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1. (WO2015174024) DISPOSITIF DE CONVERSION D'ÉNERGIE ET CONDITIONNEUR D'ÉNERGIE L'UTILISANT
Document

明 細 書

発明の名称 電力変換装置、およびそれを用いたパワーコンディショナ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 電力変換装置、およびそれを用いたパワーコンディショナ

技術分野

[0001]
 本発明は、一般に電力変換装置、およびそれを用いたパワーコンディショナに関し、より詳細には直流電源からの電力を変換する電力変換装置、およびそれを用いたパワーコンディショナに関する。

背景技術

[0002]
 近年、住宅用の太陽光発電装置や燃料電池、蓄電装置などの普及に伴い、これらの直流電源の出力を交流に変換する電力変換装置として、多様な回路が提案され、提供されている。たとえば日本国特許出願公開番号2014-64431(段落〔0002〕~〔0006〕、図16,17、以下、文献1と称する)および日本国特許番号第4369425(以下、文献2と称する)には、直流電圧源から複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成する電力変換装置(文献1では「マルチレベル電力変換装置」、文献2では「コンバータ回路」)が開示されている。
[0003]
 文献1の記載によれば、電力変換装置は、5レベルの電圧を出力する5レベルインバータであって、2個の直流キャパシタと、2個のフライングキャパシタと、10個のスイッチング素子とを備えている。この電力変換装置は、2個の直流キャパシタの直列回路に直流電圧Eが印加された状態で、各直流キャパシタの電圧がE/2となり、各フライングキャパシタの電圧がE/4となるように各スイッチング素子を制御することで、5レベルの電圧を出力する。
[0004]
 ところで、文献1,2に記載の電力変換装置においては、上述したように5レベルの電圧を出力する定常動作を行うためには、直流電源(直流電圧源)の投入後、まずフライングキャパシタを規定電圧(E/4)まで充電する必要がある。しかし、文献1,2に記載の電力変換装置は、定常動作の中でフライングキャパシタを充電するように構成されており、交流出力の出力端子間に何の負荷も接続されていない状態(無負荷状態)では、フライングキャパシタを充電することができない。

発明の概要

[0005]
 本発明は上記事由に鑑みて為されており、定常動作に必要なキャパシタを無負荷状態でも充電することができる電力変換装置、およびそれを用いたパワーコンディショナを提供することを目的とする。
[0006]
 本発明の一の形態に係る電力変換装置は、直流電源の高電位側にある第1入力点と基準電位点との間に電気的に接続され、第1出力点と前記基準電位点との間に発生する電圧の大きさをゼロ、第1レベル、第2レベルの3段階で切り替える第1変換回路と、前記直流電源の低電位側にある第2入力点と前記基準電位点との間に電気的に接続され、前記基準電位点と第2出力点との間に発生する電圧の大きさをゼロ、第3レベル、第4レベルの3段階で切り替える第2変換回路と、前記第1出力点と前記第2出力点との間に電気的に接続され、フルブリッジ接続された第1~4のスイッチを有し、前記第1出力点と前記第2出力点との間に生じる電圧を交流電圧に変換して出力する第3変換回路と、前記第1出力点および前記第2出力点の少なくとも一方と前記第3変換回路との間に電気的に接続されたインダクタとを備え、前記第1変換回路は、前記第1入力点と前記基準電位点との間において、前記第1入力点側から第1のスイッチング素子、第2のスイッチング素子、第3のスイッチング素子、第4のスイッチング素子の順で、電気的に直列に接続された第1~4のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子および前記第3のスイッチング素子の直列回路と電気的に並列に接続された第1キャパシタとを有し、前記第2のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子との接続点を前記第1出力点としており、前記第2変換回路は、前記基準電位点と前記第2入力点との間において、前記基準電位点側から第5のスイッチング素子、第6のスイッチング素子、第7のスイッチング素子、第8のスイッチング素子の順で、電気的に直列に接続された第5~8のスイッチング素子と、前記第6のスイッチング素子および前記第7のスイッチング素子の直列回路と電気的に並列に接続された第2キャパシタとを有し、前記第6のスイッチング素子と前記第7のスイッチング素子との接続点を前記第2出力点としており、前記第3変換回路は、前記直流電源より電力の供給が開始してから前記第1キャパシタおよび前記第2キャパシタが規定電圧に充電されるまでの始動期間において、前記第1~4のスイッチのうち少なくとも前記第1出力点と前記第2出力点との間に電気的に直列に接続された2つのスイッチがオンして前記第1出力点と前記第2出力点との間に前記インダクタを含む電流経路を形成するように構成されていることを特徴とする。
[0007]
 本発明の一の形態に係るパワーコンディショナは、上記の電力変換装置と、前記第1出力点および前記第2出力点と系統電源との間に電気的に接続される解列器とを備え、前記解列器は、前記始動期間には開放されることによって前記第1出力点および前記第2出力点を前記系統電源から切り離すように構成されていることを特徴とする。
[0008]
 上記形態に係る構成によれば、定常動作に必要なキャパシタを無負荷状態でも充電することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
 図面は本教示に従って一または複数の実施例を示すが、限定するものではなく例に過ぎない。図面において、同様の符号は同じか類似の要素を指す。
[図1] 実施形態1に係るパワーコンディショナの構成を示す回路図である。
[図2] 図2Aおよび2Bは実施形態1に係る電力変換装置の動作の説明図である。
[図3] 図3Aおよび3Bは実施形態1に係る電力変換装置の動作の説明図である。
[図4] 図4Aおよび4Bは実施形態1に係る電力変換装置の動作の説明図である。
[図5] 図5Aおよび5Bは実施形態1に係る電力変換装置の動作の説明図である。
[図6] 実施形態1に係る電圧調整回路の回路図である。
[図7] 比較例に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
[図8] 実施形態1に係る第1変換回路の回路図である。
[図9] 比較例に係る電力変換装置の動作の説明図である。
[図10] 実施形態1に係る電力変換装置の動作の説明図である。
[図11] 実施形態2に係る電圧調整回路の回路図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 (実施形態1)
 本実施形態に係る電力変換装置10は、図1に示すように、第1変換回路1と、第2変換回路2と、第3変換回路5と、インダクタ61,62とを備えている。
[0011]
 第1変換回路1は、直流電源4の高電位側にある第1入力点101と基準電位点100との間に電気的に接続されている。第1変換回路1は、第1出力点103と基準電位点100との間に発生する電圧の大きさをゼロ、第1レベル、第2レベルの3段階で切り替える。
[0012]
 第2変換回路2は、直流電源4の低電位側にある第2入力点102と基準電位点100との間に電気的に接続されている。第2変換回路2は、基準電位点100と第2出力点104との間に発生する電圧の大きさをゼロ、第3レベル、第4レベルの3段階で切り替える。
[0013]
 第3変換回路5は、第1出力点103と第2出力点104との間に電気的に接続され、フルブリッジ接続された第1~4のスイッチQ11~Q14を有している。第3変換回路5は、第1出力点103と第2出力点104との間に生じる電圧を交流電圧に変換して出力する。
[0014]
 インダクタ61,62は、第1出力点103および第2出力点104の少なくとも一方と第3変換回路5との間に電気的に接続されている。
[0015]
 第1変換回路1は、第1~4のスイッチング素子Q1~Q4と、第1キャパシタC1とを有している。第1~4のスイッチング素子Q1~Q4は、第1入力点101と基準電位点100との間において、電気的に直列に接続されている。第1~4のスイッチング素子Q1~Q4は、第1入力点101側から第1のスイッチング素子Q1、第2のスイッチング素子Q2、第3のスイッチング素子Q3、第4のスイッチング素子Q4の順で、直列に接続されている。
[0016]
 第1キャパシタC1は、第2のスイッチング素子Q2および第3のスイッチング素子Q3の直列回路と、電気的に並列に接続されている。第1変換回路1は、第2のスイッチング素子Q2と第3のスイッチング素子Q3との接続点を第1出力点103としている。
