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1. WO2019138886 - FOUR À TRAITEMENT THERMIQUE

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明 細 書

発明の名称 熱処理炉

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0003   0004  

課題を解決するための手段

0005   0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011  

実施例

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 熱処理炉

技術分野

[0001]
 本明細書に開示する技術は、被処理物を熱処理する熱処理炉に関する。

背景技術

[0002]
 熱処理炉(例えば、ローラーハースキルン等)を用いて、被処理物を熱処理することがある。この種の熱処理炉は、複数の搬送ローラを備えており、搬送ローラに被処理物を載置した状態で搬送ローラを回転させることによって被処理物を搬送する。例えば、特開2015-64189号公報には、熱処理炉の一例が開示されている。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0003]
 この種の熱処理炉では、生産性を高くするため、搬送ローラ上に搬送方向(以下、第1方向ともいう)と垂直かつ水平な方向(以下、第2方向ともいう)に複数の被処理物を並べて載置し、これらの複数の被処理物を同時に搬送することがある。このような場合には、熱処理炉内に複数の被処理物が第2方向に並んだ状態で同時に搬入される。そして、複数の被処理物は、搬送ローラによって熱処理炉内を搬送され、熱処理炉から搬出される。第2方向に並べて配置された複数の被処理物は、同一の搬送ローラを用いて搬送されるため、理想的には熱処理炉から同時に搬出されるはずである。しかしながら、搬送ローラの製造時に生じる歪みや、被処理物の重量によって生じる撓み等によって、搬送ローラ内のどの位置に被処理物を載置したかによって搬送速度に差が生じる。これによって、第2方向に並べて載置された複数の被処理物が熱処理炉から同時に搬出されないという問題が生じ得る。この問題は、特に被処理物の搬送距離が長い熱処理炉において顕著となる。
[0004]
 本明細書は、水平かつ搬送方向と垂直な方向(第2方向)に並べて載置される複数の被処理物を同時に搬出する技術を開示する。

課題を解決するための手段

[0005]
 本明細書に開示する熱処理炉は、被処理物を熱処理する。熱処理炉は、被処理物を熱処理する空間を備える熱処理部と、被処理物を熱処理部へ搬入する搬入部と、熱処理部に配置され、熱処理部に搬入された被処理物を搬送する複数の搬送ローラと、を備えている。搬送ローラは、水平かつ搬送方向である第1方向と垂直な第2方向に複数の被処理物を並べて載置可能である。搬入部は、第2方向に並べて載置される複数の被処理物のそれぞれを第1方向にずらして熱処理部に搬入可能に構成されている。
[0006]
 上記の熱処理炉では、搬入部において第2方向に並んで載置される複数の被処理物のそれぞれを搬送方向にずらすことができる。このため、被処理物が熱処理部から搬出される際に同時に搬出されるように、搬入部で調整することができる。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 実施例1、2に係る熱処理炉の概略構成を示す図であり、被処理物の搬送方向に平行な平面で熱処理炉を切断したときの縦断面図。
[図2] 図1のII-II線における断面図。
[図3] 実施例1の搬入部の概略構成を示す上面図。
[図4] 実施例1に係る熱処理炉の制御系の構成を概略的に示すブロック図。
[図5] 搬送ローラに反りがある場合の被処理物の搬送を説明するための図。
[図6] 搬送ローラの撓みが大きい場合の被処理物の搬送を説明するための図であって、(a)は搬送ローラの中央に載置される被処理物の載置状態を示しており、(b)は搬送ローラの端部に載置される被処理物の載置状態を示している。
[図7] 搬入部において、第2方向に並べて運び込まれた複数の被処理物を搬送方向にずらす際に制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャート。
[図8] 第2方向に並べて運び込まれた複数の被処理物が搬入部に運び込まれた状態を示す図。
[図9] 第2方向に並べて運び込まれた複数の被処理物が、搬送方向にずらした状態で搬入部を搬送される態様を示す図。
[図10] 熱処理部から搬出される被処理物をセンサによって検知する状態を示す図。
[図11] 第2方向に並べて運び込まれた複数の被処理物が、搬送方向にずらした状態で搬入部を搬送される他の態様を示す図。
[図12] 実施例2の搬入部の概略構成を示す上面図。
[図13] 実施例2に係る熱処理炉の制御系の構成を概略的に示すブロック図。

