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1. (WO2017002554) TEXTILE NON-TISSÉ ET ARTICLE ABSORBANT L'UTILISANT
Document

明 細 書

発明の名称 不織布及びそれを用いた吸収性物品

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

実施例

0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074  

符号の説明

0075  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2  *   3  *   4  *   5  *   6  *  

条約第19条(1)に基づく説明書

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 不織布及びそれを用いた吸収性物品

技術分野

[0001]
 本発明は、不織布、特に、表面に複数の凸部を備えた不織布、及びそれを用いた吸収性物品に関する。

背景技術

[0002]
 使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品は、通常、使用者の肌に直接接触して使用されており、中には、長時間に亘って着用されることもある。そのため、吸収性物品は、クッション性や柔軟性に優れ、良好な肌触りを有するものが求められている。
[0003]
 そのような吸収性物品として、例えば、特許文献1には、吸収性物品の表面シート等に用いる不織布として、第1面側に突出する第1突出部と第2面側に突出する第2突出部とが、面内の第1方向と第2方向との2つの方向に向け壁部を介して複数交互に広がり連続した不織布であって、前記壁部は環状構造を形成しており、前記第1突出部の繊維密度は第2突出部の繊維密度よりも低い不織布が開示されている。当該不織布によれば、液体の引き込み性が良く、柔らかなクッション性を有し押圧したときの戻りが良く、特に排泄物の補集性に優れるとされている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2012-136791号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、この特許文献1に開示された不織布は、前記壁部の繊維密度が相対的に低いため、当該不織布を吸収性物品の表面シートに用いた場合、着用者の体圧等の圧力によって前記突出部が潰れやすく、前記突出部による良好なクッション性を長時間に亘って十分に発揮することができないおそれがあった。さらに、特許文献1に開示された不織布は、前記突出部の頂部の繊維密度が相対的に高い上、当該突出部の頂部が丸みを帯びていて肌面に対して点接触するため、前記突出部の硬さが感取されやすく、良好な肌触りが得られないおそれがあった。
[0006]
 そこで、本発明は、良好なクッション性を長時間に亘って十分に発揮することができるとともに、良好な肌触りを有する不織布を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の一態様(態様1)に係る不織布は、互いに相反する第1面及び第2面を有し且つ平坦状に広がる基部と、前記基部の第1面から厚さ方向に突出する複数の凸部と、を備える不織布であって、前記凸部は、前記基部の第1面から厚さ方向に起立する周面部と、前記凸部の頭頂を形成する頂面を有する頂面部と、を備えていて、前記周面部の繊維密度が、前記頂面部の繊維密度よりも高く、前記頂面部の頂面周縁部分の少なくとも一部が、前記不織布の中で最も厚い厚みを有する最厚部として構成されている不織布である。
[0008]
 この態様1の不織布によれば、凸部の厚さ方向に起立する周面部の繊維密度が、頂面部の繊維密度よりも高く構成されているので、不織布の厚さ方向に体圧等による圧力が掛かるような場合でも、前記周面部が頂面部を支える支柱として機能するため、凸部が潰れにくく、仮に、前記凸部の頂面部が潰れてしまうような場合であっても、前記頂面部の頂面周縁部分の少なくとも一部が、前記不織布の中で最も厚い厚みを有する最厚部として構成されているので、当該最厚部の有する弾力性によって頂面部の潰れ(変形)を復元させることができる。これにより、前記態様1の不織布は、凸部による良好なクッション性を、長時間に亘って十分に発揮することができる。
 さらに、前記最厚部は、良好な弾力性及び柔軟性を有しているので、凸部が繊維密度の高い周面部を有していても、凸部の硬さが感取されにくく、良好な肌触りを提供ことができる。
[0009]
 また、本発明の別の態様(態様2)では、前記態様1の不織布において、前記周面部の繊維密度が前記基部の繊維密度よりも高く構成されている。
[0010]
 この態様2の不織布によれば、前記周面部の繊維密度が前記基部の繊維密度よりも高く構成されているので、体圧等により前記凸部の第1面側から掛かる厚さ方向の圧力を、前記基部が第2面側に撓むことによって緩衝することができる。これにより、前記凸部が更に潰れにくくなるとともに、不織布に優れた柔軟性を付与することができる。
[0011]
 更に本発明の別の態様(態様3)では、前記態様1又は2の不織布において、前記頂面部の頂面が窪んでいる。
[0012]
 この態様3の不織布によれば、前記頂面部の頂面が窪んでいるので、体圧等により前記凸部の第1面側から厚さ方向に圧力が掛かるような場合でも、前記頂面の前記周面部に支持された部分(すなわち、前記頂面周縁部分)を中心に圧力が掛かるため、頂面が先行して変形することによって凸部全体が潰れるというようなことが起こりにくい。
[0013]
 更に本発明の別の態様(態様4)では、前記態様1~3のいずれかの不織布において、前記頂面部の頂面の平面形状が円形である。
[0014]
 この態様4の不織布によれば、前記頂面部の頂面の平面形状が円形であり、前記頂面が前記周面部によって頂面周縁部分に沿って均等に支持されるため、凸部において局所的に潰れやすい部分が形成されにくく、前記凸部が更に潰れにくくなる。
[0015]
 更に本発明の別の態様(態様5)では、前記態様1~4のいずれかの不織布において、前記最厚部が、前記不織布の中で最も低い繊維密度を有している。
[0016]
 この態様5の不織布によれば、前記凸部の頂面部の最厚部が、前記不織布の中で最も低い繊維密度を有しているので、当該頂面周縁部分の弾力性及び柔軟性が相対的に高く、体圧等の圧力により凸部の頂面部が潰れてしまうような場合でも、前記頂面部の潰れ(変形)をより確実に復元させることができる。さらに、前記頂面周縁部分が相対的に高い弾力性及び柔軟性を有しているので、凸部の硬さがより感取されにくく、更に良好な肌触りを得ることができる。
[0017]
 更に本発明の別の態様(態様6)は、前記態様1~5のいずれかの不織布を含む吸収性物品である。
[0018]
 この態様6の吸収性物品は、良好なクッション性を長時間に亘って十分に発揮することのでき且つ良好な肌触りを有する態様1~5のいずれかの不織布を含むものであるため、吸収性物品の着用者に、長時間に亘って優れた着用感を提供することができる。

