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1. WO2020158174 - DISPOSITIF DE DÉMARRAGE

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明 細 書

発明の名称 発進装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

0004   0005   0006   0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059  

産業上の利用可能性

0060  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 発進装置

技術分野

[0001]
 本開示は、エンジンからのトルクが伝達される入力部材と、入力要素、出力要素および入力要素と出力要素との間でトルクを伝達する弾性体を含むダンパ装置と、入力部材とダンパ装置の入力要素とを接続すると共に両者の接続を解除する油圧クラッチとを含む発進装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、ロックアップクラッチのピストンに連結されるリング状の入力側プレートと、タービンランナに連結されるリング状の出力側プレートと、入力側プレートと出力側プレートとの間に配置されたリング状の中間プレートと、ピストン側に配置された支持プレートと、中間プレートを介して入力側プレートと出力側プレートとの間で直列に作用する第1および第2コイルスプリングとを含むダンパ機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。このダンパ機構において、中間プレートは、入力側プレートの径方向内側に配置され、出力側プレートおよび支持プレートは、入力側プレートおよび中間プレートの軸方向における両側に配置されると共に複数のリベットにより連結される。また、当該複数のリベットは、入力側プレートの内周部に形成された切欠き部(空隙)内に配置され、各リベットにはスペーサが嵌着されている。そして、入力側プレートに伝達されるトルクが大きくなって当該入力側プレートの切欠き部の端部の当接面にリベットのスペーサが圧接すると、出力側プレートが入力側プレートと一体に回転するようになる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2008-196540号公報

発明の概要

[0004]
 上記特許文献1に記載されたダンパ機構では、入力側プレートの切欠き部の当接面と複数のリベットおよびスペーサとが、入力側プレートと出力側プレート(および支持プレート)との相対回転を規制するストッパを構成する。このため、上記従来のダンパ機構では、各スペーサに対してストッパ作動時における耐久性を確保するための熱処理(焼入れ処理)が施されるが、各スペーサに熱処理を施すことで、ダンパ機構ひいてはそれを含む発進装置のコストが増加してしまう。
[0005]
 そこで、本開示は、ダンパ装置を含む発進装置のコストアップを抑制しつつ、ダンパ装置の入力要素に伝達されるトルクの増加に応じて入力要素と出力要素との相対回転を規制可能にすることを主目的とする。
[0006]
 本開示の発進装置は、エンジンからのトルクが伝達される入力部材と、入力要素、出力要素および前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する弾性体を含むダンパ装置と、前記入力部材と前記ダンパ装置の前記入力要素とを接続すると共に両者の接続を解除する油圧クラッチとを含む発進装置において、前記油圧クラッチが、前記入力要素と一体に回転するピストンと、前記ピストンに固定されると共に前記ピストンに作用する油圧に応じて前記入力部材と摩擦係合する摩擦材とを含み、前記ピストンの一部が、前記入力要素に伝達されるトルクの増加に応じて前記出力要素の一部に当接するものである。
[0007]
 本開示の発進装置において、入力部材とダンパ装置の入力要素とを接続する油圧クラッチのピストンの一部は、入力要素と一体に回転すると共に、当該入力要素に伝達されるトルクの増加に応じて出力要素の一部に当接する。すなわち、本開示の発進装置では、入力部材からのトルクを伝達する要素であって、硬度を高めるために熱処理が施される油圧クラッチのピストンと出力要素とにより入力要素と出力要素との相対回転を規制するストッパが構成される。このように、熱処理が省略されることのないピストンと出力要素とで入力要素と出力要素との相対回転を規制するストッパを構成することで、スペーサといったストッパの専用部材が不要となり、当該専用部材に熱処理を施す必要もなくなる。この結果、ダンパ装置を含む発進装置のコストアップを抑制しつつ、ダンパ装置の入力要素に伝達されるトルクの増加に応じて入力要素と出力要素との相対回転を規制することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本開示の発進装置を示す概略構成図である。
[図2] 本開示の発進装置の要部を示す断面図である。
[図3] 本開示の発進装置を示す正面図である。
[図4] 本開示の発進装置を示す正面図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
[0010]
 図1は、本開示の発進装置1を示す概略構成図であり、図2は、発進装置1の要部を示す断面図である。これらの図面に示す発進装置1は、駆動装置としてのエンジンEG(内燃機関)や、自動変速機(AT)、無段変速機(CVT)等である変速機TM、変速機TMの出力軸OSに直接または図示しないギヤ機構を介して連結されるデファレンシャルギヤDF、当該デファレンシャルギヤDF(一対のサイドギヤ)に連結されるドライブシャフトDS、当該ドライブシャフトDSに連結される駆動輪DW等を含む車両Vに搭載されるものである。
[0011]
