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1. (WO2008059945) DISPOSITIF DE PINCEMENT D'UN MORCEAU DE TISSU ET KIT DE CULTURE
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明 細書

組織片挟持装置及び培養キット

技術分野

[0001] 本発明は、組織片挟持装置及びその組織片挟持装置を組み込んだ培養キットに 関するものである。

背景技術

[0002] 近年、再生医療に培養組織や培養細胞懸濁液が利用されつつあることから、培養 組織や培養細胞懸濁液を得るのに適した培養キットの開発が進められて!/、る。例え ば、特許文献 1には、組織片培養において好ましい培養状態を早期かつ容易に形 成できる培養キットが提案されている。この培養キットは、培養面とその培養面に密着 可能なメッシュシートとの間に組織片を挟み込む組織片挟持装置を培養バッグの中 に配置したものである。培養バッグは、気体透過性かつ液体不透過性であり、液密に 閉鎖可能な開口部を有し、開口部の両端から中央へ向かって外力を加えると開口部 が開放されると共に培養面とメッシュシートとの間が開き、その外力を解除すると開口 部が自身の復元力により閉鎖されると共に培養面にメッシュシートが密着するように なっている。このため、組織片を培養するには、まず、開口部の両端から中央へ向か つて外力を加えて開口部を開放すると共に培養面とメッシュシートとの間を開き、組 織片を開口部から揷入して培養面に載置し、次いで、加えていた外力を解除して開 口部を閉鎖すると共に培養面にメッシュシートを密着させる。これにより、組織片は培 養面とメッシュシートとの間に挟持される。続いて、液体培地を培養バッグ内へ注入 すると共に培養バッグ内の気体を抜く。その後、この培養バッグをインキュベータに入 れて組織片の培養を行う。このとき、培養バッグはガス透過性のため、インキュベータ 内の気体成分は培養バッグ内の液体培地に溶存して組織片に供給される。また、特 許文献 2には回転培養法で利用される固定具が開示されている。これは、ガラス板に 係止されたフォーク状の帯板によってガラス板上に載置された組織片を固定する固 定具であって、回転培養機に供される。

特許文献 1 :特開 2005— 87029

特許文献 2 :特開 2003— 61640

発明の開示

[0003] しかしながら、特許文献 1の培養キットでは、培養面とメッシュシートとの間を開くとき に培養バッグの開口部の両端から中央へ向かって外力を加える必要があつたため、 操作性がよくないという問題があった。また、特許文献 2の固定具では、フォーク状の 帯板がガラス板を抱え込むようにスライド式に係止されている力この帯板は揺動可 能ではないので、フォーク状の帯板の先端部下で組織片を押さえることが困難であり 、操作性に問題があった。

[0004] 本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、組織片ゃ培養組織 を取り扱う際の操作性が良好な組織片挟持装置を提供することを目的の一つとする 。また、そのような組織片挟持装置を組み込んだ培養キットを提供することを目的の 一つとする。

[0005] 本発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。

[0006] 本発明の組織片挟持装置は、

培養チャンバ一の中に配置可能な組織片挟持装置であって、

組織片を載置する培養面を持つベースと、

前記ベースに揺動可能に取り付けられたアームと、

前記アームのうち前記培養面に載置される組織片を押さえることが可能な位置に設 けられた押さえ部材と、

を備えたものである。

[0007] この組織片挟持装置では、培養面に組織片を載置する際には、培養面から押さえ 部材が離れるようにアームを揺動させ、その状態で培養面のうち押さえ部材と対向す る位置に組織片を載置する。また、組織片が培養された後の培養組織を取り出す際 にも、培養面から押さえ部材が離れるようにアームを揺動させ、その状態で培養面か ら培養組織を取り出す。このように、培養面と押さえ部材との間を開けるときには、ァ ームを揺動させればよいため、従来のように培養バッグの開口部の両端から中央へ 向かって外力を加える場合に比べて操作性が良好となる。

