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1. WO2006104085 - ANTICORPS MONOCLONAL SPECIFIQUE DES ANTIGENES HLA DE CLASSE I DENATURES

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[ JA ]
明 細書

変性ヒト class I白血球抗原に特異的なモノクローナル抗体

技術分野

[0001] この発明は、変性ヒト class I白血球抗原 (HLA_A、 B、 C)重鎖と特異的に結合するモ ノクローナル抗体に関し、更に、この抗体を用いた変性ヒト class I白血球抗原の検查 方法やこの抗体を含む変性ヒト class I白血球抗原の検查薬に関する。

背景技術

[0002] 過去数十年にわたり、世界中で大部分の臨床組織検体は 10%〜20%ホルマリン固定 液等によって保存されてきたが、ホルマリンのような固定液は組織中の蛋白質を高度 に変性させるため、固定された標本中の蛋白質を特異抗体によって検出するために は変性蛋白質を認識できる抗体が必要である。

一方、ヒト class I白血球抗原(HLA class I)は、免疫担当細胞に抗原分子を提示し ている重要な分子である。例えば、ウィルス感染細胞ではウィルス蛋白質の分解産 物抗原ペプチドが、癌細胞では癌抗原蛋白質の分解産物抗原ペプチドが、それぞ れ HLA class I分子と結合し、細胞表面に表出している。免疫担当細胞のなかで T細 胞は、細胞表面に持つ T細胞抗原受容体によって標的細胞表面の抗原ペプチド ·Η LA複合体を認識し、正常細胞とウィルス感染細胞 ·癌細胞とを識別する。そのため H LA class I分子の発現が抑制された状態では、 T細胞の標的細胞識別機構が正常に 働かないため、ウィルス感染細胞や癌細胞が免疫系の監視機構から逃れることにな る。このように、 HLA class I抗原分子は免疫系において重要な役割を果たしている分 子であり、ヒトの組織や細胞においてこの分子の発現を検查することは、各種ヒト疾患 の免疫病態を知るうえで重要な情報となる。

し力、し、従来使用されているヒト class I白血球抗原 (HLA class I)抗体(例えば、 W6/3 2抗体)は、変性した HLA class I蛋白質を認識できないため、ホルマリン等で固定し た組織中の抗原蛋白質を免疫染色法によって検出することはできなかった。

[0003] 一方、変性した HLA class I蛋白質と優先的に結合するモノクローナル抗体としては 、クローン名 HC10と HCA2の 2種類のマウスモノクローナル抗体が報告されている(非

特許文献 1)。し力し、 HC10は、 HLA_B、 HLA-Cの 2種類の遺伝子由来の HLA class I重鎖蛋白質とは結合する力 HLA-A遺伝子由来の重鎖蛋白質とは結合しない。ま た、 HCA2は、 HLA-A遺伝子由来の HLA class I重鎖蛋白質とは結合するが、 HLA-B 、 HLA-C遺伝子由来の重鎖蛋白質とは結合しない。

このようにホルマリン等で固定した標本のような変性ヒト組織を材料として HLA class Iを構成する HLA-A、 HLA-B、 HLA-Cの 3種類の重鎖蛋白質の発現をすベて同時に 検出可能なモノクローナル抗体は、これまでに報告されていな力、つた。

[0004] 非特許文献 1 : Stam NJ, et al. Int Immunol. 1990;2(2): 113-25.

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] ホルマリン等によって固定され保存されているヒト病理組織検体は、 HLA class I分 子だけでなくすべての組織蛋白質が変性しているため、モノクローナル抗体によって 固定組織中の蛋白質を検出しょうとする場合、変性蛋白質を認識することのできる抗 体を用いる必要がある力これまで HLA_A、 B、 Cのすベてを認識するモノクローナル 抗体は存在せず、 HLA-A、 B、 Cのすベてを認識するモノクローナル抗体が求められ ていた。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明者等は、変性させたリコンビナント HLA-A*2402重鎖蛋白質をマウスに免疫 することによって、変性 HLA_A、 B、 Cのすべてに優先的に結合する HLA class I特異 抗体を樹立できることを見出し、本発明を完成した。

