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1. (WO2017002826) DISPOSITIF DE TRAITEMENT DE L'INSUFFISANCE CARDIAQUE CONGESTIVE
Document

明 細 書

発明の名称 心不全治療装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008  

課題を解決するための手段

0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067  

実施例

0068   0069   0070   0071   0072  

産業上の利用可能性

0073  

符号の説明

0074  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 心不全治療装置

技術分野

[0001]
 本発明は、心不全(CHF:congestive heart failure)患者の、マスク式人工呼吸器を用いた陽圧療法に用いられる装置に関する。

背景技術

[0002]
 マスク式人工呼吸器を用いた陽圧療法が、心不全(CHF)患者の症状を改善する治療法として注目されている。この治療法は、非侵襲的陽圧換気(NPPV:noninvasive positive pressure ventilation)装置などの陽圧療法装置で、陽圧に昇圧した空気または空気と他の気体の混合気体を、患者の鼻や口に装着したマスクから気道に送り込み、自発呼吸の全過程を通して肺に陽圧をかけることにより、心不全の症状を改善する治療法である。
[0003]
 図9は心不全患者の睡眠中の経皮的酸素飽和度(SpO2)と脈拍数の時間変化を示した一例である。健常者は睡眠中のSpO2と脈拍数は、ほぼ一定に保たれるが、心不全患者では、図9に示すように臥位をとることによって、SpO2が長時間に渡って低下し続けることがある。心不全の重症度によっては、代償機構が働いて脈拍数が上昇する場合もある。SpO2が低下する原因の一つは、心不全患者が臥位をとることによる静脈還流量(前負荷)の増加と、それに起因する肺うっ血による肺でのガス交換の低下と考えられており、SpO2の低下が長時間続くと発作性夜間呼吸困難や起座呼吸を呈するなどの症状が現れる。
 なお、脈拍数は心拍数を反映すると言われているため、生理学的には心拍数の変化に関する説明を、本明細書においてはパルスオキシメータなどで簡便に測定可能な脈拍数を用いて説明する。
[0004]
 心不全患者の陽圧療法では、循環不全による肺うっ血を改善するために、陽圧療法装置によって患者の肺に呼気終末陽圧(PEEP:positive end expiratory pressure)をかける。陽圧療法装置によりPEEPをかけて肺を膨らませると、胸腔内の圧が上昇して前負荷が低下するため、循環不全による肺うっ血を軽減することができる。PEEPをかける陽圧療法装置は、特許文献1、2に開示されている。
[0005]
 陽圧療法装置によって心不全患者の肺にPEEPをかける際、医師などの医療従事者は、自らの経験に基づいて心不全患者のその日の状態に応じてPEEPを決めている。しかし、PEEPの最適な範囲は、日々の体調など患者の状態によって変わるため、心不全患者の状態に対応してきめ細かにPEEPを調整することは難しい。
[0006]
 また、心不全患者が在宅または外出先で陽圧療法装置を使用する場合は、次の診察までPEEPを変えることなく使用するのが一般的である。このため、心不全患者の日々の前負荷の状態に応じて調整されたPEEPが、陽圧療法装置によって加えられていないという課題があった。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特表2007-525267号
特許文献2 : 特表2007-531592号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、心不全患者の日々の前負荷の状態に応じて調整された最適な範囲内の陽圧を付加する心不全治療装置を提供することを目的とする。
 さらに、かかる最適な範囲内の陽圧値を演算する陽圧値演算装置を提供することも本発明の目的である。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明は、心不全患者のための陽圧療法装置であって、空気または空気と他の気体との混合気体を陽圧に昇圧する昇圧部と、陽圧にされた空気または混合気体を患者の気道内へ導入する導入部と、患者の血中酸素濃度を測定する血中酸素濃度測定部または血流量を測定する血流量測定部の少なくとも一方と、制御部と、を備え、制御部は、測定された血中酸素濃度の値または血流量の値に基づいて、前記昇圧部を制御することを特徴とする陽圧療法装置である。
 以下、本発明の陽圧療法装置を「心不全治療装置」とも表記する。
 なお、本発明の心不全治療装置を構成する、昇圧部および導入部、血中酸素濃度測定部や血流量測定部などのセンサ類、および制御部の三者は、それらが物理的に連結されていることを要しない。かかるセンサ類と制御部との関係は、前者から後者に測定値情報が伝達されるように構成されていればよく、制御部は昇圧部を制御できればよい。すなわち、こうした情報伝達や制御は、有線または無線による電気信号の伝達によってなされる態様であってもよい。