 発進装置1は、エンジンEGのクランクシャフトCSに連結されて当該エンジンEGからのトルクが伝達される入力部材としてのフロントカバー3や、フロントカバー3に固定されるポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4、ポンプインペラ4と同軸に回転するようにフロントカバー3およびポンプインペラ4により画成される流体室Cf内に配置されるタービンランナ(出力側流体伝動要素)5、流体室Cf内に配置されてタービンランナ5からポンプインペラ4への作動油(作動流体)の流れを整流するステータ6、変速機TMの入力軸ISに固定される出力部材としてのダンパハブ7、ロックアップクラッチ8、ダンパ装置10等を含む。
[0012]
 なお、以下の説明において、「軸方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10の中心軸(軸心)の延在方向を示す。また、「径方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、当該ダンパ装置10等の回転要素の径方向、すなわち発進装置1やダンパ装置10の中心軸から当該中心軸と直交する方向(半径方向)に延びる直線の延在方向を示す。更に、「周方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、当該ダンパ装置10等の回転要素の周方向、すなわち当該回転要素の回転方向に沿った方向を示す。
[0013]
 ポンプインペラ4は、フロントカバー3に密に固定される図示しないポンプシェルと、ポンプシェルの内面に配設された複数のポンプブレード(図示省略)とを含む。タービンランナ5は、図2に示すように、タービンシェル50と、タービンシェル50の内面に配設された複数のタービンブレード51とを含む。タービンシェル50の内周部は、複数のリベット70を介してダンパハブ7に固定される。ポンプインペラ4とタービンランナ5とは、互いに対向し合い、両者の間には、ステータ6が同軸に配置される。ステータ6は、複数のステータブレードを含み、ステータ6の回転方向は、ワンウェイクラッチ60(図1参照)により一方向のみに設定される。ポンプインペラ4、タービンランナ5およびステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成し、トルク増幅機能をもったトルクコンバータ(流体伝動装置)として機能する。ただし、発進装置1において、ステータ6やワンウェイクラッチ60を省略し、ポンプインペラ4およびタービンランナ5を流体継手として機能させてもよい。
[0014]
 ロックアップクラッチ8は、上記流体室Cf内に配置され、ダンパ装置10を介してフロントカバー3とダンパハブ7とを連結するロックアップを実行すると共に当該ロックアップを解除するものである。本実施形態において、ロックアップクラッチ8は、単板式油圧クラッチであり、フロントカバー3の内部かつ当該フロントカバー3のエンジンEG側の内壁面近傍に配置されると共にダンパハブ7に対して回転自在かつ軸方向に移動自在に嵌合されるロックアップピストン80を含む。ロックアップピストン80は、金属板をプレス加工することにより形成された環状部材(プレス加工品)であり、当該ロックアップピストン80には、トルク伝達要素として要求される硬度が確保されるように熱処理(焼入れ処理)が施される。また、ロックアップピストン80の外周側かつフロントカバー3側の面には、摩擦材81が貼着(固定)されている。更に、ロックアップピストン80とフロントカバー3との間には、作動油供給路や入力軸ISに形成された油路を介して図示しない油圧制御装置に接続されるロックアップ室(係合油室)82が画成される。
[0015]
 ロックアップ室82内には、図示しない油圧制御装置からの作動油が流入可能である。ロックアップ室82内と流体室Cf内とが等圧に保たれれば、ロックアップピストン80はフロントカバー3側に移動せず、ロックアップピストン80に固定された摩擦材81がフロントカバー3と摩擦係合することはない。これに対して、図示しない油圧制御装置により流体室Cf内の油圧をロックアップ室82内の油圧よりも高くすれば、ロックアップピストン80は、圧力差によりフロントカバー3に向けて移動し、当該ロックアップピストン80に作用する油圧に応じて摩擦材81がフロントカバー3と摩擦係合する。これにより、フロントカバー3(エンジンEG)は、ロックアップピストン80やダンパ装置10を介してダンパハブ7に連結される。
[0016]
 ダンパ装置10は、上記流体室Cf内に配置され、図1および図2に示すように、回転要素として、ドライブプレート(入力要素)11と、中間部材(中間要素)12と、ドリブン部材(出力要素)15とを含む。更に、ダンパ装置10は、トルク伝達弾性体として、ドライブプレート11と中間部材12との間でトルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第1スプリング(第1弾性体)SP1と、それぞれ対応する第1スプリングSP1と直列に作用して中間部材12とドリブン部材15との間でトルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第2スプリング(第2弾性体)SP2と、ドライブプレート11とドリブン部材15との間でトルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第3スプリングSP3とを含む。
[0017]
 本実施形態では、第1および第2スプリングSP1,SP2並びに第3スプリングSP3として、荷重が加えられてないときに真っ直ぐに延びる軸心を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなる直線型コイルスプリングが採用される。これにより、アークコイルスプリングを用いた場合に比べて、第1および第2スプリングSP1,SP2並びに第3スプリングSP3を軸心に沿ってより適正に伸縮させることができる。この結果、ドライブプレート11(入力要素)とドリブン部材15(出力要素)との相対変位が増加していく際に第2スプリングSP2等からドリブン部材15に伝達されるトルクと、ドライブプレート11とドリブン部材15との相対変位が減少していく際に第2スプリングSP2等からドリブン部材15に伝達されるトルクとの差すなわちヒステリシスを低減化することが可能となる。ただし、第1および第2スプリングSP1,SP2並びに第3スプリングSP3の少なくとも何れかとして、アークコイルスプリングが採用されてもよい。また、第1および第2スプリングSP1,SP2のばね定数は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
