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1. JP2002136296 - NEW ANTITHROMBOSIS SUBSTANCE

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血小板粘着インヒビターに関する。さらに詳しくは、本発明は、フォン・ビルブラント因子(vWF)が血小板糖タンパク質GPIb−IX複合体と結合するのを阻害し、したがって血小板−血管壁の粘着を防止するタンパク質およびペプチドに関する。これらのペプチドのいくつかはヘビ毒中に存在する。
【0002】
【従来の技術】心臓血管系内の血栓症は、血管閉塞疾患の主要な機序であると考えられ、西欧社会における高い罹患率と死亡率の原因である。したがって、これらの多くの疾患を治療するため、抗血栓物質が広く使用されている(例えば、Steinら,Circulation,80巻,1501〜1513頁,1989年参照)。しかしいずれのグループの薬剤も、すべての個体に対して完全に満足される薬剤ではなく、可能な治療剤のレパートリーへの追加は常に歓迎される。
【0003】血栓症発生の機序は複雑であるが、部分的に理解されている。アテローム性動脈硬化症班の破裂によるか、または引き続く血管形成の間の該班の機械的除去のなどの初期外傷のために、血小板−非血小板相互作用によって血小板が損傷血管壁と粘着し、続いて血小板が凝集(血小板−血小板相互作用)するともにフィブリンの沈着が起こる。この現象の続発は、血漿タンパク質と、特定の血小板表面糖タンパク質レセプターとの相互作用によって制御される。血小板の粘着は、損傷に対する初期の反応であると考えられるから、粘着性血小板によって仲介される血栓症および/または再狭窄を予防もしくは改善するために、阻害するのに特に望ましい標的である。
【0004】未刺激の循環血小板は数種の粘着性タンパク質に対するレセプターを含有する。このタンパク質の中で、ラミニンはVLA2およびVLA6と結合し、またコラーゲンはVLA2、GPIVなどと結合する。血小板の内皮下層への初期の粘着は、血小板表面に存在するGPIb−IX複合体の、特に動脈血管の閉塞部位に見られる高い剪断速度の条件下で血管壁に固定化されるフォン・ビルブラント因子(vWF)に対する結合によって仲介されていると考えられる。この血小板GPIb−IX複合体は、一般に休止血小板上で機能するが、通常、血漿が含有するvWFを捕捉しない。通常の環境下では、動脈表面は血小板を粘着させる粘着性タンパク質リガンド(vWF)を提供しないので、血小板の粘着は血管損傷の部位に捕捉されたvWFに限定される。
【0005】捕捉されたvWFの存在によって血小板の血管内皮への粘着が保持されると、血小板は活性化されて血小板凝集体を形成し得、これに付随して、活性化されたGPIIb−IIIaレセプターによって、フィブリノーゲン(Fg)および血漿が含有するvWFの結合が起こる。したがって、GPIb−IXに捕捉されたvWFの相互作用による未活性化血小板の粘着を特異的に阻害する物質は、特に、狭窄によって高い剪断応力がもたらされる血管内で血栓症が起こるのを阻害し得る。
【0006】GPIb−IX複合体は、GPIXと非共有結合的に複合したIb表面メンブランのヘテロダイマー(IbαとIbβ)で構成され、約25,000コピー/血小板表面の密度で存在している。この複合体の欠除が、まれな先天的出血疾患であるベルナール・スリエ症候群の原因であることが分かっており、この症候群は、血小板表面に現れるGPIb−IX複合体の欠除、および動脈と血小板の粘着不全を特徴とする。フォン・ビルブラント病の特徴であるフォン・ビルブラント因子の欠損も、動脈と血小板の粘着不全をもたらすことが分かっている。
【0007】GPIb−IX/vWFの相互作用を妨害できる物質が知られている。Kirbyら,Thromb Haemostasis,34巻,770頁,1975年には、エバンスブルー染料が、vWFとホルムアルデヒド固定血小板とのリストセチンによって誘発される結合をインビトロで阻害することが報告されている。Geratzら,Thromb Haemostasis,39巻,411頁,1978年では芳香族アミジノ化合物類による同じ作用が証明されている。Phillipsら,Blood,72巻,1898〜1903頁,1988年には、リストセチンによって誘発される血小板の凝集反応および血小板が豊富な血漿中での剪断力によって誘発される血小板の凝集反応は、先に発表された他の化合物より10倍低い濃度でトリフェニルメチル化合物のアウリントリカルボン酸(ATA)により有効に阻害されることを示した。またATAは、冠状動脈血栓症のインビボでの有効なインヒビターであることが立証されている(Stronyら,Circulation,80巻,II−23頁(Abstract)1989年;PCT出願第WO89/04166号)。
【0008】また、vWFとGPIb−IX複合体の結合反応は、Ruanら,BritJ Haemotol 49巻,1511頁,1981年とCollerら,Blood,61巻,69頁,1983年とに開示されているように、GPIb−IX複合体と免疫反応性のモノクローナル抗体類によって阻害される。これらの抗体は、vWFと血小板のリストセチン誘発結合反応を阻害する。Beckerら,Blood,74巻,690〜694頁,1989年には、これらの抗体もしくはその免疫反応性フラグメントの1つは、モルモット中でのGPIbの機能をインビボでブロックするが、ADP、コラーゲンもしくはトロンビンによって誘発される血小板凝集反応に対しては全く効力を発揮しない。
