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1. WO2015016197 - COMPOSITION DE RÉSINE DE POLY(ACIDE LACTIQUE)

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明 細 書

発明の名称 ポリ乳酸樹脂組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006   0007  

図面の簡単な説明

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061  

実施例

0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080  

産業上の利用可能性

0081  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : ポリ乳酸樹脂組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、ポリ乳酸樹脂組成物に関する。更に詳しくは、日用品、化粧品、家電製品等のクリアケースやトレイ等の成形体に好適に成形し得るポリ乳酸樹脂組成物、該ポリ乳酸樹脂組成物からなるシート状成形体、及び該シート状成形体の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 ポリ乳酸樹脂は、原料となるL-乳酸がトウモロコシ、芋等から抽出した糖分を用いて発酵法により生産されるため安価であること、原料が植物由来であるために二酸化炭素排出量が極めて少ないこと、また樹脂の特性として剛性が強く透明性が高いこと等の特徴により、現在その利用が期待されている。
[0003]
 特許文献1には、難燃性、耐熱性に優れた発泡体を成形できる結晶性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物として、ポリ乳酸樹脂(A)と、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)と、特定の難燃剤(C)を含有するポリ乳酸系樹脂組成物が開示されている。また、該組成物には、結晶化を促進するために結晶核剤を配合することや、発泡体を得る際に気泡の大きさや発泡倍率を制御する目的で発泡核剤、エポキシ基含有鎖延長剤を配合することが記載されている。
[0004]
 特許文献2には、耐衝撃性に優れる脂肪族ポリエステル樹脂組成物として、(A)脂肪族ポリエステル、(B)多層構造重合体および(C)グリシジル基、酸無水物基、カルボジイミド基、オキサゾリン基から選択される少なくとも1種以上の官能基を含有する反応性化合物を配合してなる樹脂組成物が開示されている。また、該組成物には、耐熱性を向上する観点から、結晶核剤と可塑剤の配合が開示されている。
[0005]
 また、特許文献3には、耐衝撃性に優れる樹脂組成物として、ポリ乳酸樹脂、ポリプロピレン系樹脂、相溶化剤、及び結晶核剤を含有してなる樹脂組成物であって、前記結晶核剤が、分子中に水酸基とアミド基を有する化合物、フェニルホスホン酸金属塩、フタロシアニン、リン酸エステルの金属塩、芳香族スルホン酸ジアルキルエステルの金属塩、ロジン酸類の金属塩、芳香族カルボン酸アミド、ロジン酸アミド、カルボヒドラジド類、N-置換尿素類、メラミン化合物の塩及びウラシル類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、樹脂組成物が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2011-202079号公報
特許文献2 : 特開2007-119730号公報
特許文献3 : 特開2010-100759号公報

発明の要約

[0007]
 本発明は、以下の〔1〕~〔3〕に関する。
〔1〕 (A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び、(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を含有してなるポリ乳酸樹脂組成物であって、
前記(B)可塑剤が分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル付加したアルコールであるエステル化合物及び式(I)で表されるエステル化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み、前記(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1~0.9質量部である、ポリ乳酸樹脂組成物。
  R O-CO-R -CO-〔(OR ) O-CO-R -CO-〕 OR   (I)
(式中、R は炭素数が1~4のアルキル基、R は炭素数が2~4のアルキレン基、R は炭素数が2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数、nは1~12の数を示し、但し、全てのR は同一でも異なっていてもよく、全てのR は同一でも異なっていてもよい)
〔2〕 前記〔1〕記載のポリ乳酸樹脂組成物を含有してなる、相対結晶化度が80%以上のシート状成形体。
〔3〕 下記工程(1)及び(2)を含む、前記〔2〕記載のシート状成形体の製造方法。
工程(1):(A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び、(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を含有する原料を溶融混練してポリ乳酸樹脂組成物を調製する工程であって、前記(B)可塑剤が分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル付加したアルコールであるエステル化合物及び式(I)で表されるエステル化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み、前記(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1~0.9質量部である、工程
  R O-CO-R -CO-〔(OR ) O-CO-R -CO-〕 OR   (I)
(式中、R は炭素数が1~4のアルキル基、R は炭素数が2~4のアルキレン基、R は炭素数が2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数、nは1~12の数を示し、但し、全てのR は同一でも異なっていてもよく、全てのR は同一でも異なっていてもよい)
工程(2):工程(1)で得られたポリ乳酸樹脂組成物を押出成形する工程

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 図1は、実施例のシート成形時における剥離性を評価する際に用いたロールの基準を示した図である。