[0018]
 図2に示すように、ダンパ装置10のドライブプレート(入力プレート)11は、金属板をプレス加工することにより形成された1枚の環状の板体(プレス加工品)であり、当該ドライブプレート11には、トルク伝達要素として要求される硬度が確保されるように熱処理(焼入れ処理)が施される。また、ドライブプレート11の外周部は、ロックアップクラッチ8のロックアップピストン80に連結される。すなわち、ドライブプレート11には、図3に示すように、それぞれ当該ドライブプレート11の外周面から窪む複数(本実施形態では、例えば6個)の嵌合凹部115が2個ずつ対をなすように周方向に間隔をおいて形成されている。更に、ロックアップピストン80の外周部からは、複数(本実施形態では、例えば6個)の爪部85が2個ずつ対をなすように周方向に間隔をおいて軸方向に延出されている。各爪部85は、ドライブプレート11の対応する嵌合凹部115に隙間無く嵌まり込むように形成されており、各爪部85が対応する嵌合凹部115に嵌合されることでロックアップピストン80がドライブプレート11の外周部に連結される。これにより、ロックアップクラッチ8の締結(係合)によりフロントカバー3(エンジンEG)とダンパ装置10のドライブプレート11とが連結されることになる。
[0019]
 また、ドライブプレート11は、それぞれ円弧状に延びる複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング収容窓11wiと、複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング当接部11ciと、それぞれ円弧状に延びる複数(本実施形態では、例えば3個)の外側スプリング収容窓11woと、複数(本実施形態では、例えば6個)の外側スプリング当接部11coとを含む。複数の内側スプリング収容窓11wiは、それぞれドライブプレート11の内周側で開口しており、ドライブプレート11に周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設される。内側スプリング当接部11ciは、隣り合う内側スプリング収容窓11wiの周方向における間に1個ずつ形成される。複数の外側スプリング収容窓11woは、それぞれ第3スプリングSP3の自然長に応じた周長を有し、内側スプリング収容窓11wiよりも径方向外側に位置するように周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設される。外側スプリング当接部11coは、各外側スプリング収容窓11woの周方向における両側に1個ずつ形成される。
[0020]
 中間部材12は、金属板をプレス加工することにより形成された1枚の環状の板体(プレス加工品)であり、当該中間部材12には、トルク伝達要素として要求される硬度が確保されるように熱処理(焼入れ処理)が施される。中間部材12は、図3に示すように、環状部12aと、当該環状部12aの外周面から周方向に間隔をおいて(等間隔に)径方向外側に突出する複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング当接部12cとを含む。
[0021]
 ドリブン部材15は、上記複数のリベット70を介してタービンランナ5のタービンシェル50と共にダンパハブ7に固定される第1出力プレート16と、当該第1出力プレート16よりも大きい内径を有すると共にタービンランナ5から離間するように配置される第2出力プレート17とを含む。第1および第2出力プレート16,17は、金属板をプレス加工することにより形成された環状の板体(プレス加工品)であり、当該第1および第2出力プレート16,17には、トルク伝達要素として要求される硬度が確保されるように熱処理(焼入れ処理)が施される。
[0022]
 図2に示すように、第1出力プレート16は、それぞれ円弧状に延びる複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング収容窓16wiと、複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング当接部16ciと、それぞれ円弧状に延びる複数(本実施形態では、例えば3個)の外側スプリング収容窓16woと、複数(本実施形態では、例えば6個)の外側スプリング当接部(弾性体当接部)16coとを含む。複数の内側スプリング収容窓16wiは、第1出力プレート16に周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設され、内側スプリング当接部16ciは、隣り合う内側スプリング収容窓16wiの周方向における間に1個ずつ形成される。複数の外側スプリング収容窓16woは、それぞれ第3スプリングSP3の自然長よりも長い周長を有し、内側スプリング収容窓16wiの径方向外側に周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設される。外側スプリング当接部16coは、各外側スプリング収容窓16woの周方向における両側に1個ずつ形成される。
[0023]
 更に、第1出力プレート16は、各内側スプリング収容窓16wiの内周縁に沿って延びる複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部161と、各内側スプリング収容窓16wiの外周縁に沿って延びる複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部162と、各外側スプリング収容窓16woの内周縁に沿って延びる複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部163と、各外側スプリング収容窓16woの外周縁に沿って延びる複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部164とを含む。
[0024]