発明を実施するための形態

[0008]
 以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
[0009]
(特徴1)本明細書が開示する熱処理炉では、搬入部には、熱処理部に搬入される複数の被処理物を搬送する搬送ローラが設置されていてもよい。搬入部に設置される搬送ローラは、第2方向に複数に分割された部分搬送ローラを備えていてもよい。第2方向に分割された部分搬送ローラのそれぞれは独立して駆動可能となっていてもよい。このような構成によると、搬入部において、第2方向に並んだ複数の被処理物を別個に搬送することができる。このため、例えば第2方向に並んだ複数の被処理物が熱処理部から搬出される際に同時に搬出されるように、複数の被処理物のそれぞれを熱処理部へ搬入するタイミングを容易に調整することができる。
[0010]
(特徴2)本明細書が開示する熱処理炉では、搬入部は、第2方向に並べて載置される複数の被処理物のそれぞれを、搬送方向に独立して押し出し可能な押圧装置を備えていてもよい。このような構成によると、押圧装置によって、熱処理部への複数の被処理物それぞれの搬入タイミングを容易に調整することができる。
[0011]
(特徴3)本明細書が開示する熱処理炉は、熱処理部から搬出される第2方向に並べて載置される複数の被処理物のそれぞれを検知するセンサと、センサに検知された第2方向に並べて載置される複数の被処理物のそれぞれの搬出時間のずれ量に基づいて、搬入部において複数の被処理物のそれぞれを第1方向にずらす量を算出する演算部と、をさらに備えていてもよい。このような構成によると、熱処理部から搬出される被処理物をセンサで検知することによって、複数の被処理物のそれぞれの搬出タイミングのずれを検出することができる。これに基づいて搬入部において各被処理物を搬送方向にずらす量を算出して調整することによって、複数の被処理物の搬出タイミングのずれをさらに小さくすることができる。
実施例
[0012]
(実施例1)
 以下、実施例に係る熱処理炉10について説明する。図1に示すように、熱処理炉10は、熱処理部20と、搬入部34と、搬出部40と、搬送装置50と、制御装置62を備えている。熱処理炉10は、搬送装置50によって被処理物12が熱処理部20内を搬送される間に、被処理物12を熱処理する。
[0013]
 被処理物12としては、例えば、セラミックス製の誘電体(基材)と電極とを積層した積層体や、リチウムイオン電池の正極材や負極材等が挙げられる。熱処理炉10を用いてセラミック製の積層体を熱処理する場合には、これらを平板状のセッタに載置して炉内を搬送することができる。また、熱処理炉10を用いてリチウムイオン電池の正極材や負極材を熱処理する場合には、これらを箱状の匣鉢に収容して炉内を搬送することができる。本実施例の熱処理炉10では、搬送ローラ52、54(後述)上に複数のセッタや匣鉢を搬送方向に並んだ状態で載置して搬送することができる。以下、本実施例においては、熱処理する物質と、その熱処理する物質を載置したセッタや収容した匣鉢を合わせた全体を「被処理物12」という。また、以下の説明では、被処理物12を搬送する方向(図1のYZ平面に垂直な方向)を「搬送方向」又は「第1方向」と称することがあり、水平かつ第1方向に垂直な方向(図1のXZ平面に垂直な方向)を「第2方向」と称することがある。
[0014]
 熱処理部20は、略直方形の箱型の炉体を備えており、炉体の内部には周囲を外壁22で囲まれた空間24が設けられている。外壁22の前端面(図1の-X側の端面)には、開口26が形成されており、外壁22の後端面(図1の+X側の端面)には、開口28が形成されている。被処理物12は、搬送装置50によって開口26から熱処理部20内に搬送され、開口28から熱処理部20外へ搬送される。すなわち、開口26は熱処理部20の搬入口として用いられ、開口28は熱処理部20の搬出口として用いられる。
[0015]
 空間24には、複数の搬送ローラ52と、複数のヒータ30、32が配置されている。ヒータ30は、搬送ローラ52の上方の位置に搬送方向に等間隔で配置され、ヒータ32は搬送ローラ52の下方の位置に搬送方向に等間隔で配置されている。ヒータ30、32が発熱することで、空間24内が加熱される。なお、本実施例では、ヒータ30、32はそれぞれ搬送方向に等間隔で配置されているが、このような構成に限定されない。ヒータは、例えば、被処理物12の種類や熱処理部20の熱処理の条件等に合わせて、所望の位置に適宜変更して配置してもよい。また、本実施例では、空間24内にヒータ30、32を配置しているが、このような構成に限定されない。空間24内を加熱できればよく、例えば、空間24内にガスバーナー等を設置してもよい。
[0016]
 図2に示すように、熱処理部20では、被処理物12は第2方向に複数並べて搬送される。本実施例では、熱処理部20(すなわち、熱処理炉10全体)において、3つの被処理物12を第2方向に並べて搬送する。このため、本実施例では、熱処理部20の第2方向の寸法は、被処理物12を第2方向に3つ並べた寸法より大きくされているが、熱処理部20の第2方向の寸法は、特に限定されない。熱処理部20の第2方向の寸法は、被処理物12を第2方向に3つより多く並べて搬送可能な大きさであってもよい。また、熱処理部20の搬送方向の寸法は、約100mと比較的大きくなっているが、熱処理部20の搬送方向の寸法は、特に限定されない。例えば、熱処理部20の搬送方向の寸法は、100mより小さくてもよく、30m~100mであってもよいし、100mより大きくてもよい。なお、以下の説明では、被処理物12が第2方向に複数並んでいる場合の第2方向の中央側を「内側」と称し、第2方向の中央に対して端部側(+Y方向及び-Y方向)を「外側」と称することがある。なお、被処理物12は、所定の間隔を空けて熱処理部20に連続して搬入される。このため、被処理物12は、第2方向だけでなく搬送方向にも並んで配置されていることになる。
[0017]
 なお、図3に示すように、本実施例では、第2方向に並べて載置する3つの被処理物12のうち、第2方向の+Y方向側に載置されるものを被処理物12aとし、第2方向の中央(内側)に載置されるものを被処理物12bとし、第2方向の-Y方向側に載置されるものを被処理物12cとして区別している。以下、他の構成要素についても、その構成要素を区別する必要があるときは沿字のアルファベットを用いて記載し、その構成要素を区別する必要がないときは沿字のアルファベットを省略して単に数字で記載することがある。
