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1. WO2021060060 - COMPOSITION DE RÉSINE SENSIBLE AU RAYONNEMENT

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明 細 書

発明の名称 感放射線性樹脂組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099  

実施例

0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121  

産業上の利用可能性

0122  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 感放射線性樹脂組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、感放射線性樹脂組成物に関するものである。

背景技術

[0002]
 集積回路素子、固体撮像素子、カラーフィルター、各種表示素子(例えば、有機EL素子、液晶表示素子)、およびブラックマトリックス等の電子部品には、その劣化や損傷を防止するための表面保護膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、層状に配置される配線の間を絶縁するための層間絶縁膜といった種々の樹脂膜が設けられている。
[0003]
 このような樹脂膜の形成には、例えば、樹脂成分と、活性放射線(紫外線(g線やi線等の単一波長の紫外線を含む)、KrFエキシマレーザー光、およびArFエキシマレーザー光に例示される光線;電子線に例示される粒子線など)の照射によって酸を発生する酸発生剤とを含有する感放射線性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と略記する場合がある。)が従来から用いている。具体的には、樹脂組成物を用いて得られる感放射線性膜に対して、活性放射線を照射し、得られた露光膜の露光部を現像液により除去(現像)する等して、用途に応じた所望のパターン形状を有する樹脂膜を得ることができる。
 そして従来、このような樹脂組成物の樹脂成分として、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体が使用されている(例えば、特許文献1~2を参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2016-508759号公報
特許文献2 : 国際公開第2015/141719号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体を含んでなる従来の樹脂組成物を用いて、微細なラインアンドスペースパターン形状を有する樹脂膜を形成すると、未露光部からなるラインパターンの高さがパターンを有さない未露光部の高さよりも減じてしまう(即ち、ラインパターンのトップロスが生じる)場合があった。
 また一般に、樹脂組成物を用いて樹脂膜を形成するに際しては、露光および現像後に熱硬化などを目的として加熱処理を行う場合があるが、このような加熱処理の際に、露光および現像により形成された所期のパターン形状が損なわれる場合がある。そのため、樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜には、加熱処理を経て形成される場合でも、所期のパターン形状を維持する性質(熱フロー耐性)を高めることが求められていた。
[0006]
 そこで、本発明は、ラインパターンのトップロスが抑制されていると共に、熱フロー耐性に優れる樹脂膜を形成しうる感放射線性樹脂組成物の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、樹脂成分として、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体に加えて軟化点が所定の値以上であるクレゾールノボラック樹脂を含有し、そして更に酸発生剤および架橋剤を含有する樹脂組成物を用いて樹脂膜を形成すれば、ラインパターンのトップロスを抑制しつつ、熱フロー耐性を高めうることを見出し、本発明を完成させた。
[0008]
 即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の感放射線性樹脂組成物は、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、軟化点が140℃以上のクレゾールノボラック樹脂(B)、酸発生剤(C)、および架橋剤(D)を含むことを特徴とする。上述した(A)~(D)の成分を含有する樹脂組成物を用いれば、ラインパターンのトップロスが抑制されていると共に、熱フロー耐性に優れる樹脂膜を形成することができる。
 なお、本発明において、「軟化点」は、JIS K6910:2007に記載の環球法により測定することができる。
[0009]
 ここで、本発明の感放射線性樹脂組成物は、前記クレゾールノボラック樹脂(B)が、クレゾール骨格とキシレノール骨格とを含むことが好ましい。クレゾールに由来する骨格と、キシレノールに由来する骨格とを含むクレゾールノボラック樹脂(B)を用いれば、樹脂膜の熱フロー耐性を更に向上させることができる。
[0010]
 また、本発明の感放射線性樹脂組成物は、前記酸発生剤(C)がキノンジアジド化合物であることが好ましい。酸発生剤(C)としてキノンジアジド化合物を用いれば、樹脂膜に形成されたラインアンドスペースパターンの解像度を向上させることができる。
[0011]
 そして、本発明の感放射線性樹脂組成物は、前記架橋剤(D)が、多官能エポキシ化合物、多官能アルコキシメチル化合物、および多官能メチロール化合物からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。架橋剤(D)として、多官能エポキシ化合物、多官能アルコキシメチル化合物、および/または多官能メチロール化合物を用いれば、樹脂膜の耐薬品性を高めつつ、熱フロー耐性を更に向上させることができる。
[0012]
 加えて、本発明の感放射線性樹脂組成物は、前記環状オレフィン重合体(A)と前記クレゾールノボラック樹脂(B)の合計中に占める前記環状オレフィン重合体(A)の割合が、10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。環状オレフィン重合体(A)とクレゾールノボラック樹脂(B)を上述した量比で用いれば、樹脂膜の比誘電率を低下させつつ、当該樹脂膜に形成されたラインパターンのトップロスを一層抑制することができる。
[0013]
 また、本発明の感放射線樹脂組成物は、前記クレゾールノボラック樹脂(B)に含まれるクレゾール類に由来する骨格中において、パラ体骨格の含有量に対するメタ体骨格の含有量のモル比(即ち、m/p比)が5.0以下であることが好ましい。クレゾール類に由来する骨格中において、パラ体に由来する骨格の含有量に対するメタ体に由来する含有量の比が、モル基準で5.0以下であるクレゾールノボラック樹脂(B)を用いれば、樹脂膜におけるラインパターンのトップロスを一層抑制しつつ、熱フロー耐性を更に向上させることができる。
 なお、本発明において、「m/p比」は、核磁気共鳴法(例えば、 13C-NMR)などの既知の方法で測定することができる。

発明の効果

[0014]
 本発明によれば、ラインパターンのトップロスが抑制されていると共に、熱フロー耐性に優れる樹脂膜を形成しうる感放射線性樹脂組成物を提供することができる。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
 本発明の感放射線性樹脂組成物は、樹脂膜の形成に用いることができ、当該樹脂膜は、例えば、ウェハレベルパッケージ技術によって製造される電子部品において、表面保護膜、平坦化膜、層間絶縁膜等として用いることができる。
[0016]
 本発明の感放射線性樹脂組成物は、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、軟化点が140℃以上のクレゾールノボラック樹脂(B)、酸発生剤(C)、および架橋剤(D)を含有し、任意に、溶剤や、その他の配合剤を含有する。
 そして、本発明の感放射線性樹脂組成物は、樹脂成分として、上述した環状オレフィン重合体(A)およびクレゾールノボラック樹脂(B)含みつつ、酸発生剤(C)および架橋剤(D)を含有しているので、当該樹脂組成物を用いれば、ラインパターンのトップロスが抑制されていると共に、熱フロー耐性に優れる樹脂膜を形成することができる。
[0017]
<環状オレフィン重合体(A)>
 環状オレフィン重合体(A)は、プロトン性極性基を有すると共に、環状オレフィン骨格を有する重合体である。
[0018]
<<プロトン性極性基>>
 環状オレフィン重合体(A)は、プロトン性極性基を備えることにより、現像液(特には、後述するアルカリ現像液)に対する溶解性を有する。また、熱硬化に際してプロトン性極性基が架橋剤(D)と反応し、環状オレフィン重合体(A)等の樹脂成分が強固な架橋構造をとることができるため、樹脂膜に優れた熱フロー耐性および耐薬品性を付与することができる。
[0019]
 ここで、プロトン性極性基とは、水素原子が直接結合している周期表第15族または第16族に属する原子を含む基をいう。周期表第15族または第16族に属する原子としては、周期表第15族または第16族の第2または第3周期に属する原子が好ましく、より好ましくは酸素原子、窒素原子または硫黄原子であり、特に好ましくは酸素原子である。
[0020]
 このようなプロトン性極性基の具体例としては、水酸基、カルボキシル基(ヒドロキシカルボニル基)、スルホン酸基、リン酸基等の酸素原子を有する極性基;第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)等の窒素原子を有する極性基;チオール基等の硫黄原子を有する極性基;が挙げられる。これらの中でも、酸素原子を有する極性基が好ましく、カルボキシル基、水酸基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
 なお、環状オレフィン重合体(A)は、プロトン性極性基を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
[0021]
<<組成>>
 そして、環状オレフィン重合体(A)に上述したプロトン性極性基を導入する方法は特に限定されない。すなわち、環状オレフィン重合体(A)は、例えば、プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)に由来する繰り返し単位を含み、任意に、その他の単量体(b)に由来する繰り返し単位を含む重合体であってもよいし、プロトン性極性基を有しない環状オレフィン重合体に変性剤を用いてプロトン性極性基が導入されてなる重合体であってもよいが、前者が好ましい。
[0022]
[プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)]
 プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)としては、上述したプロトン性極性基、および環状オレフィン構造を有する単量体であれば特に限定されないが、例えば、カルボキシル基を有する環状オレフィン単量体、水酸基を有する環状オレフィン単量体が好適に挙げられる。
[0023]
―カルボキシル基を有する環状オレフィン単量体―
 カルボキシル基を有する環状オレフィン単量体としては、例えば、2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-カルボキシメチル-2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-メトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-エトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-プロポキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ブトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ペンチルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ヘキシルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-シクロヘキシルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-フェノキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ナフチルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ビフェニルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ベンジルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ヒドロキシエトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2,3-ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ペンチルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ナフチルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ビフェニルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ベンジルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ヒドロキシエトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ヒドロキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、3-メチル-2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、3-ヒドロキシメチル-2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.0 2,6]デカ-3,8-ジエン、4-ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4,5-ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-カルボキシメチル-4-ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、N-(ヒドロキシカルボニルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシカルボニルペンチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ジヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ジヒドロキシカルボニルプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシカルボニルフェネチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(ヒドロキシカルボニル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシカルボニルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミドが挙げられる。
[0024]
―水酸基を有する環状オレフィン単量体―
 水酸基を有する環状オレフィン単量体としては、例えば、2-(4-ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、4-(4-ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-(4-ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、2-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2,3-ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-(ヒドロキシエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-(ヒドロキシエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-(1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-2,2,2-トリフルオロエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-(2-ヒドロキシ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、3-ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.0 2,6]デカ-4,8-ジエン、3-ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.0 2,6]デカ-4,8-ジエン、4-ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-ヒドロキシメチルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4,5-ジヒドロキシメチルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-(ヒドロキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-(ヒドロキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、N-(ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミドが挙げられる。
[0025]
 これらの中でも、現像液(特には後述するアルカリ現像液)に対する溶解性を高めると共に、樹脂膜の金属に対する密着性を向上させる観点から、カルボキシル基を有する環状オレフィン単量体が好ましく、4-ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エンがより好ましい。なお、環状オレフィン単量体(a)は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0026]
―含有割合―
 そして、環状オレフィン重合体(A)中における環状オレフィン単量体(a)に由来する繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位を100モル%として、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることが更に好ましく、90モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることがより好ましく、70モル%以下であることが更に好ましい。環状オレフィン単量体(a)に由来する繰り返し単位の割合が10モル%以上であれば樹脂膜の熱フロー耐性を更に向上させることができ、90モル%以下であれば樹脂膜の比誘電率を低下させることができる。
[0027]
[その他の単量体(b)]
 その他の単量体(b)としては、上述した環状オレフィン単量体(a)と共重合可能な単量体であれば特に限定されない。環状オレフィン単量体(a)と共重合可能な単量体としては、プロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b1)、極性基を有さない環状オレフィン単量体(b2)、および環状オレフィン以外の単量体(b3)が挙げられる。
[0028]
―単量体(b1)-
 プロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b1)としては、例えば、N-置換イミド基、エステル基、シアノ基、酸無水物基、またはハロゲン原子を有する環状オレフィン単量体が挙げられる。
[0029]
 N-置換イミド基を有する環状オレフィン単量体としては、例えば、下記式(1)で表される単量体、下記式(2)で表される単量体が挙げられる。
[化1]


