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1. WO2007105366 - DETECTEUR D'ANGLE DE ROTATION ET PALIER AVEC DETECTEUR DE ROTATION

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[ JA ]
明 細 書

回転角度検出装置および回転検出装置付き軸受

技術分野

[0001 ] この発明は、各種の機器における回転角度検出、例えば小型モータの回転 制御のための回転角度検出等に用いられる回転角度検出装置、およびその回 転検出装置を組み込んだ検出装置付き軸受に関する。

背景技術

[0002] 小型の機器に組み込み可能で、かつ高精度の回転角度検出が可能な回転角 度検出装置として、磁気センサアレイを用いるものが提案されている(例え ば特開 2 0 0 3 - 3 7 1 3 3号公報)。これは、図 2 2のように、磁気セン サ素子(M A G F E T ) を多数並べて構成した磁気センサアレイ 4 5を、信 号増幅回路、 A D変換回路、デジタル信号処理回路などの回路 4 6とともに センサチップ 4 2に集積し、このセンサチップ 4 2を、回転側部材 4 1に配 置される磁石 4 4に対向配置したものである。この場合、磁石 4 4は回転中 心 O回りの円周方向異方性を有するものとされ、前記センサチップ 4 2上で は、仮想の矩形の 4辺における各辺に沿って磁気センサアレイ 4 5が配置さ れる。

このように構成された回転角度検出装置 4 3では、各辺の磁気センサァレ ィ 4 5の出力を信号増幅回路、 A D変換回路で読み出して前記磁石 4 4の磁 界分布を検出し、その検出結果に基づき磁石 4 4の回転角度をデジタル信号 処理回路により算出する。

[0003] 前記公開公報に開示の回転角度検出装置 4 3と検出方法は異なるものの、 ホール素子などの磁気センサ素子を複数使用し、それらの出力信号を演算す ることによって、回転体に固定された磁石の位置や動きを検出する回転検出 装置(例えば A M S社のロータリエンコーダ L S I ) なども提案されている

[0004] これらの回転角度検出装置では、個々の磁気センサ素子の信号を読み出す

時間と、読み出した信号から回転角度などの情報を求めるための演算処理時 間とが必要であり、検出信号の時間遅れが発生する。このため、回転側部材 の回転速度が速いときには、実際の回転速度と検出される回転角度との間に ずれが生じ、細かな回転位置情報をリアルタイムで必要とする用途では使い 難いという課題があった。つまり、上記構成の回転角度検出装置の動作では 、磁界測定→角度計算→角度出力というサイクルを繰り返すので、そのサイ クルに対応する一定時間間隔で角度データが出力されることになる。このた め、出力される角度データは、角度計算に要する時間分だけの時間遅れが生 じ、観測時刻における正確な角度情報が得られないという課題があった。ま た、この回転角度検出装置を用いて回転角度や回転速度を検出することによ り、モータの回転制御を行う場合、任意の時刻における回転角度や回転速度 を正確に検出することが難しいという課題もあった。

発明の開示

[0005] この発明の目的は、時間遅れによる誤差がなく、各時刻における正確な回 転角度情報を得ることのできる回転角度検出装置、およびこの回転角度検出 装置を組み込んだ検出装置付き軸受を提供するとともに、モータなどの回転 軸の角度検出に用いて、任意の時刻における回転角度を正確に検出すること ができる回転角度検出装置、およびこの回転角度検出装置を組み込んだ検出 装置付き軸受を提供することである。

[0006] この発明の回転角度検出装置は、回転側部材に設けられ回転中心周りの円 周方向異方性を有する磁石と、この磁石に対し前記回転側部材の回転中心の 軸方向に対向して固定側部材に配置され複数の磁気センサ素子が平面的に並 ぷ磁気センサと、この磁気センサの各磁気センサ素子の出力から前記磁石の 磁界強度を計測し、その計測値を基に回転側部材の回転角度を検出する角度 算出手段とを備えた回転角度検出装置であって、前記磁石の磁界が磁気セン サ素子で検出されてから前記角度算出手段で検出角度が出力されるまでの遅 延時間を補正する遅延時間補正手段とを備えている。前記磁気センサは例え ば磁気センサァレイからなるものであるが、複数のホール素子などの磁気セ ンサを使用し、それらの出力信号から角度を算出するロータリエンコーダで あってもよい。ここで、磁気発生手段が「円周方向異方性を有する」とは、 円周方向に磁界の強さが変化していることを言う。その結果、磁気発生手段 が回転輪とともに回転したとき、磁気発生手段の外側の、ある固定点での磁 界が回転速度に応じた周期で変動する。

この構成によると、角度算出手段から出力される検出角度を、磁石の磁界 が磁気センサ素子で検出されてから角度算出手段で検出角度が出力されるま での時間遅れ分だけ遅延時間補正手段で補正するようにしているので、出力 される角度情報が実際の回転側部材の回転角度にごく近い値になり、正確な 角度情報をリアルタイムで得ることができる。

[0007] この発明において、前記磁石は、例えば、前記回転側部材の回転軸心端部 に配置されて一対の磁極が構成されたものとすることができる。

[0008] この発明において、前記磁気センサによる磁界のサンプリング間隔を補間 して角度の変化分を演算する補間手段と、これら遅延時間補正手段による遅 延時間補正、および補間手段による補間処理がされた回転角度を出力する出 力手段とを設けてもよい。補間手段により、磁界のサンプリング間隔を補間 して回転角度の変化分を演算するようにしているので、回転側部材の高速回 転動作を、サンプリング時間間隔よりも細かく検出することができる。その 結果、時間遅れによる誤差がなく、各時刻における正確な回転角度情報を得 ることができる。

[0009] この発明において、前記磁気センサの出力から回転パルス信号を生成する パルス生成回路を設け、前記出力手段は回転角度の出力をパルス信号で出力 するものとしてもよい。また、前記パルス信号が、互いに 9 0 ° 位相の異な る二つの回転パルス信号、または回転パルス信号と回転方向信号とからなる ものであってもよい。この構成の場合、回転側部材の回転方向も判別するこ とができる。

[0010] この発明において、さらに、前記磁気センサの出力から回転側部材の 1回 転ごとにインデックス信号を出力するインデックス生成回路を設けてもよい 。この構成の場合、パルスを計数することによってリアルタイムで絶対回転 角度情報も得ることができる。

[001 1 ] この発明において、インデックス信号を出力する角度値を記憶する記憶手 段を設け、このインデックス信号を出力する角度値を設定する角度値設定手 段を設けてもよい。これによつて計算時間の遅延が補償された状態で、任意 の角度で発生するインデックス信号を得ることができる。角度値設定手段は 通信回路で構成されていてもよい。