[0018]
 図1に示すように、搬入部34は、熱処理部20の上流側(すなわち、搬送方向の上流側であり、図1では熱処理部20の-X方向)に位置している。搬入部34は、熱処理炉10の外部から運ばれる被処理物12を受け取り、受け取った被処理物12を熱処理部20の空間24内に搬入する。搬入部34には、搬送ローラ54が設置されており、熱処理炉10の外部から運ばれた被処理物12を搬送ローラ54によって搬送する。なお、搬入部34の具体的な構成については、後に詳述する。
[0019]
 搬出部40は、熱処理部20の下流側(すなわち、搬送方向の下流側であり、図1では熱処理部20の+X方向)に位置している。搬出部40は、熱処理部20の空間24から被処理物12を搬出し、搬出された被処理物12を熱処理炉10の外部に受け渡す。搬出部40には、搬送ローラ52が設置されており、被処理物12を搬送ローラ52によって空間24外に搬送する。
[0020]
 また、搬出部40には、被処理物12が熱処理部20から搬出されたことを検知するセンサ48が設置されている。センサ48は、搬出部40の(すなわち、空間24の外部の)外壁22の近傍であり、かつ、被処理物12の搬送経路の上方に配置される(図1参照)。図10に示すように、本実施例では、センサ48(図10ではセンサ48a~48c)は、第2方向に3つ並べて設置されている。3つのセンサ48a~48cはそれぞれ被処理物12a~12cを検知する。詳細には、センサ48aは+Y方向側に設置され、被処理物12aを上方から検知する。センサ48bは中央に設置され、被処理物12bを上方から検知する。センサ48cは-Y方向側に設置され、被処理物12cを上方から検知する。例えば、センサ48には、光学式のセンサを用いることができ、センサ48は、被処理物12が光路を遮るか否かを検出することができる。なお、本実施例では、センサ48は被処理物12の搬送経路の上方に配置されているが、このような構成に限定されない。センサは、被処理物12が熱処理部20から搬出されたことを検知できればよく、被処理物12の搬送経路の下方に配置されていてもよいし、被処理物12の搬送経路の側方に配置されていてもよい。また、センサは、レーザセンサであってもよい。すなわち、このようなセンサを被処理物12の搬送方向の下流(図1では+X方向)に配置し、センサは、センサから出力されるレーザが被処理物12で反射し、再びセンサに入力されるまでの時間に基づいて、被処理物12の位置を測定してもよい。センサ48a~48cは制御装置62に接続され、センサ48a~48cからの信号が制御装置62に入力される。
[0021]
 搬送装置50は、複数の搬送ローラ52、54と、駆動装置60を備えている。搬送装置50は、搬入部34に運ばれた被処理物12を、搬入部34から開口26を通って熱処理部20の空間24内に搬送する。さらに、搬送装置50は、空間24内において、開口26から開口28まで被処理物12を搬送する。そして、搬送装置50は、空間24から開口28を通って搬出部40まで被処理物12を搬送する。被処理物12は、搬送ローラ52、54によって搬入部34から搬出部40まで搬送される。
[0022]
 搬送ローラ52、54は円筒状であり、その軸線は搬送方向と直交する方向に伸びている。複数の搬送ローラ52、54は、すべて同じ直径を有しており、搬送方向に一定のピッチで等間隔に配置されている。搬送ローラ52、54は、その軸線回りに回転可能に支持されており、駆動装置60の駆動力が伝達されることによって回転する。搬送ローラ52は、熱処理部20及び搬出部40に複数配置されている。搬送ローラ52の軸線方向の寸法は、熱処理部20の第2方向の寸法より大きい(図2参照)。搬送ローラ54は、搬入部34に複数配置されている。搬送ローラ54の軸線方向の寸法は、搬送ローラ52の軸線方向の寸法より小さく、被処理物12の第2方向の寸法より大きい(図3参照)。なお、搬入部34における搬送ローラ54の設置の構成については、後に詳述する。
[0023]
 駆動装置60a~60dは、搬送ローラ52、54を駆動する駆動装置(例えば、モータ)である。駆動装置60a~60dは、動力伝達機構を介して搬送ローラ52、54に接続されている。駆動装置60a~60dの駆動力が動力伝達機構を介して搬送ローラ52、54に伝達されると、搬送ローラ52、54は回転するようになっている。動力伝達機構としては、公知のものを用いることができ、例えば、スプロケットとチェーンによる機構が用いられている。駆動装置60a~60dは、搬送ローラ52、54が略同一の速度で回転するように、搬送ローラ52、54のそれぞれを駆動する。また、駆動装置60a~60cは、搬入部34に設置される搬送ローラ54に接続されており、駆動装置60dは、熱処理部20及び搬出部40に設置される搬送ローラ52に接続されている。駆動装置60a~60dは、それぞれ別個に駆動する。また、駆動装置60a~60dの駆動力は同一となっている。したがって、すべての搬送ローラ52、54は、同一の速度で回転する。駆動装置60は、制御装置62によって制御されている。
[0024]
 ここで、搬入部34の構成について詳細に説明する。図3に示すように、搬入部34には、複数の搬送ローラ54が設置されている。搬送ローラ54の軸線は、第2方向に平行に伸びており、3本の搬送ローラ54a~54cが同一直線上に配置される。具体的には、搬送ローラ54aは第2方向の+Y方向側に配置され、搬送ローラ54bは第2方向の中央(内側)に配置され、搬送ローラ54cは第2方向の-Y方向側に配置される。搬入部34を搬送方向に沿って見ると、すべての搬送ローラ54aは略一致するように配置されている。同様に、搬入部34を搬送方向に沿って見ると、すべての搬送ローラ54b、54cはそれぞれ略一致するように配置されている。
[0025]
 搬送ローラ54a~54cには、熱処理炉10の外部から搬入部34に運び込まれた3つの被処理物12a~12cがそれぞれ載置される。具体的には、搬送ローラ54aには被処理物12aが載置され、搬送ローラ54bには被処理物12bが載置され、搬送ローラ54cには被処理物12cが載置される。搬送ローラ54a~54cは、被処理物12a~12cをそれぞれ熱処理部20に搬送する。
