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1. WO2016111321 - APPAREIL ET PROCÉDÉ DE MOULAGE PAR INJECTION

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明 細 書

発明の名称 射出成形装置及び射出成形方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011  

先行技術文献

特許文献

0012  

発明の概要

0013   0014   0015   0016   0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251   0252   0253   0254   0255   0256   0257   0258   0259   0260   0261   0262   0263   0264   0265   0266   0267   0268  

産業上の利用可能性

0269  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8A   8B   9A   9B   9C   10A   10B   11   12   13   14   15   16   17   18A   18B   19A   19B   20   21A   21B   22   23   24   25   26   27   28   29   30A   30B   30C   31   32  

明 細 書

発明の名称 : 射出成形装置及び射出成形方法

技術分野

[0001]
 本発明は、射出成形装置及び射出成形方法に関する。本発明は、特に、導電性材料を射出成形するための射出成形装置及び射出成形方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、樹脂製の成形品は、射出成形装置によって成形される。一般的に、射出成形装置は、ヒータによる加熱とスクリュの回転によるせん断熱とを利用して、ホッパに供給されたペレット状の熱可塑性樹脂を、流動可能温度する。すなわち、熱可塑性樹脂は、溶融される。射出成形装置は、予め型締めされた金型のキャビティ内にスクリュを前進させ、溶融された樹脂を充填する。充填された溶融樹脂は、スクリュの前進力によって、保圧される。充填された溶融樹脂は、キャビティ内で冷却され、成形品になる。その後、金型が開かれ、成形品は、取り出される。
[0003]
 上述の射出成形装置に関して、金型のゲート部からキャビティの末端部に向かって充填される溶融樹脂は、キャビティ内を移動する。この間、溶融樹脂は、金型のキャビティ形成面に触れた表面部分から冷却される。この結果、樹脂温度は、低下する。このことは、特に、移動する溶融樹脂の先端部での粘度の上昇に帰結する。粘度の上昇の結果、溶融樹脂の流動性は、低下する。したがって、ノズルからキャビティ内に射出される溶融樹脂の射出圧力が不足すると、成形品にウェルドマーク、フローマーク、ひけ、転写不良等の外観不具合が発生するおそれがあった。
[0004]
 近年、バンパー等の大型の樹脂製自動車部品の更なる軽量化や、液晶テレビ等の液晶ディスプレイ用のフレームの大型化及び軽量化等のニーズに応えるため、大型かつ薄肉の成形品を射出成形する技術が求められている。このような大型かつ薄肉の成形品の場合、射出圧力が不足すると、上述の外観不具合に加えて、従来の射出成形装置では、キャビティの末端部まで溶融樹脂が充填されないショートショットが発生するおそれがあった。
[0005]
 ショートショットを防止するために、射出圧力の増加が考えられる。この場合、金型は、射出成形時に射出圧力の大きさに応じた型締圧力で型締めされる必要がある。したがって、高い型締圧力を有する大型の射出成形装置及び射出圧力と型締圧力に耐えうる大型の金型が必要とされる。ショートショットを防止するために、ゲート数を増やす方法や成形品の肉厚を厚くする方法も考えられる。しかしながら、これらの技術は、ウェルドマークの発生する可能性のある箇所が増えたり、材料コストが増加したりするといった様々な課題を有する。
[0006]
 特許文献1は、金型の加熱と冷却を繰り返す所謂ヒートアンドクール成形を開示する。特許文献1によれば、キャビティ内に射出された溶融樹脂は、射出時における金型の加熱によって、間接的に加熱される。溶融樹脂の温度は、低下しにくくなるので、射出圧力の増加、ゲート数の変更や成形品の肉厚の変更は必要とされない。
[0007]
 母材となる絶縁性樹脂への導電性フィラの混合によって、静電塗装に必要な導電性を、樹脂製の成形品に与えるための技術が、近年求められている。加えて、成形品の強度向上のために、樹脂原料に炭素繊維等を混合させた導電性材料を射出成形するための技術も求められている。
[0008]
 特許文献2は、このような技術として、射出成形装置のノズルの流路を流れる導電性の溶融材料に通電することを提案する。溶融材料は、金型のキャビティへ充填される直前に、ジュール熱によって、直接的に発熱される。
[0009]
 特許文献1に開示された射出成形装置に関して、充填される溶融樹脂に比べて熱容量が大きな金型が加熱される。金型の温度が高くなっているので、溶融樹脂の射出及び保圧工程の後の金型の冷却(すなわち、金型内の成形品の冷却)に要する時間が長くなる。したがって、射出工程から成形品の取出工程までの射出成形サイクルが長期化するおそれがある。
[0010]
 特許文献2に開示された技術に関して、ノズルからキャビティ内に射出された溶融樹脂は、上述のように、キャビティ内を移動しながら金型によって冷却されるので、溶融樹脂の流動性の低下によって生じ得る成形品の外観不具合等の課題は、解決されない。
[0011]
 上述の課題は、アルミ等の金属材料を成形型内で射出成形するダイカストマシン等の射出成形装置にも共通する。