 〔式(1)中、R 2は炭素原子数1以上16以下のアルキル基、またはアリール基を表し、nは1または2を表す。〕
[化2]


 〔式(2)中、R 3は炭素原子数1以上3以下の2価のアルキレン基、R 4は、炭素原子数1以上10以下の1価のアルキル基または炭素原子数1以上10以下の1価のハロゲン化アルキル基を表す。なお、2つのR 4は同一でも異なっていてもよい。〕
[0030]
 式(1)中、R 2の炭素原子数1以上16以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基等の直鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、イソボルニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基等の環状アルキル基;2-プロピル基、2-ブチル基、2-メチル-1-プロピル基、2-メチル-2-プロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-メチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、4-メチルヘプチル基、1-メチルノニル基、1-メチルトリデシル基、1-メチルテトラデシル基などの分岐状アルキル基;が挙げられる。
 式(1)中、R 2のアリール基としては、例えば、ベンジル基が挙げられる。
 これらの中でも、環状オレフィン重合体(A)の溶剤への溶解性を向上させると共に、樹脂膜の熱フロー耐性を更に向上させる観点から、炭素原子数4以上14以下のアルキル基およびアリール基が好ましく、炭素原子数6以上10以下のアルキル基およびアリール基がより好ましい。
[0031]
 そして、式(1)で表される単量体の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-アダマンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルブチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-メチルブチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルペンチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-メチルペンチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-エチルブチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-エチルブチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-メチルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(3-メチルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-ブチルペンチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-ブチルペンチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルヘプチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-メチルヘプチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(3-メチルヘプチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-メチルヘプチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-エチルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-エチルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(3-エチルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-プロピルペンチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-プロピルペンチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルオクチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-メチルオクチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(3-メチルオクチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-メチルオクチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-エチルヘプチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-エチルヘプチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(3-エチルヘプチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-エチルヘプチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-プロピルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-プロピルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(3-プロピルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルノニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-メチルノニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(3-メチルノニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-メチルノニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(5-メチルノニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-エチルオクチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-エチルオクチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(3-エチルオクチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-エチルオクチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルデシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルドデシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルウンデシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルトリデシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルテトラデシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(1-メチルペンタデシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-フェニル-テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン-4,5-ジカルボキシイミド、N-(2,4-ジメトキシフェニル)-テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン-4,5-ジカルボキシイミドが挙げられる。
[0032]
 式(2)中、R 3の炭素原子数1以上3以下の2価のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびイソプロピレン基が挙げられる。これらの中でも、重合活性が良好であるため、メチレン基およびエチレン基が好ましい。
[0033]
 式(2)中、R 4の炭素原子数1以上10以下の1価のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基およびシクロヘキシル基が挙げられる。
 式(2)中、R 4の炭素原子数1以上10以下の1価のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基およびパーフルオロペンチル基が挙げられる。
 これら中でも、環状オレフィン重合体(A)の溶剤への溶解性を向上させる観点から、R 4としては、メチル基およびエチル基が好ましい。
[0034]
 なお、式(1)、(2)で表される単量体は、例えば、対応するアミンと、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物とのイミド化反応により得ることができる。また、得られた単量体は、イミド化反応の反応液を既知の方法で分離・精製することにより効率よく単離できる。
[0035]
 エステル基を有する環状オレフィン単量体としては、例えば、2-アセトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-アセトキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-(2,2,2-トリフルオロエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メトキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.0 2,6]デカ-8-エン、2-エトキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.0 2,6]デカ-8-エン、2-プロポキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.0 2,6]デカ-8-エン、4-アセトキシテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-エトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-プロポキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-ブトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-メトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-エトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-プロポキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-ブトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-(2,2,2-トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エンが挙げられる。
[0036]
 シアノ基を有する環状オレフィン単量体としては、例えば、4-シアノテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-シアノテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4,5-ジシアノテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、2-シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2,3-ジシアノビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンが挙げられる。
[0037]
 酸無水物基を有する環状オレフィン単量体としては、例えば、テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン-4,5-ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物、2-カルボキシメチル-2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン無水物が挙げられる。
[0038]
 ハロゲン原子を有する環状オレフィン単量体としては、例えば、2-クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-(クロロフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、4-クロロテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-クロロテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エンが挙げられる。
[0039]
―単量体(b2)―
 極性基を有さない環状オレフィン単量体(b2)としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン(「ノルボルネン」ともいう。)、5-エチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ブチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ビニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、トリシクロ[5.2.1.0 2,6]デカ-3,8-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[10.2.1.0 2,11.0 4,9]ペンタデカ-4,6,8,13-テトラエン、テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-4-エン(「テトラシクロドデセン」ともいう。)、9-メチル-テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-4-エン、9-エチル-テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-4-エン、9-メチリデン-テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-4-エン、9-エチリデン-テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-4-エン、9-ビニル-テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-4-エン、9-プロペニル-テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-4-エン、ペンタシクロ[9.2.1.1 3,9.0 2,10.0 4,8]ペンタデカ-5,12-ジエン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、インデン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン、9-フェニル-テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-4-エン、テトラシクロ[9.2.1.0 2,10.0 3,8]テトラデカ-3,5,7,12-テトラエン、ペンタシクロ[9.2.1.1 3,9.0 2,10.0 4,8]ペンタデカ-12-エンが挙げられる。
