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1. (WO2008053655) FILM DE REVÊTEMENT DUR ET FILM FONCTIONNEL OPTIQUE
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明 細書

ハードコートフィルムおよび光学機能性フィルム

技術分野

[0001] 本発明は、ディスプレイ用部材に主として用いられる、ハードコートフィルム及び該 フィルムを用いた反射防止フィルムに関する。詳しくは、外光の写り込み、ぎらつき、 虹彩状色彩等を抑制することができ、かつ、高屈折率ハードコート層と熱可塑性樹脂 フィルム間の密着性に優れるハードコートフィルムに関する。

背景技術

[0002] 一般に、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル (PDP)等のディス プレイの部材に用いられるハードコートフィルムは、熱可塑性樹脂フィルムとハードコ ート(HC)層が、易接着層を介して積層されている。さらに、ディスプレイ用光学機能 フィルムは、一般には、機能の異なるフィルムを、粘着剤層を介して貼り合わせて使 用される。し力もながら、大型のフラットディスプレイは、近年の低価格化の市場から の要求が大きくなつている。そのため、ディスプレイ用部材においても、 1枚のハード コートフィルムに他の光学機能層を積層した複合フィルムの開発が行われている。例 えば、液晶ディスプレイ(LCD)では、ハードコートフィルムに、外光の映り込みを防止 する反射防止層(AR層)、光の集光や拡散に用いられるプリズム状レンズ層、輝度を 向上させる光拡散層などの光学機能層を積層した複合フィルムが挙げられる。

[0003] ハードコートフィルムの基材となる熱可塑性樹脂フィルムには、ポリエチレンテレフタ レート(PET)、ポリアミド、アクリル、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース( TAC)、環状ポリオレフイン等からなる透明フィルムが用いられている。これらの基材 フィルムの中でも、特に、二軸配向ポリエステルフィルムは、優れた透明性、寸法安 定性、耐薬品性の点から、各種光学機能性フィルムの熱可塑性樹脂フィルムとして 広く使用されている。

[0004] 一般に、二軸配向ポリエステルフィルムや二軸配向ポリアミドフィルムのような二軸 配向熱可塑性フィルムの場合、フィルム表面は高度に結晶配向しているため、各種 塗料、接着剤、インキなどとの密着性に乏しいという欠点がある。このため、従来から

二軸配向熱可塑性樹脂フィルム表面に種々の方法で易密着性を付与する方法が提 案されてきた。

[0005] また、ポリオレフインフィルムのような極性基を有しな!/、フィルムでは、各種塗料、接 着剤、インキなどとの密着性が非常に乏しいため、事前にコロナ放電処理、火焰処理 などの物理的処理や化学処理を行った後、フィルム表面に種々の方法で易密着性 を付与する方法が提案されてきた。

[0006] 例えば、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、アクリルグラフトポリエステルなどの樹 脂を含む易接着層を、塗布法によって熱可塑性樹脂フィルムの表面に設けることに より、熱可塑性樹脂フィルムに易密着性を付与する方法が一般的に知られている。こ の塗布法の中でも、結晶配向が完了する前の熱可塑性樹脂フィルムに、直接または 必要に応じてコロナ放電処理を施してから、前記の樹脂の溶液または樹脂を分散媒 で分散させた分散体を含有する水性塗布液を基材フィルムに塗布し、乾燥後、少な くとも一軸方向に延伸し、次いで熱処理を施して、熱可塑性樹脂フィルムの結晶配向 を完了させる方法(いわゆる、インラインコート法)や、熱可塑性樹脂フィルムの製造 後、該フィルムに水系または溶剤系の塗布液を塗布後、乾燥する方法(いわゆる、ォ フラインコート法)が工業的に広く実施されている。

[0007] さらに近年、導光板との密着を防ぐ、透過率を高める、カールを低減する等の目的 で両面にハードコート層を設ける場合や、レンズ層、光拡散層等光学機能層と反対 側の面にもハードコート層を積層する場合が多くなつてきている。

[0008] これらの透明プラスチックフィルム基材を用いて光学機能性フィルムを形成する場 合、多くは基材上に薄膜の易接着層等を介して数 mから 50 m程度の光学機能 性層、例えば、ハードコート層などの硬化層が形成される。さらに、機能の異なる光学 機能性フィルムを、粘着剤層を介して貼り合わせて、ディスプレイ用光学機能フィルム として使用される。

[0009] しかしながら、熱可塑性樹脂フィルムが二軸配向ポリエステルフィルムの場合、屈折 率(面方向)は 1. 62- 1. 65であるのに対し、例えばアクリル樹脂等で形成されるハ ードコート層の屈折率は通常 1. 53を中心に 1. 50〜; 1. 56である。また、その中間に 位置する易接着層は、一般にアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等、

あるいはそれらを組み合わせてなる樹脂を主成分として形成され、これらの樹脂組成 物層の屈折率は通常 1. 49-1. 54である。

[0010] このため、上記光学機能性フィルムでは、二軸配向ポリエステルフィルムと易接着 層との屈折率差により、この界面で光の反射がおこり、ハードコート表面の反射光との 干渉で干渉斑 (虹彩状色彩)が発生する。そのため、ハードコート上に反射防止層( AR層)や防汚層を貼合した画像表示装置などの物品では、視認性が悪化する場合 や高級感が損なう場合がある。

[0011] 特に、 3波長蛍光灯下では、輝線スペクトル成分の比率が高いため干渉斑が強調 されやすい。近年、 3波長蛍光灯の普及が一般家庭で急激に進んでおり、それだけ 干渉斑の問題が重要となってきている。そのため、干渉斑が問題とされる用途では、 二軸配向ポリエステルフィルムを基材とした機能性プラスチックフィルムの使用は著し く制限される。さもなければ、干渉斑の問題を抱えたまま機能フィルムが使用されて いる。実際、基材として二軸配向ポリエステルフィルムが使われている大型平面テレ ビの分野では現在、搭載されて!/、るほとんどの反射防止フィルムで干渉斑が観察さ れる。

[0012] 一方、ハードコート層表面に、高屈折率層/低屈折率層、あるいは高屈折率層/ 中屈折率層/低屈折率層から構成される反射防止層を積層する場合、ハードコート 層を高屈折率化することにより、反射防止層から高屈折率層を省略することができる 。その結果、反射防止フィルムの製造において大幅にコストを低減することができる のである。この傾向は近年の強い低コスト化要求のためにますます広がりつつある。

[0013] 本出願人は、特許文献 1にお!/、て、フィルムの局所的な厚みのバラツキに着目し、 共重合ポリエステルとポリウレタンを主成分とする固形分のコート厚さ 0. lg/m2の易 接着層を有するフィルムを製造した後、該フィルムにカレンダー処理を行ってフィルム の局所的な厚みのバラツキを小さくすることによって基材フィルム厚さバラツキによる 干渉縞を低減した積層ポリエステルフィルムを開示した。しかし、屈折率が 1. 58以上 、 1. 65以下のハードコート層を積層した場合、優れた密着性を有するものの、前記 干渉斑は目立つものであった。

[0014] 本出願人は、特許文献 2において、二軸配向ポリエチレンテレフタレートからなる基 材フィルム上に、特異な相分離構造を有する共重合ポリエステルとポリウレタン、およ び適度な粒径の無機粒子を添加した樹脂組成物層を設け、光学用基材フィルムとし て極めて重要な特性である透明性を維持しつつ、光学的機能層との密着性が高度 に優れた積層ポリエステルフィルムを提案し、樹脂組成物層の厚さ 20〜120nmの例 を提案した。しかし、屈折率が 1. 58以上、 1. 65以下のハードコート層を積層した場 合、優れた密着性を有するものの、前記干渉斑は目立つものであった。

[0015] さらに、特許文献 3において、少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステルフィル ムの少なくとも片面に、金属元素を有する有機化合物を 2種類以上含有する塗布層 を有する積層ポリエステルフィルムが開示されており、 2種類の金属元素を有する有 機化合物としてチタントリエタノールアミネートとチタンラタテートが例示されている。

[0016] また、本出願人は、特許文献 4において、二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくと も片面に、水性ポリエステル樹脂と、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタ ンァシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコ ユウムァシレート化合物からなる塗布層を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを開 示している。

[0017] ハードコート層の屈折率を二軸配向ポリエステルフィルムと同等にした場合、干渉 斑低減の観点からは二軸配向ポリエステルフィルムとハードコート層の間に樹脂組成 物層を設けずにハードコート層と二軸配向ポリエステルフィルムを光学的に一体化さ せ、該両層間の反射光を実質的に無くすことが理想的である。し力もながら前述のよ うに二軸配向ポリエステルフィルム上に直接ハードコート層を設けた場合、実用的な 密着力は得られない。すなわち、高屈折率タイプのハードコートが積層された光学用 基材フィルムにおいて、干渉斑が目立たず、十分な密着性を有するものはなかった のである。さらに、ハードコート層が積層され、反対面に粘着剤層が積層された光学 用基材フィルムにおいて、ハードコート層側、粘着剤層側共に干渉斑が目立たず、 十分な密着性を有するものは未だ存在しなかった。

特許文献 1 :特開 2001— 71439号公報

特許文献 2:国際公開第 2006/57382号パンフレット

特許文献 3:特開 2006— 76292号公報

特許文献 4:特許第 3632044号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0018] 本発明の目的は、高屈折率のハードコート層を積層した場合、さらに反対面に粘着 剤層を積層した場合に、干渉斑が目立たず、かつ、密着性に優れるハードコートフィ ルムを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0019] 前記の課題は、以下の解決手段により達成することができる。

すなわち、本発明のハードコートフィルムにおける第 1の発明は、熱可塑性樹脂か らなる基材フイルム、前記基材フィルムの表面上に直接積層されたハードコート層、 ならびに、基材フィルムとハードコート層との境界領域に点在する有機無機複合体 を有するハードコートフィルムであって、有機無機複合体は、ポリエステル樹脂、ゥ レタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも 1種の中に無機粒子が埋め込まれ た構造をもち、ハードコート層の屈折率が 1. 58〜; 1. 65であることを特徴とするハー ドコートフィルムある。

[0020] 第 2の発明は、前記有機無機複合体が、共重合ポリエステル及びポリウレタンを 含む混合樹脂の中に無機粒子が埋め込まれた構造をもつ、前記ハードコートフィノレ ムである。

[0021] 第 3の発明は、ハードコート層とは反対側の基材フィルムの表面上に、ポリエステル 樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の少なくとも 1種を含む塗布層をさらに有する、前 記ハードコートフィルムである。

[0022] 第 4の発明は、ハードコート層とは反対側の基材フィルムの表面上に塗布層を有し 、該塗布層は、水性ポリエステル樹脂とチタンラタテート化合物とチタントリエタノール アミネート化合物とを含有する塗布液を塗布、乾燥してなる、前記ハードコートフィノレ ムである。

[0023] 第 5の発明は、塗布液に含まれる水性ポリエステル樹脂の質量を (A)、チタンラクテ ート化合物の質量を(B)、および、チタントリエタノールアミネート化合物の質量を(C )とするとき、 (A) /[ (B) + (C) ]が 50/50〜80/20であり、かつ、 (B) / (C)が 35 /65〜65/35である、前記ハードコートフィルムである。

[0024] 第 6の発明は、ハードコート層が硬化型樹脂に無機微粒子が分散している構造をも ち、ハードコート層における無機微粒子の含有量が 20〜80質量%である前記ハー ドコートフィルムである。

[0025] 第 7の発明は、基材フィルム内には粒子が存在しないか、または基材フィルム内の 粒子の含有量が 50ppm以下である、前記ハードコートフィルムである。

[0026] 第 8の発明は、有機無機複合体における無機粒子がシリカ粒子である前記ハー ドコートフィルムである。

[0027] 第 9の発明は、前記ハードコートフィルムのハードコート層の上に、反射防止層また は防汚層が積層された光学機能性フィルムである。

発明の効果

[0028] 本発明では、基材フィルムとハードコート層との間に中間層を設けるという従来の技 術指針を覆し、基材フィルムとハードコート層とを基本的には直接に積層させ、その 境界領域に所定構造の複合体を点在させることによって、実用的な密着性と干渉斑 の低減とを両立させることができた。

発明を実施するための最良の形態

[0029] 本発明において、課題に記載された、密着性と干渉斑の定義について、まず説明 する。

[0030] (密着性の評価)

ハードコート層と基材フィルムとの間の密着性は、ハードコート層に粘着テープを貼 付してそれを剥がすことによる碁盤目剥離試験によって評価することができる。具体 的な評価手順は実施例の欄にて詳述する。本発明では、碁盤目剥離試験において 下記式で表される密着性の値が好ましくは 80%以上であり、より好ましくは 85%以上 であり、特に好ましくは 90%以上である。

密着性(%) = (1—升目の剥がれた個数/ 100個) X 100

[0031] 粘着剤層が存在する場合に、該粘着剤層の密着性は、 SUS板を用いる JIS— Z— 0237に規定される引き剥がし試験によって評価される。具体的な評価手法は実施 例の欄において詳述する。

[0032] (干渉斑の評価)

本発明では、ハードコート側の干渉斑は、積層フィルムの粘着剤層面に、黒色光沢 テープを貼り合わせ、これをハードコート面を上面にして、三波長形昼白色蛍光灯を 光源として、斜め上方より反射光を目視で観察した際、目視で観察できる干渉斑 (虹 彩状色彩)を指し、その具体的な評価手法は実施例の欄において詳述する。

[0033] 粘着剤層側の干渉斑は、積層フィルムのハードコート面に、黒色光沢テープを貼り 合わせ、これを粘着剤層面を上面にして、三波長形昼白色蛍光灯を光源として、斜 め上方より反射光を目視で観察した際、目視で観察できる干渉斑 (虹彩状色彩)を指 し、その具体的な評価手法は実施例の欄において詳述する。

[0034] 本発明のハードコートフィルムは、基材フィルムの表面上に直接にハードコート層が 形成されていることを特徴とする。すなわち、透過型電子顕微鏡 (TEM)を用いて、 倍率 5万倍から 20万倍で撮影すると、基材フィルムとハードコート層の界面には樹脂 組成物層が観察されない。そして、基材フィルムとハードコート層との境界領域に後 述する有機無機複合体が点在していることが観察される。前記境界領域は、基材 フィルムとハードコート層との界面近傍と言い換えることもできる。このような構成によ つて、十分な密着性と干渉斑の低減とが達成されることが本発明における新知見で ある。