[0026]
 搬入部34に設置される搬送ローラ54a~54cは、それぞれ別個の駆動装置60a~60cに接続されている。詳細には、複数の搬送ローラ54aは駆動装置60aと接続されており、複数の搬送ローラ54bは駆動装置60bと接続されており、複数の搬送ローラ54cは駆動装置60cと接続されている。上述したように、駆動装置60a~60cの駆動は、制御装置62によって制御されている。制御装置62は、各駆動装置60a~60cが駆動するタイミングをそれぞれ制御している。
[0027]
 図4に示すように、制御装置62は、ヒータ30、32及び駆動装置60a~60dと接続され、ヒータ30、32、駆動装置60a~60dを制御している。また、制御装置62は、駆動装置60a~60cを駆動させるタイミングを制御している。後に詳述するが、搬入部34では、被処理物12a~12cをそれぞれ異なるタイミングで搬送する。すなわち、被処理物12a~12cが搬入部34に同時に運び込まれてから駆動装置60a~60cを駆動するまでの時間(以下、所定時間ともいう)は、駆動装置60a~60c毎に異なる。制御装置62は、所定時間を算出し、算出した所定時間に基づいて駆動装置60a~60cをそれぞれ駆動する。算出された所定時間は、制御装置62に記憶される。また、制御装置62は、センサ48a~48cと接続され、センサ48a~48cからの信号を入力する。
[0028]
 次に、被処理物12を熱処理する際の熱処理炉10の動作について説明する。被処理物12を熱処理するためには、まず、ヒータ30、32を作動させて、空間24の雰囲気温度を設定した温度とする。次いで、3つの被処理物12を、熱処理炉10の外部から搬入部34に設置される搬送ローラ54a~54c上にそれぞれ移動させる。次いで、駆動装置60a~60dを作動させて、搬入部34から開口26を通って、第2方向に並べた3つの被処理物12を熱処理部20の空間24内に搬送する。空間24内に搬送された被処理物12は、空間24内を開口26から開口28まで搬送される。これによって、被処理物12は熱処理される。そして、熱処理された被処理物12は、開口28を通って搬出部40に搬送され、搬出部40から運び出される。
[0029]
 被処理物12は、搬入部34から熱処理部20を通って搬出部40まで、第2方向に複数(本実施例では3つ)並べた状態で搬送される。しかしながら、熱処理部20の入口において複数の被処理物12を搬送方向に揃えた状態で搬入しても、熱処理部20を搬送される間に複数の被処理物12のそれぞれの搬送速度にずれが生じ、熱処理部20から搬出される際には、複数の被処理物12が搬送方向にずれた状態となる。このずれは、搬送ローラ52の製造時に生じる反り等の歪みや、被処理物12の重量によって搬送ローラ52に被処理物12を載置した際に搬送ローラ52に生じる撓みによって生じる。
[0030]
 例えば、搬送ローラ52の「反り」が搬送ローラ52の「撓み」より大きい場合、搬送ローラ52の内側(中央)に載置される被処理物12の搬送速度が、搬送ローラ52の外側(端部側)に載置される被処理物12の搬送速度より速くなり易い。すなわち、搬送ローラ52は、製造時に反りや歪みが生じるため、熱処理炉10に設置されるすべての搬送ローラ52を完全に同一の形状にすることができない。搬送ローラ52の「反り」が搬送ローラ52の「撓み」より大きい場合、搬送ローラ52の「反り」の影響が支配的となり、搬送ローラ52の「反り」が被処理物12a~12cの搬送速度を決定する。例えば、図5に示すように、搬送ローラ52が反っていると、反りが大きい部分の回転半径R1は、他の部分の回転半径R2より大きくなる。すると、回転半径が大きい部分に載置される被処理物12は、回転半径が小さい部分に載置される被処理物12より搬送速度が速くなる。搬送ローラ52の反りは、端部付近より中央部分に生じ易い。このため、搬送ローラ52に生じる反りによって、搬送ローラ52の内側(すなわち、中央)に載置される被処理物12bは、外側(すなわち、端部側)に載置される被処理物12a、12cより速く搬送され易くなる。
[0031]
 一方、搬送ローラ52の「撓み」が搬送ローラ52の「反り」より大きい場合、搬送ローラ52の外側(端部側)に載置される被処理物12の搬送速度が、搬送ローラ52の内側(中央)に載置される被処理物12の搬送速度より速くなり易い。すなわち、搬送ローラ52の「撓み」が搬送ローラ52の「反り」より大きい場合、搬送ローラ52の「撓み」によって「反り」の影響がキャンセルされ、上述した傾向(搬送ローラ52の内側(中央)の方が外側(端部側)より被処理物12の搬送速度が速くなるという傾向)が打ち消される。その一方、搬送ローラ52の径寸法のバラツキの影響が支配的となり、搬送ローラ52の外側(端部側)に載置される被処理物12の搬送速度が、搬送ローラ52の内側(中央)に載置される被処理物12の搬送速度より速くなり易い。
[0032]
 図6を用いて説明する。図6は、4本の搬送ローラ52に載置される被処理物12を模式的に示している。4本の搬送ローラ52は、搬送方向の上流から下流に(+X方向に)搬送ローラ52a~52dの順に並んでいる。また、4本の搬送ローラ52a~52dは、搬送ローラ52a、52cの径寸法が大きく、搬送ローラ52b、52dの径寸法が小さくなっている。
[0033]
 ここで、搬送ローラ52は両端支持されているため、その「撓み」は中央で大きく、端部で小さくなる。上述したように、搬送ローラ52の「撓み」が搬送ローラ52の「反り」より大きい場合、搬送ローラ52の「反り」の影響がキャンセルされるため、搬送ローラ52に「反り」が生じていないものと仮定する。この場合、搬送ローラ52の「撓み」が小さければ、被処理物12は径寸法の大きな搬送ローラ52のみに接触することになる。一方、搬送ローラ52の「撓み」が大きければ、被処理物12は径寸法の大きな搬送ローラ52を大きく撓ませ、その結果、径寸法の小さな搬送ローラ52にも接触することになる。
[0034]
