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1. JP2001519916 - 屈折率勾配レンズ

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【発明の詳細な説明】
屈折率勾配レンズ
発明の技術分野
本発明は遠焦点から近焦点まで連続的に進行する屈折力を有する光学レンズおよび半仕上げレンズブランクのような光学製品に関し、特に、不要な周辺非点収差の量を減少した屈折率勾配進行型多焦点レンズおよび付加領域を定める広いぼやけ混合領域の無い屈折率勾配二焦点レンズに関する。
発明の背景
市販の多焦点レンズは種々の材料から構成されるが、一般には、プラスチックまたはガラスにより形成されている。これらのレンズは多くの形状、大きさがあり、線入りのもの、混合型、あるいは、進行型のものがある。これらの構成において、線入りの二焦点レンズは近視補正を必要とする者によって長い間使用されてきた。このような線入り二焦点セグメントはガラスの場合は溶着され、プラスチックの場合は成形される。いずれの場合においても、この二焦点セグメント線は見て分かるものであり、レンズにおける光学的な近焦点部分と遠焦点部分の接合部または遠焦点および近焦点を与える半仕上げブランクを示している。Bugbee(米国特許第1,509,636号)、Meyrowitz(米国特許第1,445,227号)およびCulver(米国特許第2,053,551号)は溶着線入り二焦点型または多焦点型レンズ構成を教示している。このような線入り二焦点型構成は多年にわたって有効的に用いられているが、これらには幾つかの欠点があった。すなわち、第1に、これらは見て分かりやすく外観的に不都合であること、第2に、セグメント線が、遠い物体から近い物体を見る場合、または、その逆の場合に、ぼやけを生じること、第3に、遠い物体から近い物体を見る場合、または、その逆に戻す場合に、焦点距離が急変することが挙げられる。すなわち、三焦点構成にしなければ、中間屈折力(焦点距離)領域を有する光学的領域が全くないことになる。
また、PCT国際公開第WO82/03129号に開示されるような混合型二焦点構成は遠焦点および近焦点の光学的領域間の鮮明な境界線が残っている二焦点型構成であるが、この境界線は混合されていて見た目ではかなり分かりにくくなっている。従って、この混合型二焦点構成は線入り型二焦点構成の外観的不都合点を解消しようとしているが、遠い物体から近い物体を見る場合、または、その逆に戻す場合に、広い混合されたぼやけ領域を形成してしまい、中間視野域を形成することもできない。
進行性付加型レンズは、遠近補正を行なう進行性の屈折力を備えて遠い物体から近い物体を見る場合、または、その逆に戻す屈折力を備える進行性の視野変化域を形成する多焦点レンズの1種である。つまり、この進行性付加型レンズは上述のような問題を解消することを意図している。しかしながら、この進行性付加型構成は上述の線入り型または混合型の二焦点レンズの幾つかの欠陥を解消するf、光学的構成において不都合点があり、後述するようなレンズ光学に関する視覚的機能を損なう。もちろん、進行性付加型レンズは見た目には分からず、遠焦点から近焦点への屈折力の自然な変化を与える。
このような進行性付加型レンズの製造方法は、例えば、Harsingny(米国特許第5,488,442号)、Maitenaz(米国特許第4,253,747号)、Maitenaz(米国特許第3,687,528号)、Cretin他(米国特許第3,785,725号)、Maitenaz(米国特許第3,910,691号)、Winthrop(米国特許第4,055,379号)、Winthrop(米国特許第4,056,311号)およびWinthrop(米国特許第4,062,629号)に開示されている。しかしながら、これらのレンズはその構成に固有の幾つかの欠陥がある。