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1. WO2004060831 - PROCEDE DE DEUTERATION

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[ JA ]
重水素化方法

技術分野

本発明は、活性化された触媒を用いて行われる、化合物の重水素化方 法に関する。 明

技術背景

重水素化 (ジユウテリゥム化及びトリチウム化)された化合物は、種 々の目的に有用であるとされている。例えば、ジユウテリゥム化された 化合物は、反応機構及び物質代謝などの解明に非常に有用であり、標識 化合物として広く利用されており、更に該化合物は、その同位体効果に よって化合物自体の安定性や性質が変化することから、 医薬品、農薬品 、有機 E L材料等としても有用であるとされている。また、トリチウム 化された化合物は、医薬品等の吸収、分布、血中濃度、排泄、代謝等を 動物実験等で調査する際の標識化合物として有用であるとされている。 そのため、近年、これらの分野に於いても重水素化(ジユウテリゥム化 及びトリチウム化)された化合物を用いた研究が盛んに行われている。 従来、このような重水素化された化合物を得るために様々な方法が用 いられているが、中でもその構造中にカルポニル基ゃヒドロキシル基を 有する化合物を重水素化する技術は未だ問題が多く、 重水素化された化 合物を効率的且つ工業的に得ることは困難であった。

従来の技術としては、例えば、 1 )過酸化重水素を用い、塩基性条件下 でカルボン酸を重水素化する方法 (USP 3849458号公報参照)、 2)イリジ ゥム錯体を触媒として用い、重水を重水素源として用いてアルコールや 力ルポン酸を重水素化する方法 (J . Am. Chem. S oc . Vo l . 1 24, No . 10, 209 2 (2002)参照)、 3)パラジウムカーボンを触媒として用い、重水素源と して重水素ガスのみを用いて脂肪酸を重水素化する方法 (L IP I DS, Vo l . 9, No . 1 1 , 913 (1974)参照)、 4)第 8族金属から選ばれる金属を触媒と して用い、重水又は重水 +重水素ガスを重水素源として用いてァクリル 酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチルを重水素化 する方法 (特公平 5- 1 9536号公報、特開昭 61 - 277648号公報及び特開昭 61 -275241号公報参照)或いは 5)水素で活性化されていない触媒を用い、 重水を重水素源として用いて、アクリル酸ゃメタクリル酸メチル等を重 水素化する方法 (特開昭 63- 198638号公報参照)が挙げられる。

しかしながら、これらの方法は夫々以下の如き問題を有している。

1 )過酸化重水素を用い、塩基性条件下でカルボン酸を重水素化する方 法では、過酸化重水素により分解される化合物や塩基性条件により分解 される化合物の重水素化を行うことは出来ないという問題点を有してお り、また、たとえ酸性或いは塩基性条件下で分解しない化合物を基質と して使用した場合でも、反応液の液性が中性ではないため、該方法によ つて重水素化された化合物を単離するためには、煩雑な精製操作が必要 となる。

2)ィリジゥム錯体を触媒として用い、重水を重水素源として用いてァ ルコール化合物やカルボン酸を重水素化する方法では、 アルコール化合 物の水酸基が結合する炭素原子から遠い位置に結合する水素原子程重水 素化率が高くなり、水酸基の側では、重水素化率が極めて低いという問 題点があり、また、触媒として用いられるイリジウム錯体自体も不安定 な化合物であるため、製造が難しくまた入手も困難であるという問題点 を有している。

3)パラジウムカーボンを触媒として用い、 K O D + D 2 0の電気分解 により発生する重水素ガスを重水素源として用いて脂肪酸を重水素化す る方法では、重水素ガスの製造に特殊な装置が必要であり、その操作も

非常に煩雑であり、実用的ではない。また、このように重水素ガスを重 水素源として用いる方法では、水添により還元される不飽和結合を有す る不飽和脂肪酸等の化合物を重水素化することが困難である。

4)第 8族金属から選ばれる金属を触媒として用い、重水又は重水十重 水素ガスを重水素源として用いてアクリル酸、アクリル酸メチル、メタ クリル酸或いはメタクリル酸メチルを重水素化する方法では、重水素源 として重水のみを用いる場合は、触媒として活性化されていないものを 用いていることから重水素化率が低いという問題点を有しており、 一方 、重水素源として重水 +重水素ガスを用いる場合には、重水素化と同時 に、反応基質であるアクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸或い はメタクリル酸メチルの炭素一炭素二重結合部分が、重水素ガスにより 水添 (接触還元)され易く、該結合を残したまま重水素化出来ない。

5 )水素により活性化されていない触媒を用い、重水素源として重水を 使用してァクリル酸ゃメタクリル酸メチルを重水素化する方法では、 触 媒として活性化されていないものを用いていることから重水素化率が低 いという問題点を有している。

上記した如き状況から、置換基の種類や二重結合或いは三重結合の有 無に拘わらず、効率的且つ工業的にカルポニル化合物又は第 2アルコー ル化合物を重水素化する方法の開発が望まれている。

発明の開示

本発明は、一般式 [ 1 ]


( R 1 は、炭素一炭素二重結合及び Z又は三重結合を有していてもよい アルキル基又はァラルキル基を表し、 R 2 は、炭素—炭素二重結合及び /又は三重結合を有していてもよいアルキル基、 ァリール基、ァラルキ ル基、アルコキシ基、ァリールォキシ基又はヒドロキシル基を表し、 X は力ルポニル基又はヒドロキシメチレン基を表す。また、 R 1 と R 2 と が結合して Xに含まれる炭素原子と共に脂肪族環を形成していてもよい 。伹し、 Xがヒドロキシメチレン基の場合には、 R 2 は、炭素—炭素二 重結合及び/又は三重結合を有していてもよいアルキル基、 ァリール基 又はァラルキル基を表す。)で示される化合物を、活性化された、パラ ジゥム触媒、白金触媒、ロジウム触媒、ルテニウム触媒、ニッケル触媒 及びコパルト触媒より選ばれる触媒の共存下、重水素源と反応させるこ とを特徴とする、一般式 [ 1 ] で示される化合物の重水素化方法の発明 である。

また、本発明は、重水素化率 6 0 %以上のトリシクロ [5.2.1.02'6] デカン -8-オールの発明である。

発明を実施するための最良の形態

本発明に於いて、重水素とはジユウテリゥム(D) 又は卜リチウム( T) のことを意味し、重水素化とはジユウテリゥム化及びトリチウム化 のことを意味する。また、本明細書に於いては、一般式 [ 1 ] で示され る化合物が有する水素原子のうち重水素原子に置換された比率を重水素 化率とする。

本発明の重水素化方法に於いて、一般式 [ 1 ] で示される化合物の R 1 及び R2 で表される、炭素一炭素二重結合及び/又は三重結合を有し ていてもよいアルキル基のアルキル基としては、 直鎖状、分枝状或いは 環状でもよく、通常炭素数 1〜 2 0、好ましくは 1〜 1 5、より好まし くは 1〜 1 0、更に好ましくは 1〜 6のものが挙げられ、具体的には、 例えばメチル基、ェチル基、 n-プロピル基、イソプロピル基、 n-ブチル 基、イソブチル基、 sec-ブチル基、 tert-ブチル基、 n-ペンチル基、ィ ソペンチル基、 sec-ペンチル基、 tert-ペンチル基、ネオペンチル基、 n -へキシル基、イソへキシル基、 3-メチルペンチル基、 2-メチルペンチ ル基、 1, 2-ジメチルブチル基、 n-ヘプチル基、イソへプチル基、 sec-へ プチル基、 n-ォクチル基、イソォクチル基、 sec-ォクチル基、 n-ノニル 基、 n-デシル基、 n-ゥンデシル基、 n-ドデシル基、 n-トリデシル基、 n_ テトラデシル基、 n-ペン夕デシル基、 n_へキサデシル基、 n-ヘプ夕デシ ル基、 n-ォクタデシル基、 n-ノナデシル基、 n-ィコシル基、シクロプロ ピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シ クロォクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル 、シクロウンデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、 シクロペン夕デシル基、シクロへキサデシル基、シクロヘプ夕デシル基 、シクロォクタデシル基、シクロノナデシル基、シクロイコシル基等が 挙げられる。

