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1. (WO2015170622) HÉTÉROPOLYMÈRE ORGANIQUE ET SON PROCÉDÉ DE PRODUCTION
Document

明 細 書

発明の名称 有機ヘテロ高分子及びその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011  

先行技術文献

特許文献

0012  

非特許文献

0013  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0014   0015   0016  

課題を解決するための手段

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050  

発明の効果

0051  

図面の簡単な説明

0052  

発明を実施するための形態

0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159  

実施例

0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183  

産業上の利用可能性

0184  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 有機ヘテロ高分子及びその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、半導体素子、光電変換素子などの電子デバイスの有機半導体又は増感剤(増感色素)などとして有用な異種のヘテロ複素環を含有する有機ヘテロ高分子及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 金属フタロシアニンに代表される有機金属化合物は、その有機分子-金属間の結合により、特異な電子状態や非常に安定な分子構造を形成するものが多い。これらの特徴により、古くから有機顔料などとして用いられてきた。
[0003]
 近年では、熱・光や電場など外部エネルギーに対する応答性から、有機金属化合物は、電子写真方式のプリンターの感光材、CD-Rなどの記録媒体などのエレクトロニクス分野への利用が広まっている。特に、最近では、有機半導体としての機能が注目され、有機トランジスタや有機薄膜太陽電池への利用が検討されている。有機半導体を用いた電子デバイスは、印刷により作製できるため、無機系デバイスに比べて、より安価に大量生産できると期待されている。
[0004]
 しかし、従来の有機金属化合物は溶剤に不溶又は難溶であるものが多く、その成膜は主に真空蒸着法で行っているため、作製した電子デバイスは高価である。
[0005]
 このような課題を改善するため、特開2011-162575号公報(特許文献1)には、例えば、4-置換アミドフタロニトリル(4-アセトアミドフタロニトリル、4-ピリジルアミドフタロニトリルなど)と4-アルキルフタロニトリル(4-t-ブチルフタロニトリルなど)とを金属塩(Ni、Zn、Cuなどの金属塩)の存在下で反応させ、金属トリスアルキル-4-置換アミド-フタロシアニンを製造することが記載され、このフタロシアニン化合物を加水分解してアミノ基を有する可溶性の置換フタロシアニンを製造することも記載されている。このようなフタロシアニン誘導体は、フタロシアニンにt-ブチル基などの立体障害の大きな官能基が導入され、フタロシアニン間のスタッキングを防止でき、溶媒に可溶である。
[0006]
 しかし、スタッキングを阻害する官能基を導入すると、分子間の電子移動が困難となるため、有機半導体としての機能は低下する。
[0007]
 また、ポルフィリン構造を導入した高分子も知られている。J. Polym. Sci. Part A ; Polym. Chem, 43 (2005) 2997(非特許文献1)には、5-[4-(2-メタクリロイルオキシエトキシカルボニル)フェニル]-10,15,20-トリフェニルポルフィナト 白金(II)をイソブチルメタクリレート及び2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレートと共重合し、側鎖にポルフィリン構造を導入した高分子を調製し、この高分子を、酸素透過性高分子中に埋設した発光分子からなる感圧素子に用いることが記載されている。
[0008]
 しかし、このような高分子は、側鎖間距離を十分に離した構造により側鎖同士のスタッキング形成を防ぐため、やはり有機半導体としての機能は十分でなく、より高い電子移動度を必要とする。そのため、有機トランジスタや有機太陽電池用途には適していない。
[0009]
 特開2013-155229号公報(特許文献2)には、主鎖に芳香族性環と14~16族元素から選択された1種のヘテロ原子を含む1種の5員複素環とを有する共役系高分子が記載されている。
[0010]
 また、特開2013-185009号公報(特許文献3)には、主鎖に芳香族性環と16族元素から選択された1種のヘテロ原子を含む1種の5員複素環とを有する共役系高分子が記載されている。
[0011]
 これらの共役系高分子は分子量が大きいにも拘わらず導電性(キャリア移動)が高く、有機半導体として有用である。しかし、光の吸収波長域及び吸光特性が限定されるため、有機太陽電池などの用途として利用するには、さらに、広範な波長域で高い吸光度を有し、光電変換効率に優れた有機共役系高分子の開発が求められる。また、前記共役系高分子の発光波長域が限定されるため、電子デバイスとしての利用が制限される。

先行技術文献

特許文献

[0012]
特許文献1 : 特開2011-162575号公報(特許請求の範囲、実施例)
特許文献2 : 特開2013-155229号公報(特許請求の範囲、実施例)
特許文献3 : 特開2013-185009号公報(特許請求の範囲、実施例)

非特許文献

[0013]
非特許文献1 : J. Polym. Sci. Part A; Polym. Chem, 43 (2005) 2997(ABSTRACT)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0014]
 従って、本発明の目的は、広範な波長域で高い吸光度を有し、光電変換効率に優れ、太陽電池などの電子デバイスを形成するのに有用な新規有機ヘテロ高分子及びその製造方法を提供することにある。
[0015]
 本発明の他の目的は、発光波長域が広く、光電変換素子などの電子デバイスの増感剤(増感色素)などとして有用な新規有機ヘテロ高分子及びその製造方法を提供することにある。
[0016]
 本発明のさらに他の目的は、導電性(キャリア移動度)が高く、高分子有機半導体を形成するのに有用な新規有機ヘテロ高分子及びその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0017]
 本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、主鎖にチタナシクロペンタジエン骨格を有する前駆体高分子と互いに異なるヘテロ原子を含む2種類のハロゲン化物とを反応させると、主鎖の5員複素環に異なる種類のヘテロ原子が導入された新規有機ヘテロ高分子を効率よく合成できること、この新規有機ヘテロ高分子が広範な波長域で高い吸光度を有し、光電変換率及び導電性に優れ、有機半導体を形成するのに有用であること、さらには前記有機ヘテロ高分子が広範な発光波長域を有し、発光特性に優れていることを見出し、本発明を完成した。
[0018]
 すなわち、本発明の有機ヘテロ高分子は下記式(1)で表される構成単位と下記式(2)で表される構成単位とを有しており、共重合ヘテロ高分子体を形成している。
[0019]
[化1]


[0020]
(式中、M 及びM は周期表8族元素、9族元素、10族元素、14族元素、15族元素及び16族元素のうち、互いに異なる族から選択されたヘテロ原子を示し、M 及びM の原子価vは2~6価であり、R 1a及びR 1bは同一又は異なってハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、R 2a及びR 2bは同一又は異なってハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は周期表16族元素及び11族元素から選択された一価又は二価のヘテロ原子、若しくは配位子と錯体を形成した金属原子を示し、
[0021]
[化2]


[0022]
は単結合又は二重結合を示し、m1、m2、n1及びn2はそれぞれ0又は1を示し、環Arは芳香族性環を示し、R は直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基、直鎖状又は分岐鎖状アルキルチオ基を示し、pは0又は1~3の整数を示す。)
[0023]
 前記有機へテロ高分子は、ランダム共重合体であってもよく、前記式(1)で表される構成単位と前記式(2)で表される構成単位との割合は前者/後者(モル比)=99/1~1/99程度であってもよい。
[0024]
 前記有機ヘテロ高分子の構成単位は、下記式(3)及び下記式(4)で表すこともできる。
[0025]
[化3]


[0026]
(式中、M 1aは周期表15族元素から選択されたヘテロ原子、M 2a及びR 2cは周期表16族元素から選択されたヘテロ原子を示し、R 1cはアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、p1は1~3の整数を示し、環Ar、R は前記に同じ。)
[0027]
 また、環Arは下記式(5)で表される環であってもよい。
[0028]
[化4]


