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1. WO2020158664 - APPAREIL DE COLLAGE ET PROCÉDÉ DE COLLAGE

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明 細 書

発明の名称 貼付装置及び貼付方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011  

発明の効果

0012   0013   0014   0015   0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075  

符号の説明

0076  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5A   5B   5C   5D   5E   5F   5G   5H   6   7   8A   8B   8C   8D  

明 細 書

発明の名称 : 貼付装置及び貼付方法

技術分野

[0001]
 本発明は、貼付装置及び貼付方法に関する。より詳しくは、被貼着体に薄膜状の貼着体を貼り付ける貼付装置及び貼付方法に関する。

背景技術

[0002]
 近年、自動車の意匠性を向上させるため、ルーフ、アウタサイドパネル、ボンネット、及びドア等の車体部品に薄膜状のフィルムを貼り付ける場合がある。また車体部品の表面に存在する凹凸形状に追従してフィルムを密着させるため、真空の下でフィルムを非貼着体に貼り付ける真空貼付方法が提案されている。
[0003]
 例えば特許文献1の貼付方法では、車体部品のうちフィルムを貼り付けようとする部分の周囲を内側から覆う凹状の受け治具を非貼着体に設置することにより、受け治具とフィルムとの間の下空間と、上ボックスとフィルムとの間の上空間とを区画形成する。またこの貼付方法では、下空間及び上空間内を減圧し、これら空間内を真空にした後、上空間のみを大気圧に開放することによってフィルムを非貼着体に貼り付ける。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2015-44285号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 このように特許文献1の貼付方法では、下空間を真空にする必要があることから、受け治具と車体部品との間の隙間を塞ぐ必要がある。しかしながらプレス成型等を経て製造される車体部品の形状には少なからずばらつきがあることから、受け治具と車体部品との間の隙間をテープ等によって塞ぐパッキング作業は、作業者による手作業によって行われる場合が多い。また特許文献1の貼付方法では、上空間のみを大気圧に開放したときに車体部品が変形するのを防止するため、受け治具によって車体部品を支える必要がある。
[0006]
 本発明は、被貼着体の変形を抑制するための治具や手作業によるパッキング作業等を必要としない貼付装置及び貼付方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 (1)本発明に係る貼付装置(例えば、後述の貼付装置1)は、被貼着体(例えば、後述のワークW)に薄膜状の貼着体(例えば、後述のフィルムF)を貼り付けるものであって、その内部において前記貼着体を把持する箱体(例えば、後述の箱体B)と、前記箱体内において前記貼着体によって区画形成される第1チャンバー(例えば、後述の下部真空チャンバー32)及び第2チャンバー(例えば、後述の上部真空チャンバー22)と、前記第1及び第2チャンバー内の気圧を調整する気圧調整装置(例えば、後述の気圧調整装置5)と、前記第1チャンバー内において前記被貼着体を移動させる移動機構(例えば、後述の移動機構6)と、前記気圧調整装置及び前記移動機構を制御する制御装置(例えば、後述の制御装置7)と、を備え、前記制御装置は、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧より低い所定の第1気圧まで減圧し、その後前記貼着体と前記被貼着体とを接近させた状態で前記第2チャンバー内を前記第1気圧より高く大気圧より低い第2気圧まで上昇させた後、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させることを特徴とする。
[0008]
 (2)本発明に係る貼付装置(例えば、後述の貼付装置1A)は、被貼着体(例えば、後述のワークW)に薄膜状の貼着体(例えば、後述のフィルムF)を貼り付けるものであって、前記貼着体の外縁部を把持する小箱体(例えば、後述の小ボックス2A)と、前記被貼着体及び前記小箱体を収容する第1チャンバー(例えば、後述の大チャンバー32A)を備える大箱体(例えば、後述の大ボックス3A)と、前記第1チャンバー内の気圧及び前記貼着体によって前記小箱体内に区画形成される第2チャンバー(例えば、後述の小チャンバー22A)内の気圧を調整する気圧調整装置(例えば、後述の気圧調整装置5A)と、前記第1チャンバー内において前記小箱体又は前記被貼着体を移動させる移動機構(例えば、後述の移動機構6A)と、前記気圧調整装置及び前記移動機構を制御する制御装置(例えば、後述の制御装置7A)と、を備え、前記制御装置は、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧より低い所定の第1気圧まで減圧し、その後前記貼着体と前記被貼着体とを接近させた状態で前記第2チャンバー内を前記第1気圧より高く大気圧より低い第2気圧まで上昇させた後、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させることを特徴とする。
[0009]
 (3)この場合、前記制御装置は、前記貼着体と前記被貼着体とを接近させた状態で、前記第1チャンバー内を前記第1気圧以下で維持したまま前記第2チャンバー内を前記第2気圧まで上昇させることが好ましい。
[0010]
 (4)この場合、前記制御装置は、前記第2チャンバー内を前記第2気圧まで上昇させた後、前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとを連通してから前記第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させることが好ましい。
[0011]
 (5)本発明に係る貼付方法は、被貼着体(例えば、後述のワークW)に薄膜状の貼着体(例えば、後述のフィルムF)を貼り付ける方法であって、箱体(例えば、後述の箱体B又は大ボックス3A)内に前記貼着体を設置し、当該箱体内において前記貼着体を境とする第1チャンバー(例えば、後述の下部真空チャンバー32又は大真空チャンバー32A)及び第2チャンバー(例えば、後述の上部真空チャンバー22又は小真空チャンバー22A)を区画形成するとともに、前記第1チャンバーに前記被貼着体を設置する設置工程(例えば、後述の図4のS1~S3の工程又は図7のS11の工程)と、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧より低い所定の第1気圧まで減圧する減圧工程(例えば、後述の図4のS4の工程又は図7のS12の工程)と、前記貼着体と前記被貼着体とを接近させる成形準備工程(例えば、後述の図4のS5の工程又は図7のS13の工程)と、前記貼着体と前記被貼着体とが接近した状態で前記第2チャンバー内を前記第1気圧より高く大気圧より低い第2気圧まで上昇させる1次成形工程(例えば、後述の図4のS6の工程又は図7のS14の工程)と、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させる2次成形工程(例えば、後述の図4のS7の工程又は図7のS15の工程)と、を備えることを特徴とする。

