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1. WO2020162059 - SYSTÈME DE DÉTERMINATION D'ÉTAT D'INTOXICATION, DISPOSITIF D'ACQUISITION D'INFORMATIONS BIOLOGIQUES, DISPOSITIF D'ACQUISITION D'INFORMATIONS DE MILIEU AMBIANT, DISPOSITIF DE DÉTERMINATION D'ÉTAT D'INTOXICATION ET PROCÉDÉ DE DÉTERMINATION D'ÉTAT D'INTOXICATION

Document

明 細 書

発明の名称 酔い状態判定システム、生体情報取得装置、周囲環境情報取得装置、酔い状態判定装置、及び酔い状態判定方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  (R91)  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010   0011   0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016   0017   0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245  

符号の説明

0246  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

図面

1   2   3   4A   4B   4C   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28  

明 細 書

発明の名称 : 酔い状態判定システム、生体情報取得装置、周囲環境情報取得装置、酔い状態判定装置、及び酔い状態判定方法

技術分野

[0001]
 本技術は、酔い状態判定システム、生体情報取得装置、周囲環境情報取得装置、及び酔い状態判定方法に関する。より詳細には、本技術は、2つの酔い状態指標に基づき対象の酔い状態を判定する酔い状態判定システム、当該システムを構成する生体情報取得装置、周囲環境情報取得装置、及び酔い状態判定装置、並びに、2つの酔い状態指標に基づき対象の酔い状態を判定する酔い状態判定方法に関する。

背景技術

[0002]
 日常生活において、自動車、バス、船、及び飛行機などの乗り物における乗り物酔いに悩まされている人は多く、その対策のニーズは高い。また近年では、急速に普及され始めてきたVR(Virtual Reality)ゲームの継続プレイ時の酔いも学会やITU(International telecommunication Union:国際電気通信連合)で取り上げられて議論されるほど大きな課題になってきている。
[0003]
 乗り物酔いの対策として、抗ヒスタミンを主成分とする薬が一般的に市販されている。当該薬は、1回の服用による効果の継続時間が長くなる又は水なしでも飲めるようになるなど、その機能性は向上されてきている。
[0004]
 薬だけでなく、デバイスの観点からも対策がいくつか提案されている。例えば、下記特許文献1には、乗員の車酔いの発生を抑制することを目的とする車両用乗員姿勢制御装置が開示されている。当該装置は、車両の周辺情報及び車両の状態の各々を検出する複数の検出部と、乗員の身体を支える支持部の支持状態を変更する変更部と、前記検出部の検出結果に基づいて、走行計画を生成し、生成した前記走行計画に従って車両の運転を制御し、かつ生成した前記走行計画に基づいて現時点から予め定めた時間経過後に車両に発生する車両前後方向及び車幅方向の加速度を予測して、予測した加速度に合わせて前記支持状態を変更開始して、予め定めた時間経過後までに予測した加速度に合わせた前記支持状態になるように前記変更部を制御する運転制御部とを備えている。
[0005]
 また、下記特許文献2には、手首の正中神経に低周波を伝達するようにして、乗り物酔い、つわり、又は薬物などによる悪心及び嘔吐を効果的に遮断できるようにする低周波発生機能を有するウェアラブル装置が開示されている。当該装置は、手首に備えられ、低周波を発生させる低周波発生部が内蔵される本体を含む。
[0006]
 VR酔いの対策としては、例えばゲーム映像中の加速度エフェクトを可視化する、映像内での視界領域を敢えて狭める、及びユーザの視線方向を映像内に明示するなど、映像エフェクトによる対策が考えられている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
[規則91に基づく訂正 08.01.2020] 
特許文献1 : 特開2017-71370号公報
特許文献2 : 特表2018-511453号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 しかしながら、乗り物酔い対策として薬を用いた場合、ユーザの体質又はユーザの日々の体調によって酔いの抑制効果が異なることがあり、又は、例えば眠気及び倦怠感などの副作用が生じることもある。当該薬は、効果を期待する30分から1時間前に服用する必要があり、即時性がない。さらに、子供には薬をあまり飲ませたくないという声も多いのが実情である。
[0009]
 また、上記特許文献1及び2に開示された手法は、ユーザ個々に応じた酔い状態の発生又はその予兆を検知するものでなく、効果的に酔いを抑制することができない。
[0010]
 また、VR酔い対策のための映像エフェクトは、まずゲーム開発者の感覚で作成され、そして、限られた人数のテストユーザのプレイアンケートを基に、作成された映像エフェクトが最終調整される。そのため、ユーザごとに酔いの抑制効果が異なりうる。さらには、今後のVRのさらなる普及を見据えた場合、さらに多様なユーザがVRゲームをプレイすることが想定されるため、効果がさらに期待できなくなることが容易に見込まれる。
[0011]
 以上のとおりであるので、個々のユーザの酔い状態を的確に判定することが求められている。また、酔い状態を効果的に予防又は抑制することも求められている。さらに、酔い状態に対して、リアルタイムで酔い状態に対処できることが望ましく、さらには、酔い状態への対処方法は、副作用がなく且つ即時性が高いことが望ましい。
[0012]
 本技術は、上記課題の少なくとも一つを解決する新たな技法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0013]
 本発明者らは、特定の構成を有する酔い状態判定システムによって上記課題を解決できることを見出した。
[0014]
 すなわち、本技術は、対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得部と、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得部と、前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定部とを含む酔い状態判定システムを提供する。
 前記酔い状態判定システムは、前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象の酔い状態を制御する酔い状態制御部をさらに含みうる。
 前記酔い状態制御部は、データベースから取得した情報に基づき、酔い状態を制御するための処置内容を決定しうる。
 前記酔い状態判定システムは、リアルタイムで前記対象の酔い状態を判定しうる。
 前記第一の酔い状態指標及び前記第二の酔い状態指標の両方が各指標について設定された基準を満たす場合に、前記酔い状態判定部が、前記対象が酔い状態になる又はなっていると判定しうる。
 前記生体情報は、前記対象に由来する酵素に関する情報を含みうる。
 前記酵素がアミラーゼであってよい。
 本技術の一つの実施態様に従い、前記動き情報が、前記対象の体の動きに関する動き情報であり、前記周囲環境情報が、前記対象が視覚によって知覚する映像に関する映像情報であり、且つ、前記第二指標取得部が、前記動き情報及び前記映像情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得しうる。
 当該実施態様において、前記動き情報が、前記対象の体の動きに基づく第一の加速度情報であり、前記周囲環境情報が、前記対象が視覚によって知覚する映像に基づく第二の加速度情報であり、且つ、前記第二指標取得部が、前記第一の加速度情報及び前記第二の加速度情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得しうる。
 当該実施態様において、前記第二指標取得部が、前記第一の加速度情報と前記第二の加速度情報との差を、前記第二の酔い状態指標として取得しうる。
 当該実施態様において、前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象の頭部に電流を与える酔い状態制御部をさらに含みうる。
 本技術の他の実施態様に従い、前記周囲環境情報が、前記対象が嗅覚によって知覚する匂いに関する匂い情報であり、且つ、前記第二指標取得部が、前記匂い情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得しうる。
 当該実施態様において、前記第二指標取得部が、所定の種類の匂いの強さを、前記第二の酔い状態指標として取得しうる。
 当該実施態様において、前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象に匂いを提示する又は前記対象周囲の匂いを除去する酔い状態制御部をさらに含みうる。
 本技術に従う酔い状態判定システムは、前記酔い状態判定部の判定結果を出力する出力部をさらに含んでもよい。
[0015]
 また、本技術は、対象の生体情報を取得する生体情報取得部を備えており、且つ、前記対象の酔い状態を判定するために、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき酔い状態指標を取得する指標取得装置と組み合わせて用いられる生体情報取得装置も提供する。
[0016]
 また、本技術は、対象が知覚する周囲環境情報を取得する周囲環境情報取得部を備えており、且つ、前記対象の酔い状態を判定するために、前記対象の生体情報を酔い状態指標として取得する生体情報取得装置と組み合わせて用いられる周囲環境情報取得装置も提供する。
[0017]
 また、本技術は、対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得部と、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得部と、前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定部とを含む酔い状態判定装置も提供する。
[0018]
 また、本技術は、対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得工程と、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得工程と、前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定工程とを含む酔い状態判定方法も提供する。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 酔いの原理を説明するための図である。
[図2] 前庭情報と視覚情報の不整合を説明するための模式図である。
[図3] 本技術の第一の実施形態に従う酔い状態判定システムの一例のブロック図である。
[図4A] 酵素センサの一例の模式図である。
[図4B] 酵素センサの一例のブロック図である。
[図4C] 酵素センサの構成例を示す図である。
[図5] 第1の実施形態の第1の例の酔い状態判定システムのブロック図である。
[図6] 第1の実施形態の第1の例の酔い状態判定システムの構成例を示す図である。
[図7] 第1の実施形態の第1の例の酔い状態判定システムによる酔い状態判定処理のフロー図の一例である。
[図8] アミラーゼ活性度の変動の例を示す図である。
[図9] 第1の実施形態の第1の例の酔い状態判定システムの他の構成例を示す図である。
[図10] クラウドデータベースを説明するための図である。
[図11] 印加される電流の例を示す図である。
[図12] 第1の実施形態の第2の例の酔い状態判定システムのブロック図である。
[図13] 第1の実施形態の第2の例の酔い状態判定システムの構成例を示す図である。
