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1. JP1995506818 - 自己アセンブリ性ジケトピペラジン薬物送達系

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[ JA ]
【発明の詳細な説明】
発明の背景
本発明は、一般に薬物送達系の分野に関し、そして特にピペラジンの特定の2,5−ジケト−誘導体による薬物の可逆的マイクロカプセル化に関する。
薬物の送達は、長年にわたって主要な課題であった。送達されるべき化合物を被験者に投与したとき、化合物が標的部位に到達する前に、遭遇した条件下で不安定な場合は特に問題である。例えば、多くの場合、薬物を経口投与するのが、特に投与の簡便性、被験者の応諾、そして低減されたコストの見地から好ましい。しかし、多くの化合物は経口投与した場合に、効果がないかあるいは低い効力または変動する効力を示す。多分、このことは、薬物が消化管中の条件に対して不安定であるから、または薬物が吸収されると効力が無くなることによる。
経口薬物送達の分野は、胃を通って安全にそして効果的に送達され得る化合物を移送する加圧錠剤などの単純に機械的に作られたキャリアから、消化工程の後期および胃腸管下部において、カプセル化された化合物の放出を遅らせる腸溶コーティングまでの、送達系範囲の広い範囲を網羅する。種々の腸溶コーティングが、小腸に到達するまでに薬物をカプセル化または保護するために使用されている。特定の場合には、これらは効果的である。しかし、小腸中の条件に対して不安定な薬物があり、それ故、この薬物が小腸で放出される場合は、血流にまで貫通する有効量に対して、より多くの投与量が投与されなければならない。これらの場合、コーティングが、消化管中の条件に対しておよび被験者に対して投与する前の保存される条件下で安定であるのみでなく、カプセル化された薬物が血流中にまで到達させ得る機構を有することが必要である。
薬物送達系設計における他の因子として、系が非毒性であること、送達されるべき薬物と非反応性であること、製造するのに高価すぎずそして困難すぎないこと、容易に入手し得る成分で形成されること、そして、最終組成物および安定性および放出速度を含む物理学的特性が一致していなければならないことなどが挙げられる。系はまた、正常な代謝工程によって容易に除去される物質で形成されなければならない。
多くの異なる系が提案されているが、大部分は、ペプチドまたは生分解性の天然または合成ポリマー、例えば、天然の多糖またはポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオルトエルテル、またはポリ酸無水物(polyanhydrides)に基づき、これらは、単独または適切な腸溶コーティング(例えば、UAB Research FoundationおよびSouthern Research Instituteによる欧州特許出願第0333523号に記載)を有する。この例外として、合成ポリマーの系および2つのタンパク質に基づく系、つまりSteinerおよびRosenに対する、米国特許第4,925,673号、第4,983,402号、および第4,976,968号に記載のプロテイノイドマイクロスフェア、およびEnzytechによるPCT出願番号WO 91/06287号に記載のゼインマイクロスフェアがあるが、これらの系のいずれもが、胃の中の条件に対して安定ではない。プロテイノイド系のみが、特に胃のより低いpHに対して安定であり、そして血液のより高いpHに対して不安定であるように設計されている。
製造の観点から最も所望される送達系は、目的のpH、温度および溶媒範囲にわたり安定であり、またプロテアーゼの迅速な攻撃に耐える。単純な、化学的に規定された前駆体からの自己アセンブリ性の送達系である。理想的には、これらの前駆体は、利用可能な技術を用い、生産規模で経済的でおよび入手可能である。
