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1. JPWO2015025499 - 酸化物半導体基板及びショットキーバリアダイオード

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Description

Title of Invention 酸化物半導体基板及びショットキーバリアダイオード JP 2013169966 20130819

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004  

Citation List

Patent Literature

0005  

Summary of Invention

0006   0007   0008  

Brief Description of Drawings

0009  

Description of Embodiments

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049  

Examples

0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068  

Industrial Applicability

0069   0070  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30    

Drawings

1   2   3    

Description

酸化物半導体基板及びショットキーバリアダイオード

JP 2013169966 20130819

Technical Field

[0001]
本発明は、ショットキーバリアダイオード素子、及びそれを含む電気回路、電気機器、電子機器及び車両に関する。また、本発明は、構造体、それからなる酸化物半導体基板、それを含むパワー半導体素子、ダイオード素子及びショットキーバリアダイオード素子、並びにそれを含む電気回路、電気機器、電子機器、車両に関する。

Background Art

[0002]
ショットキーバリアダイオードは、金属と半導体の接合面に形成される電位障壁を利用して整流作用を持たせたダイオードである。半導体としては、Siが最も一般的に使われている(例えば、特許文献1)。また、Siよりバンドギャップの大きな化合物半導体として、GaAsや最近ではSiCが用いられる(例えば、特許文献2及び3)。
[0003]
Si系のショットキーダイオードは、高速スイッチング素子や数GHz周波数帯における送信/受信用ミキサ、あるいは周波数変換素子等に利用される。GaAs系のショットキーダイオードは、さらに高速のスイッチング素子が可能で、マイクロ波用のコンバータやミキサ等に使われる。SiCはバンドギャップの広さを活かして、より高圧の電気自動車、鉄道、送電等への応用が期待されている。
[0004]
Siを用いたショットキーバリアダイオードは比較的低コストで汎用的に用いられているが、バンドギャップが1.1eVと小さいため、耐圧性を持たせるためには素子のサイズを大きくする必要がある。GaAsのバンドギャップは1.4eVであり、Siよりはすぐれるが、Si基板上でのエピタキシャル成長が困難であり、転位の少ない結晶を得ることが難しかった。SiCは、バンドギャップは3.3eVと広いため、絶縁破壊電界も高く、最も性能が期待できる材料であるが、基板作製、エピタキシャル成長ともに高熱のプロセスを経るため、量産性、コストに課題があった。

Citation List

Patent Literature

[0005]
patcit 1 : 特開2009−164237号公報
patcit 2 : 特開平5−36975号公報
patcit 3 : 特開平8−97441号公報

Summary of Invention

[0006]
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、Si基板上にバンドギャップの広い化合物半導体を安価で量産性に優れた方法で形成し、優れた電流−電圧特性を有するショットキーバリアダイオード素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、ショットキーバリアダイオード素子、ダイオード素子、パワー半導体素子に好適な酸化物半導体基板を提供することを目的とする。
[0007]
本発明によれば、以下のショットキーバリアダイオード素子等が提供される。
1.シリコン(Si)基板と、酸化物半導体層と、ショットキー電極層とを有するショットキーバリアダイオード素子であって、前記酸化物半導体層が、3.0eV以上、5.6eV以下のバンドギャップを有する多結晶及び/又は非晶質の酸化物半導体を含むショットキーバリアダイオード素子。
2.前記酸化物半導体が、In、Ti、Zn、Ga及びSnからなる群から選択される1種以上を含む1記載のショットキーバリアダイオード素子。
3.前記酸化物半導体層がインジウム(In)を主成分として含む1又は2に記載のショットキーバリアダイオード素子。
4.前記酸化物半導体層中に含まれる全金属元素に対するインジウムの原子組成百分率([In]/([In]+[In以外の全金属元素])×100)が30〜100atm%である1〜3のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
5.前記シリコン基板上に前記酸化物半導体層が形成され、前記酸化物半導体層上に前記ショットキー電極層が形成された1〜4のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
6.前記シリコン基板上に前記ショットキー電極層が形成され、前記ショットキー電極層上に前記酸化物半導体層が形成された1〜4のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
7.前記酸化物半導体層が、さらに、Al、Si、Zn、Ga、Hf、Zr、Ce、Sm、及びSnから選ばれる1種以上の元素を含む2〜6のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
8.前記酸化物半導体層の室温におけるキャリア濃度が1×10 14cm −3以上、1×10 17cm −3以下である1〜7のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
9.前記酸化物半導体層の端部が露出しないように絶縁膜により被覆されている1〜8のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
10.1〜9のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子を含む電気回路。
11.1〜9のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子を含む電気機器。
12.1〜9のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子を含む電子機器。
13.1〜9のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子を含む車両。
14.酸化物半導体層と金属薄膜を含み、
前記酸化物半導体層が、3.0eV以上、5.6eV以下のバンドギャップを有する多結晶及び/又は非晶質の酸化物半導体を含み、
前記酸化物半導体層と前記金属薄膜とが電気的に接触する領域を含む
構造体。
15.前記酸化物半導体がInを主成分とする14に記載の構造体。
16.前記金属薄膜の仕事関数が4.7eV以上である14又は15に記載の構造体。
17.前記酸化物半導体が結晶質であり、
前記酸化物半導体中に、Al,Si,Ce、Ga、Hf、Zr及びSmから選ばれる少なくとも1種類の元素が全金属元素中3at%以上、30at%以下の割合で含まれている14〜16のいずれかに記載の構造体。
18.前記酸化物半導体の室温におけるキャリア濃度が1×10 14cm −3以上、1×10 17cm −3以下である14〜17のいずれかに記載の構造体。
19.前記酸化物半導体層の膜厚が50nm〜20μmである14〜18のいずれかに記載の構造体。
20.14〜19のいずれかに記載の構造体が導電性基板上に積層してなる酸化物半導体基板。
21.前記導電性基板が単結晶シリコン、多結晶シリコン及び微結晶シリコンから選ばれる1以上から構成される20に記載の酸化物半導体基板。
22.14〜19のいずれかに記載の構造体が電気絶縁性基板上に積層してなる酸化物半導体基板。
23.20〜22のいずれかに記載の酸化物半導体基板を用いたパワー半導体素子。
24.20〜22のいずれかに記載の酸化物半導体基板を用いたダイオード素子。
25.20〜22のいずれかに記載の酸化物半導体基板を用いたショットキーバリアダイオード素子。
26.前記金属薄膜をショットキー電極層とする25に記載のショットキーバリアダイオード素子。
27.23に記載のパワー半導体素子、24に記載のダイオード素子、又は25もしくは26に記載のショットキーバリアダイオード素子を含む電気回路。
28.27に記載の電気回路を含む電気機器。
29.27に記載の電気回路を含む電子機器。
30.27に記載の電気回路を含む車両。
[0008]
本発明によれば、Si基板上にバンドギャップの広い化合物半導体を安価で量産性に優れた方法で形成し、優れた電流−電圧特性を有するショットキーバリアダイオード素子を提供することができる。
また、本発明によれば、ショットキーバリアダイオード素子、ダイオード素子、パワー半導体素子に好適な酸化物半導体基板を提供することができる。