[001 2] この発明において、前記遅延時間補正手段および補間手段の機能をそれぞ れオン状態とオフ状態とに切り替える機能オンオフ手段を設けてもよい。ま た、前記遅延時間補正手段のオン状態とオフ状態とを、回転側部材の回転速 度が設定速度以上か否かに応じて切り替える自動切替手段を設け、設定回転 速度未満のときにオフ状態とするものとしてもよい。角度値設定手段は通信 回路で構成されていてもよい。

回転側部材の回転速度が低速の場合には、角度算出手段における遅延時間 の影響が小さいため、遅延時間補正手段による遅延時間補償の処理を行わな いほうが安定した検出結果が得られる場合がある。そこで、このような場合 に、機能オンオフ手段により、回転速度に応じて遅延補正機能のオン■オフ を自動的に行うようにすると、遅延時間補正手段による遅延時間補償の処理 を省略して、安定した検出結果を得ることができる。

[001 3] この発明において、前記遅延時間補正手段は、前記角度算出手段で検出し た回転角度の時間変化から回転速度を算出する回転速度算出手段と、この回 転速度算出手段で算出した回転速度によって、前記磁気センサによる磁界の 検出から前記角度算出手段で回転角度を出力するまでの回転角度の時間遅れ を補正する角度時間遅れ補正手段とを有してもよい。磁気センサの出力から 回転軸の回転角度を検出する角度算出手段の出力は、磁気センサが磁石の磁 界をサンプリングしてから回転角度を演算し出力するまでに時間遅れがある 。そのため、回転角度のデータを読み込んだときの実際の回転軸の回転角度 は、読み込んだデータと異なっている可能性がある。そこで、前記角度算出 手段で検出した回転角度の時間変化から回転速度算出手段が算出する回転速 度に基づき、回転速度算出手段は前記角度算出手段で検出される回転角度の 時間遅れを補正する。これにより、回転軸の正確な回転角度を検出すること ができる。

[0014] この発明において、前記角度時間遅れ補正手段で補正された回転角度を一 定時間毎に得て、この一定時間毎の回転角度情報と前記回転速度算出手段の 算出する回転速度の情報とから、任意の時刻における前記回転軸の回転角度 を推測する回転角度推測手段を設けてもよい。

前記角度時間遅れ補正手段で補正された回転角度データは、一定時間間隔 で出力される離散的なデータであるため、データが更新される間隔よりも細 かく角度情報を得ることができない。そこで、回転角度推定手段は、回転角 度データを要求した時刻における角度値を、回転角度データと回転速度から 予測して、任意の時刻における回転角度を推測する。これにより、任意の時 刻における回転角度を正確に検出することができる。

[001 5] この発明において、前記磁気センサを構成する大規模集積回路に、前記角 度算出手段、回転速度算出手段、および角度時間遅れ補正手段を集積しても よい。この構成の場合、大規模集積回路が集積される半導体チップから出力 される回転角度のデータは、その時刻における回転角度を示すことになるの で、このデータを受けて動作する各種機器での制御にとって、より扱いやす い回転角度検出装置とすることができる。

[001 6] この発明の検出装置付き軸受は、この発明に係る回転角度検出装置を、前 記回転側部材と前記固定側部材との間に転動体が介装された軸受に組み込ん だものである。この構成によると、軸受使用機器の部品点数、組立工数の削 減、およびコンパクト化が図れる。

[001 7] この発明のモータの回転制御装置は、この発明の回転角度検出装置と、こ の回転角度検出装置の回転角度の出力によって、モータの励磁電流および励 磁タイミングを制御する制御回路とを備えたものである。この構成によると 、モータの回転制御を高精度に行うことができる。とくに、前記回転角度推 測手段を設けた場合には、任意の時刻でのモータの磁極位置を正確に知るこ とができるので、モータの効率を高めたり、回転音を低く抑えたりするため に、励磁タイミングを制御する場合などに、回転速度およびロータの回転角 度に応じた細かな制御が有効である。この場合、小型の回転角度検出装置で 高精度の角度検出が可能になり、装置を小型化、高性能化することができる

図面の簡単な説明

[0018] この発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明からよ り明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる 図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用さ れるべきでものでない。この発明の範囲は添付のクレームによってのみ定ま る。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一の部分 を示す。

[0019] [図 1 ]この発明の第 1実施形態に係る回転角度検出装置を組み込んだ検出装置 付き軸受の断面図である。

[図 2]同軸受における回転角度検出装置設置部を示す拡大側面図である。

[図 3]同軸受における回転センサの一例を構成する半導体チップの平面図であ る。

[図 4]同回転センサの角度算出手段による角度算出処理の説明図である。

[図 5]同回転センサにおける磁気センサアレイの出力を示す波形図である。

[図 6]前記回転角度検出装置の概略構成を示すブロック図である。

[図 7]同回転角度検出装置における遅延時間補正手段および補間手段の詳細な 構成を示すブロック図である。

[図 8]同回転角度検出装置における出力手段の詳細な構成を示すブロック図で める。

[図 9]同回転角度検出装置における遅延時間補正手段の処理動作を示す説明図 である。

[図 10]同回転角度検出装置における出力手段から出力される A B相信号の論 理説明図である。

[図 1 1 ]この発明の第 2実施形態に係る回転角度検出装置の概略構成を示すブ ロック図である。

[図 12]この発明の第 3実施形態に係る回転角度検出装置を組み込んだ検出装 置付き軸受における回転センサの一例を構成する半導体チップの平面図であ る。

[図 13]同回転センサが回転角度を検出して出力する処理動作のサイクルを示 すタイミングチヤ一トである。

[図 14]同回転センサの回路構成の一部を示すブロック図である。

[図 15]同回転センサにおける回転角度推測手段を示すブロック図である。

[図 16]回転角度推測手段の処理動作を示す説明図である。

[図 17]回転角度検出装置を組み込んだモータの駆動装置の一例の概略構成を 示すブロック図である。

[図 18]回転角度検出装置を組み込んだブラシレスモータの一例の断面図であ る。

[図 19]回転角度検出装置を組み込んだブラシレスモータの他の例の部分拡大 断面図である。

[図 20]この発明の応用例に係る同回転センサの回路構成を示すプロック図で のる。

[図 21 ]図 2 0における出力回路の詳細を示すブロック図である。

[図 22]従来例の斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

この発明の第 1実施形態を図 1ないし図 9と共に説明する。図 1は、この 第 1実施形態の回転検出装置を組み込んだ軸受の断面図を示す。この検出装 置付き軸受 2 0は、内輪 2 1 と外輪 2 2の転走面間に、保持器 2 3に保持さ れた転動体 2 4を介在させた転がり軸受である。転動体 2 4はポールからな り、この転がり軸受 2 0は単列の深溝玉軸受とされている。内輪 2 1には回 転側部材である回転軸 1 0が圧入状態に嵌合しており、外輪 2 2は軸受使用 機器のハウジング(図示せず)に設置されている。

