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1. WO2007099789 - CAPTEUR DE GAZ, MOTEUR A COMBUSTION INTERNE LE COMPRENANT, ET VEHICULE DE TRANSPORT

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[ JA ]
明 細書

ガスセンサおよびそれを備えた内燃機関ならびに輸送機器

技術分野

[0001] 本発明は、ガスセンサに関する。また、本発明は、ガスセンサを備えた内燃機関や 輸送機器にも関する。

背景技術

[0002] 環境問題やエネルギー問題の観点から、内燃機関の燃費を向上させたり、内燃機 関の排気ガス中に含まれる規制物質 (NOxなど)の排出量を低減したりすることが求 められている。このためには、常に最適な条件で燃料の燃焼が行えるよう、燃焼状態 に応じて燃料と空気との比率を適切に制御する必要がある。空気と燃料との比率は 空燃比 (AZF)と呼ばれ、三元触媒を用いる場合、最適な空燃比は理論空燃比であ る。理論空燃比とは、空気と燃料とが過不足なく燃焼する空燃比である。

[0003] 理論空燃比で燃料が燃焼している場合、排気ガス中には一定の酸素が含まれる。

空燃比が理論空燃比よりも小さい場合、つまり、燃料の濃度が高い場合には、排気 ガス中の酸素量が、理論空燃比の場合の酸素量に比べて減少する。一方、空燃比 が理論空燃比よりも大きい (燃料の濃度が低い)場合には、排気ガス中の酸素量は 増加する。このため、排気ガス中の酸素量あるいは酸素濃度を計測することによって 、空燃比が理論空燃比カゝらどの程度ずれているかを推定し、空燃比を調節して最適 な条件で燃料が燃焼するように制御することが可能となる。

[0004] 排気ガス中の酸素濃度を計測するためには、酸素センサが用いられる。酸素セン サは、ガス検出層や触媒層、電極などの部材が基板上に積層された構成を有してい る。ガス検出層を活性化させ、酸素センサを好適に動作させるためには、 500°C以上 の高温が必要であるので、酸素センサにはヒータが設けられている。ヒータを備えた 酸素センサは、例えば特許文献 1に開示されて、る。

特許文献 1:特許第 3523937号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] し力しながら、従来の酸素センサでは、ガス検出層を活性化温度まで一気に昇温さ せると、センサを構成する部材が基板表面力剥離してしまうという問題があった。

[0006] この問題は、センサが熱膨張率の異なる複数の部材を含んでいることに起因する。

例えば、ガス検出層をセラミックス材料カゝら形成し、電極を金属材料から形成した場 合、これらの熱膨張率は大きく異なる。ヒータによってセンサが昇温されると、積層さ れた構成部材の熱膨張率の相違に基づく応力が発生し、それによつて構成部材の 剥離が起こってしまう。

[0007] 特に、酸素センサが輸送機器に搭載される場合には、熱膨張率の相違に起因した 応力に輸送機器の移動に伴う振動が加わるので、酸素センサは構成部材の剥離が

V、つそう発生しやす、過酷な環境下に置かれることになる。

[0008] 本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成部材の剥離が 抑制されたガスセンサおよびそのようなガスセンサを備えた内燃機関ならびに輸送機 器を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0009] 本発明によるガスセンサは、所定のガスを検出するためのガス検出層と、前記ガス 検出層を支持するセラミックス基板と、前記ガス検出層上に設けられた触媒層と、を 備えたガスセンサであって、少なくとも前記ガス検出層を覆うように設けられた保護層 であって、セラミックス材料を含み、且つ、一部が前記セラミックス基板に接合された 保護層を備えており、そのことによって上記目的が達成される。

[0010] ある好適な実施形態において、前記保護層は、前記触媒層をも覆うように設けられ ている。

[0011] ある好適な実施形態において、前記触媒層の一部は前記セラミックス基板に接合さ れており、前記触媒層が前記保護層として機能する。

[0012] ある好適な実施形態において、前記保護層は、前記ガス検出層に重なる第 1の部 分と、前記第 1の部分の周隨こ位置し前記セラミックス基板に接合された第 2の部分 とを有し、前記第 2の部分は、 0. 5mm以上の幅を有する。

[0013] ある好適な実施形態にぉヽて、前記保護層の熱膨張係数は、前記セラミックス基板 の熱膨張係数よりも小さぐ且つ、前記セラミックス基板の熱膨張係数の 91%以上で ある。

