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1. WO2007108241 - APPAREIL DE TRAITE AUTOMATIQUE POUR ANIMAL DE LABORATOIRE

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[ JA ]
明 細書

実験動物用の自動搾乳装置

技術分野

[0001] 本発明は実験動物用の搾乳装置、特に、ラットやマウスのような比較的小形であり かつ多産系の実験動物に適した自動搾乳装置に関する。

背景技術

[0002] 近年、環境汚染、特に発ガン性物質、内分泌攪乱 (化学)物質などの生体に対する 有害物質が世界的に大問題となっている。母乳または牛乳を通して生体に及ぼすこ れらの有害物質の影響が懸念されている。もし、ラットやマウスのような実験動物の乳 をより簡単な方法で採取することが可能であれば、これらの外因性有害物質の生体 に及ぼす影響を明らかにする上で有用な手段となる。

[0003] し力しながら、ラットやマウスのような比較的小形でありかつ多産系の実験動物は乳 頭が小さくまた乳量も少ないことから、有効な搾乳装置は提案されていな力つた。例 えば、ラットの乳は、直接乳頭力採取することが困難なため、研究室などでは、授乳 させた産仔ラットの胃力も採取しているのが普通である。しかし、胃力も採取した乳は 、唾液および胃液との混合や攪拌によって乳成分の分解および消化が起こっている ことが考えられ、本来の乳といえるかどうか疑問がある。

[0004] 本発明者は、そのような要請に応えるベぐラットやマウスの乳房力直接的に搾乳 できる改良された搾乳装置とそこで用いるティートカップを開発し、すでに出願してい る(特許文献 1,特許文献 2)。この装置を用いることにより、一人の実験者でもって実 験動物からの搾乳作業が可能となり、かつ、実験者の個人差に左右されない普遍的 な搾乳データを入手することができる。

特許文献 1:再公表特許 01—067064

特許文献 2 :特開 2005— 130774

発明の開示

[0005] 本発明者らは、上記した搾乳装置とティートカップを用いて、ラットとマウス力ら、さら には実験用ビーグル犬やミニチュア豚の搾乳を多回数にわたって行、、良好な結果

を得ている。しかし、麻酔下にあるラットやマウス等の実験動物力も搾乳する場合、母 親の乳頭の位置に正確にティートカップを固定した状態で搾乳することが難しぐ実 験者は、ラットやマウス等を片方の手で固定し、他方の手で母親の乳頭にティートカ ップを継続的に密着させる力、または仰向けにして両方の手で乳頭をティートカップ に継続的に密着させて、搾乳を行うことが必要なことから、例えば、搾乳中に吸入麻 酔の導入が必要となった場合等において、搾乳を一時的に中断しなければならない ことを経験した。そのために、搾乳を完全に自動化することは困難であった。また、搾 乳中に搾乳量を随時観察し、また計量することが必要とされる場合が生じたときに、 それに適切に対処することも困難であった。

[0006] 本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、前記特許文献 1あるい は特許文献 2に記載される形態の実験動物用搾乳装置において、実験動物の乳頭 にティートカップを位置決め固定した後は、実験者の手を煩わすことなぐ自動的に 搾乳を継続できるようにした、実験動物用の自動搾乳装置を提供することを目的とす る。また、本発明は、自動搾乳中に搾乳量を随時観察し、また計量できるようにした 実験動物用の自動搾乳装置を提供することをもう一つの目的とする。

[0007] 上記の課題は、特許文献 1あるいは特許文献 2に記載される形態の実験動物用搾 乳装置において、ミルクチューブの先端に装着したティートカップを自在アームの先 端に取り付けること、そして、その自在アームは実験をする者の手による操作によって 先端を 3次元空間内で自由に移動でき、一旦位置決めした後は、実験をする者が手 を離しても、その位置に留まっている(すなわち、位置ずれを起こさない)ことのできる 自在アームであること、によって解決することができる。

[0008] 本発明者は、その目的に合致する自在アームを入手すベぐ既存の自在アームを 用いて多くの実験を行ったが、操作の容易性と、所定位置において力を開放したとき に位置ずれを起こさない特性、の双方を満足する自在アームを見いだすことができな かった。

