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1. (WO2015174322) DISPOSITIF ÉLECTROLUMINESCENT ET APPAREIL D'AFFICHAGE
Document

明 細 書

発明の名称 発光デバイスおよび表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

先行技術文献

特許文献

0013  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0014   0015   0016   0017   0018  

課題を解決するための手段

0019  

発明の効果

0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136  

産業上の利用可能性

0137  

符号の説明

0138  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 発光デバイスおよび表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、生体リズムに影響を与える発光デバイスおよび表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 光による生理的影響として、人間やその他哺乳類も含めた多くの生物は、約24時間周期で変動する概日リズムを有しており、太陽光を始めとする外界からの光刺激等により、身体等を正確な24時間の日周リズムに補正し生存している。この外界からの光刺激と生物体内のメラトニン分泌とが深く関係することが明らかになっている。図7には、メラトニン抑制作用スペクトルが提示されている。図7には、約465nmにピーク波長を有する幅広い波長域の光がメラトニンの分泌を抑制することが示されており、このメラトニンの分泌と睡眠覚醒や体温変動等の生体リズムとの関係も解明されつつある。
[0003]
 また、図8には、従来よく知られる、人間の網膜の光受容体の作用スペクトルが示されている。また、いわゆるS錐体、M錐体、L錐体、および杆体に加え、内因性光感受性網膜細(ipRGC)と呼ばれる光受容体も網膜内で発見されており、図9に示す光応答特性が示されている。このように、光による生理的反応が明らかになりつつある。
[0004]
 これらの光による生理的反応は、生物が受ける光のスペクトルが重要である。図7に示されたスペクトルであれば、人工光でも自然光と同様の影響を及ぼす。このため、特に夜間に図7に示すメラトニン抑制作用スペクトルを含む人工光を浴びると、生物は正確な24時間の日周リズムを乱される。この結果、睡眠障害等の様々な生体への悪影響が問題視される。このため、この問題を解決するための技術が従来から提案されてきた。
[0005]
 また近年、これらの研究が進展し、極めて低い照度でも人間の概日リズムが乱されることが報告されている。特に夜間等の生体リズムを正しく維持するには、メラトニン抑制作用スペクトルを可能な限り含まない発光スペクトルを有する人工光を用いると共に、その放射量も同時に低減することが必要である。
[0006]
 その一方で、人間が正確な24時間の日周リズムを刻むためには、昼間および早朝におけるメラトニンの分泌を抑制することが重要であることはよく知られている。このため、昼間または早朝に、メラトニン抑制作用スペクトルを多く含む高照度の人工光を浴びることも重要であるとされている。
[0007]
 以上の点に鑑みて、従来、生体リズムを整えるために様々な発光デバイスが提案されている。
[0008]
 特許文献1には、600nm~660nmにピーク波長を有する第1の発光体(赤色)と、530nm~570nmにピーク波長を有する第2の発光体(緑色)と、420nm~470nmにピーク波長を有する第3の発光体(青色)とを用いて、第1および第2の発光体に波長480nm以下の可視光成分をほぼ0とするための色変換部材および短波長カットフィルタを設け、第3の発光体からは波長480nm以下の可視光成分を放射する技術が開示されている。
[0009]
 特許文献2には、発光ダイオードチップおよび蛍光物質により6000K以上の高い色温度の昼光色を発する第1の発光部と、発光ダイオードチップおよび蛍光物質により3000K以下の色温度の温白色を発する第2の発光部とを有しており、これらの発光ダイオードチップが青色光またはUV(Ultra Violet:紫外線)光を発する技術が開示されている。
[0010]
 特許文献3には、430nm~490nmの波長範囲にピーク波長を有する第1半導体発光素子と、第1波長変換部材とにより白色光を放射する第1LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、および、360nm~420nmの波長範囲にピーク波長を有する第2半導体発光素子と、第2波長変換部材とにより白色光を放射する第2LEDを有し、第1および第2LEDがそれぞれ発する白色光の色温度を整合させる技術が開示されている。
[0011]
 特許文献4には、表示部を使用者の作業領域と非作業領域とに分け、非作業領域において、覚醒期には青色光の強度を増加させることでメラトニンの分泌を抑制し、鎮静期には青色光の強度を低下させることでメラトニンの分泌を亢進させ、体内時計を調整する技術が開示されている。
[0012]
 特許文献5には、445nm~480nmに発光ピーク波長を持つ第1発光体(青色)と、第1発光体より短波長側に発光ピーク波長を持つ第2発光体(青色)とを選択的に点灯させる技術が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0013]
特許文献1 : 日本国特許公報「特許第5382849号公報(2014年1月8日発行)」
特許文献2 : 日本国特許公報「特許第5430394号公報(2014年2月26日発行)」
特許文献3 : 日本国公開特許公報「特開2012-64860号公報(2012年3月29日公開)」
特許文献4 : 日本国特許公報「特許第4692528号公報(2011年6月1日発行)」
特許文献5 : 日本国公開特許公報「特開2005-63687号公報(2005年3月10日公開)」

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0014]
 特許文献1に開示されている技術は、演色性の維持を主要な目的としており、450nm~480nm付近をピーク波長とする青色光成分が残留している。このように、特許文献1では、光源装置全体でメラトニン抑制効果を大幅に低減する方法について触れられていない。また、人間の概日リズムの維持には、主に早朝または昼間の覚醒時等に必要なメラトニン抑制有効放射量を増大する光源装置と、主に夜間の就寝時等に必要なメラトニン抑制有効放射量をほぼ0にする光源装置との切り替えが重要である。しかしながら、特許文献1では、この切り替えを実現する手段について触れられていない。
[0015]
 特許文献2および3については、人間の概日リズムに合わせた(昼間の覚醒時と夜間の就寝時等に合わせて)2種類の発光部を切り替える技術が開示されている。夜間の就寝時等においてはメラトニン抑制有効放射量が可能な限り少ないことが望まれるが、450nm~480nm付近をピーク波長とする青色光成分が残留しているので、光源装置全体でメラトニン抑制効果を大幅に低減することは難しい。
[0016]
 特許文献4については、画像表示装置に用いる例が開示されているが、鎮静期においても青色光成分が残留しているので、メラトニン抑制効果を大幅に低減することは難しい。
[0017]
 特許文献5については、第1発光体からの光がメラトニン抑制効果を持つようにすることに注力している一方、第2発光体からの光がメラトニン抑制効果をほとんど持たないようにすることには注力していない。従って、依然第2発光体からの光がある程度大きなメラトニン抑制効果を持ち、光源装置全体でメラトニン抑制効果を大幅に低減することは難しい。
[0018]
 本発明は、上記の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、メラトニン抑制効果を大幅に低減することを可能とする発光デバイスおよび表示装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0019]
 上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光デバイスは、390nm以上420nm以下である第1波長域に発光強度のピークを有する光を発する少なくとも1つの第1半導体発光素子と、420nmを超え480nm以下である第2波長域に発光強度のピークを有する光を発する少なくとも1つの第2半導体発光素子と、上記第1半導体発光素子が発した光によって励起され、498nm以上830nm以下である第3波長域に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じる第1光変換部材と、上記第2半導体発光素子が発した光によって励起され、上記第3波長域に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じる第2光変換部材と、上記第1半導体発光素子と、上記第2半導体発光素子とを互いに独立に駆動させる駆動部とを備えていることを特徴としている。