 図6(a)に示すように、搬送ローラ52の中央付近では搬送ローラ52a、52cの撓みが大きいため、被処理物12bが他の搬送ローラ52b、52dにも接触した状態となる。すなわち、被処理物12bは全ての搬送ローラ52a~52dと接触することになる。一方、図6(b)に示すように、搬送ローラ52の端部では搬送ローラ52a、52cの撓みが小さいため、被処理物12a、12cが搬送ローラ52b、52dとは接触しない状態が生じる。したがって、搬送ローラ52の端部では、回転半径の大きな搬送ローラ52a,52cのみによって被処理物12a,12cが搬送される状態となり、その結果、被処理物12a,12cの搬送速度が速くなる。一方、図6(a)に示す状態では、搬送ローラ52a、52cの撓みが大きいため、被処理物12bが全ての搬送ローラ52a~52dに接触し、搬送ローラ52a~52dの径寸法の影響を低減する。その結果、搬送ローラ52の内側に載置される被処理物12の搬送速度は、外側(端部側)に載置される被処理物12の搬送速度より遅くなる。
[0035]
 上述したように、Y方向に並べて載置された被処理物12a~12cの搬送速度は、搬送ローラ52の「反り」と「撓み」の関係によって変化する。搬送ローラ52の「反り」が「撓み」より大きい場合は、搬送ローラ52の「反り」の影響が強くなり、搬送ローラ52の中央に配置された被処理物12bが端部に配置された被処理物12a,12cより速く搬送され易くなる。一方、搬送ローラ52の「撓み」が「反り」より大きい場合は、搬送ローラ52の径寸法のバラツキの影響が強くなり、搬送ローラ52の端部に配置された被処理物12a,12cが中央に配置された被処理物12bより速く搬送され易くなる。
[0036]
 このように、被処理物12は、搬送ローラ52の反り、撓み、寸法のバラツキによって搬送速度が変わる。このため、第2方向に並べた複数の被処理物12は、被処理物12が熱処理部20を搬送される間に搬送方向にずれることがある。特に、上述したように、本実施例の熱処理炉10は熱処理部20の搬送方向の寸法が比較的長いため、第2方向に並べて搬送される複数の被処理物12は搬送方向にずれ易い。搬出部40で複数の被処理物12が第2方向に揃っていないと、熱処理炉10の外部へ複数の被処理物12を運び出し難くなる。そこで、熱処理部20で搬送される間のずれ量を考慮して、被処理物12a~12cがすべて同時に熱処理部20から搬出されるように、搬入部34において、複数の被処理物12を搬送方向にずらす。以下に、搬入部34において、第2方向に並べた複数の被処理物12を搬送方向にずらす構成について、さらに詳細に説明する。
[0037]
 図7は、搬入部34において被処理物12a~12cを搬送方向にずらす際に制御装置62が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、制御装置62は、搬送ローラ52の撓み量に基づいて被処理物12a~12cのそれぞれが熱処理部20内を搬送される時間を算出する(S12)。搬送ローラ52の撓み量は、例えば、搬送ローラ52の材質、形状、寸法等と、搬送ローラ52に載置する被処理物12の重量、数量、載置する位置等から算出することができる。制御装置62は、算出した撓み量に基づいて被処理物12a~12cがそれぞれ熱処理部20内を搬送される時間を算出する。すなわち、被処理物12a~12cのそれぞれの搬送速度を算出し、その搬送速度から各被処理物12a~12cの搬送時間を算出する。なお、ステップS12の計算は、搬送ローラ52の「反り」の影響が小さく(すなわち、「撓み」>「反り」であり)、また、搬送ローラ52の径寸法のバラツキが無視できるほど小さいと仮定して計算する。
[0038]
 次に、制御装置62は、算出した被処理物12a~12cの搬送時間の差に基づいて、各駆動装置60a~60cに対する所定時間を算出する(S14)。例えば、制御装置62が、被処理物12bが熱処理部20内を搬送される時間が、被処理物12a、12cが熱処理部20内を搬送される時間より時間t1だけ長いと算出した場合、制御装置62は、駆動装置60bに対する所定時間を0と算出し、駆動装置60a、60cに対する所定時間をt1と算出する。そして、制御装置62は、算出された所定時間を記憶する。なお、本実施例では、制御装置62がステップS12及びステップS14を実行しているが、このような構成に限定されない。例えば、所定時間を予め算出し、算出した所定時間を制御装置62に入力するように構成されていてもよい。
[0039]
 次に、制御装置62は、被処理物12a~12cを搬送する(S16)。被処理物12a~12cは、以下の手順で搬送される。まず、図8に示すように、3つの被処理物12a~12cが熱処理炉10の外部から搬入部34に運び込まれ、被処理物12a~12cは、搬送ローラ54a~54c上にそれぞれ載置される。制御装置62は、被処理物12a~12cが搬送ローラ54a~54c上に載置されてから所定時間が経過すると、駆動装置60a~60cをそれぞれ駆動する。
[0040]
 例えば、制御装置62には、駆動装置60bに対する所定時間は0として記憶されているため、被処理物12bが搬送ローラ54bに載置されると、直ちに被処理物12bが搬送される。そして、駆動装置60a、60cに対する所定時間はt1として記憶されているため、被処理物12a、12cが搬送ローラ54a、54cに載置されてから時間t1が経過すると、被処理物12a、12cが搬送される。駆動装置60a~60cの駆動力は同一であるため、すべての搬送ローラ54a~54cは同一速度(以下、この速度をvとする)で回転する。このため、図9に示すように、搬入部34では、被処理物12bは、被処理物12a、12cに対して距離vt1だけ搬送方向の下流側にずれた状態で搬送され、この距離vt1を維持したまま熱処理部20に搬入される。
[0041]
 次に、制御装置62は、センサ48a~48cの信号をそれぞれ入力したか否かを判定する(S18)。熱処理部20内を搬送された被処理物12a~12cはそれぞれ、熱処理部20を搬出される際にセンサ48a~48cによって検知される。制御装置62が、センサ48a~48cそれぞれが検知した信号を入力していない場合、すなわち、被処理物12a~12cが搬出されたことを検知していないセンサ48a~48cがある場合(ステップS18でNOの場合)には、制御装置62は、ステップS18の処理を繰り返す。制御装置62が、センサ48a~48cそれぞれが検知した信号を入力した場合、すなわち、被処理物12a~12cが搬出されたことをすべてのセンサ48a~48cが検知した場合(ステップS18でYESの場合)には、ステップS20に進む。
