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1. WO2011055740 - PROCÉDÉ DE MESURE DE DISTRIBUTION D'ÉLASTICITÉ DE TISSU MOU ET DISPOSITIF DE MESURE DE DISTRIBUTION D'ÉLASTICITÉ DE TISSU MOU

Document

明 細 書

発明の名称 軟組織弾性率分布計測方法および軟組織弾性率分布計測装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

非特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096  

符号の説明

0097  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 軟組織弾性率分布計測方法および軟組織弾性率分布計測装置

技術分野

[0001]
 本発明は、軟組織の表面から奥に向かっての弾性率分布を計測する計測方法および計測装置に関する。

背景技術

[0002]
 生体軟組織は、様々な力学特性をもつ要素からなる複合材料と言える。例えば、ヒトの皮膚は、表面から角層、表皮生細胞層、真皮に分けることができる。これらの組織は、ケラチノサイト、メラノサイト、コラーゲン線維、エラスチン線維といった力学特性の異なる要素の組成や構造の違いにより、弾性率などの力学特性が大きく異なる。そのため、表面からの深さにより軟組織の弾性率は変わる場合が多い。
[0003]
 このような生体軟組織の力学特性を正確に調べるために、本発明者はプローブ型皮膚弾性率計測システムの開発を進めている。このシステムではピペット吸引法を応用している。
[0004]
 ピペット吸引法とは、ピペットの先端を試料表面に接触させ、ピペット内部に負荷した陰圧によって生じる試料表面の変形量と、有限要素法による解析の結果を比較して、試料の弾性率を推定する方法である。
[0005]
 具体的には、図 に示すように試料表面に円管(あるいは円孔の空いた板)を軽く押し当て、内部に陰圧を負荷して試料を管内に吸引し、この時の吸引圧ΔPと吸引量Lの関係とコンピュータシミュレーション(FEM analysis)結果を比較して試料の弾性率(ヤング率)を求める。
[0006]
 この方法により弾性率が計測される範囲は、表面からピペット直径分の深さまでの領域となることが解析と実験から判っている(例えば、非特許文献1参照)。そこで、吸引孔径の違う幾つかのピペットで試料を吸引した際の変形挙動を基に、表層と母層からなる2層モデルの表層の弾性率と厚み、そして母層の弾性率を求める方法が提案され、その有効性について確認されている(例えば、非特許文献2参照)。

