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1. (WO2008056737) COMPOSITION DE RÉSINE POLYESTER, PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE LA COMPOSITION, AGENT FAVORISANT LA CRISTALLISATION DE LA RÉSINE POLYESTER, ET ARTICLE MOULÉ
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明 細 書

ポリエステル樹脂組成物、その製造方法、ポリエステル樹脂用結晶化促 進剤および成型物

技術分野

[0001] 本発明は、ポリエステル樹脂(ポリエステル鎖を有する樹脂)、特に脂肪族ポリエス テル樹脂、中でも植物由来の原料を主成分とするポリエステル樹脂に、有機フリーラ ジカル (以下、「ラジカル」と称する場合がある。)発生剤で架橋した結晶ポリエステル 樹脂を混合および混練することによって得られる、物性の改良された結晶化ポリエス テル樹脂組成物、その製造方法、ポリエステル樹脂用結晶化促進剤および成型物 に関する。

背景技術

[0002] 近年、化石資源の枯渴問題や環境への影響から石油由来の高分子材料に代わつ て、再生可能な高分子材料として植物由来の原料を使用した高分子材料、いわゆる ノィォマスプラスチック力 S、環境負荷低減可能な材料として注目されてきている。その 代表的なものはポリ乳酸である力該ポリ乳酸は、それ自身結晶性高分子であるにも かかわらず、その成型物の耐熱性が 50°C〜55°Cと低ぐ該成形物が、この温度を超 えて加熱されると、当該成型品が変形してしまうという欠陥を有していた。これは、溶 融成型後のポリ乳酸の結晶化速度が極めて遅いためであり、成型機中で溶融された ポリ乳酸が脱型された状態では、該ポリ乳酸成型物の結晶化が殆ど進行してレ、なレ、 ためであった。その改良方法として、タルクなどの無機物質微粉を結晶核剤としてポ リ乳酸に添加し、ポリ乳酸の成型'脱型後のポリ乳酸の結晶化を促進させる方法が行 われている(特許文献 1、 2)。し力、しながら、これらの結晶核剤は無機物質であるため 、ポリ乳酸成型物の透明性を低下させるなどの欠陥を有して!/、た。

[0003] 特許文献 1 :特許第 3410075号公報

特許文献 2:特開 2004— 269588号公幸

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 本発明の目的は、成型後に結晶性の遅!/、ポリ乳酸などのポリエステル樹脂に対し て、相溶性に優れ、結晶核剤に起因する成型物の白濁がなぐ成型物は樹脂の結晶 化による光散乱のみの半透明性を保ち、成型後のポリエステル樹脂の結晶化速度を 促進させるポリエステル樹脂用結晶化促進剤、該促進剤を含むポリエステル樹脂組 成物、その製造方法、および成型物を提供することである。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明者らは、上記本発明の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、架橋した ポリエステル樹脂を結晶化促進剤として非架橋ポリエステル樹脂と混練することで、 非架橋ポリエステル樹脂を含めた樹脂組成物全体の結晶化が顕著に促進されること を見出し、本発明を完成するに至った。

[0006] すなわち、本発明は、少なくとも 1種のラジカル発生剤により架橋された少なくとも 1 種のポリエステル樹脂 A (以下単に「樹脂 A」、「架橋樹脂 A」または「結晶化促進剤」 という場合がある)と、上記ポリエステル樹脂と同一または異なる少なくとも 1種の非架 橋ポリエステル樹脂 B (以下単に「樹脂 B」または「非架橋樹脂 B」と!/、う場合がある)と 力 なり、樹脂 Aおよび樹脂 Bの両者が均一に溶融混合および結晶化されていること を特徴とする結晶化ポリエステル樹脂組成物を提供する。

[0007] また、上記本発明は、少なくとも 1種の非架橋ポリエステル樹脂 A' (以下単に「樹脂 A'」または「非架橋樹脂 A'」という場合がある)に少なくとも 1種のラジカル発生剤を混 合し、該混合物を上記ラジカル発生剤の分解温度以上の温度で混練し、上記樹脂 A 'を架橋させた後、冷却して上記樹脂を結晶化させた少なくとも 1種の樹脂 Aを、少な くとも 1種の非架橋樹脂 Bと混合し、加熱混練後、冷却して結晶化させることを特徴と する結晶化ポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供する。