【0009】ヒトvWFに対して免疫反応性のモノクローナル抗体は、高剪断速度下での血小板とコラーゲンの粘着をブロックする(Fressinaudら,J LabClin Med,112巻,58〜67頁,1988年,およびCadroyら,Circulation,80:Suppl.II−24,1989年)。ブタのフォン・ビルブラント因子に対するマウスのモノクローナル抗体は、内在の血小板の機能を発揮することなく、正常なブタに抗血栓の状態を誘発する(Bellingerら,Proc Natl Acad Sci(USA),84巻,8100〜8104頁,1987年)。
【0010】グリコカリシンの45kdのタンパク質分解性フラグメント(GPIbフラグメント)とその誘導体は、vWFと血小板の結合反応を阻害するので、これらのペプチドは、ヨーロッパ特許出願公開第317278号に示されているように抗血栓物質として使用し得る。オーストラリア特許出願第AU87/73715号に記載されているように、vWFのフラグメントも上記の結合反応を阻害する。Vincenteら,J Biol Chem,265巻,274〜280頁,1990年、には、リストセチンおよびボトロセチンで誘発されるvWFと血小板の結合反応をブロックする、GPIb由来のペプチドが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】vWFと、血小板が含有するGPIb−IX複合体との結合を特異的に阻害することにより、抗血栓症法の別の方法を提供すること。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗血栓物質として有用な、内皮下層に対する血小板の粘着のペプチドインヒビターに関する。このようなタンパク質のいくつかはヘビの毒中に存在することが見出され、本発明はこれらのタンパク質の精製法を提供するものである。さらに所望のインヒビターを含有するこれらの毒の同定法も示す。
【0013】したがって、1つの局面では、本発明は、vWF/GPIb−IX相互作用のインヒビターである抗血栓物質に関する。より特定すれば、これらのペプチドは、GPIb−IXに結合して、vWFが結合するのをブロックすると考えられる。これらの抗血栓物質は、血小板抗粘着物質と総称する。本明細書に記載されているヘビ毒中に見出された血小板抗粘着物質は、各々12〜14kdの2つの異なるサブユニットがジスルフィド結合されて構成される24〜28kdのペプチドである。ペプチド抗粘着物質の2つの各サブユニット間には、有意な配列の相同性が存在する。
【0014】別の局面では、本発明は、本発明の血小板抗粘着物質を提供する、ヘビ毒を含む生物体液の同定方法に関する。
【0015】さらに他の局面では、本発明は、本発明の血小板抗粘着物質を用いて血栓症を予防もしくは改善する方法およびその抗粘着物質を含有する製薬組成物に関する。
【0016】本発明のペプチドは、vWFと、血小板が含有するGPIb−IX複合体との結合を特異的に阻害することにより、抗血栓症法の別の方法を提供する。これらのペプチドは抗血栓治療に有用な薬剤である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の血小板抗粘着物質は、抗血栓物質としてのその挙動に関連する明白なインビトロでの特性をもっている。本発明の抗粘着物質はすべて、ADP、コラーゲンおよびトロンビンによって誘発される血小板凝集反応を阻害できないので、これはGPIIb−IIIaに結合するFgのインヒビターではなく、その血小板凝集反応を阻害しない。しかし、本発明の抗粘着物質は、Allain,J.P.ら,J Lab Clin Med,85巻、318頁、1975年およびRead,M.S.ら,J Clin Lab Med,101巻、74頁、1983年に記載されているような標準のアッセイでは未刺激の血小板の凝集反応を防止する。また本発明の抗粘着物質は、Ruggeri,C.M.ら,JClin Invest,72巻、1−12頁、1983年のアッセイのような標準アッセイを用いた場合、標識を付けたvWFの洗浄血小板への結合を阻害する。
【0018】以下に述べるのは、本発明の血小板抗粘着物質が明確な試験結果を示すアッセイである。
【0019】1)血小板のリストセチンまたはボトロセチンによる凝集の阻害:このアッセイでは、Brinkhaus,A.M.ら,Meth Enzymol,169巻、149〜143頁、1989年に記載されているようにして調製した、ホルムアルデヒドで固定し洗浄した血小板を、Thorell,L.ら、Throb Res,35巻、431〜450頁、1984年に記載されているのと同様にして調製した精製vWFと混合し、次いで抗生物質のリストセチンまたはヘビ毒凝集素のボトロセチンによって凝集反応を開始させる。血小板に対する抗粘着活性を試験する物質の濃度を増大させたものを、凝集反応誘発物質を添加する前に、vWFの存在下、固定血小板とともに1分間インキュベートする。凝集反応は、Chronolog Corporation(米国、ペンシルベニア州、ババータウン)が供給しているような市販の血小板凝集計(aggregometer)で測定され、vWFとGPIb−IX複合体の結合反応の尺度となる。(いくつかの試料は、固定血小板アッセイの代わりに、血小板が豊富な血漿(platelet−rich plasma,PRP)中で試験し得るが、前者の形態のアッセイは、高濃度の凝固酵素を含有するヘビ毒のような粗原料については好ましくない)。
【0020】2)標識vWFの血小板との結合の阻害
本発明の抗粘着物質は、放射性標識、ビオチンまたは他の方法で標識をつけたvWFの血小板に対する、リストセチンもしくはボトロセチンによって誘発される結合反応もまた阻害する。血小板は洗浄された血小板として提供され得、アッセイは、Ruggeriら,J Clin Inves,72巻,1〜12頁,1983年(上記文献)に記載されているのと同様にして、ELISAプレートに結合させたグリコカリシンに対して、または任意の適切な形態の血小板もしくはGPIX−Ibに対して実施し得る。