先行技術文献

特許文献

[0012]
特許文献1 : 特開2008-055894号公報
特許文献2 : 特開2003-340896号公報

発明の概要

[0013]
 本発明は、射出成形サイクルの過度の長期化を生ずることなく、成形品の外観不具合の発生リスクを低減することに貢献する技術を提供することを課題とする。
[0014]
 本発明の一局面に係る射出成形装置は、導電性材料を流動可能温度に加熱溶融し、キャビティを形成するキャビティ形成面を含む成形型内に射出する加熱射出部を有する。射出成形装置は、電圧を印加する通電部と、前記通電部によって印加される前記電圧を制御する通電制御部を有する制御部と、を備える。前記成形型は、前記キャビティ形成面の少なくとも一部に互いに絶縁された複数の導電部を含む。前記通電部は、前記複数の導電部間に前記電圧を印加する。前記加熱射出部から射出された前記導電性材料が、前記複数の導電部に接触したときに、前記導電性材料は、前記通電制御部の制御下で前記通電部から印加された前記電圧によって通電加熱される。
[0015]
 本発明の他の局面に係る射出成形方法は、導電性材料を、キャビティを形成するキャビティ形成面を有する成形型内で射出成形するために用いられる。射出成形方法は、前記導電性材料を流動加熱温度に加熱溶融する加熱溶融ステップと、前記加熱溶融された導電性材料を前記成形型内に射出する射出ステップと、前記射出された導電性材料が、前記キャビティ形成面の少なくとも一部に互いに絶縁して設けられた複数の導電部に接触したときに通電加熱されるように、前記複数の導電部間に電圧を印加する通電ステップと、を備える。
[0016]
 上述の技術は、射出成形サイクルの過度の長期化を生ずることなく、成形品の外観不具合の発生リスクを低減することに貢献する。
[0017]
 本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 第1実施形態に係る射出成形装置の全体構成を概略的に示す図である。
[図2] 導電性材料の通電加熱を説明する図1の一部拡大断面図である。
[図3] ショット毎の導電部間の漏洩電流の変化を示すグラフである。
[図4] 射出成形サイクルを示すフローチャートである。
[図5] 図4の型間絶縁性チェック工程を示すフローチャートである。
[図6] 図4の通電工程を示すフローチャートである。
[図7] 射出成形装置の動作を示すタイムチャートである。
[図8A] 第2実施形態に係る射出成形装置の金型装置の概略構造を示す断面図である。
[図8B] 第3実施形態に係る射出成形装置の金型装置の概略構造を示す断面図である。
[図9A] 第4実施形態に係る射出成形装置の金型装置の概略構造を示す断面図である。
[図9B] 第5実施形態に係る射出成形装置の金型装置の概略構造を示す断面図である。
[図9C] 第6実施形態に係る射出成形装置の金型装置の概略構造を示す断面図である。
[図10A] 第7実施形態に係る射出成形装置の金型装置の概略構造を示す断面図である。
[図10B] 第8実施形態に係る射出成形装置の金型装置の概略構造を示す断面図である。
[図11] 金型装置の形状特性を示す断面図である(第9実施形態)。
[図12] 射出成形装置の動作を示すタイムチャートである(第10実施形態)。
[図13] 射出成形サイクルを示すフローチャートである(第11実施形態)。
[図14] 図13の通電工程を示すフローチャートである。
[図15] 図13の保圧工程を示すフローチャートである。
[図16] 図13の冷却・可塑化工程を示すフローチャートである。
[図17] 射出成形装置の動作を示すタイムチャートである。
[図18A] 型内抵抗値と樹脂温度との関係を示すグラフである。
[図18B] 射出工程、保圧工程及び冷却工程における型内抵抗値の変化を表すグラフである。
[図19A] 樹脂温度と通電電圧との関係を示すグラフである。
[図19B] 射出工程、保圧工程及び冷却工程における樹脂温度の変化を表すグラフである。
[図20] 導電性材料のPVT特性を示すPVT線図である。
[図21A] 型内抵抗値と保圧力の関係を示すグラフである。
[図21B] 射出工程、保圧工程及び冷却工程における比容積の変化を表すグラフである。
[図22] 射出工程、保圧工程及び冷却工程における樹脂温度の変化を表すグラフである。
[図23] 射出成形サイクルを示すフローチャートである(第12実施形態)。
[図24] 図23の射出工程を示すフローチャートである。
[図25] 図23の通電工程を示すフローチャートである。
[図26] 図23の保圧工程を示すフローチャートである。
[図27] 図23の冷却工程を示すフローチャートである。
[図28] 体積抵抗率と樹脂温度との関係を示すグラフである。
[図29] 体積抵抗率と通電電圧との関係を示すグラフである。
[図30A] 導電性材料の体積抵抗率のロット間のばらつきを示すグラフである。
[図30B] 導電性材料の体積抵抗率のロット間のばらつきを示すグラフである。
[図30C] 導電性材料の体積抵抗率のロット間のばらつきを示すグラフである。
[図31] 導電性材料の体積抵抗率のショット間のばらつきを示すグラフである。
[図32] 保圧力と体積抵抗率の関係を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0019]
 <第1実施形態>
 第1実施形態に係る例示的な射出成形装置1が、図1~図7を参照して説明される。
[0020]
 図1に示されるように、射出成形装置1は、加熱射出装置2と、加熱射出装置2と対向して配設された型締装置3と、を有する。加熱射出装置2及び型締装置3は、基台フレーム(図示せず)上に配置される。
[0021]
 加熱射出装置2は、射出シリンダ21を備える。ホッパ22は、射出シリンダ21の上部に取り付けられる。ホッパ22は、成形品の原料となるペレット状の熱可塑性樹脂を射出シリンダ21内に供給するために用いられる。射出シリンダ21の周りに巻かれたバンドヒータ23は、熱可塑性樹脂を流動可能温度に昇温する。この結果、熱可塑性樹脂は、加熱溶融される。スクリュ24は、回転可能かつ進退可能に射出シリンダ21内に配設されている。本実施形態において、加熱射出部は、加熱射出装置2によって例示される。
[0022]
 射出用シリンダ装置25は、スクリュ24の後方(図1の左方)に配設される。射出用シリンダ装置25は、スクリュ24を前進、後退させる駆動源として用いられる。射出用シリンダ装置25内の射出用ピストン25aは、管路(図示せず)を介して供給された作動油によって、前進または後退される。
[0023]
 スクリュ24の後端は、射出用ピストン25aに接続される。射出用ピストン25aが、射出用シリンダ装置25内を前進または後退すると、スクリュ24は、射出シリンダ21内で前進または後退される。位置検出器(図示せず)は、射出用ピストン25aに接続される。スクリュ24のスクリュ位置は、位置検出器によって検出される。
[0024]
 計量モータ26は、射出用シリンダ装置25の後方に配設される。計量モータ26は、スクリュ24を回転させる駆動源として用いられる。加熱射出装置2を構成する射出シリンダ21、スクリュ24、射出用シリンダ装置25及び計量モータ26は、同一軸上に配設される。
[0025]
 金型装置4は、型締装置3に取り付けられる。金型装置4は、可動金型41と固定金型42とを有する。可動金型41及び固定金型42は、型閉め時に互いに対接する型合わせ面をそれぞれ有する。型締装置3は、可動金型41が取り付けられる可動側取付板31と、固定金型42が取り付けられる固定側取付板32と、可動側取付板31を前進、後退させる駆動源としての型締用シリンダ装置33と、を有する。固定側取付板32及び型締用シリンダ装置33は、タイバー(図示せず)によって連結される。可動側取付板31は、タイバーに沿って前進または後退することができる。本実施形態において、成形型は、可動金型41と固定金型42とによって例示される。第1型は、可動金型41及び固定金型42のうち一方によって例示される。第2型は、可動金型41及び固定金型42のうち他方によって例示される。第1型合わせ面は、可動金型41及び固定金型42のうち一方の型合わせ面によって例示される。第2型合わせ面は、可動金型41及び固定金型42のうち他方の型合わせ面によって例示される。
[0026]
 直線的に移動可能な型締用ピストン33aは、型締用シリンダ装置33内に配設される。型締用ピストン33aは、管路を介して型締用シリンダ装置33内に供給される作動油によって、型締用シリンダ装置33内を前進または後退させられる。可動側取付板31は、型締用ピストン33aの前端(図1の左端)に接続される。型締用ピストン33aが、型締用シリンダ装置33内を前進または後退すると、可動金型41は、可動側取付板31と共に前進または後退させられる。したがって、型締用ピストン33aが、前進(図1の左方)すると、可動金型41は、可動側取付板31と共に前進し、型閉及び型締が行われる。型締用ピストン33aが、後退(図1の右方に移動)すると、可動金型41は、可動側取付板31と共に後退し、型開が行われる。
[0027]
 エジェクタ装置(図示せず)は、可動側取付板31の背面(図1の右面)に配設される。金型装置4が型開きした際、成形品は、エジェクタ装置の駆動下で、キャビティC内から押し出される。この結果、成形品は、金型装置4から取り出される。図1は、直動方式の型締装置3を示す。しかしながら、型締装置3は、型締用シリンダ装置33と可動側取付板31の間に配置されたトグル機構を有するトグル方式であってもよい。
[0028]
 金型装置4が、可動金型41と固定金型42間を閉じると、金型装置4の内部にキャビティCが形成される。冷却水等の冷却液を流すための流路Fは、可動金型41及び固定金型42それぞれの内部に形成される。
[0029]
 射出成形装置1は、金型装置4を冷却するための冷却装置5を有する。冷却装置5は、冷却ポンプ51を有する。冷却ポンプ51は、冷却液の供給配管52と排出配管53を介して可動金型41及び固定金型42のそれぞれに接続される。冷却液の流れを遮断する遮断弁54は、供給配管52及び排出配管53それぞれに設けられる。冷却装置5の冷却ポンプ51が、全ての遮断弁54が開かれた状態で駆動されると、冷却液は、可動金型41及び固定金型42の各流路Fに環流される。この結果、可動金型41及び固定金型42は、冷却される。可動金型41と固定金型42を個別に冷却するために個別の冷却ポンプ51が設けられてもよい。本実施形態において、冷却部は、冷却装置5によって例示される。
[0030]
 冷却液は、絶縁性液体であってもよい。日本工業規格(JIS C 2320)に規格が示された電気絶縁油、フッ素系不活性液体等は、絶縁性液体として用いられてもよい。絶縁性液体は、絶縁性液体の冷却性能、使用温度(金型装置4の最高温度)、所望の耐圧性能(通電装置61による最大印加電圧)等に基づいて選定されてもよい。適切な絶縁性液体が選定されるならば、通電加熱時に冷却液を介した冷却ポンプ51への漏電のリスクは非常に小さくなる。
[0031]
 射出成形装置1の特徴的な構造が説明される。
[0032]
 図1に示されるように、可動金型41及び固定金型42は、入れ子式の構造を有する。可動金型41は、型外形部43と、型外形部43の内部に絶縁部材45を介して設けられた導電部47と、を有する。同様に、固定金型42は、型外形部44と、型外形部44の内部に絶縁部材46を介して設けられた導電部48と、を有する。絶縁部材45,46は、導電部47,48を可動金型41及び固定金型42の外表面に対して電気的に絶縁する。可動金型41は、キャビティ形成面411を含む。固定金型42は、キャビティ形成面421を含む。キャビティ形成面411は、キャビティ形成面421と協働してキャビティCを形成する。導電部47、48は、可動金型41及び固定金型42のキャビティ形成面411,421に設けられる。本実施形態において、第1絶縁部材は、絶縁部材45,46によって例示される。
[0033]
 絶縁部材46は、例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、石英、酸化チタン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアミドイミド等から選ばれる少なくとも1種である。絶縁部材46は、型外形部42、43と導電部47、48との間に、例えば、塗布、溶射、スプレー、転写、嵌め込み、インモールド成形、貼り合せ等の方法によって設けられてもよい。絶縁部材46は、金属部材の表面に設けられた絶縁層であってもよい。絶縁層は、上述の樹脂やセラミックスから形成されてもよい。絶縁部材46は、所望の耐圧性能(通電装置61による最大印加電圧)、使用温度(金型装置4の最高温度)等に基づいて選定されてもよい。
[0034]
 導電部47、48は、導電性が良い点で金属材料であることが好ましい。例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、チタン、ステンレスまたはこれらの合金等が、金属材料として用いられてもよい。導電部47,48は、1つの金属からなる単層構造体であってもよいし、複数の異種金属を重ねて構成された多層構造体であってもよい。
[0035]
 可動金型41の型合わせ面には、導電部47、48間を電気的に絶縁する絶縁部材49が設けられる。絶縁部材49は、可動金型41の型合わせ面のうち一部(導電部47によって構成された部分)を覆うように層状に形成される。絶縁部材49は、可動金型41の型合わせ面及び固定金型42の型合わせ面42aの少なくともいずれか一方に設けられていればよい。本実施形態において、第2絶縁部材は、絶縁部材49によって例示される。
[0036]
 射出成形装置1は、金型装置4の導電部47、48間に電圧を印加するための通電装置61を備える。本実施形態において、通電装置61は、定電圧を印加可能な直流電源である。代替的に、通電装置61は、交流電源であってもよい。本実施形態において、通電部は、通電装置61によって例示される。
[0037]
 抵抗センサ62は、加熱射出装置2に設けられる。抵抗センサ62は、射出シリンダ21内でバンドヒータ23によって溶融された導電性材料Pの電気抵抗値を検知する。抵抗センサ62から出力されるセンサ信号は、通電制御部140(後述される)に入力される。
[0038]
 型内抵抗値センサ63は、金型装置4の導電部47、48に接続される。型内抵抗値センサ63は、導電部47、48間の電気抵抗値を検知する。本実施形態において、電流センサが、型内抵抗値センサ63として用いられる。電流センサは、キャビティC内に導電性材料Pが充填される前に金型装置4の導電部48から導電部47に絶縁層29を介して流れる漏洩電流を検出することができる。本実施形態において、測定部は、型内抵抗値センサ63によって例示される。パラメータ値は、型内抵抗値センサ63によって検知される電気抵抗値によって例示される。代替的に、パラメータ値は、導電部47、48間の電気抵抗値の算出に寄与する他の量であってもよい。
[0039]
 制御ユニット100は、射出制御部110と、型締制御部120と、冷却制御部130と、通電制御部140と、を有する。射出制御部110は、加熱射出装置2のバンドヒータ23、射出用シリンダ装置25及び計量モータ26を制御する。したがって、導電性材料Pの加熱及び射出は、射出制御部110によって主に制御される。型締制御部120は、型締装置3の型締用シリンダ装置33を制御する。冷却制御部130は、冷却装置5の冷却ポンプ51及び各遮断弁54を制御する。通電制御部140は、通電装置61によって印加される電圧を制御する。本実施形態において、通電制御部140は、通電装置61が出力する所定の電圧をオン/オフ制御する。代替的に、通電制御部140は、通電装置61が出力する電圧値を制御してもよい。本実施形態において、制御部は、制御ユニット100によって例示される。