[0021 ] 転がり軸受 2 0に組み込まれる回転検出装置 1は、転がり軸受 2 0の内輪

2 1側に配置された磁石 2と、外輪 2 2側に配置された回転センサ 3とを備 える。具体的には、内輪 2 1 と共に回転する回転軸 1 0に、一対の磁極 N , Sが形成された永久磁石 2が配置され、外輪 2 2と固定関係にあるセンサ取 付部材 2 7に回転センサ 3が配置される。

磁石 2は、図 2に示すように、その一対の磁極 N, Sから発生する磁気が 転がり軸受 2 0の軸心 Oの回りの方向性を有するものである。この磁石 2は 、転がり軸受 2 0の軸心 Oが磁石 2の中心と一致するように、回転軸 1 0の —端の中央に固定される。磁石 2が回転軸 1 0と一体に回転することによつ て、上記軸受軸心 Oの回りを N磁極および S磁極が旋回移動する。

[0022] 回転センサ 3は磁石 2の磁気を感知して回転角度の情報を出力するセンサ である。回転センサ 3は、転がり軸受 2 0の軸心 Oの軸方向に向けて磁石 2 と対面するように、センサ取付部材 2 7を介して外輪 2 2側に取付けられる 。具体的には、外輪 2 2に前記センサ取付部材 2 7が取付けられ、このセン サ取付部材 2 7に回転センサ 3が固定されている。センサ取付部材 2 7は、 外周部の先端円筒部 2 7 aを外輪 2 2の内径面に嵌合させ、この先端円筒部 2 7 aの近傍に形成した鍔部 2 7 bを外輪 2 2の幅面に係合させて軸方向に 位置決めがなされている。また、センサ取付部材 2 7には、回転センサ 3の 出力を取り出すための出力ケーブル 2 9も取付けられている。

[0023] 回転センサ 3は、図 3に平面図で示すように、 1つの半導体チップ 4上に 大規模集積回路(L S I ) を集積して構成される。その大規模集積回路は、 磁気センサ 5を構成する複数の磁気センサ素子 5 aと、その磁気センサ素子 5 aの出力から前記磁石 2の磁界強度を計測し、その計測値に基づき回転側 部材である回転軸 1 0の回転角度を検出する角度算出手段 6と、遅延時間補 正手段 7と、補間手段 8と、出力手段 9とからなる。なお、図 3において、 角度算出手段 6、遅延時間補正手段 7、補間手段 8、出力手段 9については 、概念的な構成をブロックで示しており、これらの各手段 6〜9の形状,寸 法を示すものではない。半導体チップ 4上において、磁気センサ素子 5 aは 、仮想の矩形上の 4辺における各辺に沿って配置されて、 4辺の磁気センサ アレイ 5 A ~ 5 Dとされる。この場合、前記矩形の中心 O ' は、転がり軸受 2 0の軸心 Oに一致する。 4辺の磁気センサアレイ 5 A〜 5 Dは、同図の例 ではセンサ素子 5 aが一列に並んだものとしている力センサ素子 5 a力《複 列に平行に並んだものであってもよい。前記角度算出手段 6、遅延時間補正 手段 7、補間手段 8、出力手段 9などからなる演算回路部は、磁気センサァ レイ 5 A〜 5 Dの矩形配置の内部に配置される。半導体チップ 4は、その素 子形成面が前記磁石 2と対向するように前記センサ取付部材 2 7に固定され る。

[0024] このように、磁気センサ素子 5 aと演算回路部(角度算出手段 6、遅延時 間補正手段 7、補間手段 8、出力手段 9 ) とを同じ半導体チップ 4上に集積 して一体化すると、磁気センサ素子 5 aと演算回路部間の配線が不要となり 、回転センサ 3のコンパクト化が可能で、断線等に対する信頼性も向上し、 回転検出装置 1の組み立て作業も容易になる。特に、上記したように矩形に 配置された磁気センサアレイ 5 A ~ 5 Dの内部に演算回路部を配置すると、 チップサイズをより小さくすることができる。

[0025] 図 4および図 5は、前記角度算出手段 6による回転角度算出処理の説明図 である。図 5 ( A ) ~ ( D ) は、回転軸 1 0が回転している時の磁気センサ アレイ 5 A ~ 5 Dによる出力波形図を示し、それらの横軸は各磁気センサァ レイ 5 A ~ 5 Dにおける磁気センサ素子 5 aを、縦軸は検出磁界の強度をそ れぞれ示す。

いま、図 4に示す位置 X 1 と X 2に磁気センサアレイ 5 A〜5 Dの検出磁 界の N磁極と S磁極の境界であるゼロクロス位置があるとする。この状態で 、各磁気センサアレイ 5 A〜 5 Dの出力は、図 5 ( A ) 〜(D ) に示す信号 波形となる。したがって、ゼロクロス位置 X 1, X 2は、磁気センサアレイ 5 A , 5 Cの出力から直線近似することで算出できる。

角度計算は、次式(1 ) で行うことができる。

θ = t a n"1 (2 LZb) …… ( 1 )

ここで 0は、磁石 2の回転角度を絶対角度(アブソリュート値)で示した 値である。 2 Lは、矩形に並べられる各磁気センサアレイ 5 A~ 5 Dより構 成される四角形の 1辺の長さである。 bは、ゼロクロス位置 X 1, X 2間の 横方向長さである。

ゼロクロス位置 X 1, X 2が磁気センサアレイ 5 B, 5 Dにある場合には 、それらの出力から得られるゼロクロス位置データにより、上記と同様にし て回転角度 0が算出される。

[0026] ところで、角度算出手段 6が上記した演算を行って回転角度 0を出力する までに時間遅れが発生する。したがって、高速回転状態では検出された回転 角度位置は実際の回転角度位置とは異なっていることがある。図 9には、時 刻 t^ , tn , tn+1において角度算出手段 6で演算出力される各検出角度 0n - 1 , θη, 0η+1 と実際の角度との関係を示している。これら検出角度 0 , θη , θη+1 と実際の角度との角度差が上記遅延によるものである。

[0027] 図 6には、この第 1実施形態の回転検出装置 1の概略構成をブロック図で 示す。遅延時間補正手段 7は、角度算出手段 6から出力される検出角度 Sを 前記時間遅れ分だけ補正する手段である。この遅延時間補正手段 7は、その 詳細な構成をブロック図で示す図 7のように、速度検出回路 1 1、目標値計 算回路 1 2、および前回目標値記憶メモリ 1 3を有する。