【0021】したがって一般に、本発明の抗粘着物質は、リストセチンもしくはボトロセチンで誘発された血小板凝集反応を阻害する性能を測定するアッセイと、リストセチンもしくはボトロセチンで誘発されたvWFが血小板と結合するのを阻害する性能を測定するアッセイの両方で陽性である。しかし本発明の抗粘着物質は、フィブリノーゲンがGPIIb−IIIaレセプターと結合するのを阻害しない。
【0022】抗粘着物質の起源の同定
ヘビ毒のような生物体液は、本発明の血小板抗粘着物質を含有するが、上記のような、固定し洗浄された血小板によるリストセチン/ボトロセチン誘発凝集反応の阻害アッセイ、またはvWFの、血小板が含有するGPIb−IX複合体への結合の阻害を測定するアッセイを用いて有効に同定される。
【0023】活性のある候補物質は、単離・精製された形態で血小板抗粘着物質を得るために精製工程に付される。サイズクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーおよび逆相HPLCのような各種のタンパク質精製法を使用し得るが、代表的で有効な方法は次のとおりである。
【0024】凍結乾燥された形態の粗毒約10〜1000mgを希酢酸(0.5M)で再構成し、次にセファデックスG−50のようなサイジングカラムに入れ、次に同じ溶媒中で溶離する。酢酸を除くために凍結乾燥した後、先に述べたような、固定され洗浄された血小板と精製vWFとのボトロセチンもしくはリストセチンで誘発された凝集のアッセイを利用して、各画分を抗粘着活性について検定する。
【0025】サイジングカラムから同定された活性画分を次に、そのヘビ毒中の抗粘着物質のイオン電荷によって、カルボキシメチル(CM)−セファシルまたはジエチルアミノエチル(DEAE)−セファシルのカラムに吸着させ、次に、イオン強度を増大させながら用いる酢酸アンモニウム緩衝液でカラムから溶離させる。カラムから得た画分を再び凍結乾燥して上記の揮発性塩を除き、次いで上記の血小板凝集アッセイを利用して検定する。(多くの粗ヘビ毒中に存在する凝固活性が活性面分から除去されたとき、場合によっては、この段階で、血小板の豊富な血漿(PRP)を固定・洗浄された血小板の代わりに用い得る)。
【0026】イオン交換ステップから得た活性画分は次に、VydacのようなC 4RPLCカラムの調製用逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)を用い、アセトニトリル(2〜70%アセトニトリル)および0.1%TFA/H 2Oを含有するグラディエント液で溶離して精製し得る。グラディエント液の濃度の勾配と流量は、通常の方法を用いて最適化される。活性画分は、この場合は血小板製剤としてPRPを用い、前記の血小板凝集アッセイによって決定される。得られた活性画分をプールし、濃縮し、次いで分析用のHPLCもしくはSDS−PAGEを用いて均質性について試験する。
【0027】上記のまたは他の精製法によって得ることができる本発明の抗粘着物質には、下記のヘビからなる群から選ばれる毒から得られる物質が含まれる。すなわちアグキストロドン・アクタス(Agkistrodon actus)、アグキストロドン・ハリス・ブロモフィ(Akistrodon halys blomhoffi)、アグキストロドン・コントルトリックス・モカセン(Agkistrodon contortrix mokasen)、ビティス・アリエタンス(Bitis arietans)、ビティス・コーダリス(Bitiscaudalis)、ビティス・ガボニカ(Bitis gabonica)、ビティス・ジー・リノセロス(Bitis g.rhinoceros)、ボスロプス・アスパー(Bothrops asper)、ボスロプス・アルタナータ(Bothrops alternata)、ボスロプス・アトロックス(Bothrops atrox)、ボスロプス・コチアラ(Bothrops cotiara)、ボスロプス・ジャララカ(Bothropos jararaca)、ボスロプス・ニューイーディ(Bothropos newiedi)、ボスロプス・メデューサ(Bothropos medusa)、ボスロプス・シュレグリ(Bothropos schlegli)、セラステス・セラステス(Cerastes cerastes)、セラステス・バイペラ(Cerastes vipera)、クロタルス・アダマンチユース(Crotalus adamanteus)、シ・アルトックス(C.atrax.)、シー・バシリカス(C.basilicus)、シー・ジュリスス・トトナタカス(C.durissus totonatacus)、シー・エイチ・ホリダス(C.h.horridus)、シー・エム・モロスス(C.m.molossus)、シー・ルバー(C.ruber)、シー・スクタラタス(C.scutalatus)、シー・ブイ・セレバルス(C.v.cereberus)、シー・ブイ・ヘレリ(C.v.helleri)、シー・ブイ・ルトスス(C.v.tutosus)、シー・ブイ・オレガヌス(C.v.oreganus)、エキス・カリナツス・ソクレキー(Echis carinatus sochurecki)、エリステェコフィス・マクマホニー(Eristicophismacmahoni)、プソイドセラスシス・パーシクス(Pseudocerastes persicus)、シストルールス・エム・バルボーリ(Sistrurus m.barbouri)、シストルールス・シー・ターゲミナス(Sistrurus C.tergeminus)、トリメレスルス・フラボビリディス(Trimeresurus flavovirides)、トリメレスルス・グラミニウス(Trimeresurus gramineus)、バイペラ・レベティナ(Vipera lebetina)、バイペラ・アモンディテス(Vipera ammondytes)、バイペラ・パラスティナエ(Vipera palastinae)、およびバイペラ・アール・ルセリィ(Vipera r.russelli)からなるヘビの群から選択される。