[0035] (1)基材フィルム

まず、本発明で用いる基材フィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレー ト(以下、 PETと略称する)を代表例にして概要を説明する力 S、当然この代表例に限 定されるものではない。

[0036] 易滑性付与を目的とした粒子を実質的に含有していない PETのペレットを十分に 真空乾燥した後、押出し機に供給し、 270〜295°Cでシート状に溶融押出しし、冷却 固化せしめて未配向 PETシートを製膜する。この際、溶融樹脂が 270〜295°Cに保 たれた溶融押出し工程の任意の場所で、該溶融樹脂中に含まれる異物を除去する ために高精度濾過を行う。得られた未配向シートを、 80〜120°Cに加熱したロール で長手方向に 2. 5〜5. 0倍延伸して、一軸配向 PETフィルムを得る。

[0037] その後、一軸配向 PETフィルムの片面、若しくは両面に、後述のように塗布液を塗 布する。塗布液を塗布するには例えば、リバースロール 'コート法、グラビア 'コート法 、キス.コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤ 一バーバーコート法、パイプドクター法、含浸 ·コート法およびカーテン ·コート法など が挙げられ、これらの方法を単独である!/、は組み合わせて行うことができる。

[0038] 次いで、フィルムの両端部をクリップで把持して、 80〜; 180°Cに加熱された熱風ゾ ーンに導き、乾燥後幅方向に 2· 5〜5· 0倍に延伸する。引き続き 220〜240°Cの熱 処理ゾーンに導き、;!〜 20秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。この熱処 理工程中で、必要に応じて、幅方向あるいは長手方向に 1〜; 12%の弛緩処理を施し てもよい。

[0039] 本発明で用いる基材フィルムとしては、熱可塑性樹脂を溶融押出し、または溶液押 出して得た未配向シートを、必要に応じ、長手方向または幅方向の一軸方向に延伸 し、あるいは二軸方向に逐次二軸延伸または同時二軸延伸し、熱固定処理を施した 、二軸配向熱可塑性樹脂フィルムが好適である。

[0040] また、基材フィルムは、本発明の目的を損なわない範囲で、前記のフィルムに、コロ ナ放電処理、グロ一放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、ォゾ ン処理などの表面活性化処理を施してもよ!/、。

[0041] 本発明で用いる基材フィルムの厚さは、 30〜300 111の範囲で、使用する用途の 規格に応じて任意に決めることができる。基材フィルムの厚みの上限は、 250 111カ 好ましぐ特に好ましくは 200 mである。一方、フィルム厚みの下限は、 50 111カ子 ましぐ特に好ましくは 75 mである。フィルム厚みが 50 m未満では、剛性や機械 的強度が不十分となりやすい。一方、フィルム厚みが 300 mを超えると、フィルム中 に存在する異物の絶対量が増加するため、光学欠点となる頻度が高くなる。また、フ イルムを所定の幅に切断する際のスリット性も悪化し、製造コストが高くなる。さらに、 剛性が強くなるため、長尺のフィルムをロール状に巻き取ることが困難になりやすい。

[0042] 熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、 ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン 2, 6 ナフタレート、シンジオタクチックポ リスチレン、ノルボルネン系ポリマー、ポリカーボネート、ポリアリレートなどが好適であ る。また、ポリエステルやポリアミドのような極性官能基を有する樹脂は、密着性改質 層との密着性の点から好ましい。

[0043] 中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン 2, 6 ナフタレート、ポリブチレ ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートまたはこれらの樹脂の構成成分を主成 分とする共重合体がさらに好適であり、とりわけポリエチレンテレフタレートから形成さ れたニ軸配向フィルムが特に好適である。

[0044] 例えば、基材フィルムを形成する樹脂として、ポリエチレンテレフタレートを基本骨 格とするポリエステル共重合体を用いる場合、共重合成分の比率は 20モル%未満と すること力 S好ましい。 20モル%以上ではフィルム強度、透明性、耐熱性が劣る場合が ある。共重合成分として用いることができるジカルボン酸成分としては、アジピン酸、 セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、及び 2 , 6 ナフタレ ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリロット酸等の多 官能カルボン酸等が例示される。また、共重合成分として用いることができるグリコー ノレ成分としては、ジエチレングリコール、 1 , 4 ブタンジオール、プロピレングリコール 及びネオペンチルグリコール等の脂肪酸ダリコール; p キシレングリコール等の芳香 族グリコール; 1 , 4ーシクロへキサンジメタノール等の脂環族グリコール;平均分子量 力 S 150〜20000のポリエチレングリコール等が例示される。

[0045] また、前記の熱可塑性樹脂には、本発明の効果を妨げない範囲で、触媒以外に各 種の添加剤を含有させることができる。添加剤として、例えば、無機粒子、耐熱性高 分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤 、紫外線吸収剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活 性剤等が挙げられる。

[0046] 前記の粒子は、基材フィルムの製造時、ロール状に巻き取る際、あるいは巻き出す 際のハンドリング性(滑り性、走行性、ブロッキング性、巻き取り時の随伴空気の空気 抜け性など)の点からは、フィルム表面に適度な表面凹凸を付与するために用いられ

[0047] 無機粒子としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、非晶性シリカ、結晶性のガ ラスフィラー、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、シリカ一アルミナ複合酸化物 粒子、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼォライト、硫化モリブデン、 マイ力などが挙げられる。また、耐熱性高分子粒子としては、架橋ポリスチレン粒子、 架橋アクリル系樹脂粒子、架橋メタクリル酸メチル系粒子、ベンゾグアナミン'ホルム アルデヒド縮合物粒子、メラミン ·ホルムアルデヒド縮合物粒子、ポリテトラフルォロェ チレン粒子などが挙げられる。

[0048] 基材フィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合、前記の粒子の中でも、シリカ 粒子が、ポリエステル樹脂と屈折率が比較的近く高い透明性が得やすいため、透明 性が強く要求される用途では最も好適である。一方、隠蔽性が要求される用途では、 酸化チタンのような白色顔料が好適である。また、基材フィルム中に含有させる粒子 は 1種類でも複数併用してもよレ、。

[0049] 前記の粒子の種類、平均粒径、添加量は、透明性とハンドリング性とのバランスの 点から、平均粒径は 0. 01〜2 111、フィルム中の粒子含有量は 0. 01— 5. 0質量0 /0 の範囲でフィルムの用途に応じて決めればよ!/、。

[0050] また、本発明で用いる密着性改質基材フィルムを透明性が高度に要求される用途 に使用する場合、基材フィルム中には、透明性を低下させる原因となる粒子を実質 的に含有させなレ、ことが好まし!/、。

[0051] 前記の「粒子を実質的に含有させな V、」とは、例えば無機粒子の場合、ケィ光 X線 分析で無機元素を定量した場合に 50ppm以下、好ましくは lOppm以下、最も好まし くは検出限界以下となる含有量を意味する。これは積極的に粒子を基材フィルム中 に添加させなくても、外来異物由来のコンタミ成分や、原料樹脂あるいはフィルムの 製造工程におけるラインや装置に付着した汚れが剥離して、フィルム中に混入する 場合があるためである。

[0052] また、本発明で使用する基材フィルムの層構成は単層でもよいし、単層では得られ ない機能を付与した積層構造とすることもできる。積層構造とする場合には、共押出 法が好適である。

[0053] 基材フィルムの原料としてポリエステルを用いた場合を代表例として、基材フィルム の製造方法について、以下で詳しく説明する。

[0054] フィルム原料として用いるポリエステルペレットの固有粘度は、 0. 45—0. 70dl/g の範囲が好ましい。固有粘度が 0. 45dl/g未満であると、フィルム製造時に破断が

多発しやすくなる。一方、固有粘度が 0. 70dl/gを超えると、濾圧上昇が大きぐ高 精度濾過が困難となり、生産性が低下しやすくなる。なお、ポリエステルの固有粘度 は、ポリエステルをフエノール(6質量部)と、 1,1,2,2—テトラクロルェタン(4質量部) の混合溶媒に溶解し、 30°Cで測定することができる。

[0055] また、本発明のハードコートフィルム、あるいは該フィルムを用いた光学機能性フィ ルムにおいて、光学欠点の原因となる、原料のポリエステル中に含まれている異物を 除去することが好ましい。ポリエステル中の異物を除去するために、溶融押出しの際 に溶融樹脂が 270〜295°Cに保たれた任意の場所で、高精度濾過を行うことが好ま しい。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は、特に限定はされないが、ステンレ ス焼結体の濾材の場合、 Si、 Ti、 Sb、 Ge、 Cuを主成分とする凝集物及び高融点有 機物の除去性能に優れ好適である。

[0056] 溶融樹脂の高精度濾過に用いる濾材の濾過粒子サイズ (初期濾過効率 95%)は、

15 111以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズが 15 mを超えると、 20 m以上の 異物の除去が不十分となりやすい。濾過粒子サイズ (初期濾過効率 95%)が Ι δ ^ ιη 以下の濾材を使用して溶融樹脂の高精度濾過を行うことにより生産性が低下する場 合があるが、光学欠点の少ないフィルムを得るには極めて重要である。

[0057] 溶融樹脂の押出し工程において、濾材を通過する微細な異物であっても、シート状 溶融物の冷却工程において異物の周囲で結晶化が進み、これが配向工程において 配向の不均一性を引き起こし、微小な厚みの差異を生じせしめレンズ状態となる箇 所が生じる。ここでは、レンズがあるかの様に光が屈折または散乱し、肉眼で観察し た時には実際の異物より大きく見えるようになる。この微小な厚みの差は、凸部の高さ と凹部の深さの差として観測することができ、凸部の高さが 1 m以上で、凸部に隣 接する凹部の深さが 0· 5 m以上であると、レンズ効果により、大きさが 20 mの形 状の物でも肉眼的には 50 ,1 m以上の大きさとして認識され、さらには 100 ,1 m以上 の大きさの光学欠点として認識される場合もある。

[0058] 高透明なフィルムを得るためには、基材フィルム中に粒子を含有させないことが好 ましいが、粒子含有量が少なく透明性が高いほど、微小な凹凸による光学欠点はより 鮮明となる傾向にある。また、厚手のフィルムの表面は薄手のフィルムより急冷となり

にくぐ結晶化が進む傾向にあるため、未配向シート製造時にフィルム全体を急冷す ることが必要となる。未配向シートを冷却する方法としては、溶融樹脂を回転冷却ドラ ム上にダイスのスリット部からシート状に押し出し、シート状溶融物を回転冷却ドラム に密着させながら、急冷してシートとする方法が好適である。この未配向シートのエア 面(冷却ドラムと接触する面との反対面)を冷却する方法としては、高速気流を吹きつ けて冷却する方法が有効である。

[0059] (2)有機無機複合体 (以下、単に「複合体」とも表記する。 )

本発明で用いる複合体はポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ば れる少なくとも 1種の樹脂を含む樹脂組成物中に無機粒子が埋め込まれた構造をも つ。

[0060] 前記複合体は、例えば、本発明のハードコートフィルムの超薄切片を作成し、透過 型電子顕微鏡 (TEM)を用いて、倍率 5万倍から 20万倍で観察することにより、基材 フィルムとハードコート層との境界領域に存在することが確認できる。前記複合体は、 無機粒子がポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも 1 種の樹脂組成物に埋め込まれた構造を有する。 TEM観察像では、電子密度に応じ てコントラストの濃淡が観察できる。無機粒子は電子密度が高ぐ濃く見えるのに対し て、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれる樹脂組成物は電子 密度が低ぐ淡く見える。そのため、前記複合体は、基材フィルムと同等、もくしは基 材フィルムより淡く観察される樹脂組成物が、濃く観察される無機粒子の周囲を囲む ような構造物として観察される。本発明では、ひとつの独立した複合体は、ひとつの 無機粒子、もしくはひとつの無機粒子凝集体を含んでなることが好ましい形態である

[0061] 有機無機複合体に含まれるポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選 ばれる少なくとも 1種の樹脂組成物を、透過型電子顕微鏡 (TEM)により観察する場 合は、ルテニウム染色、ォスニゥム染色、リンタングステン酸染色などの染色処理を行 うことが好ましい。特に、ルテニウム染色は、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂を好適に 染色すること力 Sできる。有機無機複合体の各構成は上記染色による染色像により 判別することできる。また、局所元素分析(SEM/EDXなど)によっても、有機一無 機複合体の各構成は好適に判別することができる。

[0062] 前記複合体は、基材フィルムとハードコート層との境界領域に存在する。境界領域 とは、基材フィルムとハードコート層との界面近傍をいう。本発明のハードコートフィル ムを TEMにより観察した場合、基材フィルムとハードコート層とが接してなる境界に、 前記複合体が観察される。個々の前記複合体は、基材フィルムとハードコート層の両 方に接して存在することが望ましレ、。

[0063] 前記複合体は、基材フィルムとハードコート層との境界領域に点在している。複合 体が点在しているというのは、本発明のハードコートフィルムを TEMにより観察した場 合、複数の複合体が全部つながっているのではなぐ離散的に存在していることを意 味する。すなわち、無機粒子が樹脂組成物に囲まれてなる複合体力、個々独立的に 存在しており、基材フィルムとハードコート層との間に複数の無機粒子が樹脂組成物 により連続的につながった構造をしていない。連続的につながった構造とは、基材フ イルムとハードコート層との境界に有機物が樹脂組成物層として認められる状態をい う。本発明では、倍率 5万倍から 20万倍の透過型電子顕微鏡 (TEM)を用いて観察 した場合、ハードコートフィルムの基材フィルムとハードコート層との境界には、有機 無機複合体の構成成分であるポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から 選ばれる少なくとも 1種からなる樹脂の樹脂組成層が観察されないことが重要である 。ここで、樹脂組成層が観察されないとは、倍率 5万倍から 20万倍の透過型電子顕 微鏡 (TEM)を用いて観察した場合、境界領域の樹脂の層の厚みが観察限界以下 で、樹脂組成層を設けない基材フィルムと同等に観察される状態をいい、具体的に はハードコート層と基材層との境界が 10nm以下、好ましくは 5nm以下であることをい う。これは、染色時のアーティファクトなどによりハードコート層と基材層との境界に染 色剤の沈着が観察される場合があるためである。境界領域で隣接する 2個の複合体 間の距離については、特に限定しないが、 100〜; !OOOnmの距離を有することが望 ましい。