炭素一炭素二重結合又は三重結合を有するアルキル基としては、上記 した如きアルキル基のうち炭素数が 2以上のものの鎖中に二重結合或い は三重結合が 1つ以上含まれているものが挙げられ、また、炭素一炭素 二重結合及び三重結合を有するアルキル基としては、 上記アルキル基の うち炭素数が 4以上のものの鎖中に二重結合及び三重結合が夫々 1っ以 上含まれているものが挙げられ、 このような炭素一炭素二重結合及び/ 又は三重結合を有するアルキル基の具体例としては、 例えばビニル基、 ァリル基、 1-プロぺニル基、イソプロぺニル基、 3-ブテニル基、 2-ブテ ニル基、卜ブテニル基、 1, 3-ブタジェニル基、 4-ペンテニル基、 3-ペン テニル基、 2_ペンテニル基、 1-ペンテニル基、 1, 3-ペンタジェニル基、 2, 4-ペン夕ジェニル基、 1, 1-ジメチル -2-プロぺニル基、卜ェチル -2 -プ 口ぺニル基、 1, 2-ジメチル -1-プロぺニル基、 1-メチル -1 -ブテニル基、 5-へキセニル基、 4-へキセニル基、 2-へキセニル基、卜へキセニル基、 1-メチル -1-へキセニル基、 2-メチル -2-へキセニル基、 3-メチル _1,3 -へキサジェニル基、 1-ヘプテニル基、 2-ォクテニル基、 3_ノネニル基、

4-デセニル基、 1 -ドデセニル基、 1 -テトラデセニル基、 1 -へキサデセニ ル基、 1 -ォクタデセニル基、 1 -ィコセニル基、 1 -シクロプロぺニル基、 2-シクロペンテ'ニル基、 2,4-シクロペン夕ジェニル基、卜シクロへキセ ニル基、 2-シクロへキセニル基、 3-シクロへキセニル基、 2 -シクロヘプ テニル基、 2-シクロノネニル基、 3-シクロデセニル基、 2-シクロトリデ セニル基、 シクロへキサデセニル基、 1 -シクロォクタデセニル基、 1 -シクロイコセニル基等の炭素一炭素二重結合のみを有するアルキル基、 例えばェチニル基、 2-プロピニル基、 1 -プロピニル基、 2-ペンチニル基 、 2-ノニル -3 -ブチニル基、シクロへキシル -3-ィニル、 4 -ォクチニル基 、 1 -メチルデシル- 5-ィニル基等の炭素—炭素三重結合のみを有するァ ルキル基、例えば 1 -ブテン- 3-ィニル基 1、 2-ペンテン -4-ィニル基、 5-(3-ペンテニル) -3 , 6,.8-デカトリェン-卜ィニル基、 6- (1 , 3-ペンタジェ ニル) -2 , 4, 7-ドデカトリエン -9-ィニル基、 6- (卜ペンテン- 3-ィ二ル)- 2 , 4, 7, 9-ゥンデカテトラェニル基等の炭素一炭素二重結合及び三重結合 を有するアルキル基が挙げられる。

R 1 及び R 2 で表されるァラルキル基としては、直鎖状、分枝状、或 いは環状でもよく、上記アルキル基に上記ァリール基が置換した通常炭 素数 7〜 3 4、好ましくは 7〜 2 0、より好ましくは 7〜 1 5のものが 挙げられ、具体的には、例えばべンジル基、フエニルェチル基、フエ二 ルプロピル基、フエニルブチル基、フエ二ルペンチル基、フエ二ルへキ シル基、フエニルヘプチル基、フエニルォクチル基、フエニルノニル基 、フエニルデシル基、フエニルドデシル基、フエ二ルゥンデシル基、フ ェニルトリデシル基、 フエ二ルテ卜ラデシル基、フエ二ルペン夕デシル 基、フエニルへキサデシル基、フエニルヘプ夕デシル基、フエ二ルォク 夕デシル基、 フエ二ルノナデシル基、フエ二ルイコシル基、ナフチルェ チル基、ナフチルプロピル基、ナフチルブチル基、ナフチルペンチル基 、ナフチルへキシル基、ナフチルヘプチル基、ナフチルォクチル基、ナ

フチルノニル基、ナフチルデシル基、ナフチルドデシル基、ナフチルゥ ンデシル基、ナフチルトリデシル基、ナフチルテトラデシル基、ナフチ ルペン夕デシル基、ナフチルへキサデシル基、ナフチルヘプタデシル基 、ナフチルォクタデシル基、ナフチルノナデシル基、ナフチルイコシル 基、アントリルェチル基、アントリルプロピル基、アントリルブチル基 、アントリルペンチル基、アントリルへキシル基、アントリルへプチル 基、アントリルォクチル基、アントリルノニル基、アントリルデシル基 、アントリルドデシル5、アントリルゥンデシル基、アントリルトリデ シル基、アントリルテトラデシル基、アントリルペン夕デシル基、アン トリルへキサデシル基、アントリルヘプ夕デシル基、アントリルォク夕 デシル基、アントリルノナデシル基、アントリルイコシル基、フエナン トリルェチル基、フエナントリルプロピル基、フエナントリルブチル基 、フエナントリルペンチル基、フエナントリルへキシル基、フエナント リルへプチル基、フエナントリルォクチル基、フエナントリルノニル基 、フエナントリルデシル基、フエナントリルドデシル基、フエナントリ ルゥンデシル基、フエナントリルトリデシル基、フエナン.トリルテトラ デシル基、フエナントリルペン夕デシル基、フエナントリルへキサデシ ル基、フエナントリルへプタデシル基、フエナントリルォクタデシル基 、フヱナントリルノナデシル基、フヱナントリルイコシル基等が挙げら れる。

R 2 で表されるァリール基としては、通常炭素数 6〜 1 4、好ましく は 6〜 1 0のものが挙げられ、具体的には、例えばフエニル基、ナフチ ル基、アントリル基等が挙げられる。

R 2 で表されるアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状で もよく、通常炭素数 1〜 2 0、好ましくは 1〜 1 5、より好ましくは 1 ~ 1 0、更に好ましくは 1〜 6のものが挙げられ、具体的には、例えば メ トキシ基、エトキシ基、プロピルォキシ基、イソプロピルォキシ基、 ブトキシ基、イソブチルォキシ基、 s ec-ブチルォキシ基、 t e r t -ブチル ォキシ基、ペンチルォキシ基、ネオペンチルォキシ基、へキシルォキシ 基、イソへキシルォキシ基、 t e r t -へキシルォキシ基、ヘプチルォキシ 基、ォクチルォキシ基、ノエルォキシ基、デシルォキシ基、ゥンデシル ォキシ基、テトラデシルォキシ基、へキサデシルォキシ基、ヘプ夕デシ ルォキシ基、ノナデシルォキシ基、ィコシルォキシ基、シクロへキシル ォキシ基、シクロォクチルォキシ基、シクロデシルォキシ基、シクロノ ナデシルォキシ基等が挙げられる。

R 2 で表されるァリールォキシ基としては、通常炭素数 6〜 1 4、好 ましくは 6〜 1 0のものが挙げられ、具体的には、例えばフエノキシ基 、ナフチルォキシ基、アントリルォキシ基等が挙げられる。

R 2 で表されるヒドロキシル基は、その水素原子が例えばナトリウム 、カリウム、リチウム等のアルカリ金属原子に置換されたものも含む。

また、 R 1 と R 2 とが結合して Xに含まれる炭素原子と共に形成する 脂肪族環としては、単環でも多環でもよく、通常炭素数 3〜 1 5 , 好ま しくは 5〜 1 0、より好ましくは 6〜 8のものが挙げられ、具体的には 、例えばシクロプロパン環シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロ へキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、 シクロデカン環、シクロドデカン環、シクロウンデカン環、シクロトリ デカン環、シクロテトラデカン環、シクロペン夕デカン環等の飽和単環 、例えばシクロブテニル環、シクロペンテニル環、シクロへキセニル環 、シクロヘプテニル環、シクロォクテニル環、シクロノニル環等の不飽 和単環、例えばトリシクロデカン環、ジシクロペン夕ジェン環、パーヒ ドロナフタレン環、パーヒドロアントラセン環、ノルポルナン環、ノル ピナン環、ノルカラン環、ァダマンタン環等の飽和或いは不飽和多環等 が挙げられる。