【0028】本発明の精製血小板粘着インヒビターは、次に標準法を用いて配列が決定される。全ペプチドは一般に、未変性タンパク質中のシステイン残基の還元とアルキル化によって配列を決定され得、この処理によって個々のサブユニットを分離し得る。個々のサブユニットはタンパク質分解反応によって消化されてフラグメントを生成しそのフラグメントはRPLCを用いて分離され、ついでそのタンパク質の配列が、Applied Biosystems 473A Protein Sequenatorのような自動タンパク質シークエネーターを用いて決定される。
【0029】あるいはそのタンパク質の全配列は、ヘビの組織のクローン化DNAライブラリーから抗粘着物質をコードするDNAを検索することによって決定され得る。このようなDNAを得る各種の方法が知られるが、抗粘着物質に対する部分的なアミノ酸配列に基づいて設計されたオリゴヌクレオチドのプローブによってスクリーニングする方法、または精製抗粘着物質に対して調製された抗体を用いる発現スクリーニング法がある。
【0030】組換え産生および他の合成産生
本発明の血小板抗粘着物質(PAA)は、組換え法の使用を含む各種の方法で産生することができる。
【0031】未変性のPAAまたはその変異体をコードする遺伝子は、各種の組換え系を用いて操作して発現し得る。適切な構造の発現系があれば、翻訳されたタンパク質をプロセシングしない宿主系を使用し得る。例えばその発現系は、任意の隣接配列を適切に修飾することにより、所望のN末端のすぐ前にATG開始コドンを配置し、かつ所望のC末端の後に終止コドンを配置することによって構築される。次に所望のコーディング配列を、所望どおりに、原核もしくは真核の宿主内で機能する制御系に、作動可能な結合で連結される。現在、多数の制御系が当該技術分野で公知である。
【0032】PAAのプロセシングが所望の場合は、ある種の真核系が有利である。組換え宿主を選択するには注意しなければならない。この選択がプロセシングの性質を決定する。また、タンパク質分解酵素もしくはグリコシル化酵素により、切断またはグリコシル化され易いと考えられる位置の置換アミノ酸をコードするために遺伝子配列を改変することによって、プロセシングを中断し得る。例えばアルギニンまたはリシンをトレオニン残基で置換すれば、生成したペプチドは、それらの部位でトリプシンによって切断されにくくなる。あるいは、発現は、これらのペプチドのプロセシングを行うことができる酵素の欠乏する宿主内で行われ得る。
【0033】PAAをコードする遺伝子は、PAAをコードするDNAで構築されたプローブまたは抗PAA抗体が入手できれば得られるので、これらの遺伝子は、部位特異的突然変異誘発法で1つ以上のアミノ酸に対するコドンを置換することによって操作し得、PAA活性を保持するこれらのペプチドのアナログをコードする配列を得ることができる。
【0034】発現ベクターの構築と、適正なDNA配列の組換え法による産生は、当該技術分野でそれ自体公知の方法で行われ得る。
【0035】発現は原核または真核系で行われ得る。原核系は、イー・コリ(E.coli)の各種の菌株で代表される場合が最も多い。しかし他の微生物の菌株も使用し得、例えば、バシラス・サチリス(Bacillus subtills)のような桿菌類、シュードモナス(Pseudomonas)属の各種の種、または他の細菌菌株がある。このような原核系では、宿主と適合性の種由来の複製起点および制御配列を含むプラスミドベクターが用いられる。例えば、イー・コリは、一般に、pBR322すなわちイー・コリの種由来のプラスミドの誘導体、またはpUCシリーズのベクターを用いて形質転換される。通常用いられる原核制御配列は、本明細書では、リボソーム結合部位の配列とともに任意にオペレーターを有する転写開始のプロモーターを含有すると定義され、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)とラクトース(lac)のプロモーター系のような通常用いられるプロモーター系が含まれるが、原核生物と適合性のトリプトファン(trp)プロモーター系およびλ由来P Lプロモーター系を使用し得る。
【0036】真核宿主に有効な発現系は、適切な真核遺伝子由来のプロモーターを含有する。酵母に有効なある種類のプロモーターは、例えば、3−ホスホグリセリン酸キナーゼの合成を行うプロモーターを含む、解糖酵素合成を行うプロモーターを持っている。他のプロモーターとしては、YE p13から得られるエノラーゼ遺伝子またはLeu2遺伝子由来のプロモーターがある。
【0037】適切な哺乳類のプロモーターとしては、メタロチオネインプロモーター、SV40由来の初期もしくは後期のプロモーター、またはポリオーマ、アデノウイルスII、ウシ乳頭腫ウィルスもしくはトリ肉腫ウィルスのような他のウィルスプロモーターがある。適切なウィルスおよび哺乳類のエンハンサーも使用し得る。植物の細胞が発現系として用いられる場合は、ノパリン合成のプロモーターが適切である。昆虫細胞もまた、バキュロウイルスに基づいた発現系とともに宿主として使用し得る。