[0040]
―単量体(b3)―
 環状オレフィン以外の単量体(b3)としては、例えば、エチレン;プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等の炭素原子数3以上20以下のα-オレフィン;1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン等の非共役ジエン、およびこれらの誘導体;が挙げられる。
[0041]
 上述した単量体(b1)~(b3)等のその他の単量体(b)は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。そしてこれらの中でも、樹脂膜の熱フロー耐性を更に向上させる観点から、プロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b1)が好ましく、N-置換イミド基を有する環状オレフィン単量体がより好ましい。
[0042]
―含有割合―
 そして、環状オレフィン重合体(A)中におけるその他の単量体(b)に由来する繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位を100モル%として、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることが更に好ましく、90モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることがより好ましく、70モル%以下であることが更に好ましい。その他の単量体(b)に由来する繰り返し単位の割合が10モル%以上であれば樹脂膜の比誘電率を低下させることができ、90モル%以下であれば樹脂膜の熱フロー耐性を更に向上させることができる。
[0043]
<<調製方法>>
 プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)を調製する方法は特に限定されず、例えば、以下の(i)および(ii)の方法:
(i)プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)と、任意に使用されるその他の単量体(b)を含む単量体組成物を重合し、任意に、水素添加反応を行う方法、または
(ii)プロトン性極性基を有しない環状オレフィン重合体を、プロトン性極性基を有する変性剤を用いて変性する方法、
 挙げられる。これらの中でも(i)の方法が好ましい。
[0044]
[調製方法(i)]
 環状オレフィン単量体(a)と、任意にその他の単量体(b)を含む単量体組成物を重合する方法は特に限定されず、既知の方法を用いることができる。具体的な重合方法としては、例えば、開環重合、付加重合が挙げられるが、開環重合が好ましい。すなわち、環状オレフィン重合体(A)は、開環重合体または付加重合体であることが好ましく、開環重合体であることがより好ましい。
[0045]
 なお、開環重合の方法としては、例えば、メタセシス反応触媒の存在下で、プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)および必要に応じて用いられるその他の単量体(b)を重合する開環メタセシス重合が挙げられる。開環メタセシス重合の方法としては、例えば、国際公開第2010/110323号に記載されている方法を採用することができる。
[0046]
 また、環状オレフィン重合体(A)の調製に開環重合を用いる場合、得られた開環重合体に、更に水素添加反応を行い、主鎖に含まれる炭素-炭素二重結合が水素添加された水素添加物とすることが好ましい。環状オレフィン重合体(A)が水素添加物である場合、水素化された炭素-炭素二重結合の割合(水素添加率)は、樹脂膜の耐熱性を更に向上させる観点から、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが特に好ましい。
 なお、本発明において、「水素添加率」は、 1H-NMRスペクトルを用いて測定することができる。
[0047]
[調製方法(ii)]
 プロトン性極性基を有しない環状オレフィン重合体を調製する方法は特に限定されない。プロトン性極性基を有しない環状オレフィン重合体は、例えば、上述した単量体(b1)および(b2)のうち少なくとも1種と、必要に応じて単量体(b3)とを任意に組み合わせて、既知の方法で重合することによって得ることができる。そして、得られた重合体を、プロトン性極性基を有する変性剤を用いて変性する方法は、常法に従えばよく、通常、ラジカル発生剤の存在下で行われる。
 なお、プロトン性極性基を有する変性剤としては、プロトン性極性基と反応性の炭素-炭素不飽和結合の双方を有する化合物を用いることができ、具体的には、国際公開第2015/141717号に記載されたものを用いることができる。
[0048]
<<重量平均分子量>>
 環状オレフィン重合体(A)の重量平均分子量は、1000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましく、5000以上であることが更に好ましく、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、30000以下であることが更に好ましい。環状オレフィン重合体(A)の重量平均分子量が1000以上であれば、樹脂膜におけるラインパターンのトップロスを一層抑制しつつ、当該樹脂膜の熱フロー耐性を更に向上させることができる。また、樹脂膜の耐薬品性を高めることができる。一方、環状オレフィン重合体(A)の重量平均分子量が100000以下であれば、環状オレフィン重合体(A)の溶剤への溶解性を十分に確保することができる。
 なお、本発明において、環状オレフィン重合体(A)の「重量平均分子量」および「数平均分子量」は、テトラヒドロフラン等の溶媒を溶離液としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として求められる値である。
 また、環状オレフィン重合体(A)の重量平均分子量および数平均分子量は、合成条件(例えば、分子量調節剤の量)を調整することにより制御することができる。
[0049]
<<分子量分布>>
 また、環状オレフィン重合体(A)の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、4以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、2.5以下であることが更に好ましい。環状オレフィン重合体(A)の分子量分布が4以下であれば、樹脂膜におけるラインパターンのトップロスを一層抑制しつつ、熱フロー耐性を更に向上させることができる。また、樹脂膜の耐薬品性を高めることができる。
 なお、環状オレフィン重合体(A)の分子量分布は、例えば、特開2006-307155号公報に記載された方法により、低下させることができる。
[0050]
<クレゾールノボラック樹脂(B)>
 本発明の樹脂組成物は、樹脂成分として、上述した環状オレフィン重合体(A)に加えて、軟化点が140℃以上のクレゾールノボラック樹脂(B)を含有する。樹脂組成物が、クレゾールノボラック樹脂(B)を含有することで、トップロスが抑制されたラインパターンを有する樹脂膜を形成することができる。
[0051]
 ここで、クレゾールノボラック樹脂(B)は、クレゾール類を含むフェノール類と、アルデヒド類とを縮合することにより得られる樹脂である。
[0052]
<<クレゾール類を含むフェノール類>>
 クレゾールノボラック樹脂(B)の調製に用いられるフェノール類は、クレゾール類が含まれていれば特に限定されず、クレゾール類のみであってもよく、クレゾール類とクレゾール類以外のフェノール類(以下、「その他のフェノール類」と称する。)を併用してもよい。
[0053]
―クレゾール類―
 クレゾール類とは、フェノール(C 65OH)のベンゼン環上の5個の水素原子のうち、少なくとも1個がメチル基で置換され、残りの水素原子は置換されていない化合物の群を意味する。クレゾール類としては、例えば、クレゾール(o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール)、キシレノール(2,5-キシレノール(2,5-ジメチルフェノール)、3,5-キシレノール(3,5-ジメチルフェノール)等)、トリメチルフェノール(2,3,5-トリメチルフェノール等)が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。そしてこれらの中でも、樹脂膜の熱フロー耐性を更に向上させる観点から、クレゾールとキシレノールを併用することが好ましく、m-クレゾールと、p-クレゾールと、3,5-キシレノールとを併用することがより好ましい。換言すると、クレゾールノボラック樹脂(B)は、クレゾール類に由来する骨格として、クレゾール骨格とキシレノール骨格とを含むことが好ましく、m-クレゾール骨格と、p-クレゾール骨格と、3,5-キシレノール骨格とを含むことがより好ましい。
[0054]
 また、クレゾール類として、メタ体(m-クレゾール、3,5-キシレノール(m-キシレノール))と、パラ体(p-クレゾール)とを併用する場合、クレゾールノボラック樹脂(B)に含まれるクレゾール類に由来する骨格中の、パラ体骨格(p-クレゾール骨格)の含有量に対するメタ体骨格(m-クレゾール骨格、3,5-キシレノール骨格)の含有量のモル比(m/p比)は、0.5以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましく、2.2以上であることが特に好ましく、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.0以下であることが更に好ましく、2.5以下であることが特に好ましい。m/p比が上述した範囲内であれば、樹脂膜におけるラインパターンのトップロスを一層抑制しつつ、熱フロー耐性を更に向上させることができる。
[0055]
 なお、クレゾールノボラック樹脂(B)の調製に用いるフェノール類中のクレゾール類の割合は、フェノール類全体の量を100質量%として、50質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であること(即ち、フェノール類としてはクレゾール類のみを使用すること)が特に好ましい。
[0056]
―その他のフェノール類―
 クレゾールノボラック樹脂(B)の調製に用いることができる、上述したクレゾール類以外のフェノール類としては、一価のフェノール化合物、二価以上のフェノール化合物(多価フェノール化合物)が挙げられる。なお、その他のフェノール類は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0057]
 一価のフェノール化合物としては、例えば、フェノール;2-エチルフェノール、3-エチルフェノール、4-エチルフェノール、2-プロピルフェノール、3-プロピルフェノール、4-プロピルフェノール、2-t-ブチルフェノール、3-t-ブチルフェノール、4-t-ブチルフェノール、2,5-ジエチルフェノール、3,5-ジエチルフェノール、2-t-ブチル-4?メチルフェノール、2-t-ブチル-5-メチルフェノール、2-t-ブチル-3-メチルフェノール、2,3,5-トリエチルフェノールなどのアルキルフェノール;2-メトキシフェノール、3-メトキシフェノール、4-メトキシフェノール、2-エトキシフェノール、3-エトキシフェノール、4-エトキシフェノール、2,3-ジメトキシフェノール、2,5-ジメトキシフェノールなどのアルコキシフェノール;2-フェニルフェノール、3-フェニルフェノール、4-フェニルフェノールなどのアリールフェノール;2-イソプロペニルフェノール、4-イソプロペニルフェノール、2-メチル-4-イソプロペニルフェノール、2-エチル-4-イソプロペニルフェノールなどのアルケニルフェノール;などを挙げることができる。
[0058]
 二価以上のフェノール化合物としては、例えば、レゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、2-メトキシレゾルシノール、4-メトキシレゾルシノール;ヒドロキノン;カテコール、4-t-ブチルカテコール、3-メトキシカテコール;4,4’ -ジヒドロキシビフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン;ピロガロール;フロログルシノール;などを挙げることができる。
[0059]
<<アルデヒド類>>
 上述したクレゾール類を含むフェノール類との縮合反応に供するアルデヒド類としては、脂肪族アルデヒド、脂環式アルデヒドおよび芳香族アルデヒドが挙げられる。
[0060]
―脂肪族アルデヒド―
 脂肪族アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、トリオキサン(メタホルムアルデヒド)、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒドなどを挙げることができる。
[0061]
―脂環式アルデヒド―
 脂環式アルデヒドとしては、例えば、シクロペンタンアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、フルフラール、フリルアクロレインなどを挙げることができる。
[0062]
―芳香族アルデヒド―
 芳香族アルデヒドとしては、例えば、ベンズアルデヒド、o-トルアルデヒド、m-トルアルデヒド、p-トルアルデヒド、p-エチルベンズアルデヒド、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、2,5-ジメチルベンズアルデヒド、3,4-ジメチルベンズアルデヒド、3,5-ジメチルベンズアルデヒド、o-クロロベンズアルデヒド、m-クロロベンズアルデヒド、p-クロロベンズアルデヒド、o-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、o-アニスアルデヒド、m-アニスアルデヒド、p-アニスアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α-フェニルプロピオンアルデヒド、β-フェニルプロピオンアルデヒド、桂皮アルデヒドなどを挙げることができる。
[0063]
 上述したアルデヒド類は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。そしてこれらの中でも、脂肪族アルデヒドが好ましく、ホルムアルデヒドがより好ましい。
[0064]
<<調製方法>>
 クレゾールノボラック樹脂(B)は、上述したクレゾール類を含むフェノール類と、アルデヒド類とを縮合反応に供することにより調製することができる。この縮合反応は、例えば、酸性触媒を用いた既知の方法により行うことができる。用いる酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸などを挙げることができる。
[0065]
<<軟化点>>
 クレゾールノボラック樹脂(B)の軟化点は、140℃以上であることが必要であり、150℃以上であることが好ましく、160℃以上であることがより好ましい。軟化点が140℃未満であると、樹脂膜の熱フロー耐性を確保することができない。
 なお、クレゾールノボラック樹脂(B)の軟化点の上限は、特に限定されないが、取り扱い性の観点から、300℃以下であることが好ましい。
 また、クレゾールノボラック樹脂(B)の軟化点は、縮合反応に用いるフェノール類およびアルデヒド類の種類や、縮合反応の条件を調整することにより制御することができる。
[0066]
<<重量平均分子量>>
 クレゾールノボラック樹脂(B)の重量平均分子量は、1000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましく、6000以上であることが更に好ましく、20000以下であることが好ましく、15000以下であることがより好ましく、10000以下であることが更に好ましい。重量平均分子量が1000以上であれば、軟化点が高まり樹脂膜の熱フロー耐性を更に向上させることができる。また、樹脂膜におけるラインパターンのトップロスを一層抑制することができる。一方、重量平均分子量が20000以下であれば、クレゾールノボラック樹脂(B)の溶剤への溶解性を十分に確保することができる。