発明の効果

[0019]
 本発明によれば、良好なクッション性を長時間に亘って十分に発揮することができるとともに、良好な肌触りを有する不織布を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 図1は、本発明の一実施形態に係る不織布を表面シートに用いた使い捨ておむつの斜視図である。
[図2] 図2は、図1の使い捨ておむつを展開した状態の平面図である。
[図3] 図3は、本発明の一実施形態に係る不織布の部分平面図である。
[図4] 図4は、図3のIV-IV線に沿った端面の部分端面図である。
[図5] 図5は、本発明の一実施形態に係る不織布の凸部の頂面部における厚みの分布を説明するための模式図である。
[図6] 図6は、本発明の別の実施形態に係る不織布の凸部の頂面部における厚みの分布を説明するための模式図である。
[図7] 図7は、図6のVII-VII線に沿った端面の端面図である。
[図8] 図8は、本発明の一実施形態に係る不織布を製造するための製造設備の概略図である。
[図9] 図9は、図8のX部分の拡大模式図である。
[図10] 図10(a)は、実施例1に係る不織布の凸部のMD方向下流側部分におけるMD方向中央軸線(図5の中央軸線VWに相当する線)に沿った断面の顕微鏡写真であり、図10(b)は、実施例1に係る不織布の凸部のMD方向上流側部分におけるMD方向中央軸線に沿った断面の顕微鏡写真である。
[図11] 図11は、比較例1に係る不織布の凸部のMD方向中央軸線に沿った断面の顕微鏡写真である。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、本発明の不織布の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「展開した状態で水平面上に置いた対象物を、垂直方向の上方側から対象物の厚さ方向に見ること」を、単に「平面視」といい、「平面視における形状」を、単に「平面形状」という。
 また、本明細書において、幅方向D は、展開した状態の使い捨ておむつ1(吸収性物品)において、平面視にて幅方向(短手方向)を指し、長手方向D は、展開した状態の使い捨ておむつ1(吸収性物品)において、平面視にて長手方向(着用者の前後方向)を指し、厚さ方向D は、展開した状態の使い捨ておむつ1(吸収性物品)における厚さ方向を指し、これらの幅方向D 、長手方向D 及び厚さ方向D は、それぞれ互いに直交する関係にある。
[0022]
 図1は、本発明の一実施形態である不織布2を、表面シート2’として用いた使い捨ておむつ1の斜視図であり、図2は、図1の使い捨ておむつ1を展開した状態の平面図である。図1及び図2に示すように、使い捨ておむつ1は、着用者の腹部に当てられる前面部11と、着用者の股間部に当てられる中間部12と、着用者の尻部及び/又は背部に当てられる後面部13とを備えるパンツ型の形状を有している。使い捨ておむつ1は、接合部14a,14bにおいて、前面部11の両側部111a,111b及び後面部13の両側部131a,131bが互いに接合されることにより、前面部11の端部112と後面部13の端部132とによってウエスト開口部が形成され、さらに、中間部12の両側部121a,121bによってレッグ開口部が形成されている。
[0023]
 図1及び図2に示すように、使い捨ておむつ1は、本発明の一実施形態である不織布2からなる液透過性の表面シート2’と、液不透過性の裏面シート3と、これらのシートの間に設けられた吸収体4と、液不透過性のカバーシート5と、液不透過性の防漏カフ6a、6bと、液不透過性の防漏シート7と、弾性部材81、82、83、84とを備えている。前記表面シート2’の肌面側の表面に設けられた前記カバーシート5は、略中央に開口部51が形成されており、前記表面シート2’の一部(吸収体4の配置領域の一部)は、前記カバーシート5の開口部51から露出し、前記カバーシート5と共に、使い捨ておむつ1の肌面側の表面を構成している。また、前記カバーシート5の開口部51の両側に設けられた防漏カフ6a、6bの端部には、使い捨ておむつ1の長手方向D に延びる弾性部61a、61bが設けられている。
[0024]
 使い捨ておむつ1において、表面シート2’は、着用者の肌面に対向する第1面2a及び該第1面2aに相反する第2面2bを有し且つ略平坦状に広がる基部22と、前記基部22の第1面2aから厚さ方向D に突出する複数の凸部21とを備えた不織布2によって構成されていて、当該不織布2の機械方向(MD方向)が使い捨ておむつ1の長手方向D と平行となるように、前記吸収体4の肌面側に配置されている。なお、本発明において、表面シートが配置される方向は、このような態様に限定されず、例えば、前記表面シートは、当該表面シートを構成する不織布のMD方向が吸収性物品の幅方向D と平行になるように配置されていてもよい。
[0025]
 以下、本発明の一実施形態に係る不織布2について、図面を参照しながら更に詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る不織布2の部分平面図であり、図4は、図3のIV-IV線に沿った端面の部分端面図である。
[0026]
 図2乃至図4に示すように、本実施形態に係る不織布2は、MD方向に長い矩形状の平面形状を有していて、使い捨ておむつ1に適用される際は、前記不織布2の長手方向及び該長手方向と平面視にて直交する幅方向が、それぞれ使い捨ておむつ1の長手方向D 及び幅方向D と平行になるように、前記吸収体4の肌面側に配置される。以下の説明においては、記載を簡潔にするために、不織布2の長手方向及び幅方向を、それぞれ使い捨ておむつ1と同様に表記する。
[0027]
