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1. WO2016104452 - APPAREIL DE CULTURE DE CELLULES ET SAC DE CULTURE DE CELLULES

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明 細 書

発明の名称 細胞培養装置および細胞培養バッグ

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

発明の効果

0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055  

符号の説明

0056  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1A   1B   2A   2B   3A   3B   4   5   6A   6B   7A   7B   8A   8B   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 細胞培養装置および細胞培養バッグ

技術分野

[0001]
 本発明は、細胞培養バッグおよび細胞培養バッグを用いた細胞培養装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 近年、幹細胞研究や再生医療の進展に伴い、臨床用途の細胞を大量に調製することが要求されている。細胞を大量に培養する際、フラスコまたはシャーレに代えて、ガス透過性の素材からなる袋状の培養バッグを用いることが多くなってきた(例えば、特許文献1参照。)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2000-125848号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 細胞は培養中に酸素や栄養分等の生育に必要な成分を取り込み、二酸化炭素や老廃物を排出する。したがって、細胞の長期間にわたる培養においては、培地が劣化してしまうので培地を定期的に交換する必要がある。しかし、培地の交換には、作業者の手間とコストがかかるとともに、細胞培養系が細菌などにより汚染される可能性がある。したがって、可能な限り培地交換の作業を簡易に行うことが要求されている。
[0005]
 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、細胞培養バッグを用いた培養において、培地交換や細胞継代を簡易に行うことができる細胞培養装置およびその装置で使用する細胞培養バッグを提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
 本発明の一態様は、内部に細胞および培地を収容可能であり、長手方向の両端に開口部を有する管形状膜素材からなり、一方の前記開口部から他方の前記開口部に向け前記管形状膜素材の長手方向に前記培地の流路を形成する細胞培養バッグと、前記一方の開口部と接続し、前記細胞培養バッグ内に溶液を供給するための溶液供給手段と、前記他方の開口部と接続し、前記細胞培養バッグ内から溶液を排出するための溶液排出手段とを備えた細胞培養装置である。
[0007]
 本態様によれば、培養期間中に作業者が簡便に培地交換の作業を行うことができる。また、細胞培養バッグが流路を形成するため、限られた空間で細胞の接着面積を大きくすることができ、培養可能な細胞の量を増やすことができる。
[0008]
 上記態様においては、前記細胞培養バッグの少なくとも一部を収容し、内部に溶液を保持可能な収容容器と、該収容容器に溶液を供給するための収容容器溶液供給手段と、前記収容容器から溶液を排出するための収容容器溶液排出手段とをさらに備え、前記細胞培養バッグの少なくとも一部が多孔質膜からなっていても良い。
 このことにより、培地交換および細胞の継代を簡易に行うことができる。
[0009]
 上記態様においては、前記溶液排出手段は、前記細胞培養バッグ内から溶液を吸引するための溶液吸引手段を備えていても良い。
 上記態様においては、前記収容容器溶液排出手段は、前記収容容器内から溶液を吸引するための溶液吸引手段を備えていても良い。
 このことにより、作業者は溶液吸引手段を操作することにより簡便に培地交換および細胞継代を行うことができる。
[0010]
 上記態様においては、前記溶液供給手段は、前記細胞培養バッグ内へ溶液を送り込むための溶液送出手段を備えていても良い。
 上記態様においては、前記収容容器溶液供給手段は、前記収容容器内へ溶液を送り込むための溶液送出手段を備えていても良い。
 このことにより、作業者は溶液送出手段を操作することにより簡便に培地交換等を行うことができる。
[0011]
 上記態様においては、前記溶液吸引手段および前記溶液送出手段のうちの少なくとも一方を遠隔的に制御する制御手段を備えていてもよい。
 このことにより、任意のタイミングで遠隔的に細胞培養バッグ内の溶液を交換することができる。
[0012]
 上記態様においては、前記溶液供給手段が、培地の温度を制御する温度制御手段を備えていてもよい。
 このことにより、細胞培養に適した温度の培地を提供することができ、細胞に不要なストレスを与えずにすむ。
[0013]
 上記態様においては、前記溶液供給手段が、培地に酸素を供給するための酸素供給手段を備えていてもよい。
 このことにより、細胞の生育により適した環境を提供することが可能になる。
[0014]
 本発明の他の一態様は、内部に細胞および培地を収容可能であり、長手方向の両端に開口部を有する管形状膜素材からなり、一方の前記開口部から他方の前記開口部に向け前記管形状膜素材の長手方向に前記培地の流路を形成し、前記管形状膜素材は、前記流路を屈曲するために、内部に培地を保持した状態で屈曲可能な柔軟性を有している細胞培養バッグである。