 なお、本発明において、クレゾールノボラック樹脂(B)の「重量平均分子量」は、テトラヒドロフラン等の溶媒を溶離液としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として求められる値である。
 また、クレゾールノボラック樹脂(B)の重量平均分子量は、縮合反応に用いるフェノール類およびアルデヒド類の種類や、縮合反応の条件を調整することにより制御することができる。
[0067]
<環状オレフィン重合体(A)とクレゾールノボラック樹脂(B)の含有量比>
 ここで、上述した環状オレフィン重合体(A)と、上述したクレゾールノボラック樹脂(B)の合計中に占める環状オレフィン重合体(A)の割合は、環状オレフィン重合体(A)とクレゾールノボラック樹脂(B)の合計量を100質量%として、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、75質量%以下であることが更に好ましい。環状オレフィン重合体(A)とクレゾールノボラック樹脂(B)の合計中に占める環状オレフィン重合体(A)の割合が10質量%以上であれば、樹脂膜の比誘電率を十分に低下させることができ、90質量%以下であれば、樹脂膜におけるラインパターンのトップロスを一層抑制することができる。
[0068]
<酸発生剤(C)>
 酸発生剤(C)は、活性放射線の照射により分解して、カルボン酸などの酸成分を発生する化合物である。そして、酸発生剤(C)を含む本発明の樹脂組成物を用いて形成した感放射線性膜は、活性放射線を照射されると、露光部のアルカリ溶解性が増加する。
[0069]
 ここで、酸発生剤(C)としては、例えば、アジド化合物、オニウム塩化合物、ハロゲン化有機化合物、α,α’-ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化合物、α-カルボニル-α’-スルホニルジアゾメタン系化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物、アセトフェノン化合物、トリアリールスルホニウム塩が挙げられるが、得られるラインアンドスペースパターンの解像度に優れるという観点から、アジド化合物が好ましく、キノンジアジド化合物がより好ましい。
[0070]
 酸発生剤(C)として好適に用いられるキノンジアジド化合物としては、例えば、キノンジアジドスルホン酸ハライドとフェノール性水酸基を有する化合物とのエステル化合物を用いることができる。ここで、キノンジアジドスルホン酸ハライドの具体例としては、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸クロライド、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸クロライド、1,2-ベンゾキノンジアジド-5-スルホン酸クロライド等が挙げられる。また、フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、1,1,3-トリス(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルプロパン、4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)エタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、ノボラック樹脂のオリゴマー、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物とジシクロペンタジエンとを共重合して得られるオリゴマー等が挙げられる。
 中でも、酸発生剤(C)としては、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸クロライドと4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールとのエステル化合物(縮合物)が好ましい。
 なお、酸発生剤(C)は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0071]
<<含有量>>
 本発明の樹脂組成物中における酸発生剤(C)の含有量は、環状オレフィン重合体(A)とクレゾールノボラック樹脂(B)の合計100質量部当たり、10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることがより好ましく、25質量部以上であることが更に好ましく、30質量部以上であることが特に好ましく、100質量部以下であることが好ましく、70質量部以下であることがより好ましく、50質量部以下であることが更に好ましい。酸発生剤(C)の含有量が環状オレフィン重合体(A)とクレゾールノボラック樹脂(B)の合計100質量部当たり10質量部以上であれば、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を十分に高めることができる。また、樹脂組成物を用いて微細なラインアンドスペースパターンを形成するに際し、未露光部にも僅かながら活性照射線があたりラインパターンのトップロスが生じる場合がある。しかしながら、酸発生剤(C)の含有量が環状オレフィン重合体(A)とクレゾールノボラック樹脂(B)の合計100質量部当たり100質量部以下であれば、意に反して未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高まることもなく、未露光部からなるラインパターンのトップロスを一層抑制することができる。
[0072]
<架橋剤(D)>
 架橋剤(D)は、環状オレフィン重合体(A)が有するプロトン性極性基、クレゾールノボラック樹脂(B)が有する水酸基、および/またはクレゾールノボラック樹脂(B)が有する芳香環と架橋反応しうる化合物である。樹脂組成物が架橋剤(D)を含有することで、得られる樹脂膜の熱フロー耐性および耐薬品性を向上させることができる。
[0073]
 ここで、架橋剤(D)としては、環状オレフィン重合体(A)のプロトン性極性基および/またはクレゾールノボラック樹脂(B)の水酸基と反応しうる官能基を、1分子内に2つ以上有する化合物であれば特に限定されないが、多官能エポキシ化合物(エポキシ基を2つ以上有する化合物)、多官能アルコキシメチル化合物(アルコキシメチル基を2つ以上有する化合物)、および多官能メチロール化合物(メチロール基を2つ以上有する化合物)を挙げることができる。
 なお、架橋剤(D)は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0074]
<<多官能エポキシ化合物>>
 多官能エポキシ化合物としては、例えば、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2-エポキシ-4-(エポキシエチル)シクロヘキサン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,6-ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,1,3-トリス[p-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3-シクロヘキセニルメチル)修飾ε-カプロラクトン、および2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。
[0075]
 また、多官能エポキシ化合物の市販品としては、例えば、エポリード(登録商標)GT401、エポリードPB3600、エポリードPB4700、セロキサイド(登録商標)2021、セロキサイド3000、EHPE3150(以上、ダイセル社製);jER1001、jER1002、jER1003、jER1004、jER1007、jER1009、jER1010、jER828、jER871、jER872、jER180S75、jER807、jER152、jER154(以上、三菱化学社製);EPPN201、EPPN202、EOCN-102、EOCN-103S、EOCN-104S、EOCN-1020、EOCN-1025、EOCN-1027(以上、日本化薬社製);エピクロン(登録商標)200、エピクロン400(以上、DIC社製);デナコール(登録商標)EX-611、デナコールEX-612、デナコールEX-614、デナコールEX-622、デナコールEX-411、デナコールEX-512、デナコールEX-522、デナコールEX-421、デナコールEX-313、デナコールEX-314、デナコールEX-321(以上、ナガセケムテックス社製);TEPIC-S(日産化学工業社製)などが挙げられる。
[0076]
<<多官能アルコキシメチル化合物>>
 多官能アルコキシメチル化合物としては、例えば、2つ以上のアルコキシメチル基が芳香環に直接結合してなるフェノール化合物、アミノ基が2つ以上のアルコキシメチル基で置換されてなるメラミン化合物、2つ以上のアルコキシメチル基で置換されてなるウレア化合物が挙げられる。
[0077]
 2つ以上のアルコキシメチル基が芳香環に直接結合してなるフェノール化合物としては、例えば、ジメトキシメチル置換フェノール化合物、テトラメトキシメチル置換ビフェニル化合物、ヘキサメトキシメチル置換トリフェニル化合物が挙げられる。
 より具体的には、2,6-ジメトキシメチル-4-t-ブチルフェノール、2,6-ジメトキシメチル-p-クレゾール、3,3’,5,5’-テトラメトキシメチル-4,4’-ジヒドロキシビフェニル(例えば、製品名「TMOM-BP」、本州化学工業社製)、1,1-ビス[3,5-ジ(メトキシメチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-フェニルエタン、4,4’,4’’-(エチリデン)トリス[2,6-ビス(メトキシメチル)フェノール](例えば、製品名「HMOM-TPHAP」、本州化学工業社製)、4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(メトキシメチル)フェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビス[2,6-ビス(メトキシメチル)フェノール](例えば、製品名「HMX-PA」旭有機材社製)などが挙げられる。
[0078]
 アミノ基が2つ以上のアルコキシメチル基で置換されてなるメラミン化合物としては、例えば、N,N’-ジメトキシメチルメラミン、N,N’,N’’-トリメトキシメチルメラミン、N,N,N’,N’’-テトラメトキシメチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’-ペンタメトキシメチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’-ヘキサメトキシメチルメラミン(例えば、製品名「ニカラック(登録商標)MW-390LM」、製品名「ニカラックMW-100LM」、何れも三和ケミカル社製)、あるいはこれらの重合体などが挙げられる。
[0079]
 2つ以上のアルコキシメチル基で置換されてなるウレア化合物としては、例えば、製品名「ニカラックMX270」、製品名「ニカラックMX280」、製品名「ニカラックMX290」(何れも三和ケミカル社製)が挙げられる。
[0080]
<<多官能メチロール化合物>>
 多官能メチロール化合物としては、例えば、2つ以上のメチロール基が芳香環に直接結合してなるフェノール化合物が挙げられる。
 そして、2つ以上のメチロール基が芳香環に直接結合してなるフェノール化合物としては、2,4-2,4-ジヒドロキシメチル-6-メチルフェノール、2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾール、4-ターシャリー-2,6-ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、ビス(2-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-5-メチルフェニル)メタン(製品名「DM-BIPC-F」、旭有機材社製)、ビス(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-5-メチルフェニル)メタン(製品名「DM-BIOC-F」、旭有機材社製)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン(製品名「TM-BIP-A」、旭有機材社製)などが挙げられる。
[0081]
 上述した架橋剤(D)の中でも、樹脂膜の熱フロー耐性を一層高めつつ、耐薬品性を向上させる観点から、多官能エポキシ化合物と多官能アルコキシメチル化合物の少なくとも一方を用いることが好ましく、多官能エポキシ化合物と多官能アルコキシメチル化合物の双方を用いることがより好ましい。
 また、多官能エポキシ化合物としては、樹脂膜の耐薬品性を良好に向上させる観点から、エポリードGT401(物質名:エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3-シクロヘキセニルメチル)修飾ε-カプロラクトン)などの脂環式構造を有する多官能エポキシ化合物、および、エポリードPB4700などの末端Hのエポキシ化ポリブタジエンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、エポリードGT401などの脂環式構造を有する多官能エポキシ化合物、および、エポリードPB4700などの主鎖中にグリシジルエーテル構造を有する末端Hのエポキシ化ポリブタジエンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、少なくともエポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3-シクロヘキセニルメチル)修飾ε-カプロラクトンを含むことが更に好ましい。
[0082]
[含有量]
 本発明の樹脂組成物中における架橋剤(D)の含有量は、環状オレフィン重合体(A)とクレゾールノボラック樹脂(B)の合計100質量部当たり、15質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることが更に好ましく、40質量部以上であることが特に好ましく、120質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることが更に好ましく、50質量部以下であることが特に好ましい。架橋剤(D)の含有量が環状オレフィン重合体(A)とクレゾールノボラック樹脂(B)の合計100質量部当たり15質量部以上であれば、樹脂膜の熱フロー耐性および耐薬品性を更に向上させることができ、120質量部以下であれば、解像度に優れるラインアンドスペースパターンを形成することができる。
 また、多官能エポキシ化合物と、多官能アルコキシメチル化合物および多官能メチロール化合物の少なくとも一方(多官能アルコキシメチル化合物および/または多官能メチロール化合物)とを併用する場合、多官能エポキシ化合物と、多官能アルコキシメチル化合物および/または多官能メチロール化合物との質量比(多官能エポキシ化合物:多官能アルコキシメチル化合物および/または多官能メチロール化合物)は、1:1~1:0.1の範囲内であることが好ましく、1:0.5~1:0.25の範囲内であることがより好ましい。多官能エポキシ化合物:多官能アルコキシメチル化合物および/または多官能メチロール化合物が上述の範囲内であれば、ラインアンドスペースパターンの解像度、熱フロー耐性および耐薬品性のバランスに優れた樹脂膜を形成することができる。
[0083]
<溶剤>
 本発明の樹脂組成物は、溶剤を含有していてもよい。即ち、本発明の樹脂組成物は、溶剤中に、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、軟化点が140℃以上のクレゾールノボラック樹脂(B)、酸発生剤(C)、架橋剤(D)、および任意に添加されるその他の配合剤が、溶解および/または分散してなる、感放射線性樹脂液であってもよい。