[0017]
 第2変換回路2は、第5~8のスイッチング素子Q5~Q8と、第2キャパシタC2とを有している。第5~8のスイッチング素子Q5~Q8は、基準電位点100と第2入力点102との間において、電気的に直列に接続されている。第5~8のスイッチング素子Q5~Q8は、基準電位点100側から第5のスイッチング素子Q5、第6のスイッチング素子Q6、第7のスイッチング素子Q7、第8のスイッチング素子Q8の順で、直列に接続されている。
[0018]
 第2キャパシタC2は、第6のスイッチング素子Q6および第7のスイッチング素子Q7の直列回路と、電気的に並列に接続されている。第2変換回路2は、第6のスイッチング素子Q6と第7のスイッチング素子Q7との接続点を第2出力点104としている。
[0019]
 第3変換回路5は、直流電源4より電力の供給が開始してから第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでの始動期間T1(図10参照)において、第1~4のスイッチQ11~Q14のうち少なくとも2つのスイッチがオンする。このとき、第3変換回路5は、第1出力点103と第2出力点104との間に電気的に直列に接続された2つのスイッチがオンすることで、第1出力点103と第2出力点104との間にインダクタ61,62を含む電流経路を形成するように構成されている。
[0020]
 すなわち、第3変換回路5は、第1出力点103と第2出力点104との間に電気的に直列に接続された第1,2のスイッチQ11,Q12で第1のアームを構成し、同じく直列に接続された第3,4のスイッチQ13,Q14で第2のアームを構成している。電力変換装置10は、直流電源4の投入直後の始動期間T1に、第3変換回路5が第1~4のスイッチQ11~Q14のうち少なくとも一方のアームを構成する2つのスイッチをオンにし、第1出力点103と第2出力点104との間に電流経路を形成する。これにより、始動期間T1において、第1出力点103と第2出力点104との間には、第3変換回路5によってインダクタ61,62を含む電流経路が形成されることになる。
[0021]
 つまり、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでは、第1出力点103と第2出力点104との間には、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の充電経路が、第3変換回路5およびインダクタ61,62にて形成される。そのため、この電力変換装置10によれば、定常動作に必要なキャパシタ(第1キャパシタC1、第2キャパシタC2)を無負荷状態でも充電することができる、という利点がある。
[0022]
 また、本実施形態に係るパワーコンディショナ20は、図1に示すように、上記の電力変換装置10と、解列器7とを備えている。解列器7は、第1出力点103および第2出力点104と、系統電源8との間に電気的に接続されている。解列器7は、始動期間T1には開放されることによって第1出力点103および第2出力点104を系統電源8から切り離すように構成されている。
[0023]
 このパワーコンディショナ20によれば、解列器7を開放(解列)することにより、第1変換回路1および第2変換回路2と系統電源8との間を電気的に切り離すことができる。したがって、パワーコンディショナ20は、始動期間T1には解列器7を開放することで、系統電源8から第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々に電圧が掛かることはなく、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々に印加される電圧を低く抑えられる。
[0024]
 以下、本実施形態に係る電力変換装置10、およびそれを用いたパワーコンディショナ20について詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、本実施形態(実施形態1)および後述の実施形態(実施形態2)に限定されることはなく、これらの実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
[0025]
 本実施形態では、パワーコンディショナ20が、直流電源4としての太陽光発電装置に電気的に接続して使用される住宅用のパワーコンディショナである場合を例示するが、パワーコンディショナ20の用途を限定する趣旨ではない。パワーコンディショナ20は、たとえば家庭用燃料電池、蓄電装置など、太陽光発電装置以外の直流電源4に電気的に接続して使用されてもよく、また、たとえば店舗、工場、事務所など非住宅に用いられてもよい。さらに、電力変換装置10についても、その用途をパワーコンディショナ20に限定する趣旨ではなく、電力変換装置10は、パワーコンディショナ20以外に用いられてもよい。
[0026]
 <電力変換装置の構成>
 本実施形態の電力変換装置10は、図1に示すように、太陽光発電装置からなる直流電源4に接続箱を介して電気的に接続される。本実施形態では、電力変換装置10は、第1変換回路1、第2変換回路2、第3変換回路5、インダクタ61,62に加えて、電圧調整回路3、第3キャパシタC3、第4キャパシタC4、および制御部9を備えている。
[0027]
 第1変換回路1の第1出力点103と第2変換回路2の第2出力点104は、インダクタ61,62および第3変換回路5と、パワーコンディショナ20の一部である解列器7とを介して、系統電源(商用電力系統)8に電気的に接続される。具体的には、パワーコンディショナ20の出力(第3変換回路5の出力)は、解列器7を介して、分電盤に設けられた連系ブレーカに電気的に接続されることにより、系統電源8に接続される。
[0028]
 パワーコンディショナ20は、定常時、解列器7を閉じた状態で系統連系運転を行い、直流電源4から入力される直流電力を交流電力に変換して出力する。なお、詳しい説明は省略するが、パワーコンディショナ20は、系統電源8の停電等の異常時には、解列器7を開放し、系統電源8から解列された状態で交流電力を出力する自立運転を行うように構成されている。
[0029]
 ここで、解列器7は、第3変換回路5の一方の出力端(第3出力点105)と系統電源8との間に電気的に接続された第1接点部71と、他方の出力端(第4出力点106)と系統電源8との間に電気的に接続された第2接点部72とを有している。ただし、解列器7は、第3出力点105および第4出力点106の少なくとも一方と系統電源8との間に電気的に接続されていればよく、第1接点部71および第2接点部72のいずれかは省略されていてもよい。
[0030]
 次に、電力変換装置10の各部の構成について詳しく説明する。
[0031]
 電圧調整回路3は、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧の大きさを調整するように構成されている。図1の例では、電圧調整回路3は、直流電源4と、第1変換回路1および第2変換回路2の直列回路との間に電気的に接続されている。これにより、第1変換回路1および第2変換回路2には、直流電源4から出力される直流電圧が、電圧調整回路3を介して印加電圧として印加されることになる。電圧調整回路3の一対の出力端は、第1入力点101および第2入力点102にそれぞれ相当する。
[0032]
 電圧調整回路3は、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでの始動期間T1(図10参照)において、第1入力点101および第2入力点102間への印加電圧の大きさを時間経過に伴って徐々に大きくする。電圧調整回路3の具体的な構成については後述する。
[0033]
 第3キャパシタC3および第4キャパシタC4は、第1入力点101と第2入力点102との間に電気的に直列に接続されている。つまり、電圧調整回路3の一対の出力端間には、第3キャパシタC3および第4キャパシタC4の直列回路が接続されている。第3キャパシタC3の回路定数(キャパシタンス)と第4キャパシタC4の回路定数(キャパシタンス)とは同値である。
[0034]
 電圧調整回路3の出力電圧は、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4とで分圧されることになる。そのため、電圧調整回路3が直流電源4からの入力電圧をそのまま出力している場合には、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4との各々の両端電圧は、それぞれ直流電源4の出力電圧E〔V〕を用いてE/2〔V〕で表されることになる。
[0035]