発明の効果

[0015]
 本発明によれば、細胞培養バッグを用いた細胞培養において、培地交換や細胞継代を簡便に行うことができ、煩雑な培地交換や細胞継代の作業が不要となるので、細菌等による細胞培養系へのコンタミネーションを防止ことができる。また、流路状の細胞培養系を形成することができるので、限られた空間内で細胞接着面積を効率よく増大させることができる。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1A] 本発明の第1実施形態に係る細胞培養装置の概略構成を示す説明図である。
[図1B] 図1Aの細胞培養装置における細胞培養バッグの概略構成を示す説明図である。
[図2A] 図1Aの細胞培養装置における溶液供給手段の概略構成の一例を示す説明図である。
[図2B] 図2Aの溶液供給手段の変形例の概略構成を示す説明図である。
[図3A] 図1Aの細胞培養装置における溶液排出手段の概略構成の一例を示す説明図である。
[図3B] 図3Aの溶液排出手段の変形例の概略構成を示す説明図である。
[図4] 図1Bの細胞培養バッグの配置の一例を示す説明図である。
[図5] 図1Bの細胞培養バッグの配置の他の例を示す説明図である。
[図6A] 図3Aの溶液排出手段の他の変形例の概略構成を示す説明図である。
[図6B] 図3Aの溶液排出手段の他の変形例の概略構成を示す説明図である。
[図7A] 図2Aの溶液供給手段の他の変形例の概略構成を示す説明図である。
[図7B] 図2Aの溶液供給手段の他の変形例の概略構成を示す説明図である。
[図8A] 図2Aの溶液供給手段の他の変形例の概略構成を示す説明図である。
[図8B] 図3Aの溶液排出手段の他の変形例の概略構成を示す説明図である。
[図9] 本発明の第2実施形態に係る細胞培養装置の基本構成を示す説明図である。
[図10] 本発明の第2実施形態に係る細胞培養装置の概略構成の一例を示す説明図である。
[図11] 本発明の第2実施形態に係る細胞培養装置の概略構成の他の例を示す説明図である。
[図12] 本発明の第2実施形態に係る細胞培養装置の概略構成の他の例を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0017]
(第1実施形態)
 本発明の第1実施形態に係る細胞培養装置100について、図面を参照して以下に説明する。
 本実施形態に係る細胞培養装置100は、細胞培養バッグを用いて細胞を培養する際に用いる装置であり、図1Aに示される構成の装置である。
 細胞培養装置100は、内部で細胞を培養するチューブ状(管形状)の細胞培養バッグ1と、細胞培養バッグ1に培地などの溶液を供給する溶液供給手段2と、細胞培養バッグ1から培地などの溶液を排出する溶液排出手段3とを備えている。
[0018]
 本装置100で用いる細胞培養バッグ1は、高いガス透過性を有する膜素材からなるチューブ状のバッグであり、チューブ形状の両端には細胞や培地(細胞培養液)を出し入れ可能な開口部を備えている。一方の開口部は供給口4として機能し、溶液供給手段2に接続している。他端の開口部は排出口5として機能し、溶液排出手段3に接続している。このチューブ状のバッグは、内部に培地等の溶液を保持した状態である程度自由に曲げることが可能な柔軟性を有している。
[0019]
 つまり、細胞培養バッグ1は、内部に細胞および培地を収容可能な管形状膜素材からなり、前記管形状膜素材の長手方向6の両端に開口部を有し、一方の開口部から他方の開口部に向け前記管形状膜素材の長手方向6に前記培地の流路を形成し、前記管形状膜素材は、前記流路を屈曲するために、内部に培地を保持した状態で屈曲可能な柔軟性を有している細胞培養バッグである。
[0020]
 図2Aに溶液供給手段2の一例を示す。溶液供給手段2は、培地等の溶液を保持する溶液保持手段21と、溶液の温度を制御する溶液温度制御手段22と、細胞培養バッグ1の供給口4と溶液保持手段21とを接続する管状部材23とを備えている。
 溶液保持手段21は、例えば、溶液を収容することができる任意の形態の容器またはバッグからなり、内部を密閉することができる。
 溶液温度制御手段22は、例えば、恒温槽またはヒータである。
[0021]
 図3Aに溶液排出手段3の一例を示す。溶液排出手段3は、細胞培養バッグ1から排出された培地等の溶液を保持する廃液保持手段31と、廃液保持手段31に陰圧を与えることで溶液吸引手段として機能する陰圧供給手段32と、細胞培養バッグ1の排出口5と廃液保持手段31とを接続する管状部材33とを備えている。
