Traitement en cours

Veuillez attendre...

Paramétrages

Paramétrages

1. WO2005060935 - NANOPARTICULES CONTENANT DES MEDICAMENTS, PROCEDE DE PRODUCTION, ET PREPARATION POUR ADMINISTRATION PARENTERALE OBTENUE A PARTIR DE LA NANOPARTICULE

Note: Texte fondé sur des processus automatiques de reconnaissance optique de caractères. Seule la version PDF a une valeur juridique
明 細書

薬物を含有するナノ粒子およびその製造方法、ならびに当該ナノ粒子か らなる非経口投与用製剤

技術分野

[0001] 本発明は、脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物を含有するナノ粒子に関 し、さらに詳細には、脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物のナノ粒子およ びその製造方法、ならびに当該ナノ粒子からなる皮膚および粘膜適用、ならびに注 射用の非経口投与用製剤に関する。

背景技術

[0002] 薬物を経皮'経粘膜投与する目的は、経口投与剤の欠陥である、例えば、(1)消化 管からの薬物の吸収が悪ぐ吸収がばらつき、肝で不活性化される、(2)急激な薬物 の吸収で副作用が発現し、特に胃腸管や肝における副作用が強く出る、(3)薬物の 徐放効果が得られな!/、、などを改善するためである。

[0003] 薬物の皮膚および粘膜適用に関しては、すでに多くの技術が実用化されている。

それらの問題点として、局所作用を目的としたものでは皮膚'粘膜への吸収 '分布が 不十分であること、皮下 ·粘膜下組織への浸透が十分でないことなどが挙げられ、ま た全身への吸収を目的として用いられる場合には、全身への吸収が十分でない薬物 が多いことである。

[0004] さらに、薬物の全身投与を目的とした外用剤にあっては、表皮または粘膜で副作用 が起きるもの、皮膚'粘膜の代謝酵素で不活性化されて副作用のある物質に変換さ れるものなどがあり、この場合には、薬物が表皮および粘膜で反応、代謝を受けない で、皮膚組織を通過される必要がある。たとえば、テストステロンの経皮投与剤は広く 用いられている力テストステロンは、皮膚に存在する 2, 5—ジハイド口キシナーゼに より脱毛、前立腺がんを起こす活性代謝物に多く代謝されることが知られている。

[0005] 近年、経口投与では不活性ィ匕してしまヽ、注射投与を余儀なくされてヽる生理活性 タンパク質、ペプチドについて、経皮 ·経粘膜投与が試みられているが、吸収率の改 善を確保するまでは到ってヽな、のが現状である。

[0006] 生理活性タンパク質の一つとして、比較的低分子で、し力も化学的に安定なインス リンを用いて皮膚、粘膜経由の投与法について種々の研究が行われている力その 吸収率は、確実なデータでは数パーセント程度にすぎず、皮膚経由の投与ではほと んど吸収されなヽとされてヽる(非特許文献 1)。

[0007] また、生物活性物質をカルシウム含有水難溶性無機物粒子に封入した製剤 (特許 文献 1)、生理活性タンパク質あるいはペプチドと亜鉛イオンとの沈殿物による水不溶 性徐放性組成物 (特許文献 2)などが提案されている。しかしながら、これらの製剤は 、薬物の吸収性、あるいは局所刺激等の点で十分なものとは言い難ぐ未だ実用化 に至ったものはない。また、本発明が目的とする脂溶性薬物または脂溶性化された 水溶性薬物を含有するナノ粒子を用いて皮膚、粘膜経由により生体内吸収させようと する技術については、これまで知られていない。

[0008] 特許文献 1 :国際公開 WO 02Z096396号公報

特許文献 2 :特開 2003-081865号公報

非特許文献 1: DRUG DELIVERY SYSTEM今日の DDS 薬物送達システム(医薬ジ ヤーナル) 325— 331頁、 1999年

非特許文献 2 :臨床薬理 (Jpn. J. Clin. Pharmacol. Ther.) :26(1), p.127— 128(1995) 非特許文献 3 :Yakugaku Zasshi: 121(12), p.929— 948 (2001)

非特許文献 4:J. Controlled Release:79, p.81— 91(2002)

[0009] 上述したように、経口投与により吸収性が悪い、あるいは不活性ィ匕する、副作用が 発現するなどの欠陥を有する薬物を、皮膚、粘膜投与に適用することができ、かつ薬 物の吸収性に優れ、十分な活性を発揮し、副作用を最小限にする薬剤の開発が望 まれている。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] したがって本発明は、経口投与によって薬効を発揮できないか、または吸収性、副 作用等で欠点を有する薬物、および注射剤、皮膚外用剤として使用されているが、 吸収性、副作用などの点で改善を要する薬物について、皮膚および粘膜経由の投 与方法により局所も含め生体内への吸収性に優れ、高いバイオアベイラビリティ一を

発揮し得る技術を提供することを課題とする。

[0011] かかる課題を解決するべぐ本発明者らは鋭意検討した結果、ナノテクノロジーを応 用し、赤血球よりも遥かに小さい特殊なナノ粒子を利用し、それに薬物を含有させる ことに成功し、力べして得られたナノ粒子を、皮膚ならびに粘膜経由による投与を行つ た場合、ナノ粒子に含有された薬物の生体内への高い吸収性が得られ、バイオアベ イラピリティーに優れるものであることを見出し、本発明を完成させるに至った。

[0012] 本発明者らは、先に、生理活性タンパク質またはペプチドのナノ粒子を発明し、特 許出願を行っている (特願 2003-312031号)。本発明者らは、さらに脂溶性薬物お よびタンパク質、ペプチド以外の水溶性薬物について、ナノ粒子の作製に成功し、本 発明を完成させるに至った。

課題を解決するための手段

[0013] したがって、本発明は、全身投与および局所投与を目的とした皮膚または粘膜投 与により優れた吸収性、バイオアベイラビリティ一を有する、脂溶性薬物または水溶 性薬物を含有するナノ粒子を提供する。また、本発明のナノ粒子は、注射用剤として も有利に使用できる。

より具体的には、本発明は、

(1)脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物を含有する一次ナノ粒子を、 2価 または 3価の金属塩に作用させることから成なる薬物含有ナノ粒子、