速度検出回路 1 1では、時刻に角度算出手段 6から出力される検出角度 θη と、時刻 ΐη に角度算出手段 6から出力される検出角度 0^の差分 A Sn (=θηη-, ) を回転速度として計算する。この差分値 Δ0η は、 1回の磁 界サンプリング間隔 Τで回転した角度を示している。差分値 Λ 0ηのばらつき は大きくなるため、必要に応じて平均化フィルタなどを使用してもよい。 目標値計算回路 1 2では、速度検出回路 1 1で検出された回転速度(差分 値 Λ 0η ) を用いて、次のサンプリング時刻(次に角度算出手段 6が検出角度 0η+1を出力する時刻) tn+1に到達すべき回転角度位置 Ρη+1を計算する。ここ では、目標値計算回路 1 2は、検出角度出力までの遅延時間を補償する。そ の補償の計算方法として、例えば一次近似を用いると、 t n+1に到達すべき回 転角度位置 P n+1は、

Ρ η+1 = θ η + α ■ Α θ η …… ( 2 )

となる。ここでは遅延時間を補償する係数で、遅延時間の大きさによって 設定され、図 9の場合では = 2に設定される。このようにして求められた 次回の予想検出角度 Ρ η+1が目標値となる。このように遅延時間補償を行った 場合、 Ρ η+1は図 9に示す位置となり、実際の回転角度位置に近接した値が目 標値となる。このとき、目標値記憶メモリ 1 3には、目標値計算回路 1 2力《 前回計算した目標値 Ρ η が記憶されている。

[0028] 補間手段 8は、磁界のサンプリング間隔 Τを補間して回転角度の変化分を 演算する手段である。この補間手段 8は、その詳細な構成をブロック図で示 す図 7のように、パルス生成回路 1 4と現在位置カウンタ 1 5とを有する。 先の目標値計算回路 1 2では、上記したように求まった目標値 Ρ η+1 と、目標 値記憶メモリ 1 3に記憶された前回の目標値 Ρ η とを用いて、次回サンプリン グ時刻 t n+1までに変化すべきカウント量 Cn を、

C n = P n+1— P n ( ^ )

として求め、補間手段 8のパルス生成回路 1 4に入力する。また、目標値計 算回路 1 2は、前記カウント量 Cnを計算後、現在位置 Aを P n として前回目 標値記憶メモリ 1 3に再記憶する。すると、現在位置カウンタ 1 5に Cn 個の クロックが順次入力される。これにより、現在位置カウンタ 1 5のカウント 値が変化し、補正角度出力(遅延時間補償 +補間) Aが得られる。

このように補間された角度出力信号 Aはデジタル信号であるが、常に土 1 ずつしか変化しない動作をする。したがって、現在位置カウンタ 1 5のカウ ント値(信号 A ) の下位 2ビットの信号状態から、通常のエンコーダで用い られる A B相などの 2相パルス信号を生成することができる。

例えば、信号 Aの下位 2ビットを A O , A 1 として、図 1 0に示す論理回 路によって、 A B相の信号を生成することができる。

[0029] 出力手段 9は、遅延時間補正手段 7による遅延時間補償、および補間手段 8による補間処理がされた回転角度 Aを出力する手段である。この出力手段 9は、その詳細な構成をブロック図で示す図 8のように、インデックス信号 生成手段 1 6、角度値記憶手段 1 7、および角度値設定手段 1 8を有する。 出力手段 9は、補間手段 8からの角度信号 Aをそのまま出力する端子の他に 、回転側部材である回転軸 1 0が 1回転するごとにインデックス信号 Zを出 力する端子を有する。インデックス信号生成手段 1 6は、補間手段 8におけ る現在位置カウンタ 1 5のカウント値(信号 A ) が例えば 0になったとき、 前記端子にインデクス信号 Zを出力する。角度値記憶手段 1 7はインデック ス信号 Zを出力する角度値を記憶するメモリであり、角度値設定手段 1 8は 前記角度値記憶手段 1 7に記憶させる角度値を設定する手段である。角度値 設定手段 1 8は例えば通信回路で構成され、角度値記憶手段 1 7に記憶させ る角度値を外部から可変設定可能とされる。これにより、補間手段 8におけ る現在位置カウンタ 1 5のカウント値(信号 A ) が角度値記憶手段 1 7に記 憶された角度値と等しくなつたとき、インデックス信号生成手段 1 6の出力 端子にィンデックス信号 Zが出力される。信号 Aは遅延時間補償および補間 処理された信号なので、実際の角度との誤差が小さいインデックス信号を出 力することができる。

このように、この第 1実施形態の回転検出装置 1では、角度算出手段 6か ら出力される検出角度 0を、磁石 2の磁界が磁気センサ素子 5 aで検出され てから角度算出手段 6で検出角度 Sが出力されるまでの時間遅れ分だけ遅延 時間補正手段 7で補正するようにしているので、出力される角度情報が実際 の回転側部材(回転軸 1 0 ) の回転角度にごく近い値になり、正確な角度情 報をリアルタイムで得ることができる。

また、補間手段 8により、磁界のサンプリング間隔 Tを補間して回転角度 の変化分を演算するようにしているので、回転側部材(回転軸 1 0 ) の高速 回転動作を、サンプリング時間間隔 Tよりも細かく検出することができる。 また、この第 1実施形態では、補間手段 8により補間処理されて出力され る角度信号 Aから 2相信号を生成しているので、これらの信号を用いて回転 側部材(回転軸 1 0 ) の回転方向も判別することができる。

また、この第 1実施形態では、インデックス生成手段 1 6によりインデッ クス信号 Zも出力できるので、パルスを計数することによってリアルタイム で絶対回転角度情報も得ることができる。

[0031 ] また、図 1の検出装置付き軸受 2 0では、上記回転検出装置 1を転がり軸 受 2 0に組み込んでいるので、軸受使用機器の部品点数、組立工数の削減、 およびコンパクト化を図ることができる。

[0032] 図 1 1はこの発明の第 2実施形態を示す。この第 2実施形態の回転検出装 置 1は、図 6に示す先の実施形態において、遅延時間補正手段 7および補間 手段 8の機能を選択的にオン■オフする機能オンオフ手段 1 9を付加したも のである。機能オンオフ手段 1 9は自動切替手段 3 0と自動切替速度設定手 段 3 1 とでなる。

自動切替手段 3 0は、回転側部材(回転軸 1 0 ) の回転速度が設定回転速 度以上か否かに応じて、例えばスィッチ 3 2, 3 3をオン■オフすることに より、遅延時間補正手段 7および補間手段 8の機能をそれぞれォン状態とォ フ状態とに切り換える手段であり、具体的には設定回転速度未満のとき遅延 時間補正手段 7および補間手段 8の機能がォフ状態となるように切り換える 。図 1 1では、説明を簡略化するために遅延時間補正手段 7および補間手段 8の外部のスィッチ 3 2, 3 3をオン■オフする構成としている力遅延時 間補正手段 7および補間手段 8の回路内部動作を切り換えるようにしてもよ い。