Brief Description of Drawings

[0009]
[fig. 1] 本発明のショットキーバリアダイオード素子の一実施形態を模式的に示した断面図である。
[fig. 2] 本発明のショットキーバリアダイオード素子の一実施形態を模式的に示した断面図である。
[fig. 3] 本発明のショットキーバリアダイオード素子の一実施形態を模式的に示した断面図である。

Description of Embodiments

[0010]
1.ショットキーバリアダイオード素子
本発明のショットキーバリアダイオード素子は、シリコン(Si)基板と、酸化物半導体層と、ショットキー電極層とを有するショットキーバリアダイオード素子であって、前記酸化物半導体層が、3.0eV以上、5.6eV以下のバンドギャップを有する多結晶及び/又は非晶質の酸化物半導体を含む。バンドギャップの広い多結晶及び/又は非晶質の酸化物半導体を用いることで、優れた電流−電圧特性、特に高い絶縁破壊電界を有するショットキーバリアダイオード素子を提供することができる。
また、バンドギャップの広い材料を用いることで、結晶成長等、製造にコストのかかる単結晶ではなく、多結晶及び/又は非晶質の材料を使用することが可能となる。
[0011]
酸化物半導体層に含まれる酸化物半導体のバンドギャップは、好ましくは、3.1eV以上、5.4eV以下である。この範囲内の酸化物半導体を用いることで、優れた電流−電圧特性、特に高い絶縁破壊電界を有するショットキーバリアダイオード素子を提供することができる。
[0012]
3.0eV以上、5.6eV以下のバンドギャップを有する酸化物半導体としては、In、Ti、Zn、Ga及びSnからなる群から選択される1種以上を含む酸化物が挙げられ、例えば、In 、TiO 、ZnO、Ga 、SnO等が挙げられる。
酸化物半導体層に含まれる酸化物半導体は、In 、TiO 、ZnO、Ga 及びSnOからなる群から選択される1種以上であると好ましく、例えば、In にTi、Zn、Ga又はSnが固溶したもの、InとTi、Zn、Ga又はSnとの複合酸化物、及びこれらの元素を所定の原子比で含有する非晶質酸化物も含まれる。また、酸化物半導体は、適宜不純物をドーピングして、導電性を調整してもよい。例えば、酸化物半導体層を形成する際に用いるスパッタリングターゲットの性能(焼結密度、抗折強度等)の観点からは、酸化物半導体はIn を主成分とすることが好ましい。
これらの酸化物半導体は、多結晶であるか、非晶質であるか、又は多結晶と非晶質が混在していてもよい。
[0013]
バンドギャップは、以下の方法で計算することができる。即ち、まず、ガラス等の透明基材上に300nmの膜厚で酸化物半導体薄膜をスパッタ成膜し、UV−VIS測定装置(例えば、島津製作所製UV−3100)を用いて250nm〜1000nmの範囲の透過率を測定する。次いで、得られた透過率について、x軸にhν[eV]、y軸に(αhν) 1/2[(eV 1/2)(cm −1/2)]をプロット(Taucプロット)する。
ここで、hはプランク定数[J・s]、νは振動数[s −1]、αは吸光係数[cm −1]、次いで、直線部分をx軸に外層し、交点を求めることで酸化物半導体薄膜のバンドギャップが得られる。
尚、着色基板上や、ダイオード基板中に酸化物薄膜が存在する場合は、膜面を面出しした後、反射率のスペクトルを評価することで、同様に計算することができる。
[0014]
酸化物半導体層は、インジウム(In)を主成分として含むことが好ましい。
本発明において「酸化物半導体層がインジウム(In)を主成分として含む」とは、酸化物半導体層中に含まれる全金属元素に対するインジウムの原子組成百分率([In]/([In]+[In以外の全金属元素])×100)が30〜100atm%であることを意味する。バンドギャップの広い酸化インジウム系の材料を用いることで、優れた電流−電圧特性、特に高い絶縁破壊電界を有するショットキーバリアダイオード素子を提供することができる。
酸化物半導体層中のインジウムの含有割合は、例えばスパッタリングターゲットにおけるインジウムの含有割合を変更することによって調整することができる。他の元素についても同様である。
[0015]
酸化物半導体層中に含まれるインジウムは、酸化物半導体層中の全金属元素に対して30atm%以上であることが好ましい。これにより、高い耐圧性能と導電性とを両立できる。
[0016]
酸化物半導体層の元素の組成比は、二次イオン質量分析(SIMS)により定量分析して求めることができる。具体的には、半導体層の断面を研磨等の方法により面出しした後、濃度が既知の標準試料を用いて検量線法により定量する。
[0017]
尚、スパッタリング法で成膜した場合は、酸化物半導体層の元素組成比はスパッタリングターゲットの元素組成比とおおむね同等である。
スパッタリングターゲットの元素組成比は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)により定量分析して求める。具体的に、スパッタリングターゲットを酸処理により溶解させた溶液試料を、濃度が既知の標準試料を用いて検量線法により定量する。そして、得られた溶液中の濃度をターゲット中のat%に換算することでターゲットの元素組成比が得られる。
[0018]
また、酸化物半導体層は、さらに、Al、Si、Zn、Ga、Hf、Zr、Ce、Sm、及びSnから選ばれる1種以上の元素を含んでいてもよい。即ち、酸化物半導体層は、酸化インジウム(In )と、任意にこれらの添加元素の酸化物により構成される。添加元素の酸化物は特に限定されない。
添加元素は、好ましくは、Al、Si、Zn、Ga、Hf、Ce、Sm、及びSnから選ばれる1種以上の元素である。
酸化物半導体層は、単結晶である必要はなく、非晶質であっても、多結晶であってもよい。