(2)脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物を含有する一次ナノ粒子を、 2価 または 3価の金属塩と作用させることにより二次ナノ粒子とし、当該二次ナノ粒子に 1 価ないし 3価の塩基性塩を作用させることからなる薬物含有ナノ粒子、

(3)—次ナノ粒子が、脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物、陰イオン残基 を持つ中長鎖有機化合物および界面活性剤とを作用させることにより作製されること 力 なる上記(1)または(2)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(4)陰イオン残基を持つ中長鎖有機化合物が、炭素数 6— 24の脂肪酸またはその 塩である上記(3)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(5)炭素数 6— 24の脂肪酸力ォレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪 酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの飽和脂肪酸力も選択されるものであ る上記 (4)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(6) 2価または 3価の金属塩力カルシウム塩、亜鉛塩、鉄塩または銅塩である上記( 1)または (2)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(7) 1価ないし 3価の塩基性塩が、炭酸水素塩、リン酸水素塩、炭酸塩、リン酸塩、シ ユウ酸塩、乳酸塩および尿酸塩力選択させるものである上記(2)に記載の薬物含 有ナノ粒子、

(8)水溶性薬物の脂溶性化が、水溶性薬物と 2価または 3価の金属イオンとの接触、 水溶性薬物と酸性または塩基性多糖体との接触、水溶性薬物を溶解した溶液の pH の調整またはイオン強度の変化の!/、ずれかの手段煮より行われる上記(1)または(2 )に記載の薬物含有ナノ粒子、

(9)水溶性薬物と接触させる 2価または 3価の金属イオン力亜鉛イオン、カルシウム イオン、鉄イオンおよび銅イオンで力も選択されるものである上記(8)に記載の薬物 含有ナノ粒子、

(10)界面活性剤が、グリセリン、レシチン、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノォ レート(Tween80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween20)、ポリ ォキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween60)、ポリオキシエチレン(20) ソルビタンモノパルミテート(Tween40)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレー HTween85)、ポリオキシエチレン(8)ォクチルフエ-ルエーテル、ポリオキシエチレン (20)コレステロールエステル、脂質ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬 化ヒマシ油および脂肪酸ポリエチレングリコール共重合体力選択される 1種または 2種以上のものである上記(3)または(9)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(11)脂溶性薬物または水溶性薬物が、分子量が 1000以下であって生理活性を有 し、かつヒトに投与することができる化学物質である上記(1)一(10)のいずれかに記 載の薬物含有ナノ粒子、

(12)脂溶性薬物力水に対して溶けにくい一ほとんど溶けないの範囲の溶解性であ つて、かつ有機溶媒に溶ける薬物である上記(11)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(13)脂溶性薬物が、ステロイドホルモン、免疫抑制'調節薬、抗癌薬、抗生物質、化 学療法薬、抗ウィルス薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗精神病薬、カルシウム拮抗薬

、降圧薬、プロスタグランジン系薬および脂溶性ビタミン力選択されるものである上 記(11)または(12)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(14)脂溶性薬物力ェナント酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テストス テロン、エストラジオール、吉草酸ェストラジオール、安息香酸エストラジオール、酢 酸デキサメタゾン、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢 酸プレドニゾロン、シクロスポリン、タクロリムス、パクリタキセル、塩酸イリノテカン、シス プラチン、メソトレキセート、カルモフール、テガフール、ドキソルビシン、クラリス口マイ シン、ァズトレオナム、セフニジル、ナリジタス酸、オフロキサシン、ノルフロキサシン、 ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、クロルプロマジ ン、ジァゼパム、 -フエジピン、塩酸-カルジピン、ベシル酸アムロジピン、カンデサ ルタンシレキセチル、ァシクロビル、ビダラビン、エフアビレンツ、アルプロスタジル、ジ ノプロストン、ュビデカレノン、ビタミン A (レチノール)、ビタミン D、ビタミン Eおよびビ タミン K力選択されるものである上記(11)一(13)のいずれかに記載の薬物含有ナ ノ粒子、

(15)水溶性薬物が、 2価または 3価の金属イオンと結合して脂溶性化される薬物で ある上記(11)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(16)水溶性薬物が、水溶性のステロイドホルモン、免疫抑制'調節薬、抗癌薬、抗生 物質、化学療法薬、抗ウィルス薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗精神病薬、降圧薬、 プロスタグランジン系薬薬およびビタミン力も選択されるものである上記(11)または(

15)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(17)水溶性薬物が、リン酸べタメサゾン、リン酸デキサメタゾン、リン酸ヒドロコルチゾ ン、リン酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロン、コハク酸ヒドロコノレチゾン、バンコ マイシン、ビンクリスチン、ビンプラスチン、コハク酸クロラムフエ-コール、ラタモキセ フ、セフピロム、カルモナム、リン酸クリンダマイシンおよびアバ力ビルから選択される ものである上記(11)、(15)または(16)のいずれかに記載の薬物含有ナノ粒子、

(18)脂溶性薬物力ェナント酸テストステロン、シクロスポリン、吉草酸ベタメタゾン、 ュビデカレノン、ビタミン A (レチノール)であり、水溶性薬物がリン酸べタメサゾンであ る上記(11)に記載の薬物含有ナノ粒子、

(19)粒子の直径が 1一 150nmである上記( 1)一( 18)の!、ずれかに記載の薬物含 有ナノ粒子、

を提供するものである。

[0014] さらに本発明は、

(20)上記(1)一(19)のいずれかに記載の薬物含有ナノ粒子を含有する皮膚または 粘膜適用型外用剤、

(21)外用剤が、軟膏剤、ゲル剤、舌下錠、口腔錠剤、液剤、口腔,下気道用噴霧剤 、吸引剤、懸濁剤、ハイド口ゲル剤、ローション剤、ノップ剤および貼付剤力ら選択さ れる上記(20)に記載の外用剤、

(22)上記(1)一(19)の、ずれかに記載の薬物含有ナノ粒子を含有する注射用剤、

(23)脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物、陰イオン残基を持つ中長鎖有 機化合物および界面活性剤を有機溶媒または含水有機溶媒に溶解し、この溶液を 水に分散させることにより一次ナノ粒子を作製し、当該一次ナノ粒子含有溶液に 2ま たは 3価の金属塩を作用させることを特徴とする薬物含有ナノ粒子の製造方法、