[0009] すなわち、自在アームの 1つの形態として多関節型の自在アームが存在する力多 関節型の自在アームは構成が複雑であることに加え、関節が機械的構成であること から、移動の容易性と位置保持機能とは相反するものとなり、移動の容易性を優先さ せると、先端を所要位置に移動した後、位置ずれを起こさずに先端をその位置を保 持しておくことは困難となる。位置ずれを起こさないようにするためには、別途、移動 後に関節を固定するための手段を必要とする。このようなことから、実験動物用の搾 乳装置におけるティートカップの位置決め手段として多関節型の自在アームを用いる ことは、適切ではなかった。

[0010] 電気スタンドで用いられている円筒体を多数連ねる形態の自在アームも、操作が容 易でないと共に、位置決め後に力なりの量の位置ずれが生じ、実験動物用の搾乳装 置におけるティートカップの位置決め手段としては、やはり適切ではな力つた。

[0011] そこで、移動の自由度が高ぐ操作も容易である自在定規形のアームを用いて実験 を行った。実験で用いた自在アームは、屈曲自在であり屈曲後その姿勢を維持する ことのできる材料からなる長尺部材 (例えば、長尺状の鉛板)と、前記長尺部材に沿 つて配置される鋼板部材との積層体を、榭脂製の被覆材料内に挿入したものであり、 両端は開放状態にある。この形態の自在アームは、操作の容易性と移動の自由度は 満足するものであつたが、移動後に手を離して操作加重を開放すると、短時間の間 に先端に位置ずれが生じるのを回避できな力つた。

[0012] そこで、本発明者は、試みに、自在アームの一端側に工業用接着剤を埋め込んで

、鉛板部材と鋼板部材と被覆材料とをそれぞれの間に相対移動が生じなヽように一 体に固定する処理を行い、その固定側を基台に固定し、他端の自由端側にティート カップを装着して試験を行った。その結果、位置決めのための操作性は容易であり、 かつ位置決め後に手を離しても、ティートカップは位置ずれを起こすことなぐ長い時 間にわたって当初の位置に留まっていた。

[0013] すなわち、上記した形態の自在アームの先端にティートカップを取り付けることによ り、実験動物の乳頭にティートカップを容易に位置決め固定することができ、実験者 が手を離してもその位置に継続して留まって、ることから、実験者の手を煩わすこと なぐ自動的に搾乳を継続できることを知った。

[0014] 本発明は、上記の知見に基づくものであり、本発明による実験動物用の自動搾乳 装置は、先端に実験動物の乳房にあて力 ^実験動物用ティートカップを接続したミル クチューブの他端側を集乳容器を介して陰圧発生源に接続し、陰圧発生源の吸引

拍動により実験動物力も集乳容器に搾乳を行うようにした実験動物用の自動搾乳装 置であって、前記ミルクチューブの実験動物用ティートカップを接続して、る先端側 は、適宜の基台に一端側が固定されている自在アームであって、屈曲自在であり屈 曲後にその姿勢を維持することのできる材料力なる長尺部材と前記長尺部材に沿 つて配置される鋼板部材とからなる積層体が被覆部材によって被覆されており、前記 各部材は全体を屈曲したときに相互の間で滑りが生じる状態で接しており、かつ一端 に各部材の相対的移動を阻止する固定部が形成されている自在アームの自由端側 に支持されて、ることを特徴とする。

[0015] 本発明において、前提となる実験動物用の搾乳装置およびティートカップは、本発 明者が既に提案している前記した特許文献 1および特許文献 2等に記載のものをそ のまま用いることができる。また、搾乳手順もそこに記載の通りであってよい。