本発明に係る一般式 [ 1 ] で示される化合物に於いて、 R 1 及び R 2 で表される、炭素一炭素二重結合及び Z又は三重結合を有していてもよ いアルキル基及びァラルキル基、 R 2 で表されるァリール基、アルコキ シ基及びァリールォキシ基は、更に、通常 1〜 5個、好ましくは 1〜 3 個の種々の置換基を有していてもよく、それら置換基としては、例えば 炭素一炭素二重結合 Z三重結合を有していてもよいアルキル基、ァリー ル基、ァラルキル基、アルコキシ基、ァリールォキシ基、アルコキシ力 ルポニル基、ァリールォキシカルポニル基、ァシル基、力ルポキシル基 、アルデヒド基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミノアルキル基、シァ ノ基、力ルバモイル基、アルキル力ルバモイル基等が挙げられる。

上記した如き R 1 及び又は R 2 で表される基の置換基である、素 一炭素二重結合及び 又は三重結合を有していてもよいアルキル基、ァ ラルキル基、ァリール基、アルコキシ基、ァリールォキシ基及びヒドロ キシル基の具体例どしては、 R 1 及び Z又は R 2 で表されるそれと同様 のものが挙げられる。

また、 R 1 及び/又は R 2 で表される基の置換基である、アルコキシ 力ルポニル基及びァリールォキシカルポニル基の具体例としては、 上記 した如き R 1 及び/又は R 2 で表されるアルコキシ基及びァリールォキ シ基の具体例の酸素原子にカルポニル基が結合したもの等が挙げられる

R 1 及びノ又は R 2 で表される基の置換基であるァシル基としては、 通常炭素数 2〜 2 0、好ましくは 2〜 1 0、より好ましくは 2〜 4のも のが挙げられ、具体的には、例えばァセチル基、プロピオニル基、プチ リル基、イソプチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ビバロイル基 、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基等 の脂肪族飽和モノカルボン酸由来のァシル基、 例えばァクリロイル基、 プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノィル基、ォレオイル基 等の脂肪族不飽和モノカルボン酸由来のァシル基、 例えばべンゾィル基 、ナフトイル基等の芳香族モノカルボン酸由来のァシル基等が挙げられ る。

R 1 及び/又は R 2 で表される基の置換基である力ルポキシル基は、 その水素原子が例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金 属原子に置換されたものも含む。

R 1 及び Z又は R 2 で表される基の置換基であるアミノ基は、その水 素原子の 1つ又は 2つが、通常炭素数 1〜 6、好ましくは 1〜 4の直鎖 、分枝又は環状のアルキル基で置換されていてもよい。

R 1 及び又は R 2 で表される基の置換基であるアミノアルキル基と しては、 R 1 及び Z又は R 2 で表されるアルキル基の少なくとも 1つの 水素原子が上記した如きアミノ基に置換されたものが挙げられる。

R 1 及びノ又は R 2 で表される基の置換基であるアルキル力ルバモイ ル基としては、力ルバモイル基の水素原子の 1つ又は 2つが夫々独立し て上記した如きアルキル基に置き換わったものが挙げられ、具体的には 、例えばメチルカルバモイル基、ェチルカルバモイル基、 n-プロピル力 ルバモイル基、イソプロピル力ルバモイル基、 n -ブチルカルバモイル基 、イソブチルカルバモイル基、 t e r t -ブチルカルバモイル基、ペンチル 力ルバモイル基、へキシルカルバモイル基、へプチルカルバモイル基、 ォクチルカルバモイル基、ノニルカルバモイル基、デシルカルバモイル 基、 ドデシルカルバモイル基、テトラデシルカルバモイル基、ペンタデ シルカルバモイル基、へキサデシルカルバモイル基、ヘプタデシル力ル バモイル基、ノナデシルカルバモイル基、ィコシルカルバモイル基、シ クロペンチルカルバモイル基、シクロへキシルカルバモイル基、シクロ へプチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ェチルメチルカル バモイル基、ジェチルカルバモイル基、メチルプロピル力ルバモイル基 、ジプロピル力ルバモイル基、ェチルへキシルカルバモイル基、ジブチ ルカルバモイル基、へプチルメチルカルバモイル基、メチルォクチルカ ルバモイル基、

ィル基、メチルペン夕デシルカルバモイル基、ェチルォク夕デシルカル パモイル基、シクロペンチルメチルカルバモイル基、シクロへキシルメ チルカルバモイル基、シクロへキシルェチル基、シクロへキシルプロピ ル基、シクロへキシルプチルカルバモイル基、ジシクロへキシルカルバ モイル基等が挙げられる。

一般式 [ 1 ] で示される化合物のうち、例えばアルコキシカルポニル 基、ァリールォキシカルポニル基、シァノ基等の酸性或いは塩基性条件 で分解され易い基を含んでなる化合物を重水素化する際、本発明の方法 を用いることにより、これら置換基が分解されることなく、目的とする 重水素化物が効率的に得られる。

本発明の重水素化方法に於いて、上記した如き一般式 [ 1 ] で示され る化合物と反応させる重水素源としては、例えば重水素ガス(D T

2 ) 、重水素化された溶媒等が挙げられる。尚、 Xがカルポニル基であ る一般式 [ 1 ] で示される化合物を重水素化する重水素源としては、重 水素化された溶媒が特に好ましく、 また、 Xがヒドロキシメチレン基で ある場合も、重水素源としては、重水素化された溶媒が好ましい。

重水素源である重水素化された溶媒としては、重水素がジユウテリゥ ムである場合には、例えば、重水(D 2 O ) 、例えば重メタノール、重 エタノール、重イソプロパノール、重ブ夕ノール、重 t e r t -ブ夕ノール 、重ペンタノ一ル、重へキサノール、重ヘプ夕ノール、重ォクタノール 、重ノナノール、重デカノール、重ゥンデ力ノール、重ドデカノール等 の重アルコール類、例えば重ギ酸、重酢酸、重プロピオン酸、重酪酸、 重イソ酪酸、重吉草酸、重イソ吉草酸、重ピバル酸等の重力ルボン酸類 、例えば重アセトン、重メチルェチルケトン、重メチルイソプチルケト ン、重ジェチルケトン、重ジプロピルケトン、重ジイソプロピルケトン 、重ジブチルケトン等の重ケトン類、重ジメチルスルホキシド等の有機

溶媒等が挙げられ、中でも重水、重アルコール類が好ましく、具体的に は、重水、重メタノールが特に好ましいものとして挙げられる。尚、環 境面や作業性を考慮すれば重水が好ましい。また、重水素がトリチウム の場合には、重水素化された溶媒としては、例えば重水(τ 2 〇)等が 挙げられる。

重水素化された溶媒は、分子中の一つ以上の水素原子が重水素化され ているものであればよく、例えば重アルコール類ではヒドロキシル基の 水素原子、重力ルボン酸類では力ルポキシル基の水素原子が重水素化さ れていれば本発明の重水素化方法に使用し得るが、分子中の水素原子全 てが重水素化されたものが特に好ましい。

重水素源の使用量は、多い程本発明の重水素化が進みやすくなるが、 経済的な面を考慮すると、重水素源に含まれる重水素原子の量が、反応 基質である一般式 [ 1 ] で示される化合物の重水素化可能な水素原子に 対して、下限として順に好ましく、等モル、 1 0倍モル、 2 0倍モル、 3 0倍モル、 4 0倍モル、上限として順に好ましく、 2 5 0倍モル、 1 5 0倍モルとなるような量である。

本発明の重水素化方法に於いては、必要に応じて反応溶媒を用いても よい。反応基質が液体であれば、重水素源として重水素ガスを使用する 場合でも反応溶媒を用いる必要はなく、 また、反応基質が固体であって も、重水素源として重水素化された溶媒を用いる場合には、特に反応溶 媒を用いる必要はないが、反応基質が固体であり且つ重水素源が重水素 ガスである場合には適当な反応溶媒の使用が必要となる。

尚、炭素一炭素二重結合或いは炭素一炭素三重結合が含まれている化 合物を重水素化する場合、 これらの基は触媒の存在下で水素ガスや重水 素ガスと接触させると、所謂水添が起こり還元されてしまうため、重水 素源としては重水素化された溶媒を用いることが好ましい。

必要に応じて使用される反応溶媒としては、重水素源として使用され る重水素ガスにより重水素化されないもの、或いは重水素ガスにより重 水素化されてしまうものであっても、該重水素化された反応溶媒がその まま本発明の重水素化の重水素源となり得るものが好ましい。 また、本 発明の重水素化は反応系が懸濁状態でもよいことから、反応溶媒として 基質を溶解レ難いものも使用が可能であるが、基質を溶解し易いものが より好ましい。