(24)脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物、陰イオン残基を持つ中長鎖有 機化合物および界面活性剤を有機溶媒または含水有機溶媒に溶解し、この溶液を 水に分散させることにより一次ナノ粒子を作製し、当該一次ナノ粒子含有溶液に 2ま たは 3価の金属塩を作用させることにより二次ナノ粒子を作製し、当該二次ナノ粒子 に 1価ないし 3価の塩基性塩を作用させることを特徴とする薬物含有ナノ粒子の製造 方法、

(25)有機溶媒が、アセトン、エタノール、プロパノールおよびブタノール力選択され る 1種または 2種以上である上記(23)または(24)に記載の製造方法、

(26)水溶性薬物の脂溶性化が、水溶性薬物と 2価または 3価の金属イオンと接触さ せることからなる上記(23)または(24)に記載の製造方法、

を提供するものである。

発明の効果

[0015] 本発明が提供するナノ粒子は、そこに含有される脂溶性薬物および水溶性薬物を 、皮膚または粘膜経由により生体内吸収させるものであり、また、注射投与によっても 優れた徐放性、ターゲッティングを示すものである。したがって、これまで十分に達成 されていなカゝつた脂溶性薬物、水溶性薬物の経皮または経粘膜による生体内吸収を 可能にする画期的な効果を有し、高吸収性、徐放性の脂溶性'水溶性薬物を含有す る外用剤、注射剤が提供される。また、本発明のナノ粒子を経皮投与すると、表皮か ら深部まで浸透し、真皮、皮下組織に高濃度に分布し、よって皮膚に近い関節、腱 鞘、筋肉などの疾患に極めて有用である。粘膜下組織に対しても同様のことがみられ 、さらに種々の疾患に応用することが可能である。また、物理化学的に不安定な薬物 を本発明のナノ粒子とすることにより、極めて安定ィ匕することができる。したがって、本 発明のナノ粒子は、医薬品、医薬部外品、化粧品として使用することができる。

発明を実施するための最良の形態

[0016] 本発明は、上記するように、脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物を含有 する一次ナノ粒子を、 2価または 3価の金属塩を作用させることからなる薬物含有ナノ 粒子 (二次ナノ粒子)、および脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物を含有 する一次ナノ粒子を 2価または 3価の金属塩と作用させることにより二次ナノ粒子とし 、当該二次ナノ粒子に 1価ないし 3価の塩基性塩を作用させることからなる薬物含有 ナノ粒子(三次ナノ粒子)、ならびにそれらのナノ粒子の製造方法、さらにそれらのナ ノ粒子を含有する皮膚または粘膜適用型外用剤および注射用剤である。

[0017] 本発明のナノ粒子は、その直径は 1一 200nm程度であり、好ましくは 5— 150nm 程度である。かかる粒子径は、含有させる薬物と中長鎖有機化合物との配合比率、 界面活性剤の添加量、 1価ないし 3価の塩基性塩の添加量、使用する溶媒量、攪拌 の強度などによって調整することができ、直径 5— 500nm程度の粒子を作製すること ができる。また、界面活性剤の量が多くなるほど粒径は大きくなるが、少なすぎても粒 子間の凝集や大きな粒子が形成される。粒子径の測定は、光散乱法あるいは電子 顕微鏡下で測定することができる。

[0018] 本発明が提供するナノ粒子に含有される脂溶性薬物としては、水に対して溶けにく い一ほとんど溶けないの範囲の溶解性であって、かつ有機溶媒に溶ける薬物であれ ばいずれでも良ぐ例えばステロイドホルモン、免疫抑制'調節薬、抗癌薬、抗生物 質、化学療法薬、抗ウィルス薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗精神病薬、カルシウム 拮抗薬、降圧薬、プロスタグランジン系薬および脂溶性ビタミン力も選択されるもので ある。さらに具体的にはェナント酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テスト ステロン、エストラジオール、吉草酸ェストラジオール、安息香酸エストラジオール、酢 酸デキサメタゾン、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢 酸プレドニゾロン、シクロスポリン、タクロリムス、パクリタキセル、塩酸イリノテカン、シス プラチン、メサトレキセート、カルモフール、テガフール、ドキソルビシン、クラリス口マイ シン、ァズトレオナム、セフニジル、ナリジタス酸、オフロキサシン、ノルフロキサシン、 ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、クロルプロマジ ン、ジァゼパム、 -フエジピン、塩酸-カルジピン、ベシル酸アムロジピン、カンデサ ルタンシレキセチル、ァシクロビル、ビダラビン、エフアビレンツ、アルプロスタジル、ジ ノプロストン、ュビデカレノン、ビタミン A (レチノール)、ビタミン D、ビタミン Eおよびビ タミン Kなどが挙げられる力これらに限定されるものではない。

[0019] 上記薬物が塩、エステル、立体異性体、光学異性体、溶媒和物などを有する場合 はそれらの全てを包含する。

[0020] 本発明が提供するナノ粒子に含有される水溶性薬物としては、 2価または 3価の金 属イオンと結合して脂溶性ィ匕される薬物であれば、ずれでも良ぐ例えば水溶性のス テロイドホルモン、免疫抑制 ·調節薬、抗癌薬、抗生物質、化学療法薬、抗ウィルス 薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗精神病薬、降圧薬、プロスタグランジン系薬およびビ タミン力選択されるものであり、分子内にリン酸基、カルボキシル基または硫酸基を 有する薬物が特に好ましい。さらに具体的にはリン酸べタメサゾン、リン酸デキサメタ ゾン、リン酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロン、コハク酸ヒドロコノレチゾン、ノンコ マイシン、ビンクリスチン、ビンプラスチン、コハク酸クロラムフエ-コール、ラタモキセ フ、セフピロム、カルモナム、リン酸クリンダマイシンおよびアバ力ビルなどが挙げられ るが、これらに限定されるものではない。

[0021] 上記薬物が塩、エステル、立体異性体、光学異性体、溶媒和物などを有する場合 はそれらの全てを包含する。

[0022] 本発明の一次ナノ粒子を製造する場合にぉヽて、脂溶性薬物または水溶性薬物 の場合は脂溶性ィ匕する必要がある。水溶性薬物を脂溶性ィ匕する手段として最も好ま

