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1. WO2021060217 - PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE DISPOSITIF À SEMI-CONDUCTEUR OPTIQUE, ET DISPOSITIF À SEMI-CONDUCTEUR OPTIQUE

Document

明 細 書

発明の名称 光半導体装置の製造方法及び光半導体装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054  

実施例

0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

産業上の利用可能性

0078  

符号の説明

0079  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 光半導体装置の製造方法及び光半導体装置

技術分野

[0001]
 本発明は、光半導体装置の製造方法及び光半導体装置に関する。

背景技術

[0002]
 光半導体チップは発光素子及び受光素子に大別される。このうち、発光素子を使用した光半導体装置としては、発光ダイオード、半導体レーザー等が挙げられる。発光素子は、発光する光の波長に応じて、各種センサーに使用される赤外光、照明や電子機器の表示光源等として使用される可視光又は殺菌や樹脂硬化等に使用される紫外光など様々な用途で使用されている。いずれの光半導体チップであっても、種々の使用環境において長期間性能を維持できる構造が求められている。例えば、光半導体チップをパッケージ基板(キャリアとも呼ばれる)に収容した光半導体装置は、高信頼性の長期間維持を実現するため、光半導体チップの波長に合った光を十分に透過する透明な窓材(以下、透光性窓材と記載する)により封止され、外気の流入が無い閉じた空間(以下、閉鎖空間と記載する)内に光半導体チップを収容する構造を備えている。そして、このような閉鎖空間を形成するための封止方法には、AuSn又はAgSn等の半田の接合材を用いて、発光素子が設置されたパッケージ基板などの容器と透光性窓材とを接合して封止する技術が一般的に採用されている。光半導体素子の封止技術として、例えば以下の特許文献1のような技術が挙げられる。
[0003]
 特許文献1には、光半導体素子を収容したパッケージ基板と蓋体とを酸素を含む雰囲気下で仮封止した後、仮封止した状態で雰囲気の酸素濃度を低下させて、パッケージ基板と蓋体とを接合して封止する技術が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2018-93137号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら上記特許文献1の製造方法のように、酸素を少量含む雰囲気ガス中で光半導体チップを封止するだけでは、光半導体チップの信頼性を確保できないことが確認された。中でも、発光波長が短いほど駆動電圧が大きくなるため、例えば波長200~350nmの紫外光を発する発光素子では通電時に発する熱が他に比べて大きく、熱に対する信頼性の確保が必要であった。さらに、高温高湿の環境下での使用若しくは長時間の連続使用といった、光半導体チップに高温動作を要求する環境下においては、通電時に光半導体チップから発する熱が大きいほど、高温での動作の信頼性を確保することが困難であった。
[0006]
 そこで、本発明は、高温動作において、光半導体チップが高信頼性を長期間維持する光半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らが上記課題の解決に関し鋭意検討した結果、光半導体チップに高温動作を要求する環境下において、閉鎖空間内に収容された光半導体チップの周囲に残留する残留水分が一定以上存在すると、光半導体チップの信頼性を確保できないことが本発明者らにより確認された。そして、仮に光半導体チップが設置されているセラミックス製のパッケージ基板と透光性窓材とを窒素雰囲気下で封止工程を行ったとしても、封止後の閉鎖空間内の水分が1000ppmを超えて含まれれば、光半導体チップの信頼性を確保できないことが分かった。閉鎖空間内に水分が含まれる原因を検討したところ、封止する際に一時的に窒素ガスなどを用いて光半導体チップ周囲の雰囲気を水分濃度が低い雰囲気にしたとしても、セラミックス中に浸透した水分は容易には除去が難しく、封止工程での加熱時において放出されて閉鎖空間内の水分量が多くなることが分かった。マウント工程でパッケージ基板が加熱されてセラミックス表面の水分の多くが除去された場合でも、マウント工程後にセラミックスのパッケージ基板を一定時間以上大気中に曝した場合にはパッケージ基板に水分が浸透する。マウント工程での加熱から封止工程での加熱までの間に、水分濃度1000ppm以下の環境においてセラミックスが水分を吸わないようにしなければ、封止後の閉鎖空間内の残留水分を低く制御できないことが分かった。
[0008]
 本発明はかかる知見に基づきなされたもので、以下のような構成を有する。
[0009]
 [1]本発明は、セラミックスからなるパッケージ基板上に光半導体チップを設置するマウント工程と、前記マウント工程後のパッケージ基板を第1乾燥雰囲気下で保管する保管工程と、前記保管工程後の前記パッケージ基板上の光半導体チップの周囲を第2乾燥雰囲気下とし、前記パッケージ基板の接合部に、接合材を介して透光性窓材を載せる載置工程と、酸素濃度1vol%以下の低酸素濃度雰囲気において前記接合材により前記接合部及び前記透光性窓材を接合することで、前記パッケージ基板及び前記透光性窓材により形成される閉鎖空間内に前記光半導体チップを封入する封止工程と、を有し、
 前記封止工程後における、前記閉鎖空間の水分濃度を1000ppm以下、酸素濃度を3vol%以下とする、光半導体装置の製造方法である。
[0010]
 [2]本発明において、前記第1乾燥雰囲気は、水分濃度1000ppm以下であり、
 前記第2乾燥雰囲気は、水分濃度1000ppm以下であり、かつ酸素濃度4vol%以下である[1]に記載の光半導体装置の製造方法。
[0011]
 [3] 前記封止工程後における、前記閉鎖空間の水分濃度を300ppm以下、酸素濃度を0.8vol%以下とする、[1]または[2]に記載の光半導体装置の製造方法。
[0012]
 [4] 前記第2乾燥雰囲気は、水分濃度200~1000ppmであり、かつ酸素濃度3vol%以下である、[1]または[2]に記載の光半導体装置の製造方法。
[0013]
 [5] 前記第2乾燥雰囲気は、水分濃度200~550ppmである、[4]に記載の光半導体装置の製造方法。
[0014]
 [6]本発明において、セラミックスからなるパッケージ基板と、
 前記パッケージ基板上に設置された光半導体チップを有し、
 前記パッケージ基板の接合部に接合材を介して接合された透光性窓材と前記パッケージ基板との間の閉鎖空間内に前記光半導体チップが封入されており、
 前記閉鎖空間の水分濃度が1000ppm以下であり、かつ酸素濃度が3vol%以下である、光半導体装置。
[0015]
 [7]本発明において、前記光半導体チップは、発光中心波長が200~350nmである[6]に記載の光半導体装置。