但し、良好なダイオード特性を示すためには、酸化物半導体層の室温(298K)におけるキャリア濃度は1×10 14cm −3以上、1×10 17cm −3以下であることが好ましい。キャリア濃度が1×10 14cm −3未満の場合、オン抵抗が高くなりすぎ、動作時に発熱を招くおそれがあり、好ましくない。キャリア濃度が1×10 17cm −3を超えた場合、抵抗が低くなりすぎ、逆バイアス時のリーク電流が上昇するおそれがある。
キャリア濃度は、1×10 15cm −3以上、5×10 16cm −3以下であるとより好ましい。
キャリア濃度は、実施例に記載の方法で測定する。
[0019]
インジウム以外の元素の好ましい添加濃度は、結晶半導体として用いる場合と、非晶質半導体として用いる場合とで異なる。結晶半導体の場合、酸化インジウムの結晶に対しては、Al、Si、Ga、Hf、Zr、Ce、SmがInを含む全金属元素中3at%以上30at%以下、ZnがInを含む全金属元素中5at%以上40at%以下である。また、Snはターゲットの抵抗を下げるために有効であり、Inを含む全金属元素中500ppm以上3at%以下が好ましい。Snは結晶酸化インジウムに対しては、ドナーとして作用するため、3at%を超えない方が好ましい。
また、非晶質半導体の場合、従来公知の組成として、IGZO111、ITZO、IZZrO、IZAlO等の3成分系や、IGO、IZO、ITO等の2成分系を使用することができる。尚、この場合のInの濃度は90%未満とし、アニール温度を300℃以下に抑えると好ましい。
この場合もキャリア濃度を1×10 14cm −3以上、1×10 17cm −3の範囲となるように、酸化雰囲気下でアニールして調整することが好ましい。
[0020]
シリコン(Si)基板は、n型シリコン基板とp型シリコン基板のいずれも用いることができる。また、当該シリコン基板は、シリコン単結晶基板、シリコン多結晶基板、シリコン微結晶基板等、従来公知の表面平滑性に優れた基板を用いることができる。
尚、多結晶の一つの形態が微結晶である。多結晶は単結晶の集合体であり、明確な粒界が存在し、しばしば電気特性に影響を与える。この中で微結晶は、粒径のサイズがサブミクロン以下であり、明解な粒界が存在しない。このため、粒界散乱による電気特性のバラツキが少ないという長所がある。
[0021]
ショットキー電極層には、好ましくは仕事関数が4.7eV以上の材料が用いられる。具体的には、Ru、Au、Pd、Ni、Ir、Pt、又はこれらの合金が用いられる。仕事関数が4.7eVを下回ると、ショットキー障壁の高さが低く、逆バイアス時のリークが大きくなる場合がある。
一方、オーミック電極層に使用される金属の仕事関数は、シリコンウェハーの不純物濃度にもよるが、4.1eV程度が好ましく、密着性も考慮するとTiやMoが好ましい。
仕事関数の測定は、後述する方法により行うことができる。
[0022]
本発明のショットキーバリアダイオード素子の一実施形態においては、シリコン基板上に酸化物半導体層が形成され、酸化物半導体層上にショットキー電極層が形成される。
n型シリコンウェハーを用いた場合、基板の表面側に酸化物半導体層が積層され、さらにその上に、ショットキーを形成する電極層(Pt、Au、Pd、Ni等)が配置される。基板の裏面側にはTi等の、n型シリコンとオーミック接合を形成する電極層が積層される。また、導通を確保するため、裏面側は、Niを挟んでAu等の良導体を積層すると好ましい。尚、NiはAuの拡散を防止する効果がある。
[0023]
また、本発明のショットキーバリアダイオード素子の別の実施形態では、シリコン基板上にショットキー電極層が形成され、ショットキー電極層上に酸化物半導体層が形成される。
p型シリコンウェハーを用いた場合、基板の表面側は、最初にPt、Au、Pd、Ni等のショットキー電極層が積層され、その上に、酸化物半導体層がスパッタ法により形成される。この場合もショットキー障壁は、Pt、Au、Pd、Ni等の金属と、酸化物半導体層の界面に形成される。また、酸化物半導体層を形成する前に、ショットキー電極層表面を酸素プラズマやUVオゾン等で酸化処理すると、より良好なダイオード特性を得ることができる。
[0024]
続いて、酸化物半導体層上に、Ti等の、酸化物半導体とオーミック接合を形成する金属が積層される。この場合も、前記と同様に、Niを挟んでAu等の良導体をさらに積層してもよい。一方、p型シリコンウェハーの裏面側には導通を補助するための密着性に優れた電極が積層される。
[0025]
尚、本発明のショットキーバリアダイオード素子には従来公知のガードリング構造を設けてもよい。ガードリングは、酸化物半導体層とショットキー電極層の間に積層するものであり、耐電圧を向上する効果がある。酸化物半導体層の端部(エッジ部分)には電界が集中し、絶縁破壊が起こりやすくなるため、この端部を覆うようにSiO 等の絶縁膜を積層するとさらに耐電圧(絶縁破壊電圧)を上げることができる。
本発明のショットキーバリアダイオード素子は、酸化物半導体層の端部が露出しないように絶縁膜により被覆されていることが好ましい。
[0026]
本発明のショットキーバリアダイオード素子を構成する酸化物半導体層、ショットキー電極層、オーミック電極層等は、例えば、実施例に記載するように、安価で量産性に優れた方法である従来公知のスパッタ成膜法等により形成することができる。
酸化物半導体層の膜厚は、後述する本発明の構造体における酸化物半導体層と同じである。
また、ショットキー電極を形成する電極層と酸化物半導体層の界面は、ショットキー電極スパッタ工程で酸素を導入して反応性スパッタを行い、10nm以下の薄い酸化膜を積層してもよい。
[0027]
酸化物半導体層を形成した後は、アニール処理に供して、酸化物半導体を結晶化させてもよい。酸化物半導体を結晶化することにより、オン抵抗を下げることができる。アニール処理の条件は、特に限定されないが、例えば、酸化物半導体層を形成した後、空気中、300℃で2時間処理して酸化状態を安定化させ、次いで電極層を形成した後、空気中、200℃で1時間処理すればよい。酸化物半導体の結晶化は、X線回折(XRD)測定により確認することができる。