 溶剤としては、特に限定されず、樹脂組成物の溶剤として既知のもの、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノンなどの直鎖のケトン類;n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコールエーテル類;ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル類;セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのセロソルブエステル類;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなどのジエチレングリコール類;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、γ-カプリロラクトンなどの飽和γ-ラクトン類;トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミドなどのその他の極性溶媒;が挙げられる。
 溶剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0084]
<その他の配合剤>
 本発明の樹脂組成物は、上述した成分以外の配合剤を含有していてもよい。その他の配合剤としては、例えば、環状オレフィン重合体(A)およびクレゾールノボラック樹脂(B)以外の樹脂成分、シランカップリング剤、酸性基または熱潜在性酸性基を有する化合物、溶解促進剤、界面活性剤、酸化防止剤、増感剤、光安定剤、消泡剤、顔料、染料、フィラーが挙げられる。なお、その他の配合剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0085]
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
 本発明の樹脂組成物を調製する方法は、特に限定されず、樹脂組成物を構成する各成分を混合すればよい。
 具体的には、本発明の樹脂組成物は、環状オレフィン重合体(A)と、クレゾールノボラック樹脂(B)と、酸発生剤(C)と、架橋剤(D)と、任意に用いられるその他の配合剤とを、上述した溶剤中で混合することで、溶剤に溶解または分散して得ることが好ましい。この操作により、樹脂組成物は、溶液または分散液の形態で(即ち、感放射線性樹脂液として)得られる。
 上記混合は、特に限定されず、既知の混合機を用いて行う。また、混合後に既知の方法でろ過をおこなってもよい。
 そして、本発明の樹脂組成物である感放射線性樹脂液の固形分濃度は、通常、1質量%以上70質量%以下、好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上50質量%以下である。固形分濃度が上述した範囲内であれば、感放射線性樹脂液の溶解安定性および塗布性、並びに形成される樹脂膜の膜厚均一性および平坦性等が高度にバランスされ得る。
[0086]
<樹脂膜の形成方法>
 本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて、半導体素子が実装されたシリコンウェハ等の基板上に樹脂膜を形成することができる。
 そして、基板上に樹脂膜を形成する方法は、特に限定されない。樹脂膜は、例えば、溶剤を含む感放射線性樹脂組成物(即ち、感放射線性樹脂液)を用いて、基板上に感放射線性膜を形成する工程(感放射線性膜形成工程)と、感放射線性膜に活性放射線を照射して露光膜を得る工程(露光工程)と、露光膜を現像して現像膜を得る工程(現像工程)と、現像膜を硬化して樹脂膜を得る工程(硬化工程)とを経て製造することができる。
[0087]
<<感放射線性膜形成工程>>
 感放射線性樹脂液を用いて基板上に感放射線性膜を形成する方法は、特に限定されず、例えば、塗布法やフィルム積層法等の方法を用いることができる。
[0088]
[塗布法]
 塗布法は、感放射線性樹脂液を基板上に塗布した後、加熱乾燥により溶剤を除去して感放射線性膜を形成する方法である。感放射線性樹脂液を塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、ドクターブレード法、回転塗布法、スリットコート法、バー塗布法、スクリーン印刷法、インクジェット法等の各種の方法を採用することができる。加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて異なるが、加熱温度は、通常、30~150℃、好ましくは60~130℃であり、加熱時間は、通常、0.5~90分間、好ましくは1~60分間、より好ましくは1~30分間である。
[0089]
[フィルム積層法]
 フィルム積層法は、感放射線性樹脂液を感放射線性膜形成用基材(樹脂フィルムや金属フィルム等)上に塗布した後、加熱乾燥により溶剤を除去して感放射線性膜を得、次いで、得られた感放射線性膜を基板上に積層する方法である。加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて適宜選択することができるが、加熱温度は、通常、30~150℃であり、加熱時間は、通常、0.5~90分間である。感放射線性膜の基板上への積層は、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の圧着機を用いて行なうことができる。
[0090]
 上述の何れかの手法で基板上に形成される感放射線性膜の厚さとしては、特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.1~100μm、より好ましくは0.5~50μm、更に好ましくは0.5~30μmである。
[0091]
<<露光工程>>
 次いで、上述の感放射線性膜形成工程で形成した感放射線性膜に活性放射線を照射して、潜像パターンを有する露光膜を得る。
[0092]
[活性放射線]
 活性放射線としては、感放射線性膜に含有される酸発生剤(C)を活性化させて、露光部における樹脂成分の現像液に対する溶解性(特には、アルカリ現像液に対する溶解性)を向上させうるものであれば特に限定されない。具体的には、紫外線(g線やi線等の単一波長の紫外線を含む)、KrFエキシマレーザー光、およびArFエキシマレーザー光に例示される光線;電子線に例示される粒子線;等を用いることができる。
 なお、活性放射線として光線を用いる場合は、単一波長光であっても、混合波長光であってもよい。
[0093]
[露光条件]
 上述した活性放射線を、選択的にパターン状に照射して潜像パターンを形成する方法としては、常法に従えばよく、例えば、縮小投影露光装置等により、紫外線、KrFエキシマレーザー光、およびArFエキシマレーザー光等の光線を所望のマスクパターンを介して照射する方法、または、電子線等の粒子線により描画する方法を用いることができる。
 照射条件は、使用する活性放射線に応じて適宜選択されるが、例えば、波長200~450nmの光線を使用する場合、照射量は、通常10~5,000mJ/cm 2、好ましくは50~1,500mJ/cm 2の範囲であり、照射時間と照度に応じて決まる。
 なお、活性放射線を照射した後、得られた露光膜に対して、必要に応じて、60~150℃程度の温度で1~10分間程度、加熱処理を施してもよい。
[0094]
<<現像工程>>
 次に、上述の露光工程において露光膜に形成された潜像パターンを、現像液により現像して顕在化し、現像膜を得る。
[0095]
[現像液]
 現像液としては、アルカリ現像液を用いることができる。アルカリ現像液は、アルカリ性化合物を水性媒体に溶解させて得ることができる。
[0096]
 アルカリ性化合物としては、例えば、アルカリ金属塩、アミン、アンモニウム塩を使用することができる。アルカリ性化合物は、無機化合物であっても有機化合物であってもよい。アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩;アンモニア;エチルアミン、n-プロピルアミン等の第一級アミン;ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン等の第二級アミン;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン;ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、N-メチルピロリドン等の環状アミン類;が挙げられる。これらアルカリ性化合物は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
 アルカリ現像液の水性媒体としては、水;メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤を使用することができる。
 またアルカリ現像液は、界面活性剤等を適当量添加したものであってもよい。
[0097]
[現像方法]
 潜像パターンを有する露光膜に現像液を接触させる方法としては、例えば、パドル法、スプレー法、ディッピング法等の方法が用いられる。また、現像温度は、通常、0~100℃、好ましくは5~55℃、より好ましくは10~30℃の範囲で適宜選択され、現像時間は、通常、30~180秒間の範囲で適宜選択される。
[0098]
 このようにして目的とするパターンが形成された現像膜は、必要に応じて、現像残渣を除去するために、リンス液でリンスすることができる。リンス処理の後、残存しているリンス液を圧縮空気や圧縮窒素により除去することが好ましい。
 更に、必要に応じて、現像膜中に残存する酸発生剤(C)を失活させるために、現像膜に活性放射線を照射することもできる。活性放射線の照射には、「露光工程」で上述した方法を使用することができる。なお、活性放射線の照射と同時に、または活性放射線の照射後に現像膜を加熱してもよい。加熱方法としては、例えば、電子部品をホットプレートやオーブン内で加熱する方法が挙げられる。加熱温度は、通常、80~300℃、好ましくは100~200℃の範囲である。
[0099]
<<硬化工程>>
 そして、上述の現像工程でパターン化された現像膜を硬化して、パターン化された樹脂膜を得る。
 硬化の方法は、感放射線性樹脂液に含有させた架橋剤(D)の種類に応じて適宜方法を選択すればよいが、通常、加熱により行なう。
 加熱方法は、例えば、ホットプレート、オーブン等を用いて行なうことができる。加熱温度は、通常、150~250℃であり、加熱時間は、現像膜の面積や厚さ、使用機器等により適宜選択され、例えばホットプレートを用いる場合は、通常、5~120分間、オーブンを用いる場合は、通常、30~150分間の範囲である。また、加熱は、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、酸素を含まず、かつ、現像膜を酸化させないものであればよく、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン等が挙げられる。これらの中でも窒素とアルゴンが好ましく、特に窒素が好ましい。特に、酸素含有量が0.1体積%以下、好ましくは0.01体積%以下の不活性ガス、特に窒素が好適である。これらの不活性ガスは、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
実施例
[0100]
 以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
 実施例および比較例において、比誘電率、トップロス、熱フロー耐性、および耐薬品性は、以下のようにして評価した。
[0101]
<比誘電率>
 スパッタリング装置(芝浦エレテック社製、製品名「i-Miller CFS-4EP-LL」)を用いて50nm膜厚のアルミ膜を形成した4インチシリコンウェハ上に、調製した樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、次いで、ホットプレートを用いて120℃で2分間加熱乾燥(プリベーク)して、感放射線性膜を形成した。当該膜を、窒素中において230℃で1時間加熱することにより硬化させ、10μm厚の硬化膜付きシリコンウェハを得た。これを0.1モル%の塩酸水溶液に12時間浸漬してアルミのエッチングを行うことで、シリコンウェハから硬化膜を剥離させた。この硬化膜を幅2mm、長さ50mmの短冊状に切り出して試験片とし、この試験片について空洞共振器法により10GHzにおける比誘電率の測定を行い、下記の基準で評価した。
 A:比誘電率が2.85未満
 B:比誘電率が2.85以上3.00未満
 C:比誘電率が3.00以上
<トップロス>
 シリコンウェハ上に、調製した樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、次いで、ホットプレートを用いて120℃で2分間加熱乾燥(プリベーク)して、感放射線性膜(膜厚3.0μm)を形成した。次いで、i線ステッパー(ニコン社製、製品名「NSR2005i9C」)に1.0μmのラインアンドスペースパターンを形成可能なレチクルをセットし、100から2000mJ/cm 2まで露光量を変化させることにより、露光工程を行った。得られた露光膜に対して、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、60秒間現像処理を行った。その後、超純水でのリンスおよび振り切り乾燥を経て、ラインアンドスペースパターンを有する現像膜と、シリコンウェハとからなる積層体を得た。そして、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、得られた積層体のラインアンドスペースパターン部分の断面を観察し、ラインとスペースが1:1となる露光量におけるライン部の膜厚を測長した。また、ラインアンドスペースパターンを形成していない未露光部の膜厚も、SEMにより測長した。そして式:トップロス(%)=(未露光部の膜厚-ライン部の膜厚)/(未露光部の膜厚)×100を用いてトップロスを算出し、下記基準で評価した。
 A:トップロスが25%未満
 B:トップロスが25%以上40%未満
 C:トップロスが40%以上
<熱フロー耐性>
 シリコンウェハ上に、調製した樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、次いで、ホットプレートを用いて120℃で2分間加熱乾燥(プリベーク)して、感放射線性膜(膜厚3.0μm)を形成した。次いで、2.0μmのビアパターンを形成可能なマスクを用い、100から2000mJ/cm 2まで露光量を変化させることにより、露光工程を行った。得られた露光膜に対して、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、60秒間現像処理を行った。その後、超純水でのリンスおよび振り切り乾燥を経て、2.0μmのビアホールを有する現像膜と、シリコンウェハとからなる積層体を得た。なお、光学顕微鏡で観察、測長し、2.0μmのビアパターンが開口していることを確認した。得られた積層体を、窒素中で50℃から110℃まで2℃/分で昇温し、110℃で30分間保持した後、230℃まで3℃/分で昇温し、更に230℃で1時間保持することで現像膜を硬化させて樹脂膜を得た。そして、硬化前に2.0μmのビアパターンが開口していた露光量におけるビア径を、光学顕微鏡で測長し、式:ビア径の減少割合(%)=(硬化前のビア径-硬化後のビア径)/(硬化前のビア径)×100を用いて、硬化によるビア径の減少割合を算出し、下記基準で評価した。
 A:ビア径の減少割合が5%未満
 B:ビア径の減少割合が5%以上10%未満
 C:ビア径の減少割合が10%以上
<耐薬品性>
 シリコンウェハ上に、調製した樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、ホットプレートを用いて120℃で2分間加熱乾燥(プリベーク)して、感放射線性膜を形成した。次いで、窒素中で50℃から110℃まで2℃/分で昇温し、110℃で30分間保持した後、230℃まで3℃/分で昇温し、更に230℃で1時間保持することで感放射線性膜を硬化させて硬化膜を得た。これを23℃においてモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド=7/3(質量比)に15分間浸漬し、式:膜厚の変化割合(%)=|浸漬前の膜厚-浸漬後の膜厚|/(浸漬前の膜厚)×100を用いて、浸漬による膜厚の変化割合を算出し、硬化膜の目視観察の結果(クラック、剥がれ有無)とあわせて下記基準で評価した。