発明の効果

[0016]
 本発明によれば、高温動作においても、光半導体チップが高信頼性を長期間維持する光半導体装置およびその製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 本発明に係る光半導体装置の製造方法におけるマウント工程の一例を示す。
[図2] 本発明に係る光半導体装置の製造方法における載置工程の一例を示す。
[図3] 本発明の一実施形態に係る光半導体装置の断面模式図を示す。
[図4] 本発明に係る光半導体装置の製造方法における態様の一例を示す。

発明を実施するための形態

[0018]
 (分析方法)
 本明細書における、第1乾燥雰囲気、第2乾燥雰囲気の水分濃度および酸素濃度を測定する方法としては、水分濃度には水分濃度計を用い、酸素濃度には酸素濃度計を用いて測定することができる。水分濃度計としては、静電容量式(インピーダンス式)露点計を使用することができ、例えば株式会社テクネ計測社製TK-100を使用できる。酸素濃度計としては、ガルバニ電池式酸素分析計を使用することができ、例えば株式会社テクネ計測社製201RSを使用できる。
 パッケージ基板及び透光性窓材により形成される閉鎖空間内の水分濃度および酸素濃度を測定する方法としては、質量分析計(Internal Vapor Analysis:IVA分析)により定量分析を行うことができ、試料導入部において透光性窓材を剥がすことで、閉鎖空間内の分析が可能となる。なお、当該IVA分析は、MIL規格(MIL-STD-883)に準拠している。
[0019]
 (光半導体チップ)
 光半導体チップは、設置されるパッケージ基板にセラミックスが用いられ、閉鎖空間内に封入されるのであれば任意の発光素子または受光素子であってよい。そのような状態で使用される光半導体チップの例としては、波長が深紫外光(波長200~350nm)である光半導体チップが挙げられる。特に、深紫外光(波長200~350nm)の発光素子は駆動時の発熱が大きいため好適である。なお、以下に記載の実施形態ではフリップチップ型の光半導体チップを例に記載するが、垂直型の光半導体チップであっても良い。
[0020]
 (パッケージ基板)
 パッケージ基板は、セラミックスからなる。セラミックスは、低温同時焼成セラミック(LTCC:low temperature co-fired ceramic)又は高温同時焼成セラミック(HTCC:high temperature co-fired ceramic)のいずれでもよい。また、前記セラミックスの材料は、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al 23)、シリカ(SiO 2)、二酸化チタン(TiO 2)等が挙げられる。必要により、セラミックスは公知の絶縁材料、金属化合物、可塑剤、有機バインダー又は溶剤を含んでもよい。
[0021]
 (透光性窓材)
 透光性窓材は、上記の光半導体チップの波長に対し光を十分に透過する透明な窓材であればよい。波長が深紫外光(波長200~350nm)である光半導体チップの場合には、その波長に対して透過率が80%以上の材料であることが好ましく、例えば、石英、溶融石英、フッ化カルシウム(CaF 2)、サファイア(Al 23)を例示することができる。本実施形態では、透光性窓材の形状の一例として、平板状の板体を説明しているが、光取り出し側に曲面を有する窓材であっても本発明の光半導体装置に使用可能である。そのため透光性窓材の形状は特に限定されることはない。さらには、透光性を向上させるために、公知のARコート(光反射防止膜)又はフォトニック結晶を、透光性窓材の本体の片面または両面に設けてもよい。
[0022]
 本発明に係る製造方法は、マウント工程と、保管工程と、載置工程と、封止工程とを有し、必要により暴露工程をさらに有してもよい。以下、実施形態の一つについて各工程について詳説する。
[0023]
 (マウント工程)
 セラミックスからなるパッケージ基板上に、光半導体チップを設置するマウント工程について、図1を用いて説明する。マウント工程は、光半導体チップ2を設置可能なパッケージ基板3上の設置部に光半導体チップを設置する工程である。まず、基板21と半導体積層体22と電極層23a,bとを備えた光半導体チップ2を用意する。そして、光半導体チップ2の電極層23a,b表面に、Auバンプ等の接合金属51a,bを形成する。
[0024]
 図1において、パッケージ基板3は、中央部に凹部1を有しており、その凹部1内に光半導体チップ2を設置する一例を図示している。この例では、パッケージ基板3の凹部1の底部に形成された表面電極E 2、E 1の表面(設置部)に、光半導体チップ2の電極層23a,b表面に具備された接合金属51a,bを対向させ、付着させると共に、光半導体チップ2に対して適切な荷重を負荷しながら超音波接合する。この際、設置部に熱を伝えるためにパッケージ基板3を加熱することが好ましい。
[0025]
 光半導体チップ2を収容でき、かつ窓材(図示せず)とパッケージ基板3とを接合によって封止できれば、当該設置部の位置及びその形状は特に制限されることは無い。
[0026]
 なお、上記の表面電極E 1、E 2は、パッケージ基板3内を貫通する配線電極(図示せず)を介して、パッケージ基板3の裏面に設けられた裏面電極E cw1、E cw2にそれぞれ電気的に接続されている。
[0027]