最も知られた自己アセンブリ性カプセル化系の一つは、Sidney Fox博士によって最初に開拓されたアミノ酸ポリマー自己アセンブリ性マイクロカプセルである(Molecular Evolution and the Origin of Life)。初期の実験は、「プロテイノイド」で行われ、それは「天然に存在するアミノ酸の混合物の直線状熱縮合ポリマー」であって、薬物送達の同一の系が続いてSteinerおよびRosenにより特許された。これは、実際に、初期の変化に適切な条件下で、自己組織化の活性を示しているが、系の挙動はカプセル化技術としては望ましくない。前駆体の確率的(stochastic)な性質および直線状ポリマーの自己アセンブリ性のさらなる確率的な性質は、制御可能な工程には不適切である。
従って、胃腸管で僅かしか吸収されず、または胃腸管中で不安定である治療薬剤を、経口送達および放出する効果的な方法について、経済的および医学的に顕著な必要性が依然として存在している。
それ故、本発明の目的は薬物送達系を提供することである。
本発明のさらなる目的は、系の構造を意図的に改変することによって、種々の生理学的条件中で安定または不安定にされ得る系を提供することである。
本発明の他の目的は、自己アセンブリ性でありそして一般的に入手可能な試薬から経済的に製造され得る系を提供することである。
発明の要旨
薬物送達系は、ジケトピペラジンのマイクロパーティクルの形成を基礎に開発された。好ましい実施態様では、マイクロパーティクルは低pHで安定であり、そしてpH約6.5またはそれ以上で崩壊(disintegrate)し、そして特に経口薬物送達に有用である。最も好ましい実施態様では、マイクロパーティクルは、送達すべき薬物(例えば、インシュリンまたはヘパリン)の存在下で形成される。好ましくは、ジケトピペラジンのマイクロパーティクルは、カプセル化されるべき薬物の存在下で、1つまたはそれ以上のカルボン酸基を含むジケトピペラジン誘導体の弱アルカリ性溶液を酸性化することにより形成される。
実施例は、インシュリンのカプセル化とラット中への投与により、血中グルコースが制御される結果を例示する。ヘパリンのカプセル化もまた、生理的条件下でヘパリンの制御された放出結果をもたらし、そして血液凝固を阻害する。
図面の簡単な説明
図1は、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−スクシニルアミノブチル)ピペラジンの合成図式である。
図2aは、体重1kg当り1mlの、カプセル化されたインシュリンを投与された、4および5の被験体のそれぞれについて、種々の時間間隔(時間)で測定された血中グルコース濃度(mg/dl)の平均の減少パーセントのグラフである。
図2bは、インシュリンを含有しないマイクロパーティクル投与後の、mg/dlで測定された血中グルコースの平均減少パーセントのグラフである。
図3aは、カプセル化されたヘパリンを、経口強制栄養法により投与された動物からの血漿の、経時(分)の、ベースラインに対する%で表した凝血時間(秒)のグラフである。
図3bは、ヘパリンを含有しないマイクロパーティクルを、経口強制栄養法により投与された動物からの血漿の、経時(分)の、ベースラインに対する%で表した凝血時間(秒)のグラフである。
発明の詳細な説明
本発明は、ジケトピペラジンを用いる薬物送達系であって、送達すべき薬物をカプセル化してマイクロパーティクルを形成する。
本明細書中で用いた用語「マイクロパーティクル」は、コア物質を囲む外殻を有するマイクロカプセル;スフェア中に分散された薬物を含有するマイクロスフェア;そして不規則な形態のマイクロパーティクルを含む。好ましい実施態様では、マイクロパーティクルは直径が0.1〜10ミクロンの間のマイクロスフェアである。
本明細書中で用いた用語「薬物」および「カーゴ(cargo)」は、マイクロパーティクル内に取り込まれた薬理学的に活性な薬剤を指す。
臨床的に使用可能なマイクロカプセル化の系は、理想的には、化学的に規定された合成サブユニットから構築される。このサブユニットは、最小限の複雑さを有すべきで、ロットからロットの偏差が受容可能な狭い範囲であり、安全性および再現性のある生体有効性の両者を確立するのに導かれるべき、毒性および有効性データを許容する。
