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1. (WO2008050586) ÉLECTRODE NÉGATIVE POUR BATTERIE SECONDAIRE AU LITHIUM ET CETTE BATTERIE LA CONTENANT
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明 細書

リチウム二次電池用負極およびそれを含むリチウム二次電池

技術分野

[0001] 本発明は、リチウム二次電池に関し、特に負極の集電体と活物質層の構造に関す

背景技術

[0002] 近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、そ の電源としての電池の需要が増大している。上記のような用途に用いられる電池には 、常温使用が求められると同時に、高いエネルギー密度と優れたサイクル特性が要 望されている。

[0003] この要望に対し、高容量の正極活物質および負極活物質が新たに開発されている 。中でも、非常に高い容量が得られるケィ素(Si)もしくは錫(Sn)の単体、その酸化 物またはその合金を負極活物質として用いる電池が有望視されている。

[0004] 一方で、例えば、ケィ素を含む材料を負極活物質として用いる電池の場合、充放電 の繰り返しによる負極の変形が問題となる。すなわち、充放電時には、リチウム(Li) が揷入および脱離することで、負極活物質が大きく膨張および収縮する。よって、充 放電を繰り返すことにより、負極が大きく歪み、集電体にしわが生じたり、集電体が切 れたりする。また、負極とセパレータとの間に空間が生じ、充放電反応が不均一にな る。このため、電池特性が低下する。

[0005] 上記のような問題に対し、従来、活物質の膨張応力を緩和するために、負極活物 質層に空間を設けることが提案されている。この提案は、負極の歪み、うねりを抑制し 、サイクル特性の劣化を抑えることを意図している。

[0006] 例えば、特許文献 1は、集電体上に、ケィ素の柱状粒子を形成することを提案して いる。

特許文献 2は、集電体上に、リチウムと合金を形成する活物質を、所定のパターン で規則的に配列させることを提案している。

特許文献 3は、ケィ素、錫などの薄膜電極を凹凸のある集電体上に形成した後、凹 凸を平坦化することで、薄膜に網目状のクラックを形成することを提案して!/、る。 特許文献 4は、負極活物質を形成する柱状粒子を、集電体表面の法線方向に対し て傾斜させることを提案してレ、る。

特許文献 1 :特開 2003— 303586号公報

特許文献 2:特開 2004— 127561号公報

特許文献 3:特開 2005— 108522号公報

特許文献 4 :特開 2005— 196970号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 特許文献;!〜 3においては、集電体上にその法線方向に直立した柱状粒子からな る負極活物質層が形成されている。このような負極において、正極活物質層に対向 する負極集電体の露出部の面積の割合は、正極活物質層に対向する負極活物質 の面積の割合よりも大きい。このため、正極活物質の多くは、負極活物質と対向せず 、負極集電体の露出部に対向する。よって、充電時に正極活物質から負極に供給さ れるリチウムが、負極活物質に吸蔵されずに、負極集電体の露出部に析出しやすく なる。その結果、放電時には、リチウムが負極から効率良く放出されず、充放電効率 が低下する。

[0008] 特許文献 4の負極は、傾斜した柱状粒子を有するため、正極活物質と負極活物質 との利用率が高められている。このため、特許文献 4の負極は、容量維持率に関して は、特許文献 1〜3の負極と比較して優れている。しかし、柱状粒子を傾斜させたとし ても、柱状粒子の粒径を増加させていくと、粒子同士がつながり、充電時の活物質の 膨張の際に、負極が大きく歪み、集電体にしわが生じたり、集電体が切断されたりす ること力 Sある。この場合、充放電サイクルを少し繰り返しただけでも、負極が劣化する こと力 sある。

[0009] そこで、本発明は、主としてサイクル特性に優れた高容量のリチウム二次電池用負 極およびそれを用いるリチウム二次電池を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、集電体と、負極活物質層とを含み、前 記負極活物質層が、複数の柱状粒子を含む。集電体は、凹部もしくは溝部(以下、 単に「凹部という」)と、前記凹部で区画された複数の突出領域とを含む。前記突出領 域は、柱状粒子を担持している。集電体の表面は、上記のように凹部および複数の 突出領域を有するが、目視によれば、平坦に見えるため、集電体の法線方向は一義 的に定められる。

[0011] 集電体の活物質層を担持する領域において、突出領域の面積と凹部の面積との 合計に占める突出領域の面積の割合は、 10〜30%であることが好ましい。ここで、「 面積」とは、集電体を上から見たとき(あるいは、上面図)の面積である。

[0012] 前記集電体の表面上に、突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も大きく なるように描かれた線分において、前記合計長さは、前記線分の全長の 35〜60% であることが好ましい。

[0013] 前記突出領域の最大径 Wに対して垂直な方向に沿って隣接する突出領域間の距 離 Lと、突出領域の高さ Hとは、以下の関係式:

2≤(L/H)≤6

を満たすことが好ましい。

[0014] 突出領域の最大径 Wと、最大径 Wに垂直な方向の最大径 Wとは、以下の関係式

1≤ (W a /W b )≤4

を満たすことが好ましい。

[0015] 本発明の一実施形態において、前記複数の突出領域が、互いに交差しない複数 の第 1の線および互いに交差しない複数の第 2の線に沿って配置されており、前記 第 1の線と前記第 2の線とは、交差しており、前記第 1の線と前記最大径 W bの方向と がなす角度 α 、 45° ≤α < 90° を満たし、前記第 2の線と前記最大径 W bの方向 とがなす角度 /3力 45° ≤ β < 90° を満たすことが好ましい。

[0016] 前記突出領域の形状は、多角形、円形、または楕円形であることが好ましい。前記 多角形の角には、丸みが付けられていることがさらに好ましい。

[0017] 前記柱状粒子は、ケィ素の単体、ケィ素合金、ケィ素と酸素とを含む化合物、およ びケィ素と窒素とを含む化合物よりなる群から選択される少なくとも 1種を含むことが 好ましい。ケィ素合金がケィ素と金属元素 Mとの合金である場合、金属元素 Mは、リ チウムと合金を形成しないことが好ましい。金属元素 Mは、チタン、銅およびニッケノレ よりなる群から選択される少なくとも 1種であることがさらに好ましい。

[0018] ケィ素と酸素とを含む化合物は、一般式(1) :

SiO (1)

(ただし、 0<x< 2)

で表されることが好ましい。

[0019] 前記柱状粒子は、集電体の表面の法線方向に対して、傾斜していることが好ましい

[0020] 前記柱状粒子は、集電体の表面の法線方向に対して傾斜して成長した複数の粒 層の積層体を含むことが好ましい。前記複数の粒層は、それぞれ異なる方向に成長 していることがさらに好ましい。

[0021] また、本発明は、上記負極と、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質 を含む正極と、リチウムイオン伝導性の電解質と、を備えたリチウム二次電池に関す

発明の効果

[0022] 本発明においては、凹部と、前記凹部で区画された突出領域とを備える集電体を 用い、前記突出領域に、柱状粒子が担持されている。このため、柱状粒子同士のつ ながりが起こりにくくなり、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりすることが抑制 される。よって、本発明により、リチウム二次電池のサイクル特性を向上させることがで きる。

柱状粒子の成長方向が、集電体の表面の法線方向に対して傾斜している場合、正 極活物質層と対向する負極集電体の露出部の面積を減少させ、負極集電体の露出 部に析出するリチウムの量を低下させることができる。よって、柱状粒子の成長方向を 、集電体の表面の法線方向に対して傾斜させることにより、充放電効率を向上させる こと力 Sでさる。

図面の簡単な説明

[0023] [図 1]本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用負極の、柱状粒子の成長方向 に平行な縦断面を示す概略図である。

[図 2]本発明の別の実施形態に係るリチウム二次電池用負極で用いられる集電体に おける、突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も大きくなるように描かれた 線分を説明する図である。

[図 3] ω本発明のさらに別の実施形態に係るリチウム二次電池用負極で用いられる 集電体における、突出領域の最大径 W、最大径 Wに垂直な方向の最大径 W、お よび突出領域の最大径 Wに対して垂直な方向に沿って隣接する突出領域間の距 離 Lを説明する図である;(b)突出領域の高さ Ηを説明する図である。

[図 4]集電体の表面に設けられる突出領域の形成パターンの一例を示す。

[図 5]集電体の表面に設けられる突出領域の形成パターンの別の例を示す。

[図 6]集電体の表面に設けられる突出領域の形成パターンのさらに別の例を示す。

[図 7]本発明のさらに別の実施形態に係るリチウム二次電池用負極に含まれる柱状 粒子を概略的に示す図である。

[図 8]本発明のなおさらに別の実施形態に係るリチウム二次電池用負極に含まれる柱 状粒子を概略的に示す図である。

[図 9]負極活物質層の作製に用いられる蒸着装置の一例の概略図である。

[図 10]負極活物質層の作製に用いられる蒸着装置の別の例の概略図である。

[図 11]本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池の縦横断面図である。

[図 12]電池 1 Aと比較電池 1Bの充放電サイクル数と全放電容量との関係を示すダラ フである。

発明を実施するための最良の形態

[0024] 以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。

図 1に、本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用負極 10の断面図を示す。 負極 10は、集電体 11と、集電体 11の両面に担持された負極活物質層 12とを含む 。負極活物質層 12は、集電体 11の片面のみに担持されていてもよい。

[0025] 集電体 11は、その表面に、凹部 11aと、凹部 1 laで区画された複数の突出領域 11 bとを有する。負極活物質層 12は、複数の柱状粒子 12aを含み、柱状粒子 12aは、 突出領域 l ibに担持されている。なお、各突出領域には、 1つの柱状粒子が担持さ れてもよ!/、し、 2つ以上の柱状粒子が担持されてもよ!/、。

[0026] 突出領域 l ibの周囲が凹部 11aで囲まれるとともに、突出領域 1 lbに柱状粒子が 担持される。このため、凹部 11aは、負極活物質層 12に空隙を与える。よって、凹部 11 aは、活物質層を形成するときに、柱状粒子同士のつながりを抑制したり、充電時 における柱状粒子の膨張による応力を緩和したりする作用を有する。

