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1. WO2004097366 - PROCEDE, APPAREIL ET PROGRAMME DE DETECTION DE CRISTAUX DE PROTEINES

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[ JA ]
蛋白質結晶検出方法および蛋白質結晶検出装置ならびに蛋白質結晶検出 プログラム

技術分野

本発明は、結晶化容器に保持明された蛋白質溶液中の蛋白質結晶を検出 する蛋白質結晶検出方法および蛋白質結晶検出装置ならびに蛋白質結晶 検出プログラムに関する。 書

背景技術

近年遺伝子情報を医療などの分野に有効に利用するための取り組みが 活発化しており、その基礎技術として、遺伝子の発現の結果得られる蛋 白質の構造を解析する努力が行われている。この蛋白質の構造解析とは、 蛋白質の 3次元立体構造を特定するものであり、 X線回析などの方法に よって行われる。 結 このような X線回析により、蛋白質の構造解析を行うためには、まず 解析対象の蛋白質を結晶化することが求められ、この蛋白質結晶化の方 法として蒸気拡散法が知られている。この方法では、結晶化対象の蛋白 質を含む蛋白質溶液から蒸発する溶媒成分を同一容器内に収容された翁 晶化溶液によって吸収させることにより、蛋白質溶液を過飽和状態に保 つて結晶を徐々に生成させる。従来より、この蒸気拡散法を用いて蛋白 質の結晶化を行うための専用の容器や装置が提案されている(例えば、 特開 20 0 2 - 2 3 3 7 0 2号公報および特開 2 0 0 2— 1 7 9 5 00 号公報参照)。

しかしながら、現状では結晶化を促進させるための結晶生育条件を理 論的に特定することができず、各種の条件を変えながら多数の試験を系 統的に実行した結果から最良の条件を求めるスクリーニングの手法を用 いざるを得ない。このため、従来より対象となる蛋白質溶液を各種の結 晶生育条件、すなわち前述の結晶化溶液の種類 ·濃度や生育温度を変化 させた幾通りもの条件下で、試験を反復実行する必要があった。

このような試験は、蛋白質溶液および結晶化溶液を収容した結晶化用 のマイクロプレートなどの結晶化容器を特定温度に設定された恒温室内 に保管し、結晶化の有無や進行度合いを時間経過に伴って観察すること によって行われていた。そして蛋白質結晶検出のための観察作業は従来 は専ら人手に依存しており、試験担当者が恒温室から結晶化容器を取り 出して顕微鏡視野内で蛋白質溶液を目視観察することによって、結晶化 の進行状況をデータ化し記録する作業を行っていた。

発明の開示

ところがこのような観察作業は、蛋白質溶液中の微細な結晶を目視で 判断しながら検出する作業であることから、効率よく正確な蛋白質結晶 を検出することが困難であった。例えば、蛋白質溶液を撮り込んだ観察 画像中には、検出目的である蛋白質結晶以外にも、沈殿物などの固形異 物や結晶化容器の形状に由来する陰影部、液滴の輪郭などのノイズ部分 が存在しており、これらのノイズ部分と検出対象との識別は、専ら試験 担当者の熟練や勘に依存していた。このため、試験担当者の個人差によ る作業効率や信頼性のばらつきが避けられず、従来の結晶検出作業の作 業効率や検出結果の信頼性は必ずしも満足のゆくものではなかった。

そこで本発明は、蛋白質結晶検出を効率よく高い信頼性で行うことが できる蛋白質結晶検出方法および蛋白質結晶検出装置ならびに蛋白質結 晶検出プログラムを提供することを目的とする。

前記目的を達成するために、蛋白質結晶を検出する本発明の蛋白質結 晶検出方法は、蛋白質溶液を観察して得られた観察画像を微分処理する ことにより輝度変化の大きさを示す輝度変化情報からなる微分画像を生 成する微分処理工程と、前記微分画像を特徴部抽出用の閾値で二値化す ることにより前記輝度変化情報のうち大きな輝度変化を示す部分を特徴 部分として残した二値化画像を得る二値化処理工程と、前記二値化画像 の特徴部分より蛋白質結晶の有無および結晶化の進行の有無の少なくと も一方を判断する結晶化判定工程とを含むことを特徴とする。

また、前記目的を達成するために、蛋白質結晶を検出する本発明の蛋 白質結晶検出装置は、蛋白質溶液を観察して得られた観察画像を記憶す る観察画像記憶部と、前記観察画像記憶部の観察画像を微分処理するこ とにより輝度変化の大きさを示す輝度変化情報からなる微分画像を生成 する微分処理部と、前記微分処理部で生成された前記微分画像を特徴部 抽出用の閾値で二値化することにより前記輝度変化情報のうち大きな輝 度変化を示す輝度変化情報を特徴部分として残した二値化画像を得る二 値化処理部と、前記二値化処理部で得られた二値化画像を記憶する二値 化画像記憶部と、前記二値化画像記憶部の二値化画像の特徴部分より蛋 白質結晶の有無および結晶化の進行の有無の少なくとも一方を判断する 結晶化判定部とを備えたことを特徴とする。

さらにまた、前記目的を達成するために、蛋白質溶液内で生成した蛋 白質結晶を検出する処理をコンピュータに実行させる本発明の蛋白質結 晶検出プログラムは、前記蛋白質結晶の検出処理が、蛋白質溶液を観察 して得られた観察画像を微分処理することにより輝度変化の大きさを示 す輝度変化情報からなる微分画像を生成する微分処理工程と、前記微分 画像を特徴部抽出用の閾値で二値化することにより前記輝度変化情報の うち大きな輝度変化を示す輝度変化情報を特徴部分として残した二値化 画像を得る二値化処理工程と、前記二値化画像の特徴部分より蛋白質結 晶の有無および結晶化の進行の有無の少なくとも一方を判断する結晶化 判定工程とを含むことを特徴とする。