先行技術文献

非特許文献

[0007]
非特許文献1 : Aoki T et al., Ann Biomed Engng 25, 581-587, 1997.
非特許文献2 : 松本健郎,川和拓央,永野雄二郎,佐藤正明:ピペット吸引法による皮膚表皮層・真皮層の弾性特性の分離計測に関する基礎検討,第13 回バイオエンジニアリング講演会講演論文集 228-229 (2001)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 しかし、非特許文献2に開示されている装置で利用されている従来のピペット吸引法では、断面(平面形状)が円形の孔で吸引していたために、直径の異なるピペット(または吸引孔)を何回も試料にあてて計測する必要があり、このため計測が煩雑であった。
[0009]
 また、ヒトに於ける計測の場合のように、対象の状態が時々刻々変化する場合には計測精度にも問題があり、また計測に時間もかかっていた。
[0010]
 本発明は、上記点に鑑みて、軟組織の厚み方向の弾性率分布を簡単に求めることが出来る軟組織弾性率分布計測方法および軟組織弾性率分布計測装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 上記目的を達成するため、本発明は、一端側から他端側に向かって幅寸法が拡大する形状を有する孔が空けられ且つ軟組織の垂直方向の変位を拘束する素材を軟組織の表面に当て、
 軟組織に対して孔の反対側から陰圧を負荷して軟組織を吸引し、
 孔内において一端側から他端側に向かう仮想線に沿って軟組織の吸引変形量を計測し、
 吸引変形量に基づいて軟組織の弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする。
[0012]
 これにより、軟組織の弾性率の厚み方向分布を一回の計測により簡単に求めることが出来る。
[0013]
 また、上記目的を達成するため、本発明は、一端側から他端側に向かって幅寸法が拡大する形状を有する吸引孔が空けられ、吸引孔を通じて軟組織を吸引する吸引チャンバと、
 吸引孔内において一端側から他端側に向かう仮想線に沿って軟組織の吸引変形量を計測する変形量計測手段と、
 変形量計測手段によって計測された吸引変形量が入力されるコンピュータとを備え、
 コンピュータは、変形量計測手段によって計測された吸引変形量に基づいて軟組織の弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする。
[0014]
 これにより、軟組織の弾性率の厚み方向分布を一回の計測により簡単に求めることが出来る。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 本発明の実施形態における装置の全体構成図である。
[図2] 図1の計測部を示す斜視図である。
[図3] 表層と母層からなる2層モデルを3次元で表した斜視図である。
[図4] 二等辺三角形孔の対称軸に沿った吸引変形量の一例を示すグラフである。
[図5] 吸引変形量比の数値計算結果の一例を示すグラフである。
[図6] 数式(2)の変曲点のx座標x fと表層厚みhの関係の一例を示すグラフである。
[図7] 母層弾性率Ebと数式(2)の係数Cの関係の一例を示すグラフである。
[図8] コンピュータによる計算処理を示すフローチャートである。
[図9] ピペット吸引法の概念を示す断面図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 次に本発明の一実施形態について、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7 、図8を参照しながら、詳細に説明する。
[0017]
 図1に実施形態の例を示す。試料1にプローブ2をあて、その下部にある吸引チャンバ3内をポンプ5により陰圧にすることにより、試料をチャンバ内に吸引する。吸引圧は圧力計測手段をなす圧力センサ7で計測しながら、電空レギュレータ6で制御する。計測制御はコンピュータ8を用い、データのやり取りはI/Oボード9で行われる。
[0018]
 さて、吸引チャンバ底面には図2に示すように二等辺三角形の孔(吸引孔)が空いており、この孔の頂点を通過する線分(仮想線)に沿った試料の変形を変形量計測手段をなすレーザ変位計4で計測する。ここで用いるレーザ変位計は一般に広く用いられているレーザビームで一点の変位を測定するタイプではなく、レーザシートを用い、そのシートに沿ったライン上の変位を計測できるタイプのものである。なお、頂点を通過する線分に沿った複数の位置での変位を複数のレーザビームで計測するようにしてもよい。
[0019]
 一定の圧を負荷した状態のラインに沿った吸引変形量を求め、以下に述べるアルゴリズムにより、ヤング率と上層の厚みを推定する。
[0020]
 底辺2mm、高さ2.5mmの二等辺三角形孔で試料を吸引する有限要素モデル(力学モデル)を作成する(図3)。軟組織を模擬したモデルは、非圧縮性を仮定し、異なる弾性率の表層・母層をもつ有限要素2層モデルとする。吸引孔部分に10kPaの吸引圧力を負荷する。
[0021]
 孔壁は剛体と仮定し、接触部分の試料表面は垂直(z)方向の変位のみを拘束、それ以外の表面は自由に変位できるものとする。2層モデルは表層弾性率Et、母層弾性率Eb、表層厚さhで定義し、各々に表1に示す値を代入することで125通りの2層モデルを作る。
[0022]
[表1]


[0023]
 吸引変形量は試料のz方向変位Lとして、二等辺三角形の対称軸上の分布を求める。分布は頂点からの距離xの関数として求める。図4に吸引量の分布L(x)の例を示す。
[0024]
 有限要素解析で得られた対称軸上の吸引量分布と2層モデルの弾性率分布を表すEt,Eb,hとの関係を調べ、吸引量分布から弾性率分布パラメータを次のようにして推定する。
[0025]
 (単層モデルの吸引量による規格化)
 様々な条件の2層モデルの対称軸上の吸引量分布を統一的に取扱うために、弾性率E=60kPaの単層モデルの吸引量分布L (x)を各モデルの吸引量分布L(x)で除して数式(1)の吸引量比L (x)を求める。
[0026]
[数1]