 ここで、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4との接続点は基準電位点100である。基準電位点100は回路グランドであって、基準電位点100の電位は0〔V〕であると仮定する。そうすると、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4との各々の両端電圧がE/2〔V〕である場合、第1入力点101の電位はE/2〔V〕となり、第2入力点102の電位は-E/2〔V〕となる。
[0036]
 第1変換回路1は、上述したように第1入力点101と基準電位点100との間に直列に接続された第1~4のスイッチング素子Q1~Q4と、第1キャパシタC1とを有している。言い換えれば、第1~4のスイッチング素子Q1~Q4の直列回路は、第1入力点101と基準電位点100との間において第3キャパシタC3と並列に接続されている。第1~4のスイッチング素子Q1~Q4の各々は、ここでは一例としてデプレッション型のnチャネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられている。
[0037]
 第1のスイッチング素子Q1のドレインは第1入力点101に電気的に接続されている。第2のスイッチング素子Q2のドレインは第1のスイッチング素子Q1のソースに電気的に接続されている。第3のスイッチング素子Q3のドレインは第2のスイッチング素子Q2のソースに電気的に接続されている。第4のスイッチング素子Q4のドレインは第3のスイッチング素子Q3のソースに電気的に接続されている。さらに第4のスイッチング素子Q4のソースは、基準電位点100に電気的に接続されている。第2のスイッチング素子Q2のソースと第3のスイッチング素子Q3のドレインとの接続点は第1出力点103となる。
[0038]
 第1キャパシタC1は、一端が第2のスイッチング素子Q2のドレインに電気的に接続され、他端が第3のスイッチング素子Q3のソースに電気的に接続されている。言い換えれば、第1キャパシタC1は、一端が第1のスイッチング素子Q1を介して第1入力点101に電気的に接続され、他端が第4のスイッチング素子Q4を介して基準電位点100に電気的に接続されている。
[0039]
 第2変換回路2は、上述したように基準電位点100と第2入力点102との間に直列に接続された第5~8のスイッチング素子Q5~Q8と、第2キャパシタC2とを有している。ここで、第2変換回路2は、基本的には第1変換回路1と同様の構成であって、第5~8のスイッチング素子Q5~Q8が第1~4のスイッチング素子Q1~Q4に相当し、第2キャパシタC2が第1キャパシタC1に相当する。
[0040]
 すなわち、第5~8のスイッチング素子Q5~Q8の直列回路は、基準電位点100と第2入力点102との間において第4キャパシタC4と並列に接続されている。第5~8のスイッチング素子Q5~Q8の各々は、第1~4のスイッチング素子Q1~Q4の各々と同様にデプレッション型のnチャネルMOSFETが用いられている。
[0041]
 第5のスイッチング素子Q5のドレインは基準電位点100に電気的に接続されている。第6のスイッチング素子Q6のドレインは第5のスイッチング素子Q5のソースに電気的に接続されている。第7のスイッチング素子Q7のドレインは第6のスイッチング素子Q6のソースに電気的に接続されている。第8のスイッチング素子Q8のドレインは第7のスイッチング素子Q7のソースに電気的に接続されている。さらに第8のスイッチング素子Q8のソースは、第2入力点102に電気的に接続されている。第6のスイッチング素子Q6のソースと第7のスイッチング素子Q7のドレインとの接続点は第2出力点104となる。
[0042]
 第2キャパシタC2は、一端が第6のスイッチング素子Q6のドレインに電気的に接続され、他端が第7のスイッチング素子Q7のソースに電気的に接続されている。言い換えれば、第2キャパシタC2は、一端が第5のスイッチング素子Q5を介して基準電位点100に電気的に接続され、他端が第8のスイッチング素子Q8を介して第2入力点102に電気的に接続されている。第2キャパシタC2の回路定数(キャパシタンス)と第1キャパシタC1の回路定数(キャパシタンス)とは同値である。
[0043]
 また、図1において、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8には第1~8のダイオードD1~D8がそれぞれ一対一で逆並列に接続されている。これら第1~8のダイオードD1~D8は、それぞれ第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の寄生ダイオードである。つまり、第1のスイッチング素子Q1の寄生ダイオードは第1のダイオードD1を構成し、同様に、第2,3…のスイッチング素子Q2,Q3…の寄生ダイオードはそれぞれ第2,3…のダイオードD2,3…を構成する。たとえば第1のダイオードD1は、第1のスイッチング素子Q1のドレイン側をカソード、ソース側をアノードとする向きに接続されている。
[0044]
 第3変換回路5は、第1出力点103と第2出力点104との間に電気的に接続され、フルブリッジ接続された第1~4のスイッチQ11~Q14を有している。この第3変換回路5は、第1出力点103と第2出力点104との間に生じる電圧を、交流電圧に変換して出力するように構成されている。
[0045]
 具体的に説明すると、第1出力点103と第2出力点104との間には、第1のスイッチQ11および第2のスイッチQ12の直列回路と、第3のスイッチQ13および第4のスイッチQ14の直列回路とが並列に接続されている。第1のスイッチQ11および第2のスイッチQ12の直列回路は第1のアームを構成し、第3のスイッチQ13および第4のスイッチQ14の直列回路は第2のアームを構成する。第3変換回路5は、第1のスイッチQ11と第2のスイッチQ12との接続点を第3出力点105、第3のスイッチQ13と第4のスイッチQ14との接続点を第4出力点106とする。これら第3出力点105および第4出力点106は、第3変換回路5の出力端となる。第1~4のスイッチQ11~Q14の各々は、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々と同様にデプレッション型のnチャネルMOSFETが用いられている。
[0046]
 また、図1において、第1~4のスイッチQ11~Q14には第9~12のダイオードD11~D14がそれぞれ一対一で逆並列に接続されている。これら第9~12のダイオードD11~D14は、それぞれ第1~4のスイッチQ11~Q14の寄生ダイオードである。つまり、第1のスイッチQ11の寄生ダイオードは第9のダイオードD11を構成し、同様に、第2,3,4のスイッチQ12,Q13,Q14の寄生ダイオードはそれぞれ第10,11,12のダイオードD12,D13,D14を構成する。
[0047]
 さらに、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々、並びに第1~4のスイッチQ11~Q14の各々のゲートは、制御部9に電気的に接続されている。制御部9は、第1~4のスイッチング素子Q1~Q4のオン/オフを個別に切り替え可能であって、これにより第1変換回路1を制御する。また、制御部9は、第5~8のスイッチング素子Q5~Q8のオン/オフを個別に切り替え可能であって、これにより第2変換回路2を制御する。制御部9は、第1~4のスイッチQ11~Q14のオン/オフを個別に切り替え可能であって、これにより第3変換回路5を制御する。
[0048]
 なお、制御部9は、第1変換回路1、第2変換回路2、第3変換回路5とのそれぞれについて個別に設けられていてもよい。
[0049]
 また、電力変換装置10には一対のインダクタ61,62が設けられている。一方のインダクタ61は、第1出力点103と第3変換回路5との間に電気的に接続されている。他方のインダクタ62は、第2出力点104と第3変換回路5との間に電気的に接続されている。ただし、インダクタ61,62は、第1出力点103および第2出力点104の少なくとも一方と第3変換回路5との間に電気的に接続されていればよく、インダクタ61,62のいずれかは省略されていてもよい。つまり、インダクタ61が第1出力点103と第3変換回路5との間に電気的に接続されているのみか、インダクタ62が第2出力点104と第3変換回路5との間に電気的に接続されているのみでもよい。
[0050]
 <電力変換装置の基本動作>
 上述した構成の電力変換装置10の基本動作について、図2A,2B,3A,3B,4A,4B,5A,5Bを参照して簡単に説明する。なお、図中の太線矢印は、電流経路を表している。
[0051]
 ここでいう電力変換装置10の基本動作とは、始動期間T1の経過後、つまり第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電された後の電力変換装置10の動作である。第1キャパシタC1についての規定電圧は第3キャパシタC3の両端電圧の半分(1/2)であり、第2キャパシタC2についての規定電圧は第4キャパシタC4の両端電圧の半分(1/2)である。