[0042]
 センサ48a~48cそれぞれが検知した信号を入力すると(ステップS18でYESの場合)、制御装置62は、ステップS18で入力された信号が同時に入力されたか否かを判定する(S20)。なお、ここでいう「同時」には、ステップS18で入力された信号が完全に同時に入力された場合だけでなく、全ての信号が予め設定した時間以内に入力された場合(すなわち、略同時の場合)も含まれる。上述した説明から明らかなように、ステップS12で算出された搬送時間通りに熱処理部20内を被処理物12a~12cが搬送されると、被処理物12a~12cは熱処理部20から同時に搬出される。この場合には、被処理物12a~12cは、熱処理部20から搬出部40に同時に搬送され、搬出部40から熱処理炉10の外部に被処理物12a~12cを同時に運び出すことができる。センサ48a~48cに検知された信号が同時に入力された場合には(ステップS20でYESの場合)、制御装置62は、所定時間を変更することなく、後続の被処理物12の搬送を続ける。
[0043]
 一方、センサ48a~48cに検知された信号が同時に入力されなかった場合には(ステップS20でNOの場合)、制御装置62は、所定時間を変更する(S22)。例えば、搬送ローラ52の反りや径寸法のバラツキが大きく影響する場合、被処理物12a~12cは、撓み量に基づいて計算した時間通りに熱処理部20内を搬送されない。このような場合には、制御装置62は、ステップS18でセンサ48a~48cから信号が入力されたタイミングのずれに基づいて、所定時間を変更する。
[0044]
 例えば、図10に示すように、被処理物12cが先に搬出され、被処理物12a、12bが被処理物12cより時間t2遅れて搬出されたとする。この場合、制御装置62は、ステップS18において、センサ48cが検知した被処理物12cが搬出されたことを示す信号を入力し、それから時間t2遅れて、センサ48a、48bが検知した被処理物12a、12bが搬出されたことを示す信号を入力する。そして、制御装置62は、ステップS20において、センサ48a~48cから信号が同時に入力されていないと判断する。
[0045]
 すると、制御装置62は、ステップS18で入力した信号に基づいて、所定時間を変更する。詳細には、被処理物12cは、被処理物12cと同時に熱処理部20内に搬入された被処理物12aと、被処理物12cより時間t1先に熱処理部20内に搬入された被処理物12bより、時間t2だけ早く熱処理部20から搬出される。このため、制御装置62は、被処理物12cがさらに時間t2だけ遅く熱処理部20内に搬入されるように、所定時間を変更する。すなわち、駆動装置60cに対する所定時間は、時間(t1+t2)となる。
[0046]
 ステップS22で所定時間が変更されると、制御装置62は、ステップS16に戻ってステップS16の処理を実行する。すると、被処理物12a~12cは、新たに記憶された所定時間に従い、搬送方向にずれた状態で搬入部34を搬送される。例えば、制御装置62には、駆動装置60bに対する所定時間は0として記憶されているため、被処理物12bが搬送ローラ54bに載置されると、直ちに被処理物12bが搬送される。そして、駆動装置60aに対する所定時間はt1として記憶されているため、被処理物12aが搬送ローラ54aに載置されてから時間t1が経過すると、被処理物12aが搬送される。さらに、駆動装置60cに対する所定時間は(t1+t2)として記憶されているため、被処理物12cが搬送ローラ54cに載置されてから時間(t1+t2)が経過すると、被処理物12cが搬送される。したがって、図11に示すように、搬入部34では、被処理物12bは、被処理物12aに対して距離vt1だけ搬送方向の下流側にずれた状態で搬送され、被処理物12cに対して距離v(t1+t2)だけ搬送方向の下流側にずれた状態で搬送される。そして、被処理物12a~12cは、これらの距離を維持したまま熱処理部20に搬入される。このように被処理物12a~12cを熱処理部20に搬入することによって、被処理物12a~12cを熱処理部20から同時に搬出することができる。このような所定時間の調整は、被処理物12a~12cが熱処理部20から同時に搬出されるまで繰り返し実行される。なお、ステップS22において所定時間を変更した後、所定時間が変更された状態で搬送された被処理物12a~12cが熱処理部20から搬出されるまでの間、制御装置62は、ステップS18及びステップS20の処理を実行しない。すなわち、制御装置62は、被処理物12a~12cの熱処理部20内の搬送時間を考慮して、所定時間が変更された被処理物12a~12cがセンサ48a~48cによって検知されるまで、所定時間の調整を実行しない。
[0047]
 本実施例では、複数の被処理物12が熱処理部20を搬送される速度の差に基づいて、搬入部34において、搬入部34に同時に運び込まれる複数の被処理物12を搬送方向にずらしている。これによって、複数の被処理物12を熱処理部20から同時に搬出することができる。上述したように、熱処理部20に設置される搬送ローラ52には、製造時の歪みや、被処理物12の重量による撓みが生じる。このため、被処理物12が搬送ローラ52の第2方向のどの位置で搬送されかによって、被処理物12が熱処理部20内を搬送される速度が異なる。このため、被処理物12を第2方向に複数並べて搬送すると、複数の被処理物12が熱処理部20全体を搬送される時間が一致しない。すると、熱処理炉10に第2方向に並べて運び込んだ複数の被処理物12は、搬出部40において搬送方向にずれた状態となり、熱処理炉10から外部に運び出し難くなる。本実施例の熱処理炉10では、搬入部34において第2方向に並べた複数の被処理物12を搬送方向にずらすことができる。このため、複数の被処理物12が熱処理部20から同時に搬出されるように、搬入部34で予め調整することができる。このため、熱処理炉10内に第2方向に並べて運び込んだ複数の被処理物12を、搬出部40において搬送方向に揃えることができ、熱処理炉10から運び出し易くすることができる。
[0048]