[0027]
吸引量比L (x)は2層モデルの様々な深さまでの見かけの弾性率と単層モデルの弾性率のおおよその比を表わす。なお吸引量は全例でx=1.8mmで極大となったので、0≦x≦1.8の範囲について考察することとする。
[0028]
 (数値関数による近似)
 吸引量比の分布を数式(2)で近似することとし、計算結果を最も良く近似するようにパラメータA,B,C,nを決める。
[0029]
[数2]


[0030]
 近似の代表例を図5に示す。近似曲線と計算結果の相関は最低でも0.995である。
[0031]
 (Etの推定)
 ピペット吸引法では吸引孔径と、弾性率を検知できる深さは同じなので、擬似的に小さい孔とみなせる三角形孔の頂点付近では、表面近傍のみの弾性率を推定していると考えられる。これを2層モデルに置き換えると頂点付近では表層弾性率Etが計測されることになる。換言すれば、薄い表層と厚い母層を有する2層モデルで吸引を行うと、頂点付近で測定されるのは表層の弾性率である。即ち、数式(2)のx=0における値A+CがEt/Eと等しくなる筈である。しかし実際には若干のズレが見られるため、これを補正した数式(3)を用いることで推定精度を向上させる。
[0032]
[数3]


[0033]
 (hの推定)
 図6に数式(2)の変曲点のx座標x と表層厚みhの関係を示す。両者にはh=0.025mmの場合を除き、ほぼ線形の関係があることが判る(相関係数0.97)。全125種類のモデルの計算結果を図6に反映させたとき、Et=3000kPaのモデルではh、Ebの推定精度が低いことが判る。そこで、h=0.05,0.20、Et=150~1500kPaの範囲(図6実線部)の近似直線(数式(4))でhを推定することとする。
[0034]
[数4]


[0035]
 (Ebの推定)
 母層弾性率EbはCとほぼ線形の関係にあることが判る(図7)。またCは、三角形の重心付近の吸引量、すなわち表面からある程度の深さまでの弾性率を反映していると考えられるため、2層モデルの弾性率分布パラメータEt,Eb,hすべてを変数とする関数で表すことができると予想される。そこで、CとEt,Cとhそれぞれの関係を調べ、関数の形を調べると、CとEtの間にもほぼ線形の関係があることが判る(相関係数:0.99以上)。さらに、そのEtとCの間の傾きはhに依存することが判る。
[0036]
 そこで、以上のような関係をもつ数式(5)を作り、数値計算により係数p,q,rを決定する。数式(6)は、数式(5)に求めた係数を代入し、Ebについて解いたものであり、この数式でEbを推定することとする。なお、Eb=10kPaのモデルとEt=3000kPaのモデルは推定精度が低いため、Eb=30~100kPa、Et=150~1500kPaの範囲を対象として推定式(6)の係数を求める。
[0037]
[数5]


[0038]
[数6]


[0039]
 一定の圧を負荷した状態のラインに沿って求めた吸引変形量を単層モデルの吸引変形量分布と比較し、数値計算により数式(2)の係数A,B,C,nを定め、数式(3)、(4)、(6)より弾性率分布パラメータEt,Eb,hを推定する。
[0040]
 具体的には、コンピュータ8によって、図8のフローチャートに示す計算処理を行う。
[0041]
 まず、ステップS100では、試料の吸引変形量、すなわちレーザ変位計4からの変位信号を読み込む。
[0042]
 次いで、ステップS110では、二等辺三角形の吸引孔の頂点からの距離xと、試料の吸引変形量Lとの関係(x,L)を求める。
[0043]
 次いで、ステップS120では、吸引量比の分布L (x)を数式(1)で求める。なお数式(1)で用いられる吸引量分布L (x)、すなわち弾性率E=60kPaの単層モデルの吸引量分布L (x)は予めコンピュータ8に記憶されている。
[0044]
 次いで、ステップS130では、吸引量比の分布L (x)を上述した数式(2)で近似し、数式(2)のパラメータA,B,C,nを求める。本例では、頂点からの距離xiにおけるL の実測値Li と、距離xiにおけるL の理論値Li *’=Aexp(-Bx )+Cとの差が最小になるようにパラメータA,B,C,nを決める。具体的には,まずパラメータA,B,C,nに適当な初期値を与え,それから数式(7)のEが小さくなる方向にパラメータA,B,C,nを少しずつ変えながら計算を繰返し,これ以上Eが小さくならなくなったときのパラメータA,B,C,nの組を解とする。
[0045]
[数7]