【0038】発現系は、標準の方法を用い、当該技術分野で公知の標準の連結法および制限法を採用して、PAAをコードする配列に前記の制御要素を作動可能に連結することによって構築される。単離されたプラスミド、DNA配列、または合成されたオリゴヌクレオチドは、切断され、仕立てられ、所望の形に再連結される。
【0039】構築されたベクターで適切な宿主を形質転換させる。使用される宿主細胞によって、その細胞に適した標準の方法を用いて形質転換が実施される。形質転換された細胞は、次に、PAAをコードする配列の発現に有利な条件下で培養され、ついで組換え法で産生されたタンパク質が培養物から回収される。
【0040】組換え法による産生に加え、その推定配列が直接ペプチド合成を実施できる程度に充分に短いペプチドを、標準の固相法を用いて調製し得る。
【0041】したがって、本発明の適用範囲内の化合物は、当該技術分野で公知の手段、例えば固相ペプチド合成法によって化学的に合成し得る。この合成は、α−アミノ保護アミノ酸を用いてペプチドのカルボキシ末端から開始される。他の保護基が適切であっても、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)保護基はすべてのアミノ基に対して使用することができる。例えばBoc−Val−OH、Boc−Leu−OH、Boc−Arg−OHまたはBoc−Tyr−OH(すなわち選択されたBNPアナログのカルボキシ末端のアミノ酸)は、クロロメチル化ポリスチレン樹脂の支持体に対してエステル化され得る。このポリスチレン樹脂の支持体は、架橋剤としてのジビニルベンゼンが約0.5〜2%となる、スチレンとのコポリマーが好ましく、この架橋剤によって、ポリスチレンポリマーはある種の有機溶媒に対して完全に不溶性になる(Stewaytら,Solid−Phase Peptide Synthesis,1969年,米国、サンフランシスコのW.H.Freeman Co.、およびMerrifield,J Am Chem Soc,85巻、2149〜2154頁、1963年参照)。またこれらのおよび他のペプチド合成法は、米国特許第3,862,925号、同第3,842,067号、同第3,972,859号および同第4,105,602号に例示されている。
【0042】この合成は、手動法を用い得るが、または、例えばApplied Biosystems 430Aもしくは431Aペプチド合成器(米国、カリフォルニア州、ホスターシティ)を、メーカー提供の指示マニュアルに記載されている指示事項にしたがって用いて自動的に行い得る。
【0043】当然、自動合成法も配列の制御を行い得るので、上記のように遺伝子を改変することによって得られるアミノ酸配列に対する上記の改変は、この合成法を用いて得られる。さらに、置換アミノ酸は遺伝子によってコードする必要はない。従って、D型アミノ酸もしくはβアミノ酸が天然に存在しているアミノ酸の代わりに用いられ得る。
【0044】抗粘着剤に対する抗体の調製
本発明の血小板抗粘着剤はまた、本発明の化合物に対して免疫特異的な抗血清を得るため、免疫化プロトコルに利用し得る。得られたPAA化合物は、次いで、マウス、ウサギなどの適切な哺乳類の被検体に注射し得る。適切なプロトコルは、血清中に抗体の産生を上昇させる計画にしたがって、アジュバントの存在下、免疫原を繰返し注射することを含む。免疫血清の力価は、当該技術分野で現在標準になっている免疫検定法を用い、本発明の化合物を抗原として用いることによって容易に測定することができる。
【0045】得られた抗血清は直接使用し得、またはモノクローナル抗体が、免疫化動物の末梢血液リンパ球もしくは膵臓を採集し、その抗体産生細胞を不死化し、次いで標準の免疫検定法を用いて適切な抗体産生体を同定することによって得ることができる。
【0046】比較的小さなハプテン類である本発明のいずれの化合物も、通常用いられるキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)のような抗原として中性の担体、または血清アルブミン担体に有利に連結される。担体への連結は、当該技術分野で一般に公知の方法で行い得る。連結はジシクロヘキシルカルボジイミド、または他のカルボジイミド脱水剤のような縮合剤を用いて実施し得る。この連結を行うのにリンカー化合物も使用し得、同種の二官能性のリンカーおよび異種の二官能性のリンカーは、米国、イリノイ州、ロックフォードのPierce Chemical Companyから入手できる。
【0047】投与および効用
本発明の血小板粘着インヒビターは、血小板の粘着および血栓の生成を防止し、かつ血管形成術のような侵襲性方法を行った後の動脈の再狭窄を防止するのに治療上有用である。このような治療法を行うのに適した症状には、限定はないが、アテローム性動脈硬化症および動脈硬化症、急性心筋梗塞、慢性不安定狭心症、一過性脳虚血発作、末梢血管の疾病、動脈血栓症、子かん前症、塞栓症、ならびに血管形成術、頸動脈血管内膜切除術、血管移植片の吻合術および心臓血管器具(例えば留置カテーテルもしくはシャント“体外循環装置”)の長期間の使用の後に起こる、再狭窄および/または血栓症が含まれる。これらの症候群は各種の狭窄性と閉塞性の血管障害を示すが、これらの障害は、血小板の粘着で始まり、次いで血小板が活性化され、血管壁の新生内膜層の血管平滑筋が増殖して、再狭窄に至る原因である強力な成長因子を含有する、血小板顆粒の内容物が放出され、続いて損傷した動脈の管壁に血小板血栓が生成すると考えられる。
【0048】本発明の血小板粘着インヒビターは、不安定狭心症および動脈の塞栓症もしくは血栓症における動脈血栓の形成の防止もしくは停止、ならびに心筋梗塞(MI)およびMIが起こった後の壁在性血栓生成の治療もしくは防止に使用し得る。本発明の血小板粘着インヒビターは、血小板が粘着し、続いて動脈の再閉塞が起こるのを阻害するために、ストレプトキナーゼまたはプラスミノーゲン活性化因子のような血栓崩解剤とともに投与し得る。