[0052]
 以下では、電力変換装置10の基本動作時において、電圧調整回路3が直流電源4の出力電圧E〔V〕をそのまま出力すると仮定する。そのため、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4との各々の両端電圧はそれぞれE/2〔V〕となり、第1入力点101の電位はE/2〔V〕であり、第2入力点102の電位は-E/2〔V〕である。また、規定電圧に充電された第1キャパシタC1と第2キャパシタC2との各々の両端電圧はそれぞれE/4〔V〕となる。なお、第3出力点105および第4出力点106は解列器7を介して系統電源8に電気的に接続されているため、第3出力点105と第4出力点106との電位差は系統電源8の出力電圧に等しくなる。
[0053]
 電力変換装置10は、第1変換回路1、第2変換回路2、第3変換回路5を第1~8の計8つのモードに切り替えることにより、第1入力点101と第2入力点102との間に印加される直流電圧(E〔V〕)を交流電圧に変換して第3変換回路5から出力する。なお、以下の説明では、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8および第1~4のスイッチQ11~Q14に関し、それぞれオン/オフの状態について言及していない場合には「オフ」の状態にあることとする。
[0054]
 まず、図2Aに示す第1のモードでは、第1変換回路1の第1,2のスイッチング素子Q1,Q2と、第2変換回路2の第7,8のスイッチング素子Q7,Q8と、第3変換回路5の第1,4のスイッチQ11,Q14とがそれぞれオンの状態にある。この状態では、図2Aに示すように、第1入力点101は、第1のスイッチング素子Q1、第2のスイッチング素子Q2、インダクタ61、第1のスイッチQ11を介して第3出力点105に電気的に接続される。また、第2入力点102は、第8のスイッチング素子Q8、第7のスイッチング素子Q7、インダクタ62、第4のスイッチQ14を介して第4出力点106に電気的に接続される。
[0055]
 したがって、第1出力点103は第1入力点101と同電位(E/2〔V〕)になり、第2出力点104は第2入力点102と同電位(-E/2〔V〕)になる。さらにこのとき、第3出力点105の電位は、第1出力点103の電位からインダクタ61の両端電圧を差し引いた電位となり、第4出力点106の電位は、第2出力点104の電位にインダクタ62の両端電圧を加えた電位となる。
[0056]
 次に、図2Bに示す第2のモードでは、第1変換回路1の第1,3のスイッチング素子Q1,Q3と、第2変換回路2の第6,8のスイッチング素子Q6,Q8と、第3変換回路5の第1,4のスイッチQ11,Q14とがそれぞれオンの状態にある。この状態では、図2Bに示すように、第1入力点101は、第1のスイッチング素子Q1、第1キャパシタC1、第3のスイッチング素子Q3、インダクタ61、第1のスイッチQ11を介して第3出力点105に電気的に接続される。また、第2入力点102は、第8のスイッチング素子Q8、第2キャパシタC2、第6のスイッチング素子Q6、インダクタ62、第4のスイッチQ14を介して第4出力点106に電気的に接続される。
[0057]
 したがって、第2のモードにおいて、第1出力点103の電位は、第1入力点101の電位(E/2〔V〕)より第1キャパシタC1の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ低い電位、つまりE/4(=E/2-E/4)〔V〕となる。また、第2のモードにおいて、第2出力点104の電位は、第2入力点102の電位(-E/2〔V〕)より第2キャパシタC2の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ高い電位、つまり-E/4(=-E/2+E/4)〔V〕となる。さらにこのとき、第3出力点105の電位は、第1出力点103の電位からインダクタ61の両端電圧を差し引いた電位となり、第4出力点106の電位は、第2出力点104の電位にインダクタ62の両端電圧を加えた電位となる。
[0058]
 次に、図3Aに示す第3のモードでは、第1変換回路1の第2,4のスイッチング素子Q2,Q4と、第2変換回路2の第5,7のスイッチング素子Q5,Q7と、第3変換回路5の第1,4のスイッチQ11,Q14とがそれぞれオンの状態にある。この状態では、図3Aに示すように、基準電位点100は、第4のスイッチング素子Q4、第1キャパシタC1、第2のスイッチング素子Q2、インダクタ61、第1のスイッチQ11を介して第3出力点105に電気的に接続される。また、基準電位点100は、第5のスイッチング素子Q5、第2キャパシタC2、第7のスイッチング素子Q7、インダクタ62、第4のスイッチQ14を介して第4出力点106に電気的に接続される。
[0059]
 したがって、第3のモードにおいて、第1出力点103の電位は、基準電位点100の電位(0〔V〕)より第1キャパシタC1の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ高い電位、つまりE/4(=0+E/4)〔V〕となる。また、第3のモードにおいて、第2出力点104の電位は、基準電位点100の電位(0〔V〕)より第2キャパシタC2の両端電圧(E/4〔V〕)分だけ低い電位、つまり-E/4(=0-E/4)〔V〕となる。さらにこのとき、第3出力点105の電位は、第1出力点103の電位からインダクタ61の両端電圧を差し引いた電位となり、第4出力点106の電位は、第2出力点104の電位にインダクタ62の両端電圧を加えた電位となる。
[0060]
 次に、図3Bに示す第4のモードでは、第1変換回路1の第3,4のスイッチング素子Q3,Q4と、第2変換回路2の第5,6のスイッチング素子Q5,Q6と、第3変換回路5の第1,4のスイッチQ11,Q14とがそれぞれオンの状態にある。この状態では、図3Bに示すように、基準電位点100は、第4のスイッチング素子Q4、第3のスイッチング素子Q3、インダクタ61、第1のスイッチQ11を介して第3出力点105に電気的に接続される。また、基準電位点100は、第5のスイッチング素子Q5、第6のスイッチング素子Q6、インダクタ62、第4のスイッチQ14を介して第4出力点106に電気的に接続される。
[0061]
 したがって、第1出力点103は基準電位点100と同電位(0〔V〕)になり、第2出力点104も基準電位点100と同電位(0〔V〕)になる。さらにこのとき、第3出力点105の電位は、第1出力点103の電位からインダクタ61の両端電圧を差し引いた電位となり、第4出力点106の電位は、第2出力点104の電位にインダクタ62の両端電圧を加えた電位となる。
[0062]
 要するに、電力変換装置10は、上記第1~4のモードを切り替えることにより、第1出力点103の電位、第2出力点104の電位を複数段階に変化させる。このとき、第1変換回路1、第2変換回路2の各々に着目すれば、第1変換回路1、第2変換回路2はそれぞれ出力電圧を3段階で切り替えている。
[0063]
 つまり、第1変換回路1は、第1出力点103と基準電位点100との間に発生する電圧(以下、「第1出力電圧」という)の大きさを、ゼロ、第1レベル、第2レベルの3段階で切り替えている。さらに詳しく説明すると、第1のモードでは第1出力点103の電位はE/2〔V〕であるから、第1出力電圧は第2レベルとしてのE/2〔V〕となる。第2のモードおよび第3のモードではいずれも第1出力点103の電位はE/4〔V〕であるから、第1出力電圧は第1レベルとしてのE/4〔V〕となる。第4のモードでは第1出力点103の電位は0〔V〕であるから、第1出力電圧はゼロ(0)〔V〕となる。
[0064]
 このように、第1変換回路1は、第1キャパシタC1をフライングキャパシタとして用い、第1~4のスイッチング素子Q1~Q4のオン/オフを切り替えることにより、ゼロ、第1レベル、第2レベルの3段階の第1出力電圧を出力する。言い換えれば、第1変換回路1は、第1入力点101と基準電位点100との間に印加される直流電圧を、ゼロ(0〔V〕)、第1レベル(E/4〔V〕)、第2レベル(E/2〔V〕)のいずれかの第1出力電圧に変換して出力する。なお、第1キャパシタC1は、第2のモードで充電され、第3のモードで放電されるが、比較的高い周波数で第1~4のモードを切り替えれば、基準動作時における第1キャパシタC1の両端電圧は略一定(E/4〔V〕)とみなすことができる。
[0065]
 第2変換回路2は、第2出力点104と基準電位点100との間に発生する電圧(以下、「第2出力電圧」という)の大きさを、ゼロ、第3レベル、第4レベルの3段階で切り替えている。さらに詳しく説明すると、第1のモードでは第2出力点104の電位は-E/2〔V〕であるから、第2出力電圧は第4レベルとしての-E/2〔V〕となる。第2のモードおよび第3のモードではいずれも第2出力点104の電位は-E/4〔V〕であるから、第2出力電圧は第3レベルとしての-E/4〔V〕となる。第4のモードでは第2出力点104の電位は0〔V〕であるから、第2出力電圧はゼロ(0)〔V〕となる。