[0040]
 射出成形の原料となる導電性材料Pは、絶縁性の熱可塑性樹脂の母材に導電性充填剤を所望の特性に応じて混合したものである。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスルフェンサルファイド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ABS、ASA及びポリカーボネイト等から選ばれる少なくとも1種である。導電性充填剤は、例えば、金属繊維、金属粉末、金属フレーク等の金属系導電剤や、例えば、炭素繊維、炭素複合繊維、カーボンブラック、黒鉛等の炭素系導電剤等から選ばれる少なくとも1種である。導電性材料Pは、金属材料自体であってもよい。金属材料は、例えば、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の非鉄金属とその合金から選ばれる少なくとも1種である。
[0041]
 導電性材料Pの通電加熱の原理が、図1及び図2を参照して説明される。図2等において、符号PLは、金型装置4の可動金型41及び固定金型42の型合わせ面同士が対接したパーティングラインを示している。
[0042]
 射出シリンダ21(図1を参照)の先端のノズル(図示せず)から金型装置4のスプールS(図1を参照)を介してキャビティC内に射出充填された導電性材料Pは、キャビティC内を移動し(図2で上方に)、キャビティCの末端部に向かう(図2を参照)。導電性材料Pは、可動金型41及び固定金型42のキャビティ形成面411,421に触れた表面部分から冷却される。導電部48が、導電部47よりも高電位となるように、電圧が、導電部47、48間に印加されると、電流は、導電性材料Pに流れる。電流は、キャビティCの厚み方向において導電部48側から導電部47側(図2の右方、波形の矢印を参照)に向かう。この通電は、導電性材料P自身が有する電気抵抗によるジュール熱を生じさせる。したがって、導電性材料Pは、通電加熱される。この結果、導電性材料Pは、樹脂温度を保ちながら(すなわち、移動する導電性材料Pの先端部での高粘度化による流動性の低下が抑制された状態で)、キャビティCの末端部まで充填される。
[0043]
 このとき、導電部47、48は、型合わせ面では絶縁部材49によって互いに絶縁されているので、電流は、導電部48から導電部47に直接的に流れることはない。
[0044]
 導電部47、48間の絶縁部材49における漏洩電流が、図3を参照して説明される。
[0045]
 上述のように、電圧は、導電性材料Pを通電加熱するために導電部47、48に印加される。絶縁部材49は、導電部47、48間の絶縁のために用いられる。射出成形装置1のショット数が増すにしたがって、例えば、摩耗、使用温度、使用圧力、通電電圧、紫外線等によって、絶縁部材49の経年劣化が進行する。この結果、絶縁部材49の絶縁性能は、徐々に低下する。図3は、通電加熱時に絶縁部材49を介して導電部47、48間を流れる漏洩電流を示す。図3に示される如く、漏洩電流のピーク値は、絶縁性能の低下に伴って、徐々に大きくなる。
[0046]
 絶縁部材49の絶縁性能は、例えば、打痕、擦り傷、変形、過熱、過圧力、過電圧等の突発的な事象によって、急激に低減されることもある。突発的な事象に起因する絶縁性能の急激な低下を予測することは難しい。したがって、絶縁部材49の絶縁性能を監視するには、ショット毎に絶縁部材49の漏洩電流の電流ピーク値が測定されることが望ましい。
[0047]
 通電制御部140(後述される)は、メモリ等を内蔵する。絶縁部材49の絶縁状態を判定するための閾値として予め設定された正常値I1、警告値I2、危険値I3は、通電制御部140のメモリ等に記憶される。新品の金型装置4の絶縁部材49の漏洩電流の電流ピーク値が正常値I1として設定される。あるショット数において、測定された漏洩電流の電流ピーク値が、正常値I1より大きく、且つ、警告値I2以下である場合、射出成形装置1による成形品の生産は、続行可能であると判定される。電流ピーク値が、警告値I2より大きく、且つ、危険値I3以下である場合、射出成形装置1の操作者に対して警告を行う必要があると判定される。電流ピーク値が、危険値I3以上である場合、生産が停止されるべきと判定される。
[0048]
 制御ユニット100によって制御される射出成形装置1の制御動作の流れが、図4~図6のフローチャートと、図7のタイムチャートと、を参照して説明される。図7のタイムチャートは、射出成形装置1の制御動作の間のスクリュ位置、射出圧力、通電ON/OFF、冷却ポンプ51のON/OFFの変化を示す。
[0049]
 時刻t0において、型締用シリンダ装置33は、型締制御部120から出力された型締信号に基づいて駆動される。この結果、可動金型41は、固定金型42に向かって移動する。可動金型41の移動の結果、金型装置4は、型閉され、更に所定の型締圧力で型締される(ステップS1)。このときの型締圧力は、射出時に金型装置4が開かない程度の高い圧力に設定されている。冷却制御部130は、型締信号に基づいて、冷却ポンプ51の駆動を停止する(ONからOFFに切り替える)。
[0050]
 金型装置4の型間絶縁性チェック(後述される)が実行される(ステップS2)。
[0051]
 時刻t1において、射出制御部110は、射出信号を、加熱射出装置2の射出用シリンダ装置25へ出力する。射出用シリンダ装置25は、予め設定された射出速度で、スクリュ24を前進(図1の右方へ移動)させる。この結果、金型装置4のキャビティC内への溶融した導電性材料Pの射出充填は、開始される(ステップS3)。
[0052]
 時刻t1において、通電制御部140は、射出信号に基づいて、通電装置61を制御する。通電装置61は、通電制御部140の制御下で、導電部47、48間に所定の電圧を印加する。この結果、キャビティC内に充填され、導電部47,48に接触した導電性材料Pは、通電加熱される(ステップS4)。
[0053]
 スクリュ24が、その後、スクリュ位置A1まで前進すると、導電性材料Pは、キャビティC内に完全充填される。スクリュ24は、図7に示される時刻t2において、スクリュ位置A1まで前進している。時刻t2において、射出制御部110は、保圧信号を出力する。加熱射出装置2は、保圧信号に基づいて制御される。この結果、射出充填時の最大圧力P1よりも低い保圧力P2は、金型装置4に充填した導電性材料Pに、予め設定した保圧時間が経過するまで付与される(ステップS5)。
[0054]
 保圧時間の経過後の時刻t3において、スクリュ24は、スクリュ位置A2まで前進する。成形品は、時刻t3から予め設定された冷却時間だけ冷却される。同時に、加熱射出装置2は、次のショットのために、バンドヒータ23を用いて、導電性材料Pを流動可能温度に昇温する。この結果、導電性材料Pは、加熱溶融される。計量モータ26は、スクリュ24を回転する。この結果、スクリュ24は、所定の位置まで後退する。このとき、ホッパ22から供給された原料は、射出シリンダ21内において加熱溶融される。ホッパ22からの供給原料は、スクリュ24の後退に伴って、スクリュ24の前方に貯留される(ステップS6)。
[0055]
 冷却時間が経過した時刻t4において、型締制御部120は、型締装置3を制御し、型締用シリンダ装置33の型締用ピストン33aを後退させる。この結果、金型装置4は、型開きを行う(ステップS7)。
[0056]
 エジェクタ装置は、その後、成形品を金型装置4のキャビティC内から突き出す。この結果、成形品は、取り出される(ステップS8)。
[0057]
 最後に、制御ユニット100は、成形が終了したか否かを判定する。制御ユニット100が、成形が終了したと判定すると、射出成形サイクルは、終了する(ステップS9)。
[0058]
 ステップS2のサブルーチンである型間絶縁性チェック工程が、図5を参照して説明される。
[0059]
 上述の如く、型内抵抗値センサ63は、導電部47、48間を流れる漏洩電流を測定する。通電制御部140は、漏洩電流のピーク値に基づいて、ピーク値が予め設定された危険値I3より小さいか否かを判定する(ステップS11)。
[0060]
 ピーク値が、危険値I3以上であると判定されると(ステップS11でNO)、射出成形装置1による成形品の生産は、停止される(ステップS12)。射出成形装置1を操作する操作者は、生産停止後、新品の金型装置4に交換し、生産を再開してもよい。
[0061]
 ピーク値が、危険値I3より小さいと判定されると(ステップS11でYES)、通電制御部140は、ピーク値が、予め設定された警告値I2より小さいか否かを判定する(ステップS13)。
[0062]
 ピーク値が警告値I2以上であると判定されると(ステップS13でNO)、通電制御部140は、例えば、射出成形装置1に設けられたブザー(図示せず)からアラーム音を発したり、警告灯(図示しない)を点灯、点滅させたりしてもよい。この結果、射出成形装置1の操作者は、警告を受けることができる(ステップS14)。その後、制御フローは、図4のメインルーチンに戻る。
[0063]
 ピーク値が、警告値I2より小さいと判定されると(ステップS13でYES)、制御フローは、図4のメインルーチンに戻る。
[0064]
 可動金型41と固定金型42の間の絶縁性は、上述のサブルーチンによって、チェックされる。
[0065]
 ステップS4のサブルーチンである通電工程が、図6を参照して説明される。
[0066]
 通電制御部140は、射出制御部110から加熱充填装置2に対して出力される射出信号がONか否かを判定する(ステップS21)。
[0067]
 通電制御部140が、射出信号がONであると判定すると(ステップS21においてYES)、通電装置61は、通電制御部140の制御下で、通電を開始する(ステップS22)。
[0068]
 通電制御部140は、キャビティC内を移動する導電性材料Pの温度の低下に起因する流動性の低下が生じないように、通電装置61から導電部47、48への電圧印加を制御する。本実施形態において、通電装置61は、予め設定された定電圧を、導電部47、48間に印加する。
[0069]
 通電制御部140は、その後、射出制御部110から加熱充填装置2に対して出力される保圧信号がONか否かを判定する(ステップS23)。
[0070]
 通電制御部140が、保圧信号がONであると判定すると(ステップS23においてYES)、通電装置61は、通電を終了する。制御フローは、図4のメインルーチンに戻る(ステップS24)。
[0071]
 通電装置61は、上述のサブルーチンによって、射出制御部110から出力される制御信号が示す導電性材料Pの射出状態に基づいて制御される。
[0072]
 <第2実施形態>
 第2実施形態の射出成形装置1の金型装置4の構造が、図8A~図10を参照して説明される。第1実施形態の説明は、第1実施形態と共通する構成に援用される。
[0073]
 図8Aに示されるように、第2実施形態の射出成形装置1の金型装置4は、絶縁部材49を有する。絶縁部材49は、可動金型41及び固定金型42をそれぞれ構成する導電部47、48間に配置される。一方、金型装置4の外表面を導電部47、48に対して絶縁するための絶縁部材は、導電部47、48の外側には、設けられていない。したがって、金型装置4の外表面は、導電部47、48に対して電気的に絶縁されていない。
[0074]
 操作者の感電が、他の適切な方法で防止されるならば、金型装置4の外表面を導電部47、48に対して絶縁するための絶縁部材を有さない第2実施形態の金型装置4は、好適に利用可能である。代替的に、操作者の感電のリスクが考慮されなくてもよい場合(たとえば、射出成形装置1による製造の全自動化等)、第2実施形態の金型装置4は、好適に利用可能である。
[0075]
 第2実施形態の原理によれば、金型装置4は、複雑な入れ子構造を有さなくてもよい。したがって、金型装置4は、簡易に、且つ、低コストで製造される。
[0076]
 <第3実施形態>
 図8Bは、第3実施形態の射出成形装置1に係る金型装置4を示す。導電性材料Pは、金型装置4の可動金型41及び固定金型42の間に所定の隙間Gが空いた状態で射出成形される。第3実施形態の射出成形装置1を用いて成形された成形品は、キャビティC内に充填された導電性材料Pが、キャビティCの外側の隙間Gにまではみ出した状態で冷却及び成形される。隙間Gが、可動金型41と固定金型42との間に空いているので、金型装置4を設計する設計者は、可動金型41及び固定金型42をそれぞれ構成する導電部47、48間を互いに電気的に絶縁する絶縁部材を、導電部47、48間に配置しなくてもよい。第2実施形態と同様に、金型装置4の外表面を導電部47、48に対して絶縁するための絶縁部材は、導電部47、48の外側に設けられていない。
[0077]
 成形品の隙間Gにまではみ出した不定形の外周縁部が、別工程で所望の形状に切断されるならば、第3実施形態の金型装置4は、好適に利用可能である。代替的に、不定形の外周縁部を有する成形品自体が、製品として使用可能であるならば、第3実施形態の金型装置4は、好適に利用可能である。
[0078]
 第3実施形態の原理によれば、絶縁部材は、金型装置4の導電部47、48間に配置されなくてもよい。したがって、金型装置4は、簡易に、且つ、低コストで製造される。
[0079]
 <第4実施形態>
 金型装置4の絶縁部材45、46の形成方法が、図9Aを参照して説明される。
[0080]
 図9Aは、第4実施形態の射出成形装置1に係る金型装置4を示す。導電部47、48のキャビティ形成面411,421以外の金型装置4の外周面は、比較的厚い絶縁部材45、46で外装される。絶縁層49は、導電部47、48間を絶縁する。例えば、導電部47、48は、所定の型内にセットされる。絶縁部材45、46は、その後、型内に充填及び固化されたセラミックス、セメント等の絶縁材料によって形成される。
[0081]
 第4実施形態の原理によれば、設計者は、絶縁部材45、46に、比較的大きな厚さ寸法を与えることができる。導電部47、48に対する金型装置4の外表面の絶縁性は、向上されるので、操作者は、導電部47、48間での高電圧の印加の下でも、安全に作業することができる。
[0082]
 <第5実施形態>
 図9Bは、第5実施形態の射出成形装置1の金型装置4を示す。比較的薄い絶縁層45、46は、導電部47、48のキャビティ形成面411,421以外の外周面に設けられる。絶縁層49は、導電部47、48間を絶縁する。
[0083]
 第5実施形態の絶縁層45、46は、導電部47、48の外表面に付着された樹脂やセラミックス等の絶縁材料によって形成される。絶縁材料は、塗布、溶射、スプレー等といった様々な方法によって、導電部47、48の外表面に付着されてもよい。
[0084]
 第5実施形態の原理によれば、絶縁層45、46は、比較的簡易に、且つ、低コストで形成される。
[0085]
 <第6実施形態>
 図9Cは、第6実施形態の射出成形装置1の金型装置4を示す。絶縁部材45,46,49は、導電部47、48の外周面及び導電部47、48間に部分的に設けられている。
[0086]
 第6実施形態の絶縁層45、46は、導電部47、48の外表面に部分的に貼り付けられた絶縁部材によって形成される。絶縁部材は、テープ状または薄板状の樹脂やセラミックス等であってもよい。
[0087]
 第6実施形態の原理によれば、絶縁層45、46は、比較的簡易に、且つ、低コストで形成される。
[0088]
 <第7実施形態>
 導電性材料Pへの局所的な通電が、図10Aを参照して説明される。
[0089]