[0064] この複合体の好適な製法として、以下に詳述するように、複合体を構成する樹脂と 無機粒子とを含む塗布液を基材フィルム上にごく薄く塗布 '乾燥し、しかる後に、ハー ドコート層を形成するための硬化型樹脂からなるハードコート剤を塗布 '乾燥する方 法が挙げられる。この製法によれば、複合体を構成する樹脂は、少なくとも部分的に は、ハードコート層を形成するためのハードコート剤によって膨潤し、そしてハードコ ート層の樹脂と一体化する。その結果、上述の無機粒子が存在しない領域では塗布 層は TEM観察によっても存在が見出せない程度にハードコート層の樹脂と一体化 する。すなわち、倍率 5万倍から 20万倍の透過型電子顕微鏡 (TEM)を用いて観察 した場合、境界領域の樹脂組成層の厚みが観察限界以下である。

なお、本明細書では、有機無機複合体を得るための塗布液を「塗布液(1)」と定 義する。一方、ハードコート層とは反対側の基材フィルムの表面上に塗布層を形成す るために塗布される塗布液を「塗布液(2)」と定義して、両塗布液を区別する。

[0065] 一方、上述の無機粒子の周囲には複合体を構成する樹脂が残存することになり、 結果的に、基材フィルムとハードコート層との間に複合体が埋め込まれるような構造 になる。従来技術では基材フィルムとハードコート層とを接着させるための独立した「 層」を設けていたのに対して、本発明では発想を全く変えて、複合体を点在させるこ とによって基材フィルムとハードコート層とを接着させた。このことによって、十分な密 着性を維持しつつも干渉班を著しく低減することができた。

[0066] なお、以下の説明において、ハードコート層をもうける前の基材フィルムの上に存在 する、複合体を構成する樹脂と無機粒子とを含む塗布層を密着性改質層と表記する 場合があり、さらに、基材フィルム上に密着性改質層を設けたフィルムを密着性改質 基材フィルムと表記する場合がある。このように、ハードコート層を設けることにより密 着性改質層が所定倍率において確認できなくなるような密着性改質基材フィルムも また本発明に包含される。密着性改質層を構成する樹脂組成、すなわち有機無機 複合体を構成する樹脂組成は、例えば、密着性改質基材フィルムの塗布表面や、ハ ードコート層/基材フィルム界面を赤外分光などより分析することで特定することがで きる。

[0067] ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂は、基材フィルムおよびハードコート 層の両方に対して密着性を有し、ハードコート剤に含まれる有機溶剤に適度に膨潤 する。上述の樹脂は単独で用いてもよいし、異なる 2種の樹脂、例えば、ポリエステル 樹脂とウレタン樹脂、ポリエステル樹脂とアクリル樹脂、あるいはウレタン樹脂とアタリ ル樹脂を組み合わせて用いてもょレ、。

[0068] 中でも、基材となる基材フィルムがポリエステル系基材フィルムの場合、ハードコート 層との密着性の点、及び、前記膨潤性の観点から、複合体を構成する主な樹脂成分 として、共重合ポリエステル及びポリウレタンを含有していることが好ましい。共重合ポ リエステル単独では、ポリエステル系基材フィルムとの密着性は十分である力無機 微粒子を含有し得るハードコート層との密着性に劣る場合がある。また、比較的脆い 樹脂であるため、カッティング時の衝撃に対し凝集破壊を発生しやすレ、。

[0069] 一方、ポリウレタン単独では、無機微粒子を含有し得るハードコート層との密着性に は比較的優れる。し力もながら、ポリエステル系基材フィルムとの密着性に劣る。さら に、密着性改質基材フィルムをロール状に巻き取る際の耐ブロッキング性に劣る。そ のため、ポリウレタン単独からなる密着性改質層を有する密着性改質基材フィルムを 用いて製造された、ハードコートフィルムや光学機能性フィルムは、品位が著しく低下 する。

[0070] このような問題を避けるために、基材フィルムにおいて多量に粒子を含有させる、複 合体に粒径の大きな粒子を含有させる、あるいは複合体を構成する粒子の含有量を 増加させることなどが必要になる。その結果、フィルムのヘーズが上昇するため、特に 透明性の要求が強いハードコートフィルムや光学機能性フィルムの基材フィルムとし て好ましくない。

[0071] 適切な粒径の無機粒子を含有する複合体が存在することによって、基材フィルムと ハードコート層との境界領域に適切な凹凸を形成され、その結果、滑り性、巻き取り 性、耐スクラッチ性を付与することができる。このため、基材フィルム中に微粒子を含 有させる必要がなぐ高透明性を保持することができる。

[0072] また、これらポリエステル樹脂を水系塗液として用いる場合には、水溶性あるいは水 分散性のポリエステル樹脂が用いられる力 S、このような水溶性化あるいは水分散化の ためには、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合 させることが好ましい。次に複合体が共重合ポリエステル及びポリウレタンを主成分と して含有する場合について詳しく説明する。

[0073] 共重合ポリエステル及びポリウレタンを含む樹脂、水及びアルコールを含む分散媒 、界面活性剤を主たる構成成分とする水性塗布液(1)を、走行する熱可塑性樹脂フ イルムの片面または両面に連続的に塗布する塗布工程、塗布層を乾燥する乾燥ェ 程、次いで少なくとも一軸方向に延伸する延伸工程、さらに延伸されたフィルムを熱 固定処理する熱固定処理工程を経て連続的に形成させて、密着性改質層を設けた 密着性改質基材フィルムを製造する。また、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、ォ キサゾリン系架橋剤から選ばれる少なくとも一種の架橋剤を塗布液(1)に混合し、熱 処理することで、適度な架橋構造を形成させてもよい。

[0074] (塗布液(1)の調合工程)

本発明において、塗布法を用いる場合、塗布液(1)に用いる材料は、樹脂及び分 散媒あるいは溶媒である。本発明において、塗布液(1)は、水性であることが好まし い。また、本発明では、樹脂成分以外に、粒子及び界面活性剤を併用することが好 ましい。さらに、必要に応じて、帯電防止剤、紫外線吸収剤、有機潤滑剤、抗菌剤、 光酸化触媒などの添加剤を用いることができる。

[0075] また、塗布液(1)には、樹脂の熱架橋反応を促進させるため、触媒を添加しても良 ぐ例えば、無機物質、塩類、有機物質、アル力 y性物質、酸性物質および含金属有 機化合物等、種々の化学物質が用いることができる。また、水溶液の pHを調節する ために、アルカリ性物質あるいは酸性物質を添加してもよい。塗布液(1)は、分散媒 あるいは溶媒中に、撹拌下、樹脂を分散化または溶解し、次いで、粒子、界面活性 剤のほかに、必要に応じて各種添加剤を併用し、所望する固形分濃度にまで希釈し て調整する。

[0076] また、塗布液(1)の樹脂成分及び粒子を均一に分散させるため、さらに粗大な粒子 凝集物及び工程内埃等の異物を除去するために、塗布液(1)を精密濾過することが 好ましい。

[0077] 塗布液(1)を精密濾過するための濾材のタイプは、前記の性能を有して V、れば特 に限定はなぐ例えば、フィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられる。塗布液( 1)を精密濾過するための濾材の材質は、前記の性能を有しかつ塗布液(1)に悪影 響を及ばさない限り特に限定はなぐ例えば、ステンレス、ポリエチレン、ポリプロピレ ン、ナイロン等が挙げられる。

[0078] 塗布液(1)を精密濾過するための濾材は、濾過粒子サイズ (初期濾過効率: 95%) 力 ¾5 m以下の濾材が好ましぐさらに好ましくは濾過性能 10 m以下の濾材であ る。最も好ましくは、濾過性能の異なるフィルターを組み合わせて用いる方法である。 濾過粒子サイズが 25 mを超える濾材を用いた場合、粗大凝集物の除去が不十分 となりやすい。そのため、濾過で除去できな力、つた粗大凝集物は、塗布乾燥後の一 軸配向または二軸配向工程での配向応力により広がって、 100 m以上の凝集物と して認識され、光学欠点の原因となりやすい。

(a)樹脂

本発明において、複合体を構成する樹脂として、共重合ポリエステル (PEs)とポリウ レタン (PU)を用いるのが密着性の観点から好ましい。この場合、塗布液(1)中の共 重合ポリエステル(PEs)とポリウレタン (PU)の固形分基準の質量比は、 (PEs) / (P U) = 70/30〜30/70カ好ましく、特に好ましく (ま 60/40〜40/60である。なお 、複合体の樹脂は、前記の共重合ポリエステルとポリウレタン以外の第 3の樹脂を併 用することもできる。また、架橋剤を併用しても力、まわない。

[0079] (共重合ポリエステル)

例えば、複合体に共重合ポリエステル用いる場合、芳香族ジカルボン酸成分と、グ リコール成分としてエチレングリコールと分岐状グリコールを構成成分とすることが好 ましい。前記の分岐状グリコールとは、例えば、 2, 2 ジメチルー 1 , 3 プロパンジ オール、 2 メチルー 2 ェチルー 1 , 3 プロパンジオール、 2 メチルー 2 ブチ ノレ 1 , 3 プロパンジオール、 2 メチルー 2 プロピル 1 , 3 プロパンジオール 、 2 メチルー 2 イソプロピル 1 , 3 プロパンジオール、 2 メチノレー 2— n へキ シノレー 1 , 3 プロパンジオール、 2, 2 ジェチルー 1 , 3 プロパンジオール、 2— ェチルー 2— n ブチルー 1 , 3 プロパンジォーノレ、 2 ェチノレー 2— n へキシノレ 1 , 3 プロパンジオール、 2, 2 ジー n ブチノレー 1 , 3 プロパンジオール、 2— n ブチノレー 2 プロピノレー 1 , 3 プロパンジオール、及び 2, 2 ジー n へキシル —1 , 3—プロパンジオールなどが挙げられる。

[0080] 分岐状グリコール成分のモル比は、全グリコール成分に対し、下限が 10モル%で あること力 S好ましく、特に好ましくは 20モル%である。一方、上限は 80モル%であるこ と力 S好ましく、さらに好ましくは 70モル0 /0、特に好ましくは 60モル%である。また、必 要に応じて、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、へキサン ジオールまたは 1 , 4ーシクロへキサンジメタノールなどを併用してもよい。

[0081] 芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸またはイソフタル酸が最も好ましい 。全ジカルボン酸成分に対し、 10モル%以下の範囲で、他の芳香族ジカルボン酸、 特に、ジフエ二ルカルボン酸及び 2, 6—ナルタレンジカルボン酸などの芳香族ジカ ルボン酸を加えて共重合させてもょレ、。

[0082] 複合体を構成する共重合ポリエステルとしては、水溶性または水分散が可能な樹 脂を使用することが好ましい。そのために、前記のジカルボン酸成分の他に、ポリエス テルに水分散性を付与させるため、 5—スルホイソフタル酸そのアルカリ金属塩を 1〜 10モル0 /0の範囲で使用するのが好ましぐ例えば、スルホテレフタル酸、 5—スルホ イソフタル酸、 4—スルホナフタレンイソフタル酸一 2, 7—ジカルボン酸および 5— (4 ースルホフエノキシ)イソフタル酸またはそのアルカリ金属塩を挙げることができる。

[0083] (ポリウレタン)

複合体が含み得るポリウレタンは、好ましくは水溶性または水分散が可能な樹脂で ある。例えば、ブロック型イソシァネート基を含有する樹脂であって、末端イソシァネ 一ト基を親水性基で封鎖(以下、ブロックと略す)した、熱反応型の水溶性ウレタンな どが挙げられる。

[0084] イソシァネート基のブロック化剤としては、重亜硫酸塩類及びスルホン酸基を含有し たフエノール類、アルコール類、ラタタム類、ォキシム類、または活性メチレン化合物 類等が挙げられる。ブロック化されたイソシァネート基はウレタンプレボリマーを親水 化あるいは水溶化する。フィルム製造時の乾燥工程あるいは熱固定処理工程で、前 記の樹脂に熱エネルギーが与えられると、ブロック化剤がイソシァネート基からはず れるため、前記の樹脂は自己架橋した編み目に混合した水分散性共重合ポリエステ ルを固定化するとともに、前記の樹脂の末端基等とも反応する。塗布液(1)調整中の 樹脂は親水性であるため耐水性が悪いが、塗布、乾燥、熱セットして熱反応が完了 すると、ウレタン樹脂の親水基すなわちブロック化剤がはずれるため、耐水性が良好 な塗膜が得られる。

[0085] 前記ブロック化剤の中でも、フィルム製造工程における熱処理温度、熱処理時間で イソシァネート基からはずれ易い点、及び工業的に入手可能な点から、重亜硫酸塩 類が最も好ましい。前記ポリウレタン系樹脂において使用される、ウレタンプレボリマ 一としては、(1)分子内に少なくとも 2個の活性水素原子を有する分子量が 200〜20 , 000の化合物、(2)分子内に 2個以上のイソシァネート基を有する有機ポリイソシァ ネート、さらに必要により、(3)分子内に少なくとも 2個の活性水素原子を有する鎖伸 長剤を反応せしめて得られる、末端イソシァネート基を有する化合物が挙げられる。

[0086] 前記(1)の分子内に少なくとも 2個の活性水素原子を有する分子量が 200〜20, 0 00の化合物として一般に知られているのは、末端又は分子中に 2個以上のヒドロキシ ル基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を含むものであり、特に好ましい 化合物としては、主として直鎖状あるいは分岐状のポリエーテルポリオールおよびポ リエステルポリオール等が挙げられる。また、ポリエーテルポリオールとしては、例えば 、エチレンォキシド、プロピレンォキシド等のアルキレンォキシド類を重合して得られ る化合物、あるいはスチレンォキシド、ェピクロルヒドリン等を重合して得られる化合物 、あるいはそれらのランダム重合、ブロック重合あるいは多価アルコールへの付加重 合を行って得られる化合物が挙げられる。

[0087] ポリエステルポリオールは、コハク酸、アジピン酸、フタル酸及び無水マレイン酸等 の多価の飽和あるいは不飽和カルボン酸、あるいは該カルボン酸無水物等と、ェチ レングリコーノレ、ジエチレングリコーノレ、 1 , 4—ブタンジォーノレ、ネオペンチノレグリコ ール、 1 , 6—へキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の多価の飽和及び不 飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエチレングリコールおよびポリプロピレ ングリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール類、ある!/ヽはそれらアルコール類 の混合物とを縮合することにより得ることができる。