発明の詳細な説明

[0009]
 従来の樹脂組成物では、シート成形時にTダイ押出機の出口付近に樹脂溶融物の粒状凝固物(目ヤニ)が固着したり、シート成形時の加熱ロールにおいてロールからの剥離性が劣るなどして、未だ十分なものではなかった。
[0010]
 本発明は、シート成形時のTダイ押出機の出口付近での目ヤニの発生を抑制し、加熱ロールからの剥離性に優れるポリ乳酸樹脂組成物、該ポリ乳酸樹脂組成物からなるシート状成形体、及び該シート状成形体の製造方法に関する。
[0011]
 本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、シート成形におけるTダイ押出成型機のTダイ出口での目ヤニの発生が抑制されるものであり、加熱ロールからの剥離性に優れることから、ひいては、生産性や作業性に優れるという優れた効果を奏する。
[0012]
 本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、(A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び、(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を含有し、前記(B)可塑剤が分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル付加したアルコールであるエステル化合物及び後述の式(I)で表されるエステル化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み、前記(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1~0.9質量部であることに特徴を有する。
[0013]
 以下、各成分について記載する。
[0014]
〔ポリ乳酸樹脂組成物〕
[(A)ポリ乳酸樹脂]
 ポリ乳酸樹脂としては、市販されているポリ乳酸樹脂、例えば、三井化学社製:レイシアH-100、H-280、H-400、H-440等や、Nature Works社製:Nature Works PLA/NW3001D、NW4032D、トヨタ自動車社製:エコプラスチックU'z S-09、S-12、S-17等の他、乳酸やラクチドから合成したポリ乳酸樹脂が挙げられる。強度や耐熱性の向上の観点から、光学純度90%以上のポリ乳酸樹脂が好ましく、例えば、比較的分子量が高く、また光学純度の高いNature Works社製ポリ乳酸樹脂(NW4032D等)が好ましい。
[0015]
 また、本発明において、ポリ乳酸樹脂として、ポリ乳酸樹脂組成物の強度と可撓性の両立、耐熱性及びシートの透明性の向上の観点から、異なる異性体を主成分とする乳酸成分を用いて得られた2種類のポリ乳酸からなるステレオコンプレックスポリ乳酸を用いてもよい。
[0016]
 また、本発明におけるポリ乳酸樹脂は、ポリ乳酸樹脂以外の生分解性ポリエステル樹脂やポリプロピレン等の非生分解性樹脂がポリ乳酸樹脂とのブレンドによるポリマーアロイとして含有されていてもよい。
[0017]
 ポリ乳酸樹脂の含有量は、生分解性の観点から、ポリ乳酸樹脂組成物中、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
[0018]
[(B)可塑剤]
 本発明で用いられる可塑剤は、目ヤニの発生及びプレートアウトを抑制する観点、剥離性を向上する観点、シートの透明性及び結晶化度を向上させる観点から、分子中に2個以上、好ましくは2~5個、より好ましくは2~3個のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル、好ましくは1~3モル付加したアルコールであるエステル化合物を含有し、好ましくは、分子中に2個以上、好ましくは2~5個、より好ましくは2~3個のエステル基を有する多価アルコールエステル又は多価カルボン酸エステルであって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル、好ましくは1~3モル付加したアルコールであるエステル化合物を含有する。
[0019]
 具体的には、例えば、特開2008-174718号公報及び特開2008-115372号公報に記載の可塑剤が挙げられる。なかでも、酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3~6モル付加物(水酸基1個あたりエチレンオキサイドを1~2モル付加)とのエステル、酢酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が4~6のポリエチレングリコールとのエステル、コハク酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2~3のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(水酸基1個あたりエチレンオキサイドを2~3モル付加)とのエステル、アジピン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、1,3,6-ヘキサントリカルボン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステルが好適に用いられる。
[0020]
 また、本発明では、目ヤニの発生及びプレートアウトを抑制する観点、剥離性を向上する観点、シートの透明性及び結晶化度を向上させる観点から、下記式(I)で表されるエステル化合物(オリゴエステルともいう)も好適に用いられる。
  R O-CO-R -CO-〔(OR ) O-CO-R -CO-〕 OR   (I)
(式中、R は炭素数が1~4のアルキル基、R は炭素数が2~4のアルキレン基、R は炭素数が2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数、nは1~12の数を示し、但し、全てのR は同一でも異なっていてもよく、全てのR は同一でも異なっていてもよい)
[0021]
 式(I)におけるR は、炭素数が好ましくは1~4、より好ましくは1~2のアルキル基を示し、1分子中に2個存在して、分子の両末端に存在する。R は炭素数が1~4であれば、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が挙げられ、なかでも、ポリ乳酸樹脂との相溶性を向上させ可塑剤のブリードアウトを抑制する観点から、メチル基が好ましい。
[0022]
 式(I)におけるR は、炭素数が2~4のアルキレン基を示し、直鎖のアルキレン基が好適例として挙げられる。具体的には、エチレン基、1,3-プロピレン基、1,4-ブチレン基が挙げられ、なかでも、ポリ乳酸樹脂との相溶性を向上させ可塑剤のブリードアウトを抑制する観点から、エチレン基、1,3-プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましく、可塑剤のブリードアウトを抑制する観点及び経済性の観点から、エチレン基、1,4-ブチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。但し、全てのR は同一でも異なっていてもよい。
[0023]
 式(I)におけるR は、炭素数が2又は3のアルキレン基を示し、OR はオキシアルキレン基を示す。具体的には、エチレン基、1,2-プロピレン基、1,3-プロピレン基が挙げられる。但し、全てのR は同一でも異なっていてもよい。
[0024]
 mはオキシアルキレン基の平均の繰り返し数を示し、1~6の数である。mが大きくなると、式(I)で表されるエステル化合物のエーテル基価が上がり、酸化されやすくなり安定性が低下する傾向がある。ポリ乳酸樹脂との相溶性を向上させる観点から、1~4の数が好ましく、1~3の数がより好ましい。
[0025]
 nは平均重合度を示し、1~12の数である。ポリ乳酸樹脂との相溶性を向上させ可塑剤のブリードアウトを抑制する観点から、1~4の数が好ましい。
[0026]
 かかる構造のうちでも、耐揮発性を向上させる観点から、コハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸から選ばれる少なくとも1つの二塩基酸と、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、及び1,3-プロパンンジオールから選ばれる少なくとも1つの2価アルコールのオリゴエステル〔式(I)中、n=1.2~3〕が好ましい。
[0027]