 また、本発明は心不全患者のための陽圧療法に用いられる陽圧値演算装置であって、前記患者の血中酸素濃度の値、血流量の値、および心拍出量の値から選ばれるいずれかの値を入力値として取得する入力部、前記入力値に基づいて前記患者に付加すべき陽圧値を演算する陽圧値演算部、および演算結果たる陽圧値を出力する陽圧値出力部を備えた陽圧値演算装置である。
 かかる本発明の陽圧値演算装置は、例えば本発明の心不全治療装置における制御部の一部として用いることができる。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、心不全患者の日々の前負荷の状態に応じて調整された最適な範囲内の陽圧を付加する心不全治療装置を提供することができる。
 また、本発明によれば、かかる最適な範囲内の陽圧値が得られる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本発明の心不全治療装置の第1実施形態を示す図である。
[図2] 本発明の心不全治療装置によって供給される空気圧パターンを例示する図である。
[図3] フランク-スターリングの法則による前負荷と心拍出量の関係を示す図である。
[図4] 第1実施形態における制御部による制御方法の一例を示す図である。
[図5] 第1実施形態における制御部による制御方法の他の例を示す図である。
[図6] 本発明の心不全治療装置の第2実施形態を示す図である。
[図7] 第2実施形態における制御部による制御方法の一例を示す図である。
[図8] 第2実施形態における制御部による制御方法の他の例を示す図である。
[図9] 第1実施例である、心不全治療装置適用前の睡眠中の心不全患者のSpO2と脈拍数を示す図である。
[図10] 第1実施例である、心不全治療装置を適用した心不全患者のSpO2と脈拍数を示す図である。
[図11] 第2実施例である、心不全治療装置適用前の心不全患者のSpO2と脈拍数を示す図である。
[図12] 第2実施例である、心不全治療装置を適用した心不全患者のSpO2と脈拍数を示す図である。
[図13] 第2実施例である、心不全治療装置によるPEEPを最適化した心不全患者のSpO2と脈拍数を示す図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 本発明は、心不全患者のための陽圧療法装置であって、空気または空気と他の気体との混合気体を陽圧に昇圧する昇圧部と、陽圧にされた空気または混合気体を患者の気道内へ導入する導入部と、患者の血中酸素濃度を測定する血中酸素濃度測定部と、制御部と、を備え、制御部は、血中酸素濃度測定部により測定された血中酸素濃度の値に基づいて昇圧部を制御する心不全治療装置である。
[0013]
 本発明における制御部は、血中酸素濃度の値が一定値以下になると陽圧を上昇または下降させるように昇圧部を制御するものであってもよい。
 本発明における血中酸素濃度測定部はパルスオキシメータであってもよく、血中酸素濃度は経皮的酸素飽和度(SpO2)であってもよい。
[0014]
 本発明は、心不全患者のための陽圧療法装置であって、空気または空気と他の気体との混合気体を陽圧に昇圧する昇圧部と、陽圧にされた空気または混合気体を患者の気道内へ導入する導入部と、患者の血流量を測定する血流量測定部または患者の心拍出量を測定する心拍出量測定部と、制御部と、を備え、制御部は、血流量測定部により測定された血流量の値または心拍出量測定部により測定された心拍出量の値に基づいて、昇圧部を制御する心不全治療装置である。
[0015]
 本発明における制御部は、血流量の値または心拍出量の値が一定値以下になると陽圧を上昇または下降させるように昇圧部を制御するものであってもよい。
[0016]
 本発明における陽圧は、呼気終末陽圧(PEEP)であってもよい。
 本発明において、陽圧を上昇または下降させる幅は、予め任意に設定された値であってもよい。
 本発明は、患者の脈拍を測定する脈拍測定部をさらに備え、制御部は脈拍測定部により測定された脈拍数に基づいて昇圧部を制御するものであってもよい。
 本発明は、患者の呼吸を測定する呼吸測定部をさらに備え、制御部は呼吸測定部により測定された呼吸数に基づいて昇圧部を制御するものであってもよい。
[0017]
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付して説明する。
[0018]
 本発明の第1実施形態に係る心不全治療装置の構成を図1に示す。心不全治療装置は、本体部1と、パルスオキシメータ4と、マスク5と、マスク5に設けられ患者の呼吸を測定するセンサ8を備えており、本体部1は、昇圧部2と、制御部3と、入力部6と、出力部7とを有している。
[0019]
 パルスオキシメータ4は、患者の指などに取り付けられて血中酸素濃度として経皮的酸素飽和度(SpO2)を測定する血中酸素濃度測定部と、脈拍を測定する脈拍測定部として備えられている。センサ8は呼吸測定部であり、例えばマスク5内に配置されて、患者の呼気と吸気の流速、流量、圧力の少なくとも一つを検知し呼吸を測定する。制御部3はパルスオキシメータ4とセンサ8からの情報に基づいて昇圧部2を制御する。
[0020]
