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1. WO2008001558 - PROCÉDÉ D'ESTIMATION DE DONNÉES D'ÉVALUATION CONCERNANT LA DOUCEUR DE LA PEAU À L'OEIL NU ET APPAREIL D'ESTIMATION

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[ JA ]
明 細書

肌のなめらかさの目視評価値の推定方法及び推定装置

技術分野

[0001] 本発明は、肌のなめらかさの目視評価値の推定方法及び推定装置に関し、更に詳 しくは、化粧料を販売する店頭などで、肌のなめらかさの目視評価値を簡便に推定 する方法、並びにこの方法に用いる装置及びプログラムに関する。

背景技術

[0002] 第三者によって、美、肌であると認識されることは、女性のみならず多くの人の大 きな願いの一つである。このため、美しい肌に見せるための化粧料や美容法の研究 開発が盛んに行われている。し力しながら、肌の状態は個人によって大きく異なり、さ らに加齢や生活環境によっても変化するものであるため、化粧料の種類やィ匕粧方法 、肌の手入れ法等を適切に選択するためには、対象となる肌が第三者にどのように 見える力を客観的に判断することが必要である。例えば、デパートの化粧品売り場、 薬局、化粧品店の店頭においては、被験者の見た目の肌の美しさの程度を客観的 に評価する簡便な方法が求められている。

第三者の目視による肌の美しさは、大きく分けると「肌トラブルがな!/、」、うネガティ ブな因子と、「肌がなめら力」というポジティブな因子により形成されることが、各種の 調査結果より明らかにされている。

[0003] 「肌のなめらかさ」は、キメの細かさ、キメの方向の均一性、凹凸感やさらさら感等の 数々の因子が複合的に関連し合って形成されている。従って、第三者の目視による 肌のなめらかさ、すなわち、 "肌のなめら力さの目視評価値"を的確に推定するため には、被験者の肌表面の形態や水分量などを測定し、これらの測定結果を分析した り、肌の評価の専門家が被験者の肌を観察し、専門的知識に基づいて視覚的な官 能評価を行うことが必要とされてきた。し力しながら、これらの方法は、多くのデータ収 集、複雑なデータ分析、肌評価の専門家の育成'訓練などを必要とするため、簡便な 評価法とは言い難力つた。

一方、肌表面の形態を計測し、肌表面の性状を評価する技術が開発されている。

例えば、皮膚表面のレプリカの 3次元形状を測定し、測定データを音程信号に変換 して皮膚表面形態の状態を評価する方法 (特許文献 1)、皮膚の表面粗さを表すパラ メータを指標として、皮膚表面の形態的な特徴を検出する方法 (特許文献 2)、皮膚 表面の凹凸のデータを解析することにより肌表面状態の良好さを評価する方法 (特 許文献 3参照)が開示されている。

また、肌表面の性状を様々な方法で計測し、計測値の加工値などを用いて、肌の 状態を簡便に評価する技術も開発されている。例えば、皮膚表面やそのレプリカを適 当な光電変換手段で撮像して得られた画像情報をプログラムにより処理し、皮膚表 面形状や光学的性質を定量的に評価する方法も報告されている。例えば、皮膚のレ プリカに複数の光源を照射し、皮溝のパターンを抽出することにより、皮溝間隔や皮 溝方向を解析する装置 (特許文献 4参照)や皮膚表面画像の輝度を多段階のデジタ ル信号値に変換し、これを統計処理することにより皮膚表面形状を測定する方法 (特 許文献 5参照)等が開示されて、る。

このような方法により、高速'高精度に皮膚表面の形態情報を収集し、この常法に 基づいて肌の評価を簡便に行うことが可能になってきている。し力しながら、第三者 の目視による肌のなめらかさを形成する因子は未知のものもあり、さらにこれらの因子 どうしが複雑に関連していると考えられるため、現在の技術では肌のなめらかさの目 視評価値を的確に推定することは未だ困難である。

このような背景において、第三者の目視による肌のなめらかさを形成する重要な因 子を見出し、より、高速'高精度に肌のなめらかさの目視評価値を推定する技術の開 発が求められている。

一方、フラクタルという概念は、数学分野の研究において創造された自己相似的な 図形に用いられる幾何学的概念である。また、自然界には、フラクタルな形状を有し て!、るものが数多く存在して、ることが知られて!/、る。フラクタルな性質の形状を表現 する 1つの手段として、フラクタル次元を求めることが知られている。近年では、フラク タル次元を算出することにより、生体における特定の状態を判断する方法が報告され ている。例えば、被験者の特性不安レベルの生体信号をフラクタル解析し、統計的 データとの相関から不安レベルを評価する方法や (特許文献 6)、組織からの反射超

音波パルス信号をフラクタル解析して、組織の状態を調査する方法 (特許文献 7)、フ ラタタル解析を利用した悪性細胞の自動検出システム (特許文献 8)が開示されてヽ る。また、メラニン等の色素分布と肌の画像を構成する画素の輝度のフラクタル次元 の相関関係から、肌のメラニン色素分布を評価する方法が開示されている (特許文 献 9)。また、肌の性状値のフラクタル次元を指標とすれば、肌年齢の推定等が行え る可能性があることが報告されている(非特許文献 1)。し力しながら、フラクタル次元 の具体的な利用方法については明らかにされておらず、フラクタル次元と肌年齢の 関係やフラクタル次元と皮膚表面の立体形状の目視評価値等との関係は見出され ていない。