[0027] 突出領域の横断面の形状ほたは、上から見たときの形状)は、多角形、例えば、正 方形、長方形、平行四辺形またはひし形などの四角形、正五角形、ホームプレイト型 などの五角形であってもよいし、円形または楕円形などであってもよい。

突出領域の横断面の形状が多角形の場合、その角に丸みが付けられていることが 好ましい。突出領域の角に丸みがないと、上部に形成する柱状粒子が充電時に膨張 したときに、突出領域の角部に応力が集中しやすくなることがある。その結果、柱状 粒子が突出領域から剥離しやすくなり、リチウム二次電池のサイクル特性が低下する こと力 sある。

[0028] 上記集電体において、突出領域の面積と凹部の面積との合計に占める突出領域 の面積の割合(突出領域の面積比率)は、 10〜30%であることが好ましい。前記割 合が 10%より小さい場合、柱状粒子を突出領域の上部だけに選択的に形成すること が出来ず、突出領域以外の場所にも形成される。このため、隣接する柱状粒子間の 空間が不足し、充電時における柱状粒子の膨張を緩和できないことがある。その結 果、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりするため、リチウム二次電池のサイク ル特性が低下することがある。前記割合が 30%より大きい場合、隣接する柱状粒子 間の空間が不足し、充電時における柱状粒子の膨張を緩和できないことがある。そ の結果、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりするため、リチウム二次電池の サイクル特性が低下することがある。

[0029] 上記突出領域の面積および凹部の面積は、例えば、集電体の表面の 0. 1mm角 の領域について、集電体の表面の法線方向から電子顕微鏡で観察し、その画像を 用いて測定することができる。また、その電子顕微鏡の画像から所定の二点間の寸 法を彻 J定することもできる。

リチウム二次電池に含まれる集電体の観察は、次のようにして行うことが出来る。リ チウムニ次電池を充電状態で分解し、負極板を取り出す。負極板を水に浸すと、負 極中に存在するリチウムが水と急激に反応し、負極活物質が集電体力容易に剥離 する。集電体を水洗し、乾燥した後に電子顕微鏡で観察する。

[0030] 図 2に概略的に示すように、集電体の表面上には、突出領域 21と重複する部分 23 の合計長さの割合が最も長くなるように所定の長さの線分 22を描き、もしくは想定す ること力 Sできる。このとき、前記線分 22の全長に対する前記合計長さの割合 (線分比 率)は、 35〜60%であること力 S好ましく、 40〜55%であることがさらに好ましい。なお 、図 2は、横断面の形状が四角形の突出領域を示している。

[0031] 前記合計長さが、前記線分の長さの 35%より小さい場合、線分方向に沿って隣接 する柱状粒子間の空間が不足するため、充電状態における柱状粒子が線分方向で 隣接する柱状粒子と衝突することがある。その結果、集電体の線分方向にしわが発 生したり破断したりするため、リチウム二次電池のサイクル特性が低下することがある 。前記合計長さが、前記線分の長さの 60%より大きい場合、柱状粒子を突出領域の 上部だけに選択的に形成することが出来ず、突出領域以外の場所にも形成されるこ とがある。このため、隣接する柱状粒子間の線分方向の空間が不足し、充電状態に おける柱状粒子が線分方向で隣接する柱状粒子と衝突することがある。その結果、 集電体の線分方向にしわが発生したり、破断したりするため、リチウム二次電池のサ イタル特性が低下することがある。

[0032] 例えば、 0. 05mm〜0. 2mm角の範囲の集電体の表面の電子顕微鏡写真を得、 突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も長くなるように、線分を引く。その 線分において、突出領域と重複する部分の合計長さが、前記線分の全長の 35〜60 %であればよい。

[0033] 図 3に概略的に示すように、突出領域 21の最大径 Wに対して垂直な方向 24に沿 つて隣接する突出領域間の距離 Lと、突出領域 21の高さ Hとは、以下の関係式:

2≤(L/H)≤6

を満たすことが好ましい。比(L/H)は、 2〜4. 4であることがさらに好ましい。

突出領域 21の最大径 Wと、最大径 Wに垂直な方向の最大径 Wとは、以下の関 係式:

1≤ (W a /W b )≤4

を満たすことが好ましい。比 (W a/W b )は、 1. 5〜3であることがさらに好ましい。 なお、図 3では、突出領域の横断面の形状を四角形としているが、突出領域の横断 面の形状等は、上記条件を満たすならば、特に限定されない。

[0034] 比(L/H)が、 2より小さい場合には、突出領域の上部のみ柱状粒子が形成される ため、突出領域の下部がムダな空間となり、電池のエネルギー密度が低下することが ある。比(L/H)が、 6より小さい場合には、柱状粒子を突出領域だけに選択的に形 成することが出来ず、突出領域以外の場所にも形成されるため、隣接する柱状粒子 間の空間が不足し、充電時における柱状粒子の膨張を緩和できないことがある。そ の結果、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりするため、リチウム二次電池の サイクル特性が低下することがある。

[0035] 突出領域の最大径 Wおよび最大径 Wに垂直な方向における最大径 Wは、それ ぞれ突出領域を上から見たときのその投影面において求めることができる。

突出領域の最大径 Wは、例えば、集電体の上面の電子顕微鏡写真を得、任意の 2〜; 10個の柱状粒子について、最大径を測定し、それらの値を平均することにより求 めること力 Sできる。最大径 W aに垂直な方向における最大径 W bも、前記と同様にして 求めること力 Sでさる。

[0036] 突出領域の最大径 Wは、 8〜30 mであることが好ましい。最大径 Wに垂直な方 向における最大径 W bは、 5〜20 111であることが好ましい。

[0037] 突出領域の高さ H、つまり凹部の深さは、図 3に示される、凹部で区画された突出 領域の上面の表面粗さ(Ra)を測定するときの基準面 25と、凹部の最も深い箇所との 間の距離のことをいう。凹部の深さは、例えば、任意の 2〜; 10箇所において、深さを 測定し、それらの値を平均することにより求めることができる。

[0038] 隣接する突出領域間の距離 Lは、突出領域の最大径 Wに垂直な方向に隣接する 2つの突出領域間の最短距離のことをいう。この最短距離は、突出領域の高さの半 分の高さにおける距離である。

このような二点間の距離は、例えば、集電体の断面の電子顕微鏡の画像において 、前記二点間の寸法を、任意の 2〜; 10箇所測定し、それらの値を平均することにより 求めること力 Sでさる。

[0039] 突出領域の面積と凹部の面積との合計に占める突出領域の面積の割合(突出領 域の面積比率)は、例えば、距離 L、突出領域 21の最大径 Wに平行な方向に沿つ て隣接する突出領域間の距離等を調節することにより、制御すること力できる。また、 突出領域の面積比率は、突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も大きくな るように集電体上に描かれた線分の全長に対する、突出領域と重複する部分の合計 長さの割合 (線分比率)を調節することによつても、制御することができる。

[0040] 突出領域の高さ Hは、;!〜 30 mの範囲であればよぐ;!〜 10 mの範囲であるこ と力 S好ましく、 5〜; 10 m程度が特に好ましい。突出領域の高さは、 10 m程度であ ること力最も好ましい。突出領域の高さ Hは、均一であってもよいし、不均一であって もよい。すなわち、突出領域は、場所によって、その高さが異なっていてもよい。例え ば、 10個の突出領域の高さの平均が 10 mであればよい。

[0041] 凹部は、規則的な配列を有することが好ましい。

なかでも、集電体が長尺のシート状である場合、凹部は、互いに交差しない複数の 第 1凹部と、互いに交差しない複数の第 2凹部とを有し、第 1凹部と第 2凹部とは交差 していること力 S好ましい。複数の第 1凹部は、直線状であってもよいし、略直線状であ つてもよいし、曲線であってもよい。また、複数の第 1凹部は、平行であってもよいし、 交差しなければ略平行状態であってもよい。このことは、複数の第 2凹部でも同様で ある。

[0042] つまり、複数の突出領域が、互いに交差しない複数の第 1の線と、互いに交差しな い複数の第 2の線に沿って規則的に配置されているとともに、第 1の線と第 2の線とは 、交差していることが好ましい。複数の第 1の線は、直線であってもよいし、略直線状 であってもよいし、曲線であってもよい。また、複数の第 1の線は、平行であってもよい し、交差しなければ略平行状態であってもよい。このことは、複数の第 2の線でも同様 である。

[0043] さらに、第 1の線と最大径 W bの方向とがなす角度 αは、 45° ≤ α < 90° を満たす こと力 S好ましく、第 2の線と最大径 W bの方向とがなす角度 0は、 45° ≤ β < 90° を 満たすことが好ましい。

[0044] 図 4に、集電体の表面に規則的なパターンで設けられた複数の突出領域の一例を 示す。

図 4において、複数の突出部 41は、複数の第 1の線 42および複数の第 2の線 43に 沿って、規則的に配置されている。また、複数の第 1の線 42はそれぞれ平行であり、 同様に、複数の第 2の線 43はそれぞれ平行である。

なお、図 4においては、複数の突出領域は、その中心が第 1の線および第 2の線に 沿うように配置されている。また、図 4に示されるように、複数の第 1の線 42がそれぞ れ平行であり、複数の第 2の線 43がそれぞれ平行である場合には、複数の突出領域 41は、格子状に配置される。

例えば、図 4に示されるようなひし形、楕円形等において、突出領域を、その法線方 向から見たときの最大径 W aと最大径 W bとの交点が、前記「中心」となる。

[0045] 図 4において、矢印 Dは、突出領域 41の最大径 Wに垂直な方向における最大径 W bと平行な方向を示している。矢印 D 1と、第 1の線 42とは角度 αをなしている。矢印