発明の効果

[0020]
 本発明の一態様によれば、メラトニン抑制効果を大幅に低減することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 本発明に係るLEDパッケージの実施の形態1の構成を示す断面図である。
[図2] 本発明に係るLEDパッケージの実施の形態2の構成を示す断面図である。
[図3] 本発明の実施の形態3に係る発光デバイスの概略構成を示す回路ブロック図である。
[図4] メラトニン抑制作用スペクトルと、第1半導体発光素子および第1光変換部材から得られた光の発光スペクトルとを対比したグラフである。
[図5] Smith,Pokonyの錐体感度関数のグラフである。
[図6] 可視光の波長に対する、明るさを感じる度合い(比視感度)を示したグラフである。
[図7] 従来よく知られる、メラトニン抑制作用スペクトルを示すグラフである。
[図8] 従来よく知られる、人間の網膜の光受容体の作用スペクトルを示すグラフである。
[図9] 内因性光感受性網膜細の光応答特性を示すグラフである。
[図10] 本発明の実施の形態4に係る発光デバイスの概略構成を示す回路ブロック図である。
[図11] 本発明の実施の形態5に係る発光デバイスの概略構成を示す回路ブロック図である。
[図12] 本発明の実施の形態6に係る発光デバイスの概略構成を示す回路ブロック図である。
[図13] 図12に示す発光デバイスのセンサ部の概略構成を示す回路ブロック図である。