系は、厳密に制御可能な条件下で、自己アセンブリ性であり、この条件は、カプセル化されるべき活性な薬物範囲に応じて適切に選択される。カーゴの電荷の分布、可溶性および疎水性は、明らかにアセンブリに特定の影響を与えるが、適切に選択された系は、わずかの改変を有する、薬物カーゴの範囲を受容する。特定のカーゴに対して、系の物質は主要でない構造を操作することで最適化され得る。
自己アセンブリ性の系の基礎的な構築ブロックは、構造が非直線状で、そして公知の非確率的な出発構造を提供するために合成される。さらに、pH依存性アセンブリ/非アセンブリ範囲は、厳密に制御され、そして規定される。
有用で、そして安定な自己アセンブリ性の系を構成し得る、充分に剛直(rigid)な種々の構造体がある。このような剛直な構造体は、アミノ酸および他の成分を含有する。平面的な環の使用は良好な硬直性(stiffness)を提供し、自由度を減少させ、それ故に挙動の変動を減少させる。核酸のアデニンおよびグアニンは、端を5員環と共有している6員環を包含する、充分な硬直性を示す構造体の型の例である。この剛直性および安定性は、二重螺旋を橋渡しすることにおいて、立体的な安定性を担う遺伝コード要素としてそれらの進化的な選択を説明し得る。同様に、ピログルタメート(5員環の結合剤)などのポリマー上の「末端キャップ」を使用すると、架橋シートに対して正味の屈曲を提供する「表面タイル張り(surface tiling)」を促進することによって、系の安定性が増加する。
改変合成のために、良好な硬直性および適切な付着部位を提供する好ましい平面環要素は、ジケトピペラジンまたはその置換誘導体の一つであり、それにはジケトモルホリン、ジケトジオキサンなどが含まれる。ジケトピペラジン構造要素に基づく系は、所望のサイズの分布、および、pH範囲および良好なカーゴ耐性を備えたマイクロパーティクルを形成する。広い範囲で安定性および再現可能な特性が、付着部位を適切に操作することで生じ得、その結果、物質収量および良好な再現性が得られる。
前駆体を直接合成すると、これまでの系で問題であった生体有効性における変動が減少し、そして、多分より重要なことには、予測不可能な毒性現象の脅威が取り除かれる。毒性、サイズ、pH範囲およびカーゴ能力は、安定で、実験的に証明可能な系のパラメーターである。
ジケトピペラジン
ジケトピペラジンまたはそれらの置換類似体は、対向するヘテロ原子および非結合電子対を有する、剛直な平面状の6員環である。1つまたは両方の窒素は、酸素で置換され得、置換類似体であるジケトモルホリンおよびジケトジオキサンをそれぞれ生成する。窒素を硫黄原子で置換するのが可能であるが、この場合、安定な構造を生じない。ジケトピペラジンおよびその類似体の一般式を以下に示す。
ここで1位および4位の環原子Xは、OまたはNのいずれかであり;そして
組成物が経口送達に対して用いられ、そしてpH依存性のアセンブリ性−非アセンブリ性を示す場合は、3位および6位の側鎖置換基Rの少なくとも1つは、カルボキシル基のようなイオン化基を含み、Rのうち1つまたは両方は、放出条件を制御するためにイオン化可能でなければならない。本明細書中で用いた用語「ジケトピペラジン」は、上記の一般式の範囲に入るジケトピペラジンおよびそれらの誘導体およびその改変体を含む。
好ましい化合物の例は、以下に示す2,5−ジケト−3,6−ジ(4−スクシニルアミノブチル)ピペラジンであり、ここでXはNであり、そしてR 3およびR 4は(CH 2−NH−CO−(CH 2−COOHである:
ジケトピペラジンの合成方法
ジケトピペラジンは、Katchalskiら、 J.Amer.Chem.So c.68,879−880(1946)に記載の、アミノ酸エステル誘導体の環状二量体化によって、Koppleら、 J.Org.Chem.33(2),862−864(1968)に記載の、ジペプチドエステル誘導体の環状化によってまたは高温沸騰溶媒中でのアミノ酸誘導体の熱脱水によって形成され得る。これらの教示は本明細書に援用される。2,5−ジケト−3,6−ジ(アミノブチル)ピペラジン(Katchalskiらは、これをリシン酸無水物(lysine anhydride)と呼ぶ)は、 J.Or g.Chem.のKopple法と同様に、溶融フェノール中でN−イプシロン−Z− −リシンの環状二量体化を経て簡便に調製され、その後、酢酸中の4.3MのHBrで保護している(Z)−基を除去する。この経路は好適であり、何故なら、それは商業上入手可能な出発物質を使用、生成物中で出発物質の立体化学が保存されることが報告されている反応条件を含み、そして全ての工程が容易に大規模製造にスケールアップし得るからである。