Dと第 2の線 43とは角度 /3をなしている。

[0046] 上記のように、角度 αおよび角度 /3は、それぞれ 45° 以上 90° 未満を満たすこと が好ましい。突出領域 41に担持された柱状粒子の高さ(負極活物質層の厚み)が増 加するにつれ、柱状粒子同士がつながりやすくなるが、角度 αおよび角度 /3力上 記範囲にあることにより、柱状粒子同士のつながりを効果的に抑制することができる。 これは、矢印 Dに対して垂直および平行な方向における柱状粒子間の距離力長く なりやすいためである。また、柱状粒子同士のつながりを十分に防止する観点からは 、角度 αおよび /3は、それぞれ 45° 以上 80° 以下を満たすことが好ましぐ 50° 以 上 75° 以下を満たすことがさらに好ましい。

[0047] 角度 αおよび角度 /3力それぞれ 45° より小さいと、矢印 Dに平行な方向におけ る柱状粒子間の距離が短くなりやすい。また、矢印 Dに対して垂直な方向における 柱状粒子間の距離も、柱状粒子の厚みが厚くなると、柱状粒子が、矢印 Dに対して 垂直な方向に広がるため、短くなりやすい。

なお、角度 αおよび角度 /3 1S それぞれ 90° である場合、第 1の線 42と第 2の線 4 3とが交差しない。

[0048] なお、突出領域の最大径 Waの方向は、集電体の長手軸方向に垂直であることが 好ましい。つまり、矢印 Dの方向が、集電体の長手軸方向に平行であることが好まし い。

[0049] 第 1の線に沿って隣接する突出領域間の距離 W 3は、;!〜 100 mの範囲であれば よぐ 5〜50 111の範囲であることが好ましい。同様に、第 2の線に沿って隣接する突 出領域間の距離 Wは 1〜100 111

4 の範囲であればよぐ 5〜50 111の範囲であるこ とが好ましい。距離 W 3および W 4は、 15〜25 111程度が最も好ましい。

ここで、突出領域間の距離 W 3とは、突出領域の半分の高さにおける、第 1の線に沿 つて隣接する 2つの突出領域の中心を通る直線に平行な距離のことをいう。同様に、 距離 W 4とは、突出領域の半分の高さにおける、第 2の線に沿って隣接する 2つの突 出領域の中心を通る直線に平行な距離のことをいう。距離 W 3および W 4は、例えば、 任意の 2〜; 10箇所において、突出領域間の距離を測定し、それらの値を平均するこ とにより求めることカでさる。

[0050] 第 1の線が曲線状である場合、矢印 Dと第 1の線とがなす角度 αは、突出領域の 中心における第 1の線の接線と矢印 Dとがなす角度のことをいう。同様に、第 2の線 が曲線状である場合、矢印 Dと第 2の線とがなす角度 /3は、突出領域の中心におけ る第 2の線の接線と矢印 Dとがなす角度のことをいう。第 1の線および第 2の線が曲 線状である場合にも、矢印 Dと第 1の線の前記接線とがなす角度 α力 5° ≤α < 9 0° を満たし、矢印 Dと第 2の線の前記接線とがなす角度 /3力 5° ≤ β < 90° を 満たせば、上記のような効果が得られる。

[0051] さらなる例として、図 5に、突出領域の横断面の形状が楕円形である突出領域を示 す。また、別のさらなる例を、図 6に示す。図 6においては、図 4とは異なり、四角形の 突出領域の各辺が、第 1の線および第 2の線の!/、ずれとも平行になって!/、な!/、。 なお、図 5および図 6において、図 4と同じ構成要素には、同じ番号を付している。

[0052] 図 5および 6の場合にも、突出領域の高さ、隣接する突出領域間の距離、前記距離 と突出領域の幅との比などは、上記範囲にあることが好ましい。また、矢印 Dと第 1の 線とがなす角度 α、および矢印 Dと第 2の線とがなす角度 /3も、上記範囲であること が好ましい。

[0053] なお、上記突出領域の面積比率および線分比率は、例えば、隣接する突出領域間 の距離 L等を調節することによつても、それぞれ 10〜30%および 35〜60%に調節 すること力 Sできる。このとき、突出領域のサイズは、一定であることが好ましい。

[0054] 凹部および凹部で区画された複数の突出領域を含む集電体は、所定の基材の表 面に、例えば、メツキ法または転写法により、所定の形状および所定の厚みで、突出 領域を形成することにより作製することができる。または、前記集電体は、所定の基材 に、例えば、切削法を用いて、所定のパターンで凹部を設けることにより形成すること ができる。

[0055] 上記基材の構成材料は、特に限定されな!/、。前記材料としては、例えば、圧延法、 電解法などで作製された銅、銅合金などを用いることができる。上記基材の厚みは、 特に限定されないが、一般的に;!〜 50 mである。

[0056] 前記集電体を、基材に突出領域を形成することにより作製する場合、前記突出領 域を構成する材料としては、例えば、 Cu (銅)、 Ni (ニッケル)、および Ti (チタン)を用 いること力 Sでさる。

[0057] 本発明において、突出領域の上面には、凹凸が存在していてもよい。この場合、柱 状粒子は、凸部上に成長しやすい。突出領域の周囲に存在する凹部の内壁にも、 微小な凸部が存在してもよい。この場合、前記凹部にも、少量の活物質が担持される こととなる。

[0058] 本発明において、突出領域の周囲に存在する凹部と、突出領域上に存在する凹部

(微小凹部)とは、その形状により、区別すること力 Sできる。

突出領域上に存在する凹凸は、無秩序または秩序的に配列された微小凸部と微 小凹部とからなる。このような凹凸は、集電体が電解銅箔や電解銅合金箔などである 場合には必然的に形成される。なお、前記凹凸は、例えば、メツキ法、転写法、切削 法などを用いて、人工的に形成してもよい。

一方、突出領域の周囲に存在する凹部は、直線状または曲線状であり、その長さ は、突出領域上に存在する微小凹部の長さと比較して非常に長い。また、突出領域 の周囲に存在する凹部は、好ましくは所定のパターンを有している。

[0059] 突出領域の上面に凹凸が存在する場合、互いに隣接する凸部の中心間距離は、 0

. l ^ m以上 50 111以下であることが望ましぐ 1 m以上 20 m以下であることがさ らに望ましい。

[0060] 突出領域の上面の表面粗さ Raは、 0. ;!〜 30 mであることが望ましぐ 0. 3〜10

であることがさらに望ましい。例えば、 1つの突出領域に 2つ以上の柱状粒子が 形成される場合、表面粗さ Raが小さいと、互いに隣接する柱状粒子間に間隔を設け ることが困難になる場合がある。表面粗さ Raが大きくなるにつれて、集電体の平均厚 みも厚くなる。

表面粗さ Raは、日本工業規格 (JIS B0601— 1994)に定められており、例えば、 表面粗さ計等により測定することができる。

なお、突出領域の表面粗さ Raの値は、突出領域の高さの値よりも小さいことが好ま しい。

[0061] 突出領域を所定のパターンの孔を形成したローラ等を用いる転写法で作製する場 合、基材の表面粗さが、 0. ;!〜 30 mであってもよい。

[0062] 負極活物質層は、突出領域に担持された柱状粒子を含む。本発明において、柱状 粒子は、ケィ素元素を含むことが好ましい。

柱状粒子は、例えば、ケィ素単体、ケィ素合金、ケィ素と酸素とを含む化合物、およ びケィ素と窒素とを含む化合物よりなる群から選択される少なくとも 1種を含むことが 好ましい。例えば、負極活物質層は、前記物質のうちの 1種類のみから構成されても よい。または、活物質層は、前記物質からなる粒子を 2種以上含んでいてもよい。例 えば、活物質層は、ケィ素単体からなる粒子とケィ素合金からなる粒子を含んでいて あよい。

[0063] ケィ素と窒素とを含む化合物は、さらに酸素を含んでもよい。複数種の柱状粒子が 活物質層を構成する例として、ケィ素と酸素と窒素を含み、これらの元素のモル比が 異なる柱状粒子を複数種含む活物質層が挙げられる。また、活物質層は、 1つの粒 子内に、ケィ素と酸素とのモル比が異なる複数のケィ素酸化物を含む柱状粒子を含 んでいてもよい。

[0064] ケィ素合金に含まれる、ケィ素以外の金属元素 Mは、リチウムと合金を形成しな!/、 金属元素であることが望ましい。金属元素 Mは、化学的に安定な電子伝導体であれ ばよいが、例えば、チタン (Ti)、銅(Cu)およびニッケル (Ni)よりなる群から選択され る少なくとも 1種であることが望ましい。金属元素 Mは、 1種が単独でケィ素合金に含 まれていてもよぐ複数種がケィ素合金に含まれていてもよい。ケィ素合金におけるケ ィ素と金属元素 Mのモル比は、下記範囲が好まし!/、。

金属元素 Mが Tiである場合、 0<Ti/Si< 2が好ましぐ 0. l≤Ti/Si≤l . 0が特 に好ましい。

金属元素 Mが Cuである場合、 0< Cu/Si< 4が好ましぐ 0. l≤Cu/Si≤2. 0が 特に好ましい。

金属元素 Mが Niである場合、 0く Ni/Siく 2が好ましぐ 0. l≤Ni/Si≤l . 0が 特に好ましい。

[0065] ケィ素と酸素とを含む化合物は、一般式(1) :

SiO (1)

(式中、 0<x< 2)

で表される組成を有することが好ましい。ケィ素に対する酸素のモル比 Xは、 0. 01≤ x≤ 1であることがさらに好ましい。

[0066] ケィ素と窒素とを含む化合物は、一般式(2) :

SiN y (2)

(式中、 0<y< 4/3)

で表される組成を有することが好ましい。ケィ素に対する窒素のモル比 yは、 0. 01≤ y≤ 1であることがさらに好ましい。

[0067] 柱状粒子は、単結晶粒子であってもよ!/、し、複数の結晶子(結晶粒: crystallite)を 含む多結晶粒子でもよい。あるいは、柱状粒子は、結晶子サイズが lOOnm以下の微 結晶からなる粒子であってもよレ、し、アモルファスであってもよレ、。