 図10Aは、第7実施形態の射出成形装置1の金型装置4を示す。可動金型41は、センタコア部43と、スライドコア部47a,47bと、を有する。センタコア部43は、型外形部を構成する。スライドコア部47a,47bは、センタコア部43に対して上下方向に相対的に摺動可能である。固定金型42自体は、導電部48で構成されている。絶縁層49は、スライドコア部47a,47bの導電部48と対接する面に設けられる。スライドコア部47a,47bとセンタコア部43との間を絶縁するための絶縁層は、スライドコア部47a,47bとセンタコア部43の互いに対接する面のいずれか一方または両方に設けられてもよい。
[0090]
 第7実施形態の原理によれば、キャビティC内に充填された導電性材料Pの一部は、導電部47aと導電部48との間及び導電部47bと導電部48との間に挟まれる。電圧が、導電部47a、47bと導電部48との間に印加されると、局所的な通電が、導電部47aと導電部48との間及び導電部47bと導電部48との間に挟まれた一部の導電性材料Pに生ずる。
[0091]
 したがって、スライドコア部47a,47bとセンタコア部43の間のキャビティCの厚さが薄く、導電性材料Pを充填されにくい場合にも、局所的な通電の結果、成形性は、改善される。
[0092]
 <第8実施形態>
 図10Bは、第8実施形態の射出成形装置1の金型装置4を示す。可動金型41は、導電部47a,47b、47cと、型外形部43と、を有する。型外形部43は、導電部47a,47b、47cを、絶縁部材45を介して外装する。導電部は、固定金型42には設けられない。絶縁部材49は、可動金型41と対接する面に設けられ、スクリュ側への漏電を防止する。絶縁部材46は、スプールSの周りに設けられる。
[0093]
 第8実施形態の原理によれば、電流は、導電性材料Pに対して充填方向に流れることができる。この結果、通電は、比較的小さな導電部47a,47b、47cで生ずる。導電部47は、導電性材料Pが充填されにくい部分の両端に設けられるので、導電性材料Pが充填されにくい部分の両端での局所的な通電の結果、成形性は、改善される。
[0094]
 <第9実施形態>
 金型装置4のスクリュ側への漏電防止構造が、図11を参照して説明される。図11は、直線状のスプールSを有するダイレクトゲート方式の金型装置4を示す。
[0095]
 図11に示される金型装置4は、可動金型41と固定金型42とを有する。可動金型41及び固定金型42は、型閉め時に互いに対接する型合わせ面をそれぞれ有する。導電部47、48は、可動金型41及び固定金型42のキャビティ形成面411,421にそれぞれ設けられる。通電加熱時にスクリュ側への漏電を防止するには、金型装置4のスプールSのスプール長L は、導電部47、48間の最大距離であるキャビティCのキャビティ最大厚さL よりも大きいことが望ましい。
[0096]
 導電性材料Pが、キャビティC内に充填されるとき、導電性材料Pは、固定金型42のスプールSを形成する流路を流れる。このとき、電圧が、導電部47、48間に印加されると、導電性材料P中で、スプールSを形成する流路に沿って流れる電流に対する抵抗値は、キャビティC内に充填された導電性材料P中で、キャビティの厚さ方向に流れる電流に対する抵抗値よりも大きくなる。したがって、導電部47、48間に電圧を印加した際に、電流は、キャビティC内に充填された導電性材料Pのみに流れる。したがって、スプールSを形成する流路を流れる導電性材料Pを介したスクリュ側への漏電は、生じにくくなる。
[0097]
 スプールSは、例えば、らせん状等の非直線形状であってもよい。非直線形状のスプールSは、スプール長において、直線状のスプールSよりも長い。
[0098]
 <第10実施形態>
 上述の実施形態の原理によれば、成形型のキャビティ内に充填された溶融材料自体が通電加熱される。しかしながら、溶融材料を通電加熱する時間が必要以上に長くなると、その後の成形品の冷却時間も長くなる。このことは、射出成形サイクルの効率の低下を意味する。第10実施形態において、射出成形サイクルの効率を改善するための技術が説明される。
[0099]
 図12は、射出成形装置1の動作を表すタイムチャートである。図1、図7及び図12を参照して、射出成形装置1の動作が説明される。
[0100]
 図12に示されるタイムチャートは、通電処理及び冷却ポンプ51の動作においてのみ、図7のタイムチャートとは相違する。したがって、図7の説明は、通電処理及び冷却ポンプ51の動作を除いて、本実施形態に援用される。
[0101]
 図7と同様に、図12は、時刻t0,t1,t2,t3,t4を示す。図7の説明は、時刻t0,t1,t2,t3,t4に援用される。図12は、時刻t5を更に示す。時刻t5は、時刻t1と時刻t2との間に設定される。
[0102]
 図7と同様に、図12は、時刻t1において、通電が開始されていることを表す。図7とは異なり、図12は、時刻t2前の時刻t5において、通電が停止されることを示す。すなわち、導電部47,48間の電圧印加は、通電制御部140によって、導電性材料Pが、キャビティ内に完全に充填される前に停止される。
[0103]
 時刻t5において、冷却ポンプ51は、起動される。すなわち、冷却ポンプ51の起動は、通電の開始に略同期する。冷却ポンプ51による冷却は、時刻t5から時刻t4まで継続される。
[0104]
 <第11実施形態>
 上述の実施形態の原理によれば、成形型のキャビティ内に充填された溶融材料自体が通電加熱される。しかしながら、導電性材料の電気抵抗値は、同じ成分であってもロット間でばらつくことがある。導電性材料の電気抵抗値は、同じロットであってもショット間でばらつくことがある。電気抵抗値のばらつきは、例えば、導電性材料への不安定な通電加熱を引き起こすこともある。このことは、ロット間またはショット間で成形品の不安定な品質に帰結する。通電加熱が不十分であるならば、流動性は、大幅に低下することもある。この場合、ショートショット等の成形不良の発生リスクが増大する。通電加熱が過剰であるならば、キャビティ内の溶融材料自体から発生したガスは、成形品に焼け(シルバ)等の外観不具合を引き起こすこともある。加えて、成形品が、その後の冷却工程で十分に冷却されないならば、成形品は、金型装置から取り出されるときに、変形することもある。
[0105]
 一般的な成形工程において、バージン材とランナや不良成形品等を粉砕した再生材との混合材料が、利用されることもある。再生材の利用は、省資源及び材料コストの削減に貢献する。しかしながら、再生材中の不純物は、バージン材よりも、電気抵抗値において大きなばらつきを生じさせやすい。したがって、再生材の利用は、成形品の不安定な品質の一因となり得る。
[0106]
 上述の実施形態に関連して説明された射出成形装置を操作する操作者は、成形品の製造開始前に試し打ちを行い、成形品を製造するための様々な工程条件を設定してもよい。しかしながら、導電性材料の状態が、射出成形中に、設定された工程条件に適合しなくなるほど変化すると、成形品の品質は、悪化することもある。第11実施形態において、品質の安定化に寄与する例示的な技術が説明される。
[0107]
 制御ユニット100によって制御される射出成形装置1の制御動作の流れが、図13~図16のフローチャートと、図17のタイムチャートと、図18A~図22のグラフと、を参照して説明される。図17のタイムチャートは、射出成形装置1の制御動作の間のスクリュ位置、射出圧力、通電ON/OFF、冷却ポンプ51のON/OFFの変化を示す。
[0108]
 図7と同様に、図17は、時刻t0,t1,t2,t3,t4を示す。図7の説明は、時刻t0,t1,t2,t3,t4に援用される。時刻t0において、型締用シリンダ装置33は、型締制御部120から出力された型締信号に基づいて駆動される。この結果、可動金型41は、固定金型42に向かって移動する。可動金型41の移動の結果、金型装置4は、型閉され、更に所定の型締圧力で型締される(ステップS31)。このときの型締圧力は、射出時に金型装置4が開かない程度の高い圧力に設定されている。冷却制御部130は、型締信号に基づいて、冷却ポンプ51の駆動を停止する(ONからOFFに切り替える)。
[0109]
 制御ユニット100は、その後、射出制御部110から加熱射出装置2に対して出力される充填開始信号がONか否かを判定する(ステップS32)。
[0110]
 制御ユニット100が、充填開始信号がONであると判定すると(ステップS32においてYES)、射出制御部110は、時刻t1において、射出信号を、加熱射出装置2の射出用シリンダ装置25へ出力する。射出用シリンダ装置25は、予め設定された射出速度で、スクリュ24を前進(図の右方へ移動)させる。この結果、射出シリンダ21の先端のノズルから金型装置4のスプールSを介してキャビティC内へ溶融した導電性材料Pの射出充填は、開始される(ステップS3)。
[0111]
 通電制御部140は、その後、図14に示されるサブルーチンに従って、通電装置61に通電を開始(ON)させる(ステップS34)。
[0112]
 射出制御部110は、その後の時刻t2において、図15に示されるサブルーチンに従って、加熱射出装置2に保圧を開始(ON)させる(ステップS35)。
[0113]
 冷却制御部130は、その後の時刻t3において、図16に示されるサブルーチンに従って、冷却ポンプ51を用いて、成形品を冷却する。加えて、冷却制御部130は、射出シリンダ21内の原料を可塑化する(ステップS36)。
[0114]
 型締制御部120は、その後の時刻t4において、型締装置3を制御し、型締用シリンダ装置33の型締用ピストン33aを後退させる。すなわち、金型装置4の型開きが実行される(ステップS37)。
[0115]
 エジェクタ装置は、その後、成形品を、金型装置4のキャビティC内から突き出す。この結果、成形品は、取り出される(ステップS38)。
[0116]
 最後に、制御ユニット100は、予め計画された成形が終了したか否かを判定する。制御ユニット100が、成形が終了したと判定すると、射出成形サイクルは、終了する(ステップS39)。制御ユニット100が、成形が終了していないと判定すると、ステップS31が実行される。
[0117]
 ステップS34のサブルーチンである通電工程が、図14を参照して説明される。
[0118]
 型内抵抗値センサ63は、導電部47、48間の型内抵抗値を測定する(ステップS41)。
[0119]
 導電性材料Pが、キャビティC内に充填されていくのに従い、電気は、導電性材料Pを介して導電部47、48間に流れる。したがって、図17の時刻t1~時刻t2の期間に示されるように、導電部47、48間の型内抵抗値は、減少する。
[0120]
 通電制御部140は、その後、測定された型内抵抗値に基づいて、通電装置61が導電部47、48間に印加すべき電圧を設定する(ステップS12)。通電制御部140によって設定される電圧は、キャビティC内を移動する導電性材料Pの温度の低下に起因する流動性の低下が生じないように決定される。
[0121]
 図18Aに示されるように、型内抵抗値は、導電性材料Pの温度に略比例する。樹脂温度が高くなるにつれて、型内抵抗値は、高くなる。
[0122]
 図18Bに示されるように、射出成形サイクルの射出工程では、導電部47、48間での電気の流れを許容する導電性材料Pの充填量が増えるので、型内抵抗値は、R1からR2に急激に低下する。保圧工程では、充填された導電性材料Pの温度が、徐々に低下するので、型内抵抗値は、R2からR3に徐々に低下する。冷却工程では、導電性材料Pが、冷却されるので、型内抵抗値は、R3からR4にさらに低下する。
[0123]
 図19Aに示されるように、型内抵抗値が下がるならば、導電部47、48間の通電電圧は、増加されてもよい。この結果、導電性材料Pに流れる電流は、増加する。導電性材料Pにおいて発生するジュール熱は、増加するので、キャビティC内を移動する導電性材料Pの過度の温度低下は、生じにくくなる。
[0124]
 通電制御部140は、上述の温度維持の原理に従って、射出工程においてキャビティC内を移動する導電性材料Pの温度を、略一定に保つことができる。通電制御部140は、成形型内に導電性材料が射出されていない状態で測定された型内抵抗値R1と、成形型内に導電性材料が射出されている途中、もしくは、射出された後の状態で測定された型内抵抗値Rt(時間t1~t2)と、の間の差分値(R1-Rt)に基づいて、導電部47、48間に印加される通電電圧を設定する。型内抵抗値Rtが、所定の閾値よりも高いならば、通電制御部140は、印加電圧が低減されるように通電装置61を制御する。型内抵抗値Rtが、所定の閾値よりも低いならば、通電制御部140は、印加電圧が増加されるように通電装置61を制御する。
[0125]
 最後に、通電装置61は、設定された通電電圧を、導電部47、48間に印加(ON)する(ステップS43)。その後、制御フローは、図13のメインルーチンに戻る。図19Bに示されるように、射出工程においてキャビティC内を移動する導電性材料Pの温度は、ほぼ一定に保たれる。
[0126]
 上述のサブルーチンによれば、通電工程は、導電部47、48間の型内抵抗値に基づいて制御される。
[0127]
 ステップS35のサブルーチンである保圧工程が、図15を参照して説明される。
[0128]
 通電制御部140は、射出制御部110から加熱充填装置2に対して出力される保圧信号がONか否かを判定する(ステップS51)。
[0129]
 通電制御部140が、保圧信号がONであると判定すると(ステップS51においてYES)、通電装置61の通電は、終了(OFF)する(ステップS52)。
[0130]
 型内抵抗値センサ63は、その後、導電部47、48間の型内抵抗値を測定する(ステップS53)。
[0131]
 導電性材料Pは、圧力・比容積・温度の相互関係として、図20に示されるようなPVT特性を有する。比容積は、圧力と温度の双方に依存する。圧力が一定である条件下では、温度が下がると、比容積は、低くなる。圧力が一定である条件下では、圧力が下がると、比容積は、高くなる。射出成形サイクルの射出工程では、導電性材料Pの温度が、ほぼ一定である一方で、導電性材料Pの圧力は、増加する。保圧工程では、導電性材料Pの温度が下がる一方で、導電性材料Pの比容積は、ほぼ一定に制御される。冷却工程では、導電性材料Pの圧力がほぼ一定である一方で、導電性材料Pの温度は、低下する。
[0132]
 図21Aに示されるように、型内抵抗値が下がるならば、キャビティC内に充填された導電性材料Pの温度も下がる。したがって、導電性材料Pの体積は、収縮する。このとき、保圧力が増大されるならば、キャビティ内に充填された導電性材料Pの比容積は、低下しにくくなる。
[0133]
 射出制御部110は、上述の比容積を維持するための原理に従って、キャビティC内の導電性材料Pの比容積を所定範囲内で略一定にすることができる。射出制御部110は、成形型内に導電性材料が射出されていない状態で測定された型内抵抗値R1と、成形型内に導電性材料が射出された後の状態で測定された型内抵抗値Rt(時間t2~t3)と、の間の差分値(R1-Rt)に基づいて保圧力を設定する(ステップS54)。図17に示される保圧力は、保圧工程において、一定値P2に設定されている。型内抵抗値Rtが、所定の閾値よりも高いならば、射出制御部110は、保圧力が低減されるように、加熱射出装置2を制御する。型内抵抗値Rtが、所定の閾値よりも低いならば、射出制御部110は、保圧力が増大されるように、加熱射出装置2を制御する。
[0134]
 最後に、射出制御部110は、加熱射出装置2を制御し、設定された保圧力で保圧を開始(ON)する(ステップS55)。制御フローは、図13のメインルーチンに戻る。
[0135]
 上述のサブルーチンによれば、保圧工程は、導電部47、48間の型内抵抗値に基づいて制御される。