[0046]
 次いで、ステップS140では、ステップS130で求めたパラメータA,Cを数式(3)に代入して表層弾性率Etを求める。
[0047]
 次いで、ステップS150では、ステップS130で求めたパラメータB,nを数式(4)に代入して表層厚みhを求める。
[0048]
 次いで、ステップS160では、ステップS130~S150で求めたパラメータC、表層弾性率Etおよび表層厚みhを数式(6)に代入して母層弾性率Ebを求める。
[0049]
 このようにして、コンピュータ8によって弾性率分布パラメータEt,Eb,hを求める。
[0050]
 有限要素法によって求めた吸引量分布を単層モデルの吸引量分布と比較し、上記の手順によりEt,Eb,hを推定した推定結果の一例を表2に示す。表2で示したとおり、本発明により2層モデルの弾性率分布を高い精度で推定することができることが判る。
[0051]
[表2]


[0052]
 上記で説明したアルゴリズムを変更することにより、多層のヤング率分布を推定することも可能である。
[0053]
 また、上記一実施形態では吸入孔が二等辺三角形であるが、これに限定されるものではなく、一端側から他端側に向かって幅寸法が拡大する部位を有する形状であればよい。例えば、菱形やティアドロップ形などが考えられる。
[0054]
 本実施形態によると、従来のピペット吸引法において断面(平面形状)が円形の孔で吸引していたために何回も計測する必要があったものを、孔の形状を一端側から他端側に向かって幅寸法が拡大する部位を有する形状へ拡張することにより、孔内の位置によって小さな孔で吸引したときと同等の変形が生じる場所や大きな孔で吸引したときと同等の変形が生じる場所を作り出し、孔内において一端側から他端側に向かう仮想線上の吸引変形量から試料の力学的特性を一回の計測で求めることが出来る。
[0055]
 また、一端側から他端側に向かう仮想線に沿った吸引変形量を精密に測定し、仮想線上の位置と吸引変形量との関係式を求め、仮想線上の頂点付近の変形が試料表層のみの弾性特性を反映し、孔の重心付近の変形が試料の深い部分を含んだ弾性特性を表すとして弾性率を前記関係式の係数で表すことにより、試料弾性率の深さ方向分布を求める方法を定式化し、前記位置と吸引変形量との関係式の計算結果を利用し、吸引変形量の孔内の分布から試料の弾性率の厚み方向分布と表層の厚みを高精度に推定するので、軟組織の試料の厚み方向の力学特性の分布を高精度に計測することが出来る。
[0056]
 また、レーザ変位計と吸引チャンバとを備え、吸引チャンバ底面にその計測部として三角形の吸引孔を用いる事を特徴とするプローブを軟組織の試料の一部へ当てると、プローブに接続された圧力センサにより計測された吸引チャンバ内の圧力信号と、レーザ変位計により計測された試料の変位信号とが各々計測制御用コンピュータへ入力され、吸引チャンバ内の圧力が一定となるようにコンピュータにより算出された制御信号がプローブに接続された電空レギュレータとポンプへ出力される事により、吸引チャンバ内が一定の陰圧を負荷された状態になるとともに試料が三角形の吸引孔を通じチャンバ内へ吸引されるため、一定の圧を負荷した状態における吸引孔の頂点を通過する線分に沿った試料の吸引変形量をレーザ変位計により変形ラインに沿ったライン上の変位として計測した後、これを元に位置と変位量についての数値関数による近似式を求め、頂点を通過する線分上の頂点近傍の変形が表層弾性率Etを、吸引孔の重心近傍の変形が母層弾性率Ebを、近似式の変曲点が表層の厚みhをそれぞれ反映していると仮定し導出した推定式へ前記で求めた近似式のパラメータを代入することにより、軟組織表面から奥に向かっての弾性率の分布、すなわち表層弾性率Et、母層弾性率Eb、表層の厚みhを一回の計測により求めることができるので、軟組織の試料の厚み方向の力学特性の分布を一回の計測により簡単に、かつ高精度に計測することが出来る。
[0057]
 また、吸収孔を二等辺三角形とし、その対称軸に沿った試料の吸引変形量を計測する事により軟組織の試料の力学特性を計測するので、対称軸に沿った吸引変形量の近似式を単純化できるため、2層物理モデル等の単純なモデルに対し厚み方向の力学特性を高精度に高速に計測できる。
[0058]