 マウント工程中の作業雰囲気は、接合金属51a,bの種類に応じて、適宜選択される。例えば、接合金属51a,bとして金バンプを用いる場合は作業雰囲気を空気中としてもあるいは低酸素雰囲気としてもよい。AuSn等の半田を使用する場合は、接合金属51a,bの酸化を抑制する観点から、マウント工程中の作業雰囲気は、窒素又はアルゴン等の低酸素雰囲気が好ましい。金バンプの接合を確実にするためには、設置部が170~250℃となるまで加熱し、AuSn等の半田を使用する場合は、設置部がその半田の融点付近(例えば200~320℃)となるまで加熱することが好ましい。マウント工程での加熱において、パッケージ基板3の水分は大部分が拡散される。
[0028]
 本発明におけるマウント工程を行う前に、必要に応じて、パッケージ基板を125℃~250℃の温度範囲で、30分以上ベーキングする工程をさらに備えてもよい。それにより、パッケージ基板からほぼ完全に水分を拡散させ、脱離させることができる。マウント工程での加熱後の水分が減った状態のパッケージ基板を、水分が存在する環境にさらすと、水分が表面に吸着し、そこからパッケージ内部に向かって浸透していくと考えられる。
[0029]
 (保管工程)
 次に、上述したマウント工程後のパッケージ基板を第1乾燥雰囲気下で保管する保管工程について説明する。この工程により、上記のマウント工程における加熱によってある程度水分が脱離した状態のパッケージ基板に、水分が吸着しセラミックス中に再び浸透することを抑制する。そのために、次の工程(載置工程および封止工程)に進むまでの間、第1乾燥雰囲気下で保管を行う。この時のパッケージ基板の温度は、前記マウント工程での温度より低い温度であればよく、室温であってもよい。保管工程内での保管時間は、次の載置工程を行うタイミングにより任意に決まるものであり、1分以上が好ましい。マウント工程と保管工程とその後の載置工程とは連続して行うことが好ましく、それらの工程間に、人の作業環境に起因する1分以上の大気環境への暴露時間を挟むことがない様にすることが好ましい。
[0030]
 <保管工程における第1乾燥雰囲気>
 本明細書における第1乾燥雰囲気は、水分がパッケージ基板に浸透していくことを抑制する程度に、パッケージ基板を乾燥させる雰囲気をいう。第1乾燥雰囲気の水分濃度は、1000ppm以下であることが好ましく、550ppm以下であることがより好ましい。さらに、露点温度が-20℃以下であることが好ましく、-27℃以下であることがより好ましい。
[0031]
 水分がパッケージ基板に浸透していくことを抑制する程度に、パッケージ基板を乾燥させる雰囲気とするためには、第1乾燥雰囲気を減圧することも好ましい。例えば、第1乾燥雰囲気の圧力が10 -2[Pa]以下であることが好ましく、10 -5[Pa]以下であることがより好ましい。
[0032]
 上記の第1乾燥雰囲気をもたらす装置としては、例えば、デシケータ、エアーオーブンといったバッチ式の乾燥機構、並びにヒートロール、ホットエアースルー機構(開放式の乾燥炉内を被乾燥体が移動、通過しながら、送風を受けつつ加熱・乾燥される設備等)といった連続式の乾燥機構等が挙げられる。前記減圧機構による乾燥でもよく、例えば、減圧格納庫、真空デシケータ、アスピレーターなどが挙げられる。また、このような乾燥機構又は減圧機構は、温度調節機構を有していることが好ましく、必要により、第1乾燥雰囲気を0℃以上100℃以下の範囲に設定してもよい。また、第1乾燥雰囲気をもたらす装置としては、窒素ガス置換方式が好ましい。
[0033]
 デシケータとしては、電子ドライ(電子防湿保管庫)を使うことが好ましい。例示すれば、東洋リビング(株)SD-252-01、ヤマト科学SDC-1502-1Aなどが挙げられる。
[0034]
 また、マウント工程で使用する装置と載置工程で使用する装置との間をベルトコンベアーなどの移動機構で結んでもよい。また、これら各工程を区画するシャッターを備えてもよい。さらには、マウント工程で使用する装置と載置工程で使用する装置との間に、前記移動機構及び前記シャッターを備えると共に、上記の第1乾燥雰囲気をもたらす装置を連結した構造を設けても良い。
[0035]
 (載置工程)
 前記保管工程後の前記パッケージ基板上の光半導体チップの周囲を第2乾燥雰囲気下とし、前記パッケージ基板の接合部に、接合材を介して透光性窓材を載せる載置工程について、図2を用いて説明する。
[0036]
 保管工程における第1乾燥雰囲気から取り出された、光半導体チップ2が設置されたパッケージ基板3は、凹部1の周面部の上部34の接合部5に封止用の第1金属層5fが凹部1を取り囲むよう形成された構成を備えている。そして、透光性窓材4にも、封止用の第2金属層5dが外周を取り囲むように形成されている。載置工程では、上記第1金属層5fと、上記第2金属層5dとを対向させ、接合材5eを介して互いに接する状態とする。このとき、接合材5eは、上記第1金属層5fと、上記第2金属層5dのどちら側に先に付けても構わない。パッケージ基板上3に透光性窓材4が載置された状態を維持できるように図2に例示するような仮押さえ冶具60を用いることが好ましい。仮押さえ冶具60は、パッケージ基板3を収容する仮押さえ冶具本体61、透光性窓材4がズレないように押さえるアーム62、およびウエイト63により構成される。
[0037]
 本載置工程により、パッケージ基板3と透光性窓材4とにより形成される空間内1に光半導体チップ2が収容され、かつその空間1が、完全ではないものの概ね閉じた空間になる。そのため、前記パッケージ基板3上の光半導体チップ2(および透光性窓材4)の周囲を第2乾燥雰囲気下とすると、第2乾燥雰囲気が、後の封止工程における加熱でのセラミックスからの放散を除き概ねその後の閉鎖空間内1の環境となる。なお、蓋体である透光性窓材4を載せる工程以降において、窒素雰囲気下において閉じた空間内の酸素濃度が変化(減少)するとの記載が特許文献1にある。しかし、発明者らが検討したところ、温度変化等による気圧差を生じさせない限り蓋体で概ね閉じてしまっている空間と外気との間の気体の交換は少ないことが分かった。