発明の効果

[0012]
 (1)本発明の貼付装置は、その内部において薄膜状の貼着体を把持する箱体と、この箱体内において貼着体によって区画形成される第1チャンバー及び第2チャンバーと、これら第1及び第2チャンバー内の気圧を調整する気圧調整装置と、第1チャンバー内において被貼着体を移動させる移動機構と、これら気圧調整装置及び移動機構を制御する制御装置と、を備える。また制御装置は、第1及び第2チャンバー内を大気圧より低い第1気圧まで減圧し、その後貼着体と被貼着体とを接近させた状態で、第2チャンバー内を第1気圧より高いが大気圧より低い第2気圧まで上昇させる。これにより、第1チャンバーと第2チャンバーとの間には差圧が生じ、貼着体が被貼着体の表面の形状に追従するように変形する。また制御装置は、第2チャンバー内の気圧を第2気圧まで上昇させた後、第1及び第2チャンバー内を共に大気圧まで上昇させることにより、貼着体を被貼着体に貼り付ける。以上により本発明の貼付装置によれば、貼着体と被貼着体とを接近させた状態で第2チャンバー内の気圧を第2気圧まで上昇させるだけで貼着体を被貼着体の表面の形状に追従するように密着させることができるので、従来のように手作業によるパッキング作業を行う必要がない。また本発明の貼付装置では、第1及び第2チャンバー内を減圧した後、これら第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させる前に、第2チャンバー内を第1気圧より高くかつ大気圧より低い第2気圧まで上昇させる。したがって従来のように第2チャンバー内を真空から大気圧まで上昇させる場合と比較して、第1チャンバー内と第2チャンバー内との差圧を小さくできるので、第2チャンバー内の気圧を第2気圧まで上昇させた時における被貼着体の変形を抑制でき、ひいては被貼着体の変形を抑制するための冶具も不要となる。
[0013]
 (2)本発明の貼付装置は、薄膜状の貼着体の外縁部を把持する小箱体と、被貼着体及び小箱体を収容する第1チャンバーを備える大箱体と、第1チャンバー内の気圧及び小箱体内において貼着体によって区画形成される第2チャンバー内の気圧を調整する気圧調整装置と、小箱体又は被貼着体を移動させる移動機構と、これら気圧調整装置及び移動機構を制御する制御装置と、を備える。また制御装置は、第1及び第2チャンバー内を大気圧より低い第1気圧まで減圧し、その後貼着体と被貼着体とを接近させた状態で、第2チャンバー内を第1気圧より高いが大気圧より低い第2気圧まで上昇させる。これにより、第1チャンバーと第2チャンバーとの間には差圧が生じ、貼着体が被貼着体の表面の形状に追従するように変形する。また制御装置は、第2チャンバー内を第2気圧まで上昇させた後、第1及び第2チャンバー内を共に大気圧まで上昇させることにより、貼着体を被貼着体に貼り付ける。以上により本発明の貼付装置によれば、貼着体と被貼着体とを接近させた状態で第2チャンバー内の気圧を第2気圧まで上昇させるだけで貼着体を被貼着体の表面の形状に追従するように密着させることができるので、従来のように手作業によるパッキング作業を行う必要がない。また本発明の貼付装置では、第1及び第2チャンバー内を減圧した後、これら第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させる前に、第2チャンバー内を第1気圧より高くかつ大気圧より低い第2気圧まで上昇させる。したがって従来のように第2チャンバー内を真空から大気圧まで上昇させる場合と比較して、第1チャンバー内と第2チャンバー内との差圧を小さくできるので、第2チャンバー内の気圧を第2気圧まで上昇させた時における被貼着体の変形を抑制でき、ひいては被貼着体の変形を抑制するための治具も不要となる。
[0014]
 (3)本発明の貼付装置において、制御装置は、貼着体と被貼着体とを接近させた状態で、第1チャンバー内を第1気圧以下で維持したまま第2チャンバー内を第2気圧まで上昇させる。これにより、貼着体によって区画される第1チャンバーと第2チャンバーとの間で差圧を生じさせ、貼着体を被貼着体の表面の形状に追従するように密着させることができる。
[0015]
 (4)本発明の貼付装置において、制御装置は、第2チャンバー内を第2気圧まで上昇させた後、第1チャンバーと第2チャンバーとを連通してから第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させる。これにより、第1及び第2チャンバー内を第1又は第2気圧から大気圧まで上昇させる間において、これら第1チャンバーと第2チャンバーとの間の差圧が過剰に大きくなるのを防止できるので、これら第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させる間に被貼着体が差圧によって変形するのを防止できる。
[0016]
 (5)本発明の貼付方法は、箱体内に薄膜状の貼着体を設置し、この箱体内において貼着体を境とする第1チャンバー及び第2チャンバーを区画形成するとともに、第1チャンバー内に被貼着体を設置する設置工程と、第1及び第2チャンバー内を大気圧より低い第1気圧まで減圧する減圧工程と、貼着体と被貼着体とを接近させる成形準備工程と、貼着体と被貼着体とが接近した状態で第2チャンバー内を第1気圧より高く大気圧より低い第2気圧まで上昇させる1次成形工程と、第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させる2次成形工程と、を備える。本発明の貼付方法によれば、上記(1)の発明と同様に、従来のように手作業のパッキング作業を行うことなく貼着体を被貼着体の表面の形状に追従するように密着させることができる。また本発明の貼付方法によれば、上記(1)の発明と同様に、第2チャンバー内の気圧を第2気圧まで上昇させた時における被貼着体の変形を抑制でき、ひいては被貼着体の変形を抑制するための治具も不要となる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 本発明の第1実施形態に係る貼付装置の構成を模式的に示す図である。
[図2] 貼付装置の構成を模式的に示す図である。
[図3] 上部把持枠、下部把持枠、及びフィルムの構成を示す斜視図である。
[図4] 貼付装置を用いた貼付方法の手順を示すフローチャートである。
[図5A] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図5B] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図5C] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図5D] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図5E] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図5F] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図5G] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図5H] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図6] 本発明の第2実施形態に係る貼付装置の構成を模式的に示す図である。
[図7] 貼付装置を用いた貼付方法の手順を示すフローチャートである。
[図8A] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図8B] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図8C] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。
[図8D] 貼付方法の各工程における貼付装置の動作を模式的に示す図である。