[図14] 第1の実施形態の第2の例の酔い状態判定システムによる酔い状態判定処理のフロー図の一例である。
[図15] 第1の実施形態の第3の例の酔い状態判定システムのブロック図である。
[図16] 第1の実施形態の第3の例の酔い状態判定システムの構成例を示す図である。
[図17] 第1の実施形態の第3の例の酔い状態判定システムによる酔い状態判定処理のフロー図の一例である。
[図18] 第1の実施形態の第4の例の酔い状態判定システムのブロック図である。
[図19] 第1の実施形態の第4の例の酔い状態判定システムの構成例を示す図である。
[図20] 第1の実施形態の第4の例の酔い状態判定システムによる酔い状態判定処理のフロー図の一例である。
[図21] 第1の実施形態の第5の例の酔い状態判定システムのブロック図である。
[図22] 第1の実施形態の第5の例の酔い状態判定システムの構成例を示す図である。
[図23] 第1の実施形態の第5の例の酔い状態判定システムによる酔い状態判定処理のフロー図の一例である。
[図24] 第1の実施形態の第6の例の酔い状態判定システムのブロック図である。
[図25] 第1の実施形態の第6の例の酔い状態判定システムの構成例を示す図である。
[図26] 第1の実施形態の第6の例の酔い状態判定システムによる酔い状態判定処理のフロー図の一例である。
[図27] 本技術に従う酔い状態判定方法のフロー図の一例である。
[図28] 本技術に従う酔い状態判定装置のハードウェア構成例を示す図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、本技術の範囲がこれらの実施形態のみに限定されることはない。なお、本技術の説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(酔い状態判定システム)
(1)第1の実施形態の説明
(2)第1の実施形態の第1の例(アミラーゼ活性及び加速度に基づく判定の例)
(3)第1の実施形態の第2の例(VR機器への適用例)
(4)第1の実施形態の第3の例(VRゲーム開発への適用例)
(5)第1の実施形態の第4の例(アミューズメントパークのアトラクションへの適用例)
(6)第1の実施形態の第5の例(訓練用シミュレータへの適用例)
(7)第1の実施形態の第6の例(アミラーゼ活性及び匂いに基づく判定の例)
2.第2の実施形態(生体情報取得装置)
3.第3の実施形態(周囲環境情報取得装置)
4.第4の実施形態(酔い状態判定装置)
5.第5の実施形態(酔い状態判定方法)
[0021]
1.第1の実施形態(酔い状態判定システム)
[0022]
(1)第1の実施形態の説明
[0023]
 本技術の酔い状態判定システムにおいて、対象の生体情報である第一の酔い状態指標と、当該対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき取得される第二の酔い状態指標とに基づき、当該対象が酔い状態になるか又はなっているかが判定される。当該2つの指標に基づき対象の酔い状態を判定することで、対象の酔い状態を適切に判定することができる。さらに、本技術の酔い状態判定システムは、対象の酔い状態を適切に判定することができるので、酔い状態を適切に予防又は抑制することも可能となる。
[0024]
 以下で、まず酔いの原理を説明し、次に、本技術に従う第一の実施形態の詳細を説明する。
[0025]
(1-1)酔いの原理
[0026]
 図1は、酔いの原理を説明するための図である。図1に示されるとおり、内耳には前庭器官がある。当該前庭器官は、人体にとっての加速度検出器官であり、直線運動及び回転加速度を感知することができる。前庭器官は三半規管及び耳石器を含み、三半規管によって三次元的なあらゆる方向への運動(回転加速度)が感知され、耳石器によって直進方向への運動(直線加速度)及び重力が感知される。また、図1に示されるとおり、ヒトは視覚によって例えば外界風景などの視覚情報を取得する。
[0027]
 前庭器官によって感知された情報と視覚によって知覚された視覚情報とは、例えば乗り物に乗って移動している場合及びVR機器により映像を見ている場合に整合しないことがある。前庭情報と視覚情報の不整合を説明するための模式図を図2に示す。図2に示されるとおり、当該不整合は、例えば前庭器官により感知された加速度が、視覚により知覚された視覚情報に基づく加速度よりも多い場合に生じうる。この逆の不整合も生じうる。また、前庭器官により加速度が感知されるが、視覚では加速度が認識されない場合もあり、さらには視覚では加速度が認識されるが、前庭器官では加速度が感知されない場合もある。
[0028]
 前庭情報と視覚情報との不整合が酔い状態を引き起こしうる。これら情報の不整合は、大脳辺縁系の偏桃体に知らされ、これら情報について快又は不快であるかが判断される。これら情報が不快情報であると判断された場合、酔い状態が生じうる。例えば、当該不快情報によって、視床下部を介して交感神経系が刺激され、ストレスホルモンが体内に分泌される。当該ストレスホルモンによって、酔い状態を示す人体の反応が起こりうる。当該人体の反応として、例えば顔面が蒼白になること、冷や汗をかくこと、及び生唾が出ることが挙げられる。さらに酔い状態がひどくなると、嘔吐又は血圧の大きな上下変動が起こりうる。このように、酔い状態になる又はなっている場合において、種々の生体反応が起こる。
[0029]
 また、前記情報の不整合以外にも、例えば匂い、温度、及び湿度などのヒトの周囲の環境要因も酔い状態が引き起こしうる。例えば、例えば自動車内の匂いによって、酔いが引き起こされることがある。
[0030]
(1-2)第一の実施形態の詳細
[0031]
 本技術の第一の実施形態に従う酔い状態判定システムの一例の概略的なブロック図を図3に示す。図3に示される酔い状態判定システム1は、酔い状態判定装置10、生体情報取得装置20、及び周囲環境情報取得装置30から構成されている。以下これら装置のそれぞれについて説明する。
[0032]
 酔い状態判定装置10は、制御部11を含む。制御部11は、第一指標取得部12、第二指標取得部13、及び酔い状態判定部14を含む。酔い状態判定装置10は、酔い状態制御部15をさらに含んでよく、又は、含まなくてもよい。酔い状態判定装置10は、さらにモーションセンサ16を含んでよく、又は、含まなくてもよい。
[0033]
 制御部11は、例えば本明細書内以下で説明する酔い状態判定処理を酔い状態判定装置10に実行させるためのプログラムとOSとが格納されたハードディスク、CPU又はMPU、及びメモリにより構成されてよい。例えば汎用のコンピュータにおいて制御部11の機能が実現されうる。前記プログラムは、例えばmicroSDメモリカード、SDメモリカード、又はフラッシュメモリなどの記録媒体に記録されていてもよい。当該記録媒体に記録された前記プログラムを、酔い状態判定装置10に備えられているドライブが読み出し、そして、制御部11が、当該読み出されたプログラムに従い、酔い状態判定装置10に本技術に従う酔い状態判定処理を実行させてもよい。
[0034]
 第一指標取得部12は、生体情報を第一の酔い状態指標として取得する。上記のとおり、ヒトが酔い状態になる場合又はなっている場合において種々の生体反応が起こる。これら生体反応に関する情報が当該第一の酔い状態指標として取得されうる。
 当該生体情報は、以下で説明する生体情報取得装置20によって取得されたものであってよく、酔い状態判定装置10は当該生体情報を生体情報取得装置20から受信しうる。
[0035]
 第二指標取得部13は、対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する。
[0036]
 モーションセンサ16は、前記動き情報を取得する。モーションセンサ16として、例えば加速度センサ及び/又はジャイロセンサが用いられてよく、より好ましくは加速度センサが用いられる。当該加速度センサは、好ましくは三軸加速度センサであり、これにより前庭器官により感知される加速度と同様の加速度を検出することができる。モーションセンサ16は、酔い状態判定装置10又は周囲環境情報取得装置30の一部として構成されてよく、好ましくは酔い状態判定装置10の一部として構成されうる。酔い状態判定装置10は、当該動き情報を、当該モーションセンサから受信しうる。
[0037]
 図3において、酔い状態判定装置10がモーションセンサ16を含む態様が示されている。モーションセンサ16は、酔い状態判定装置10とは別の装置として構成されていてもよい。
 また、第二の酔い状態指標を取得するために、前記周囲環境情報が用いられるが、前記動き情報が用いられない場合は、酔い状態判定システム1はモーションセンサ16を含まなくてもよい。例えば、匂い情報のみに基づき第二の酔い状態指標が取得される場合に、モーションセンサは酔い状態判定システム1に含まれていなくてもよい。
[0038]
 前記周囲環境情報は、前記対象の周囲の環境に関する情報であり、例えば前記対象が視覚及び/又は嗅覚により知覚する周囲環境の情報であってよい。
 視覚により知覚される周囲環境情報は、例えば対象が視認する映像情報(「映像データ」ともいう)でありうる。当該映像情報は、外界風景の映像であってよく又はディスプレイ(特にはヘッドマウントディスプレイ)から対象に提示される映像であってよい。外界風景の映像は、例えばイメージセンサにより取得されうる。イメージセンサは例えばCMOS又はCCDでありうる。
 嗅覚により知覚される周囲環境情報は、例えば匂いでありうる。当該匂いは、例えば匂いセンサにより取得されうる。匂いセンサは、例えばコンダクトメトリックタイプの匂いセンサ(ケモレジスタ)、キャパシティブタイプの匂いセンサ(ケモキャパシタ)、ポテンショメトリックタイプの匂いセンサ(ケモダイオード又はケモトランジスタなど)、カロリメトリックタイプの匂いセンサ(サーモケモセンサ)、グラビメトリックタイプの匂いセンサ、オプティカルタイプの匂いセンサ、及び電気化学タイプの匂いセンサを挙げることができ、これらの匂いセンサのうちのいずれかが用いられうる。
[0039]
 前記周囲環境情報が外界風景の映像である場合、イメージセンサを含む周囲環境情報取得装置30により外界風景の映像情報が取得され、周囲環境情報取得装置30が、酔い状態判定装置10に外界風景の映像情報を送信しうる。
 前記周囲環境情報がディスプレイから対象に提示される映像である場合、イメージセンサを含む周囲環境情報取得装置30により、当該ディスプレイにより提示される映像情報が取得されてよく、又は、周囲環境情報取得装置30が、例えば当該ディスプレイから又は当該ディスプレイを制御する映像処理装置などから映像情報を取得してもよい。周囲環境情報取得装置30は、当該映像情報を酔い状態判定装置10に送信しうる。
 前記周囲環境情報が匂い情報である場合、匂いセンサを含む周囲環境情報取得装置30により匂い情報が取得されうる。周囲環境情報取得装置30は、酔い状態判定装置10に当該匂い情報を送信しうる。
[0040]
 上記で述べたとおり、酔い状態は、前庭情報と視覚情報との不整合により誘発されうる。本技術の一つの実施態様に従い、当該第二指標取得部は、前記動き情報及び前記周囲環境情報に基づき、例えば当該不整合に関する情報を第二の酔い状態指標として取得しうる。この実施態様において、当該不整合に関する情報に加えて、匂い情報が第二の酔い状態指標として取得されてもよい。
 また、酔い状態は、例えば匂いによっても誘発されうる。本技術の他の実施態様に従い、当該第二指標取得部は、前記周囲環境情報に基づき、例えば当該匂いに関する情報を第二の酔い状態指標として取得しうる。
[0041]
 酔い状態判定部14は、前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する。これら2つの指標に基づき対象の酔い状態に関する判定を行うことによって、個々の対象の酔い状態をより的確に判定することができるという効果が奏される。当該効果を以下でより具体的に説明する。
 酔い状態において、上記で述べたとおり、発汗及び顔面蒼白などの生体反応が起こり得る。しかしながら、当該生体反応は必ずしも酔いの兆候を示すものでない。本技術の酔い状態判定システムでは、前記第一指標取得部によって生体情報が取得されることに加え、前記第二指標取得部が、前記動き情報及び/又は前記周囲環境情報に基づき第二の酔い状態指標を取得する。前記第一の酔い状態指標に加えて、前記第二の酔い状態指標に基づき酔い状態が判定されることで、個々の対象のより的確な酔い状態の判定を行うことができる。
 また、酔い状態は、上記で述べたとおり、前庭情報と視覚情報との不整合により誘発されうる。しかしながら、当該不整合が起こっていたとしても、例えば対象の体質又は体調によっては酔い状態にならない場合もある。本技術の酔い状態判定システムでは、前記第二指標取得部によって例えば前庭情報と視覚情報との不整合が検出されることに加え、前記第一指標取得部が、生体情報を第一の酔い状態指標を取得する。前記第二の酔い状態指標に加えて、前記第一の酔い状態指標に基づく酔い状態が判定されることで、個々の対象のより的確な酔い状態の判定を行うことができる。