[0029]
(式中、R 3a及びR 3bは同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状C 4-12アルキル基又は直鎖状又は分岐鎖状C 4-12アルコキシ基、直鎖状又は分岐鎖状C 4-12アルキルチオ基を示す。)
[0030]
 本発明は、前記有機ヘテロ高分子を製造する方法も包含する。すなわち、前記有機ヘテロ高分子は下記式(8)で表される構成単位を有する高分子と、下記式(9)で表されるハロゲン化物と下記式(10)で表されるハロゲン化物とを反応させて製造してもよい。
[0031]
[化5]


[0032]
(式中、R はアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、r1及びr2は1~3の整数、s1及びs2は1~6の整数を示し、M の価数v 及びM の価数v は2~6価であり、v =m1+n1+s1、v =m2+n2+s2、但し、
[0033]
[化6]


[0034]
は単結合又は二重結合を示し、二重結合であるときv =m1+2×n1+s1、v =m2+2×n2+s2である。M 、M 、R 1a、R 1b、R 2a、R 2b、R 、環Ar、m1、m2、n1、n2、pは前記に同じ。)
[0035]
 また、前記有機ヘテロ高分子は、前記式(8)で表される高分子と、下記式(9A)で表されるハロゲン化物と下記式(10A)で表されるハロゲン化物とを反応させて、
[0036]
[化7]


[0037]
(式中、M 1bは周期表15族元素から選択されたヘテロ原子を示し、M 2bは周期表8族元素、9族元素、10族元素、14族元素及び16族元素から選択されたヘテロ原子を示し、M 2bの価数v 2bは2~6価を示し、v 2b=m2+n2+s2、但し、
[0038]
[化8]


[0039]
は単結合又は二重結合を示し、二重結合であるとき、v 2b=m2+2×n2+s2である。R 1a、R 1b、R 2b、r2、s2、m2、n2、Xは前記に同じ。)
[0040]
 下記式(1A)で表される構成単位と下記式(2A)で表される構成単位とを有する有機ヘテロ高分子を生成し、
[0041]
[化9]


[0042]
(式中、
[0043]
[化10]


[0044]
は単結合又は二重結合を示し、M 1b、M 2b、R 1a、R 1b、R 2b、R 、環Ar、m2、n2、pは前記に同じ。)
[0045]
 この有機ヘテロ高分子と、下記式(11)で表される化合物又は下記式(12)で表される元素単体とを反応させて製造してもよい。
[0046]
[化11]


[0047]
(式中、R 2a1は配位子と錯体を形成した金属原子を示し、Lは脱離基を示し、R 2a2は周期表16族元素から選択された元素単体を示す。)
[0048]
 前記有機ヘテロ高分子は有機溶媒に可溶である。そのため、本発明は、前記有機ヘテロ高分子と、有機溶媒とを含む組成物も包含し、この組成物は有機半導体を形成するために有用である。
[0049]
 また、本発明は、前記有機ヘテロ高分子で形成された有機半導体及び前記有機ヘテロ高分子を含む電子デバイスも包含する。さらに、本発明は、前記有機半導体を含む電子デバイスも包含する。なお、前記電子デバイスは、例えば、光電変換素子、スイッチング素子及び整流素子から選択された一種であってもよい。
[0050]
 本明細書において、-M -R 2aはヘテロ原子M にR 2aが単結合し、-M =R 2aはヘテロ原子M にR 2aが二重結合している状態を示す。また、-M -R 2bはヘテロ原子M にR 2bが単結合し、-M =R 2bはヘテロ原子M にR 2bが二重結合している状態を示す。

発明の効果

[0051]
 本発明の有機へテロ高分子は、芳香族性環と、互いに異なるヘテロ原子を含む5員複素環とが共役結合した共役系を主鎖に形成しており、導電性(キャリア移動度)が高く、半導体特性を有する。特に、本発明の有機ヘテロ高分子は分子内に異種のヘテロ複素環を含有し、広範な波長域で高い吸光度を示すため、光電変換効率を向上できる。このような有機ヘテロ高分子は有機半導体を形成するのに有用であり、太陽電池などの電子デバイスとして利用できる。また、前記有機ヘテロ高分子は、光電変換素子などの電子デバイスの増感色素(増感剤)などとしても有用である。さらに、本発明の有機ヘテロ高分子は、発光波長域が広く、発光特性に優れている。そのため、光電子デバイス材料としても有用である。