[0008] 上記本発明においては、前記樹脂 Aまたは前記樹脂 Bが、少なくとも 1種のヒドロキ シカルボン酸 (好ましくは炭素数 1〜18)の重縮合物、少なくとも 1種のラタトン (好まし くは炭素数 3〜6)の開環重合物、または少なくとも 1種の脂肪族ポリカルボン酸 (好ま しくは炭素数 2〜9)または芳香族ポリカルボン酸 (好ましくは炭素数 6〜; 12)と少なく とも 1種の脂肪族ポリオール (好ましくは炭素数 2〜6)または脂環式ポリオール (好ま しくは炭素数 4〜; 10)との重縮合物であることが好ましい。

[0009] また、上記本発明にお!/、ては、前記樹脂 Aまたは前記樹脂 B力ポリ乳酸系樹脂お よび/またはポリコハク酸系樹脂であること;前記ラジカル発生剤が、パーォキシカー ボネート系、パーォキシエステル系、ジァシルバーオキサイド系、ジアルキルバーオ キサイド系、パーォキシケタール系過酸化物およびノヽイド口パーオキサイド系過酸化 物などの少なくとも 1種の過酸化物であること;前記樹脂 Aと前記非架橋樹脂 Bとの混 合割合が、 A: 1質量部当たり B: 0. ;!〜 100質量部であること;前記ラジカル発生剤 の使用量が、前記樹脂 A'lOOgあたり、 0. 0005-0. 01モルであることが好ましい。

[0010] また、上記本発明においては、前記架橋前の樹脂 A'に予め、または前記混練時の 樹脂 A'に、着色剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電 防止剤および充填剤の少なくとも 1種の添加剤を配合してもよい。また、本発明は、 前記ラジカル発生剤により架橋され、結晶化されている前記樹脂 Aからなることを特 徴とする、前記非架橋樹脂 B用結晶化促進剤 Aを提供する。該促進剤 Aには、着色 剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤および充 填剤の少なくとも 1種の添加剤が配合されて!/、てもよレ、。

[0011] また、本発明は、前記本発明の結晶化ポリエステル樹脂組成物を成型加工してな ることを特徴とするポリエステル樹脂成型物を提供する。

発明の効果

[0012] 本発明によれば、加熱 ·溶融 ·成型 ·脱型後に結晶化が遅いポリエステル樹脂、特 に植物由来のバイオマスプラスチックであるポリ乳酸などのポリエステル樹脂に対して 、相溶性に優れ、成型後の成型物の透明性を損なわずに、上記ポリエステル樹脂の 脱型後の成型物の結晶化速度を促進させることのできる結晶化促進剤を提供するこ とができる。該結晶化促進剤を非架橋ポリエステル樹脂に添加して溶融混練し、成型 することにより、成型物の結晶化が促進され、耐熱性などの樹脂物性に優れた成型 物を提供すること力できる。

[0013] 本発明の結晶化促進剤 (架橋樹脂 A)を、非架橋樹脂 Bと混練することで、樹脂組 成物全体の結晶化が促進される機構は、熱分析や X線回折の結果などから以下のよ うに想定される。

[0014] 先ず、非架橋樹脂 A'が押出成型機中において溶融混練されながら架橋された架

橋樹脂 Aの分子配列は、樹脂分子間に架橋構造が形成されていることによって、樹 脂 A全体としては溶融時に流動性を有しているにもかかわらず、架橋樹脂 Aの分子 は、その動きの自由度がある程度拘束される。そのため、例えば、架橋樹脂 Aの 1例 である架橋ポリ L—乳酸の場合は、架橋された樹脂分子の立体配列が、脱型後の冷 却後にも比較的そのまま維持されるものと考えられる。

[0015] 上記架橋樹脂 Aが、押出成型機中で非架橋樹脂 Bとともに溶融混練されることによ つて、上記架橋樹脂 Aが上記非架橋樹脂 B中に均一に拡散され、成型後、脱型され て冷却 (水冷や空冷)されるが、上記成型物の冷却の際に、架橋樹脂 Aが結晶化し、 その架橋分子配列が、混合されてレ、る非架橋樹脂 Bの铸型 (テンプレート)となって、 非架橋樹脂 Bの結晶化が順次に進行するものと考えられる。

[0016] 上記樹脂 Aと樹脂 Bとの混合物の結晶化のメカニズムは、従来の固体状の微粉で ある結晶核剤の作用(溶融した樹脂が冷却されて準安定の結晶化状態になり、該樹 脂中に存在させた結晶核剤などが種 (たね)となって結晶を形成させるという結晶化メ 力二ズム)とは、全く異なる結晶化のメカニズムであると考えられる。