 A:膜厚の変化割合が10%未満、並びに、クラックおよび剥がれ無し
 B:膜厚の変化割合が10%以上20%未満、並びに、クラックおよび剥がれ無し
 C:膜厚の変化割合が20%以上、および/または、クラックと剥がれの少なくとも何れか有り
[0102]
(実施例1)
<環状オレフィン重合体(A-1)の調製>
 N-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド(NBPI)40モル%および4-ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデカ-9-エン(TCDC)60モル%からなる単量体混合物100質量部、1,5-ヘキサジエン2.0質量部、(1,3-ジメシチルイミダゾリン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド(「Org.Lett.,第1巻,953頁,1999年」に記載された方法で合成した)0.02質量部、並びにジエチレングリコールメチルエチルエーテル200質量部を、窒素置換したガラス製耐圧反応器に仕込み、攪拌しつつ80℃にて4時間反応させて重合反応液を得た。
 そして、得られた重合反応液をオートクレーブに入れて、150℃、水素圧4MPaで、5時間攪拌して水素化反応を行い、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A-1)を含む重合体溶液を得た。得られた環状オレフィン重合体(A-1)の重合転化率は99.7質量%、重量平均分子量(ポリスチレン換算)は7200、数平均分子量は4700、分子量分布は1.53、水素添加率は99.7%であった。また、得られた環状オレフィン重合体(A-1)の重合体溶液の固形分濃度は34.4質量%であった。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-1)の重合体溶液を75部(固形分相当)、クレゾールノボラック樹脂(B-1)(旭有機材社製、製品名「TMR30B35G」、重量平均分子量:7000、軟化点:163℃、m-クレゾール/p-クレゾール/m-キシレノール=60/30/10(モル比)とホルムアルデヒドの縮合重合体、m/p比:約2.3)を25部、酸発生剤(C-1)(東洋合成社製、製品名「TS250」、キノンジアジド化合物(4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル部)と1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸クロライド(2.5モル部)との縮合物))を30部、架橋剤(D-1)(ダイセル社製、製品名「エポリードGT401」、脂環式構造を有する多官能エポキシ化合物)を30部、架橋剤(D-4)(三和ケミカル社製、製品名「ニカラックMW-100LM」、N,N,N’,N’,N’’,N’’-ヘキサメトキシメチルメラミン)を10部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0103]
(実施例2)
 樹脂組成物の調製に際し、環状オレフィン重合体(A-1)の量を75部から55部(固形分相当)に、クレゾールノボラック樹脂(B-1)の量を25部から45部に、そして、架橋剤(D-1)の量を30部から35部に変更した以外は、実施例1と同様にして、環状オレフィン重合体(A-1)および樹脂組成物を調製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0104]
(実施例3)
 樹脂組成物の調製に際し、環状オレフィン重合体(A-1)の量を75部から30部(固形分相当)に、クレゾールノボラック樹脂(B-1)の量を25部から70部に変更した以外は、実施例1と同様にして、環状オレフィン重合体(A-1)および樹脂組成物を調製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0105]
(実施例4)
<環状オレフィン重合体(A-2)の調製>
 NBPIを31.5モル%、TCDCを68.5モル%とした以外は環状オレフィン重合体(A-1)と同様にして、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A-2)を調製した。得られた環状オレフィン重合体(A-2)の重合転化率は99.8質量%、重量平均分子量(ポリスチレン換算)は7300、数平均分子量は4800、分子量分布は1.52、水素添加率は、99.9%であった。また、得られた環状オレフィン重合体(A-2)の重合体溶液の固形分濃度は34.3質量%であった。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-2)の重合体溶液を50部(固形分相当)、クレゾールノボラック樹脂(B-2)(旭有機材社製、製品名「TMR30B25G」、重量平均分子量:9000、軟化点:167℃、m-クレゾール/p-クレゾール/m-キシレノール=60/30/10(モル比)とホルムアルデヒドの縮合重合体、m/p比:約2.3)を50部、酸発生剤(C-1)を30部、架橋剤(D-1)を37部、架橋剤(D-5)(本州化学工業社製、製品名「HMOM-TPHAP」、4,4’,4’’-(エチリデン)トリス[2,6-ビス(メトキシメチル)フェノール])を10部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0106]
(実施例5)
<環状オレフィン重合体(A-1)および(A-2)の調製>
 実施例1と同様にして環状オレフィン重合体(A-1)を、実施例4と同様にして環状オレフィン重合体(A-2)をそれぞれ調製した。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-1)の重合体溶液を25部(固形分相当)、環状オレフィン重合体(A-2)の重合体溶液を30部(固形分相当)、クレゾールノボラック樹脂(B-2)を45部、酸発生剤(C-1)を30部、架橋剤(D-1)を35部、架橋剤(D-4)を10部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0107]
(実施例6)
<環状オレフィン重合体(A-1)の調製>
 実施例1と同様にして環状オレフィン重合体(A-1)を調製した。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-1)の重合体溶液を60部(固形分相当)、クレゾールノボラック樹脂(B-2)を20部、クレゾールノボラック樹脂(B-3)(旭有機材社製、製品名「SE3010」、重量平均分子量:5000、軟化点:155℃、m-クレゾール/p-クレゾール=70/30(モル比)とホルムアルデヒドの縮合重合体、m/p比:約2.3)を20部、酸発生剤(C-1)を30部、架橋剤(D-1)を30部、架橋剤(D-6)(旭有機材社製、製品名「HMX-PA」、4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(メトキシメチル)フェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビス[2,6-ビス(メトキシメチル)フェノール])を15部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0108]
(実施例7)
<環状オレフィン重合体(A-3)の調製>
 NBPIを使用せず、N-(2-エチルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド(NEHI)を40モル%、TCDCを60モル%とした以外は環状オレフィン重合体(A-1)と同様にして、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A-3)を調製した。得られた環状オレフィン重合体(A-3)の重合転化率は99.8質量%、重量平均分子量(ポリスチレン換算)は8500、数平均分子量は5800、分子量分布は1.47、水素添加率は、99.9%であった。また、得られた環状オレフィン重合体(A-3)の重合体溶液の固形分濃度は34.3質量%であった。
<環状オレフィン重合体(A-4)の調製>
 NBPI16モル%、NEHI16モル%、およびTCDC68モル%からなる単量体混合物100質量部、1-ヘキセン1.0質量部、(1,3-ジメシチルイミダゾリン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.06質量部、並びにジエチレングリコールメチルエチルエーテル300質量部を、窒素置換したガラス製耐圧反応器に仕込み、攪拌しつつ80℃にて4時間反応させて重合反応液を得た。
 そして、得られた重合反応液をオートクレーブに入れて、150℃、水素圧4MPaで、5時間攪拌して水素化反応を行い、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A-4)を含む重合体溶液を得た。得られた環状オレフィン重合体(A-4)の重合転化率は99.3質量%、重量平均分子量(ポリスチレン換算)は20600、数平均分子量は11500、分子量分布は1.79、水素添加率は、99.8%であった。また、得られた環状オレフィン重合体(A-4)の重合体溶液の固形分濃度は25.3質量%であった。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-3)の重合体溶液を20部(固形分相当)、環状オレフィン重合体(A-4)の重合体溶液を30部(固形分相当)、クレゾールノボラック樹脂(B-4)(旭有機材社製、製品名「EP4050G」、重量平均分子量:7600、軟化点:156℃、m-クレゾール/p-クレゾール=60/40(モル比)とホルムアルデヒドの縮合重合体、m/p比:1.5)を50部、酸発生剤(C-1)を30部、架橋剤(D-1)を15部、架橋剤(D-2)(日産化学工業社製、製品名「TEPIC-S」、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート(イソシアヌル酸トリグリシジル))を15部、架橋剤(D-7)(本州化学工業社製、製品名「TMOM-BP」、3,3’,5,5’-テトラメトキシメチル-4,4’-ジヒドロキシビフェニル)を10部、並びに、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0109]
(実施例8)
<環状オレフィン重合体(A-2)、(A-4)の調製>
 実施例4と同様にして環状オレフィン重合体(A-2)を、実施例7と同様にして環状オレフィン重合体(A-4)をそれぞれ調製した。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-2)の重合体溶液を30部(固形分相当)、環状オレフィン重合体(A-4)の重合体溶液を30部(固形分相当)、クレゾールノボラック樹脂(B-1)を40部、酸発生剤(C-1)を30部、架橋剤(D-1)を15部、架橋剤(D-3)(ダイセル社製、製品名「EHPE3150」、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物)を15部、架橋剤(D-6)を10部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0110]
(実施例9)
 樹脂組成物の調製に際し、環状オレフィン重合体(A-1)の量を75部から15部(固形分相当)に、クレゾールノボラック樹脂(B-1)の量を25部から85部に変更した以外は、実施例1と同様にして、環状オレフィン重合体(A-1)および樹脂組成物を調製し、各種評価を行った。結果を表2に示す。
[0111]
(実施例10)
 樹脂組成物の調製に際し、環状オレフィン重合体(A-2)の量を50部から85部(固形分相当)に、クレゾールノボラック樹脂(B-2)の量を50部から15部に変更し、そして、架橋剤(D-1)の量を37部から35部に変更した以外は、実施例4と同様にして、環状オレフィン重合体(A-2)および樹脂組成物を調製し、各種評価を行った。結果を表2に示す。
[0112]
(比較例1)
<環状オレフィン重合体(A-1)の調製>
 実施例1と同様にして環状オレフィン重合体(A-1)を調製した。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-1)の重合体溶液を100部(固形分相当)、酸発生剤(C-1)を28部、架橋剤(D-1)を35部、架橋剤(D-4)を15部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表2に示す。
[0113]
(比較例2)
 クレゾールノボラック樹脂(B-4)を100部、酸発生剤(C-1)を25部、架橋剤(D-1)を30部、架橋剤(D-7)を10部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表2に示す。
[0114]
(比較例3)
<環状オレフィン重合体(A-3)の調製>
 実施例7と同様にして環状オレフィン重合体(A-3)を調製した。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-3)の重合体溶液を50部(固形分相当)、クレゾールノボラック樹脂(B-5)(旭有機材社製、製品名「EP6040A」、重量平均分子量:2600、軟化点:130℃、m-クレゾール/p-クレゾール=40/60(モル比)とホルムアルデヒドの縮合重合体、m/p比:約0.67)を50部、酸発生剤(C-1)を28部、架橋剤(D-1)を35部、架橋剤(D-3)を10部、架橋剤(D-6)を10部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表2に示す。
[0115]
(比較例4)
<環状オレフィン重合体(A-1)の調製>
 実施例1と同様にして環状オレフィン重合体(A-1)を調製した。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-1)の重合体溶液を50部(固形分相当)、クレゾールノボラック樹脂(B-1)を50部、酸発生剤(C-1)を30部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表2に示す。
[0116]
(比較例5)
<環状オレフィン重合体(A-1)の調製>
 実施例1と同様にして環状オレフィン重合体(A-1)を調製した。
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 環状オレフィン重合体(A-1)の重合体溶液を60部(固形分相当)、フェノールノボラック樹脂(旭有機材社製、製品名「PAPS-PN4」、Mw:1300、軟化点:110℃)を40部、酸発生剤(C-1)を30部、架橋剤(D-2)を30部、架橋剤(D-7)を10部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表2に示す。
[0117]
(比較例6)
<感放射線性樹脂組成物(感放射線性樹脂液)の調製>
 クレゾールノボラック樹脂(B―1)を50部、ポリビニルフェノール樹脂(丸善石油化学社製、製品名「S-2P」)を50部、酸発生剤(C-1)を28部、架橋剤(D-1)を30部、架橋剤(D-5)を10部、および、溶剤としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを混合し、溶解させた。なお、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルの使用量は、固形分濃度が40質量%となる量とした。次いで、得られた溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて各種評価を行った。結果を表2に示す。
[0118]
 なお、以下に示す表1~2中、
「mC/pC/mX」は、m-クレゾール/p-クレゾール/m-キシレノール(モル比)を示し、
「mC/pC」は、m-クレゾール/p-クレゾール(モル比)を示し、
「エポキシ」は、多官能エポキシ化合物を示し、
「メトキシメチル」は、多官能メトキシメチル(アルコキシメチル)化合物を示す。
[0119]
[表1]