[0016] 本発明による実験動物用の自動搾乳装置では、上記した特別の形態の自在ァー ムを用いることから、ティートカップの位置決めとその位置での固定が容易かつ確実 となる。そのために、搾乳時に、実験者が、ー且実験動物の乳頭位置にティートカツ プを正確に固定した後は、ティートカップを自らの手で母親の乳頭に継続的に密着さ せておく行為が不要となる。すなわち、実験者は、搾乳中、搾乳装置から離れること ができ、搾乳装置の自動運転が可能となる。必要な場合には、搾乳装置による搾乳 を中断することなぐ装置の運転とはまったく別個に、実験動物に対して吸入麻酔の 導入を行う等の作業を行うことができるので、吸入麻酔の導入が容易になると共に、 吸入麻酔による事故も回避できる。

[0017] 本発明による実験動物用の自動搾乳装置の他の形態では、自在アームの自由端 側にはミルクチューブを摺動自在に支持できるミルクチューブホルダーが取り付けて あり、前記ミルクチューブは該ミルクチューブホルダーを介して自在アームの自由端 側に支持されている。

[0018] この形態の自動搾乳装置では、自在アームそれ自体を移動させることなぐミルクチ ユーブホルダーに沿ってミルクチューブを摺動させるだけで、ミルクチューブ先端に 装着したティートカップの上下位置を変えることができるので、搾乳しょうとする実験 動物の個体差による乳頭位置変化に対してティートカップの位置をより容易に追従さ せることができる。

[0019] 本発明による実験動物用の自動搾乳装置の他の形態では、さらに、透明な円筒体 である集乳容器立てを備えており、該集乳容器立ては集乳容器を保持する縦穴が形 成されており、該縦穴の内面には集乳容器内の搾乳量を計量するための目盛りが付 されており、前記自在アームの固定部側は前記集乳容器立てに固定されていること を特徴とする。

[0020] この形態の自動搾乳装置では、集乳容器立てが拡大鏡としても機能するので、自 動搾乳中に搾乳量を随時観察できることに加え、実験者の目によって、搾乳量の計 量等も確実に行うことができる。

[0021] 本発明による実験動物用の自動搾乳装置で使用する自在アームにおいて、自在 アームの前記固定部は、各部材の相対的移動を阻止することを条件に任意の手段 で形成することができ、接着剤による貼着固定、止めピンを差し込んだ後にかしめる ことによる固定などが例として挙げられる。

[0022] 本発明による実験動物用の自動搾乳装置で使用する自在アームにぉ、て、「屈曲 自在であり屈曲後にその姿勢を維持することのできる材料力なる長尺部材」には、 例として、アルミ板、鉛板、榭脂板等を挙げることができる。榭脂板の具体例としては 、ポリエチレン系榭脂を 1軸方向に延伸して分子配列を制御した長尺状の榭脂材料 ( 例えば、積水化学工業株式会社製、商品名「フォルテ」)が挙げられる。なかでも、所 定範囲の曲率半径で屈曲(湾曲)させた後に手を離してもその湾曲した姿勢をほぼ そのまま維持することのできる材料、すなわち、弾性復元力が零に近いかきわめて小 έ ヽ材料は好ましく、このような材料を適切な大きな弾性復元力を持つパネ鋼である 鋼板部材とともに用いることにより、自在アームに所要の屈曲の自在性が与えられる 。なお、本発明者の実験によれば、長尺部材として、アルミ板が最適であった。

[0023] 鋼板部材は鋼板の持つ弾性によって自在アームに耐荷重性を与えるものであり、 使用時に自在アームの自由端側に作用する加重を考慮して、実験的に適宜の断面 寸法の鋼板部材 (パネ鋼)を選択する。それにより、自在アームに所要の弾性と復元 性が与えられる。被覆部材は各部材間の密着性を確保するとともに、自在アームの 外観形状を整える。なお、ここでいう復元性とは、自己復元性 (すなわち、外力を開放 したときに弾性により元の姿勢に戻ること)ではなぐ外力を与えて自在アームを元の 姿勢に戻すときの戻しやすさを、つて、る。

[0024] 自在アームを構成する長尺部材と鋼板部材の断面寸法は、自在アームに取り付け るティートカップの荷重に応じて適宜設定する。少なくとも、自在アームとしてティート カップの荷重によって自然変形しな、だけの曲げ強度を有することは必要である。鋼 板部材が厚すぎると自在アームが自己復元性を持つようになり、位置決めができなく なるので、自己復元性が生じない範囲の厚さのものを選択して用いる。通常、 0. 2m m〜0. 5mm程度のものを用いる。