図面の簡単な説明

[0052]
[図1] 図1は、実施例及び比較例の紫外-可視吸収スペクトルを示すグラフである。
[図2] 図2は、実施例及び比較例の発光スペクトルを示すグラフである。
[図3] 図3は、実施例1で得られたポリマーで形成された色素増感太陽電池の電流密度-電位特性を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0053]
 [有機ヘテロ高分子]
 本発明の有機へテロ高分子は前記式(1)及び(2)で表される構成単位を有する共重合体である。この共重合体はランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよく、特にランダム共重合体が好ましい。
[0054]
 前記式(1)及び(2)において、M 及びM は周期表8族元素(例えば、Fe、Ru、Os)、9族元素(例えば、Co、Rh、Ir)、10族元素(例えば、Ni、Pd、Pt)、14族元素(例えば、Si、Ge、Sn、Pb)、15族元素(例えば、N、P、As、Sb、Bi)及び16族元素(例えば、S、Se、Te)のうち、互いに異なる族から選択されたヘテロ原子を示す。これらのヘテロ元素M 及びM のうち、周期表8族元素では、例えば、Fe、Ruなど、特にRuが好ましく、9族元素では、例えば、Co、Rhなど、特にRhが好ましく、10族元素では、例えば、Ni、Pdなど、特にNiが好ましく、14族元素では、例えば、Si、Ge、Snなど、特にSnが好ましく、15族元素では、例えば、P、As、Sb、Biなど、特にPが好ましく、16族元素では、例えば、S、Se、Teなど、特にSが好ましい。
[0055]
 M 及びM は、それぞれ異なる族から選択されたヘテロ原子であればよく、例えば、M は周期表8族~10族元素から選択された少なくとも1種のヘテロ原子、M は周期表14族~16族元素から選択された少なくとも1種のヘテロ原子であってもよい。また、M は周期表15族元素から選択された少なくとも1種のヘテロ原子、M は周期表8族~10族元素、14族~16族元素から選択された少なくとも1種のヘテロ原子であってもよい。なお、ヘテロ原子として周期表8族~10族元素を含むと、特異な電荷移動遷移(例えば、MLCT遷移)により、吸光度が高く、長波長域の吸収を有するためか、高い導電性(キャリア移動度)に加えて、優れた光電変換効率を有する。
[0056]
 また、これらのヘテロ原子の原子価vは、通常、ヘテロ元素の種類に応じて、2~6価、好ましくは2~5価である。周期表8族元素(例えば、Ru、Fe)は2~4価、9族元素(例えば、Co、Rh)は2又は3価、10族元素(例えば、Ni、Pd)は2~4価、14族元素(例えば、Sn)は4価、周期表15族元素(例えば、P)は3~5価、周期表16族元素(例えば、S、Se、Te)は2~5価である場合が多い。
[0057]
 R 1a、R 1b、R 2a及びR 2bで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示でき、通常、塩素原子、臭素原子である。
[0058]
 R 1a、R 1b、R 2a及びR 2bで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C 1-6アルキル基などが例示できる。好ましいアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状C 1-4アルキル基(例えば、C 1-2アルキル基)である。
[0059]
 R 1a、R 1b、R 2a及びR 2bで表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのC 3-10シクロアルキル基などが例示できる。好ましいシクロアルキル基は、C 5-8シクロアルキル基である。
[0060]
 R 1a、R 1b、R 2a及びR 2bで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのC 1-4アルキル基が置換していてもよいC 6-12アリール基などが例示できる。好ましいアリール基は、フェニル基などのC 6-10アリール基である。
[0061]
 R 1a、R 1b、R 2a及びR 2bで表されるヘテロアリール基としては、例えば、硫黄原子、窒素原子及び酸素原子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員複素環基(チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、フリル基など)、硫黄原子、窒素原子及び酸素原子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む6員複素環基(ピリジル基、ピラジル基など)などが例示できる。
[0062]
 R 2a及びR 2bは、一価又は二価のヘテロ原子(ヘテロ金属原子)、例えば、周期表16族元素(例えば、O、S、Se、Te)、周期表11族元素(例えば、Cu、Ag、Au)から選択されたヘテロ原子(ヘテロ金属原子)であってもよい。R 2a及びR 2bで表されるヘテロ原子(ヘテロ金属原子)のうち、周期表16族元素(例えば、O、S、Se、Teなど、特にS、Se)、周期表11族元素(例えば、Ag、Auなど、特にAu)が好ましい。これらのヘテロ原子(ヘテロ金属原子)のうち、周期表16族元素は、ヘテロ原子M 及びM と二重結合を形成して結合し、周期表11族元素は、元素(ヘテロ原子)M 及びM と単結合を形成して結合している。また、ヘテロ原子(ヘテロ金属原子)(例えば、周期表11族元素)は、錯体(塩素、臭素などのハロゲン原子、酸素原子、OH(ヒドロキソ)、H 2O(アコ)、CO、CN、メトキシ基などのアルコキシ基、アセチル基、メトキシカルボニル(アセタト)基、アセチルアセトナト基、シクロペンタジエニル基、ピリジン、ホスフィンなどの配位子との錯体)を形成してもよく、ハロゲン化物(塩素、臭素などのハロゲン化物)を形成してもよい。
[0063]
 R 1a及びR 1bは、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C 1-4アルキル基(例えば、C 1-2アルキル基)、フェニル基などのC 6-10アリール基である場合が多く、R 2a及びR 2bは、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C 1-4アルキル基(例えば、C 1-2アルキル基)、フェニル基などのC 6-10アリール基、ヘテロ原子M 及びM と二重結合したヘテロ原子(例えば、S、Se、Te、O、特にS)である場合が多い。
[0064]
 なお、R 1a、R 1b、R 2a及びR 2bは同一であっても、異なっていてもよい。
[0065]
 m1、m2、n1及びn2はそれぞれ0又は1を示し、ヘテロ原子M 及びM の価数に応じて、m1=n1(又はm2=n2)=0であってもよく、m1+n1(又はm2+n2)=1又は2であってもよい。
[0066]
 環Arで表される芳香族性環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などのアレーン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、フラン環、ピリジン環、ピラジン環などのヘテロアレーン環、フルオレン環、ビフェニル環、ビナフチル環などのビスアレーン環、ビピリジン環などのビスヘテロアレーン環などが例示できる。代表的な芳香族性環Arは、ベンゼン環、ナフタレン環などのC 6-12アレーン環(特に、C 6-10アレーン環)、チオフェン環、ピリジン環などの5員又は6員ヘテロアレーン環、フルオレン環、ビフェニル環、ビナフチル環などのビスアレーン環である。芳香族性環Arは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環(特に、ベンゼン環)などである場合が多い。
[0067]
 R は溶媒可溶性を付与するのに有用である。R で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、ウンデカニル基、ドデカニル基などの直鎖状又は分岐鎖状アルキル基などが例示できる。アルキル基は、通常、直鎖状又は分岐鎖状C 4-16アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C 6-12アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C 6-10アルキル基である。
[0068]
 R で表されるアルコキシ基は、前記アルキル基に対応する直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基、例えば、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C 4-16アルコキシ基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C 6-12アルコキシ基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C 6-10アルコキシ基である。
[0069]
 R で表されるアルキルチオ基は、前記アルキル基に対応する直鎖状又は分岐鎖状アルキルチオ基、例えば、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2-エチルヘキシルチオ基などの直鎖状又は分岐鎖状C 4-16アルキルチオ基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C 6-12アルキルチオ基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C 6-10アルキルチオ基である。
[0070]
 R はアルコキシ基である場合が多い。なお、pは0又は1~3の整数を示し、通常、1~3の整数(例えば、2)である。
[0071]
 環Arに対するR の置換位置は、特に制限されず、環Arの種類及び結合手の位置、R の置換数pに応じて選択でき、例えば、環Arがベンゼン環であるとき、R の置換位置は、2-,3-,4-,5-,6-位のいずれであってもよく、2,3-、2,5-、2,6-位などの複数位置にR が置換していてもよい。チオフェン環では、3-位、3,4-位であってもよい。また、フルオレン環では9,9-位、1,1’-ビナフチル環では、2,2’-位などであってもよく、1,2’-ビナフチル環では、2,1’-位などであってもよい。
[0072]
 好ましい環Arを含む単位は置換ベンゼン環、置換フルオレン環、特に下記式(5)で表される二置換ベンゼン環(1,4-フェニレン基)である。
[0073]
[化12]


[0074]
(式中、R 3a及びR 3bは同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状C 4-12アルキル基、直鎖状又は分岐鎖状C 4-12アルコキシ基、直鎖状又は分岐鎖状C 4-12アルキルチオ基を示す。)
[0075]
 好ましいR 3a及びR 3bは、前記置換基R の項で例示の好ましいアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基である。R 3a及びR 3bは、通常、炭素数6~12(例えば、6~10)程度のアルキル鎖を有している。R 3a及びR 3bの置換位置は、2,3-位、2,5-位、2,6-位のいずれであってもよく、通常、2,5-位である場合が多い。
[0076]
 前記式(1)で表される構成単位と前記式(2)で表される構成単位との割合は、構成単位の種類に応じて適宜選択でき、例えば、前者/後者(モル比)=99/1~1/99(例えば、90/10~10/90)、好ましくは、80/20~20/80(例えば、70/30~30/70)、さらに好ましくは60/40~40/60程度であってもよい。
[0077]
 本発明の代表的な有機ヘテロ高分子として、下記式(3)で表される構成単位と下記式(4)で表される構成単位とを有する共重合体が挙げられる。
[0078]
[化13]


[0079]
(式中、M 1aは周期表15族元素から選択されたヘテロ原子、M 2a及びR 2cは周期表16族元素から選択されたヘテロ原子を示し、R 1cはアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、p1は1~3の整数を示し、環Ar、R は前記に同じ。)
[0080]
 前記式(3)及び(4)で表される構成単位の割合は前記式(1)及び(2)で表される構成単位の割合と同様である。
[0081]
 ヘテロ原子M 1aは周期表15族元素(例えば、P、As、Sb、Bi)から選択でき、特にPが好ましく、ヘテロ原子M 2a及びR 2cは周期表16族元素(例えば、S、Se、Te)から選択でき、特にSが好ましい。
[0082]
 R 1cとしては、前記R 1a及びR 1bと同様のアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基が例示でき、特にアリール基(例えば、フェニル基など)が好ましい。
[0083]
 また、p1は1~3の整数、好ましくは1~2(特に2)の整数である。
[0084]
 本発明の有機ヘテロ高分子は比較的分子量が大きいにも拘わらず導電性(キャリア移動度)が高いという特色がある。有機ヘテロ高分子の分子量は特に制限されないが、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したとき、ポリスチレン換算で、数平均分子量Mnは1×10 ~1×10 、好ましくは2×10 ~5×10 、さらに好ましくは3×10 ~2.5×10 程度であってもよい。また、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は5以下であってもよく、例えば、1.5~4.5、好ましくは2.0~4.0、さらに好ましくは2.5~3.5程度であってもよい。
[0085]
 なお、有機ヘテロ高分子は直鎖状である場合が多いものの、必要であれば分岐構造を有していてもよい。
[0086]
 本発明の有機へテロ高分子は、芳香族性環と互いに異なるヘテロ原子を含む5員複素環とが共役結合した共役系を主鎖に形成している。このような有機ヘテロ高分子は、分子内に異種のヘテロ複素環を含有し、広範な波長域で吸光度を大きくできるため、光電変換効率を向上できる。さらに、前記有機へテロ高分子は、発光波長域が広く、発光特性にも優れている。
[0087]
 また、主鎖骨格にヘテロ原子を含む5員複素環を形成しているため、自己凝集性を弱めると共に、芳香族性環と5員複素環とが共役系を形成しているため、主鎖全体に有機-ヘテロ原子結合による特異な電子状態が維持される。そのため、優れた半導体特性を有している。
[0088]
 また、アルキル基などの側鎖を有する芳香族性環(アレーン環)を導入できるため、溶解性を高めることもでき、溶媒可溶性を併せ持っている。そのため、塗布(コーティング)により容易に成膜できる。さらに、安定性も高く、水や温度(室温など)に対して安定である。
[0089]
 なお、成膜後、主鎖間でスタッキングするためか、分子間の電子移動も容易な構造膜が得られる。また、高分子中にアルキル鎖があったとしても、スタッキング方向(縦方向)に対してアルキル鎖が並行に並ぶためか、スタッキングを阻害することがない。そのためか、得られた膜は有機半導体として有効に機能する。
[0090]
 [有機ヘテロ高分子の製造方法]
 本発明の有機ヘテロ高分子は、下記式(8)で表される構成単位からなるチタナシクロペンタジエン骨格を有する高分子を用いて合成できる。すなわち、この高分子は前記有機ヘテロ高分子の前駆体として有用である。下記式(8)で表される高分子は、下記式(6)で表されるジエチニルアレーン化合物と下記式(7)で表される低原子価チタン錯体とを反応させて得ることができる。
[0091]
[化14]