[0038]
 <載置工程の第2乾燥雰囲気条件>
 本明細書における第2乾燥雰囲気は、第1乾燥雰囲気によって水分が増加するのを抑制された状態を保つと共に、光半導体チップが収容されているパッケージ基板と透光性窓材により生じる空間内(後の閉鎖空間内)の酸素を低減させる雰囲気をいう。第2乾燥雰囲気の水分濃度は、1000ppm以下であることが好ましく、550ppm以下であることがより好ましい。そして、第2乾燥雰囲気の酸素濃度は、4vol%以下であることが好ましく、3vol%以下とすることがより好ましい。
[0039]
 第2乾燥雰囲気の酸素濃度を上記範囲にするために、少なくとも不活性ガス(例えば窒素)を使用して第2乾燥雰囲気を作ることが好ましい。載置工程を手作業で行う場合は、グローブボックス等を用いて安全面に考慮して行うことが好ましい。不活性ガスと空気とが混合する状態の第2乾燥雰囲気を作る場合、不活性ガスを流す位置を調整して少なくとも光半導体チップが収容されているパッケージ基板と透光性窓材とにより形成された空間内(後の閉鎖空間内)を、第2乾燥雰囲気となるようにすればよい。載置工程において、例えば後述の実施例1の図4で説明するように、保管工程における保管庫(電子ドライ又は真空デシケータ等)から出した部材(透光性窓材が載置された光半導体チップが収容されているパッケージ基板)を手作業でグローブボックスの前室からグローブボックス内へ入れる場合、当該グローブボックスの前室における空気を含む雰囲気がグローブボックス内に混入し、混合気体状態の第2乾燥雰囲気を作ることになる。混合気体状態の第2乾燥雰囲気が、水分濃度200~1000ppmであり、かつ酸素濃度3vol%以下であれば、より確実に、その後の閉鎖空間内の水分濃度を1000ppm以下、かつ酸素濃度を3vol%以下とすることができる。
[0040]
 一方、載置工程においてグローブボックスの前室内で雰囲気の窒素置換を行う場合又はロボット等により保管工程以降を自動化して行う場合、第2乾燥雰囲気を窒素雰囲気のような不活性ガスとしてもよい。その場合は、前記混合気体状態の第2乾燥雰囲気よりもさらに酸素濃度および水分濃度を低下させることによって、封止工程後における、前記閉鎖空間の水分濃度を300ppm以下、酸素濃度を0.8vol%以下とすることもできる。
[0041]
 上述した不活性ガスと空気とが混合した混合気体状態の第2乾燥雰囲気では、不活性ガスと空気との混合比が5:1から10:0までの間とすることが好ましい。この場合の空気は、水分量の少ない空気であることが好ましい。このようにすることにより、当該雰囲気中に含まれる水分量を下げ、不活性ガスと混合した際の第2乾燥雰囲気に含有される水分濃度を、第2乾燥雰囲気の上記範囲内に制御することができる。
[0042]
 (暴露工程)
 上記に記載の載置工程において、パッケージ基板上の光半導体チップの周囲を第2乾燥雰囲気下としてから、パッケージ基板の接合部に接合材を介して透光性窓材を載せるまでの間である暴露時間を10秒以上1分以下とすることが好ましい。光半導体チップが収容されているパッケージ基板を第2乾燥雰囲気に前記時間曝すことが暴露工程である。第2乾燥雰囲気での暴露工程が無くとも、パッケージ基板上の光半導体チップの周囲に残存する第1乾燥雰囲気は、第2乾燥雰囲気下に置くことによりある程度、第2乾燥雰囲気と置換されるが、暴露時間を設けることで第2乾燥雰囲気に完全に置換され、酸素濃度の低減を確実にすることができる。なお、暴露時間を増やしてもパッケージ基板に浸透した水分までは低減させることは困難であるため、上記の保管工程が必要となる。
[0043]
 なお、暴露工程において、第2乾燥雰囲気を作るために使用するガス(不活性ガス等)の噴射口が、光半導体チップが位置する方向を向いており、光半導体チップが収容されているパッケージ基板と透光性窓材から囲まれる空間内(後の閉鎖空間内)の雰囲気を押し流して置換できる形になっていることが好ましい。
[0044]
 また、一般的に透光性窓材へのガス吸着は少ないため、透光性窓材は第2乾燥雰囲気下に入れてから載置すればよく、透光性窓材に対する暴露時間の設定は任意である。
[0045]
 (封止工程)
 封止工程では、前記載置工程において互いに接しているパッケージ基板に設けられた接合部と、前記透光性窓材とを、前記接合材を用いて接合して封止することにより、光半導体チップが収容されているパッケージ基板と透光性窓材により形成される光半導体チップ2が収容される閉鎖空間を形成する。図3を用いて説明すると、接合部の第1金属層5fと透光性窓材4側の第2金属層5dとが、接合材5eによって隙間なく接合されて、外界から遮断された光半導体チップ2が収容されている閉鎖空間1を形成する。当該接合部の第1金属層5fと透光性窓材4側の第2金属層5dとは、各々パッケージ基板3と透光性窓材4に密着しやすく、後述の接合材とメタライズ可能な金属であれば特に制限されることはない。
[0046]
 封止工程における接合材の接合方式は特に制限されることはなく、ろう接、融着、熱融着等、使用する接合材の特性又は使用目的に応じて適宜選択される。気密性が高くなる点で、AuSn半田等による加熱による半田接合、または金属微粒子を含有する接合用ペーストを使用すること好ましく、AuSn等の半田を使用する場合は、設置部がその半田の融点付近(例えば200~320℃)となるまで加熱することが好ましく、接合用ペーストでも150℃以上の加熱を行うことが好ましい。そして、保管工程における第1乾燥雰囲気に保管してマウント工程後にセラミックスのパッケージ基板が一定時間以上大気中に曝されないようにした場合には、封止工程における加熱によってセラミックスから閉鎖空間1内に放出される水分により閉鎖空間1内の水分濃度が上昇すること抑制することができる。そして、閉鎖空間1の酸素濃度上昇を抑制し、封止工程における接合材が酸化しないように、封止工程における雰囲気は、酸素濃度1vol%以下、好ましくは酸素濃度0.1vol%以下の低酸素濃度雰囲気である。低酸素濃度雰囲気は、窒素、又はアルゴンなどの不活性ガスを使用することが好ましい。封止工程における水分濃度は、第2乾燥雰囲気と同様に、1000ppm以下であることが好ましく、550ppm以下であることがより好ましいく、300ppm以下であることがさらに好ましい。