しいのは、水溶性薬物と沈殿物を形成する 2価または 3価の金属イオンを使用するこ とである。そのような 2価または 3価の金属イオンとしては、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫 酸亜鉛などの亜鉛塩による亜鉛イオン;炭酸カルシウム、塩ィ匕カルシウム、硫酸カル シゥムなどのカルシウム塩によるカルシウムイオン;塩ィ匕鉄、硫ィ匕鉄などの鉄塩による 鉄イオン;塩化銅、硫酸銅などの銅塩による銅イオン等を挙げることができ、なかでも 亜鉛イオンを好ましく使用することができる。

[0023] この場合の水溶性薬物と 2価または 3価の金属イオンとの配合比は特に限定されず 、両物質が結合することにより沈殿物を生じるに十分な比率であればよい。例えば、 亜鉛イオンの場合、水溶性薬物と亜鉛塩とを重量比で 10 : 1— 1: 10程度とするのが よい。その他の脂溶性ィ匕方法として、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、キト サンなどの酸性または塩基性多糖体と接触させること、あるいは水溶性薬物を溶解し た溶液の pH調節、イオン強度の変化などにより行うことも可能である。なお、脂溶性 薬物はそのまま使用することができる。

[0024] 本発明の一次ナノ粒子を製造するためには、カルボキシル基、リン酸基、硫酸基な どの陰イオン残基を持つ有機化合物が必要であり、それらを有していればいずれで もよいが、なかでもカルボキシル基を有する中長鎖有機化合物が好ましい。そのよう な陰イオン残基を持つ中長鎖有機化合物としては炭素数 6— 24の不飽和または飽 和脂肪酸あるいはその塩が好ましぐォレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽 和脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの飽和脂肪酸が挙げられ、ォレ イン酸、ミリスチン酸が特に好ましい。これらの中長鎖有機化合物は粉末である場合 にはそのまま加えることが可能であるが、水、有機溶媒または含水有機溶媒に溶解し て使用するのが好ましい。そのような有機溶媒としては、アセトン、メタノール、ェタノ ール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコールが使用でき、なかでもアセトン 、エタノールが好ましい。なお、脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物と中長 鎖有機化合物との配合重量比は、 1 : 30— 1 : 0. 03程度とするのが好ましい。

[0025] この一次ナノ粒子を製造する段階で、微細な粒子を含有する良好な均一状態を得 るために、攪拌機、超音波発振器を使用し、また、フレンチプレッシャー、マントゴーリ 一などを使用し、圧力を強めることにより微細なナノ粒子としての一次ナノ粒子が作

製される。

[0026] 本発明の一次ナノ粒子を製造するに際しては、生成したナノ粒子同士の凝集を避 けるために、適量の界面活性剤を添加するのが好ましぐその配合量はナノ粒子同 士が凝集しない程度で適宜選択することができ、中長鎖有機化合物に対してモル比 で 0. 3-0. 01程度使用するのがよい。そのような界面活性剤としては、グリセリン、 レシチン、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノォレート(Tween80)、ポリオキシェ チレン(20)ソノレビタンモノラウレート(Tween20)、ポリオキシエチレン(20)ソノレビタン モノステアレート (Tween60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート( Tween40)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート(Tween85)、ポリオキシェ チレン(8)ォクチルフエ-ルエーテル、ポリオキシエチレン(20)コレステロールエステ ル、脂質ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシェチ レン硬化ヒマシ油、脂肪酸ポリエチレングリコール共重合体などの非イオン性界面 活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤は 1種または 2種以上を選択し て使用することができる。なかでも、グリセリン、レシチン、ポリオキシエチレン(20)ソ ノレビタンモノォレート(Tween80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート( Tween20)、脂肪酸ポリエチレングリコール共重合体が好まぐこの場合の脂肪酸と しては、ォレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチ ン酸、パルミチン酸などの飽和脂肪酸を挙げることができる。

[0027] さらに植物油を添加することもできる。この場合に使用される植物油としては、大豆 油、ゴマ油、トウモロコシ油、ォリーブ油、各種サラダ油等の植物油を好ましく使用す ることがでさる。

[0028] 本発明のナノ粒子は、上述により得られる一次ナノ粒子を 2価または 3価の金属塩と 作用させることにより得られる二次ナノ粒子、およびこの二次ナノ粒子を 1価ないし 3 価の塩基性塩と作用させることにより得られる三次ナノ粒子力もなる。

[0029] 使用される 2価または 3価の金属塩としては、塩ィ匕カルシウム、酢酸カルシウム、硫 酸カルシウムなどのカルシウム塩;酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛などの亜鉛塩;塩 化鉄、硫ィ匕鉄などの鉄塩;または塩化銅、硫化銅などの銅塩であり、なかでもカルシ ゥム塩、特に塩ィ匕カルシウムが好ましい。金属塩の配合量は一概に限定し得ないが

、有効成分となる薬物に対し重量比で 5— 0. 01程度が好ましい。

[0030] また、三次ナノ粒子を得るための 1価な、し 3価の塩基性塩としては、炭酸水素ナト リウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩;リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム などのリン酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩;リ ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムなどのリン酸塩;シユウ酸ナトリウム、 シユウ酸カリウム、シユウ酸カルシウムなどのシユウ酸塩;乳酸ナトリウム、乳酸カリウム 、乳酸カルシウムなどの乳酸塩、尿酸ナトリウム、尿酸カリウム、尿酸カルシウムなどの 尿酸塩などであり、なかでも脂溶性薬物の場合は炭酸水素塩、炭酸塩が好ましぐ脂 溶性化された水溶性薬物の場合は炭酸塩とくに炭酸ナトリウムが好まヽ。塩基性塩 の配合量は一概に限定し得ないが、上記 2価または 3価の金属塩に対しモル比で 1. 0-0. 05程度であるのが好ましい。

[0031] 以下に、本発明が提供するナノ粒子の製造方法について説明する。

先ず、脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物と、陰イオン残基を持つ中長 鎖有機化合物と界面活性剤とを有機溶媒または含水有機溶媒に溶解し、この溶液を 多量の水に分散させ、この溶液を 1一 30分間程度攪拌することにより一次ナノ粒子 が作製される。力べして作製された一次ナノ粒子を含有する溶液に、 2価または 3価の 金属塩を加え、 1一 30分間攪拌して二次ナノ粒子を作製する。次いで、カゝくして得ら れた二次ナノ粒子の溶液に 1価な、し 3価の塩基性塩を加え、 1分一 24時間攪拌す ることにより三次ナノ粒子を得ることができる。なお、水溶性薬物を脂溶性化する方法 は、水溶性薬物を酸性、塩基性または中性の水に溶解し、その溶液に 2価または 3価 の金属イオンをカ卩えることにより得られる。