[0092]
(式中、R はアルキル基を示し、R 、環Ar、pは前記に同じ。)
[0093]
 R で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C 1-6アルキル基が例示でき、特に、分岐アルキル基、例えば、イソプロピル基などである場合が多い。
[0094]
 前記式(6)で表されるジエチニルアレーン化合物としては、例えば、1,4-ジエチニル-2,5-ジオクチルオキシベンゼン、1,4-ジエチニル-2,5-ジ(2-エチルヘキシルオキシ)ベンゼンなどのジエチニルジアルコキシベンゼン;2,5-ジエチニル-3-ドデカニルチオフェンなどのジエチニルアルキルチオフェン;2,7-ジエチニル-9,9-ジオクチルフルオレンなどのジエチニルジアルキルフルオレン;6,6’-ジエチニル-2,2’-ジオクチルオキシ-1,1’-ビナフチルなどのジエチニルジオクチルオキシビナフチル、6,6’-ジエチニル-2,2’-ジオクチル-1,1’-ビナフチルなどのジエチニルジアルキルビナフチルなどが例示できる。
[0095]
 また、前記式(7)で表される低原子価チタン錯体はテトラアルコキシチタン(テトライソプロポキシチタン(Ti(OPr )など)とアルキルマグネシウムハライド(イソプロピルマグネシウムクロリド( PrMgCl)など)とを反応させることにより生成できる。そのため、前記式(8)で表される高分子は式(6)で表されるジエチニルアレーン化合物とテトラアルコキシチタンとアルキルマグネシウムハライドとを反応させることにより生成させてもよい。なお、アルキルマグネシウムハライドの使用量は、テトラアルコキシチタン1モルに対して、1.5~2.5モル程度である。反応は、通常、不活性溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルなど)中、不活性雰囲気[窒素、希ガス(特にアルゴン)など]下、攪拌しながら行うことができる。反応温度は-100℃~-20℃(例えば、-80℃~-40℃)程度であってもよく、反応時間は、例えば、1~48時間、通常、2~36時間、好ましくは3~24時間程度であってもよい。
[0096]
 (反応工程1)
 本発明の有機ヘテロ高分子は、前記式(8)で表される構成単位を有する高分子と下記式(9)で表されるハロゲン化物と下記式(10)で表されるハロゲン化物とを反応させて製造してもよい。
[0097]
[化15]


[0098]
(式中、Xはハロゲン原子を示し、M の価数v 及びM の価数v は2~6価であり、r1及びr2は1~3の整数、s1及びs2は1~6の整数を示し、v =m1+n1+s1、v =m2+n2+s2、但し
[0099]
[化16]


[0100]
は単結合又は二重結合を示し、二重結合であるときv =m1+2×n1+s1、v =m2+2×n2+s2である。M 、M 、R 1a、R 1b、R 2a、R 2b、R 、R 、環Ar、m1、m2、n1、n2、pは前記に同じ。)
[0101]
 前記式(9)又は(10)において、Xで表されるハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子である場合が多い。
[0102]
 前記式(9)及び(10)において、ヘテロ原子M 及びM としては、前記式(1)及び(2)に対応する元素が挙げられる。M の価数v 及びM の価数v はヘテロ原子の種類に応じて、2~6価、好ましくは2~5価であってもよい。r1及びr2はヘテロ原子M 及びM の数を示し、1~3の整数であってもよく、例えば、m1=n1=0又はm2=n2=0のハロゲン化物では、1又は2の場合が多く、m1+n1又はm2+n2=1又は2のハロゲン化物では、1の場合が多い。また、s1及びs2はハロゲン原子Xの数を示し、1~6の整数であってもよい。なお、価数v 及びv と各係数との関係はv =m1+n1+s1、v =m2+n2+s2を示す。但し、M 又はM とR 2a又はR 2bとの結合状態が-M =R 2a、-M =R 2bであるとき、v =m1+2×n1+s1、v =m2+2×n2+s2である。
[0103]
 前記式(9)又は(10)で表されるハロゲン化物としては、下記式で表されるハロゲン化物が例示できる。
[0104]
[化17]