[0008] ここで、培養チャンバ一とは、培養キヤビティを具備し、当該培養キヤビティに組織 片挟持装置を包含可能な構成のものであればどのような形態のものでもよぐ例えば 、シャーレ、フラスコ、バッグ等が挙げられる。好ましくは、可撓性を有する培養バッグ である。培養面としては、組織片を構成する細胞を培養することができるものであれ ば特に限定されないが、例えば、ポリスチレン等の合成樹脂から構成されたものが挙 げられる。また、これらの表面を処理して親水性を付加したり、コラーゲンゃフイブリン などの細胞接着性材料を被覆したりしたものでもよい。押さえ部材としては、組織片を 押さえること力 Sできれば、どのような形態及び材質でもよいが、細胞が接着しにくい表 層を有していることが好ましい。このような表層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプ ロピレン、フッ素樹脂、ポリテトラフルォロエチレン、ポリカーボネート、ポリエステルな ど力 S挙げられる。更に、組織片としては、生体組織力も採取可能な上皮組織、結合組 織、筋組織、神経組織などが好ましぐ具体的には、皮膚 (表皮、真皮)、軟骨、角膜 、網膜、骨膜、骨、神経、筋肉、粘膜、歯周組織、血管、脂肪または心臓、肝臓、すい 臓、腎臓もしくは膀胱などの臓器の一部が挙げられる。また、細胞を培養して得られ る細胞シートや足場(Scaffold)に細胞を播種した培養組織なども、本発明の組織片 として禾 IJ用すること力 Sできる。このような細胞としては、例えば、ヒト、マウス、ラット、モ ノレモット、ノヽムスター、ニヮトリ、ゥサギ、ブタ、ヒッジ、ゥシ、ゥマ、ィヌ、ネコ、サノレ等の 温血動物から採取された種々の細胞が挙げられる。この温血動物の細胞としては、 例えば、角化細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、勝臓 /3細胞、メサンギゥム細胞 、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、繊維細胞、筋 細胞、脂肪細胞、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨膜細胞、骨芽細胞、破骨細胞、 乳腺細胞、肝細胞若しくは間質細胞、又はこれら細胞の前駆細胞、幹細胞若しくは 接着依存性のガン細胞が挙げられる。また、胚性肝細胞を使用することもできる。或 いは、エリスロポエチン、成長ホルモン、顆粒球コロニー刺激因子、インスリン、インタ 一フエロン、血液凝固第 VIII因子等の血液凝固因子、グルカゴン、組織プラスミノー ゲンァクチグータ一、ドーノミン、ガン遺伝子、ガン抑制遺伝子等をコードする外来 遺伝子を前記細胞に導入し、それらの遺伝子を種々のプロモータを用いて強制的に 又は特定の条件下で発現させるように構成した形質転換細胞を使用してもよい。また 、細胞外マトリックスとしては、例えば、インテグリン、コラーゲン、エラスチン、プロテオ

ダリカン、グリコサミノダリカン、糖タンパク質等が挙げられる。

[0009] 本発明の組織片挟持装置において、前記アームは、横幅を前記ベースの横幅より 小さくしてもよい。こうすれば、培養面の上方空間をアームが占有してしまうことがなく

、培養チャンバ一の中での作業スペースを広く確保することができる。したがって、組 織片ゃ培養組織を取り扱う際の作業性が良好になる。

[0010] 本発明の組織片挟持装置は、更に、前記押さえ部材を前記培養面に向かって付 勢する付勢部材と、前記アームのうち該アームが揺動するときの揺動軸を挟んで前 記押さえ部材とは反対側に設けられ、外力によって押下されたときに前記付勢部材 に抗して前記押さえ部材を前記培養面から離すアーム操作部材と、を備えて!/、ても よい。この場合、組織片を挟持するには、外力を加えてアーム操作部材を押下するこ とにより押さえ部材を培養面の上方に離間させ、続いてその状態で組織片を培養面 に載置し、その後アーム操作部材に加えていた外力をなくすことにより付勢部材に付 勢された押さえ部材で培養面に載置された組織片を押さえる。一方、組織片を培養 したあとの培養組織を取り出すときにも、外力を加えてアーム操作部材を押下するこ とにより押さえ部材を培養面の上方に離間させ、続いてその状態で培養組織を取り 出す。このように、組織片の培養時には付勢部材に付勢された押さえ部材により組織 片は培養面に押さえつけられるため、組織片が培養面に接着して増殖しやすくする こと力 Sできる。また、アームの動きを容易に操作することができる。殊に、培養チャンバ 一に可撓性の培養バッグを使用した場合には、培養バッグの外側から操作すること ができるので、コンタミネーシヨンを防止することができる。この態様を採用した本発明 の組織片挟持装置において、前記付勢部材は、前記アームと一体成形されていても よい。こうすれば、付勢部材とアームとを別部材とする場合に比べて部品点数が少な くなり、組付工程が簡略化される。