【0049】さらに、これらの抗血栓剤は、器官の移植が原因で起こる血栓症と再狭窄を抑制するのに使用し得、そして血栓症によって仲介される器官の拒絶反応および移植で誘発されるアテローム性動脈硬化症の防止に使用し得る。
【0050】血小板粘着インヒビターの投与量は、所望の作用と治療計画によって広範囲に変化させ得る。一般に投与量は約0.001〜10mg/Kg個体の体重である。投与は、好ましくは、静脈投与のような非経口で、毎日、1週間まで、または1、2ヶ月間もしくはそれ以上行うが、治療のスケジュールによって変化し得る。血小板粘着インヒビターのペプチドフラグメントを使用する場合は、鼻内、舌下などのような他の経路を利用し得る。
【0051】注射剤は次のような通常の形態で調製し得る。すなわち液体の溶液または懸濁液、注射に先立ち溶液または懸濁液にするのに適した個体の形態、またはエマルジョンである。適切な賦形剤は、例えば水、食塩水、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、システイン塩酸塩などである。さらに、目的により、注射用医薬組成物は、少量の非毒性補助物質、例えば湿潤剤、pH緩衝剤などを含有し得る。目的により、吸収促進製剤(例えばリポソーム類)を利用し得る。
【0052】以下に記載する実施例は例示を目的とするものであり、本発明を限定するものではない。
【0053】
【実施例】(実施例1)
血小板抗粘着剤を含有するヘビ毒の同定
アッセイを行うために、精製ヒトvWFを、Thorellらの前記文献の方法を用いて、ヒト血漿の冷却沈降物から調整し、BrinkhousおよびReadの前記文献に記載されているのと同様にして、ホルムアルデヒドで固定し洗浄した血小板を調製しアッセイした。リストセチン(1.5mg/ml最終濃度)またはボトロセチン(10μg/ml最終濃度)を用いて血小板凝集反応を開始させた。
【0054】Sigma Chemical Company社(米国、ミズーリ州、セントルイス)またはMiami Serpentarium Labs社(米国、ユタ州、ソルト・レーク市)から入手した73種の凍結乾燥したヘビの粗毒液の10mg/ml蒸留水溶液を、Centricon−10およびCentricon−30(YM Membrane)のマイクロコンセントレーター(Amicon社、米国、マサチューセッツ州、ダンバーズ)を用いて調製用限外濾過に付した。濾液(10μlと50μlの試料)および保持液(10μlと50μlの試料)両方を、調製した固定・洗浄血小板を精製vWFとともに使用する、血小板凝集アッセイに試験試料として使用した。阻害活性は、Centricon−10および同−30の限外濾過で得た保持液試料にのみ見い出された。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
抗粘着活性は、ViperinaeおよびCrotalinaeの全種ではなく一部の種にみられたが、試験したElapidaeの全種にはみられなかった。
【0056】実施例2
Crotalus horridus horridus毒からの血小板抗粘着物質の精製
0.5M酢酸7.0ml中、Crotalus horridus horridus毒500mg(Miami Serpentarium Labs,Lot #CH18SZ)の溶液を、0.5M酢酸で平衡化したセファデックスG−50(fine)(Pharmacia 2.5×100cm)のカラムにかけ、溶出した。カラムは、流速25ml/時で溶出し、5ml画分を採集した。各画分の10μlを10画分1グループとしてプールし(即ち、画分1−10、11−20、21−30等)、分析のために凍結乾燥した。この凍結乾燥画分は、蒸留水500μl中に再懸濁し、そしてその適量をとり、精製vWFで再構築された固定化洗浄血小板の、リストセチンで誘発される血小板凝集の阻害活性を測定した。このアッセイにより活性のある阻害画分(31−40)をプールし、凍結乾燥することにより、白色非結晶粉末95mgを得た。
【0057】この物質を、5mlの0.01M NH 4OAc、pH4.5中に溶解し、そして0.01M〜0.5M NH 4OAc、pH6.5で平衡化したカルボキシメチルセファクリルカラム(2.2×13cm)にかけ、画分(12ml)を採取した。このカラムは、UV吸収により画分を同定するため、254nm/1.0 AUFSでモニターした(図1)。UV吸収画分は、画分毎に凍結乾燥し(各20μl)、蒸留水1ml中に再懸濁し、そしてその血小板凝集を阻害する能力を測定した。画分13〜17が阻害活性を示し、そして過剰のNH 4OAcを除くため、各画分をH 2Oを用いて3回凍結乾燥した。
【0058】SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(非還元)によるピーク阻害画分の分析により、Mr=23−28kdに泳動する2種の主要タンパクが認められた。これらの画分(100μg)を、逆相C 4液体クロマトグラフィー(Vydac 214TP54,0.46×25cm、流速1.0ml/分、300A、15%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)〜70%アセトニトリルのグラジエント溶出30分)で分析すると、2つの主要なUV(214nm)吸収ピークが認められ(図2)、これを集め、そして乾燥した。SDS−PAGEによるこれら2つのピークを再分析すると、より速くHPLC溶出するピークは、CHH−A(24.9分)として、Mr=23kdに泳動され、そしてより遅く溶出するピークは、CHH−B(25.6分)として、Mr=25kdに泳動された(図3)。還元SDS−PAGEでは、CHH−AおよびCHH−Bは2つの別個のタンパク鎖Mr=12−15kdに分解された。未変性のCHH−AおよびCHH−Bは、共に、洗浄系のボトロセチンおよびリストセチンで誘発される血小板凝集を阻害し、そして血小板に富む血漿中の凝集も同程度に阻害した。