[0088] さらに、ポリエステルポリオールとしては、ラタトン及びヒドロキシ酸から得られるポリ エステル類が挙げられる。また、あらかじめ製造されたポリエステル類にエチレンォキ シドあるいはプロピレンォキシド等を付加せしめたポリエーテルエステルポリオール類 を使用すること力できる。

[0089] 前記(2)の有機ポリイソシァネートとしては、トルイレンジイソシァネートの異性体類

、 4, 4ージフエニルメタンジイソシァネート等の芳香族ジイソシァネート類、キシリレン ジイソシァネート等の芳香族脂肪族ジイソシァネート類、イソホロンジイソシァネート及 び 4, 4—ジシクロへキシルメタンジイソシァネート等の脂環式ジイソシァネート類、へ キサメチレンジイソシァネートおよび 2, 2, 4 トリメチルへキサメチレンジイソシァネ ート等の脂肪族ジイソシァネート類、あるいは 1種以上のこれらの化合物をトリメチロ ールプロパン等に付加させて得られるポリイソシァネート類が挙げられる。

[0090] 前記(3)の分子内に少なくとも 2個の活性水素原子を有する鎖伸長剤としては、ェ チレングリコール、ジエチレングリコール、 1, 4 ブタンジオール、及び 1, 6—へキサ ンジオール等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリス リトール等の多価アルコール類、エチレンジァミン、へキサメチレンジァミン、およびピ ペラジン等のジァミン類、モノエタノールァミンおよびジエタノールァミン等のアミノア ルコール類、チオジェチレンダルコール等のチォジグリコール類、あるいは水が挙げ られる。

[0091] ウレタンプレボリマーを合成するには、通常、前記(1)と前記(2)と、さらに必要に応 じて前記(3)を用いた一段式ある!/、は多段式イソシァネート重付加方法により、 150 °C以下、好ましくは 70〜120°Cの温度において、 5分ないし数時間反応させる。前記 (1)および前記(3)の活性水素原子に対する前記(2)のイソシァネート基(の比は、 1 以上であれば自由に選べるが、得られるウレタンプレポリマー中に遊離のイソシァネ ート基が残存することが必要である。さらに、遊離のイソシァネート基の含有量は、得 られるウレタンプレポリマーの全質量に対して 10質量%以下であればよいが、ブロッ ク化された後のウレタンポリマーの水溶液の安定性を考慮すると、 7質量%以下であ るのが好ましい。

[0092] 得られた前記のウレタンプレポリマーは、好ましくは重亜硫酸塩を用いてブロック化 を行う。重亜硫酸塩水溶液と混合し、約 5分〜 1時間、よく攪拌しながら反応を進行さ せる。反応温度は 60°C以下とするのが好ましい。その後、水で希釈して適当な濃度 にして、熱反応型水溶性ウレタン組成物とする。該組成物は使用する際、適当な濃 度および粘度に調製するが、通常 80〜200°C前後に加熱すると、ブロック剤の重亜 硫酸塩が解離し、活性なイソシァネート基が再生するために、プレボリマーの分子内 あるいは分子間で起こる重付加反応によってポリウレタン重合体が生成する、あるい は他の官能基の付加を起こす性質を有するようになる。

[0093] 前記に説明したブロック型イソシァネート基を含有する樹脂(B)の 1例としては、第 一工業製薬 (株)製の商品名エラストロンが代表的に例示される。エラストロンは、重 亜硫酸ソーダによってイソシァネート基をブロックしたものであり、分子末端に強力な 親水性を有する、力ルバモイルスルホネート基が存在するため、水溶性となっている

[0094] (アクリル樹脂)

複合体にアクリル樹脂を用いる場合の水分散性または水溶性のアクリル樹脂とは、 例えば、アタリレートおよび/またはメタタリレート樹脂、あるいは、これらと、スチレン などの不飽和二重結合を有する、アクリル樹脂と共重合可能な脂肪族化合物または 芳香族化合物との共重合体が挙げられる。ハードコート層に対する密着性の優れた 密着性改質層として親水性に優れたアクリルスチレン共重合樹脂として、乳化重 合による水分散性アクリル—スチレンランダム共重合樹脂が最も好ましい。

[0095] さらに本発明では、水分散性アクリルスチレン共重合樹脂を基材フィルムにより 強固に接着するため、該共重合樹脂以外に対し、共重合ポリエステル系樹脂を 10 90質量%併用するのが効果的である。好ましくは、水分散性スルホン酸金属塩基含 有ポリエステル共重合樹脂を水分散性アクリルスチレン共重合樹脂塗布液(1)中 に混合して、基材フィルムに塗工するのが適している。

[0096] 水分散性スルホン酸金属塩基含有ポリエステル共重合樹脂を構成するポリエステ ルの好ましい例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン 2, 6 - ナフタレート、ポリ一 1 , 4ーシクロへキサンジメチレンテレフタレートが挙げられる。力、 力、るポリエステルは、必要に応じて、 30モル%以下、好ましくは 15モル%以下の上 記酸成分またはグリコール成分を共重合したものでもよぐあるいは、このようなモル 比で、上記酸成分およびダリコール成分から得られるポリエステルとブレンドしたもの でもよい。

[0097] さらに、水分散性アクリルスチレン共重合樹脂に水分散性スルホン酸金属塩基 含有ポリエステル共重合樹脂を混合した塗布液(1)に、水分散性または水溶性のゥ

レタン樹脂、好ましくは水分散性で 3個以上の官能基を有するブロックイソシァネート 樹脂を添加することにより、水分散性アクリルスチレン共重合樹脂と水分散性スル ホン酸金属塩基含有ポリエステル共重合樹脂との架橋反応により、ハードコート層と の密着性を低下させることなぐ塗膜表面の耐ブロッキング性を向上することができる

[0098] 上述の各樹脂の使用にあたっては、上記の成分を含有する塗布液(1)を基材フィ ルムの少なくとも片面に塗工し、乾燥させることにより行われる。例えば、水分散性ァ タリルースチレン共重合樹脂、好ましくはアタリレートおよび/またはメタタリレート樹 脂とスチレンとのランダム共重合樹脂、および、水分散性ポリエステル共重合樹脂と しての水分散性スルホン酸金属塩基含有ポリエステル共重合樹脂を固形分換算で 3 : 2〜; 1: 1の質量比率で配合した樹脂を含む塗布液(1)の場合、固形分濃度は 4〜1 5質量%、粘度は 4〜60cps (B型粘度計により 25cpsで測定)である。

本発明では必要に応じてアクリル樹脂を架橋させるためにイソシァネート、エポキシ 、ォキサゾリン、メラミン等の架橋剤を用いることができる。

[0099] (b)溶媒

本発明においては、溶媒とは、樹脂を溶解する液だけではなぐ樹脂を粒子状に分 散させるために用いる分散媒も広義的に含むものである。本発明を実施するために は、有機溶媒、水性溶媒等の各種溶媒を用いることができる。

[0100] 塗布液(1)に用いる溶媒は、水と、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジノレ アルコール等のアルコール類を、全塗布液(1)に占める割合が 30〜50質量%の範 囲で混合した混合液が好ましい。さらに、 10質量%未満であれば、アルコール類以 外の有機溶媒を溶解可能な範囲で混合してもよい。ただし、塗布液(1 )中、アルコー ノレ類とその他の有機溶媒との合計は、 50質量%未満とすることが好まし!/、。

[0101] 有機溶媒の添加量が、全溶媒に対し 50質量%未満の場合、塗布乾燥時に乾燥性 が向上するとともに、水単独の場合と比較して塗布層の外観が向上するという利点が ある。有機溶媒の添加量が、全溶媒に対し 50質量%以上の場合には、溶媒の蒸発 速度が速くなり、塗布中に塗布液(1)の濃度変化が起こりやすくなる。その結果、塗 布液(1)の粘度が上昇して、塗布性が低下するために、塗布膜の外観不良を起こす

場合がある。さらに、有機溶媒の揮発により、火災などの危険性も高くなる。

[0102] (d)界面活性剤の併用

前記の水性塗布液(1)を熱可塑性樹脂フィルム(基材フィルム)の表面に塗布する 際には、該フィルムへの濡れ性を向上させ、塗布液(1)を均一に塗布するために一 般に界面活性剤が使用される。

[0103] 界面活性剤は、良好な塗布性が得られ、且つ、密着性改質層の表面や内部で適 切な相分離構造が得られるものであれば、特に種類は限定されない。界面活性剤の 中でも、微量の添加で良好な塗布性を得るにはフッ素系界面活性剤が好適である。 添加量は塗布液(1)に対し 0. 0;!〜 0. 18質量%配合することが好ましい。

[0104] フッ素系界面活性剤の場合、純水に対する臨界ミセル濃度の 30倍以下が好適で ある。臨界ミセル濃度の 30倍以上では塗布液(1)中に含まれる粒子が凝集しやすく なるため、得られた積層フィルムのヘーズが上昇し、特に光学機能性フィルムの基材 フィルムとして好ましくない。また、界面活性剤成分が密着性改質層の表面に偏析し て、密着性に悪影響を及ぼす場合もある。一方、臨界ミセル濃度以下では、良好な 塗布性が得られない。

[0105] (e)粒子

透明性が高度に要求される光学機能性フィルムとしてハードコートフィルムや該フィ ルムをを使用する際は、基材フィルムの^ ^一ズは 1. 5%以下であることが好ましい。 前記の^ ^一ズは 1. 0%以下であることがさらに好ましい。^ ^一ズが 1. 5%を超えると 、フィルムを LCD用のレンズフィルムや、バックライト用基材フィルム等に用いた場合 、画面の鮮明度が低下するので好ましくない。

[0106] 基材フィルムの^ ^一ズを 1. 5%以下にするためには、基材フィルム中に粒子を含 有させないことが好ましい。基材フィルム中に粒子を含有させない場合、耐スクラッチ 性やロール状に巻取る際や巻出す際のハンドリング性(滑り性、走行性、ブロッキング 性、巻取り時の随伴空気の空気抜け性など)を改善するために、基材フィルムとハー ドコート層との境界領域に複合体を点在させる。

[0107] 複合体に含まれる無機粒子としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、非晶性シ リカ、結晶性のガラスフィラー、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、シリカーァ ルミナ複合酸化物粒子、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼォライト 、硫化モリブデン、マイ力などの無機粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋アクリル系樹 脂粒子、架橋メタクリル酸メチル系粒子、ベンゾグアナミン'ホルムアルデヒド縮合物 粒子、メラミン 'ホルムアルデヒド縮合物粒子、ポリテトラフルォロエチレン粒子などの 耐熱性高分子粒子が挙げられる。

[0108] これらの粒子の中でも、樹脂成分と屈折率が比較的近いため、高透明のフィルムを 得やす V、と V、う点でシリカ粒子が好適である。

[0109] また、粒子の形状は特に限定されないが、易滑性を付与する点からは、球状に近 い粒子が好ましい。

[0110] 複合体全量に占める粒子の含有量は、 20質量%以下とすることが好ましぐさらに 好ましくは 15質量%以下、特に好ましくは 10質量%以下にする。複合体中の粒子の 含有量が 20質量%を超えると、透明性が悪化し、フィルムの密着性も不十分となりや すい。一方、粒子の含有量の下限は、複合体層に対して好ましくは 0. 1質量%、さら に好ましくは 1質量%、特に好ましくは 3質量%とする。

[0111] また、複合体には平均粒径の異なる粒子を 2種類以上含有させてもよい。また、同 種の粒子で平均粒径の異なるものを含有させてもよい。いずれにしても、粒子の平均 粒径、および総含有量が前記の範囲とすればよい。前記の塗布液(1)を塗布する際 には、塗布液(1 )中の粒子の粗大凝集物を除去するために、塗布直前に塗布液(1) が精密濾過されるように濾材を配置することが好ましい。

[0112] また、粒子の平均粒径は 20〜150nmが好ましぐさらに好ましくは 40〜60nmであ る。平均粒径が 20nm未満であると、十分な耐ブロッキング性を得ることが困難な他、 耐スクラッチ性が悪化する傾向がある。一方、粒子の平均粒径が 150nmを超えると、 ヘーズが上昇し且つ、粒子が脱落しやすくなるため好ましくない。

[0113] 本発明では、平均粒径が 20〜150nmの粒子 Aのみでは、十分な耐ブロッキング 性及び耐スクラッチ性が得られな!/、場合がある。そのために、さらに耐ブロッキング性 及び耐スクラッチ性を向上させるために、さらに平均粒径の大きな粒子 Bを少量併用 すること力 S好ましい。平均粒径の大きな粒子 Bの平均粒径は 160〜; !OOOnmが好ま しぐ特に好ましくは 200〜800nmである。粒子 Bの平均粒径が 160nm未満の場合

、耐スクラッチ性、滑り性、巻き性が悪化する場合ある。一方、粒子 Bの平均粒径が 1 OOOnmを超える場合、ヘーズが高くなる傾向がある。また、粒子 Bは一次粒子が凝 集した凝集体粒子であることが好ましぐ凝集状態での平均粒径と一次粒子との平均 粒径の比を 4倍以上の粒子を用いることが、耐スクラッチ性の点から好ましい。

[0114] 2種類の粒子を用いる場合、例えば粒子 A (平均粒径: 20〜; 150nm)と粒子 B (平 均粒径: 160〜1000nm)の含有量比(P1/P2)を 5〜30とし、かつ粒子 Bの含有量 を密着性改質層の固形分に対し 0. ;!〜 1質量%とする。 2種類の特定粒径の粒子の 含有量を前記の範囲に制御することは、密着性改質層の表面の三次元中心面平均 表面粗さを適正化し、透明性と、ハンドリング性ゃ耐ブロッキング性を両立させる上で 好適である。密着性改質層に対し、粒子 Bの含有量が 1質量%を超えると、 - ^一ズの 上昇が著しくなる傾向がある。

[0115] 前記の粒子の平均一次粒径及び平均粒径の測定は下記方法により行う。

粒子を電子顕微鏡で写真を撮り、最も小さい粒子 1個の大きさが 2〜5mmとなるよう な倍率で、 300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均一次粒径また は平均粒径とする。また、積層フィルムの密着性改質層中の粒子の平均粒径を求め る場合は、透過型電子顕微鏡 (TEM)を用いて、倍率 12万倍で積層フィルムの断面 を撮影し、複合体の粒子の最大径を求めることができる。凝集体からなる粒子 Bの平 均粒径は、積層フィルムの密着性改質層の断面を、光学顕微鏡を用いて倍率 200 倍で 300〜 500個撮影し、その最大径を測定する。