 本実施形態の不織布2は、図3に示すように、複数の凸部21が、平面視にて長手方向D に隣り合う凸部同士が前記長手方向D に重ならないように(いわゆる、千鳥状に)配置されている。しかしながら、本発明の不織布においては、このような配置形態に限定されず、所望のクッション性等に応じて、例えば、前記複数の凸部は、平面視にて長手方向D に隣り合う凸部同士が前記長手方向D に重なるように配置されていてもよい。さらに、図3に示すように、本実施形態に係る不織布2は、複数の凸部が、平面視にて長手方向D 及び幅方向D にそれぞれ一定の間隔で設けられているが、本発明の不織布において前記複数の凸部同士の間隔は特に制限されず、前記凸部は、長手方向D 及び幅方向D にそれぞれ一定でない間隔で設けられていてもよい。なお、凸部同士の間隔は、凸部の頂面形状に応じた頂面上の所定の点(例えば、頂面形状の中心点など)同士の距離を指す。
[0028]
 本実施形態において、不織布2の凸部21は、図3及び図4に示すように、前記基部22の第1面2aから厚さ方向D に起立する周面部21Wと、前記凸部21の頭頂を形成し且つ平面形状が円形である頂面を有する頂面部21Tとを備えた、略円柱状の立体形状を有しているが、本発明の不織布においてはこのような形状に限定されず、凸部は、例えば、楕円柱状や多角柱状等の柱状、円錐台状や角錐台状等の截頭錐状などの頂面を有する任意の立体形状により構成することができる。中でも、肌触りや液の透過性等の観点から、前記凸部は、円柱状、楕円柱状又は円錐台状の立体形状を有していることが好ましい。
[0029]
 本発明において、前記凸部の高さ(すなわち、頂面部において基部の第1面から最も離間した点を含む前記第1面に平行な仮想平面と、前記基部の第1面との間の距離)は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されないが、クッション性や肌触りなどの点から、例えば、0.1mm~6.0mmの範囲内であり、好ましくは0.2mm~5.0mm、更に好ましくは0.2mm~4.0mmの範囲内である。
[0030]
 そして、本実施形態の不織布2は、図3及び図4に示すように、互いに相反する第1面2a及び第2面2bを有し且つ略平坦状に広がる基部22と、該基部22の第1面2aから厚さ方向D に突出する複数の凸部21とを備えている。そして、前記複数の凸部21のそれぞれは、前記基部22の第1面2aから略厚さ方向D に起立する周面部21Wと、前記凸部21の頭頂を形成する頂面を有する頂面部21Tと、を備えていて、前記周面部21Wの繊維密度が、前記頂面部21Tの繊維密度よりも高く、さらに、前記頂面部21Tの頂面周縁部分21Cの少なくとも一部が、前記不織布2の中で最も厚い厚みを有する最厚部21C として構成されている。
[0031]
 このように構成された不織布2は、前記凸部21の厚さ方向D に起立する周面部21Wの繊維密度が、頂面部21Tの繊維密度よりも高く形成されているので、不織布2の厚さ方向D に体圧等による圧力が掛かるような場合でも、前記周面部21Wが頂面部21Tを支える支柱として機能するため、前記凸部21が潰れにくく、仮に、前記凸部21の頂面部21Tが潰れてしまうような場合であっても、前記頂面部21Tの頂面周縁部分21Cの少なくとも一部が、前記不織布2の中で最も厚い厚みを有する最厚部21C として構成されているので、当該最厚部21C の有する弾力性によって頂面部21Tの潰れ(変形)を復元させることができる。これにより、本実施形態の不織布2は、前記凸部21によって奏される良好なクッション性を、長時間に亘って十分に発揮することができる。さらに、前記最厚部21C は、良好な弾力性及び柔軟性を有しているので、凸部21が繊維密度の高い周面部21Wを有していても、凸部21の硬さが感取されにくく、良好な肌触りを提供することができる。
[0032]
 なお、本明細書において、不織布の厚みとは、第1面上の任意の点と、前記第1面と相反する第2面との最短距離によって表される、不織布の厚さの程度を意味する。したがって、例えば、前記凸部の高さ(すなわち、前記頂面部の頂面を含む仮想平面と前記基部の第1面との最短距離)は、前記不織布の厚みとは明確に区別される。
[0033]
 また、本明細書において、「繊維密度」とは、不織布の切断面を拡大観察したときの単位面積当たりの繊維の切断断面数を指し、後述する[繊維密度の測定方法]に従って測定することができる。
[0034]
 以下、本発明の不織布が備える凸部について、更に詳細に説明する。
[0035]
[頂面部]
 図3及び図4に示すように、本実施形態の不織布2では、凸部21の頂面部21Tは、頂面の平面形状が円形である。頂面の平面形状がこのような円形であると、前記頂面部21Tが前記周面部21Wによって頂面周縁部分21Cに沿って均等に支持されるため、前記凸部21に(特に、前記頂面部21Tに)局所的に潰れやすい部分が形成されにくく、他の平面形状のもの比べて凸部21が潰れにくくなる。なお、本実施形態では、前記頂面の平面形状は、直径約10mmの円形であるが、本発明において、前記頂面のサイズは特に制限されず、所望の肌触りや強度、液の透過性等を考慮して任意のサイズを採用することができる。また、本明細書において、頂面周縁部分は、頂面の平面形状の輪郭に沿った周縁部分を意味する。
[0036]
 図4に示すように、本実施形態において前記凸部21の頂面部21Tは、略平坦状の構造を有しているが、本発明においてはこのような構造に限定されず、前記頂面部は、頂面の中心部分が厚さ方向に凸状に膨らんだ構造を有していても、頂面が厚さ方向に窪んだ構造を有していてもよい。前記頂面部が前者のような構造を有していると、凸部のクッション性が増大し、肌触りが柔らかなものとなる。また、前記頂面部が後者のような構造を有していると、体圧等により前記凸部の第1面側から厚さ方向に圧力が掛かったときに、前記頂面の前記周面部に支持された部分(すなわち、頂面周縁部分)に、主に圧力が掛かるようになるため、頂面が先行して変形することによって凸部全体が潰れるというようなことが起こりにくい。