[0025] 被覆部材は、自在アームの自在性に影響を及ぼすことなぐ柔軟性と強靱性を備え た材料であることが望ましぐ軟質塩ィ匕ビュルのような合成樹脂材料が望ましい。中で も、シリコン榭脂材料は好適である。前記積層体と被覆部材との間に隙間があると、 鉛板部材と鋼板部材との間にも隙間が生じ、各部材間の摩擦力が低減して位置決 め後に自由端が変位 (位置ずれ)しゃすくなるので、そのような隙間が生じない内径 寸法の被覆部材を選定する。被覆部材の外形は任意であり、積層体に外形に沿つ た形状に限らず、用途によって、角形、円形などを選択してもよい。

[0026] 積層体の積層構造に限定はな!、。長尺部材 1枚 X鋼板部材 2枚(1枚の長尺部材 の外側にそれぞれ鋼板部材 1枚を積層)、長尺部材 2枚 X鋼板部材 3〜4枚 (長尺部 材 2枚の間に鋼板部材 1枚または 2枚および外側にそれぞれ鋼板部材 1枚を積層)、 長尺部材 3枚 X鋼板部材 4〜6枚 (長尺部材 3枚のそれぞれの間に鋼板部材 1枚ま たは 2枚および外側にそれぞれ鋼板部材 1枚を積層)等を例としてあげることができる

[0027] 本発明による実験動物用の自動搾乳装置で使用する自在アームにおいて、必要 に応じて、各部材間に、榭脂シートをさらに介装してもよい。それにより各層間の滑り が良好となり、位置決め操作が容易となる。ただし、層間の滑りが良すぎると鋼板部 材の復元力が勝ってしまい、位置セット後に位置ずれが生じやすくなることがあるの で、そのような場合には、榭脂シートは介装しないようにする。

[0028] 本発明による実験動物用の自動搾乳装置を用いることにより、ラットやマウスのよう な実験動物の乳房力直接に自動搾乳することが可能となる。それにより、搾乳装置 による搾乳を中断することなぐ装置の運転とはまったく別個に、実験動物に対して吸 入麻酔の導入を行う等の作業を行うことができるようになる。また、本発明による実験 動物用の自動搾乳装置の好ましい形態においては、自動搾乳中に搾乳量を随時観 察し、また計量することもできる。

図面の簡単な説明

[0029] 以下、図面を参照して、本発明による実験動物用の自動搾乳装置の一形態を説明 する。

[図 1]図 1は、本発明による実験動物用の自動搾乳装置の一形態の全体構成を示す 図。

[図 2]図 2は、図 1に示す装置で用いるティートカップの一例を示す図。

[図 3]図 3は、図 1に示す装置におけるティートカップと集乳容器の部分を示す図。

[図 4]図 4は、図 4aは本発明による実験動物用の自動搾乳装置で用いる自在アーム の一形態を示す全体の斜視図であり、図 4bは図 4aの b— b線での断面図、図 4cは 正面図。

[図 5]図 5は、図 4に示す自在アームの層構造を説明するための模式図。

[図 6]図 6は、他の形態の自在アームにおける積層体の積層構造を説明する図。 符号の説明

[0030] B…基台としての集乳容器スタンド、 2…縦穴、 3…目盛り、 10· ··集乳容器、 11…密 封栓、 12· ··第 1のミルクチューブ、 13· ··第 2のミルクチューブ、 20· ··ティートカップ、 3 1…逆流防止弁、 33Α· ··電磁弁、 34…負圧タンク、 35· ··真空ポンプ、 A, Α1· ··自在 アーム、 40· ··長尺状の積層体、 41· ··長尺部材、 42· ··鋼板部材、 50· ··被覆部材、 5 1…被覆部材の内部空間、 52· ··接着剤、 53· ··自在アームの固定部、 54…止めピン 55· ··ミルクチューブホルダー、 56· "U字クリップ。