従来は専ら観察担当者の目視観察に依存していたが、本発明によれば、 蛋白質結晶の検出を自動化でき、かつ、効率よく高い信頼性で行うこと ができる。また、本発明の蛋白質結晶検出方法は、例えば、蒸気拡散法 等による蛋白質結晶化条件のスクリーニング方法に使用でき、本発明の 蛋白質結晶検出装置は、例えば、蒸気拡散法等による蛋白質結晶化条件 のスクリーニング装置や蛋白質結晶の製造装置に使用できる。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出装置の斜視図である。 図 2は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出装置に使用される結晶 化プレートの斜視図である。

図 3および図 5は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法におい て使用される結晶化プレートの部分断面図である。

図 4は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出装置の観察部の部分断 面図である。

図 6は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出装置の制御系の構成を 示すブロック図である。

図 7は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出装置の処理機構を示す 機能ブロック図である。

図 8は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法を示すフロー図で ある。

図 9 Aおよび Bは、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法におい て使用される結晶化プレートの部分断面図である。

図 1 0は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法における観察画 像を示す図である。

図 1 1は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法における微分画 像を示す図である。

図 1 2は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法における微分画 像 (マスク処理)を示す図である。

図 1 3は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法における細線化 画像を示す図である。

図 1 4は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法における微分画 像 (ノイズ除去)を示す図である。

図 1 5は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法における二値化 画像を示す図である。

図 1 6 Aおよび Bは、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法にお けるノィズ認識処理の説明図である。

図 1 7は、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法におけるノイズ 認識処理の説明図である。

図 1 8 Aおよび Bは、本発明の一実施形態の蛋白質結晶検出方法にお 認識処理の説明図である。

発明を実施するための最良の形態

本発明の蛋白質結晶検出方法は、さらに、結晶化対象の蛋白質溶液を 保持している結晶化容器に由来する輝度変化情報および特徴部分の少な くとも一方を前記微分画像および前記二値化画像の少なくとも一方から 除去する容器ノイズ除去工程を含むことが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出方法において、前記容器ノイズ除去工程は、 予め教示されている情報に基づいて所定領域の輝度変化情報および特徴 部分の少なくとも一方を除去することが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出方法は、さらに、前記微分画像をノイズ抽出 用の閾値で二値化した後に細線化処理することにより、複数の線からな る細線化画像を得る細線化画像生成工程と、前記細線化画像に含まれる 複数の線の形状を個々に認識することにより、ノイズとみなす線を検出 するノイズ認識工程と、前記ノイズ認識工程でノイズとみなされて検出 された線に該当する輝度変化情報および特徴部分の少なくとも一方を前 記微分画像および前記二値化画像の少なくとも一方から除去するノィズ 除去工程を含むことが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出方法において、前記ノイズ認識工程は、線の 長さおよび分岐数を求め、長さが予め決定した所定値を超え且つ分岐数 が予め決定した値より少ない線をノイズとみなす工程を含むことが好ま しい。

本発明の蛋白質結晶検出方法において、前記ノイズ認識工程は、線の 長さおよび直線性を認識し、長さが予め決定した所定値を超え且つ直線 性が予め決定した値より高い線をノイズとみなす工程を含むことが好ま しい。

本発明の蛋白質結晶検出方法において、前記ノイズ認識工程は、線の 長さおよび当該線の近似直線に対する分散度合いを求め、長さが予め決 定した所定値を超え且つ分散度合いが予め決定した値より小さい線をノ ィズとみなす工程を含むことが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出方法は、さらに、結晶化容器に保持された蛋 白質溶液の画像をカメラで撮り込む観察工程と、前記カメラで撮り込ん だ観察画像を観察画像記憶部に記憶する記憶工程とを含み、前記微分処 理工程は、前記観察画像記憶部に記憶した画像に対して行うことが好ま しい。

また、本発明の蛋白質結晶検出方法は、蛋白質結晶化条件のスクリー エング方法における発生した蛋白質結晶検出の方法として使用すること ができる。なお、前記スクリーニング方法は、本発明の検出方法を利用 する以外については、特に制限されず、従来公知の技術を利用できる。

次に、本発明の蛋白質結晶検出装置は、さらに、蛋白質溶液を保持し ている結晶化容器に由来する輝度変化情報および特徴部分の少なくとも 一方を、前記微分画像記憶部の微分画像および前記二値化画像記憶部の 二値化画像の少なくとも一方から除去する容器ノィズ除去部を備えるこ とが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出装置は、さらに、マスク情報を記憶するマス ク情報記憶部を備え、前記容器ノイズ除去部は、前記マスク情報に基づ いて前記輝度変化情報および特徴部分の少なくとも一方を前記微分画像 記憶部の微分画像および前記二値化画像記憶部の二値化画像の少なくと も一方から除去することが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出装置は、さらに、前記微分画像をノイズ抽出 用の閾値で二値化した後に細線化処理することにより複数の線からなる 細線化画像を得る細線化画像生成部と、前記細線化画像生成部で生成さ れた細線化画像を記憶する細線化画像記憶部と、前記細線化画像記憶部 の細線化画像に含まれる複数の線の形状を個々に認識することによりノ ィズとみなす線を検出するノイズ認識処理部と、前記微分画像記憶部の 微分画像および前記二値化画像記憶部の二値化画像の少なくとも一方か ら前記ノイズ検出処理部によってノイズとみなされて検出された線に該 当する輝度変化情報および特徴部分の少なくとも一方を除去するノィズ 除去処理部を備えることが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出装置において、前記ノイズ認識処理部が、線 の長さおよび分岐数を求め、長さが予め決定した所定値を超え且つ分岐 数が予め決定した値より少ない線をノイズとみなすことが好ましい。 本発明の蛋白質結晶検出装置において、前記ノイズ認識処理部が、線 の長さおよび直線性を認識し、長さが予め決定した所定値を超え且つ直 線性が予め決定した値より高い線をノイズとみなすことが好ましい。 本発明の蛋白質結晶検出装置において、前記ノイズ認識処理部が、線 の長さおよび当該線の近似直線に対する分散度合いを求め、長さが予め 決定した所定値を超え且つ分散度合いが予め決定した値より小さい線を ノイズとみなすことが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出装置は、さらに、結晶化対象の蛋白質溶液を 保持する結晶化容器がセットされる観察ステージと、前記観察ステージ にセットされた結晶化容器の蛋白質溶液を撮像して画像を撮り込むカメ ラとを備え、前記カメラで撮り込んだ蛋白質溶液の画像を前記観察画像 記憶部に記憶することが好ましい。