発明を実施するための形態

[0022]
 〔発明の概要〕
 メラトニン抑制作用がほとんど無い紫色の光を発する紫色LED(第1半導体発光素子)と、この紫色LEDが発した紫色の光によって励起される蛍光体群(第1光変換部材)とを用いて白色光を実現し、照明光を得る発光デバイスである。
[0023]
 メラトニン抑制作用が大きい青色の光を発する青色LED(第2半導体発光素子)と、この青色LEDが発した青色の光によって励起される蛍光体群(第2光変換部材)とを併用することで、より生体リズムに適した発光デバイスを実現することが可能である。なお、この青色の光によって励起される蛍光体群は必須の構成でなく、適宜省略可能である。
[0024]
 なお、紫色LEDは、390nm以上420nm以下(第1波長域)に発光強度のピークを有する光を発する。また、青色LEDは、420nmを超え480nm以下(第2波長域)に発光強度のピークを有する光を発する。さらに、励起された各蛍光体群はいずれも、498nm以上830nm以下(第3波長域)に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じる。
[0025]
 また、紫色LEDと青色LEDとは、互いに独立に駆動される(すなわち、駆動部を備えている)。
[0026]
 〔実施の形態1〕
 図1は、LEDパッケージの実施の形態1の構成を示す断面図である。
[0027]
 図1に示すLEDパッケージ13は、LEDチップ14および15と、樹脂16および17と、蛍光体群18および19と、キャビティ20および21とを備えている。
[0028]
 LEDチップ(第1半導体発光素子)14は、390nm以上420nm以下(第1波長域)に発光強度のピークを有する紫色の光を発するものである。該紫色の光は、メラトニン抑制作用がほとんど無い。LEDチップ14は、キャビティ20に格納されていると共に、蛍光体群18を含む樹脂16によって封止されている。
[0029]
 LEDチップ(第2半導体発光素子)15は、420nmを超え480nm以下(第2波長域)に発光強度のピークを有する青色の光を発するものである。該青色の光は、メラトニン抑制作用が大きい。LEDチップ15は、キャビティ21に格納されていると共に、蛍光体群19を含む樹脂17によって封止されている。
[0030]
 樹脂(封止部材)16は、蛍光体群18を含み、キャビティ20に格納されたLEDチップ14を封止するものである。
[0031]
 樹脂(封止部材)17は、蛍光体群19を含み、キャビティ21に格納されたLEDチップ15を封止するものである。
[0032]
 蛍光体群(第1光変換部材)18は、LEDチップ14が発した紫色の光によって励起され、498nm以上830nm以下(第3波長域)に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じるものであり、複数の蛍光体18sからなる。図1にて蛍光体群18を指し示すことは簡潔化のため省略したが、樹脂16に含有された複数の蛍光体18sからなる群を、蛍光体群18としている。
[0033]
 LEDパッケージ13では、蛍光体群18が樹脂16に含まれている。蛍光体群18を構成する各蛍光体18sが互いに同じ色の蛍光を生じるものであってもよいし、少なくとも1つの該蛍光体18sが他の該蛍光体18sと異なる色の蛍光を生じるものであってもよい。具体例を挙げると、蛍光体群18を構成する全ての蛍光体18sが黄色の蛍光を生じる蛍光体18sであってもよいし、蛍光体群18が赤色の蛍光を生じる蛍光体18sと緑色の蛍光を生じる蛍光体18sとの組み合わせからなっていてもよい。
[0034]
 蛍光体群(第2光変換部材)19は、LEDチップ15が発した青色の光によって励起され、498nm以上830nm以下に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じるものであり、複数の蛍光体19sからなる。図1にて蛍光体群19を指し示すことは簡潔化のため省略したが、樹脂17に含有された複数の蛍光体19sからなる群を、蛍光体群19としている。
[0035]
 LEDパッケージ13では、蛍光体群19が樹脂17に含まれている。蛍光体群19を構成する各蛍光体19sが互いに同じ色の蛍光を生じるものであってもよいし、少なくとも1つの該蛍光体19sが他の該蛍光体19sと異なる色の蛍光を生じるものであってもよい。具体例を挙げると、蛍光体群19を構成する全ての蛍光体19sが黄色の蛍光を生じる蛍光体19sであってもよいし、蛍光体群19が赤色の蛍光を生じる蛍光体19sと緑色の蛍光を生じる蛍光体19sとの組み合わせからなっていてもよい。
[0036]
 また、蛍光体群18と蛍光体群19とが、互いに同じ種類の蛍光体を含んでいてもよいし、互いに異なる素材(例えば、各蛍光体)または素材の配合比からなっていてもよい。
[0037]
 キャビティ(第1キャビティ)20は、LEDチップ14を格納する窪み(容器等)である。キャビティ20には、蛍光体群18を含む樹脂16が充填されている。
[0038]
 キャビティ(第2キャビティ)21は、LEDチップ15を格納する窪み(容器等)である。キャビティ21には、蛍光体群19を含む樹脂17が充填されている。
[0039]
 LEDパッケージ13では、LEDチップ14と蛍光体群18との組み合わせで白色光を実現している。LEDチップ14の駆動とは独立して、LEDパッケージ13は、LEDチップ15を備えている。蛍光体群19については、必要に応じて適宜省略可能である。
[0040]
 LEDパッケージ13では、キャビティ20に1つのLEDチップ14が搭載されているが、キャビティ20に複数のLEDチップ14が搭載されていてもよい。同様に、LEDパッケージ13では、キャビティ21に1つのLEDチップ15が搭載されているが、キャビティ21に複数のLEDチップ15が搭載されていてもよい。
[0041]
 さらに、キャビティ20においてLEDチップ14が搭載されている個数と、キャビティ21においてLEDチップ15が搭載されている個数とが、互いに異なっていてもよい。これにより、所望の明るさに応じて、各LEDチップ14が発した紫色の光から得られる光の明るさと、各LEDチップ15が発した青色の光から得られる光の明るさとを、それぞれ任意に設定することができる。
[0042]
 また、キャビティ20から出射される光の経路および/またはキャビティ21から出射される光の経路に、光を拡散させる光拡散部材(図示しない)が設けられていてもよい。該光拡散部材の一例としては、キャビティ20の開口および/またはキャビティ21の開口に実装されたレンズ、樹脂16および/または樹脂17に含有された拡散剤が挙げられる。これにより、キャビティ20から出射される光とキャビティ21から出射される光とによる混色が容易となる。
[0043]
 なお、キャビティ20とキャビティ21を別々のパッケージとして分離し、2つのパッケージとして構成しても良い。
[0044]
 上記にはLEDチップの格納に窪みを利用する場合について説明したが、必ずしもこのような形態に限定されない。例えばリードフレームを有する基板上にLEDチップを実装し封止樹脂にて上部にポッティングするような形態も可能である。
[0045]
 〔実施の形態2〕
 図2は、LEDパッケージの実施の形態2の構成を示す断面図である。
[0046]
 図2に示すLEDパッケージ23は、LEDチップ14および15と、樹脂26と、蛍光体群28と、キャビティ30とを備えている。
[0047]
 LEDチップ14および15は、キャビティ30に格納されていると共に、蛍光体群28を含む樹脂26によって封止されている。
[0048]
 樹脂(封止部材)26は、蛍光体群28を含み、キャビティ30に格納されたLEDチップ14および15を封止するものである。
[0049]
 蛍光体群(光変換部材)28は、LEDチップ14が発した紫色の光によって励起され、498nm以上830nm以下に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じるものであり、複数の蛍光体28sからなる。また、蛍光体群28はさらに、LEDチップ15が発した青色の光によって励起され、498nm以上830nm以下に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じてもよい。図2にて蛍光体群28を指し示すことは簡潔化のため省略したが、樹脂26に含有された複数の蛍光体28sからなる群を、蛍光体群28としている。