[0005] 特許文献 1 特開平 05 - 146412号公報

特許文献 2特開平 05 - - 329133号公報

特許文献 3特開平 04 - - 305113号公報

特許文献 4特開昭 61 - -64232号公報

特許文献 5特開平 02 - -46833号公報

特許文献 6特開 2001 - - 299702号公報

特許文献 7特表平 11 - - 507846号公報

特許文献 8特表 2001 - - 512824号公報

特許文献 9特開 2000- - 135207号公報

非特許文献 1:「肌画像の特徴量を利用した肌年齢推定方式と肌老化予防への対応 応用」(春日正男、首都圏北部四大学発新技術説明会平成 17年 12月 2日説 明資料)

発明の開示

[0006] このような状況下、本発明者らは、肌の形態、性質などを表す種々の性状値と、肌 の美しさや皮膚の立体形状などの目視評価値との関係について分析を行ってきた。 そして、これらの結果に基づいて、簡便、客観的かつ定量的に、肌の美しさや皮膚の 立体形状などの目視評価値を推定する方法を発明し、既に特許出願を行っている。 例えば、肌のレプリカの Raなどの粗さパラメータを使用し、目に見える肌の美しさを客 観的に評価する方法 (特願 2005— 327355号)、肌の表面の画像の表色系の画像 信号の分布のフラクタル次元又は肌の起伏値の分布のフラクタル次元から、皮膚表 面の立体形状の目視評価値を推定する方法 (特願 2006— 046654号)、肌の表面 の画像の表色系の画像信号の分布のフラクタル次元又は肌の起伏値の分布のフラ クタル次元から、肌の美しさの目視評価値を推定する方法 (特願 2006— 046659号 )である。

本発明は、肌状態の鑑別やィヒ粧料の適切な選択に有用な情報を与えるためのさら なる手段を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、肌のなめらかさの 目視評価値を推定する方法、肌のなめらかさの目視評価値を推定するための装置 及びプログラムを提供し、肌のなめらかさの目視評価値の推定を誰にでも簡便に客 観的かつ定量的に行えるようにすることを課題とする。また、本発明は、肌のなめらか さの目視評価値と大きく関係する肌の性状値、その加工値、これらの値の組み合わ せを見出し、肌のなめらかさの目視評価値を精度よく簡便に得る方法を提供すること を課題とする。

本発明者らは、上記課題を解決するために肌のなめらかさの目視評価値を的確に 推定する手段を求めて、さまざまな肌の性状値、その加工値、これらの数値を組み合 わせることにつ、て検討を行ってきた。

その過程で、本発明者らは、肌表面の表面性状を表すパラメータや起伏値の分布 のフラクタル次元と、肌を第三者が目視した実際の評価との関連性に着目した。そし て、肌表面の表面性状を表すパラメータである断面曲線パラメータ、粗さパラメータ、 うねりパラメータと、肌の性状値のフラクタル次元が、肌表面の目視評価とどのように 関連しているかについて分析を重ねてきた。その結果、肌表面の起伏値から算出し た粗さパラメータ及びフラクタル次元は、それぞれ肌のなめらかさを形成する重要な 因子を示す数値であることを見出した。そして、これらの数値及び年齢と、第三者の 目視による肌のなめらかさの評価結果の間には、ある関係があることを見出した。そし て、この関係を利用すれば、被験者の肌表面の粗さパラメータ及びフラクタル次元を 用いて肌のなめらかさの目視評価値を的確に推定できることを見出し、本発明を完 成するに至った。

すなわち、本発明は以下の通りである。

(1)被験者の肌表面の起伏値を取得する工程と、

該起伏値力肌表面の粗さパラメータを算出する工程と、

該起伏値力肌表面のフラクタル次元を算出する工程と、

予め用意した肌表面の粗さパラメータ、肌表面のフラクタル次元及び年齢と、肌の なめらかさの目視評価値の関係を示す重回帰式に、被験者の、前記算出した粗さパ ラメータ及びフラクタル次元、並びに年齢を代入し、肌のなめら力さの目視評価値を 得る工程

とを含む、肌のなめらかさの目視評価値の推定方法。

(2)前記粗さパラメータ力 Rmr、 RSm及び Raの少なくとも 1つであることを特徴と する、(1)に記載の方法。

(3)前記フラクタル次元が、ボックスカウンティング法により算出されることを特徴と する、(1)又は(2)に記載の方法。

(4)前記ボックスカウンティング法におけるボックスサイズの決定力ボックス内の前 記起伏値の標準偏差に基づいて行われることを特徴とする、 (3)に記載の方法。

(5)前記起伏値は、肌のレプリカ力も算出されることを特徴とする、(1)〜(4)の何 れか一に記載の方法。

(6) (1)〜(5)の何れか一に記載の肌のなめらかさの目視評価値の推定方法により 、皮膚外用剤の使用前後の肌のなめらかさの目視評価値を推定し、これらの目視評 価値を比較した結果を指標として皮膚外用剤を評価することを特徴とする、皮膚外用 剤の評価方法。

(7)被験者の年齢を入力する手段と、

被験者の肌表面の起伏値を取得する手段と、

該起伏値力肌表面の粗さパラメータを算出する手段と、

該起伏値から肌表面のフラクタル次元を算出する手段と、

予め用意した肌表面の粗さパラメータ、肌表面のフラクタル次元及び年齢と、肌の なめらかさの目視評価値の関係を示す重回帰式に、被験者の、前記算出した粗さパ ラメータ及びフラクタル次元、並びに年齢を代入し、肌のなめら力さの目視評価値を 得る手段と、

得られた目視評価値を表示する手段

とを含む、肌のなめらかさの目視評価値の推定装置。

(8)コンピュータを、

被験者の肌表面の起伏値から肌表面の粗さパラメータを算出する手段と、 被験者の肌表面の起伏値から肌表面のフラクタル次元を算出する手段と、 予め用意した肌表面の粗さパラメータ、肌表面のフラクタル次元及び年齢と、肌の なめらかさの目視評価値の関係を示す重回帰式に、被験者の、前記算出した粗さパ ラメータ及びフラクタル次元、並びに年齢を代入し、肌のなめら力さの目視評価値を 得る手段