発明を実施するための形態

[0018]
<第1実施形態>
 以下、本発明の第1実施形態に係る貼付装置1の構成について、図面を参照しながら説明する。
[0019]
 図1及び図2は、本実施形態に係る貼付装置1の構成を模式的に示す図である。貼付装置1は、被貼着体であるワークWの表面W1に薄膜状の貼着体であるフィルムFを貼り付ける。貼付装置1は、作業フロアFLから離れた位置において支持装置4によって支持された上部ボックス2と、この作業フロアFL上において移動自在な下部ボックス3と、上部ボックス2及び下部ボックス3内の気圧を調整する気圧調整装置5と、下部ボックス3内に設けられたステージ33を移動させる移動機構6と、これら気圧調整装置5及び移動機構6等を制御する制御装置7と、を備える。
[0020]
 ワークWは、車両のアウタサイドパネル、ドア、及びボンネット等の車両部品である。フィルムFは、平面視では矩形状の薄膜であり、その延在方向に沿って伸縮自在である。フィルムFは、例えば、基材F1の両側の面にそれぞれ接着層F2及びクリア層F3を形成した3層構造を備える(例えば、後述の図3参照)。基材F1には、例えば、ポリ塩化ビニル系、AES系、ウレタン系、オレフィン系、及びポリエステル系等の材料が用いられる。接着層F2には、例えば、オレフィン系、ウレタン系、及びアクリル系等の材料が用いられる。クリア層F3には、例えば、アクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル系、及びポリエステル系等の材料が用いられる。貼付装置1は、以上のようなフィルムFのクリア層F3が意匠面となるように、接着層F2をワークWの表面W1に貼り付ける。
[0021]
 上部ボックス2は、箱状であり、鉛直方向に沿って下方側の面には矩形状の上部開口部21が形成されている。上部ボックス2の内部のうち上部開口部21に対向する位置には、ヒータ23が設けられている。ヒータ23は、制御装置7からの指令に基づいて発熱し、これによりフィルムFを加熱する。
[0022]
 支持装置4は、作業フロアFLに立設された支持フレーム41と、支持フレーム41と上部ボックス2とを連結する複数のシリンダ42と、を備える。シリンダ42は、制御装置7からの指令に基づいて鉛直方向に沿って伸縮し、これにより上部ボックス2を鉛直方向に沿って上昇させたり下降させたりする。
[0023]
 下部ボックス3は、箱状であり、鉛直方向に沿って上方側の面には、上部ボックス2の上部開口部21と略同形の矩形状の下部開口部31が形成されている。下部ボックス3の内部には、ステージ33が設けられている。このステージ33には、ワークWがその表面W1を鉛直方向に沿って上方側に向けた状態で設置される。
[0024]
 移動機構6は、制御装置7からの指令に基づいて、下部ボックス3の内部に設けられたステージ33及びこのステージ33に設置されたワークWを鉛直方向に沿って上昇させたり下降させたりする。
[0025]
 また上部ボックス2の上部開口部21及び下部ボックス3の下部開口部31には、それぞれ矩形枠状の上部把持枠24及び下部把持枠34が設けられている。これら把持枠24,34は、図3に示すように平面視ではフィルムFよりもやや小さな開口であるウィンドウ24a,34aが形成されている。従って図3に示すように、これら把持枠24,34の間にフィルムFを挟んだ状態で互いに接近させることにより、これら把持枠24,34によってフィルムFの周縁部が把持される。またこのように把持枠24,34によってフィルムFの周縁部を把持することにより、これらウィンドウ24a,34a内にフィルムFを張ることができる。
[0026]
 作業フロアFLには図示しないガイドレールが設けられており、下部ボックス3はこのガイドレールに沿って移動可能となっている。これにより制御装置7は、下部ボックス3を上部ボックス2に対し鉛直方向に沿って対向する位置(図2参照)に移動させたり、下部ボックス3を上部ボックス2の鉛直方向下方から離れた位置(図1参照)に移動させたりすることが可能となっている。
[0027]
 なお本実施形態では、下部ボックス3内へのワークWの設置作業を行うため、上部ボックス2の作業フロアFLに対する位置を固定し、下部ボックス3を作業フロアFL上で移動可能とした場合について説明するが、本発明はこれに限らない。例えば、下部ボックス3の作業フロアFLに対する位置を固定し、上部ボックス2を作業フロアFL上で移動可能としてもよい。また下部ボックス3内へのワークWの設置作業を行うことができれば、下部ボックス3及び上部ボックス2両方の作業フロアFLに対する位置を固定してもよい。
[0028]
 上述のように下部ボックス3の下部開口部31は、上部ボックス2の上部開口部21と略同形となっている。また上述のように把持枠24,34を互いに接近させると、これら把持枠24,34によってフィルムFの周縁部が把持される。従って下部ボックス3を上部ボックス2に対し対向する位置に移動させた上で、シリンダ42で上部ボックス2を下降させ、上部把持枠24と下部把持枠34とを密接させると、図2に示すように、これら上部ボックス2、下部ボックス3、上部把持枠24、及び下部把持枠34によって、その内部においてフィルムFを把持する1つの箱体Bが形成される。
[0029]
 また上述のように把持枠24,34によってフィルムFの周縁部を把持すると、ウィンドウ24a,34a内にフィルムFを張ることができる。このため図2に示すように上部ボックス2を下降させると、箱体Bの内部には、フィルムFによって上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32が区画形成される。上部真空チャンバー22は、フィルムFを境として上部ボックス2の内部に形成される気密性の高い閉空間であり、下部真空チャンバー32は、フィルムFを境として下部ボックス3の内部に形成される気密性の高い閉空間である。
[0030]
 また下部ボックス3を上部ボックス2の鉛直方向下方から離れた位置に移動させると、図1に示すように下部ボックス3の内部が露出する。これにより作業者は、フィルムFを貼り付ける前の新しいワークWを下部ボックス3内のステージ33に設置したり、フィルムFが張り付けられた後のワークWをステージ33から取り出したりすることができる。
[0031]
 気圧調整装置5は、真空ポンプ51と、第1タンク52と、第2タンク53と、下部配管54と、第1上部配管551と、第2上部配管552と、三方弁56と、第1遮断弁57と、第2遮断弁58と、を備える。