[0066]
 このように、第2変換回路2は、第2キャパシタC2をフライングキャパシタとして用い、第5~8のスイッチング素子Q5~Q8のオン/オフを切り替えることにより、ゼロ、第3レベル、第4レベルの3段階の第2出力電圧を出力する。言い換えれば、第2変換回路2は、第2入力点102と基準電位点100との間に印加される直流電圧を、ゼロ(0〔V〕)、第3レベル(-E/4〔V〕)、第4レベル(-E/2〔V〕)のいずれかの第2出力電圧に変換して出力する。なお、第2キャパシタC2は、第2のモードで充電され、第3のモードで放電されるが、比較的高い周波数で第1~4のモードを切り替えれば、基準動作時における第2キャパシタC2の両端電圧は略一定(E/4〔V〕)とみなすことができる。
[0067]
 さらに、上記第1~4のモードにおいては、第3変換回路5は、常に第1,4のスイッチQ11,Q14がオンの状態にあり、第2,3のスイッチQ12,Q13がオフの状態にある。したがって、第1変換回路1の第1出力点103は、インダクタ61および第1のスイッチQ11を介して、第3出力点105に電気的に接続されている。第2変換回路2の第2出力点104は、インダクタ62および第4のスイッチQ14を介して、第4出力点106に電気的に接続されている。
[0068]
 そのため、上記第1~4のモードにおいては、電力変換装置10は、第3出力点105を高電位側、第4出力点106を低電位側とする電圧を出力することになる。このとき、電力変換装置10は、第1出力点103と第2出力点104との間に出力する電圧を、E〔V〕(第1のモード)、E/2〔V〕(第2,3のモード)、0〔V〕(第4のモード)の3段階で切り替えることになる。このときの電力変換装置10の出力は、電力変換装置10から出力される交流電圧、つまり第3出力点105と第4出力点106との電位差に相当する電圧(以下、「第3出力電圧」という)の波形(正弦波)における正極性側の半波に相当する。
[0069]
 ここにおいて、制御部9は、PWM(Pulse Width Modulation)信号により、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8のオン/オフを切り替え、上記第1~4のモードを実現する。
[0070]
 さらに詳しくは、制御部9は、第4のモード、第3のモード、第2のモードを順に切り替える動作を繰り返す(第4のモード→第3のモード→第2のモード→第4のモード→第3のモード→第2のモード→第4のモード→…)。ここで、制御部9は、第3のモードと第2のモードとで時間長さを揃えることで、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の放電、充電のバランスをとる。このとき、第3出力電圧は0〔V〕~E/2〔V〕の範囲で変動する。
[0071]
 また、制御部9は、第2のモード、第3のモード、第1のモードを順に切り替える動作を繰り返す(第2のモード→第3のモード→第1のモード→第2のモード→第3のモード→第1のモード→第2のモード→…)。ここで、制御部9は、第3のモードと第2のモードとで時間長さを揃えることで、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の放電、充電のバランスをとる。このとき、第3出力電圧はE/2〔V〕~E〔V〕の範囲で変動する。
[0072]
 制御部9は、PWM信号のオンデューティ(つまり、デューティ比)を変化させながら上述した第1~4のモードの切り替えを行うことで、正弦波の半波(正極側)に近似した第3出力電圧を生じさせる。
[0073]
 一方、第5~8のモードにおいては、電力変換装置10は、第3出力電圧の波形(正弦波)における負極性側の半波に相当する動作となり、第3出力点105を低電位側、第4出力点106を高電位側とする第3出力電圧を出力する。つまり、第5~8のモードにおいては、第3変換回路5は、常に第2,3のスイッチQ12,Q13がオンの状態にあり、第1,4のスイッチQ11,Q14がオフの状態にある。
[0074]
 また、第1変換回路1および第2変換回路2の動作については、第5~8のモードがそれぞれ上記第1~4のモードのいずれかと同じになる。
[0075]
 すなわち、図4Aに示す第5のモードでは、上記第4のモードと同様に、第1変換回路1の第3,4のスイッチング素子Q3,Q4と、第2変換回路2の第5,6のスイッチング素子Q5,Q6とがそれぞれオンの状態にある。この状態では、図4Aに示すように、基準電位点100は、第4のスイッチング素子Q4、第3のスイッチング素子Q3、インダクタ61、第3のスイッチQ13を介して第4出力点106に電気的に接続される。また、基準電位点100は、第5のスイッチング素子Q5、第6のスイッチング素子Q6、インダクタ62、第2のスイッチQ12を介して第3出力点105に電気的に接続される。
[0076]
 したがって、第1出力点103は基準電位点100と同電位(0〔V〕)になり、第2出力点104も基準電位点100と同電位(0〔V〕)になる。さらにこのとき、第4出力点106の電位は、第1出力点103の電位からインダクタ61の両端電圧を差し引いた電位となり、第3出力点105の電位は、第2出力点104の電位にインダクタ62の両端電圧を加えた電位となる。
[0077]
 次に、図4Bに示す第6のモードでは、上記第3のモードと同様に、第1変換回路1の第2,4のスイッチング素子Q2,Q4と、第2変換回路2の第5,7のスイッチング素子Q5,Q7とがそれぞれオンの状態にある。この状態では、図4Bに示すように、基準電位点100は、第4のスイッチング素子Q4、第1キャパシタC1、第2のスイッチング素子Q2、インダクタ61、第3のスイッチQ13を介して第4出力点106に電気的に接続される。また、基準電位点100は、第5のスイッチング素子Q5、第2キャパシタC2、第7のスイッチング素子Q7、インダクタ62、第2のスイッチQ12を介して第3出力点105に電気的に接続される。
[0078]
 したがって、第1出力点103の電位はE/4(=0+E/4)〔V〕となり、第2出力点104の電位は-E/4(=0-E/4)〔V〕となる。さらにこのとき、第4出力点106の電位は、第1出力点103の電位からインダクタ61の両端電圧を差し引いた電位となり、第3出力点105の電位は、第2出力点104の電位にインダクタ62の両端電圧を加えた電位となる。
[0079]
 次に、図5Aに示す第7のモードでは、上記第2のモードと同様に、第1変換回路1の第1,3のスイッチング素子Q1,Q3と、第2変換回路2の第6,8のスイッチング素子Q6,Q8とがそれぞれオンの状態にある。この状態では、図5Aに示すように、第1入力点101は、第1のスイッチング素子Q1、第1キャパシタC1、第3のスイッチング素子Q3、インダクタ61、第3のスイッチQ13を介して第4出力点106に電気的に接続される。また、第2入力点102は、第8のスイッチング素子Q8、第2キャパシタC2、第6のスイッチング素子Q6、インダクタ62、第2のスイッチQ12を介して第3出力点105に電気的に接続される。
[0080]
 したがって、第1出力点103の電位はE/4(=E/2-E/4)〔V〕となり、第2出力点104の電位は-E/4(=-E/2+E/4)〔V〕となる。さらにこのとき、第4出力点106の電位は、第1出力点103の電位からインダクタ61の両端電圧を差し引いた電位となり、第3出力点105の電位は、第2出力点104の電位にインダクタ62の両端電圧を加えた電位となる。
[0081]
 次に、図5Bに示す第8のモードでは、上記第1のモードと同様に、第1変換回路1の第1,2のスイッチング素子Q1,Q2と、第2変換回路2の第7,8のスイッチング素子Q7,Q8とがそれぞれオンの状態にある。この状態では、図5Bに示すように、第1入力点101は、第1のスイッチング素子Q1、第2のスイッチング素子Q2、インダクタ61、第3のスイッチQ13を介して第4出力点106に電気的に接続される。また、第2入力点102は、第8のスイッチング素子Q8、第7のスイッチング素子Q7、インダクタ62、第2のスイッチQ12を介して第3出力点105に電気的に接続される。
[0082]
 したがって、第1出力点103は第1入力点101と同電位(E/2〔V〕)になり、第2出力点104は第2入力点102と同電位(-E/2〔V〕)になる。さらにこのとき、第4出力点106の電位は、第1出力点103の電位からインダクタ61の両端電圧を差し引いた電位となり、第3出力点105の電位は、第2出力点104の電位にインダクタ62の両端電圧を加えた電位となる。
[0083]