として機能させるための肌のなめら力さの目視評価値の推定プログラム。 図面の簡単な説明

[0009] [図 1]顔部位の計測対象領域の例を示す図である。

[図 2]レプリカから得た起伏値データを Sine関数により補正したものを示す図である。

[図 3]ボックスカウンティング法における、分割の概念を示す図である。

[図 4]ボックスカウンティング法のカウントの概念を示す図である。

[図 5]フラクタル次元を示す図である。

[図 6]本発明の推定装置の一例である、推定装置 aのハードウェアブロック図である。

[図 7]起伏値のフィルター処理の概念を示す図である。

[図 8]目視評価に用いる肌の画像の例を示す図である(写真)。

[図 9]加齢プロセスにおけるトタン板状ィ匕を示す図である。

[図 10]式 (7)を用いて推定した肌のなめらかさの目視評価値と、実際の肌のなめらか さの目視評価値との関係 (散布図)を示す図である。

[図 11]式 (9)を用いて推定した肌のなめらかさの目視評価値と、実際の肌のなめらか さの目視評価値と関係 (散布図)を示す図である。

発明を実施するための最良の形態

[0010] 本発明の肌のなめらかさの目視評価値の推定方法 (以下、「本発明の推定方法」と もいう。)は、以下の工程を含むことを特徴とする。

(A)被験者の肌表面の起伏値を取得する工程

(B)該起伏値力肌表面の粗さパラメータを算出する工程

(C)該起伏値力肌表面のフラクタル次元を算出する工程

(D)予め用意した肌表面の粗さパラメータ、肌表面のフラクタル次元及び年齢と、 肌のなめらかさの目視評価値の関係を示す重回帰式に、被験者の、前記算出した粗 さパラメータ、フラクタル次元、及び年齢を代入し、肌のなめらかさの目視評価値を得 る工程

[0011] 本発明の推定方法において、「肌のなめらかさの目視評価値」とは、第三者が肌を 目視した場合に、肌がどの程度なめらかに見えるかを現す統計的な評価値であり、 具体的には、ある肌と別の肌とを見比べた場合に、どちらの肌がなめらかに見えるか の判定を繰り返して得られる統計的な評価値である。すなわち、本発明の推定方法 において、「肌のなめらかさの目視評価値」は、目視により得られた情報を人間の精 神活動により加工、処理して得られる主観的な評価値ではな、。

[0012] (A)被験者の肌表面の起伏値を取得する工程

起伏値とは、ある対象の表面を覆う点が、基準面力もどれぐらいの高さであるかを示 す数値である。肌表面の起伏値の測定方法は、通常用いられる方法で行うことがで き、肌から直接測定してもよいし、肌のレプリカを作製して測定してもよいが、正確な 計測値を得る観点力もは、肌のレプリカを作製して測定することが好ま、。

[0013] 肌のレプリカを作製するのに用いられるレプリカ剤は、通常肌の診断などに用いら れるものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、シリコンやポリビニール アルコール (PVA)被膜を利用したレプリカ剤が好ましく示される。このようなレプリカ 剤としては、有限会社アサヒバイオメッドのシリコン ASB— 01—WW等が例示できる 。また、被験者の肌の表面のレプリカを取得する対象とする肌の部位は、肌のなめら 力さの目視評価値を推定したい部分であれば特に制限されず、頰などの顔面皮膚、 上腕内側部などが挙げられる。肌のなめらかさの目視評価値を化粧料の選択などに 利用する場合には、頰のレプリカを取得することが好ましい。例えば、頰部の 2cm * 2cm (図 1参照)の測定領域を設定し、これを含む部分のレプリカを取得すればょ、。 また、レプリカを取得する方法は、肌の形状などを診断するのに用いられる常法によ り行うことができる。例えば、洗顔後 20°C、 50%湿度下で 20分程度おいた肌にレプリ 力剤を適用し、これを採取すればよい。

[0014] レプリカから起伏値を取得する方法は、特に制限されず、通常の方法を用いること ができる。例えば、「シヮ評価法ガイダンス」、日本香粧品科学会誌別冊 Vol. 28, No .2 (2004)を参照することができる。

具体的には、例えば、市販のレーザータイプの 3次元表面粗さ計を利用して、図 1 に示すような顔の部分力採取したレプリカに対して水平方向(X方向)及び垂直方 向(y方向)にレーザースキャンを行って測定する方法が挙げられる。このような 3次元 粗さ計として、例えば、株式会社サイエンスシステムズ社の高精度 3次元画像処理装 置 LIP (例えば LIP— 50)、株式会社東京精密の SURFCOM、レーザーテック株式 会社の VLH、 PRIMOS (GFM社製)、 derma- TOP- blue (Breuckmann社製)等が 挙げられる。これらの機器を用いて起伏値を測定する際のスキャンの間隔は、粗さパ ラメータを算出するのに十分なデータが得られる範囲であれば特に制限されないが、 10 /z m以下の間隔で行うことが好ましい。例えば、 LIP— 50を用いてスキャンする場 合には、 x* yが lcm * 1cmのレプリカ領域に対して、 x方向及び Z又は y方向垂直 方向について 10 m間隔で 1000本の走査を行うことができる。

また、このようにして起伏値を得る際、 X方向と y方向のサンプリング周期が異なる場 合は、 Sine関数を用いてサンプリング周期を補正することが好ましい(図 2参照)。か ような補正によって、後述するフラクタル次元を正確に算出することができるからであ る。

[0015] また、光投射装置などを用いて斜光照明をレプリカに照射し、レプリカ凸部の影部 分を抽出し、その面積 ·幅等力肌の凹部の深さ、面積率等を計測する方法によって 、起伏値を得ることもできる。このような斜光照明の照射による起伏値の取得は、簡便 である点で好ましい。この方法による起伏値の取得は、例えば反射用 3Dレプリカ解 析システム (アサヒバイオメッド)等を用いて行うことができる。

[0016] また、半透明レプリカに光を照射し、透過した光量からレプリカの厚さを求め、レプリ 力の起伏値を得ることもできる(半透明レプリカ光透過法)。この方法による起伏値の 取得は、例えば、 3D皮膚解析システム ASA— 03 (アサヒバイオメッド)等を用いて行 うことができる。

[0017] また、肌から直接起伏値を得る方法として、例えば、格子状の光を肌に当てその光 のゆがみの特性を起伏値に換算する方法が挙げられ、市販されている機器を用いて 行うことができる。例えば、前記の PRIMOSや derma- TOP- blue等の機器を用いるこ とがでさる。

[0018] (B)粗さパラメータの算出

上記のようにして求めた肌表面の起伏値から、被験者の肌表面の粗さパラメータを 算出する。

「粗さパラメータ」とは、 JIS規格で定められる粗さ曲線力計算されるパラメータ、及 びこれらのパラメータの 3次元拡張版 (3次元表面性状パラメータ)をいう。

[0019] JIS規格で定められる粗さ曲線力も計算されるノメータとしては、「製品の幾何学 特性仕様 (GPS)—表面性状:輪郭曲線方式—用語,定義及び表面性状パラメータ 、 JISB0601 : 2001 Jに規定される、 Ra (粗さ曲線の算術平均長さ)、 RSm (粗さ曲線 の平均長さ)、 Rmr (粗さ曲線の負荷長さ率)、 Rp (粗さ曲線の最大山高さ)、 Rv (粗さ 曲線の最大山深さ)、 Rz (粗さ曲線の最大高さ)、 Rc (粗さ曲線の平均高さ)、 Rt (粗 さ曲線の最大断面高さ)、 Rq (粗さ曲線の二乗平均平方根高さ)、 Rsk (粗さ曲線のス キューネス)、 Rku (粗さ曲線のクルトシス)等が挙げられる。本発明の推定方法にお いては、 Ra、 RSm及び Rmrを用いることが好ましぐ Rmrを用いることが特に好まし い。これらの粗さパラメータは、起伏値を測定した領域から得られるどの方向の断面 曲線カゝら抽出してもよヽ。粗さパラメータとして Rmr (水平方向の Rmr)を用いる場合 には水平方向(図 1参照)の断面曲線力抽出した粗さ曲線から求めることが好まし い。

また、 3次元表面'性状ノラメータとしては、 Sa、 Sp、 Sv、 Sz、 Sq、 Ssk、 Sku、 Smr 等が挙げられる。

[0020] また、本発明の推定方法においては、前記解析の面積が可及的に小さい場合、或 いは解析面のうねりの平坦さが確保できているような場合など、断面曲線の長波長成 分が小さい場合には、 Pa、 PSm、 Pmrなどの断面曲線パラメータを、粗さパラメータ とみなして用いることちでさる。

[0021] 肌表面の粗さパラメータの算出は、以下のようにして行う。

まず、取得した起伏値から肌表面の断面曲線を得て、これをフィルター処理してう ねり曲線 (長波長成分)と粗さ曲線 (短波長成分)に分離する。フィルター処理として は、ガウシアン(Gaussian)フィルター処理、 2CRフィルター処理等が挙げられる。本 発明の推定方法においては、ガウシアンフィルター処理を用いることが好ましい。フィ ルターのカットオフ値え cは 3. 5〜0. 5mmが好ましい。

粗さ曲線からの粗さパラメータの算出は、 JIS規格に基づいた方法により行う。 Rmr 、 RSm、 Ra、 Rp、 Rv、 Rz、 Rc、 Rt、 Rq、 Rsk、 Rkuのパラメータについては、「製品 の幾何学特性仕様 (GPS)—表面性状:輪郭曲線方式-用語,定義及び表面性状 パラメータ, JIS B 0601 : 2001」に基づいた方法で算出すればよい。 3次元表面性 状パラメータの算出方法としては、例えば、 HYPERLINK "http://orion.nagaokaut.ac . jp/ 3Dpara/ index.html http://onon.nagaoKaut.ac.jp/3Dpara/index.htmlを参照する ことができる。また、これらの表面粗さパラメータを算出するには、例えば、 3次元表面 粗さ計に付属のソフトウェア、(有)アサヒバィォメッドのレプリカ解析ソフト ASA— 03 — R、 TalorHobson社の Talymap3D分析ソフトウェア等の汎用ソフトウェア、又は 特注したソフトウェアを用いることができる。

[0022] (C)フラクタル次元の算出

上記で取得した肌表面の起伏値から、肌表面のフラクタル次元を算出する。

フラクタル次元を算出する方法としては、ボックスカウンティング法 (box -counting) 、相関次元法、 fractional Brownian motion modelなどが挙げられる。

[0023] ボックスカウンティング法とは、対象を完全に覆う正方形(立方体)を任意の大きさの 正方形 (立方体)で分割し、その正方形 (立方体)の大きさとその対象の一部を覆う分 割正方形(立方体)の数との関係から、フラクタル次元を求める方法である。ある形状 が具体的には、対象を完全に覆う正方形 (立方体)を一辺の長さ hで分割した場合の 対象の一部を覆う正方形(立方体)の数を N (h)とした場合に、 rと N (h)の間に、 N (h) =c'h— D (cは定係数)…ひ)