すなわち、第1の欠陥は、約3mm乃至約8mmの比較的狭い視野チャネル幅で、+/−0.50ジオプトリ以上の非点収差により特徴付けられる二本の子午線状仮想線間距離が定められることである。この視野チャネルは遠焦点から近焦点に至る焦点距離の進行的な変化を示すものであり、線入り型二焦点構成のような屈折率の急激な変化を起こすことなくほとんど自然に遠くから近くを見ることが可能である。第2の欠陥は進行性付加レンズが約22mm以下の比較的狭い視野領域しか提供できないことである。第3の欠陥は進行性の光学的構成の特性により生じる不所望の周辺非点収差である。このような不所望な周辺非点収差は使用者において相当な視覚的ゆがみを生じる。従って、製造者は視覚特性を向上するためにこのような不所望の非点収差量を制限しようとしており、異なる構成による許容範囲のものが増加している。しかしながら、実用面において、すべての進行性型レンズ構成は、最も可能に広いチャネルで、不所望な非点収差量が最も低く、かつ、最も広い付加屈折力領域のレンズを提供する上で不充分であった。さらに、第4の最大の欠陥は、その進行性に患者が適合するのが困難であることであり、加えて、第5の欠陥はこれらの構成により可能な適合誤差の許容範囲が狭いことである。
そこで、上述の線入り型、混合型、三焦点型および進行性多焦点型構成による固有の欠陥を解消するべく多くの試みが行なわれてきた。しかしながら、これまで、商業的に実行可能な他の構成は何ら見つかっていない。Frieder(米国特許第4,952,048号)およびFrieder(米国特許第4,869,588号)に開示される眼鏡用レンズ構成はこれらの問題の幾つかに関係しているが、製造の困難さおよび中程度以上の付加屈折力における外観上の欠陥により、十分な問題解消には至っていない。すなわち、これらの特許は、+1.75ジオプトリ乃至+3.00ジオプトリの範囲の中程度以上の付加屈折力において、幾つかの改善点を有するレンズを開示しているが、近屈折力領域の周辺部を形成する前(凸)面部が前方に膨らんで視野領域の両側の光学的ゆがみが顕著である。つまり、このような欠陥により商業的外観が損なわれる。さらに、このようなレンズを製造する困難さによって、当該レンズの商業的実施が難しい。
Maeda(米国特許第4,944,584号)は最初に部分的硬化した基板層を使用する屈折率勾配型レンズを開示している。この場合、第2の未硬化樹脂層が加えられ、硬化中にこれら2層間に拡散を生じることにより、当該第1の層および第2の層の屈折率間で連続的に変化する屈折率勾配を有する第3の拡散層を形成する。このような拡散層を実現するためには、第2の層を含む組合せ体を特定温度で20時間乃至26時間加熱する。しかしながら、このような拡散層を形成するために要する硬化時間は商業的観点から好ましくない。さらに、部分的に硬化したレンズまたは半仕上げレンズの型外しを含むMaedaに開示される方法は生産効率の点で不充分であるということか知られている。従って、Maedaの第3の連続的に変化する屈折率勾配拡散層を実現するのは理論的に可能ではあるが、製造面の不都合によって、Maedaのレンズを商業的に成功させるのは容易でない。
さらに、二焦点レンズおよび多焦点レンズに関する上述の不都合点に加えて、これらのレンズ様式は付加屈折力領域において屈折力を増加するために、同等の遠屈折力の単一視軸レンズよりも厚い。従って、このようなレンズ前面の厚さの増加によって、その外観が損なわれ、かつ、レンズの重量が増える。そこで、このような不都合点を解消するための幾つかの方法が提案されている。
Blum(米国特許第4,873,029号)は所望の多焦点セグメントが成形され、かつ、異なる屈折率の樹脂層を表面に付加した予備成形ウエハの使用を開示している。この手法においては、予備成形ウエハが成形プロセス中に消費されて最終的にレンズの一部を形成する。しかしながら、このような手法は外観的に改善されたレンズを製造できるが、数百のガスケットと後部凸球面状のトリック(toric)成形型を必要とする。このような成形型は最終的に仕上げレンズの凹面側を形成する。さらに、この手法によると、必然的な屈折率の不整合部分や種々の材料による屈折率変化における不連続部分によって、二焦点または多焦点領域が識別できる。