[0032] カゝくして製造された本発明の脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物を含有 する二次ナノ粒子および三次ナノ粒子の溶液を、凍結乾燥、減圧乾燥、噴霧乾燥等 をすることにより溶媒を除去し、製剤用組成物として、適宜製剤基剤、添加剤等を使 用することにより、所望の非経口投与用製剤である皮膚'粘膜適用型外用剤または 注射用剤を調製することができる。

[0033] 本発明は、また、そのような皮膚 ·粘膜適用型外用剤または注射用剤を提供するも のである。そのような外用剤としては、全身および局所投与'治療を目的として局所へ 塗布、貼付、滴下、噴霧などの形態で投与しうるものであり、具体的には、軟膏剤、ゲ ル剤、舌下錠、口腔錠剤、液剤、口腔,下気道用噴霧剤、吸引剤、懸濁剤、ハイド口 ゲル剤、ローション剤、パップ剤、貼付剤等を挙げることができる。液剤としては点鼻 剤、点眼剤として好ましい。また、皮膚または粘膜への塗布、下気道への噴霧などが 有効な投与形態である。注射用剤としては、静脈注射、皮下注射、筋肉注射のいず れの投与形態も可能であり、それぞれの薬物の特性によって選択される。

[0034] これらの外用剤、注射剤の調製に使用される基剤、その他の添加剤成分としては、 製剤学的に外用剤、注射剤の調製に使用されている基剤、成分を挙げることができ る。具体的には、ワセリン、プラスチベース、ノラフィン、流動パラフィン、軽質流動パ ラフィン、サラシミツロウ、シリコン油などの油脂性基剤;水、注射用水、エタノール、メ チルェチルケトン、綿実油、ォリーブ油、落花生油、ゴマ油などの溶剤;ポリオキシェ チレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪 酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールな どの非イオン性界面活性剤;ポリビュルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリ ゥム(CMC)、キサンタンガム、トラガントガム、アラビアガム、ゼラチン、ァノレブミンなど の増粘剤;ジブチルヒドロキシトルエンなどの安定化剤;グリセリン、 1, 3—ブチレング リコール、プロピレングリコール、尿素、ショ糖、エリスリトール、ソルビトールなどの保 湿剤;パラォキシ安息香酸メチル、パラォキシ安息香酸プチル、デヒドロ酢酸ナトリウ ム、 p—タレゾールなどの防腐剤であり、剤型に応じて適宜選択して使用することがで きる。また、点鼻剤の場合、ヒドロキシプロピルセルロースなどの経鼻吸収促進剤を配 合すると好ましい。さらに、ハイド口ゲル剤とするには、カルボキシメチルセルロースナ トリウム(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビュルピロリドン などのゲル化剤を使用する。

[0035] 例えば、本発明のナノ粒子を有効成分として含有する軟膏剤の場合には、基剤等 の成分としてワセリンを使用し、懸濁安定化するために 0. 05-0. 5%のカルボキシ メチルセルロースナトリウム(CMC)を一緒に使用するのがよ!/、。

実施例

[0036] 本発明を、以下の実施例、試験例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら に限定されるものではない。

[0037] 実施例 1:二次ナノ粒子の作製ー界 rif活件剤の影響

lOmgのォレイン酸ナトリウムを水 0. lmLに添カ卩し、ノス型超音波発生器でミセル として完全に溶解した。その後、所定量の Tween80およびエタノールに溶解したェ ナント酸テストステロン lmgまたはシクロスポリン Almgを混合し、 10分間超音波発生 器を用いて均一にした。次いで、所定量の塩ィ匕カルシウム水溶液を加え 30分間攪拌 することによりェナント酸テストステロンまたはシクロスポリン Aを含有する二次ナノ粒 子を作製した。こうしてえられた薬物含有の溶液を 10, OOOrpm/10分間遠心し、そ の上清中のェナント酸テストステロンおよびシクロスポリン Aの含有量を HPLCによつ て定量した。結果を表 1および表 2に示した。

[0038] カルシウムおよび Tween量(重量比)がェナント酸テストステロン (TE)含有粒子形成 に及ぼす影響

[0039] [表 1]


[0040] カルシウムおよび Tween量(重量比)がシクロスポリン A (CYA)含有粒子形成に及 ぼす影響

[0041] [表 2]


表 1および表 2に示した結果から、 Tween80を混合しない場合には、大きな粒子や 凝集体が形成され、薬物が沈殿してしまった力 2mg以上の Tween80を混合するこ とで、薬物を含有した小さな粒子が形成されていることが判明した。また、カルシウム 量の変化によっては薬物の含有量は影響されな力つた。

[0043] 実施例 2:二次ナノ粒子の作製

lOmgのォレイン酸ナトリウムを水 0. lmLに添カ卩し、ノス型超音波発生器でミセル として完全に溶解した。その後、所定量の Tween80およびエタノールに溶解した吉 草酸べタメサゾン lmgを混合し、 10分間超音波照射した。次いで、 1M塩化カルシゥ ム水溶液 33 Lを添加し、 30分間攪拌することにより吉草酸べタメサゾンを含有する 二次ナノ粒子を作製した。こうして得られた薬物含有の溶液を 10, OOOrpmZlO分 間遠心し、その上清中の吉草酸べタメサゾンの含有量を HPLCによって定量した。 結果を表 3に示した。

[0044] 吉草酸べタメサゾン(BV)の粒子化

[0045] [表 3]


[0046] 実施例 3:界 rif活件剤粒径の閣係

lOmgのォレイン酸ナトリウムに、所定量の脂質 PEG (ホスファチジルエタノールァ ミン- PEG (MW: 2000)、日本油脂製)または Tween80を混合し、超音波発生器を 用いて均一にしてから、 1M塩ィ匕カルシウム水溶液 33 Lを添カ卩しその粒径を測定し た。結果を表 4に示した。

[0047] 界面活性剤量が界面活性剤 Zォレイン酸粒子の粒径に及ぼす影響

[0048] [表 4]