また、柱状粒子の形状や横断面の形は、特に限定されない。

[0068] 突出領域に担持される柱状粒子は、図 1に示されるように単一粒子から構成されて もよいし、図 7および 8に示されるように、柱状粒子は、複数の粒層の積層体から構成 されてもよい。

[0069] さらに、柱状粒子の成長方向は、図 1に示されるように集電体の表面の法線方向に

対して、角度 Θ (以下、傾斜角度 Θという)だけ傾斜していてもよいし、図 7および 8に 示されるように、集電体の表面の法線方向と平行であってもよい。

[0070] 図 7および 8は、本発明の別の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極に含 まれる活物質粒子を概略的に示す。図 7および 8において、図 1と同じ構成要素には 、同じ番号を付している。

[0071] 図 7の柱状粒子 60は、 8個の粒層 60a、 60b, 60c, 60d、 60e、 60f、 60g、および

60hを含む積層体を有する。図 7の柱状粒子の場合、各粒層の成長方向は、集電体 の表面の法線方向から傾いているが、柱状粒子全体としての成長方向は、集電体の 表面の法線方向と平行となっている。なお、柱状粒子全体としての成長方向が、集電 体の表面の法線方向と平行となれば、各粒層の成長方向は、それぞれ異なる方向に 傾斜していてもよい。

[0072] 図 7の柱状粒子は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、突出領 域 l ibの頂部およびそれに続く側面の一部を被覆するように粒層 60aを形成する。 次に、突出領域 l ibの残りの側面および粒層 60aの頂部表面の一部を被覆するよう に、粒層 60bを形成する。すなわち、図 7において、粒層 60aは突出領域 l ibの頂部 を含む一方の端部に形成され、粒層 60bは部分的には粒層 60aに重なる力残りの 部分は突出領域 l ibの他方の端部に形成される。さらに、粒層 60aの頂部表面の残 りおよび粒層 60bの頂部表面の一部を被覆するように、粒層 60cが形成される。すな わち、粒層 60cは主に粒層 60aに接するように形成される。さらに、粒層 60dは主に 粒層 60biこ接するう ίこ形成される。以下同様 ίこして、粒層 60e、 60f、 60g、 60hを 交互に積層することによって、図 7に示されるような柱状粒子が形成される。

[0073] 図 8の柱状粒子 70は、複数の第 1の粒層 71および複数の第 2の粒層 72を有する。

図 8の柱状粒子の各粒層の厚みは、図 7の柱状粒子の粒層の厚みより薄い。また、 図 8の柱状粒子は、その輪郭が、図 7の柱状粒子と比較して、滑らかとなっている。 図 8の柱状粒子においても、柱状粒子全体としての平均的な成長方向が集電体の 表面の法線方向と平行となれば、各粒層の成長方向は、集電体の表面の法線方向 力、ら傾斜していてもよい。なお、図 8の柱状粒子において、第 1の粒層 71の成長方向 は A方向であり、第 2の粒層 72の成長方向は、 B方向である。

[0074] 柱状粒子の成長方向が集電体の表面の法線方向に対して傾斜している場合にお いて、柱状粒子は、 1つ以上の屈曲部を有していてもよい。

[0075] 図 1のような柱状粒子の場合、柱状粒子の成長方向を集電体の表面に投影した方 向は、突出領域の最大径 W bの方向と平行であることが好ましい。また、図 7および 8 のような柱状粒子の場合、各粒層の成長方向を集電体の表面に投影した方向が、突 出領域の最大径 W bの方向と平行であることが好ましい。

[0076] 互いに隣接する柱状粒子の中心間距離は、柱状粒子と集電体との接触部の中心 間の距離 (以下、ピッチという)を意味する。ピッチは、例えば、突出領域間の W方向 および/または W b方向の距離に依存し、ほぼ突出領域間の距離と見なすことができ

ピッチは、例えば、任意の 2〜; 10組の互いに隣接する柱状粒子の中心間距離を測 定し、それらの値を平均することにより求められる。

[0077] 柱状粒子の直径は、突出領域の幅に依存する。充電時の膨張で柱状粒子が割れ たり、集電体から離脱したりすることを防止する観点から、柱状粒子の直径は 100 m以下であること力 S好ましく、;!〜 50 mであることが特に好ましい。ここで、柱状粒子 の直径とは、柱状粒子の中心高さにおける、柱状粒子の成長方向に対して垂直な方 向の粒径である。中心高さとは、集電体の法線方向における柱状粒子の最も高い位 置と、突出領域の柱状粒子が接する上面との間の中間点の高さのことをいう。柱状粒 子の直径は、例えば、任意の 2〜; 10個の柱状粒子において、中心高さでの、成長方 向に垂直な方向の粒径を測定し、それらの値を平均することにより求められる。 なお、柱状粒子において、成長方向に対して垂直な方向の粒径は、柱状粒子の成 長方向に沿って、同じであってもよいし、異なってもよい。

[0078] 互いに隣接する複数の柱状粒子は、成長途中で合体する場合がある。ただし、個 々の柱状粒子は、成長の始点が異なる。よって、成長途中で合体した柱状粒子は、 集電体の表面付近では分離しており、結晶の成長状態も異なる。よって、個々の柱 状粒子の直径を求めることは可能である。

[0079] 上記のように、比(W a /W b )は、;!〜 4であることが好ましい。比(W a /W b )が、 4より 大きい場合には、柱状粒子が充電時に膨張する歪み量が、最大径 Wの方向で大き

いため、柱状粒子が割れたり、集電体にしわが生じたりする。その結果、リチウム二次 電池のサイクル特性が低下することがある。

[0080] 負極活物質層の厚みは、 0. ; 1 m以上 100 m以下であることが好ましぐ; 1 m 以上 50 m以下であることが特に好ましい。活物質層の厚みが 0· ; 1 m以上であれ ば、ある程度のエネルギー密度を確保できる。活物質層の厚みが 100 m以下であ れば、各柱状粒子が他の柱状粒子で遮蔽される割合を低く抑え、柱状粒子からの集 電抵抗も低く抑制できる。よって、大電流での充放電 (ノヽィレート充放電)に有利であ

ここで、負極活物質層の厚みとは、集電体の法線方向における柱状粒子の最も高 い位置と、突出領域の柱状粒子が接する上面との間の距離 (高さ h)のことをいう。負 極活物質層の厚みは、例えば、任意の 2〜; 10個の柱状粒子において、前記高さ hを 測定し、それらの値を平均することにより求められる。

[0081] 負極活物質層の厚みおよび柱状粒子の直径は、負極活物質が不可逆容量に相当 するリチウムを含むが可逆容量に相当するリチウムを含まない状態(可逆容量力 ¾で ある状態)で測定することが望ましい。可逆容量が 0である状態は、完成した電池内 における負極活物質層の体積が最小の状態に相当する。充電により、リチウムが柱 状粒子に吸蔵されると、柱状粒子は膨張し、負極活物質層の体積は増加する。

[0082] 電解質と柱状粒子との接触面積を十分に確保するとともに、柱状粒子の膨張による 応力を十分に緩和する観点から、負極活物質層の空隙率 Pは、 10%〜70%である こと力 S望ましく、 30%〜60%であることがさらに望ましい。負極活物質層の空隙率 P 力 S 10%以上であれば、柱状粒子の膨張および収縮による応力を緩和するのに十分 と考えられる。よって、粒状粒子と接触する電解質の量も十分に確保できる。空隙率 Pが 70%を超えると、負極のエネルギー密度が小さくなる。なお、負極活物質層の空 隙率が 70%より大きい場合でも、電池の用途によっては、好適に負極として用いるこ と力 Sできる。

[0083] 活物質層の空隙率 Pは、例えば、水銀ポロシメータを用いる方法、または一定面積 の活物質層の重量と厚みと活物質の密度から計算する方法により測定することがで きる。

空隙率の測定に用いる負極試料には、一様 (均一)に活物質層を担持している集 電体部分だけを切り出した試料を用いることが好ましい。その際、両面に活物質層を 担持した集電体部分を試料に用いてもよいし、片面に活物質層を担持した集電体部 分を試料に用いてもよい。

[0084] 水銀ポロシメータを用いた測定にお!/、て、試料の空隙に侵入した水銀の体積を VH とし、活物質層の真体積 (活物質層に含まれる柱状粒子の合計の真体積)を VTとす ると、空隙率 P (%)は、式: 100{VH/ (VT + VH) }より求められる。なお、試料の集 電体部分が表面に凹凸を有する場合には、集電体部分の凹凸に侵入した水銀の体 積も VHに含めて、空隙率を計算する。

[0085] 水銀ポロシメータを用いた空隙率 Pの測定は、活物質層力 Sリチウムを全く含まない 状態で行うことが好ましい。可逆容量が 0である状態における活物質層の空隙率 P' は、空隙率 Pを補正することにより求めること力 Sできる。可逆容量が 0である状態の活 物質層の真体積を Vaとし、リチウムを全く含まない状態との活物質層の体積を V0と する。そのとき、空隙率 Pと空隙率 P'とは、 P' = 100— Va (100— P) /V0の関係を 満たす。

[0086] 空隙率 Pまたは P'は、一定面積の活物質層の重量と厚みと、活物質の密度から計 算することもできる。試料における一定面積 Sの活物質層の厚みを Tとし、その活物 質層の重量を Wとし、活物質の密度を Dとすると、空隙率 P (%)は、式: 100〔{ ST— (W/D) }/ST〕により求められる。