また、本発明の蛋白質結晶検出装置は、蛋白質結晶化条件のスクリ一 ニング装置における発生した蛋白質結晶の検出に使用することができる ( さらにまた、本発明の蛋白質結晶検出装置は、蛋白質結晶の製造装置に おける蛋白質結晶のモニターや検出に使用することができる。なお、前 記スクリーニング装置および結晶製造装置は、本発明の検出装置を利用 する以外については、特に制限されず、従来公知の技術を利用できる。

次に、本発明の蛋白質結晶検出プログラムは、前記タンパク質結晶の 検出処理が、さらに、結晶化対象の蛋白質溶液を保持している結晶化容 器に由来する輝度変化情報および特徴部分の少なくとも一方を前記微分 画像および前記二値化画像の少なくとも一方から除去する容器ノイズ除 去工程を含むことが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出プログラムにおいて、前記ノイズ除去工程は、 予め教示されている情報に基づいて所定領域の輝度変化情報および特徴 部分の少なくとも一方を除去することが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出プログラムは、前記タンパク質結晶の検出処 理が、さらに、前記微分画像をノイズ抽出用の閾値で二値化した後に細 線化処理することにより複数の線からなる細線化画像を得る細線化画像 生成工程と、前記細線化画像に含まれる複数の線の形状を個々に認識す ることにより、ノイズとみなす線を検出するノイズ認識工程と、前記ノ ィズ検出工程でノイズとみなされて検出された線に該当する輝度変化情 報および特徴部分の少なくとも一方を前記微分画像および前記二値化画 像の少なくとも一方より除去するノィズ除去工程を含むことが好ましい < 本発明の蛋白質結晶検出プログラムにおいて、前記ノイズ認識工程は、 線の長さおよび分岐数を求め、長さが予め決定した所定値を超え且つ分 岐数が予め決定した値より少ない線をノイズとみなすことが好ましい。 本発明の蛋白質結晶検出プログラムにおいて、前記ノイズ認識工程は、 線の長さおよび直線性を認識し、長さが予め決定した所定値を超え且つ 直線性が予め決定した値より高い線をノイズとみなすことが好ましい。 本発明の蛋白質結晶検出プログラムにおいて、前記ノイズ認識工程は、 線の長さおよび当該線の近似直線に対する分散度合いを求め、長さが予 め決定した所定値を超え且つ分散度合いが予め決定した値より小さい線 をノイズとみなすことが好ましい。

本発明の蛋白質結晶検出プログラムは、前記タンパク質結晶の検出処 理が、さらに、結晶化容器に保持された蛋白質溶液を観察してカメラに より観察画像を撮り込む観察工程と、前記力メラで撮り込んだ観察画像 を観察画像記憶部に記憶する記憶工程とを含み、前記微分処理工程は、 前記観察画像記憶部に記憶した画像に対して行うことが好ましい。

次に本発明の実施の形態の一例を図面を参照して説明する。

まず、蛋白質結晶検出装置の全体構造の一例を、図 1を参照して説明 する。蛋白質結晶検出装置 1は、例えば、蒸気拡散法等により蛋白質溶 液内に生成した蛋白質結晶を検出するための観察に使用される専用の観 察装置である。図 1において、基台 2上には、観察部 3、ディスプレイ 装置 8および操作入力用のキーポード 9が配設されている。

観察部 3は、フレーム 3 aに観察ステージ 4を水平姿勢で装着し、観 察ステージ 4の上方にカメラ 7を配置した構成となっている。観察ステ ージ 4には結晶化用のマイクロプレート 6 (以下、単に「結晶化プレー ト 6」と略記する)がセットされている。結晶化プレート 6は、蛋白質 溶液中の蛋白質を結晶化させるために用いられる結晶化容器である。観 察ステージ 4に備えられた X Y Z移動機構を駆動することにより、結晶 化プレート 6は X, Υ , Z方向に移動する。

図 2,図 3を参照して、結晶化プレート 6の一例について説明する。 図 2に示すように、結晶化プレート 6には複数のゥエル 6 aが格子状に 形成されている。ゥエル 6 aは、円形の凹部の中心に円柱状の液保持部 6 bが設けられたいわゆるカルデラ状の液体収納用の凹部であり、ゥェ ル 6 a内には、結晶化の対象となる試料、すなわち結晶化対象の蛋白質 を含んだ蛋白質溶液 1 3と、結晶化に用いられる結晶化溶液 1 2とが分 注される。前記結晶化プレート 6の大きさは、特に制限されないが、例 えば、規格化されたサイズのものを使用できる。前記規格としては、例 えば、 S B S規格等があげられる。前記ゥエル 6 aの大きさは、特に制 限されないが、例えば、直径 1 0 mm〜 2 0 mmであり、前記液保持部 6 bの大きさは、特に制限されないが、例えば、前記ゥエル 6 aの半分 の直径の大きさである。