[0014] ある好適な実施形態において、前記ガス検出層は、セラミックス材料カゝら形成され ている。

[0015] ある好適な実施形態にお!、て、本発明によるガスセンサは、前記ガス検出層に接 触するように設けられた一対の電極を備える。

[0016] ある好適な実施形態において、前記セラミックス基板の厚さは 1. Omm以下である。

[0017] ある好適な実施形態にぉ、て、本発明によるガスセンサは、前記セラミックス基板に 対して前記ガス検出層とは反対側に設けられたヒータをさらに備える。

[0018] ある好適な実施形態において、前記所定のガスは酸素である。

[0019] 本発明による内燃機関は、上記構成を有するガスセンサを備えており、そのことに よって上記目的が達成される。

[0020] 本発明による輸送機器は、上記構成を有する内燃機関を備えており、そのことによ つて上記目的が達成される。

発明の効果

[0021] 本発明によるガスセンサは、少なくともガス検出層を覆うように設けられた保護層を 備えている。この保護層は、セラミックス材料を含み、且つ、一部がセラミックス基板に 接合されている。本発明によるガスセンサの保護層は、同質の材料 (すなわちセラミツ タス材料)から形成された基板に接合されているため、強固に固定されている。その ため、保護層によって覆われるガス検出層などの部材の剥離が抑制される。また、保 護層がガス検出層を覆っていることにより、ガス検出層の側面に検出対象のガスが直 接入り込むことがないので、検出精度が向上する。

図面の簡単な説明

[0022] [図 1]本発明の好適な実施形態における酸素センサ 10を模式的に示す断面図であ る。

[図 2]本発明の好適な実施形態における酸素センサ 10を模式的に示す分解斜視図 である。

[図 3]本発明の好適な実施形態における酸素センサ 10を模式的に示す上面図であ る。

圆 4]保護層の熱膨張係数をセラミックス基板の熱膨張係数よりもわずかに小さくした ときに保護層の残存率が高くなる理由を説明するための図である。

[図 5]本発明の好適な実施形態における酸素センサ 10を模式的に示す分解斜視図 である。

圆 6]本発明の好適な実施形態における他の酸素センサ 10'を模式的に示す断面図 である。

[図 7]本発明の好適な実施形態における他の酸素センサ 10'を模式的に示す分解斜 視図である。

圆 8] (a)および (b)は、酸素センサ 10を排気管に固定するための構成を模式的に示 す斜視図であり、(a)は保護キャップを外した状態を示し、(b)は保護キャップを付け た状態を示している。

圆 9]酸素センサ 10を排気管に固定するための構成を模式的に示す断面図である。 圆 10]本発明の好適な実施形態における自動二輪車の例を模式的に示す図である

[図 11]図 10に示す自動二輪車におけるエンジンの制御系を模式的に示す図である

[図 12]酸素センサ 10の制御フローの一例を示すフローチャートである。

符号の説明

10 酸素センサ(ガスセンサ)

11 ガス検出層

12 セラミックス基板

13 触媒層

14 基準電極

15 測定電極

16 ヒータ

17 基板

18 保護層

19 検出電極

20 第 1のハウジング

21 第 2のハウジング

23 充填材

25 保護キャップ

100 エンジン

300 自動二輪車

発明を実施するための最良の形態

[0024] 以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の 実施形態に限定されるものではなヽ。

[0025] (第 1の実施形態)

まず、図 1および図 2を参照しながら、本実施形態における酸素センサ 10の構造を 説明する。図 1および図 2は、酸素センサ 10を模式的に示す断面図および分解斜視 図である。

[0026] 酸素センサ 10は、図 1および図 2に示すように、酸素を検出するためのガス検出層 11と、ガス検出層 11を支持するセラミックス基板 12と、ガス検出層 11上に設けられた 触媒層 13とを備えている。セラミックス基板 12のガス検出層 11が設けられる面は、平 坦である。

[0027] ガス検出層 11は、雰囲気ガス中に含まれる酸素の濃度や量を検出する。ガス検出 層 11としては、公知の種々のものを用いることができる。本実施形態におけるガス検 出層 11は、固体電解質層である。固体電解質層の材料としては、具体的には、ジル コニァなどのセラミックス材料が用いられる。

[0028] ガス検出層 11に接触するように、一対の電極 14および 15が設けられている。一方 の電極 14がガス検出層 11とセラミックス基板 12との間に配置されているのに対し、も う一方の電極 15はガス検出層 11と触媒層 13との間に配置されてヽる。これらの電極 14および 15は、典型的には金属材料から形成されている。