[0011] 本発明の組織片挟持装置は、該アームが揺動するときの揺動軸とは反対方向に前 記アームのうち前記押さえ部材の位置から延び出した延出部材を備えていてもよい。 こうすれば、作業性がより良好になる。例えば、可撓性の培養バッグ内に組織片挟持 装置を配置して使用する場合には、培養バッグの中での作業スペースが、培養面か ら押さえ部材が離れるように揺動したアームによって培養バッグの内部を押し広げら

れて確保される。ここで、培養面から押さえ部材が離れるようにアームが揺動したとき 、揺動軸から押さえ部材までの距離よりも揺動軸から延出部材の先端までの距離の 方が長いため、アーム操作部材の押下げ量が同じであっても、延出部材があることに よって、ない場合に比べて作業スペースが一層広くなり、作業性がより良好になる。こ の態様を採用した本発明の組織片挟持装置において、前記ベースは、前記延出部 材の先端側の下面と接触可能な位置に該延出部材が前記アームの揺動軸を中心と して所定範囲以上に下方に回転するのを阻止する支持部材を有して!/、てもよ!/、。こう すれば、不意に延出部材を上から押す力が加わったとしても、アームの押さえ部材が 強く培養面を押圧するのを防止できる。すなわち、ベースが支持部材を有していない 場合には、不意に延出部材を上から押す力が加わると、押さえ部材が培養面を強く 押圧して組織片にダメージを与えるおそれがあるのに対して、ベースが支持部材を 有している場合には、支持部材が延出部材を下方から支持するため、押さえ部材が 培養面を強く押圧することがない。また、前記支持部材は、前記押さえ部材の真正面 力、らずれた位置に設けられていることが好ましい。こうすれば、押さえ部材の真下に 組織片を載置するときなどに支持部材が邪魔になることがない。さらに、延出部材又 はアームから下方に伸延する支持部材を設け、当該支持部材がベースの培養面に 当接することによって、それ以上の下方への回転を阻止するように構成してもよい。

[0012] 本発明の組織片挟持装置において、前記押さえ部材は、前記培養面に載置される 組織片と点接触又は線接触する形状に形成されていてもよい。こうすれば、押さえ部 材が組織片と面接触する形状に形成されている場合に比べて、組織片を培養面に 確実に固定することができ、組織片への培地の浸透性(浸達性)が良好になる。

[0013] 本発明の組織片挟持装置において、前記ベースは、前記培養面の周囲の少なくと も一部に突起状物を有していてもよい。こうすれば、可撓性の培養バッグ内に組織片 挟持装置を配置して使用する場合において、培地交換時などのように培養バッグ内 力も培地が抜かれて培養バッグがしぼむような場合でも、培養バッグと組織片とが接 触するのを突起によって防止することができる。なお、突起は、例えば培養面の周囲 のすベて囲む壁や柵としてもよいし、培養面の周囲を部分的に囲む壁や柵としてもよ い。

[0014] 本発明の組織片挟持装置において、押さえ部材は、ベースから取外し可能に取り 付けられていてもよい。こうすれば、培養組織等を作成した後に押さえ部材を取り外 すことによって、培養面上の作業スペースが広く確保されるので、培養組織を容易に 取り扱うこと力 Sできる。

[0015] 本発明の組織片挟持装置は、前記押さえ部材が前記培養面に載置された組織片 を押さえている状態にあるときに前記押さえ部材が前記培養面から離間する方向に 移動するのを規制する規制機構を備えていてもよい。こうすれば、培養中に押さえ部 材に対して培養面から離れる方向の力が不意に作用したとしても、押さえ部材が培 養面から離間する方向に移動するのを規制機構が規制するため、押さえ部材が組織 片を押さえている状態は維持される。したがって、培養面に接着した組織片が培養面 力、ら剥がれてしまうことがなぐ組織片の培養をスムーズに行うことができる。