必要に応じて用いられる反応溶媒の具体例としては、例えばジメチル ェ一テル、ジェチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ェチルメチル エーテル、 t e r t -ブチルメチルエーテル、 1, 2 -ジメトキシェタン、ォキ シラン、 1 , 4-ジォキサン、ジヒドロピラン、テトラヒドロフラン等のェ 一テル類、例えばへキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シ クロへキサン等の脂肪族炭化水素類等の重水素ガスにより重水素化され ない有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ タノ一ル、 t e r t -ブ夕ノール、ペンタノール、へキサノール、ヘプタノ ール、ォク夕ノール、ノナノール、デカノール、ゥンデ力ノール、ドデ 力ノール等のアルコール類、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、 イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸等のカルボン酸類、例えばァ セトン、メチルェチルケトン、メチルイソプチルケトン、ジェチルケト ン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン等のケ トン類、ジメチルスルホキシド等の重水素ガスにより重水素化されても 本発明の重水素源として使用し得る有機溶媒等が挙げられる。

本発明に於ける、活性化された、パラジウム触媒、白金触媒、ロジゥ ム触媒、ルテニウム触媒、ニッケル触媒及びコバルト触媒より選ばれる 触媒 (以下、活性化された触媒と略記することがある。)とは、所謂パ ラジウム触媒、白金触媒、ロジウム触媒、ルテニウム触媒、ニッケル触 媒或いはコバルト触媒 (「活性化されていない触媒」或いは単に「触媒 」と略記することがある。)が水素ガス或いは重水素ガスと接触するこ

とにより活性化されたものをいう。

本発明の重水素化方法においては、予め活性化させておいた触媒を使 用して重水素化を行ってもよく、また、活性化されていない触媒を重水 素化の反応系で水素ガス或いは重水素ガスと共存させ、触媒の活性化と 反応基質の重水素化を同時に行ってもよい。しかしながら、一般式 [ 1 ] で示される化合物のうち炭素—炭素二重或いは三重結合が含まれてい るものを重水素化する場合には、反応系に水素ガス或いは重水素ガスを 存在させると水添が起こるため、そのようなことが起こらないよう触媒 としては予め活性化させておいたものを使用することが好ましい。

予め水素ガス或いは重水素ガスによつて活性化された触媒を用いて重 水素化を行う場合、重水素化の反応容器の気層部分は、例えば窒素、ァ ルゴン等の不活性ガスにより置換されていてもよい。

反応系に水素ガス或いは重水素ガスを存在させて本発明の重水素化反 応を行うには、反応液に直接水素ガス或いは重水素ガスを通過させるか 、反応容器の気層部分を水素ガス或いは重水素ガスで置換すればよい。

また、一般式 [ 1 ] で示される化合物のうち炭素—炭素二重或いは三 重'結合が含まれていないものを重水素化する場合には、予め活性化され た触媒を用いる場合であっても、重水素化反応の反応容器の気層部分を 水素或いは重水素で置換して重水素化反応を行うことが出来る。

尚、本発明の重水素化方法に於いては、反応容器を密封状態或いはそ れに近い状態となるようにして、反応系が結果的に加圧状態となってい ることが好ましい。密封に近い状態とは、例えば所謂連続反応の様に、 反応基質が連続的に反応容器に投入され、連続的に生成物が取り出され るような場合等を含む。

尚、本発明の重水素化方法は、反応容器が密封状態となっている場合 には、反応系の温度を容易に上昇させることが出来、重水素化を効率よ く行うことが可能となる。

また、重水素化反応の反応容器の気層部分を、水素ガス或いは重水素 ガスで置換するという方法を用いて、反応基質の重水素化と触媒の活性 化を同時に行えば、予め触媒を活性化するという煩雑な工程を必要とし ないため、炭素一炭素二重結合及び/又は三重結合を含んでいるものを 除いた一般式 [ 1 ] で示される化合物の重水素化を更に効率よく行うこ とが出来る。

更にまた、予め水素ガス或いは重水素ガスで活性化した触媒を密封状 態の重水素化に用いる場合には、重水素化の反応系に水素ガス又は重水 素ガスが存在しないので、炭素一炭素二重結合及び Z又は三重結合を含 むような基質等の一般的に水素ガス等で還元されやすい基質であっても 、還元されることなく重水素化のみが進行する。

本発明に於ける、活性化された触媒としては、上記した如きパラジゥ ム触媒、白金触媒、ロジウム触媒、ルテニウム触媒、ニッケル触媒及び コバルト触媒が挙げられ、中でもパラジウム触媒、白金触媒、ロジウム 触媒が好ましく、更にはパラジウム触媒及び白金触媒が好ましく、特に パラジウム触媒が好ましい。 これら触媒は、単独でも或いは適宜組み合 わせて用いても本発明の重水素化方法に有効に使用し得る。

パラジウム触媒としては、パラジウム原子の原子価が通常 0〜 4価、 好ましくは 0〜 2価、より好ましくは 0価のものが挙げられる。

白金触媒としては、白金原子の原子価が通常 0〜 4価、好ましくは 0 〜 2価、より好ましくは 0価のものが挙げられる。

ロジウム触媒としては、ロジウム原子の原子価が通常 0又は 1価、好 ましくは 0価のものが挙げられる。

ルテニウム触媒としては、ルテニウム原子の原子価が通常 0〜 2価、 好ましくは 0価のものが挙げられる。

ニッケル触媒としては、ニッケル原子の原子価が通常 0〜 2価、好ま しくは 0価のものが挙げられる。

コバルト触媒としては、コバルト原子の原子価が通常 0又は 1価、好 ましくは 1価のものが挙げられる。

上記した如き触媒は、金属そのものでも、それら金属の酸化物、ハロ ゲン化物、酢酸塩、或いは配位子が配位しているものでもよく、またそ れら金属、金属酸化物、ハロゲン化物、酢酸塩、金属錯体等が種々の担 体に担持されてなるものでもよい。

以下、担体に担持されている触媒を「担体担持金属触媒」、担体に担 持されていない触媒を 「金属触媒」と略記することがある。

本発明の重水素化方法に係る触媒のうち、配位子が配位していてもよ い金属触媒の配位子としては、例えば 1, 5-シク口才クタジェン(COD)、 ジベンジリデンアセトン(DBA)、ビピリジン(BPY)、フエナント口リン(P HE)、ベンゾニトリル(PhCN) 、イソシアニド(RNC) 、トリェチルアル シン(As(Et)3)、ァセチルァセトナト(acac:)、例えばジメチルフエニル ホスフィン (P(CH3)2Ph) ,ジフエニルホスフィノフエロセン (DPPF) , トリメチルホスフィン(P(CH3)3), トリェチルホスフィン(PEt3),ト リ tert-ブチルホスフィン(PlBu3),トリシクロへキシルホスフィン(PCy 3),トリメ卜キシホスフィン(P (0CH3 ) 3 ) , 卜リエトキシホスフィン(P (0 Et)3),トリ tert-ブトキシホスフィン(0 1)3),トリフエニルホスフ イン(PPh3), 1, 2-ビス(ジフエニルホスフイノ)ェタン(DPPE), トリフエ ノキシホスフィン(P(0Ph)3)、 0-トリルホスフィン(0- tolyl)3)等の有 機ホスフィン配位子等が挙げられる。

パラジウム金属触媒の具体例としては、例えば Pd、例えば?(1(011)2等 の水酸化パラジウム触媒、例えば PdO等の酸化パラジウム触媒、例えば P dBr2、 PdCl2、 Pdl2等のハロゲン化パラジウム触媒、例えばパラジウム アセテート(Pd(0Ac)2),パラジウムトリフルォロアセテート(Pd(0C0CF3 )2)等のパラジウム酢酸塩触媒、例えば Pd(RNC)2Cl2, Pd(acac)2, ジァ セテートビス(トリフエニルホスフィン)パラジウム [Pd(0Ac)2 (PPh3)2]

, Pd(PPh3)4, Pd2 (dba)3, Pd(NH3)2Cl2, Pd (CH3 CN) 2 Cl2 , ジクロロビス (ベンゾニトリル)パラジウム [Pd(PhCN)2Cl2], Pd(dppe)Cl2 , Pd(dppf)C 12, Pd[PCy3]2 Cl2 , Pd(PPh3)2 Cl2 , Pd [P (o-tolyl) 3 ] 2 Cl2 , Pd(cod)2 Cl2 , Pd(PPh3) (CH3CN)2 Cl2等の配位子に配位されたパラジウム金属錯体触 媒等が挙げられる。