例えば、Dasher(米国特許第5,223,862号)、Maeda(米国特許第4,944,584号)、Yean(米国特許第5,258,144号)、Naujokas(米国特許第3,485,556号)、Okano(米国特許第5,305,028号)、Young(米国特許第3,878,866号)、Hensler(米国特許第3,542,535号)およびBlum(米国特許第4,919,850号)等の種々の特許には、屈折率勾配型二焦点、多焦点または進行型レンズ様式が開示されている。しかしながら、現状では、化学技術、製造およびコストの面の制限によって、このような屈折率勾配型の多焦点レンズを製造することは商業的に適合しない。
また、欧州特許出願第PCT/US93/02470号において、Soaneは二焦点で前部光学ウエハ予備成形体の後部凹面側に非点収差領域を有する多焦点レンズの製造方法を開示している。すなわち、Soaneは適正な曲率の適当な後部凸状成形型を用いて前部光学ウエハ予備成形体の後部に当該光学ウエハ予備成形体とは異なる屈折率を有する樹脂材料を硬化する方法を開示している。しかしながら、この手法は多数の前部光学予備成形体を用意する必要がある。
上記を鑑みて、不所望な周辺非点収差がほとんどなく、視野領域が広く、少ない装置の準備で製造でき、使用者への適合が容易でその許容範囲の比較的広い、遠くから近くを見る場合に視力変化が広くて自然な進行性多焦点型レンズの提供が望まれている。加えて、同等の距離仕様の単一視軸レンズとほぼ同じ厚さであり、外観的にほとんど識別できないような進行性多焦点型レンズの提供が望まれている。さらに、上記光学製品の製造においてその処理時間が減縮できる製造方法が望まれている。
発明の概要
本発明は複合屈折率勾配進行型多焦点予備成形物、レンズまたは半仕上げレンズブランクのような光学製品、および、複合屈折率勾配進行型多焦点光学予備成形物、レンズまたは半仕上げレンズブランクを迅速簡単かつ安価に製造するための方法を提供することによって従来技術の上記および他の不都合点を解消するものである。上記のレンズのような光学製品は増減可能な可変の厚さの領域を有する基礎層、遷移領域および外側層を含む少なくとも3個の異なる層の複合体から構成されている。この複合体の各層は分離して供給されて、1個以上の隣接層に結合される。加えて、各層は、遠くから近くを見る場合に視力変化が広くて自然な進行型多焦点レンズを可能にするように、異なった別々の屈折率を有している。基礎層および外側層の間に遷移領域が介在しており、この遷移領域は少なくとも1個の遷移層から構成されている。この遷移領域は基礎層および外側層の屈折率の中間の有効な屈折率を有している。好ましくは、この有効屈折率は基礎層および外側層の屈折率の相乗平均値に近い値である。加えて、本発明のレンズは不所望な周辺非点収差がほとんどなく、広い視野領域を含み、使用者への適合が容易でその許容範囲の比較的広く、ほとんど識別できない程度に良好な外観を有している。
加えて、本発明によれば、準備すべき前部光学予備成形物の数を大幅に減少できる。例えば、付加屈折力が+1.00ジオプトリ乃至+3.00ジオプトリ、球面屈折力が+4.00ジオプトリ乃至−4.00ジオプトリ、円筒面屈折力が平面(plano)乃至−2.0ジオプトリであり、レンズの3個の基準曲面および左右の眼球の条件で、非点収差屈折力が前部光学予備成形物の凹面側にSoane(欧州特許出願第PCT/US93/02470号)に開示されるように付加される場合に、各種レンズにおいて以下の材料または装置を用意する必要がある。すなわち、
1.二焦点レンズの場合:180個の異なる非点収差度×3個の基準曲面×2個の眼球による分散度×9種の二焦点付加屈折力×1種の材料に基づく9,720個の非点収差二焦点補正用の異なる光学予備成形物が必要である。