 昇圧部2は制御部3の指示により、空気または空気と他の気体との混合気体を陽圧に昇圧し、昇圧した空気または混合気体(以下、「陽圧空気」という場合もある。)を、チューブなどにより接続されたマスク5に供給する。マスク5は陽圧空気を患者の気道内へ導入する導入部として心不全患者の鼻および/または口に取り付けられ、心不全患者の肺に陽圧空気を送りPEEPをかける。
[0021]
 制御部3は、昇圧部2からマスク5に供給される陽圧空気の流量、圧力などの情報を、流量センサ、圧力センサなどによって取得し、所定の条件の陽圧空気がマスク5に供給されるように昇圧部2を制御する。第1実施形態の心不全治療装置では、制御部3は例えば図2(a)~(c)のようなモードの陽圧空気をマスク5に供給するように昇圧部2を制御する。
[0022]
 図2(a)のモードでは、自呼吸の全期間を通して一定の空気圧P1の陽圧空気が供給される。このモードで心不全患者に付加されるPEEPはP1である。図2(b)、(c)のモードは、心不全患者の呼吸に同期して、空気圧がP1とP2の間で周期的に変動する陽圧空気を供給する。制御部3はマスク5に設けたセンサ8から、心不全患者の呼気と吸気のタイミングの情報を取得し、呼気時にはP1、吸気時にはP2の空気圧となるように昇圧部2を制御する。図2(b)、(c)のモードで心不全患者に付加されるPEEPはP1である。
[0023]
 制御部3は、パルスオキシメータ4により測定されたSpO2、脈拍数、およびセンサ8により測定された呼吸数の値に基づいて、図2(a)~(c)のモードにおけるP1を調整し、心不全患者に最適な範囲内のPEEPが付加されるように昇圧部2を制御する。
 なお、制御部3は、SpO2、脈拍数および呼吸数の全ての値に基づいてPEEPを最適範囲内に制御する構成ばかりではなく、これらの情報の内のいくつかを用いて制御を行うよう構成されていてもよい。
[0024]
 心不全治療装置の各種設定は入力部6によって行われ、心不全治療装置の設定状況、稼動状況などの情報は出力部7によって表示または出力される。出力部7には、患者の生体情報(例えば、SpO2、脈拍数、呼吸数のうちの一つ以上)を出力することもできる。
[0025]
 次に、制御部3が心不全患者の状態に応じて調整された、最適な範囲内のPEEPを付加する昇圧部2の制御について説明する。
[0026]
 図3は健常者と心不全患者について、前負荷が増加すると心拍出量がどのように変わるのか、フランク-スターリング(Frank-Starling)の法則に基づいて示したものである。健常者では前負荷の増加に伴い心臓の伸縮が大きくなって心拍出量が増加する。
[0027]
 しかし、心不全患者は心臓の伸縮能力が衰えているため、前負荷が一定の値(図3のB点)を超えると、心拍出量はそれ以上増加せず、減少する場合も多いことから、血液が肺に溜まって肺うっ血が生じる場合もある。例えば、前負荷は臥位をとることにより増加するが、上記の機序で肺うっ血が生じた心不全患者では、図9に示したように夜間睡眠中のSpO2の長時間に渡る低下、脈拍数の上昇、また呼吸数の増加などが生じることがある。
[0028]
 陽圧療法では、例えば図3で前負荷がA点にある心不全患者に対して、心不全治療装置でPEEPをかける。PEEPをかけて胸腔内の圧を上昇させれば、静脈還流量が減少して前負荷はA点からB点の方向に移動するので、心拍出量が増加して循環不全を改善できる。しかし、心不全患者の前負荷の状態は日々の体調によって異なるため、ある日に設定したPEEPで図3のB点に心拍出量を調節できたとしても、別の日には同じPEEPで曲線の頂上付近の心拍出量が得られないことがある。例えば、今回の治療開始前の前負荷が前回の治療開始前の前負荷よりも小さな場合には、前回の治療時に心拍出量を曲線の頂上部B点に調節できたPEEP値で治療を行うと、B点を越えてさらに左側に心拍出量を調節することになる。
[0029]
 以上に説明したとおり、いったん心不全治療装置のPEEPを最適範囲に調節しても、日々の心不全患者の前負荷の状態に応じてPEEPを再調節しなければ、最適な心拍出量が得られず、肺うっ血や、それによる図9に示したようなSpO2の低下が起こることがある。そこで、本発明の第1実施形態では、制御部3がパルスオキシメータ4によって心不全患者のSpO2を監視して、SpO2が設定値K(例えば90%)を下回る状態が一定期間続いた場合に、制御部3は加えられているPEEPが患者の現在の状態に対して適切ではないと判断し、昇圧部2にPEEPすなわちP1を変えるように指示する。
[0030]
 心不全治療装置の制御部3が、測定したSpO2に基づいてPEEPを調整することにより、心不全患者は日々の前負荷の状態に応じた最適な範囲内のPEEPを付加される。基準となるSpO2の設定値および設定値を下回った状態の継続期間は、予め制御部3に入力されており、適宜変更することも可能である。
[0031]
 心不全治療装置の制御部3による、制御方法の一例について図4に基づいて説明する。
[0032]
 陽圧療法を受ける心不全患者は、心不全治療装置をPEEP自動調整モードに設定する。制御部3は図2の(a)~(c)に示すいずれか選択されたモードで、マスク5に陽圧空気を供給するように昇圧部2を制御する。心不全治療装置により陽圧空気が肺に供給され、心不全患者には呼吸末端においてP1のPEEPが加えられる。また、制御部3はパルスオキシメータ4から心不全患者のSpO2と脈拍数の情報を取得し、センサ8から呼吸数の情報を取得する。