[0136]
 ステップS36のサブルーチンである冷却・可塑化工程が、図16を参照して説明される。
[0137]
 射出制御部110は、冷却制御部130から冷却ポンプ51に対して出力される冷却信号がONか否かを判定する(ステップS61)。
[0138]
 射出制御部110が、冷却信号がONであると判定すると(ステップS31においてYES)、加熱射出装置2は、保圧を終了(OFF)する(ステップS62)
[0139]
 加熱射出装置2は、その後、次のショットのために、バンドヒータ23を用いて、導電性材料Pを流動可能温度に加熱溶融する。計量モータ26は、スクリュ24を回転させ、所定の位置まで後退させる。このとき、ホッパ22から供給された原料は、射出シリンダ21内において加熱溶融される。ホッパ22から供給された原料は、スクリュ24の後退に伴って、スクリュ24の前方に貯留される(ステップS63)。
[0140]
 型内抵抗値センサ63は、その後、型内抵抗値を測定する(ステップS64)。
[0141]
 冷却制御部130は、その後、冷却ポンプ51を用いて、型内の冷却を開始する(ステップS65)。
[0142]
 冷却制御部130は、その後、測定された型内抵抗値と、図18Aに示されるグラフと、から型内の導電性材料Pの温度を算出する。制御ユニット100は、算出された温度が目標となる型内冷却完了温度となったか否かを判定する(ステップS66)。
[0143]
 最後に、冷却制御部130は、ステップS66において、算出された温度が、型内冷却完了温度になった或いは型内冷却完了温度を下回ったと判定すると、冷却装置5を制御し、型内の冷却を終了する(ステップS67)。制御フローは、図13のメインルーチンに戻る。本実施形態において、所定の閾値は、型内冷却完了温度によって例示される。
[0144]
 上述のサブルーチンによれば、冷却工程は、導電部47、48間の型内抵抗値に基づいて制御される。
[0145]
 <第12実施形態>
 第11実施形態に関連して説明された電気抵抗値のばらつきは、射出工程、保圧工程及び冷却工程に影響を与えることもある。第12実施形態において、電気抵抗値のばらつきが、射出工程、保圧工程及び冷却工程に影響を与えにくくするための技術が説明される。
[0146]
 制御ユニット100によって制御される射出成形装置1の制御動作の流れが、図23~図27のフローチャートと、図17のタイムチャートと、図19B、図20、図21B、図22、図28乃至図32のグラフと、を参照して説明される。
[0147]
 時刻t0において、型締用シリンダ装置33は、型締制御部120から出力された型締信号に基づいて駆動される。この結果、可動金型41は、固定金型42に向かって移動する。可動金型41の移動の結果、金型装置4は、型閉され、更に所定の型締圧力で型締される(ステップS71)。このときの型締圧力は、射出時に金型装置4が開かない程度の高い圧力に設定されている。冷却制御部130は、型締信号に基づいて、冷却ポンプ51の駆動を停止する(ONからOFFに切り替える)。
[0148]
 抵抗センサ62は、その後、ショット毎に射出シリンダ21内で加熱溶融された導電性材料Pの体積抵抗値を測定する(ステップS72)。本実施形態において、測定部は、抵抗センサ62によって例示される。パラメータ値は、体積抵抗値によって例示される。
[0149]
 制御ユニット100は、その後、射出制御部110から加熱射出装置2に対して出力される充填開始信号がONか否かを判定する(ステップS73)。
[0150]
 制御ユニット100が、充填開始信号がONであると判定すると(ステップS72においてYES)、加熱射出装置2は、時刻t1において、図24に示されるサブルーチンに従って、射出制御部110の制御下で射出を行う(ステップS74)。
[0151]
 通電制御部140は、図25に示されるサブルーチンに従って、通電装置61に通電を開始(ON)させる(ステップS75)。
[0152]
 射出制御部110は、時刻t2において、図26に示されるサブルーチンに従って、加熱射出装置2に保圧を開始(ON)させる(ステップS76)。
[0153]
 冷却制御部130は、時刻t3において、図27に示されるサブルーチンに従って、冷却ポンプ51を制御し、成形品を冷却する。この結果、射出シリンダ21内の原料は、可塑化される(ステップS77)。
[0154]
 型締制御部120は、時刻t4において、型締装置3を制御し、型締用シリンダ装置33の型締用ピストン33aを後退させる。この結果、金型装置4の型開きが実行される(ステップS78)。
[0155]
 エジェクタ装置は、その後、金型装置4のキャビティC内から成形品を突き出す。この結果、成形品は、金型装置4から取り出される(ステップS79)。
[0156]
 最後に、制御ユニット100は、予め計画された成形が終了したか否かを判定する。制御ユニット100が、成形が終了したと判定するならば、制御ユニット100は、射出成形サイクルを終了する(ステップS80)。制御ユニット100が、成形が終了していないと判定すれば、制御フローは、ステップS71に戻る。
[0157]
 ここで、ステップS74のサブルーチンである射出工程が、図24を参照して説明される。
[0158]
 射出制御部110は、測定された体積抵抗率に基づいて、射出用シリンダ装置25によって溶融された導電性材料Pの射出速度(または射出圧力)を設定する。
[0159]
 加熱射出装置2の射出用シリンダ装置25は、設定された射出速度で、スクリュ24を前進(図の右方へ移動)させる。キャビティC内へ溶融された導電性材料Pの充填は、射出シリンダ21の先端のノズルから金型装置4のスプールSを介して開始される。
[0160]
 上述のサブルーチンによれば、射出工程は、導電性材料Pの体積抵抗率に基づいて制御される。
[0161]
 ステップS75のサブルーチンである通電工程が、図25を参照して説明される。
[0162]
 通電制御部140は、測定された体積抵抗率に基づいて、通電装置61から導電部47、48間に印加される電圧を設定する(ステップS101)。電圧は、キャビティC内を移動する導電性材料Pの温度低下に起因する流動性の低下が生じないように決定される。
[0163]
 図28に示されるように、体積抵抗率は、導電性材料Pの温度に略比例する。樹脂温度が高くなるにつれて、体積抵抗率は、高くなる。
[0164]
 図29に示されるように、ショットで測定された体積抵抗率が、低いならば、導電部47、48間の通電電圧は増大される。導電性材料Pに流れる電流が、増えるので、導電性材料Pにおいて発生するジュール熱が増える。この結果、キャビティC内を移動する導電性材料Pの温度は、低下しにくくなる。
[0165]
 通電制御部140は、上述の温度維持原理に従って、射出シリンダ21によって加熱溶融された導電性材料Pの体積抵抗率に基づいて、導電部47、48間に印加される通電電圧を設定する。体積抵抗率が、所定の閾値より高いならば、通電制御部140は、通電装置61を制御し、導電部47、48間に印加される通電電圧を低減する。体積抵抗率が、所定の閾値より低いならば、通電制御部140は、通電装置61を制御し、導電部47、48間に印加される通電電圧を増加する。この結果、射出工程においてキャビティC内を移動する導電性材料Pの温度は、ショット間またはロット間で略一定に保たれる。
[0166]
 図30Aに示されるように、導電性材料Pの体積抵抗率がショット数に依らずに通常値で安定しているロットの場合には、通電装置61から導電部47、48間に印加される電圧は、E0に設定される。
[0167]
 図30Bは、導電性材料Pの体積抵抗率が通常値よりも高い値でショット数に依らずに安定しているロットに対して設定される電圧を示す。キャビティ内で通電加熱された導電性材料Pの温度が、図30Aに示されるロットの温度と同等になるように、電圧E0よりも高い電圧E1が、導電部47、48間に印加する電圧として設定される。
[0168]
 図30Bは、導電性材料Pの体積抵抗率が通常値よりも低い値でショット数に依らずに安定しているロットに対して設定される電圧を示す。キャビティ内で通電加熱された導電性材料Pの温度が、図30Aに示されるロットの温度と同等になるように、電圧E0よりも低い電圧E2が、導電部47、48間に印加する電圧として設定される。
[0169]
 図31は、導電性材料Pの体積抵抗率がショット毎に通常値に対してばらつくロットに対して設定される電圧を示す。キャビティ内で通電加熱された導電性材料Pの温度が、図30Aに示されるロットの温度と同等になるように、ショット毎に体積抵抗率に応じた電圧が、導電部47、48間に印加する電圧として設定される。
[0170]
 最後に、設定された通電電圧は、通電装置61から導電部47、48間に印加(ON)される(ステップS102)。制御フローは、図23のメインルーチンに戻る。図19Bに示されるように、キャビティC内を移動する導電性材料Pの温度は、射出工程においてショット間またはロット間で略一定に保たれる。
[0171]
 上述のサブルーチンによれば、通電工程は、導電性材料Pの体積抵抗率に基づいて制御される。
[0172]
 ステップS76のサブルーチンである保圧工程が、図26を参照して説明される。
[0173]
 制御ユニット100は、射出制御部110から加熱充填装置2に対して出力される保圧信号がONか否かを判定する(ステップS111)。
[0174]
 制御ユニット100が、保圧信号がONであると判定すると(ステップS111においてYES)、射出制御部110は、加熱射出装置2を制御し、キャビティ内への導電性材料Pの充填を終了(OFF)する(ステップS112)。
[0175]
 通電装置61の通電は、その後、終了(OFF)される(ステップS113)。
[0176]
 第11実施形態に関連して説明された如く、導電性材料Pは、圧力・比容積・温度の相互関係として、図20に示されるPVT特性を有している。第11実施形態の説明は、導電性材料PのPVT特性に援用される。
[0177]
 図32に示されるように、体積抵抗率が、低いならば、保圧力は、高い値に設定される。この結果、キャビティ内に充填された導電性材料Pの比容積は、低下しにくくなる。
[0178]
 射出制御部110は、上述の比容積の維持原理に従って、ショット毎に体積抵抗率に基づいて保圧力を設定する(ステップS114)。体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、射出制御部110は、加熱射出装置2を制御し、保圧力を低減する。体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、射出制御部110は、加熱射出装置2を制御し、保圧力を増大する。この結果、キャビティC内の導電性材料Pの比容積は、ショット間またはロット間において、所定範囲内で略一定にされる。
[0179]
 最後に、射出制御部110は、加熱射出装置2が設定した保圧力で保圧を開始(ON)する(ステップS115)。制御ブローは、図23のメインルーチンに戻る。
[0180]
 上述のサブルーチンによれば、保圧工程は、導電性材料Pの体積抵抗率に基づいて制御される。
[0181]
 ステップS77のサブルーチンである冷却・可塑化工程が、図27を参照して説明される。
[0182]
 射出制御部110は、冷却制御部130から冷却ポンプ51に対して出力される冷却信号がONか否かを判定する(ステップS121)。
[0183]
 射出制御部110が、冷却信号がONであると判定すると、(ステップS121においてYES)、加熱射出装置2による保圧は、終了(OFF)される(ステップS122)。
[0184]
 加熱射出装置2は、次のショットのために、バンドヒータ23を用いて、導電性材料Pを流動可能温度に加熱溶融する。計量モータ26は、スクリュ24を回転させ、所定の位置まで後退させる。このとき、ホッパ22から供給された原料は、射出シリンダ21内において加熱溶融される。ホッパ22から供給された原料は、スクリュ24の後退に伴って、スクリュ24の前方に貯留される(ステップS123)。
[0185]
 次に、冷却制御部130は、冷却ポンプ51が型内を冷却する型内冷却時間を設定する(ステップS124)。冷却後の導電性材料Pが、所望の温度となるように、型内冷却時間は、測定された体積抵抗率に基づいて決定される。
[0186]
 冷却制御部130は、その後、冷却ポンプ51を制御し、型内の冷却を開始する(ステップS125)。
[0187]
 冷却制御部130は、その後、冷却ポンプ51が型内の冷却を開始してから、設定された型内冷却時間が経過したか否かを判定する(ステップS126)。
[0188]
 最後に、冷却制御部130が、ステップS126において、型内冷却時間が経過したと判定すると、型内の冷却は、終了される(ステップS127)。制御フローは、図23のメインルーチンに戻る。
[0189]
 上述のサブルーチンによれば、冷却工程は、導電性材料Pの体積抵抗率に基づいて制御される。
[0190]
 上述の様々な実施形態によれば、加熱射出装置2から射出された導電性材料Pが、金型装置4の導電部47、48に接触したときに、導電性材料Pは、通電制御部140の制御下で通電装置61から印加された電圧によって通電加熱されるので、過度の温度降下は、キャビティC内を移動する導電性材料Pに生じない。導電性材料Pの温度低下に起因する流動性の低下は、生じにくいので、射出圧力は、導電性材料Pの先端部まで十分に伝達される。
[0191]
 溶融した導電性材料Pは、比較的低い射出圧力でキャビティC内に充填されるので、射出圧力の不足に起因するウェルドやショートショット等の外観不具合は、発生しにくくなる。特に、大型の薄肉成形品の場合には、設計者は、小型の構造を、射出成形装置1及び金型装置4に与えることができる。金型装置4が加熱されるのではなく、導電性材料P自体が、通電加熱されるので、充填される導電性材料Pに比べて熱容量が大きな金型装置4の温度は、上昇しにくい。したがって、金型装置4の冷却時間は、長くならない。このことは、射出成形サイクルの短縮及び成形時のランニングコストの低減に貢献する。上述の実施形態の原理によれば、成形品の肉厚は、流動性の向上のために厚くされなくてもよい。したがって、上述の実施形態の原理は、材料コストの過度の増加を防止する。
[0192]
 導電性材料Pが、導電性物質を含有する樹脂材料であるならば、例えば、静電塗装に必要な導電性が、母材となる絶縁性材料への導電性フィラの混合によって、付与されてもよい。代替的に、成形品の強度は、樹脂原料への炭素繊維等の混合によって、向上されてもよい。上述の効果は、これらの混合処理の下でも得られる。
[0193]
 上述の実施形態によれば、金型装置4は、可動金型41と固定金型42とを含む。可動金型41及び固定金型42は、型閉め時に互いに対接する型合わせ面をそれぞれ有する。導電部47、48は、可動金型41及び固定金型42のキャビティ形成面411,412にそれぞれ設けられる。可動金型41及び固定金型42のうち少なくとも一方の型合わせ面は、導電部47、48間を電気的に絶縁する絶縁部材49を有する。したがって、電圧が、導電部47、48間に印加されると、電流は、導電部47、48間を直接的に流れない一方で、通電は、導電部47、48間にある導電性材料Pに生ずる。
[0194]
 上述の実施形態によれば、通電制御部140は、射出制御部110から出力される制御信号が示す導電性材料Pの射出状態に基づいて、通電装置61を制御するので、通電は、導電性材料Pが射出されるタイミングに合わせて開始される。この結果、導電性材料Pは、効率的に通電加熱される。
[0195]
 上述の実施形態によれば、導電性材料Pが、キャビティCに完全に充填される前に、導電部47、48間への電圧の印加が停止されるので、成形品の冷却時間は、短縮される。
