装置を用いた方法では、低圧Heガス中でのレーザアブレーションによりナノ粒子を発生する。具体的には、1slpm(スタンダードリッター毎分)~2slpmのHeガスを生成室61に導入し、生成室61の圧力を約1kPaに調整する。そして、生成室61に設置した金属ターゲット62、例えばCoターゲットをパルスレーザー63で照射する。ここで、パルスレーザー63としては、例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザーの2倍波(532nm)のものを用い、パワーは2W、パルスの繰り返し周波数は20Hzとする。レーザーの照射により金属ターゲット62から金属蒸気が生成され、この金属蒸気がHeガスで急冷されると、粒径が1nm~100nm程度の粒子が形成される。粒径が1nm~100nm程度の粒子はナノ粒子とよばれる。そして、粒子はHeガスにより微粒子サイズ選別部(インパクタ)64に送られる。
[0054]
 インパクタ64は粒子の慣性により、あるサイズ以上の粒子を除去する装置である。ナノ粒子は一般的に凝集などにより時間と共に成長するため、ナノ粒子のサイズには下限が存在する。従って、インパクタ64によってあるサイズ以上のナノ粒子を除去すれば、インパクタ64を通過するナノ粒子のサイズが制御される。ここでは、例えば、インパクタ64を通過するナノ粒子の直径が約5nmとなるような条件でインパクタ64を使用することとする。インパクタ64によりサイズ選別されたナノ粒子は、その後、ポンプ65及び66を用いた差動排気により、ポンプ67が繋がれた10 -3Pa程度の圧力の堆積室70に導かれる。堆積室70に導かれる過程でナノ粒子はビーム状になり、ステージ68に置かれた基板69にほぼ垂直に衝突して堆積される。この方法では、ナノ粒子411は最密充填に配列せずにランダムな配置をとる。この方法によれば、極めてサイズが揃い、かつ高結晶性で表面が清浄なナノ粒子411を堆積することが可能である。この堆積の際、リソグラフィを用いてチャネル部だけを開口し、チャネル部だけにナノ粒子を堆積しても構わない。このような方法は、例えば文献「非特許文献A-2: Sato et al., Sensors and Materials, 21, 373 (2009)」及び文献「Sato et al., Chem. Phys. Lett. 382, 361 (2003)」に記載されている。
[0055]
 (第5の実施形態)
 次に、第5の実施形態について説明する。図14Aは、第5の実施形態に係るガスセンサの構造を示す断面図である。
[0056]
 第5の実施形態に係るガスセンサ500には、図14Aに示すように、グラフェン膜105に代えてグラフェンナノメッシュ512が含まれる。他の構成は第1の実施形態と同様である。グラフェンナノメッシュ512は、図14Bに示すように、例えばグラフェン膜105に複数の孔514が形成されて構成されている。孔514のサイズ及びスペースは、例えば1nm~50nm程度である。孔514の形成によりグラフェン膜105の電子状態が変化し、グラフェン膜105へのガス分子の吸着の仕方及び吸着に伴う仕事関数の変化が相違する。このため、感度が第1の実施形態とは相違し、アンモニア及び二酸化窒素以外のガスについても高い感度を示し得る。
[0057]
 孔514のエッジが、H、F、NH 、CH 、Cl、Br、OH、COOH等の特定の原子又は分子で化学修飾されていてもよい。化学修飾によりガスセンサ500の反応性又は感度を調節することができる。
[0058]
 図15に示すように、孔514の一部又は全部内にナノ粒子411が入り込んでいてもよい。この場合もガスセンサ500の反応性又は感度を調節することができる。この構造は、例えば、第4の実施形態のようにレーザアブレーションによりナノ粒子411を堆積した後に、加熱によりナノ粒子411にグラフェン膜105の炭素を吸収させることで得られる。なお、グラフェン膜105の炭素を吸収したナノ粒子411を、希塩酸又は塩化鉄水溶液等の酸性溶液を用いて除去すると、グラフェンナノメッシュ512が得られる。
[0059]
 半導体層の材料として、IV族半導体、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体、酸化物半導体、有機物半導体、金属カルコゲナイド系半導体、層状物質半導体、半導体カーボンナノチューブ及びグラフェンナノリボンが例示される。IV族半導体として、単結晶Si及び多結晶Siが例示される。III-V族化合物半導体として、GaAs等の砒化物半導体及びGaN等の窒化物半導体が例示される。II-VI族化合物半導体として、CdTeが例示される。酸化物半導体として、ZnOが例示される。有機物半導体として、ペンタセンが例示される。金属カルコゲナイド系半導体として、MoS が例示される。層状物質半導体として、黒リンが例示される。
[0060]
 絶縁膜104の材料として、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、ゲルマニウム酸化物、高誘電率絶縁物及び層状絶縁物が例示される。高誘電率絶縁物として、アルミニウム、チタン、タンタル若しくはハフニウム又はこれらの任意の組み合わせを含む絶縁物、例えばアルミニウム酸化物及びハフニウム酸化物が例示される。層状絶縁物として、六方晶窒化ホウ素(BN)及び窒化ホウ素とグラファイトとの混晶である六方晶炭窒化ホウ素(BCN)が例示される。
[0061]
 バリア膜は絶縁膜に限定されない。例えば、半導体層に化合物半導体が用いられる場合、バリア膜として、半導体層の化合物半導体よりもバンドギャップが広いIII-V族化合物半導体又はII-VI族化合物半導体を用いることができる。例えば、半導体層及びバリア膜の材料の組み合わせとして、GaAs及びAlGaAsの組み合わせ、InGaAs及びInAlAsの組み合わせ並びにGaN及びAlGaNの組み合わせが例示される。
[0062]
 保護膜109は、用途や環境に応じて省略してもよい。検知対象のガス(被検ガス)の種類はアンモニアに限定されない。例えば、これらの実施形態により、水素(H )、酸素(O )、一酸化炭素(CO)、水(H O)、エタノール、メタノール、二酸化窒素(NO )の濃度を測定することも可能である。これら実施形態における半導体層の導電型が反対であってもよい。すなわち、p型層101に代えてn型層が、n型層102に代えてp型層が、n型層103に代えてp型層が用いられてもよい。
[0063]
 以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