 廃液保持手段31は、例えば、溶液を保持することができる任意の形態の容器またはバッグからなり、内部を密閉することができる。
 陰圧供給手段32は、例えば、廃液保持手段31の内部と連通する配管と、該配管を介して廃液保持手段31の内部を排気する排気ポンプとからなる。
[0022]
 チューブ状の細胞培養バッグ1は、細胞に適した培養環境を維持することができるインキュベータ内に設置される。このとき、チューブ状の細胞培養バッグ1は内部に培地を保持した状態で任意の方向に曲げることができる柔軟性を有しているので、例えば図4に示すようにインキュベータ41内の棚の上で水平方向に流路を形成するように配置することができる。
 または、例えば図5に示すように、チューブ状の細胞培養バッグ1を螺旋状に配置しても良い。細胞培養バッグ1内の細胞の生育に必要な通気性を維持するために、インキュベータ内の空気層との接触面を確保できるようにチューブ状の細胞培養バッグ1を配置すれば良い。
[0023]
 溶液供給手段2および溶液排出手段3は、細胞培養バッグ1へ培地等の溶液を供給および排出することができる任意の場所に設置することができる。
[0024]
 次に、本実施形態に係る細胞培養装置100を用いて培地を交換する手順の一例について説明する。
 本装置100のユーザは、まず、培養対象の細胞(接着系細胞)と培地(細胞培養液)で満たされた細胞培養バッグ1を用意し、細胞培養バッグ1をインキュベータ内に配置する。次に、ユーザは、細胞培養バッグ1の供給口4を溶液供給手段2に、細胞培養バッグ1の排出口5を溶液排出手段3にそれぞれ接続する。この状態で細胞を培養することができる。
[0025]
 ユーザは任意のタイミングで溶液排出手段3の陰圧供給手段32により廃液保持手段31に陰圧を負荷する。このことにより、細胞培養バッグ1内の培地は溶液排出手段3の管状部材33を通り廃液保持手段31に排出されると同時に、流路の上流側では溶液供給手段2の溶液保持手段21から細胞培養バッグ1内へ溶液供給手段2の管状部材23を通り培地が供給される。ユーザは任意のタイミングで陰圧供給手段32を操作することで培地の排出および供給を制御することができる。
 または、陰圧供給手段32による陰圧の負荷量を調整し、細胞培養バッグ1内から一定の排出速度で培地を排出し続けても良い。この場合、溶液供給手段2からは同じ速度で細胞培養バッグ1に培地が供給されることになる。
[0026]
 本実施形態では、接着系細胞を培養する例を示したが、細胞培養バッグ1内を流れる溶液の流速を十分に遅くすることにより、浮遊系細胞の培養にも適用することが可能である。つまり、浮遊系細胞は培養中、重力により細胞培養バッグ1の底面に存在しているので、細胞が流速方向にあまり動かない程度の流速であれば浮遊系細胞の培養にも適用できる。
 排出口5に細胞を通さないフィルタを設置して浮遊系細胞の培養に適用しても良い。
[0027]
 本実施形態において、溶液吸引手段として、陰圧供給手段32の代かわりに、図3Bに示すように送液ポンプ34(ペリスタルティックポンプまたはチュービングポンプなど)を採用しても良い。この場合、送液ポンプ34は、細胞培養バッグ1の排出口5と廃液保持手段31とを接続する管状部材33に設置される。
[0028]
 本実施形態において、陰圧供給手段32および送液ポンプ34などの溶液吸引手段を遠隔的に操作することができる制御手段を備えていても良い。この場合の遠隔操作は有線および無線のいずれでもよい。ユーザが制御手段を操作することで、遠隔的に培地交換をすることが可能となり、ユーザが作業空間に入るための手間やコストを軽減できるとともに、培養系が細菌等により汚染(コンタミネーション)されることをより確実に防ぐことができる。
[0029]
 本実施形態において、溶液供給手段2は、細胞培養バッグ1に供給する培地に酸素を供給する酸素供給手段(図示せず)を備えていても良い。酸素供給手段としては、酸素あるいは酸素を含む気体をバブリング等により溶液保持手段21内の培地に送り込む手段が挙げられる。このことにより、細胞培養バッグ1と空気層との接触面が十分に確保できない場合も細胞の培養が可能となり、また、ガス透過性の低い素材からなる細胞培養バッグ1も使用可能となる。
[0030]