 式(I)で表される化合物は、市販品であっても公知の製造方法に従って合成したものを用いてもよく、例えば特開2012-62467号公報に開示されているような方法に従って製造することができる。
[0028]
 可塑剤の含有量は、剥離性及びシートの結晶化度を向上させる観点から、ポリ乳酸樹脂100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、6質量部以上がより好ましく、8質量部以上がさらに好ましく、目ヤニ発生の抑制及びシートの透明性向上の観点から、15質量部以下が好ましく、12質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましい。また、剥離性向上及び目ヤニ発生の抑制の観点、シートの透明性及び結晶化度を向上させる観点から、5~15質量部が好ましく、6~12質量部がより好ましく、8~10質量部がさらに好ましい。
[0029]
[(C)有機結晶核剤]
 また、本発明においては、ポリ乳酸樹脂の目ヤニの発生及びプレートアウトを抑制する観点、剥離性向上の観点、シートの透明性及び結晶化度を向上させる観点から、有機結晶核剤を配合して溶融混練を行う。有機結晶核剤は、以下の(a)~(d)からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機結晶核剤を用いることが好ましい。
(a)イソインドリノン骨格を有する化合物、ジケトピロロピロール骨格を有する化合物、ベンズイミダゾロン骨格を有する化合物、インジゴ骨格を有する化合物、フタロシアニン骨格を有する化合物、及びポルフィリン骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機化合物〔有機結晶核剤(a)という〕
(b)カルボヒドラジド類、ウラシル類、及びN-置換尿素類からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機化合物〔有機結晶核剤(b)という〕
(c)芳香族スルホン酸ジアルキルの金属塩、リン酸エステルの金属塩、フェニルホスホン酸の金属塩、ロジン酸類の金属塩、芳香族カルボン酸アミド、及びロジン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機化合物〔有機結晶核剤(c)という〕
(d)分子中に水酸基とアミド基を有する化合物及びヒドロキシ脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機化合物〔有機結晶核剤(d)という〕
[0030]
 これらの中では、目ヤニの発生及びプレートアウトを抑制する観点、剥離性及びシートの透明性向上の観点から、有機結晶核剤(c)、有機結晶核剤(d)が好ましく、有機結晶核剤(d)がより好ましい。
[0031]
 有機結晶核剤(c)としては、上記の観点から、置換基を有しても良いフェニル基とホスホン基(-PO(OH) )を有するフェニルホスホン酸の金属塩が好ましく、フェニルホスホン酸の具体例としては、無置換のフェニルホスホン酸、メチルフェニルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ジメトキシカルボニルフェニルホスホン酸、ジエトキシカルボニルフェニルホスホン酸等が挙げられ、無置換のフェニルホスホン酸が好ましい。
[0032]
 有機結晶核剤(d)の分子中に水酸基とアミド基を有する化合物としては、水酸基を有する脂肪族アミドが好ましく、具体例としては、12-ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド等のヒドロキシ脂肪酸モノアミド、メチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド等のヒドロキシ脂肪酸ビスアミド等が挙げられる。
[0033]
 有機結晶核剤の含有量は、シートの透明性及び結晶化度を向上させる観点、剥離性向上の観点から、ポリ乳酸樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がさらに好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましく、シートの透明性向上及び有機結晶核剤のブリードアウト抑制の観点から、2.0質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましく、1.0質量部以下がさらに好ましく、0.5質量部以下がさらに好ましい。また、シートの透明性及び結晶化度を向上させる観点、剥離性向上及び有機結晶核剤のブリードアウト抑制の観点から、0.05~2.0質量部が好ましく、0.1~1.5質量部がより好ましく、0.2~1.0質量部がさらに好ましく、0.3~0.5質量部がさらに好ましい。
[0034]
 また、有機結晶核剤に対する可塑剤の含有量比(可塑剤/有機結晶核剤)は、剥離性と透明性の観点から、2~150が好ましく、5~60がより好ましく、10~40がさらに好ましく、20~30がさらに好ましい。
[0035]
[(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体]
 本発明では、目ヤニの発生を抑制する観点、剥離性向上の観点、シートの透明性向上の観点から、エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を用いる。かかる化合物としては、具体的には、BASF社製「JONCRYL ADR4370S」(グリシジル基含有アクリル/スチレン系共重合体、重量平均分子量6700、エポキシ当量285g/mol)、「JONCRYL ADR4368CS」(グリシジル基含有アクリル/スチレン系共重合体、重量平均分子量6700、エポキシ当量285g/mol)、「JONCRYL ADR4368F」(グリシジル基含有アクリル/スチレン系共重合体、重量平均分子量6700、エポキシ当量285g/mol)、「JONCRYL ADR4300S」(グリシジル基含有アクリル/スチレン系共重合体、重量平均分子量5500、エポキシ当量445g/mol)、東亜合成社製「ARUFON UG4035」(グリシジル基含有アクリル/スチレン系共重合体、重量平均分子量11000、エポキシ当量556g/mol)、「ARUFON UG4040」(グリシジル基含有アクリル/スチレン系共重合体、重量平均分子量11000、エポキシ当量480g/mol)、「ARUFON UG4070」(グリシジル基含有アクリル/スチレン系共重合体、重量平均分子量9700、エポキシ当量714g/mol)が挙げられる。
[0036]
 エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の重量平均分子量は、剥離性向上の観点から、4,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、6,000以上がさらに好ましく、目ヤニの発生抑制の観点から、15,000以下が好ましく、12,000以下がより好ましく、8,000以下がさらに好ましい。また、目ヤニの発生抑制及び剥離性向上の観点から、4,000~15,000が好ましく、5,000~12,000がより好ましく、6,000~8,000がさらに好ましい。なお、本明細書において、エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の重量平均分子量は、公知の測定方法、例えば、GPC法に従って測定することができる。
[0037]
 エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体のエポキシ当量は、目ヤニの発生抑制の観点から、50g/mol以上が好ましく、100g/mol以上がより好ましく、200g/mol以上がさらに好ましく、剥離性向上及びシートの透明性向上の観点から、1,000g/mol以下が好ましく、800g/mol以下がより好ましく、600g/mol以下がさらに好ましい。また、目ヤニの発生抑制、剥離性向上及びシートの透明性向上の観点から、50~1000g/molが好ましく、100~800g/molがより好ましく、200~600g/molが更に好ましい。なお、本明細書において、エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体のエポキシ当量は、公知の測定方法、例えば、電位差滴定法に従って測定することができる。
[0038]