自動切替速度設定手段 3 1は、前記自動切替手段 3 0が自動切替えを行う 設定回転速度の値を可変設定する手段であり、例えば通信回路によって構成 される。なお、設定回転速度の値の可変設定は、この他、例えばスィッチ端 子を外部から操作して行うようにしてもよい。その他の構成は図 6の場合と 同様であり、ここではその説明は省略する。

[0033] 回転側部材(回転軸 1 0 ) の回転速度が低速の場合には、角度算出手段 6 における遅延時間の影響が小さいため、遅延時間補正手段 7による遅延時間 補償の処理を行わないほうが安定した検出結果が得られる場合がある。この 実施形態の回転検出装置 1では、機能オンオフ手段 1 9の自動切替手段 3 0 により、回転速度に応じて遅延補正のオン■オフを自動的に行うようにして いるため、このような場合に、遅延時間補正手段 7による遅延時間補償の処 理を省略して、安定した検出結果を得ることができる。

なお、遅延時間補正手段 7の機能をオフ状態とした場合には、角度算出手 段 6が検出角度 0 n+1を出力する次のサンプリング時刻 t n+1に到達すべき回転 角度位置 P n+1は、次式(2 ' ) として計算される。

Ρ η+1 = θ η + Α Θ„……(2 ' )

[0034] 図 1 2は、この発明の第 3実施形態に係る回転角度検出装置を組み込んだ 検出装置付き軸受における回転センサ 3 Αの一例を構成する半導体チップの 平面図である。図 1 4は、回転センサ 3 Aの回路構成の一部をブロック図で 示したものである。図 1 2の回転センサ 3 Aは、前記第 1実施形態の回転セ ンサ 3と同様、 1つの半導体チップ 4上に大規模集積回路(L S I ) を集積 して構成される。その大規模集積回路は、磁気センサ 5を構成する複数の磁 気センサ素子 5 aと、その磁気センサ素子 5 aの出力から回転角度を演算し て出力する演算回路部 6 Aとからなる。半導体チップ 4上において、磁気セ ンサ素子 5 aは、仮想の矩形上の 4辺における各辺に沿って配置されて、 4 辺の磁気センサアレイ 5 A ~ 5 Dとされる。この場合、前記矩形の中心 O ' は、転がり軸受 2 0の軸心 Oに一致する。 4辺の磁気センサアレイ 5 A ~ 5 Dは、同図の例ではセンサ素子 5 aが一列に並んだものとしているが、セン サ素子 5 3カ《複列に平行に並んだものであってもよい。前記演算回路部 6 A は、磁気センサアレイ 5 A〜 5 Dの矩形配置の内部に配置される。半導体チ ップ 4は、その素子形成面が前記磁石 2と対向するように前記センサ取付部 材 2 7に固定される。

[0035] 演算回路部 6 Aは、角度算出手段 6 1、回転速度算出手段 6 2、角度時間 遅れ補正手段 6 3 (図 1 4 ) 、および回転角度推測手段 6 4 (図 1 5 ) を有 する。角度算出手段 6 1は、前記磁気センサ 5の出力から前記回転軸 1 0の 回転角度を算出する。回転速度算出手段 6 2は、前記角度算出手段 6 1で算 出した回転角度の時間変化から、回転速度を算出し、回転方向も検出する。 角度時間遅れ補正手段 6 3は、前記磁気センサ 5による磁界の検出から前記 角度算出手段 6 1で回転角度を出力するまでの回転角度の時間遅れを補正す る。回転角度推測手段 6 4は、前記角度時間遅れ手段 6 3で補正された回転 角度を一定時間毎に得て、この一定時間毎の回転角度情報と前記回転速度算 出手段 6 2の算出する回転速度の情報とから、任意の時刻における前記回転 軸 1 0の回転角度を推測する。

[0036] 図 1 3は、前記磁気センサアレイ 5 A〜 5 Dと角度算出手段 6 1 とでなる 磁気センサ回路 5 0 (図 1 4 ) 力回転角度 0を検出して出力する処理動作 のサイクルを示すタイミングチヤ一トである。その 1サイクルの時間 Tの前 半の区間 T aにおいて、回転センサ 3 Aの磁気センサ 5である磁気センサァ レイ 5 A ~ 5 Dが回転側の磁石 2の磁界をサンプリングし、その 1サイクル の後半の区間 T bにおいて、前記サンプリング値から角度算出手段 6 1が回 転角度 Sを演算し出力する。このように、角度データが算出されるまでには 時間遅れがあるため、回転角度のデータを読み込んだときの実際の回転軸 1 0の回転角度は、読み込んだデータと異なっている可能性がある。

[0037] 前記演算回路部 6 Aにおける回転速度算出手段 6 2 (図 1 4 ) は、上記し たように時間 Tごとに角度算出手段 6 1から出力される回転角度 Sのデータ からその変化量を求めることで、回転軸 1 0の回転速度 ωを算出する。

[0038] 図 1 4の磁気センサアレイ 5 A ~ 5 Dによる毎回のサンプリングによって 得られる磁気データは、増幅■ A D変換されて角度算出手段 6 1に入力され る。角度算出手段 6 1は、磁気センサアレイ 5 A〜5 Dによる毎回のサンプ リング値に基づき、図 4および図 5に示した演算処理を行って、式(1 ) に より回転角度 0をその都度算出する。

—方、回転速度算出手段 6 2は、時間 T毎に前記角度算出手段 6 1より毎 回出力される回転角度データ 0の変化量と、タイマー 6 5によって求められ るその間の経過時間 Tとから回転速度 ωおよび回転方向を演算する。回転速 度 ωの演算は例えば以下のように行われる。

毎回サンプリングされる回転角度 0 ( η) が変化しているものとすると、 連続したサンプリング間の角度変化量から次式(4) のように回転速度 ωを 求めることができる。

ω= { θ ( η + 1 ) - θ ( η) } ΖΤ ……(4)

ただし、 0 ( η) , θ ( η + 1 ) は、 η回目,(η + 1 ) 回目のサンプリ ングで求められた回転角度を表す。

このようにして求められた回転速度 ωのデータと、タイマー 65によって 求められる経過時間とにより、角度時間遅れ補正手段 63が前記角度算出手 段 6 1により演算された回転角度 0を補正する。すなわち、角度時間遅れ補 正手段 63は、回転速度算出手段 6 2が算出する回転速度 ωで回転軸 1 0が 回転している場合、角度算出手段 6 1が回転角度 0 ( η) を算出するのに必 要な時間 T bの間に、どれだけ回転角度 0が変化しているかを、次式(5) のようにして推測することができる。