[0047]
 また、封止工程は、載置工程における仮押さえ冶具に収容された状態で行うことが好ましい。パッケージ基板3と透光性窓材4との位置ずれを抑制すると共に、ウエイトによって接合材に対して適切な荷重をかけながら接合を行うことで気密性の向上が期待される。
[0048]
 <光半導体チップが収容された閉鎖空間の水分濃度>
 閉鎖空間1の水分濃度は、1000ppm以下であり、550ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましい。そして、酸素濃度は3vol%以下であることが好ましく、1vol%以下であることがより好ましく、0.8vol%以下であることがさらに好ましい。
[0049]
 水分濃度を1000ppm以下かつ酸素濃度を3vol%以下にすることで、内部の残留水分と光半導体チップの構成材料との反応を抑制し、例えば、85℃で100mAを10000時間通電したときの、初期出力に対する残存出力の割合が81%以上であるような、高信頼性を得ることができる。
[0050]
 第2乾燥雰囲気に用いる不活性ガスとして窒素を使用した場合、閉鎖空間1の気体組成は、酸素(O 2)0.0~3.0vol%、窒素(N 2)95.0~99.9vol%、水(H 2O)0~0.1vol%(0~1000ppm)であることが好ましく、酸素(O 2)0.0~1.0vol%、窒素(N 2)98.0~99.99vol%、水(H 2O)0.0~0.03vol%(0~300ppm)であることがより好ましい。
[0051]
 (他の実施形態)
 本実施形態では、パッケージ基板の形状の一例として、上面が開放された、直方体の凹部を有する四角形体の筐状体を説明しているが、パッケージ基板の凹部は、後述する透光性窓材を載置することで閉鎖空間を得るための形状であり、透光性窓材の形状との組み合わせで光半導体チップを収容する閉鎖空間が得られる形状であればどのような形状でもよく、他の実施形態としては、例えば透光性窓材の方に下向きの凹部を有するならばパッケージ基板が凹部を有さない平板であってもよい。また、パッケージ基板が凹部を有する場合は、開口先の開口面積が広くなる、逆テーパー状(又はテーパー状)の凹部であってもよい。
[0052]
 また、マウント工程における他の実施形態としては、図1で示した態様から変更することができる。具体的なマウント工程の変形例としては、あらかじめ、パッケージ基板3上に設けられた設置部の表面電極E 1、E 2に、Auバンプ51a,bを付着させる、または、あらかじめ、パッケージ基板3上に設けられた設置部の表面電極E 1、E 2に、半田片を付着させる方法をとっても良い。また、あらかじめ、パッケージ基板3上に設けられた設置部の表面電極E 1、E 2に、半田ペーストを塗布する方法としてもよい。さらに、光半導体チップ2の電極層23a,bの表面にAuSn等の半田層54を形成(蒸着等)してもよく、あらかじめ、光半導体チップ2の電極層23a,bの表面にAuSn等の半田層54を形成(蒸着等)しておき、パッケージ基板3上に設けられた設置部の表面電極E 1、E 2に、フラックスを塗布してもよい。
[0053]
 また、載置工程における他の実施形態としては、仮押さえ治具の形状は図2から変更することができる。また、荷重の掛け方や位置合わせの方法は図2に記載以外の様々な態様に変更してもよく、さらに、例えば、仮押さえ治具本体61側に透光性窓材4を置き、パッケージ基板3の開口部が透光性窓材を向くように載せてからパッケージ基板3の方に荷重をかけてもよい。
[0054]
 これまで説明してきた製造方法の実施形態により、セラミックスからなるパッケージ基板と、前記パッケージ基板上に設置された光半導体チップを有し、前記パッケージ基板の接合部に接合材を介して接合された透光性窓材と前記パッケージ基板との間の閉鎖空間内に前記光半導体チップが封入されており、前記閉鎖空間の水分濃度が1000ppm以下であり、かつ、酸素濃度が3vol%以下である、光半導体装置を得ることができる。また、この光半導体チップは、発光中心波長が200~350nmであることが好ましい。
実施例
[0055]
 以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[0056]
 (実施例1)
 本実施例で使用した光半導体チップ(LED(DoUVLEDs(登録商標)技術を用いた商品名DF8XC-00001(DOWAエレクトロニクス株式会社製)))は、280nmの波長を発光するAlGaN結晶からなるLEDチップである。当該LEDチップのサイズは1mm×1mm×0.43mmであった。
[0057]
 本実施例で使用したパッケージ基板は、原料としてセラミックス原料にAlN粉末を使った高温同時焼成セラミックス(HTCC)を使用し、厚さ150μmのグリーンシートを6枚重ね合わせて作製した。当該パッケージの外形サイズは3.50mm×3.50mmであり、厚みは0.9mmであり、凹部の深さは0.6mmであった。また、当該パッケージ基板において、表面電極E 1、E 2及び裏面電極E cw1、E cw2、図示しない貫通孔並びに枠状の第1金属層は、Auメッキを用いて形成された。