[0033]
 自動調整モードを開始したら、制御部3はまずP1をPEEPの初期値に設定する(ステップS1)。PEEPの初期値は、心不全患者の前負荷の状態が日々変化することや、必要以上に高いPEEPが図3に示す心拍出量などを低下させるリスクがあることを考慮して、当該心不全患者の前負荷の軽減が期待できる範囲内の最低値にセットする。なお、自動調整モードスタート時のPEEPの初期値は、最後に行った治療終了時に心不全治療装置が記憶した値としてもよい。しかし、今回の治療開始前の前負荷が前回の治療時より小さな場合には、必要以上に高いPEEPを付加することになる。このようなリスクを避けるために、心不全治療装置が記憶した最後の調節値から所定値を差し引いた値としてもよい。
 次に制御部3はPEEPの調整を継続するか判断を行い(ステップS2)、調整を継続すると判断すると、ステップS3に進みSpO2の値を監視する。ステップS2での判断の詳細は後述する。
[0034]
 制御部3は、SpO2の値が予め設定したK以下に低下した状態が一定期間続いていることを検知すると(ステップS3)、心不全患者に加えられているPEEPが、現在の前負荷の状態に対して適切ではないと判断し、昇圧部2にPEEP値P1を1段階上げるように指示する(ステップS4)。ここで、1段階の圧力差は予め任意に設定された値であるが、例えば9.8Pa~49Pa(0.1~0.5cmH O)の範囲とすることが好ましい。また、かかる段階は複数あってもよく、その場合における各段階の圧力差は、同一であっても異なったものであってもよい。
 なお、SpO2は心不全以外の疾患の影響、例えば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群では気道の閉塞と開放の繰り返しに伴って短期的に減少と上昇を繰り返すことが知られている。それらによる誤判定を避けるために、短期的、好ましくは数分間のSpO2の平均値を、長期的、好ましくは数十分間のSpO2平均値と比較しても良い。
[0035]
 昇圧部2によりPEEP値P1が1段階上げられた後、制御部3は予め設定された経過時間後のSpO2の値を測定し回復率を求める(ステップS5)。PEEP値の上昇によるSpO2の値の回復率が所定値以下となった場合は、図3のA点からB点の間のB点に近い位置、すなわち最適な範囲内のPEEPに調整されたと判断して、PEEP値P1をさらに変更することなくステップS3に戻りSpO2の値を監視する。
[0036]
 ステップS5でSpO2値の回復率が所定値以下ではない場合、ステップ2に戻り制御部3はPEEPの調整を継続するか判断を行う。例えば、ステップ2で制御部3はパルスオキシメータ4の脈拍数の情報と、センサ8の呼吸数の情報を調べる。脈拍数または呼吸数の少なくとも一方に一定幅以上の上昇がみられた場合、ステップS4でP1を1段階上げた結果として、心拍数が増えて心拍出量の低下を補ったり、呼吸数が増えて血中酸素濃度の低下を補ったりする代償機構が働いた可能性がある。このような場合は心不全患者の安全のために、制御部3はPEEPの調整による循環不全の解消を断念する。
 なお、行き過ぎたPEEPで心拍出量が低下した状態を含め、心不全患者の状態や合併症によっては代償機構も破綻して、脈拍数または呼吸数が一定幅以上の変動を示すことがあり得る。自動調整は脈拍数または呼吸数の少なくとも一方に一定幅以上の変動を認めた場合に中止としても良い。
[0037]
 ステップS2でPEEPの調整を断念した場合、制御部3は当該心不全患者において前負荷の軽減が期待できる範囲内の最低値である初期値にPEEPをリセットして、自動調整モードを解除する(ステップS6)。PEEPの調整による循環不全の解消を断念したことは出力部7に表示され、医師などによる診察を促す。
[0038]
 ステップS2で脈拍数および呼吸数に一定幅以上の上昇または低下が認められなかった場合は、図3に示す曲線のA点から頂上部B点に向かう途上にあると判断しステップS3に進み調整を継続する。
[0039]
 このように、心不全治療装置は制御部3がSpO2の値に基づいてPEEP値P1の調整を行うことにより、心不全患者のその日の前負荷の状態によって、最適なPEEPの範囲が変動しても、その範囲内に自動調整されたPEEPを付加することができる。
 なお、制御部3がPEEPの制御に用いる患者の生体情報であるSpO2、脈拍数、呼吸数は、全てあるいはいずれかについて、連続して測定された複数のデータを平均値処理して用いてもよい。これは以下に記載の他の実施態様や実施例でも同様である。
[0040]
 第1実施形態の心不全治療装置における他の制御方法の例について、図5に基づいて説明する。他の制御方法の例では、図3のC点側の状態にあることを判定した時には、PEEPを少しずつ下げてB点に近づける制御も加えている。
[0041]
 自動調整モードを開始したら、制御部3はまずP1を、当該心不全患者において前負荷の軽減が期待できる範囲内の最低値である初期値に設定する(ステップS11)。次に後述の自動調整モード緊急解除条件に該当せず、調整を継続すると判断すると(ステップS12)、ステップS13に進みSpO2の値を監視する。ステップS13では、SpO2の値が設定値Kより低い状態が一定期間続いていることを検知すると、PEEPが適切ではないと判断し、昇圧部2にPEEP値P1を1段階上げるように指示する(ステップS14)。