発明を実施するための最良の形態

[0017] 次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。

本発明に使用される架橋前の樹脂 A'としては、その構造中に多数のエステル結合 を有し、さらに熱可塑性を有する従来公知のポリエステル樹脂、特に過酸化物による ラジカル架橋が起こり易い脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。特に原料資源とし て植物由来のヒドロキシカルボン酸、ラタトン、脂肪族または芳香族ポリカルボン酸、 脂肪族または脂環族ポリオールなどの原料を主成分として縮重合または開環重合反 応して得られるポリエステル樹脂が好ましレ、。

[0018] 上記好ましいポリエステル樹脂としては、例えば、ヒドロキシカルボン酸の自己縮重 合物、ラタトンの開環重合物、アルキレングリコールと脂肪族ジカルボン酸ほたは芳 香族ジカルボン酸を含む脂肪族ジカルボン酸)との縮重合物、アルキレングリコーノレ と脂肪族ジカルボン酸ポリエステルカーボネートとの縮重合物などが挙げられる。 上記ヒドロキシカルボン酸の自己縮重合物としては、炭素数 1〜; 18のヒドロキシカル ボン酸の自己縮重合物、例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、 3—ヒドロキシ酪酸と 3—ヒドロキシ吉草酸の共重合物など;上記ラタトンの開環重合物としては炭素数 3〜 6の脂肪族ラタトンの開環重合物、例えば、ポリプチ口ラタトン、ポリ力プロラタトンなど; 上記縮重合物としては、炭素数 2〜6の脂肪族ジオールと炭素数 2〜9の脂肪族ジカ ルボン酸との縮重合物、例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネー トーアジペート)などが挙げられる。

[0019] また、上記の脂肪族ポリエステルを、架橋構造を誘起するポリマーセグメントとして 有する脂肪族環ある!/、は芳香族環を含有するポリエステル類としては、上記の脂肪 族ポリエステル中に、炭素数 4〜; 10の脂環式ジカルボン酸単位や、炭素数 6〜; 10の 芳香族ジカルボン酸単位を組み込んだ共重合物が挙げられ、また、上記脂肪族ポリ エステル中に炭素数 4〜; 10の脂環式ジオール単位や炭素数 6〜; 12の芳香族ジォー ル単位を組み込んだ共重合物が挙げられる。例えば、ポリ(ブチレンサクシネート テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペートーテレフタレート)、ポリ(テトラメチレンアジ ペートーテレフタレート)、ポリ(ブチレン 1 , 4ーシクロへキシレンジメチルーアジぺ ート)など;炭素数 2〜4のアルキレングリコールと炭素数 2〜9のポリエステル一力一 ボネートとの縮重合物、例えば、ポリブチレンサクシネートカーボネートなどが挙げ られ、以上のポリエステル樹脂は、単独でも混合物としても用いられる。

[0020] 上記のポリエステル樹脂中では、特に好ましくは乳酸、乳酸オリゴマー、ラクチドを 主成分として重合したポリ乳酸や乳酸共重合物などのポリ乳酸系樹脂、あるいはポリ コハク酸系樹脂などが使用される。

[0021] また、本発明において非架橋樹脂 A'に架橋構造を形成させるために使用されるラ ジカル発生剤としては、熱分解してフリーラジカルを形成させ、非架橋樹脂 A'をラジ カル架橋させる公知のラジカル発生剤が使用される。非架橋樹脂 A'における架橋構 造の形成は、非架橋樹脂 A'の溶液あるいは樹脂分散液の状態でも行われるが、最 も好まし!/、方法は非架橋樹脂 A'を溶融状態で架橋を形成させる方法である。この方 法で、非架橋樹脂 A'を押出し機で混練し、架橋させる場合には、混練温度において 分解するラジカル発生剤を使用することが好ましい。ラジカル発生剤の選定は、押出 し機内での非架橋樹脂 A'の混練温度の設定にもより、一概に規定はできないが、例 えば、非架橋樹脂 A'の混練温度がほぼ 190°Cないし 210°Cである場合には、目安と