即ち、本発明は、変性ヒト class I白血球抗原の HLA-A、 HLA-B及び HLA-Cの各重 鎖と特異的に結合するモノクローナル抗体である。

また本発明はこのモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマである。 更に、本発明は、ハイプリドーマ (FERM AP-20454)により産生され、変性ヒト class I 白血球抗原の HLA-A、 HLA-B及び HLA-Cの各重鎖と特異的に結合するモノクロ一 ナル抗体である。

また本発明は、このハイプリドーマの免疫グロブリン遺伝子情報であり、この遺伝子 情報を用いて作られたリコンビナント蛋白質である。

また本発明は、このモノクローナル抗体をヒト由来の細胞若しくは組織を変性させた 検体に反応させることから成る変性ヒト class I白血球抗原の検査方法である。

更に本発明は、このモノクローナル抗体を主成分とする変性ヒト class I白血球抗原 の検查薬である。

発明の効果

[0007] 本発明のモノクローナル抗体により、ホルマリン等で固定したパラフィン包埋切片に おける HLA_A、 B、 C遺伝子由来重鎖蛋白質の免疫組織染色が可能となった。これ により、日常臨床の場で手術摘出標本や生検標本として提出されるホルマリン等で 固定した病理組織検体を用いた HLA class I抗原の検出を組織レベルで可能にする ばかりでなぐ過去に保存されたホルマリン固定パラフィン包坦標本に関しても、さか のぼって HLA class I抗原を検索することが可能になった。

また後述の実施例 4で示すように、癌組織の HLA class I検査は癌の病理学的診断 だけでなく患者の予後を予測する診断にも有用である。

また後述の実施例 5で示すように、本抗体を用いた癌組織の免疫組織染色法は C TLに依存した免疫療法の適応決定診断法としても有用である。

発明を実施するための最良の形態

[0008] ヒト class I白血球抗原(HLA class I)は、主として HLA_A、 HLA_B、 HLA-Cの 3種類 の遺伝子によってコードされる重鎖と、 beta2- microglobulinとレ、う 1種類の遺伝子によ つてコードされる軽鎖の 2分子のへテロ 2量体から成り、重鎖遺伝子には遺伝子多型 が存在する。例えば、日本人に最も頻度の高い HLA遺伝子は HLA-A*2402と命名さ れた遺伝子 (Genbank ACCESSION #M64740)であることが知られている。

[0009] 本発明の、変性したヒト class I白血球抗原 (HLA_A、 B、 C)重鎖と優先的に結合する マウスモノクローナル抗体は、クローン名 EMR8のハイブリドーマ及びそのサブクロー ンが培養上清中に産生する抗体で、サブクラス IgGl、 k鎖を有すマウスモノクローナ ル抗体である。この抗体を EMR8抗体と命名する。

ハイプリドーマ EMR8は、平成 17年 3月 9日に独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託され、受託番号 FERM AP— 20454が付与されたが 、その後国際寄託に移管され、平成 18年 3月 9日に同センターから受託番号 FERM

BP— 10550が付与された。

変性手段としては、ホルマリン処理、パラホルムアルデヒド処理、ダルタールアルデ ヒド処理等のアルデヒド処理、アセトン処理、アルコール処理、尿素処理、グァニジン 塩酸処理、蟻酸処理、加熱処理等が挙げられ、好ましくはアルデヒド処理、アセトン 処理又はアルコール処理が挙げられる。

[0010] 本発明の抗体は、ハイプリドーマ EMR8とそのサブクローンの培養上清中に産生さ れる。 HLA class I抗原の検出には培養上清を使用してもよい。また、ハイプリドーマ をマウスの腹腔内に移植し、 EMR8抗体を含む腹水を使用してもよい。更に、ハイプリ ドーマ EMR8細胞の免疫グロブリン遺伝子 DNA又は RNAを抽出し、その可変領域遺 伝子配列を含んだ遺伝子を組み替えて作成したリコンビナント蛋白質を使用してもよ レ、。

本発明の抗体を使用して、ホルマリン等で固定したパラフィン包埋切片の組織中に 発現している変性したヒト class I白血球抗原 (HLA_A、 B、 C)重鎖を免疫組織染色法 やウェスタンブロッテイング法によって検出することができる。したがって、本発明の抗 体は、臨床検査試薬、組織染色試薬、 HLA class I検出試薬として使用することがで きる。