[0037]
 本発明の不織布において、凸部の頂面部の厚みは、頂面周縁部分の少なくとも一部に前記最厚部を有するように構成されている限り特に制限されず、凸部の周面部や基部などと同様に任意の厚みを採用することができる。不織布のクッション性や柔軟性、肌触り、液戻り防止性、液の透過性などの点から、例えば0.1mm~10.0mmの範囲内であり、好ましくは0.2mm~8.0mmの範囲内である。特に、上述の最厚部の厚みは、例えば0.1mm~10.0mmの範囲内であり、好ましくは0.3mm~8.0mmの範囲内である。
[0038]
 ここで、図5は、本発明の一実施形態に係る不織布2の凸部21の頂面部21Tにおける厚みの分布を説明するための模式図である。なお、図5は、1つの凸部21の頂面を表わしている。また、図中の「×」印は、相対的に厚みの厚い部分を模式的に示す指標であり、この「×」印の密度(数)の大小によって、頂面部21Tの厚みの分布を表している。なお、図5においては、「×」印の密度(数)の大きいものほど、厚みが厚いことを意味する。
[0039]
 図5に示すように、本実施形態において、凸部21の頂面部21Tは、頂面部21Tの厚みが平面視にて不織布2の長手方向D の一方側に偏るように構成されている。つまり、頂面部21Tでは、平面視にて、長手方向D に延びる頂面の中央軸線VWと頂面周縁部分21Cとが交わる2つの交差部分のうち、長手方向D の一方側に位置する交差部分が、厚みが最も厚い最厚部21C として構成されていて、長手方向D の他方側に位置する交差部分が、相対的に厚みの薄い部分として構成されている。さらに、本実施形態においては、図5に示すように、前記最厚部21C から前記相対的に厚みの薄い部分へ掛けて、幅方向に延びる頂面の中央軸線VLに平行に、徐々に厚みが薄くなるように構成されている。
[0040]
 また、本実施形態においては、頂面部21Tの厚みが、平面視にて不織布2の長手方向D の一方側に偏るように構成されているが、本発明においてはこのような構成に限定されず、例えば、頂面部21Tの厚みが、平面視にて不織布の幅方向D のいずれか一方側に偏るように構成されていてもよい。さらに、本実施形態においては、すべての凸部21が、同様の頂面部21Tの厚みの分布を有しているが、本発明においては、このような態様に限定されず、例えば、すべての凸部が、異なる厚みの分布を有していてもよいし、複数の凸部のうちの一部の凸部のみが、異なる厚みの分布を有していてもよい。このように凸部の厚みの分布を調整することで、不織布を透過する液体の流れを調整することができる。
[0041]
 さらに、本発明の別の実施形態では、頂面部21Tの厚みが、平面視にて頂面周縁部分21Cに沿って厚くなるように構成されていてもよい。図6は、本発明の別の実施形態に係る不織布の凸部21の頂面部21Tにおける厚みの分布を説明するための模式図であり、図7は、図6のVII-VII線に沿った端面の端面図である。図6及び図7に示すように、本発明の別の実施形態では、平面視にて凸部21の頂面周縁部分21Cの全域(すなわち、頂面の全周)が、厚みが最も厚い最厚部21C として構成されていて、前記頂面周縁部分21Cの全域から円形の頂面の中心に向かって徐々に厚みが薄くなるように構成されている。不織布の凸部がこのように構成されていると、良好な弾力性及び柔軟性を有する最厚部が、凸部の頂面の全周に亘って形成されているため、凸部の硬さがより感取されにくく、良好な肌触りが得られるとともに、クッション性も向上させることができる。
[0042]
 本発明の不織布において、凸部の頂面部の繊維密度は、良好なクッション性及び肌触りを阻害せず且つ周面部の繊維密度よりも低いという条件を満たすものであれば、特に制限されず、任意の繊維密度とすることができる。そのような繊維密度としては、1つの繊維断面を1本の繊維と仮定した場合、例えば、20本/mm ~200本/mm の範囲内であり、好ましくは30本/mm ~150本/mm の範囲内である。
[0043]
 また、本発明の不織布において、前記凸部の最厚部は、前記不織布の中で最も低い繊維密度を有していることが好ましい。前記最厚部が、不織布の中で最も低い繊維密度を有していると、当該最厚部の弾力性及び柔軟性が相対的に高いため、前記凸部の頂面部が潰れてしまうような場合であっても、前記頂面部の潰れ(変形)をより確実に復元させることができる上、凸部の硬さがより感取されにくく、更に良好な肌触りを提供することができる。
[0044]
[周面部]
 本実施形態において前記凸部21の周面部21Wは、略円柱状の凸部21の側面に対応する部分であって、平坦状に広がる基部22の第1面2aから厚さ方向D に起立し、前記厚さ方向D に延びる略筒状の構造を有していて、前記基部22と反対側の端縁において前記頂面部21Tと繋がっている。そして、本実施形態において、前記基部22の第1面2aと前記周面部の外表面とのなす角度(以下、「起立角」という。)は、図4に示すように略90°であるが、本発明においてはこのような角度に限定されず、前記起立角は、90°を超える角度であっても、90°未満の角度であってもよい。この起立角が、90°を超える角度であると、周面部が頂面部をより強固に支持することができるため、凸部をより潰れにくくすることができる。また、起立角が90°未満の角度であると、凸部が不織布の面方向に変形しやすくなるため、不織布の面方向に圧力が掛かるような場合(例えば、不織布の表面に沿って肌面が移動する場合等)でも、良好な肌触りを提供することができる。