2.単一視軸レンズの場合:180個の異なる非点収差度×3個の基準曲面×1種の材料に基づく540個の非点収差二焦点補正用の異なる光学予備成形物を必要とするのみである。
従って、上述の例では、各材料に要するバックアップ用の準備物に加えて、Soaneは合計で10,260個の前部光学予備成形物を必要とする。これに対して、本発明は180個の異なる非点収差度×3個の基準曲面×1種の材料に基づく540個の準備物と3対の成形型を必要とするのみである。さらに、Soaneは多数のガスケットと成形型を必要とし、必然的な屈折率の不整合および異なる屈折率の遷移層部の欠落のために、商晶として目障りにならない程度の二焦点または多焦点領域を形成することが困難である。
図面の簡単な説明
図1は本発明による光学予備成形物の断面図である。
図2は遷移層を有する光学予備成形物の断面図である。
図3は成形型に対して配置された光学予備成形物の断面図である。
図4は外側層に対して配置された成形型の断面図である。
図5は本発明による光学製品の断面図である。
図6は本発明の別の実施形態の断面図である。
詳細な説明
図1は1.49の屈折率を有し、進行型多焦点領域の境界域を概ね定める凹面部を形成する機械的手段により変形された変形部20を伴う凸状球面を有する材料により形成された所定の球面仕様および非点収差仕様を有する光学予備成形物10から成る基礎層を示している。この変形領域20は凸面上または凹面上のいずれによって形成してもよい。しかしながら、本実施形態においては、この変形は凸状面上で行なわれている。一方、凹面側には、非点収差曲面またはトリック面30が配置されている。このため、適当なトリック光学予備成形物が選択されて特定仕様に対応する適当な非点収差軸に対して回転され、上記の光学的変形が前部凸状球面において所望の非点収差軸に対して適正な方向に行なわれる。この変形領域20は必要とされる非点収差軸を考慮に入れるばかりでなく、左右の眼球の各々に対応する適当な異なる場所に形成される。
図示の都合により、表面の機械的変形を開示しているが、表面形状に必要とされる変形が行なえるものであれば如何なる方法も当然に有効である。例えば、上記の表面窪みの形成は型押し、燃焼、刻設、削り、融蝕および注入成形のような種々の方法で行なうことができる。さらに、この表面窪みの形成方法は上記予備物の硬化条件ならびに当該予備成形材料の組成に幾分依存する。例えば、予備成形物を削るためには、一般に、この予備成形物が完全に硬化していることが必要である。
上記変形領域20は光学予備成形物10に形成されて概ね進行多焦点型領域の境界を定める表面窪みを形成する。この窪みの所望の形状は屈折率に関係する既知の光学的公式を用いて計算できる。すなわち、一般的には、nd=n 11+n 22であり、nは光学的物質の全体の屈折率、dはその物質の厚さ、n 1は光学予備成形物の屈折率、d 1はその成形物の厚さ、n 2は付加された層の屈折率、d 2はその層の厚さである。この場合、任意点の屈折力はその点における全体の屈折率により決定でき、その値は表面等高線からその点に至る凹みまたは窪みの深さ(垂れ下がり深さ)および当該凹部を充填する硬化樹脂の屈折率によって制御できる。
上記の変形法ならびに上記光学予備成形物の材料によって変形が行なわれて所望の表面形状が得られると、研磨、表面注入等の当業界において既知の方法によりその新しく変形した表面をさらに変形して粗い表面を滑らかにすることもできる。また、好ましい実施形態の一例においては、機械的に変形した表面を機械的に研磨して粗い表面にしている。図2および図4に示すように、樹脂の薄い層が変形領域20を含む光学予備成形物10の凸状表面全体に設けられて、遷移領域45から成る遷移層40が形成される。また、別の実施形態においては、この遷移層は、少なくとも変形領域20を含む予備成形物10の部分にのみ設けることもできる。