産業上の利用可能性

[0064]
 上記のガスセンサ等によれば、適切なグラフェン膜、バリア膜及び半導体層が含まれるため、アンモニア等のガスを高感度で検出することができる。

請求の範囲

[請求項1]
 半導体層と、
 前記半導体層上方に設けられ、少なくとも一部が気体に接するグラフェン膜と、
 前記半導体層と前記グラフェン膜との間のバリア膜と、
 を有することを特徴とするガスセンサ。
[請求項2]
 前記半導体層の表面に前記バリア膜の下方の部分を間に挟むようにして設けられた2個の電極を有することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
[請求項3]
 前記バリア膜を覆う層間絶縁膜を有し、
 前記グラフェン膜が前記層間絶縁膜上に設けられ、
 前記グラフェン膜が前記層間絶縁膜内の導電層を介して前記バリア膜に電気的に接していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
[請求項4]
 前記グラフェン膜が前記バリア膜に直接接していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
[請求項5]
 前記グラフェン膜に接する第1の電極と、
 前記半導体層に接する第2の電極と、
 を有することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
[請求項6]
 前記グラフェン膜上のナノ粒子を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
[請求項7]
 前記グラフェン膜に複数の孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のガスセンサ。
[請求項8]
 前記孔のエッジが化学修飾されていることを特徴とする請求項7に記載のガスセンサ。
[請求項9]
 前記半導体層の材料は、IV族半導体、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体、酸化物半導体、有機物半導体、金属カルコゲナイド系半導体、層状物質半導体、半導体カーボンナノチューブ又はグラフェンナノリボンであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のガスセンサ。
[請求項10]
 前記バリア膜の材料は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、ゲルマニウム酸化物、高誘電率絶縁物又は層状絶縁物であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のガスセンサ。
[請求項11]
 前記半導体層の材料が第1の化合物半導体であり、
 前記バリア膜の材料が第2の化合物半導体であり、
 前記第2の化合物半導体のバンドギャップが前記第1の化合物半導体のバンドギャップよりも広いことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のガスセンサ。
[請求項12]
 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のガスセンサの前記グラフェン膜の仕事関数の変化量に相当する物理量を検出する工程を有することを特徴とするガスセンサの使用方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]

[ 図 5D]

[ 図 5E]

[ 図 5F]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 6C]

[ 図 6D]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12A]

[ 図 12B]

[ 図 13]

[ 図 14A]

[ 図 14B]

[ 図 15]