2,5−ジケト−3,6−ジ(4−スクシニルアミノブチル)ピペラジンの合成を、図1の図式に示す。2,5−ジケト−3,6−ジ(アミノブチル)ピペラジンは、温和なアルカリ性水溶液中で無水コハク酸で完全にスクシニル化され生成物を生ずる。この生成物は、弱アルカリ性水溶液に容易に溶解するが、酸性水溶液中では極めて溶けにくい。弱アルカリ性媒体中のこの化合物の濃縮溶液は、適切な条件下で素早く酸性化されるとき、この物質はマイクロパーティクルとして溶液から分離する。
スクシニル化化合物である2,5−ジケト−3,6−ジ(4−スクシニルアミノブチル)ピペラジンであって、R 3およびR 4が(CH 2−NH−CO(CH 2−COOHであるものは、上記に示される。
マイクロパーティクルおよびカプセル化薬物の形成方法
好ましい実施態様では、薬物は、ジケトピペラジンを炭酸水素塩または他の塩基性溶液に溶解する工程、薬物を溶液または懸濁液に添加しカプセル化する工程、次いで1Mのクエン酸などの酸を添加することによって該構造を固化する工程により、マイクロパーティクル内にカプセル化される。
マイクロパーティクルは、乾燥状態で保存し得、そして被験者への投与のために再構築され得る。好ましい実施態様では、再構築されたマイクロパーティクルは酸性媒体中でそれらの安定性を維持し、そしてこの媒体がpH6.5の範囲の生理学的なpHに近づくにつれ開放される。しかし、シクロ−Lys(Z)−Lys(Z)合成中間体などの物質は、酢酸中で限定された量のHBrで処理され、両Z基よりはむしろ1つのZ基が除去され、弱酸性水溶液中で可溶性であり、そして溶液が炭酸水素ナトリウムで弱アルカリ性に調製される場合は沈澱し、そして、例えば、リソソーム中への食作用(phagocytosis)および飲食作用(endocytosis)に続く酸性条件下での放出を達成するのが目的の薬物送達に用いるマイクロパーティクル形成に用いられ得る。pHに対してこの応答を示す他の物質は、ジケトピペラジンを無水コハク酸とトルエン還流下で加熱して得られ、これは環の1位および4位でN−スクシニル化されたジケトピペラジン誘導体である。
カプセル化され得る物質
薬剤送達で、治療用、予防用、および診断用の活性を有する生物学的に活性な薬剤が送達され得る。これらの薬剤は、有機化合物または無機化合物、タンパク質、またはビタミン、ミネラル、アミノ酸および脂質などの栄養剤を包含する広範な他の化合物であり得る。好ましい実施態様では、これらの物質は、経口送達された後、GI管からの輸送後に、循環系で放出されるべき生物学的に活性な薬剤である。例としては、タンパク質およびペプチド(インシュリンおよび他のホルモンなど)(ここで、タンパク質は100アミノ酸残基またはそれ以上からなると定義され、ペプチドは100以下のアミノ酸残基からなると定義される)、多糖(ヘパリンなど)、核酸(アンチセンスなど)、脂質およびリポ多糖、および多くの抗生物質、抗炎症剤、抗ウイルス剤、血管作動性のおよび神経活性薬剤などの生物学的活性を有する有機分子が挙げられる。特定の例としては、ホルモン、抗凝固薬、免疫調節薬剤、細胞毒性薬剤、抗生物質、抗ウイルス剤、アンチセンス、抗原および抗体が挙げられる。特定の例では、タンパク質は抗体または抗原であり、別にそれは適切な応答を引き出すために注射で投与され得る。
好ましい実施態様では、これらの生物学的薬剤は胃酸中で不安定であり、胃腸膜を通してゆっくりと拡散し、および/または胃腸管中で酵素によって破壊され易い。生物学的薬剤は、血流中に放出する前に、胃腸管中でそれらを保護するためにカプセル化される。好ましい実施態様では、保護物質であるジケトピペラジンは生物学的に活性ではなく、そして治療用薬剤の薬理学的性質を変えない。
マイクロパーティクルは、酸安定性である故胃の酸性環境に耐える。さらに、それらは胃での酵素分解にも耐える。マイクロパーティクルは、内皮を通って血液中へ入り、血液のほぼ中性pH中で可溶性となり、薬理学的な活性な化合物を放出する。