[0032]
 下部配管54は、三方弁56と下部ボックス3の内部とを連通する。第1上部配管551は、下部配管54と上部ボックス2の内部とを連通する。第1遮断弁57は、下部配管54のうち第1上部配管551の接続部54aよりも三方弁56側に設けられ、制御装置7からの指令に応じて開閉する。第1遮断弁57を開くと、上部真空チャンバー22と下部真空チャンバー32とが連通する。したがって第1遮断弁57を開くことにより、上部真空チャンバー22内の気圧と下部真空チャンバー32内の気圧とを等しくすることができる。また第1遮断弁57を閉じると、上部真空チャンバー22と下部真空チャンバー32とが遮断される。したがって第1遮断弁57を閉じることにより、上部真空チャンバー22内と下部真空チャンバー32内との間で差圧を発生させることができる。
[0033]
 真空ポンプ51と三方弁56とは、真空配管51aを介して接続されている。また第1タンク52と三方弁56とは、大気開放管52aを介して接続されている。三方弁56は、制御装置7からの指令に応じて、下部配管54と真空配管51aとを接続したり、下部配管54と大気開放管52aとを接続したりする。
[0034]
 三方弁56によって下部配管54と真空配管51aとを接続すると、真空ポンプ51と上部ボックス2内及び下部ボックス3内とが連通する。真空ポンプ51は、制御装置7からの指令に応じてオンとなり、真空配管51aから吸入した空気を大気に排出し、上部真空チャンバー22内や下部真空チャンバー32内を減圧する。
[0035]
 三方弁56によって下部配管54と大気開放管52aとを接続すると、第1タンク52と上部ボックス2内及び下部ボックス3内とが連通する。第1タンク52内の気圧は、大気圧以上に設定されている。このため、三方弁56によって下部配管54と大気開放管52aとを接続すると、上部真空チャンバー22内や下部真空チャンバー32内の気圧を大気圧以上まで上昇させることが可能となっている。ここで上部真空チャンバー22内や下部真空チャンバー32内の気圧は、できるだけ速やかに上昇させることが好ましい。このため第1タンク52内の気圧は、図示しない加圧ポンプによって大気圧よりも高い状態で維持しておくことが好ましい。
[0036]
 第2上部配管552は、第2タンク53と上部ボックス2の内部とを連通する。第2遮断弁58は、第2上部配管552に設けられ、制御装置7からの指令に応じて開閉する。第2タンク53内の気圧は、後述の第2気圧以上でありかつ大気圧より低く設定されている。このため、上部真空チャンバー22内の気圧が第2気圧よりも低い状態で第2遮断弁58を開くと、上部真空チャンバー22と第2タンク53とが連通し、上部真空チャンバー22内の気圧を第2気圧以上まで上昇させることが可能となっている。また第2遮断弁58を閉じると、上部真空チャンバー22内と第2タンク53とが遮断される。ここで上部真空チャンバー22内の気圧は、できるだけ速やかに上昇させることが好ましい。このため第2タンク53と真空ポンプ51とを図示しない配管で接続しておき、この第2タンク53内の気圧は、真空ポンプ51によって第2気圧よりも高くかつ大気圧よりも低い状態で維持しておくことが好ましい。
[0037]
 気圧調整装置5は、制御装置7からの指令に応じて真空ポンプ51、三方弁56、第1遮断弁57、及び第2遮断弁58を駆動することによって上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32内の気圧を調整する。
[0038]
 制御装置7は、コンピュータであり、図4に示す手順に従ってヒータ23、シリンダ42、気圧調整装置5、及び移動機構6を制御する。
[0039]
 図4は、以上のような貼付装置1を用いることによってワークWにフィルムFを貼り付ける貼付方法の手順を示すフローチャートである。図5A~図5Hは、この貼付方法の各工程における貼付装置1の動作を模式的に示す図である。なおこれら図5A~図5Hでは、各工程で用いられない装置の構成については図示を省略する。
[0040]
 始めにS1では、作業者は、新たなワークWをステージ33に設置する。より具体的には、S1において制御装置7は、下部ボックス3を上部ボックス2の鉛直方向下方から離れた位置に移動させるとともに、ステージ33を下部開口部31の近傍の高さまで上昇させる(図5A参照)。その後作業者は、予め準備されたワークWをステージ33に設置する。
[0041]
 次にS2では、作業者は、新たなフィルムFを下部把持枠34に設置する。より具体的には、S2において制御装置7は、ステージ33を下降させ、このステージ33に設置されたワークWを下部ボックス3の内部に退避させる(図5B参照)。その後作業者は、予め準備されたフィルムFを、ウィンドウ34aを塞ぐように下部把持枠34に設置する。
[0042]
 次にS3では、制御装置7は、上部把持枠24及び下部把持枠34によってフィルムFを把持する。より具体的には、S3において制御装置7は、下部ボックス3を上部ボックス2に対し鉛直方向に沿って対向する位置に移動させるとともに、上部ボックス2を下降させ、上部把持枠24と下部把持枠34とを密接させる(図5C参照)。これにより図5Cに示すように、上部ボックス2と下部ボックス3とを組み合わせて構成される箱体Bの内部には、上部真空チャンバー22と下部真空チャンバー32とが区画形成され、ワークWは下部真空チャンバー32内に設置される。なお図5Cに示すように、この時点では上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32の内部の気圧は何れも大気圧で等しいことから、フィルムFは、その自重によって僅かに撓み、鉛直方向下方側へやや凸状となる。
[0043]
 次にS4では、制御装置7は、フィルムFを加熱するとともに上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32の内部を減圧する。より具体的には、S4において制御装置7は、所定時間にわたりヒータ23をオンにすることによってフィルムFを所定の設定温度になるまで加熱する。ここでフィルムFの設定温度は、フィルムFの材料に応じて、例えば70~200℃の範囲内に設定される。また制御装置7は、第1遮断弁57を開くことによって上部真空チャンバー22と下部真空チャンバー32とを連通するとともに、三方弁56によって下部配管54と真空ポンプ51とを接続し、さらに所定時間にわたり真空ポンプ51をオンにすることにより、図5Dに示すように、上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32の内部の気圧が所定の第1気圧以下になるまで減圧する。ここで第1気圧は、大気圧よりも低く、例えば0~0.2[kPa]の範囲内に設定される。