[0042]
 昇圧部2によりPEEP値P1が1段階上げられた後、制御部3は予め設定された時間経過後のSpO2の値を、ステップS14の直前での値と比較する(ステップS15)。ステップS14でPEEP値を1段階上げたことに伴い、SpO2の値が上昇している場合は、図3のA点側にあってB点に向かって制御できていると判断して(ステップS16)、ステップS12に戻る。制御部3はSpO2の値が設定値Kより低く、かつSpO2の値が上昇を続けている限り、P1を1段階上げるよう繰り返し昇圧部2に指示し、SpO2の値が設定値Kより大きくなったら、P1を維持したままSpO2の監視を続ける。
[0043]
 一方、ステップS15でP1を上げてもSpO2が上昇しなかった場合は、ステップS17に進み、後述の自動調整モード緊急解除条件に該当せず調整を継続するか否か判断する。調整を継続する場合はステップS18に進み、SpO2の値が未だ設定値Kより低い状態が一定期間続いている場合は、既に図3のB点近傍に達したけれど心拍出量が必要量を満たしていないか、B点を越えてC点側に向かっていると考えられるので、P1を1段階下げるように昇圧部2に指示する(ステップS19)。次ぎにSpO2の値をステップS19の直前での値と比較し(ステップS20)、SpO2の値が上昇した場合はC点側にあってB点に向かって制御できていると判断する(ステップS21)。そして、ステップS17に戻りSpO2の値が設定値Kより低く、かつSpO2の値が上昇を続けている間は、P1を1段階下げるよう昇圧部2に繰り返し指示する。SpO2の値が設定値Kより大きくなったら、P1を維持したままSpO2の監視を続ける。
[0044]
 ステップS20でSpO2の値が上昇しなかった場合は、図3のB点近傍に達したけれど心拍出量が必要量を満たしていないか、何らかの原因でB点に向かって心拍出量を増加させる有効な制御が出来ない状態にあるので、心不全患者の安全のために、制御部3はPEEPの調整による循環不全の解消を断念する(ステップS22)。
[0045]
 制御部3は図5の制御が行われている間をとおして、SpO2、脈拍数、呼吸数を監視する。さらに、制御部3には自動調整モード緊急解除条件として、SpO2、脈拍数、呼吸数が予め設定されており、調整モード開始前に比べて、SpO2の値が予め設定された値よりも低下したり、脈拍数または呼吸数の少なくとも一方が予め設定された値以上に変動したりした場合は、自動調整モード緊急解除条件に該当するとして安全のためPEEPの調整を緊急解除する。
[0046]
 前述のようにPEEPの調整を断念して自動調整モードを解除した場合または自動調整モードを緊急解除した場合、制御部3は、当該心不全患者において前負荷の軽減が期待できる範囲内の最低値である初期値にPEEPをリセットする。PEEPの調整による循環不全の解消を断念したことは出力部7に表示され、医師などによる診察を促す。
[0047]
 本発明の第2実施形態に係る心不全治療装置の構成を図6示す。第2実施形態の心不全治療装置は、図1に示す第1実施形態の心不全治療装置に血流量測定部として血流量計9を設けている。
 心不全患者では、心拍出量が減少すると指先などの組織血流量が減少する場合がある。前述したとおり、心拍出量の減少と前負荷の増加が肺うっ血を引き起こし、肺でのガス交換が低下するため、SpO2の長時間に渡る低下が生じると考えられており、血流量をパラメータとすることで、PEEPを精度よく制御できる場合がある。
 血流量計9は患者の指などに取り付け、皮膚表面から簡便かつ非侵襲的に測定できるレーザー血流量計が好ましいが、超音波血流量計、電磁血流量計などの非観血流量計を利用してもよい。呼吸測定部であるセンサ8は、例えばマスク5内に配置されて患者の呼気と吸気の流速、流量、圧力の少なくとも一つを検知し呼吸を測定してもよい。脈拍測定部である脈拍数センサ41は、胸部、指先、耳朶、手首などに装着する光電脈波センサ若しくは心電図センサまたはパルスオキシメータであってもよいが、血流量計9を脈拍測定部としても用い血流量と脈拍を測定する構成としてもよい。
[0048]
 制御部3はマスク5に供給される陽圧空気の流量、圧力などの情報を、センサ8によって取得し、所定の条件の陽圧空気がマスク5に供給されるように昇圧部2を制御する。制御部3は、例えば図2(a)~(c)のようなモードの陽圧空気をマスク5に供給するように昇圧部2を制御し、心不全患者にP1のPEEPを付加する。
[0049]
 第2実施形態の心不全治療装置は、制御部3が血流量計9により測定された血流量の値に基づいて昇圧部2を制御しPEEPを調整する。
[0050]
 制御部3による制御方法の一例を図7に示す。自動調整モードがスタートすると、制御部3はP1をPEEPの初期値に設定して(ステップS31)、図2の(a)~(c)に示すいずれか選択されたモードで、マスク5に陽圧空気を供給するように昇圧部2を制御する。PEEPの初期値は、心不全患者の前負荷の状態が日々変化することや、必要以上に高いPEEPが図3に示すとおり心拍出量などを低下させるリスクがあることを考慮して、心不全患者において前負荷の軽減が期待できる範囲内の最低値にセットする。
 なお、PEEPの初期値は、最後に行った治療終了時に心不全治療装置が記憶した値としてもよい。しかし、今回の治療開始前の前負荷が前回の治療時より小さな場合には、必要以上に高いPEEPを付加することになる。このようなリスクを避けるために、心不全治療装置が記憶している最後の調節値から所定値を差し引いた値としてもよい。