薬剤の例としては、ホルモン、抗原、抗生物質、ステロイド、うっ血除去薬、神経活性薬剤、および麻酔薬、または鎮静薬が挙げられる。これら薬剤は、非荷電分子または分子複合体成分などの様々な形態であり得る。酸性薬物としては、金属塩、アミンまたは有機カチオン(例えば、第四級アンモニウム)が特定の場合に使用され得る。所望の保持特性および放出特性を有する薬剤の単純誘導体(エーテル、エステル、およびアミドなど)もまた使用され得る。マイクロパーティクルの形成を制御するために酸および塩基が使用されている場合、薬剤の塩形態を別に調整するのは不可能である。マイクロパーティクルが、ジケトピペラジンを炭酸水素ナトリウム溶液に溶解することによって、そして濃縮クエン酸を加えることによって形成される場合、薬剤分子を塩基のない(free−base)または塩酸塩形態にするのは不可能である。
造影剤(imaging agent)は、金属、放射性同位体、放射線不透過薬剤および放射線透過薬剤を包含する。放射性同位体および放射線不透過性薬剤は、ガリウム、テクネチウム、インジウム、ストロンチウム、ヨウ素、バリウム、およびリンを包含する。
製薬組成物
マイクロパーティクルは、懸濁液で、あるいは、腸溶コーティングまたはアルブミンまたはラクトースなどの安定剤などの他の物質中にカプセル化して投与され得る。これらの物質およびその使用方法は、製薬業当業者に周知である。製薬組成物は、マイクロパーティクルのみからなるか、あるいはさらにカプセル化された化合物または他の化合物を含む。例えば、胃を通過するには安定で、次いで腸管内で1回の投与量が素早く吸収される化合物を投与するのが望ましく、続いて、マイクロパーティクル(すなわち、化合物がカプセル化に耐性なら、腸溶として保護された、塩基安定性の、中性の、可溶性のマイクロパーティクル)から同一または別の化合物の放出が起こる。
マイクロパーティクルは、非経口投与または経腸的投与によって、局所または全身投与され得る。
経腸的投与
生物学的に活性な薬剤を有するマイクロパーティクルは、好ましくは経口的に投与される。これらのマイクロパーティクルは、化学的性質およびサイズに依存して胃腸管の上皮内層に吸収されるか、または貫通して、血流中またはリンパ系に入る。
非経口投与
5ミクロン以下のマイクロパーティクルは、容易に静脈投与用の針を通り抜ける。適切な製薬上キャリア(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水)は公知であり、商業的に入手可能である。静脈投与は、取り込まれた化合物の、例えば、駆虫性薬剤または抗HIV薬剤の貧食細胞への標的された送達に好適であり得る。ここで感染源もまたこれらの細胞の型に対して選択的である。マイクロパーティクルは、中性pHで安定で、低pHで可溶性であり、経口系とは逆である。
皮下、筋肉内および腹腔内投与
上記のように生成されたマイクロパーティクルは充分に小さく、取り込まれた薬物の引き続く放出のために、皮下または腹膜中に標準口径の針を通って注射される。マイクロパーティクルの腹膜への付着は、取り込まれた薬物の局在化した放出を促進する。マイクロパーティクルはまた、免疫化または血流中のより遅い放出が望ましい他の目的のために、移植され得または筋肉内注射され得る。リン酸緩衝化生理食塩水のようなキャリア、またはオイルのようなアジュバントが、マイクロパーティクルの対するキャリアとして使用され得る。製薬的に受容可能なキャリアは、当業者に公知である。
局所投与
マイクロパーティクルは、キャリアおよび投与部位に適切な方法を用いて、投与に適切な製薬キャリア中に懸濁される。例えば、マイクロパーティクルは、pH約7.4の緩衝化生理食塩水溶液中またはミネラルオイルなどの軟膏中で、目に投与される。投与量は、放出させるべき化合物、および放出速度に依存し得る。マイクロパーティクル、または、マイクロパーティクルと取り込まれた化合物とのフィルム、ディスク、または錠剤中への凝集は、軟膏またはクリーム中で皮膚に投与され得る。適切な製薬キャリアは、当業者に公知であり、商業的に入手可能である。
広がった傷には、抗生物質または成長因子(アミノ酸、ペプチド、またはタンパク質成長因子)の持続する送達が、様々の医学的および外科学的状況において、特に治療上重要であり、これらの状況には、これらに限られるのではないが、熱によるやけど、化学的なやけど、外科的な傷、糖尿病の潰瘍および血管機能不全症が含まれる。