[0028]
本発明のショットキーバリアダイオード素子は、高い絶縁破壊電界を有する。本発明のショットキーバリアダイオード素子の絶縁破壊電界は、好ましくは0.5MV/cm以上であり、より好ましくは0.7MV/cm以上である。これにより、ダイオードを薄く設計できるため、素子を小さくでき、放熱対策も有利となる。
本発明のショットキーバリアダイオード素子のn値は、好ましくは2以下であり、より好ましくは1.5以下である。これにより、オン抵抗が小さくなり、発熱を抑制することができる。
絶縁破壊電界、n値は実施例に記載の方法により測定、算出する。
[0029]
本発明のショットキーバリアダイオード素子は、電気回路、電気機器、電子機器、車両、電動車両のそれぞれに好適に使用される。
[0030]
2.構造体及び酸化物半導体基板
本発明の構造体は、酸化物半導体層と金属薄膜を含み、酸化物半導体層と金属薄膜とが電気的に接触する領域を含む。酸化物半導体層は、3.0eV以上、5.6eV以下のバンドギャップを有する多結晶及び/又は非晶質の酸化物半導体を含む。
[0031]
「酸化物半導体層と金属薄膜が電気的に接触する」とは、金属薄膜と酸化物半導体層とが接合を形成することで、両者のフェルミエネルギーが一致するように、酸化物半導体から金属薄膜に電子が自由に拡散できるような接触状態を意味する。また、その「電気的に接触する領域」とは、具体的には絶縁膜等を介さずに、直接接合している領域が挙げられる。
[0032]
金属薄膜は、仕事関数が4.7eV以上であると好ましい。
仕事関数が4.7eV以上の金属薄膜とは、Au,Cr,Cu,Fe,Ir,Mo,Nb,Ni,Pd,Pt,Re,Ru,W等の金属やIn ,ITO,IZO等の金属酸化物等が挙げられる。尚、仕事関数はより大きく、キャリア濃度の高い金属を用いた方が、明確な整流特性を得る上で有利である。仕事関数のより好ましい範囲は4.8eV以上であり、5.0eV以上であることがさらに好ましい。上限値は特に限定されないが、好ましくは5.6eV以下である。
[0033]
金属薄膜として金属酸化物を用いた場合、キャリア濃度が10 20cm −3以上あることが好ましい。キャリア濃度がこれより少ないと、Inを主成分とする酸化物半導体と積層させた場合、空乏層の広がりが大きくなり、内部抵抗の原因になったり、高速スイッチング特性に対して不利になりやすい。このため、Inを主成分とする酸化物半導体と積層させるにあたり、より好ましい金属薄膜の材料はAu,Ir,Ni,Pd又はWである。
[0034]
また、これらの材料は、加工性を高めるために仕事関数を低減しない程度に微量の金属を添加してもよい。例えば、金属薄膜の材料がAuであれば、AgとCuを添加した合金が、Pdであれば、AgとCuを添加した合金等が使用できる。
[0035]
仕事関数の測定は、光電子分光装置(例えば、理研計器社製、AC−3)を用いて測定する。また、仕事関数は、酸、アルカリ等の表面処理や、UV洗浄等によって変化するが、本発明で記載した仕事関数とは、成膜後に処理を行わずにそのまま測定した値をいう。
[0036]
上記の酸化物半導体はInを主成分とすることが好ましい。「Inを主成分とする」とは、上記の本発明のショットキーバリアダイオード素子において説明した通りである。また、バンドギャップについても上記のショットキーバリアダイオード素子と同様である。
[0037]
上記の酸化物半導体は、多結晶であるか、非晶質であるか、又は多結晶と非晶質が混在していてもよく、結晶質であると好ましい。
また、酸化物半導体中に、Al,Si,Ce、Ga、Hf、Zr及びSmから選ばれる少なくとも1種類の元素が含まれていると好ましく、その含有量としては、酸化物半導体の全金属元素中、3at%以上30at%以下が好ましい。
[0038]
上記の酸化物半導体は、室温(298K)におけるキャリア濃度が1×10 14cm −3以上、1×10 17cm −3以下であると好ましい。キャリア濃度は、1×10 15cm −3以上、5×10 16cm −3以下であるとより好ましい。
キャリア濃度が1×10 14cm −3未満の場合、ダイオード素子として用いた場合、オン抵抗が高くなりすぎ、動作時に発熱を招くおそれがあり、好ましくない。キャリア濃度が1×10 17cm −3を超えた場合、抵抗が低くなりすぎ、逆バイアス時のリーク電流が上昇するおそれがある。
[0039]
薄膜形成技術に関しては、熱CVD法、CAT−CVD法、光CVD法、ミストCVD法、MO—CVD、プラズマCVD等のCVD法、MBE,ALD等の原子レベル制御の成膜法、イオンプレーティング、イオンビームスパッタリング、マグネトロンスパッタリング等のPVD法、ドクターブレード法,射出法,押出し法,熱間加圧法、ゾルゲル法、エアロゾルデポジション法等、従来公知のセラミックス工程を用いる方法、塗布法、スピンコート法、印刷法、スプレー法、電着法、めっき法、ミセル電解法等の湿式法等を利用することができる。
本発明の構造体の絶縁破壊電界は0.5〜3MV/cmと、従来のシリコン系ダイオードと比較して非常に優れた性能を有する。求められる耐圧は用途と目的に応じて異なり、60V耐圧では0.2μm〜1.2μm、600V耐圧では2μm〜12μmが必要となる。特に2μm以上の膜厚が必要な場合はPVD法よりもCVD法や湿式法を用いる方が生産工程上有利である。
[0040]
酸化物半導体の好ましい膜厚は50nm以上、20μm以下である。膜厚が50nmを下回ると、耐圧が10V程度となり、多くの用途の絶縁破壊電圧としては不十分である。膜厚が20μmを超えると、耐圧は5000Vが実現できるものの、On抵抗が高くなり、スイッチング時に発熱の問題が生ずる。膜厚のより好ましい範囲は、200nm以上、12μm以下である。
また、これらの膜厚は、サーフコーダやDEKTAK等の触針式段差計や、TEMやSEM等の電子顕微鏡で測定することができる。
[0041]