[0051]
 次に自動調整モード緊急解除条件に該当せず、調整を継続すると判断すると(ステップS32)、ステップS33に進む。制御部3は血流量計9から送られる血流量の値を、一定間隔で、例えば1秒毎に測定し監視する。そして、制御部3は血流量が設定値Lより低い状態が一定期間続いていることを検知すると(ステップS33)、心不全患者に加えられているPEEPが、現在の前負荷の状態に対して適切ではないと判断する。ここで、血流量の減少を判断する設定値Lおよび一定期間は、予め心不全治療装置に設定されている値であり適宜変更が可能である。
[0052]
 制御部3は血流量が減少した状態が一定期間続いていることから、PEEPが現在の患者の状態に対して適切ではないと判断すると、昇圧部2にPEEP値P1を1段階上げるように指示する(ステップS34)。
[0053]
 昇圧部2によりPEEP値P1が1段階上げられた後、制御部3は予め設定された経過時間後の血流量を測定し、血流量の回復率を求める(ステップS35)。PEEP値の上昇による血流量の回復率が所定値以下となった場合は、図3のA点からB点の間の、B点に近い位置すなわち最適な範囲内のPEEPに調整されたと判断して、PEEP値P1をさらに変更することなくステップS33に戻り、血流量の値を監視する。
[0054]
 ステップS35で血流量の回復率が所定値以下ではない場合、制御部3はPEEPの調整を継続するか判断を行う(ステップS32)。例えば、脈拍数および呼吸数の少なくとも一方に一定幅以上の変動がみられた場合、自動調整モード緊急解除条件に該当するとして、心不全患者の安全のために、制御部3はPEEPの調整による循環不全の解消を断念する。
[0055]
 ステップS32でPEEPの調整を断念した場合、制御部3は当該心不全患者において前負荷の軽減が期待できる範囲内の最低値である初期値にPEEPをリセットして、自動調整モードを解除する(ステップS36)。PEEPの調整による循環不全の解消を断念したことは出力部7に表示され、医師などによる診察を促す。
[0056]
 ステップS32で脈拍数または呼吸数に一定幅以上の変動が認められなかった場合は、図3に示す曲線のA点から頂上部B点に向かう途上にあると判断してステップS33に戻って、PEEP値P1をもう1段階上げてステップS34に進む。
[0057]
 このように、第2実施形態の心不全治療装置は、制御部3が血流量に基づいてPEEP値P1の調整を行うことにより、心不全患者のその日の前負荷の状態によって、最適なPEEPの範囲が変動しても、その範囲内に自動調整されたPEEPを付加することができる。
 なお、制御部3がPEEPの制御に用いる患者の生体情報である血流量、SpO2、脈拍数、呼吸数は、全てあるいはいずれかについて、連続して測定された複数のデータを平均値処理して用いてもよい。これは以下の他の実施態様や実施例でも同様である。
[0058]
 第2実施形態の心不全治療装置における他の制御方法の例について、図8に基づいて説明する。他の制御方法の例では、図3のC点側の状態にあることを判定した時にはPEEPを少しずつ下げてB点に近づける制御を加えている。
[0059]
 自動調整モードを開始したら、制御部3はまずP1を、当該心不全患者において前負荷の軽減が期待できる範囲内の最低値である初期値に設定する(ステップS41)。次にPEEP調整を継続するか判断を行う(ステップS42)。判断は例えば自動調整モード緊急解除条件に基づく。継続する場合はステップS43に進み、血流量の値が設定値Lより低い状態が一定期間続いていることを検知すると、付与しているPEEPが適切ではないと判断し、昇圧部2にPEEP値P1を1段階上げるように指示する(ステップS44)。
[0060]
 昇圧部2によりPEEP値P1が1段階上げられた後、制御部3は予め設定された時間経過後の血流量の値を、ステップS44直前の値と比較する(ステップ45)。血流量の値が上昇している場合は、図3のA点側にあってB点に向かって制御できていると判断し(ステップS46)、血流量の値が設定値Kより低く、かつ血流量の値が上昇を続けている限り、P1を繰り返し1段階上げるよう昇圧部2に指示し、血流量の値が設定値Kより大きくなったら、P1を維持したまま血流量の監視を続ける。
[0061]
 一方、ステップS45でP1を上げても血流量の値が上昇しない場合は、自動調圧モード緊急解除条件に該当しているか調べ調整を継続するか判断する(ステップS47)。調整を継続する場合はステップS48に進み、血流量の値が未だ設定値Lより低い状態が一定期間続いている場合は、既に図3のB点近傍に達したけれど心拍出量が必要量を満たしていないか、B点を越えてC点側に向かっていると考えられるので、P1を1段階下げるように昇圧部2に指示する(ステップS49)。
[0062]
 P1を1段階下げた結果、血流量の値が上昇したら、C点側にあってB点に向かって制御できていると判断する(ステップS51)。そして、ステップS47に戻り血流量の値が設定値Lより低く、かつ血流量の値が上昇を続けている限り、P1を1段階下げるよう昇圧部2に繰り返し指示する。血流量の値が設定値Lより大きくなったら、P1を維持したまま血流量の監視を続ける。