 以上のとおり、酔い状態判定部14は、前記第一の酔い状態指標及び前記第二の酔い状態指標の両方が各指標について設定された基準を満たす場合に、前記酔い状態判定部が、前記対象が酔い状態になる又はなっていると判定しうる。
[0042]
 本技術に従う酔い状態判定システムは、以上で述べたとおり、個々の対象の的確な酔い状態の判定を行うことができる。そのため、当該判定結果は、以下で述べるとおり、個々の対象に応じて、酔い状態へより適切に対処することを可能とする。
 酔い状態は、上記で述べたとおり、前庭情報と視覚情報との不整合により誘発されうる。本技術の酔い状態判定システムでは、前記第二指標取得部によって、例えば前庭情報と視覚情報との不整合が検出されうる。そのため、当該不整合を是正するような刺激を対象に与えることが可能となる。
 また、上記で述べたとおり、当該不整合が起こっていたとしても、例えば対象の体質又は体調によっては酔い状態にならない場合もある。本技術の酔い状態判定システムでは、前記第一指標取得部によって、生体情報が第一の酔い状態指標として取得される。当該生体情報に基づき、対象が酔い状態になっていないと判定された場合には、当該不整合を是正するような刺激を対象に与える必要が無く、この場合において、不必要な刺激を対象に与えることを防ぐことができる。
[0043]
 上記で説明した酔い状態への適切な対処の観点から、本技術に従う酔い状態判定システムは、前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象の酔い状態を制御する酔い状態制御部15をさらに含みうる。当該酔い状態制御部により行われる処置内容は、前記酔い状態判定部の判定結果に基づくものであるので、上記で述べたとおり、個々の対象に応じたより適切な対処が可能となる。
[0044]
 酔い状態制御部15は、好ましくはデータベースから取得した情報に基づき、酔い状態を制御するための処置内容を決定しうる。当該データベースは、酔い状態判定装置10内に備えられているものであってよく、又は、酔い状態判定装置10の外部にあってもよい。当該データベースは、例えば対象による酔い状態判定装置10の使用情報を記録するものであってよい。当該データベースは、酔い状態制御部15により行われる処置内容を検索する検索データベースとして利用されてよい。当該データベースには、他の対象による酔い状態判定装置10の使用情報を記録するものであってもよい。これらの使用情報に基づき、酔い状態制御部15により施される処置の内容を最適化することができる。そのため、より効果的に酔い状態を制御できる。さらに、酔い状態制御に伴う副作用も抑制でき又は無くすことができる。
 当該使用情報は、例えば前記第一の酔い状態指標、前記第二の酔い状態指標、前記酔い状態判定部による判定結果、当該判定結果に基づき酔い状態制御部15により施された処置内容、及び当該処置後の対象の生体情報を挙げることができるが、これらに限定されない。
 当該データベースは、本システムを使用している対象の身体情報に加え、当該対象以外の種々の対象の身体情報を記録するものであってもよい。当該身体情報は、例えば性別、年齢、身長、及び体重からなる群から選ばれる1つ又は2以上の組み合わせを少なくとも含みうる。例えば、酔い状態制御部15は、酔い状態判定装置10を使用している対象と同様の身体情報を有する他の対象の使用情報に基づき、処置内容を最適化しうる。
 特に好ましくは、当該データベースはクラウドデータベースである。当該クラウドデータベースには、前記使用情報が随時蓄積されうる。そして、蓄積されたデータベースに基づき、より適切な処置が選択されうる。
[0045]
 酔い状態制御部15は、酔い状態を制御するための前記処置として、例えば酔い状態を予防又は抑制するための刺激を対象に与えてよく、酔い状態を誘発するための刺激を対象に与えてよく、又は酔い状態を引き起こす周囲環境の改善を行ってもよい。酔い状態制御部15により施される処置は、例えば対象への電流の印加、対象への匂いの提示、及び対象周囲の匂い除去のうちから選ばれる1つ、2つ、又は3つを含みうる。前記電流の印可は、好ましくは前庭電気刺激(Galvanic Vestibular Stimulation、以下GVSともいう)でありうる。GVSは、数mAの微弱な外部電流を前庭に印加することをいい、これにより脳に加速度を錯覚させることができる。酔い状態制御部15により施される処置のより具体的な例は、以下(2)~(7)において説明する。
[0046]
 酔い状態判定装置10は、好ましくはリアルタイムで前記対象の酔い状態を判定する。例えば、以下で説明する酔い状態判定処理が連続的に又は定期的に行われてよい。これにより、酔い状態判定装置10を利用する対象が置かれている環境の変化又は当該対象自体の変化に応じた、的確な酔い状態判定を行うことができ、さらには酔い状態を防ぐ又は予防するためのより適切な処置を行うこともできる。
[0047]
 本技術に従う酔い状態判定装置のハードウェア構成例を、以下で図28を参照して説明する。
 図28に示される酔い状態判定装置1000は、CPU(中央演算処理装置)1002及びRAM1003を備えている。CPU1002及びRAM1003は、バス1005を介して相互に接続されており、また、酔い状態判定装置1000の他の構成要素ともバス1005を介して接続されている。
 CPU1002は、酔い状態判定装置1000の制御及び演算を行う。CPU1002として、任意のプロセッサを用いることができる。図3を参照して説明した酔い状態判定装置10の制御部11の機能は例えばCPU1002により実現されうる。
 RAM1003は、例えばキャッシュ・メモリ及びメイン・メモリを含み、CPU1002により使用されるプログラムなどを一時記憶しうる。
 酔い状態判定装置1000は、ディスク1004、通信装置1006、モーションセンサ1007、及び酔い状態制御部(例えば電流印可用装置)1008を備えていてもよい。酔い状態判定装置1000は、必要に応じてドライブをこれらの構成要素はいずれもバス1005に接続されうる。
 ディスク1004には、オペレーティング・システム(例えば、WINDOWS(登録商標)、UNIX(登録商標)、又はLINUX(登録商標)など)、本技術に従う酔い状態判定方法を実現するためのプログラム及び他の種々のプログラム、並びに、各種データが格納されうる。
 通信装置1006は、酔い状態判定装置1000をネットワーク1010に有線又は無線で接続する。通信装置1006は、酔い状態判定装置1000を、ネットワーク1010を介して各種データ(例えばデータベース(特にはクラウドデータベース)、生体情報取得装置20及び周囲環境情報装置30から送信されるデータなど)を取得することができる。取得したデータは、例えばディスク1004に格納されうる。通信装置1006の種類は当業者により適宜選択されてよい。ディスク1004は、例えばフラッシュメモリなどの半導体記録媒体でよく、これに限定されない。
 モーションセンサ1007は、第二の酔い状態指標を取得するために用いられる前記動き情報を取得しうる。
 前記ドライブは、記録媒体に記録されている情報を読み出して、RAM1003に出力することができる。記録媒体は、例えば、microSDメモリカード、SDメモリカード、又はフラッシュメモリであるが、これらに限定されない。
[0048]
 生体情報取得装置20は、好ましくは対象が酔い状態になる又はなっている場合に現れる又は変動する生体情報を取得しうる。当該生体情報は、例えば前記対象に由来する酵素に関する情報(例えば酵素量及び酵素活性度など)、呼吸情報(例えば呼吸数、吸う時間、及び吐く時間など)、顔色情報(例えば顔面の蒼白の程度など)、唾液量情報、発汗情報(例えば冷や汗、発汗量、及び発汗の有無など)、血圧情報(例えば最高血圧及び最低血圧など)、及び心拍情報(例えば心拍数など)からなる群から選ばれる1つ又は2つ以上の組み合わせであってよい。
[0049]
 本技術の好ましい実施態様に従い、生体情報取得装置20により取得される生体情報は、対象に由来する酵素に関する情報を含み、より好ましくは対象に由来する酵素の活性及び/又は量に関する情報を含む。より好ましくは、前記酵素はアミラーゼでありうる。例えば、当該生体情報は対象の唾液中のアミラーゼ活性及び/又はアミラーゼ量でありうる。
[0050]
 唾液中のアミラーゼ活性及びアミラーゼ量は、酔い状態判定システムを構成する装置のコンパクト化のために好ましく、さらには、的確な酔い状態判定のためにも好ましい。例えば、顔面蒼白を検出するためには、検出装置と顔との間に顔を判別できる距離を設ける必要がある。そのため、顔面蒼白を検出するため装置のコンパクト化が難しく、さらには、ウェアラブルな装置とすることも困難である。また、冷や汗に関しては、環境発汗との区別が困難である。また、汗成分の解析によって冷や汗であると判定するためには、大量の汗が必要となるため、冷や汗を検出するための装置はコンパクト化が難しく、さらには、ウェアラブルな装置とすることも困難である。一方で、生唾(唾液)に関しては、少量の唾液中のアミラーゼの活性変動によって、快又は不快を判定可能なことが医学的研究から示されている(例えば、中野及び山口、バイオフィードバック研究、2011年38巻第1号)。また、本発明者により、唾液中のアミラーゼ活性について、口腔内でのリアルタイムモニタリング方法が提案されている(国際公開第WO2016/042908号及び国際公開第WO2018/066227号)。当該リアルタイムモニタリング方法において用いられる装置は、コンパクトであり且つアミラーゼ活性を的確に測定できる。
[0051]
 生体情報取得装置20は、好ましくは酵素センサを含み、より好ましくはアミラーゼセンサを含みうる。上記酵素に関する情報は、好ましくは酵素センサ、より好ましくは酵素の量及び/又は活性の測定装置により取得されうる。当該酵素センサとして、例えば上記で言及した国際公開第WO2018/066227号において記載されている酵素センサが用いられてよい。以下で、当該酵素センサを図4A、図4B、及び図4Cを参照して説明する。図4Aは当該酵素センサの一例の模式図である。図4Bは当該酵素センサの一例のブロック図である。図4Cは当該酵素センサの構成例を示す図である。
[0052]
 図4Aに示されるとおり、酵素センサ(酵素の量及び/又は活性の測定装置)50は、一対の電極51及び52と、一対の電極51及び52で挟持された電子伝達層53と、検出対象の酵素の基質を少なくとも含む膜にて、前記検出対象の酵素以外の酵素を少なくとも1種以上内包し、電子伝達層53と接する電子発生カプセル54とを備えている。電子発生カプセル54は、図4Aに示されるとおり、電子伝達層53の内部に保持されていてよい。さらに、酵素センサ50は、ロジック部57を備えていてよい。
[0053]
 一対の電極51及び52は、検出対象の酵素との反応によって生成された電子を検出信号として取り出す出力部として機能する。具体的には、一対の電極51及び52は、電極間に電圧を印加することによって、電子伝達層53を介して、電子発生カプセル54にて生成された電子を取り出すことができる。
[0054]
 一対の電極51及び52は、導電性を有する材料から形成されてよい。これら電極は、電子伝達層53を挟持する一対の平行な平板として設けられうる。具体的には、一対の電極51及び52は、例えば銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、及びチタン(Ti)などの金属の単体若しくは合金により形成されてよく、又は、例えばグラファイト及び無定形炭素などの炭素材料により形成されてもよい。より好ましくは、一対の電極51及び52は、測定装置50が生体の体液と接触した環境下での使用により適するように、錆等の腐食が発生しにくい金属の単体若しくは合金又は炭素材料により形成されうる。
[0055]
 一対の電極51及び52は、一方がアノードとして機能し、他方がカソードとして機能するが、一対の電極51及び52の極性は、検出信号の取り出しの方向によって、適宜設定されてよい。
[0056]
 電子伝達層53は、電子発生カプセル54と接触し且つ一対の電極51及び52により挟まれている。電子伝達層53は、電子発生カプセル54にて生成された電子を電極51及び52のいずれか(すなわち、アノード)に伝達する。より具体的には、電子伝達層53は、電子移動媒介物質を含みうる。電子移動媒介物質は、例えば電子を受容可能な電解質であってよく、該電解質によって電子が電極51及び52のうちのアノード側に伝達されうる。電子伝達層53は、例えば電解質を含む溶液をゲル化することによって形成されてよく、すなわち電解質含有溶液のゲル化物でありうる。