 また、三角形孔(吸収孔)の頂点付近では表面近傍のみの弾性率を推定していると考え、頂点からの位置と吸引変形量の関係を表した近似式において位置が零近傍の時の弾性率を表層弾性率と仮定し得られる推定式より、表層弾性率Etを求めるので、表層弾性率Etを一回の計測で高精度に求めることができる。
[0059]
 また、位置と吸引変形量に関する近似式において、三角形の重心付近の吸引変形量、すなわち表面からある程度の深さまでの弾性率を反映するパラメータCが表層弾性率Etおよび母層弾性率Ebとそれぞれほぼ線形の関係にある事、かつEtとCの間の傾きが表層の厚みhに依存する事から導出される推定式より、母層弾性率Ebを求めることで、母層弾性率Ebを一回の計測で高精度に求めることができる。
[0060]
 また、位置と吸引変形量に関する近似式の変曲点のx座標と表層厚みhが線形の関係にある事から導出された推定式より、表層厚みhを求めるので、表層厚みhを一回の計測で高精度に求めることができる。
[0061]
 また、吸収孔の形状と推定アルゴリズムとを変更する事により、2層物理モデルよりも複雑な多層の弾性率分布を推定できる。
[0062]
 本実施形態では、一端側から他端側に向かって幅寸法が拡大する形状を有する孔が空けられ且つ軟組織の垂直方向の変位を拘束する素材を軟組織の表面に当て、
 軟組織に対して孔の反対側から陰圧を負荷して軟組織を吸引し、
 孔内において一端側から他端側に向かう仮想線に沿って軟組織の吸引変形量を計測し、
 吸引変形量に基づいて軟組織の弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする。
[0063]
 これにより、軟組織の弾性率の厚み方向分布を一回の計測により簡単に求めることが出来る。
[0064]
 また、本実施形態では、仮想線上の位置と吸引変形量との関係式を求め、
 軟組織の弾性率を前記関係式の係数で表すことにより、弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする。
[0065]
 これにより、軟組織の弾性率の厚み方向分布を高精度に計測することが出来る。
[0066]
 また、本実施形態では、素材として、孔の形状が三角形になっているものを用い、
 孔の頂点を通過する仮想線に沿って軟組織の吸引変形量を計測することを特徴とする。
[0067]
 これにより、吸引変形量の近似式を単純化できるため、軟組織の弾性率の厚み方向分布を高速に計測できる。
[0068]
 また、本実施形態では、仮想線上の位置と吸引変形量とについての近似式を求め、
 頂点近傍の変形が表層弾性率Etを、孔の重心近傍の変形が母層弾性率Ebを、近似式の変曲点が表層厚みhをそれぞれ反映していると仮定して導出された推定式に前記近似式のパラメータを代入することにより、表層弾性率Et、母層弾性率Ebおよび表層厚みhを求めることを特徴とする。
[0069]
 これにより、表層および母層を有する試料の弾性率分布を高精度かつ高速に計測できる。
[0070]
 また、本実施形態では、近似式において頂点からの距離が零の位置において推定される軟組織の吸引変形挙動から求められる弾性率を表層弾性率Etと仮定して得られた推定式より、表層弾性率Etを求めることを特徴とする。
[0071]
 これにより、表層弾性率Etを一回の計測で高精度に求めることができる。
[0072]
 また、本実施形態では、近似式において、三角形の重心付近の吸引変形量を反映するパラメータCが表層弾性率Etと母層弾性率Ebとそれぞれ線形の関係にある事、かつ表層弾性率EtとパラメータCとの間の傾きが表層厚みhに依存する事から導出された推定式より、母層弾性率Ebを求めることを特徴とする。
[0073]
 これにより、母層弾性率Ebを一回の計測で高精度に求めることができる。
[0074]
 また、本実施形態では、近似式の変曲点のx座標と表層厚みhとが線形の関係にある事から導出された推定式より、表層厚みhを求めることを特徴とする。
[0075]
 これにより、表層厚みhを一回の計測で高精度に求めることができる。
[0076]
 また、本実施形態では、素材として、孔の形状が二等辺三角形になっているものを用い、
 孔の対称軸に沿う前記仮想線に沿って前記軟組織の吸引変形量を計測することを特徴とする。
[0077]