図 3はこれらの試料を収容した 1つのゥエル 6 aの断面の一例を示し ている。ゥエル 6 a内では、液保持部 6 bの頂部に設けられたポケット 内に液滴状の蛋白質溶液 1 3が載置状態で保持されており、液保持部 6 bを囲むリング状の貯液部 6 cには、結晶化溶液 1 2が貯溜されている。 ゥエル 6 aは、結晶化の対象となる蛋白質溶液を載置状態で下方から保 持する液保持部 6 bと結晶化溶液 1 2を貯溜する貯液部 6 cとを有する 液体収容部となっている。後述するように結晶化の開始に際しては、液 保持部 6 bに保持された蛋白質溶液 1 3に所定量の結晶化溶液 1 2を貯 液部 6 cから取り出して分注して混合した後、各ゥエル 6 a上面に密封 用のシール 1 4が貼着される(例えば、図 2参照)。

この状態の結晶化プレート 6を所定の温度雰囲気下で保管することに より、蛋白質溶液 1 3中の溶媒成分を蒸発させ、これにより蛋白質溶液 1 3の蛋白質濃度を過飽和状態にまで高めて蛋白質結晶を生成する。こ のとき、蛋白質溶液 1 3から蒸発する溶媒と結晶化溶液 1 2に吸収され る蒸気とが平衡状態を保ちながら蛋白質溶液 1 3からの溶媒の蒸発が緩 やかに進行することにより、安定した結晶生成が行われる。

図 1の観察部 3はこのような結晶生成過程の結晶化プレート 6を観察 することにより、各ゥエル 6 aにおける蛋白質結晶の有無や結晶化の度 合いを検出する。すなわち、図 4に示すように、例えば、観察ステージ 4にセットされた結晶化プレート 6をカメラ 7の下方に移動させ、観察 対象のゥエル 6 a内の液保持部 6 bをカメラ 7の撮像光軸に位置合わせ する。そして下方の照明装置 5から照明光を照射した状態で、カメラ 7 によって結晶化プレート 6を撮像することにより、結晶化プレート 6に 保持された蛋白質溶液の観察画像が撮り込まれる(例えば、図 1 0参照)。 なお、図 2 , 図 3は、結晶生成過程において蛋白質溶液 1 3を載置状 態で下方から支持するシッティングドロップ法を用いた蒸気拡散法にお いて用いられる結晶化プレート 6の一例を示しているが、これ以外にも、 例えば、図 5に示すようなゥエル形状の結晶化プレート 6 0を使用して もよい。この結晶化プレート 6 0は、蛋白質溶液 1 3の液滴を垂下状態 で保持するハンギングド口ップ法において用いられる。

図 5に示す例では、ゥエル 6 O Aは結晶化溶液 1 2を貯溜する貯液部 を有するのみで液保持部は形成されておらず、結晶化対象の蛋白質溶液 1 3の液滴 (所定量の結晶化溶液 1 2が混合されたもの)は、ゥエル 6 0 aを閉塞するガラス板 1 4 Aの裏面に垂下状態で保持される。すなわ ち蛋白質溶液 1 3が滴下されたガラス板 1 4 Aを反転して、結晶化溶液 1 2が分注されたゥエル 6 0 Aを塞ぐように貼着してゥエル 6 O Aを密 封する。

次に、蛋白質結晶検出装置の制御系の構成の一例を図 6を参照して、 説明する。図 6において、処理部 2 0は、データ記憶部 2 1に記憶され た各種データに基づいて、プログラム記憶部 2 2に記憶された各種処理 プログラムを実行することにより、後述する各種動作および処理機能を 実現する。ここでは、プログラム記憶部 2 2には、結晶検出プログラム 2 2 a、観察動作プログラム 2 2 bが記憶されており、これらのプログ ラムを実行することにより、後述する蛋白質溶液の観察動作および蛋白 質溶液中の蛋白質結晶検出処理が行われる。

データ記憶部 2 1は、処理画像記憶部 2 1 a、観察画像記憶部 2 1 b、 結晶化情報記憶部 2 1 cを備えており、処理画像記憶部 2 1 aは、蛋白 質結晶検出処理において各種の処理が行われた後の処理画像を記憶する 観察画像記憶部 2 1 bは、カメラ 7によって撮り込まれた蛋白質溶液 1 3の観察画像を記憶する(例えば、図 1 0参照)。

後述する蛋白質結晶検出処理においては、観察画像記憶部 2 l bに記 憶された観察画像が処理対象となる。結晶化情報記憶部 2 1 cは、結晶 化情報、すなわち蛋白質結晶検出処理において結晶化が検出された観察 画像の画像データや、観察画像が取得されたプレート · ゥエルを特定す る情報および当該プレートを観察した観察時刻などの情報を記憶する。 また処理部 2 0には、表示処理部 2 3、操作 ·入力処理部 2 4、カメ ラ 7、照明装置 5、観察ステージ 4が接続されている。観察動作におい て、処理部 2 0が観察ステ一ジ 4、照明装置 5、カメラ 7を制御するこ とにより、観察ステージ 4に保持された結晶化プレート 6の移動、照明 装置 5による結晶化ブレート 6の照明、カメラ 7による蛋白質溶液の画 像の撮り込みが実行される。表示処理部 2 3は、カメラ 7によって撮り 込まれた観察画像や各種の処理画像を表示するほか、データ入力時の案 内画像などを表示ディスプレイ装置 8に表示させる処理を行う。操作 · 入力処理部 2 4は、キーボード 9等の入力装置を操作することにより、 処理部 2 0に対して操作指令やデータ入力を行う。