白金金属触媒の具体例としては、例えば Pt、例えば Pt02、 PtClい PtC 1い K2PtCl4等の白金触媒、例えば PtCl2 (cod)、 PtCl2 (dba)、 PtCl2 (PCy 3)2、 PtCl2 (P(OEt)3)2、 PtCl2 (P(0'Bu)3)い PtCl2 (bpy)、 PtCl2 (phe)、 Pt(PPh3)い Pt(cod)2、 Pt(dba)2、 Pt(bpy)2、 Pt(phe)2等の、配位子に 配位された白金触媒等が挙げられる。

ロジウム金属触媒の具体例としては、例えば Rh、例えば RhCl (PPh3)3 等の、配位子に配位されたロジウム触媒等が挙げられる。

ルテニウム金属触媒の具体例としては、例えば Ru、例えば RuCl2 (PPh3 )3 等の、配位子に配位されたルテニウム触媒等が挙げられる。

ニッケル金属触媒の具体例としては、例えば Ni、例えば NiCl2、 NiO等 のニッケル触媒、例えば NiCl2 (dppe)、 NiCl2 (PPh3)2 Ni (PPh3)4 , Ni (P (0Ph)3)4、 Ni(cod)2等の、配位子に配位されたニッケル触媒等が挙げら れる。

コバルト金属触媒の具体例としては、例えば Co(C3H5) {P(0CH3)3}3等 の配位子に配位されたコバルト金属錯体触媒等が挙げられる。

上記した如き触媒が、担体に担持されたものである場合の担体として は、例えばカーボン、アルミナ、シリカゲル、ゼォライト、モレキユラ ーシーブス、イオン交換樹脂、ポリマー等が挙げられ、中でもカーボン が好ましい。

担体として用いられるイオン交換樹脂としては、本発明の重水素化に 悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば陽イオン交換樹脂、陰ィ オン交換樹脂が挙げられる。

陽イオン交換樹脂としては、例えば弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性 陽イオン交換樹脂が挙げられ、陰イオン交換樹脂としては、例えば弱塩 基性陰イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂等が挙げられる。

イオン交換樹脂は一般に骨格ポリマーとして二官能性モノマーで架橋 したポリマーを含んでおり、これに酸性基又は塩基性基が結合され、夫 々種々の陽イオン又は陰イオン (対イオン)で交換されている。

弱酸性陽イオン交換樹脂の具体例としては、例えばジビニルベンゼン で架橋したァクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルのポリマーを 加水分解して得られるもの等が挙げられる。

強酸性陽イオン交換樹脂の具体例としては、例えばスチレン一ジビニ ルベンゼンのコポリマーをスルホン化したものが挙げられる。

強塩基性陰ィオン交換樹脂としては、例えばスチレン—ジビュルベン ゼンのコポリマーの芳香環にアミノ基が結合したものが挙げられる。 塩基性陰イオン交換樹脂の塩基性の強さは、結合しているアミノ基が 、第 1級ァミノ基、第 2級ァミノ基、第 3級ァミノ基、第 4級アンモニ ゥム塩になるに従い順に強くなる。

尚、市販のイオン交換樹脂も上記した如きイオン交換樹脂と同様に本 発明の重水素化に係る触媒の担体として使用可能である。

また、担体として用いられるポリマーとしては、本発明の重水素化に 悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、その様なポリマ 一の例として、例えば下記一般式 [ 2 ] で示されるモノマーが重合或い は共重合して得られるもの等が挙げられる。

一般式 [ 2 ]


(式中、 R 3 は水素原子、低級アルキル基、力ルポキシル基、カルポキ シアルキル基、アルキルォキシカルポニル基、ヒドロキシアルキルォキ シカルポニル基、シァノ基又はホルミル基を表し、 R 4 は水素原子、低 級アルキル基、力ルポキシル基、アルキルォキシカルポニル基、ヒドロ キシアルキルォキシカルボニル基、シァノ基又はハロゲン原子をし、 R 5 は水素原子、低級アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、置 換基を有していてもよいァリール基、脂肪族へテロ環基、芳香族へテロ 環基、ハロゲン原子、アルキルォキシカルボ二ル基、ヒドロキシアルキ ルォキシカルポニル基、スルホ基、シァソ基、含シァノアルキル基、ァ ルォキシ基、カルボキシル基、カルポキシアルキル基、アルデヒド基 、アミノ基、アミノアルキル基、力ルバモイル基、 N-アルキルカルバモ ィル基、ヒドロキシアルキル基、また、 R 4 と R 5 とが結合し、隣接す る- C=C -と一緒になつて脂肪族環を形成していてもよい。)

一般式 [ 2 ] に於いて、 R 3 〜R 5 で示される低級アルキル基として は、直鎖状、分枝状、環状の何れにてもよく、例えば炭素数 1〜 6のァ ルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、ェチル基、 n-プロピル基、 イソプロピル基、 n-ブチル基、イソブチル基、 t e r t -ブチル基、 s e c -ブ チル基、 n-ペンチル基、イソペンチル基、 t e r t -ペンチル基、卜メチル ペンチル基、 n-へキシル基、イソへキシル基、シクロプロピル基、シク 口ペンチル基、シクロへキシル基等が挙げられる。

R 3 及び R 4 で示されるカルポキシアルキル基としては、例えば上記 した如き低級アルキル基の水素原子の一部が力ルポキシル基に置換され たもの等が挙げられ、具体的には例えばカルポキシメチル基、カルポキ シェチル基、カルポキシプロピル基、カルポキシブチル基、カルポキシ ペンチル基、力ルポキシへキシル基等が挙げられる。

R 3 〜R 5 で示されるアルキルォキシカルボニル基としては、例えば 炭素数 2〜 1 1のものが好ましく、具体的には例えばメトキシカルポ二 ル基、エトキシカルポニル基、プロポキシカルポニル基、ブトキシカル ポニル基、ペンチルォキシカルポニル基、へキシルォキシ力ルポニル基

、ヘプチルォキシカルボ二ル基、 2-ェチルへキシルォキシ力ルポニル基 、ォクチルォキシカルポニル基、ノニルォキシカルポニル基、デシルォ キシカルボニル基等が挙げられる。

R 3 〜R 5 で示されるヒドロキシアルキルォキシカルポニル基として は、上記した如き炭素数 2〜. l 1のアルキルォキシカルボニル基の水素 )1子の一部がヒドロキ,シル基に置換されたものが挙げられ、具体的には 、例えばヒドロキシメチルォキシカルポニル基、ヒドロキシェチルォキ シカルポニル基、ヒドロキシプロピルォキシカルボニル基、ヒドロキシ ブチルォキシカルポニル基、ヒドロキシペンチルォキシカルボ二ル基、 ヒドロキシへキシルォキシカルポニル基、 ヒドロキシヘプチルォキシカ ルポニル基、ヒドロキシォクチルォキシカルボニル基、ヒドロキシの二 ルォキシカルポニル基、ヒドロキシデシルォキシカルボニル基等が挙げ られる。

R 4 及び R 5 で表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素 、臭素、ヨウ素等が挙げられる。

R 5 で表されるハロアルキル基としては、例えば R 3 〜R 5 で表され る上記低級アルキル基がハロゲン化 (例えばフッ素化、塩素化、臭素化 、ヨウ素化等)された、炭素数 1〜 6のものが挙げられ、具体的には、 例えばクロロメチル基、ブロモメチル基、トリフルォロメチル基、 2 -ク ロロェチル基、 3-クロ口プロピル基、 3-ブロモプロピル基、 3, 3 , 3-トリ フルォロプロピル基、 4-クロロブチル基、 5-クロ口ペンチル基、 6-クロ 口へキシル基等が挙げられる。

置換基を有していてもよいァリール基のァリール基としては、例えば フエニル基、 トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられ、また、 該置換基としては、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、低級アルコキシ 基、力ルポキシル基等が挙げられる。置換ァリール基の具体例としては 、例えばァミノフエ二ル基、トルイジノ基、ヒドロキシフエニル基、メ トキシフエ二ル基、 t e r卜ブトキシフエニル基、カルポキシフエニル基 等が挙げられる。