本発明の構造体は、導電性基板上又は電気絶縁性基板上に積層して、酸化物半導体基板として好適に用いることができる。
本発明の酸化物半導体基板は整流特性を有し、ショットキーバリアダイオード素子、パワー半導体素子、ダイオード素子を製造するのに好適に用いることができ、即ち、有用な中間体である。
ショットキーバリアダイオード素子として用いる場合、本発明の構造体は、前記金属薄膜がショットキー電極層として機能し、金属薄膜と電気的に接触する酸化物半導体層が酸化物半導体層として機能する。
[0042]
本発明の酸化物半導体基板において、構造体を導電性・電気絶縁性いずれの基板上に積層してもよいが、導電性の基板を用いた方が放熱の点で優れている。
導電性基板としては、シリコン単結晶基板、シリコン多結晶基板、シリコン微結晶基板等、従来公知の表面平滑性に優れた基板を用いることができる。
尚、多結晶の一つの形態が微結晶である。多結晶は単結晶の集合体であり、明確な粒界が存在し、しばしば電気特性に影響を与える。この中で微結晶は、粒径のサイズがサブミクロン以下であり、明解な粒界が存在しない。このため、粒界散乱による電気特性のバラツキが少ないという長所がある。
[0043]
本発明の酸化物半導体基板に求められる特性は、表面平滑性であり、特に縦方向で使用する場合は導電性も必要となる。この条件を安価に実現できるのはシリコン基板であるが、必要不可欠ではなく、Cu,Al,Mo,W,Ni,Cr,Fe、Nd、Au,Ag,Nd,Pd等の金属及びこれらの合金も使用できる。特に熱伝導性の高い金属材料を使用すれば、放熱の効果も期待できる上、必要に応じてヒートシンク構造としてもよい。また、GaAs、InP等の化合物単結晶ウエハー、Al 、ZnO,MgO,SrTiO ,YSZ,ランタンアルミネート、Y Al 12、NdGaO 、サファイア、AlN、GaN、SiC、無アルカリガラス、ソーダライムガラス等の、各種酸化物、窒化物、炭化物等の基板も使用することができる。尚、横方向に使用する場合は、基板は絶縁性でも構わない。
尚、縦方向とは、酸化物半導体の膜面に対して垂直方向に通電することを意味し、横方向とは、酸化物半導体の膜面に対して水平方向に通電することを意味する。
[0044]
電気絶縁性の基板としては、ガラスの他、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、フェノール樹脂等の樹脂基板を用いることができる。本発明の構造体は、高温プロセスを必要としないため、液晶ディスプレイや有機EL等のディスプレイを駆動するための回路の電源部等をディスプレイと同一基板上に搭載することができる。
[0045]
本発明の酸化物半導体基板は、パワー半導体素子、ダイオード素子、ショットキーバリアダイオード素子のそれぞれに好適に用いられ、当該パワー半導体素子、ダイオード素子、ショットキーバリアダイオード素子の1以上を含む電気回路は、電気機器、電子機器、電動車両のそれぞれに好適に用いられる。
[0046]
本発明はパワー半導体素子、具体的にはダイオード素子やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を構成する部材として好適な積層体を提供する。特にダイオード素子に関しては、ショットキーバリアダイオード素子やPNダイオード素子、PINダイオード素子を好適に提供することができる。
[0047]
ここで、ダイオードの種類としては、電源回路に用いる整流ダイオードや、PWM方式のインバータ回路に用いるファーストリカバリダイオード等に適用することで、発熱を抑制し、消費電力を低減することができる。特にインバータ回路は動作周波数が高く、スイッチング切替時の回復時間が小さいことが求められる。この点で、従来のファーストリカバリダイオードと比較すると、膜厚が小さい上にユニポーラであり、回復時間を非常に小さくすることができる。よって、動作周波数が高ければ高いほど、本発明のダイオードの特徴を活かすことができる。
[0048]
例えば、車両用のインバータ回路は従来よりGTO(Gate Turn−Off thyristor)が用いられている。GTOは大電力のスイッチングに向いているが、周波数が500Hz程度であり、発進時の騒音が問題となっていた。そこで、最近の車両やEVではIGBTを搭載する例が増えている。IGBTのスイッチング速度は数10kHzまで高めることができ、騒音を抑制できるとともに、周辺の部材を小型化することもできる。
[0049]
IGBTは原理的にスイッチング損失が小さいが、動作周波数が高いため、併用されるファーストリカバリダイオードの逆方向リーク電流を小さくすることは、消費電力の低減に大きな効果がある。従って、従来のSiダイオードよりも逆方向のリーク電流が小さい本発明のダイオードはIGBTインバータに用いられるファーストリカバリダイオードとして特に有効である。今後、動作周波数を上げてさらに滑らかな動作を望む場合は、さらに効果が高まる。また発熱も抑制することができるため、冷却機構をより単純にすることができる。例えば、EVの場合、従来必要とされていた複数の冷却機構を110℃のラジエータで一体化できる効果がある。
Examples
[0050]
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
実施例1
図1は、実施例1により得られたショットキーバリアダイオード素子を模式的に示した断面図である。
まず、抵抗率0.02Ω・cmのn型シリコン(Si)基板11を用意し、希フッ酸で処理して、基板の表面に形成されていた自然酸化膜を除去した。このSi基板をスパッタリング装置(島津製作所製:HSM552)に装着した。In :Ga =95:5(wt%)の組成を有する焼結体をスパッタリングターゲットとして用い、RF100Wの条件でスパッタ放電して、Si基板の酸化膜を除去した面上に、インジウム及びガリウムを含む厚さ300nmの酸化物膜(IGO膜)12を形成した。
尚、基板11はコンタクト電極としても機能する。
[0051]