 第2出力プレート17は、図2に示すように、それぞれ円弧状に延びる複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング収容窓17wiと、複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング当接部17ciと、それぞれ円弧状に延びる複数(本実施形態では、例えば3個)の外側スプリング収容窓17woと、複数(本実施形態では、例えば6個)の外側スプリング当接部(弾性体当接部)17coとを含む。複数の内側スプリング収容窓17wiは、第2出力プレート17に周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設され、内側スプリング当接部17ciは、隣り合う内側スプリング収容窓17wiの周方向における間に1個ずつ形成される。複数の外側スプリング収容窓17woは、それぞれ第3スプリングSP3の自然長よりも長い周長を有し、内側スプリング収容窓17wiの径方向外側に周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設される。外側スプリング当接部17coは、各外側スプリング収容窓17woの周方向における両側に1個ずつ形成される。
[0025]
 更に、第2出力プレート17は、各内側スプリング収容窓17wiの内周縁に沿って延びる複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部171と、各内側スプリング収容窓17wiの外周縁に沿って延びる複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部172と、各外側スプリング収容窓17woの内周縁に沿って延びる複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部173と、各外側スプリング収容窓17woの外周縁に沿って延びる複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部174とを含む。
[0026]
 図2に示すように、第1出力プレート16は、ドライブプレート11よりもタービンランナ5側に配置され、第2出力プレート17は、ドライブプレート11よりもロックアップピストン80側に配置される。すなわち、第1出力プレート16は、ロックアップピストン80の各爪部85が嵌合されるドライブプレート11および第2出力プレート17に比べて各爪部85の根元から軸方向に離間する。そして、第1および第2出力プレート16,17は、ダンパ装置10の軸方向におけるドライブプレート11の両側に配置され、複数のリベット90(図3参照)を介して互いに連結される。複数のリベット90は、対応する内側スプリング収容窓11wiに連通するように当該ドライブプレート11に形成された切欠部に挿通される。また、ドライブプレート11は、第1および第2出力プレート16,17の軸方向における間の外周側領域に配置される。更に、中間部材12は、各スプリング当接部12cがドライブプレート11の対応する内側スプリング収容窓11wi内に位置するように第1および第2出力プレート16,17の軸方向における間の内周側領域、すなわちドライブプレート11の径方向内側に配置される。また、中間部材12の内周面は、ドリブン部材15、すなわち第2出力プレート17の内周部から軸方向に延出された支持部17sにより回転自在に支持される。
[0027]
 第1および第2スプリングSP1,SP2は、ダンパ装置10の周方向に沿って交互に並ぶようにドライブプレート11の内側スプリング収容窓11wi内に配置されると共に、第1および第2出力プレート16,17により支持される。すなわち、ダンパ装置10の軸方向に並ぶ内側スプリング収容窓11wi,16wiおよび17wiには、第1および第2スプリングSP1,SP2が対をなすように(直列に作用するように)1個ずつ配置される。また、各内側スプリング収容窓11wi内の第1および第2スプリングSP1,SP2は、第1および第2出力プレート16,17の対応するスプリング支持部161,171により径方向内側から支持(ガイド)される。更に、各内側スプリング収容窓11wi内の第1および第2スプリングSP1,SP2は、第1および第2出力プレート16,17の対応するスプリング支持部162,172により径方向外側から支持(ガイド)される。
[0028]
 また、ダンパ装置10の取付状態(ドライブプレート11とドリブン部材15との間でトルクが伝達されていない状態)において、ドライブプレート11の各内側スプリング当接部11ciは、それぞれ互いに異なる内側スプリング収容窓11wi内に配置されて対をなさない(直列に作用しない)第1および第2スプリングSP1,SP2の間で両者の端部に当接する。すなわち、ダンパ装置10の取付状態において、各第1スプリングSP1の一端部および各第2スプリングSP2の他端部は、ドライブプレート11の対応する内側スプリング当接部11ciに当接する。更に、ダンパ装置10の取付状態において、中間部材12の各スプリング当接部12cは、共通の内側スプリング収容窓11wi,16wiおよび17wi内に配置されて互いに対をなす第1および第2スプリングSP1,SP2の間で両者の端部に当接する。すなわち、各第1スプリングSP1の他端部および各第2スプリングSP2の一端部は、中間部材12の対応するスプリング当接部12cに当接する。
[0029]
 第1および第2出力プレート16,17(ドリブン部材15)の互いに対向する内側スプリング当接部16ci,17ciも、ドライブプレート11の内側スプリング当接部11ciと同様に、対をなさない(直列に作用しない)第1および第2スプリングSP1,SP2の間で両者の端部に当接する。これにより、ダンパ装置10の取付状態において、各第1スプリングSP1の上記一端部は、ドリブン部材15の対応する内側スプリング当接部16ci,17ciとも当接し、各第2スプリングSP2の上記他端部は、ドリブン部材15の対応する内側スプリング当接部16ci,17ciとも当接する。この結果、ドリブン部材15は、複数の第1スプリングSP1と、中間部材12と、複数の第2スプリングSP2とを介してドライブプレート11に連結され、互いに対をなす第1および第2スプリングSP1,SP2は、ドライブプレート11とドリブン部材15との間で、中間部材12(スプリング当接部12c)を介して直列に連結される。なお、本実施形態において、それぞれ複数の第1および第2スプリングSP1,SP2は、同一円周上に配列され、発進装置1やダンパ装置10の軸心と各第1スプリングSP1の軸心との距離と、発進装置1等の軸心と各第2スプリングSP2の軸心との距離とが等しくなっている。