次に、蛋白質結晶検出処理機能の一例について、図 7の機能ブロック 図を参照して説明する。同図において、微分処理部 3 0は、観察画像記 憶部 2 1 bに記憶されている観察画像(例えば、図 1 0参照)、すなわち カメラ 7によって撮り込まれた蛋白質溶液の画像を微分処理することに より、輝度変化の大きさを示す輝度変化情報から成る微分画像を生成す る (例えば、図 1 1参照)。

ここで輝度変化情報とは、観察画像を構成する各画素における輝度の変 化率を数値(輝度変化値)で示すものである。

観察画像中では、背景領域や照明光が透過した部分など観察対象が存 在しない領域では輝度変化は小さく、検出対象の蛋白質結晶の輪郭に該 当する部分では輝度変化は大きい。したがって上述の微分画像において は、画像に撮り込まれた観察対象物の輪郭が輝度変化の大きい部分とし て抽出される。

但し、この微分画像においては、検出目標である蛋白質結晶のみにな らず、蛋白質溶液内に存在する結晶以外の沈殿物などの固形異物や、ゥ エル 6 a内の液保持部 6 bの形状や液滴の輪郭なども同様に輝度変化の 大きい部分として抽出されるため、これらの検出目標以外の輝度変化の 大きい部分をノイズとして除去するノィズ除去処理(後述)が行われる。 図 7の微分画像記憶部 3 1は、微分処理部 3 0で生成された微分画像 を記憶する。二値化処理部 3 2は、微分画像記憶部 3 1の微分画像を特 徵部抽出用の閾値で二値化することにより、輝度変化情報のうち大きな 輝度変化を示す輝度変化情報を特徴部分として残した二値化画像を得る (例えば、図 1 5参照)。そして二値化画像記憶部 3 3は、二値化処理部 3 2で得られた二値化画像を記憶する。結晶化判定部 3 4は、二値化画 像記憶部 3 3に記憶された二値化画像の特徴部分より、蛋白質結晶の有 無を判断する。なお、前記特徴部抽出用の閾値の設定方法は、特に制限 されないが、例えば、予め準備した結晶のサンプルや画像サンプル等を 用いて、検出目標の結晶の特徴部が抽出可能な値に適宜設定する方法等 があげられる。

ここで、二値化処理部 3 2による二値化処理の対象となる微分画像に は、以下に説明するマスク処理、ノイズ除去処理が実行される。そして 除去の対象となるノィズを認識することを目的として、ノィズ除去処理

に先立ってノイズ抽出用の二値化処理および細線化処理が実行される。 まずマスク処理について説明する。マスク情報記憶部 3 6は、マスク 情報、すなわち観察画像内において蛋白質溶液を保持する結晶化容器で ある結晶化プレート 6の形状(液保持部 6 bの形状、例えば、図 2およ び 3参照)に由来して微分画像に現れる輝度変化情報、すなわち本来観 察対象とする蛋白質溶液の観察画像中に含まれるノイズのうち、容器で ある結晶化プレー卜 6の形状に由来して現れる容器ノイズを微分画像か ら除去するためのマスク情報(ここでは、液保持部 6 bに設けられたポ ケットの径寸法)を記憶する。マスク処理部 3 5は、マスク情報記憶部 3 6に記憶されたマスク情報に基づき、微分画像から容器ノイズを除去 するマスク処理を行う。これにより、容器ノイズが除去された微分画像 が得られる(例えば、図 1 2参照)。

次にノイズ除去処理について説明する。ここで行われるノイズ除去処 理は、上述のマスク処理では除去できないノイズ、例えば液保持部 6 b 頂部のポケット内に現れる蛋白質溶液の液滴の輪郭など、予め教示する ことができないノイズを対象としたものである。このため、ここでは微 分画像中の情報からどの部分がノイズであるかをノィズ認識処理部 3 8 によって認識し、このノイズ認識結果に基づきノイズ除去処理部 3 7が 微分画像中のノイズ除去を行う。これにより、ノイズが除去された微分 画像が得られる(例えば、図 1 4参照)。

ここでは、ノイズ認識の手法として、微分画像を細線化した細線化画 像中の線の形状的特徴に基づき、これらの線が蛋白質結晶を示す図形の 輪郭などの形状を示す形状線であるか、もしくは液滴の輪郭など明らか に蛋白質結晶を示す図形とは異なる線であるかを識別するようにしてい る。

すなわちここに示すノイズ認識においては、まず二値化処理部 3 9に より、微分画像記憶部 3 1に記憶された微分画像をノイズ抽出用の閾値 で二値化処理する。そして細線化処理部 4 0は、二値化処理された二値 化画像を細線化処理する。すなわち、二値化画像中の各線要素を 1画素 幅の細い線に置き換える。これにより、微分画像中の輝度変化が大きい 部分を示す範囲が細線化された複数の線から成る細線化画像が生成され る(例えば、図 1 3参照)。なお、前記ノイズ抽出用の閾値の設定方法は、 特に制限されないが、例えば、予め準備した結晶のサンプルや画像サン' プル等を用い、検出目標である蛋白質結晶の輝度変化情報と前記結晶以 外の沈殿物や液滴等の輝度変化情報とを区別できる値に適宜設定する方 法等があげられる。

したがって、二値化処理部 3 9および細線化処理部 4 0は、微分画像 をノィズ抽出用の閾値で二値化した後細線化処理することにより複数の 線から成る細線化画像を得る細線化画像生成部を構成する。そして細線 化画像記憶部 4 1は、細線化画像生成部で生成された細線化画像を記憶 する。