[0050]
 LEDパッケージ23では、蛍光体群28が樹脂26に含まれている。蛍光体群28を構成する各蛍光体28sが互いに同じ色の蛍光を生じるものであってもよいし、少なくとも1つの該蛍光体28sが他の該蛍光体28sと異なる色の蛍光を生じるものであってもよい。具体例を挙げると、蛍光体群28を構成する全ての蛍光体28sが黄色の蛍光を生じる蛍光体28sであってもよいし、蛍光体群28が赤色の蛍光を生じる蛍光体28sと緑色の蛍光を生じる蛍光体28sとの組み合わせからなっていてもよい。
[0051]
 キャビティ30は、LEDチップ14および15を格納する窪み(容器等)である。キャビティ30には、蛍光体群28を含む樹脂26が充填されている。
[0052]
 〔実施の形態3〕
 図3は、本実施の形態に係る発光デバイスの概略構成を示す回路ブロック図である。
[0053]
 図3に示す発光デバイス1は、調光制御部2、定電流回路3および4、ならびにLED回路5および6を備えている。
[0054]
 調光制御部2は、定電流回路3および4に接続されている。定電流回路3は、LED回路5に接続されている。定電流回路4は、LED回路6に接続されている。
[0055]
 LED回路5および6は、基板上に実装された複数のLEDパッケージ13の直列回路である。LED回路5では複数のLEDチップ14が直列に接続されており、LED回路6では複数のLEDチップ15が直列に接続されている。
[0056]
 これらのLED回路5および6は、互いに発光スペクトルが異なる。すなわち、LED回路5の各LEDチップ14の発光スペクトルは、390nm以上420nm以下である第1波長域に発光強度のピークを有する。LED回路6の各LEDチップ15の発光スペクトルは、420nmを超え480nm以下である第2波長域に発光強度のピークを有する。これに伴い、各LEDチップ14から出射された紫色の光と、各LEDチップ15から出射された青色の光とは、内因性光感受性網膜細への作用量が互いに異なる。このため、該紫色の光と該青色の光とは、生体リズムに対して互いに異なる作用を示す。なお、作用量とは受光体が光を受けることで反応する反応量のことである。照射光のスペクトルに作用スペクトルを積算し、波長にて積分することで得られる。
[0057]
 調光制御部(駆動部)2は、LED回路5のLEDチップ14およびLED回路6のLEDチップ15の点灯時間を、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)によって制御する。調光制御部2は、LED回路5(LEDチップ14)とLED回路6(LEDチップ15)とを個別に制御する。該PWMによる制御のため、調光制御部2は、LED回路5および6のそれぞれに与えるPWM信号を個別に生成するPWM回路(図示しない)を有している。このPWM回路は、例えば照明制御部7や発光デバイス1の外部からの指示に応じて、各PWM信号のデューティー比を変更する。
[0058]
 定電流回路(駆動部)3は、調光制御部2から供給されるPWM信号に基づいて定電流を生成し、この定電流をLED回路5に供給する。定電流回路3は、該PWM信号のハイレベルの期間にオン状態となることで該定電流をLED回路5に供給する一方、該PWM信号のローレベルの期間にオフ状態となることで該定電流をLED回路5に供給しない。
[0059]
 定電流回路(駆動部)4は、調光制御部2から供給されるPWM信号に基づいて定電流を生成し、この定電流をLED回路6に供給する。定電流回路4は、該PWM信号のハイレベルの期間にオン状態となることで該定電流をLED回路6に供給する一方、該PWM信号のローレベルの期間にオフ状態となることで該定電流をLED回路6に供給しない。
[0060]
 発光デバイス1では、調光制御部2がLED回路5および6毎に向けて個別に生成するPWM信号によって、定電流回路3がLED回路5に供給する定電流を制御すると共に定電流回路4がLED回路6に供給する定電流を制御する。この結果、LEDチップ14とLEDチップ15とが個別に制御されている。従って、発光デバイス1は、各LED回路5および6に供給する定電流を調整することにより、LEDチップ14とLEDチップ15とのそれぞれの光強度に応じて異なる色となる混色の光を発することができる。
[0061]
 なお、調光制御部2によるLED回路5および6の制御には、LEDチップ14および15の、発光輝度の変更、点灯および消灯、点滅が含まれる。
[0062]
 また、発光デバイス1では勿論、LEDパッケージ13のかわりにLEDパッケージ23が用いられてもよい。
[0063]
 照明制御部7は、発光デバイス1の使用条件に応じて必要な構成要素を備えており、調光制御部2に指示を送ることでLED回路5および6を制御する。390nm以上420nm以下である波長域に発光強度のピークを有する紫色の光は、420nmを超え480nm以下である波長域に発光強度のピークを有する青色の光と比較し、視覚への作用量が小さい。すなわち、これらの光を同じ強度で発光させると、該紫色の光は、該青色の光より暗く見える。これらの光は、青色の明るさが互いに異なって見えるため、色合いが互いに異なるが、人間の視覚には色順応の機能があるため、やがてその色合いの違いに慣れ、これらの光の両方が自然に見えるようになる。
[0064]
 携帯機器およびテレビ受信機等の画面は、使用時に注視されることから、携帯機器およびテレビ受信機等の表示装置の光源として発光デバイス1は好適である。該表示装置として、現在は液晶ディスプレイが主に普及している。ほとんどの液晶ディスプレイは、カラーフィルタと液晶との組み合わせによって多色化を実現している。一般に、液晶は、可視光のうち短波長側の成分に対する透過率が悪い。また、カラーフィルタのうち青色のものは、通常450~460nm付近にピークを有する青色波長に対して最適なものが選ばれ、420nmでは透過率の落ちるものが多い。従って、液晶ディスプレイに発光デバイス1を適用する場合、該短波長側の成分を多く有する光の発光強度が大きくなるよう調整を行う必要がある。一方で、透過ではなく反射を用いるデジタル・マイクロミラー・デバイスでは、カラーフィルタまたは液晶を必要としないので、該短波長側の成分の減衰も小さい。ゆえに発光デバイス1の適用に更に好適であると言える。
[0065]
 〔実施の形態4〕
 図10は、本実施の形態に係る発光デバイスの概略構成を示す回路ブロック図である。特に説明しないものについては、図3に示したものと同様の機能を有する。
[0066]
 図10に示す発光デバイス101は、図3に示した発光デバイス1の概念に含まれるものである。但し、発光デバイス101がタイマ部105を備えていることを明示するため、図10では、照明制御部7のブロック内に、光源制御部(制御部)104とタイマ部105とをそれぞれ明示している。
[0067]
 タイマ部105は、何らかの構成によって、時刻および時間の経過の少なくとも一方を検知する機能ブロックである。例えば、タイマ部105は、下記(A)~(C)に例示する構成にて実現することができる。
[0068]
 (A)リアルタイムクロック(RTC)デバイス、電波時計受信モジュール、GPS(Global Positioning System:全地球位置把握システム)受信モジュールといった、直接的に時刻および/または時間の経過を得る構成。
[0069]
 (B)ネットワーク等に接続して、他の接続ノードから時刻を得る構成(機能単位)。
[0070]
 (C)CPU(Central Processing Unit:コンピューターの中央演算処理装置)等で時間の経過をカウントすることによって、時刻および/または時間の経過を得る構成(方法)。
[0071]