【0059】CHH−AおよびCHH−Bのイオン変換画分からの分取精製は、分析用分析と同じグラジエント溶出条件を用いて、セミ分取C 4(214TP510、3.5ml/分)カラム上で行った。図4は、精製されたCHH−Bの分析C 4 HPLCクロマトグラムを示し、そして図5は、CHH−Aのクロマトグラムを示す。(各図の34分におけるピークは雑音(artifact))。
【0060】精製タンパク質(CHH−B)の一部を還元し、そしてアルキル化した(6Mグアニジン・HCl,0.25Mトリス−HCl,20mM EDTA,20mMジチオストレイトール(DTT)を含む、pH7.5、8時間25℃)。過剰のヨードアセトアミドをこの還元タンパク質に加え、室温で8時間置いた。還元された、およびアルキル化された鎖は、それぞれ、C 4逆相HPLCを用いて分離した。より速く溶出するサブユニット(CHH−B−β)およびより遅く溶出するサブユニット(CHH−B−α)は、それぞれ、Applied Biosystem 473Aタンパク質シークエンサーを用いて、N末端配列分析(エドマン分解)を行った。
【0061】CHH−B−αについては、エドマン分解を37回繰り返すことにより、以下のN末端アミノ酸配列が得られた。Asp−Leu−Glu−Cys−Pro−Ser−Gly−Trp−Ser−Ser−Tyr−Asp−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Lys−Pro−Phe−Lys−Gln−Glu−Met−Thr−Trp−Ala−Asp−Ala−Glu−Arg−Phe−Cys−Ser−Glu−Gln−Ala−Lys。127個のアミノ酸からなるこの鎖の完全なアミノ酸配列を図6に示す。
【0062】CHH−B−βについては、27回のサイクルにより、以下のN末端アミノ酔配列を得た。Asp−Cys−Pro−Ser−Asp−Trp−Ser−Ser−Tyr−Glu−Gly−His−Cys−Tyr−Arg−Val−Phe−Gln−Gln−Glu−Met−Trp−Asp−Asp−Ala−Glu−Lys−Phe。この鎖の完全なアミノ酸配列は図6を示す。
【0063】精製ペプチドCHH−Bは、Ruggeriら(前述)の方法に従って、vWF血小板結合アッセイで試験した。結果は、図7に示す。結合阻害は、用量依存的であり、そして精製CHH−B濃度が200nM未満で、vWFの洗浄血小板への結合を抑制する。
【0064】実施例3
Cerastes cerastes毒からの抗粘着物質の精製
Cerastes cerastes毒(Miami Serpentarium Labs,Lot #CC12SZ)500mgの0.5M酢酸溶液5.0mlを、0.5Mの酢酸で平衡化したセファデックスG−50(fine)のカラム(Pharmacia,2.5×100cm)にかけ、溶出した。このカラムは40ml/時の流速とし、8ml画分をポリプロピレンチューブに採集した。各画分25μlを、10画分を1グループとしてプールし(1−10、11−20、21−30等)、そして凍結乾燥した。凍結乾燥画分は、蒸留水100μl中に再懸濁し、そしてその一定量をとり、精製vWFにより再構築された固定化洗浄血小板のリストセチンで誘発される血小板凝集の阻害活性をアッセイした。このアッセイにおける活性画分(画分21−40)をプールし、そして凍結乾燥して198mgの白色粉末を得た。
【0065】この物質を、10mlの0.01M NH 4OAc、pH4.5中に溶解し、そしてCM−セファロースカラム(2.2×13cm)に流した。0.01M〜0.5M NH 4OAc、〜pH6.5のpHおよび塩のグラジエントを行い、そして画分(10ml)をポリプロピレンチューブに採集した。カラム溶出液は、UV吸収により画分を同定するために、254nm/1.0AUFSでモニターした。各画分からの25μlを、10画分のグループに再度プールし、そして凍結乾燥した。この画分を、蒸留水100μlに再溶解し、そしてその血小板凝集阻害活性をアッセイした。画分81−100が阻害活性を示し、集めて、過剰のNH 4OAcを除くために各画分をH 2Oにより3回凍結乾燥した。
【0066】SDS−PAGE(非還元)による阻害画分の分析により、Mr=23−28kdで泳動する染色されたバンドである1つの主要タンパク質を認めた。還元SDS−PAGEでは、未変性のタンパク質が2つの別個のタンパク質鎖Mr=12−15kdに分解した。分析用C 4逆相液体クロマトグラフィー(Vydac214TP54、0.46×25cm、流速1.0ml/分、300A)上での30%アセトニトリル/0.1% TFAから70%アセトニトリルのグラジエント溶出、30分間、で、図8に示す1つの主要UV(214nm)吸収ピークを認めた(27および31分のピークは雑音)。
【0067】精製されたタンパク質(CC)の一部を還元し、そして実施例1と同様に、ヨードアセトアミドでアルキル化した。このカルボキシアミドメチル化鎖を、逆相Vydac−フェニルカラムを用いて分離した。より速く溶出するサブユニット(CC−β)およびより遅く溶出するサブユニット(CC−α)は、それぞれ、Applied Biosystems 473A)タンパク質シークエンサーを用いてN末端配列分析を行った。