[0016] 本発明の培養キットは、

組織片を揷入可能な開口部を持つ培養チャンバ一と、

前記アームのうち揺動軸とは反対側の端部が前記開口部の方向を向くように前記 培養チャンバ一内に配置された上述のいずれかの組織片挟持装置と

を備えたものである。

殊に、上述の培養キットにおいて、培養チャンバ一は、液密に閉鎖可能な可撓性の 培養バッグであることが好ましレ、。

[0017] この培養キットでは、上述したいずれかの組織片挟持装置が培養バッグ内に配置さ れており、アームのうち揺動軸とは反対側の端部が前記開口部の方向を向くように配 置されている。このため、培養面から押さえ部材が離れるように揺動したアームが培 養バッグの内部を押し広げることにより、培養面に組織片を載置したり組織片を培養 した後の培養組織を取り出したりするときの作業スペースが確保されると共に開口部 の開口面積を大きくすること力できる。また、培養キットは上述したいずれかの組織片 挟持装置を備えて!/、るため、上述した!/、ずれかの組織片挟持装置と同様の効果が 得られる。

[0018] 本発明の培養キットにお!/、て、前記培養バッグは、気体透過性と液体不透過性を 有することが好ましい。こうすれば、培養バッグ内の液体培地を漏出させることなく周 囲の気体成分を培養バッグ内に取り込むことが可能となるため、良好に培養を行うこ とができる。ここで、気体透過性かつ液体不透過性の材料としては、特に限定される ものではな!/、が、ポリテトラフルォロエチレンなどのフッ素樹脂やシリコン樹脂などが 挙げられ、これらは充実体であってもよいが微細孔(例えば数〜数十 mの径の孔) が形成されていてもよい。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1]培養キット 10を所定方向から見たときの概略斜視図である。

[図 2]組織片挟持装置 30を所定方向から見たときの概略斜視図である。

[図 3]組織片挟持装置 30を別の方向から見たときの概略斜視図である。

[図 4]組織片挟持装置 30を前方からみたときの説明図である。

[図 5]図 2の A— A断面図である。

[図 6]ベース 31の裏面の概略斜視図である。

[図 7]培養キット 10の使用状態を表す縦断面図である。

[図 8]培養キット 10の使用状態を表す横断面図である。

[図 9]他の組織片挟持装置の縦断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0020] 以下、本発明を図面を用いて詳しく説明する。図 1は本発明の一実施形態の培養 キット 10を所定方向から見たときの概略斜視図、図 2は組織片挟持装置 30を所定方 向から見たときの概略斜視図、図 3は組織片挟持装置 30を別の方向から見たときの 概略斜視図、図 4は組織片挟持装置 30を前方からみたときの説明図、図 5は図 2の A—A断面図、図 6はベース 31の裏面の概略斜視図である。

[0021] 本実施形態の培養キット 10は、図 1に示すように、細胞や組織片の培養が可能な 培養バッグ 20と、その培養バッグ 20の中に配置される組織片挟持装置 30とを備えて いる。なお、図 1では、組織片挟持装置 30は培養バッグ 20の内部に配置されている ため本来であれば隠れ線(点線)で表記すべきだ力便宜上、実線で表記した。

[0022] 培養バッグ 20は、気体透過性かつ液体不透過性をもつ白色半透明なフッ素樹脂 製の下面 20aと上面 20bとを重ねた状態で周囲の 3辺を熱溶着したものであり、ジッ パ 22により液密に閉鎖可能な開口部 24を有している。この培養バッグ 20は、開口部 24とは反対側にシリンジ揷入部 26を有している。シリンジ揷入部 26は、培養バッグ 2 0の内外を連通する筒状の穴にゴム栓を液密に嵌め込んだものであり、培養バッグ 2 0に対して液体培地の供給や排出を行うときにシリンジ 60のニードル 62が揷入される 。また、シリンジ揷入部 26に揷入されたニードル 62が抜き取られた後の穴はゴムの 復元力により塞がれるため、シリンジ揷入部 26は再び液密な状態を維持する。なお、 開口部 24をジッパ 22により液密に閉鎖するのに代えて又は加えて、ヒートシール等 で液密に封鎖してもよい。

[0023] 組織片挟持装置 30は、図 2〜図 5に示すように、数 mm角の組織片 T (図 2参照)を 載置する培養面 32を持つベース 31と、このベース 31に揺動可能に取り付けられた アーム 40とを備えている。