[0057]
 電子伝達層53に含まれる電解質は、可逆的に電子の受容及び放出を行うことが可能な公知の物質でありうる。当該電解質として、例えばフェリシアン化物イオンを含む物質が用いられてよく、例えばフェリシアン化カリウムを挙げることができる。フェリシアン化物イオン([Fe(CN) 3-)は、酸化還元反応によって、フェロシアン化物イオン([Fe(CN) 4-)に可逆的に変化することができる。すなわち、フェリシアン化物イオン([Fe(CN) 3-)は、フェロシアン化物イオン([Fe(CN) 4-)に変化することで電子を受容し、電極51及び52のいずれかでフェリシアン化物イオン([Fe(CN) 3-)に戻ることで電子を放出することができる。他の電子移動媒介物質として、例えばベンゾキノンを挙げることができる。
[0058]
 電子伝達層53では、一対の電極51及び52に挟持されていない面に少なくとも1つ以上の凹構造が設けられ、当該凹構造中に電子発生カプセル54が保持されてもよい。電子伝達層53に当該凹構造を設けることにより、電子伝達層53は、電子発生カプセル54を確実に保持することができる。また、当該凹構造によって、電子伝達層53と電子発生カプセル54との接触面積を増加させることができる。
[0059]
 凹構造は、電子伝達層53に複数設けられてもよく、凹構造中には、複数の電子発生カプセル54が保持されてもよい。凹構造の数を増やすことによって、電子伝達層53と、電子発生カプセル54との接触面積を増加させることができる。また、凹構造中の電子発生カプセル54の数を増やすことによって、酵素と電子発生カプセル54との反応サイトの数を増加させることができる。電子伝達層53に設けられる凹構造の数及び当該凹構造の内部に設けられる電子発生カプセル54の数は、適宜設定されてよい。
[0060]
 電子発生カプセル54は、検出対象の酵素との酵素反応によって電子を発生させる反応サイトを有し、検出対象の酵素の量に応じて、電子を発生させる。具体的には、電子発生カプセル54は、検出対象の酵素の基質を少なくとも含む外膜55で、検出対象以外の酵素を少なくとも1種以上含む内溶液56を内包した構造を有する。
[0061]
 外膜55は、検出対象の酵素の基質を含み、検出対象の酵素と、酵素センサ50の反応サイトとして機能する。したがって、外膜55によってその形状が規定される電子発生カプセル54の形状は、検出対象の酵素との反応サイトである表面の面積がより大きくなるように、略球形としてもよい。
[0062]
 外膜55は、内溶液56が酵素センサ50の外部に漏出しないように、内溶液56を電子発生カプセル54の内部に留める機能を果たす。そのため、外膜55には、膜としての強度を高めるために、検出対象の酵素の基質以外にも、例えば脂質、タンパク質、及び炭水化物などの膜構成成分が含まれていてもよい。
[0063]
 内溶液56に含まれる酵素は、酸化酵素を少なくとも含みうる。当該酸化酵素の基質は、外膜55に含まれる基質の少なくとも1段階以上の酵素反応によって生成される生成物である。これにより、当該酸化酵素は、検出対象の酵素の反応によって生成された生成物を酸化することで、生成物から電子を取り出すことができる。また、内溶液56に含まれる酵素は、検出対象の酵素と、外膜55に含まれる基質との反応の生成物をさらに基質とする酵素を含んでもよい。このとき、内溶液56に含まれる酸化酵素は、検出対象の酵素、および内溶液56に含まれる酵素による複数段階の反応の最終的な生成物を基質とすることになる。
[0064]
 内溶液56には、酵素を溶解する溶媒(例えば水など)及び酵素を安定させる機能性高分子などがさらに含まれていてもよい。例えば、内溶液56には、生体適合性が高いPMEH(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと2-エチルヘキシルメタクリレートとの共重合体)の水分散溶液がさらに含まれていてもよい。
[0065]
 具体的には、電子発生カプセル54と、検出対象の酵素との反応は、次のように進行する。まず、検出対象の酵素と、外膜55に含まれる基質とが反応し、基質の酵素反応生成物が生成される。続いて、生成された酵素反応生成物は、浸透圧の差によって内部からにじみ出た内溶液56に含まれる酸化酵素によって酸化され、電子を放出する。放出された電子は、電子伝達層53に含まれる電解質によって受容され、前述したように電極51及び52のいずれかから取り出される。
[0066]
 例えば、検出対象の酵素がアミラーゼである場合、電子発生カプセル54の外膜55は、アミラーゼの基質であるでんぷんを少なくとも含んで構成されてもよく、内溶液56は、マルターゼ及びグルコースオキシダーゼを少なくとも含んで構成されてもよい。
[0067]
 このような場合、まず、検出対象であるアミラーゼと、外膜55に含まれるでんぷんとが反応し、マルトースが生成される。次に、浸透圧の差によって外膜55ににじみ出した内溶液56に含まれるマルターゼと、マルトースとが反応することで、グルコースが生成される。続いて、内溶液56に含まれるグルコースオキシダーゼと、グルコースとが反応することで、グルコースから電子が取り出される。また、グルコースから取り出された電子は、電子伝達層53に含まれる例えばフェリシアン化物イオンなどの電子移動媒介物質によって受容される。例えば、フェリシアン化物イオンは、電子を受容してフェロシアン化物イオンになる。
[0068]
 また、酵素センサ50は、少なくとも電子伝達層53の凹構造の開口を覆うイオン交換膜をさらに備えていてもよい。イオン交換膜は、電子発生カプセル54、電子発生カプセル54の構成成分、又は電子伝達層53の構成成分が酵素センサ50から体液中に出ることを防止する。
[0069]
 電子伝達層53に含まれる電子移動媒介物質が陰イオン(例えば、フェリシアン化物イオン)である場合、電子伝達層53に含まれる陰イオンの漏出を防止するために、イオン交換膜は、陽イオン交換膜としてもよい。また、電子伝達層53に含まれる電解質が陽イオンである場合、イオン交換膜は、陰イオン交換膜であってもよい。
[0070]
 酵素センサ50は、さらにロジック部57を備えていてよい。ロジック部57は、例えば電圧制御部58と、検出部59と、アラート部60と、出力部61とを備えていてよい。
[0071]
 ロジック部57は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などのハードウェアと、各構成の動作を制御するソフトウェアとの協働によって実現されうる。
[0072]
 電圧制御部58は、検出対象の酵素の量を測定するために、酵素センサ50の一対の電極51及び52の間に印加される電圧を制御する。具体的には、電圧制御部58は、一対の電極51及び52の間に矩形のパルス電圧を印加するように電圧を制御する。
[0073]
 検出部59は、酵素センサ50の一対の電極51及び52の間に流れる電流を測定することで、検出対象の酵素の量を検出する。具体的には、電圧制御部58によって電極51及び52の間に矩形のパルス電圧が印加された場合、電子伝達層53の電子を受容した電解質(例えば、フェロシアン化物イオン)は、アノード側の電極に電子を放出し、電子を受容していない電解質(例えば、フェリシアン化物イオン)に戻る。このとき、放出された電子によって一対の電極51及び52の間に電流が流れる。
[0074]
 そのため、検出部59は、一対の電極51及び52の間に流れる電流の大きさを検出することで、電子を受容した電解質(例えば、フェロシアン化物イオン)の量を検出することができる。さらに、電子を受容した電解質(例えば、フェロシアン化物イオン)の量は、検出対象の酵素と電子発生カプセル54との反応量に依存するため、検出部59は、一対の電極51及び52の間に流れる電流の大きさから、検出対象の酵素の量を算出することができる。
[0075]
 アラート部60は、電子発生カプセル54の外膜55に含まれる基質の消費量を監視し、酵素センサ50の交換のタイミングを判断する。電子発生カプセル54の外膜55に含まれる基質は、検出対象の酵素との反応によって消費されるため、酵素センサ50による測定の進行に伴って減少する。そのため、酵素センサ50による測定を続行するためには、電子発生カプセル54の外膜55に含まれる基質がすべて消費される前に、酵素センサ50を交換することが求められる。具体的には、アラート部60は、検出部59が検出した測定電流の積算値に基づいて、酵素センサ50の交換のタイミングを判断する。また、アラート部60は、出力部61を介して、表示、音声、又は信号によって、酵素センサ50を交換するように対象に通知してもよい。
[0076]
 出力部61は、対象または外部機器に、検出部59によって検出された電流値に基づいた情報を出力する。例えば、出力部61は、検出部59によって検出された電流値に基づいて、酵素の活性度に関する情報を出力してもよい。具体的には、出力部61は、平時の酵素の量に対応した電流値を「基準電流値」として測定しておき、以下の数式に基づいて計算を行うことで、検出された「測定電流値」から「酵素の活性度」を算出し、算出した「酵素の活性度」を出力してもよい。
 酵素の活性度=(測定電流値-基準電流値)/基準電流値
[0077]
 分泌される酵素の量は、生体ごとに固体差があるため、上述のように平時の酵素の量に対する割合の増減にて、酵素の活性度を示すことで、対象となる生体における酵素の分泌量の程度をより正確に示すことが可能である。
[0078]
 出力部61は、検出対象の酵素の活性度ではなく、検出部59によって検出された電流値を出力してもよい。このような場合、検出対象の酵素の活性度の算出は、出力された電流値を取得した他の装置(例えば以下で述べる酔い状態判定装置)にて行われてもよい。
[0079]
 例えば、出力部61は、例えば有線若しくは無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、又はWi-Fi(登録商標)などを介して、外部の表示装置又は音声出力装置に情報を出力してもよい。
[0080]
 酵素センサ50は、例えば図4Cに示されるように、マウスピース62に実装されてもよい。また、マウスピース62には、他にも、加速度センサ、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ、RF(Radio Frequency)モジュール、発電モジュール、および蓄電モジュールなどの各種モジュールが実装されていてもよい。なお、マウスピース62には、酵素センサ50と唾液とが接触可能なように、オリフィス63が形成されうる。
[0081]
 本技術の好ましい実施態様に従い、前記動き情報が、前記対象の体の動き、特には頭部の動き、に関する動き情報であり、前記周囲環境情報が、前記対象が視覚によって知覚する映像に関する映像情報であり、且つ、前記第二指標取得部が、前記動き情報及び前記映像情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得しうる。この実施態様において、好ましくは前記動き情報が、前記対象の体の動きに基づく第一の加速度情報であり、前記周囲環境情報が、前記対象が視覚によって知覚する映像に基づく第二の加速度情報であり、且つ、前記第二指標取得部が、前記第一の加速度情報及び前記第二の加速度情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得しうる。より好ましくは、前記第二指標取得部が、前記第一の加速度情報と前記第二の加速度情報との差を、前記第二の酔い状態指標として取得しうる。
 この実施態様について、以下(2)~(6)において、システムの構成例及び判定処理のフローを参照しつつ、より詳細に説明する。
[0082]
 本技術の他の好ましい実施態様に従い、前記周囲環境情報が、前記対象が嗅覚によって知覚する匂いに関する匂い情報であり、且つ、前記第二指標取得部が、前記匂い情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得しうる。この実施態様において、前記第二指標取得部が、所定の種類の匂いの強さを、前記第二の酔い状態指標として取得しうる。この実施態様において、本システムはさらに、前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象に匂いを提示する又は前記対象周囲の匂いを除去する酔い状態制御部をさらに含みうる。
 この実施態様について、以下(7)において、システムの構成例及び判定処理のフローを参照しつつ、より詳細に説明する。
[0083]
 本技術に従う酔い状態判定システムは、より好ましくは、前記酔い状態判定部の判定結果を出力する出力部をさらに含みうる。当該出力部は、例えば画像、音声、又は印刷物などの情報伝達媒体によって、当該判定結果を出力しうる。これらの媒体を介して出力することで、対象に酔い状態になる又は酔い状態になっていることを知らせることができる。