 そのため、上記第5~8のモードにおいては、電力変換装置10は、第2出力点104と第1出力点103との間に出力する電圧を、0〔V〕(第5のモード)、-E/2〔V〕(第6,7のモード)、-E〔V〕(第8のモード)の3段階で切り替えることになる。このときの電力変換装置10の出力は、電力変換装置10から出力される交流電圧、つまり第3出力点105と第4出力点106との電位差に相当する電圧(第3出力電圧)の波形(正弦波)における負極性側の半波に相当する。
[0084]
 ここにおいて、制御部9は、PWM信号により、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8のオン/オフを切り替え、上記第5~8のモードを実現する。さらに詳しくは、制御部9は、第5のモード、第7のモード、第6のモードを順に切り替える動作を繰り返す(第5のモード→第7のモード→第6のモード→第5のモード→第7のモード→第6のモード→第5のモード→…)。ここで、制御部9は、第7のモードと第6のモードとで時間長さを揃えることで、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の放電、充電のバランスをとる。このとき、第3出力電圧は0〔V〕~-E/2〔V〕の範囲で変動する。
[0085]
 また、制御部9は、第6のモード、第7のモード、第8のモードを順に切り替える(第6のモード→第7のモード→第8のモード→第6のモード→第7のモード→第8のモード→第6のモード→…)。ここで、制御部9は、第7のモードと第6のモードとで時間長さを揃えることで、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の放電、充電のバランスをとる。このとき、第3出力電圧は-E/2〔V〕~-E〔V〕の範囲で変動する。
[0086]
 制御部9は、PWM信号のオンデューティを変化させながら上述した第5~8のモードの切り替えを行うことで、正弦波の半波(負極側)に近似した第3出力電圧を生じさせる。
[0087]
 したがって、本実施形態の電力変換装置10は、上述した第1~4のモードでの動作と、第5~8のモードでの動作とを交互に繰り返すことにより、正弦波状に近似した波形の第3出力電圧を出力することができる。このとき、厳密には、第3出力電圧は、E〔V〕、E/2〔V〕、0〔V〕、-E/2〔V〕、-E〔V〕の5段階で切り替わることになる。
[0088]
 以上説明した動作により、本実施形態の電力変換装置10は、基本動作時に第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々に印加される電圧は、E/4〔V〕以下に抑えられる。
[0089]
 <電圧調整回路の構成>
 本実施形態においては、電圧調整回路3は、図6に示すように、抵抗31と、第1の調整スイッチ(第1のスイッチ要素)32と、第2の調整スイッチ(第2のスイッチ要素)33とを備えている。
[0090]
 抵抗31と第1の調整スイッチ32とは、直流電源4の高電位側の出力端と、第1入力点101との間に電気的に直列に接続されている。第2の調整スイッチ33は、直流電源4の高電位側の出力端と、第1入力点101との間において、抵抗31および第1の調整スイッチ32の直列回路と電気的に並列に接続されている。第1の調整スイッチ32および第2の調整スイッチ33は、制御部9によって制御され、個別にオン/オフが切り替わる。
[0091]
 この電圧調整回路3は、第1の調整スイッチ32がオン、第2の調整スイッチ33がオフの状態で、第3キャパシタC3および第4キャパシタC4を直流電源4に対し抵抗31を介して電気的に接続する。このとき、抵抗31の抵抗値、および第3キャパシタC3および第4キャパシタC4の容量値で決まる時定数により、第3キャパシタC3および第4キャパシタC4の各両端電圧は、直流電源4の投入時点から時間経過に伴って徐々に大きくなる。言い換えれば、電圧調整回路3は、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧の大きさを、時間経過に伴って徐々に大きくするように調整する。
[0092]
 一方、第1の調整スイッチ32がオフ、第2の調整スイッチ33がオンの状態では、電圧調整回路3は、第3キャパシタC3および第4キャパシタC4を直流電源4に対して直接接続する。
[0093]
 詳しくは後述するが、制御部9は、始動期間T1には第1の調整スイッチ32をオン、第2の調整スイッチ33をオフとし、通常期間T2(図10参照)には第1の調整スイッチ32をオフ、第2の調整スイッチ33をオンとする。ここで、始動期間T1は、直流電源4の投入から、第3キャパシタC3および第4キャパシタC4の充電が完了するまでの期間であってもよい。
[0094]
 なお、言うまでも無く、抵抗31と第1の調整スイッチ32は、直流電源4の高電位側の出力端と第1入力点101との間に電気的に直列に接続される代わりに、直流電源4の低電位側の出力端と第2入力点102との間に電気的に直列に接続されてもよい。
[0095]
 <電力変換装置の始動動作>
 ここでいう電力変換装置10の始動動作とは、直流電源4より電力の供給が開始した時点から、始動期間T1が経過し基本動作に移行して通常期間T2が開始するまでの電力変換装置10の動作である。なお、直流電源4が太陽光発電装置であれば、太陽光発電装置の出力が規定値以下では電力変換装置10は動作を停止しており、太陽光発電装置の出力が規定値を超えると直流電源4より電力の供給が開始して電力変換装置10が始動動作を開始する。
[0096]
 本実施形態に係る電力変換装置10は、電圧調整回路3を備え、直流電源4の投入直後の始動期間T1に第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧を徐々に大きくして、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々に印加される電圧を低く抑えている。つまり、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでは、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧が低く抑えられることになるので、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々に印加される電圧は低く抑えられる。そのため、この電力変換装置10によれば、スイッチング素子(Q1~Q8)の耐圧を下げることができる、という利点がある。
[0097]
 第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々に印加される電圧が低く抑えられる理由について説明するため、以下では、図7に示すように電圧調整回路がない電力変換装置30を比較例として挙げて説明する。
[0098]
 比較例の電力変換装置30は、図7に示すように電圧調整回路がなく、直流電源4の両端が直接、第1入力点101、第2入力点102に接続されている。さらに、この電力変換装置30は、第1出力点103と第3変換回路5との間のインダクタ61(図1参照)、第2出力点104と第3変換回路5との間のインダクタ62(図1参照)に代えて、一対のインダクタ63,64を備えている。一方のインダクタ63は、第3出力点105と系統電源8との間に電気的に接続され、他方のインダクタ64は、第4出力点106と系統電源8との間に電気的に接続されている。なお、図7では制御部の図示を省略している。
[0099]
 ところで、第1変換回路1と第2変換回路2とでは、上述したように基本的には同様の構成を採用しているため、以下では、図8に示すように第1変換回路1に着目して、電力変換装置10の始動動作について説明する。
[0100]
 ただし、第1キャパシタC1を第2キャパシタC2に読み替え、第1~4のスイッチング素子Q1~Q4を第5~8のスイッチング素子Q5~Q8に読み替えれば、第2変換回路2についても同様のことがいえる。ここで、第1のスイッチング素子Q1は第8のスイッチング素子Q8、第2のスイッチング素子Q2は第7のスイッチング素子Q7にそれぞれ読み替えられる。第3のスイッチング素子Q3は第6のスイッチング素子Q6、第4のスイッチング素子Q4は第5のスイッチング素子Q5にそれぞれ読み替えられる。
[0101]
 なお、以下では、図8に示すように第3キャパシタC3の両端電圧を「V0」、第1キャパシタC1の両端電圧を「V1」、第2のスイッチング素子Q2の両端電圧を「V2」、第4のスイッチング素子Q4の両端電圧を「V3」とする。
[0102]
 まず、比較例の電力変換装置30について説明する。電力変換装置30は、始動時点では第1キャパシタC1が充電されていないため、第2のモードあるいは第7のモードで第1キャパシタC1を充電する必要がある。しかし、第2のモードおよび第7のモードでは、第1変換回路1の第1,3のスイッチング素子Q1,Q3と、第2変換回路2の第6,8のスイッチング素子Q6,Q8とがそれぞれオンの状態にある。
[0103]