 本実施形態において、溶液供給手段2は、図2Bに示すように、種類の異なる複数の溶液をそれぞれ保持する複数の溶液保持手段21を備えていても良い。この場合、溶液供給手段2は、細胞培養バッグ1に供給する溶液を選択するための流路選択手段を備え、当該流路選択手段が複数の溶液保持手段21からの流路を選択する(切替える)機能を有していれば良い。
[0031]
 例えば、図2Bに示す例では、溶液供給手段2は、各溶液保持手段21からの流路に、流路を開閉する流路開閉手段24、25、26を備えている。流路開閉手段24、25、26を制御することで、所望の溶液を細胞培養バッグ1に供給することが可能となる。ここで、流路開閉手段(流路選択手段)24、25、26を遠隔的に操作することができる制御手段を備えていても良い。この場合の遠隔操作は有線および無線のいずれでもよい。
 複数の溶液保持手段21は、例えば、培地、洗浄液、細胞剥離液(トリプシン含有溶液など)をそれぞれに保持していても良い。
[0032]
 本実施形態において、溶液排出手段3は、図6Aに示すように、複数の廃液保持手段31を備えていても良い。この場合、陰圧供給手段62は、各廃液保持手段31に陰圧を供給することができるようになっている。また、細胞培養バッグ1の排出口5からつながる管状部材33は途中で分岐して、それぞれの廃液保持手段31につながっている。この場合、溶液排出手段3は、廃液保持手段31を選択するための排出流路選択手段61(例えば、切替バルブ)を備え、当該排出流路選択手段61が複数の廃液保持手段31への流路を選択する(切替える)機能を有していれば良い。
[0033]
 また、溶液吸引手段として送液ポンプを用いる場合も、図6Bに示すように複数の廃液保持手段31を備えていても良い。この場合、送液ポンプ64(ペリスタルティックポンプまたはチュービングポンプなど)は分岐点よりも上流の管状部材33に配置し、排出流路選択手段63によって複数の廃液保持手段31への流路を選択(切替え)すれば良い。または、分岐点よりも下流の各管状部材33にそれぞれ送液ポンプを配置し、作動させる送液ポンプを選択することで使用する廃液保持手段31を選択しても良い。
 ここで、排出流路選択手段61、63を有線または無線で遠隔的に操作することができる制御手段を備えていても良い。
[0034]
 本実施形態において、溶液供給手段2は、図7Aに示すような溶液保持手段21を細胞培養バッグ1よりも重力方向の上方に配置し、重力により溶液を細胞培養バッグ1に供給しても良い。このとき、管状部材23には供給速度調整手段27(例えば、流量制御バルブ)が設けられており、溶液を細胞培養バッグ1に供給する速度を調整することができる。供給速度調整手段27を遠隔的に操作することができる制御手段を備えていても良い。この場合の遠隔操作は有線および無線のいずれでもよい。図7Aに示すように、溶液保持手段21は溶液温度制御手段22により内部の溶液の温度を制御されていても良い。
 また、この態様では、溶液排出手段3は、細胞培養バッグ1よりも重力方向の下方に配置されていれば陰圧供給手段32を備えていなくても良い。細胞培養バッグ1から排出された培地等の溶液を重力により廃液保持手段31に回収すれば良い。
[0035]
 溶液供給手段2は、図7Bに示すように、種類の異なる複数の溶液をそれぞれ保持する複数の溶液保持手段21を備えていても良い。この場合、溶液供給手段2は、細胞培養バッグ1に供給する溶液を選択するための流路選択手段を備え、当該流路選択手段が複数の溶液保持手段21からの流路を選択する(切替える)機能を有していれば良い。
[0036]
 例えば、図7Bに示す例では、溶液供給手段2は、各溶液保持手段21からの流路に、流路を開閉する流路開閉手段24、25、26を備えている。流路開閉手段24、25、26の開閉を制御することで、所望の溶液を細胞培養バッグ1に供給することが可能となる。流路開閉手段24、25、26は供給速度調整手段としての機能を備え、溶液を細胞培養バッグ1に供給する速度を調整することができる。ここで、流路開閉手段(流路選択手段)24、25、26を遠隔的に操作することができる制御手段を備えていても良い。この場合の遠隔操作は有線および無線のいずれでもよい。
 複数の溶液保持手段21は、例えば、培地、洗浄液、細胞剥離液(トリプシンなど)をそれぞれに保持していても良い。
[0037]
 本実施形態においては、陰圧供給手段32により供給される陰圧により細胞培養バッグ1内に溶液を供給および排出する態様を示したが、陰圧供給手段32を用いず、溶液供給手段2の溶液保持手段21に陽圧を負荷する陽圧負荷手段71を採用しても良い。
[0038]