[0087] 柱状粒子の成長方向が、集電体の表面の法線方向に対して傾斜しており、かつ集 電体の両面に活物質層が担持されている場合、集電体の一方の面に担持された柱 状粒子の傾斜方向と、他方の面に担持された柱状粒子の傾斜方向は、互いに異な つていてもよいし、同じであってもよい。例えば、図 1においては、集電体の一方の面 に担持された柱状粒子の傾斜方向と他方の面に担持された柱状粒子の傾斜方向と が同じになっている。つまり、集電体の一方の面に担持された柱状粒子の傾斜角度 と、集電体の他方の面に担持された柱状粒子の傾斜角とは、集電体を対称軸とした 線対称となっている。また、例えば、集電体の一方の面に担持された柱状粒子の傾 斜方向と、他方の面に担持された柱状粒子の傾斜方向とは、互いに反対方向であつ

てもよい。さらに、集電体の一方の面に担持された柱状粒子の傾斜角度と、集電体の 他方の面に担持された柱状粒子の傾斜角度は、同じであってもよいし、異なっていて あよい。

[0088] 柱状粒子の傾斜角度 Θは、柱状粒子の高さとともに変化してもよい。なお、図 1に は、柱状粒子の傾斜角度 Θ 1S 高さに対して一定である場合を示している。

[0089] 柱状粒子が傾斜している場合、柱状粒子の傾斜角度 Θは、 10° 以上 90° 未満で あること力 S望ましく、 10。以上 80° 以下であることがより望ましい。傾斜角度 Θ力 S90 ° に近くなると、柱状粒子を集電体に担持することが困難となる。また、所定の柱状 粒子において、他の柱状粒子で遮蔽される部分が多くなる。このため、電池のハイレ ート特性が低下する場合がある。角度 Θ力 10° 未満となると、正極活物質層に対向 する負極集電体の露出部の面積が増加するため、電池の充放電効率が低下する。 傾斜角度 Θは、例えば、集電体の成長方向と集電体の表面の法線方向とがなす 角度を、任意の 2〜; 10個の柱状粒子について測定し、それらの値を平均することに より求めること力 Sできる。

[0090] 柱状粒子の成長方向が、集電体の表面の法線方向に対して傾斜している場合、例 えば、正極活物質層と対向する負極集電体の露出部の面積が減少するとともに、負 極集電体の露出部にリチウムが析出する可能性を低減することができる。よって、集 電体の柱状粒子が凹部に囲まれた突出領域に担持され、かつ柱状粒子の成長方向 を集電体の表面の法線方向から傾けることにより、充放電効率および充放電サイクル 特性を向上させること力 Sできる。特に、大電流で充放電を行う場合に見られる急激な サイクル特性の低下を、顕著に抑制することができる。

[0091] 図 4、 5または 6に示されるような長尺のシート状の集電体が用いられる場合、柱状 粒子の成長方法を集電体の表面に投影したときの方向は、集電体の長尺方向、つま り矢印 Dに平行であることが好ましぐ矢印 Dと一致することがさらに好ましい。これ により、例えば、柱状粒子同士のつながりを顕著に抑制することができる。

[0092] 図 1に示されるような負極活物質層は、例えば、図 9に示すような蒸着装置 80を用 いて作製すること力できる。図 9は、蒸着装置 80の構成を模式的に示す側面図であ

蒸着装置 80は、真空雰囲気を実現するためのチャンバ一 81と、加熱手段である電 子ビーム(図示せず)と、ガスをチャンバ一 81内に導入するガス導入配管 82と、集電 体 86を固定する固定台 83と具備する。ガス導入配管 82は、チャンバ一 81内にガス を放出するノズル 84を具備する。集電体を固定する固定台 83は、ノズル 84の上方 に設置されている。固定台 83の鉛直下方には、集電体の表面に堆積して柱状粒子 を形成するターゲット 85が設置されている。

[0093] 例えば、集電体の表面にケィ素酸化物からなる柱状粒子を成長させる場合、ター ゲット 85にケィ素単体を用い、ノズノレ 84力、らは、高純度の酸素ガスを放出する。電子 ビームをターゲット 85に照射すると、ターゲットが加熱され、気化する。気化したケィ 素は、酸素雰囲気を通過して、ケィ素酸化物が集電体の表面に堆積する。このとき、 集電体 11の突出領域上に、ケィ素酸化物からなる柱状粒子 12aが形成される。

[0094] 蒸着装置 80では、固定台 83の角度により、集電体とターゲット 85との位置関係を 変更可能である。すなわち、柱状粒子の傾斜角度 Θは、集電体の表面の法線方向と 水平方向とがなす角度 Θ 2を調節することにより制御すること力 Sできる。

[0095] 図 7に示されるような柱状粒子を含む負極活物質層は、例えば、図 10に示されるよ うな蒸着装置 90を用いて作製することができる。図 10は、蒸着装置 90の構成を模式 的に示す側面図である。図 10において、図 9と同様の構成要素には同じ番号を付す とともに、それらの説明は省略する。

[0096] 板状部材である固定台 91は、角変位または回転自在にチャンバ一 81内に支持さ れ、その厚み方向の一方の面に負極集電体 11が固定される。固定台 91の角変位は 、図 10における実線で示される位置と一点破線で示される位置との間で行われる。 実線で示される位置は、固定台 91の負極集電体 11を固定する側の面が鉛直方向 下方のターゲット 85を臨み、固定台 91と水平方向の直線とがなす角の角度が γ ° である位置 (位置 Α)である。一点破線で示される位置は、固定台 91の負極集電体 1 1を固定する側の面が鉛直方向下方のターゲット 85を臨み、固定台 91と水平方向の 直線とが成す角の角度が(180— γ ) ° である位置 (位置 Β)である。角度 γ ° は、形 成しようとする負極活物質層の寸法などに応じて適宜選択できる。

[0097] 蒸着装置 90を用いる負極活物質層の作製方法においては、まず、負極集電体 11

を固定台 91に固定し、チャンバ一 81内部に酸素ガスを導入する。この状態で、ター ゲット 85に電子ビームを照射して加熱し、その蒸気を発生させる。例えば、ターゲット としてケィ素を用いた場合、気化したケィ素は、酸素雰囲気を通過して、ケィ素酸化 物が集電体の表面に堆積する。このとき、固定台 91を実線の位置に配置することに よって、突出領域に図 6に示す粒層 60aが形成される。次に、固定台 91を一点破線 の位置に角変位させることによって、図 7に示す粒層 60bが形成される。このように固 定台 91の位置を交互に角変位させることによって、図 7に示す 8つの粒層を有する柱 状粒子 60が形成される。

[0098] 図 8に示される柱状粒子も、基本的には、図 10の蒸着装置を用いて作製することが できる。図 8の柱状粒子は、例えば、位置 Aおよび位置 Bにおける蒸着時間を、図 7 の柱状粒子の場合より短くし、粒層の積層数を多くすることにより作製することができ

[0099] 上記のような負極は、リチウムイオン二次電池の負極として用いられる。図 11に、本 発明の一実施形態にかかるリチウムイオン二次電池を示す。

図 11の電池 100は、電池ケース 104に収容された積層型の極板群およびリチウム イオン伝導性を有する電解質(図示せず)を含む。極板群は、正極 101、負極 102お よび正極 101と負極 102との間に配置されたセパレータ 103を含む。電解質は、セパ レータ 103に含浸されている。

[0100] 負極 102は、上記で説明したような負極集電体 102aおよび負極活物質層 102bを 具備する。すなわち、負極活物質層 102bは、集電体の突出領域上に担持された柱 状の負極活物質粒子を含む。なお、図 11の電池において、負極活物質層は、負極 集電体の片面にのみ設けられている。

正極 101は、正極集電体 101 aおよびその片面に担持された正極活物質層 101b を具備する。

[0101] 負極集電体 102aの負極活物質層が形成されていない面には、負極リード 106の 一端が接続されており、正極集電体 101aの正極活物質層が形成されていない面に は、正極リード 105の一端が接続されている。

電池ケース 104は、互いに反対方向の位置に開口部を有しており、電池ケース 10 4の一方の開口部から、正極リード 105の他端が外部に延ばされており、電池ケース 104の他方の開口部から、負極リード 106の他端が外部に延ばされている。電池ケ ース 104の開口部は、樹脂材料 107を用いて密封されている。

[0102] 正極活物質層 101bは、充電時にリチウムを放出し、放電時にリチウムを吸蔵する。

負極活物質層 102bは、充電時にリチウムを吸蔵し、放電時にリチウムを放出する。

[0103] 図 11では、積層型リチウム二次電池の一例を示したが、本発明のリチウム二次電 池用負極は、スパイラル型 (捲回型)の極板群を有する円筒型電池や角型電池など にあ用いることカでさる。

[0104] なお、積層型電池では、正極と負極との合計が 3層以上になるように電極を積層し てもよい。この場合、全ての正極活物質層が負極活物質層と対向し、かつ、全ての負 極活物質層が正極活物質層と対向するように、集電体の両面または片面に正極活 物質層を有する正極と、集電体の両面または片面に負極活物質層を有する負極とを 用いる。

[0105] 柱状粒子の傾斜状態は、全ての負極活物質層で、同じでもよ!/、し、負極活物質層 ごとに異なってもよい。例えば、柱状粒子は、全ての負極活物質層において、集電体 の表面の法線方向に対して傾斜していなくてもよいし、傾斜していてもよい。また、集 電体の両面に負極活物質層を有する負極において、集電体の一方の面に形成され た柱状粒子の傾斜状態と、集電体の他方の面に形成された柱状粒子の傾斜状態と は同じでもよいし、異なってもよい。さらに、同じ負極内の異なる場所において、柱状 粒子の傾斜状態が異なってもよレ、。

[0106] 本発明のリチウム二次電池においては、負極以外の構成要素は、特に限定されな い。

正極活物質としては、当該分野で公知の材料を用いることができる。このような材料 としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO 2 )、ニッケル酸リチウム(LiNiO 2 )、マン ガン酸リチウム(LiMn 2 O 4 )などのリチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。

[0107] 正極活物質層は、正極活物質のみで構成してもよいし、正極活物質と結着剤と導 電剤を含む合剤で構成してもよい。正極活物質層を負極活物質層と同様に、複数の 柱状粒子で構成してもよい。