[0024] ベース 31は、半透明の合成樹脂を四角形状に成型したものであり、プラズマ処理 により親水性を付加した培養面 32を備えている。このように培養面 32は親水性を具 備しているので、接着依存性細胞や組織片が接着しやすくなつている。また、ベース 31は、左右両側に培養面 32を取り囲む突起としての横壁 33を備えている。この横壁 33は、培養バッグ 20の上面 20bを内側から支えて培養面 32上の培養組織に培養バ ッグ 20が接触するのを防止する役割を果たす。更に、ベース 31は、前方に前壁 34 ( 本発明の支持部材に相当)を備えると共に後方にアーム 40の揺動軸となるピン 42を 支持するステー 35を備えている。更にまた、前壁 34の下方には、アーム 40のフック 5 4と係止可能な線状突起 36が設けられている。一方、ベース 31の裏面には、図 6に 示すように、補強用リブ 37が設けられている。この補強用リブ 37は、裏面の全周に形 成されているほか、ステー 35の周囲や培養面 32のうち組織片 Tが載置される載置ェ リアを補強するために形成されている力、本実施形態ではこの載置エリアの中心 C ( 図 2及び図 6参照)の裏側で補強用リブ 37が交差している。ここで、ベース 31は白色 半透明の合成樹脂製であるため、培養面 32を上力も見たときに補強用リブ 37の交 差位置が透けて見える。この交差位置が載置エリアの中心 C (培養面における押さえ 部材の位置)を示すことになるので、組織片 Tを載置するときの目安となる。

[0025] アーム 40は、図 2〜図 5に示すように、アーム 40の後方部分にあたる幅広の基端部 41と、この基端部 41から前方に延び出した中程度の幅を持つ中間部 48と、この中 間部 48から更に前方に延び出した最も幅の狭い延出部 52とを有し、これらの部分は ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリカーボネートなどの合成樹脂により一体成形さ れている。このアーム 40は、いずれの部分においても左右の幅がベース 31の幅より も小さい。なお、本明細書で「幅」とは、図 2の左右方向の長さを意味する。

[0026] 基端部 41は、左右両側に突出したピン 42と、このピン 42の後方上側に設けられた 操作ボタン 43 (本発明のアーム操作部材に相当)と、ピン 42の後方に延び出すよう に形成された一対の脚部 44とを備えている。このうち、ピン 42は培養面 32に立設さ れたステー 35に支持されており、これによりアーム 40はこのピン 42を軸として揺動可 能となっている。操作ボタン 43は、アーム 40を操作するときにオペレータが押下する ボタンであり、ピン 42を挟んで押さえ部 49とは反対側に設けられている。また、一対 の脚部 44は、操作ボタン 43と切り込み 45を介して繋がっており、脚部 44を内方向に 移動する(つまむ)ことによってピン 42がステー 35から外れ、アーム 40をベース 31力、 ら取り外すこと力 Sできる。更に、基端部 41の略中央には、上下方向に貫通する角穴 4 6が設けられている。

[0027] 中間部 48は、培養面 32に載置される組織片 Tを押さえることが可能な位置に設け られた押さえ部 49と、基端部 41の角穴 46を通過して培養面 32に当接する板パネ 5 0 (本発明の付勢部材に相当)とを備えている。このうち、押さえ部 49は、組織片丁と 点接触するように下方に向かって細く尖った形状に形成されている。板パネ 50は、ァ ーム 40と一体成形されており、アーム 40のピン 42がステー 35に支持されていないフ リーの状態では、図 5の上段に示すように山型に湾曲した形状を呈する力、ピン 42が ステー 35に支持されている状態では、図 5の下段に示すように山型に湾曲した形状 を上方から押し広げられているため、押さえ部 49を培養面 32に向かって付勢するこ とになる。

[0028] 延出部 52は、図 2に示すように、中間部 48の押さえ部 49の付近から斜め前方に延 びたあと真っ直ぐ前方に延び出し、その先端 52aに屈曲片 53を有している。この屈 曲片 53は、延出部 52を下方に略直角に屈曲することにより形成されている。また、屈 曲片 53の先端には、ベース 31に設けた線状突起 36と係止可能なフック 54が設けら れている。そして、フック 54が線状突起 36に係止されている状態では、ベース 31に 設けた前壁 34の上端が延出部 52の下面と略接触するようになっている。また、組織 片挟持装置 30は、図 1に示すように、アーム 40のうち延出部 52の先端 52aが培養バ ッグ 20の開口部 24の方向を向くように配置されている。