[0084]
(2)第1の実施形態の第1の例(アミラーゼ活性及び加速度に基づく判定の例)
[0085]
 本例の酔い状態判定システムのブロック図を図5に示し、且つ、本例の酔い状態判定システムの構成例を図6に示す。また、当該システムによる酔い状態判定処理のフローの一例を図7に示す。本例において、第一指標取得部は、第一の酔い状態指標として唾液中のアミラーゼ活性を取得し、且つ、第二指標取得部は、対象の頭部の動きに関する動き情報及び当該対象が視覚によって知覚する周囲映像情報に基づき取得される加速度の差を第二の酔い状態指標として取得する。
 本例では、上記のとおり、前記唾液アミラーゼ活性度と前記加速度差によって酔い状態になるか又は酔い状態になっているかを判定する。これにより的確な酔い状態の判定が可能となる。
 また、酔い易さは、個々の対象で異なり、さらに、同じ対象であっても体調によっても異なりうる。そのため、本技術の酔い状態判定システムによって、リアルタイムで酔い状態判定を行うことによって、より的確な酔い状態の判定及び制御が可能となる。
[0086]
(2-1)第1の例の酔い状態判定システムの構成の説明
[0087]
 図5に示されるとおり、本技術の酔い状態判定システム100は、唾液中のアミラーゼ活性を測定する生体情報取得装置(アミラーゼ検出装置)110、当該システムを使用する対象が視覚によって認識する映像を取得する周囲環境情報取得装置(映像取得装置)120、及び酔い状態判定装置130を含む。
 図6に示されるとおり、生体情報取得装置110は、対象の口腔内の唾液と接触可能であるように、対象の口腔内に装着される。周囲環境情報取得装置120は、対象の見ている映像を取得可能であるように、対象の眼付近に装着される。周囲環境情報取得装置120は、図6に示されるように、例えばアイウェアのような形状を有していてよい。酔い状態判定装置130は、対象の頭部と同じ動きをするように、対象の頭部に装着されてよく、好ましくは対象の耳付近に装着される。耳付近に装着されることで、対象の前庭器官が感知する動きにより近い動きを、酔い状態判定装置130内の加速度センサ132が検知することができる。
[0088]
 生体情報取得装置110は、キャリブレーション部111及びアミラーゼセンサ112を備えている。生体情報取得装置110は、通信部(図示せず)をさらに含み、当該通信部によって、酔い状態判定装置130と有線又は無線によって通信可能であるように構成されている。
[0089]
 生体情報取得装置110は、部分的なマウスピースとして構成されており、より具体的には奥歯部分に装着されるマウスピースとして構成されている。当該マウスピースの内側(装着時に歯若しくは歯茎に向き合う面)にアミラーゼセンサ112が配置されている。マウスピースにはオリフィス113が設けられており、オリフィス113によって、アミラーゼセンサ112は唾液と接触可能である。
[0090]
 キャリブレーション部111は、アミラーゼセンサ112によるアミラーゼ活性の測定のためのキャリブレーションを行う。例えば、キャリブレーション部111は、酔い状態判定システム100による判定の開始直後に又は開始前に、基準となるアミラーゼ活性を取得するためのキャリブレーション処理をアミラーゼセンサ112に行わせうる。
[0091]
 アミラーゼセンサ112は、上記「(1-2)第一の実施形態の詳細」において説明した酵素センサである。当該説明がアミラーゼセンサ112に当てはまるので、アミラーゼセンサ112の説明は省略する。アミラーゼセンサ112は、好ましくはリアルタイムでモニタリングを行うものでありうる。
[0092]
 周囲環境情報取得装置120は、イメージセンサ121を備えている。周囲環境情報取得装置120は、通信部(図示せず)をさらに含み、当該通信部によって、酔い状態判定装置130と有線又は無線によって通信可能であるように構成されている。
[0093]
 周囲環境情報取得装置120は、アイウェアとして構成されていてよい。イメージセンサ121は、当該アイウェアを装着した対象が視覚によって知覚する外界風景と同様の映像を取得することができるように構成される。イメージセンサ121は、例えばCMOS若しくはCCDであってよく、又は、IR(赤外線)センサであってもよい。
[0094]
 酔い状態判定装置130は、制御部131、加速度センサ132、及び、酔い状態制御部133を含む。制御部131は、第一指標取得部134、第二指標取得部135、及び酔い状態判定部136を含む。
 また、酔い状態判定装置130は通信部(図示せず)を含みうる。当該通信部によって、生体情報取得装置110及び周囲環境情報取得装置120と、有線又は無線によって、より好ましくは無線(例えばBluetooth(登録商標))によって、通信可能であるように構成されている。
[0095]
 第一指標取得部134は、アミラーゼセンサ112により取得されたアミラーゼ活性を第一の酔い状態指標として取得する。
[0096]
 加速度センサ132は、例えば三軸加速度センサでありうる。加速度センサ132は、対象の体の動き、特には頭部の動きを検出する。
[0097]
 第二指標取得部135は、周囲環境情報取得装置120により取得された映像情報を受信する。第二指標取得部135は、当該映像情報から加速度を取得する。当該加速度は、例えば三軸方向の加速度でありうる。取得される加速度の方向は、好ましくは加速度センサ132により検出される加速度の方向に対応するものでありうる。これにより、第二の酔い状態指標としてより適切な加速度差を取得することができる。
[0098]
 第二指標取得部135は、周囲環境情報取得装置120により取得された映像情報から取得される第一加速度と加速度センサ132により取得される第二加速度とに基づき、両加速度の加速度差を第二の酔い状態指標として取得する。
[0099]
 酔い状態判定部136は、前記第一の酔い状態指標及び第二の酔い状態指標に基づき、対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する。例えば、酔い状態判定部136は、前記第一の酔い状態指標及び前記第二の酔い状態指標とそれぞれ対比されるべき第一閾値及び第二閾値を予め有していてよい。酔い状態判定部136は、前記第一の酔い状態指標が前記第一閾値以上であり且つ前記第二の酔い状態指標が前記第二閾値以上である場合に、対象が酔い状態になる又は酔い状態になっていると判定しうる。また、酔い状態判定部136は、前記第一の酔い状態指標が前記第一閾値以上でない場合、前記第二の酔い状態指標が前記第二閾値以上でない場合、又は、前記第一の酔い状態指標及び前記第二の酔い状態指標がそれぞれ前記第一閾値以上でなく且つ前記第二閾値以上でない場合、対象が酔い状態にならない又は酔い状態になっていないと判定しうる。
[0100]
 酔い状態制御部133は、対象の頭部(特には内耳の前庭器官)に電流を印加できるように構成されている。例えば図6に示されるとおり、右耳付近に酔い状態制御部133は配置され、且つ、左耳付近にも酔い状態制御部(図示せず)が配置される。右耳付近に配置される酔い状態制御部133は、図6に示されるとおり、3つの電極144、145、及び146を有する。これら電極は例えば、こめかみ付近、耳裏(又は乳様突起)の下(例えば2cm~10cm下、特には4cm~8cm下、より特には約6cm下)の首部分、及び乳様突起付近の3か所にそれぞれ配置されうる。左耳付近に配置された酔い状態制御部も、同様に3ヵ所に配置される。このように配置された電極を用いたGVSによって、脳に加速度を錯覚させることができ、これにより酔い状態制御が可能となる。
[0101]
 酔い状態判定装置130は、データベース140と有線又は無線により通信可能に接続されうる。データベース140は、例えばクラウドデータベースであってよい。データベース140には、以下(2-2)において説明する各種データが格納されうる。データベース140は随時更新されうる。
[0102]
(2-2)第1の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明
[0103]
 図7のステップS100において、酔い状態判定システム100が、酔い状態判定処理を開始する。ステップS100において、酔い状態判定装置130が、対象によって入力された当該処理の開始信号に応じて起動し、そして、酔い状態判定装置130が、生体情報取得装置110及び周囲環境情報取得装置120を起動させるための信号をこれら装置にそれぞれ送信する。これら装置は、当該信号を受信したことに応じて起動する。
[0104]
 ステップS101において、生体情報取得装置110(特にはキャリブレーション部111)が、基準となるアミラーゼ活性を取得するためのキャリブレーション処理をアミラーゼセンサ112に行わせうる。当該キャリブレーション処理において、アミラーゼセンサ112は例えば数分間自動的にアミラーゼ活性を測定し、測定結果に基づき基準値が設定されうる
[0105]
 ステップS102において、生体情報取得装置110(特にはアミラーゼセンサ112)がアミラーゼ活性情報を取得する。例えば、生体情報取得装置110は、当該アミラーゼ活性情報として、対象の唾液中のアミラーゼ活性度Sを測定する。当該測定は、好ましくはリアルタイムで行われうる。生体情報取得装置110は、取得されたアミラーゼ活性情報を、通信部を通じて酔い状態判定装置130に送信する。
[0106]
 ステップS103において、酔い状態判定装置130は、アミラーゼ活性情報を生体情報取得装置110から受信する。酔い状態判定装置130の第一指標取得部134は、受信したアミラーゼ活性情報から、例えばアミラーゼ活性度Sの時間に対する変動率dS/dtを算出する。当該変動率が、第一の酔い状態指標として酔い状態判定部136により用いられうる。なお、アミラーゼ活性度S自体が、第一の酔い状態指標として酔い状態判定部136により用いられてもよい。すなわち、ステップS103において、第一指標取得部134は、第一の酔い状態指標として、前記変動率又は前記アミラーゼ活性度を取得しうる。
[0107]
 ステップS104において、制御部131(例えば酔い状態判定部136)が、前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が閾値以上であるかを判定する。以下、ステップS104における判定に用いられる閾値を第一閾値という。当該第一閾値は、予め設定されたものであってよく、又は、随時更新されてもよい。当該第一閾値は、例えばデータベース140、より具体的にはクラウドデータベース中に格納されているデータに基づき設定又は更新されてよい。当該設定又は更新のために用いられるデータとして例えば、過去に計測された対象のアミラーゼ活性情報、対象について行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象の身体情報から選ばれる1つ以上が用いられてよい。また、当該データとして、対象以外のヒトのアミラーゼ活性情報、対象以外のヒトについて行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象以外のヒトについて身体情報が用いられてもよい。
 ステップS104において、前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が前記第一閾値以上である場合には、制御部131は、処理をステップS105に進める。前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が閾値未満である場合には、制御部131は、処理をステップS121に進める。
[0108]
 ステップS104における上記判定の例を、図8を参照して説明する。図8は、アミラーゼ活性度Sの変動の例を示すグラフである。時間tが経過するにつれて、ステップS101において設定された基準値S からアミラーゼ活性度Sが徐々に上昇している。そして、時刻t1で、アミラーゼ活性度Sは第一閾値S に達する。アミラーゼ活性度がS 以上の領域を、電流印可領域といい、アミラーゼ活性度がこの領域内にある場合に、電流を対象に印可可能であると判定される。時刻t1までは、アミラーゼ活性度Sは第一閾値S 未満であるので、ステップS104において、酔い状態判定部136は処理をステップS121に進める。
 時刻t1から時刻t2までは、アミラーゼ活性度Sは第一閾値S 以上であるので、ステップS104において、酔い状態判定部136は処理をステップS105に進める。時間t1の後に、例えば以下で述べる電流印加が行われることによって、アミラーゼ活性度Sが低下する。そして、時間t2より後は、アミラーゼ活性度Sは第一閾値S 未満になる。