[0044]
 なお上述のようにフィルムFは、自重によって僅かに撓む。そこでS4では、制御装置7は、減圧後のフィルムFの撓みが解消されるように、上部真空チャンバー22の内部の気圧が下部真空チャンバー32の内部の気圧よりも僅かに低くなるように、上部真空チャンバー22と下部真空チャンバー32との間で僅かな差圧(例えば、0~0.1[kPa])を設けてもよい。なおこのような差圧は、第1遮断弁57を開きながら真空ポンプ51にし、2つの真空チャンバー22,32の内部の気圧が第1気圧以下になるまで減圧した後、第1遮断弁57を閉じ、上部真空チャンバー22の減圧のみ僅かな時間にわたって減圧を継続することによって実現できる。
[0045]
 次にS5では、制御装置7は、フィルムFとワークWとを接近、より好ましくはフィルムFとワークWとを当接させる成形準備工程を実行する。より具体的には、制御装置7は、移動機構6を用いることによって、ワークWの少なくとも一部が上部ボックス2の内部に臨むようにステージ33を上昇させる。これにより、フィルムFとワークWとを互いに接近させる。ただしこの成形準備工程では、図5Eに示すように、ワークWの表面W1の少なくとも一部がフィルムFの接着層F2に当接し、さらにフィルムFが鉛直方向上方側へ凸状に撓むまで、フィルムFとワークWとを互いに接近させることが好ましい。
[0046]
 次にS6では、制御装置7は、フィルムFとワークWとが当接した状態で上部真空チャンバー22の内部を上昇させる1次成形工程を実行する。より具体的には、制御装置7は、フィルムFとワークWとが当接した状態で、所定時間にわたって第2遮断弁58を開き、上部真空チャンバー22と第2タンク53とを連通することにより、この上部真空チャンバー22の内部の気圧を所定の第2気圧まで上昇させる。ここで第2気圧は、上述の第1気圧よりも高くかつ大気圧よりも低くなるように設定される。
[0047]
 なおこの1次成形工程では、制御装置7は、第1遮断弁57を閉じたまま第2遮断弁58を所定時間にわたり開くことにより、下部真空チャンバー32の内部の気圧を第1気圧以下で維持する。これにより上部真空チャンバー22と下部真空チャンバー32との間には、上部真空チャンバー22を高圧側とし下部真空チャンバー32を低圧側とした差圧を形成することができる。このため、フィルムFには上部真空チャンバー22側から下部真空チャンバー32側へ差圧に応じた大きさの圧力が作用するので、フィルムFをワークWの表面W1の形状に追従するように変形させることができる(図5F参照)。なお第2気圧は、フィルムFを介してワークWに作用する圧力によってワークWが変形しないような大きさ、例えば0.01~10[kPa]の範囲内に設定される。また換言すれば、第2気圧は、1次成形工程において上部真空チャンバー22と下部真空チャンバー32との間に形成される差圧が、例えば0~10[kPa]の範囲内に収まるように設定される。
[0048]
 次にS7では、制御装置7は、上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32の内部の圧力を大気圧まで上昇させる2次成形工程を実行する。より具体的には、制御装置7は、第1遮断弁57を開き、さらに三方弁56によって下部配管54と大気開放管52aとを接続することにより、上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32と第1タンク52とを連通し、これら真空チャンバー22,32の内部の気圧を大気圧まで上昇させる。これによりフィルムFがワークWの表面W1に貼り付けられる。なおこの2次成形工程では、真空チャンバー22,32の内部の気圧が大気圧まで上昇する間において、これら真空チャンバー22,32の間の差圧がS6の1次成形工程で形成される差圧以下で維持されるように、できるだけ短時間(例えば、3秒以内)で大気圧まで上昇させることが好ましい。
[0049]
 またこの2次成形工程では、真空チャンバー22,32の内部の気圧が大気圧まで上昇する間において、これら真空チャンバー22,32の間の差圧がS6の1次成形工程で形成される差圧以下で維持されるようにするため、これら真空チャンバー22,32の内部を大気に開放する前に、上部ボックス2の内部に設けられたカッター25でフィルムFの周縁部を切断し、上部真空チャンバー22と下部真空チャンバー32とを連通することが好ましい(図5G参照)。これにより、上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32内を大気圧まで上昇させる間において、これら上部真空チャンバー22と下部真空チャンバー32との間の差圧が過剰に大きくなるのを防止できるので、これら上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32内を大気圧まで上昇させる間にワークWが差圧によって変形するのを防止できる。
[0050]
 次にS8では、作業者は、フィルムFが貼り付けられたワークWを下部ボックス3から取り出す。より具体的には、S8において制御装置7は、上部ボックス2を上昇させるとともに、下部ボックス3を上部ボックス2の下方から離れた位置に移動させた後、ステージ33を上昇させる。その後作業者は、ステージ33に設置されたワークWを下部ボックス3から取り出す。
[0051]
 以上のような本実施形態に係る貼付方法によれば、フィルムFとワークWとを当接させた状態で上部真空チャンバー22内の気圧を第2気圧まで上昇させるだけでフィルムFをワークWの表面W1の形状に追従するように密着させることができるので、従来のように手作業によるパッキング作業を行う必要がない。また本実施形態に係る貼付方法によれば、上部真空チャンバー22及び下部真空チャンバー32内を減圧した後、これらチャンバー22,32内を大気圧まで上昇させる前に、上部真空チャンバー22内を第1気圧より高くかつ大気圧より低い第2気圧まで上昇させる。したがって従来のように上部真空チャンバー22内を真空から大気圧まで一気に上昇させる場合と比較して、下部真空チャンバー32内と上部真空チャンバー22内との差圧を小さくできるので、上部真空チャンバー22内の気圧を第2気圧まで上昇させた時におけるワークWの変形を抑制でき、ひいてはワークWの変形を抑制するための冶具も不要となる。