[0058]
 本実施例で使用した透光性窓材には石英ガラスを用いた。石英ガラス上に枠状の第2金属層を形成した。前記第2金属層は、石英ガラス基板上に下地金属としてCrを蒸着し、その上にPtを蒸着し、その上にAuを蒸着して作製した。当該窓材の外形サイズは3.45mm×3.45mmであり、厚み0.5mmであった。
[0059]
 上記LEDチップに予めAuバンプを合計25個取り付け、Auバンプ付きチップを用意した。マウント工程において、Auバンプ付きチップを上記パッケージ基板の表面電極E 1、E 2に載せ、パッケージ基板を200℃のステージ上に載せて加熱し、加圧によりAuバンプを押しつぶしながら超音波接合した。マウント工程時の環境は大気である。
[0060]
 マウント工程の直後に、保管工程におけるデシケータとして電子ドライ(電子防湿保管庫)を使用し、LEDチップを備えたパッケージ基板を、以下の保管工程時乾燥雰囲気条件下のデシケータ内に保管する保管工程を行った。この保管工程時乾燥雰囲気条件は、水分濃度0.03vol%(300ppm)であり、開閉をしてもデシケータ内の水分濃度は1000ppm以下を維持するようにした(実施形態における「第1乾燥雰囲気に相当」)。
[0061]
 次いで、図4に記載のグローボックスを用いて載置工程を行った。以下図4を用いて、載置工程から光半導体装置の完成までを説明する。より詳細には、載置工程を行うために、保管工程におけるデシケータ内からLEDチップ2を備えたパッケージ基板を、パッケージ基板の凹部の開口部を上にして仮押さえ冶具60の本体内に納め、グローブボックス横の前室内に即座に移動させて投入口INを閉じ、前室内を窒素置換した。前室とグローブボックスとの間のシャッターStを開いて前室からグローブボックス内に移動させた。グローブボックス内において、窒素ガス(載置工程時の雰囲気であり、実施形態における「第2乾燥雰囲気」に相当)がLEDチップ2に当たるようにして40秒間維持する暴露工程を行った。その後、パッケージ基板の上部の第1金属層上に枠状のAuSn半田シート(接合材)を置き、第1金属層と透光性窓材の第2金属層とで接合材を挟むようにして、透光性窓材を置いた。そして、前記仮押さえ冶具60のアームとウエイトとを用いて透光性窓材を固定した。この際、ウエイトによって5.5gfの荷重をかけた。載置工程におけるグローブボックスの排気を分析した結果、載置工程時の雰囲気は窒素ガスであり、排気の水分濃度が2.6ppm、であることを確認した。なお、保管工程時の乾燥雰囲気と載置工程時の雰囲気との分析には、静電容量式(インピーダンス式)露点計((株)テクネ計測 TK-100)を使用した。
[0062]
 その後、封止工程において、LEDチップ2を備えたパッケージ基板を収納した仮押さえ冶具60ごと、窒素ガスによる低酸素濃度雰囲気(酸素濃度0.1vol%、水分濃度2.6ppm)に満たされた雰囲気下に移動させた。前記ウエイトによる荷重をかけながら、前記半田シートの溶融点以上の温度(300~310℃)まで加熱し、半田が溶解したところで後室に移動させ、窒素中で冷却して第1金属層と第2金属層を接合させ、閉鎖空間内にLEDチップ2が収容されている光半導体装置を作製した。本実施例の製造方法で作製した光半導体装置の構造は、図3に示す通りであった。
[0063]
 (実施例2)
 マウント工程を行う前に、パッケージ基板を250℃で、30分ベーキングした以外は、実施例1と同様にして、実施例2にかかるLEDパッケージを得た。
[0064]
 (実施例3)
 保管工程後のパッケージ基板(LEDチップ)を、パッケージ基板の凹部の開口部を上にして仮押さえ冶具60の本体内に納め、空気(10℃、相対湿度15.4%)を流したグローブボックスの前室に入れて投入口を閉じた後、前室内の窒素置換を行わずに、すぐに前室とグローブボックスとの間のシャッターStを開いて前室からグローブボックス内に移動した。これにより、実施例3の載置工程時の雰囲気を、窒素ガスと空気(10℃、相対湿度15.4%)との混合ガスとし、この窒素ガスと空気との混合ガス(第2乾燥雰囲気)中に40秒間維持する暴露工程を行った以外は、実施例1と同様にして実施例3にかかるLEDパッケージを得た。載置工程におけるグローブボックスの排気について、ガルバニ電池式酸素分析計((株)テクネ計測 201RS)および上記静電容量式(インピーダンス式)露点計を用いて分析した結果、載置工程時の雰囲気は水分濃度が200ppm、酸素濃度が2.3vol%であった。載置工程時の雰囲気における混合体積比率(窒素ガス:空気)は、8:1であった。
[0065]
 (実施例4)
 前室に入れる空気を10℃、相対湿度21.5%とした以外は、実施例3と同様にした。載置工程におけるグローブボックスの排気について、上記ガルバニ電池式酸素分析計および上記静電容量式(インピーダンス式)露点計を用いて分析した結果、実施例4の載置工程時の雰囲気は水分濃度が303ppm、酸素濃度が2.5vol%であった。載置工程時の雰囲気における混合体積比率(窒素ガス:空気)は、7.4:1であった。
[0066]
 (実施例5)
 前室に入れる空気を10℃、相対湿度30%とした以外は、実施例3と同様にした。載置工程におけるグローブボックスの排気について、上記ガルバニ電池式酸素分析計および上記静電容量式(インピーダンス式)露点計を用いて分析した結果、実施例5の載置工程時の雰囲気は水分濃度が505ppm、酸素濃度が3.0vol%であった。載置工程時の雰囲気における混合体積比率(窒素ガス:空気)は、6:1であった。
[0067]
 (比較例1)