 陽圧負荷手段71としては、例えば図8Aに示すような溶液保持手段21内に気体を送り込む手段(給気ポンプなど)を挙げることができ、溶液保持手段21内に気体を送り込むことで溶液保持手段21内に陽圧を負荷し、溶液保持手段21内に保持されている溶液を管状部材23に介して送り出せば良い。陽圧負荷手段71から溶液保持手段21内に送り込まれる気体は、滅菌されていることが好ましく、例えばフィルタ72を通して送り込めば良い。または、フィルタ72を採用せず滅菌済みの気体を送り込んでも良い。
[0039]
 管状部材23に送り出された溶液は、細胞培養バッグ1に供給口4から供給されることになり、同時に細胞培養バッグ1の排出口5からは略同量の溶液が排出され、溶液排出手段3に送り出される。この場合、溶液排出手段3は、例えば図8Bに示すように、廃液保持手段31と、細胞培養バッグ1の排出口5につながる管状部材33とからなり、細胞培養バッグ1から排出された溶液は、管状部材33を介して廃液保持手段31に排出されて保持される。
 また、陽圧負荷手段71によって溶液保持手段21に陽圧を負荷する態様に代えて、管状部材23に送液ポンプ(ペリスタルティックポンプまたはチュービングポンプなど)を設置して細胞培養バッグ1内に溶液を供給しても良い。
[0040]
 本実施形態において、供給速度調整手段27および陽圧負荷手段71は、溶液送出手段として機能する。
[0041]
(第2実施形態)
 次に、本発明の第2実施形態に係る細胞培養装置200について、図面を参照して説明する。
 本実施形態に係る細胞培養装置200は、細胞培養バッグを用いて細胞を培養する際に用いる装置であり、図9に示される基本構成を有する装置である。
 細胞培養装置200は、内部で細胞を培養するチューブ状(管形状)の細胞培養バッグ81を含む細胞培養ユニット80と、細胞培養バッグ81に培地などの溶液を供給する溶液供給手段82と、細胞培養バッグ81から培地などの溶液を排出する溶液排出手段83とを備えている。
[0042]
 細胞培養ユニット80は、内部で細胞を培養するチューブ状(管形状)の細胞培養バッグ81と、細胞培養バッグ81の少なくとも一部を収容し内部に溶液を保持可能な収容容器84と、収容容器84に培地などの溶液を供給する収容容器溶液供給手段85と、収容容器84から培地などの溶液を排出する収容容器溶液排出手段86とを備えている。
[0043]
 収容容器溶液供給手段85は、管状部材を介して収容容器84の供給口に接続している。
 収容容器溶液排出手段86は、管状部材を介して収容容器84の排出口に接続している。
 本実施形態において使用する収容容器84は、細胞培養バッグ81の少なくとも一部を収容し内部に溶液を保持可能であれば良く、例えば、袋状(バッグ状)の容器を挙げることができる。
[0044]
 本装置200で用いるチューブ状(管形状)の細胞培養バッグ81は、少なくとも一部が多孔質膜からなる。当該多孔質膜は、細胞は通過できないが、酸素や栄養物質など細胞の生育に必要な成分、および細胞が排出した二酸化炭素や老廃物などは自由に通過できる孔を有する膜素材から形成されている。多孔質膜の孔径は、例えば0.5μm~5μmである。
[0045]
 チューブ形状の細胞培養バッグ81の両端には、細胞や培地(細胞培養液)を出し入れ可能な開口部が設けられている。一方の開口部は供給口として機能し、溶液供給手段82に接続している。他端の開口部は排出口として機能し、溶液排出手段83に接続している。
[0046]
 本実施形態における溶液供給手段82および溶液排出手段83はそれぞれ、第1実施形態の溶液供給手段2および溶液排出手段3と同様で良い。また、本実施形態における収容容器溶液供給手段85および収容容器溶液排出手段86はそれぞれ、第1実施形態の溶液供給手段2および溶液排出手段3と同様で良い。
[0047]
 チューブ状の細胞培養バッグ81の供給口および排出口には、それぞれ、バルブ87a、87bが設置されている。バルブ87a、87bは、設置された場所の流路を開閉することができるゲートとして機能する。
 収容容器溶液供給手段85と収容容器84の供給口とを接続する管状部材には、バルブ88aが設置されている。収容容器溶液排出手段86と収容容器84の排出口とを接続する管状部材には、バルブ88bが設置されている。バルブ88a、88bは設置された場所の流路を開閉することができるゲートとして機能する。
[0048]