[0029] セラミックス基板 12は、アルミナゃ窒化珪素などのセラミックス材料カゝら形成されて いる。本実施形態におけるセラミックス基板 12には、測定基準となるガスが導入され る基準ガス導入孔 12aが形成されている。

[0030] セラミックス基板 12に対してガス検出層 11とは反対側に、ヒータ 16が配置されてい る。ヒータ 16は、セラミックス基板 12とは別の基板 17上に形成されている。基板 17は 、典型的にはセラミックス材料力も形成されている。本実施形態におけるヒータ 16は、 抵抗体に電流を通したときの抵抗損失を利用して加熱を行う抵抗加熱型の加熱素子 である。ヒータ 16は、典型的には、白金やタングステンなどの金属材料力形成され ている。ヒータ 16によってガス検出層 11を昇温させ、ガス検出層 11を速やかに活性 化させることにより、検出精度を速やかに向上させることができる。

[0031] 触媒層 13は、触媒金属と、触媒金属を保持するための担体とを含んでおり、触媒 金属の触媒作用によって、検出すべきガス (ここでは酸素)以外の少なくとも 1種の物 質を分解する。具体的には、ガス検出層 11によるガスの検出に悪影響を及ぼすガス や微粒子 (例えば完全には燃焼しな力つた炭化水素や炭素、窒素酸化物など)を分 解し、そのようなガスや微粒子がガス検出層 11の表面に付着するのを抑制する。触 媒金属としては、例えば白金が用いられる。また、担体として、セラミックス材料が好 適に用いられる。

[0032] 酸素センサ 10は、さらに、積層された電極 14、ガス検出層 11、電極 15および触媒 層 13を覆うように設けられた保護層 18を備えている。保護層 18は、セラミックス材料 を含んでおり、図 1に示すようにその一部 (具体的には端部)がセラミックス基板 12に 接合されている。

[0033] ガス検出層 11のセラミックス基板 12側の表面と、この表面に接触する電極 14とは、 基準ガス導入孔 12a内に導入される測定基準のガス (例えば大気)に接触するように 構成されている。測定基準ガス側に設けられた電極 14を、以下では「基準電極」とも 呼ぶ。一方、ガス検出層 11の触媒層 13側の表面と、この表面に接触する電極 15と は、保護層 18および触媒層 13を介して流入する測定対象のガス (例えば排気ガス) に接触するように構成されている。測定対象ガス側に設けられた電極 15を、以下で は「測定電極」とも呼ぶ。

[0034] 基準電極 14と測定電極 15との間には、それぞれのガス中の酸素分圧に応じた起 電力が発生する。そのため、この起電力を測定することによって、測定対象ガス中に 含まれる酸素を検出することができる。

[0035] 既に述べたように、セラミックス基板 12上には、基準電極 14、ガス検出層 11、測定 電極 15および触媒層 13が積層されている。従って、典型的には、熱伝導率が大きく 異なる金属層とセラミックス層とがセラミックス基板 12上に交互に積層されることにな る。従来の酸素センサでは、このように熱伝導率の大きく異なる部材が積層されてい ると、ヒータによる昇温時に熱伝導率の相違に起因した応力が発生し、部材が剥離し てしまうという問題があった。

[0036] これに対し、本実施形態における酸素センサ 10は、積層されたガス検出層 11など を覆う保護層 18を備えている。この保護層 18は、同質の材料 (すなわちセラミックス 材料)から形成された基板 12に接合されているので、強固に固定されている。そのた め、ガス検出層 11や触媒層 13などの部材の剥離が抑制される。また、保護層 18が ガス検出層 11を覆っていることにより、ガス検出層 11の側面に検出対象のガスが直 接入り込むことがないので、検出精度も向上する。

[0037] 本実施形態における酸素センサ 10は、例えば以下のようにして製造することができ る。

[0038] まず、セラミックス基板 12を用意する。セラミックス基板 12の材料としては、種々の セラミックス材料を用いることができる。ここでは、アルミナの焼結体から形成された厚 さ 0. 7mmのセラミックス基板 12を用いる。

[0039] セラミックス基板 12の厚さに特に制限はないが、本発明は、セラミックス基板 12が 薄い場合に効果が高ぐ具体的には、セラミックス基板 12の厚さが 1. Omm以下の場 合に効果が高い。セラミックス基板 12が薄いと、加熱時に反りが発生しやすぐ昇温 速度が速いため、剥離が発生しやすいからである。セラミックス基板 12上に部材を積 層する以下の工程において、セラミックス基板 12の基準ガス導入孔 12aは、基準ガス 導入孔 12aとほぼ同じ大きさの部材でふさいでおく。