[0105]
(式中、Mは前記M 又はM のいずれかを示し、R は前記R 1a又はR 1bのいずれかを示し、R は前記R 2a又はR 2bのいずれかを示し、rは1~3の整数、sは1~6の整数を示し、Xは前記に同じ。)
[0106]
 前記式(9)又は(10)において、ヘテロ原子M 又はM が周期表8族元素であるハロゲン化物としては、例えば、二塩化鉄(FeCl )、三塩化鉄(FeCl )、三塩化ルテニウム(RuCl )、四塩化ルテニウム(RuCl )などのハロゲン化物;アルキルジクロロルテニウム、アリールジクロロルテニウム[以下、これらの成分をアルキル(又はアリール)ジクロロルテニウムと記載する場合がある。]などのアルキル(又はアリール)金属ハロゲン化物;ジアルキルジクロロルテニウム、ジアリールジクロロルテニウム[以下、これらの成分をジアルキル(又はジアリール)ジクロロルテニウムと記載する場合がある。]などのジアルキル(又はジアリール)金属ハロゲン化物などが挙げられる。
[0107]
 前記式(9)又は(10)において、ヘテロ原子M 又はM が周期表9族元素であるハロゲン化物としては、例えば、二塩化コバルト(CoCl )、三塩化ロジウム(RhCl )などのハロゲン化物;アルキル(又はアリール)ジクロロロジウムなどのアルキル(又はアリール)金属ハロゲン化物などが挙げられる。
[0108]
 前記式(9)又は(10)において、ヘテロ原子M 又はM が周期表10族元素であるハロゲン化物としては、例えば、二塩化ニッケル(NiCl )、二塩化パラジウム(PdCl )などのハロゲン化物;ジアルキル(又はジアリール)ジクロロパラジウムなどのジアルキル(又はジアリール)金属ハロゲン化物などが挙げられる。
[0109]
 前記式(9)又は(10)において、ヘテロ原子M 又はM が周期表14族元素であるハロゲン化物としては、例えば、二塩化スズ(SnCl )、四塩化スズ(SnCl )などのハロゲン化物;ジアルキル(又はジアリール)ジクロロシラン、ジアルキル(又はジアリール)ジクロロスズなどのジアルキル(又はジアリール)金属ハロゲン化物などが挙げられる。
[0110]
 前記式(9)又は(10)において、ヘテロ原子M 又はM が周期表15族元素であるハロゲン化物としては、例えば、三塩化アンチモン(SbCl )などのハロゲン化物;アルキル(又はアリール)ジクロロホスフィン、アルキル(又はアリール)ジクロロアンチモンなどのアルキル(又はアリール)金属ハロゲン化物;ジアルキル(又はジアリール)ジクロロホスフィンなどのジアルキル(又はジアリール)金属ハロゲン化物;塩化ホスホリルなどのハロゲン化物などが挙げられる。
[0111]
 前記式(9)又は(10)において、ヘテロ原子M 又はM が周期表16族元素であるハロゲン化物としては、二塩化二硫黄(S Cl )、二塩化二セレン(Se Cl )、二塩化テルル(TeCl )、四塩化セレン(SeCl )、四塩化テルル(TeCl )などのハロゲン化物;アルキル(又はアリール)ジクロロテルルなどのアルキル(又はアリール)金属ハロゲン化物;ジアルキル(又はジアリール)ジクロロセレンなどのジアルキル(又はジアリール)金属ハロゲン化物;塩化チオニルなどのハロゲン化物などが挙げられる。
[0112]
 これらのハロゲン化物のうち、互いに異なる族のヘテロ原子(M 及びM )を含むハロゲン化物と、前記式(8)で表される高分子とを反応させると、同一の又は異なる置換基が結合した異種のヘテロ原子(M 及びM )を有する本発明の有機ヘテロ高分子を得ることができる。
[0113]
 本発明の代表的な有機ヘテロ高分子、例えば、前記式(1)及び(2)において、m1=n1=1、M とR 2aとの結合状態が-M =R 2a、m2=n2=0である構成単位を有する有機ヘテロ高分子は、前記式(8)で表される高分子と、前記周期表15族元素のハロゲン化物[例えば、アルキル(又はアリール)ジクロロホスフィンなど]と前記周期表16族元素のハロゲン化物[例えば、二塩化二硫黄(S Cl )、二塩化二セレン(Se Cl )など]とを反応させて得ることができる。
[0114]
 前記式(9)で表されるハロゲン化物と前記式(10)で表されるハロゲン化物との割合は、前記式(1)で表される構成単位と前記式(2)で表される構成単位との割合に応じて適宜選択でき、例えば、前者/後者(モル比)=99/1~1/99(例えば、90/10~10/90)、好ましくは、80/20~20/80(例えば、70/30~30/70)、さらに好ましくは60/40~40/60程度であってもよい。
[0115]
 反応において、前記式(9)及び(10)で表されるハロゲン化物の総量は、前記式(10)で表される高分子のチタン原子Ti1モルに対して0.8~2モル(例えば、1~1.5モル)程度であってもよい。
[0116]
 反応は、前記式(9)及び(10)で表されるハロゲン化物のうち、一方のハロゲン化物と前記式(8)で表される高分子とを反応させた後、他方のハロゲン化物とを反応させてもよく、同時に反応させてもよい。
[0117]
 反応は、通常、不活性溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルなど)中、不活性雰囲気[窒素、希ガス(特にアルゴン)など]下、攪拌しながら行うことができる。反応は、-80℃~30℃(例えば、-60℃~室温)程度の温度で行ってもよく、反応時間は、例えば、1~48時間、通常、2~36時間、好ましくは3~24時間程度であってもよい。反応終了後、慣用の分離精製方法、例えば、濃縮、デカント、再沈殿、クロマトグラフィなどにより所定の有機ヘテロ高分子を得てもよい。
[0118]
 (反応工程2)
 本発明の有機ヘテロ高分子は、前記式(8)で表される構成単位を有する高分子と、下記式(9A)で表されるハロゲン化物と下記式(10A)で表されるハロゲン化物とを反応させ、下記式(1A)で表される構成単位と下記式(2A)で表される構成単位とを有する高分子を生成させ、この高分子と下記式(11)で表される化合物とを反応させると、下記式(1B)で表される構成単位と下記式(2A)で表される構成単位とを有する本発明の有機ヘテロ高分子を製造できる。また、下記式(1A)で表される構成単位と下記式(2A)で表される構成単位とを有する高分子と下記式(12)で表される元素単体とを反応させると、下記式(1C)で表される構成単位と下記式(2A)で表される構成単位とを有する本発明の有機ヘテロ高分子を製造できる。
[0119]
[化18]


[0120]
(式中、M 1bは周期表15族元素から選択されたヘテロ原子を示し、M 2bは周期表8族元素、14族元素及び16族元素から選択されたヘテロ原子を示し、M 2bの価数v 2bは2~6価を示し、v 2b=m2+n2+s2、但し、
[0121]
[化19]