 光源制御部104は、タイマ部105から時刻および時間の経過の少なくとも一方を示す情報を受け取り、この情報に応じて、調光制御部2により定電流回路3および4を適宜制御し、LED回路5の各LEDチップ14およびLED回路6の各LEDチップ15の点灯時間を制御する。例えば、日中は主に各LEDチップ15による発光強度が大きくなるよう該点灯時間を制御し、夜になるにつれて徐々に各LEDチップ15による発光強度を小さく、各LEDチップ14による発光強度が大きくなるよう該点灯時間を制御することが可能である。
[0072]
 発光デバイス101を液晶ディスプレイ等の表示装置の光源として用いると、各LEDチップ14および各LEDチップ15の点灯時間に応じて、表示の色合いが変わることになる。しかしながら、人間の視覚は色順応の機能を有しており、たとえ表示の色合いが本来の色合いと異なるものであっても、色順応の機能により不自然さを感じることなく色の識別が可能である。従って、該表示装置の光源として発光デバイス101を使用することに問題は無い。
[0073]
 タイマ部105にGPS受信モジュールを用いると、時刻の情報のみでなく、日付および緯度経度の位置情報をも得ることが可能である。これらの情報を必要に応じて用い、発光デバイス101は、時刻と場所とに応じて上記の時間プロファイルを日照に合わせることができる。すなわち、実際の日照時間に合わせて発光の色合いおよび強度を変化させることが可能である。
[0074]
 〔実施の形態5〕
 図11は、本実施の形態に係る発光デバイスの概略構成を示す回路ブロック図である。特に説明しないものについては、図3に示したものと同様の機能を有する。
[0075]
 図11に示す発光デバイス102は、図3に示した発光デバイス1の概念に含まれるものである。但し、発光デバイス102がタイマ部105および通信部106を備えていることを明示するため、図11では、照明制御部7のブロック内に、光源制御部104とタイマ部105と通信部106とをそれぞれ明示している。図11に示した発光デバイス102と、図10に示した発光デバイス101との相違は、通信部106の有無である。
[0076]
 実施の形態4にて、人間の視覚の色順応機能を利用して、表示装置の表示の色合いが本来のものと異なる適用例を説明した。このとき、表示装置による表示の色合いを変化させても、表示装置の周囲の光の色合いがそれに伴って変化しなければ、色順応は表示装置の周囲の光にも影響され、不十分なものとなる。発光デバイス102の構成によって表示装置の周囲の光を制御することで、さらに色順応を潤滑に推し進めることが可能になる。
[0077]
 通信部106は、発光デバイス102の外部の表示装置の周囲の環境光を制御するための通信機能ブロックである。通信手段としては、赤外線リモコンおよびBluetooth(登録商標)等の無線通信、Dali(Digital Addressable Lighting Interface:デジタルかつアドレス可能な光源インターフェイス)およびDMX512信号用のインターフェイスといった照明制御インターフェイス、その他汎用または専用の接続手段を用いることができる。そして、選択された該接続手段にあわせた通信部106が用意される。通信部106は、この接続手段を用いて環境光を制御するための信号を外部に出力し、この信号が、環境光の色合いを発光デバイス102の発光する光の色合いに近いものとさせるためのトリガとなる。
[0078]
 発光デバイス102を表示装置の光源として利用すると、各LEDチップ14および15が発する光の発光スペクトルの変化に合わせて、通信部106を用いて周囲に照明装置等から照射される環境光をも変化させることができる。利用者の目には表示装置の映像と環境光とが入射されるが、これらの色合いを類似のものとすることで、表示装置の映像の色合いへの順応が容易になる。
[0079]
 発光デバイス102において、タイマ部105は省略されてもよい。
[0080]
 〔実施の形態6〕
 図12は、本実施の形態に係る発光デバイスの概略構成を示す回路ブロック図である。特に説明しないものについては、図3に示したものと同様の機能を有する。
[0081]
 図12に示す発光デバイス103は、図3に示した発光デバイス1の概念に含まれるものである。但し、発光デバイス103がセンサ部107を備えていることを明示するため、図12では、照明制御部7のブロック内に、光源制御部104とセンサ部107とをそれぞれ明示している。
[0082]
 センサ部107は、周囲に照射される環境光がどの程度の青色成分を含んでいるのかを検出する機能ブロックである。センサ部107の構成の一例を、図13を用いて説明する。
[0083]
 センサ部107は、センサ制御部108と、照度センサ109aおよび109bと、カラーフィルタ110aおよび110bとを備えている。カラーフィルタ110aとカラーフィルタ110bとは、透過スペクトルが互いに異なる。そして、カラーフィルタ110aおよび110bを透過した光は、それぞれ、照度センサ109aおよび109bに入射される。この構成により、環境光等の光に含まれる青色成分(可視光の短波長成分)の強度に応じて、照度センサ109aと照度センサ109bとの反応(例えば、青色成分の強度を示す指標としての出力値)のバランスが変わるよう調整される。換言すれば、照度センサ109aと照度センサ109bとは、検知すべき光の周波数が互いに異なるものである。
[0084]
 例えば、カラーフィルタ110aが可視光のうち長波長の成分(緑色または赤色)を比較的よく透過し、カラーフィルタ110bが可視光のうち短波長の成分(青色)を比較的よく透過するものとする。環境光の青色成分の強度が大きい場合、カラーフィルタ110aを透過する光は少なく、カラーフィルタ110bを透過する光は多い。従って、照度センサ109aの反応よりも照度センサ109bの反応が大きくなる。逆に、環境光の青色成分の強度が小さい場合、カラーフィルタ110aを透過する光は多く、カラーフィルタ110bを透過する光は少ない。従って、照度センサ109bの反応よりも照度センサ109aの反応が大きくなる。センサ制御部108は、これらの照度センサ109aおよび109bの反応の大きさを読み取り、そのバランスから環境光の色合い(青色成分の強度)を検知することが可能である。
[0085]
 光源制御部104は、センサ制御部108が色合いを検知した結果(センサ制御部の検知結果)に応じて、発光デバイス103の発光を調整する。例えば、環境光の青色成分の強度が大きい場合、青の視感度の高い各LEDチップ15の発光を、青の視感度の低い各LEDチップ14の発光よりも支配的になるよう制御し、青色成分の強度が大きい色合いの発光とする。逆に、環境光の青色成分の強度が小さい場合、各LEDチップ15の発光強度を小さくし、各LEDチップ14の発光強度を大きくするように制御する。このようにして、環境光の色合いに応じて、発光デバイス103は、その発光の色合いを変化させることができる。発光デバイス103を表示装置の光源に用いた場合、発光デバイス103の発光の色合いと環境光の色合いとが近いため、色順応が潤滑に進み、表示の色合いに不自然さを感じにくい。
[0086]
 上記以外のセンサ部107の構成例として、例えば反応するスペクトルが異なる複数の照度センサを用いることで、カラーフィルタを用いない構成とすることも可能である。また、カラーフィルタを2種類ではなく、一方の照度センサにだけカラーフィルタを用い、他方の照度センサにはカラーフィルタを用いない構造も可能である。また、フォトダイオード等の照度センサを用いる以外に、カメラモジュールを利用することでも環境光の色合いを検知することが可能である。
[0087]
 〔作用効果1〕
 図4は、メラトニン抑制作用スペクトル(図7参照)と、LEDチップ14および蛍光体群18または28から得られた光の発光スペクトルとを対比したグラフである。
[0088]
 図4の光発光スペクトル分布のグラフは、LEDチップ104に405nmをピークとした紫色光を発するチップを用い、蛍光体群18または28には、緑色蛍光体のβ-サイアロンと赤色蛍光体のCASNを組み合わせたときの例を示している。
[0089]
 メラトニン抑制作用スペクトルに示すとおり、波長430nm~500nmの光は、ピーク値に対して60%以上ものメラトニンの抑制効果を有する。LEDチップ14および蛍光体群18または28から得られた光は、430nm~500nmの波長をほとんど含まない発光スペクトルとなるため、メラトニンの抑制効果は非常に小さい。
[0090]