 時間t2より後においては、アミラーゼ活性度Sは第一閾値S 未満であるので、ステップS104において、酔い状態判定部136は処理をステップS121に進める。
[0109]
 ステップS105において、処理がステップS102に戻され、再度ステップS102~S104の処理が行われうる。ステップS102~S105は好ましくは繰り返し行われ、より好ましくはリアルタイムで行われうる。
 また、酔い状態制御部133が対象に電流を印可している状態でステップS102~104が行われた場合は、酔い状態制御部133は、ステップS105において当該電流の印可を停止する。
[0110]
 ステップS111において、周囲環境情報取得装置120は、外界風景の映像を取得する。当該映像は、対象が見ている外界風景の少なくとも一部を含み、例えば対象の視線方向の外界風景を少なくとも含みうる。当該映像の取得は、より具体的にはイメージセンサ121により行われうる。周囲環境情報取得装置120は、取得した映像情報を、通信部を通じて、酔い状態判定装置130に送信する。
[0111]
 ステップS112において、酔い状態判定装置130は、映像情報を、周囲環境情報取得装置120から受信する。酔い状態判定装置130の第二指標取得部135は、受信した映像情報に基づき加速度を検出又は算出する。本例以下において、ステップS112において映像に基づき取得された加速度を「第一加速度」という。当該第一加速度は、対象が見ている映像に基づく加速度に相当する。当該第一加速度は、例えば対象の前後方向の加速度、左右方向の加速度、及び上下方向の加速度のうちから選ばれる1つ若しくは2つ方向における加速度であってよく、又は、これら3つの方向における加速度の全てであってもよい。
[0112]
 ステップS113において、酔い状態判定装置130に含まれる加速度センサ132が、加速度を検出する。以下、ステップS113において加速度センサにより検出された加速度を「第二加速度」という。当該第二加速度は、対象の前庭器官によって感知される加速度に相当する。加速度センサ132は、検出した第二加速度を、第二指標取得部135に送信する。
[0113]
 ステップS114において、第二指標取得部135が、加速度センサ132により検出された第二加速度を取得する。当該第二加速度は、例えば対象の前後方向の加速度、左右方向の加速度、及び上下方向の加速度のうちから選ばれる1つ若しくは2つの加速度であってよく、又は、これら3つの加速度の全てであってもよい。好ましくは、当該第二加速度の方向は、ステップS112において取得された第一加速度の方向に対応するものでありうる。
[0114]
 ステップS115において、第二指標取得部135は、ステップS112において取得された第一加速度とステップS113において取得された第二加速度との間の差を求める。好ましくは、同じ方向の加速度間の差を求める。第二指標取得部135は、当該差を第二の酔い状態指標として取得する。
[0115]
 ステップS116において、酔い状態判定部136が、ステップS115において求められた差が閾値以上であるかを判定する。以下、ステップS116における判定に用いられる閾値を第二閾値という。当該第二閾値は、予め設定されたものであってよく、又は、随時更新されてもよい。当該第二閾値は、例えばデータベース140、より具体的にはクラウドデータベース中に格納されているデータに基づき設定又は更新されてよい。当該設定又は更新のために用いられるデータとして例えば、過去に取得された第一加速度及び第二加速度の間の差、対象について行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象の身体情報から選ばれる1つ以上が用いられてよい。また、当該データとして、対象以外のヒトについて過去に取得された第一加速度及び第二加速度の間の差、対象以外のヒトについて行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象以外のヒトについて身体情報が用いられてもよい。
 ステップS116において、前記第一加速度と第二加速度との間の差が前記第二閾値以上である場合には、酔い状態判定部136は、処理をステップS121に進める。当該差が当該第二閾値未満である場合には、処理はステップS111及びS113へ戻され、再度ステップS111及びS113の処理が行われうる。
[0116]
 ステップS121において、酔い状態判定部136は、前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が前記第一閾値以上であり且つ前記第一加速度と第二加速度との間の前記差が前記第二閾値以上であるかを判定する。
 前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が前記第一閾値以上であり且つ前記第一加速度と第二加速度との間の前記差が前記第二閾値以上である場合には、酔い状態判定部136は、対象が酔い状態になる又は酔い状態になっていると判定し、処理をステップS122に進める。
 前記アミラーゼ活性度又は前記変動率が前記第一閾値以上であり且つ前記第一加速度と第二加速度との間の前記差が前記第二閾値以上であるという条件を満たさない場合には、酔い状態判定部136は、対象が酔い状態にならない又は酔い状態になっていないと判定し、処理がステップS102、S111、及びS113に戻される。
[0117]
 ステップS122において、制御部131は、例えば電流が流される電極の選択及び/又は電流の大きさの選択を行いうる。
 電流が印加される電極は、例えば前記第一加速度と前記第二加速度との差に基づき選択されうる。前記第一加速度と前記第二加速度との差がある方向(例えば対象の上下方向、左右方向、又は前後方向)に対応する電極が選択されうる。例えば、対象の上下方向において加速度差がある場合は、乳様突起付近の電極及び首部分の電極が、電流が流されるべき電極として選択される。対象の左右方向において加速度差がある場合は、左右のこめかみ付近の電極が、電流が流されるべき電極として選択される。対象の前後方向において加速度差がある場合は、乳様突起付近の電極及びこめかみ付近の電極が、電流が流される電極であると選択される。好ましくは、最も差が大きい方向に対応する電極が選択される。
 印加される電流の大きさは、例えばアミラーゼ活性度Sの変動率dS/dt又はアミラーゼ活性度Sに基づき選択されうる。例えば、印加される電流の大きさは、dS/dt×Cでありうる。Cは補正項であり、例えば予め設定された値であってよく、又は、データベース140(特にはクラウドデータベース)中のデータに基づき導出されてもよい。Cは、例えば印可された電流によるアミラーゼ活性度Sの減少の程度が小さい場合に、より大きくなるように補正されてよく、又は、当該減少の程度が大きい場合には、より小さくなるように補正されてよい。
 本技術において、印加される電流の大きさは、例えば0.01mA~3mA、より好ましくは0.1mA~2mM、さらにより好ましくは0.5mA~1.5mAでありうる。この数値範囲内の電流が、酔い状態の抑制又は予防のために適している。
 印加される電流は、好ましくは5Hz以下であり、より好ましくは3Hz以下であり、さらにより好ましくは2Hz以下である。これにより、緩やかな電流が対象に印加され、対象が電流によってピリッとした痛みを感じることを防ぐことができる。
[0118]
 ステップS122において、図9に示されるとおり、対象に関するデータ対象を有するデータベース(特にはクラウドデータベース)A及び/又は対象以外のヒトに関するデータを有するデータベース(特にはクラウドデータベース)Bから、電流が印加される電極及び/又は印加される電流の大きさが検索されてもよい。データベースAは例えば、対象の身体情報(例えば性別、年齢、身長、及び体重など)、対象についての過去の酔い状態判定結果、電流印加履歴、加速度差とアミラーゼ活性変動の関係、及び、印加された電流と当該電流によるアミラーゼ活性度の応答から選ばれる1つ以上のデータを含んでよい。データベースBは、図10に示されるとおり、対象以外のヒト者のそれぞれの身体情報(例えば性別、年齢、身長、及び体重など)、対象以外のヒトについての過去の酔い状態判定結果、電流印加履歴、加速度差とアミラーゼ活性変動の関係、及び、印加された電流と当該電流によるアミラーゼ活性度の応答から選ばれる1つ以上のデータを含んでよい。
 例えば対象が初めて本例の酔い状態判定システムを利用する場合は、当該対象に関する酔い状態判定結果のデータは蓄積されていない。そのため、データベースBのような、他者に関するデータが利用されうる。例えば、対象の身体情報に最も近い身体情報を有する他者のデータ又は対象の身体情報に近い身体情報を有する複数の他者のデータから、電流が印加される電極及び/又は印加される電流の大きさが選択されうる。
 このようなデータベースが、データベース140中に格納されうる。
[0119]
 ステップS123において、制御部131は、ステップS122において選択された電流の大きさが上限値を超えていないかを判定する。当該上限値は予め設定されていてよく又は対象に応じて適宜変更されてもよい。当該上限値は、例えば3mA、4mA、又は5mAでありうる。
 ステップS122において選択された電流の大きさが当該上限値を超えていない場合は、制御部131は処理をステップS124に進める。
 ステップS122において選択された電流の大きさが当該上限値を超えている場合は、制御部131は処理をステップS125に進める。
[0120]
 ステップS125において、制御部131は、エラーを発して酔い状態判定装置130を停止させうる。当該エラーは、例えば音声又は映像によって対象に通知されうる。また、酔い状態判定装置130の停止に伴い、生体情報取得装置110及び/又は周囲環境情報取得装置120も停止されてよい。
[0121]
 ステップS124において、制御部131は、酔い状態制御部133を駆動して、対象に電流刺激を与えうる。本例において、酔い状態制御部133は、例えばステップS123において選択された電極に同ステップにおいて選択された大きさの電流を印加しうる。これにより対象の前庭器官に電流が印加されうる。これにより、第一加速度と第二加速度との間の差を減少又は解消することができ、酔い状態になることを防ぎ又は酔い状態を抑制することができる。電流の印加は、例えば所定時間の経過後に停止されてよく、又は、dS/dt又はSが前記第一閾値未満になったことに応じて停止されてもよい。電流印加の停止後に、ステップS102、S111、及びS113の処理が再度行われうる。
 代替的には、電流の印加が行われたまま、ステップS102、S111、及びS113の処理が再度行われてもよい。
 ステップS124における電流印加後に、制御部131は、処理をステップS126に進める。
[0122]
 ステップS124において印加される電流の具体例を、図8及び図11を参照して説明する。図8は上記で説明したとおりである。図11は、印加される電流の変化の例を示す図である。図8において時間t1以降において、アミラーゼ活性度Sは第一閾値S1以上になる。そのため、電流が印加されうる。電流値は、図11に示されるように、0mAから上記選択された大きさの電流値A1へと、徐々に大きくなりうる。これにより、対象が電流による痛みを感じることを抑制することができる。また、電流値は、ステップS123に関して言及した上限値を超えないように設定されうる。そのため、例えば図11に示されるとおり、電流値が当該上限値に達したら、電流値の上昇は止まり、そして、電流値は当該上限値で維持されうる。その後、電流値は下がり、例えば図8における時間t2においてアミラーゼ活性度Sが第一閾値S1未満になることに応じて、電流値は0になりうる。
[0123]
 ステップS126において、制御部131は、酔い状態判定処理を終了するかを判定する。例えば処理を終了させる操作に応じた信号が検出された場合に、処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合、制御部は処理を終了する。当該信号が検出されない場合は、制御部131は処理をステップS102、S111、及びS113に戻し、再度酔い状態判定処理が繰り返されうる。このように、本技術において、酔い状態判定処理は繰り返され、より好ましくはリアルタイムで行われる。酔い易さは、個々の対象で異なり、さらに、同じ対象であっても体調によっても異なりうる。酔い状態判定処理を繰り返すことによって、より好ましくはリアルタイムで当該処理を行うことによって、より的確な酔い状態の判定及び酔い状態制御が可能となる。
[0124]