[0122]
は単結合又は二重結合を示し、二重結合であるとき、v 2b=m2+2×n2+s2である。R 2a1は配位子と錯体を形成した金属原子を示し、Lは脱離基を示し、R 2a2は周期表16族元素から選択された元素単体を示し、R 1a、R 1b、R 2b、R 、R 、環Ar、X、r2、s2、m2、n2、pは前記に同じ。)
[0123]
 ヘテロ原子M 1bは前記周期表15族元素(例えば、P)が挙げられ、ヘテロ原子M 2bは前記周期表8族元素(例えば、Fe、Ru)、前記周期表9族元素(例えば、Co、Rh)、前記周期表10族元素(例えば、Ni、Pd)、前記周期表14族元素(例えば、Si、Ge、Sn)、前記周期表16族元素(例えば、S、Se、Te)などが挙げられる。ヘテロ原子M 2bの価数v 2bは2~6価、好ましくは2~5価を示し、v 2b=m2+n2+s2である。但し、M 2bとR 2bとの結合状態が-M 2b=R 2bであるとき、v 2b=m2+2×n2+s2である。
[0124]
 前記式(9A)で表されるハロゲン化物としては、前記例示のヘテロ原子が周期表15族元素であるハロゲン化物[例えば、アルキル(又はアリール)ジクロロホスフィンなど]などが例示できる。
[0125]
 前記式(10A)で表されるハロゲン化物としては、前記例示のヘテロ原子が、周期表8族元素であるハロゲン化物(例えば、三塩化鉄、三塩化ルテニウムなどのハロゲン化物など)、周期表9族元素であるハロゲン化物(例えば、二塩化コバルト、三塩化ロジウムなどのハロゲン化物など)、周期表10族元素であるハロゲン化物(例えば、二塩化ニッケルなどのハロゲン化物など)、周期表14族元素であるハロゲン化物(例えば、ジアルキル(又はジアリール)ジクロロスズなどのジアルキル(又はジアリール)金属ハロゲン化物など)又は周期表16族元素であるハロゲン化物(例えば、塩化チオニルなどのハロゲン化物、ジアルキル(又はジアリール)ジクロロセレンなどのジアルキル(又はジアリール)金属ハロゲン化物など)などが挙げられる。
[0126]
 前記式(1A)で表される構成単位と前記式(2A)で表される構成単位とを有する有機ヘテロ高分子は、反応工程1と同様の方法により合成してもよい。
[0127]
 前記式(11)において、R 2a1としては、前記例示の錯体を形成した金属原子(例えば、周期表11族元素から選択された金属原子、特に金など)などが挙げられ、Lで表される脱離基としては、この金属原子R 2a1に配位した配位子(例えば、テトラヒドロチオフェンなど)などが挙げられる。前記式(11)で表される化合物としては、例えば、塩化テトラヒドロチオフェン錯体などが例示できる。
[0128]
 前記式(12)において、元素単体R 2a2としては、例えば、硫黄、セレン、テルルなどが例示できる。
[0129]
 反応において、前記式(11)で表される化合物又は前記式(12)で表される単体の割合は前記式(1A)において、ヘテロ原子M 1b1モルに対して、1~2モル(例えば、1.1~1.5モル)程度であってもよい。
[0130]
 反応は、不活性溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルなど)中、不活性雰囲気[窒素、希ガス(特にアルゴン)など]下、攪拌しながら行ってもよい。反応温度は、通常、0~50℃(例えば、10~30℃、特に室温)程度の温度であってもよい。また、反応時間、精製方法は反応工程1と同様の条件で行ってもよい。
[0131]
 本発明の製造方法では、少ない工程数で異種のヘテロ元素(M 及びM )を含む5員複素環を有する有機ヘテロ高分子を効率よく容易に合成できる。得られたヘテロ高分子は有機半導体として有用である。
[0132]
 [有機ヘテロ高分子の用途]
 有機ヘテロ高分子の主鎖は、芳香族性環と互いに異なるヘテロ原子を含む5員複素環とで共役系(π-共役系)を形成しており、極めて電子移動度が高く、半導体特性を有している。また、理由は定かでは無いが、単一の構成単位からなる高分子に比べ特異な光学特性を有することが多い。しかも、側鎖に長鎖アルキル鎖を導入した有機へテロ高分子は、有機溶媒に対する溶解性が高く、高い導電性(高い半導体特性)を示すという特色がある。そのため、本発明は有機へテロ高分子と有機溶媒とを含む組成物(コーティング組成物)も包含し、この組成物は、有機半導体、特にコーティング(塗布)などの簡便な方法により有機半導体の薄膜を形成するのに有用である。
[0133]
 有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエタンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどの鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなど)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、ピロリドン類(例えば、2-ピロリドン、3-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドンなど)などが例示できる。これらの有機溶媒は、単独で又は混合溶媒として使用できる。
[0134]
 溶媒の使用量は、塗布性及び成膜性を損なわない範囲から選択でき、例えば、組成物中の有機へテロ高分子の濃度は、0.01~30重量%、好ましくは0.05~20重量%(例えば、0.1~10重量%)程度であってもよい。
[0135]
 本発明の組成物は、慣用の方法、例えば、有機へテロ高分子と有機溶媒とを混合して有機へテロ高分子を溶解し、必要によりろ過して調製してもよい。
[0136]
 有機半導体は、基材又は基板(ガラス板、シリコンウエハー、耐熱プラスチックフィルムなど)に前記組成物を塗布する工程と、塗膜を乾燥して溶媒を除去する工程とを経て製造してもよい。なお、塗布方法としては、慣用の塗布方法、例えば、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ブレードコート法、ディップコート法、スプレー法、スピンコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などが例示できる。
[0137]
 有機半導体の厚みは、用途に応じて適宜選択され、例えば、1~5000nm、好ましくは30~1000nm、さらに好ましくは50~500nm程度であってもよい。
[0138]
 なお、有機半導体はn型半導体、p型半導体であってもよく、真性半導体であってもよい。
[0139]
 また、本発明の有機ヘテロ高分子及び有機半導体は、光電変換能を有し、例えば、光吸収により発生した電子及びホールの移動度を高め、光電変換効率を向上できる。そのため、有機ヘテロ高分子及び有機半導体特性を利用して、種々の電子デバイス{例えば、光電変換デバイス又は光電変換素子(太陽電池素子、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子など)、整流素子(ダイオード)、スイッチング素子又はトランジスタ[トップゲート型、ボトムゲート型(トップコンタクト型、ボトムコンタクト型)など]など}などに利用できる。本発明の有機半導体を利用した代表的なデバイスとして、有機太陽電池、有機EL、有機薄膜トランジスタなどが挙げられる。
[0140]
 有機太陽電池は、pn接合型半導体に表面電極が積層された構造を有している。例えば、p型シリコン半導体に有機半導体膜を積層して、この有機半導体膜に透明電極(ITO電極など)を積層することにより、太陽電池を形成できる。
[0141]
 また、有機ELとしては、有機ヘテロ高分子(発光性高分子)に必要に応じて電子輸送性材料、ホール輸送性材料を分散させた発光層を透明電極(ITO電極など)上に形成し、この発光層に電極(金属電極など)を積層した構造が例示できる。
[0142]
 さらに、有機薄膜トランジスタは、ゲート電極層と、ゲート絶縁層と、ソース/ドレイン電極層と、有機半導体層とで構成されている。これらの層の積層構造によって、有機薄膜トランジスタは、トップゲート型、ボトムゲート型(トップコンタクト型、ボトムコンタクト型)に分類できる。例えば、ゲート電極(酸化膜が形成されたp型シリコンウエハーなど)に有機半導体膜を形成して、この有機半導体膜上にソース・ドレイン電極(金電極)を形成することにより、トップコンタクト型電界効果トランジスタを製造できる。
[0143]
 さらに、本発明の有機ヘテロ高分子は、上記に示した有機半導体としての用途に加え、半導体を光励起するための増感剤(又は増感色素)及び/又は電荷輸送剤としても有用であり、前記電子デバイス(例えば、太陽電池素子、有機EL素子などの光電変換素子など)の増感剤などとしても利用できる。この有機ヘテロ高分子は、通常、半導体(又は半導体表面)に、物理吸着、化学吸着(又は化学結合)などの態様で吸着(又は付着)した形態で、増感剤などとして作用させることができる。
[0144]
 半導体は、有機半導体などであってもよいが、好ましくは無機半導体であってもよい。無機半導体としては、例えば、金属単体(例えば、パラジウム、白金など)、金属化合物などが挙げられる。金属化合物としては、例えば、周期表第4~15族金属酸化物(例えば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化イリジウム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ビスマスなど)、金属硫化物(例えば、CdS、硫化銅(CuS、Cu S)など)、金属窒化物(例えば、窒化タリウムなど)、金属セレン化物(例えば、CdSe、ZnSeなど)、金属ハロゲン化物(例えば、CuBrなど)、これらの金属を複数含む複合体(例えば、CuAlO 、CuGaS など)などが例示できる。これらの半導体は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
[0145]
 これらの半導体は、p型半導体であってもよく、好ましくはn型半導体であってもよい。代表的なn型半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO )、酸化インジウム(In )、酸化ガリウム(Ga )、銅-アルミニウム酸化物(CuAlO )、これらの金属酸化物のドープ体などが挙げられ、特に酸化チタン(TiO )が好ましい。なお、酸化チタンとしては、TiO 、Ti 、Ti 、含水酸化チタン(メタチタン酸、オルトチタン酸など)なども挙げられるが、通常、TiO (二酸化チタン)が汎用される。また、酸化チタンは、無定形であってもよく、結晶形(ルチル型、アナターゼ型など)であってもよい。
[0146]
 半導体の形状は、粒子状、繊維状、板状などであってもよく、好ましくは粒子状であってもよい。また、半導体はナノ粒子(例えば、ナノ粒子の焼結体)であってもよい。すなわち、半導体の平均粒径(例えば、焼結前の粒径)は、例えば、1~1000nm(例えば、2~700nm)程度の範囲から選択でき、例えば、3~500nm、好ましくは5~300nm、さらに好ましくは7~100nm(例えば、8~70nm)、特に50nm以下(例えば、1~30nm)程度であってもよい。
[0147]
 半導体(又は半導体粒子)に吸着又は付着した有機ヘテロ高分子の割合は、半導体1重量部に対して、例えば、0.001~1重量部、好ましくは0.005~0.5重量部、さらに好ましくは0.01~0.1重量部程度であってもよい。
[0148]
 また、本発明の有機ヘテロ高分子(増感剤及び/又は電荷輸送剤)を半導体と組み合わせると、光電変換効率を向上できるため、特に、色素増感太陽電池などを形成するのに有用である。例えば、基板上に、有機ヘテロ高分子と半導体とを含む層を電極として積層した積層体を形成し、色素増感太陽電池に利用できる。なお、色素増感太陽電池は、この電極に対向して配置される対極と、これらの電極間に介在し、封止処理された電解質層とで構成されている。また、半導体がn型半導体であるとき、対極は正極(積層体側は負極)を形成し、半導体がp型半導体であるとき、対極は負極(積層体側は正極)を形成する。
[0149]
 前記基板は、通常、導電性基板であってもよい。導電性基板は、導電体(又は導電体層)のみで構成してもよいが、通常、ベース基板上に導電体層(又は導電層又は導電膜)が形成された基板などが挙げられる。
[0150]
 ベース基板としては、無機基板(例えば、ガラスなど)、有機基板(例えば、プラスチック基板など)などが例示でき、通常、透明基板(透明無機基板)を用いる場合が多い。
[0151]
 導電体としては、例えば、導電性金属酸化物[例えば、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、錫ドープ金属酸化物(錫ドープ酸化インジウムなど)、フッ素ドープ金属酸化物(フッ素ドープ酸化スズなど)など]などの導電体が挙げられる。これらの導電体は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。なお、好ましい導電体は、透明導電体である。
[0152]
 前記積層体は、(i)有機ヘテロ高分子が、成膜可能なため、この有機ヘテロ高分子及び半導体を含む組成物(ペーストなど)を、基板上に塗布(又はコーティング)し、乾燥させて形成してもよく、(ii)基板上に前記半導体を塗布し、高温(400~500℃程度)で熱処理(又は焼結)後、半導体層に有機ヘテロ高分子を吸着させて形成してもよい。
[0153]
 方法(i)において、前記組成物(例えば、ペースト)は、通常、溶媒を含んでいる。溶媒としては、前記例示の有機溶媒を使用できる。
[0154]
 方法(ii)において、半導体層が積層した基板を、有機ヘテロ高分子を含む溶液に浸漬する方法などにより、半導体層に有機ヘテロ高分子を吸着又は付着させてもよい。なお、溶液中の溶媒としては、前記例示の有機溶媒であってもよい。
[0155]
 方法(i)及び(ii)において、塗布(又はコーティング)方法としては、前記例示の塗布方法(例えば、スピンコート法、スクリーン印刷法など)を使用できる。
[0156]
 また、基板に積層された有機ヘテロ高分子を含む半導体層(光電変換層)の厚みは、例えば、0.1~100μm、好ましくは0.5~50μm、さらに好ましくは1~30μm(例えば、5~20μm)程度であってもよい。
[0157]
 対極は、上記に示した導電性基板と、この導電性基板上に形成された触媒層(例えば、導電性金属(金、白金など)、カーボンなど)とで構成される。
[0158]
 電解質層は、電解質と溶媒とを含む電解液又は電解質を含む固体層(又はゲル)で形成してもよい。電解質としては、汎用の電解質、例えば、ハロゲンとハロゲン化物塩との組み合わせ(例えば、ヨウ素とヨウ化物塩との組み合わせなど)などが挙げられる。なお、ハロゲン化物塩を構成するカウンターイオンとしては、金属イオン(アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンなど)、第4級アンモニウムイオン(イミダゾリウム塩など)などが挙げられる。電解質は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、溶媒としては、汎用の溶媒、例えば、前記例示のアルコール類、ニトリル類、エーテル類、スルホキシド類、アミド類などの有機溶媒、水などを使用できる。溶媒は単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
[0159]
 このように、本発明の有機ヘテロ高分子を増感剤及び/又は電荷輸送剤として利用した光電変換素子では、高い短絡電流及び開放電圧を得ることができる。
実施例
[0160]
 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例において、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及びジエチルエーテルはナトリウムで乾燥後、窒素雰囲気又は気流下で蒸留して用いた。テトライソプロポキシチタン(Ti(OPr )は減圧蒸留により精製した。
[0161]
 また、得られたポリマーの特性は、以下の方法で測定した。
[0162]
 [ H-NMRスペクトル及び 31P-NMRスペクトル]
  H-NMRスペクトル及び 31P-NMRスペクトルは、内標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用い、溶媒としてCDCl を用いて、300MHz NMR(日本電子(株)製「JNM-ECP300」)装置によって測定した。
[0163]
 [分子量]
 高分子の分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、ポリスチレン換算)により測定した。
[0164]
 [紫外-可視吸収スペクトル及び発光スペクトル]
 紫外-可視吸収スペクトルは、高分子をクロロホルムに溶解させ、所定濃度(20mg/5ml)の高分子溶液として(株)島津製作所製「UV-3100PC」によって測定した。発光スペクトルも同様の高分子溶液を用い、(株)島津製作所製「RF-5300PC」によって測定した。なお、高分子の最大吸収波長を励起光波長とした。
[0165]
 実施例1
[0166]
[化20]