Θ ( n + T b) = θ ( η) +ω x T b …… (5)

ただし、 0 ( n + T b) は、 n回目のサンプリングから角度算出手段 7に よる演算が終了した時点での回転角度である。

この回転角度検出装置 1は、回転軸 1 0の軸端に設けた磁石 2の回転を回 転センサ 3で検出する構成であるため、回転体である回転軸 1 0の慣性によ つて回転速度 ωは急激な変動が起きにくい状態にあり、上記した回転角度補 正により、かなり高い精度の回転角度を推測することができる。

ここでは、前記半導体チップ 4の上に集積される大規模集積回路の一部と して、前記角度算出手段 6 1 と共に、前記回転速度算出手段 6 2および前記 角度時間遅れ補正手段 63を設けているので、半導体チップ 4から出力され る回転角度 0のデータは、その時刻における回転角度を示すことになり、こ のデータを受けて動作する各種機器での制御にとってより扱いやすい回転角 度検出装置 1 となる。

なお、回転速度算出手段 6 2および角度時間遅れ補正手段 63は、半導体 チップ 4と別に設けてもよい。

図 1 5は、前記演算回路部 6 Aにおける回転角度推定手段 6 4の構成を示 すブロック図である。同図において、回転角度検出回路 6 0は、図 1 4にお ける角度算出手段 6 1、回転速度算出手段 6 2、タイマー 6 5、および角度 時間遅れ補正手段 6 3を含めた回路部を示す。この回転角度検出回路 6 0で 得られる時間遅れ補正済みの回転角度データ 0は、上記したように一定時間 Tの間隔で出力される離散的なデータであるため、データが更新される間隔 よりも細かく角度情報を得ることができない。

そこで、上記回転角度推定手段 6 4は、回転角度データを要求した時刻に おける角度値を、回転角度データ 0と回転速度 ωから予測して補間するもの であり、タイマー 6 6、メモリ 6 7および角度データ補間処理回路 6 8を含 む。具体的には、図 1 6のように、回転角度推定手段 6 4の角度データ補間 処理回路 6 8は、回転角度検出回路 6 0から出力された最新の回転角度デー タ (例えば 0 2 ) が出力された時刻 t 2 から、要求トリガ aを受け取るまで の経過時間△ tをタイマー 6 6で測定させ、回転速度 ωから予測される角度 変化量をデータに加算する処理を実行する。すなわち、前記角度データ補間 処理回路 6 8は前記回転角度データ 0、回転速度 ω、および経過時間を一旦 メモリ 6 7に記憶させ、これらの値から要求トリガ信号 aを受け取ったとき の回転角度 Sを予測する。その結果、要求トリガ aが入力された時刻 t 2 + Δ tにおける回転角度データ S 2 + Δ Θを角度データ補間処理回路 6 8から 出力することができる。すなわち、任意の時刻における回転角度を、回転軸 1 0が回転している状態においても、静止している状態においても、正確に 検出して出力することができる。演算回路部 6 Aで算出された回転角度 0は 前記出力ケーブル 2 9 (図 1 ) により出力される。

ここでは、前記半導体チップ 4の上に集積される大規模集積回路の一部と して、図 1 4の角度算出手段 6 1、回転速度算出手段 6 2および角度時間遅 れ補正手段 6 3と共に、前記回転角度推定手段 6 4を設けているので、任意 の時刻における正確な回転角度情報を得ることができる小型で高精度な回転

センサ 3 Aが構成されることになり、コンパク卜な回転角度検出装置 1を実 現できる。

なお、回転角度推定手段 6 4は、半導体チップ 4と別に設けてもよい。 また、上記の例では、磁気センサとして磁気センサアレイを用いた半導体セ ンサを使用する場合を示したが、磁界の方向を検出するべクトル式の磁気セ ンサなどの半導体センサを使用しても同様な効果を得ることができる。

[0041 ] また、図 1の検出装置付き軸受 2 0では、上記回転角度検出装置 1を転が リ軸受 2 0に組み込んでいるので、軸受使用機器の部品点数、組立工数の削 減、およびコンパクト化を図ることができる。

[0042] 図 1 7は、前記構成の回転角度検出装置 1を搭載したサーボモータ,ブラ シレスモータ等のモータの回転制御装置の一例の概略構成を示すブロック図 である。このモータ回転制御装置 7 0は、上記回転角度検出装置 1 と、この 検出装置の回転角度検出値に応じて、モータ 7 1を回転させるためのステー タコイルの励磁電流の切替えを行うドライバー回路 7 2と、前記励磁電流の 切替えタイミングを調整してモータの回転状態の制御を行う制御回路 7 3と を備える。ここではステータコイルは 3相とされ、各相のステータコイルへ の励磁電流の切替えがドライバー回路 7 2で行われる。制御回路 7 3は、回 転角度検出装置 1で検出されたモータ 7 1の回転角度 Sに基づき前記励磁電 流の切替え制御を行うと共に、ステータコイルを流れる励磁電流をフィード バックして励磁電流の進み角制御も行う。とくに、前記回転角度検出装置 1 によると、任意の時刻でのモータの磁極位置を正確に知ることができるので 、モータの効率を高めたり、回転音を低く抑えたりするため、励磁タイミン グを制御する場合などに、回転速度およびロータの回転角度に応じた細かな 制御が有効である。この場合、小型の回転角度検出装置 1で高精度の角度検 出が可能になり、装置を小型化、高性能化することができる。

[0043] 図 1 8は、図 1の検出装置付き軸受 2 0を、ブラシレスモータ 7 4の回転 軸 1 0の軸端に組み込んだ例を示す。ブラシレスモータ 7 4は、両端が閉塞 された円筒状のモータハウジング 7 5と、このモータハウジング 7 5に同心 状に配置した回転軸 1 0と、この回転軸 1 0に設けたロータ 7 6と、この口 一夕 7 6と径方向に対向してモータハウジング周壁 7 5 aの内周面に設けた ステータ 7 7とを備える。回転軸 1 0は前記検出装置付き軸受 2 0と他の軸 受 2 5とでモータハウジング 7 5の両端部に回転自在に支持されている。 この場合、前記回転角度検出装置 1が軸受 2 0と一体化されているため、 コンパクトで組立調整が不要となり、組立工数が削減され、利便性が高い。