 該共重合体の含有量は、目ヤニの発生抑制、剥離性向上及びシートの透明性向上の観点から、ポリ乳酸樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上であり、0.15質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.9質量部以下であり、0.7質量部以下が好ましく、0.6質量部以下がより好ましい。また、0.1~0.9質量部であり、0.15~0.7質量部が好ましく、0.2~0.6質量部がより好ましい。
[0039]
 また、該共重合体に対するポリ乳酸樹脂の含有量比(ポリ乳酸樹脂/共重合体)は、目ヤニの発生抑制、剥離性向上及びシートの透明性向上の観点から、80以上が好ましく、100以上がより好ましく、110以上がさらに好ましく、140以上がさらに好ましく、150以上がさらに好ましく、165以上がさらに好ましく、180以上がさらに好ましく、また、1500以下が好ましく、1000以下がより好ましく、670以下がさらに好ましく、500以下がさらに好ましく、400以下がさらに好ましく、300以下がさらに好ましく、250以下がさらに好ましい。また、80~1500が好ましく、100~1000がより好ましく、110~1000がさらに好ましく、140~670がさらに好ましく、165~500がさらに好ましく、165~400がさらに好ましく、180~250がさらに好ましい。
[0040]
 本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、前記成分(A)~(D)以外に、さらに、加水分解抑制剤を含有することが好ましい。
[0041]
[(E)加水分解抑制剤]
 本発明のポリ乳酸樹脂組成物には、成形性の観点から、加水分解抑制剤として、脂肪族カルボジイミド化合物を用いることが好ましい。
[0042]
 具体的には、ジ-イソプロピルカルボジイミド、ジ-オクタデシルカルボジイミド等の脂肪族モノカルボジイミド化合物;脂肪族ポリカルボジイミド化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
[0043]
 脂肪族カルボジイミド化合物の含有量は、加水分解抑制の観点から、ポリ乳酸樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がさらに好ましく、剥離性向上の観点から、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。また、加水分解抑制及び透明性の観点から、0.05~5質量部が好ましく、0.1~3質量部がより好ましく、0.2~2質量部がさらに好ましい。
[0044]
 本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、前記以外の他の成分として、滑剤、無機結晶核剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、衝撃改良剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。また同様に、本発明の効果を阻害しない範囲内で他の高分子材料や他の樹脂組成物を含有することも可能である。
[0045]
 本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、前記成分(A)~(D)を含有するものであれば特に限定なく調製することができ、例えば、ポリ乳酸樹脂、可塑剤、有機結晶核剤、及びエポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体、さらに必要により、加水分解抑制剤等の各種添加剤を含有する原料を、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて溶融混練して調製することができる。原料は、予めヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて均一に混合した後に、溶融混練に供することも可能である。あらかじめ成分(B)~(D)を高濃度に溶融混練したポリ乳酸樹脂組成物とポリ乳酸樹脂とを混合して用いることもできる。なお、ポリ乳酸樹脂組成物を調製する際にポリ乳酸樹脂の可塑性を促進させるため、超臨界ガスを存在させて溶融混合させてもよい。溶融混練後は、公知の方法に従って、溶融混練物を乾燥させてもよい。
[0046]
 溶融混練温度は、ポリ乳酸樹脂組成物の目ヤニの発生及びプレートアウトを抑制する観点、剥離性及び透明性向上の観点から、好ましくは170℃以上、より好ましくは175℃以上、さらに好ましくは180℃以上であり、好ましくは270℃以下、より好ましくは260℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。また、好ましくは170~270℃、より好ましくは175~260℃、さらに好ましくは180~250℃である。溶融混練時間は、溶融混練温度、混練機の種類によって一概には決定できないが、15~900秒間が好ましい。
[0047]
〔シート状成形体〕
 かくして得られた本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、熱成形性等の二次加工性に優れることから、例えば、本発明のポリエステル樹脂組成物を加熱した押出機に充填し、溶融させた後にTダイから押出し、シート状成形体を得ることができる。よって、本発明はまた、本発明のポリ乳酸樹脂組成物からなるシート状成形体を提供する。ここで、本発明のシート状成形体は、本発明のポリ乳酸樹脂組成物がTダイ出口付近にて凝固物を形成することなく押出されたものである。また、押出されたシート状成形体を直ぐに冷却ロール、次いで加熱ロールに接触させることでシートの結晶性を調整し、その後、裁断してシート状成形体を得ることもできる。この際、加熱ロールからの剥離性が良好なことから得られるシート状成形体に皺形成が抑制される。なお、押出機に充填する際に、本発明のポリ乳酸樹脂組成物を構成する原料、例えば、ポリ乳酸樹脂、可塑剤、有機結晶核剤、及びエポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体、さらに必要により、加水分解抑制剤等の各種添加剤を充填して溶融混練後、押出成形してもよい。
[0048]
 押出機の温度は、目ヤニの発生及びプレートアウトを抑制する観点、剥離性向上の観点、シートの透明性及び結晶化度を向上させる観点から、好ましくは170℃以上、より好ましくは175℃以上、さらに好ましくは180℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下である。また、好ましくは170~240℃、より好ましくは175~220℃、さらに好ましくは180~210℃である。なお、本発明において、押出機の温度とは押出機の二軸混練部のシリンダー温度を意味する。また、押出機における滞留時間は、シートの厚さや幅、巻き取り速度に依存するため一概には規定できないが、熱による劣化を避ける観点から、30秒から数分程度が好ましい。
[0049]
 冷却ロールの温度は、プレートアウトを抑制する観点、剥離性向上の観点、シートの透明性及び結晶化度を向上させる観点からポリ乳酸樹脂組成物のTg未満に設定することが好ましく、具体的には、40℃未満が好ましく、30℃以下がより好ましく、20℃以下がさらに好ましい。
[0050]
 冷却ロールに接する時間としては、冷却ロールの設定温度や冷却ロールの個数、押出速度、シート巻取速度によって異なるため必ずしも規定されるものではないが、例えばプレートアウトを抑制する観点、剥離性及び透明性向上の観点から、1~60秒が好ましく、3~50秒がより好ましく、5~40秒がさらに好ましい。
[0051]
 加熱ロールの表面温度は、プレートアウトを抑制する観点、剥離性向上の観点、シートの透明性及び結晶化度を向上させる観点から、ポリ乳酸樹脂組成物のTg以上に設定することが好ましく、具体的には、65℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましく、90℃以下が好ましい。また加熱ロールに接触している時間の合計は、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、15秒以上がさらに好ましい。なお、加熱ロールの表面温度とは、ロール表面の実測した温度を意味し、接触式温度計を用いて測定することができる。
[0052]
 また、本発明は、本発明のシート状成形体の製造方法を提供する。
[0053]
 製造方法としては、ポリ乳酸樹脂、可塑剤、有機結晶核剤、及びエポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を溶融混練して押出成形する工程を含む方法であればよく、例えば、以下の方法が好適に用いられる。