という近似式がよい相関で成り立つ場合に、その対象はフラクタルな形状であるとい え、このとき、式(1)における Dがフラクタル次元となる。従って、ボックスカウンティン グ法により、フラクタル次元 Dを求めるためには、 c ·hとN (h)を対数プロットし、得られ

た直線の傾きを求めればょ、。

[0024] このようなボックスカウンティング法は、非常に簡便であり、計算機での高速処理が 可能であるが、対象のフラクタル次元が半整数値カゝら遠いほど、その解析精度が低 下する。そこで、一般的なボックスカウンティング法のように単に対象の一部がボック ス内に入る力否かを判定するのではなぐボックス内のデータの標準偏差に基づいて 有効的なボックスサイズを決定し、対象の一部がボックス内に入るか否かを判定する 工程を含む方法を用いることが好まし、。

[0025] このようなフラクタル次元の算出は、具体的に以下のような方法で行うことができる。

(1)まず図 3に示すように、サイズ XX Yに存在する 2次元離散データ f (x, y)をサイ ズ hX h (m個)の領域 S (X, y)に分割する。本発明におけるデータは、上記で取得し た起伏値、すなわち基準面力もの高さのデータである。 hは、任意に決定することが できる。

[0026] (2)領域 S 1〜S mのそれぞれについて、起伏値の標準偏差 σ σ を以下の式(2) により求める(図 4参照)

[0027] [数 1]

Λ:領域 Sのデータ数(Λ χ /;)

σ,. = JJ:領域 sをラスタ走査したときの j点でのデ—タ値 :領域 s内のデータの平均


• · · ( 2 )

[0028] (3)サイズ hでの N (h)を以下の式(3)により計算する。

[0029] [数 2]


[0030] このようにして N (h)を計算することにより、 11 11の領域3における標準偏差を有効 的なボックスの高さとしてボックスの個数をカウントすることができるため、データ計測 のノイズ等の突発的なノイズの影響を抑制することが可能となる。また、フラクタル次 元の推定に不可欠である、 1〜2桁近くの広いスケーリング範囲が得られる。

[0031] (4)サイズ hを大きくして f (x, y)を再分割し、(1)〜(3)の手順を用いて同様に N (h )を計算する。

(5) h=X、又は h=Yとなるまで (4)を繰り返し、 N (h)を計算する。

(6) logN (h)と loghの関係を表すグラフの傾き力フラクタル次元 Dを求める(図 5 参照)。

[0032] (D)重回帰式を用いた肌のなめらかさの目視評価値の推定

(D— 1)重回帰式の作成

上記 (b)で求めた被験者の肌表面の粗さパラメータ、 (c)で求めた被験者の肌表面 のフラクタル次元、及び被験者の年齢を用いて、被験者の肌のなめらかさの目視評 価値を推定する。該目視評価値の推定に利用する肌表面の粗さパラメータ、肌表面 のフラクタル次元及び年齢と、皮膚表面の立体形状の目視評価値の関係を示す重 回帰式は、以下のようにして予め用意しておく。このようにして作成した重回帰式は、 後述する目視評価値の推定に利用可能なように、保存しておくことが好ましい。

[0033] 重回帰式は、例えば以下の方法で作成することができる力該方法に限定されな、

(1)肌の状態や年齢などが十分に分布した肌 (以下、「サンプル」ともいう。)の起伏 値を取得し、取得した起伏値力粗さパラメータと、フラクタル次元を算出する。起伏 値の取得、粗さパラメータ及びフラクタル次元の算出は、上述した方法と同様に行う ことができる。このとき用いるサンプルの数は、 30以上、好ましくは 50以上、さらに好 ましくは 200以上である。

[0034] (2)次に、第三者を代表するのに適当な評価者を用意し、前記サンプルを提示し、 肌のなめらかさを目視により評価してもらう。この評価に用いるサンプルは、肌そのも のでも良いし、肌の写真や画像でも良い。写真や画像を用いる場合には、色味要素 を除くため、グレイスケールィ匕することが好ましい。これらの評価は、得点付けのような 絶対的な評価であってもよ、が、客観性を担保するために別のサンプルと比較して

順位付けを行うなどの相対的な評価であることが好ましい。順位付けにおいては、差 力 い場合は、同順位とすることもできる。この際、さらに客観性を担保するために、 評価は目視によってのみ認識できる肌の要素のみに基づいて行うことを説明すること が好ましい。ここで、第三者を代表するのに適当な評価者とは、少なくとも「肌のなめ らかさ」の意味を理解できるものであればよぐ年齢や性別は問わない。また、評価者 の数は、通常 4名以上、好ましくは 10名以上である。

[0035] (3) (2)の評価は、繰り返し行うことが好ましい。繰り返しの回数は、評価者の数など により適宜調節すればよい。客観的な評価結果を得るために、通常 3回以上、好まし くは 4回以上、さらに好ましくは 5回以上評価を繰り返すのがよい。

[0036] (4)次に、(3)の評価結果を統計処理し、各サンプルごとに皮膚表面のなめらかさ の目視評価値を算出する。この統計処理に用いる目視評価値は、得られた得点その ものであってもよいし、順位付けによる相対的な評価を行った場合は、順位そのもの であっても、肌のなめらかさが良好な昇順に高い数値を与えた得点であってもよい。 またこれらの目視評価値は、サンプルごとの合計であってもよいし、平均値であっても よい。例えば、 n個のサンプルについて順位付けを行った場合に、 i番目のスコアを n i+ 1として、各サンプルの合計スコアの平均値を求め、目視評価値とすることがで きる。また、サンプルの平均値と標準偏差力も各サンプルの偏差値を求め、目視評価 値としたり、これらの値を任意の段階に分割して目視評価値とすることもできる。