診断への適用
放射線不透過化合物、放射性同位体、または放射線透過化合物を含有するマイクロパーティクルは、診断手法での使用に特に適している。マイクロパーティクルは、非経口的、または経腸的に投与され得る。粘膜に結合するマイクロパーティクルは特に、これらの適用に好ましく、とりわけ鼻管、咽頭管、胃腸管、および尿生殖器管のイメージングに好ましい。造影剤を含有するマイクロパーティクルの静脈内投与は、特に、肝臓、脾臓および肺のイメージングに有用である。
標的投与
特定細胞、特に貧食細胞および器官への送達
Peyer板内の貧食細胞は、経口投与されたマイクロパーティクルを選択的に捕らえるようである。静脈投与された場合、網内皮細胞系の貧食細胞もまた、マイクロパーティクルを捕らえる。5ミクロン以下の直径のマイクロパーティクルは、塞栓性(embolytic)の合併症なしに注射され得る。マクロファージによるマイクロパーティクルの飲食作用は、脾臓、骨髄、肝臓およびリンパ節(lymph nodes)にマイクロパーティクルを標的するのに用いられ得る。
マイクロパーティクルの電荷および脂肪親和性は、タンパク質キャリアの性質を変えるのに使用される。例えば、マイクロカプセルの内表面の脂肪親和性は、脂肪親和性基を結合することにより改変され得、特定の薬物の可溶性を増加し、それによって薬物カーゴ能力が増加する。他の改変物は、形成後のその改変が、取り込まれた化合物に有害な影響を及ぼさない限り、マイクロパーティクル形成の前後に作られ得る。
被験者へのマイクロパーティクルの投与
好ましい実施態様では、マイクロパーティクルは引き続く経口投与のために、凍結乾燥または標準ゲルカプセル物質中にカプセル化されて保存される。投薬量は、カプセル化された薬物の量、胃腸管中出の放出速度、および化合物の薬物速度論(pharmokinetics)によって決定される。
特定の実施態様では、マイクロパーティクルはまた、静脈内、筋肉内または皮下の注射によって局所的に、あるいは放出が皮膚の低pHと接触することにより活性化される(逆の安定性製剤)経皮性あて布(patch)の手段によっても投与され得る。
本発明は、以下のインシュリン含有ジケトピペラジンマイクロパーティクルの調製および投与の、限定されない実施例を参照して、さらに理解され得る。
実施例1:
ジケトピペラジンマイクロパーティクルの調製シクロ−Lys(Z)−Lys(Z)
(N−イプシロン−(Z)− −リシンの環状二量体化)
合成方法を、図1の図式に示す。
Ephraim Katchalski、Issac Grossfeld、およびMax Frankelの「リシン酸無水物の合成」 Journal of the Ame rican Chemical Society 68,879−880(1946)、およびKenneth D.KoppleおよびHayop G.Ghazarianの「2,5−ジケトピペラジンの簡便な合成」 Journal of Organic Che mistry 33,862−864(1968)の方法は、以下のように使用に適合させた。Katchalskiらは、異なった合成経路にによる標的化合物の合成を記載している;Koppleらは、本明細書で使用した方法と似た合成方法を記載しているが、リシンベースのジペプチドを用いず、同じ標的化合物を生じない。文字「Z」は、アミノ基を保護するのに使用されるベンジルオキシカルボニル基またはカルボベンゾキシ基を示すために使用している。
N−イプシロン−Z− −リシン
N−イプシロン−Z− −リシン(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO,50グラム)を、以下のように環状化した。化合物を結晶フェノールの250グラムと共に、緩やかな窒素ガス(前精製等級)流下で、500mL樹脂反応釜に入れた。反応混合物の温度を175℃まで上げ(加熱マントル)、そして窒素下で18時間この温度を保った。反応釜を加熱マントルから取り出し、容器の外側をさわっても熱くなくなるまで、そして結晶がまさに反応混合物中で形成し始めるまで冷却した。次いで、反応混合物を1.5Lの無水エーテルと撹拌しながら混合し、微細な白色粉末を沈澱させた。この沈澱物を焼結ガラス漏斗上(粗グリット)に集め、そしてフィルター上で無水エーテルで洗浄した。フィルター上で風乾後、生成物(JG47)は33.7グラムの重量であった。生成物の一部(5グラム)を、分析のために取り分けた。