[0116] (f)架橋剤

携帯電話、 PDA、モパイル型コンピュータのように、情報端末を屋外で使用する機 会が増えている。さらに、カーナビゲーシヨンなどに用いられるタツチパネルのように、 夏場に高温になる車内で使用される材料も増えている。したがって、このような高温、 高湿の過酷な環境下でも品質変化が少ないハードコートフィルム、すなわち、耐湿熱 密着性に優れたフィルム力このような用途では要望されてレ、る。

[0117] このような用途に、本発明のハードコートフィルムを用いる場合、複合体の耐湿熱性 を向上させるために、塗布液(1)に架橋剤を添加し、次いで熱処理を行うことにより、 樹脂に架橋構造をもたせることが好ましい。架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、メラ ミン系架橋剤、ォキサゾリン系架橋剤、イソシァネート系架橋剤から選ばれる少なくと も一種を用いる。架橋剤は、塗布液(1)に使用する共重合ポリエステル樹脂との親和 性、及び耐湿熱密着性を考慮しながら選定することができる。尚、過度な架橋は適度 な膨潤性を損なうことがあるため好ましくない。

[0118] 上記架橋剤は、複合体の共重合ポリエステル樹脂と架橋剤の合計量(100質量%) に対して、好ましくは 5〜40質量%、さらに好ましくは 10〜30質量%となるように含有 させることが好ましい。架橋剤の含有量が 40質量%を越えると、複合体が脆くなり、ァ タリレート系樹脂からなるハードコート層や拡散層などの機能層を形成させた後の加 ェ工程にお!/、て、高速カッティングに耐えうるだけの密着性が十分に得られな!/、場 合がある。一方、架橋剤の含有量が 5質量%未満では、近年要求される耐久性が得 られにくい場合がある。なお、塗布液(1)中には、架橋を促進するために必要に応じ て触媒を添加しても良い。

[0119] (有機無機複合体を形成するための塗布工程)

前記の水性塗布液(1)を塗布する工程は、該フィルムの製造工程中に塗布するィ ンラインコート法が好ましい。さらに好ましくは、結晶配向が完了する前の基材フィル ムに塗布する。水性塗布液(1)中の固形分濃度は、 30質量%以下であることが好ま しぐ特に好ましくは 10質量%以下である。固形分濃度の下限は 1質量%が好ましく 、さらに好ましくは 3質量%、特に好ましくは 5質量%である。該水性塗布液(1)が塗 布されたフィルムは、配向および熱固定のためにテンターに導かれ、そこで加熱され て、熱架橋反応により安定な被膜を形成し、密着性改質基材フィルムとなる。

[0120] (塗布量)

未乾燥時の塗布量 (以下、ウエット塗布量と略す)は、 2g/m2以上 10g/m2未満と すること力 S好ましい。ウエット塗布量が 2g/m2未満で、設計のドライ塗布量 (最終密 着性改質層の塗布量)を得ようとすると、塗布液(1)の固形分濃度を高くする必要が ある。塗布液(1)の固形分濃度を高くすると、塗布液(1)の粘度が高くなるため、スジ 状の塗布斑が発生しやすい。一方、ウエット塗布量が 10g/m2以上では、乾燥炉内 の乾燥風の影響を受けやすぐ塗布斑が発生しやすい。なお、埃の付着による欠点 を防止するために、クリーン度をクラス 5000以下のクリーンな環境下で塗布液(1)を 塗布することが好ましい。

[0121] 塗布量が多すぎると干渉斑が目立ちやすくなる。塗布量が少なすぎると実用的な 密着性が得られなレ、場合がある。

[0122] また、前記の乾燥炉では、温度を 120°C以上 150°C未満に維持しながら、 0. ;!〜 5 秒間乾燥させることが好ましい。乾燥時間は、さらに好ましくは 0. 5〜3秒である。乾 燥時間が 0. 1秒間未満では、塗膜の乾燥が不十分となり、乾燥工程から横延伸工程 までの間に配置されたロールを通過する際に、該ロールを乾燥不十分な塗布面で汚 染しゃすくなる。一方、乾燥時間が 5秒間を超えると、フィルムの結晶化が起こりやす くなり、横延伸時に破断が発生する頻度が増える。

[0123] 前記の乾燥炉で、 120°C以上 150°C未満の温度で塗膜を乾燥した後、密着性改 質基材フィルムを直ちに室温近くまで冷却することが好ましい。基材フィルムの表面 温度が 100°C以上の高温のまま乾燥炉を出て室温近くのロールに基材フィルムが接 触した場合、フィルムの収縮によってキズが発生しやすくなる。

[0124] なお、乾燥炉において、乾燥風からの埃の混入を防止するために、 HEPAフィルタ 一で清浄化した空気を用いることが好ましい。この際に用いる HEP Aフィルタ一は、 公称濾過精度 0. 5 m以上の埃を 95%以上カットする性能を有するフィルターを用 いることが好ましい。

[0125] また、塗布装置におけるアプリケーターロールの精度 (真円度と円筒度)を高くする ことも、フィルムロールの長手方向における塗布厚み斑を低減する点から有効である

。前記のアプリケーターロールの真円度とは、 JIS B 0621で示されているように、 記録式真円度測定器を用いて決定された最小領域法による二つの同心円の各半径 の差で表される指標である。なお、ロールの真円度の単位は mmである。また、アプリ ケーターロールの円筒度は、該ロールを定盤上に置いた測微器付きスタンドを軸線 方向に移動して、円筒上面に測定子を当てた状態で、全長にわたって種々の測定 平面中で測定を実施し、そのときの読みの最大差の 1/2で表される指標である。な お、円筒度の単位は mmである。

[0126] 本発明においては、ロール精度 (真円度と円筒度)を向上させることにより、長さ方 向の塗布層の厚みの変動を低減することができる。具体的には、ロール精度 (真円度

と円筒度)を 5/1000mm未満にすることが好ましい。

[0127] また、塗布液(1)の塗布に際し、リバースコーターの各ロールの表面仕上げを 0. 3 S以下にし、かつ、アプリケーターロールおよびメタリングロールの精度(真円度と円 筒度)を 5/1000mm未満、 2/1000mm以上にすることにより、ウエット塗布量の変 動を押さえ、かつ、塗膜の厚みの変動も押さえることができる。好ましくは、アプリケー ターロールおよびメタリングロールの精度(真円度と円筒度)が 3/1000mmである 塗布ロールを用いるのがよい。

[0128] また、フィルムのテンションを 4000〜; 10000N/原反幅(原反幅は l〜2m)にする ことにより、工業的規模でフィルムの平面性が保持され、塗布液(1)の転写量が均一 となる。なお、フィルムのテンションは、フィルムの厚さにより異なり、比較的薄いフィノレ ムはより低いテンションを掛けることで平面性が保持される。

[0129] フィルムのテンションが 10000N/原反幅を超えると、フィルムが変形する場合、あ るいは破断する場合がある。一方、フィルムのテンションが 4000N/原反幅未満で は、塗布時のフィルムの平面性が不十分となる場合や、フィルムの蛇行が発生する場 合がある。その結果、塗布液(1 )の転写量がフィルムの長さ方向で不均一となり、フィ ルムのウエット塗布量が大きく変動することにより、塗布層の厚みの変動もより大きくな る。塗布層(密着性改質層)の屈折率はエリプソメーターで測定できる。

[0130] (3)塗布層

本発明の好ましい態様として、ハードコート層とは反対側の基材フィルムの表面上 に塗布層が形成され、さらに粘着剤層が設けられる。積層構造としては、粘着剤層/ 塗布層/基材フィルム/ハードコート層という順序になる。

[0131] 塗布層は、基材フィルムに塗布液を塗布して、その後、乾燥することにより得られる 。上述したとおり、この塗布層を得るために塗布する塗布液を「塗布液(2)」と定義す る。本発明において、塗布層形成のために使用する塗布液(2)は、水性ポリエステル 樹脂と、水溶性のチタンラタテート化合物、水溶性のチタントリエタノールアミネート化 合物と、水系溶剤から主としてなる水系塗布液(2)である。塗布液(2)に含まれるチ タンラタテート化合物とチタントリエタノールアミネート化合物とは、水性ポリエステル 樹脂と架橋反応することができ、その架橋反応によってより均一な膜を好ましく生成

する。該架橋反応は基材フィルムを延伸するとき熱によって促進され、その結果、上 述のチタン化合物は熱によって分解する場合もあり、必ずしも、得られる塗布層の中 にチタンラタテート化合物とチタントリエタノールアミネート化合物が含まれるとは限ら れない。なお、本発明では、基材フィルムを延伸することを必ずしも要さない。

[0132] 塗布層の屈折率は、チタン化合物の組成比を大きくすることにより、水性ポリエステ ル樹脂単独の場合よりも高くすることができる。塗布層の屈折率を高くすることは、金 属微粒子を含有させることでも達成することができる力 S、金属微粒子を含有させること により塗布層の延伸性およびノ、ードコート層と基材フィルム間の密着性は低下する。

[0133] 本発明で使用する水性ポリエステル樹脂は、その分子鎖に水酸基やカルボキシノレ 基等の活性部位を導入してもよいが、特に導入しなくとも高温でエステル結合部位が 可逆反応を起こすため、任意の場所で架橋反応が起こり、結果として緻密な膜が得 られる。

[0134] 塗布層の水性ポリエステル樹脂は基材フィルムとの密着性に関与する。よって、塗 布層に含まれる水性ポリエステル樹脂の質量を (A)、チタンラタテート化合物の質量 を(B)、および、チタントリエタノールアミネート化合物の質量を(C)とするとき、 (A) / [ (B) + (C) ]の値は好ましくは 50/50以上である。前記値が 50/50以上であれば 、光学用として必要な透明性が向上し、塗布層の上に形成させる粘着層との密着性 が良好になる。また、(A) /[ (B) + (C) ]の値は好ましくは 80/20以下であり、その 場合、前記チタン化合物により十分に架橋がなされ、屈折率も向上し、そのため、高 温高湿下での密着性(耐湿熱性)が向上し、かつ蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制 効果が十分となる。

[0135] さらに、上記(B)および(C)に関しては、(B) / (C)の値が好ましくは 35/65〜65 /35である。前記範囲内であれば塗布液(2)の pHはほぼ中性(pH6〜8)になり、結 果として、該塗布層上にイソシァネート硬化型アクリル樹脂系粘着剤を積

層したときに、塗布層と粘着剤層との間の密着性が向上する。

[0136] 塗布層にチタンラタテート化合物およびチタントリエタノールアミネート化合物の両 方を含有させることの技術的意義は以下のとおりである。

前記チタン化合物 1種のみでは塗布液(2)の pHが酸性、または塩基性に大きく偏

る傾向にある。塩基性に大きく偏った塗布液(2)から得られた塗布層上にイソシァネ ート硬化型アクリル樹脂系粘着剤を積層した場合、粘着層の厚み方向に硬化むらが 生じやすくなり、結果として、ディスプレイ前面貼り付ける際に、貼り付け不良時の 再作業性が低下する。再作業性 (リワーク性)が低下するということは、剥離時に粘着 剤層がディスプレイ前面から残存量が多くなるという問題が生じることである。また、酸 性に大きく偏った塗布液(2)から得られた塗布層上にイソシァネート硬化型アタリノレ 樹脂系粘着剤を積層した場合、粘着剤の硬化阻害を起こしやすく同様に前記リヮー ク性が低下する。前記チタン化合物 1種のみでは塗布液(2)の pHが酸性、または塩 基性である。液の pH調整のため、酸性の場合はァミン、アンモニア、水酸化 Na等の 塩基性化合物、塩基性の場合はカルボン酸、塩酸、スルホン酸等の酸性化合物の 添加による pHを調整することが可能であるが、その場合は塗布層がチタン化合物と 水性ポリエステル樹脂との相溶性が低下し、その結果、塗膜が不均一となり粘着層と の虹彩状色彩の抑制効果が低下し、さらに密着性が低下することから、本件の用途 には不適である。

[0137] 本明細書では、加熱したブチルセルソルブ中でポリエステル樹脂を可塑化した後 に、さらに温水を加えたときに該ポリエステル樹脂が分散状態に達する場合に、該ポ リエステル樹脂は水性ポリエステル樹脂であるとみなす。ポリエステル樹脂に水性を 付与するためには、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、エーテル基 等の親水性基をポリエステル樹脂の分子鎖に導入することが重要である。前記の親 水性基のなかでも、塗膜物性及び密着性の点からスルホン酸基が好まし!/、。

[0138] スルホン酸基をポリエステルに導入する場合、スルホン酸化合物は、ポリエステルの 全酸成分中のうち、;!〜 10モル%とすることがより好ましい。スルホン酸基量が 1モル %未満の場合、ポリエステル樹脂が水性を示さなくなり、水溶性のチタン化合物との 相溶性も低下するため、均一かつ透明な塗布層が得られに《なる。また、スルホン 酸基量が 10モル%を超える場合には、高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に劣りや すくなる。

[0139] さらに、水性ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が 40°C以上であることが好ましい 。そのため、水性ポリエステル樹脂の酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、 ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系を主成分とすることが好ましい。また、グリコー ノレ成分としては、エチレングリコーノレ、プロパングリコール、 1 , 4 ブタンジォーノレ、ネ ォペンチルグリコール等の比較的炭素数の少ないグリコール、またはビスフエノール Aのエチレンオキサイド付加物等の芳香族系が好ましい。また、ポリエステル樹脂の 原料として、ビフエニル等の剛直な成分、または臭素、ィォゥ等の屈折率の高い原子 を有するジカルボン酸成分またはジオール成分をフィルムの物性が低下しない範囲 で使用してもよレ、。水性ポリエステル樹脂のガラス転移温度が 40°C以上であれば、 高温高湿下での密着性(耐湿熱性)が十分である。さらに、ポリエステル樹脂の屈折 率も向上するために塗布層の屈折率も向上する。その結果、蛍光灯下での虹彩状色 彩を十分に抑制しやすい。

[0140] 塗布層にはチタンラタテート化合物とチタントリエタノールアミネート化合物も含まれ る。好ましくは、チタンラタテート化合物とチタントリエタノールアミネート化合物はいず れも水溶性である。