[0040] 次に、セラミックス基板 12の表面上に基準電極 14を形成する。基準電極 14は、金 属材料を用い、例えばスクリーン印刷法により形成することができる。

[0041] 続いて、基準電極 14が形成されたセラミックス基板 12上に、ガス検出層 11を形成 する。ここでは、ジルコユアのスラリーをスクリーン印刷法ゃデイツビング法を用いて塗 布することによってガス検出層 11を形成する。

[0042] 次に、ガス検出層 11上に測定電極 15を形成する。測定電極 15は、基準電極 14と 同様に、金属材料を用い、例えばスクリーン印刷法により形成することができる。

[0043] 続ヽて、触媒層 13を形成する。ここでは、粒径が数 μ mのアルミナと触媒金属であ る白金のスラリーをスクリーン印刷法を用いて塗布することによって触媒層 13を形成 する。

[0044] 次に、積層された基準電極 14、ガス検出層 11、測定電極 15および触媒層 13を覆 うように、保護層 18を形成する。例えば、粒径が 5〜20 /z mのアルミナのスラリーをス クリーン印刷法を用いて塗布することによって保護層 18を形成する。このとき、スクリ ーン印刷法に用いる枠体として、ガス検出層 11や触媒層 13を形成するときのものよ りも若干大きなものを使用することにより、スラリーの一部をセラミックス基板 12に直接 接触させる。

[0045] その後、保護層 18が形成されたセラミックス基板 12を焼成する。例えば、空気 (大 気)雰囲気下、 500°C〜1000°Cで 30分〜 2時間焼成を行う。

[0046] 上述したようにしてセラミックス基板 12上にガス検出層 11などを積層するのとは別 途に、基板 17上にヒータ 16を形成する。ヒータ 16の材料としては、白金やタンダステ ンなどの金属材料を用いることができる。また、非金属材料を用いることもでき、例え ば、酸ィ匕レニウムなどの良導体酸ィ匕物を用いることができる。これらの導電体のぺー ストをスクリーン印刷法を用いて塗布し、その後焼成することにより、ヒータ 16を形成 することができる。ヒータ 16が形成された基板 17をセラミックス基板 12に貼り合わせる ことにより、セラミックス基板 12に対してガス検出層 11とは反対側にヒータ 16が設けら れる。

[0047] このようにして、酸素センサ 10を製造することができる。なお、本実施形態では、セ ラミックス基板 12の材料と保護層 18の材料の両方がアルミナである場合を例示した 力 本発明はこれに限定されるものではない。一般に、セラミックス材料同士は密着 性に優れてヽるので、セラミックス基板 12と保護層 18とがそれぞれセラミックス材料 力も形成されてさえいればよい。ただし、保護層 18をセラミックス基板 12により強固に 固定する観点力もは、セラミックス基板 12と保護層 18とが同じセラミックス材料力も形 成されていることが好ましい。また、ガス検出層 11へ測定対象ガスを支障なく流入さ せる観点からは、保護層 18はセラミックス基板 12よりもポーラスであることが好ましい 。例えば、保護層 18とセラミックス基板 12の両方をアルミナカゝら形成する場合であつ ても、保護層 18の方をセラミックス基板 12よりもポーラスに形成することが好ましい。

[0048] 以下、保護層 18の好ましい構造をさらに説明する。

[0049] 既に述べたように、保護層 18は、その一部がセラミックス基板 12に接合されている 。つまり、保護層 18は、図 3に示す上面図からもわ力るように、ガス検出層 11に重な る部分(「第 1の部分」と呼ぶ。) 18aと、第 1の部分 18aの周隨こ位置しセラミックス基 板 12に接合された部分(「第 2の部分」と呼ぶ。) 18bとを有している。

[0050] セラミックス基板 12に接合された第 2の部分 18bは、保護層 18をセラミックス基板 1 2に対して固定する役割を担っている。そのため、第 2の部分 18bの幅 Wが広いほど 、ガス検出層 11や触媒層 13などの部材の剥離を抑制する効果が高い。第 2の部分 1 8bの幅 W (第 1の部分 18aの外縁に直交する方向に沿った幅)は、具体的には、 0. 5mm以上であることが好ましぐ 1. Omm以上であることがより好ましい。保護層 18を 構成するセラミックス材料の粒径は、多くの場合 50 m以下である。そのため、第 2の 部分 18bの幅 Wを 0. 5mm以上とすることにより、第 2の部分 18bの幅方向に沿って セラミックス材料の粒子を 10粒以上存在させることができ、十分な接合力を確保する ことができる。また、第 2の部分 18bの幅 Wを 1. Omm以上とすることにより、第 2の部 分 18bの幅方向に沿ってセラミックス材料の粒子を 20粒以上存在させることができ、 接合力をいつそう高くすることができる。