シクロ−Lys(Z)−lys(z)
この物質を50mLの温い氷酢酸に溶解し、そしてこの溶液を濾過して少量の不溶性物質を取り除いた。冷却中に、酢酸溶液から固体が結晶化した。この物質を濾過して集め、次いで200mLの1:1の水:メタノールに懸濁した。この懸濁液を緩やかに還流し、次いで室温に2日間放置した。精製された生成物(JG48)を濾過して集め、そしてフィルター上で風乾した。この手法で、3.7グラムの精製されたシクロ−Lys(Z)−lys(z)が得られた。
2,5−ジケト−3,6−ジ(4−スクシニルアミノブチル)ピペラジンジヒドロブロマイド
(シクロ−Lys(Z)Lys(Z)の脱保護)
側鎖上の末端アミノ基を脱保護および除去するために、20グラムのシクロ−Lys(Z)−Lys(z)(JG47、微細に粉末化)を50mLの氷酢酸に撹拌して懸濁した。この懸濁液に、50mLの氷酢酸中の4.3 HBrを添加し、Z−基を除去した。一時急速なガス(二酸化炭素)発生があり、そして固体生成物はほとんど完全に溶解した;次いで固体生成物は、反応混合物から分離し始めた。
HBr溶液を添加した2時間後、150mLの無水エーテルを混合液に添加し、生成物を完全に沈澱させた。沈澱生成物をエーテルで繰り返し洗浄し、次いで乾燥窒素気流下で乾燥した。結晶残渣をスクシニル化に直接使用した。
2,5−ジケト−3,6−ジ(4−アミノブチル)ピペラジン
前述の手順で得られたシクロ−Lys−Lysジヒドロブロマイドを、無水コハク酸でアシル化し、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−アミノブチル)ピペラジンを得た。先ず、それを、室温で200mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解した。この溶解をゆっくり行い、炭酸ガスは混合物を泡にして容器からこぼすことなく放出し得た。溶液を濾過し、少量の不溶性物質を除去した。そしてフィルターをさらに50mlの飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、この洗浄液を濾液に加えた。
溶液を効率的なマグネチックスターラーで撹拌し、ガラス電極を用いてpHをモニターし続けた。初期pHは、8.7であった。無水コハク酸(30グラム)を、10回に分けて添加した。反応混合物のpHは、この添加毎に下がって7.5になった。それを4 NaOHで8.7に再調整した。無水コハク酸がすべて溶解して、最終pHが安定するまで、同じパターンで無水コハク酸を添加し続け、pHを調整し続けた(無水コハク酸の最後の部分を添加後、約半時間)。
マイクロパーティクルを沈澱させるために、クエン酸(10グラム)を反応混合物に添加した。次いで、pHを濃HClでゆっくり調整して2,2にした。(この工程中、二酸化炭素が激しく発生し、ゆっくりとHClを添加することでガス発生が制御される。)約3−3.5のpHで、固体生成物が溶液から分離し始めた。pH2.2で、溶液は微細粒子(fine particle)で満たされた。この混合物を一晩冷蔵庫に入れ、次いで生成物を濾過して集め、水で洗浄しフィルター上で風乾した。収量は、11.7グラムの白色(off−white)粉末(JG52)であった。
小量の生成物試料を、沸点温度の最小量の水に溶解した。冷却して分離した固体を遠心によって集め、水で洗浄し次いで遠心ペレットを凍結乾燥した(JG77)。
実施例2:
インシュリンの経口投与による血中グルコース抑制
方法:
ピペラジンを炭酸水素ナトリウムの飽和溶液に溶解し、125mgピペラジン/mL溶液を調製し、次いで、この溶液を、取り込まれるインシュリンをインシュリン20mg/mlの濃度で含有する等量の1Mのクエン酸溶液と混合することにより、ブタインシュリン(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO,比活性約26U/mg)を、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−スクシニルアミノブチル)ピペラジン中にカプセル化した。この手順で、約67.5mgマイクロパーティクル/mlの懸濁液を得た。
それぞれの体重が約250gそして正常な血中グルコース濃度を有する全部で9匹のオスラットに、体重1kg当り1.25mgから2.0mgとの間の計算された投与量で、カプセル化されたインシュリンを経口強制栄養法により投与した。コントロールとして、ラットにポリマーの非晶質(amorphous)沈澱物、従ってスフェアの中にインシュリンがカプセル化されないが最終溶液のインシュリン濃度はもとの調製物中で用いた濃度と同じである、を与えた。この懸濁液を、体重1kg当り1mlの懸濁液の投与量で、4匹のコントロールラットに経口強制栄養法で投与した場合、血中グルコースの著しい低下は見られなかった。さらに、被験体に皮下注射で、水溶液および非結晶沈澱物の形態の両方のインシュリンを投与し、インシュリン自体の生物学的活性を証明した。
治療後の種々の時間で尾から採取した試料について、血中グルコースを測定し、そしてGlucofilm片上に、絞り取った尾の血液1滴を用いて、血液1dl当りのグルコースmgを測定した。
結果:
図2aは、種々の時間間隔で、10mg/kg体重の濃度で、カプセル化されたインシュリン懸濁液1mlを投与した、9匹の被検体に対して(mg/dl)で測定した血中グルコースの平均の低下パーセントを示す。カプセル化されたインシュリンは、経口投与した場合に、著しく血中グルコースを下げる。図2bに示したように、同量のインシュリンを含むポリマーの非結晶沈澱物溶液を経口投与しても、血中グルコースは著しく変化しなかった。同じ溶液を皮下注射で投与すると、血中グルコースが特徴的に低下した;純粋なインシュリン溶液を注射した場合に生じたものと同じである。カプセル化されていないインシュリンを経口投与した場合に、薬理学的効果がないことは、動物およびヒトの両方により高い投与量で実施された文献中の他の研究の知見と一致する。図2aでは、血中グルコース濃度が、240分間で投与前の値に戻ることを示す。
実施例3:
マイクロカプセル化ヘパリンによる血中の凝固阻害
2,5−ジケト(deketo)−3,6−ジ(4−アミノブチル)ピペラジンのジスクシニル誘導体を、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液に、濃度がピペラジン120mg/mL溶液となるように溶解し、次いで、これを、同量の1Mのクエン酸(ヘパリンナトリウム100mg/mLクエン酸を含有する)と混合することにより、ヘパリン(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO,非活性26U/mg)を、上記のようにカプセル化した。
最終懸濁液は、懸濁液1ml当り50mgのヘパリンを含有した。この中では、約20%がカプセル化されており、懸濁液1ml当り10mgのカプセル化されたヘパリンの理論最大濃度を得た。
カプセル化されたヘパリンを含有する溶液を、体重約250グラムの8匹のラットに、経口強制栄養法によって投与した。ラットは、処置前に一晩絶食させた。各ラットは、体重1kg当り1mlの懸濁液を与えられた。さらに、ヘパリンが入っていない、1Mのクエン酸中に形成されたマイクロカプセルの懸濁液を、4匹のコントロール群のラットに投与した。
0分、60分、120分、240分、および360分で、血液を9:1の比でクエン酸塩加シリンジ中へ抜き取った。この血液を直ちに遠心分離し、そして標準薬剤を有するAPTTアッセイを用いて、血漿をアッセイした。結果を図3aに示す。結果は、ヘパリンの経口投与が血液凝固時間の延長に有効であることを明確に示している。
図3bは、コントロール群の結果を示す。これらの結果はマイクロパーティクル自身は凝固時間に感知し得るほどに作用しないことを明瞭に示す。
本発明の方法を改変および変形することは、前記の詳細な説明から当業者に自明である。このような改変および変形は、添付の請求項の範囲に入ることが意図されている。