[0037] (5)次に、(1)で求めた粗さパラメータ及びフラクタル次元、並びに年齢を説明変数 とし、 4)で求めた肌のなめらかさの評価値を目的変数として、重回帰分析 (MRA)し 、重回帰式を求める。このような重回帰分析は、常法により行うことができ、例えば、巿 販されて!/、る統計処理用ソフトウエアを用いて行うことができる。このときに用いる粗さ パラメータは、一種であっても、複数種であってもよい。

[0038] (D— 2)肌のなめら力さの目視評価値の推定

上記 (B)、(C)で求めた被験者の肌表面の粗さパラメータとフラクタル次元、及び被 験者の年齢を、(D—1)の方法等より予め用意した、肌表面の粗さパラメータ、肌表 面のフラクタル次元及び年齢と、肌のなめら力さの目視評価値の関係を示す重回帰 式に代入し、被験者の肌のなめらかさの目視評価値を推定する。このようにして推定

された肌のなめらかさの目視評価値は、そのまま得られた数値で表示することもでき る力偏差値や予め規定したランクなどのデータに加工することにより、カウンセリング やアドバイスの場面において使用しやすいものとなるため好ましい。例えば、肌のな めらかさの目視評価値の推定に用いる重回帰式の作成において、用いたサンプル の目視評価値の最低値と最大値の間を任意の複数のランクに等分し、それぞれのラ ンクをアルファベットや数字で表示したり、なめら力さの程度を示す言葉などで表示し ておけば、被験者について推定された目視評価値を、ランクや言葉により表示するこ とがでさる。

本発明の推定方法は、皮膚外用剤の評価に応用することができる。皮膚外用剤の 中でも、特に化粧料の評価に好適に応用することができる。

すなわち、本発明の推定方法を用いた皮膚外用剤の評価方法 (以下、「本発明の 皮膚外用剤の評価方法」ともいう。)は、本発明の推定方法により、皮膚外用剤の使 用前後の肌のなめらかさの目視評価値を推定し、これらの目視評価値を比較した結 果を指標として、皮膚外用剤を評価することを特徴とする。具体的には、皮膚外用剤 の使用前に、被験者の肌表面の粗さパラメータ及びフラクタル次元を算出し、予め用 意した重回帰式に算出した粗さパラメータ及びフラクタル次元、並びに被験者の年齢 を代入して、皮膚外用剤の使用前の肌のなめらかさの目視評価値を推定する。そし て、皮膚外用剤の使用後に同じ手順で、肌のなめらかさの目視評価値を推定し、皮 膚外用剤の使用前後の肌のなめらかさの目視評価値を比較する。得られた皮膚外 用剤の使用後の肌のなめらかさの目視評価値が、皮膚外用剤の使用前の肌のなめ らかさの目視評価値より、良好な値を示せば、その皮膚外用剤は肌のなめらかさを向 上させる作用を有すると評価することができ、その増大の程度が大きいほど皮膚外用 剤の肌のなめらかさに対する有効性が高いと評価することができる。反対に、皮膚外 用剤の使用後の肌のなめらかさの目視評価値が、皮膚外用剤の使用前の肌のなめ らかさの目視評価値と同じか、これより良好でない値を示せば、その皮膚外用剤は、 肌のなめらかさに対して影響を与えない、又は肌のなめらかさを低下させる作用を有 すると評価することができる。

本発明の皮膚外用剤の評価方法は、評価者が変わっても結果にばらつきが生じる ことがなぐ変化量の小さい変化も的確に捉えることができるという利点を有する。

[0040] 本発明の推定方法を実施するためには、以下に説明する肌のなめらかさの目視評 価値の推定装置 (以下、「本発明の推定装置」ともいう。)を用いることが好ましい。本 発明の推定装置は、以下の手段を含むことを特徴とする。

(A)被験者の年齢を入力する手段

(B)被験者の肌表面の起伏値を取得する手段

(C)該起伏値力も肌表面の粗さパラメータを算出する手段

(D)該起伏値力肌表面のフラクタル次元を算出する手段

(E)予め用意した肌表面の粗さパラメータ、肌表面のフラクタル次元及び年齢と、 肌のなめらかさの目視評価値の関係を示す重回帰式に、被験者の、前記算出した肌 表面の粗さパラメータ及びフラクタル次元、並びに年齢を代入し、肌のなめらかさの 目視評価値を得る手段

(F)得られた目視評価値を出力する手段

本発明の推定装置における各用語の定義は、上記本発明の推定方法における定 義と同じである。

[0041] 以下、図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を具体的に説明す る。但し、以下の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。 図 6は、被験者の年齢の入力、被験者の肌表面のレプリカの設置を行うと、レプリカ 力 肌表面の起伏値を取得した後、該起伏値力肌表面の粗さパラメータ及びフラク タル次元を算出し、これらの数値と入力された年齢を装置内に格納されている重回 帰式に代入して、肌のなめらかさの目視評価値を得て、これを表示する装置 (推定装 置 a)のハードウェアブロック図である。