[0196]
 上述の実施形態によれば、射出成形サイクルの保圧工程、通電工程及び冷却工程のうち少なくとも1つの工程の条件は、型内抵抗値センサ63によって測定された導電性材料Pの型内抵抗値に基づいて制御される。したがって、成形型4内における実際の導電性材料Pの状態変化は、型内抵抗値センサ63によって測定された型内抵抗値の変化に基づいて検出される。保圧工程、通電工程及び冷却工程の条件は、型内抵抗値の変化に応じて、射出成形中に制御されてもよい。この場合、射出成形は、非常に精度のよい制御の下で実行される。導電性材料Pの型内抵抗値が、ロット間またはショット間でばらついたとしても、保圧工程、通電工程及び冷却工程の条件は、型内抵抗値のばらつきによる影響がキャンセルされるように制御される。この結果、射出成形中の導電性材料Pの状態変化や電気抵抗値のばらつきに起因する成形品の外観不具合等の発生は、生じにくくなる。したがって、成形品は、高い品質を安定的に有することができる。
[0197]
 上述の実施形態によれば、導電部47、48間の型内抵抗値が、測定される。測定された導電性材料Pの電気抵抗値が高いならば、通電制御部140は、通電工程において、通電装置61が導電部47、48間に印加する電圧の値を低く設定する。電気抵抗値が低いならば、通電制御部140は、電圧の値を高く設定する。成形型4内に射出された導電性材料Pの温度が所定範囲内になるように、通電制御部140は、電圧値を制御するので、通電工程において通電される電圧値の過不足に起因する成形品の外観不具合等の発生は、生じにくくなる。したがって、成形品は、高い品質を安定的に有することができる。
[0198]
 上述の実施形態によれば、測定された電気抵抗値が高いならば、射出制御部110は、保圧工程において、加熱射出装置2の保圧力を低い値に設定する。電気抵抗値が低いならば、射出制御部110は、保圧力を高い値に設定する。成形型4内に射出された導電性材料Pの比容積が所定範囲内になるように、通電制御部140は、保圧力を制御するので、保圧工程において保圧力の過不足に起因する成形品の外観不具合等の発生は、生じにくくなる。したがって、成形品は、高い品質を安定的に有することができる。
[0199]
 上述の実施形態によれば、測定された電気抵抗値が高いならば、冷却制御部130は、冷却工程において、成形型内の導電性材料Pの温度が高いと判定する。電気抵抗値が低いならば、成形型4内の導電性材料の温度が低いと判定する。成形型4内の導電性材料Pの温度が所定範囲内となると、冷却制御部130は、冷却ポンプ51の冷却動作を終了させる。冷却工程における冷却の過不足に起因する成形品の外観不具合等の発生は、生じにくくなる。したがって、成形品は、高い品質を安定的に有することができる。
[0200]
 上述の実施形態によれば、射出成形サイクルの射出工程、保圧工程、通電工程及び冷却工程のうち少なくとも1つの工程が抵抗センサ62によって測定された導電性材料Pの体積抵抗値に基づいて条件が制御される。したがって、ロット間またはショット間で導電性材料Pの体積抵抗値がばらついても、導電性材料Pの体積抵抗値に応じた制御が、射出工程、保圧工程、通電工程及び冷却工程において実行される。この結果、体積抵抗値のばらつきは、成形品の外観不具合等を引き起こしにくい。
[0201]
 上述の実施形態によれば、抵抗センサ62は、射出シリンダ21内で溶融された導電性材料Pの体積抵抗率を測定する。通電工程において測定された導電性材料Pの体積抵抗率が高いならば、通電制御部140は、通電装置61を制御し、導電部47、48間に印加される電圧の値を低く設定する。体積抵抗率が、低いならば、通電制御部140は、電圧値を高く設定する。成形型4内に射出された導電性材料Pの温度が所定範囲内になるように、通電制御部140は、通電装置61を制御するので、通電工程において通電される電圧値の過不足に起因する成形品の外観不具合等は、生じにくくなる。したがって、成形品は、高い品質を安定的に有することができる。
[0202]
 上述の実施形態によれば、測定された体積抵抗率が、高いならば、射出制御部110は、保圧工程において、加熱射出装置2を制御し、保圧力を低い値に設定する。体積抵抗率が、低いならば、射出制御部110は、保圧力を高い値に設定する。成形型4内に射出された導電性材料Pの比容積が、所定範囲内になるように、射出制御部110は、加熱射出装置2を制御するので、保圧工程において保圧力の過不足に起因する成形品の外観不具合等は、生じにくくなる。したがって、成形品は、高い品質を安定的に有することができる。
[0203]
 上述の実施形態によれば、測定された体積抵抗率が、高いならば、冷却制御部130は、冷却工程において、成形型内の導電性材料Pの温度が高いと判定する。体積抵抗率が、低いならば、冷却制御部130は、成形型4内の導電性材料の温度が低いと判定する。成形型4内の導電性材料Pの温度が、所定範囲内となると、冷却制御部130は、冷却ポンプ51を制御し、冷却を完了するので、冷却工程において冷却の過不足に起因する成形品の外観不具合等は、生じにくくなる。したがって、成形品は、高い品質を安定的に有することができる。
[0204]
 上述の実施形態の原理は、例示された実施の形態の説明に限定されない。上述の実施形態の原理の要旨を逸脱しない範囲において、当業者は、種々の改良及び設計上の変更をすることができる。
[0205]
 本実施形態において、樹脂材料は、導電性材料として射出成形される。代替的に、少なくとも加熱時に導電性のある溶融材料が用いられてもよい。したがって、上述の実施形態の原理は、例えば、アルミ等の金属材料を射出成形するダイカストマシンに適用されてもよい。
[0206]
 上述の実施形態に関して、導電部48は、導電部47、48間の電圧印加時において、導電部47よりも高電位である。代替的に、導電部48は、導電部47よりも低電位であってもよい。
[0207]
 上述の実施形態において、加熱射出装置2及び型締装置3は、駆動源として油圧アクチュエータを利用する。代替的に、駆動源は、電動アクチュエータであってもよい。
[0208]
 上述の実施形態において、金型装置4は、冷却ポンプ51が環流する冷却液によって冷却される。しかしながら、本実施形態の原理は、金型装置4を冷却するための設備を必ずしも必要としない。したがって、金型装置4は、金型装置4からの自然放熱によって冷却されてもよい。代替的に、例えば、金型装置4は、ペルチェ素子等の冷却手段によって、積極的に冷却されてもよい。
[0209]
 上述の実施形態において、射出成形サイクルの射出工程、通電工程、保圧工程及び冷却工程の条件は、型内抵抗値及び/又は体積抵抗値に基づいて制御される。代替的に、通電工程、保圧工程及び冷却工程のうち少なくとも1つの工程の条件が制御されてもよい。複数の工程の条件が制御されるならば、複数の工程間で互いに補完する制御が実行されてもよい。
[0210]
 上述の様々な実施形態に関連して説明された例示的な成形技術は、以下の特徴を主に備える。
[0211]
 上述の実施形態の一局面に係る射出成形装置は、導電性材料を流動可能温度に加熱溶融し、キャビティを形成するキャビティ形成面を含む成形型内に射出する加熱射出部を有する。射出成形装置は、電圧を印加する通電部と、前記通電部によって印加される前記電圧を制御する通電制御部を有する制御部と、を備える。前記成形型は、前記キャビティ形成面の少なくとも一部に互いに絶縁された複数の導電部を含む。前記通電部は、前記複数の導電部間に前記電圧を印加する。前記加熱射出部から射出された前記導電性材料が、前記複数の導電部に接触したときに、前記導電性材料は、前記通電制御部の制御下で前記通電部から印加された前記電圧によって通電加熱される。
[0212]
 上記の構成によれば、加熱射出部から射出された導電性材料が、複数の導電部に接触したときに、導電性材料は、通電制御部の制御下で通電部から印加された電圧によって通電加熱されるので、キャビティ内を移動する導電性材料の温度は、低下しにくくなる。温度低下に起因する導電性材料の流動性も低下しにくくなるので、導電性材料に加えられる射出圧力が低くても、射出圧力は、導電性材料の先端部まで十分に伝達される。
[0213]
 導電性材料の先端部まで十分に伝達された射出圧力の結果、射出圧力の不足に起因するショートショット等の外観不具合は生じにくくなる。特に、大型の薄肉成形品に関して、設計者は、射出成形装置及び成形型に小さな寸法を与えることができる。金型ではなく、導電性材料自体が、通電加熱されるので、充填される導電性材料に比べて熱容量が大きな金型の温度は、上昇しにくくなる。したがって、成形品の冷却時間は、過度に長くならない。すなわち、射出成形サイクルは、長期化されない。このことは、成形時のランニングコストの低減に貢献する。設計者は、流動性の向上のために成形品の肉厚を厚くする必要がない。このことは、材料コストの過度の増加を防ぐことに貢献する。
[0214]
 上記構成に関して、前記導電性材料が、前記キャビティ内に完全に充填される前に、前記制御部は、前記通電部を制御し、前記複数の導電部間への前記電圧の印加を停止してもよい。
[0215]
 上記の構成によれば、導電性材料が、キャビティに完全充填される前に、導電部間への電圧の印加は、停止されるので、成形品の冷却時間は、短縮される。
[0216]
 上記構成に関して、射出成形装置は、前記成形型内に形成された流路に冷却液を供給する冷却部を更に備えてもよい。前記制御部は、前記冷却部を制御する冷却制御部を含んでもよい。前記電圧の前記印加が停止されるときに、前記冷却制御部は、前記冷却部を制御し、前記成形型への前記冷却液の供給を開始してもよい。
[0217]
 上記の構成によれば、電圧の印加が停止されるときに、冷却制御部は、冷却部を制御し、成形型への冷却液の供給を開始するので、成形品の冷却時間は、短縮される。
[0218]
 上記構成に関して、射出成形装置は、前記複数の導電部間の電気抵抗値に関するパラメータ値を測定する測定部を更に備えてもよい。前記成形型は、前記複数の導電部を前記成形型の外表面に対して電気的に絶縁する第1絶縁部材と、を含んでもよい。前記制御部は、前記成形型内に前記導電性材料が射出されていない状態で測定された前記パラメータ値と、前記成形型内に前記導電性材料が射出されている状態で測定された前記パラメータ値との間の差分値に基づいて、前記電圧が印加される通電工程及び前記成形型内に充填された前記導電性材料に対して保圧が行われる保圧工程のうち少なくとも一方の工程の条件を制御してもよい。
[0219]
 上記の構成によれば、制御部は、成形型内に導電性材料が射出されていない状態で測定されたパラメータ値と、成形型内に導電性材料が射出されている状態で測定されたパラメータ値との間の差分値に基づいて、電圧が印加される通電工程、成形型内に充填された導電性材料に対して保圧が行われる保圧工程及び成形型が冷却される冷却工程のうち少なくとも1つの工程の条件を制御するので、成形型内における実際の導電性材料の状態変化は、測定部によって測定されたパラメータ値の変化に基づいて検出される。通電工程、保圧工程及び冷却工程のうち少なくとも1つの工程の条件は、パラメータ値の変化に応じて制御されるので、射出成形は、精度よく行われる。導電性材料の電気抵抗値が、ロット間またはショット間でばらついても、電気抵抗値のばらつきに起因する影響は、上述の制御によって低減される。したがって、射出成形中の導電性材料の状態変化や電気抵抗値のばらつきは、成形品の外観不具合等の発生を引き起こしにくい。
[0220]
 上記構成に関して、前記測定部は、前記パラメータ値として、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定してもよい。前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、前記通電制御部は、前記電圧が低減されるように、前記通電部を制御してもよい。前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、前記閾値よりも低いならば、前記通電制御部は、前記電圧が増加されるように、前記通電部を制御してもよい。
[0221]
 上記の構成によれば、測定部によって測定された電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、通電制御部は、電圧が低減されるように、通電部を制御し、且つ、測定部によって測定された電気抵抗値が、閾値よりも低いならば、通電制御部は、電圧が増加されるように、通電部を制御するので、成形型内に射出された導電性材料の温度は、所定範囲内になる。したがって、通電電圧値の過不足に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0222]
 上記構成に関して、前記測定部は、前記パラメータ値として、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定してもよい。前記制御部は、前記保圧工程において前記導電性材料に加えられる保圧力を制御する射出制御部を含んでもよい。前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、前記射出制御部は、前記保圧力が低減されるように、前記加熱射出部を制御してもよい。前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、前記閾値よりも低いならば、前記射出制御部は、前記保圧力が増加されるように、前記加熱射出部を制御してもよい。
[0223]
 上記の構成によれば、測定部によって測定された電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、射出制御部は、保圧力が低減されるように、加熱射出部を制御し、且つ、測定部によって測定された電気抵抗値が、閾値よりも低いならば、射出制御部は、保圧力が増加されるように、加熱射出部を制御するので、成形型内に射出された導電性材料の比容積は、所定範囲内になる。したがって、保圧力の過不足に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0224]
 上記構成に関して、射出成形装置は、前記成形型内に形成された流路に冷却液を供給する冷却部を更に備えてもよい。前記制御部は、前記冷却部を制御する冷却制御部を含んでもよい。前記測定部は、前記パラメータ値として、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定してもよい。前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも低いならば、前記冷却制御部は、前記冷却部を制御し、前記成形型に対する冷却を完了してもよい。
[0225]
 上記構成によれば、測定部によって測定された電気抵抗値が、所定の閾値よりも低いならば、冷却制御部は、冷却部を制御し、成形型に対する冷却を完了するので、不適切な冷却に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0226]
 上記構成に関して、前記成形型は、第1型合わせ面を有する第1型と、型閉め時に前記第1型に対接する第2型合わせ面を有する第2型と、を含んでもよい。前記第1型及び前記第2型それぞれは、前記キャビティ形成面を有してもよい。前記第1型合わせ面及び前記第2型合わせ面のうち少なくとも一方は、前記複数の導電部間を電気的に絶縁する第2絶縁部材を有してもよい。
[0227]
 上記構成によれば、第1型合わせ面及び第2型合わせ面のうち少なくとも一方は、複数の導電部間を電気的に絶縁する第2絶縁部材を有するので、電流は、複数の導電部間に直接的に流れにくい一方で、複数の導電部間の導電材料は、適切に通電される。