して 1分間の半減期を得る分解温度が 130°C〜 210°C位にあるラジカル発生剤が好 ましい。

[0022] 使用するラジカル発生剤としては、樹脂 A'の樹脂分子から水素引抜反応あるいは ラジカル付加反応などを起こし易い有機過酸化物系のラジカル発生剤が好ましい。 具体的には、 tーブチノレパーォキシイソプロピルカーボネートなどのパーォキシカー ボネート系、 tーブチノレパーォキシアセテート、 tーブチノレパーォキシ 2—ェチノレへキ サノエート、 tーブチノレパーォキシラウレート、 tーブチノレパーォキシベンゾェートなど のパーォキシエステル系、ベンゾィルパーオキサイドなどのジァシルバーオキサイド 系、ジー t ブチルパーオキサイド、ジークミルパーオキサイドなどのジアルキルパー オキサイド系、 2, 2—ビス(t ブチルパーォキシ)ブタンなどのパーォキシケタール 系、ジーイソプロピルベンゼンハイド口パーオキサイドなどのハイド口パーオキサイド 系の過酸化物などから選ばれた 1種または 2種以上の有機過酸化物が使用される。

[0023] 樹脂 A'に対する有機過酸化物の使用量は、結晶化促進剤として使用される架橋 樹脂 Aの分子の配列を架橋により拘束し、その架橋状態を維持させるに足る架橋点 を樹脂 A'中に形成し、かつ架橋樹脂 Aが、溶融混練して非架橋樹脂 B中に均一に 拡散されること力 Sできる量である。本発明において、結晶化促進剤として使用する架 橋樹脂 Aには、樹脂分子の分子量分布があるので、架橋樹脂 Aは、その分子量によ つて溶融し始める温度がわずかに異なるはずであり、また、架橋樹脂 Aが溶融時流 動性を保っためには、樹脂 A中には、架橋したポリエステル樹脂分子と未架橋のポリ エステル樹脂分子が共存して!/、る状態が望まし!/、。従って上記有機過酸化物の添加 量は、架橋されるべき樹脂 A'の分子量や分子量分布によっても変わり、一概に決め られるものではないが、有機過酸化物の使用量は、樹脂 A'lOOgあたり凡そ 0. 0005 モル以上、好ましくは凡そ 0. 001モル以上である。有機過酸化物の添加量の上限は 、樹脂 A'の過剰の架橋形成による樹脂 Aの樹脂 B中における拡散を阻害しない範囲 であり、樹脂 A'lOOgあたり凡そ 0. 01モル以下が好ましい。

[0024] この場合、過酸化物の分解によるフリーラジカルにより樹脂 A'の架橋を効果的に行 なうために、従来公知のラジカル付加重合性の単量体やオリゴマーなどの架橋成分 を樹脂 A'の原料中に添加してもよい。上記架橋成分としては、例えば、炭素数 2〜6

のポリアルキレングリコールジ(メタ)アタリレート、グリセリルトリ(メタ)アタリレート、トリメ チロールプロパントリ(メタ)アタリレートなどの多官能性単量体や炭素数 1〜7のジァ ルキルイタコネートなどの単官能性単量体などが挙げられる。

[0025] 本発明のポリエステル樹脂組成物は、前記ラジカル発生剤により架橋された少なく とも 1種の樹脂 A (結晶化促進剤)と上記樹脂 Aと同一または異なる少なくとも 1種の 非架橋樹脂 Bとからなり、これら両者が均一に溶融混合および結晶化されてなること を特徴としている。上記の非架橋樹脂 Bは、樹脂 A'として前記した少なくとも 1種のポ リエステル樹脂であり、単独でも混合物としても使用でき、また、非架橋樹脂 Bは、架 橋前の前記樹脂 A'と同じでも異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。

[0026] 上記本発明の結晶化ポリエステル樹脂組成物は、上記樹脂 Aを非架橋樹脂 Bと混 合し、混練装置中で加熱混練後、冷却して樹脂 Aと樹脂 Bとの混合物を結晶化させ ることによって得られる。架橋樹脂 Aの非架橋樹脂 Bに対する結晶形成効果は、前記 したように非架橋樹脂 B中における架橋樹脂 Aの铸型による効果によると想定される 力 S、本発明の架橋樹脂 Aによる非架橋樹脂ポリエステル Bの結晶化効果は非常に優 れている。