一般に、上記光学予備形成物に適する材料として、ガラス転移温度が約50℃から約200℃の間で、屈折率が約1.44から約1.56の間の、アリル化合物、アクリル酸化合物、メタクリル酸化合物、スチレン化合物およびビニル化合物の共重合体が含まれる。例えば、このような材料には、ポリ(ジエチルビスアリルカーボネート)、ポリ(ビスフェノールAカーボネート)およびポリ(スチレン)−(ビスフェノールAカーボネートジアクリレート)−(ビスフェーノールAカーボネートジメタクリレート)共重合体が含まれる。
また、上記遷移領域の材料は、一般に、ガラス転移温度が約50℃から約100℃の間で、屈折率が約1.52から約1.65の間の、アリル化合物、アクリル酸化合物、メタクリル酸化合物、スチレン化合物およびビニル化合物の共重合体が含まれる。例えば、このような材料には、ポリ(ポリオキシメチレンジアクリレート)−(エトキシル化ビスフェノールAカーボネートジアクリレート)−(フルフリルアクリレート)共重合体が含まれる。
遷移層40の屈折率は、所定の屈折率勾配の遷移中間点となるように、予備成形物10および後続して設けられる外側層50の屈折率とは意図的に不整合に設定されている。さらに、上記技法は進行型多焦点領域ができるだけ目立たないように用いられる。加えて、遷移層40を予備成形物10に設ける場合に、次の樹脂層と良好に結合するように予備成形物10の表面を調整することができ、別の樹脂を形成した後に残って目立つ外側表面の凹凸をほとんど滑らかにできる。
この遷移層40の屈折率は中間層からの内部反射を最小にするように設定されるが、異なる表面変形技法または異なる材料により形成された光学予備成形物を使用する別の実施形態も可能であり、あるいは、被覆領域の屈折率を光学予備成形物の屈折率に近づけたり、次に設けられる樹脂層の屈折率に近づけたり、必要に応じて不均一にすることもできる。図6に示すように、本発明の別の実施形態は少なくとも1個の付加的な遷移層40を備えており、当該遷移層は各層を部分的または完全に硬化した後にその上に重ねられる。各遷移層40はそれぞれ異なる屈折率を有しており、これらの層が集合して、光学予備成形物10および外側層50のほぼ相乗平均値となる有効屈折率を有する遷移領域45を形成する。このような相乗平均値に近い有効屈折率を有する遷移領域を設けることによって、屈折率の変化がゆるやかになり、仕上げの多焦点領域が目立たなくなる。なお、この有効屈折率は上記の相乗平均値に近づける必要があるが、+/−0.03単位の変化は許容範囲である。
さらに、外側層50に適する材料としては、一般に、ガラス転移温度が約60℃から約225℃の間で、屈折率が約1.56から1.70の間の、アリル化合物、アクリル酸化合物、メタクリル酸化合物、スチレン化合物およびビニル化合物の共重合体が含まれる。例えば、このような材料には、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化1,4−ジブロモ−ビスフェノールAジアクリレート、ビス(4−アクリルオキシエトキシフェニル)ホスフィンオキサイド、1,4−ジビニルベンゼン、ブロモスチレンおよびビニルカルバゾールが含まれる。
本発明の他の実施形態においては、1個以上の付加的な樹脂層を基礎層と遷移領域の間に介在させることができる。また、付加的な樹脂層は遷移領域の遷移層間あるいは遷移領域と1個以上の外側層の間に介在させることもできる。このような1個以上の付加的な層は隣接層に十分に適合する表面エネルギーを有している必要があり、これによって、その樹脂がその下の層を良好に被覆することができる。
好ましい実施形態においては、遷移層40にはブラッシングが施されるが、この層には当該技術分野において容易に分かる他の技法を施してもよい。例えば、このような技法として、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレイコーティング等の方法が挙げられる。