発明を実施するための最良の形態

[0031] この実験動物用搾乳装置は、試験管のような透明な円筒体である集乳容器 10に密 封栓 11がしてあり、該密封栓 11には第 1のミルクチューブ 12および第 2のミルクチュ ーブ 13の一端が集乳容器 10内に連通する状態で挿入されている。第 1のミルクチュ ーブ 12の他端には、図 2に一例を示すティートカップ 20が交換可能な状態で装着さ

れ、また、第 2のミルクチューブ 13の他端側は逆流防止弁 31、アキュムレータとして 機能する負圧タンク 34を介して、真空ポンプ 35に接続している。ティートカップ 20は 、図 3に示すように、一端を適宜の基台に固定した本発明に固有の自在アーム Aの 自由端側に支持されており、この例において基台は集乳容器 10のための集乳容器 立て Bを兼ねている。なお、この点については、後に詳しく説明する。

[0032] 第 2のミルクチューブ 13は第 1の分岐管 14aを有し、そこに圧力センサ Sが備えられ る。第 2のミルクチューブ 13はさらに下流側に第 2の分岐管 14bを有し、そこに第 1の 2方向電磁弁 33Aが備えられていて、第 1の 2方向電磁弁 33Aを開くことにより第 2の 分岐管 14bは大気に開放される。第 2の分岐管 14bより下流において第 2のミルクチ ユーブ 13には第 2の 2方向電磁弁 33Bが備えられ、第 2の 2方向電磁弁 33Bを開くこ とにより、第 2のミルクチューブ 13は負圧タンク 34側に連通する。

[0033] コンピュータ Cは圧力センサ S、第 1と第 2の電磁弁 33A, 33Bおよび真空ポンプ 35 との間で情報伝達可能に接続しており、圧力センサ Sからの圧力情報の入力、第 1と 第 2の電磁弁 33A, 33Bの開閉タイミングの制御出力、真空ポンプ 35の作動制御の 出力などを司る。

[0034] 搾乳に当たり、第 1と第 2の電磁弁 33A, 33Bを閉じた状態で真空ポンプ 35を運転 し、負圧タンク 34内に陰圧を生成する。所定圧が確立した後、第 2の電磁弁 33Bを 開く。それにより、第 2のミルクチューブ 13内の空気は負圧タンク 34内に引き込まれ 大気圧力も所定の陰圧 (設定圧)となる。その時点で第 2の電磁弁 33Bを閉じる。そ れにより、設定した陰圧状態が第 2のミルクチューブ 13内に確立されかつ維持されて 、ティートカップ 20からの吸引が行われる。その状態を一定時間継続させた後、第 1 の電磁弁 33Aを開く。それにより、第 2のミルクチューブ 13内は大気に開放された状 態となり、圧力は大気圧に戻る。その状態を一定時間継続させた後に第 1の電磁弁 3 3Aを閉じ、再度第 2の電磁弁 33Bを開く。以下、このサイクルを設定回数繰り返すこ とにより、ティートカップ 20の先端には反復して陰圧と大気圧が作用して、所要の搾 乳が進行する。

[0035] 図 2に示すように、この例において、ティートカップ 20は柔らかいゴム製 (例えば、シ リコンゴム)であり、全体形状は、内径 4mm程度,外径 7mm程度、高さ 4mm程度の

円筒形状でありであり、先端は頂面部分 (ライナー) 21aで閉鎖している。頂面部分 2 laは母ラットの乳房が接する裏打ち部分であり、厚み b = 0. 4mm程度である。そし て、その中央部にはラットの乳頭が入り込む、先端側の直径 1. 8mm,後端側の直径 1. 5mm程度円錐形をなす挿入孔 22が形成されている。

[0036] このティートカップ 20では、頂面部分 (ライナー) 21aの挿入孔 22が搾乳期(到達真 空度期、吸引期)に、大きく開口し乳頭力乳が吸い出される。吸引された乳は前記 した第 1のミルクチューブ 12を通って集乳容器 10に貯められる。この頂面部分 21aに 形成した挿入孔 22は、休止期(前記した陰圧が掛力ていない到達大気圧期、大気 圧期 ·マッサージ期)には、自己の復元力によって小さく(すなわち、図 2に実線で示 す元の姿勢に)閉ざされる。