[0027] 本発明のポリエステル樹脂組成物における配合比率は、架橋樹脂 Aの 1質量に対 して非架橋樹脂 Bは 0. 1質量〜 100質量であり、好ましくは 10質量〜 50質量である 。非架橋樹脂 Bの使用量が 0. 1質量部未満であると、得られるポリエステル樹脂組成 物の加熱溶融性および成型性が低下し好ましくない。また、非架橋樹脂 Bの使用量 力 質量部を超えると、得られるポリエステル樹脂組成物の加熱溶融性および成 型性は良好であるものの、成型'脱型後のポリエステル樹脂成型品の結晶化が遅く なり、耐熱性が改良された成型物が得られ難い。

[0028] なお、上記本発明のポリエステル樹脂組成物の製造にお!/、ては、架橋樹脂 Aを非 架橋樹脂 Bと直接混練する場合と、先ず、架橋樹脂 Aと非架橋樹脂 Bとを、低倍率、 例えば、質量比 1 : 0. ;!〜 10で混練して架橋樹脂 Aを非架橋樹脂 B中に予め高濃度 で拡散してから、該高濃度配合物 (架橋樹脂マスターバッチ)を大量の非架橋樹脂 B で希釈した後、所望の形状に成型することも好ましい。

[0029] 例えば、後述の実施例 1で述べる架橋樹脂 Aの製造では、過酸化物の使用量は非

架橋樹脂 A'lOOgあたり 0. 0022モルであり、実施例 2では架橋樹脂 Aと非架橋樹脂 Bとの配合割合力 A : B =が 10 : 90で、およそ 10倍希釈であることから、実施例 2で 得られるポリエステル樹脂組成物全体に対する過酸化物の使用量は、ポリエステル 樹脂組成物 100gあたり凡そ 0· 0002モルとなる。また、実施例 3ではポリエステル樹 脂組成物の配合比である A: B = 3 : 100で、凡そ 34倍希釈であり、また、実施例 4で はポリエステル樹脂組成物の配合比である A: B = 1: 99で 100倍希釈であることから 、過酸化物の使用量としては、ポリエステル樹脂組成物全体 100gあたり、それぞれ 凡そ 0. 00006モノレおよび 0. 000022モノレとなる。

[0030] 上記の実施例にお!/、て、架橋樹脂 Aを使用せずに、本発明のポリエステル樹脂組 成物に相当する量の非架橋樹脂 Bに、上記の割合の有機酸化物を作用させても、樹 脂 Bの結晶化を促進させるための過酸化物の使用量の下限を大きく下回ってしまい 、樹脂 Bの結晶化を促進させる効果を示さない。従って、本発明においては、上記し たような樹脂 A'に対する過酸化物の使用量で、ポリエステル樹脂組成物の全体に対 して結晶化が著しく改善されることは驚くべきことであり、本発明の架橋樹脂 Aを結晶 化促進剤として使用することの優れた効果である。

[0031] さらに、本発明のポリエステル樹脂組成物においては、架橋樹脂 Aが実際に実施 例 2では組成物全体の約 10質量%、実施例 3では組成物全体の約 3質量%、実施 例 4では組成物全体の 1質量%しか占めていないため、本発明のポリエステル樹脂 組成物の溶融時の流動特性は、非架橋樹脂 Bの溶融時の流動特性と大きく変わら ず、ポリエステル樹脂組成物の成型加工、さらには上記ポリエステル樹脂組成物の 使用後の回収、再使用および再生加工などの 2次的加工が容易にできるという優れ た特長を有する。

[0032] また、本発明のポリエステル樹脂組成物からなる成型物には、その目的に応じて添 加剤の 1種あるいは 2種以上を配合することも好ましい。添加剤としては、例えば、着 色剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、充填 剤などが挙げられる。

[0033] 上記添加剤は、架橋樹脂 Aに添加する方法と、本発明のポリエステル樹脂組成物 に添加する方法とがある。前者の方法としては、(a)非架橋樹脂 A'にラジカル発生剤 を混練する前に、上記添加剤などを予め混合、混練しておき、次いでラジカル発生 剤を添加し、混練する方法、あるいは (b)上記添加剤などをラジカル発生剤とともに 非架橋樹脂 A'配合し、混合、混練する方法がある。このようにして得られる添加剤を 含有する樹脂 Aを非架橋樹脂 Bと混合し、加熱混練し、冷却して結晶化させる。また 、後者の方法では、架橋樹脂 A、非架橋樹脂 Bおよび上記添加剤などを混合し、成 型機で混練、加工し、添加剤を含有する成型物を得ることができる。