[0051] 保護層 18自身の剥離を抑制する観点力もは、保護層 18の熱膨張係数と、セラミツ タス基板 12の熱膨張係数との差が小さいことが好ましぐ保護層 18の熱膨張係数は 、セラミックス基板 12の熱膨張係数の 80%以上 120%以下であることが好ましい。

[0052] ただし、本願発明者が過酷な環境下における保護層 18の剥離に関してより詳細な 検討を重ねた結果、保護層 18の熱膨張係数を、セラミックス基板 12の熱膨張係数よ りも小さぐ且つ、セラミックス基板 12の熱膨張係数の 91%以上とすることにより、保 護層 18の剥離を非常に効果的に抑制できることがわ力つた。

[0053] 以下、表 1および表 2を参照しながら、実際に行ったヒートサイクル試験の結果を説 明する。表 1および表 2に示す実施例 1〜14では、セラミックス基板 12の材料としてァ ルミナ (熱膨張係数は 7. 70 X 10—ソ K)を用いた。また、保護層 18の材料として、ァ ルミナにアルミナよりも熱膨張係数の小さな添加物(具体的にはスピネル、コージエラ イトまたはムライト)を所定の比率で添加したものを用いた。上述した材料を用いて製 造された酸素センサ 10に対してヒートサイクル試験を行い、保護層 18の残存率を測 定した。ヒートサイクル試験では、 20°Cで 1分間保持、 900°Cで 2分間保持、 20°Cで 1分間保持を 1サイクルとした。これは、内燃機関の始動時のヒータ 16による急激な 昇温と被水による急激な降温とを考慮したものである。自動車両、とりわけ自動二輪 車の排気管に酸素センサ 10を取り付けた場合には、酸素センサ 10が被水しやすい ので、ヒータ 16による急激な昇温だけでなぐ被水による急激な降温も考慮すること が好ましい。

[0054] 表 1には、保護層 18におけるアルミナ比率 (質量%)、添加物名、添加物の熱膨張 係数(10— 6Ζκ)、添加物比率 (質量%)および保護層 18の熱膨張係数(10— 6Ζκ)を 示している。また、表 2には、セラミックス基板 12の熱膨張係数に対する保護層 18の 熱膨張係数の比(%)、 10000サイクル後および 50000サイクル後の保護層 18の残 存率(%)を示している。

[0055] [表 1]


[0056] [表 2]

保護層熱膨張係数/ 10000サイクル後 50000サイクル後

実施例 基板熱膨張係数保護層残存率保護層残存率

(%) (%) (%)

1 1 00 1 00 9 6

2 99. 8 1 0 0 98

3 9 9. 6 1 00 1 00

4 9 9. 0 1 00 9 9

5 9 3. 2 1 00 99

6 6 3. 3 92 7 9

7 43. 2 80 64

8 2 5. 9 6 6 42

9 9 8. 4 1 0 0 9 9

1 0 96. 9 1 0 0 1 00

1 1 9 1. 1 1 00 9 9

1 2 8 5. 7 9 3 87

1 3 8 0. 8 90 8 2

14 7 5. 1 9 1 8 3

[0057] まず、表 1からわ力るように、保護層 18にアルミナよりも熱膨張係数が小さい添加物 を含む実施例 2〜14では、保護層 18がアルミナのみ力も形成されて、る実施例 1に 比べて保護層 18の熱膨張係数が小さい。したがって、実施例 2〜14における保護 層 18の熱膨張係数は、セラミックス基板 12の熱膨張係数よりも小さい。これに対し、 実施例 1における保護層 18の熱膨張係数は、セラミックス基板 12の熱膨張係数と同 じである。

[0058] 次に、表 2から、保護層 18の熱膨張係数とセラミックス基板 12の熱膨張係数との差 力 、さいと、保護層 18の残存率が高いという傾向があることがわかる。保護層 18の 熱膨張係数とセラミックス基板 12の熱膨張係数との差が比較的小さい実施例 1〜5 および 9〜: L1では、その差が比較的大きい実施例 6〜8および 12〜14に比べて保 護層 18の残存率が高い。