[0108] 正極集電体を構成する材料としては、当該分野公知の材料を用いることができる。 このような材料としては、 Al、 A1合金、 Ni、 Tiなどが挙げられる。

[0109] リチウムイオン伝導性の電解質としては、当該分野で公知の様々なリチウムイオン 伝導性の固体電解質および非水電解質が挙げられる。例えば、非水電解質は、非 水溶媒と、それに溶解したリチウム塩を含む。本発明においても、従来よりリチウム二 次電池で用いられている非水溶媒およびリチウム塩を用いることができる。また、非水 電解質の組成は、特に限定されない。

[0110] セパレータゃ電池ケースを構成する材料としては、従来からリチウム二次電池に用 いられて!/、る、様々な形態の材料を用いることができる。

[0111] なお、本発明においては、セパレータの代わりに、リチウムイオン伝導性を有する固 体電解質をよ!/、し、上記電解質を含むゲル電解質を用いてもょレ、。

[0112] 次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、以下の実施例は本発明 を限定するものではない。

実施例

[0113] 《実施例 1》

図 11に示すような積層型リチウム二次電池を作製した。

(i)正極の作製

正極活物質である平均粒径 10 mのコバルト酸リチウム(LiCoO 2 )粉末を 10gと、 導電剤であるアセチレンブラックを 0. 3gと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン粉末を 0. 8gと、適量の N—メチルー 2—ピロリドン(NMP)とを充分に混合して、正極合剤 ペーストを調製した。

[0114] 得られたペーストを厚み 20 mのアルミニウム箔からなる正極集電体の片面に塗 布し、乾燥し、圧延して、正極活物質層を形成した。次いで、得られた正極シートを、 所定形状に切断して、正極を得た。集電体の片面に担持された正極活物質層の厚 みは 70 mであり、そのサイズは 14· 5mmX 14. 5mmであった。集電体の正極活 物質層を有さない面には、アルミニウムからなる正極リードを接続した。

[0115] (ii)負極の作製

まず、厚み 18 mで、 80mm X I 5mmのサイズに裁断された圧延銅箔(日本製箔

(株)製)の片面に、めっき法により、以下のようにして、図 4に示すようなパターンで、 凹部と凹部で区画された複数の突出領域を形成した。なお、圧延銅箔の表面粗さは 、 1 ,1 mであり、互いに隣接する凸部の中心間距離は 1 μ mであった。

[0116] まず、圧延銅箔(日本製箔製)上にネガ型フォトレジストを塗布し、対角線の長さが 1 0〃 m X 30〃 mのひし形のパターンが配置されたネガ型マスクを用いて、銅箔上の レジストフイルムを露光し、現像した。形成された溝に、電解法により銅粒子を析出さ せた。その後、レジストを除去して、凹部および凹部で区画された突出領域(10 m ( W b) X 30 (W a) i mのひし形)を有する集電体を得た。

[0117] 圧延銅箔の片面に形成した突出領域の高さ Hは、 8 11 mとした。また、第 1の線に沿 つて隣接する突出領域間の距離 W 3および第 2の線に沿って隣接する突出領域間の 距離 W 4は、それぞれ 16 μ ΐηであった。

突出領域の最大径 wに対して垂直な方向に沿って隣接する前記突出領域間の距 離 Lは、 12 ^ 111とした。

[0118] 集電体の長尺方向に平行な軸 Dと、第 1の線とがなす角度 αは 70° とした。前記 軸 Dと、第 2の線とがなす角度 /3は 70° とした。

[0119] 次いで、図 9に示すような、電子ビーム加熱手段(図示せず)を具備する蒸着装置(

(株)アルバック製)を用いて、集電体上に、図 1に示されるような負極活物質層を形 成した。負極活物質層は、集電体の表面の法線方向から、所定の角度だけ傾いた方 向から活物質を蒸着させることに形成した (斜角蒸着)。

[0120] 蒸着装置に設けられたガス導入配管を、マスフローコントローラを経由して、酸素ボ ンベと接続した。ノズルからは、純度 99· 7%の酸素ガス(日本酸素 (株)製)を、流量

80sccmで放出した。

[0121] ノズルの上方には、負極集電体を固定する固定台を設置した。固定台と水平面と の角度 Θ 2を 60° に設定した。固定台には、上記のようにして作製した負極集電体 を固定した。ここで、集電体上に形成される柱状粒子の成長方向を集電体の表面に 投影したときの方向が、集電体の長尺方向に平行になるように、負極集電体を固定 台に固定した。

[0122] 固定台の鉛直下方には、負極集電体の表面に堆積させるターゲットを設置した。タ 一ゲットには、純度 99. 9999%のケィ素単体((株)高純度化学研究所製)を用いた

[0123] ケィ素単体のターゲットに照射する電子ビームの加速電圧を 8kVとし、エミッショ ンを 500mAに設定した。ケィ素単体の蒸気は、酸素雰囲気を通過したのち、固定台 に固定された負極集電体上に堆積した。蒸着時間は 30分間に設定した。負極活物 質を負極集電体上に 30分間堆積させた。こうして、柱状のケィ素と酸素を含む化合 物(ケィ素酸化物)粒子からなる負極活物質層を負極集電体上に備える負極シートを 得た。得られた負極シートにおいて、集電体の片面のみに活物質層を形成した。な お、形成された柱状粒子の成長方向を集電体の表面に投影したときの長さ(つまり、 柱状粒子の集電体の長尺方向における長さ)は 20 mであった。柱状粒子の成長 方向の集電体の表面の法線方向における長さは 20 μ mであった。柱状粒子の成長 方向を集電体の表面に投影したときの方向は、突出領域の最大径 Wの方向と垂直 であった。

その後、負極表面に、真空蒸着法によって、厚さ 10 ΐηの Li金属膜を蒸着した。

[0124] 得られた負極シートを 15mm X 15mmのサイズに切断して、負極 1 Aを得た。負極

1Aの負極活物質層を有さない面には、ニッケル製の負極リードを接続した。

[0125] 得られた負極活物質層に含まれる酸素量を燃焼法により定量して、形成したケィ素 酸化物の組成を求めた。その結果、ケィ素酸化物の組成は、 SiO 0. 5であった。

[0126] 次に、負極 1Aの表面および断面を電子顕微鏡で観察した。

表面観察の結果、柱状粒子同士のつながりが抑制されており、柱状粒子の成長方 向と集電体の表面の法線方向とがなす角度 Θは 45° であった。負極活物質層の厚 みは 20 H mであり、互いに隣接する柱状粒子のピッチは 9 H mであった。柱状粒子 の中心高さにおける直径は、 5 mであった。

[0127] 次いで、水銀ポロシメータ((株)島津製作所製のオートポア ΙΠ9410)を用いて、負極 1Aの活物質層の空隙率 Pを、以下のようにして測定した。

まず、上記負極 1Aで用いた圧延銅箔(表面粗さ: 1 m、厚み: 35 m)を 15mm X I 5mmのサイズに切断し、その表面に、上記と同様のめっき法により、凹部および 複数の突出領域を含む集電体を作製した。得られた集電体の片面に、上記と同様の

条件で、 SiO 0. 5の組成を有する柱状粒子を形成して、試料を作製した。

[0128] 得られた試料の重量から、集電体の重量を差し引いて、活物質層の重量を求めた 。活物質層の重量および SiO 0. 5の密度(2. 29g/cm3)から、活物質層に含まれる 活物質粒子の合計体積 (VT)を求めた。なお、上記の計算において、 Siの真密度(2 . 33g/cm3)と SiOの真密度(2· 24g/cm3)の平均値を、 SiO 0. 5の密度とした。

[0129] 次に、水銀ポロシメータにより、試料の活物質層の空隙に水銀を侵入させて、侵入 した水銀の体積 (VH)を求めた。活物質層の真体積 (VT)と、活物質層の空隙に侵 入した水銀の体積 (VH)から、空隙率 P ( = 100 X {VH/ (VT + VH) } )を求めた。 その結果、活物質層の空隙率は 34%であった。

[0130] 以下に、負極 1Aの物性をまとめる。

(負極集電体)

基材 (圧延銅箔)の厚み: 18 m

基材の表面粗さ: 1 m

基材における互いに隣接する凸部の中心間距離: 1 μ m

突出領域の横断面の形状:ひし形

突出領域の W : 30 ^ 111

突出領域の W b ι ΐθ , ΐη

突出領域の高さ H ^ m

突出領域間の距離 L: 12 m

突出領域間の距離 W 3: 16 m

突出領域間の距離 W 4: 16 m

集電体の長尺方向に平行な軸 Dと第 1の線とがなす角度 α : 70°

集電体の長尺方向に平行な軸 Dと第 2の線とがなす角度 /3 : 70°

[0131] 突出領域の面積比率: 25%

線分比率: 50%

比(L/H) : 1 · 5

比(W a /W b ): 3

[0132] (負極活物質層)

組成: SiO 0. 5

サイズ: 15 mm X 15 mm

柱状粒子の成長方向と集電体の表面の法線方向とがなす角度 Θ : 45° 厚み t O ^u m

柱状粒子の中心高さにおける直径: 5 m

空隙率 P : 34%

柱状粒子の成長方向における長さ: 30 m

柱状粒子の集電体表面の法線方向における長さ(つまり、活物質層の厚み t) : 20 μ m

柱状粒子の集電体の長尺方向における長さ: 20 m

[0133] (iii)電池の組立

上記のように作製した正極と負極との間に、セパレータを配置して、積層型の極板 群を得た。得られた極板群において、正極活物質層と負極活物質層とが、セパレー タを介して対向するように、正極と負極を配置した。セパレータとしては、厚み 20〃m のポリエチレン製微多孔膜 (旭化成 (株)製)を用レ、た。

[0134] 得られた極板群を、電解質とともに、アルミニウムラミネートシートからなる電池ケー スに揷入した。電解質は、エチレンカーボネート(EC)とェチルメチルカーボネート(E MC)とを体積比 1 : 1で混合した混合溶媒に、 LiPF 6を 1. Omol/Lの濃度で溶解す ることにより調製した。