 以上の処理によって、対象が例えば車両又は航空機に乗っている場合において、酔い状態を適切に判定することができる。本例の酔い状態判定システムは、以上のとおり酔い状態を適切に判定することができるので、例えば酔い状態になること又はなっていることを対象に通知することも可能となる。例えばこれら乗り物の乗員が読書又はテレビ鑑賞をしている場合に、上記加速度差によって酔い状態が引き起こされうる。上記通知によって当該乗員に読書又はテレビ鑑賞をやめることを促すことができる。また、本例の酔い状態判定システムは、加速度差に応じた適切な刺激(電流)を対象に付与することができるので、酔い状態になることを防ぐ又は酔い状態を抑制することもできる。
[0125]
(3)第1の実施形態の第2の例(VR機器への適用例)
[0126]
 本例の酔い状態判定システムのブロック図を図12に示し、且つ、当該システムの構成例を図13に示す。また、当該システムによる酔い状態判定処理のフローの一例を図14に示す。本例において、第一指標取得部は、第一の酔い状態指標として唾液中のアミラーゼ活性度を取得し、且つ、第二指標取得部は、対象の頭部の動きに関する動き情報及び当該対象が視覚によって知覚する周囲映像情報に基づき取得される加速度の差を第二の酔い状態指標として取得する。
[0127]
(3-1)第2の例の酔い状態判定システムの構成の説明
[0128]
 図12に示されるとおり、本技術の酔い状態判定システム200は、唾液中のアミラーゼ活性度を測定する生体情報取得装置(アミラーゼ検出装置)210、当該システムを使用する対象が視覚によって認識する映像を取得する周囲環境情報取得装置(映像取得装置)220、及び酔い状態判定装置230を含む。
 図13に示されるとおり、生体情報取得装置210は、対象の口腔内の唾液と接触可能であるように、対象の口腔内に装着される。周囲環境情報取得装置220及び酔い状態判定装置230は、表示装置(例えばVR視聴用装置など)240にその構成要素として含まれている。表示装置240は、情報処理装置(例えばゲーム機器など)250と有線又は無線で接続されている。表示装置240は、情報処理装置250から送信されたデータに基づき映像(例えばVR映像など)を表示しうる。周囲環境情報取得装置220は、対象の見ている映像を取得可能であるように構成されている。酔い状態判定装置230は、対象の頭部と同じ動きをするように、対象の頭部に装着されてよく、好ましくは対象の耳付近に装着される。耳付近に装着されることで、対象の前庭器官が感知する動きにより近い動きを、酔い状態判定装置230内の加速度センサ232が検知することができる。
[0129]
 生体情報取得装置210及びその構成要素は、上記(2)の「(2-1)第1の例の酔い状態判定システムの構成の説明」において説明した生体情報取得装置110及びその構成要素と同じであり、その説明が本例にもあてはまる。
[0130]
 周囲環境情報取得装置220は、表示装置240によって対象に提示される映像情報を取得する。
[0131]
 酔い状態判定装置230は、制御部231、加速度センサ232、及び、酔い状態制御部233を含む。制御部231は、第一指標取得部234、第二指標取得部235、及び酔い状態判定部236を含む。
 また、酔い状態判定装置230は通信部(図示せず)を含み、当該通信部によって、生体情報取得装置210及び周囲環境情報取得装置220と有線又は無線によって通信可能であるように構成されている。
 酔い状態判定装置230及びその構成要素はいずれも、上記上記(2)の「(2-1)第1の例の酔い状態判定システムの構成の説明」において説明した酔い状態判定装置130及びその構成要素と同じであり、その説明が本例にもあてはまる。
[0132]
(3-2)第2の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明
[0133]
 図14のステップS200において、酔い状態判定システム200が、酔い状態判定処理を開始する。ステップS200において、酔い状態判定装置230が、対象によって入力された当該処理の開始信号に応じて起動し、そして、酔い状態判定装置230が、生体情報取得装置210及び周囲環境情報取得装置220を起動させるための信号をこれら装置にそれぞれ送信する。これら装置は、当該信号を受信したことに応じて起動する。
 代替的には、表示装置240の起動に応じて、酔い状態判定システム200を構成する装置の全てが起動されてもよい。
[0134]
 ステップS201~S205は、上記(2)の「(2-2)第1の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明」において説明したステップS101~S105と同じである。当該説明が本例においても当てはまるので、ステップS201~S205についての説明は省略する。
[0135]
 ステップS211において、周囲環境情報取得装置220は、表示装置240により対象に提示される映像(例えばゲーム映像など)を取得する。当該映像は、対象に提示される映像の少なくとも一部を含み、例えば対象に提示される映像のうち対象の視線方向の映像を少なくとも含みうる。周囲環境情報取得装置220は、取得した映像情報を、通信部を通じて、酔い状態判定装置230に送信する。
[0136]
 ステップS212において、酔い状態判定装置230は、映像情報を、周囲環境情報取得装置220から受信する。酔い状態判定装置230の第二指標取得部235は、受信した映像情報に基づき加速度を検出する。本例以下において、ステップS212において映像に基づき検出された加速度を「第一加速度」という。当該第一加速度は、対象が見ている映像に基づく加速度に相当する。当該第一加速度は、例えば対象の前後方向の加速度、左右方向の加速度、及び上下方向の加速度のうちから選ばれる1つ若しくは2つの方向における加速度であってよく、又は、これら3つの加速度の全てであってもよい。
[0137]
 ステップS213において、酔い状態判定装置230に含まれる加速度センサ232が、加速度を検出する。以下、ステップS213において加速度センサにより検出された加速度を「第二加速度」という。当該第二加速度は、対象の前庭器官によって感知される加速度に相当する。
[0138]
 ステップS214において、第二指標取得部235が、加速度センサ232により検出された第二加速度を取得する。当該第二加速度は、例えば対象の前後方向の加速度、左右方向の加速度、及び上下方向の加速度のうちから選ばれる1つ若しくは2つの加速度であってよく、又は、これら3つの加速度の全てであってもよい。好ましくは、当該第二加速度の方向は、ステップS212において取得された第一加速度の方向に対応するものでありうる。
[0139]
 ステップS215において、第二指標取得部235は、ステップS212において取得された第一加速度とステップS213において取得された第二加速度との間の差を求める。好ましくは、同じ方向の加速度間の差を求める。第二指標取得部235は、当該差を第二の酔い状態指標として取得する。
[0140]
 ステップS216において、酔い状態判定部236が、ステップS215において求められた差が閾値以上であるかを判定する。以下、ステップS216における判定に用いられる閾値を第二閾値という。当該第二閾値は、予め設定されたものであってよく、又は、随時更新されてもよい。当該第二閾値は、例えばデータベース、より具体的にはクラウドデータベース中に格納されているデータに基づき設定又は更新されてよい。当該設定又は更新のために用いられるデータとして例えば、過去に取得された第一加速度及び第二加速度の間の差、対象について行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象の身体情報から選ばれる1つ以上が用いられてよい。また、当該データとして、対象以外のヒトについて過去に取得された第一加速度及び第二加速度の間の差、対象以外のヒトについて行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象以外のヒトについて身体情報が用いられてもよい。
 ステップS216において、前記第一加速度と第二加速度との間の差が前記第二閾値以上である場合には、酔い状態判定部236は、処理をステップS221に進める当該差が当該第二閾値未満である場合には、処理はステップS211及びS213へ戻され、再度ステップS211及びS213の処理が行われうる。
[0141]
 ステップS221において、酔い状態判定部236は、前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が前記第一閾値以上であり且つ前記第一加速度と第二加速度との間の前記差が前記第二閾値以上であるかを判定する。
 前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が前記第一閾値以上であり且つ前記第一加速度と第二加速度との間の前記差が前記第二閾値以上である場合には、酔い状態判定部236は、対象が酔い状態になる又は酔い状態になっていると判定し、処理をステップS222に進める。
 前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が前記第一閾値以上であり且つ前記第一加速度と第二加速度との間の前記差が前記第二閾値以上であるという条件を満たさない場合には、酔い状態判定部236は、対象が酔い状態にならない又は酔い状態になっていないと判定し、処理がステップS202、S211、及びS213に戻される。
[0142]
 ステップS222において、制御部231は、例えば電流が流される電極の選択及び/又は電流の大きさの選択を行いうる。これらの選択は、上記(2)の「(2-2)第1の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明」において説明したとおりに行われてよい。代替的には、表示装置240又は他の構成要素に格納されているデータに基づきこれらの選択が行われてもよい。
[0143]
 ステップS223において、制御部231は、ステップS222において選択された電流の大きさが上限値を超えていないかを判定する。当該上限値は予め設定されていてよく又は対象に応じて適宜変更されてもよい。当該上限値は、例えば3mA、4mA、又は5mAでありうる。
 ステップS222において選択された電流の大きさが当該上限値を超えていない場合は、制御部231は処理をステップS224に進める。
 ステップS222において選択された電流の大きさが当該上限値を超えている場合は、制御部231は処理をステップS225に進める。
[0144]
 ステップS224において、制御部231は、酔い状態制御部233を駆動して、対象に刺激を与えうる。本例においては、酔い状態制御部233は、例えばステップS223において選択された電極に同ステップにおいて選択された大きさの電流を印加しうる。これにより対象の前庭器官に電流が印加されうる。これにより、第一加速度と第二加速度との間の差を解消することができ、酔い状態になることを防ぎ又は酔い状態を抑制することができる。電流の印加は、例えば所定時間の経過後に停止されてよく、又は、dS/dtが前記第一閾値未満になったことに応じて停止されてもよい。電流印加の停止後に、ステップS202、S211、及びS213の処理が再度行われうる。
 代替的には、電流の印加が行われたまま、ステップS202、S211、及びS213の処理が再度行われてもよい。
 ステップS224における電流印加後に、制御部231は、処理をステップS226に進める。
[0145]
 ステップS224において印加される電流の具体例は、上記(2)の「(2-2)第1の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明」において説明したとおりでありうる。
[0146]
 ステップS225において、制御部231は、エラーを発して酔い状態判定装置230を停止させうる。当該エラーは、例えば表示装置240から音声又は映像によって対象に通知されうる。また、酔い状態判定装置230の停止に伴い、生体情報取得装置210及び/又は周囲環境情報取得装置220も停止されてよい。
[0147]
 ステップS226において、制御部231は、酔い状態判定処理を終了するかを判定する。例えば処理を終了させる対象操作に応じた信号が検出された場合に、処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合、制御部は処理を終了する。当該信号が検出されない場合は、制御部231は処理をステップS202、S211、及びS213に戻す。
[0148]
 以上の処理によって、例えばVR映像を視聴している場合において、酔い状態を適切に判定することができる。VR映像は酔い状態が引き起こしうる。本例の酔い状態判定システムは、以上のとおりVR映像による酔い状態を適切に判定することができるので、例えば酔い状態になること又はなっていることを対象に通知することが可能となり、当該通知によって対象にVR映像の視聴をやめることを促すことができる。また、本例の酔い状態判定システムは、加速度差に応じた適切な刺激(電流)が対象に付与されるので、酔い状態になることを防ぐ又は酔い状態を抑制することもできる。