 なお、本実施例では、第2方向に3つの被処理物12a~12cを並べて載置したが、このような構成に限定されない。搬入部34において、第2方向に並べて運び込まれた複数の被処理物12を搬送方向にずらすことができる構成であればよく、第2方向に被処理物12を3つより多く並べて載置してもよい。また、ステップS12で被処理物12a~12cの搬送時間を算出したが、このようなステップを省略することができる。例えば、被処理物12a~12cの搬送時間が同一であると仮定して、被処理物12a~12cの熱処理を開始してもよい。このようにしても、被処理物12の熱処理を行う毎に搬出タイミングが検出され、その検出結果に基づいて搬入タイミングが調整されるため、被処理物12a~12cは同時に搬出されるように調整されてゆくこととなる。あるいは、被処理物12a~12cを試験的に搬送し、その際に測定した搬送時間を用いてもよい。
[0049]
 なお、本実施例では、搬送ローラ52、54はすべて同じ直径を有していたが、このような構成に限定されない。例えば、熱処理部20に設置される搬送ローラの直径は、搬入部34及び搬出部40に設置される搬送ローラと異なる直径であってもよく、搬送ローラの直径は、被処理物12の種類や熱処理の条件等に合わせて適宜変更してもよい。また、本実施例では、搬送ローラ52、54はすべて等間隔のピッチで配置されていたが、このような構成に限定されない。例えば、熱処理部20に設置される搬送ローラ52は、搬入部34及び搬出部40に設置される搬送ローラ52、54と異なるピッチで配置されてもよい。また、本実施例では、駆動装置60は、搬送ローラ52、54が略同一の速度で回転するように、搬送ローラ52、54のそれぞれを駆動していたが、このような構成に限定されない。例えば、熱処理炉10は駆動力の異なる複数の駆動装置を備えており、複数の駆動装置により、熱処理部20に設置される搬送ローラ52は、搬入部34及び搬出部40に設置される搬送ローラ52、54と異なる速度で回転するように構成されていてもよい。
[0050]
 また、本実施例では、駆動装置60a~60cが駆動するタイミングをずらすことによって、被処理物12a~12cを搬送方向にずらしていたが、このような構成に限定されない。熱処理炉10内に第2方向に並べて運び込まれた複数の被処理物12が熱処理部20内に搬入されるタイミングをずらすことができればよく、例えば、搬送ローラ54a~54cがそれぞれ異なる速度で回転可能な構成であってもよい。すなわち、搬送ローラ54a~54cがそれぞれ、駆動速度を変更可能な異なる駆動装置に接続されていてもよい。このような構成によっても、搬入部34において、被処理物12a~12cを搬送方向にずらし、熱処理部20内にずらして搬入することができる。
[0051]
(実施例2)
 上記の実施例1の熱処理炉10は、搬入部34において、第2方向に並べた複数の被処理物12a~12cの搬送のタイミングをずらしたり、異なる搬送速度で搬送したりすることによって、被処理物12a~12cを搬入部34で搬送方向にずらしていたが、このような構成に限定されない。例えば、熱処理炉110は、押圧装置70を備えていてもよい。なお、本実施例の熱処理炉110は、搬入部134の構成が実施例1の熱処理炉10と相違しており、その他の構成については略同一となっている。そこで、実施例1の熱処理炉10と同一の構成については、その説明を省略する。
[0052]
 図12に示すように、搬入部134には、複数の搬送ローラ52が設置されている。搬送ローラ52の軸線は、第2方向に平行に伸びており、複数の搬送ローラ52は、搬送方向に一定のピッチで等間隔に配置されている。搬入部134に設置される搬送ローラ52を配置するピッチと、熱処理部20に設置される搬送ローラ52を配置するピッチは、同一となっている。なお、搬入部134に設置される搬送ローラ52を配置するピッチは、熱処理部20に設置される搬送ローラ52と異なるピッチであってもよい。
[0053]
 搬入部134には、押圧装置70が設置されている。押圧装置70は、搬入部134の搬送方向の上流側(-X方向側)に配置されている。押圧装置70は、押し板72a~72cを備えており、押し板72a~72cの前端面(+X方向側の面)は、搬入部134に運び込まれた被処理物12a~12cの後端面(-X方向側の面)に接触するように設置されている。押し板72a~72cは、アクチュエータ(図示省略)によって駆動され、被処理物12a~12cを搬送方向に押し出す。また、図13に示すように、押圧装置70は、制御装置62に接続されており、制御装置62に制御されている。押圧装置70が被処理物12a~12cを押し出す量は、制御装置62によって制御される。
[0054]
 本実施例では、押圧装置70によって搬入部134において被処理物12a~12cを搬送方向に所定量ずらすことができる。このため、本実施例においても、熱処理炉10内に第2方向に並べて運び込んだ複数の被処理物12を熱処理部20から同時に搬出されるように、搬入部134において搬送方向にずらすことができる。このため、第2方向に並べて運び込んだ複数の被処理物12を搬出部40において搬送方向に揃えることができ、複数の被処理物12を熱処理炉10から運び出し易くすることができる。
[0055]
 なお、本実施例では、押圧装置70によって搬入部134において被処理物12a~12cを搬送方向にずらしていたが、このような構成に限定されない。熱処理炉10内に第2方向に並べて運び込まれた複数の被処理物12が搬送されるタイミングを所定時間ずらすことができる構成であればよく、例えば、搬入部134においてストッパを用いて各被処理物12の搬送のタイミングを遅らせてもよい。すなわち、ストッパによって各被処理物12の搬送開始タイミングをずらすことで、各被処理物12を搬送方向にずらした状態で熱処理部20に搬入されるようにしてもよい。また、本実施例では、搬入部34に、第2方向に分割されていない搬送ローラ52を設置したが、このような構成に限定されない。例えば、実施例1の搬入部34のように、第2方向に分割された搬送ローラ54を設置してもよい。このような構成において、押圧装置70やストッパを用いて搬入部134において被処理物12a~12cを搬送方向にずらしてもよい。
[0056]
 以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。