[0044] 図 1 9は、上記回転角度検出装置 1を、ブラシレスモータ 7 4の回転軸 1 0の軸端に組み込んだ他の例を示す。ここでは、軸受 2 0の外輪 2 2にセン サ取付部材 4 7を取付けるのに代えて、モータハウジング端部壁 7 5 bに形 成された軸受嵌合部 7 9にセンサ取付部材 4 7を取付け、このセンサ取付部 材 4 7に、回路基板 7 8を介して回転センサ 3 Aを取付けている。すなわち 、この例では、回転角度検出装置 1を軸受 2 0から完全に分離している。前 記軸受嵌合部 7 9には、回転軸 1 0の軸心 Oと同心の段部 7 9 aが形成され 、この段部 7 9 aに上記センサ取付部材 4 7の本体 4 7 aの裏面に設けられ た環状凸部 4 7 bを嵌合させることにより、回転軸 1 0と同心に回転センサ 3 A (図 1 ) が配置される。センサ取付部材 4 7は、環状突部 4 7 bを軸受 嵌合部 7 9の段部 7 9 aに嵌合させると共に、センサ取付部材本体 4 7 aを 取付ねじ 4 0で締結することにより、モータハウジング端部壁 7 5 bに固定 される。この場合、軸受 2 0に対する回転センサ 3 Aの軸方向位置が定まり 、軸受 2 0の内輪 2 1に回転軸 1 0を嵌合させた時に軸受 2 0に対する磁石 2の軸方向位置が定まるので、回転軸 1 0を内輪 2 1に嵌合させた状態で、 磁石 2と回転センサ 3 Aの軸方向隙間(ギャップ)を規定の範囲に収めるこ とができる。

[0045] つぎに、この発明の前記各実施形態では、「遅延時間補正」を要件とした 力 この要件を備えない応用例について説明する。この応用例における回転 センサ 3 Bを構成する半導体チップも図 1 2に示す回転センサ 3 Aの半導体 チップとほぼ同様の構成であり、この回転センサ 3 Aの角度算出手段による 角度算出処理(図 4 ) 、同回転センサ 3 Aにおける磁気センサアレイの出力 波形(図 5) および回転センサ 3 Aが回転角度を検出して出力する処理動作 のサイクルのタイミングチャート(図 1 3) についても同様であるので、そ の詳しい説明は省略する。この応用例においても、前記各実施形態の場合と 同様、図 4および図 5の回転角度算出処理により、例えば、ゼロクロス位置 X 1 , X 2が磁気センサアレイ 5 B, 5 Dにある場合には、それらの出力か ら得られるゼロクロス位置データにより、上記と同様にして回転角度 0が算 出される。図 20は、回転センサ 3 Bの回路構成をブロック図で示したもの である。前記回転角度 0は演算回路部 6 Bで算出され、前記出力ケーブル 2 9 (図 1 ) 、あるいは後述するシリアル通信回路 8 3により出力される。 すなわち、磁気センサアレイ 5 A〜 5 Dでサンプリングされた磁気データ は、増幅■ A D変換されて演算回路部 6に入力される。演算回路部 6 Bにお ける角度算出手段 6 1は、磁気センサアレイ 5 A〜5 Dによるサンプリング 値に基づき、図 4および図 5に示した演算処理を行って回転角度 0を算出す る。

—方、演算回路部 6 Bにおける回転速度算出手段 6 2は、時間 T毎に前記 角度算出手段 6 1より毎回出力される回転角度 0のデータをメモリ 80に記 憶し、そのデータの変化を演算して回転速度 ωおよび回転方向を求める。そ の演算は以下のように行われる。

毎回のサンプリング回転角度 0 ( η) が変化している場合には、連続した サンプリング間の変化角度から次式(6) のように回転速度 ωを求めること ができる。

ω= { θ ( η + 1 ) - θ ( η) } ΖΤ …… (6)

ただし、 0 ( η) , θ ( η + 1 ) は、 η回目,(η + 1 ) 回目のサンプリ ングで求められた回転角度を表す。

回転速度が低く、毎回のサンプリングでは回転角度 0 ( η) が変化しない 場合には、数回〜数十回のサンプリング間での角度変化量から次式(7) の ように回転速度 ωを求めることができる。

ω= { Θ ( n +m) - θ ( η) } mT ……(7)

ただし、 0 ( n + m) は、(n + m) 回目のサンプリングで求められた回 転角度を表す。

このようにして求められた回転速度 ωのデータは、速度信号出力手段であ る出力回路 8 2に入力され、ここで所定の信号形態の回転速度信号に変換さ れて外部に出力される。その出力信号形態の設定は、回転センサ 3 Βの外部 に設けられた外部設定手段 9 1からシリアル通信回路 8 3を経由して、設定 内容記憶手段である設定メモリ 8 4に記憶させることで行われる。設定メモ リ 8 4は不揮発メモリを有する。ここでは、シリアル通信回路 8 3力半導 体チップ 4上に磁気センサァレイ 5 Α〜 5 Dと共に大規模集積回路として構 成される演算回路部 6 Βの一部として設けられている力シリアル通信回路 8 3は半導体チップ 4の外部に設けてもよい。

図 2 1は、図 2 0における出力回路 8 2の詳細を示すブロック図である。 前記設定メモリ 8 4には、前記外部設定手段 9 1 (図 2 0 ) からシリアル通 信回路 8 3を経由して、前記出力信号形態のほかに、速度上限設定値 8 5 A 、速度下限設定値 8 5 B、および図示しない変換計算方式の設定値(対数変 換または線形変換などを指定する)が記憶されて、電源投入時にこれらの設 定値が読み出されるように構成されている。これら速度上限設定値 8 5 A、 速度下限設定値 8 5 B、変換計算方式に応じて、出力回路(速度信号出力手 段) 8 2の出力変換回路 8 6は、回転速度算出手段 6 2 (図 2 0 ) から与え られる回転速度 ωのデータを回転速度信号に変換する。出力される信号はデ ジタル信号であってもアナログ信号であってもよい。例えば、上限値設定 8 5 Αによって回転速度 5 0 0 0 r p mを 5 Vの電圧に対応させ、下限値設定 8 5 Bによって停止状態を 0 Vの電圧に対応させ、その間の値を線形に対応 させるという変換を行う。

変換された回転速度信号は、設定メモリ 8 4に設定された出力信号形態に 応じて、スィッチ 9 0 A〜9 0 Cを選択的にオンさせ、電圧出力回路 8 7、 電流出力回路 8 8、 P WM出力回路 8 9のいずれかを選ぶことにより、電圧 出力、電流出力、 P WM出力の形態に切り換えられて外部に出力される。例 えば、電圧出力が選択されている場合には、回転速度 ωに応じた電圧が出力 されるため、タコジェネレー夕などと同様な使い方が可能になる。また、回 転角度検出装置 1の周辺環境にノイズ源が多い場合などにおいては、電流出 力に設定すると、回転速度 ωに応じて変化する電流が出力され、ノイズの影 響を受けにくい信号形態となる。 P MW出力では、回転速度 ωに応じて出力 パルス幅が変化する信号出力となる。この場合、設定メモリ 8 4は不揮発メ モリを有するものとされているので、一度設定された前記各設定値は、常に その状態で使用することができる。