[0037] なお、上記した実験動物用の自動搾乳装置において、前記した本発明に固有の自 在アーム Aによってティートカップ 20が支持される構成を除き、他の構成は、上記特 許文献 1および特許文献 2に記載される公知の搾乳装置と同じである。また、ティート カップ 20も同様に公知のものである。すなわち、図 1および図 2に示したものは、一つ の例示であって、本発明による実験動物用の搾乳装置において、その前提となる、 先端に実験動物の乳房にあてがう実験動物用ティートカップ 20を接続したミルクチュ ーブ 12の他端側を集乳容器 10を介して陰圧発生源 34, 35に接続し、陰圧発生源 の吸引拍動により実験動物から集乳容器 10に搾乳を行うようにした構成は、これに 限られない。

[0038] 前記したように、本発明による実験動物用の自動搾乳装置において、ティートカツ プ 20は、図 4〜図 6に示す本発明に固有の自在アーム Aの自由端側に支持されて おり、該自在アーム Aの他端側は基台として機能する集乳容器立て Bに固定されて いる。以下、この構成を説明する。

[0039] この例において、集乳容器立て Bは円筒形であり、例えば透明なアクリル榭脂のよう な透明な材料で全体が作られている。集乳容器立て Bの中心には、透明な集乳容器 10を安定的に支持できる大きさの縦穴 2が所定深さまで形成されており、該縦穴 2の 内面には集乳容器 10内の搾乳量を計量するための目盛り 3が付されている。

[0040] 集乳容器立て Bは円筒形でありかつ透明であることから、拡大鏡としての機能を果 たすことができ、側面力も集乳容器立て Bを通して集乳容器 10を観察したときに、集 乳容器 10内の容量 (搾乳量)および性状をレンズ現象によって拡大して計量および 観察することができる。

[0041] 図 4〜図 6は自在アーム Aを示しており、図 4は自在アーム全体の斜視図を、図 4b は図 4aの b— b線での断面図を、図 4cは正面図を示している。図 5は図 4に示す自在 アーム Aの層構造を説明するための模式図であり、図 6は自在アームの他の層構造 を示す模式図である。

[0042] 自在アーム Aは、基本的に、長尺状の積層体 40と該積層体 40を外側から被覆する 被覆部材 50とで構成される。前記長尺状の積層体 40は、例えばアルミ板または鉛 板である屈曲自在であり屈曲後その姿勢を維持することのできる材料力なる長尺部 材 41と、長尺部材 41に沿って配置されるパネ鋼である鋼板部材 42とからなる。図示 の例において、長尺状の積層体 40は、鋼板部材 42a+長尺部材 41a+鋼板部材 4 2b+長尺部材 41b+鋼板部材 42cとからなる 5層構造であり、互いに密接しているが 、全体を屈曲させたときに相互間で滑りが生じうる状態で積層されている。限定される ものではないが、この例では、長尺部材 41の断面寸法はいずれも 2mm X 5mmであ り、鋼板部材 42の断面寸法はいずれも 0. 2mmX 5mmである。

[0043] 被覆部材 50はシリコン榭脂のような樹脂材料で作られており、断面矩形状であり、 内部に前記積層体 40が隙間のない状態で入り込むことのできる空間 51を有してい る。

[0044] 図 5aに模式的に示すように、被覆部材 50の内部空間 51内に前記積層体 40が挿 入されて自在アーム Aとされており、その一方端(図で左方の端部)には工業用接着 剤 52が注入され、接着剤 52が硬化することにより、長尺部材 41と鋼板部材 42と被覆 部材 50とが相互の間に相対移動が生じないように一体に固定された固定部 53とな つている。固定部 53以外の箇所では、前記したように、長尺部材 41と鋼板部材 42と 被覆部材 50とは相互の密接面間で滑りが可能であり、自在アーム Aが屈曲したとき に生じる長尺部材 41と鋼板部材 42の長手方向の変化は、その他方端(図で右方の 端部)である自由端側で吸収される。なお、図 5aでは、図示の関係で、固定部 52を 除く他の領域では各部材の間に隙間があるように描いてあるが、実際の製品では、