[0052]
<第2実施形態>
 以下、本発明の第2実施形態に係る貼付装置1Aの構成について、図面を参照しながら説明する。なお以下の貼付装置1Aの説明において、第1実施形態に係る貼付装置1と同じ構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[0053]
 図6は、本実施形態に係る貼付装置1Aの構成を模式的に示す図である。貼付装置1Aは、フィルムFの周縁部を把持する小ボックス2Aと、ワークW及び小ボックス2Aを収容する空間である大真空チャンバー32Aを備える大ボックス3Aと、小ボックス2A及び大ボックス3A内の気圧を調整する気圧調整装置5Aと、大真空チャンバー32A内において小ボックス2Aを移動させる移動機構6Aと、これら気圧調整装置5A及び移動機構6A等を制御する制御装置7Aと、を備える。
[0054]
 小ボックス2Aは、箱状であり鉛直方向に沿って下方側の面には矩形状の開口部21Aが形成されている。小ボックス2Aの内部のうち開口部21Aに対向する位置には、フィルムFを加熱するためのヒータ23が設けられている。また小ボックス2Aの開口部21Aには、フィルムFの周縁部を把持する矩形枠状のフィルム把持枠24Aが設けられている。これにより小ボックス2Aの内部には、フィルムFを境として小真空チャンバー22Aが区画形成される。
[0055]
 大ボックス3Aは、箱状であり、小ボックス2A及びワークWを収容する。大ボックス3Aの内部には、ステージ33が設けられている。このステージ33には、ワークWがその表面W1を鉛直方向に沿って上方側に向けた状態で設置される。
[0056]
 移動機構6Aは、制御装置7Aからの指令に基づいて、大ボックス3Aの大真空チャンバー32Aの内部に設けられた小ボックス2Aを鉛直方向に沿って上昇させたり下降させたりすることにより、小ボックス2Aによって把持されているフィルムFをワークWから離間させたり接近させたりする。
[0057]
 気圧調整装置5Aは、真空ポンプ51Aと、第1タンク52Aと、第2タンク53Aと、大ボックス配管54Aと、第1小ボックス上部配管551Aと、第2小ボックス配管552Aと、三方弁56Aと、第1遮断弁57Aと、第2遮断弁58Aと、を備える。
[0058]
 大ボックス配管54Aは、三方弁56Aと大ボックス3Aの内部とを連通する。第1小ボックス配管551Aは、大ボックス配管54Aと小ボックス2Aの内部とを連通する。第1遮断弁57Aは、大ボックス配管54Aのうち第1小ボックス配管551Aの接続部54bよりも三方弁56A側に設けられ、制御装置7Aからの指令に応じて開閉する。第1遮断弁57Aを開くと、小真空チャンバー22Aと大真空チャンバー32Aとが連通する。したがって第1遮断弁57Aを開くことにより、小真空チャンバー22A内の気圧と大真空チャンバー32A内の気圧とを等しくすることができる。また第1遮断弁57Aを閉じると、小真空チャンバー22Aと大真空チャンバー32Aとが遮断される。したがって第1遮断弁57Aを閉じることにより、小真空チャンバー22A内と大真空チャンバー32A内との間で差圧を発生させることができる。
[0059]
 真空ポンプ51Aと三方弁56Aとは、真空配管51bを介して接続されている。また第1タンク52Aと三方弁56Aとは、大気開放管52bを介して接続されている。三方弁56Aは、制御装置7Aからの指令に応じて、大ボックス配管54Aと真空配管51bとを接続したり、大ボックス配管54Aと大気開放管52bとを接続したりする。
[0060]
 三方弁56Aによって大ボックス配管54Aと真空配管51bとを接続すると、真空ポンプ51Aと小ボックス2内及び大ボックス3A内とが連通する。真空ポンプ51Aは、制御装置7Aからの指令に応じてオンとなり、真空配管51bから吸入した空気を大気に排出し、大真空チャンバー22A内や小真空チャンバー32A内を減圧する。
[0061]
 三方弁56Aによって大ボックス配管54Aと大気開放管52bとを接続すると、第1タンク52Aと小ボックス2内及び大ボックス3内とが連通する。第1タンク52A内の気圧は、大気圧以上に設定されている。このため、三方弁56Aによって大ボックス配管54Aと大気開放管52bとを接続すると、小真空チャンバー22A内や大真空チャンバー32A内の気圧を大気圧以上まで上昇させることが可能となっている。ここで小真空チャンバー22A内や大真空チャンバー32A内の気圧は、できるだけ速やかに上昇させることが好ましい。このため第1タンク52A内の気圧は、図示しない加圧ポンプによって大気圧よりも高い状態で維持しておくことが好ましい。
[0062]
 第2小ボックス配管552Aは、第2タンク53Aと小ボックス2Aの内部とを連通する。第2遮断弁58Aは、第2小ボックス配管552Aに設けられ、制御装置7Aからの指令に応じて開閉する。第2タンク53A内の気圧は、後述の第2気圧以上でありかつ大気圧より低く設定されている。このため、小真空チャンバー22A内の気圧が第2気圧よりも低い状態で第2遮断弁58Aを開くと、小真空チャンバー22Aと第2タンク53Aとが連通し、小真空チャンバー22A内の気圧を第2気圧以上まで上昇させることが可能となっている。また第2遮断弁58Aを閉じると、小真空チャンバー22A内と第2タンク53Aとが遮断される。ここで小真空チャンバー22A内の気圧は、できるだけ速やかに上昇させることが好ましい。このため第2タンク53Aと真空ポンプ51Aとを図示しない配管で接続しておき、この第2タンク53A内の気圧は、真空ポンプ51によって第2気圧よりも高くかつ大気圧よりも低い状態で維持しておくことが好ましい。
[0063]
 気圧調整装置5Aは、制御装置7Aからの指令に応じて真空ポンプ51A、三方弁56A、第1遮断弁57A、及び第2遮断弁58Aを駆動することによって小真空チャンバー22A及び大真空チャンバー32A内の気圧を調整する。
[0064]
 制御装置7Aは、コンピュータであり、図7に示す手順に従ってヒータ23、気圧調整装置5A、及び移動機構6Aを制御する。
[0065]
 図7は、以上のような貼付装置1Aを用いることによってワークWにフィルムFを貼り付ける貼付方法の手順を示すフローチャートである。図8A~図8Dは、この貼付方法の各工程における貼付装置1Aの動作を模式的に示す図である。
[0066]