[0030]
 また、各第3スプリングSP3は、ドライブプレート11の対応する外側スプリング収容窓11wo内に配置(嵌合)されると共に、第1および第2出力プレート16,17により支持される。すなわち、ダンパ装置10の取付状態において、各第3スプリングSP3の両端部は、ドライブプレート11の対応する外側スプリング当接部11coに当接し、各第3スプリングSP3は、第1および第2出力プレート16,17の対応する外側スプリング収容窓16wo,17woの周方向における中央部付近に位置する。更に、各外側スプリング収容窓11wo内の第3スプリングSP3は、第1および第2出力プレート16,17の対応するスプリング支持部163,173により径方向内側から支持(ガイド)される。また、各外側スプリング収容窓11wo内の第3スプリングSP3は、第1および第2出力プレート16,17の対応するスプリング支持部164,174により径方向外側から支持(ガイド)される。本実施形態において、各第3スプリングSP3は、第1および第2スプリングSP1,SP2よりも径方向外側に当該第1および第2スプリングSP1,SP2と径方向からみて重なるように配置される。これにより、ダンパ装置10ひいては発進装置1の軸長をより短縮化することが可能となる。
[0031]
 ダンパ装置10の取付状態において、各第3スプリングSP3と、その両側に位置する第1および第2出力プレート16,17(ドリブン部材15)の外側スプリング当接部16co,17coとの間には、予め定められた周方向の間隔が形成され、両者が当接することはない。そして、各第3スプリングSP3の両側に位置する外側スプリング当接部16co,17coの一方は、ドライブプレート11とドリブン部材15との間でトルクが伝達されているときに当該ドライブプレート11およびドリブン部材15の相対捩れ角が増加するのに伴って第3スプリングSP3の一方の端部に当接することになる。本実施形態において、ダンパ装置10の取付状態における第3スプリングSP3の端部とドリブン部材15の外側スプリング当接部16co,17coとの周方向における間隔は、エンジンEGからドライブプレート11に伝達される入力トルクがダンパ装置10の最大捩れ角θmaxに対応したトルクT2(第2の値)よりも小さい予め定められたトルク(第1の値)T1に達した段階で、ドライブプレート11等の主回転方向(車両前進時(エンジンEG)の回転方向)における前側に位置する第3スプリングSP3の一方の端部が、当該主回転方向における前側の外側スプリング当接部16co,17coに当接するように定められる。
[0032]
 また、ダンパ装置10は、ドライブプレート11への入力トルクが最大捩れ角θmaxに対応したトルクT2に達した段階でドライブプレート11とドリブン部材15との相対回転を規制するストッパ18(図1参照)を含む。本実施形態において、ストッパ18は、ドライブプレート11に連結されるロックアップピストン80の複数の爪部85と、第1から第3スプリングSP1,SP2,SP3よりも径方向外側に位置するようにドリブン部材15の第1出力プレート16の外周部に形成された複数(本実施形態では、例えば3個)の突部165とにより構成される。複数の突部165は、第1出力プレート16の外周部に周方向に間隔をおいて(等間隔に)形成され、それぞれ径方向外側に突出すると共に一対の側面166を含む。更に、第1出力プレート16の外周部には、それぞれ周方向に隣り合う突部165同士の間で当該第1出力プレート16の外周面から窪む複数(本実施形態では、例えば3個)の凹部167が形成される。
[0033]
 図3に示すように、ロックアップピストン80の対をなす2つの爪部85の端部は、タービンランナ5側の第1出力プレート16の対応する凹部167内に配置される。ダンパ装置10の取付状態において、同一の凹部167内に配置された2つの爪部85の一方とそれに隣り合う突部165の側面166との周方向における距離と、当該2つの爪部85の他方とそれに隣り合う突部165の側面166との周方向における距離とは、図3に示すように、概ね同一となる。また、図2に示すように、第1出力プレート16よりもロックアップピストン80側に位置するドリブン部材15の第2出力プレート17の外径は、当該ロックアップピストン80の外周部(爪部85)の内径よりも小さく定められており、当該第2出力プレート17の外周部がロックアップピストン80の各爪部85と干渉することはない。
[0034]
 更に、ダンパ装置10は、タービンランナ5とダンパ装置10の第1出力プレート16との軸方向における間に位置するようにダンパハブ7に固定される質量体19を含む。質量体19は、タービンランナ5よりも大径の環状の第1プレート191と、当該第1プレート191の内径よりも大きい内径を有する環状の第2プレート192とを含む。第1プレート191の内周部は、上記複数のリベット70を介してタービンランナ5のタービンシェル50および第1出力プレート16と共にダンパハブ7に固定される。また、第1プレート191の外周部191oは、タービンランナ5に向けて曲げられている。第2プレート192は、第1出力プレート16(スプリング支持部162)等と干渉しないように複数のリベットを介して第1プレート191に固定される。
[0035]
 続いて、上述のように構成される発進装置1の動作について説明する。発進装置1では、ロックアップクラッチ8によるロックアップが解除されている際、図1からわかるように、エンジンEGからフロントカバー3に伝達されたトルク(動力)が、ポンプインペラ4、タービンランナ5、ドリブン部材15およびダンパハブ7という経路を介して変速機TMの入力軸ISへと伝達され、更に、デファレンシャルギヤDFやドライブシャフトDSを介して駆動輪DWに伝達される。これに対して、発進装置1のロックアップクラッチ8によりロックアップが実行されると、エンジンEGからフロントカバー3およびロックアップクラッチ8を介してドライブプレート11に伝達されたトルクは、ドライブプレート11への入力トルクが上記トルクT1に達するまで、複数の第1スプリングSP1、中間部材12および複数の第2スプリングSP2を介してドリブン部材15およびダンパハブ7に伝達される。この間、直列に作用する第1および第2スプリングSP1,SP2により、エンジンEGからのトルクの変動が減衰(吸収)される。