[0045]
 本発明において、前記凸部の周面部の厚みは、頂面部を支える支柱としての機能が阻害されない限り特に制限されず、凸部の頂面部や基部などと同様に任意の厚みを採用することができる。凸部の潰れにくさやクッション性、柔軟性、肌触り、液戻り防止性、液の透過性などの点から、例えば0.1mm~10.0mmの範囲内であり、好ましくは0.3mm~7.0mmの範囲内である。また、前記周面部は、全体に亘って均一の厚みを有するように構成されていてもよく、或いは、基部側から頂面部側に向かって徐々に厚みが増大するように構成されていてもよい。特に、周面部が、基部側から頂面部側に向かって徐々に厚みが増大するように構成されていると、頂面部の頂面周縁部分(特に、最厚部)に繋がる周面部の部分の厚みが厚く、当該部分の弾力性や柔軟性が高くなるため、前記頂面部の潰れ(変形)をより確実に復元させることができる。
[0046]
 本発明の不織布において、凸部の周面部の繊維密度は、良好なクッション性及び肌触りを阻害せず且つ前記頂面部の繊維密度よりも高いという条件を満たすものであれば、特に制限されず、任意の繊維密度とすることができる。そのような繊維密度としては、例えば、30本/mm ~150本/mm の範囲内であり、好ましくは50本/mm ~120本/mm の範囲内である。また、前記周面部の繊維密度は、前記基部の繊維密度よりも高いことが好ましい。前記周面部の繊維密度が基部の繊維密度よりも高いと、凸部の第1面側から掛かる厚さ方向の圧力を、前記基部を第2面側に撓ませることによって緩衝することができるため、前記凸部が更に潰れにくくなるとともに、不織布に優れた柔軟性を付与することができる。
[0047]
 次に、本発明に係る不織布の凸部以外の構成について説明する。
[0048]
[基部]
 本発明の不織布において、基部は、上述の凸部を有する第1面及び該第1面に相反する第2面を有し、且つ略平坦状に広がる部分である。前記基部の厚みは、良好なクッション性や柔軟性、液の透過性等を阻害しない限り特に限定されず、任意の厚みを採用することができる。不織布のクッション性や柔軟性、肌触り、液戻り防止性、液の透過性などの点から、例えば0.10mm~10.0mmの範囲内であり、好ましくは0.15mm~7.0mm、更に好ましくは0.20mm~5.0mmの範囲内である。
[0049]
 本発明の不織布において、基部の繊維密度は、良好なクッション性や柔軟性、液の透過性等を阻害しない限り特に制限されず、任意の繊維密度とすることができる。そのような繊維密度としては、例えば、10本/mm ~150本/mm の範囲内であり、好ましくは20本/mm ~100本/mm の範囲内である。
[0050]
 また、前記基部の繊維密度は、前記凸部の周面部の繊維密度よりも低いことが好ましい。前記基部の繊維密度が凸部の周面部の繊維密度よりも低いと、凸部の第1面側から掛かる厚さ方向の圧力を、前記基部が第2面側に撓むことによって緩衝することができるため、前記凸部が更に潰れにくくなるとともに、不織布に優れた柔軟性を付与することができる。さらに、本発明においては、前記基部の繊維密度は、前記凸部の頂面部の繊維密度よりも低いことが好ましい。前記基部の繊維密度が凸部の頂面部の繊維密度よりも低いと、凸部の第1面側から掛かる厚さ方向の圧力を、前記凸部の頂面部が変形する(潰れる)前に、前記基部が第2面側に撓むことによって緩衝することができるため、前記凸部が一層潰れにくくなるとともに、不織布に一層優れた柔軟性を付与することができる。
[0051]
[不織布全体]
 本発明において、不織布の坪量は、特に限定されないが、好ましくは10g/m 2~100g/m 2であり、更に好ましくは15g/m 2~50g/m 2である。坪量が10g/m 2以上であると、不織布として十分な表面強度が得られるため、例えば、不織布を吸収性物品の表面シートに適用した場合に、吸収性物品の使用中に表面シートが破れにくい。また、坪量が100g/m 2以下であると、ごわつき等が生じないため、例えば、不織布を吸収性物品の表面シートに適用した場合に、吸収性物品の使用中に、着用者に不快感や違和感が生じにくい。
[0052]
 また、本発明の不織布に用いられる繊維は、良好なクッション性及び肌触りを阻害しない限り特に制限されないが、例えば、羊毛や綿等の天然繊維;レーヨンやアセテート等の再生繊維;ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン-アクリル酸エチル共重合体;エチレン-アクリル酸共重合体;アイオノマー;ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸等のポリエステル;ナイロン等のポリアミドなどの熱可塑性樹脂を単独で用いて構成される合成繊維、或いは、これらの熱可塑性樹脂を複数種類用いて構成される芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型等の複合繊維などが挙げられる。前記芯鞘型の複合繊維としては、芯がポリエチレンテレフタレート(PET)であり、鞘が高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン又は低融点ポリプロピレンである芯鞘構造のものが好ましく、このような複合繊維の代表的な例としては、芯/鞘=PET/HDPE、PET/PE、PP/PE、PP/低融点PPの複合繊維などが挙げられる。また、これらの繊維の形態としては、特に限定されず、中空状の繊維;扁平やY型等の異形断面繊維;潜在捲縮型若しくは顕在捲縮型の立体捲縮繊維;水流や熱、エンボス加工等の物理的負荷によって分割する分割繊維などの形態の繊維も、好適に用いることができる。なお、これらの繊維は、親水化処理が施されていてもよい。また、上述の各繊維は、それぞれ単独で用いても、2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