【0068】CC−βについて、エドマン分解を25サイクル行うことにより、以下のN末端アミノ酸配列を得た:Leu−Asp−Cys−Pro−Leu−Asp−Ser−Ser−Xaa−His−Glu−Glu−Lys−Cys−Tyr−Lys−Val−Phe−Phe−Leu−Leu−Xaa−Thr−Trp−Glu。
【0069】CC−αについて、20サイクルにより、以下のN末端アミノ酸配列を得た:Asp−Gln−Asp−Cys−Leu−Pro−Gly−Trp−Ser−Tyr−Tyr−Glu−Lys−Tyr−Cys−Tyr−Lys−Val−Phe−Glu。
【0070】実施例4
Pseudocerastes persicus毒からの抗粘着物質の精製
Pseudocerastes persicus毒(Miami Serpentarium Labs,Lot #PS8SZ)1000mgの0.5M酢酸溶液7.0mlを、セファデックスG−50fのカラム(Pharmacia,2.5×100cm)にかけ、実施例2および3に記載のように溶出しアッセイした。活性な画分(画分31−50)をプールし凍結乾燥した。
【0071】この物質約160mgを、0.01M〜0.5M NH 4OAcのNH 4OAc緩衝液を用いたCM−セファロースカラム(2.2×13cm)に吸着させ、グラジエント溶離した。活性画分(各6ml、画分64−72)が、固定化血小板アッセイで活性であることが見いだされ、プールし、そして揮発性塩を除くために水で数回凍結乾燥した。
【0072】最終精製を、0.1%TFA中の15〜70%アセトニトリルの30分間のグラジエントを用いたセミ分取C 4逆相液体クロマトグラフィーにより行った。この物質の一部(300μg)を還元し、そして実施例2に記載の通り、カルボキシアミドメチル化した。このカルボキシアミドメチル化した鎖を、前述のようにC 4RPLCで分離し、そして各鎖についてN末配列分析を行った。
【0073】より速く溶出するサブユニットPB−βは、エドマン分解を50サイクル行い以下の配列を得た:Asp−Cys−Pro−Ser−Asp−Trp−Ser−Ser−His−Glu−Gly−His−Cys−Tyr−Lys−Val−Phe−Asn−Leu−Tyr−Lys−Thr−Trp−Glu−Asp−Ala−Glu−Lys−Phe−Cys−Thr−Glu−Gln−Ala−Asn−Gly−Gly−His−Leu−Val−Ser−Ile−Asp−Ser−Lys−Lys−Glu−Ala−Asn−Phe。
【0074】PP−α鎖は、31サイクルで以下の配列を得た:Ala−Leu−Asn−Cys−Ala−Ser−Gly−Trp−Ser−Ala−Tyr−Asp−Gln−His−Cys−Tyr−Lys−Ala−Phe−Asp−Glu−Pro−Lys−Ser−Trp−Ala−Asp−Asp−Glu−Lys−Phe。
【0075】実施例5
Vipera r. russelli毒からの血小板抗粘着物質の精製
実施例2−4の方法を用いて、Vipera r.russelliの毒1gを精製し、GPIbインヒビターを得た。精製したインヒビターの一部を、実施例2−4に記載の通り、カルボキシアミドメチル化し、そしてそのサブユニットをC 4RPLCで分離した。
【0076】より遅く溶出するサブユニットのN末端配列を、22サイクルのエドマン分解で、以下のアミノ酸配列を得た。Gly−Phe−Ser−Cys−Pro−Asn−Gly−Trp−Ser−Ser−Phe−Gly−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Lys−Pro−Ile−Glu−Pro−Leu。
【0077】実施例6
ボトロセチン/リストセチンで誘発される凝集の阻害
実施例2で調製したように、C. horridus horridusから精製されたタンパク質、および実施例3で調製したように、C.cerastesから精製されたタンパク質を、前述のように、PRPを用いたボトロセチン/リストセチンで誘発される凝集阻害アッセイを行った。その結果を図9に示す。再び、用量依存的作用が示され、2−3μg/mlの低濃度で阻害を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、NH 4OAcグラディエント溶離液を用いCMセファロースで精製されるCHH GPIbインヒビターを254nmの波長光の吸光度でモニターしているクロマトグラムを示す。
【図2】図2は、被検CHH GPIbインヒビターのRPLC(C 4、アセトニトリル/TFAグラディエント溶離液)によるイオン交換精製法由来で、214nm波長光でモニターされている活性画分を示す。
【図3】図3は、図2に示す活性画分について実施したSDS−PAGEの結果を示す。
【図4】図4は、C 4カラムで精製されたCHH−BのRPLCクロマトグラムを示す。
【図5】図5は、C 4カラムで精製されたCHH−AのRPLCクロマトグラムを示す。
【図6A】図6Aは、シー・エイチ・ホリダス(C.h.horridus)のGPIbインヒビターのα鎖のアミノ酸配列を示す。
【図6B】図6Bは、シー・エイチ・ホリダス(C.h.horridus)のGPIbインヒビターのβ鎖のアミノ酸配列を示す。
【図7】図7は、ボトロセチンによって誘発される、 125I−フォン・ビルブラント因子の固定洗浄血小板への結合の、CHH−B GPIbインヒビターによる用量依存性阻害を示す。
【図8】図8は、セラステス・セラステス(Cerastes cerastes)由来のVCCGPIbインヒビターのC 4カラムによる精製のRPLCクロマトグラムを示す。
【図9】図9は、PRP中でのリストセチン誘発血小板凝集反応の、精製クロタラス・エイチ・ホリダス(Crotalus h.horridus)抗粘着物質による用量依存性阻害(上方のグラフ)と、セラス・テス・セラステス抗粘着物質による凝集反応の用量依存性阻害とを示す。