[0036]
 また、ドライブプレート11への入力トルクが上記トルクT1になると、上述のように、第3スプリングSP3の主回転方向における前側の端部が、当該主回転方向における前側の外側スプリング当接部16co,17coに当接する。これにより、各第3スプリングSP3は、ドライブプレート11の上記主回転方向における後側の外側スプリング当接部11coとドリブン部材15(第1および第2出力プレート16,17)の上記主回転方向における前側の外側スプリング当接部16co,17coとの間で伸縮しながら、直列に作用する第1および第2スプリングSP1,SP2と並列に作用してドライブプレート11と中間部材12との間でトルクを伝達する。
[0037]
 この結果、エンジンEGからのトルクは、フロントカバー3、ロックアップクラッチ8、ドライブプレート11、中間部材12を介して直列に作用する第1および第2スプリングSP1,SP2並びに両者と並列に作用する第3スプリングSP3、ドリブン部材15およびダンパハブ7という経路を介して変速装置の入力軸ISへと伝達される。そして、フロントカバー3に入力されるトルクの変動は、第1から第3スプリングSP1,SP2,SP3により減衰(吸収)される。これにより、当該第1から第3スプリングSP1,SP2,SP3によって、ドライブプレート11に伝達された大きなトルク変動を吸収することが可能となる。
[0038]
 更に、ドライブプレート11への入力トルクが上記トルクT2になると、第1出力プレート16の各凹部167内に配置されたロックアップピストン80の2つの爪部85の一方が、図4に示すように、対応する突部165の側面166に当接する。これにより、ロックアップピストン80に連結されたドライブプレート11と、第1出力プレート16すなわちドリブン部材15との相対回転が規制され、第1、第2および第3スプリングSP1,SP2,SP3のすべての撓みが規制されることになる。また、発進装置1において、ロックアップピストン80の爪部85が対応する突部165の側面166に当接した際、ドリブン部材15の第1および第2出力プレート16,17を連結する複数のリベット90は、何れもドライブプレート11に当接しない。
[0039]
 上述のように、発進装置1のダンパ装置10では、ドライブプレート11への入力トルクが上記トルクT1に達するまで、第1および第2スプリングSP1,SP2が直列に作用する。また、ドライブプレート11への入力トルクがトルクT1からトルクT2までの範囲に含まれる間、第3スプリングSP3は、直列に作用する第1および第2スプリングSP1,SP2と並列に作用する。従って、ダンパ装置10は、2段階(2ステージ)の減衰特性を有することになる。
[0040]
 そして、発進装置1では、エンジンEGからドライブプレート11に伝達される入力トルクの増加に応じて、フロントカバー3と当該ドライブプレート11とを接続するロックアップクラッチ8のロックアップピストン80の一部である複数の爪部85が、第1出力プレート16の一部である突部165の側面166に当接する。すなわち、発進装置1では、フロントカバー3からのトルクを伝達する要素であって、硬度を高めるための熱処理が省略されることのないロックアップピストン80と第1出力プレート16とによりドライブプレート11とドリブン部材15との相対回転を規制するストッパ18が構成される。また、ロックアップピストン80の爪部85が対応する突部165の側面166に当接した際、ドリブン部材15の第1および第2出力プレート16,17を連結する複数のリベット90は、何れもドライブプレート11に当接しない。
[0041]
 従って、発進装置1では、第1および第2出力プレート16,17を連結する連結部材としての複数のリベット90に熱処理を施す必要がなくなり、スペーサといったストッパの専用部材も不要となる。この結果、ダンパ装置10を含む発進装置1のコストアップを抑制しつつ、当該ダンパ装置10のドライブプレート11とドリブン部材15との相対回転を規制することが可能となる。加えて、ロックアップピストン80と第1出力プレート16(ドリブン部材)とによりドライブプレート11とドリブン部材15との相対回転を規制するストッパ18を構成することで、入力トルクが増加した際にドライブプレート11を迂回してロックアップピストン80からドリブン部材15にトルクを伝達することができるので、ドライブプレート11の負荷を減らすことも可能となる。
[0042]
 また、上記発進装置1において、ロックアップピストン80は、それぞれドライブプレート11の対応する嵌合凹部115に嵌合されると共に、第1出力プレート16の隣り合う突部165同士の間に配置される複数の爪部85を含み、当該複数の爪部85は、ドライブプレート11に伝達されるトルクの増加に応じて対応する突部165の側面166に当接する。これにより、複数の爪部85にトルク伝達機能をもたせ、かつロックアップピストン80と第1出力プレート16とによりドライブプレート11とドリブン部材15との相対回転を規制するストッパ18を構成しつつ、複数の突部165の分だけ第1出力プレート16ひいてはドリブン部材15の慣性モーメントを大きくしてダンパ装置10の振動減衰性能をより向上させることができる。
[0043]
 更に、上記発進装置1において、第1および第2出力プレート16,17のうち、第1出力プレート16のみが変速機TMの入力軸ISに連結(固定)されるダンパハブ7に固定される。これにより、ロックアップピストン80の爪部85が第1出力プレート16に当接した際に、第2出力プレート17にドライブプレート11やドリブン部材15からの荷重が作用しないようにし、それにより第1および第2出力プレート16,17の連結部すなわち各リベット90の強度を良好に維持することが可能となる。
[0044]