[0029] 次に、本実施形態の培養キット 10の使用例について図 7及び図 8を用いて説明す る。図 7及び図 8は、それぞれ操作ボタン 43を押下したときの様子を表す縦断面図及 び横断面図である。

[0030] まず、オペレータは、図 1に示す培養キット 10を組織片挟持装置 30のベース 31が ほぼ水平になるように作業台に置き、培養バッグ 20のジッパ 22が開いた状態でァー ム 40の操作ボタン 43を一本の指で押下する。すると、図 7及び図 8に示すように、板 バネ 50の付勢力に抗して押さえ部 49がピン 42を中心として培養面 32から上方向に 離間するようにアーム 40が揺動する力が働き、延出部 52の先端 52aは板バネ 50の 付勢に杭して所定位置まで上昇する。この所定位置は、操作ボタン 43の下方への移 動量やピン 42から延出部 52の先端 52aまでの長さ等により決まる。このとき、培養バ ッグ 20の下面 20aはベース 31に押さえられ、上面 20bは延出部 52の先端 52aにより 上方に持ち上げられるため、培養バッグ 20の開口部 24は大きく開くことになる。また 、ベース 31の横幅よりもアーム 40の横幅が小さいため、培養面 32の上方空間をァー ム 40が占有してしまうことがなぐ培養バッグ 20の中での作業スペースが十分広くな

[0031] 次いで、操作ボタン 43を押下したまま、オペレータは組織片 T (ここでは数 mm角の 骨膜組織片)を載置エリアの中心 Cに載置する。このとき、ベース 31の補強用リブ 37 の交差位置は載置エリアの中心 Cを示している力この交差位置がベース 31の上か ら透けて見えるため、オペレータは組織片 Tを載置エリアの中心 Cに確実に載置する こと力 Sできる。また、前壁 34は組織片載置エリアの中心 Cの正面からずれた位置に設 けられているため、組織片 Tを載置するときに前壁 34が邪魔になることもない。

[0032] 続!/、て、オペレータは操作ボタン 43の押下を解除する。すると、板バネ 50の付勢 力によりアーム 40の押さえ部 49が培養面 32に載置された組織片 Tを押圧する。この とき、押さえ部 49は下方に向かって細く尖った形状をしているため、組織片 Tと点接 触することになり、面接触の場合に比べてしつ力、りと培養面 32に固定することができ る。そして、オペレータはアーム 40のフック 54が線状突起 36と係止するように延出部 52の先端 52aを軽く押下する(但し、板バネ 50の付勢力によってアーム 40のフック 5 4が線状突起 36に係止する場合には、この操作は不要となる)。こうすることにより、 操作ボタン 43を押下する方向(押さえ部が上方に移動する方向)に若干の力が不意 に加わったとしても、フック 54が線状突起 36に係止しているため、押さえ部 49が培養 面 32から上方に離間して、組織片が剥がれるのを阻止することができる。また、延出 部 52を押下する方向に若干の力が不意に加わったとしても、前壁 34が延出部 52の 下方への移動を阻止するため、押さえ部 49が培養面 32を強く押圧してしまうことを防 止できる。その後、オペレータは培養バッグ 20の開口部 24のジッパ 22を閉める。す ると、培養バッグ 20の内部は液密な状態となる。

[0033] 続いて、オペレータは図 1に示すシリンジ 60のニードル 62をシリンジ揷入部 26に突 き刺し、十分な量の液体培地を注入する。

[0034] 続いて、オペレータはシリンジ 60のニードル 62をシリンジ揷入部 26から引き抜く。

すると、シリンジ揷入部 26はゴムの復元力によりニードル 62を刺したときに生じた穴 が封鎖されるため、培養バッグ 20の内部は液密な状態が維持される。その後、この 培養バッグ 20を図示しない炭酸ガスインキュベータに入れ、組織片培養を開始する 。炭酸ガスインキュベータ内の成分調整がなされた気体は、培養バッグ 20が気体透 過性を持つことから培養バッグ 20の内部に浸透して液体培地に溶存し、組織片丁に 供給される。また、組織片 Tは、押さえ部 49に点接触で押圧されているため、培地の 浸透が良好である。培養中、必要に応じて培地交換を行うが、その場合には前出の シリンジ 60を用いて使用済みの液体培地の排出し、新し!/、液体培地の注入を行う。