[0135] 所定の時間放置して、電解質を、正極活物質層、負極活物質層およびセパレータ にそれぞれ含浸させた。この後、正極リードと負極リードとを、電池ケースの互いに逆 方向に位置する開口部からそれぞれ外部に延ばした。この状態で、電池ケース内を 減圧しながら、電池ケースの両方の開口部をそれぞれ樹脂材料を用いて密封した。 こうして、電池を完成させた。得られた電池を電池 1Aと称する。

[0136] 《比較例 1》

負極集電体として、電解銅箔 (古河サーキットフォイル (株)製、表面粗さ: 2 ^ !11、厚 み: 18 111)を用いたこと以外、実施例 1と同様にして、比較負極 1Bを作製した。な お、比較負極 1Bにおいて、集電体には、凹部は形成しな力た。つまり、比較負極 1

Bの集電体は、凹部および突出領域を有さなかった。

[0137] 次に、比較負極 1Bを切断し、その断面を電子顕微鏡で観察した。さらに、上記と同 様に、水銀ポロシメータを用いて、比較負極 1Bの活物質層の空隙率 Pを求めた。 以下、負極 1Bの物性をまとめる。

[0138] (負極集電体 (電解銅箔))

厚み: 18〃111

表面粗さ: 2 111

互いに隣接する凸部の中心間距離:9 πι

[0139] (負極活物質層)

組成: SiO 0. 5

サイズ: 15 mm X 15 mm

柱状粒子の成長方向と集電体の表面の法線方向とがなす角度 Θ : 45° 厚み t O ^u m

互いに隣接する柱状粒子の中心間距離: 9 m

柱状粒子の中心高さにおける直径: 5 m

空隙率 P : 31 %

[0140] 比較負極 1Bを用いたこと以外、実施例 1と同様にして、比較電池 1Bを作製した。

[0141] [評価方法]

(i)充放電特性

電池 1Aおよび比較電池 1Bを、それぞれ 20°Cの恒温室に収容し、以下のような定 電流定電圧方式で、各電池を充電した。まず、各電池を、電池電圧が 4. 2Vになるま で 1Cレート(1Cとは 1時間で全電池容量を使い切ることができる電流値)の定電流で 充電した。電池電圧が 4. 2Vに達した後は、電流値が 0. 05Cになるまで、各電池を 定電圧で充電した。

20分間休止した後、充電後の電池を、 1Cレートのハイレートの定電流で、電池電 圧が 2. 5Vになるまで放電した。ハイレートでの放電後、各電池を、更に 0. 2Cの定 電流で、電池電圧が 2. 5Vになるまで再度放電した。再放電後、 20分間休止した。 上記のような充放電を 500サイクル繰り返した。図 12に、サイクル数と全放電容量( ハイレート放電と再放電との合計)との関係を示す。なお、図 12において、縦軸であ る全放電容量(%)は、 10サイクル目での全放電容量を基準としている。

[0142] また、 10サイクル目における、充電容量に対する全放電容量の割合を百分率値で 求めた。同様に、 500サイクル目における、充電容量に対する全放電容量の割合を 百分率値で求めた。得られた値を、充放電効率として、表 1に示す。

[0143] また、 10サイクル目における、全放電容量に対するハイレート放電での放電容量の 割合を、百分率値で求めた。同様に、 500サイクル目における、全放電容量に対す るハイレート放電での放電容量の割合を、百分率値で求めた。得られた値を、ノ、ィレ ート比率として、表 1に示す。

[0144] さらに、 10サイクル目での全放電容量を 100とし、 10サイクル目での全放電容量に 対する 500サイクル目での全放電容量の割合を、百分率値で求めた。得られた値を 、容量維持率として、表 1に示す。

[0145] [表 1]


[0146] 表 1および図 12に示すように、電池 1Aにおいては、 10サイクル目のようなサイクル 初期においても、 500サイクル後おいても、充放電効率、ハイレート比率および容量 維持率は、高い値を示した。

一方、比較電池 1Bの 500サイクル目での容量維持率は、電池 1Aと比べて、顕著 に低下していた。これは、比較電池 1Bにおいて、充電時の膨張の際に、集電体にし わが生じたり、集電体が切れたりすることが抑制されたためと考えられる。

[0147] 以上のように、本発明の負極を用いることにより、サイクル特性を効果的に向上でき ることが確認された。なお、本実施例では、凹部および突出部が図 4に示されるバタ ーンを有する集電体を用いた。図 4以外のパターンで凹部および複数の突出領域が 配置された集電体を用いた場合でも、例えば、角度 αおよび角度 /3力 5° 以外の 角度であったとしても、上記と同様の効果が得られる。

[0148] 《実施例 2》

次に、突出領域のサイズを変化させて、適正なサイズの範囲を求める実験を行った 。集電体に設けられた突出領域のパターンを以下のように変更するとともに、負極活 物質層を以下のように変更したこと以外は、実施例 1と同様にして、負極 2A〜2Dを 作製した。負極 2A〜2Dを用いたこと以外、実施例 1と同様にして、電池 2A〜2Dを 作製した。

[0149] (i)負極 2A

突出領域の横断面の形状を、 W a力であり、 W b力 O mであるひし形とした。 最大径 Wに対して垂直な方向に沿って隣接する突出領域間の距離 Lを 18 mとし た。突出領域の高さ Hを 6 mとした。これら以外は、実施例 1と同様にして、負極集 電体 2Aを作製した。

なお、負極 2B〜2Dでは、突出領域の最大径 Wは、柱状粒子の成長方向を集電 体の表面に投影した方向に垂直であり、最大径 W bは、柱状粒子の成長方向を集電 体の表面に投影した方向に平行である。負極 2Aにおいても、便宜上、柱状粒子の 成長方向を集電体の表面に投影した方向に垂直な方向における突出領域の最大径 を Wとし、柱状粒子の成長方向集電体の表面に投影した方向に平行な方向におけ る突出領域の最大径を W bとしている。

[0150] 次に、図 10に示されるような蒸着装置を用い、傾斜蒸着により、集電体 2Aの上に、 図 7に示されるような複数の柱状粒子を含む負極活物質層を形成した。

[0151] 得られた負極集電体 2Aを、固定台 91に設置した。固定台 91は、水平面と 60° の 角 αを成すように傾斜させた。シリコン単体のターゲット 85に照射する電子ビームの 加速電圧を 8kVとし、ェミッションを 500mAに設定した。酸素ガス流量は 80sccm に設定した。この状態で 3分 45秒間の蒸着を行い、一段目の粒層を形成した。

[0152] 次に、固定台 91を水平面に対して 120° の角度(180— α )を成すように傾斜させ たこと以外、上記と同じ条件で、一段目の粒層上に、二段目の粒層を形成した。その 後、固定台の角度を 60° または 120° に交互に変えて、上記の操作を繰り返し、図 7に示すような粒層力層積層された積層体からなる柱状粒子を含む負極活物質層 を形成した。

[0153] 負極活物質層を上記のように形成したこと以外、実施例 1と同様にして、負極 2Aを 作製した。活物質層の厚み t (積層体の高さ)は 20 mであった。

[0154] 得られた負極活物質層に含まれる酸素量を燃焼法により定量して、シリコンと酸素 とを含む化合物からなる負極活物質の組成を求めた。その結果、負極活物質の組成 は SiO であった。

[0155] (ii)負極 2B

突出領域の横断面の形状を、 W力 0 mであり、 W力 0 mであるひし形とし、 突出領域間の距離 Lを 18 mとし、突出領域の高さ Hを 6 μ mとしたこと以外、実施 例 1と同様にして、負極集電体 2Bを作製した。

得られた負極集電体 2B上に、負極 2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負 極 2Bを作製した。

[0156] (iii)負極 2C

突出領域の横断面の形状を、 W力 0 であり、 W力 0 mであるひし形とし、 突出領域間の間隔 Lを 18 mとし、突出領域の高さ Hを 6 mとしたこと以外は、実 施例 1と同様にして、負極集電体 2Cを作製した。

得られた負極集電体 2C上に、負極 2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負 極 2Cを作製した。

[0157] (iv)負極 2D

突出領域の横断面の形状を、 W力 5 mであり、 W力 0 mであるひし形とし、 突出領域間の距離 Lを 18 mとし、突出領域の高さ Hを 6 μ mとしたこと以外は、実 施例 1と同様にして、負極集電体 2Dを作製した。

得られた負極集電体 2D上に、負極 2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、 負極 2Dを作製した。

[0158] 表 2に、負極 2A〜2Dに用いた集電体 2A〜2Dの物性値について示し、表 3に、負 極 2A〜2Dの活物質層の物性値について示す。

[0159] [表 2]


[0160] [表 3]


[0161] 電池 2A 2Dの 500サイクル後の容量維持率を、実施例 1と同様にして測定した。

結果を、表 4に示す。

[0162] [表 4]

電池 2A 電池 2B 電池 2C 電池 2D

容量維持率 65% 75% 73% 62%

[0163] 電池 2A〜2Dの結果から、ひし形の対角線 W aと W bとの比(W a /W b )が;!〜 4であ れば、良好なサイクル特性が得られることがわかる。

一方、比 (W a /W b )が 1より小さいか、または 4より大きい場合には、サイクル特性が やや低下した。比 (W a /W b )が 1より小さいと、活物質の空隙率が低くなり、活物質が 膨張したときに隣接する活物質が衝突して、一部の活物質が集電体から剥がれるた め、サイクル特性がやや低下したと考えられる。比 (W a /W b )が 4より大きいと、活物 質粒子の Wと平行な方向な径が大きくなり、活物質粒子が膨張したときに、集電体 の Wと平行な方向の歪みが大きい。このため、活物質が割れたり、集電体から剥が れたりするため、サイクル特性がやや低下したと考えられる。