[0059] ただし、実施例 1と実施例 2〜5および 9〜: L1とを比較すればわ力るように、保護層 18の熱膨張係数をセラミックス基板 12の熱膨張係数と全く同じにするよりも、むしろ わずかに小さくした方が、保護層 18の残存率が高くなる。表 2では、保護層 18の熱 膨張率とセラミックス基板 12の熱膨張率とが全く同じ (つまり前者の後者に対する比 力 SlOO%)である実施例 1では、 50000サイクル後の保護層 18の残存率が 96%であ る。これに対し、保護層 18の熱膨張率がセラミックス基板 12の熱膨張率よりもわずか に小さい (具体的には前者の後者に対する比が 91%以上 100%未満)実施例 2〜5 および 9〜: L1では、 50000サイクル後の保護層 18の残存率は 98〜100%である。

[0060] このように、実施例 1よりも実施例 2〜5および 9〜: L1の方が保護層 18の残存率が 高くなる理由としては、図 4に示すような現象が発生していることが考えられる。まず、 図 4の上側に示すように酸素センサ 10が高温 (例えば 900°C前後)で保持されている 状態を想定する。保護層 18の表面は、セラミックス基板 12の表面に無機バインダの 働き (アンカー効果や化学結合の形成)により接合されている。この状態力ゝら図 4の下 側に示すように酸素センサ 10を低温 (例えば 20°C前後)に急冷すると、セラミックス 基板 12および保護層 18はそれぞれ収縮する。このとき、セラミックス基板 12の熱膨 張係数が保護層 18の熱膨張係数よりもわずかに大きいため、セラミックス基板 12の 方がわずかに大きく収縮し、保護層 18に圧縮応力が発生する。そのため、急冷によ つて保護層 18に小さなクラックが発生したとしても、この圧縮応力によってクラックの 進展が抑制され、その結果、保護層 18の剥離が抑制されるものと考えられる。

[0061] 上述したように、保護層 18の熱膨張係数を、セラミックス基板 12の熱膨張係数と同 じではなぐあえてわずかに小さく(具体的には前者の後者に対する比が 91%以上 1 00%未満となるように)することによって、保護層 18の剥離を効果的に抑制すること ができ、ひ、てはガス検出層 11や触媒層 13などの他の部材の剥離も効果的に抑制 することができる。

[0062] なお、ここまでの説明では、固体電解質層であるガス検出層 11を含み、測定電極 1 5と基準電極 14との間に発生する起電力を利用して検出を行う起電力型の酸素セン サ 10を例示した力本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、排気ガス に接するように設けられた酸化物半導体層の抵抗率の変化を検出することによって 酸素濃度を測定する、抵抗型の酸素センサにも好適に用いられる。抵抗型の酸素セ ンサは、起電力型の酸素センサのように基準極を必要としないので、酸素センサ自体 の構造を簡単にすることができる。

[0063] 図 5に、抵抗型の酸素センサ 10の一例を示す。図 5に示す酸素センサ 10は、酸ィ匕 物半導体から形成されたガス検出層(つまり酸化物半導体層) 11と、酸化物半導体 層 11の抵抗率を検出する検出電極 19とを備えて、る。

[0064] 酸化物半導体層 11は、多孔質構造を有し、雰囲気の酸素分圧に応じて酸素を放 出あるいは吸収する。これにより、酸ィ匕物半導体層 11中の酸素濃度が変化し、酸ィ匕 物半導体層 11の抵抗率が変化するので、この抵抗率の変化を検出電極 19で計測 することにより、酸素濃度を検出することができる。

[0065] 酸ィ匕物半導体層 11の材料としては、例えばチタ-ァ(二酸ィ匕チタン)が用いられる 。また、酸ィ匕セリウムを用いてもよい。酸化セリウムは、耐久性や安定性に優れている

[0066] 検出電極 19は、導電性を有する材料から形成されており、例えば、白金や白金口 ジゥム合金、金などの金属材料から形成されている。検出電極 19は、酸化物半導体 層 11の抵抗率の変化を効率よく計測できるよう、櫛歯状に形成されていることが好ま しい。

[0067] 上述した抵抗型の酸素センサ 10についても、保護層 18を設けることによって、ガス 検出層 11や触媒層 13などの部材の剥離を抑制し得る。

[0068] なお、本実施形態では、触媒層 13をも覆うような保護層 18を設けた構成を説明し た力本発明はこれに限定されるものではない。図 6および図 7に、本実施形態にお ける他の酸素センサ 10'を示す。

[0069] 図 6および図 7に示す酸素センサ 10'は、図 1および図 2に示した酸素センサ 10と は異なり、触媒層 13を覆うような保護層 18を有していない。その代わり、触媒層 13が