ノイズ認識処理部 3 8は、細線化画像記憶部 4 1の細線化画像に含ま れる複数の線の形状を個々に認識することにより、· ノイズとみなす線を 検出する。ノイズ除去処理部 3 7は、微分画像記憶部 3 1に記憶された 微分画像から、ノイズ認識処理部 3 8でノイズとみなされて検出された 線に該当する輝度変化情報を微分画像記憶部 3 1の微分画像より除去す る。

ここで、ノイズ認識処理部 3 8がノイズとみなす線を検出するに際し ては、後述するように複数のアルゴリズムを用いている。すなわち、線 の長さおよび分岐数を求め、長さが所定値を超え且つ分岐数が少ない線 をノイズとみなす第 1のアルゴリズム、線の長さおよび直線性を認識し、 長さが所定値を超え且つ直線性が高い線をノイズとみなす第 2のアルゴ リズム、さらには線の長さおよび当該線の近似直線に対する分散度合い を求め、長さが所定値を超え且つ分散度合いが小さい線をノイズとみな す第 3のアルゴリズムの 3つを必要に応じて使い分け、または併用する ようにしている。

なお、マスク処理部 3 5による容器ノイズ除去処理、ノイズ除去処理 部 3 7によるノイズ除去処理においては、上記例では微分画像記憶部 3 1に記憶された微分画像を処理対象として実行する例を示しているが、 二値化画像記憶部 3 3に記憶された二値化画像を対象としてマスク処理 部 3 5による容器ノイズ除去処理、ノイズ除去処理部 3 7によるノイズ 除去処理を実行するように構成してもよい。

次に蛋白質結晶検出方法について説明する。まず、図 6の処理部 2 0 が観察動作プログラム 2 2 bを実行することにより、観察動作が実行さ れる。すなわち結晶化プレート 6の各ゥエル 6 aの液保持部 6 bに保持 された蛋白質溶液 1 3の画像をカメラ 7によって撮り込み(観察工程)、 撮り込んだ画像を観察画像記憶部 2 1 bに記憶する(記憶工程)。これに より、観察画像記憶部 2 1 bには処理対象の観察画像が記憶される。 ここで、観察対象の蛋白質溶液 1 3の経時変化について、図 9を参照 して説明する。前述のように結晶化生成の開始に際しては、ゥエル 6 a の液保持部 6 bには、所定割合の結晶化溶液 1 2が加えられた蛋白質溶 液 1 3の液滴が載置される(図 3参照)。図 9 Aは、結晶化生成の初期に おける液保持部 6 bの断面の一例を示しており、この段階では蛋白質溶 液 1 3の液滴は液保持部 6 bのポケットをほぼ満たした状態にあり、液 滴内部には未だ蛋白質結晶が見られない。

ここで結晶生育条件、すなわち結晶化溶液 1 2の組成 ·濃度や保管温 度が望ましい条件に適っている場合には、蛋白質溶液 1 3内では時間の 経過とともに結晶化が進行する。図 9 Bは、結晶化がある程度進行した 状態における液保持部 6 bの断面の一例を示している。この状態では、 蛋白質溶液 1 3中の溶媒成分が徐々に蒸発することにより、液保持部 6 bのポケット内で液滴が縮小するにつれて液滴の輪郭が(矢印 Bで示す)、 図 9 Aの状態よりも.ポケット内部側に移動している。そして液滴の縮小 によって露呈したポケット底面には、液滴内に含まれていた蛋白質が結 晶化した蛋白質結晶 1 3 aが残留している。さらに液滴内部においても 結晶化が進行し、蛋白質結晶 1 3 aが生成されている。

図 1 0は、図 9 Bに示す状態における観察画像の一例を示しており、 液保持部 6 bのポケット内で溶媒の蒸発がある程度進行し体積が縮小し た状態の液滴を上方から撮り込んだ画像が含まれている。この観察画像 中では、図 1 0に示すように、低輝度の背景画像(密ハッチング部で示 す)中に、液保持部 6 bの頂部を示す環状部分 A (疎八ツチング部で示 す)が比較的高い輝度で現れている。

そしてこの環状部分 Aの内側のポケット内には、蛋白質溶液 1 3の液 滴が輝度が部分によって異なる画像として現れている。ここで、環状部 分 Aの内側で液滴が存在しない部分は下方からの照明光(図 9 B参照) が透過することによって高輝度部分となっており、蛋白質溶液 1 3の液 滴の輪郭 Bはこの高輝度部分とのコントラストによって観察画像中で明 瞭に現れている。また環状部分 Aの内周に沿って、部分的に線状の高輝 度部分 Cが現れている。

そして検出対象の蛋白質結晶 1 3 aは、環状部分 Aの内側の領域に存 在している。すなわち、蛋質溶液 1 3の液滴内部に存在する蛋白質結 晶 1 3 aのうち、カメラ 7による合焦レベル : f (図 9 B参照)の近傍に 存在する蛋白質結晶 1 3 aは、図 1 0の観察画像中で合焦度が高く明瞭 に現れ、合焦レベル f から外れた位置にある蛋白質結晶 1 3 aは合焦度 が低くぼやけた輪郭で現れる。またポケットの表面に残置された形で存 在する液滴外の蛋白質結晶 1 3 aも同様に、合焦度が低くぼやけた輪郭 で現れる。さらにこれ以外にも、観察画像中には結晶化に至らなかった 沈殿物などの固形異物が存在する。