次いで、このIGO膜をフォトリソグラフィによりパターニングして所望のパターンを形成した後、空気中、300℃、2時間の条件でアニールして、IGO膜を結晶化させた。IGO膜の結晶状態をXRD測定により確認し、多結晶体であることが分かった。
この多結晶IGO膜付きSi基板を再びスパッタリング装置に装着し、Ptターゲットを用いてスパッタリング成膜を行い、多結晶IGO膜上にPt電極13を形成して、ショットキー接合を得た。
[0052]
続いてこの基板を再度希フッ酸に浸漬して、多結晶IGO膜を形成していない裏側の自然酸化膜を除去し、Ti層14、Ni層15、Au層16の順でスパッタ成膜して、オーミック電極を形成した。最後に、このオーミック電極を形成して得られた積層体を、空気中、200℃、1時間の条件でアニールして、ショットキーバリアダイオード素子10を得た。
[0053]
IGO膜の室温におけるキャリア濃度を確認するため、CV(容量−電圧)測定を行った。単位面積当たりの空乏層容量C[F/cm ]は、C=ε/Wで表わされる。ここで、εは半導体の誘電率[F/cm]、Wは空乏層幅[cm]を表わす。またショットキーダイオードに順方向バイアス電圧V[V]をかけたとき、空乏層幅は、W={2ε(φ−V)/qN}(1/2)であるため、C={qεN/2(φ−V)}(1/2)となる。ここで、qは電荷素量(=1.6×10 −19[C])であり、φはビルトインポテンシャル[V]で、Pt電極とIGO膜との接触電位差を表わす。
CV測定を取得したのち、C −2−V特性をプロットし、傾きからドーピング濃度(=キャリア濃度)Nを求めることができる。その結果、スパッタリング成膜した後のIGO膜は抵抗が低く、空乏層が広がらなかったが、空気中、300℃、2時間の条件でアニールした後ではCV測定が可能であり、C −2−Vの傾きから計算した結果、キャリア濃度は5×10 15cm −3であった。
[0054]
得られたショットキーバリアダイオード素子の電流−電圧特性を測定し、n値と逆耐圧電圧を求めた。ここでn値は、下記式(1)で示すように、ショットキーバリアダイオード素子の特性を示すパラメータであり、nが1に近づくほど、理想的な素子特性が得られることになる。
I=I [exp(eV/nkT)]・・・(1)
I:酸化物膜からSi基板側に向かって流れる全電流密度[A/cm
e:電子の電荷、1.60×10 −19[C]
V:素子に印加される電圧[V]
:素子に印加される電圧V=0Vの時の電流密度[A/cm
k:ボルツマン定数、1.38×10 −23[J/K]
T:温度[K]
[0055]
その結果、n値は1.3、逆耐圧は20Vとなった。この逆耐圧は0.67MV/cmの絶縁破壊電界に相当し、従来の単結晶Siを用いたショットキーバリアダイオードと比較しても2倍程度高耐圧である。逆耐圧と絶縁破壊電界は以下の関係を有する。
逆耐圧(V)=絶縁破壊電界(V/cm)×半導体膜厚(cm)
以上の結果を表1に示す。尚、表中の「順方向電圧」は、素子に0.1mA/cm の電流流すのに必要な電圧であり、「On電流密度」は、素子に10V印加したときの電流密度である。
[0056]
実施例2〜実施例9
以下、表1に示すように、ショットキー電極と半導体の組成を適宜変更しながら、いずれもスパッタリング法を用いて、実施例1と同様にショットキーバリアダイオード素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[0057]
実施例10
図2は、実施例10により得られたショットキーバリアダイオード素子を模式的に示した断面図である。
まず、抵抗率0.02Ω・cmのp型シリコン基板21を用意し、自然酸化膜を希フッ酸で除去した後、Pdターゲットを用いてスパッタ成膜してPd電極22を形成した。次に、このPd電極の表面をUVオゾンで酸化処理した後、実施例1と同様にIGO膜23をスパッタ成膜した。空気中、300℃、1時間の条件でアニールした後、IGO膜上に、Ti層24、Ni層25、Au層26の順にスパッタ成膜してオーミック電極とした。
さらに、p型シリコン基板の裏面側(Pd電極を形成した面と反対の面側)についても希フッ酸にて自然酸化膜を除去した後、TiAl合金をターゲットとしてTiAl膜27をスパッタ成膜した。最後に空気中、200℃、1時間の条件でアニールして、ショットキーバリアダイオード素子20を得た。このダイオードは、実施例1〜9のダイオードとは極性が逆であり、p型シリコンウェハー側をプラスに接続すると順方向、マイナスに接続すると逆方向となる。
得られた素子について実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[0058]
実施例11
図3は、実施例11により得られたショットキーバリアダイオード素子を模式的に示した断面図である。
実施例1と同様にしてn型シリコン基板31に酸化物半導体のIGO膜32をスパッタし、空気中、300℃、1時間の条件でアニールした後、AZマテリアル社製のネガレジストをスピンコート法により塗布した。プリベーク、露光、現像、ポストベークにより、IGO膜のエッジ(端部)部分にリング状に掘れたパターンを形成した。次に、スパッタ装置に装着し、SiO をターゲットとして、RF100W、50分の条件でスパッタ成膜して、厚さ50nmのSiO 膜を形成した。次いで、レジスト剥離液に浸漬して、不要部分のレジストをIGO膜ごと剥離した。このようにして、IGO膜のガードリング37を形成した。以後、実施例1と同様にして、Pt電極33と、Ti34、Ni35、Au36のオーミック電極を作製し、ガードリング付のショットキーバリアダイオード素子30を作製した。
得られた素子について実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。このショットキーバリアダイオードは、ガードリングの効果により、実施例1と比較してさらに良好な耐圧特性を示した。
[0059]
[Table 1]