 従って、生体リズムに合わせた就寝前の照明として、LEDチップ14および蛍光体群18または28から得られた光を用いることが効果的である。すなわち、朝にはLEDチップ15が発した青色の光由来の光を用いて、夜にはLEDチップ14が発した紫色の光由来の光を用いることにより、生体リズムに合わせて光源を切り替えることが可能である。
[0091]
 〔作用効果2〕
 発光デバイス1は、約500nmより短い波長の光を全てカットするのではなく、LEDチップ14により波長390nm以上420nm以下に発光強度のピークを有する光を発する。
[0092]
 これにより、1つ目の利点として、液晶表示装置のバックライト等の、3原色で色を合成して表示を行う表示装置に発光デバイス1を適用することが可能となる。また、2つ目の利点として、部屋等を照らす照明器具に適用すると、白みを帯びた光を得ることが可能となる。
[0093]
 [1つ目の利点の説明]
 一般的に、テレビジョン受信機および表示装置では、赤、緑、および青の3原色を用いて、これらの比率を調整することで様々な色が表示される。人間の色覚メカニズムとして、眼の網膜上にあり互いに分光特性が異なる、L錐体、M錐体、およびS錐体が刺激される量の差(比率)により、人間は色を見分けているという説が現状有力である。
[0094]
 なお、L錐体、M錐体、およびS錐体への刺激量を変えるために、赤、緑、および青の3原色を選ぶことは必須でない。
[0095]
 (赤、緑、および青の3原色を選ぶことは必須でないことの説明)
 図5は、L錐体、M錐体、およびS錐体の分光感度として色彩工学の研究者の間でよく知られている、Smith,Pokonyの錐体感度関数のグラフである。これは眼球の光学系も含んだ分光特性であり、光が眼に入射すると光と色とを感じるメカニズムを関係付けることを論ずるのに都合がよい。
[0096]
 LEDチップ14および蛍光体群18または28から得られた光は、青色の光に分類される450nm~495nmの波長の光をほとんど含まない一方、波長405nm近傍の紫色の光が支配的である。この紫色の光は、図5に示すグラフによれば、L錐体およびM錐体をほとんど刺激せず、実質的にS錐体を選択的に刺激する。このため、この紫色の光は、メラトニン抑制作用がほとんど無いにも関わらず、L錐体、M錐体、およびS錐体が刺激される量の差を変えることで人間の眼に様々な色を見せることができる光源として用いることができる。
[0097]
 ここで厳密には、テレビジョン放送の映像等の3原色を想定した映像を映し出す場合、赤、緑、および青の光の強度の組み合わせから、赤、緑、および紫の光の強度の組み合わせに映像信号を変換する処理を加えるのが好ましい。ただし、この処理を加えない場合であっても、人間の色順応の能力により、人間が極端に不自然さを感じることなくカラー映像を見ることは可能である。また、利用するアプリケーションによっては、カラーバランスに必要以上にこだわらなくてもよいケースも存在し、この場合、この処理を加えなくてもよい。例えば、テキストやモノクロの図画等を表示装置で閲覧する場合が、このケースに該当する。
[0098]
 (色順応が働く環境下で発光デバイスを使用した場合の説明)
 人間の眼は、光の波長により明るさを感じる度合いが異なる。図6は、可視光の波長に対する、明るさを感じる度合い(比視感度)を示したグラフである。図6では、色を感じることができる明るさの環境下において人間が最も明るく感じるとされる波長555nmの光の明るさを感じる度合いを1とした、他の波長の光の明るさを感じる度合いの比率を示している。図6は、明所視標準比視感度特性のグラフである。
[0099]
 波長450nm近傍の青色の光の比視感度に比べて、波長405nm近傍の紫色の光の比視感度は低い。一般に、比視感度曲線は、網膜上の錐体細胞の密度の関係で、L錐体およびM錐体の分光感度に近い曲線と言われている。青色の光に対する感度と紫色の光に対する感度との差を述べるためには、図5に示すS錐体の分光感度特性で比較するのが適していると考えられるが、それでも青色の光に比べて紫色の光の感度は低い。
[0100]
 様々な外来光に曝される環境下での発光デバイスの使用を想定すれば、青色の光と紫色の光との比視感度に応じて、紫色の光の量を大きくする必要がある。
[0101]
 一方で、表示装置を見る部屋の条件によっては、紫色の光の量を大きくする必要が無い場合もある。具体例を挙げると、部屋の照明が暗い場合、部屋を照らす照明光の発光スペクトルがLEDチップ14が発する紫色の光の発光スペクトルに近い場合等においては、人間の眼に備わる色順応の作用により、紫色の光の量を大きくしなくとも、人間が極端に不自然さを感じない色バランスにて映像を見ることが可能である。メラトニン抑制作用が大きい光を浴びることを避けたい夜または就寝前であれば、これらの条件を満足する部屋を実現することは難しくない。
[0102]
 (色順応について)
 人間は、物を照らす光のスペクトル分布が異なる環境下であっても、自然な色合いで物を見ることができるという、色順応の能力を持っている。色順応の一例としては、太陽光が降り注ぐ屋外から、白熱電球で照らされた部屋に入った直後は全体的に物が赤みまたは黄みを帯びて見えるが、次第に自然な色に見えてくる現象が挙げられる。
[0103]
 この色順応の仕組みを説明するものとして、Von Kriesのモデルがよく知られている。このVon Kriesのモデルについて簡単に説明すると、スペクトル分布が異なる照明環境下に物が置かれたときでも、白色の見え方が一定となるようL錐体、M錐体、およびS錐体のバランスが変わり、物が自然な色に近づいて見えるとした説である。白熱電球の発する光は、太陽光に比べて、短波長側(紫色および青色)において強度が小さく長波長側(赤色)において強度が大きくなるスペクトルを有している。この白熱電球に照らされる環境下では、S錐体の感度が上がり、L錐体の感度が下がることで、太陽光の下で見える色バランスに近づくと説明される。
[0104]
 Von Kriesのモデルを用いて、LEDチップ14および蛍光体群18または28から得られた光を液晶表示装置等のバックライトに適用したときの作用を説明する。
[0105]
 部屋の照明や外来光等の、表示装置以外から網膜に入る光の強度が小さければ、表示装置から出力される光のスペクトル分布に従って、L錐体、M錐体、およびS錐体の各々の感度が決定される色順応が働く。
[0106]
 紫色の光は比視感度が小さいため、部屋の照明光にS錐体を強く反応させる青色の光が多く含まれていると、S錐体の感度に影響する光として、表示装置からの光よりも部屋の照明が支配的となり、表示装置からの出射光に合わせた色順応が起こりにくくなる。そのため、LEDチップ14および蛍光体群18または28から得られた光を表示装置に用いるときは、青色の光のスペクトルを含まない部屋照明と組み合わせることが好ましい。
[0107]
 [2つ目の利点の説明]
 約500nmより短い波長の光を全てカットすると、黄色~赤色を帯びた光となるが、LEDチップ14および蛍光体群18または28から得られた光は、白みを帯びた光とすることができる。
[0108]
 これは、LEDチップ14による光がS錐体を刺激することによる効果である。
[0109]
 メラトニン抑制作用スペクトルを減らすために、500nmより短い波長の光を全てカットすると、色温度が低い電球色のような色合いになる。赤みを帯びた電球色は、温かみを感じる光であるが季節によっては暑苦しさを感じさせることもある。ここにメラトニン抑制作用の効果が小さい波長405nm近傍の光を加えると、S錐体も刺激され白色に近づいてくるため、夏の時期でも暑苦しさを感じにくい光となる。
[0110]
 この結果、メラトニン抑制作用スペクトルを避けながら、白色寄りの光を実現することができる。色温度にこだわらずに、見た目の色合いで調整した白色よりの常夜灯等に好適に利用できる。
[0111]
 〔まとめ〕