間に隙間が形成されな、ように被覆部材 50によって圧接されて、る。

[0045] この自在アーム Aを、例えば、ある半径で弧を描くように湾曲させたとき、前記固定 部 53を除いた他の部分では各部材は長手方向の変位が生じ、その変位は、固定部 53を除いた他の部分では各部材間に滑りが生じることから、自由端側で吸収され、 図 3に模式的に示すように、自由端側では積層体 40の先端に段差が生じる。

[0046] 図 5bは自在アーム Aの固定部 53の他の構成を示す模式図であり、ここでは、さら に止めピン 54が固定部 53に挿通され、端部を力しめることによって、各部材の一体 化をより強固にしている。

[0047] 本発明者の実験では、上記した自在アーム Aを用いたとき、その自由端を前後左 右、上下、傾斜等自由自在に移動することができ、そのように移動して所定位置に位 置決めした後は、手を離しても、自由端はその位置に長い時間留まっていることを確 認した。比較のために、一方端に接着剤 52を注入しない自在アームについて同様な 実験を行ったところ、自由端の移動の自由度は良好であつたが、所定位置に位置決 めした後に、手を離したところ、自由端に無視できない移動が生じた。これは、固定 部 53を有しないことから、積層体 40の両端が自由端となったためと推測される。

[0048] 必須のものではないが、この例において、自在アーム Aの自由端には好ましくは榭 脂材料で作られるミルクチューブホルダー 55が取り付けてある。ミルクチューブホル ダー 55は U字クリップ 56を有しており、搾乳時には、図 3に示すように、該 U字クリツ プ 56に第 1のミルクチューブ 12が摺動可能に挿入される。また、自在アーム Aの固 定端 53の側が集乳容器立て Bに適宜の手段で固定される。

[0049] 搾乳に当たっては、図 3に示すように、集乳容器立て Bに形成した縦穴 2に、透明な 集乳容器 10を差し込む。集乳容器 10に密封栓 11を取り付け、該密封栓 11に、ティ ートカップ 20を取り付けた第 1のミルクチューブ 12の他方端および第 2のミルクチュー ブ 13の一端を集乳容器 10内に連通する状態で挿入する。さらに、第 1のミルクチュ ーブ 12のティートカップ 20の近傍を、自在アーム Aの自由端に取り付けた前記ミルク チューブホルダー 55の U字クリップ 56に摺動可能に挿入する。

[0050] 搾乳しょうとする実験動物 (不図示)を集乳容器立て Bの近くに置き、実験者は、実 験動物の乳頭位置にティートカップ 20を移動させ、乳頭に密着させる。ティートカツ プ 20は前記した本発明に固有の自在アーム Aの自由端に取り付けてあり、その移動 は円滑であり、かつ乳頭に密着させたティートカップ 20は、実験者が手を離してもそ の位置に安定的に留まっている。その状態で、図 1に基づき説明したようにして実験 動物用の自動搾乳装置を作動させ、実験動物力の搾乳を開始する。

[0051] 搾乳された母乳は透明な集乳容器 10内に集乳される。集乳容器立て Bは前記した ように拡大鏡としての機能を果たすので、実験者は搾乳の過程を通して集乳容器 10 内の容量 (搾乳量)および性状をはっきりと計量および観察することができる。また、 必要な量の搾乳が完了するまで、装置は完全に自動運転する。そのために、搾乳中 、実験者は両手が自由となるので、搾乳装置力も離れることができ、搾乳装置による 搾乳を中断することなぐ実験動物に対して吸入麻酔の導入を行う等の作業を行うこ とがでさる。

[0052] 上記の装置において、先端にティートカップ 20を取り付けた第 1のミルクチューブ 1 2は、自在アーム Aに装着したミルクチューブホルダー 55の U字クリップ 56に摺動可 能に取り付けてあるので、必要な場合には、実験動物とティートカップ 20との間の距 離を容易に微調整することもできる。