 これにより、吸引変形量の近似式をより単純化できるため、軟組織の弾性率の厚み方向分布より高速に計測できる。
[0078]
 また、本実施形態では、一端側から他端側に向かって幅寸法が拡大する形状を有する吸引孔が空けられ、吸引孔を通じて軟組織を吸引する吸引チャンバと、
 吸引孔内において一端側から他端側に向かう仮想線に沿って軟組織の吸引変形量を計測する変形量計測手段と、
 変形量計測手段によって計測された吸引変形量が入力されるコンピュータとを備え、
 コンピュータは、変形量計測手段によって計測された吸引変形量に基づいて軟組織の弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする。
[0079]
 これにより、軟組織の弾性率の厚み方向分布を一回の計測により簡単に求めることが出来る。
[0080]
 また、本実施形態では、コンピュータは、
 仮想線上の位置と吸引変形量との関係式を求め、
 軟組織の弾性率を関係式の係数で表した推定式より、弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする。
[0081]
 これにより、軟組織の弾性率の厚み方向分布を高精度に計測することが出来る。
[0082]
 また、本実施形態では、吸引孔の形状は三角形であり、
 変形量計測手段は、吸引孔の頂点を通過する仮想線に沿って軟組織の吸引変形量を計測することを特徴とする。
[0083]
 これにより、吸引変形量の近似式を単純化できるため、軟組織の弾性率の厚み方向分布を高速に計測できる。
[0084]
 また、本実施形態では、コンピュータは、
 仮想線上の位置と吸引変形量とについての近似式を求め、
 頂点近傍の変形が表層弾性率Etを、吸引孔の重心近傍の変形が母層弾性率Ebを、近似式の変曲点が表層厚みhをそれぞれ反映していると仮定して導出された推定式に近似式のパラメータを代入することにより、表層弾性率Et、母層弾性率Ebおよび表層厚みhを求めることを特徴とする。
[0085]
 これにより、表層および母層を有する試料の弾性率分布を高精度かつ高速に計測できる。
[0086]
 また、本実施形態は、コンピュータは、
 近似式において頂点からの距離が零の位置において推定される軟組織の吸引変形挙動から求められる弾性率を表層弾性率Etと仮定して得られた推定式より、表層弾性率Etを求めることを特徴とする。
[0087]
 これにより、表層弾性率Etを一回の計測で高精度に求めることができる。
[0088]
 また、本実施形態では、コンピュータは、
 近似式において、三角形の重心付近の吸引変形量を反映するパラメータCが表層弾性率Etと母層弾性率Ebとそれぞれ線形の関係にある事、かつ表層弾性率EtとパラメータCとの間の傾きが表層厚みhに依存する事から導出された推定式より、母層弾性率Ebを求めることを特徴とする。
[0089]
 これにより、母層弾性率Ebを一回の計測で高精度に求めることができる。
[0090]
 また、本実施形態では、コンピュータは、近似式の変曲点のx座標と表層厚みhとが線形の関係にある事から導出された推定式より、表層厚みhを求めることを特徴とする。
[0091]
 これにより、表層厚みhを一回の計測で高精度に求めることができる。
[0092]
 また、本実施形態では、吸引孔の形状は二等辺三角形であり、
 変形量計測手段は、吸引孔の対称軸に沿う仮想線に沿って軟組織の吸引変形量を計測することを特徴とする。
[0093]
 これにより、吸引変形量の近似式をより単純化できるため、軟組織の弾性率の厚み方向分布より高速に計測できる。
[0094]
 上記した本実施形態により、皮膚や血管程度の柔らかさを有する軟組織の試料の表面から奥に向かっての弾性率の分布を一回の計測で、簡単に、手軽に、高精度に得ることが出来る。
[0095]
 ヒトに於ける計測の場合のように、対象の状態が時々刻々変化するため計測精度に問題が生じ、また計測に時間がかかる場合においても、一回の計測で済むため高精度な計測が短時間で可能となる。
[0096]
 孔の形状を変えることで、孔内の位置によって小さな孔で吸引したときと同等の変形が生じる場所や大きな孔で吸引したときと同等の変形が生じる場所を作り出すことができ、2層物理モデルよりも複雑な多層の弾性率分布を一回の計測で求めることができる。