[0034] 使用される着色剤としては、染料、有機顔料、カーボンブラック顔料、無機顔料、白 色の有機顔料および無機顔料から選ばれた色素である。顔料としては、従来公知の 有彩色、黒色または白色の顔料が使用され、例えば、ァゾ系、ポリ縮合ァゾ系、ァゾ メチン基を含むァゾ系、ァゾメチン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系、ペリノン' ペリレン系、インジゴ'チォインジゴ系、ジ才キサジン系、キナクリドン系、イソインドリノ ン系などの顔料および酸化鉄系顔料、カーボンブラック系顔料、酸化チタン系顔料 などである。

[0035] 本発明にお!/、ては、非架橋樹脂 A'、有機過酸化物などのラジカル発生剤および添 加剤などは、配合し混練機により溶融、混練し、樹脂 A'の架橋と同時に添加剤が架 橋樹脂 A中に均一に分散される。本発明において使用される混練機としては、三本 ロール、二本ロール、加圧ニーダー、バンバリ一ミキサー、オープン型二軸連続混練 機、或いはスクリュー式の単軸押出成型機、同方向或いは異方向回転二軸押出成 型機、多軸押出成型機、射出成型機或いはローター式の練機、或いは単軸、多軸 の連続式混練機、或いはこれらの混練機の組み合わせが挙げられる。これらの混練 機は、混練の目的、材料の種類、配合に応じてスクリュー、ニーデイングディスク、口 一ターなどの各種セグメントを自由に組み替えることができる。また、押出機などのシ リンダ一の長さや形状を自由に組み替えてもよい。これらの混練機は、材料の供給量 、スクリュー或いはローターの回転数、混練機械の温度により、非架橋樹脂 A'と過酸 化物或いはさらに添加剤との混練、および非架橋樹脂 A'中への過酸化物、或いは 添加剤の分散を制御することができる。

[0036] 本発明の結晶化ポリエステル樹脂組成物は、従来のポリエステル樹脂成型物が使 用されていた用途と同様の用途に使用することができる。例えば、シート類、フィルム 類、ネット類;容器類、トレィ類;発泡材料類;食品包装容器類;水産物 ·農産物用箱 類、包装用箱類、輸送用箱類;電気製品 ·精密機器などの緩衝材;建築用 ·道路用 の防音 ·断熱材など広範な用途で使用される。なお、本発明の結晶化ポリエステル樹 脂組成物や結晶化促進剤の形態は、前記の条件を満たす限り、粉末でも、ペレット 形状でも、成形物などのいずれの形状でもよい。

実施例

[0037] 次に具体的な実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、文中 、「部」および「%」とあるのは特に断らない限り質量基準である。

実施例 1 (架橋樹脂 A (結晶化促進剤)の調製)

ポリ L—乳酸 (樹脂 Α')の粉末 l OOgにラジカル架橋形成剤として、 t—ブチルパー ォキシイソプロピルカーボネート(純度 95%) 0· 4g (0. 0022モル)を添カロし、十分に 混合した後、二軸押出し機(混練温度 200°C)にて混練し、ストランド状に水中に吐出 して冷却し、ペレタイザ一でカッティングして架橋樹脂 Aペレットを調製した。

[0038] 上記で得られた Aペレットの熱分析を行なった。図 1に、 Aペレットの示差走査熱量 測定チャートを示した。昇温時に Aペレットの融解を示す 169. 2°Cにピークのあるシ ヤープな吸熱を示し、降温時に Aペレットの結晶化を示すピークが 124. 7°Cのシャ ープな発熱を示した。引続いて再度昇降温を行なった力昇温時には同様に 168. 1°Cに Aペレットの溶融を示すシャープな吸熱を示し、降温時には同様に 123. 8°C がピークの Aペレットの結晶化を示す発熱を示した。図 2は、得られた Aペレットから 成型したプレートの X線回折図を示す。図 2に示すように、回折角 2 Θが 17· 20°に 回折強度の大きい、鋭いピークを有し、プレート全体が結晶化していることを示してい

[0039] 実施例 2 (本発明の樹脂組成物とその成型加工)