請求の範囲

[請求項1]
 被処理物を熱処理する熱処理炉であって、
 前記被処理物を熱処理する空間を備える熱処理部と、
 前記被処理物を前記熱処理部へ搬入する搬入部と、
 前記熱処理部に配置され、前記熱処理部に搬入された前記被処理物を搬送する複数の搬送ローラと、を備えており、
 前記搬送ローラは、水平かつ搬送方向である第1方向と垂直な第2方向に複数の被処理物を並べて載置可能であり、
 前記搬入部は、前記第2方向に並べて載置される前記複数の被処理物のそれぞれを前記第1方向にずらして前記熱処理部に搬入可能に構成されている、熱処理炉。
[請求項2]
 前記搬入部には、前記熱処理部に搬入される複数の被処理物を搬送する搬送ローラが設置されており、
 前記搬入部に設置される搬送ローラは、前記第2方向に複数に分割された部分搬送ローラを備えており、
 前記第2方向に分割された前記部分搬送ローラのそれぞれは独立して駆動可能となっている、請求項1に記載の熱処理炉。
[請求項3]
 前記搬入部は、前記第2方向に並べて載置される前記複数の被処理物のそれぞれを、前記搬送方向に独立して押し出し可能な押圧装置を備えている、請求項1に記載の熱処理炉。
[請求項4]
 前記熱処理部から搬出される前記第2方向に並べて載置される複数の被処理物のそれぞれを検知するセンサと、
 前記センサに検知された前記第2方向に並べて載置される複数の被処理物のそれぞれの搬出時間のずれ量に基づいて、前記搬入部において前記複数の被処理物のそれぞれを前記第1方向にずらす量を算出する演算部と、をさらに備えている、請求項1~3に記載の熱処理炉。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]