[0141] 水溶性のチタンラタテート化合物の代表例としてはヒドロキシビス(ラタタト)チタン( 松本製薬工業 (株)製、 TC310)が挙げられる。

また、水溶性のチタントリエタノールアミネート化合物代表例としてはヒドロキシビス(ラ クタト)チタン (松本製薬工業 (株)製、 TC400)が挙げられる。

[0142] 塗布層には、上述した主成分以外の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、 ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリビュルアルコールなどのビュル樹脂、を本発 明の効果に影響を与えない範囲で併用しても力、まわない。また、架橋剤の併用も本 発明の効果に影響を与えない範囲で特に限定されない。使用できる架橋剤としては 、尿素、メラミン、ベンゾグアナミンなどとホルムアルデヒドとの付加物、これらの付加 物と炭素原子数が 1〜6のアルコールからなるアルキルエーテル化合物などのアミノ 樹脂、多官能性エポキシ化合物、多官能性イソシァネート化合物、ブロックイソシァネ ート化合物、多官能性アジリジン化合物、ォキサゾリン化合物、などが挙げられる。

[0143] 塗布層には、好ましくはシリカ粒子も含まれる。シリカ粒子の存在によって、耐ブロッ キング性やハンドリング性が向上する。シリカ粒子としては市販されているコロイダル シリカ粒子などを適宜用いることができる。塗布層に占めるシリカ粒子の含有量は好

ましくは 0. ;!〜 20重量%である。

[0144] 上記水系塗布液(2)をポリエステルフィルム表面に塗布する際には、フィルムへの 濡れ性を向上させ、塗布液(2)を均一にコートするために、公知のァニオン系界面活 性剤ゃノニオン系界面活性剤を適量添加することが好ましい。

[0145] また、水系塗布液(2)中には、ノ、ンドリング性、帯電防止性、抗菌性など、他の機能 性をフィルムに付与するために、無機及び/または耐熱性高分子粒子、帯電防止剤 、紫外線吸収剤、有機潤滑剤、抗菌剤、光酸化触媒などの添加剤を含有させること ができる。

[0146] 塗布液(2)に用いる溶剤は、水以外にエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジ ルアルコールなどのアルコール類を、全塗布液(2)に対し 50質量%未満の範囲で混 合してもよい。さらに、 10質量%未満であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶 解可能な範囲で混合してもよい。但し、塗布液(2)中のアルコール類とその他の有機 溶剤との合計量は、 50質量%未満とすることが好まし!/、。

[0147] 本発明において、最終的に得られる塗布層の塗布量は、 0. 02-0. 5g/m2であ ること力 S好ましい。塗布層の塗布量が 0. 02g/m2以上であれば、接着性に対して効 果が顕著になり、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が十分となりやすい。一方、 塗布量が 0. 5g/m2以下であれば、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が十分と なりやすい。塗布方法はハードコート側の有機無機複合体形成用塗布時と同様で ある。

[0148] (4)ハードコート層

ハードコート層を構成する硬化型樹脂としては、電離放射線硬化型樹脂が好ましレ、

。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、下記の樹脂が挙げられる。

[0149] 電離放射線硬化型樹脂には、好ましくはアタリレート系官能基を有する樹脂であり、 特に好ましくは、ポリエステルアタリレート、あるいはウレタンアタリレートである。ポリエ ステルアタリレートは、ポリエステル系ポリオールのオリゴマーのアタリレートまたはメタ タリレート(以下、アタリレート及び/またはメタタリレートを、(メタ)アタリレートと記載す る場合がある)、あるいはその混合物から構成される。また、ウレタン (メタ)アタリレート は、ポリオール化合物とジイソシァネート化合物からなるオリゴマーを (メタ)アタリレー ト化したものから構成される。

[0150] (メタ)アタリレートを構成する単量体としては、メチル (メタ)アタリレート、ェチル (メ夕 )アタリレート、ブチル(メタ)アタリレート、 2—ェチルへキシル(メタ)アタリレート、メトキ シェチル(メタ)アタリレート、ブトキシェチル(メタ)アタリレート、フエニル(メタ)アタリレ ートが挙げられる。

[0151] また、さらにハードコート層の硬度を高めることが必要な場合は、多官能モノマーを 併用することが好ましい。例えば、多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ (メタ)アタリレート、へキサンジオール(メタ)アタリレート、トリプロピレングリコールジ(メ タ)アタリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ タ)アタリレート、ジペンタエリスリトールへキサ(メタ)アタリレート、 1 , 6—へキサンジォ ールジ(メタ)アタリレート、ネオペンチルダリコールジ (メタ)アタリレートが例示される。

[0152] ポリエステル系ポリオールのオリゴマーとしては、アジピン酸とグリコール(エチレン グリコーノレ、ポリエチレングリコーノレ、プロピレングリコーノレ、ポリプロピレングリコーノレ、 ブチレングリコール、ポリブチレンダリコール等)やトリオール(グリセリン、トリメチロー ルプロパン等)、セバシン酸とグリコールやトリオールとの縮合生成物であるポリアジ ペートポリオールや、ポリセバシェートポリオールが挙げられる。また、上記脂肪族の ジカルボン酸の一部または全てを他の有機酸で置換することができる。例えば、イソ フタル酸、テレフタル酸、あるいは無水フタル酸は、ハードコート層の硬度を高める成 分として使用すること力 Sできる。

[0153] ハードコート剤を基材フィルムの表面に形成する際に、レべリング性を向上させるた めに、必要に応じて希釈剤を用いて希釈してもよい。希釈剤としては、ベンゼン、トル ェン、キシレンなどの芳香族炭化水素、へキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン などの脂肪族炭化水素、メチルェチルケトン、ジェチルケトン、ジイソプロピルケトン 等のケトン等が挙げられる。希釈剤の配合量は、適切な粘度になるように適宜選択す れば'よい。

[0154] ハードコート層に含有させる無機微粒子としては、例えば、非晶性シリカ、結晶性の ガラスフィラー、シリカ、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、アルミナ、などの無機酸化 物、シリカ一アルミナ複合酸化物粒子、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸

ノリウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、フッ化 カルシウム、フッ化リチウム、ゼォライト、硫化モリブデン、マイ力が挙げられる。

[0155] 八ードコート層の表面に、高屈折率層/低屈折率層、あるいは高屈折率層/中屈 折率層/低屈折率層から構成される反射防止層を積層する場合、ハードコート層を 高屈折率化することにより、反射防止層から高屈折率層を省略することができる。そ の結果、コストを低減することができる。ハードコート層の屈折率を高くするためには、 ハードコート層中に屈折率の高い無機微粒子を含有させることが有効である。屈折 率の高い無機微粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタンが挙げられる

[0156] ハードコート層中の無機微粒子の含有量は、 20質量%以上、 80質量%以下であ ること力 S重要である。無機微粒子の含有量が 20質量%未満では、耐擦傷性が不足 する。一方、無機微粒子の含有量が 80質量%を超えると、透明性が低下する傾向が ある。また、無機微粒子の平均粒径は、透明性の点から、 5〜100nmが好ましい。し 力、しながら、このような平均粒径の小さい無機微粒子は、凝集しやすく不安定である 。したがって、無機微粒子の分散安定性を高めるために、無機微粒子の表面に光感 応性基を付与し、硬化型樹脂との親和性を高めることが好ましレ、。

[0157] 力、かる無機微粒子を含有する高屈折率ハードコート剤は、市販品が入手できる。例 えば、 JSR株式会社製の紫外線硬化型樹脂(デソライト; Z7400B、 Z7410B)が挙 げられる。また、屈折率の高い無機微粒子をアタリレート系樹脂に適量添加し、屈折 率を 1. 55— 1. 70、好ましく (ま 1. 58— 1. 65、より好ましく (ま 1. 60—1. 65の範囲 に調整してもよい。

[0158] 電離放射線硬化型樹脂は、紫外線あるいは電子線を照射することにより硬化する。

紫外線を照射する場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク 、メタノレノヽライドランプを用レヽ、 100〜400nm、好ましく (ま、 200〜400nmの波長領 域で、 100〜3000mj/m2のエネルギーで紫外線を照射する。また、電子線を照射 する場合、走査型あるいはカーテン型の電子線加速器を用い、加速電圧 lOOOkeV 以下、好ましくは 100〜300keVのエネルギーを有し、かつ lOOnm以下の波長領域 の電子線を照射する。

[0159] ハードコート層の厚さは、 0.;!〜 30 mの範囲で、用途に応じて決めればよい。よ り好ましくは 1〜; 15 mである。ハードコート層の厚さ力前記の範囲内の場合には、 ハードコート層の表面の硬度が高ぐ傷が付きにくい。さらに、ハードコート層が脆くな りにくぐハードコートフィルムを折り曲げたときにハードコート層にクラックが入りにくい

[0160] 次に、本発明の光学機能性フィルムは、本発明のハードコートフィルムのハードコ ート層とは反対面あるいはその上に、光学機能層を積層したフィルムであり、下記の 2 つの実施形態がある。

(a)ハードコート層とは反対面に、ハードコート層、光拡散層、プリズム状レンズ層、 電磁波吸収層、近赤外線遮断層、透明導電層から選択される、少なくとも 1層の光学 機能層を積層した光学機能性フィルム。

(b)ハードコート層の上に、反射防止層または防汚層を積層した光学機能性フィル ム。

[0161] (5)粘着剤層

本発明のハードコートフィルムが有していてもよい粘着剤層を形成するための粘着 剤としては、透明性、凝集性、剥離特性のバランスから、官能基として酸を含むアタリ ル系ポリマー並びにイソシァネート系架橋剤を含有するアクリル系粘着剤が挙げられ

[0162] アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルおよび酸を含むモノマーをモノマ 一単位として含有する。(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸 メチル、(メタ)アクリル酸ェチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、 (メタ)アクリル酸 2—ェチルへキシル等を例示でき、これらを単独または組合せて使 用できる。

[0163] 酸を含むモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、ィタコン酸、マレイン酸等のカルボキ シル基含有単量体、またはこれらの無水物を例示できる。酸を含むモノマーにより架 橋等による反応点が付与される。酸を含むモノマーの割合は、(メタ)アクリル酸アル キル 100重量部に対し 1〜; 10重量部程度、好ましくは 2〜6重量部である。

[0164] アクリル系ポリマーにさらに極性を付与するために(メタ)アクリル酸ヒドロキシェチル 、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有単量体; N—メチロール アクリルアミド等のアミド基含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシァノ基含有単量 体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;酢酸ビュル等のビュルェ ステル類;スチレン、 α—メチルスチレン等のスチレン系単量体などを共重合モノマ 一として用いること力 Sでさる。

[0165] アクリル系ポリマーの重合法は特に制限されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、 UV重合などの公知の重合法を採用できる。アクリル系ポリマーは、重量平均分子量 として 30万〜 250万程度が好まし!/、。

[0166] 架橋剤としては比較的密着性に優れたイソシァネート系架橋剤を用いるが凝集性 を高めるために必要に応じてエポキシ系架橋剤を併用してもよい。

[0167] イソシァネート系架橋剤としては、多官能イソシァネート化合物が用いられ、分子中 に 2個以上のイソシァネート基を有する種々の化合物が含まれる。その代表的な例と して、例えば、ジフエニルメタンジイソシァネート、トリレンジイソシァネート、へキサメチ レンジイソシァネート、またそれらのビュレット体、ァロファネート体、トリマー、ァダクト などがあげられる。イソシァネート系架橋剤の配合部数は、粘着物性に影響を及ぼさ ない程度で配合すればよぐ一般的にはアクリル系ポリマー 100重量部に対して 0. 2 〜3重量部程度、さらには 0. 5〜2重量部が好適である。

[0168] また、エポキシ系架橋剤を併用する場合のエポキシ系架橋剤としては、多官能性ェ ポキシ化合物が用いられ、分子中に 2個以上のエポキシ基を有する種々の化合物が 含まれる。その代表的な例として、例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ト リメチロールプロパングリシジルエーテル、テトラグリシジルー 1 , 3—ビスアミノメチル シクロへキサン、テトラグリシジルー m—キシレンジァミン、トリグリシジルー p—アミノフ ェノールなどがあげられる。エポキシ系架橋剤の配合部数は、アクリル系ポリマーへ の酸導入量やエポキシ系架橋剤の構造にもよる力一般的にはアクリル系ポリマー 1 00重量部に対して;!〜 8重量部程度、さらには;!〜 6重量部が好適である。

[0169] アクリル系粘着剤には、前記例示した以外の架橋剤(ポリアミン化合物、メラミン樹 脂、尿素樹脂)、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シラン カップリング剤等を適宜に使用することもできる。

[0170] 粘着剤層の形成方法としては、公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、 ローノレコート、グラビアコート、リノくースコート、ローノレブラッシュ、スプレーコート、エア 一ナイフコート法などがあげられる。

[0171] 粘着剤層の厚み(乾燥膜厚)は、特に制限されないが、通常 5〜60 111程度、好ま しくは 5〜40 111である。なお、本発明の光学用表面保護フィルムの粘着剤層 3は、 必要に応じて、実用に供されるまでの間、セパレータなどを仮着して保護することが できる。

実施例

[0172] 次に、本発明のハードコートフィルム及びそれを用いた光学機能性フィルムについ て、実施例と比較例を用いて説明するが、本発明は当然これらの実施例に限定され るものではない。また、実施例に記載した、基材フィルム、ハードコートフィルム、光学 機能性フィルムの物性や特性は下記の方法を用いて評価した。

[0173] (1)ハードコート層との密着性

両面テープを貼り付けた厚さ 5mmのガラス板に、実施例及び比較例で得られたハ ードコートフィルムまたは光学機能性フィルムのハードコート層を表側とし、反対面を 貝占り付けた。次いで、ハードコート層を貫通して、熱可塑性樹脂フィルム Aに達する 1 00個の升目状の切り傷を、隙間間隔 2mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで 、粘着テープ (ニチバン社製、 405番; 24mm幅)を升目状の切り傷面に貼り付けた。 貝占り付け時に界面に残った空気を消しゴムで押して、完全に密着させた後、粘着テ ープを勢いよく垂直に引き剥がして下記の式から密着性を目視により求めた。なお、 1個の升目内で部分的に剥がれているものも、剥がれた個数に含める。