遷移層40を光学予備成形物10の凸状表面に設けた時に、この遷移層40が部分的に硬化しているのが好ましい。この硬化処理は、酸素存在下または非存在下に、適当な開始剤、雰囲気環境および硬化供給源を用いる熱硬化、UV硬化、可視光硬化またはこれらの組み合わせを含む任意の既知方法により行なうことができる。好ましい実施形態においては、遷移層40はほぼ250nm乃至400nmの範囲の紫外光を用いて無酸素の窒素環境内において部分的に硬化される。しかしながら、無酸素の窒素環境内において約400nm乃至約450nmの範囲の可視光を使用することも可能である。UV光源を硬化処理に用いる場合は、遷移層に要する硬化時間が5分以下で、一般には、1時間を超えないために、迅速に製造することができる。
図3および図4に示すように、変形領域20を光学予備成形物10内に形成して所望の形状にした後に所望の遷移領域45を設ける場合に、この遷移領域45を有する光学予備成形物は外側層50と共に容易に形成することができ、この外側層50は遷移領域45上に樹脂を流し込んで形成するのが好ましい。外側層50は光学予備成形物10の材料とは実質的に異なる屈折率を有するように設けられる。好ましい実施形態においては、この凸状の外側層50の樹脂は約1.66の屈折率を有するように設けられ、光学予備成形物10の材料は約1.49の屈折率を有しており、遷移層40の屈折率は約1.57で一定である。従って、1.66の屈折率の凸状外側層50は1.574の屈折率の凸状遷移層40の上に樹脂を流し込んで形成され、この遷移層40は1.49の屈折率の光学予備成形物10に固定されている。この例は単一視軸球状成形型60を用いて行うのが好ましく、当該成形型60は遷移層40を有する光学予備成形物10上に所望の外側凸状曲面を注入成形するように選択される。予備成形物10の凸状曲面が球状でない場合は、この外側凸状表面を注入成形するために選ばれた適当な単一視軸成形型は球形よりも非球形の構成になる。この外側の曲率によって所望距離の屈折力が制御できる。このような注入成形層を形成するための適当な技法かBlum(米国特許第5,178,800号(以下、
’800号
))、Blum(米国特許第5,147,585号(以下、
’585号
))、Blum(米国特許第5,219,497号(以下、
’497号
))およびBlum(米国特許第4,873,029号(以下、
’029号
))に記載されているが、これらは単一視軸用の成形型を用いている。なお、これらの特許の内容は本明細書に参考文献として含まれる。さらに、これらの技法はInnotech社のExcalibur(登録商標)SurfaceCasting(登録商標)システムような市販のシステムにより実施できる。
外側層50を流し込むための成形型60は適当な硬化を可能にする任意の材料により形成することができる。例えば、電鋳のニッケル、ガラスおよびプラスチックの使い捨て可能な成形型が使用できる。硬化処理に先だって、外側層50を注入成形するための樹脂を成形型60内、または、成形型60と予備成形物10との間の空孔部70内に入れるか、あるいは、成形型60に含まれた部分的に硬化したポリマー層の形態で与えられるか、あるいは、光学予備成形物10に付着した形態で供給することができる。外側層50が部分的に硬化したポリマー層で後に硬化される形態で作成される場合は、屈折率遷移領域45を形成する1個以上の遷移層40はこの部分的に硬化したポリマー外側層50に取り付けることができる。この場合、部分的に硬化したポリマー層とこれに取り付けた屈折率遷移層40は後で硬化されて光学予備生計物10上に成形される。上記の好ましい実施形態は外側凸状曲面を光学予備成形物上に流し込んでいる間にガスケットを使用しないが、別の実施形態においては、ガスケットを使用するものもある。
上記遷移領域が複数の層を含む場合、各層の屈折率は、その遷移領域が予備成形物および外側層の相乗平均値に近い有効屈折率を有するように、選択される。一例を挙げれば、予備成形物が約1.50の屈折率を有し、外側層が約1.70の屈折率を有する場合に、遷移領域における3個の遷移層の屈折率は、これらの層が予備成形物から外側層に進行するに従って、それぞれ約1.54、約1.60および約1.66である。