ND :測定せず

[0049] 表 4に示した結果より、界面活性剤の量が多くなるほどその粒径が大きくなる力少 なすぎても凝集や大きな粒子が形成され、最小の粒径を形成する混合比が存在する ことが判明した。

[0050] 実施例 4 :三次ナノ粒子の作製ー余属塩/塩某件塩の糠街の影響

10mgのォレイン酸ナトリウムを水 0. lmLに添カ卩し、ノス型超音波発生器でミセル として完全に溶解した。その後、 6mgの Tween80およびエタノールに溶解したシクロ スポリン Almgを混合し、 10分間超音波発生器を用いて均一にした。次いで、 1M塩 化カルシウムあるいは 1M塩ィ匕亜鉛をォレイン酸ナトリウムに対し等モル量となるよう に添加し、 30分間攪拌することによりシクロスポリン Aを含有する二次ナノ粒子を作製 した。次いで、この二次ナノ粒子を含有する溶液に金属塩と等モル量の炭酸水素ナ トリウム、炭酸ナトリウムあるいはリン酸二水素ナトリウムを添加し、 1時間攪拌すること により薬物を含有する三次ナノ粒子を作製した。その後、 10, OOOrpmZlO分間遠 心し、その上清中のシクロスポリン Aの含有量を HPLCにより定量した。結果を表 5に 示した。

[0051] 種々の金属塩および塩基性塩による三次ナノ粒子形成

[0052] [表 5]


ォレイン酸 Na: 10mg、 Tween80 : 6mg、シクロスポリン A(CYA): lmg

[0053] 表 5に示した結果からも判明するように、塩ィ匕亜鉛を添加した場合に比較して塩ィ匕 カルシウムを添加した時のほうが、小さくて安定なシクロスポリン A含有ナノ粒子が調 製できることが判明した。また、塩ィ匕亜鉛を添加した場合には、塩基性塩としてリン酸 塩のほうが炭酸塩に比較して小さくて安定なシクロスポリン A含有ナノ粒子が調製で き、逆に、塩ィ匕カルシウムを添加した場合には、塩基性塩として炭酸塩のほうがリン酸 塩に比較して小さくて安定なシクロスポリン A含有ナノ粒子が調製できることが判明し た。

[0054] ¾施例 5:二次ナノ粒子の作製一塩某件塩の影響

lOmgのォレイン酸ナトリウムを水 0. lmLに添カ卩し、ノス型超音波発生器でミセル として完全に溶解した。その後、 5mgの Tween80およびエタノールに溶解したェナ ント酸テストステロン lmgまたはシクロスポリン Almgを混合し、 10分間超音波発生器 を用いて均一にした。次いで、塩ィ匕カルシウムをォレイン酸ナトリウムに対し 3倍モル 比となるように添加し、 30分間攪拌することによりェナント酸テストステロンまたはシク ロスポリン Aを含有する二次ナノ粒子を作製した。次いで、この二次ナノ粒子を含有 する溶液に所定量の炭酸水素ナトリウムを添加し、 1時間攪拌することにより薬物を含 有する三次ナノ粒子を作製した。その後、 10, OOOrpmZlO分間遠心し、その上清 中のェナント酸テストステロンおよびシクロスポリン Aの含有量を HPLCにより定量し た。結果を表 6および表 7に示した。

[0055] 炭酸水素ナトリウム量の粒子形成への影響 (ェナント酸テストステロン、 TE)

[0056] [表 6]


[0057] 炭酸水素ナトリウム量の粒子形成への影響 (シクロスポリン八、 CYA)

[0058] [表 7]


[0059] 表 6および表 7に示した結果より、カルシウムに対する炭酸水素ナトリウムの量を増 カロさせるほど上清中の薬物の量は減少した。これは、過剰に存在する炭酸とカルシゥ ムが反応し、炭酸カルシウムが形成され、その沈殿物と作製されたナノ粒子が共沈し たためと思われる。

[0060] me:二次ナノ粒早の作製

実施例 5において薬物をェナント酸テストステロンとし、炭酸水素ナトリウムの代わり にリン酸水素ニナトリウム (塩ィ匕カルシウムに対し 0. 5倍モル量)を使用した以外は実 施例 5と同様の操作を行うことにより、リン酸カルシウムにより被覆されたェナント酸テ ストステロンを含有する三次ナノ粒子を作製した。

[0061] 実施例 7 :三次ナノ粒子の作製 -界 rif活件剤の影響 -安定件

lOmgのォレイン酸ナトリウムを水 0. lmLに添カ卩し、ノス型超音波発生器でミセル として完全に溶解した。その後、界面活性剤である Tween80、ポリオキシエチレンコ レステリルエーテル(CS— 20、日本ェマルジヨン製)または PEG—才レイン酸(日本油 脂製)の所定量およびエタノールに溶解したシクロスポリン Almgを混合し、 10分間 超音波発生器を用いて均一にした。次いで、 1M塩ィ匕カルシウム水溶液 33 レお よび 1M炭酸水素ナトリウム水溶液 16. 5 Lを順次撹拌しながら添加し、その後 1時 間攪拌することにより、シクロスポリン Aを含有する三次ナノ粒子を作製した。その後、 10, OOOrpmZlO分間遠心し、その上清中の粒子懸濁液を水、生理食塩水、リン酸 緩衝生理食塩 (PBS)、ゥシ胎児血清 (FBS)中に 1 : 9の体積比で添カ卩し、 550nmで の吸収値を測定することにより、各液中における安定性を評価した。結果を表 8に示 した。

[0062] 各溶液中でのナノ粒子の分散安定性(3時間後の 550nmでの濁度変化)

[0063] [表 8]


表 8に示した結果より、 CS— 20および PEG—才レイン酸においても Tween80と同 様にナノ粒子が調製できたが、 TWeen80を使用して調製されたナノ粒子が各液中

で最も安定であった。

[0065] また、本実施例の各調製段階における粒子の粒径を測定した。その結果を下記表 9に示した。それによると、二次ナノ粒子、三次ナノ粒子ともに数 lOOnmの粒子が得 られることが判明した。

[0066] ナノ粒子径の変化

[0067] [表 9]