ポリ L—乳酸 (非架橋樹脂 B)の樹脂ペレット 90部に実施例 1で得られた Aペレツト( 樹脂 A) 10部を混合し、射出成型機にて成型し、プレートを得た。実施例 1と同様に して、上記プレートの熱分析を行なった。図 3に、プレートの示差走査熱量測定チヤ ートを示した。昇温時にプレートの融解を示す 170. 3°Cがピークのシャープな吸熱を 示し、降温時にプレートの結晶化を示すピークが 1 17. 6°Cのシャープな発熱を示し た。引続いて再度昇降温を行なった力昇温時には同様にプレートの溶融を示す 16 6. 9°Cがピークのシャープな吸熱を示し、降温時に同様にプレートの結晶化を示す 1 16. 8°Cがピークのシャープな発熱を示した。図 4は、上記得プレートの X線回折図を 示す。図 4によれば、 2 Θ力 7. 16°に回折強度の大きい、鋭いピークを有し、プレー ト全体が結晶してレ、ることを示して!/、る。

[0040] 実施例 3 (本発明の樹脂組成物とその成型加工)

ポリ L 乳酸 (樹脂 B)のペレット 100部に、実施例 1で得られた架橋ポリ L 乳酸( 結晶化促進剤)樹脂ペレット 3部を混合し、射出成型機にてプレートを得た。実施例 1 と同様にして、上記プレートの熱分析を行なった。図 5に、上記プレートの示差走査 熱量測定チャートを示した。昇温時にプレートの融解を示す 172. 0°Cがピークのシ ヤープな吸熱を示し、降温時にプレートの結晶化を示すピークが 118. 1°Cのシヤー プな発熱を示した。引続いて再度昇降温を行なった力昇温時には同様にプレート の溶融を示す 168. 1°Cがピークのシャープな吸熱を示し、降温時に同様にプレート の結晶化を示す 117. 2°Cがピークのシャープな発熱を示した。図 6は、上記プレート の X線回折図を示す。図 6によれば、 2 Θ力 7. 20°に回折強度の大きい、鋭いピー クを有し、プレート全体が結晶して!/、ることを示して!/、る。

[0041] 実施例 4 (本発明の樹脂組成物とその成型加工)

ポリ L 乳酸 (樹脂 B)の樹脂ペレット 99部に実施例 1で得られた樹脂 A (結晶化促 進剤)のペレット 1部を混合し、射出成型機にて成型し、プレートを得た。実施例 1と同 様にして、上記プレートの熱分析を行なった。図 7に、上記プレートの示差走査熱量 測定チャートを示した。昇温時にプレートの融解を示す 172. 2°Cがピークのシャープ な吸熱を示し、降温時にプレートの結晶化を示すピークが 120. 6°Cのシャープな発 熱を示した。引続いて再度昇降温を行なった力昇温時には同様にプレートの溶融 を示す 168. 1°Cピークのシャープな吸熱を示し、降温時に同様にプレートの結晶化 を示す 120. 2°Cがピークのシャープな発熱を示した。図 8は、上記プレートの X線回 折図を示す。図 8によれば、 2 Θが 17· 20°に回折強度の大きい、鋭いピークを有し、 プレート全体が結晶してレ、ることを示してレ、る。

[0042] 比較例 1 (樹脂 Bのみの成型物)

ポリ L 乳酸 (樹脂 B)の樹脂粉のみを二軸押出し機 (混練温度 200°C)にて混練し 、樹脂ペレットを形成させ、該ペレットの熱分析を行なった。図 9に、上記ペレットの示 差走査熱量測定チャートを示した。昇温時にペレットの融解を示す 172. 1°Cがピー クのシャープな吸熱を示した。引続いて再度昇降温を行なった力昇温時には同様 に 108. 9°Cがピークのペレットの結晶化を示すシャープな吸熱を示した力 S、直ぐ引 続いてペレットの融解を示す 170· 1°Cがピークのシャープな吸熱を示すのみで、実 施例 1、 2、 3で示した降温時の結晶化に起因する発熱現象を示さずに冷却された。 図 10に、上記ペレットの X線回折図を示す。回折図にはピークはなぐペレットがァモ ルファス(無定形)状態であることを示して!/、る。

[0043] 比較例 2 (無機結晶核剤による樹脂の結晶化)

ポリ L 乳酸 (樹脂 B)の樹脂粉 100部に、無機結晶核剤としてタルク 11部および炭 酸カルシウム 1部を添加し、十分に混合した後、二軸押出し機(混練温度 200°C)に て混練し、ストランド状に水中に吐出、冷却してペレタイザ一でカッティングして結晶 化核剤を含む樹脂ペレットを調製した。当該ペレットを射出成型機にて成型し、白色 のプレートを得た。該プレートの白色は添加した無機結晶核剤によるものである。