 本発明の一態様に係る発光デバイスは、390nm以上420nm以下である第1波長域に発光強度のピークを有する光を発する少なくとも1つの第1半導体発光素子(LEDチップ14)と、420nmを超え480nm以下である第2波長域に発光強度のピークを有する光を発する少なくとも1つの第2半導体発光素子(LEDチップ15)と、上記第1半導体発光素子が発した光によって励起され、498nm以上830nm以下である第3波長域に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じる第1光変換部材(蛍光体群18)と、上記第2半導体発光素子が発した光によって励起され、上記第3波長域に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じる第2光変換部材(蛍光体群19)と、上記第1半導体発光素子と、上記第2半導体発光素子とを互いに独立に駆動させる駆動部(調光制御部2)とを備えている。
[0112]
 上記の構成によれば、第1半導体発光素子および第1光変換部材から得られた光は、430nm~500nmの波長をほとんど含まない発光スペクトルとなるため、メラトニンの抑制効果はほとんど無い。一方、第2半導体発光素子および第2光変換部材から得られた光は、メラトニンの抑制効果が大きい。そして、駆動部により第1半導体発光素子と第2半導体発光素子とを互いに独立に駆動させることによって、メラトニンの抑制効果がほとんど無い光とメラトニンの抑制効果が大きい光とを切り替えることができる。
[0113]
 従って、朝には第2半導体発光素子が発した光由来の光を用いて、夜には第1半導体発光素子が発した光由来の光を用いることにより、生体リズムに合わせて光源を切り替えることが可能である。結果、メラトニン抑制効果を大幅に低減することが可能となる。
[0114]
 本発明の別の態様に係る発光デバイスはさらに、上記第1光変換部材と上記第2光変換部材とが、互いに同じ種類の蛍光体を含んでいる。
[0115]
 本発明の別の態様に係る発光デバイスはさらに、上記第1半導体発光素子が搭載されている個数と上記第2半導体発光素子が搭載されている個数とが、互いに異なっている。
[0116]
 上記の構成によれば、所望の明るさに応じて、各第1半導体発光素子が発した光から得られる光の明るさと、各第2半導体発光素子が発した光から得られる光の明るさとを、それぞれ任意に設定することができる。
[0117]
 本発明の別の態様に係る発光デバイスはさらに、第1キャビティ(キャビティ20)および第2キャビティ(キャビティ21)をさらに備えており、上記第1半導体発光素子は、上記第1キャビティに格納されていると共に、上記第1光変換部材を含む封止部材(樹脂16)によって封止されており、上記第2半導体発光素子は、上記第2キャビティに格納されている。
[0118]
 本発明の別の態様に係る発光デバイスはさらに、上記第2キャビティに、上記第2光変換部材を含む封止部材(樹脂17)が充填されており、上記第1光変換部材と上記第2光変換部材とが、互いに異なる素材または素材の配合比からなる。
[0119]
 本発明の別の態様に係る発光デバイスはさらに、上記第1キャビティから出射される光の経路および上記第2キャビティから出射される光の経路の少なくとも一方に、光を拡散させる光拡散部材が設けられている。
[0120]
 上記の構成によれば、第1キャビティから出射される光と第2キャビティから出射される光とによる混色が容易となる。
[0121]
 本発明の異なる態様に係る発光デバイスは、390nm以上420nm以下である第1波長域に発光強度のピークを有する光を発する少なくとも1つの第1半導体発光素子と、420nmを超え480nm以下である第2波長域に発光強度のピークを有する光を発する少なくとも1つの第2半導体発光素子と、上記第1半導体発光素子が発した光によって励起され、498nm以上830nm以下である第3波長域に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じる光変換部材(蛍光体群28)と、上記第1半導体発光素子と、上記第2半導体発光素子とを互いに独立に駆動させる駆動部とを備えている。
[0122]
 上記の構成によれば、第1光変換部材および第2光変換部材を備えなくとも、上記一態様に係る発光デバイスと同様の効果を奏する。
[0123]
 本発明の他の態様に係る発光デバイスはさらに、上記光変換部材はさらに、上記第2半導体発光素子が発した光によって励起され、上記第3波長域に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じる。
[0124]
 本発明の他の態様に係る発光デバイスはさらに、上記第1半導体発光素子および上記第2半導体発光素子は、互いに同一のキャビティ(キャビティ30)に格納されていると共に、上記光変換部材を含む封止部材(樹脂26)によって封止されている。
[0125]
 本発明のさらに異なる態様に係る発光デバイスは、上記第1半導体発光素子および上記第2半導体発光素子の点灯時間を制御する制御部(光源制御部104)を備えており、上記第1半導体発光素子から出射された光と、上記第2半導体発光素子から出射された光とは、内因性光感受性網膜細への作用量が互いに異なることを特徴としている。
[0126]
 上記の構成によれば、第1半導体発光素子から得られた光は、430nm~500nmの波長をほとんど含まない発光スペクトルとなるため、メラトニンの抑制効果はほとんど無い。一方、第2半導体発光素子から得られた光は、メラトニンの抑制効果が大きい。そして、制御部により第1半導体発光素子による発光と第2半導体発光素子による発光とを制御することによって、メラトニンの抑制効果がほとんど無い光とメラトニンの抑制効果が大きい光とを切り替えることができる。
[0127]
 従って、朝には第2半導体発光素子が発した光を用いて、夜には第1半導体発光素子が発した光を用いることにより、生体リズムに合わせて光源を切り替えることが可能である。結果、メラトニン抑制効果を大幅に低減することが可能となる。
[0128]
 本発明のさらに別の態様に係る発光デバイスはさらに、時刻および時間の経過の少なくとも一方を検知するタイマ部を備えており、上記制御部は、上記タイマ部から受け取った、上記時刻および時間の経過の少なくとも一方を示す情報に応じて、上記点灯時間を制御する。
[0129]
 上記の構成によれば、時刻および時間の経過に応じて、第1半導体発光素子および第2半導体発光素子の点灯時間を制御することができる。例えば、日中は主に第2半導体発光素子による発光強度が大きくなるよう該点灯時間を制御し、夜になるにつれて徐々に第2半導体発光素子による発光強度を小さく、第1半導体発光素子による発光強度が大きくなるよう該点灯時間を制御することが可能である。
[0130]
 本発明のさらに別の態様に係る発光デバイスはさらに、上記発光デバイスが搭載される表示装置の周囲の光の強度を検知し、検知すべき周波数が互いに異なる複数の照度センサと、上記複数の照度センサの検知結果から、上記表示装置の周囲の光に含まれる青色成分の強度を検知するセンサ制御部とを備えており、上記制御部は、上記センサ制御部の検知結果に応じて、上記点灯時間を制御する。
[0131]
 上記の構成によれば、表示装置の周囲の光に含まれる青色成分の強度を検知した結果に応じて、第1半導体発光素子および第2半導体発光素子の点灯時間を制御することができる。例えば、光の青色成分の強度が大きい場合、第2半導体発光素子の発光を、第1半導体発光素子の発光よりも支配的になるよう制御し、青色成分の強度が大きい色合いの発光とすることが可能である。逆に、光の青色成分の強度が小さい場合、第2半導体発光素子の発光強度を小さくし、第1半導体発光素子の発光強度を大きくするように制御することが可能である。
[0132]
 本発明のさらに別の態様に係る発光デバイスはさらに、上記制御部による点灯時間の制御に応じて、上記発光デバイスの外部の表示装置の周囲の光を制御する信号を出力する通信部を備えている。
[0133]
 上記の構成によれば、通信部からの情報に応じて、表示装置の周囲の光を制御することができる。
[0134]
 本発明の一態様に係る表示装置は、本発明のさらに異なる態様に係る発光デバイスを光源として備えていることを特徴としている。
[0135]
 上記の構成によれば、表示装置において、本発明のさらに異なる態様に係る発光デバイスと同様の効果を奏する。
[0136]
 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