ND :測定せず

[0068] 実施例 8:三次ナノ粒子の作製マウス経皮吸収試験

lOmgォレイン酸ナトリウム、シクロスポリン Almg Tween80 4mg 1M塩化カル シゥム水溶液 33 Lおよび 1M炭酸水素ナトリウム水溶液 16. 5 Lを用いて、実施 例 5と同様の操作を行ってシクロスポリン A含有の三次ナノ粒子を作製した。こうして 得られたナノ粒子を含有する溶液を 3, 500rpmで遠心することにより炭酸カルシウム 沈殿を除去し、上清を Centriprep (YM-50、アミコン製)で濃縮して、シクロスポリン A 含有の三次ナノ粒子を得た。

[0069] この粒子中のシクロスポリン A量を HPLCにより定量し、 7週齢雌 ddyマウスの脱毛 した背中の皮膚にシクロスポリン A量として 2mgZ匹となるように粒子懸濁液(25%グ リセリン水溶液)を塗布した。また、同量の粒子の水懸濁液 (グリセリンなし)を皮下注 射投与した。対照例として、同量のシクロスポリン A (25%グリセリン Z50%エタノー ル水溶液)を塗布し、投与後 1 3 24時間後に全採血を行い、 FPIA法により血漿中 に含まれるシクロスポリン Aを定量した。結果を表 10に示した。

[0070] マウス皮膚へのシクロスポリン A (CYA)封入粒子を塗布した後の血中 CYA濃度の 推移

[0071] [表 10]

血中 C Y A濃度(ng/mL)

1 時間後 3 時間後 2 4 時間後 経皮投与 ( C Y A封入粒子) 479 2520 1160 皮下投与( C Y A封入粒子) 2725 3240 2450 柽皮投与(対照: C Y Aのみ) 88 1745 457

[0072] 表 10に示した結果力も判るように、本発明のナノ粒子を塗布した場合は、シクロス ポリン Aのみを塗布した場合に比べ、高い血中濃度を示すと同時に徐放性を示し、 粒子化することでシクロスポリン Aが経皮吸収されやすくなつている。また、本発明の ナノ粒子を皮下注射投与した場合でも、 24時間後でも高い血中濃度が維持されて おり、吸収性、徐放性に優れていた。

[0073] ¾施例 9:二次ナノ粒早の作製ー界商活件剤、脂肪酸、の使用量の影響

所定量のアセトン中に、ェナント酸テストステロン 10mg、所定量のミリスチン酸およ び Tween80を溶解し、その溶液を水中に添加、攪拌することによりェナント酸テスト ステロン含有の一次粒子を得た。この粒子懸濁液中に 1M塩ィ匕カルシウム水溶液 (ミ リスチン酸に対し等モル量)を添加し 30分攪拌して二次粒子を作製した。次いで、こ の溶液中へ 1M炭酸水素ナトリウム(カルシウムに対し 0.2倍モル量)を添カ卩し 1一 12 時間攪拌した。 TWeen80量、ミリスチン酸量、アセトン量を適宜変えながら調製して 得た三次ナノ粒子含有溶液を 10, OOOrpmで 10分間遠心し、上清中に含まれる粒 子の粒径、ェナント酸テストステロンの量を測定した。結果を表 11一 13に示した。

[0074] Tween量が粒子形成に及ぼす影響

[0075] [表 11]


ェナント酸テストステロン (TE) :10mg、ミリスチン酸: 0.5mg、アセトン:360 L [0076] ミリスチン酸量が粒子形成に及ぼす影響

[0077] [表 12]

ミリスチン酸/ TE (重量比)

0 0.05 0.1 0.2 0.4 上清中の T E 量(% ) 42 72 79 64 50 粒径 ( n m ) 凝集 231 265 279 268

ェナント酸テストステロン (TE): 10mg、 Tween80: 0.5mg、アセトン: 3270 μ L [0078] アセトン量が粒子形成に及ぼす影響

[0079] [表 13]


ェナント酸テストステロン(TE) :5mg、ミリスチン酸: 0.5mg、 Tween80:2mg

[0080] 表 11一 13に示した結果より、 Tween80と薬物との混合比、ミリスチン酸と薬物との 混合比およびアセトンの使用量が、粒子の形成 (粒径、ェナント酸テストステロンの含 有量)に大きく影響を及ぼすことが判明した。また、 TWeen80の量が多いほどェナン ト酸テストステロンの含有量が増加し、ミリスチン酸の量が多、ほどェナント酸テストス テロンの含有量が減少し、アセトンの使用量が多いほど粒径が小さくなることが判明 した。

[0081] mio:水溶件靠物 (リン酸べタメサゾン)の二次ナノ粒早の作製

リン酸べタメサゾン lOmgを溶解した 500 Lの水中に、 0.5M酢酸亜鉛水溶液 10 00 /zLを添加した。 12, OOOrpmZ5分間遠心し、上清を除去後、沈殿に水を添カロし 遠心することで沈殿を洗浄した。この沈殿と lmgのミリスチン酸及び Tween80をァセ トン 1000 L中に溶解 (または懸濁)し、水中に添加攪拌することで、一次ナノ粒子 を得た。この粒子懸濁液中に 1M塩ィ匕カルシウム水溶液 (ミリスチン酸に対し等モル 量)を添加し 30分攪拌後、 1M炭酸水素ナトリウム (カルシウムに対し 0.2倍モル量) を添加し 1時間一 12時間攪拌し、リン酸べタメサゾンを含有する三次ナノ粒子を作製 した。 Tween80の量を変え調製し、 5, OOOrpmで 5分間遠心後、上清の粒子の粒 径、およびリン酸べタメサゾン (BP)残量を HPLCにより測定した。その結果を表 14に 示した。

[0082] Tween量が粒子形成に及ぼす影響

[0083] [表 14]


リン酸べタメサゾン(BP) : 10mg、ミリスチン酸: lmg、アセトン: 1000 L

ND :測定せず

[0084] 表 14に示した結果から、 Tween80を混合しな、で調製した場合には、凝集塊が 形成され上清中に BPはほとんど検出されなカゝつた。 Tween80量を混合させることで 分散安定性の高い粒子が調製され、その量を多くするほど小さな粒子が調製できる ことがわかった。