[0167]
(式中、Rは2-エチルヘキシル基を示し、x及びyは各構成単位の含有する割合(モル比)を示し、x:y=0.44:0.56である。)
[0168]
 アルゴン雰囲気下、1,4-ジエチニル-2,5-ビス(2-エチルヘキシルオキシ)ベンゼン(0.191g、0.500mmol)及びテトライソプロポキシチタン(Ti(OPr )(0.198g、0.700mmol)をシクロペンチルメチルエーテル(20ml)に溶解し、この溶液を-78℃で攪拌しつつ、さらにイソプロピルマグネシウムクロリド( PrMgCl)のジエチルエーテル溶液(1.0N、1.25ml、1.25mmol)を加えた。その後、-50℃まで徐々に昇温し12時間攪拌し、この温度でジクロロフェニルホスフィン(0.053g、0.300mmol)と二塩化二硫黄(0.041g、0.300mmol)をそれぞれ段階的に加え、室温までゆっくりと昇温し、さらに12時間攪拌した。得られた反応溶液に、水を加えクロロホルムで抽出した後、ヘキサンで再沈殿を行い、上記式で表される赤色のポリマーを収率76%(0.176g、0.38mmol)で得た。得られたポリマーの数平均分子量Mnは11000、分子量分布Mw/Mnは3.4であった。また、このポリマーの H-NMR及び 31P-NMRスペクトルを下記に示す。なお、 H-NMRスペクトルの結果から硫化されたホスホール骨格を有する構成単位とチオフェン骨格を有する構成単位の割合x:y=0.44:0.56を求めた。
[0169]
  H-NMR(300MHz、CDCl 、ppm):0.88-0.95(12H、-C ):1.31-1.76(18H、-OCH (C CH )C CH ):3.21-4.08(br、4H、-O-C -):6.24-8.31(aromatic、4H+5H×x)
  31P-NMR(122MHz、CDCl 、ppm):54.0。
[0170]
 比較例1
 特開2013-155229号公報の実施例6と同様の方法にて下記式で表されるポリマーを得た。
[0171]
[化21]


[0172]
(式中、Rは2-エチルヘキシル基を示す。)
[0173]
 比較例2
 特開2013-185009号公報の実施例1の四塩化テルルに代えて、二塩化二硫黄(S Cl )を用いる以外は、この公報の実施例1と同様の方法にて下記式で表されるポリマーを得た。
[0174]
[化22]