脂肪族へテロ環基としては、例えば 5員環又は 6員環であり、異性原 子として 1〜 3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のへテロ原 子を含んでいるもの等が好ましく、具体的には、例えばピロリジル -2 -オン基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基 等が挙げられる。

芳香族へテロ環基としては、例えば 5員環又は 6員環であり、異性原 子として 1〜 3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のへテロ原 子を含んでいるもの等が好ましく、具体的には、例えばピリジル基、ィ ミダゾリル基、チアゾリル基、フラニル基、ピラエル基等が挙げられる

含シァノアルキル基としては、例えば上記した如き低級アルキル基の 水素原子の一部がシァノ基に置換されたものが挙げられ、具体的には、 例えばシァノメチル基、 2-シァノエチル基、 2-シァノプロピル基、 3 -シ ァノプロピル基、 2-シァノブチル基、 4-シァノブチル基、 5-シァノペン チル基、 6-シァノへキシル基等が挙げられる。

ァシルォキシ基としては、例えば炭素数 2〜 2 0のカルボン酸由来の ものが挙げられ、具体的には、例えばァセチルォキシ基、プロピオニル ォキシ基、プチリルォキシ基、ペン夕ノィルォキシ基、ノナノィルォキ シ基、デカノィルォキシ基、ベンゾィルォキシ基等が挙げられる。

アミノアルキル基としては、上記した如き低級アルキル基の水素原子 の一部がァミノ基に置換されたものが挙げられ、具体的には、例えばァ ミノメチル基、アミノエチル基、ァミノプロピル基、. アミノブチル基、 アミノペンチル基、アミノへキシル基等が挙げられる。

N -アルキル力ルバモイル基としては、力ルバモイル基の水素原子の一 部がアルキル基で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えば N -メ チルカルバモイル基、 N-ェチルカルバモイル基、 N- n-プロピルカルバモ ィル基、 N-イソプロピルカルパモイル基、 N-n -プチルカルバモイル基、 N -卜プチルカルバモイル基等が挙げられる。

ヒドロキシアルキル基としては、上記した如き低級アルキル基の水素 原子の一部がヒドロキシル基に置換されたものが挙げられ、具体的には 、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシェチル基、ヒドロキシプロピ ル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシへキシ ル基等が挙げられる。

また、 R 4 と R 5 とが結合し、隣接する _C=C -と一緒になつて脂肪族 環を形成している場合の脂肪族環としては、例えば炭素数 5〜 1 0の不 飽和脂肪族環が挙げられ、環は単環でも多環でもよい。これら環の具体 例としては、例えばノルボルネン環、シクロペンテン環、シクロへキセ ン環、シクロォクテン環、シクロデセン環等が挙げられる。

一般式 [ 2 ] で示されるモノマーの具体例としては、例えばエチレン , プロピレン,プチレン,イソプチレン等の炭素数 2〜 2 0のエチレン 性不飽和脂肪族炭化水素類、例えばスチレン, 4-メチルスチレン, 4 -ェ チルスチレン, ジビニルベンゼン等の炭素数 8〜 2 0のエチレン性不飽 和芳香族炭化水素類、例えばギ酸ビニル,酢酸ビュル,プロピオン酸ビ ニル,酢酸ィソプロぺニル等の炭素数 3〜 2 0のアルケニルエステル類 、例えば塩化ビニル,塩化ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフル ォロエチレン等の炭素数 2〜 2 0の含ハロゲンエチレン性不飽和化合物 類、例えばアクリル酸,メタクリル酸,ィタコン酸,マレイン酸,フマ ル酸,クロトン酸,ビニル酢酸,ァリル酢酸,ビエル安息香酸等の炭素 数 3〜 2 0のエチレン性不飽和カルボン酸類(これら酸類は、例えばナ トリウム,カリウム等のアルカリ金属塩やアンモニゥム塩等、塩の形に なっているものでもよい。)、例えばメタクリル酸メチル,メタクリル 酸ェチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸プチル,メ夕クリル酸 2 -ェチルへキシル,アクリル酸メチル,アクリル酸ェチル,アクリル酸 プロピル,アクリル酸プチル,アクリル酸 2 -ェチルへキシル,メタクリ ル酸ラウリル,アクリル酸ステアリル,ィタコン酸メチル,ィタコン酸 ェチル,マレイン酸メチル,マレイン酸ェチル,フマル酸メチル,フマ ル酸ェチル、クロトン酸メチル,クロトン酸ェチル、 3-ブテン酸メチル 等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル類、例えばァクリロニトリル ,メ夕クリロ二トリル,シアン化ァリル等の炭素数 3〜 2 0の含シァノ エチレン性不飽和化合物類、例えばアクリルアミド,メタクリルアミド 等の炭素数 3〜 2 0のエチレン性不飽和アミド化合物類、例えばァク口 レイン,クロトンアルデヒド等の炭素数 3〜 2 0のエチレン性不飽和ァ ルデヒド類、例えばピリルスルホン酸, 4-ビニルベンゼンスルホン酸等 の炭素数 2〜 2 0のエチレン性不飽和スルホン酸類(これら酸類は、例 えばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属塩等、塩の形になっていて いるものでもよい。)、例えばビニルァミン,ァリルアミン等の炭素数 2〜 2 0のエチレン性不飽和脂肪族ァミン類、例えばビニルァニリン等 'の炭素数 8〜 2 0のエチレン性不飽和芳香族アミン類、例えば N-ビニル ピロリドン,ビニルピペリジン等の炭素数 5〜 2 0のエチレン性不飽和 脂肪族へテロ環状アミン類、例えばァリルアルコール,クロチルアルコ ール等の.3〜 2 0のエチレン性不飽和アルコール類、例えば 4-ビニルフ ェノール等の炭素数 8〜 2 0のエチレン性不飽和フエノール類等が挙げ られる。

上記した如きポリマー等を担体として使用する場合には、 本発明の重 水素化により担体自体が重水素化され難いものを使用することが望まし いが、それ自体重水素化される担体に担持された触媒も本発明の重水素 化に用いることが出来る。

本発明の重水素化方法に於いては、 担体に担持された触媒の中でも、 担体担持パラジウム触媒、担体担持白金触媒或いは担体担持ロジウム触 媒を用いることが好ましく、その中でも担体担持パラジウム触媒が好ま しく、具体的には特にパラジウム力一ボンが好ましい。

担体に担持された触媒に於いて、触媒金属であるパラジウム、白金、 ロジウム、ルテニウム、ニッケル又はコバルトの割合は、通常全体の 1 〜99重量%、好ましくは 1〜50重量%、より好ましくは 1〜30重量%、更 に好ましくは 1〜20重量%、特に好ましくは 5〜1 0重量%である。

本発明の重水素化方法に於いて、活性化された触媒或いは活性化され ていない触媒の使用量は、それが担体等に担持されているか否かに拘わ らず、反応の基質として用いられる一般式 [ 1 ] で示される化合物に対 して、通常所謂触媒量、次いで順に好ましく 0. 01〜200重量%、 0. 0 1〜1 00重量%、 0. 01〜50重量%、 0. 01〜20重量%、 0. 1〜20重量%、 1〜20重 量%、 1 0 ~ 20重量%となる量であり、また、該触媒全体に含まれる触媒 金属量の上限が、順に好ましく 20重量%、 1 0重量%、 5重量%、 2重量% であり、下限が、順に好ましぐ 0. 0005重量%、 0. 005重量%、 0. 05重量 %、 0. 5重量%となる量である。

尚、上記一般式 [ 1 ] で示される化合物を重水素化する際、触媒とし て上記した如き種々の触媒を 2種以上適宜組み合わせて使用することが 可能であり、そのような触媒の組合せの使用によつて重水素化率が向上 する場合もある。例えば、一般式 [ 1 ] で示される化合物の内、 Xがヒ ドロキシメチレン基である化合物を'重水素化する場合の重水素化率が向 上するような触媒の組合せとしては、例えばパラジウム触媒と白金触媒 、ルテニウム触媒又はロジウム触媒との組合せ、例えば白金触媒とルテ ニゥム触媒又はロジウム触媒との組合せ、例えばルテニウム触媒と口ジ ゥム触媒との組合せが挙げられ、中でもパラジウム触媒と白金触媒の組 合せが好ましく、それらの一方或いは両方が担体に担持されているもの でもよい。好ましい具体例としては、例えばパラジウム力一ボンと白金 カーボンの組み合わせが挙げられる。