 保管工程を、実施例1における保管工程時乾燥雰囲気に替えて、空気(温度23度、相対湿度30%)に1時間おいた以外は、実施例1と同様にして比較例1におけるLEDパッケージを得た。
[0068]
 (比較例2)
 保管工程を、実施例1における保管工程時乾燥雰囲気に替えて、空気(温度23度、相対湿度30%)に1時間おいて、さらに、載置工程でのグローブボックスの前室の雰囲気を空気(温度50℃、相対湿度15.4%)に変更した以外は、実施例5を同様にして比較例2におけるLEDパッケージを得た。載置工程時の雰囲気における混合体積比率(窒素ガス:空気)は、6:1であった。
載置工程におけるグローブボックスの排気について、上記ガルバニ電池式酸素分析計および上記静電容量式(インピーダンス式)露点計を用いて分析した結果、比較例2の載置工程時の雰囲気は水分濃度が2275ppm、酸素濃度が3.0vol%であった。
[0069]
 (比較例3)
 保管工程を、実施例1における保管工程時乾燥雰囲気に替えて、空気(温度23度、相対湿度30%)に1時間おいて、さらに、載置工程でのグローブボックスの前室の雰囲気を空気(温度23℃、相対湿度30%)に変更した以外は、実施例5と同様にして比較例2におけるLEDパッケージを得た。載置工程時の雰囲気における混合体積比率(窒素ガス:空気)は、6:1であった。
載置工程におけるグローブボックスの排気について、上記ガルバニ電池式酸素分析計および上記静電容量式(インピーダンス式)露点計を用いて分析した結果、比較例3の載置工程時の雰囲気は水分濃度が1102ppm、酸素濃度が3.0vol%であった。
[0070]
 (比較例4)
 載置工程を行うグローブボックスへ窒素ガスを供給せず、載置工程でのグローブボックスの前室およびグローブボックス内の雰囲気を空気(温度23℃、相対湿度12%)とした以外は、比較例1と同様にして比較例4におけるLEDパッケージを得た。載置工程におけるグローブボックスの排気について、上記ガルバニ電池式酸素分析計および上記静電容量式(インピーダンス式)露点計を用いて分析した結果、比較例4の載置工程時の雰囲気は水分濃度が3080ppm、酸素濃度が21.0vol%であった。
[0071]
 (比較例5)
 載置工程を行うグローブボックスへ窒素ガスを供給せず、載置工程でのグローブボックスの前室およびグローブボックス内の雰囲気を空気(温度26℃、相対湿度16.5%)とした以外は、比較例4と同様にして比較例5におけるLEDパッケージを得た。載置工程におけるグローブボックスの排気について、上記ガルバニ電池式酸素分析計および上記静電容量式(インピーダンス式)露点計を用いて分析した結果、比較例5の載置工程時の雰囲気は水分濃度が5017ppm、酸素濃度が21.0vol%であった。
[0072]
 (比較例6)
 保管工程を実施例1における保管工程時乾燥雰囲気とし、載置工程を行うグローブボックスへ窒素ガスを供給せず、載置工程でのグローブボックスの前室およびグローブボックス内の雰囲気を空気(10℃、相対湿度8.5%)とした以外は、実施例5と同様にして比較例6におけるLEDパッケージを得た。載置工程におけるグローブボックスの排気について、上記ガルバニ電池式酸素分析計および上記静電容量式(インピーダンス式)露点計を用いて分析した結果、比較例6の載置工程時の雰囲気は水分濃度が1001ppm、酸素濃度が21.0vol%であった。
[0073]
 上記実施例1~5および比較例1~6の光半導体装置について、当該光半導体装置内の酸素濃度及び水分濃度、並びにLEDパッケージの信頼性評価を、以下評価方法に従って分析した。
[0074]
 <光半導体装置内の酸素濃度及び水分濃度の評価方法>
 光半導体装置(LEDパッケージ)のパッケージ基板及び窓材に囲まれた領域のガス成分は、質量分析計(Internal Vapor Analysis:IVA分析)により定量分析を行うことができ、試料導入部において透光性窓材を剥がすことで、閉鎖空間内の分析を行った。IVA分析による酸素濃度(OXYGEN)の測定下限は0.1[vol%]であり、水分濃度(MOISTURE)の測定下限は100[volppm]であった。
[0075]
 <高温通電寿命の評価方法>
 本発明又は比較例の製造方法で得られた光半導体装置をアルミ製の放熱基板に半田実装した後、光半導体装置を実装した放熱基板をヒートシンクと冷却ファンが付いた放熱ユニットに取り付け、空気中85℃で100mA通電の条件での高温通電寿命の評価を行った。
[0076]
 実装直後の光半導体装置に350mAの電流を流し、初期の光出力を積分球によって測定した。この測定は、常温で行った。その後、ヒートシンクを含めて光半導体装置が実装された基板を、85℃のオーブン(空気)に投入し、この温度環境を保ちながらLEDに100mAの電流を流し、LEDを発光させた。100mAの通電開始から168時間後、500時間後、1000時間後、5000時間後、10000時間後の各時点でオーブンから取り出し、光半導体装置を常温、常湿に戻した後に光出力を積分球で測定し、初期の光出力の値と比較した。初期の光出力を1とした時、10,000時間後の光出力(350mA)との相対値(残存光量)P 10000/P 0の値を表1に示す。
[0077]
 高温通電寿命(85℃、100mA)の判定基準は以下に従って行った(下3桁四捨五入)。
◎   P 10000/P 0値 0.91以上
○   P 10000/P 0値 0.81以上0.90以下
△   P 10000/P 0値 0.71以上0.80以下
×   P 10000/P 0値 0.70以下
これらの実施例1~実施例5及び比較例1~比較例6の実験結果及び製造条件を、以下の表1に示す。
[表1]