 始めにS11では、作業者は、新たなワークWをステージ33に設置し、さらに新たなフィルムFを小ボックス2Aのフィルム把持枠24Aに設置する。
[0067]
 次にS12では、制御装置7Aは、フィルムFを加熱するとともに小真空チャンバー22A及び大真空チャンバー32Aの内部を減圧する。より具体的には、S12において制御装置7Aは、所定時間にわたりヒータ23をオンにすることによってフィルムFを所定の設定温度になるまで加熱する。ここでフィルムFの設定温度は、フィルムFの材料に応じて、例えば70~200℃の範囲内に設定される。また制御装置7Aは、第1遮断弁57Aを開くことによって小真空チャンバー22Aと大真空チャンバー32Aとを連通するとともに、三方弁56Aによって大ボックス配管54Aと真空ポンプ51Aとを接続し、さらに所定時間にわたり真空ポンプ51Aをオンにすることにより、図8Aに示すように、小真空チャンバー22A及び大真空チャンバー32Aの内部の気圧が所定の第1気圧以下になるまで減圧する。ここで第1気圧は、大気圧よりも低く、例えば0~0.2[kPa]の範囲内に設定される。
[0068]
 なお第1実施形態において説明したように、フィルムFは、自重によって僅かに撓む。そこでS12では、減圧後のフィルムFの撓みが解消されるように、図4のS4と同様の手順によって小真空チャンバー22Aと大真空チャンバー32Aとの間で僅かな差圧(例えば、0~0.1[kPa])を設けてもよい。
[0069]
 次にS13では、制御装置7Aは、フィルムFとワークWとを接近、より好ましくはフィルムFとワークWとを当接させる成形準備工程を実行する。より具体的には、制御装置7Aは、移動機構6Aを用いることによって、小ボックス2AをワークWへ向けて下降させる。これにより、フィルムFとワークWとを互いに接近させる。ただしこの成形準備工程では、図8Bに示すように、ワークWの表面W1の少なくとも一部がフィルムFの接着層F2に当接し、さらにフィルムFが鉛直方向上方側へ凸状に撓むまで、フィルムFとワークWとを互いに接近させることが好ましい。
[0070]
 次にS14では、制御装置7Aは、フィルムFとワークWとが当接した状態で小真空チャンバー22Aの内部を上昇させる1次成形工程を実行する。より具体的には、制御装置7Aは、フィルムFとワークWとが当接した状態で、所定時間にわたって第2遮断弁58Aを開くことにより、外気を小真空チャンバー22Aの内部に導入し、この小真空チャンバー22Aの内部の気圧を所定の第2気圧まで上昇させる。ここで第2気圧は、上述の第1気圧よりも高くかつ大気圧よりも低くなるように設定される。
[0071]
 なおこの1次成形工程では、制御装置7Aは、第1遮断弁57Aを閉じたまま第2遮断弁58Aを所定時間にわたり開くことにより、大真空チャンバー32Aの内部の気圧を第1気圧以下で維持する。これにより小真空チャンバー22Aと大真空チャンバー32Aとの間には、小真空チャンバー22Aを高圧側とし大真空チャンバー32Aを低圧側とした差圧を形成することができる。このため、フィルムFには小真空チャンバー22A側から大真空チャンバー32A側へ差圧に応じた大きさの圧力が作用するので、フィルムFをワークWの表面W1の形状に追従するように変形させることができる(図8C参照)。なお第2気圧は、フィルムFを介してワークWに作用する圧力によってワークWが変形しないような大きさ、例えば0.01~10[kPa]の範囲内に設定される。また換言すれば、第2気圧は、1次成形工程において小真空チャンバー22Aと大真空チャンバー32Aとの間に形成される差圧が、例えば0~10[kPa]の範囲内に収まるように設定される。
[0072]
 次にS15では、制御装置7Aは、小真空チャンバー22A及び大真空チャンバー32Aの内部の圧力を大気圧まで上昇させる2次成形工程を実行する。より具体的には、制御装置7Aは、第1遮断弁57Aを開き、さらに三方弁56Aによって大ボックス配管54Aと大気開放管52bとを接続することにより、小真空チャンバー22A及び大真空チャンバー32Aと第1タンク52Aとを連通し、これら真空チャンバー22A,32Aの内部の気圧を大気圧まで上昇させる。これによりフィルムFがワークWの表面W1に貼り付けられる。なおこの2次成形工程では、真空チャンバー22A,32Aの内部の気圧が大気圧まで上昇する間において、これら真空チャンバー22A,32Aの間の差圧がS14の1次成形工程で形成される差圧以下で維持されるように、できるだけ短時間(例えば、1秒以内)で大気圧まで上昇させることが好ましい。
[0073]
 またこの2次成形工程では、真空チャンバー22A,32Aの内部の気圧が大気圧まで上昇する間において、これら真空チャンバー22A,32Aの間の差圧がS14の1次成形工程で形成される差圧以下で維持されるようにするため、これら真空チャンバー22A,32Aの内部を大気に開放する前に、小ボックス2Aの内部に設けられたカッター25AでフィルムFの周縁部を切断し、小真空チャンバー22Aと大真空チャンバー32Aとを連通することが好ましい(図8D参照)。これにより、小真空チャンバー22A及び大真空チャンバー32A内を大気圧まで上昇させる間において、これら小真空チャンバー22Aと大真空チャンバー32Aとの間の差圧が過剰に大きくなるのを防止できるので、これら小真空チャンバー22A及び大真空チャンバー32A内を大気圧まで上昇させる間にワークWが差圧によって変形するのを防止できる。
[0074]
 次にS16では、作業者は、フィルムFが貼り付けられたワークWを大ボックス3Aから取り出す。
[0075]
 以上のような本実施形態に係る貼付方法によれば、フィルムFとワークWとを当接させた状態で小真空チャンバー22A内の気圧を第2気圧まで上昇させるだけでフィルムFをワークWの表面W1の形状に追従するように密着させることができるので、従来のように手作業によるパッキング作業を行う必要がない。また本実施形態に係る貼付方法によれば、小真空チャンバー22A及び大真空チャンバー32A内を減圧した後、これらチャンバー22A,32A内を大気圧まで上昇させる前に、小真空チャンバー22A内を第1気圧より高くかつ大気圧より低い第2気圧まで上昇させる。したがって従来のように小真空チャンバー22A内を真空から大気圧まで一気に上昇させる場合と比較して、大真空チャンバー32A内と小真空チャンバー22A内との差圧を小さくできるので、小真空チャンバー22A内の気圧を第2気圧まで上昇させた時におけるワークWの変形を抑制でき、ひいてはワークWの変形を抑制するための冶具も不要となる。