密着性(%) = (1—升目の剥がれた個数/ 100個) X 100

[0174] (2)粘着剤層の剥離性

JIS— Z— 0237法に準拠し、対 SUS板にフィルム片を貼合わせ手動により 180° 引 きはがし試験を行い、 SUS板上の状態を目視観察し、下記の基準で判断した。

◎: SUS板上に付着物および痕跡があらゆる視角からでも観察されない。

〇: SUS板上に付着物はみられないが、痕跡がある視角では観察される。

△: SUS板上に付着物がある視角では観察される

X: sus板上に付着物が観察される

[0175] (3— 1 )ハードコート層側の干渉斑(虹彩状色彩)の評価

ハードコートフィルムまたは光学機能性フィルムを 10cm X I 5cmの面積に切り出し 、試料フィルムを作成した。得られた試料フィルムの易接着層面とは反対面に、黒色 光沢テープを貼り合わせた。この試料フィルムのハードコート面を上面にして、 3波長 形昼白色蛍光灯(ナショナルノルック、 F丄 15EX-N 15W)を光源として、斜め上方 より反射光を目視で観察した。目視で観察した結果を、下記の基準でランク分けをす る。なお、観察は該評価に精通した 5名で行ない、最も多いランクを評価ランクとする 。仮に、 2つのランクで同数となった場合には、 3つに分かれたランクの中心を採用し た。例えば、 (§)と〇が各 2名で△が 1名の場合は〇を、◎が 1名で〇と八が各 2名の 場合には〇を、 ©と八が各 2名で〇が 1名の場合には〇を、それぞれ採用する。

◎:あらゆる角度からの観察でも虹彩状色彩が見られなレ、

〇:ある角度によっては僅かに虹彩状色彩が見られる

△:僅かに虹彩状色彩が観察される

X:はっきりとした虹彩状色彩が観察される

[0176] (3— 2)粘着剤層側の干渉斑 (虹彩状色彩)の評価

評価対象の積層フィルムから粘着剤層を剥離する前に上記(3— 1)と同様にしてハ ードコート面側から干渉斑をまず観察した。次レ、で粘着剤層を除去した後に干渉斑 を再び観察した。粘着剤層の有無に伴って、観察される干渉斑が変化するか否かに っレ、て下記の様に評価した。

粘着剤層が有ることによって

◎:あらゆる角度からの観察でも虹彩状色彩が増加しなレ、

〇:ある角度によっては僅かに虹彩状色彩が増加する

△:僅かに虹彩状色彩が増加する

X:はっきりとした虹彩状色彩が増加する

[0177] (4)ハードコート層の屈折率測定

JIS K 7142に基づき、アッベ屈折率計を用いて測定を行った。

[0178] (5)ハードコート層/基材フィルム界面の評価

ハードコートフィルムの試料を可視光硬化型樹脂(日本電子データム社製、 D— 80 0)に包埋し、室温で可視光にさらして硬化させた。得られた包埋ブロックから、ダイァ モンドナイフを装着したウルトラミクロトームを用いて 70〜; !OOnm程度の厚みの超薄 切片を作製し、四酸化ルテニウム蒸気中で 30分間染色した。この染色された超薄切 片を、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、 TEM2010)を用いて、ハードコー ト層の断面を観察し、写真を撮影した。なお、写真の拡大倍率は、 10, 000〜; 100, 000倍の範囲で適宜設定する。なお、本発明の実施例 1では、拡大倍率を 80, 000 倍(加速電圧 200kv)とした。

[0179] (6)塗布液の pH測定

pHメーター EX— 20 (株式会社堀場製作所製)を使用して測定した。

[0180] (実施例 1)

( 1 )複合体用塗布液( 1 )の調合

複合体を得るための塗布液(1)を以下の方法に従って調製した。

ジメチルテレフタレート(95質量部)、ジメチルイソフタレート(95質量部)、エチレン グリコール(35質量部)、ネオペンチルグリコール(145質量部)、酢酸亜鉛(0. 1質 量部)および三酸化アンチモン (0. 1質量部)を反応容器に仕込み、 180°Cで 3時間 かけてエステル交換反応を行った。次に、 5—ナトリウムスルホイソフタル酸(6· 0質 量部)を添加し、 240°Cで 1時間かけてエステル化反応を行った後、 250°Cで減圧下 (10〜0. 2mmHg)、 2時間かけて重縮合反応を行い、数平均分子量が 19, 500で 、軟化点が 60°Cである共重合ポリエステルを得た。

[0181] 得られた共重合ポリエステル (A)の 15質量%の水分散液を 1. 1質量部、重亜硫酸 ソーダでブロックしたイソシァネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン (B)の 20質 量%の水溶液 (第一工業製薬製、エラストロン H— 3)を 0. 8質量部、エラストロン用 触媒 (第一工業製薬製、 Cat64)を 0. 02質量部、水を 56. 3質量部およびイソプロピ ノレアノレコーノレを 41. 6質量部、それぞれ混合した。さらに、フッ素系ノニオン型界面 活性剤(大日本インキ化学工業製、メガファック F444)の 10質量%水溶液を 0. 02 質量部、粒子 Aとしてコロイダルシリカ(日産化学工業製、スノーテックス OL ;平均粒 径 40nm)の 20質量%水分散液を 0. 16質量部、粒子 Bとして乾式法シリカ(日本ァ エロジル製、ァエロジル OX50 ;平均粒径 200nm、平均一次粒径 40nm)の 3. 5質 量%水分散液を 0. 037質量部添加した。次いで、 5質量%の重曹水溶液で塗布液( 1)の pHを 6. 2に調整し、濾過粒子サイズ(初期濾過効率: 95%)が 10 mのフェル ト型ポリプロピレン製フィルターで精密濾過した。このようにして得られた塗布液(1)を 塗布液 aとする。

[0182] (2)密着性改質基材フィルムの製造

原料ポリマーとして、粒子を含有していない、固有粘度が 0. 62dl/g (フエノール: 1 , 1,2,2—テトラクロルェタン = 6 : 4混合溶媒で溶解し 30°Cで測定)のポリエチレン テレフタレート(PET)樹脂ペレットを 135°Cで 6時間減圧乾燥(lTorr)した。次いで 、乾燥後の PET樹脂ペレットを押し出し機に供給し、約 285°Cでシート状に溶融押し 出して、表面温度 20°Cに保った金属ロール上で急冷固化し、キャストフィルムを得た 。この際、溶融樹脂中の異物を除去する濾材として、濾過粒子サイズ (初期濾過効率 : 95%)力 5 mのステンレス製焼結濾材を用いた。

[0183] 得られたキャストフィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで 95°Cに加 熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に 3. 5倍延伸して一軸配向 PETフィ ルムを得た。次いで、前記の塗布液 aを濾過粒子サイズ (初期濾過効率: 95%) 10 mのフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過し、リバースロール法で一軸配向 PE Tフィルムの片面に塗布した。なお、ウエット塗布量は 5g/m2とした。また、この際、コ 一ターのアプリケーションロール及びメタリングロールは、ウルトラハードクロムメツキ仕 上げによる表面が 0. 2S以下に製作され、かつ真円度と円筒度が 3/1000mmの口 ールを用いた。

[0184] その後、コーター真上に配置した 4ゾーンに分かれた乾燥炉にて、第 1ゾーン(135 °Cで 1. 0秒間)、第 2ゾーン(65°Cで 2. 2秒間)、第 3ゾーン(40°Cで 1. 8秒間)、第 4 ゾーン(30°Cで 1. 8秒間)にて塗布面を乾燥した。フィルムへの塗布から乾燥炉入口 までのフィルムの通過時間は 0. 8秒間であった。また、この時、第 1ゾーンの乾燥風 の風速は 30m/秒、乾燥風の給気風量は 130m3/秒、排気風量は 170m3/秒、 第 2ゾーンから第 4ゾーンまでの給気風量は 100m3/秒、排気風量は 150m3/秒に 設定しコーター側に乾燥風が流れないようにした。なお、フィルムのテンションは 700

ON/原反とし、塗布から乾燥炉入口までの間はピンチロールにてフィルムの両端部 を把持させた。

[0185] 引き続き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度 120°C、風速 15m/秒の 熱風ゾーンに導き、幅方向に 4. 3倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保 つたまま、第 1熱固定ゾーン (温度: 200°C)、第 2熱固定ゾーン (温度:225°C)、第 3 熱固定ゾーン(温度: 230°C)、第 4熱固定ゾーン(温度: 230°C)、第 5熱固定ゾーン( 温度: 210°C)第 6熱固定ゾーン(温度: 170°C)、第 7熱固定ゾーン(温度: 120°C)を 順次連続して通過させた。なお、第 6熱固定ゾーンにて幅方向に 3%の緩和処理を 行った。次いで、フィルムの両端部のコートされていない部分をトリミングし、巻き取り 装置にて巻き取り、さらにこれを幅方向に 4等分してスリットし、幅 1000mm、フィルム 長さ 1000m、フィルム厚さ 125 mの密着性改質ポリエステルフィルムのロールを得 た。なお、熱固定ゾーンにおける熱風の風速はすべて 15m/秒、通過時間は各ゾー ンとも 4. 5秒間、熱風を吹き出すノズル間隔は 350mm、 1ゾーン当たりのノズル本数 は 8本とした。

[0186] (3)ハードコートフィルムの製造

次いで、下記の方法で、ハードコートフィルムを得た。

ハードコート層を形成させるための塗布液として、紫外泉硬化型アタリレートモノマ 一、酸化ジルコニウム超微粒子、メチルェチルケトンを主成分とする、有機/無機ハ イブリツド系ハードコート剤 (JSR株式会社製、デソライト Z7410B;固形分濃度: 50 質量%)を準備した。このハードコート剤を、ドライ厚みで 3 πιとなるように前期で製 造して得た密着性改質ポリエステルフィルムの塗布液 Αの塗布面上に塗布し、 80°C で 3分間乾燥させた。次いで、高圧水銀灯で lOOOmj/cm2の条件下で紫外線を照 射し、樹脂を硬化させ、ハードコート層を形成させた。得られたハードコート層の屈折 率は 1. 65であった。

[0187] (実施例 2)

実施例 1において、塗布液 aのウエット塗布量を 9g/m2に変更したこと以外は実施 例 1と同様の方法で、ハードコートフィルムを得た。

[0188] (実施例 3)

実施例 1において、ハードコート剤を下記に示すハードコート剤に変更すること以外 は実施例 1と同様の方法で、ハードコートフィルムを得た。

(ハードコート剤の調整)

二酸化チタン微粒子(石原産業 (株)製、 TTO— 55Β) 32· 0質量部、カルボン酸 基含有モノマー(東亞合成(株)製、ァロニタス Μ— 5300) 4. 5質量部およびシクロ へキサノン 65. 5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、重量平均粒子径が 55nmの二酸化チタン微粒子の分散液を調製した。

前記の二酸化チタン微粒子の分散液に、ジペンタエリスリトールへキサアタリレート( 日本化薬 (株)製、 DPHA)と、光ラジカル重合開始剤(チバガイギ一社製、ィルガキ ユア 184 ;モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールへキサアタリレートとァニオン性モ ノマーの合計量)に対し 5質量%)とを混合し、ハードコート層の屈折率が 1. 60にな るように調整した。

[0189] (比較例 1)

実施例 1において、塗布液 aを塗布しない、つまり複合体を形成させなかったこと以 外は実施例 1と同様の方法でハードコートフィルムを得た。

[0190] (比較例 2)

複合体を得るための塗布液を下記に示す塗布液 bとし、ウエット塗布量を 8g/m2と した以外は実施例 1と同様の方法でハードコートフィルムを得た。しかし、この比較例 では、基材フィルムとハードコート層との境界領域に複合体が点在するのではなぐ 基材フィルムとハードコート層との間に、塗布液 bに由来する独立した層が形成される に至った。

(密着性改質塗布液 bの調合)

実施例 1で得られた共重合ポリエステル (A)の 30質量%の水分散液を 7. 5質量部 、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシァネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン ( B)の 20質量%の水溶液(第一工業製薬製、エラストロン H— 3)を 11. 3質量部、ェ ラストロン用触媒 (第一工業製薬製、 Cat64)を 0. 3質量部、水を 37. 9質量部およ びイソプロピルアルコールを 39. 6質量部、それぞれ混合した。さらに、フッ素系ノニ オン型界面活性剤(大日本インキ化学工業製、メガファック F444)の 10質量%水溶

液を 0· 3質量部、粒子 Αとしてコロイダルシリカ(日産化学工業製、スノーテックス OL ;平均粒径 40nm)の 20質量%水分散液を 2. 3質量部、粒子 Bとして乾式法シリカ( 日本ァエロジル製、ァエロジル OX50 ;平均粒径 200nm、平均一次粒径 40nm)の 3 . 5質量%水分散液を 0. 5質量部添加した。次いで、 5質量%の重曹水溶液で塗布 液の pHを 6· 2に調整し、濾過粒子サイズ (初期濾過効率: 95%)が 10 H mのフエノレ ト型ポリプロピレン製フィルターで精密濾過し、塗布液 bを調整した。

[0191] (比較例 3)

ハードコート剤を下記に示す材料とした以外は実施例 1と同様の方法でハードコー トフイルムを得た。

(ハードコート剤の調合)

ハードコート剤(大日精化製、セイカビーム EXF01 (B) ) 67質量部、トルエン 13質 量部、およびメチルェチルケトン 20質量部を混合した。得られたハードコート層の屈 折率は 1. 53であった。

[0192] 各実施例、比較例で得たハードコートフィルムについて、ハードコート層/基材フィ ルム界面を評価したところ、実施例;!〜 3では、共重合ポリエステルとポリウレタンを含 む樹脂に囲まれたシリカ粒子力ハードコート層/基材フィルムの境界に存在するこ とが確認された。隣接する 2つの該複合体間の距離は、 500〜; !OOOnmであり、複合 体のある領域以外についてはハードコート層/基材フィルムの境界には、共重合ポリ エステルとポリウレタンを含む樹脂の層は観察されな力、つた (観察限界: 5nm以下)。 また、比較例 1では、ハードコート層/基材フィルムの境界には、複合体、および共 重合ポリエステルとポリウレタンを含む樹脂の層は観察されな力、つた。さらに、比較例