[0053]
 本発明の複数の凸部を有する不織布は、エアースルー不織布やスパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、メルトブローン不織布などの任意の製造方法によって製造された不織布を基材として用いて、当該基材の表面に上述の複数の凸部を賦形することにより製造することもできるが、上述の複数の凸部を有する不織布をより精度よく製造するために、以下に説明する製造方法によって製造することが好ましい。
[0054]
 以下、図8を参照しつつ、本発明に係る不織布の製造方法の一例について説明する。
[0055]
 図8は、本発明に係る複数の凸部を有する不織布を製造するための製造設備9の一例を示す概略図であり、図9は、図8のX部分の拡大模式図である。図8及び図9に示すように、製造設備9は、原料となる繊維F1を開繊するとともに坪量を調節するカード機91と、該カード機91を出た繊維基材F2に複数の凸部を賦形するサクションドラム92及びエアジェットノズル94を含む賦形装置と、該賦形装置によって複数の凸部が賦形された繊維基材F3を、前記凸部の構造を定着させるために熱処理する熱処理機95と、を備えている。なお、図8において、繊維F1、繊維基材F2、繊維基材F3及び複数の凸部を有する不織布2は、図8中の矢印のMD方向に連続して搬送される。なお、MD方向は不織布2の長手方向D と一致する。
[0056]
 このような製造設備9を用いた不織布の製造方法では、まず、原料となる熱可塑性繊維や天然繊維等の繊維F1を前記カード機91に供給する。このカード機91では、供給された繊維F1が開繊されて、繊維F1の坪量が所定の値となるように調節される。
[0057]
 次に、前記カード機91を出た繊維基材F2は、前記サクションドラム92の表面へ向けて搬送される。このサクションドラム92は、内部が中空状又は多孔質状に形成されていて、真空ポンプ等の任意の吸引手段によって内部を負圧状態にすることができる。また、図9に示すように、サクションドラム92の外周面には、複数の吸引孔92Tが形成されていて、この吸引孔92Tを介して前記外周面付近の外気が吸引される。また、前記吸引孔92Tは、所定の吸引力を確保しつつ、前記繊維基材F2を前記サクションドラムの内部に吸入しない程度のサイズに形成されている。
[0058]
 また、前記サクションドラム92の外周面は、パターンプレート93によって覆われていて、前記カード機91を出た繊維基材F2は、前記サクションドラム92と共に回転するパターンプレート93上に供給される。このパターンプレート93は、複数の凸部21を有する不織布2の凸部21と相補的な形状を有する貫通孔が所定のパターンで設けられたパンチングメタルにより構成されている。そして、図9に示すように、前記パターンプレート93上に供給された繊維基材F2は、サクションドラム92の外周面に形成された前記吸引孔92Tからの負圧によって吸引されて、前記パターンプレート93の表面93S及び前記貫通孔内に引き付けられる。
[0059]
 さらに、前記サクションドラム92は、図8に示すように、少なくとも、上流側に配置されたベルトコンベアUBから繊維基材F2が供給される外周面の地点SSと、下流側に配置されたベルトコンベアDBに繊維基材F3を供給する外周面の地点SEとの間の領域ASにおいて、繊維基材を吸引するように構成されている。なお、この領域AS以外の領域ANでは、サクションドラム92の吸引効率や異物の混入防止等の観点から、吸引しないように構成することが好ましい。
[0060]
 図8及び図9に示すように、前記サクションドラム92の外周面上のパターンプレート93に吸着された繊維基材F2は、エアジェットノズル94によって熱風が吹き付けられる。ここで、エアジェットノズル94は、一つ又は繊維基材F2の幅方向に並ぶ複数の吹出口から、所定温度の熱風を所定の風速で吹き出すように構成されている。したがって、前記賦形装置においては、上述のサクションドラム92による吸引と、エアジェットノズル94による熱風の吹付けとによって、前記不織布2の上記特定の構造(すなわち、前記凸部の周面部の繊維密度が頂面部の繊維密度よりも高く、前記頂面部の頂面周縁部分の少なくとも一部が、前記不織布の中で最も厚い厚みを有する最厚部として構成されている構造)を有する凸部21を、繊維基材F2に賦形することができる。
[0061]
 前記エアジェットノズル94から吹き出す熱風の温度及び風速は、それぞれ、繊維基材を構成する繊維の種類や繊維基材の坪量等を考慮して、上述の特定の構造を有する凸部が形成される条件に設定する。そのような熱風の温度条件としては、繊維基材を構成する繊維の融点よりも20℃~70℃高い温度に設定することが好ましい。例えば、繊維基材を構成する繊維がPET/HDPEの芯鞘型複合繊維の場合、熱風の温度は、80℃~400℃の範囲内であることが好ましい。また、熱風の風速条件としては、不織布の坪量や厚み等を考慮して、例えば、10.0m/秒~200.0m/秒の範囲内であり、好ましくは20.0m/秒~150.0m/秒の範囲内である。
[0062]
 さらに、図8に示すように、サクションドラム92及びエアジェットノズル94によって複数の凸部21が賦形された繊維基材F3は、ベルトコンベアDBによって熱処理機95に搬送され、該熱処理機95内において熱処理される。この熱処理により、前記繊維基材F3に賦形された複数の凸部21の構造が定着するとともに、不織布2に柔軟性が付与される。なお、熱処理の温度は、特に限定されないが、例えば100℃~150℃の範囲内である。