 なお、ダンパ装置10において、ロックアップピストン80と第2出力プレート17とによりドライブプレート11とドリブン部材15との相対回転を規制するストッパが構成されてもよく、第2出力プレート17のみ、あるいは第1および第2出力プレート16,17の双方がダンパハブ7に固定されてもよい。また、ダンパ装置10において、ドリブン部材15は、1枚のプレート部材であってもよく、中間部材12は、ドライブプレート11およびドリブン部材15の軸方向における両側に配置されると共に連結部材により互いに連結される2枚のプレート部材を含むものであってもよい。
[0045]
 更に、上記ダンパ装置10では、出力要素であるドリブン部材15にタービンランナ5および質量体19の双方が連結されるが、これに限られるものではない。すなわち、ドリブン部材15に対するタービンランナ5および質量体19の少なくとも何れか一方の連結が省略されてもよい。また、上記ダンパ装置10は、ドライブプレート11への入力トルクがトルクT1からトルクT2までの範囲に含まれる間、第3スプリングSP3が第1および第2スプリングSP1,SP2の何れか一方と並列に作用するように構成されてもよい。更に、上記ダンパ装置10から第3スプリングSP3が省略されてもよい。また、ダンパ装置10において、ドライブプレート11(入力要素)とロックアップピストン80とが一体に形成されてもよく、かかる一体の部材に上記爪部85と同様の爪部が複数形成されてもよい。更に、ダンパ装置10のロックアップクラッチ8は、多板式油圧クラッチであってもよく、この場合、当該多板式油圧クラッチのクラッチドラムあるいはクラッチハブに上記爪部85と同様の爪部が複数形成されてもよい。
[0046]
 また、本開示の発進装置1のダンパ装置10は、回転要素として入力要素および出力要素を含むと共に、トルク伝達要素として入力要素と出力要素との間に配置される弾性体を含み、中間要素を含まないものであってもよい。この場合、入力要素は、1枚の入力プレートを含むものであってもよく、出力要素は、当該入力プレートの軸方向における両側に配置されると共に連結部材により互いに連結される2枚のプレート部材を含むものであってもよい。更に、この場合、出力要素は、1枚の出力プレートを含むものであってもよく、入力要素は、当該出力プレートの軸方向における両側に配置されると共に連結部材により互いに連結される2枚のプレート部材を含むものであってもよい。また、本開示の発進装置1のダンパ装置10は、回転要素として、入力要素、第1中間要素、第2中間部材、および出力要素を含むと共に、トルク伝達要素として、入力要素と第1中間要素との間に配置される第1弾性体、第1中間要素と第2中間要素との間に配置される第2弾性体、および第2中間要素と出力要素との間に配置される第3弾性体を含むものであってもよい。更に、本開示の発進装置1のダンパ装置10は、入力要素と出力要素との間に並列に設けられた2つのトルク伝達経路を含むものであってもよい。
[0047]
 以上説明したように、本開示の発進装置は、エンジン(EG)からのトルクが伝達される入力部材(3)と、入力要素(11)、出力要素(15)および前記入力要素(11)と前記出力要素(15)との間でトルクを伝達する弾性体(SP1,SP2,SP3)を含むダンパ装置(10)と、前記入力部材(3)と前記ダンパ装置(10)の前記入力要素(11)とを接続すると共に両者の接続を解除する油圧クラッチ(8)とを含む発進装置(1)において、前記油圧クラッチ(8)が、前記入力要素(11)と一体に回転するピストン(80)と、前記ピストン(80)に固定されると共に前記ピストン(80)に作用する油圧に応じて前記入力部材(3)と摩擦係合する摩擦材(81)とを含み、前記ピストン(80)の一部(85)が、前記入力要素(11)に伝達されるトルクの増加に応じて前記出力要素(15)の一部(16)に当接するものである。
[0048]
 本開示の発進装置において、入力部材とダンパ装置の入力要素とを接続する油圧クラッチのピストンの一部は、入力要素と一体に回転すると共に、当該入力要素に伝達されるトルクの増加に応じて出力要素の一部に当接する。すなわち、本開示の発進装置では、入力部材からのトルクを伝達する要素であって、硬度を高めるために熱処理が施される油圧クラッチのピストンと出力要素とにより入力要素と出力要素との相対回転を規制するストッパが構成される。このように、熱処理が省略されることのないピストンと出力要素とで当該ストッパを構成することで、スペーサといったストッパの専用部材が不要となり、当該専用部材に熱処理を施す必要もなくなる。この結果、ダンパ装置を含む発進装置のコストアップを抑制しつつ、ダンパ装置の入力要素に伝達されるトルクの増加に応じて入力要素と出力要素との相対回転を規制することが可能となる。
[0049]
 また、前記出力要素(15,16)は、周方向に間隔をおいて径方向外側に突出する複数の突部(165)を含むものであってもよく、前記ピストン(80)は、周方向に間隔において軸方向に延出された複数の爪部(85)を含むものであってもよく、前記ピストン(80)の前記複数の爪部(85)は、それぞれ前記出力要素(15,16)の隣り合う前記突部(165)同士の間に配置されて前記入力要素(11)に伝達されるトルクの増加に応じて対応する前記突部(165)の側面(166)に当接するものであってもよい。これにより、ピストンと出力要素とにより入力要素と出力要素との相対回転を規制するストッパを構成しつつ、複数の突部の分だけ出力要素の慣性モーメントを大きくしてダンパ装置の振動減衰性能をより向上させることが可能となる。
[0050]
 更に、前記ピストン(80)の前記複数の爪部(85)は、それぞれ前記入力要素(11)に嵌合されてもよい。ピストンの爪部に、ストッパの機能に加えて、トルク伝達機能をもたすことが可能となる。
[0051]
 また、前記複数の突部(165)は、前記ダンパ装置(10)の径方向における前記弾性体(SP1,SP2,SP3)の外側に位置するように前記出力要素(15,16)に形成されてもよい。
[0052]
 更に、前記入力要素は、1枚の入力プレート(11)を含むものであってもよく、前記出力要素(15)は、前記ダンパ装置(10)の軸方向における前記入力プレート(11)の両側に配置されると共に連結部材(90)により互いに連結される2枚の出力プレート(16,17)を含むものであってもよく、前記複数の突部(165)は、前記2枚の出力プレートの一方(16)に形成されてもよい。