 そのため、第2,7のモードの各々では、第1,3のスイッチング素子Q1,Q3に掛かる電圧は略0〔V〕となり、第2のスイッチング素子Q2の両端電圧V2は第1キャパシタC1の両端電圧V1と等しくなる(V2=V1)。さらに、第4のスイッチング素子Q4の両端電圧V3は、第3キャパシタC3の両端電圧V0から、第1キャパシタC1の両端電圧V1を差し引いた電圧となる(V3=V0-V1)。ここで、第3キャパシタC3の両端電圧V0は、直流電源4の出力電圧E〔V〕を第3キャパシタC3および第4キャパシタC4で分圧した電圧(E/2〔V〕)であるから、第4のスイッチング素子Q4の両端電圧V3はE/2〔V〕-V1となる。
[0104]
 したがって、電力変換装置30の始動動作においては、第1キャパシタC1の両端電圧V1、第2のスイッチング素子Q2の両端電圧V2、第4のスイッチング素子Q4の両端電圧V3は図9に示すようになる。つまり、比較例の電力変換装置30においては、始動動作において、第4のスイッチング素子Q4の両端電圧V3がE/2〔V〕になる。なお、図9では、横軸を時間軸とし、縦軸に電圧を表している。
[0105]
 一方、本実施形態に係る電力変換装置10においても、第2,7の各モードでは比較例と同様に、第2のスイッチング素子Q2の両端電圧V2は第1キャパシタC1の両端電圧V1と等しくなる(V2=V1)。また、第4のスイッチング素子Q4の両端電圧V3は、第3キャパシタC3の両端電圧V0から、第1キャパシタC1の両端電圧V1を差し引いた電圧となる(V3=V0-V1)。
[0106]
 ただし、本実施形態に係る電力変換装置10は、電圧調整回路3を備え、直流電源4の投入直後の始動期間T1に第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧を徐々に大きくしている。そのため、図10に示すように、第3キャパシタC3の両端電圧V0は時間経過に伴って徐々に大きくなる。なお、図10では、横軸を時間軸とし、縦軸に電圧を表している。
[0107]
 したがって、電力変換装置10の始動動作においては、第1キャパシタC1の両端電圧V1、第2のスイッチング素子Q2の両端電圧V2、第4のスイッチング素子Q4の両端電圧V3は図10に示すようになる。つまり、本実施形態の電力変換装置10においては、始動動作においても、第4のスイッチング素子Q4の両端電圧V3はE/4〔V〕以下に抑えられる。
[0108]
 ところで、本実施形態の電力変換装置10は、始動期間T1においては、第3変換回路5が、第1~4のスイッチQ11~Q14のうち少なくとも2つのスイッチがオンして第1出力点103と第2出力点104との間に電流経路を形成するように構成されている。このとき、第3変換回路5は、少なくとも第1出力点103と第2出力点104との間に電気的に直列に接続された2つのスイッチがオンすることで、第1出力点103と第2出力点104との間に電流経路を形成する。ここでいう電流経路は、インダクタ61,62を含む電流経路である。具体的には、第3変換回路5は、始動期間T1において、第1,2のスイッチQ11,Q12の組(第1のアーム)と、第3,4のスイッチQ13,Q14の組(第2のアーム)との少なくとも一方の組(アーム)をオンにする。第3変換回路5は、両方の組(つまり第1~4のスイッチQ11~Q14全て)をオンにしてもよい。
[0109]
 つまり、電力変換装置10は、始動期間T1においては、完全な第1~8のモードで動作するのではなく、第1変換回路1および第2変換回路2についてのみ第1~8のモードで動作する。そして、このとき第3変換回路5は、第1出力点103と第2出力点104との間にインダクタ61,62を含む電流経路を形成する。電力変換装置10は、この電流経路を充電用の経路として用いることにより、第3出力点105と第4出力点106との間が電気的に絶縁されていても第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電できる。
[0110]
 したがって、電力変換装置10は、第3出力点105および第4出力点106が系統電源8に接続されていなくても、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電することが可能である。言い換えれば、電力変換装置10は、交流出力の出力端子(第3出力点105、第4出力点106)間に何の負荷も接続されていない状態(無負荷状態)であっても、定常動作に必要なキャパシタ(第1キャパシタC1および第2キャパシタC2)を充電できる。なお、ここでいう定常動作とは、始動期間T1の経過後、つまり第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電された後の電力変換装置10の動作であって、上述した基本動作と同義である。
[0111]
 また、解列器7を含むパワーコンディショナ20においては、始動期間T1に解列器7を開放することによって、第1出力点103および第2出力点104を系統電源8から切り離している。そのため、電力変換装置10の始動期間T1には、系統電源8からの電圧が第1変換回路1および第2変換回路2に印加されることない。
[0112]
 なお、電力変換装置10は、始動期間T1において、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電できればよいので、第2のモードあるいは第7のモードのみで動作することは必須でない。つまり、電力変換装置10は、始動期間T1であっても通常期間T2と同様に、上述した第1~8のモードを切り替えるように動作する構成であってもよい。
[0113]
 <効果>
 以上説明した本実施形態の電力変換装置10によれば、始動期間T1には、第1~4のスイッチQ1~Q4のうち少なくとも直列接続された2つのスイッチがオンして第1出力点103と第2出力点104との間にインダクタを含む電流経路が形成される。ここでいう「インダクタ」は、インダクタ61,62の少なくとも一方である。
[0114]
 すなわち、電力変換装置10は、直流電源4の投入直後の始動期間T1には、第3変換回路5における第1~4のスイッチQ11~Q14のうち少なくとも2つのスイッチをオンにし、第1出力点103と第2出力点104との間に電流経路を形成する。これにより、始動期間T1において、第1出力点103と第2出力点104との間には、第3変換回路5によって上記インダクタを含む電流経路が形成されることになる。そのため、本実施形態に係る電力変換装置10は、第1出力点103および第2出力点104が系統電源8に接続されていなくても、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を充電することが可能である。
[0115]
 つまり、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでは、第1出力点103と第2出力点104との間には、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の充電経路が、第3変換回路5および上記インダクタにて形成される。そのため、この電力変換装置10によれば、定常動作に必要なキャパシタ(第1キャパシタC1、第2キャパシタC2)を無負荷状態でも充電することができる、という利点がある。しかも、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の充電経路には上記インダクタが含まれているので、過電流が流れることを防止できる。
[0116]
 また、電力変換装置10は、本実施形態のように、第1入力点101と第2入力点102との間に電気的に直列に接続された第3キャパシタC3および第4キャパシタC4をさらに備えることが好ましい。この場合、基準電位点100は、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4との接続点である。
[0117]
 この構成によれば、第1入力点101と第2入力点102との間に単一の直流電源4が接続されれば、第1変換回路1と第2変換回路2との各々には、第3キャパシタC3と第4キャパシタC4とで分圧された電圧をそれぞれ印加することができる。
[0118]
 また、電力変換装置10は、本実施形態のように電圧調整回路3を備えることにより、直流電源4の投入直後の始動期間T1において、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧が徐々に大きくなる構成であることが好ましい。つまり、電力変換装置10は、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧の大きさを調整する電圧調整回路3を備えることが好ましい。電圧調整回路3は、直流電源4より電力の供給が開始してから第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでの始動期間T1において、前記印加電圧の大きさを時間経過に伴って徐々に大きくするように構成されている。