図 6に示すように、推定装置 aは、年齢入力部 1、起伏値取得部 2、 CPU (Central Processing Unit) 3、 ROM (Read Only Memory) 4、 RAM (Random Acc es Memory) 5、磁気ディスク装置 6、記録部 7、操作部 8、表示部 9を有している。こ れらは、相互にバスを介して接続されている。年齢入力部 1は、(A)被験者の年齢を 入力する手段であり、キーボード、マイクなどの入力装置とすることができる。起伏値 取得部 2は、(B)被験者の肌表面の起伏値を取得する手段であり、 3次元粗さ計など の肌の表面の起伏値を計測する装置とすることができる。 CPU3は、(C)肌表面の粗 さパラメータを算出する手段、及び (D)肌表面のフラクタル次元を算出する手段、(E )重回帰式に、被験者の、前記算出した肌表面の粗さパラメータ及びフラクタル次元 、並びに年齢を代入し、肌のなめらかさの目視評価値を得る手段であり、 ROM4に 記憶されているプログラムに従って、取得された起伏値から、粗さパラメータの算出及 びフラクタル次元の算出や、 ROM4に記憶されている重回帰式によって肌のなめら かさの目視評価値の算出を行う処理等を実行する。 ROM4には、推定装置 Aが機能 する上で必要なプログラムゃ目視評価値の算出に必要な重回帰式などが記憶され ている。 RAM5は、 CPU3に実行させる OS (Operating System)のプログラムや アプリケーションプログラムの一部が一時的に格納される。磁気ディスク装置 6は、 R AM5の外部記憶として用いられ、記録部 7を有している。操作部 8は、所定のコマン ドゃ重回帰式などの必要なデータを入力するときなどに操作される。表示部 9は、 (F )得られた目視評価値を出力する手段であり、例えば、液晶ディスプレイなどの表示 装置やスピーカーなどの音声出力装置、プリンタなどの出力装置とすることができる。

[0042] また、本発明は、コンピュータ、その他の装置、機械等に前記処理の一部又は全部 を実行させるプログラムも提供する。また、本発明は、このようなプログラムをコンビュ ータ等が読み取り可能な記録媒体に記録したものも提供する。

実施例

[0043] 以下に、本発明を実施例などを参照して詳細に説明する力これにより本発明の範 囲が限定されることはない。

[0044] <重回帰式の作成 >

10〜50代の 248名の女性の頰部(以下、「サンプル」ともいう。 )について、肌表面 の粗さパラメータ、肌表面のフラクタル次元及び年齢と、肌のなめらかさの目視評価 値との関係を解析した。

まず、洗顔 20分後に、図 1に示す部位を中心として、市販のデジタルカメラ (Nikon

D100,レンズ: 60mm Macroレンズ)を利用して 20cmの距離で撮影して画像を得た。 この画像から図 1に示す部位の中心から 1. 5cm四方を 300ピクセルの解像度で切り 出して、サンプル画像とした。

次に同部位の 2cm * 2cmより(有)アサヒバイオメッドのシリコン ABS— 01— WWを 用いて、頰部のレプリカを採取した後、株式会社サイエンスシステムズ社の高精度 3 次元画像処理装置 LIP— 50を用い、レプリカの中央部の lcm* 1cmの領域につい て、 y方向(垂直方向)(図 1参照)に 10 m間隔で 1000本のレーザースキャンを行 つて起伏値を得た。次に、 LIP— 50の X方向と y方向のサンプリング周期は、それぞ れ 9. 4 /ζ πι、 10 /z mと異なることから、 Sine関数を用いて x方向と y方向の間隔が何 れも 10 mとなるように補完処理をした。

この起伏値力得た断面曲線をフィルター処理し(図 7参照)、 JIS B0601 : 2001 に基づいて粗さパラメータの Rmr、 RSm、 Ra、 Rp、 Rv、 Rz、 Rc、 Rt、 Rq、 Rsk、 Rk uを算出した。それぞれの粗さパラメータは、水平方向及び垂直方向の断面曲線そ れぞれから得た。

また、前記ボックスカウンティング法をコンピュータに実行させるプログラムを用いて 、フラクタル次元を算出した。すなわち、前記ボックスカウンティング法において、 X= 1000、 Y= 1000、 hを 2、 4、 8、 16 · · · 2ηと変化させ、各 hに対して N (h)を算出した

この算出結果から、 loghに対して logN (h)をプロットし、各サンプルについてフラク タル次元を求めた。

[0045] 上記で撮影してぉ、たサンプル画像にっ、て、 5人の評価者に目視評価を行って もらった。画像は、色味要素を除くためアドビシステムズ (株)の AdobePhotoshop ( 登録商標)でグレイスケールィ匕した(図 8参照)。続いて、このサンプル画像を乱数で 各年代が均等に含まれるように 5群に分け(50名 X 4群 +48名 X I群)、各群、 5人の 評価者によって肌がなめらかである順に順位付けを行ってもら、、それぞれの群に おいて、最もなめらか〜最もなめらかでないで、 1〜50点となるように点数を均等分 配した。各サンプル画像の合計スコア力も平均値を得て、肌のなめらかさの目視評価 値とした。

[0046] 続いて、上記で算出した粗さパラメータと年齢の関連性について解析した。その結 果、 Ra及び垂直方向の断面曲線から得られた Rmrが、年齢と共に単調に増加する のに対し、 RSmと水平方向の断面曲線力得られた Rmrは、 30才代で最大ピークを

示すことが明ら力となった。これより、代表的な加齢プロセスにおいては、肌表面に毛 穴レベルの凹凸の形成 ·拡大にカ卩え、凹凸構造のふちの後退とたるみに基づぐ方 向性を持った凹凸構造の出現、すなわちトタン板状ィ匕が起こることが確認された(図 9 参照)。さらに、これらの粗さパラメータのうち、 Rmr、特に水平方向の Rmrは、フラク タル次元との関連性が低、ことも判った。

次に、前記で得た肌のなめらかさの目視評価値 (z)を目的変数として、上記で得た それぞれの肌表面の粗さパラメータ (a)、フラクタル次元 (b)、年齢 (c)を説明変数と して、重回帰分析を行って重回帰式 (予測式)を得た。