 ステップS50で血流量の値が上昇しなかった場合は、図3のB点付近に達したけれど心拍出量が必要量を満たしていないか、何らかの原因で、B点に向かって心拍出量を増加させる有効な制御が出来ない状態にあるので、心不全患者の安全のために、制御部3はPEEPの調整による循環不全の解消を断念する(ステップS52)。
[0063]
 制御部3は図8の制御が行われている間をとおして、血流量、SpO2、脈拍数、呼吸数を監視する。さらに、制御部3には自動調整モード緊急解除条件として、血流量、SpO2、脈拍数、呼吸数が予め設定されており、調整モード開始前に比べて、血流量、SpO2、脈拍数、呼吸数の何れかが予め設定された値以上に変動したりした場合は、自動調整モード緊急解除条件に該当するとして安全のためPEEPの調整を緊急解除する。
[0064]
 前述のようにPEEPの調整を断念して自動調整モードを解除した場合または自動調整モードを緊急解除した場合、制御部3は初期値にPEEPをリセットする。PEEPの調整による循環不全の解消を断念したことは出力部7に表示され、医師などによる診察を促す。
[0065]
 本発明の第2実施形態では、血流量から間接的に心拍出量の変化を求めるが、心拍出量を直接測定できる心拍出量測定部を設けることも可能である。制御部3が心拍出量測定部により測定された心拍出量の値に基づいて制御を行えば、より正確なPEEPの調整が可能である。心拍出量測定部としては、例えば熱希釈法による観血式血流計を用いることができる。
[0066]
 以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
 例えば、SpO2が所定の基準値(例えば90%)以上であっても、脈拍数、呼吸数の双方あるいはいずれかが一定の大きさ以上に変動をしたときには、PEEPを制御するよう構成することもできる。
[0067]
 また、心不全治療装置にPEEP値P1の上昇、下降を入力部6から手動で入力し、PEEPの上昇、下降に伴う心不全患者のSpO2または血流量の変化を出力部7に表示する機能を設けることも可能である。このような機能を設ければ、医師などの医療従事者は各自の経験に加え、心不全治療装置を操作してSpO2または血流量の変化を観察しながら最適な範囲内のPEEP値を求めることができる。
実施例
[0068]
〔実施例1〕
 図9、図10に、心不全患者の睡眠時に心不全治療装置を適用した効果の一例を示す。図9は心不全治療装置の適用なしの場合、図10は心不全治療装置を適用した場合である。横軸は測定時刻であり、例えば図9では23:00から05:30頃までの、心不全患者の睡眠中のSpO2と脈拍数の時間変化を示している。心不全治療装置を適用していない図9に比べて、心不全治療装置が適用され、最適な範囲内のPEEPを加えられた患者状態である図10では、SpO2はほぼ90%以上を維持できており、脈拍数も100以下に保たれていることがわかる。
[0069]
〔実施例2〕
 実施例1とは異なる高齢心不全患者であって、図11、図12、および図13各図で同一の患者について、心不全治療装置による治療例を説明する。図11~図13でグラフの横軸と平行な点線は、血中酸素飽和度が90%のラインを示している。なお、当患者は慢性心不全の他に、軽度の肺気腫および特発性肺動脈拡張症を有しており、夜間睡眠中の酸素療法が実施されている。
[0070]
 図11は、当該患者に対して0.5リッター/分の酸素投与を行い、心不全治療装置は装着していない状態である。21:00から22:00にかけて、また翌朝06:00から09:00にかけて、心不全によるものと推測されるSpO2のベースライン(平均値処理後の中央値)の低下が観察される。23:00頃、01:30頃、04:00過ぎの3ヶ所にみられる、一時的で振幅が大きく変動周期が短いSpO2の低下は、REM期筋弛緩時によく観察される呼吸努力の低下によるものと推測され、心不全によるSpO2低下とは異なると考えられる。
[0071]
 図12および図13は、酸素投与と心不全治療装置による治療とを併用しており、PEEPを最適な範囲内に調整することで、状態の改善がみられた実施例である。
 PEEPを初期値4.0cmH Oのまま供給した図12では、00:00時以降、夜間を通してSpO2のベースラインの低下がみられ、心不全治療装置の効果が十分得られているとはいえない。
[0072]
 図13は心不全治療装置のPEEPを調整して4.6cmH Oまで増加させた結果であり、心不全によるSpO2のベースラインの低下は終夜に渡ってほぼ消失し、脈拍数も80程度に抑えられ、治療効果が向上していることが分かる。なお、図13では図12に比べて酸素投与量を1リッター/分から2リッター/分へ増やしているが、陽圧空気の流れによる投与酸素の拡散を考慮すると、FiO2(吸入気体中の酸素濃度)の上昇に寄与する程の量ではなく、SpO2のベースラインの改善に対する酸素化効果は限定的であると考えられる。この陽圧空気の流れによる酸素の拡散の可能性は、図11と図12の比較からも推測される。すなち、図12においては酸素投与量が0.5リッター/分から1リッター/分に増量されているにも関わらず、心不全治療装置(陽圧換気装置)の併用により、むしろSpO2のベースラインが低下している。したがって、図13における治療効果は、心不全治療装置のPEEPを4.6cmH Oまで増加させたことによって得られたものであると考えられる。