また、この応用例では、回転速度 ωのデータを前記シリアル通信回路 8 3 を通じて外部に出力するようにもしている。したがって、シリアル通信回路 8 3は出力回路 8 2とともに回転速度 ωの信号を外部に出力する速度信号出 力手段を構成することになる。

[0048] このように、この回転速度信号出力付き回転角度検出装置 1では、角度算 出手段 6 1で検出した回転角度 0の時間変化から回転速度 ωを算出する回転 速度算出手段 6 2を設け、この回転速度算出手段 6 2の算出した回転速度 ω の信号を出力する速度信号出力手段(出力回路) 8 2を設けているので、従 来であれば別途設置したマイコンゃ計算処理回路を使用しないと検出できな かった回転速度 ωの情報を、一つの回転角度検出装置 1から回転角度 0の情 報と共に出力することができ、利便性の高い検出装置とすることができる。 また、この応用例では、前記速度信号出力手段 8 2が、出力する回転速度 ωの信号の形態を設定によって切替え可能なものとしているので、使用する 環境や接続する機器に応じた出力形態で回転速度信号を取り出すことができ 、用途に応じて幅広く対応できる。

また、前記速度信号出力手段 8 2の変換または出力に係る設定を通信によ つて外部から設定可能とする外部設定手段 9 1を設けているので、その設定 を外部から容易に変更でき、 1つの回転角度検出装置 1で様々な用途に適応 できる。

[0049] また、上記回転速度信号出力付き回転角度検出装置 1を一体に組み込んだ 検出装置付き軸受 2 0によると、軸受使用機器の部品点数、組立工数の削減 、およびコンパクト化が図れる。その場合に、回転角度検出装置 1は回転角 度 0と回転速度 ωを検出できるため、広範囲な用途に使用することができる

以上説明した応用例の態様として、次のものがある。

[態様 1 ]

態様 1 としての回転速度信号出力付き回転角度検出装置は、固定部材に対 して回転自在な回転体の回転軸心端部に、一対の磁極が形成された磁石を配 置し、この磁石と軸方向に対向して前記固定部材に大規模集積回路からなる 磁気センサを設け、この磁気センサの出力から前記回転体の回転角度を検出 する角度算出手段を設けた回転角度検出装置であって、前記角度算出手段で 検出した回転角度の時間変化から回転速度を算出する回転速度算出手段、お よびこの回転速度算出手段の算出した回転速度の信号を出力する速度信号出 力手段を設けたものである。この構成によると、磁気センサの出力に基づき 角度算出手段が回転体の回転角度を検出し、角度算出手段で検出した回転角 度の時間変化から回転速度算出手段が回転速度を算出する。その回転速度の 信号を速度信号出力手段で出力する。このため、従来であれば別途設置した マイコンや計算処理回路などの外部回路を使用しないと検出できなかった回 転速度の情報を、一つの回転角度検出装置から回転角度の情報と共に出力す ることができ、利便性の高い検出装置とすることができる。

[態様 2 ]

態様 1において、前記大規模集積回路からなる磁気センサが磁気センサァ レイであってもよい。磁気センサアレイであると、小型で精度のよい角度検 出が行える。

[態様 3 ]

態様 1において、前記速度信号出力手段となるシリアル通信回路を有する ものであってもよい。

[態様 4 ]

態様 1において、前記速度信号出力手段は、前記回転速度算出手段による 算出結果である速度を、設定された上限値と下限値の範囲で変化するように 変換するものとした。この構成の場合、例えば、上限値設定によって回転速 度 5 0 0 0 r p mを 5 Vの電圧に対応させ、下限値設定によって停止状態を 0 Vの電圧に対応させ、その間の値を線形に対応させるという変換が可能で める。

[態様 5 ]

態様 4において、前記速度信号出力手段は、出力する回転速度の信号変換 方式を、設定により線形変換と対数変換とに切替え可能としたものであって もよい。

[態様 6 ]

態様 1において、前記速度信号出力手段は、出力する回転速度の信号の形 態を設定によって切替え可能なものであってもよい。この構成の場合、使用 する環境や接続する機器に応じて、幅広く対応できる。

[態様 7 ]

態様 1において、前記速度信号出力手段は、出力する回転速度の信号の形 態が、電圧出力、電流出力、および P WM (パルス幅変調)出力のうちの少 なくとも 2種類であってもよい。 P WM出力のうちの少なくとも 2種類であ つてもよい。この構成の場合、例えば、電圧出力が選択されている場合には 、回転速度に応じた電圧が出力されるため、タコジェネレータなどと同様な 使い方が可能になる。また、回転角度検出装置の周辺環境にノイズ源が多い 場合などにおいては、電流出力に設定すると、回転速度に応じて変化する電 流が出力され、ノイズの影響を受けにくい信号形態となる。 P MW出力では 、回転速度に応じて出力パルス幅が変化する信号出力となる。

[態様 8 ]

態様 1において、前記回転速度算出手段または速度信号出力手段の変換ま たは出力に係る設定を、通信によって外部から行う外部設定手段を設けても よい。ここで言う「外部」は、速度信号出力手段に対する外部である。この 構成の場合、前記速度信号出力手段の変換または出力に係る設定を通信によ つて外部から変更できるため、 1つの回転角度検出装置で様々な用途に適応 できる

[態様 9 ]

態様 8において、前記外部設定手段の設定した内容を不揮発メモリに記憶 する設定内容記憶手段を、前記磁気センサを構成する大規模集積回路の内部 または外部に設け、前記設定内容記憶手段は、電源投入時に前記不揮発メモ リの記憶内容を読み込んで前記回転速度算出手段または前記速度信号出力手 段の設定内容として利用させるものとしてもよい。この構成の場合、外部設 定手段の設定した内容を設定内容記憶手段の不揮発メモリに記憶させること で、一度設定された前記各設定値を、常にその状態で速度信号出力手段の設 定内容として利用することができる。

[態様 1 0 ]

態様 1 0の検出装置付き軸受は、態様 1に記載の回転速度信号出力付き回 転角度検出装置を軸受に組み込んだものである。この構成によると、軸受使 用機器の部品点数、組立工数の削減、およびコンパクト化が図れる。その場 合に、回転角度検出装置は回転角度と回転速度を検出できるため、広範囲な 用途に使用することができる。

以上のとおり、図面を参照しながらこの発明の好適な実施形態を説明した 力 当業者であれば、本件明細書をみて、自明な範囲内で種々の変更および 修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は 、添付のクレームから定まるこの発明の範囲内のものと解釈される。