符号の説明

[0097]
 1  試料
 2  プローブ
 3  吸引チャンバ
 4  レーザ変位計(変形量計測手段)
 5  ポンプ
 6  電空レギュレータ
 7  圧力センサ
 8  コンピュータ
 9  I/Oボード
 10 試料
 11 吸引チャンバ底面
 12 レーザシート
 13 吸引変形曲線
 14 表層
 15 母層
 16 吸引孔
 17 試料
 18 ピペットの断面

請求の範囲

[請求項1]
 一端側から他端側に向かって幅寸法が拡大する形状を有する孔が空けられ且つ軟組織の垂直方向の変位を拘束する素材を前記軟組織の表面に当て、
 前記軟組織に対して前記孔の反対側から陰圧を負荷して前記軟組織を吸引し、
 前記孔内において前記一端側から前記他端側に向かう仮想線に沿って前記軟組織の吸引変形量を計測し、
 前記吸引変形量に基づいて前記軟組織の弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする軟組織弾性率分布計測方法。
[請求項2]
 前記仮想線上の位置と前記吸引変形量との関係式を求め、
 前記軟組織の弾性率を前記関係式の係数で表すことにより、前記弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする請求項1に記載の軟組織弾性率分布計測方法。
[請求項3]
 前記素材として、前記孔の形状が三角形になっているものを用い、
 前記孔の頂点を通過する前記仮想線に沿って前記軟組織の吸引変形量を計測することを特徴とする請求項1に記載の軟組織弾性率分布計測方法。
[請求項4]
 前記仮想線上の位置と前記吸引変形量とについての近似式を求め、
 前記頂点近傍の変形が表層弾性率Etを、前記孔の重心近傍の変形が母層弾性率Ebを、前記近似式の変曲点が表層厚みhをそれぞれ反映していると仮定して導出された推定式に前記近似式のパラメータを代入することにより、前記表層弾性率Et、前記母層弾性率Ebおよび前記表層厚みhを求めることを特徴とする請求項3に記載の軟組織弾性率分布計測方法。
[請求項5]
 前記近似式において前記頂点からの距離が零の位置において推定される前記軟組織の吸引変形挙動から求められる弾性率を前記表層弾性率Etと仮定して得られた前記推定式より、前記表層弾性率Etを求めることを特徴とする請求項4に記載の軟組織弾性率分布計測方法。
[請求項6]
 前記近似式において、前記三角形の重心付近の前記吸引変形量を反映するパラメータCが前記表層弾性率Etと前記母層弾性率Ebとそれぞれ線形の関係にある事、かつ前記表層弾性率Etと前記パラメータCとの間の傾きが前記表層厚みhに依存する事から導出された前記推定式より、前記母層弾性率Ebを求めることを特徴とする請求項4または5に記載の軟組織弾性率分布計測方法。
[請求項7]
 前記変曲点のx座標と前記表層厚みhとが線形の関係にある事から導出された前記推定式より、前記表層厚みhを求めることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載の軟組織弾性率分布計測方法。
[請求項8]
 前記素材として、前記孔の形状が二等辺三角形になっているものを用い、