符号の説明

[0076]
 W…ワーク(被貼着体)
 F…フィルム(貼着体)
 1,1A…貼付装置
 2…上部ボックス
 2A…小ボックス(小箱体)
 22…上部真空チャンバー(第2チャンバー)
 22A…小チャンバー(第2チャンバー)
 3…下部ボックス
 3A…大ボックス(大箱体)
 32…下部真空チャンバー(第1チャンバー)
 32A…大チャンバー(第1チャンバー)
 B…箱体
 5,5A…気圧調整装置
 6,6A…移動機構
 7,7A…制御装置

請求の範囲

[請求項1]
 被貼着体に薄膜状の貼着体を貼り付ける貼付装置であって、
 その内部において前記貼着体を把持する箱体と、
 前記箱体内において前記貼着体によって区画形成される第1チャンバー及び第2チャンバーと、
 前記第1及び第2チャンバー内の気圧を調整する気圧調整装置と、
 前記第1チャンバー内において前記被貼着体を移動させる移動機構と、
 前記気圧調整装置及び前記移動機構を制御する制御装置と、を備え、
 前記制御装置は、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧より低い所定の第1気圧以下まで減圧し、その後前記貼着体と前記被貼着体とを接近させた状態で前記第2チャンバー内を前記第1気圧より高く大気圧より低い第2気圧まで上昇させた後、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させることを特徴とする貼付装置。
[請求項2]
 被貼着体に薄膜状の貼着体を貼り付ける貼付装置であって、
 前記貼着体の外縁部を把持する小箱体と、
 前記被貼着体及び前記小箱体を収容する第1チャンバーを備える大箱体と、
 前記第1チャンバー内の気圧及び前記貼着体によって前記小箱体内に区画形成される第2チャンバー内の気圧を調整する気圧調整装置と、
 前記第1チャンバー内において前記小箱体又は前記被貼着体を移動させる移動機構と、
 前記気圧調整装置及び前記移動機構を制御する制御装置と、を備え、
 前記制御装置は、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧より低い所定の第1気圧以下まで減圧し、その後前記貼着体と前記被貼着体とを接近させた状態で前記第2チャンバー内を前記第1気圧より高く大気圧より低い第2気圧まで上昇させた後、前記第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させることを特徴とする貼付装置。
[請求項3]
 前記制御装置は、前記貼着体と前記被貼着体とを接近させた状態で、前記第1チャンバー内を前記第1気圧以下で維持したまま前記第2チャンバー内を前記第2気圧まで上昇させることを特徴とする請求項1又は2に記載の貼付装置。
[請求項4]
 前記制御装置は、前記第2チャンバー内を前記第2気圧まで上昇させた後、前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとを連通してから前記第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の貼付装置。
[請求項5]
 被貼着体に薄膜状の貼着体を貼り付ける貼付方法であって、
 箱体内に前記貼着体を設置し、当該箱体内において前記貼着体を境とする第1チャンバー及び第2チャンバーを区画形成するとともに、前記第1チャンバーに前記被貼着体を設置する設置工程と、
 前記第1及び第2チャンバー内を大気圧より低い所定の第1気圧まで減圧する減圧工程と、
 前記貼着体と前記被貼着体とを接近させる成形準備工程と、
 前記貼着体と前記被貼着体とが接近した状態で前記第2チャンバー内を前記第1気圧より高く大気圧より低い第2気圧まで上昇させる1次成形工程と、
 前記第1及び第2チャンバー内を大気圧まで上昇させる2次成形工程と、を備えることを特徴とする貼付方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]

[ 図 5D]

[ 図 5E]

[ 図 5F]

[ 図 5G]

[ 図 5H]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 8C]

[ 図 8D]