[0054]
 具体的には、下記工程(1)~(2)を有する製造方法が挙げられる。
工程(1):(A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び、(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を含有する原料を溶融混練してポリ乳酸樹脂組成物を調製する工程であって、前記(B)可塑剤が分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル付加したアルコールであるエステル化合物及び式(I)で表されるエステル化合物(オリゴエステルともいう)からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み、前記(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1~0.9質量部である、工程
工程(2):工程(1)で得られたポリ乳酸樹脂組成物を押出成形する工程
[0055]
 工程(1)は、(A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び、(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体と、さらに必要に応じて加水分解抑制剤、他の添加剤を含む原料を、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて、好ましくは170~270℃、より好ましくは175~260℃、さらに好ましくは180~250℃で溶融混練して、ポリ乳酸樹脂組成物を調製する。原料や溶融混練の条件は、前記本発明のポリ乳酸樹脂組成物の項に準ずる。
[0056]
 工程(2)では、工程(1)で得られたポリ乳酸樹脂組成物を押出成形する。押出成形としては、公知の押出成形機を用いて成形することができる。例えば、冷却ロールと加熱ロールを備えた押出シート成形機(プラスチック工学研究所社製、500mmT-ダイ)を用いる場合は、結晶性が調整されたシート状成形体を得ることができる。なお、本発明のポリ乳酸樹脂組成物の原料を押出機に供給してそのまま溶融混練してもよいが、予め溶融混練したものを押出成形機に充填してもよい。
[0057]
 押出機における溶融混練の温度は、前述した溶融混練に適した温度にて前記ポリ乳酸樹脂組成物を充填し混練させる。この際の滞留時間は、シートの厚さや幅、巻き取り速度に依存するため一概には規定できないが、熱による劣化を避ける観点から、30秒から数分程度が好ましい。押出機の条件や、その後の冷却ロール、加熱ロールに接触させる場合の条件は、前記本発明のポリ乳酸樹脂組成物の項に準ずる。
[0058]
 かくして本発明のシート状成形体が得られる。本発明のシート状成形体は、厚みが好ましくは100~1000μm、より好ましくは150~600μmである。また、押出成形後に冷却ロール、加熱ロールに順に接触させた場合は、厚みは前記と同じであり、相対結晶化度が好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上と結晶性の高いものであり、かつ、透明性が良好で、耐熱性、耐ブリード性、及び強度に優れることから、各種用途、なかでも、日用品、化粧品、家電製品等のクリアケースやトレイ等に好適に用いることができる。なお、本明細書において、相対結晶化度とは以下の式により求めることができ、相対結晶化度が80%以上であれば結晶性が高いことを意味する。
   相対結晶化度(%)={(ΔHm-ΔHcc)/ΔHm}×100
具体的には、相対結晶化度は、DSC装置(パーキンエルマー社製ダイアモンドDSC)を用い、1stRUNとして、昇温速度20℃/分で20℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度-20℃/分で200℃から20℃まで降温し、20℃で1分間保持した後、さらに2ndRUNとして、昇温速度20℃/分で20℃から200℃まで昇温し、1stRUNに観測されるポリ乳酸樹脂の冷結晶化エンタルピーの絶対値ΔHcc、2ndRUNに観測される結晶融解エンタルピーΔHmを用いて求めることができる。
[0059]
 上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のポリ乳酸樹脂組成物、製造方法、成形体、用途を開示する。
[0060]
<1> (A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び、(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を含有してなるポリ乳酸樹脂組成物であって、
前記(B)可塑剤が分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル付加したアルコールであるエステル化合物及び式(I)で表されるエステル化合物(オリゴエステルともいう)からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み、前記(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1~0.9質量部である、ポリ乳酸樹脂組成物。
  R O-CO-R -CO-〔(OR ) O-CO-R -CO-〕 OR   (I)
(式中、R は炭素数が1~4のアルキル基、R は炭素数が2~4のアルキレン基、R は炭素数が2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数、nは1~12の数を示し、但し、全てのR は同一でも異なっていてもよく、全てのR は同一でも異なっていてもよい)
[0061]
<2> (A)ポリ乳酸樹脂の含有量は、ポリ乳酸樹脂組成物中、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい、前記<1>記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<3> (B)可塑剤が、分子中に2個以上、好ましくは2~5個、より好ましくは2~3個のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル、好ましくは1~3モル付加したアルコールであるエステル化合物を含有し、好ましくは、分子中に2個以上、好ましくは2~5個、より好ましくは2~3個のエステル基を有する多価アルコールエステル又は多価カルボン酸エステルであって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル、好ましくは1~3モル付加したアルコールであるエステル化合物を含有する、前記<1>又は<2>記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<4> (B)可塑剤の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、6質量部以上がより好ましく、8質量部以上がさらに好ましく、15質量部以下が好ましく、12質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましく、また、5~15質量部が好ましく、6~12質量部がより好ましく、8~10質量部がさらに好ましい、前記<1>~<3>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<5> (C)有機結晶核剤が、好ましくは水酸基を有する脂肪族アミド化合物、より好ましくは12-ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド等のヒドロキシ脂肪酸モノアミド、メチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド等のヒドロキシ脂肪酸ビスアミドである、前記<1>~<4>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<6> (C)有機結晶核剤の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がさらに好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましく、2.0質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましく、1.0質量部以下がさらに好ましく、0.5質量部以下がさらに好ましく、また、0.05~2.0質量部が好ましく、0.1~1.5質量部がより好ましく、0.2~1.0質量部がさらに好ましく、0.3~0.5質量部がさらに好ましい、前記<1>~<5>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<7> (C)有機結晶核剤に対する(B)可塑剤の含有量比(可塑剤/有機結晶核剤)は、2~150が好ましく、5~60がより好ましく、10~40がさらに好ましく、20~30がさらに好ましい、前記<1>~<5>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<8> (D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体は、重量平均分子量が4,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、6,000以上がさらに好ましく、15,000以下が好ましく、12,000以下がより好ましく、8,000以下がさらに好ましく、また、4,000~15,000が好ましく、5,000~12,000がより好ましく、6,000~8,000がさらに好ましい、前記<1>~<7>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<9> (D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体は、エポキシ当量が50g/mol以上が好ましく、100g/mol以上がより好ましく、200g/mol以上がさらに好ましく、1,000g/mol以下が好ましく、800g/mol以下がより好ましく、600g/mol以下がさらに好ましく、また、50~1000g/molが好ましく、100~800g/molがより好ましく、200~600g/molが更に好ましい、前記<1>~<8>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<10> (D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して、0.15質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.7質量部以下が好ましく、0.6質量部以下がより好ましく、また、0.15~0.7質量部が好ましく、0.2~0.6質量部がより好ましい、前記<1>~<9>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<11> (D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体に対する(A)ポリ乳酸樹脂の含有量比(ポリ乳酸樹脂/共重合体)は、80以上が好ましく、100以上がより好ましく、110以上がさらに好ましく、140以上がさらに好ましく、150以上がさらに好ましく、165以上がさらに好ましく、180以上がさらに好ましく、また、1500以下が好ましく、1000以下がより好ましく、670以下がさらに好ましく、500以下がさらに好ましく、400以下がさらに好ましく、300以下がさらに好ましく、250以下がさらに好ましい、前記<1>~<10>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<12> さらに、(E)加水分解抑制剤、好ましくは脂肪族カルボジイミド化合物を含有してなる、前記<1>~<11>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<13> 脂肪族カルボジイミド化合物の含有量は、ポリ乳酸樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がさらに好ましく、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましく、また、0.05~5質量部が好ましく、0.1~3質量部がより好ましく、0.2~2質量部がさらに好ましい、前記<12>記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<14> (A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体、さらに必要により、加水分解抑制剤等の各種添加剤を含有する原料を溶融混練してなる、前記<1>~<13>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<15> 溶融混練温度は、好ましくは170℃以上、より好ましくは175℃以上、さらに好ましくは180℃以上であり、好ましくは270℃以下、より好ましくは260℃以下、さらに好ましくは250℃以下であり、また、好ましくは170~270℃、より好ましくは175~260℃、さらに好ましくは180~250℃である、前記<14>記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<16> 前記<1>~<15>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物を加熱した押出機に充填し、溶融させた後にTダイから押出してなる、シート状成形体。
<17> 押出機の温度は、好ましくは170℃以上、より好ましくは175℃以上、さらに好ましくは180℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下であり、また、好ましくは170~240℃、より好ましくは175~220℃、さらに好ましくは180~210℃である、前記<16>記載のシート状成形体。
<18> 前記<16>又は<17>記載のシート状成形体を、さらに、冷却ロール、次いで加熱ロールに接触させてなる、シート状成形体。
<19> 冷却ロールの温度は、40℃未満が好ましく、30℃以下がより好ましく、20℃以下がさらに好ましい、前記<18>記載のシート状成形体。
<20> 冷却ロールに接する時間としては、1~60秒が好ましく、3~50秒がより好ましく、5~40秒がさらに好ましい、前記<18>又は<19>記載のシート状成形体。
<21> 加熱ロールの表面温度は、ポリ乳酸樹脂組成物のTg以上に設定することが好ましく、具体的には、65℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましく、90℃以下が好ましい、前記<18>~<20>いずれか記載のシート状成形体。
<22> 加熱ロールに接する時間としては、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、15秒以上がさらに好ましい、前記<18>又は<21>記載のシート状成形体。
<23> 前記<1>~<15>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物を含有してなる、相対結晶化度が80%以上のシート状成形体。
<24> 下記工程(1)及び(2)を含む、前記<16>~<23>いずれか記載のシート状成形体の製造方法。
工程(1):(A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び、(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を含有する原料を溶融混練してポリ乳酸樹脂組成物を調製する工程であって、前記(B)可塑剤が分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル付加したアルコールであるエステル化合物及び式(I)で表されるエステル化合物(オリゴエステルともいう)からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み、前記(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1~0.9質量部である、工程
  R O-CO-R -CO-〔(OR ) O-CO-R -CO-〕 OR   (I)
(式中、R は炭素数が1~4のアルキル基、R は炭素数が2~4のアルキレン基、R は炭素数が2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数、nは1~12の数を示し、但し、全てのR は同一でも異なっていてもよく、全てのR は同一でも異なっていてもよい)
工程(2):工程(1)で得られたポリ乳酸樹脂組成物を押出成形する工程