例えば、ホルマリンやパラホルムアルデヒドなどの化学物質によって固定されたヒト 癌組織やウィルス感染組織における HLA class I抗原蛋白質の発現検査や各種ヒト 疾患の病理組織における HLA class I抗原蛋白質の発現レベル解析や細胞内局在 部位の検出に応用される。

[0011] 本発明の抗体を HLA検出試薬として使用する場合、本発明の抗体はそれ自身で 又は他の抗体と共に使用することができ、更に抗体を直接蛍光標識したり、酵素標識 したりすることができる。

この抗原抗体反応を検知する方法に特に制限はないが、ィムノブロット法、ドットブ ロット法、 ELISA法等が挙げられ、 ELISA法を用いることが好ましい。

検查方法の一例として,本発明の抗体を、検体中に存在する HLAと反応させ、更に この抗体を認識するプローブを反応させる。このプローブとしては、抗ヒ HgG抗体、プ 口ティン G、プロテイン A、プロテイン Lなどが挙げられる。このプローブには通常標識 を付す。この標識としては、放射性同位元素("¾、酵素(ペルォキシダーゼ、アル力 リフォスファターゼ)、蛍光物質、発光物質等が挙げられる。酵素抗体を用いた場合 には、基質を反応させてその変化 (着色等)を観察すればよい。

以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものでは ない。

実施例 1

[0012] 大腸菌発現ベクターに HLA-A*2402重鎖蛋白質の細胞外ドメインをコードする cD NA (配列番号 1)を挿入し、 Histidineタグ融合リコンビナント HLA-A*2402重鎖蛋白質 を作成した。

この cDNA (配列番号 1)は HLA-A2402 cDNA(Genbank ACCESSION #M64740)の 7 3番力 900番までの遺伝子の 3'末端に BirA基質ペプチドとトロンビン認識ペプチドと をそれぞれコードする遺伝子配列を結合した構造を有する。本遺伝子は、シグナル 配列を含まなレ、HLA-A2402重鎖蛋白質細胞外ドメインの C末端側にピオチン化部 位とトロンビン切断部位とが結合した融合蛋白質をコードする(Journal of Immunologi cal Methods 271, 177-184, 2002)。

大腸菌を超音波によって破砕し、尿素 HEPESバッファーに溶解。ニッケル NTAァガ ロースカラムに Hisタグリコンビナント蛋白質を結合させた後、イミダゾール添加尿素 H EPESバッファーで溶出させた。この溶液を PBSでー晚透析し、変性凝集したリコンビ ナント HLA_A*2402重鎖蛋白質浮遊液を得た。

[0013] この重鎖蛋白浮遊液 (約 1 mg相当のリコンビナント蛋白質)と完全フロイドアジュバ ントとをェマルジヨンにし、 BALBん miceの皮下に免疫した。 2回目以後は不完全フロ イドアジュバントとのェマルジヨンを 1週間おきに全 8回免疫した。最終免疫の 5日後、 マウスの脾臓を摘出し、脾細胞をマウスミエローマ細胞株 NS-1と細胞融合させた。 H AT選択培養液の中で約 1ヶ月培養し、約 100個のハイプリドーマコロニーを得た。こ れらの培養上清を回収し、 1次スクリーニングを行った。

1次スクリーニングは ELISA法によって、尿素変性リコンビナント HLA-A*2402重鎖 蛋白質に反応するハイプリドーマを選択した。具体的には、 ELISAプレートに尿素変 性リコンビナント HLA-A*2402重鎖蛋白質を固相化し、ハイプリドーマ培養上清を添

カロ。 2時間後、洗浄した後に、ペルォキシダーゼ標識抗マウス免疫グロブリン抗体を 反応させ、洗浄した後にペルォキシダーゼ基質液で発色させた。得られた約 15クロ ーンの陽性ハイプリドーマについて、 2次スクリーニングを行った。