産業上の利用可能性

[0073]
 本発明の心不全治療装置は、例えば医療機器製造業において利用される。

符号の説明

[0074]
1   本体部
2   昇圧部
3   制御部
4   パルスオキシメータ
5   マスク
6   入力部
7   出力部
8   センサ
9   血流量計

請求の範囲

[請求項1]
 心不全患者のための陽圧療法装置であって、
 空気または空気と他の気体との混合気体を陽圧に昇圧する昇圧部と、
 陽圧にされた前記空気または前記混合気体を患者の気道内へ導入する導入部と、
 前記患者の血中酸素濃度を測定する血中酸素濃度測定部と、
 制御部と、を備え、
 前記制御部は、前記血中酸素濃度測定部により測定された血中酸素濃度の値に基づいて、前記昇圧部を制御することを特徴とする陽圧療法装置。
[請求項2]
 前記制御部は、前記血中酸素濃度の値が一定値以下になると、前記陽圧を上昇または下降させるように前記昇圧部を制御する、請求項1に記載の陽圧療法装置。
[請求項3]
 前記血中酸素濃度測定部はパルスオキシメータであり、前記血中酸素濃度は経皮的酸素飽和度(SpO2)である、請求項1または2に記載の陽圧療法装置。
[請求項4]
 心不全患者のための陽圧療法装置であって、
 空気または空気と他の気体との混合気体を陽圧に昇圧する昇圧部と、
 陽圧にされた前記空気または前記混合気体を患者の気道内へ導入する導入部と、
 前記患者の血流量を測定する血流量測定部または前記患者の心拍出量を測定する心拍出量測定部と、
 制御部と、を備え、
 前記制御部は、前記血流量測定部により測定された血流量の値、または前記心拍出量測定部により測定された心拍出量の値に基づいて、前記昇圧部を制御することを特徴とする陽圧療法装置。
[請求項5]
 前記制御部は、前記血流量の値または心拍出量の値が一定値以下になると、前記陽圧を上昇または下降させるように前記昇圧部を制御する、請求項4に記載の陽圧療法装置。
[請求項6]
 前記陽圧が呼気終末陽圧(PEEP)である、請求項1から5のいずれか1項に記載の陽圧療法装置。
[請求項7]
 前記陽圧を上昇または下降させる幅が予め設定された値である、請求項2または5に記載の陽圧療法装置。
[請求項8]
 前記患者の脈拍を測定する脈拍測定部を備え、前記制御部は前記脈拍測定部により測定された脈拍数にも基づいて、前記昇圧部を制御する、請求項1から7のいずれか1項に記載の陽圧療法装置。
[請求項9]
 前記患者の呼吸を測定する呼吸測定部を備え、前記制御部は前記呼吸測定部により測定された呼吸数にも基づいて前記昇圧部を制御する、請求項1から8のいずれか1項に記載の陽圧療法装置。
[請求項10]
 心不全患者のための陽圧療法に用いられる陽圧値演算装置であって、
 前記患者の血中酸素濃度の値、血流量の値、および心拍出量の値から選ばれるいずれかの値を入力値として取得する入力部、前記入力値に基づいて前記患者に付加すべき陽圧値を演算する陽圧値演算部、および演算結果たる陽圧値を出力する陽圧値出力部を備えた陽圧値演算装置。
[請求項11]
 前記入力値が前記患者の血中酸素濃度の値である、請求項10に記載の陽圧値演算装置。
[請求項12]
 前記演算部は、前記血中酸素濃度の値が一定値以下になると、前記付加すべき陽圧値を上昇または下降させるように演算する、請求項11に記載の陽圧値演算装置。
[請求項13]
 前記血中酸素濃度が経皮的酸素飽和度(SpO2)である、請求項11または12に記載の陽圧値演算装置。
[請求項14]
 前記入力値が前記血流量の値または心拍出量の値である、請求項10に記載の陽圧値演算装置。
[請求項15]
 前記演算部は、前記血流量の値または心拍出量の値が一定値以下になると、前記付加すべき陽圧値を上昇または下降させるように演算する、請求項14に記載の陽圧値演算装置。
[請求項16]
 前記陽圧値が呼気終末陽圧(PEEP)である、請求項10から15のいずれか1項に記載の陽圧値演算装置。
[請求項17]
 前記陽圧値を上昇または下降させる幅が予め設定された値である、請求項12または15に記載の陽圧値演算装置。
[請求項18]
 前記患者の脈拍数入力部をさらに備え、前記陽圧値演算部はその値にも基づいて前記陽圧値を演算する、請求項10から17のいずれか1項に記載の陽圧値演算装置。
[請求項19]
 前記患者の呼吸数入力部をさらに備え、前記陽圧値演算部はその値にも基づいて前記陽圧値を演算する、請求項10から18のいずれか1項に記載の陽圧値演算装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]