触媒を 2種以上組み合わせて使用する場合の触媒使用量は、触媒の合 計が上記した如き触媒の使用量となるように設定すればよい。尚、各触 媒の使用量の割合は特に限定されないが、例えば上記した如きパラジゥ ムカーボンと白金カーボンを組み合わせて使用する場合には、触媒中の パラジウムの重量が白金の重量に対して通常 0.01〜100倍、好ましくは 0 .1〜10倍、より好ましくは 0.2〜 5倍となるように触媒の使用量を設定す ればよい。

活性化されていない触媒を本発明の反応に用いる場合であって、触媒 を活性化させる為に反応系に水素を存在させる際の該水素の使用量は、 多すぎると重水素源となる重水素化された溶媒が水素化されたり、重水 素源となる重水素の反応系中の割合が小さくなり本発明の重水素化反応 に悪影響を及ぼすため、触媒の活性化に必要な程度の量であればよく、 その量は、通常触媒に対して 1〜20000当量、好ましくは 10〜700当量と なる量である。

また、触媒を活性化させる為に反応系に重水素を存在させる場合の重 水素の使用量は、触媒の活性化に必要な程度の量であればよく、その量 は、通常触媒に対して 1〜20000当量、好ましくは 10〜700当量となる量 であるが、該重水素が本発明の重水素源としても使用し得ることから、 使用量が多くても問題なく、本発明の重水素化を行うことが出来る。 本発明の重水素化方法の反応温度は、下限が通常 1 0 °Cから、順によ り好ましく 2 0 、 4 0 t:、 6 0 °C、 8 0 °C、 1 1 0 、 1 4 0 T:、 1 6 0 °Cであり、上限が通常 3 0 0 から、順により好ましく 2 0 0 °C、 1 8 0 °Cである。

本発明の重水素化方法の反応時間は、通常 3 0分〜 7 2時間、好まし くは 1〜 4 8時間、より好ましくは 3〜 3 0時間、更に好ましくは 6〜 2 4時間である。

本発明の重水素化方法を、重水素源として重水を用い、活性化されて

いない触媒としてパラジウム力一ボン (Pd/C) (Pd含有率 10%) を用い た場合を例にとって具体的に説明する。

即ち、例えば、その構造中に炭素一炭素二重結合或いは炭素一炭素三 重結合を含まない一般式 [ 1 ] で示される化合物 (基質) 1モル及び該 基質に対して 0.01〜200重量%の活性化されていない Pd/Cを、該基質の 重水素化可能な水素原子に対して 1 0〜 1 5 0倍モルの重水素原子が含 まれるような量の重水に加え、密封した反応容器の気層部分を水素置換 した後、油浴中約 1 1 0〜 2 0 0 °Cで約 1〜 4 8時間撹拌反応させる。 反応終了後、生成物が重水素化された溶媒に可溶な場合は、反応液を濾 過して触媒を除き、濾液を濃縮後、生成物を単離して1 H-腿 R、 2H-NMR及 び Massスぺクトル測定して構造解析を行う。

また、生成物が重水素化された溶媒に難溶な場合は、反応液から生成 物を単離してから1 H-薩 R、 2H- NMR及び Massスぺクトルを測定して構造解 析を行う。尚、生成物の反応液からの単離が困難な場合は、適当な内標 準物質を用いて濾液をそのまま1 H-NMRで測定し、生成物の構造解析を行 えばよい。

生成物が重水素化された溶媒に難溶な場合に、反応液から生成物を単 離するには、例えば生成物が溶解する有機溶媒等により反応液から生成 物を抽出し、更に濾過により触媒を除くといった公知の精製方法に従つ て精製を行えばよい。

次ぎに、本発明の重水素化方法のうち、重水素源として重水を用い、 予め活性化された触媒として、水素ガスで活性化されたパラジウムカー ボン (Pd含有量 10%) を用いた場合を例にとって具体的に説明する。 即ち、例えばその構造中に炭素一炭素二重結合或いは炭素—炭素三重 結合を含む一般式 [ 1 ] で示される化合物(基質) 1モル及び該基質に 対して 01〜 200重量%の予め水素ガスに接触させて活性化させておい た Pd/Cを、該基質の重水素化可能な水素原子に対して 1 0〜 1 5 0倍モ ルの重水素原子が含まれるような量の重水に加え、反応容器を密封して 気層部分を不活性ガスで置換し、油浴中約 1 1 0〜2 0 0 °Cで約 1〜4 8時間撹拌反応させる。 反応終了後、生成物が重水素化された溶媒に可 溶な場合は、反応液を濾過して触媒を除き、濾液を濃縮後、生成物を単 離して 'Η-匪]、 2H-NMR及び Massスペクトル測定して構造解析を行う。

また、生成物が重水素化された溶媒に難溶な場合は、反応液から生成 物を単離してから1 H-匪 R、 2H- NMR及び Massスぺクトルを測定して構造解 析を行う。尚、生成物の反応液からの単離が困難な場合は、適当な内標 準物質を用いて濾液をそのまま1 H-龍 Rで測定し、生成物の構造解析を行 えばよい。尚、反応液から生成物を単離するには、活性化されていない 触媒を用いる本発明の重水素化方法に於ける単離方法と同様にしてこれ を行えばよい。また、生成物が重水素化された溶媒に難溶な場合である 場合には、例えば生成物が溶解する有機溶媒等を用いて反応液から生成 物を抽出し、更にこれを濾過することにより触媒を除くといった公知の 精製方法に従って精製を行えばよい。

また、本発明の重水素化方法の中でも、例えばパラジウムカーボンと 白金力一ボンを組み合わせて使用することによって、重水素化率が通常 6 0 %以上、順に好ましく 7 0 %以上、 7 8 %以上、 8 0 %以上、 8 5 %以上、 8 8 %以上、 8 9 %以上、 9 0 %以上である卜リシクロ [5.2. 1.02'6] デカン- 8 -オールが容易に得られる。このようにして得られた重 水素化トリシクロ [5.2.1.02'6] デカン- 8-オールは、例えば光ファイバ 一用ポリマー用の重水素化メタクリル酸エステルの原料として非常に有 用な化合物である。

上記した如く、活性化された触媒として、予め活性化させておいた触 媒を用い、且つ重水素源として重水素化された溶媒を用いて本発明の重 水素化方法を行えば、一般式 [ 1 ] で示される化合物が炭素一炭素二重 結合或いは炭素一炭素三重結合を有している場合でも、 これら二重、三

重結合が水添により還元されることなく、また、該化合物が例えばニト 口基、シァノ基等の置換基を有している場合でも、それら置換基は還元 されることなく、目的とする重水素化のみが行われる。

尚、一般式 [ 1 ] で示される化合物が、炭素一炭素二重或いは三重結 合を有しているものであって、それら結合が本発明の重水素化反応に於 いて重合し易い場合には、重合反応を抑制するために、重水素化反応の 反応系に例えば重合禁止剤等を添加してもよい。

上記した如く、一般式 [ 1 ] で示される化合物を、活性化された触媒 の共存下、重水素源と反応させるという本発明の重水素化方法によれば 、力ルポ二ル基を有する化合物及び第 2アルコール化合物を、それら化 合物中の二重、三重結合の有無、置換基等の有無やその種類に拘わらず 、効率よく重水素化(ジユウテリゥム化及びトリチウム化)することが 可能となる。

また、本発明の重水素化方法によれば、特に酸或いは塩基条件にする ことなく重水素化反応を行うことができることから、作業環境が向上す るだけでなく、高温や酸或いは塩基条件で分解し易い基質の重水素化に も応用が可能となった。

更にまた、本発明の重水素化方法によれば、一般式 [ 1 ] で示される 化合物の Xがカルポニル基である化合物に於いて、カルポニル基に近い 位置に存在する水素原子だけでなく、カルポニル基から遠い位置に存在 する水素原子をも効率的に重水素化することが可能となる。

また、本発明の重水素化方法によれば、一般式 [ 1 ] で示される化合 物の Xがヒドロキシメチレン基である化合物に於いて、ヒドロキシル基 から遠い位置に存在する水素原子だけでなく、 ヒドロキシル基に近い位 置に存在する水素原子をも効率的に重水素化し得る。

また、本発明の重水素化方法によれば、一般式 [ 1 ] で示される化合 物の中でも特にトリシクロ [ 5 . 2. 1 . 02' 6] デカン- 8-オールについては、 従来法では得ることの出来なかった重水素化率の高いものを得ることが 可能となる。

以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこ れらにより何等限定されるものではない。

尚、実施例ではパラジウムカーボン(Pd/C)は P d含量 10%、白金力一 ボン(Pt/C)は P t含量 5%、ルテニウムカーボン(Ru/C)は R u含量 5%、 口ジゥムカーボン(Rh/C)は R h含量 5%のものを使用した。

実施例

実施例 1 .