[0060]
実施例12
抵抗率0.02Ω・cmのn型シリコン(Si)基板を用意し、希フッ酸で処理して、基板の表面に形成されていた自然酸化膜を除去した。このSi基板をスパッタリング装置(島津製作所製:HSM552)に装着し、最初にオーミック電極としてTiを成膜した。次に、In :Ga =78:22(wt%)の組成を有する焼結体をスパッタリングターゲットとして用い、RF100Wの条件でスパッタ放電して、Ti付Si基板上のTi層の上に、厚さ1μmのインジウム及びガリウムを含む酸化物膜(IGO膜)を形成した。
[0061]
次いで、このIGO膜を空気中、300℃、1時間の条件でアニールし、フォトリソグラフィによりパターニングして所望のパターンを形成した後、空気中、300℃、1時間の条件でアニールした。IGO膜をXRDで評価した結果、結晶ピークは認められず、非晶質であることが確認された。
この非晶質IGO膜付き基板を再びスパッタリング装置に装着し、Niターゲットを用いてスパッタリング成膜を行い、非晶質IGO膜上にNi電極を形成して、ショットキー接合を得た。さらに、このNi電極上にAuをスパッタ成膜して単純な構成のショットキーバリアダイオード素子を得た。実施例1と同様にして得られた素子を評価した。結果を表2に示す。
[0062]
実施例13〜20
酸化物半導体の組成等を適宜変更しながら、実施例1と同様にショットキーバリアダイオード素子を作製し、評価した。結果を表2に示す。
尚、「4H−SiC」とは4層繰り返し構造を有する六方晶SiC基板を意味し、「YSZ」とはイットリア安定化ジルコニア基板を意味する。
また、実施例13、16、18、19、20においては高抵抗の基板を用いているため、電気測定はオーミック電極とショットキー電極に端子を当てて行った。
[0063]
比較例1
抵抗率0.02Ω・cmのn型シリコン(Si)基板を用意し、希フッ酸で処理して、基板の表面に形成されていた自然酸化膜を除去した。このSi基板をスパッタリング装置(島津製作所製:HSM552)に装着し、最初にオーミック電極としてTiを成膜した。次に、SiCターゲット(住友大阪セメント社製)をスパッタリングターゲットとして用い、RF100Wの条件でスパッタ放電して、Ti付Si基板上のTi層の上に、厚さ1μmのSiC膜を形成した。
[0064]
次いで、このSiC膜をフォトリソグラフィによりパターニングして所望のパターンを形成した後、空気中、300℃、1時間の条件でアニールした。SiC膜をXRD、並びにSEMで確認した結果、多結晶であった。
この多結晶SiC付き基板を再びスパッタリング装置に装着し、Niターゲットを用いてスパッタリング成膜を行い、多結晶SiC上にNi電極を形成して、ショットキー接合を得た。さらに、このNi電極上にAuをスパッタ成膜して単純な構成のショットキーバリアダイオード素子を得た。
[0065]
得られた素子について実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
比較例1で得られた素子は、キャリア濃度は5×10 15cm −3を示したが、n値は10超であり満足なダイオード特性を示さなかった。また、絶縁破壊電界も0.1MV/cmに留まった。
[0066]
比較例2
SiCターゲットの替わりに、ターゲットとして単結晶GaNを用いてスパッタした他は、比較例1と同様にして多結晶GaNからなるショットキーバリアダイオードを作製し、評価した。結果を表2に示す。
比較例2で得られた素子は、n値が10超であり満足なダイオード特性を示さず、絶縁破壊電界も0.1MV/cmに留まった。
[0067]
比較例3
SiCターゲットの替わりに、ターゲットとしてIn :Al =20:80wt%の組成割合からなる酸化物材料を用い、半導体成膜後のアニールを150℃とした以外は、比較例1と同様にしてショットキーバリアダイオードを作製し、評価した。結果を表2に示す。
比較例3で得られた素子は、バンドギャップが5.8eV以上と非常に広いが、キャリア濃度は10 13cm −3未満と非常に少なく、十分な順方向電流を得ることができなかった。
[0068]
[Table 2]