[0014] 2次スクリーニングはホルマリン固定パラフィン包坦切片のヒト病理組織の免疫組織 染色によって行った。 HLA陽性のヒト癌組織薄切標本に 15種類のハイプリドーマ培 養上清をそれぞれ添加。洗浄後、ペルォキシダーゼ標識抗マウス免疫グロブリン抗 体を反応させ、洗浄した後にペルォキシダーゼ基質液で発色させた。陽性対照染色 としては抗 HLA-B、 C抗体 HC10を用いて染色。細胞膜が HC10と同様に染色された ものを陽性とした。その結果、 1種類のハイプリドーマだけが陽性と判断された。

[0015] 3次スクリーニングはウェスタンブロッテイングによって行った。 HLA陽性のヒト癌細 胞株 OSC-20と HLA-A*2402遺伝子導入細胞株 OSC_20A24、 HLA class I陰性細胞 株 K562のそれぞれの細胞溶解液を作成。 SDS電気泳動後、 PVDF膜に転写した。こ の蛋白転写膜にハイプリドーマ培養上清を添加。洗浄後、ペルォキシダーゼ標識抗 マウス免疫グロブリン抗体を反応させ、洗浄した後にペルォキシダーゼ基質液 ECLで 発光させた。陽性対照抗体としては抗 HLA_B、 C抗体 HC10を用いてィムノブロッティ ングを行った。陽性対照抗原としては、免疫原であるリコンビナント HLA-A*2402重鎖 蛋白質を泳動した。リコンビナント HLA-A*2402重鎖蛋白質及び OSC-20細胞溶解液 に HLA class I重鎖の特異的なバンドが検出されたものを陽性と判定した。

以上 3段階のスクリーニングによって、ハイプリドーマ EMR8(FERM AP-20454)を陽 性として選択した。

[0016] このハイプリドーマを限界希釈法によってクローニングし、 20クローンのサブクローン を得た。サブクローン名には EMR8_1、 EMR8_2、〜 EMR8-20のようにサブナンバー を付カ卩した。これらサブクローンの培養上清については、上記の 2次スクリーニングと 3次スクリーニングを再検し、変性した HLA class Iの重鎖蛋白質を特異的に認識する ことを確認した。

さらに、種々の遺伝子多型の HLA-A、 B、 C遺伝子由来リコンビナント重鎖蛋白質を 用いてウェスタンブロッテイングを行レ、、 EMR8サブクローンの反応特異性について解 析した。その結果、陽性対照抗体 HC10が HLA-B、 C重鎖のみに反応するのに対し、 EMR8サブクローンは検索したすべての HLA_A、 B、 C重鎖と反応することが示された 。 EMR8抗体はサブクラス IgGl、 k鎖を有すマウスモノクローナル抗体で、ホルマリン固 定パラフィン包埋切片の病理組織の細胞膜に発現する HLA_A、 B、 Cを同時に検出 することが可能であった。

なお用いた陽性対照抗体 HC10は、 Dr. Soldano Ferrone (D印 artment of Immunolo gy, Roswell Park Cancer Institute, Buffalo, New York)から供与されたものを用いた。 実施例 2

[0017] 本実施例では、実施例 1で得た抗体を用いてホルマリン固定ヒト組織の免疫組織染 色を行った。その手順を以下に示す。

(1) 20%ホルマリン固定液で固定されたヒト大腸癌組織のパラフィン包埋切片をェチ ルアルコールによって脱パラフィン処理した。

(2)抗原賦活化処理として、切片を 0.01 mol/Lクェン酸 buffer (pH6.0)に浸して、マイ クロウェーブ処理(95°C、 15分)した。

(3)一次抗体としてハイプリドーマ EMR8-5培養上清 10倍希釈液を 0.5 ml切片上に 滴下し、室温で 1時間インキュベーションした。

(4)洗浄液 PBS-T (0.05% Tween 20/PBS、 pH 7.4)で 3回洗浄した。

(5)二次抗体ペルォキシダーゼ標識抗マウス IgG抗体(シンプルスティン MAX-P〇、 NICHIREI)を切片上に滴下し、室温で 30分間インキュベーションした。