蛋白質結晶の検出において、観察画像中に現れるこれらの図形を目視 観察によって正確に識別することは困難であり、検出対象の蛋白質結晶 を高い信頼度で効率よく検出することができないため、本実施の形態に 示す蛋白質結晶検出方法では、図 6のプログラム記憶部 2 2に記憶され た結晶検出プログラム 2 2 aを処理部 2 0が実行することにより、観察 画像に対して図 8のフローに示す蛋白質結晶検出処理を行い、蛋白質結 晶の識別を自動的に行わせるようにしている。

図 8における蛋白質結晶検出処理は、まず、観察画像に対して微分処 理を行う(S T 1 )。すなわち、予め観察画像記憶部 2 1 bに記憶された 蛋白質溶液の観察画像を微分処理することにより、輝度変化の大きさを 示す輝度変化情報からなる微分画像を生成する(微分処理工程)。これに より、図 1 1に示すように、図 1 0の観察画像中に現れている蛋白質結 晶 1 3 aの外形を示す形状線や、液滴の輪郭 B、環状部分 Aの内周の高 輝度部分 Cなど、輝度変化が大きい部分が高輝度で現れる。なお、微分 画像は本来各画素が輝度変化値に応じた明るさで現れる多値画像である が、図 1 1では図示の便宜のため白黒 2値画像で表している。

次いで、この微分画像に対して、マスク処理を行う(S T 2 )。ここで は、蛋白質溶液 1 3を保持している結晶化プレート 6の液保持部 6 bに 由来する輝度変化情報を微分画像から除去する(容器ノイズ除去工程)。 容器ノイズ除去は、結晶化プレート 6の液保持部 6 bの形状として予め 教示されているマスク情報に基づいて、蛋白質溶液 1 3が保持されてい る可能性のない所定領域の輝度変化情報を除去することにより行われる ここでは、図 1 1に示す微分画像中の輝度変化情報のうち、蛋白質溶 液 1 3が保持されている範囲以外に存在する輝度変化が大きい部分、す なわち図 1 0に示す環状部分 Aの内周部を含んでこれらよりも外側の領 域に現れる輝度変化が大きい部分をノイズとして除去する。これにより、 図 1 2に示すように、蛋白質結晶が存在する可能性がある領域のみを含 んだ微分画像(マスク処理)が得られる。

このようにしてマスク処理が行われた微分画像をノイズ抽出用の閾値 で二値化処理し、さらに細線化処理を行う(S T 3 )。図 1 3は、この細 線化処理によって得られた細線化画像を示しており、微分画像中の高輝 度部分、すなわちタンパク質結晶 1 3 aの形状線や液滴の輪郭などは、 いずれも幅が 1画素の線に置き換えられている。そしてこのようにして 作成された細線化画像に基づいて、ノイズ抽出を行う。すなわち、細線 化画像に含まれるノイズを認識する(S T 4 )。

ここで、ノイズ認識方法の例を図 1 6〜 1 8を参照して説明する。図 1 6〜 1 8に示す例はいずれも、上述の輪郭 Bに該当する線など、ある 程度の連続した長さを有ししかも蛋白質結晶の特徴的形状に合致しない ものをノイズとみなして検出するものである。ここでは、細線化画像中 の複数の線をまとまりごとにラベリングし、個々のラベルのうち、線の 長さが所定値を超えるラベルについて以下に説明するアルゴリズムでノ ィズに該当するか否かを認識するようにしている。この場合、細線化処 理された画像を対象としてラベリングを行っていることから、ラベル面 積そのものが各ラベルにおける線の長さを示している。

図 1 6 Aおよび 1 6 Bは、このノイズ認識の第 1のアルゴリズムを示 している。まず、線の長さが所定値を超えるラベルについて、ラベルを 構成する線が分岐する分岐点を求め、求められた分岐点の数に基づいて

ノイズであるか否かを判定する。例えば図 1 6 Aに示すラベル L 1の例 では、線 nの長さは所定値以上であるものの、分岐点 Pが多いことから ノイズとはみなされない。

これに対し図 1 6 Bに示すラベル L 2の例では、線 nの長さは所定値 以上であり、しかも分岐点 Pが 1つしかなく、「分岐数が少ない」と判断 する判定値を超えていないことからノイズとみなされる。すなわち第 1 のアルゴリズムの例では、ノイズ認識工程において、線の長さおよび分 岐数を求め、長さが所定値を超え且つ分岐数が少ない線をノイズとみな すようにしている。なお、分岐点の数に基づいてノイズであるか否かを 判断する別の方法として、線の長さを分岐数で割った値が所定の長さを 超えていなければ分岐数が少ない線と判断するようにしてもよい。 図 1 7は、第 2のアルゴリズムを示している。ここでは、線の長さが 所定値を超えるラベルについて、ラベルを構成する線の直線性を判定す ることによってノイズであるか否かを判定する。例えば図 1 7に示すラ ベル L 3において、ラベルを構成する線 nの探索を行い、探索起点 P S から探索を開始した線 nが、探索終点 P Eにおいて予め規定された探索 許容幅 Vの範囲内に収まっている場合に直線性が高いと判断し、この線 nをノイズと判定する。すなわち第 2のアルゴリズムの例では、ノイズ 認識工程において、線の長さおよび直線性を認識し、長さが所定値を超 え且つ直線性が高い線をノイズとみなすようにしている。

さらに図 1 8は第 3のアルゴリズムを示している。ここでは、ラベル を構成する複数の線の近似直線に対する分散度合いを求めることによつ てノイズであるか否かを判定する。例えば図 1 8 Aに示すラベル L 4に おいて、ラベルを構成する複数の線 n全体を近似する近似直線 A Nを求 める。そしてこの近所直線 A Nを挟む所定枠 M内において、線 nの近似 直線 A Nに対する分散度合いを求める。この場合には、複数の線 nが錯 綜して状態にあることから分散度合いは大きく、ノイズとはみなされな い。