実施例

[0062]
 以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[0063]
可塑剤の製造例1((MeEO SA、コハク酸メチルトリグリコール)
 攪拌機、温度計、脱水管を備えた3Lフラスコに、無水コハク酸500g、トリエチレングリコールモノメチルエーテル2463g、パラトルエンスルホン酸一水酸化物9.5gを仕込み、空間部に窒素(500mL/分)を吹き込みながら、減圧下(4~10.7kPa)、110℃で15時間反応させた。反応液の酸価は1.6(mgKOH/g)であった。反応液に吸着剤キョーワード500SH(協和化学工業社製)27gを添加して80℃、2.7kPaで45分間攪拌してろ過した後、液温115~200℃、圧力0.03kPaでトリエチレングリコールモノメチルエーテルを留去し、80℃に冷却後、残液を減圧ろ過して、ろ液として、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル〔(MeEO SA〕を得た。得られたジエステルは、重量平均分子量410、粘度(23℃)27mPa・s、酸価0.2mgKOH/g、鹸化価274mgKOH/g、水酸基価1mgKOH/g以下、色相APHA200であった。なお、本可塑剤は、水酸基1個当たりエチレンオキサイドを3モル付加したアルコールとのエステル化合物である。
[0064]
可塑剤の製造例2(MeSA-1,3PD、コハク酸ジメチルと1,3-プロパンジオ-ルとのオリゴエステル化合物)
 4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)に1,3-プロパンジオール86.8g(1.14モル)及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液2.2g(ナトリウムメトキシド0.011モル)を入れ、常圧、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)500g(3.42モル)を2時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、75℃に冷却し、圧力を2時間かけて常圧から6.7kPaまで徐々に下げてメタノールを留去した後、常圧にもどし、さらに、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液2.0g(ナトリウムメトキシド0.010モル)を添加し、100℃で、圧力を3時間かけて常圧から2.9kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)6gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力4.5kPaで、温度を1時間かけて114℃から194℃に上げて残存コハク酸ジメチルを留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して0.61モルであった。なお、本可塑剤は、式(I)で表されるエステル化合物(R はメチル基、R はエチレン基、R はプロピレン基であり、mは1、nは1.5)である。
[0065]
可塑剤の製造例3((MeEO 4SA、コハク酸メチルテトラグリコール)
 攪拌機、温度計、脱水管を備えた3Lフラスコに、無水コハク酸500g、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル3124g、パラトルエンスルホン酸一水酸化物9.5gを仕込み、空間部に窒素(500mL/分)を吹き込みながら、減圧下(4~10.7kPa)、130℃で20時間反応させた。反応液の酸価は1.6(mgKOH/g)であった。反応液に吸着剤キョーワード500SH(協和化学工業社製)27gを添加して80℃、2.7kPaで45分間攪拌してろ過した後、液温150~250℃、圧力0.003kPaでテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを留去し、80℃に冷却後、残液を減圧ろ過して、ろ液として、コハク酸とテトラエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル〔(MeEO SA〕を得た。得られたジエステルは、重量平均分子量499、粘度(23℃)35mPa・s、酸価0.2mgKOH/g、鹸化価225mgKOH/g、水酸基価1mgKOH/g以下、色相APHA230であった。なお、本可塑剤は、水酸基1個当たりエチレンオキサイドを4モル付加したアルコールとのエステル化合物である。
[0066]
可塑剤の製造例4((MeEO 62SA、コハク酸メチルヘキサグリコール)
 攪拌機、温度計、脱水管を備えた3Lフラスコに、無水コハク酸500g、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル4235g、パラトルエンスルホン酸一水酸化物9.5gを仕込み、空間部に窒素(500mL/分)を吹き込みながら、減圧下(4~10.7kPa)、150℃で40時間反応させた。反応液の酸価は1.6(mgKOH/g)であった。反応液に吸着剤キョーワード500SH(協和化学工業社製)27gを添加して80℃、2.7kPaで45分間攪拌してろ過した後、液温200~280℃、圧力0.003kPaでヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルを留去し、80℃に冷却後、残液を減圧ろ過して、ろ液として、コハク酸とヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル〔(MeEO SA〕を得た。得られたジエステルは、重量平均分子量674、粘度(23℃)42mPa・s、酸価0.2mgKOH/g、鹸化価166mgKOH/g、水酸基価1mgKOH/g以下、色相APHA280であった。なお、本可塑剤は、水酸基1個当たりエチレンオキサイドを6モル付加したアルコールとのエステル化合物である。
[0067]
実施例1~11、13~16及び比較例1~14
ポリ乳酸樹脂組成物の調製
 ポリ乳酸樹脂組成物として、表1~2に示す組成物原料を、二軸押出機(Perker社製、HK25D、シリンダー直径25.2mm、回転数100rpm、吐出量8kg/h)を使用して、溶融混練温度180~250℃で溶融混練し、ストランドカットを行い、ポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットは、110℃減圧下で2時間乾燥し、水分量を500ppm以下とした。
[0068]
実施例12
ポリ乳酸樹脂組成物の調製
 実施例11のポリ乳酸樹脂組成物において、ポリ乳酸樹脂の含有量を34質量部とした以外は、同様にしてポリ乳酸樹脂組成物(NatureWorks 4032D/(MeEO SA/スリパックスH/Joncryl ADR4368CS/カルボジライトLA-1=34/8/0.4/0.5/0.5(質量部))のペレットを得た。得られたペレットは、110℃減圧下で2時間乾燥し、水分量を500ppm以下とした。次に、このようにして得られたペレット43.4質量部とポリ乳酸樹脂(NatureWorks 4032D)66質量部を混合し、混合物を得た。得られた混合物は、110℃減圧下で2時間乾燥し、水分量を500ppm以下とした。
[0069]
シート状成形体の調製
 得られたペレット又は混合物をT-ダイ押出機(プラスチック工学研究所社製、500mmT-ダイ)を用いて、下記の条件にて幅40cmのシート成形を行った。
<押出成形条件>
 二軸混練部のシリンダー温度:180℃
 Tダイ(出口)温度:180℃
 押出し速度:8kg/h (冷却ロール接触時間が34秒となる速度)
 冷却ロール表面温度:25℃
 加熱ロール表面温度:80℃
[0070]
 なお、表1~2における原料は以下の通りである。
<ポリ乳酸樹脂>
NatureWorks 4032D:ポリ-L-乳酸(光学純度98.5%、融点160℃、重量平均分子量180000)
<可塑剤>
(MeEO SA:前記可塑剤の製造例1で製造したジエステル化合物
DAIFATTY-101:アジピン酸とベンジルアルコールおよびメチルジグリコールとのエステル、大八化学工業社製
MeSA-1,3PD:前記可塑剤の製造例2で製造したオリゴエステル化合物
ATBC:アセチルクエン酸トリブチル、旭化成ファインケム社製
プルロニックF68:ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体、ADEKA社製
(MeEO SA:前記可塑剤の製造例3で製造したジエステル化合物
(MeEO SA:前記可塑剤の製造例4で製造したジエステル化合物
<結晶核剤>
スリパックスH:エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、日本化成社製
スリパックスZHH:ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、日本化成社製
スリパックスL:エチレンビスラウリン酸アミド、日本化成社製
LAK-403:5-スルホイソフタル酸ジメチルバリウム、竹本油脂社製
MICROACE P-6:日本タルク社製
<エポキシ基含有アクリル/スチレン共重合体>
Joncryl ADR4368CS:グリシジル基含有アクリル/スチレン系共重合体、Mw6700、エポキシ当量285g/mol、BASF社製
ARUFON UG4040:グリシジル基含有アクリル/スチレン系共重合体、Mw11000、エポキシ当量480g/mol、東亞合成社製
<エポキシ変性ポリエチレン>
Bondfast 7M:Mw200000、エポキシ当量2370g/mol、住友化学社製
<加水分解抑制剤>
カルボジライトLA-1:ポリカルボジイミド、日清紡ケミカル社製
<衝撃改良剤>
パラロイドBPM-515:アクリル系コアシェルゴム、ロームアンドハース社製
[0071]
 得られたシート状成形体の特性及びシート成形時の成形性を、下記の試験例1~5の方法に従って評価した。結果を表1~2に示す。
[0072]
試験例1<目ヤニ>
 シート成形開始時から12時間後の500mm幅Tダイ(出口)に発生した目ヤニを採取し、その重量を測定した。
[0073]
試験例2<剥離性>
 図1の6の位置からシートを接着させ、加熱ロール(回転数1.1rpm、ロール直径470mm)から剥離した位置を観察し、図1に示す位置と対比することで以下の評価基準により剥離性を評価した。
[0074]
<剥離性の評価基準>
剥離位置1:ロールからシートが剥がれにくく、作業性が著しく悪い
剥離位置2:ロールからシートが剥がれにくいが、作業できる
剥離位置3:ロールからシートがやや剥がれにくいが、作業性は良好
剥離位置4:ロールからシートが剥がれやすく、適度な巻きつきがあるため作業性は非常に良好
剥離位置5:シートのロールへの巻きつきが悪く、作業性がやや悪い
剥離位置6:シートがロールへ巻きつかず、成形できない
[0075]
試験例3<プレートアウト>
 シート成形開始から12時間後、加熱ロールにプレートアウトしたかを目視で確認し、発生した場合を「1」、発生しなかった場合を「2」とした。
[0076]
試験例4<透明性>
 成形後のシートから5cm×5cm×0.4mmのサンプルを作成し、JIS-K7105規定の積分球式光線透過率測定装置(HM-150 村上色彩技術研究所)を用い、ヘイズ値を測定した。数字が小さいと透明性が良好であることを示す。
[0077]
試験例5<相対結晶化度>
 成形後のシートについて、DSC装置(パーキンエルマー社製、ダイアモンドDSC)を用い、1stRUNとして、昇温速度20℃/分で20℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度-20℃/分で200℃から20℃まで降温し、20℃で1分間保持した後、さらに2ndRUNとして、昇温速度20℃/分で20℃から200℃まで昇温し、1stRUNに観測されるポリ乳酸樹脂の冷結晶化エンタルピーの絶対値ΔHcc、2ndRUNに観測される結晶融解エンタルピーΔHmを用いて次式で相対結晶化度(%)を求めた。
   相対結晶化度(%)={(ΔHm-ΔHcc)/ΔHm×100}
[0078]
[表1]