[0228]
 上記構成に関して、射出成形装置は、前記複数の導電部間の電気抵抗値に関するパラメータ値を測定する測定部を更に備えてもよい。前記制御部は、前記測定部によって測定された前記パラメータ値に基づいて、前記電圧が印加される通電工程、前記成形型内に充填された前記導電性材料に対して保圧が行われる保圧工程及び前記成形型が冷却される冷却工程のうち少なくとも1つの工程の条件を制御してもよい。
[0229]
 上記構成によれば、制御部は、測定部によって測定されたパラメータ値に基づいて、電圧が印加される通電工程、成形型内に充填された導電性材料に対して保圧が行われる保圧工程及び成形型が冷却される冷却工程のうち少なくとも1つの工程の条件を制御するので、導電性材料の電気抵抗値が、ロット間またはショット間でばらついても、通電工程、保圧工程及び冷却工程のうち少なくとも1つの工程は、電気抵抗値に応じて適切に制御される。したがって、電気抵抗値のばらつきは、成形品の外観不具合等を引き起こしにくい。
[0230]
 上記構成に関して、前記測定部は、前記パラメータ値として、前記加熱射出部によって加熱溶融された前記導電性材料の体積抵抗率を測定してもよい。前記体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、前記電圧が、低減されるように、前記通電制御部は、前記通電部を制御してもよい。前記体積抵抗率が、前記閾値よりも低いならば、前記電圧が、増大されるように、前記通電制御部は、前記通電部を制御してもよい。
[0231]
 上記構成によれば、体積抵抗率が、高いならば、電圧が、低減されるように、通電制御部は、通電部を制御し、且つ、体積抵抗率が、低いならば、電圧が、増大されるように、通電制御部は、通電部を制御するので、成形型内に射出された導電性材料の温度は、所定範囲内になる。したがって、通電工程における成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0232]
 上記構成に関して、前記測定部は、前記パラメータ値として、前記加熱射出部によって加熱溶融された前記導電性材料の体積抵抗率を測定してもよい。前記加熱射出部は、前記保圧工程において、前記導電性材料に保圧力を与えてもよい。前記制御部は、前記保圧力を制御する射出制御部を含んでもよい。前記体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、前記保圧力が、低減されるように、前記射出制御部は、前記加熱射出部を制御してもよい。前記体積抵抗率が、前記閾値よりも低いならば、前記保圧力が、増大されるように、前記射出制御部は、前記加熱射出部を制御してもよい。
[0233]
 上記構成によれば、体積抵抗率が、高いならば、保圧力が、低減されるように、射出制御部は、加熱射出部を制御し、且つ、体積抵抗率が、低いならば、保圧力が、増大されるように、射出制御部は、加熱射出部を制御するので、成形型内に射出された導電性材料の比容積は、所定範囲内になる。したがって、保圧工程において保圧力の過不足に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0234]
 上記構成に関して、射出成形装置は、前記成形型内に形成された流路に冷却液を供給する冷却部を更に備えてもよい。前記制御部は、前記冷却部を制御する冷却制御部を含んでもよい。前記測定部は、前記加熱射出部によって加熱溶融された前記導電性材料の体積抵抗率を測定してもよい。冷却制御部は、前記測定部によって測定された前記体積抵抗率に基づいて、前記成形型が冷却される期間の長さを設定してもよい。
[0235]
 上記構成によれば、冷却制御部は、測定部によって測定された体積抵抗率に基づいて、成形型が冷却される期間の長さを設定するので、不適切な冷却に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0236]
 上記構成に関して、前記導電性材料は、導電性物質を含有する樹脂材料であってもよい。
[0237]
 上記構成によれば、導電性材料は、導電性物質を含有する樹脂材料であるので、導電性フィラが、母材となる絶縁性材料に混入されてもよい。この場合、静電塗装に必要な導電性が成形品に付与される。代替的に、炭素繊維等が、樹脂原料に含有されてもよい。この場合、成形品は、高い強度を有することができる。
[0238]
 上記構成に関して、前記成形型は、第1型合わせ面を有する第1型と、型閉め時に前記第1型に対接する第2型合わせ面を有する第2型と、を含んでもよい。前記第1型及び前記第2型それぞれは、前記キャビティ形成面を有してもよい。前記複数の導電部は、前記第1型及び前記第2型の前記キャビティ形成面に設けられてもよい。前記第1型合わせ面及び前記第2型合わせ面のうち少なくとも一方は、前記複数の導電部間を電気的に絶縁する絶縁部材を含んでもよい。
[0239]
 上記構成によれば、第1型合わせ面及び第2型合わせ面のうち少なくとも一方は、複数の導電部間を電気的に絶縁する絶縁部材を有するので、電流は、複数の導電部間に直接的に流れにくい一方で、複数の導電部間の導電材料は、適切に通電される。
[0240]
 上記構成に関して、前記制御部は、前記加熱射出部による前記導電性材料の加熱及び射出を制御する射出制御部を含んでもよい。前記通電制御部は、前記射出制御部から出力される制御信号が示す前記導電性材料の射出状態に基づいて前記通電部を制御してもよい。
[0241]
 上記構成によれば、通電制御部は、射出制御部から出力される制御信号が示す導電性材料の射出状態に基づいて、通電部を制御するので、通電は、導電性材料が射出されるタイミングに合わせて開始される。この結果、導電性材料は、効率的に通電加熱される。
[0242]
 上述の実施形態の一局面に係る射出成形方法は、導電性材料を、キャビティを形成するキャビティ形成面を有する成形型内で射出成形するために用いられる。射出成形方法は、前記導電性材料を流動加熱温度に加熱溶融する加熱溶融ステップと、前記加熱溶融された導電性材料を前記成形型内に射出する射出ステップと、前記射出された導電性材料が、前記キャビティ形成面の少なくとも一部に互いに絶縁して設けられた複数の導電部に接触したときに通電加熱されるように、前記複数の導電部間に電圧を印加する通電ステップと、を備える。
[0243]
 上記の構成によれば、射出された導電性材料が、複数の導電部に接触したときに、導電性材料は、印加された電圧によって通電加熱されるので、キャビティ内を移動する導電性材料の温度は、低下しにくくなる。温度低下に起因する導電性材料の流動性も低下しにくくなるので、導電性材料に加えられる射出圧力が低くても、射出圧力は、導電性材料の先端部まで十分に伝達される。
[0244]
 導電性材料の先端部まで十分に伝達された射出圧力の結果、射出圧力の不足に起因するショートショット等の外観不具合は生じにくくなる。特に、大型の薄肉成形品に関して、設計者は、射出成形装置及び成形型に小さな寸法を与えることができる。金型ではなく、導電性材料自体が、通電加熱されるので、充填される導電性材料に比べて熱容量が大きな金型の温度は、上昇しにくくなる。したがって、成形品の冷却時間は、過度に長くならない。すなわち、射出成形サイクルは、長期化されない。このことは、成形時のランニングコストの低減に貢献する。設計者は、流動性の向上のために成形品の肉厚を厚くする必要がない。このことは、材料コストの過度の増加を防ぐことに貢献する。
[0245]
 上記構成に関して、前記通電ステップにおいて、前記電圧の印加は、前記導電性材料が前記キャビティ内に完全に充填させる前に停止されてもよい。
[0246]
 上記の構成によれば、導電性材料が、キャビティに完全充填される前に、導電部間への電圧の印加は、停止されるので、成形品の冷却時間は、短縮される。
[0247]
 上記構成に関して、射出成形方法は、前記成形型へ冷却液を供給する冷却ステップを更に備えてもよい。前記冷却ステップは、前記電圧の前記印加の停止に合わせて実行されてもよい。
[0248]
 上記の構成によれば、電圧の印加が停止されるときに、冷却ステップは、開始されるので、成形品の冷却時間は、短縮される。
[0249]
 上記構成に関して、射出成形方法は、前記複数の導電部間の電気抵抗値に関するパラメータ値を測定する測定ステップと、前記キャビティ内に充填された前記導電性材料を保圧する保圧ステップと、前記成形型へ冷却液を供給する冷却ステップと、を更に備えてもよい。前記通電ステップ、前記保圧ステップ及び前記冷却ステップのうち少なくとも1つのステップの条件は、前記測定ステップにおいて測定された前記パラメータ値に基づいて制御されてもよい。
[0250]
 上記の構成によれば、通電工程、保圧工程及び冷却工程のうち少なくとも1つの工程の条件は、パラメータ値の変化に応じて制御されるので、射出成形は、精度よく行われる。導電性材料の電気抵抗値が、ロット間またはショット間でばらついても、電気抵抗値のばらつきに起因する影響は、上述の制御によって低減される。したがって、射出成形中の導電性材料の状態変化や電気抵抗値のばらつきは、成形品の外観不具合等の発生を引き起こしにくい。
[0251]
 上記構成に関して、前記測定ステップは、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定する段階を含んでもよい。前記通電ステップは、(i)前記電気抵抗値が、高いならば、前記電圧を低減する段階と、(ii)前記電気抵抗値が、低いならば、前記電圧を増加する段階と、を含んでもよい。
[0252]
 上記の構成によれば、電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、電圧は、低減され、且つ、電気抵抗値が、閾値よりも低いならば、電圧は、増加されるので、成形型内に射出された導電性材料の温度は、所定範囲内になる。したがって、通電電圧値の過不足に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0253]
 上記構成に関して、前記測定ステップは、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定する段階を含んでもよい。前記保圧ステップは、(i)前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、前記導電性材料に加えられる保圧力を低減する段階と、(ii)前記電気抵抗値が、前記閾値よりも低いならば、前記保圧力を増大する段階と、を含んでもよい。
[0254]
 上記の構成によれば、測定部によって測定された電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、保圧力は、低減され、且つ、測定部によって測定された電気抵抗値が、閾値よりも低いならば、保圧力は、増加されるので、成形型内に射出された導電性材料の比容積は、所定範囲内になる。したがって、保圧工程において保圧力の過不足に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0255]
 上記構成に関して、前記測定ステップは、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定する段階を含んでもよい。前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも低いならば、前記冷却ステップは、終了されてもよい。
[0256]
 上記構成によれば、電気抵抗値が、所定の閾値よりも低いならば、冷却ステップは、終了されるので、不適切な冷却に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0257]
 上記構成に関して、射出成形方法は、前記複数の導電部間の体積抵抗率に関するパラメータ値を測定する測定ステップと、前記キャビティ内に充填された前記導電性材料を保圧する保圧ステップと、前記成形型へ冷却液を供給する冷却ステップと、を更に備えてもよい。前記通電ステップ、前記保圧ステップ及び前記冷却ステップのうち少なくとも1つのステップの条件は、前記パラメータ値に基づいて制御されてもよい。
[0258]
 上記構成によれば、通電ステップ、保圧ステップ及び冷却ステップのうち少なくとも1つのステップの条件は、パラメータ値に基づいて制御されるので、導電性材料の電気抵抗値が、ロット間またはショット間でばらついても、通電工程、保圧工程及び冷却工程のうち少なくとも1つの工程は、電気抵抗値に応じて適切に制御される。したがって、電気抵抗値のばらつきは、成形品の外観不具合等を引き起こしにくい。
[0259]
 上記構成に関して、前記測定ステップは、前記複数の導電部間の体積抵抗率を測定する段階を含んでもよい。前記通電ステップは、(i)前記体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、前記電圧を低減する段階と、(ii)前記体積抵抗率が、前記閾値よりも低いならば、前記電圧を増加する段階と、を含んでもよい。
[0260]
 上記構成によれば、体積抵抗率が、高いならば、電圧は、低減され、且つ、体積抵抗率が、低いならば、電圧は、増大されるので、成形型内に射出された導電性材料の温度は、所定範囲内になる。したがって、成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0261]
 上記構成に関して、前記測定ステップは、前記複数の導電部間の体積抵抗率を測定する段階を含んでもよい。前記保圧ステップは、(i)前記体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、前記導電性材料に加えられる保圧力を低減する段階と、(ii)前記体積抵抗率が、前記閾値よりも低いならば、前記保圧力を増大する段階と、を含んでもよい。
[0262]
 上記構成によれば、体積抵抗率が、高いならば、保圧力は、低減され、且つ、体積抵抗率が、低いならば、保圧力は、増大されるので、成形型内に射出された導電性材料の比容積は、所定範囲内になる。したがって、保圧力の過不足に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0263]
 上記構成に関して、前記測定ステップは、前記複数の導電部間の体積抵抗率を測定する段階を含んでもよい。前記冷却ステップは、前記体積抵抗率に基づいて、前記冷却液が前記成形型内へ供給される期間を設定する段階を含んでもよい。
[0264]
 上記構成によれば、冷却ステップは、体積抵抗率に基づいて、冷却液が成形型内へ供給される期間を設定する段階を含むので、不適切な冷却に起因する成形品の外観不具合等は、発生しにくくなる。この結果、成形品の高い品質は、安定的に得られる。
[0265]
 上記構成に関して、前記導電性材料は、導電性物質を含有する樹脂材料であってもよい。
[0266]
 上記構成によれば、導電性材料は、導電性物質を含有する樹脂材料であるので、導電性フィラが、母材となる絶縁性材料に混入されてもよい。この場合、静電塗装に必要な導電性が成形品に付与される。代替的に、炭素繊維等が、樹脂原料に含有されてもよい。この場合、成形品は、高い強度を有することができる。
[0267]
 上記構成に関して、前記通電ステップが実行されるタイミングは、前記射出ステップを制御する制御信号が示す前記導電性材料の射出状態に基づいて制御されてもよい。
[0268]
 上記構成によれば、射出ステップは、射出制御部から出力される制御信号が示す導電性材料の射出状態に基づいて制御されるので、通電は、導電性材料が射出されるタイミングに合わせて開始される。この結果、導電性材料は、効率的に通電加熱される。