 以上のことから、実施例1~5により得られた光半導体装置は、比較例1~6の製造方法で得られた光半導体装置と比べて高温寿命がいずれも良好であった。また、実施例1と比較例1の比較に代表されるように、保管工程においてパッケージ基板等に水分が一度浸透されると、その後に乾燥雰囲気を経たとしても、実装後のパッケージ基板内の水分量を十分に下げることができず、結果として良好な高温寿命を備えた半導体装置を作製できないことが確認された。

産業上の利用可能性

[0078]
 本発明によれば、高温動作において、光半導体チップの高信頼性を長期間維持可能な光半導体装置及びその製造方法を提供することができるため、有用である。

符号の説明

[0079]
1        凹部、空間、または閉鎖空間
2        光半導体チップまたはLEDチップ
3        パッケージ基板
4        透光性窓材
5        接合部
5f       第1金属層
5d       第2金属層
5e       接合材
21       基板
22       半導体積層体
23a,b    電極層
51a,b    接合金属
60       仮押さえ冶具
61       仮押さえ冶具本体
62       アーム
63       ウエイト
1,E 2     表面電極
Ecw 1,Ecw 2 裏面電極

請求の範囲

[請求項1]
 セラミックスからなるパッケージ基板上に光半導体チップを設置するマウント工程と、
 前記マウント工程後のパッケージ基板を第1乾燥雰囲気下で保管する保管工程と、
 前記保管工程後の前記パッケージ基板上の光半導体チップの周囲を第2乾燥雰囲気下とし、前記パッケージ基板の接合部に、接合材を介して透光性窓材を載せる載置工程と、
 酸素濃度1vol%以下の低酸素濃度雰囲気において前記接合材により前記接合部及び前記透光性窓材を接合することで、前記パッケージ基板及び前記透光性窓材により形成される閉鎖空間内に前記光半導体チップを封入する封止工程と、を有し、
 前記封止工程後における、前記閉鎖空間の水分濃度を1000ppm以下、酸素濃度を3vol%以下とする、光半導体装置の製造方法。
[請求項2]
 前記第1乾燥雰囲気は、水分濃度1000ppm以下であり、
 前記第2乾燥雰囲気は、水分濃度1000ppm以下であり、かつ酸素濃度4vol%以下である、請求項1に記載の光半導体装置の製造方法。
[請求項3]
 前記封止工程後における、前記閉鎖空間の水分濃度を300ppm以下であり、酸素濃度を0.8vol%以下とする、請求項1または2に記載の光半導体装置の製造方法
[請求項4]
 前記第2乾燥雰囲気は、水分濃度200~1000ppmであり、かつ酸素濃度3vol%以下である、請求項1または2に記載の光半導体装置の製造方法。
[請求項5]
 前記第2乾燥雰囲気は、水分濃度200~550ppmである、請求項4に記載の光半導体装置の製造方法。
[請求項6]
 セラミックスからなるパッケージ基板と、
 前記パッケージ基板上に設置された光半導体チップを有し、
 前記パッケージ基板の接合部に接合材を介して接合された透光性窓材と前記パッケージ基板との間の閉鎖空間内に前記光半導体チップが封入されており、
 前記閉鎖空間の水分濃度が1000ppm以下であり、かつ、酸素濃度が3vol%以下である、光半導体装置。
[請求項7]
 前記光半導体チップは、発光中心波長が200~350nmである請求項6に記載の光半導体装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]