(6)洗浄液 PBS-T (0.05% Tween 20/PBS、 pH 7.4)で 3回洗浄した。

(7)切片を過酸化水素水と DAB基質の混合液(シンプルスティン MAX_PO、 NICHIR EI)に浸し、 1〜2分間発色反応させた。

(8)切片を流水で 1分間洗浄した。

(9) Hematoxylin核染色ひ〜 2分)を行った。

[0018] 図 1に、ホルマリン固定された大腸癌組織標本パラフィン包埋切片の免疫染色例を 示す。図(1)は腫瘍組織に HLA class Iが茶色に染色されている力 S、図(2)では腫瘍 細胞に HLA class Iが陰性であり、腫瘍間質に浸潤しているリンパ球や血管内皮細胞 が茶色に染色されている。すなわち、同じ大腸癌であっても HLA class I抗原陽性の 癌と陰性の癌とが存在し、実施例 2に示したような EMR8抗体を用いた免疫組織染色

法によって、これら癌組織の判別が可能となることを実証している。

実施例 3

[0019] 本実施例では、本発明の抗体を用いてウェスタンブロッテイングを行った。その手 順を以下に示す。

(1) 1 X 106の細胞を 100 microLの細胞溶解液(RIPA buffer)に溶解し、可溶性分画を ライゼートとして回収する。ライゼートに SDS sample bufferを加えた。

使用したリコンビナント蛋白質は、 MBL医学生物学研究所から提供された HLA重鎖 リコンビナント蛋白質を用いた。但し、 HLA-A2402*は、実施例 1で得た Hisタグ融合リ コンビナント蛋白質である。

(2)リコンビナント蛋白質の場合は 6M UREA bufferに溶解した試料に SDS sample buf ferを加えた。

(3)蛋白試料を 7.5% SDSポリアクリルアミドゲルにロードし、電気泳動した。

(4)ゲル中の蛋白質を PVDF膜に転写した。

(5)転写膜を 5%スキムミルク 'PBSに浸し、約 1時間ブロッキングした。

(6)転写膜を一次抗体ハイプリドーマ EMR8-5培養上清 10倍希釈液に浸し、室温で 1時間インキュベーションした。

(7)転写膜を洗浄液 PBS-T (0.05% Tween 20/PBS、 pH 7.4)で 3回洗浄した。

(8)転写膜を二次抗体ペルォキシダーゼ標識抗マウス IgG抗体に浸し、室温で 1時 間インキュベーションした。

(9)転写膜を洗浄液 PBS-T (0.05% Tween 20/PBS、 pH 7.4)で 3回洗浄した。

(10)転写膜を ECLキット(アマシャム社、 USA)発光液に浸し、約 1分間発色反応させ た。

( 11 )発光シグナルを X線フィルムで検出した。

[0020] 図 2に、ウェスタンブロッテイング法による EMR8抗体と各種リコンビナント HLA class Iァリル蛋白質との反応性検査結果を示す。

EMR8抗体は図に示すすべての HLA_A、 HLA_B、 HLA-Cァリル由来のリコンビナ ント蛋白質と反応するが、 HC10抗体は HLA-Aァリノレ由来の蛋白質とは反応しなレ、。 すなわち、 EMR8抗体は HC10抗体と異なり、 HLA_A、 B、 Cの 3つすベてのァリノレ由来 HLA class I重鎖蛋白質をウェスタンブロッテイングにおいて認識することを示してい る。

[0021] 図 3に、ウェスタンブロッテイング法による EMR8抗体と各種ヒト腫瘍細胞株ライゼート との反応例を示す。用いた細胞は、 HLA-A24陰性のヒト口腔癌細胞株 OSC20、〇SC 20細胞に HLA-A*2402遺伝子を導入して安定的に HLA-A24を発現させた細胞株 0 SC20-A2402,すべての HLA class I遺伝子を発現していないヒト白血病細胞株 K562 の 3種類の細胞である。

EMR8抗体は口腔癌細胞株 OSC20と HLA_A*2402遺伝子を導入した OSC20-A240 2細胞株の発現する HLA class I重鎖と反応する。 HLA class I陰性の細胞株 K562のラ ィゼートとは反応しなレ、。右レーンには陽性対照として免疫原であるリコンビナント HL A-A*2402重鎖蛋白質に対する反応性を示す。すなわち、 EMR8抗体はリコンビナン ト HLA class I重鎖蛋白質だけでなぐ細胞内在性に発現している HLA class I重鎖蛋 白質をも、ウェスタンブロッテイング法によって認識していることを示している。