[0079]
[表2]


[0080]
 実施例のポリ乳酸樹脂組成物は、目ヤニの発生が抑制され、ロールからの剥離性も良好なことが分かる。一方、比較例4~7のポリ乳酸樹脂組成物は、目ヤニの発生が認められないがロールからの剥離性が著しく劣るものである。また、有機結晶核剤とエポキシ基含有アクリル/スチレン共重合体を含有したとしても、可塑剤が本願で規定するものでない比較例1、2、13は目ヤニも発生し、剥離性も劣ることが分かる。

産業上の利用可能性

[0081]
 本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、食品容器、日用品や家電製品の包装材料、工業用部品のトレイ等、様々な用途に好適に使用することができ、また、シート成型におけるTダイ押出成型機のTダイ出口での目ヤニの発生が抑制されるものであり、加熱ロールからの剥離性に優れることから、ひいては、生産性や作業性に優れるという優れた効果を奏する。

請求の範囲

[請求項1]
 (A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び、(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を含有してなるポリ乳酸樹脂組成物であって、
前記(B)可塑剤が分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル付加したアルコールであるエステル化合物及び下記式(I)で表されるエステル化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み、前記(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1~0.9質量部である、ポリ乳酸樹脂組成物。
  R O-CO-R -CO-〔(OR ) O-CO-R -CO-〕 OR   (I)
(式中、R は炭素数が1~4のアルキル基、R は炭素数が2~4のアルキレン基、R は炭素数が2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数、nは1~12の数を示し、但し、全てのR は同一でも異なっていてもよく、全てのR は同一でも異なっていてもよい)
[請求項2]
 (B)可塑剤の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して5~15質量部である、請求項1記載のポリ乳酸樹脂組成物。
[請求項3]
 (C)有機結晶核剤が水酸基を有する脂肪族アミド化合物を含んでなる、請求項1又は2記載のポリ乳酸樹脂組成物。
[請求項4]
 (C)有機結晶核剤の含有量がポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.05~2.0質量部である、請求項1~3いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
[請求項5]
 さらに、(E)加水分解抑制剤を含有してなる、請求項1~4いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
[請求項6]
 請求項1~5いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物を含有してなる、相対結晶化度が80%以上のシート状成形体。
[請求項7]
 下記工程(1)及び(2)を含む、請求項6記載のシート状成形体の製造方法。
工程(1):(A)ポリ乳酸樹脂、(B)可塑剤、(C)有機結晶核剤、及び、(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体を含有する原料を溶融混練してポリ乳酸樹脂組成物を調製する工程であって、前記(B)可塑剤が分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2~3のアルキレンオキサイドを平均0.5~5モル付加したアルコールであるエステル化合物及び下記式(I)で表されるエステル化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み、前記(D)エポキシ基を有するアクリル/スチレン共重合体の含有量が(A)ポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1~0.9質量部である、工程
  R O-CO-R -CO-〔(OR ) O-CO-R -CO-〕 OR   (I)
(式中、R は炭素数が1~4のアルキル基、R は炭素数が2~4のアルキレン基、R は炭素数が2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数、nは1~12の数を示し、但し、全てのR は同一でも異なっていてもよく、全てのR は同一でも異なっていてもよい)
工程(2):工程(1)で得られたポリ乳酸樹脂組成物を押出成形する工程

図面

[ 図 1]