産業上の利用可能性

[0269]
 上述の実施形態の原理は、導電性材料の射出成形を必要とする様々な技術分野に利用可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 導電性材料を流動可能温度に加熱溶融し、キャビティを形成するキャビティ形成面を含む成形型内に射出する加熱射出部を有する射出成形装置であって、
 電圧を印加する通電部と、
 前記通電部によって印加される前記電圧を制御する通電制御部を有する制御部と、を備え、
 前記成形型は、前記キャビティ形成面の少なくとも一部に互いに絶縁された複数の導電部を含み、
 前記通電部は、前記複数の導電部間に前記電圧を印加し、
 前記加熱射出部から射出された前記導電性材料が、前記複数の導電部に接触したときに、前記導電性材料は、前記通電制御部の制御下で前記通電部から印加された前記電圧によって通電加熱される
 射出成形装置。
[請求項2]
 前記導電性材料が、前記キャビティ内に完全に充填される前に、前記制御部は、前記通電部を制御し、前記複数の導電部間への前記電圧の印加を停止する
 請求項1に記載の射出成形装置。
[請求項3]
 前記成形型内に形成された流路に冷却液を供給する冷却部を更に備え、
 前記制御部は、前記冷却部を制御する冷却制御部を含み、
 前記電圧の前記印加が停止されるときに、前記冷却制御部は、前記冷却部を制御し、前記成形型への前記冷却液の供給を開始する
 請求項2に記載の射出成形装置。
[請求項4]
 前記複数の導電部間の電気抵抗値に関するパラメータ値を測定する測定部を更に備え、
 前記成形型は、前記複数の導電部を前記成形型の外表面に対して電気的に絶縁する第1絶縁部材と、を含み、
 前記制御部は、前記成形型内に前記導電性材料が射出されていない状態で測定された前記パラメータ値と、前記成形型内に前記導電性材料が射出されている状態で測定された前記パラメータ値との間の差分値に基づいて、前記電圧が印加される通電工程及び前記成形型内に充填された前記導電性材料に対して保圧が行われる保圧工程のうち少なくとも一方の工程の条件を制御する
 請求項1に記載の射出成形装置。
[請求項5]
 前記測定部は、前記パラメータ値として、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定し、
 前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、前記通電制御部は、前記電圧が低減されるように、前記通電部を制御し、
 前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、前記閾値よりも低いならば、前記通電制御部は、前記電圧が増加されるように、前記通電部を制御する
 請求項4に記載の射出成形装置。
[請求項6]
 前記測定部は、前記パラメータ値として、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定し、
 前記制御部は、前記保圧工程において前記導電性材料に加えられる保圧力を制御する射出制御部を含み、
 前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、前記射出制御部は、前記保圧力が低減されるように、前記加熱射出部を制御し、
 前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、前記閾値よりも低いならば、前記射出制御部は、前記保圧力が増加されるように、前記加熱射出部を制御する
 請求項4に記載の射出成形装置。
[請求項7]
 前記成形型内に形成された流路に冷却液を供給する冷却部を更に備え、
 前記制御部は、前記冷却部を制御する冷却制御部を含み、
 前記測定部は、前記パラメータ値として、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定し、
 前記測定部によって測定された前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも低いならば、前記冷却制御部は、前記冷却部を制御し、前記成形型に対する冷却を完了する
 請求項4に記載の射出成形装置。
[請求項8]
 前記成形型は、第1型合わせ面を有する第1型と、型閉め時に前記第1型に対接する第2型合わせ面を有する第2型と、を含み、
 前記第1型及び前記第2型それぞれは、前記キャビティ形成面を有し、
 前記第1型合わせ面及び前記第2型合わせ面のうち少なくとも一方は、前記複数の導電部間を電気的に絶縁する第2絶縁部材を有する
 請求項4乃至7のいずれか1項に記載の射出成形装置。
[請求項9]
 前記複数の導電部間の電気抵抗値に関するパラメータ値を測定する測定部を更に備え、
 前記制御部は、前記測定部によって測定された前記パラメータ値に基づいて、前記電圧が印加される通電工程、前記成形型内に充填された前記導電性材料に対して保圧が行われる保圧工程及び前記成形型が冷却される冷却工程のうち少なくとも1つの工程の条件を制御する
 請求項1に記載の射出成形装置。
[請求項10]
 前記測定部は、前記パラメータ値として、前記加熱射出部によって加熱溶融された前記導電性材料の体積抵抗率を測定し、
 前記体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、前記電圧が、低減されるように、前記通電制御部は、前記通電部を制御し、
 前記体積抵抗率が、前記閾値よりも低いならば、前記電圧が、増大されるように、前記通電制御部は、前記通電部を制御する
 請求項9に記載の射出成形装置。
[請求項11]
 前記測定部は、前記パラメータ値として、前記加熱射出部によって加熱溶融された前記導電性材料の体積抵抗率を測定し、
 前記加熱射出部は、前記保圧工程において、前記導電性材料に保圧力を与え、
 前記制御部は、前記保圧力を制御する射出制御部を含み、
 前記体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、前記保圧力が、低減されるように、前記射出制御部は、前記加熱射出部を制御し、
 前記体積抵抗率が、前記閾値よりも低いならば、前記保圧力が、増大されるように、前記射出制御部は、前記加熱射出部を制御する
 請求項9に記載の射出成形装置。
[請求項12]
 前記成形型内に形成された流路に冷却液を供給する冷却部を更に備え、
 前記制御部は、前記冷却部を制御する冷却制御部を含み、
 前記測定部は、前記加熱射出部によって加熱溶融された前記導電性材料の体積抵抗率を測定し、
 冷却制御部は、前記測定部によって測定された前記体積抵抗率に基づいて、前記成形型が冷却される期間の長さを設定する
 請求項9に記載の射出成形装置。
[請求項13]
 前記導電性材料は、導電性物質を含有する樹脂材料である
 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の射出成形装置。
[請求項14]
 前記成形型は、第1型合わせ面を有する第1型と、型閉め時に前記第1型に対接する第2型合わせ面を有する第2型と、を含み、
 前記第1型及び前記第2型それぞれは、前記キャビティ形成面を有し、
 前記複数の導電部は、前記第1型及び前記第2型の前記キャビティ形成面に設けられ、
 前記第1型合わせ面及び前記第2型合わせ面のうち少なくとも一方は、前記複数の導電部間を電気的に絶縁する絶縁部材を含む
 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の射出成形装置。
[請求項15]
 前記制御部は、前記加熱射出部による前記導電性材料の加熱及び射出を制御する射出制御部を含み、
 前記通電制御部は、前記射出制御部から出力される制御信号が示す前記導電性材料の射出状態に基づいて前記通電部を制御する
 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の射出成形装置。
[請求項16]
 導電性材料を、キャビティを形成するキャビティ形成面を有する成形型内で射出成形する射出成形方法であって、
 前記導電性材料を流動加熱温度に加熱溶融する加熱溶融ステップと、
 前記加熱溶融された導電性材料を前記成形型内に射出する射出ステップと、
 前記射出された導電性材料が、前記キャビティ形成面の少なくとも一部に互いに絶縁して設けられた複数の導電部に接触したときに通電加熱されるように、前記複数の導電部間に電圧を印加する通電ステップと、を備える
 射出成形方法。
[請求項17]
 前記通電ステップにおいて、前記電圧の印加は、前記導電性材料が前記キャビティ内に完全に充填させる前に停止される
 請求項16に記載の射出成形方法。
[請求項18]
 前記成形型へ冷却液を供給する冷却ステップを更に備え、
 前記冷却ステップは、前記電圧の前記印加の停止に合わせて実行される
 請求項17に記載の射出成形方法。
[請求項19]
 前記複数の導電部間の電気抵抗値に関するパラメータ値を測定する測定ステップと、
 前記キャビティ内に充填された前記導電性材料を保圧する保圧ステップと、
 前記成形型へ冷却液を供給する冷却ステップと、を更に備え、
 前記通電ステップ、前記保圧ステップ及び前記冷却ステップのうち少なくとも1つのステップの条件は、前記測定ステップにおいて測定された前記パラメータ値に基づいて制御される
 請求項16に記載の射出成形方法。
[請求項20]
 前記測定ステップは、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定する段階を含み、
 前記通電ステップは、
 (i)前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、前記電圧を低減する段階と、
 (ii)前記電気抵抗値が、前記閾値よりも低いならば、前記電圧を増加する段階と、を含む
 請求項19に記載の射出成形方法。
[請求項21]
 前記測定ステップは、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定する段階を含み、
 前記保圧ステップは、
 (i)前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも高いならば、前記導電性材料に加えられる保圧力を低減する段階と、
 (ii)前記電気抵抗値が、前記閾値よりも低いならば、前記保圧力を増大する段階と、を含む
 請求項19に記載の射出成形方法。
[請求項22]
 前記測定ステップは、前記複数の導電部間の電気抵抗値を測定する段階を含み、
 前記電気抵抗値が、所定の閾値よりも低いならば、前記冷却ステップは、終了される
 請求項19に記載の射出成形方法。
[請求項23]
 前記複数の導電部間の体積抵抗率に関するパラメータ値を測定する測定ステップと、
 前記キャビティ内に充填された前記導電性材料を保圧する保圧ステップと、
 前記成形型へ冷却液を供給する冷却ステップと、を更に備え、
 前記通電ステップ、前記保圧ステップ及び前記冷却ステップのうち少なくとも1つのステップの条件は、前記パラメータ値に基づいて制御される
 請求項16に記載の射出成形方法。
[請求項24]
 前記測定ステップは、前記複数の導電部間の体積抵抗率を測定する段階を含み、
 前記通電ステップは、
 (i)前記体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、前記電圧を低減する段階と、
 (ii)前記体積抵抗率が、前記閾値よりも低いならば、前記電圧を増加する段階と、を含む
 請求項23に記載の射出成形方法。
[請求項25]
 前記測定ステップは、前記複数の導電部間の体積抵抗率を測定する段階を含み、
 前記保圧ステップは、
 (i)前記体積抵抗率が、所定の閾値よりも高いならば、前記導電性材料に加えられる保圧力を低減する段階と、
 (ii)前記体積抵抗率が、前記閾値よりも低いならば、前記保圧力を増大する段階と、を含む
 請求項23に記載の射出成形方法。
[請求項26]
 前記測定ステップは、前記複数の導電部間の体積抵抗率を測定する段階を含み、
 前記冷却ステップは、前記体積抵抗率に基づいて、前記冷却液が前記成形型内へ供給される期間を設定する段階を含む
 請求項23に記載の射出成形方法。
[請求項27]
 前記導電性材料は、導電性物質を含有する樹脂材料である
 請求項16乃至26のいずれか1項に記載の射出成形方法。
[請求項28]
 前記通電ステップが実行されるタイミングは、前記射出ステップを制御する制御信号が示す前記導電性材料の射出状態に基づいて制御される
 請求項16乃至27のいずれか1項に記載の射出成形方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 9C]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18A]

[ 図 18B]

[ 図 19A]

[ 図 19B]

[ 図 20]

[ 図 21A]

[ 図 21B]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]

[ 図 29]

[ 図 30A]

[ 図 30B]

[ 図 30C]

[ 図 31]

[ 図 32]