[0085] 実施例 11:レチノール(ビタミン A)粒子の作製

レチノール(ビタミン A) 6mgを溶解したエタノールまたはアセトン溶液 10 μ Lと大豆 油 lOOmgを混合し、グリセリン 22mg、レシチン 10mg、ォレイン酸ナトリウム lOmgお よびォレイン酸ポリエチレングリコール共重合体 12mgの水懸濁液中に添カ卩し、総 量で 10mLとなるようにした。この混合液を超音波発生器またはフレンチプレッシャー を用いて均一化して、レチノール含有の一次ナノ粒子を作製した。次いで、ォレイン 酸ナトリウムに対し等モル量の塩ィ匕カルシウム水溶液を添加し、室温で 1時間攪拌す ることにより二次ナノ粒子を作製した。次いで、塩ィ匕カルシウムに対し 0. 2— 1倍モル 量の炭酸水素ナトリウムを添加し、 3時間力一晩攪拌し、三次ナノ粒子を得た。最終 的にレチノールの濃度は、 0. 3-0. 5%程度であった。

[0086] 実施例 12:レチノール(ビタミン A)粒子の作製

水 100重量部にォレイン酸ナトリウム 0. 5重量部をカ卩え、ォレイン酸ナトリウムが完 全に溶解するまでスタラーにて攪拌した。一方、別にエタノール 5. 0重量部とレチノ 一ノレ 50C (BASF社製: 49%ポリオキシエチレン(20)ソノレビタンモノラウレート (Tween20); 47%レチノール; 3%ブチルヒドロキシトルエン; 1 %ブチルヒドロキシァ二 ノールの混合原料) 5. 0重量部とを混合'溶解させておき、先の溶液に添加し、混合 液を 10分間スタラーで攪拌し、一時ナノ粒子を作成した。次いで、 1M塩ィ匕カルシゥ ム水溶液を 0. 25重量部加え、室温にて 10分間スタラーで攪拌することにより二次ナ ノ粒子を作製した。次いで、 1Mの炭酸水素ナトリウム水溶液を 0. 05重量部添加し、 一晩攪拌し、三次ナノ粒子を得た。上記で得たナノ粒子の粒径は約 lOOnmであった

[0087] 実施例 13:ュビデカレノン粒子の作製

大豆油 lgに、 50mgZmLのュビデカレノンアセトン溶液 200 Lをカ卩えて攪拌、 溶解させた。この溶液に 25mg/mLのレシチン水溶液 4mLをカ卩ぇ攪拌した。さらに lOOmgZmLのォレイン酸ナトリウム lmL、 60mgZmLの Oley卜 0- PEG (

SUNBRIGHT OE- 020 ;日本油脂社製) 2mL、 50%グリセリン水溶液 440 L、精製 水を加えて全量を 10mLとした。攪拌後、超音波発生器 (UD— 201 ;トミー精工社製) を用いて乳化処理して粒子液を作製した。その後、 1M塩化カルシウム水溶液 330 μ Lをカ卩えて 45分間回転混和し、さらに 1M炭酸水素ナトリウム水溶液 330 Lをカロ えて 45分間回転混和した。その後、遠心分離により過剰な金属塩および分離油脂 層を除き、ュビデカレノンの三次ナノ粒子を得た。

この粒子の粒子径を粒径アナライザー FRAR-1000 (大塚電子社製)を用いて測 定したところ、平均粒子径は 276. 6nmであった。

また、乳化処理をフレンチプレス細胞破砕機(OMFA078A;Thermo IEC)で行って も同様にナノ粒子を作製することができた。

こうして得られたュビデカレノンの三次ナノ粒子を 50°C、 5日間、非遮光で放置した ところ、粒子の外観、粒径とも変化を示さな力つた。

[0088] 実施例 14:軟膏剤、イド口ゲル剤の製诰

実施例 5で得られた三次ナノ粒子 (ェナント酸テストステロン封入)、白色ワセリン、 カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびパラォキシ安息香酸メチルを適宜使用 して、全量が均質になるまで混和し、軟膏剤およびハイド口ゲル剤とした。

[0089] 実施例 15 :ゲル剤

処方:ハイド口ゲル剤として 100重量部中

ポリビュルピロリドン(コリドン 90F) 0. 2重量部

ェデト酸ニナトリウム 0. 1重量部

ポリビュルアルコール(PVA) 1. 5重量部

ベンザルコ -ゥムクロリド 0. 01重量部

実施例 12で得られた三次ナノ粒子 0. 1重量部

脱イオン水 残部

上記配合成分によりゲル剤を得た。

[0090] 実施例 16:外用貼付剤 (水件パップ剤)

処方:

実施例 5で得られた三次ナノ粒子 0. 1重量部

(ェナント酸テストステロン封入)

ポリアクリル酸 2. 0重量部

ポリアクリル酸ナトリウム 5. 0重量部

カルボキシメチルセルロースナトリウム 2. 0重量部

ゼラチン 2. 0重量部

ポリビュルアルコール 0. 5重量部

グリセリン 25. 0重量部

カオリン 1. 0重量部

水酸化アルミニウム 0. 6重量部

酒石酸 0. 4重量部

EDTA— 2—ナトリウム 0. 1重量部

精製水 残部

上記配合成分をベースとし、常法により外用剤 (水性パップ剤)を得た。

[0091] 実施例 17 :注射剤

実施例 5で得られた三次ナノ粒子 (シクロスポリン A封入)を注射用蒸留水に溶解し 、等張化剤を含有させ、さらに pHを 6. 9に調整した後、バイアル充填し、高温高圧滅 菌を行い、注射剤を得た。

産業上の利用可能性

[0092] 以上のように、本発明は、脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物を含有す る一次ナノ粒子を 2価または 3価の金属塩を作用させることから成る薬物含有ナノ粒 子 (二次ナノ粒子)、および脂溶性薬物または脂溶性化された水溶性薬物を含有す る一次ナノ粒子を 2価または 3価の金属塩と作用させることにより二次ナノ粒子とし、 当該二次ナノ粒子に 1価ないし 3価の塩基性塩を作用させることから成る薬物含有ナ ノ粒子(三次ナノ粒子)、ならびにそれらのナノ粒子の製造方法、さらにそれらのナノ 粒子を含有する皮膚または粘膜適用型外用剤および注射用剤である。本発明のナ ノ粒子は、これまで十分に達成されていなカゝつた脂溶性薬物、水溶性薬物の経皮ま たは経粘膜による生体内吸収を可能にする画期的な効果を有し、高吸収性、徐放性 、安定性のある脂溶性'水溶性薬物を含有する外用剤、注射剤である。