[0035] 培養終了後、前出のシリンジ 60を用いて使用済みの液体培地を排出したあと、ジッ パ 22を開き、組織片挟持装置を培養バッグ 20から取り出す。洗浄液で洗浄した後、 脚部 44をつまむことによってアーム 40をベース 31から取り外す。そして、培養組織を 回収する。このようにアーム 40をベース 31から取り外すことによって、培養面に形成 された培養組織に容易にアクセスすることができ、作業性が良好である。

[0036] なお、組織片挟持装置を培養バッグから取り出すことなぐ培養バッグ 20のジッパ 2 2を開き、操作ボタン 43を押下して押さえ部 49を培養面 32から離間させ、培養組織 を培養面 32から培養バッグ 20の外へと取り出してもよい。この場合、培養終了後、前 出のシリンジ 60を用いて使用済みの液体培地を排出したあと、同じくシリンジ 60を用 いて洗浄液を注入する。そして、洗浄液の排出及び注入を数回繰り返したあと、洗浄 液を排出した状態で培養バッグ 20のジッパ 22を開き、操作ボタン 43を押下して押さ え部 49を培養面 32から離間させる。これにより、培養バッグ 20の開口部 24が大きく 開くため、組織片 Tが培養された後の培養組織を培養面 32から培養バッグ 20の外 へと取り出す。この場合、ベース 31の横幅よりもアーム 40の横幅が小さいため、培養 面 32の上方空間をアーム 40が占有してしまうことがなぐ培養バッグ 20の中での作 業スペースが十分広くなる。

[0037] また、培養細胞懸濁液として回収したい場合には、次の手順を踏めば容易に回収 すること力 Sできる。すなわち、培養終了後、前出のシリンジ 60を用いて使用済みの液 体培地を排出したあと、同じくシリンジ 60を用いて洗浄液を注入する。そして、洗浄 液の排出及び注入を数回繰り返したあと、シリンジ 60を用いて細胞分散液を培養バ ッグ 20に注入する。所定時間経過した後、シリンジ 60を用いて細胞分散の停止剤を 注入し、これらの溶液とともに分散された細胞をシリンジ 60に吸引することで培養細 胞懸濁液として回収することができる。

[0038] 以上詳述した本実施形態によれば、培養面 32と押さえ部 49との間を開くときには アーム 40を揺動させればよいため、操作性が良好となる。また、アーム 40の横幅が ベース 31の横幅より小さいため、組織片挟持装置 30に組織片 Tを挟持したり組織片 Tを培養したあとの培養組織を組織片挟持装置 30から取り出したりするときの作業ス ペースが十分広くなり、作業性が良好になる。また、組織片 Tの培養時には板パネ 5 0に付勢された押さえ部 49により組織片 Tは培養面 32に押さえつけられるため、組 織片 Tが培養面 32に接着して増殖しやすくなる。また、培養バッグ 20の外側からァ ーム 40の動きを容易に操作することができる。更に、板バネ 50は、アーム 40と一体 成形されているため、これらを別部材とする場合に比べて部品点数が少なくなり、組 付工程が簡略化される。更にまた、培養中は押さえ部 49が組織片 Tを培養面 32に 押しつけた状態になっている力このとき不意に延出部 52を上から押す力が加わつ たとしても、延出部 52が下方に移動するのを前壁 34が阻止するため、押さえ部 49が 組織片 Tを培養面 32に強く押圧しすぎることがない。そしてまた、前壁 34は、押さえ 部 49の真正面からずれた位置に設けられているため、押さえ部 49の真下に組織片 Τを載置するときなどに前壁 34が邪魔になることがない。そして更に、押さえ部 49は 組織片 Τと点接触するため、組織片 Τと面接触する形状に形成されてレ、る場合に比 ベて、組織片 Τを培養面 32に確実に固定することができ、組織片 Τへの培地の浸透 性 (侵達性)が良好になる。そして更にまた、横壁 33が培養面 32の周囲を囲んでい るため、培地交換時などのように培養バッグ 20内から培地が抜かれて培養バッグ 20 力 Sしぼむような場合でも、培養バッグ 20の上面 20bと組織片 Τとが接触するのを横壁 33によって防止することカできる。