 本実施形態に係る細胞培養装置200は、図9に示される構成を基本構成とし、複数の細胞培養ユニット80を互いに連結することでチューブ状(管形状)の細胞培養バッグ81により形成される流路を拡張することができるようになっている。例えば、図10に示すように、複数の細胞培養バッグ81を直列に連結したり、図11に示すように、一部の細胞培養バッグ81を並列に連結したりすることが可能である。このように流路を拡張することで細胞の接着面を拡張することができ、拡張した流路に細胞を継代することで細胞を増やすことができる。
[0049]
 本実施形態に係る細胞培養装置200を用いて細胞を継代する方法の一例について、図12を用いて説明する。
 まず、細胞および培地が溶液供給手段92からチューブ状の細胞培養バッグ91aに供給される。前段の1つの細胞培養バッグ91aには、後段の2つの細胞培養バッグ91b、91cがバルブ97bを介して並列に接続されている。バルブ97bは流路の分岐点に配置され、いずれかの流路を選択的に開閉することができるものである。このとき、バルブ97bは、溶液排出手段93aに向けた流路を開いた状態になっている。収容容器94aは、収容容器溶液供給手段95aにより培地が供給され、培地で満たされた状態になっている。この状態で細胞は細胞培養バッグ91a内で生育し増殖する。このとき、細胞の生育に必要な成分と細胞が排出した老廃物は、細胞培養バッグ91aの多孔質膜を通して収容容器94a内の培地と交換可能となっている。
[0050]
 細胞培養バッグ91a内が増殖した細胞で満たされた状態(コンフルエントになった状態)で、細胞培養バッグ91a内の培地を溶液排出手段93aにより排出するとともに、収容容器94a内の培地を収容容器溶液排出手段96aにより排出する。次に、収容容器溶液供給手段95aにより収容容器94aに細胞剥離液(トリプシン含有溶液など)が供給さる。収容容器94a内の細胞剥離液は細胞培養バッグ91aを通過し内部に侵入し、細胞培養バッグ91a内に接着していた細胞が剥離する。
[0051]
 次に、バルブ97bにより細胞培養ユニット90bおよび細胞培養ユニット90cに向けた流路を開放し、溶液供給手段92より培地を細胞培養ユニット90aに供給する。供給された培地は細胞培養バッグ91a内で剥離した細胞を巻き込み、細胞培養ユニット90bおよび細胞培養ユニット90cに送られる。それぞれの細胞培養ユニット90b、90cに送られた培地中の細胞は、それぞれのユニット90b、90c内のチューブ状の細胞培養バッグ91b、91cの内面に接着し増殖を始める。ここで、細胞培養バッグ91b、91cをそれぞれ収容する収容容器94b、94cには、それぞれ収容容器溶液供給手段95b、95cから培地が供給され満たされている。
[0052]
 このように、本実施形態によれば、細胞培養ユニット90a、90b、90c、を増設することで流路面積を増やすことができる。したがって、細胞の増殖にともなって細胞接着面積を任意に増やすことができ、細胞の継代を簡易に行うことができる。
[0053]
 本実施形態においては、あらかじめ複数の細胞培養ユニット90a,90b、90cを接続した場合を示したが、1つの細胞培養ユニット内の細胞がコンフルエントになった段階で、新たな細胞培養ユニットを接続して細胞接着面積を拡張させても良い。この場合、新たな細胞培養ユニットの接続の仕方に応じて、図9および図10に示すような直列または並列、あるいは直列および並列の組み合わせの任意の形状の流路を形成すれば良い。
[0054]
 本実施形態において、溶液供給手段、溶液排出手段、収容容器溶液供給手段、収容容器溶液排出手段、および/または、各バルブを、有線または無線で遠隔的に操作することができる制御手段を備えていても良い。この場合、図示しないモニタリングシステムを備えていることが好ましい。こうすることで、作業者は、モニタリングシステムで監視しながら溶液供給手段、溶液排出手段、収容容器溶液供給手段、収容容器溶液排出手段、および/または、各バルブを適宜遠隔操作して、培地交換や細胞の継代作業を遠隔的に行うことができるようになり、作業工程を簡易化することができるとともに、作業に伴う細胞培養系のコンタミネーションを防ぐことができる。
[0055]
 本発明の制御手段の例としてはPCを挙げることができ、PCが上記各実施形態における制御手段が実行する制御を行うことができる。すなわち、制御手段は、例えば、中央演算処理装置(CPU)とメモリとを備えるPCであり、メモリに記憶された制御プログラムをCPUが実行することによって制御手段としての機能を実現する。