[0063]
 このようにして繊維基材F3の熱処理が終了すると、本発明に係る不織布が得られる。なお、得られた不織布は、使用する形態等に応じて所定のサイズに切断してもよい。
[0064]
 本発明の不織布は、良好なクッション性や肌触りが求められる任意の製品に適用することができ、例えば、上述した実施形態の使い捨ておむつのような吸収性物品に好適に用いることができる。特に、吸収性物品の表面シートとして用いると、本発明の不織布は、良好なクッション性を長時間に亘って十分に発揮することができるとともに、良好な肌触りを提供することができるため、吸収性物品の着用者に、長時間に亘って優れた着用感を提供することができる。
[0065]
 なお、本発明の不織布が適用される吸収性物品は、上述した実施形態のパンツ型の使い捨ておむつのほかに、例えば、生理用ナプキン、テープ型の使い捨ておむつ、失禁パッド等の様々な吸収性物品に適用することができる。また、本発明の吸収性物品は、上述した実施形態や後述する実施例に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや変更等が可能である。
実施例
[0066]
 以下、実施例及び比較例を例示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限定されるものではない。
[0067]
実施例1
 1.3dtexの繊度を有し、PET/HDPEの芯鞘型複合繊維を開繊機にて開繊した後、カード機にて前記繊維のフォーミングを行った。フォーミングされたカードウェブをメッシュコンベアにより搬送し、サクションドラムの外周面に取り付けられたパターンプレート上に供給した。前記サクションドラムを回転させながら、前記サクションドラムの外周面に形成された吸引孔からの負圧によって、前記カードウェブを前記パターンプレートの貫通孔内に吸引するとともに、前記カードウェブに対し、サクションドラムの下方側に配置されたエアジェットノズルから、180℃の熱風を風速50.0m/秒で吹き付けることにより、前記カードウェブを前記パターンプレートに沿わせて、前記カードウェブに複数の凸部を賦形した。さらに、前記複数の凸部が賦形されたウェブを熱処理機に搬送して、温度135℃、風速0.9m/秒の温風条件下で熱処理を行った後、熱処理後のウェブを巻き取ることにより、実施例1の不織布を得た。なお、得られた不織布の坪量は25g/m 2であった。
[0068]
比較例1
 エアジェットノズルから吹き付ける熱風の温度及び風速を、それぞれ143℃及び29.2m/秒としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の不織布を得た。なお、得られた不織布の坪量は25g/m 2であった。
[0069]
 得られた実施例1及び比較例1の不織布について、それぞれ凸部の断面構造(図5の中央軸線VWに沿った断面構造)を走査型電子顕微鏡により撮影し、凸部の頂面部、周面部及び基部の繊維密度を、後述する測定方法に従って測定した。さらに、実施例1及び比較例1の不織布について、凸部の圧縮強さを評価するために、凸部1個当たりの圧縮比容積を、後述する測定方法によって測定した。また、実施例1及び比較例1の不織布の凸部を有する表面の肌触りを触感にて確認した。
[0070]
 繊維密度の測定に当たっては、特開2012-144835号公報に記載されている方法(段落[0041]参照)と同様にして実施した。具体的には、以下の[繊維密度の測定方法]に従って繊維密度を測定した。
[繊維密度の測定方法]
 走査型電子顕微鏡(例えば、KEYENCE社製「リアルサーフェスビュー顕微鏡 VE-7800」)を用いて、不織布の切断面を、該不織布の厚み方向における中点を観察の中心として拡大観察したとき(すなわち、繊維断面が20~70本程度観察できる程度の倍率であって、通常、20~100倍の倍率で観察したとき)の一定面積(2mm 2程度)当たりの繊維の切断断面数を数える。数えた切断断面数を1mm 2当たりの繊維の切断断面数に換算し、これを繊維密度(本/mm )とする。なお、この繊維密度の測定は3箇所で行い、その平均値をサンプルの繊維密度とする。
[0071]
[凸部1個当たりの圧縮比容積の測定方法]
 複数の凸部を有する不織布を100mm×100mmの四角形にカットしたサンプルシートを、10枚用意する。用意した10枚のサンプルシートを重ねて、株式会社島津製作所製「オートグラフAGS-1kNG」の測定台にセットする。チャック間の距離:35mm、圧縮速度:25mm/分、最大荷重26Nの試験条件にて、1サイクルの圧縮試験を行う。サンプルシートが圧縮されて、チャック間の距離が縮まったときのサンプルシートの厚み(cm)を計測し、当該厚みをサンプルシートの坪量(g/cm )で除することにより、サンプルシートの圧縮比容積(cm /g)を得る。さらに、得られた圧縮比容積をサンプルシート内に存在する凸部の個数(個)で除した値を、複数の凸部を有する不織布の、凸部1個当たりの圧縮比容積(cm /g/個)とする。
[0072]
 実施例1の不織布における凸部断面の電子顕微鏡写真を図10に示し、比較例1の不織布における凸部断面の電子顕微鏡写真を図11に示す。なお、図10(a)は、凸部のMD方向下流側部分におけるMD方向中央軸線(図5の中央軸線VWに相当する線)に沿った断面の顕微鏡写真であり、図10(b)は、凸部のMD方向上流側部分におけるMD方向中央軸線に沿った断面の顕微鏡写真である。
 また、実施例1及び比較例1の各不織布における凸部の繊維密度と、凸部1個当たりの圧縮比容積の測定結果を表1に示す。
[0073]
[表1]