Industrial Applicability

[0069]
本発明のショットキーバリアダイオード素子は、高速動作やスイッチング特性が求められる電気回路、電気機器、電子機器、電動車両等に好適に用いることができる。
[0070]
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
本願のパリ優先の基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。

Claims

[1]
シリコン(Si)基板と、酸化物半導体層と、ショットキー電極層とを有するショットキーバリアダイオード素子であって、前記酸化物半導体層が、3.0eV以上、5.6eV以下のバンドギャップを有する多結晶及び/又は非晶質の酸化物半導体を含むショットキーバリアダイオード素子。
[2]
前記酸化物半導体が、In、Ti、Zn、Ga及びSnからなる群から選択される1種以上を含む請求項1記載のショットキーバリアダイオード素子。
[3]
前記酸化物半導体層がインジウム(In)を主成分として含む請求項1又は2に記載のショットキーバリアダイオード素子。
[4]
前記酸化物半導体層中に含まれる全金属元素に対するインジウムの原子組成百分率([In]/([In]+[In以外の全金属元素])×100)が30〜100atm%である請求項1〜3のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
[5]
前記シリコン基板上に前記酸化物半導体層が形成され、前記酸化物半導体層上に前記ショットキー電極層が形成された請求項1〜4のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
[6]
前記シリコン基板上に前記ショットキー電極層が形成され、前記ショットキー電極層上に前記酸化物半導体層が形成された請求項1〜4のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
[7]
前記酸化物半導体層が、さらに、Al、Si、Zn、Ga、Hf、Zr、Ce、Sm、及びSnから選ばれる1種以上の元素を含む請求項2〜6のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
[8]
前記酸化物半導体層の室温におけるキャリア濃度が1×10 14cm −3以上、1×10 17cm −3以下である請求項1〜7のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
[9]
前記酸化物半導体層の端部が露出しないように絶縁膜により被覆されている請求項1〜8のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子。
[10]
請求項1〜9のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子を含む電気回路。
[11]
請求項1〜9のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子を含む電気機器。
[12]
請求項1〜9のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子を含む電子機器。
[13]
請求項1〜9のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード素子を含む車両。
[14]
酸化物半導体層と金属薄膜を含み、
前記酸化物半導体層が、3.0eV以上、5.6eV以下のバンドギャップを有する多結晶及び/又は非晶質の酸化物半導体を含み、
前記酸化物半導体層と前記金属薄膜とが電気的に接触する領域を含む
構造体。
[15]
前記酸化物半導体がInを主成分とする請求項14に記載の構造体。
[16]
前記金属薄膜の仕事関数が4.7eV以上である請求項14又は15に記載の構造体。
[17]
前記酸化物半導体が結晶質であり、
前記酸化物半導体中に、Al,Si,Ce、Ga、Hf、Zr及びSmから選ばれる少なくとも1種類の元素が全金属元素中3at%以上、30at%以下の割合で含まれている請求項14〜16のいずれかに記載の構造体。
[18]
前記酸化物半導体の室温におけるキャリア濃度が1×10 14cm −3以上、1×10 17cm −3以下である請求項14〜17のいずれかに記載の構造体。
[19]
前記酸化物半導体層の膜厚が50nm〜20μmである請求項14〜18のいずれかに記載の構造体。
[20]
請求項14〜19のいずれかに記載の構造体が導電性基板上に積層してなる酸化物半導体基板。
[21]
前記導電性基板が単結晶シリコン、多結晶シリコン及び微結晶シリコンから選ばれる1以上から構成される請求項20に記載の酸化物半導体基板。
[22]
請求項14〜19のいずれかに記載の構造体が電気絶縁性基板上に積層してなる酸化物半導体基板。
[23]
請求項20〜22のいずれかに記載の酸化物半導体基板を用いたパワー半導体素子。
[24]
請求項20〜22のいずれかに記載の酸化物半導体基板を用いたダイオード素子。
[25]
請求項20〜22のいずれかに記載の酸化物半導体基板を用いたショットキーバリアダイオード素子。
[26]
前記金属薄膜をショットキー電極層とする請求項25に記載のショットキーバリアダイオード素子。
[27]
請求項23に記載のパワー半導体素子、請求項24に記載のダイオード素子、又は請求項25もしくは26に記載のショットキーバリアダイオード素子を含む電気回路。
[28]
請求項27に記載の電気回路を含む電気機器。
[29]
請求項27に記載の電気回路を含む電子機器。
[30]
請求項27に記載の電気回路を含む車両。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]