すなわち、遷移領域45は1個以上の別々の層により構成されており、その各層は異なる屈折率を有して、当該遷移領域45が光学予備成形物10と外側層50の屈折率の中間にあってそれらの相乗平均値にほぼ等しい値の有効屈折率を有するように、形成される。なお、遷移領域における各遷移層の屈折率は層全体にわたって概ね一定である。
硬化工程において、部分的に硬化した遷移層40ならびに表面注入成形外側樹脂層50は所望の程度に硬化して屈折率勾配進行型多焦点レンズまたは半仕上げブランクを形成する。本発明の好ましい実施形態においては、上記の屈折率勾配は、変形した光学予備成形物の凸状表面形状、当該光学予備成形物の球状凹面および非点収差表面形状および当該変形および調整された光学予備成形物の凸面上に所望の外側凸状曲面を付加して所望の屈折力を与える単一視軸球状凹型成形型の表面により定まる各材料の厚さにより、約1.40から約1.66に変化する。Innotech社のSurfaceCastingと称する市販製品は所望仕様の遠距離屈折力がほとんど変化しないように表面層を供給する。しかしながら、本発明においては、外側層は遠距離屈折力をほとんど変化しないように制限される必要がない。さらに、Innotech社の市販のSurfaceCasting技法および上記米国特許第’800号、米国特許第’585号、米国特許第’029号および米国特許第’497号と異なり、本発明の進行付加型多焦点領域は、多焦点成形型により付加されたものではなく、光学予備成形物10の変形した表面形状、並びに、屈折率勾配の異なる変化した厚さを生じるために特異的に変形された表面形状の上に球状の面または非球状の面を注入成形することにより得られる屈折率勾配によって形成される。
図5において、注入成形処理が完了すると、複合体屈折率勾配進行型多焦点レンズ100が成形型60から取り外される。さらに、この新しく成形した複合体レンズ100は当該成形型の中、若しくは、その外において、当該技術分野において周知の技法により、さらに硬化することができる。
本発明の方法は光学予備成形物、光学レンズおよび光学半仕上げブランクを作成するために使用できる。必要であれば、幾つかまたは全ての層を形成する樹脂は、各層において適正な屈折率を有する限り、光発色性にすることができる。加えて、上記の好ましい実施形態は各層を形成するために樹脂を使用しているが、当該層の複合体はガラスまたは樹脂とガラスの組み合わせによっても形成できる。
上記の新しく形成した複合体レンズ100の外側層は反射防止コーティング、耐きずコーティング、彩色、光発色コーティング、光発色剤注入コーティング、耐よごれコーティングのような技法を含む光学工業分野において用いられる態様で表面処理できる。さらに、レンズまたは半仕上げブランクの製造後に、供給とは逆に、種々のコーティング剤の型内転移を製造プロセスの一部として行なうこともできる。
本発明は二焦点型付加屈折力および左右の眼球に対する所望の分散を提供し、適正な光学的トリック軸を設定する。好ましくは、これらの作用が光学予備成形物の凸状表面の変形により達成される。本発明の他の実施形態においては、光学予備成形物の変形部を、凸状表面に変形部を形成したのと同一または同様の方法で、当該光学予備成形物の凹面側を変形することにより形成する。この場合、光学予備成形物の表面変形および注入成形は、当該光学予備成形物の前面とは逆に、その凹面側において行なう。
他の実施形態においては、光学予備成形物の表面変形形状を所定の深さおよび形状で形成し、適当な表面曲率で成形型の二焦点または多焦点領域に対向して位置合わせできるものもある。このことは適当な外側曲面部を設けるだけでなく、仕上げレンズの二焦点または多焦点領域に付加的な境界形状を設けることによって達成される。この手法を用いることによって、上述の好ましい実施形態において用いる材料よりも屈折率の差の小さい材料を使用することが可能になる。