、ガス検出層 11を覆い且つその一部 (具体的には端部)がセラミックス基板 12に接 合されるように形成されており、このように形成された触媒層 13が保護層として機能 する。

[0070] 酸素センサ 10'においては、保護層として機能する触媒層 13によってガス検出層 1 1などの剥離が抑制される。また、触媒層 13の一部がセラミックス基板 12に接合され て 、るので、そのことによって触媒層 13自身の剥離も抑制される。

[0071] 上述したように、少なくともガス検出層 11を覆うような保護層を設けることによって、 本発明の効果を得ることができる。なお、図 6および図 7に示した構成では、触媒層 1 3を覆うように別途に保護層を形成する必要がないので、製造コストの低減を図ること ができる。一方、図 1および図 2に示した構成では、触媒層 13を覆うように保護層 18 が形成されているので触媒層 13の剥離を抑制する効果が高ぐまた、被毒物質 (触 媒作用を弱める物質)が保護層 18でトラップされるので触媒層 13を保護することがで きる。

[0072] 次に、図 8 (a)、(b)および図 9を参照しながら、酸素センサ 10を実際に内燃機関の 排気管に取り付けるための構成を説明する。

[0073] 酸素センサ 10は、図 8 (a)および図 9に示すように、その基端部において第 1のハウ ジング 20に保持されている。第 1のハウジング 20は、例えば、セラミック力も形成され たセラミックガイドである。酸素センサ 10は、さらに、第 1のハウジング 20ごと第 2のハ ウジング 21に保持されている。第 2のハウジング 21は、例えば、ステンレスから形成さ れた金属ケースである。第 2のハウジング 21の表面には、ねじが切られており、第 2の ハウジング 21は、このねじに螺合するナット 22によって排気管に固定される。

[0074] 実際の使用に際しては、図 8 (b)に示すように、酸素センサ 10を覆うように保護キヤ ップ 25が設けられる。酸素センサ 10による検出結果は、検出線 24を介して制御装置 に出力される。第 1のハウジング 20内は、充填材 (例えばタルク粉末) 23によって気 密封止がなされている。

[0075] なお、本実施形態では酸素センサを例示したが、本発明は、酸素センサに限定さ れず、種々のガスを検出するためのセンサに用いられる。例えば、水素ガスセンサ、 NOx、炭化水素、有機化合物センサにも好適に用いられる。特に、ヒータを備えたガ スセンサでは、構成部材の剥離が起こりやすいので、本発明を好適に用いることがで きる。

[0076] (第 2の実施形態)

本実施形態では、第 1の実施形態で説明したガスセンサを備え、内燃機関を駆動 源とする車両を説明する。図 10は、本実施形態による自動二輪車の模式図である。 自動二輪車 300は、本体フレーム 301と内燃機関としてのエンジン 100とを備える。 本体フレーム 301の前端にヘッドパイプ 302が設けられている。ヘッドパイプ 302に はフロントフォーク 303が左右方向に揺動可能に設けられている。また、フロントフォ ーク 303の下端に前輪 304が回転可能に支持されて、る。ヘッドパイプ 302の上端 にはハンドル 305が取り付けられている。

[0077] 本体フレーム 301の後端上部から後方に伸びるようにシートレール 306が取り付け られている。本体フレーム 301の上部には燃料タンク 307が設けられ、シートレール 3 06上にメインシート 308aおよびタンデムシート 308bが設けられている。また、本体フ レーム 301の後端に後方へ伸びるリアアーム 309が取り付けられて!/、る。リアアーム 3 09の後端に後輪 310が回転可能に支持されている。

[0078] 本体フレーム 301の中央部にはエンジン 100が保持されている。エンジン 100の前 部にはラジェター 311が取り付けられている。エンジン 100の排気ポートには排気管 312が接続されている。以下において詳細に説明するように、排気管にはエンジン 1 00に近い順に酸素センサ 10、三元系触媒 104および消音器 106が設けられている 。酸素センサ 10には、第 1の実施形態で説明した酸素センサ 10が用いられる。酸素 センサ 10の先端部は排気管 312の排気ガスが通過する通路内に露出しており、酸 素センサ 10は排気ガス中の酸素を検出する。酸素センサ 10には、図 1などに示した ヒータ 16が取り付けられており、エンジン 100の始動時にはヒータ 16によりガス検出 層 11が昇温される(例えば 5秒で 700°Cまで昇温される)ことによって、ガス検出層 11 の検出感度が高められる。