実施例 4

[0022] 過去に手術で摘出されたホルマリン固定腎癌組織標本 45症例について、本発明の EMR8抗体を用いて実施例 2と同様の方法で、免疫組織染色を行い、患者生存率と の関係を調べた。

その結果、図 4に示すように、 64%の症例で HLA class I発現陽性であった力 S、他の 3 6%の症例では HLA class I発現の低下が認められ、陽性群と低下群との間で手術後 の患者生存率を比較すると、 HLA低下群の生存率は有意に低いことが判明した。 このように、癌組織の HLA class I検查は癌の病理学的診断だけでなく患者の予後 を予測する診断にも有用である。

実施例 5

[0023] HLA class I分子によって提示される抗原ペプチドを用いた癌ワクチン療法ゃ榭状 細胞療法、遺伝子免疫療法など、癌細胞特異的細胞傷害性 T細胞(CTL)の誘導を 目指した免疫療法の開発が世界中で行われているが、その適応条件として標的癌 細胞が HLA class I抗原を細胞表面に発現していることは重要である。しかしこれまで 、本抗体のようなホルマリン固定標本を免疫染色可能な抗 HLA-A、 B、 C反応性抗体

がなかったため、患者の癌組織に HLA class I抗原が陽性であるか陰性であるかチェ ックできないまま、免疫療法の試験が行われてきた。本発明者らは、癌抗原サバイビ ン由来の抗原ペプチド Survivin2Bペプチド(特開 2002-284797)を用いた癌ペプチド ワクチン療法の臨床試験を 2003年より行ってきた。

[0024] 大腸癌を対象とした臨床試験症例 15例についてこの方法による臨床結果 (腫瘍縮 小もしくは増大抑制効果)と、本発明の抗体を用いたワクチン投与前の癌組織におけ る HLA class I抗原免疫染色結果との相関を比較した。本発明の抗体を用いた試験 においては、組織はホルマリン処理されたものを用レ、、試験方法は実施例 2に記載と 同様に行った。

その結果、臨床効果の認められた 5例は全例で EMR8抗体による HLA class I抗原 免疫染色結果が強陽性であつたのに対し、臨床効果の認められなかった 10例中 4 例は HLA class I抗原の消失もしくは減弱が認められ、癌免疫療法の臨床効果と HLA class I抗原発現レベルとの間に相関関係が認められた。

すなわち、 EMR8抗体を用いた癌組織の免疫組織染色によって癌細胞の細胞膜に HLA class I抗原が陽性に染色される症例は、 CTL誘導性免疫療法の効果が期待で きると考えられ、癌免疫療法適応の決定手段として有用性がある。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]ホルマリン固定された大腸癌組織標本パラフィン包坦切片の免疫染色例を示 す図である。(1)は腫瘍組織に HLA class I陽性例、(2)は HLA class I陰性例である

[図 2]ウェスタンブロッテイング法による EMR8-5抗体と各種リコンビナント HLA class I ァリル蛋白質との反応性検查結果を示す図である。 EMR8-5抗体は図に示す全ての HLA_A、 HLA_B、 HLA-Cァリノレ由来のリコンビナント蛋白質と反応する力 HC10抗 体は HLA-Aァリノレ由来の蛋白質とは反応しなレ、。

[図 3]ウェスタンブロッテイング法による EMR8-5抗体と各種ヒト腫瘍細胞株ライゼートと の反応例を示す図である。 EMR8-5は口腔癌細胞株 OSC20と HLA-A2402遺伝子を 導入した OSC20-A2402細胞株の発現する HLA class I重鎖と反応する。 HLA class I 陰性の細胞株 K562のライゼ一トとは反応しない。右レーンには陽性対照として免疫

原であるリコンビナント HLA-A2402重鎖蛋白質に対する反応性を示す。

園 4]過去に手術で摘出されたホルマリン固定腎癌組織標本についての免疫組織染 色結果と患者生存率の関係を示す図である。