 前記孔の対称軸に沿う前記仮想線に沿って前記軟組織の吸引変形量を計測することを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1つに記載の軟組織弾性率分布計測方法。
[請求項9]
 一端側から他端側に向かって幅寸法が拡大する形状を有する吸引孔が空けられ、前記吸引孔を通じて軟組織を吸引する吸引チャンバと、
 前記吸引孔内において前記一端側から前記他端側に向かう仮想線に沿って前記軟組織の吸引変形量を計測する変形量計測手段と、
 前記変形量計測手段によって計測された前記吸引変形量が入力されるコンピュータとを備え、
 前記コンピュータは、前記変形量計測手段によって計測された前記吸引変形量に基づいて前記軟組織の弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする軟組織弾性率分布計測装置。
[請求項10]
 前記コンピュータは、
 前記仮想線上の位置と前記吸引変形量との関係式を求め、
 前記軟組織の弾性率を前記関係式の係数で表した推定式より、前記弾性率の厚み方向分布を求めることを特徴とする請求項9に記載の軟組織弾性率分布計測装置。
[請求項11]
 前記吸引孔の形状は三角形であり、
 前記変形量計測手段は、前記吸引孔の頂点を通過する前記仮想線に沿って前記軟組織の吸引変形量を計測することを特徴とする請求項9に記載の軟組織弾性率分布計測装置。
[請求項12]
 前記コンピュータは、
 前記仮想線上の位置と前記吸引変形量とについての近似式を求め、
 前記頂点近傍の変形が表層弾性率Etを、前記吸引孔の重心近傍の変形が母層弾性率Ebを、前記近似式の変曲点が表層厚みhをそれぞれ反映していると仮定して導出された推定式に前記近似式のパラメータを代入することにより、前記表層弾性率Et、前記母層弾性率Ebおよび前記表層厚みhを求めることを特徴とする請求項11に記載の軟組織弾性率分布計測装置。
[請求項13]
 前記コンピュータは、前記近似式において前記頂点からの距離が零の位置において推定される前記軟組織の吸引変形挙動から求められる弾性率を前記表層弾性率Etと仮定して得られた推定式より、前記表層弾性率Etを求めることを特徴とする請求項12に記載の軟組織弾性率分布計測装置。
[請求項14]
 前記コンピュータは、前記近似式において、前記三角形の重心付近の前記吸引変形量を反映するパラメータCが前記表層弾性率Etと前記母層弾性率Ebとそれぞれ線形の関係にある事、かつ前記表層弾性率Etと前記パラメータCとの間の傾きが前記表層厚みhに依存する事から導出された推定式より、前記母層弾性率Ebを求めることを特徴とする請求項12または13に記載の軟組織弾性率分布計測装置。
[請求項15]
 前記コンピュータは、前記変曲点のx座標と前記表層厚みhとが線形の関係にある事から導出された推定式より、前記表層厚みhを求めることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1つに記載の軟組織弾性率分布計測装置。
[請求項16]
 前記吸引孔の形状は二等辺三角形であり、
 前記変形量計測手段は、前記吸引孔の対称軸に沿う前記仮想線に沿って前記軟組織の吸引変形量を計測することを特徴とする請求項12ないし15のいずれか1つに記載の軟組織弾性率分布計測装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]