2では、ハードコート層/基材フィルムの間に、多数のシリカ粒子を含む、厚さ 150η mの共重合ポリエステルとポリウレタンを含む、独立した樹脂の層が観察され、複合 体は観察されな力た。比較例 3では、有機-無機複合体は観察されたが、ハードコ ート層の屈折率が低ぐ干渉斑が認められた。

[0193] [表 1]

ウエット塗布液のハード ハ一ドコ一卜

塗 ¾1里固形分濃度コ一ト層複合体干渉斑層との密着性

(g/m ) (質量 %) の屈折率 ( %)

実施例 1 5 0.38 1.65 有 ◎ 98

実施例 2 9 0.38 1.65 有 〇 100

実施例 3 5 0.38 1.60 有 o 100

一 一 1.65 © 3

比較例 2 8 5.30 1.65 X 100

比較例 3 5 0.38 1.53 有 X 100

[0194] (実施例 4)

(1)粘着剤層側の塗布液 (2)の調合

共重合ポリエステル水分散液 (A) 13. 74質量部、ヒドロキシビス(ラタタト)チタンの 44質量%溶液 (松本製薬工業 (株)製、 TC310) 2. 51質量部、ジイソプロボキシビ ス(トリエタノールァミナト)チタンの 80質量%溶液 (松本製薬工業 (株)製、 TC400) 1 • 38質量部、水 41. 37質量部およびイソプロピノレアノレコーノレ 40· 00質量部をそれ ぞれ混合し、さらにフッ素系ノニオン型界面活性剤としてパーフルォロアルキルポリオ キシエチレンエタノール(住友 3M製、フロラード FC— 170C)の 10質量%水溶液を 0 . 50質量部、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイド SI80P ;平均粒径 80nm)水分散液を 0. 50質量部添加し、塗布液(1)を調製した。この塗布液(2)を 塗布液 Aとする。この塗布液 Aの pHは 6. 4であった。これらの組成は表 1に示す。

[0195] (2)接着性改質基材フィルムの製造

実施例 1と同様にして得られたキャストフィルムを、加熱されたロール群及び赤外線 ヒーターで 95°Cに加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に 3. 5倍延伸し て一軸配向 PETフィルムを得た。次いで、前記の塗布液 aをリバースロール法で一軸 配向 PETフィルムの片面に塗布した。なお、ウエット塗布量は 5g/m2とした。

[0196] 反対面には前記の塗布液 Aを濾過粒子サイズ (初期濾過効率: 95%) 10 μ mのフ エルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過し、乾燥後の塗布量が 0. l lg/m2になる ように塗布した。

その後、実施例 1と同様にして、幅 1000mm、フィルム長さ 1000m、フィルム厚さ 1 25 H mの接着性改質ポリエステルフィルムのロールを得た。

[0197] (3)粘着剤層の形成

前記で製造して得た接着性改質ポリエステルフィルムに実施例 1に従ってハードコ ート層をもうけた。さらに、酢酸ェチル中に、モノマーベースで 35%となるように 2—ェ チルへキシルアタリレート 100部およびアクリル酸 3部を共重合して重量平均分子量 50万(ポリスチレン換算)のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た。この溶液に、 アクリル系ポリマー(乾燥重量) 100部に対してエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学 (株 )製,テトラッド C) 4部およびイソシァネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業 (株)製, コロネート U 1部を配合し、さらに酢酸ェチルを加え固形分濃度を 20%に調整した 粘着剤溶液を調製した。当該粘着剤溶液を、ハードコート層と反対側の塗布面上に 乾燥膜厚が 25 ^ 111になるように塗布し、 140°Cで 2分間乾燥して、粘着剤層を形成し て、ハードコートフィルムを得た。

[0198] (実施例 5)

塗布液 Aのウエット塗布量を 9g/m2としたこと以外は実施例 4と同様の方法で積層 フィルムを得た。

[0199] (実施例 6)

ハードコート剤を下記に示すハードコート剤に変更した以外は実施例 4と同様の方 法で積層フィルムを得た。

二酸化チタン微粒子 (TTO— 55B、石原産業 (株)製) 32. 0質量部、カルボン酸 基含有モノマー(ァロニタス M— 5300東亞合成(株)製) 4· 5質量部およびシクロへ キサノン 65. 5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径 55nmの 二酸化チタン分散液を調製した。前記二酸化チタン分散物にジペンタエリスリトール へキサアタリレート(DPHA、日本化薬 (株)製)と、光ラジカル重合開始剤 (ィルガキ ユア 184、チバガイギ一社製、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールへキサアタリ レート、ァニオン性モノマーの合計量)に対し 5質量0 /0)とを混合し、ハードコート層の 屈折率が 1. 60になるように調整した。

[0200] (実施例 7)

ハードコート層を形成させるための塗布液として、紫外泉硬化型アタリレートモノマ 一、酸化ジルコニウム超微粒子、メチルェチルケトンを主成分とする、有機/無機ハ イブリツド系ハードコート剤 (JSR株式会社製、デソライト Z7410A ;固形分濃度: 50 質量%)を用いた以外は実施例 4と同様の方法で積層フィルムを得た。得られたハー ドコート層の屈折率は 1. 58であった。

[0201] (実施例 8)

表 2に従って塗布液 Bを作成した。

塗布液 Aの代わりにこの塗布液 Bを使用した以外は実施例 4と同様の方法でハード コートフィルムを得た。

[0202] (実施例 9)

表 2に従って塗布液 Cを作成した。

塗布液 Aの代わりに塗布液 Cを使用した以外は実施例 1と同様の方法でハードコー トフイルムを得た。

[0203] (実施例 10)

(共重合ポリエステル水分散液 (B)の作成)

ジメチルテレフタレート(95質量部)、ジメチルイソフタレート(95質量部)、エチレン グリコール(105質量部)、ジエチレングリコール(50質量部)、酢酸亜鉛(0. 1質量部 )および三酸化アンチモン (0. 1質量部)を反応容器に仕込み、 180°Cで 3時間かけ てエステル交換反応を行った。次に、 5—ナトリウムスルホイソフタル酸(6. 0質量部) を添加し、 240°Cで 1時間かけてエステル化反応を行った後、 250°Cで減圧下(10〜 0. 2mmHg)、 2時間かけて重縮合反応を行い、数平均分子量が 25, 000で、ガラス 転移点が 40°Cである共重合ポリエステルを得た。このポリエステルを水に分散し、 30 質量%の共重合ポリエステル水分散液 (B)を得た。この共重合ポリエステル水分散 液 (B)を用いて、表 2に従って塗布液 Dを作成した。

塗布液 Aの代わりに塗布液 Dを使用した以外は実施例 4と同様の方法でハードコ 一トフイルムを得た。

[0204] (実施例 11)

(共重合ポリエステル水分散液 (C)の作成)

2, 6—ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル(109質量部)、ジメチルイソフタレ ート(102質量部)、エチレングリコール(98質量部)、ジエチレングリコール(50質量 部)、ビスフエノール Aのエチレンォキシド付加物(30質量部)、酢酸亜鉛(0. 1質量 部)および三酸化アンチモン (0. 1質量部)を反応容器に仕込み、 180°Cで 3時間か けてエステル交換反応を行った。次に、 5—ナトリウムスルホイソフタル酸(8· 0質量 部)を添加し、 240°Cで 2時間かけてエステル化反応を行った後、 255°Cで減圧下(1 0〜0. 2mmHg)、 3時間かけて重縮合反応を行い、数平均分子量が 15, 000で、ガ ラス転移点が 88°Cである共重合ポリエステルを得た。このポリエステルを水に分散し 、 30質量%の共重合ポリエステル水分散液(C)を得た。この共重合ポリエステル水 分散液(C)を用いて、表 2に従って塗布液 Eを作成した。

塗布液 Aの代わりに塗布液 Eを使用した以外は実施例 4と同様の方法でハードコー トフイルムを得た。

[0205] (実施例 12)

表 2に従って塗布液 Fを作成した。

塗布液 Aの代わりに塗布液 Fを使用した以外は実施例 4と同様の方法でハードコー トフイルムを得た。

[0206] (実施例 13)

表 2に従って塗布液 Gを作成した。

塗布液 Aの代わりに塗布液 Gを使用した以外は実施例 4と同様の方法でハードコー トフイルムを得た。

[0207] (実施例 14)

表 2に従って塗布液 Hを作成した。

塗布液 Aの代わりに塗布液 Hを使用した以外は実施例 4と同様の方法でハードコ 一トフイルムを得た。

[0208] (実施例 15)

表 2に従って塗布液 Iを作成した。

塗布液 Aの代わりに塗布液 Iを使用した以外は実施例 4と同様の方法でハードコー トフイルムを得た。

[0209] (比較例 4)

塗布液 aを塗布しない、つまり複合体を形成させなかったこと以外は実施例 4と同様 の方法でハードコートフィルムを得た。

[0210] (比較例 5)

実施例 1で得られた共重合ポリエステル (A)の 30質量%の水分散液を 7. 5質量部 、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシァネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン ( B)の 20質量%の水溶液(第一工業製薬製、エラストロン H— 3)を 11. 3質量部、ェ ラストロン用触媒 (第一工業製薬製、 Cat64)を 0. 3質量部、水を 37. 9質量部およ びイソプロピルアルコールを 39. 6質量部、それぞれ混合した。さらに、フッ素系ノニ オン型界面活性剤(大日本インキ化学工業製、メガファック F444)の 10質量%水溶 液を 0· 3質量部、粒子 Aとしてコロイダルシリカ(日産化学工業製、スノーテックス OL ;平均粒径 40nm)の 20質量%水分散液を 2. 3質量部、粒子 Bとして乾式法シリカ( 日本ァエロジル製、ァエロジル OX50 ;平均粒径 200nm、平均一次粒径 40nm)の 3 . 5質量%水分散液を 0. 5質量部添加した。次いで、 5質量%の重曹水溶液で塗布 液の pHを 6. 2に調整し、濾過粒子サイズ (初期濾過効率: 95%)が 10 H mのフェル ト型ポリプロピレン製フィルターで精密濾過し、塗布液 Kを調整した。

塗布液 aを塗布せず、塗布液 Aの代わりに塗布液 Kを使用し、乾燥後塗布量 0. 05 g/m2になるように塗布した以外は、実施例 1と同様に接着性改質ポリエステルフィ ルムロールを得た。さらに、塗布層が積層されていない面に減圧酸素プラズマ放電 処理により改質処理を施した。尚、減圧酸素プラズマ放電処理の条件は 50W、 2分、 13. 3Pa (100mTorr)とした。次いで、減圧酸素プラズマ放電処理面に実施例 1と 同様の方法でハードコート層を積層し、塗布面に実施例 4と同様の方法で粘着層を 積層しハードコートフィルムを得た。

[0211] (比較例 6)

複合体を得るための塗布液(1)を下記に示す塗布液 (c)とし、ウエット塗布量を 8g /m2とした以外は実施例 4と同様の方法でハードコートフィルムを得た。しかし、この 比較例では、基材フィルムとハードコート層との境界領域に複合体が点在するのでは なぐ基材フィルムとハードコート層との間に、塗布液 (c)に由来する独立した層が形 成されるに至った。

[0212] 複合体形成用塗布液 (c)を以下のように調合した。

実施例 1で得られた共重合ポリエステル (A)の 30質量%の水分散液を 7. 5質量部 、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシァネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン ( B)の 20質量%の水溶液(第一工業製薬製、エラストロン H— 3)を 11. 3質量部、ェ ラストロン用触媒 (第一工業製薬製、 Cat64)を 0. 3質量部、水を 37. 9質量部およ びイソプロピルアルコールを 39. 6質量部、それぞれ混合した。さらに、フッ素系ノニ オン型界面活性剤としてパーフルォロアルキルポリオキシエチレンエタノール(住友 3 M製、フロラード FC— 170C)の 10質量%水溶液を 0. 3質量部、粒子 Aとしてコロイ ダルシリカ(日産化学工業製、スノーテックス OL;平均粒径 40nm)の 20質量0 /0水分 散液を 2. 3質量部、粒子 Bとして乾式法シリカ(日本ァエロジル製、ァエロジル OX50 ;平均粒径 200nm、平均一次粒径 40nm)の 3. 5質量%水分散液を 0. 5質量部添 カロした。次いで、 5質量%の重曹水溶液で塗布液の pHを 6. 2に調整し、濾過粒子サ ィズ (初期濾過効率: 95%)が 10 mのフェルト型ポリプロピレン製フィルターで精密 濾過し、塗布液 (c)を調製した。

[0213] (比較例 7)

粘着剤層側に塗布層を設けず、直接熱可塑性樹脂フィルム上に粘着層を積層した 以外は実施例 4と同様の方法でハードコートフィルムを得た。

[0214] (比較例 8)

表 2に従って塗布 ί を調合後、 1 %アンモニア水を用いて液の pHを 6. 8に調整し た。塗布液 Αの代わりに上記の pHを調整した塗布を使用した以外は実施例 4と 同様の方法でハードコートフィルムを得た。

[0215] 各実施例、比較例で得た積層フィルムについて、ハードコート層/基材フィルム界 面を評価したところ、実施例 4〜; 15では、共重合ポリエステルとポリウレタンを含む樹 脂に囲まれたシリカ粒子 (本発明の有機無機複合体に相当)が、ハードコート層/ 基材フィルムの境界に存在することが確認された。隣接する 2つの該複合体間の距 離は、 500〜; !OOOnmであり、複合体のある領域以外についてはハードコート層/ 基材フィルムの境界には、共重合ポリエステルとポリウレタンを含む樹脂の層は観察 されな力、つた (観察限界: 5nm以下)。また、比較例 4および比較例 5では、ハードコ ート層/基材フィルムの境界には、複合体、および共重合ポリエステルとポリウレタン を含む樹脂の層は観察されな力、つた。さらに、比較例 6では、ハードコート層/基材 フィルムの間に、多数のシリカ粒子を含む、厚さ 150nmの共重合ポリエステルとポリ ウレタンを含む、独立した樹脂の層が観察され、複合体は観察されなかった。比較例 7および比較例 8では、有機無機複合体は観察されたが、いずれも粘着層側に干 渉斑が認められた。

[0216] [表 2]


産業上の利用可能性

[0218] 本発明のハードコートフィルムは、実用的な密着性を維持しながら、特に三波長蛍 光灯下にお V、ても干渉斑が少な V、ため、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイな どのディスプレイ用途の部材、例えば反射防止層や防汚層を積層してなる光学機能 性フィルムの基材として、視認性の向上の点から有用である。