[0039] なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなぐ本発明の技術的範 囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。

[0040] 例えば、上述した実施形態では、アーム 40に延出部 52を設けた力この延出部 52 を省略してもよい。この場合には、アーム 40のうち押さえ部 49の上方で培養バッグ 2 0を持ち上げることになるため、培養バッグ 20を持ち上げるリフト量は上述した実施形 態に比べて小さくなるものの、上述した実施形態とほぼ同様の効果が得られる。

[0041] 上述した実施形態では、板バネ 50がアーム 40の押さえ部 49を培養面 32に向かつ て付勢するようにした力図 9に示すように、アーム 40と一体成形された板バネ 150 が押さえ部 49を培養面 32から離間するように付勢してもよい。なお、図 9では、上述 した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。この場合、オペレータが 操作ボタン 43を操作していない状態では、図 9の一点鎖線で示すように押さえ部 49 が培養面 32から上方に離間しているため、上述した実施形態で操作ボタン 43を押 下している状態(図 7参照)と同様、培養バッグ 20の開口部 24を大きく開けることがで き、組織片 Tを押さえ部 49の直下に載置したり組織片 Tを培養したあとの培養組織を 押さえ部 49の直下から取り出したりするときの作業スペースを十分広くとることができ る。一方、組織片 Tを押さえ部 49により培養面 32に固定するには、オペレータは操 作ボタン 43を押し上げる力、、中央部 48及び延出部 52を押し下げることによりベース 31の線状突起 36にアーム 40のフック 54を係止させ、図 9の実線で示すように押さえ 部 49により組織片 Tを培養面 32に押し付ける。この場合、線状突起 36とフック 54と の係止は板バネ 150の付勢力のみでは解除されないように設計されている。なお、 再び押さえ部 49を培養面 32の上方に離間させるには、オペレータが操作ボタン 43 を押下する力、フック 54を線状突起 36から外す。こうした図 9の構成を採用した場合で も、上述した実施形態とほぼ同様の効果が得られる。

[0042] 上述した実施形態では、本発明の係止部材として屈曲片 53にフック 54を設け、被 係止部材としてベース 31に線状突起 36を設けた力フック 54がベース 31の底面に 引つ力、かるようにして線状突起 36を省略してもよい。あるいは、屈曲片 53にフック 54 の代わりに略半球状の突部を設け、ベース 31に線状突起 36の代わりにその突部が 嵌り込む穴を設けてもよい。あるいは、その逆、つまりベース 31に略半球状の突部を 設け、屈曲片 53にその突部が嵌り込む穴を設けてもよい。このように係脱可能に係 止される構造であれば、特にどのような構造であっても構わな!/、。

[0043] 上述した実施形態では、押さえ部 49を下方に向かって細く尖った形状として押さえ 部 49が組織片 Tと点接触するようにした力押さえ部 49が組織片 Tと線接触するよう な形状にしてもよく、この場合も、組織片 Tと面接触する形状に形成されている場合 に比べて、組織片 Tを培養面 32に確実に固定することができるし組織片 Tへの培地 の浸透性が良好になる。但し、本発明は押さえ部 49が組織片 Tと面接触するような 形状を排除するものではなレ、。

[0044] 上述した実施形態では、培養キット 10は培養バッグ 20と組織片挟持装置 30とで構 成されるものとした力図 1のシリンジ 60や培養に必要な液体培地を培養キット 10の 構成に加えてもよい。

[0045] 上述した実施形態では、培養面 32には親水性が付与されているものとして説明し た力これに限定されるものではない。たとえば、細胞に磁性微粒子を取り込ませるこ とによって非接着性の培養面においても接着依存性細胞を培養することもできる(特 開 2004— 254519号公報参照)ため、培養面は必ずしも親水性を具備していなくて もよい。また、培養面 32を温度感応性ポリマーで構成することによって温度制御によ り親水性と疎水性を切り替え、細胞の接着性を制御してもよ!/、。

[0046] 本出願は、 2006年 11月 17日に出願された日本国特許出願第 2006— 312136、 及び 2006年 11月 17日に出願された日本国特許出願第 2006— 312137を優先権

主張の基礎としており、その内容の全てが引用により本明細書に含まれる。 産業上の利用可能性

本発明は、例えば再生医療の分野に利用可能である。