[0074]
 表1に示すように、実施例1の不織布は、比較例1の不織布と比べて、凸部1個当たりの圧縮比容積が格段に大きく、凸部が潰れにくいことがわかった。
 また、実施例1の不織布は、図10(a)及び(b)に示すように、凸部が基部の第1面から厚さ方向に起立する周面部と、前記凸部の頭頂を形成する頂面を有する頂面部とを備え、且つ前記頂面部の頂面周縁部分の一部が最厚部として構成された、特定の構造を有していて、凸部を有する表面の肌触りが良好であった。一方、比較例1の不織布は、図11に示すように、凸部が略半球状の構造を有していて、凸部を有する表面の肌触りが、前記凸部を感取しやすい肌触りであった。

符号の説明

[0075]
 1  使い捨ておむつ
 2  不織布
 2’  表面シート
 21  凸部
 21T  頂面部
 21W  周面部
 21C  頂面周縁部分
 21C   最厚部
 22  基部
 3  裏面シート
 4  吸収体

請求の範囲

[請求項1]
 互いに相反する第1面及び第2面を有し且つ平坦状に広がる基部と、前記基部の第1面から厚さ方向に突出する複数の凸部と、を備える不織布であって、
 前記凸部は、前記基部の第1面から厚さ方向に起立する周面部と、前記凸部の頭頂を形成する頂面を有する頂面部と、を備えていて、
 前記周面部の繊維密度が、前記頂面部の繊維密度よりも高く、
 前記頂面部の頂面周縁部分の少なくとも一部が、前記不織布の中で最も厚い厚みを有する最厚部として構成されている、前記不織布。
[請求項2]
 前記周面部の繊維密度が前記基部の繊維密度よりも高い、請求項1に記載の不織布。
[請求項3]
 前記頂面部の頂面が窪んでいる、請求項1又は2に記載の不織布。
[請求項4]
 前記頂面部の頂面の平面形状が円形である、請求項1~3のいずれか一項に記載の不織布。
[請求項5]
 前記最厚部は、前記不織布の中で最も低い繊維密度を有している、請求項1~4のいずれか一項に記載の不織布。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれか一項に記載の不織布を含む吸収性物品。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2016年10月31日 ( 31.10.2016 )  国際事務局受理 ]

[1]
  [補正後] 互いに相反する第1面及び第2面を有し且つ平坦状に広がる基部と、前記基部の第1面から厚さ方向に突出する複数の凸部と、を備える不織布であって、
 前記凸部は、前記基部の第1面から厚さ方向に起立する周面部と、前記凸部の頭頂を形成する頂面を有する頂面部と、を備えていて、
 前記周面部の繊維密度が、前記頂面部の繊維密度及び前記基部の繊維密度のそれぞれよりも高く、
 前記頂面部の頂面周縁部分の少なくとも一部が、前記不織布の中で最も厚い厚みを有する最厚部として構成されている、前記不織布。
[2]
[削除]
[3]
  [補正後] 互いに相反する第1面及び第2面を有し且つ平坦状に広がる基部と、前記基部の第1面から厚さ方向に突出する複数の凸部と、を備える不織布であって、
 前記凸部は、前記基部の第1面から厚さ方向に起立する周面部と、前記凸部の頭頂を形成する頂面を有する頂面部と、を備えていて、
 前記周面部の繊維密度が、前記頂面部の繊維密度よりも高く、
 前記頂面部の頂面周縁部分の少なくとも一部が、前記不織布の中で最も厚い厚みを有する最厚部として構成されており、
前記頂面部の頂面が窪んでいる、前記不織布。
[4]
  [補正後] 前記頂面部の頂面の平面形状が円形である、請求項1又は3に記載の不織布。
[5]
  [補正後] 前記最厚部は、前記不織布の中で最も低い繊維密度を有している、請求項1、3、4のいずれか一項に記載の不織布。
[6]
  [補正後] 請求項1、3~5のいずれか一項に記載の不織布を含む吸収性物品。

条約第19条(1)に基づく説明書
1.補正の内容
(1)請求項1に請求項2の発明特定事項を組み入れるとともに、請求項2を削除した。
(2)請求項3に請求項1の発明特定事項を組み入れるとともに、当該請求項3を独立形式の請求項に改めた。
(3)請求項2の削除に伴い、請求項4~6の従属関係を修正した。

2.説明
 本補正後の請求項1及び3に係る発明は、それぞれ国際調査報告において新規性及び進歩性が認められた請求項2及び3の特徴を含むものである。


図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]