産業上の利用可能性

[0137]
 本発明は、生体リズムに影響を与える発光デバイスおよび表示装置に利用することができる。

符号の説明

[0138]
1、101、102、および103 発光デバイス
2 調光制御部(駆動部)
14 LEDチップ(第1半導体発光素子)
15 LEDチップ(第2半導体発光素子)
16 樹脂(封止部材)
17 樹脂(封止部材)
18 蛍光体群(第1光変換部材)
18s 蛍光体
19 蛍光体群(第2光変換部材)
19s 蛍光体
20 キャビティ(第1キャビティ)
21 キャビティ(第2キャビティ)
26 樹脂(封止部材)
28 蛍光体群(光変換部材)
28s 蛍光体
30 キャビティ
104 光源制御部(制御部)
105 タイマ部
106 通信部
108 センサ制御部
109aおよび109b 照度センサ

請求の範囲

[請求項1]
 390nm以上420nm以下である第1波長域に発光強度のピークを有する光を発する少なくとも1つの第1半導体発光素子と、
 420nmを超え480nm以下である第2波長域に発光強度のピークを有する光を発する少なくとも1つの第2半導体発光素子と、
 上記第1半導体発光素子が発した光によって励起され、498nm以上830nm以下である第3波長域に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じる第1光変換部材と、
 上記第2半導体発光素子が発した光によって励起され、上記第3波長域に発光強度のピークを1つ以上有する蛍光を生じる第2光変換部材と、
 上記第1半導体発光素子と、上記第2半導体発光素子とを互いに独立に駆動させる駆動部とを備えていることを特徴とする発光デバイス。
[請求項2]
 上記第1光変換部材と上記第2光変換部材とが、互いに同じ種類の蛍光体を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
[請求項3]
 第1キャビティおよび第2キャビティをさらに備えており、
 上記第1半導体発光素子は、上記第1キャビティに格納されていると共に、上記第1光変換部材を含む封止部材によって封止されており、
 上記第2半導体発光素子は、上記第2キャビティに格納されていることを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
[請求項4]
 上記第2キャビティに、上記第2光変換部材を含む封止部材が充填されており、
 上記第1光変換部材と上記第2光変換部材とが、互いに異なる素材または素材の配合比からなることを特徴とする請求項3に記載の発光デバイス。
[請求項5]
 上記第1キャビティから出射される光の経路および上記第2キャビティから出射される光の経路の少なくとも一方に、光を拡散させる光拡散部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の発光デバイス。
[請求項6]
 上記第1半導体発光素子および上記第2半導体発光素子の点灯時間を制御する制御部を備えており、
 上記第1半導体発光素子から出射された光と、上記第2半導体発光素子から出射された光とは、内因性光感受性網膜細への作用量が互いに異なることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の発光デバイス。
[請求項7]
 時刻および時間の経過の少なくとも一方を検知するタイマ部を備えており、
 上記制御部は、上記タイマ部から受け取った、上記時刻および時間の経過の少なくとも一方を示す情報に応じて、上記点灯時間を制御することを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
[請求項8]
 上記発光デバイスが搭載される表示装置の周囲の光の強度を検知し、検知すべき周波数が互いに異なる複数の照度センサと、
 上記複数の照度センサの検知結果から、上記表示装置の周囲の光に含まれる青色成分の強度を検知するセンサ制御部とを備えており、
 上記制御部は、上記センサ制御部の検知結果に応じて、上記点灯時間を制御することを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
[請求項9]
 上記制御部による点灯時間の制御に応じて、上記発光デバイスの外部の表示装置の周囲の光を制御する信号を出力する通信部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
[請求項10]
 請求項6から9のいずれか1項に記載の発光デバイスを光源として備えていることを特徴とする表示装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]