[0164] 《実施例 3》

次に、突出領域の面積比率および線分比率の適正な範囲を求める実験を行った。 突出領域の面積比率および線分比率は、最大径 Wに対して垂直な方向に沿って 隣接する突出領域間の距離 Lを変化させることにより、調節した。

[0165] 集電体に設けられたひし形の突出領域のパターンを、以下のように変更して、負極

3A〜3Dを作製した。負極 3A〜3Dを用いたこと以外、実施例 1と同様にして、電池 3A〜3Dを作製した。

[0166] (i)負極 3A

突出領域の横断面の形状を W a力 ¾0 111であり、 W b力 O ^ mであるひし形とし、突 出領域間の距離 Lを 7 mとし、突出領域の高さ Hを 3· 5 mとしたこと以外は、実施 例 1と同様にして、負極集電体 3Aを作製した。

得られた負極集電体上に、負極 2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負極 3Aを作製した。

[0167] (ii)負極 3B

突出領域間の距離 Lを 10 mとし、突出領域の高さ Hを 5 a mとしたこと以外は、負 極 3Aと同様にして、負極集電体 3Bを作製した。

得られた負極集電体 3B上に、負極 2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負 極 3Bを作製した。

[0168] (iii)負極 3C

突出領域間の距離 Lを 27 a mとし、突出領域の高さ Hを 6 μ mとしたこと以外は、負 極 3Aと同様にして、負極集電体 3Cを作製した。

得られた負極集電体 3C上に、負極 2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負 極 3Cを作製した。

[0169] (iv)負極 3D

突出領域間の距離 Lを 30 a mとし、突出領域の高さ Hを 6 μ mとしたこと以外は、負 極 3Aと同様にして、負極集電体 3Dを作製した。

得られた負極集電体 3D上に、負極 2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、 負極 3Dを作製した。

[0170] 表 5に、負極 3A〜3Dに用いた集電体 3A〜3Dの物性値について示し、表 6に、負 極 3A〜3Dの活物質層の物性値について示す。

[0171] [表 5]


[0172] [表 6]

負極 3A 負極 3Β 負極 3C 負極 3D

負極活物貧の組成 S i 00 5 S i 00 5 S i O) S S " 00.5 負極活物質のサイズ 15mm I Smm 1 5mm X 15mm 1 5M X 1 5M 15mmX 15mm 負極活物質餍の!!み t 20μ園 20μη 20μηι ΖΟμπι 柱状粒子め成長方向と

集電体の表面め法線方 0° 0" 0° 0°

向とがなす角度 0

負極活物質層の ΖΖ% 341 35X 32¾

空隙率 P

[0173] 電池 3A〜3Dの 500サイクル後の容量維持率を、実施例 1と同様にして測定した。

結果を、表 7に示す。

[0174] [表 7]


[0175] 電池 3A〜4Dの結果から、突出領域の面積と凹部の面積との合計に占める突出領 域の面積の割合が 10〜30%の場合に、サイクル特性が、特に優れていることが分か つた。また、突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も長くなるように集電体 上に描かれた線分の全長に対する前記合計長さの割合が 35〜60%の場合に、サイ クル特性が特に優れていることが分かった。

[0176] 一方、負極 3Aは突出領域の面積比率と線分比率が高い。この結果、突出領域の 上部に形成した活物質粒子を含む活物質層の空隙率が低くなり、活物質が膨張した ときに、隣接する活物質粒子同士が衝突して、活物質粒子が集電体から剥がれるた め、サイクル特性がやや低下したと考えられる。

負極 3Dは、突出領域の面積比率および線分比率が小さい。つまり、活物質の斜角 蒸着において、突出領域の影となる面積が小さぐ突出領域以外の部分にも活物質 が形成される。このため、負極活物質層の空隙率 Pが低下する。よって、負極 3Dに おいても、負極 3Aと同様に、活物質が膨張したときに、隣接する活物質粒子同士が 衝突し、活物質粒子が集電体から剥がれるため、サイクル特性がやや低下したと考 X_られる。

[0177] 《実施例 4》

次に、突出領域の高さの適正範囲を求める実験を行った。

突出領域の形状とその高さを以下のように変更したこと以外、実施例 2と同様にして 、負極 4A〜4Eを作製した。負極 4A〜4Eを用いたこと以外、実施例 1と同様にして、 電池 4A〜4Eを作製した。

[0178] (i)負極 4A

突出領域の横断面の形状を、 W a力 ¾0 mであり、 W b力 O mであるひし形とし、 突出領域間の距離 Lを 18 mとし、突出領域の高さ Hを 12 mとしたこと以外は、実 施例 1と同様にして、負極集電体 4Aを作製した。

得られた負極集電体 4A上に、負極 2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、 負極 4Aを作製した。

[0179] (ii)負極 4B

突出領域の高さ Hを 9 mとしたこと以外、負極 4Aと同様にして、負極 4Bを作製し た。

[0180] (iii)負極 4C

突出領域の高さ Hを 6 a mとしたこと以外、負極 4Aを同様にして、負極 4Cを作製し た。

[0181] (iv)負極 4D

突出領域の高さ Hを 3 mとしたこと以外、負極 4Aと同様にして、負極 4Dを作製し た。

[0182] (V)負極 4E

突出領域の高さ Hを 2 mとしたこと以外、負極 4Aと同様にして、負極 4Eを作製し た。

[0183] 表 8に、負極 4A〜4Eに用いた集電体 4A〜4Eの物性値について示し、表 9に、負 極 4A〜4Eの活物質層の物性値について示す。

[0184] [表 8]


[0185] [表 9]


[0186] 電池 4A 4Eの 500サイクル後の容量維持率を、実施例 1と同様にして測定した。

結果を、表 10に示す。

[0187] [表 10]

電池 4A 電池 4B 電池 4C 電池 4D 電池 4E

容量維持率 82% 82% 80% 72% 60%

[0188] 電池 4A〜4Eの結果から、突出領域の高さ Hに対する、突出領域の最大径 Wに対 して垂直な方向に沿って隣接する突出領域間の距離 Lの比(L/H)が 6以下であれ ば、特にサイクル特性が優れることが分かった。

[0189] 一方、負極 4Eを含む電池 4Eでは、サイクル特性がやや低下して!/、た。負極 4Eの 集電体において、突出領域の高さが低ぐ比(L/H)が大きい。このため、斜角蒸着 において突出領域の影となる面積が小さぐ突出領域以外の部分にも活物質が形成 され、活物質層の空隙率が低下する。従って、負極 4Eにおいては、活物質粒子が膨 張したときに、隣接する活物質粒子同士が衝突して、活物質粒子が集電体力剥が れるため、サイクル特性がやや低下してと考えられる。

[0190] 電池 4Aと 4Bは、同じ容量維持率を示した。これは、負極 4Aと 4Bの空隙率 Pが同じ 値であることに起因すると考えられる。空隙率 Pは、斜角蒸着における突出領域の影 となる面積によって決定される力比(L/H)が 2以下である場合、空隙率は同程度 となる。負極集電体 4Aの突出領域を含めた厚みは 42 mであり、負極集電体 4Bの それは 36 H mである。負極集電体 4Aは、負極集電体 4Bと比較して、 6 μ m厚いた め、電池 4Aの単位体積あたりの電池容量は、電池 4Bのそれと比較して小さくなる。 従って、比(L/H)は 2以上であることが好まし!/、。

[0191] 《実施例 5》

本実施例では、負極活物質層を構成する柱状粒子に含まれる粒層の積層数を変 化させて、負極 5A〜5Cを得た。負極 5A〜5Cを用い、実施例 1と同様にして、電池 5A〜5Cを作製した。

負極 5A〜5Cにおいて、負極集電体としては、負極集電体 4Cを用いた。

[0192] (i)負極 5A

基本的には、実施例 2と同様にして、粒層の積層数と 30段としたこと以外、実施例 2 と同様にして、負極活物質層を形成した。具体的には、以下のようにして、負極活物 質層を形成した。

負極集電体 4Cを、固定台 91に設置した。固定台 91は、水平面と 60° の角 αを成 すように傾斜させた。シリコン単体のターゲット 85に照射する電子ビームの加速電圧 を 8kVとし、ェミッションを 500mAに設定した。酸素ガスの流量は 80sccmに設定 した。この状態で 1分間の蒸着を行い、一段目の粒層を形成した。

[0193] 次に、固定台 91を水平面に対して 120° の角度(180— α )を成すように傾斜させ たこと以外、上記と同じ条件で、一段目の粒層上に、二段目の粒層を形成した。その 後、固定台の角度を 60° または 120° に交互に変えて、上記の操作を繰り返し、図 8に示すような粒層が 30層積層された積層体を含む負極活物質層を形成した。

[0194] (ii)負極 5Β

蒸着時間を、 30秒間に変更したこと以外、負極 5Aと同様にして、負極 5Bを作製し た。負極 5Bにおいて、積層体に含まれる粒層の積層数は、 60段とした。

[0195] (iii)負極 5C

蒸着時間を、 20秒間に変更したこと以外、負極 5Aと同様にして、負極 5Cを作製し た。負極 5Cにおいて、積層体に含まれる粒層の積層数は、 90段とした。

[0196] 負極 5A〜5Cについて、得られた負極活物質層に含まれる酸素量を燃焼法により 定量して、シリコンと酸素とを含む化合物からなる負極活物質の組成を求めた。その 結果、いずれの負極においても、負極活物質の組成は SiO 0. 5であった。また、負極 5

A〜5Cの活物質層の厚み(積層体の高さ)は、いずれも 20 μ mであった。

[0197] 電池 5A〜5Cの 500サイクル後の容量維持率を、実施例 1と同様にして測定した。

結果を、表 11に示す。

[0198] [表 11]


電池 5A〜5Cの結果から、積層体に含まれる粒層の積層数を増加させても、優れ たサイクル特性が得られることが分かった。

産業上の利用可能性

本発明により、例えばサイクル特性に優れた高容量のリチウム二次電池を提供する ことができる。このようなリチウム二次電池は、例えば、携帯型電子機器用の電源とし て用いることができる。