[0120]
[表2]


[0121]
 表1~2より、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、軟化点が140℃以上のクレゾールノボラック樹脂(B)、酸発生剤(C)、および架橋剤(D)を含む実施例1~10の樹脂組成物を用いれば、ラインパターンのトップロスが抑制されていると共に、熱フロー耐性に優れる樹脂膜を形成可能であることが分かる。また、実施例1~10では、比誘電率が低く、且つ耐薬品性に優れる樹脂膜を形成可能であることも分かる。
 一方、表2の比較例1~6より、以下のことが分かる。
 クレゾールノボラック樹脂(B)を含まない樹脂組成物を用いた比較例1では、樹脂膜におけるラインパターンのトップロスを抑制できないことが分かる。
 環状オレフィン重合体(A)を含まない樹脂組成物を用いた比較例2では、樹脂膜の比誘電率が上昇してしまい、また、熱フロー耐性が低下することが分かる。
 クレゾールノボラック樹脂を含むが、その軟化点が140℃未満である樹脂組成物を用いた比較例3では、樹脂膜の熱フロー耐性が低下することが分かる。
 架橋剤(D)を含まない樹脂組成物を用いた比較例4では、樹脂膜の耐薬品性および熱フロー耐性が低下することが分かる。
 フェノールノボラック樹脂を含む一方で、クレゾールノボラック樹脂(B)を含まない樹脂組成物を用いた比較例5では、樹脂膜におけるラインパターンのトップロスを抑制できず、また樹脂膜の熱フロー耐性が低下することが分かる。
 ポリビニルフェノール樹脂を含む一方で、環状オレフィン重合体(A)を含まない樹脂組成物を用いた比較例6では、樹脂膜の熱フロー耐性が低下することが分かる。