[0175]
(式中、Rは2-エチルヘキシル基を示す。)
[0176]
 比較例3
 比較例1のポリマーと比較例2のポリマーとの割合が、前者:後者(モル比)=1:1である混合物を調製し、比較例3とした。
[0177]
 (紫外-可視吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定)
 実施例1、比較例1、比較例2及び比較例3のポリマーの紫外-可視吸収スペクトルの測定結果を図1に示す。
[0178]
 また、前記ポリマーの発光スペクトルの測定結果を図2に示す。なお、実施例1のポリマーにおいてはショルダーピーク543nm及び最大吸収波長456nmを励起光波長としたスペクトルを示した。
[0179]
 図1から明らかなように、実施例1のポリマーは比較例1、2のポリマー及びこれらの混合物である比較例3と比べ、広範な波長域で高い吸光度を示す。また、図2から明らかなように、本発明の高分子は、比較例1、2のポリマー及びこれらの混合物である比較例3と比べ、発光域が広く、発光特性に優れている。
[0180]
 実施例2
 アセトンで洗浄したFTOガラス(アステラテック(株)製、型番FTB)に、酸化チタンペースト(SOLARONIX社製「Ti-Nanoxide T/SP」)をスクリーン印刷法により厚み10μmの4mm角の正方形に成膜し、ホットプレートを用いて100℃で乾燥させた後、500℃で1時間焼成して酸化チタン電極を得た。
[0181]
 実施例1で得られたポリマーをTHFに溶解し0.1重量%溶液を調製した。この溶液に上記の酸化チタン電極を浸漬し、室温下で24時間静置して酸化チタン表面に実施例1で得られたポリマーを吸着させた。吸着後、溶液から酸化チタン電極を取り出しTHFで洗浄して、乾燥し、ポリマー吸着酸化チタン電極を得た。このポリマー吸着酸化チタン電極の対極として、ITO付ガラス基板(ジオマテック(株)製、10Ω/sq)にスパッタリング法により白金薄膜(厚み0.003μm)を形成させ、ITO層側(白金薄膜側)と前記ポリマー吸着酸化チタン電極のFTO層側(ポリマー吸着側)とをスペーサ(三井・デュポンポリケミカル社製「ハイミラン」)を介して挟み、両基板間に形成された空隙(又は封止材で封止された空間)内に電解液を充填し、色素増感太陽電池を作製した。なお、電解液には、0.5mol/Lの1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムヨージドと、0.1mol/Lのヨウ化リチウムと、0.05mol/Lのヨウ素とを含むアセトニトリル溶液を用いた。
[0182]
 得られた色素増感太陽電池をソーラーシミュレーター((株)三永電機製作所製「XES-301S+EL-100」)を用い、分光分布AM 1.5、100mW/cm 、25℃の条件で評価した。得られた電流密度-電位特性を図3に示す。
[0183]
 図3に示されるように、実施例1で得られたポリマーを増感色素として用いることにより、色素増感太陽電池を形成できる。

産業上の利用可能性

[0184]
 本発明の有機へテロ高分子は、π-電子共役系高分子であり、低抵抗で導電性の高い有機半導体(高分子型有機半導体)を形成するのに有用である。有機半導体は様々なデバイス、例えば、整流素子(ダイオード)、スイッチング素子又はトランジスタ[接合型トランジスタ(バイポーラトランジスタ)、電界効果型トランジスタ(ユニポーラトランジスタ)など]、光電変換素子(太陽電池素子、有機EL素子など)などに利用できる。また、本発明の有機ヘテロ高分子は、半導体を光励起させる作用も有するため、前記電子デバイス(例えば、太陽電池素子、有機EL素子などの光電変換素子など)の増感剤(又は増感色素)として利用することもできる。

請求の範囲

[請求項1]
 下記式(1)で表される構成単位と下記式(2)で表される構成単位とを有する有機ヘテロ高分子。
[化1]


(式中、M 及びM は周期表8族元素、9族元素、10族元素、14族元素、15族元素及び16族元素のうち、互いに異なる族から選択されたヘテロ原子を示し、M 及びM の原子価vは2~6価であり、R 1a及びR 1bは同一又は異なってハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、R 2a及びR 2bは同一又は異なってハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は周期表16族元素及び11族元素から選択された一価又は二価のヘテロ原子、又は配位子と錯体を形成した金属原子を示し、
[化2]


は単結合又は二重結合を示し、m1、m2、n1及びn2はそれぞれ0又は1を示し、環Arは芳香族性環を示し、R は直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基、直鎖状又は分岐鎖状アルキルチオ基を示し、pは0又は1~3の整数を示す。)
[請求項2]
 式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位とを有するランダム共重合体であって、式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位との割合が前者/後者(モル比)=99/1~1/99である請求項1に記載の有機へテロ高分子。
[請求項3]
 下記式(3)で表される構成単位と下記式(4)で表される構成単位
[化3]


(式中、M 1aは周期表15族元素、M 2a及びR 2cは周期表16族元素を示し、R 1cはアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、p1は1~3の整数を示し、環Ar、R は請求項1に同じ。)
とを有する請求項1又は2に記載の有機へテロ高分子。
[請求項4]
 環Arが下記式(5)
[化4]


(式中、R 3a及びR 3bは同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状C 4-12アルキル基又は直鎖状又は分岐鎖状C 4-12アルコキシ基、直鎖状又は分岐鎖状C 4-12アルキルチオ基を示す。)
で表される請求項1~3のいずれかに記載の有機ヘテロ高分子。
[請求項5]
 下記式(8)
[化5]


(式中、R はアルキル基、R 、環Ar、pは請求項1に同じ。)
で表される構成単位を有する高分子と、
下記式(9)で表されるハロゲン化物と下記式(10)で表されるハロゲン化物
[化6]


(式中、Xはハロゲン原子を示し、M の価数v 及びM の価数v は2~6価であり、r1及びr2は1~3の整数、s1及びs2は1~6の整数を示し、v =m1+n1+s1、v =m2+n2+s2、但し
[化7]


は単結合又は二重結合を示し、二重結合であるときv =m1+2×n1+s1、v =m2+2×n2+s2である。M 、M 、R 1a、R 1b、R 2a、R 2b、m1、m2、n1、n2は請求項1に同じ。)
とを反応させて請求項1~4のいずれかに記載の有機ヘテロ高分子を製造する方法。
[請求項6]
 請求項5に記載の式(8)で表される構成単位を有する高分子と、下記式(9A)で表されるハロゲン化物と下記式(10A)で表されるハロゲン化物
[化8]


(式中、M 1bは周期表15族元素から選択されたヘテロ原子を示し、M 2bは周期表8族元素、9族元素、10族元素、14族元素及び16族元素から選択されたヘテロ原子を示し、M 2bの価数v 2bは2~6価を示し、v 2b=m2+n2+s2、但し、
[化9]


は単結合又は二重結合を示し、二重結合であるとき、v 2b=m2+2×n2+s2である。R 1a、R 1b、R 2b、r2、s2、m2、n2、Xは請求項5に同じ。)
とを反応させ、下記式(1A)で表される構成単位と下記式(2A)で表される構成単位
[化10]


(式中、
[化11]


は単結合又は二重結合を示し、M 1b、M 2bは前記に同じであり、R 1a、R 1b、R 2b、R 、環Ar、m2、n2、pは請求項1に同じ。)
とを有する有機ヘテロ高分子を生成し、この有機ヘテロ高分子と、下記式(11)で表される化合物又は下記式(12)で表される元素単体
[化12]


(式中、R 2a1は配位子と錯体を形成した金属原子を示し、Lは脱離基を示し、R 2a2は周期表16族元素から選択された元素単体を示す。)
とを反応させて、請求項1~4のいずれかに記載の有機ヘテロ高分子を製造する方法。
[請求項7]
 有機半導体を形成するための組成物であって、請求項1~4のいずれかに記載の有機高分子と有機溶媒とを含む組成物。
[請求項8]
 請求項1~4のいずれかに記載の有機ヘテロ高分子で形成された有機半導体。
[請求項9]
 請求項1~4のいずれかに記載の有機ヘテロ高分子を含む電子デバイス。
[請求項10]
 請求項8に記載の有機半導体を含む電子デバイス。
[請求項11]
 光電変換素子、スイッチング素子、又は整流素子である請求項9又は10に記載の電子デバイス。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]