4-ヘプ夕ノン (基質) 500mgとパラジウム力一ボン 50mgとを重水(D20 ) 17mLに懸濁させ、反応系を水素置換した後、油浴中 160°Cで約 24時間 反応させた。反応終了後、反応液をエーテルで抽出して得られた抽出液 から触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮した後、得られた化合物の1 H-NMR、 2H-丽 R及び Massスペクトルを測定して構造解析を行ったところ、目的物 の単離収率は 46%であり、基質の重水素化率は 97%であつた。

実施例 2.

アセトン (基質) 500mgとパラジウムカーボン 50mgとを重水 17mLに懸 濁させ、反応系を水素置換した後、油浴中 110°Cで約 24時間反応させた 。反応終了後、反応液を濾過し、触媒を除去後、内部標準物質としてジ ォキサンを加え1 H- NMRを測定し、構造解析を行ったところ、重水素化率 は 99%であった。

実施例 3〜: L 5 .

以下の表 1に示した重水素化の対象となる基質及び触媒を用い、表 1 に示した反応温度で行った以外は実施例 1 と同様にして重水素化反応を 行った。得られた化合物の単離収率及び重水素化率を表 1に示す。尚、 表 1 に於いて、 2-ブ夕ノン、 2 -ノルポルナノン、トリシクロ [5.2.1.02' 6]デカン- 8-オン、ノルポルネオール、トリシクロ [5.2.1.02' 6]- 3-デセ ン- 8-オール((ヒドロキシジシクロペン夕ジェン)及びシクロへキサノ ールの重水素化率は、下記各化学式に付した数字の位置の重水素化率を 示し、それ以外の化合物の重水素化率は、重水素化され得る水素原子全 体の平均重水素化率を表す。また、表 1に於いて、単離収率が一となつ ているものは、重水素化の後、目的物を単離せずに重水素化率を測定し たことを示す。

く 2-ブ夕ノン >

(2) (1) (1)

CD3— CD2— C— CD,

3 2 II 3

O

<2 -ノルポルナノン>


くトリシクロ [5.2.1.02' 6 ]デカン- 8-オン >


ぐノルボルネオール >


くトリシクロ [5· 2.1.02' 6 ]-3-デセン- 8-オール(又はヒドロキシジシク 口ペン夕ジェン) >


<シク口へキサノール >


<表 1 >


実施例 1 6

トリシクロ [5.2.1.02'6] デカン- 8-オール(基質) 500mgとパラジゥ ムカーボン 50mgとを重水 17mLに懸濁させ、反応系を水素置換した後、油 浴中 180°Cで約 24時間反応させた。反応終了後、反応液をエーテルで抽 出して触媒を濾過し、濾液を減圧濃縮した後、得られた化合物の1 H-NMR 、 2H_NMR及び Massスペクトルを測定して構造解析を行ったところ、目的 物の単離収率は 60%であり、重水素化率は 45%であった。結果を表 2に 示す。表 2に於いて、金属量(重量%) とは、基質に対する担体担持触 媒中に存在する触媒金属量の割合であり、表 2の重水素化率は重水素化 され得る水素原子全体の平均重水素化率を表す。但し、(1)は下記化学 式の(1)を付した位置の重水素化率を示し、その他は(1)以外の部分の平 均重水素化率を表す。

くトリシクロ [5.2.1.02'6] デカン- 8-オール >


実施例 1 7〜 2 6

表 2に示した触媒を表 2に示した量使用し、表 2に示した反応時間反 応させた以外は実施例 1 6と同様にしてトリシクロ [5.2.1.02'6] デカ ン- 8 -オールの重水素化を行った。結果を表 2に併せて示す。

<表 2 >


実施例 2 6 .

パラジウムカーボンを重水 17mLに懸濁させ、水素置換した後、室温 で 3h撹拌し、パラジウムカーボンを活性化した。活性化終了後、メタ クリル酸ナトリウム (基質) 500mgを投入し、反応系を窒素置換した 後、油浴中 180°Cで約 24時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過 して触媒を除去し、減圧濃縮した後、得られた化合物の1 H-匪 R, 2 H- N MRを測定して構造解析を行ったところ、基質の単離収率は 1 00 %であ り、重水素化率は 99 %以上であった。結果を表 3に示す。

実施例 2 7〜 3 2 .

以下の表 3に示した重水素化の対象となる基質及び触媒を用い、表 3 に示した反応温度で行った以外は実施例 2 6 と同様にして重水素化反応 を行った。得られた化合物の単離収率及び重水素化率を表 3に併せて示 す。尚、表 3に於いて、単離収率の一は、表 1のそれと同様の意味であ る。

<表 3 >


比較例 1 .

メ夕クリル酸を基質とし、触媒として活性化されていなぃパラジウム カーボンを使用した以外は実施例 2 6と同様に重水素化を行い、得られ た化合物の1 H- NMR, 2 H- NMRを測定して構造解析を行ったところ、基質の 重水素化率は 75 %であった。

比較例 2 . ^

メ夕クリル酸を基質とし、重水素源として重水素ガスを用いた以外は 実施例 2 6と同様に重水素化を行い、得られた化合物の1 H-画 R, 2 H-NMR を測定して構造解析を行ったところ、重水素化はされているものの、メ タクリル酸の炭素一炭素二重結合が還元されていることが確認された。 実施例 1〜 3 2より明らかなように、本発明の重水素化方法によれば 、力ルポ二ル基を有する化合物或いはヒドロキシル基を有する化合物を 効率的に重水素化し得ることが分かる。

実施例 1〜 2 5より明らかなように、炭素一炭素二重結合を含まない 化合物を重水素化する場合には、反応系に於いて触媒の活性化と重水素 化反応を効率よく同時に行うことが出来る。

実施例 2 4及び 2 5からは、触媒を組み合わせて使用しても重水素化 し得ることが分かる。

実施例 2 4では、パラジウム力一ボンと白金カーボンを組合せた触媒 を使用しており、これは基質に対する触媒金属量が 2重量%であるにも 拘わらず、実施例 2 1及び 2 2のようにパラジゥムカーボン単独の触媒 であって触媒金属量が 4重量%或いは 5重量%と比較的多い触媒を使用 した実施例と比べても明らかに重水素化率が高いことが分かる。

更に、実施例 2 1 と 2 5の結果を比較すると、基質に対する触媒金属 量が 4重量%と同じであっても、触媒としてパラジウムカーボンのみを 使用して重水素化を行った実施例 2 1よりパラジウム力一ボンと白金力 一ボンとを組み合わせた混合触媒を用いて重水素化を行った実施例 2 5 の方が、重水素化率が高いことが判る。

また、実施例 2 6〜 3 2と比較例 2を比較することにより、本発明の 重水素化方法によれば、炭素—炭素二重結合或いは三重結合を含むカル ポニル化合物又は第 2アルコールでも、該二重、三重結合が還元される ことなく、目的とする重水素化のみが進行することが分かる。

実施例 3 2と比較例 1 とを比較すれば明らかなように、活性化された 触媒を使用するという本発明の重水素化方法によれば、活性化されてい ない触媒を使用した場合に比べ、重水素化率が高いことが分かる。

また、実施例 1〜 3 2から明らかなように、本発明の重水素化方法に よれば、反応液を塩基性条件にすることなく効率的に重水素化し得るこ とが分かる。

産業上の利用の可能性

活性化された触媒の共存下、一般式 [ 1 ] で示される化合物を重水素 源と反応させるという本発明の重水素化 (ジユウテリゥム化及び卜リチ ゥム化)方法によれば、従来塩基条件下等の過酷な条件下で行われてい た重水素化を中性条件で行うことが出来ることから、作業環境が著しく 向上する。また、本発明の重水素化方法によれば、一般式 [ 1 ] で示さ れる化合物が炭素一炭素二重結合或いは炭素一炭素三重結合を含むもの であっても、該二重結合、三重結合を還元することなく目的とする重水 素化を効率的に行うことが可能となる。