[0053] 自在アーム Aにおいて、 1軸方向に延伸したポリエチレン榭脂シート (積水化学ェ 業株式会社製、商品名「フォルテ」)をほぼ同じ断面形状となるように積層して形成し た長尺部材 41を用いて、上記と同様な自在アーム Aを作り、それを用いて上記と同じ 搾乳装置を構成してもよい。この場合、 1軸延伸材であることから左右の移動は鉛板 と比較して不自由となるが、上下および前後の移動は鉛板とほぼ同様であり、所望位 置にティートカップ 20を位置決めすることができる。しかし、所定位置に位置決めした 後に、手を離すと、ティートカップ 20にわずかな移動が生じる。しかし、実験動物の搾 乳が実施できなくするような移動量ではなぐ十分に実用に耐えることができる。

[0054] 図 6は他の形態の自在アーム A1における積層体 40の積層構造を示して!/、る。ここ では、アルミ板または鉛板である長尺部材 41と鋼板部材 42との層間にポリエチレン のような榭脂シート 46を挟持させてヽる点で、上記した自在アーム Aと異なって、る。 このように榭脂シート 46を層間に挟持することにより、層間の滑りが良好となり、位置 決め操作が容易となる。ただし、前記したように、層間の滑りが良すぎると鋼板部材 4 2の復元力が勝ってしまい、位置決め後に位置ずれが生じやすくなる場合がある。そ のようなときには、榭脂シート 46を挟持することは好ましくない。

実験例

[0055] 本発明による実験動物用の自動搾乳装置で使用した自在アームが、長!、時間に わたってほぼ同じ曲がった姿勢を維持できることを検証すベぐ実験を行った。実験 は、図 4,図 5に示す 5層形態の自在アーム Aを長尺部材 41の種類のみを替えて 2種 類用意した。自在アーム Aの全長は 270mm,鋼板部材 42は断面寸法が厚さ 0. 2m m X幅 5mmであるパネ鋼、また、被覆部材 50はシリコン榭脂製であり、内寸法 5. 2 mm X 5. 2mm,肉厚 lmmである。一端部を工場用接着剤 52で固定した。長尺部 材 41は、 1つの自在アーム Aaは断面寸法が厚さ 1. 5mm X幅 5mmであるアルミ板 、もう一つの自在アーム Abは断面寸法が厚さ 1. 5mm X幅 5mmである鉛板とした。

[0056] 自在アーム Aa、 Abの両端を手で持ち、端部同士が接触するまで U字状に湾曲さ せた。それを水平面に敷き詰めたコピー用紙の上に置き、手を離して負荷を開放し た後の、両端間の開き距離 (mm)を経時的に測定した。試験はそれぞれについて 3 回行った。その結果を表 1に示す。

[表 1]

【表 1】


評価

[0057] アルミ板と鉛板 (長尺部材 41)の弾性復元力はパネ鋼である鋼板 (鋼板部材 42)と 比較して小さぐまた、アルミ板と鉛板の弾性復元力は異なっている。そのために、負 荷を開放して 1分後の開き距離は、自在アーム Aa (アルミ板)と自在アーム Ab (鉛板) とで異なっているが、双方とも、所定時間経過後に開き距離はほぼ不変の状態となる ことがわ力ゝる。

[0058] すなわち、自在アーム Aa (アルミ板)では、負荷を開放した直後の開き距離が 60分 経過後にも維持されており、自在アーム Ab (鉛板)では、負荷を開放して 20分程度 は開き距離に変化が見られるが、それ以降は変化が見られない。

[0059] 負荷開放直後の開きはいわゆるスプリングバックによるものであり、自在アームを通 常の実使用で現れる湾曲度以上に湾曲させた結果生じたものである。いずれの自在 アームにおいても、その後において、開き距離が不変となった状態が長時間維持さ れており、負荷に応じて、各材料と寸法を適宜選択することにより、操作が容易であり かつ負荷解放後にアームの自由端側の移動を規制することのできる自在アームが得 られることがわ力る。このような自在アームは実験動物用の自動搾乳装置における実 験動物用ティートカップの保持手段としてきわめて有効である。