[0044] 生成したプレートの熱分析を行なった。図 11に、上記プレートの示差走査熱量測 定チャートを示した。図 11によれば、昇温時にプレートの融解を示す 169. 6°Cがピ ークのシャープな吸熱を示し、降温時にプレートの結晶化を示すピークが 110. 1°C のシャープな発熱を示した。引続いて再度昇降温を行なった力昇温時には同様に プレートの溶融を示す 165. 1°Cがピークのシャープな吸熱を示し、降温時に同様に プレートの結晶化を示す 110. 4°Cがピークのシャープな発熱を示した。図 12は、上 記で得られたプレートの X線回折図を示す。図 12によれば、 2 Θ力 0. 08°、 17. 10 。および 29. 22°に鋭いピーク(相対強度の対比; 75 : 100 : 73)を示した。タルクおよ び炭酸カルシウムの X線回折は 10. 08°と 29. 22°であり、 17. 10°がポリ L—乳酸の 結晶化による回折を示している。

[0045] 上記のポリ乳酸を使用した実施例の結晶化に由来する発熱温度を整理して表 1に 示す。熱分析の 1回目と 2回目の温度差は 1°C以内で非常に良い再現性を示した。こ れはポリ L 乳酸の結晶を生成させる要因が安定していることを示している。

[0046]


[0047] 実施例 5〜7 (架橋樹脂 A (結晶化促進剤)の調製)

実施例 1に準じて、下記の表 2のポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサク シネート ·アジペート(PBSA)およびポリ( ε—力プロラタトン)(PCUを非架橋樹脂 Β として使用し、ラジカノレ発生剤としての過酸化物として t ブチルパーォキシイソプロ ピルカーボネート (BIC)を使用して 3種の架橋樹脂 A (結晶化促進剤)を調製した。

[0048] 表 2 :架橋樹脂 A (結晶化促進剤)の調製


実施例 8〜; 10 (樹脂 A (結晶化促進剤)による非架橋樹脂 Bの結晶形成と成型加工) 実施例 2と同様にして、表 3に記載の要領でそれぞれ非架橋樹脂 Bと結晶化促進 剤 (樹脂 A)とを混練し、本発明の樹脂組成物とし、それぞれ 3種の成型品を成型した 。表 3に、上記成型物の示差走査熱量測定による樹脂の結晶化温度を示した。

表 3 :樹脂組成物の調製


産業上の利用可能性

近年、ポリ乳酸などのバイオマスプラスチック成型物は、耐熱性が低いという欠点を 有していた力 S、本発明では、これら結晶性の遅いポリ乳酸などのポリエステル樹脂に 、相溶性に優れ、透明性を損なわずに結晶化速度を促進させる結晶化促進剤を添 カロ'混練し、成型加工することにより、耐熱性などの物性が向上し、樹脂物性面にお いても優れた成型物を提供できる。その結果、従来耐熱性が低いことから使用できな 力、つた用途を含め、例えば、シート類、フィルム類、ネット類;容器類、トレィ類;発泡 材料類;食品包装容器類;水産物 ·農産物用箱類、包装用箱類、輸送用箱類;電気 製品 ·精密機器などの緩衝材;建築用 ·道路用の防音 ·断熱材など広範な用途でポリ 乳酸などのポリエステル樹脂が使用できるようになった。

図面の簡単な説明

園 1]実施例 1で得られた架橋樹脂 Aのペレットの:示差走査熱量測定チャート 園 2]実施例 1で得られた架橋樹脂 Aのペレットの: X線回折チャート

園 3]実施例 2で得られたプレ一トの示差走查熱邐 t測定チャート

園 4]実施例 2で得られたプレートの X線回折チヤ、ート

園 5]実施例 3で得られたプレ一トの示差走查熱邐 t測定チャート

園 6]実施例 3で得られたプレートの X線回折チヤ、ート

園 7]実施例 4で得られたプレ一トの示差走查熱邐 t測定チャート

園 8]実施例 4で得られたプレートの X線回折チヤ、ート

園 9]比較例 1で得られたペレットの示差走査熱量 :測定チャート

図 10]比較例 1で得られたペレットの X線回折チャート

園 11]比較例 2で得られたプレートの示差走査熱量測定チャート [図 12]比較例 2で得られたプレートの X線回折チャート