[0053]
 また、前記ピストン(80)および前記2枚の出力プレート(16,17)には、熱処理が施されてもよく、前記連結部材(90)には、熱処理が施されなくてもよい。
[0054]
 更に、前記2枚の出力プレートの前記一方(16)は、他方(17)に比べて前記爪部(85)の根元から前記軸方向に離間していてもよい。
[0055]
 また、前記発進装置(1)は、変速機(TM)に連結される出力部材(7)を更に含むものであってもよく、前記2枚の出力プレートの前記一方のみが前記出力部材に固定されてもよい。これにより、ピストンの一部が2枚の出力プレートの一方の一部に当接した際に、当該2枚の出力プレートの他方に入力要素や出力要素からの荷重が作用しないようにし、それにより2枚の出力プレートの連結部の強度を良好に維持することが可能となる。
[0056]
 更に、前記連結部材(90)は、前記ピストン(80)の前記一部が前記2枚の出力プレートの前記一方(16)の前記一部に当接した際に、前記入力要素(11)に当接しないものであってもよい。
[0057]
 また、前記ダンパ装置(10)は、中間要素(12)を更に含むものであってもよく、前記弾性体は、前記入力要素(11)と前記中間要素(12)との間に配置される第1弾性体(SP1)と、前記中間要素(12)と前記出力要素(15)との間に配置されて前記第1弾性体(SP1)と直列に作用する第2弾性体(SP2)とを含んでもよい。
[0058]
 更に、前記ダンパ装置(10)は、少なくとも前記入力要素(11)と前記出力要素(15)との間でトルクが伝達されていないときに前記入力要素(11)および前記出力要素(15)の一方により保持されると共に、前記入力要素(11)と前記出力要素(15)との間でトルクが伝達されているときに前記入力要素(11)と前記出力要素(15)との相対捩れ角の増加に応じて前記第1および第2弾性体(SP1,SP2)の少なくとも何れか一方と並列に作用する第3弾性体(SP3)を含むものであってもよい。
[0059]
 そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。

産業上の利用可能性

[0060]
 本開示の発明は、発進装置の製造分野等において利用可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 エンジンからのトルクが伝達される入力部材と、入力要素、出力要素および前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する弾性体を含むダンパ装置と、前記入力部材と前記ダンパ装置の前記入力要素とを接続すると共に両者の接続を解除する油圧クラッチとを含む発進装置において、
 前記油圧クラッチは、前記入力要素と一体に回転するピストンと、前記ピストンに固定されると共に前記ピストンに作用する油圧に応じて前記入力部材と摩擦係合する摩擦材とを含み、
 前記ピストンの一部は、前記入力要素に伝達されるトルクの増加に応じて前記出力要素の一部に当接する発進装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の発進装置において、
 前記出力要素は、周方向に間隔をおいて径方向外側に突出する複数の突部を含み、
 前記ピストンは、周方向に間隔において軸方向に延出された複数の爪部を含み、
 前記ピストンの前記複数の爪部は、それぞれ前記出力要素の隣り合う前記突部同士の間に配置されて前記入力要素に伝達されるトルクの増加に応じて対応する前記突部の側面に当接する発進装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の発進装置において、前記ピストンの前記複数の爪部は、それぞれ入力要素に嵌合される発進装置。
[請求項4]
 請求項2または3に記載の発進装置において、
 前記複数の突部は、前記ダンパ装置の径方向における前記弾性体の外側に位置するように前記出力要素に形成される発進装置。
[請求項5]
 請求項2から4の何れか一項に記載の発進装置において、
 前記入力要素は、1枚の入力プレートを含み、
 前記出力要素は、前記ダンパ装置の軸方向における前記入力プレートの両側に配置されると共に連結部材により互いに連結される2枚の出力プレートを含み、
 前記複数の突部は、前記2枚の出力プレートの一方に形成される発進装置。
[請求項6]
 請求項5に記載の発進装置において、
 前記ピストンおよび前記2枚の出力プレートには、熱処理が施されており、前記連結部材には、熱処理が施されていない発進装置。
[請求項7]
 請求項5または6に記載の発進装置において、
 前記2枚の出力プレートの前記一方は、他方に比べて前記爪部の根元から前記軸方向に離間している発進装置。
[請求項8]
 請求項5から7の何れか一項に記載の発進装置において、
 変速機に連結される出力部材を更に含み、前記2枚の出力プレートの前記一方のみが前記出力部材に固定されている発進装置。
[請求項9]
 請求項5から8の何れか一項に記載の発進装置において、
 前記連結部材は、前記ピストンの前記一部が前記2枚の出力プレートの前記一方の前記一部に当接した際に、前記入力要素に当接しない発進装置。
[請求項10]
 請求項1から9の何れか一項に記載の発進装置において、
 前記ダンパ装置は、中間要素を更に含み、
 前記弾性体は、前記入力要素と前記中間要素との間に配置される第1弾性体と、前記中間要素と前記出力要素との間に配置されて前記第1弾性体と直列に作用する第2弾性体とを含む発進装置。
[請求項11]
 請求項10に記載の発進装置において、
 前記ダンパ装置は、少なくとも前記入力要素と前記出力要素との間でトルクが伝達されていないときに前記入力要素および前記出力要素の一方により保持されると共に、前記入力要素と前記出力要素との間でトルクが伝達されているときに前記入力要素と前記出力要素との相対捩れ角の増加に応じて前記第1および第2弾性体の少なくとも何れか一方と並列に作用する第3弾性体を更に含む発進装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]