[0079] エンジン 100には、変速機 315が連結されており、変速機 315の出力軸 316は駆 動スプロケット 317に取り付けられて、る。駆動スプロケット 317はチェーン 318を介し て後輪 310の後輪スプロケット 319に連結されて、る。

[0080] 図 11は、エンジン 100の制御系の主要な構成を示している。エンジン 100のシリン ダ 101には吸気弁 110、排気弁 106および点火プラグ 108が設けられている。またェ ンジンを冷却する冷却水の水温を計測する水温センサ 116が設けられて、る。吸気 弁 110は、空気吸入口をもつ吸気管 122に接続されている。吸気管 122にはエアー フローメータ 112、スロットルバルブのスロットルセンサ 114および燃料噴射装置 111 が設けられている。

[0081] エアーフローメータ 112、スロットルセンサ 114、燃料噴射装置 111、水温センサ 11 6、点火プラグ 108および酸素センサ 10は、制御部であるコンピュータ 118に接続さ れてヽる。コンピュータ 118には自動二輪車 300の速度を示す車速信号 120も入力 される。

[0082] 図示しないセルモータによって、ライダーがエンジン 100を始動させると、コンビュ ータ 118はエアーフローメータ 112、スロットルセンサ 114および水温センサ 116から 得られる検出信号および車速信号 120に基づき、最適な燃料量を計算し、計算結果 に基づいて、燃料噴射装置 111へ制御信号を出力する。燃料噴射装置 111から噴 射される燃料は、吸気管 122から供給される空気と混合され、適切なタイミングで開 閉される吸気バルブ 110を介してシリンダ 101へ噴出される。シリンダ 101において 噴出された燃料は燃焼し、排気ガスとなって排気弁 106を介して排気管 312へ導か れる。

[0083] 酸素センサ 10は排気ガス中の酸素を検出し、検出信号をコンピュータ 118へ出力 する。コンピュータ 118は、酸素センサ 10からの信号に基づき、空燃比が理想空燃 比からどの程度ずれているかを判断する。そして、エアーフローメータ 112およびスロ ットルセンサ 114から得られる信号によって定まる空気量に対して、理想空燃比となる ように燃料噴射装置 111から噴出する燃料量を制御する。このように、酸素センサ 10 と、酸素センサ 10に接続されたコンピュータ (制御部) 118とを含む空燃比制御装置 によって、内燃機関の空燃比が適切に制御される。

[0084] 図 12に、酸素センサ 10のヒータ 16の制御フローを示す。エンジン 100が始動され 、メインスィッチがオン状態になる (ステップ S1)と、ヒータ 16への通電が開始される( ステップ S2)。次に、ヒータ 16の温度が検出され (ステップ S3)、ヒータ 16の温度が設 定温度よりも低いか否かが判定される (ステップ S4)。ヒータ 16の温度の検出は、ヒー タ 16の抵抗値が温度に依存して変化することを利用し、ヒータ 16に流れる電流を検 出することによって行うことができる。ヒータ 16の温度が設定温度よりも低い場合には 、引き続いてヒータ 16への通電が行われる(ステップ S2)。一方、ヒータ 16の温度が 設定温度以上である場合には、ヒータ 16への通電を一定時間停止し (ステップ S5)、 再びヒータ 16への通電が開始された (ステップ S 2)後、ヒータ 16の温度の検出が行 われる(ステップ S3)。このような制御フローにより、ヒータ 16の温度が一定に保たれ る。

[0085] 本実施形態の自動二輪車によれば、エンジン始動後速やかに優れた検出精度で 排気ガス中の酸素濃度およびその変化を検出することができる。このため、始動時に

おいても、適切な空燃比で燃料および空気を混合し、最適な条件で燃料を燃焼させ ることができ、排気ガス中の NOxをはじめ規制物質の濃度を低減することができる。 また、燃費の向上をは力ることも可能である。さらに、移動に伴う激しい振動が発生し たとしても酸素センサ 10の構成部材が剥離しないので、長期にわたって好適に空燃 比制御を行うことができる。

[0086] なお、本実施形態では、自動二輪車を例示して説明を行ったが、本発明は四輪自 動車などの他の輸送機器にも好適に用いられる。また、内燃機関はガソリンエンジン に限られず、ディーゼルエンジンであってもよい。

産業上の利用可能性

[0087] 本発明によると、構成部材の剥離が抑制されたガスセンサが提供される。本発明に よるガスセンサは、乗用車、バス、トラック、オートバイ、トラクター、飛行機、モーター ボート、土木車両などの種々の輸送機器用の内燃機関に好適に用いられる。