[0119]
 この構成によれば、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が規定電圧に充電されるまでは、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧が低く抑えられることになる。そのため、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々に印加される電圧は低く抑えられる。したがって、電力変換装置10は、基本動作を行う通常期間T2だけでなく、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2が充電されていない始動期間T1においても、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々への印加電圧をE/4〔V〕以下に抑えられる。その結果、スイッチング素子(Q1~Q8)の耐圧を下げることができる、という利点がある。つまり、より低耐圧のスイッチング素子を採用することが可能になる。
[0120]
 また、電力変換装置10の電圧調整回路3は、本実施形態のように、抵抗31と、第1の調整スイッチ(第1のスイッチ要素)32と、第2の調整スイッチ(第2のスイッチ要素)33とを備えることが好ましい。この場合、抵抗31と第1の調整スイッチ32とは、直流電源4の高電位側の出力端と第1入力点101との間、または直流電源4の低電位側の出力端と第2入力点102との間に電気的に直列に接続される。第2の調整スイッチ33は、抵抗31および第1の調整スイッチ32の直列回路と電気的に並列に接続される。この場合、電力変換装置10は、さらに第1の調整スイッチ32および第2の調整スイッチ33のオン/オフを個別に制御する制御部9を備える。制御部9は、始動期間T1には第1の調整スイッチ32をオン、第2の調整スイッチ33をオフとし、始動期間T1以降は第1の調整スイッチ32をオフ、第2の調整スイッチ33をオンとするように構成されている。
[0121]
 この構成によれば、始動期間T1において、第1の調整スイッチ32がオンとされ、第3キャパシタC3および第4キャパシタC4が抵抗31を介して直流電源4に電気的に接続される。そのため、簡素な回路構成でありながらも、抵抗31の抵抗値、および第3キャパシタC3および第4キャパシタC4の容量値で決まる時定数により、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧の大きさが徐々に大きくなる。
[0122]
 また、本実施形態に係るパワーコンディショナ20によれば、解列器7を開放(解列)することにより、第1変換回路1および第2変換回路2と系統電源8との間を電気的に切り離すことができる。したがって、パワーコンディショナ20は、始動期間T1には解列器7を開放することで、系統電源8から第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々に電圧が掛かることはなく、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8の各々に印加される電圧を低く抑えられる。
[0123]
 (実施形態2)
 本実施形態に係る電力変換装置10は、図11に示すように、電圧調整回路3Aの構成が実施形態1の電圧調整回路3と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
[0124]
 本実施形態において、電圧調整回路3Aは降圧チョッパ回路で構成されており、図11に示すように、スイッチ素子34と、ダイオード35と、インダクタ36と、ダイオード37とを有している。ここでは、スイッチ素子34はデプレッション型のnチャネルMOSFETであって、ダイオード37はスイッチ素子34の寄生ダイオードである。
[0125]
 スイッチ素子34とダイオード35とは、スイッチ素子34が高電位側となるように、直流電源4の両端間に電気的に直列に接続されている。ダイオード35は、アノードが直流電源4の低電位側に接続され、カソードがスイッチ素子34のソースに接続されている。インダクタ36は、スイッチ素子34のソースと第1入力点101との間に電気的に接続されている。
[0126]
 上記構成の電圧調整回路3Aは、始動期間T1にスイッチ素子34のデューティ比を徐々に変化させることにより、第1変換回路1および第2変換回路2への印加電圧を時間経過に伴って徐々に大きくする。ここで、電圧調整回路3Aの制御としては、始動期間T1において、第4のスイッチング素子Q4の両端電圧V3(図8参照)がE/4〔V〕を超えないような制御を採用することが好ましい。
[0127]
 本実施形態の構成によれば、直流電源4からの直流電圧の大きさを変化させるためのDC/DCコンバータを、電圧調整回路3Aとして利用できる。
[0128]
 その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
[0129]
 なお、上記各実施形態において、第1~8のスイッチング素子Q1~Q8、第1~4のスイッチQ11~Q14、スイッチ素子34としては、デプレッション型のnチャネルMOSFETに限らず、その他の半導体スイッチが用いられていてもよい。たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や、GaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップの半導体材料を用いたパワー半導体デバイスが用いられる。

請求の範囲

[請求項1]
 直流電源の高電位側にある第1入力点と基準電位点との間に電気的に接続され、第1出力点と前記基準電位点との間に発生する電圧の大きさをゼロ、第1レベル、第2レベルの3段階で切り替える第1変換回路と、
 前記直流電源の低電位側にある第2入力点と前記基準電位点との間に電気的に接続され、前記基準電位点と第2出力点との間に発生する電圧の大きさをゼロ、第3レベル、第4レベルの3段階で切り替える第2変換回路と、
 前記第1出力点と前記第2出力点との間に電気的に接続され、フルブリッジ接続された第1~4のスイッチを有し、前記第1出力点と前記第2出力点との間に生じる電圧を交流電圧に変換して出力する第3変換回路と、
 前記第1出力点および前記第2出力点の少なくとも一方と前記第3変換回路との間に電気的に接続されたインダクタとを備え、
 前記第1変換回路は、前記第1入力点と前記基準電位点との間において、前記第1入力点側から第1のスイッチング素子、第2のスイッチング素子、第3のスイッチング素子、第4のスイッチング素子の順で、電気的に直列に接続された第1~4のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子および前記第3のスイッチング素子の直列回路と電気的に並列に接続された第1キャパシタとを有し、前記第2のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子との接続点を前記第1出力点としており、
 前記第2変換回路は、前記基準電位点と前記第2入力点との間において、前記基準電位点側から第5のスイッチング素子、第6のスイッチング素子、第7のスイッチング素子、第8のスイッチング素子の順で、電気的に直列に接続された第5~8のスイッチング素子と、前記第6のスイッチング素子および前記第7のスイッチング素子の直列回路と電気的に並列に接続された第2キャパシタとを有し、前記第6のスイッチング素子と前記第7のスイッチング素子との接続点を前記第2出力点としており、
 前記第3変換回路は、前記直流電源より電力の供給が開始してから前記第1キャパシタおよび前記第2キャパシタが規定電圧に充電されるまでの始動期間において、前記第1~4のスイッチのうち少なくとも前記第1出力点と前記第2出力点との間に電気的に直列に接続された2つのスイッチがオンして前記第1出力点と前記第2出力点との間に前記インダクタを含む電流経路を形成するように構成されている
 ことを特徴とする電力変換装置。
[請求項2]
 前記第1入力点と前記第2入力点との間に電気的に直列に接続された第3キャパシタおよび第4キャパシタをさらに備え、
 前記基準電位点は、前記第3キャパシタと前記第4キャパシタとの接続点である
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
[請求項3]
 請求項1または2に記載の電力変換装置と、
 前記第1出力点および前記第2出力点と系統電源との間に電気的に接続される解列器とを備え、
 前記解列器は、前記始動期間には開放されることによって前記第1出力点および前記第2出力点を前記系統電源から切り離すように構成されている
 ことを特徴とするパワーコンディショナ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]