これに対し、図 1 8 Bに示すラベル L 5の例では、線 nは近似直線 A Nにほぼ沿つており近似直線 A Nに対する分散度合いが小さいことから ノイズとみなされる。すなわち第 3のアルゴリズムの例では、ノイズ認 識工程において、線の長さおよび当該線の近似直線に対する分散度合い を求め、長さが所定値を超え且つ分散度合いが小さい線をノイズとみな すようにしている。なお、このようなノイズの認識方法における各パラ メータの設定方法は、特に制限されないが、例えば、予め準備したノィ ズおよび結晶の画像サンプル等を用い、除去したいノイズを検出する値 に適宜設定する方法等があげられる。 '

そしてこのようにしてノイズが認識されたならば、ノイズとみなされ て検出された線を二値化処理された微分画像から除去するノイズ除去処 理を行う (S T 5 )。すなわち、(S T 3 )、(S T 4 )、 ( S T 5 ) におい ては、微分画像をノイズ抽出用の閾値で二値化した後細線化処理するこ とにより、複数の線からなる細線化画像を得る(細線化画像生成工程)。 そして生成された細線化画像に含まれる複数の線の形状を個々に認識 することにより、ノイズとみなす線を検出し(ノイズ認識工程)、ノイズ 認識工程でノイズとみなされて検出された線に該当する輝度変化情報を 微分画像より除去する(ノイズ除去工程)。図 1 4は、このようにしてノ ィズが除去された微分画像(ノイズ除去)を示している。

この後、蛋白質結晶に該当する可能性が高い特徴部分の抽出を行う。 まず、微分画像(ノイズ除去)を特徴部抽出用の閾値で二値化処理する ( S T 6 )。すなわち、微分画像を特徴部抽出用の閾値で二値化すること により、大きな輝度変化を示す輝度変化情報を特徴部分として残した二 値化画像を得る(二値化処理工程)。ここで用いられる閾値は、前述のノ

ィズ抽出用の閾値よりも高い値に設定される。

また、二値化処理工程においては、特徴部分についてラベリングを行 レ、面積が所定値よりも大きいラベルのみを残してその他を消去する処 理を行う。これにより、蛋白質結晶である可能性が少ない小さな特徴部 分がノイズとみなされて除去される。図 1 5は、このようにして得られ た二値化画像を示しており、この画像中には、蛋白質結晶である可能性 が高い特徴部分のみが現れている。そして得られた二値化画像記憶部 3 3に記憶される。

なお、前述の容器ノイズ除去工程、ノイズ除去工程を、二値化画像記 憶部 3 3に記憶された二値化画像を対象として行うようにしてもよい。 この場合には、二値化画像中に残された特徴部分のうち、ノイズとみな されて検出された線に該当するものを二値化画像から除去する。

この後、得られた二値化画像を対象として結晶化判定を行う(S T 7 )。 例えば、二値化画像中の特徴部分が少ない場合には、結晶化や結晶化の 進行の可能性無しと判断し、特徴部分が多い場合には、結晶化や結晶化 の進行の可能性ありと判断する。特徴部分の多い少ないは、特徴部分に 相当する面積の合計を所定値と比較することによって決定される。前記 所定値は、特に制限されないが、例えば、予め準備した結晶サンプルや 画像サンプル等を用いて算出された特徴部分に相当する面積を用いて適 宜設定することができる。すなわちここでは、二値化画像の特徴部分よ り蛋白質結晶の有無および蛋白質結晶化の進行の有無の少なくとも一方 を判断する(結晶化判定工程)。

そしてここで結晶化の可能性がなしと判定されたならば、処理を終了 する。また(S T 8 ) にて結晶化の可能性ありと判定されたならば、当 該処理において対象とした観察画像が得られた結晶化プレ一ト 6を示す 結晶化プレート情報、ゥエル情報、観察画像、観察時刻などの結晶化情 報を結晶化情報記憶部 2 1 cに記憶し(S T 9 )、当該観察画像を対象と した蛋白質検出処理を終了する。

上記説明したように、本実施の形態に示す蛋白質結晶検出においては、 蛋白質溶液の画像を微分処理することにより、検出対象の蛋白質結晶の 輪郭に相当する部分を輝度変化が大きい部分としてとしてまず抽出する そしてこの輝度変化が大きい部分を特徴部抽出用の閾値で切り分けるこ とにより、大きな輝度変化を示す部分を特徴部分として残した二値化画 像を求める。そして蛋白質結晶の有無の判断を、この二値化画像の特徴 部分より行うようにしている。これにより、個人的な熟練度の相違によ る結晶検出作業の効率や検出結果の信頼性のばらつきを排除することが でき、蛋白質結晶の検出を効率よく高い信頼性で行うことができる。 なお、本実施の形態では、二値化画像の特徴部分にノイズを含まない ようにマスク処理部 3 5ゃノィズ除去処理部 3 7で処理を行っているが、 容器の形状や照明の条件等によりノイズを殆ど含まない観察画像が得ら れる場合には、マスク処理部 3 5やノイズ除去処理部 3 7での処理を省 略する とができる。

産業上の利用の可能性

従来は、蛋白質結晶の検出は、専ら観察担当者の目視観察に依存して いたが、本発明によれば、蛋白質結晶の検出を自動化でき、かつ、効率 よく高い信頼性で行うことができる。また、本発明の蛋白質結晶検出方 法は、例えば、蒸気拡散法等の蛋白質結晶化条件のスクリーニング方法 に使用でき、本発明の蛋白質結晶検出装置は、例えば、蒸気拡散法等の 蛋白質結晶化条件のスクリーニング装置や蛋白質結晶の製造装置に使用 できる。