符号の説明

[0056]
1、81、91a、91b、91c 細胞培養バッグ
2、82、92 溶液供給手段
3、83、93a、93b、93c 溶液排出手段
4 供給口(開口部)
5 排出口(開口部)
21 溶液保持手段
22 溶液温度制御手段
23、33 管状部材
24、25、26 流路開閉手段(流路選択手段)
27 供給速度調整手段(溶液送出手段)
31 廃液保持手段
32、62 陰圧供給手段(溶液吸引手段)
34、64 送液ポンプ
41 インキュベータ
61、63 排出流路選択手段
71 陽圧負荷手段(溶液送出手段)
72 フィルタ
80、90a、90b、90c 細胞培養ユニット
84、94a、94b、94c 収容容器
85、95a、95b、95c 収容容器溶液供給手段
86、96a、96b、96c 収容容器溶液排出手段
87a、87b、88a、88b、97a、97b バルブ
100、200 細胞培養装置

請求の範囲

[請求項1]
 内部に細胞および培地を収容可能であり、長手方向の両端に開口部を有する管形状膜素材からなり、一方の前記開口部から他方の前記開口部に向け前記管形状膜素材の長手方向に前記培地の流路を形成する細胞培養バッグと、
 前記一方の開口部と接続し、前記細胞培養バッグ内に溶液を供給するための溶液供給手段と、
 前記他方の開口部と接続し、前記細胞培養バッグ内から溶液を排出するための溶液排出手段とを備えた細胞培養装置。
[請求項2]
 前記細胞培養バッグの少なくとも一部を収容し、内部に溶液を保持可能な収容容器と、
 該収容容器に溶液を供給するための収容容器溶液供給手段と、
 前記収容容器から溶液を排出するための収容容器溶液排出手段とをさらに備え、
 前記細胞培養バッグの少なくとも一部が多孔質膜からなる請求項1に記載の細胞培養装置。
[請求項3]
 前記溶液排出手段は、前記細胞培養バッグ内から溶液を吸引するための溶液吸引手段を備えた請求項1または請求項2に記載の細胞培養装置。
[請求項4]
 前記収容容器溶液排出手段は、前記収容容器内から溶液を吸引するための溶液吸引手段を備えた請求項2に記載の細胞培養装置。
[請求項5]
 前記溶液供給手段は、前記細胞培養バッグ内に溶液を送り込むための溶液送出手段を備えた請求項1から請求項4のいずれかに記載の細胞培養装置。
[請求項6]
 前記収容容器溶液供給手段は、前記収容容器内に溶液を送り込むための溶液送出手段を備えた請求項2に記載の細胞培養装置。
[請求項7]
 前記溶液吸引手段を遠隔的に制御する制御手段を備えた請求項3または請求項4に記載の細胞培養装置。
[請求項8]
 前記溶液送出手段を遠隔的に制御する制御手段を備えた請求項5または請求項6に記載の細胞培養装置。
[請求項9]
 内部に細胞および培地を収容可能であり、長手方向の両端に開口部を有する管形状膜素材からなり、
 一方の前記開口部から他方の前記開口部に向け前記管形状膜素材の長手方向に前記培地の流路を形成し、
 前記管形状膜素材は、前記流路を屈曲するために、内部に培地を保持した状態で屈曲可能な柔軟性を有している細胞培養バッグ。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7A]

[ 図 7B]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]