その結果、粗さパラメータとして、 Ra、 RSm又は Rmrを用いると、肌のなめらかさの 目視評価値と高い相関が得られることが判明した。中でも、水平方向及び垂直方向 の断面曲線力得られた Ra又は水平方向の断面曲線力得られた Rmrを用いると、 肌のなめらかさの目視評価値と高い相関が得られることが判明した。

水平方向の断面曲線力得られた Rmr、フラクタル次元及び年齢と、肌のなめらか さの目視評価値の関係を示す重回帰式は、

z (肌のなめらかさの目視評価値) = 3. 77 * a (Rmr) + 117. 3 * b (フラクタル次元 )— 0. 379 * c (年齢)— 235. 62 …(7)

であり、重相関係数は 0. 706、 P< 0. 01であった。

また、水平方向の Ra、フラクタル次元及び年齢と、肌のなめらかさの目視評価値の 関係をを示す重回帰式は、

z (肌のなめら力さの目視評価値)=ー0. 694 * a (Ra) +83. 7 * b (フラクタル次 元)— 0. 388 * c (年齢)— 155. 63 …(8)

であり、重相関係数は 0. 710、 Pく 0. 01であった。

式(7)及び式 (8)に示すように、フラクタル次元及び表面粗さパラメータと肌のなめ らかさの目視評価値とは、高い相関関係を有することが分かる。

なお、垂直方向の Raを用いた場合も、水平方向の Raを用いた場合と同様に、高い 重相関係数が得られた。

また、比較のために、目視評価値 (z)を目的変数として、上記で得たそれぞれの肌 表面のフラクタル次元 (b)を説明変数として、回帰分析を行って回帰式 (予測式)を

得た。フラクタル次元と肌のなめらかさの目視評価値の関係を示す回帰式は、 z (肌のなめらかさの目視評価値) =— 162. 81b (フラクタル次元) + 396. 96 · · · ( 9)

であり、相関係数は。. 603、 P< 0. 001であった。

[0047] 式(7)及び式(9)を用いて得られた上記 248個の各サンプルの肌のなめらかさの 目視評価値 (Measured)と、上記評価者の評価により得られた目視評価値の関係( 散布図)を、それぞれ図 10及び図 11に示す。これらの図より、フラクタル次元のみを 用いても、肌のなめらかさの目視評価値を推定できるが、フラクタル次元とは相関性 が極めて低い粗さパラメータと年齢をさらに用いると、高精度に肌のなめら力さの目 視評価値を推定できることが判る。

[0048] <実施例 1 >

レプリカを用いた肌のなめら力さの目視評価値の推定

前記 248名に含まれない 18〜53才の 5名の女性被験者を対象に、前記の方法に て、頰部のレプリカを採取し、粗さパラメータ及びフラクタル次元を算出した後、前記 式(7)及び式 (8)に、これらの算出した粗さパラメータ及びフラクタル次元、並びに女 性被験者の年齢を代入して、肌のなめらかさの目視評価値を推定した。

また、前記の方法と同様に、頰部の画像を用いて肌のなめらかさの目視評価値を 得て、この目視評価値を、上記の式 (7)及び式 (8)を用いて推定した目視評価値と 比較した (表 1)。表 1より、式 (7)及び式 (8)を用いて推定した目視評価値と、頰部の 画像の目視評価により得られた目視評価値は、極めて近い値であることが分かる。こ れより、本発明の推定方法によれば、極めて簡便、高精度に肌のなめらかさの目視 評価値の推定が行えることが判る。

[0049] [表 1]

表 1


[0050] <実施例 2 >

皮膚外用剤の評価

30〜50才の 10名の女性被験者に、現在使用中のクリームに代えて、下記表 2に 示すコラーゲン線維束再構築剤入りの皮膚外用剤を用いて、 1ヶ月間の実使用テス トを行った。実使用テストの前後に、肌の頰部よりレプリカを採取し、前記方法に従つ て、水平方向の断面曲線力得られる Rmr及びフラクタル次元を算出した後、これら の数値と、女性被験者の年齢を上記で得た式 (7)に代入して、第三者の目に映る肌 のなめら力さの目視評価値の推定値を求めた。実使用テスト前の三者の目に映る肌 のなめらかさの推定値は、 31. 7± 9. 0であったが、実使用テスト後は、 27. 9±8. 7 と減少した (対応ある t 検定で有意な差あり、 P< 0. 001)。これより、当該皮膚外用 剤は、肌のなめらかさを向上させる作用を有すると評価することができた。

[0051] [表 2]

表 2

(A) POE (3) セチノレエーテノレ 2 0 質量% グリセリンモノステアレート 1 0 0 質量% 流動バラフィン 1 0 0 質量%

2ーェチルへキサン酸トリグリセライド 4 9 質量% セタノ一ル 5 0 質量% ゥルソール酸べンジル 0 1 質量% 防腐剤 0. 2 質量%

(B) プロピレングリコール 1 0. 0 質量% 精製水 5 7. 8 質量% 調製方法 (A) の各成分を合わせ、 8 0°Cに加熱する。(B) の各成分を合 わせ、 8 0°Cに加熱する。(A) の処方分を撹拌しながら、それに (B) の処方分を加え撹拌乳化し、その後冷却する。

産業上の利用の可能性

本発明によれば、第三者の目視による肌のなめら力さを、誰でも簡便且つ的確に推 定することができる。本発明の方法を用いて肌のなめらかさを評価することにより、肌 のカウンセリングやィ匕粧料の適切な選択において、被験者に簡便に有用な情報を与 えることができる。