産業上の利用可能性

[0122]
 本発明によれば、ラインパターンのトップロスが抑制されていると共に、熱フロー耐性に優れる樹脂膜を形成しうる感放射線性樹脂組成物を提供することができる。

請求の範囲

[請求項1]
 プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)、軟化点が140℃以上のクレゾールノボラック樹脂(B)、酸発生剤(C)、および架橋剤(D)を含む、感放射線性樹脂組成物。
[請求項2]
 前記クレゾールノボラック樹脂(B)が、クレゾール骨格とキシレノール骨格とを含む、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項3]
 前記酸発生剤(C)がキノンジアジド化合物である、請求項1または2に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項4]
 前記架橋剤(D)が、多官能エポキシ化合物、多官能アルコキシメチル化合物、および多官能メチロール化合物からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1~3の何れかに記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項5]
 前記環状オレフィン重合体(A)と前記クレゾールノボラック樹脂(B)の合計中に占める前記環状オレフィン重合体(A)の割合が、10質量%以上90質量%以下である、請求項1~4の何れかに記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項6]
 前記クレゾールノボラック樹脂(B)に含まれるクレゾール類に由来する骨格中において、パラ体骨格の含有量に対するメタ体骨格の含有量のモル比が5.0以下である、請求項1~5の何れかに記載の感放射線性樹脂組成物。