[0149]
(4)第1の実施形態の第3の例(VRゲーム開発への適用例)
[0150]
 本例の酔い状態判定システムのブロック図を図15に示し、且つ、当該システムの構成例を図16に示す。また、当該システムによる酔い状態判定処理のフローの一例を図17に示す。本例の酔い状態判定システムは、上記(3)で説明した第2の例の酔い状態判定システムを、VRゲームの開発に適用するための変形したものである。本例の酔い状態判定システムによって、より効率的及び/又はより短期間でVR酔いが起こりにくいゲームを作成することができる。さらには、より効果的にVR酔いを抑制することができる。
 本例においても、第一指標取得部は、第一の酔い状態指標として唾液中のアミラーゼ活性度を取得し、且つ、第二指標取得部は、対象の頭部の動きに関する動き情報及び当該対象が視覚によって知覚する周囲映像情報に基づき取得される加速度の差を第二の酔い状態指標として取得する。
[0151]
(4-1)第3の例の酔い状態判定システムの構成の説明
[0152]
 図15に示されるとおり、本技術の酔い状態判定システム300は、唾液中のアミラーゼ活性度を測定する生体情報取得装置(アミラーゼ検出装置)310、当該システムを使用する対象が視覚によって認識する映像を取得する周囲環境情報取得装置(映像取得装置)320、及び酔い状態判定装置330を含む。
[0153]
 生体情報取得装置310、周囲環境情報取得装置320、及び酔い状態判定装置330は、上記(3)の「(3-1)第2の例の酔い状態判定システムの構成の説明」において説明した生体情報取得装置210、周囲環境情報取得装置220、及び酔い状態判定装置230と同じであり、その説明が本例にもあてはまる。
[0154]
 本例においても、周囲環境情報取得装置320及び酔い状態判定装置330は、表示装置(例えばVR視聴用装置など)340にその構成要素として含まれている。表示装置340は、情報処理装置(例えばゲーム機器など)350と有線又は無線で接続されている。表示装置340は、情報処理装置350から送信されたデータに基づき映像(例えばVR映像など)を表示しうる。
[0155]
 また、酔い状態判定システム300は、酔い状態を解析する為に用いられる解析用情報処理装置360をさらに含む。解析用情報処理装置360は、酔い状態判定装置330と有線又は無線によって接続されている。また、解析用情報処理装置360は、生体情報取得装置310及び/又は周囲環境情報取得装置320と接続されていてもよい。
[0156]
 解析用情報処理装置360は、酔い状態判定装置330による酔い状態判定のために用いられたデータ(例えば生体情報、映像情報、及び加速度情報など)及び判定結果、酔い状態判定装置330により対象に付与された酔い状態制御用刺激に関する情報(例えば電流情報など)、並びに当該刺激による効果に関する情報(例えば刺激付与後の生体情報など)を、酔い状態判定システム300を構成する装置から取得することができる。解析用情報処理装置360は、これらの取得された情報に基づき、例えば映像と酔い状態との関係を解析しうる。これにより、酔い状態を引き起こしやすい映像であるかを判定することができ、さらには酔い状態を引き起こしにくいように映像を改善することができる。
[0157]
 解析用情報処理装置360は、例えば表示部361を含みうる。表示部361は、例えば図16に示されるとおり、生体情報(例えばアミラーゼ活性度など)の変動を表示しうる。さらに、表示部361は、酔い状態判定装置330により対象に付与された酔い状態制御用刺激(例えば電流刺激)に関する情報及び/加速度情報も表示しうる。さらに、表示部361は、対象に提示された映像情報(例えばゲーム映像など)も表示しうる。このように、解析用情報処理装置360は、各種データを可視化して対象に提示する。これにより、酔い状態を引き起こしやすい映像であるかをより判定しやすくなり、さらには酔い状態を引き起こしにくいように映像をより改善しやすくなる。
[0158]
(4-2)第3の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明
[0159]
 図17に示されるフロー図は、ステップS300の解析工程が追加されていること以外は、図14に示されるフロー図と同じである。そのため、ステップS300以外のステップには、図14に関して述べた説明があてはまる。以下では、ステップS300について説明する。
[0160]
 ステップS300において、酔い状態判定装置330は、ステップS221における判定結果及び/又はステップS224において印加された電流に関する情報を、解析用情報処理装置360に送信しうる。また、ステップS300において、酔い状態判定装置330は、当該判定において用いられたデータ(例えば生体情報、映像情報、及び加速度情報のいずれか1つ以上)を、解析用情報処理装置360に送信しうる。解析用情報処理装置360は、酔い状態判定装置330から送信されたデータを受信し、そして、これらのデータを解析しうる。また、解析用情報処理装置360は、これらデータを表示部361により表示しうる。
[0161]
 図17において、上記送信はステップS224の後に行われているが、他のステップの後に行われてもよい。例えば、ステップS202の後に、生体情報取得装置310が、生体情報を解析用情報処理装置360に送信してもよい。また、ステップS212の後に、酔い状態判定想定230が、加速度情報を解析用情報処理装置360に送信してもよい。また、ステップS214の後に、酔い状態判定想定230が、加速度情報を解析用情報処理装置360に送信してもよい。送信される情報の種類及び送信タイミングは、必要な解析に応じて適宜選択されてよい。
[0162]
(5)第1の実施形態の第4の例(アミューズメントパークのアトラクションへの適用例)
[0163]
 本例の酔い状態判定システムのブロック図を図18に示し、且つ、当該システムの構成例を図19に示す。また、当該システムによる酔い状態判定処理のフローの一例を図20に示す。本例の酔い状態判定システムは、上記(2)で説明した第1の例の酔い状態判定システムを、アミューズメントパークのアトラクションに乗る対象の酔い状態の予防又は低減のために変形したものである。
 本例においても、第一指標取得部は、第一の酔い状態指標として唾液中のアミラーゼ活性を取得し、且つ、第二指標取得部は、対象の頭部の動きに関する動き情報及び当該対象が視覚によって知覚する周囲映像情報に基づき取得される加速度の差を第二の酔い状態指標として取得する。
[0164]
(5-1)第4の例の酔い状態判定システムの構成の説明
[0165]
 図18に示されるとおり、本技術の酔い状態判定システム400は、唾液中のアミラーゼ活性を測定する生体情報取得装置(アミラーゼ検出装置)410、当該システムを使用する対象が視覚によって認識する映像を取得する周囲環境情報取得装置(映像取得装置)420、及び酔い状態判定装置430を含む。
[0166]
 生体情報取得装置410、周囲環境情報取得装置420、及び酔い状態判定装置430は、上記(2)の「(2-1)第1の例の酔い状態判定システムの構成の説明」において説明したものと同じであり、その説明が本例にもあてはまる。
[0167]
 酔い状態判定システム400は、移動体制御部440をさらに含む。移動体制御部440は、酔い状態判定装置430による判定結果に応じて、対象が乗っている移動体の動きを制御する。移動体制御部440は、例えば当該移動体の加速度又は速度を制御しうる。当該移動体は、例えば図19に示されるとおり、アミューズメントパークのアトラクション450でありうる。代替的には、当該移動体は、当該アトラクション以外の乗り物であってもよい。当該移動体は、例えば自動車などの車両あってもよい。
 移動体制御部440は、上記1.において説明した制御部11と同様に、移動体制御を行うための酔い状態判定装置430に実行させるためのプログラムとOSとが格納されたハードディスク、CPU又はMPU、及びメモリにより構成されてよい。移動体制御部440は、制御部431に含まれていてもよい。
[0168]
 移動体制御部440が移動体の動きを制御することで、対象が酔い状態になることを予防することができ又は酔い状態を緩和することができる。酔い状態の予防又は緩和は、例えば前記第一加速度と前記第二加速度との間の差を減らすように、当該移動体を制御することによって行われうる。
[0169]
 移動体制御部440による移動体制御によって、酔い状態の予防又は緩和が可能であるので、例えば酔い状態制御部よる刺激の程度を低減することができる。代替的には、酔い状態制御部よる刺激を与えることなく、酔い状態を予防又は緩和することもできる。
[0170]
(5-2)第4の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明
[0171]
 図20に示されるフロー図は、ステップ400が追加されていること以外は、図7に示されるフロー図と同じである。そのため、ステップS400以外のステップには、図7に関して述べた説明があてはまる。以下では、主にステップS400について説明する。
[0172]
 ステップS400において、移動体制御部440は移動体の動きを制御する。例えば、移動体制御部440は、前記第一加速度と前記第二加速度との間の差を減らすように、当該移動体の加速度又は速度を減少又は増加させうる。これにより、対象が酔い状態になることを予防することができ又は対象の酔い状態を緩和することができる。
[0173]
 図20に示されるフロー図において、ステップS400における移動体の動きの制御によって酔い状態の予防又は緩和が行われるので、ステップS224において印加される電流は、ステップS400が行われない場合に比べて小さくてよく、又は、ステップS222、S223、及びS224が行われなくてもよい。例えば、ステップS221において、酔い状態判定部236が、対象が酔い状態になる又はなっていると判定した場合に、制御部231は、処理をステップS400に進める。
[0174]
(6)第1の実施形態の第5の例(訓練用シミュレータへの適用例)
[0175]
 本例の酔い状態判定システムのブロック図を図21に示し、且つ、当該システムの構成例を図22に示す。また、当該システムによる酔い状態判定処理のフローの一例を図23に示す。本例の酔い状態判定システムは、上記(2)で説明した第1の例の酔い状態判定システムを、移動体(例えば船及び飛行機など)の乗員を酔いにくくするための訓練用シミュレータとして構成したものである。
 本例においても、第一指標取得部は、第一の酔い状態指標として唾液中のアミラーゼ活性を取得し、且つ、第二指標取得部は、対象の頭部の動きに関する動き情報及び当該対象が視覚によって知覚する周囲映像情報に基づき取得される加速度の差を第二の酔い状態指標として取得する。
[0176]
(6-1)第5の例の酔い状態判定システムの構成の説明
[0177]
 図21に示されるとおり、本技術の酔い状態判定システム500は、唾液中のアミラーゼ活性を測定する生体情報取得装置(アミラーゼ検出装置)510、当該システムを使用する対象が視覚によって認識する映像を取得する周囲環境情報取得装置(映像取得装置)520、及び酔い状態判定装置530を含む。
[0178]
 生体情報取得装置510及び酔い状態判定装置530は、上記(2)の「(2-1)第1の例の酔い状態判定システムの構成の説明」において説明したものと同じであり、その説明が本例にもあてはまる。
[0179]
 酔い状態判定システム500は、訓練用映像表示装置540と組み合わせて使用されうる。訓練用映像表示装置540は、図22に示されるように、例えば飛行機又は船などの酔い易い移動体に乗っているかのような映像及び/又は動き(例えば振動など)を対象に提示する。
[0180]
 周囲環境情報取得装置520は、例えば訓練用映像表示装置540により対象に提示される映像情報を取得する。周囲環境情報取得装置520は、例えばイメージセンサ521を備えている。周囲環境情報取得装置520は、通信部(図示せず)をさらに含み、当該通信部によって、酔い状態判定装置530と有線又は無線によって通信可能であるように構成されている。周囲環境情報取得装置520は、図22に示されるように、アイウェアとして構成されていてよい。イメージセンサ521は、当該アイウェアを装着した対象が視覚によって知覚する外界風景と同様の映像を取得する。イメージセンサ521は、例えばCMOS又はCCDであってよい。
[0181]
 酔い状態判定システム500に含まれる酔い状態制御部533は、例えば前記第一加速度と前記第二加速度との間に差が生じるように又は前記第一加速度と前記第二加速度との間をより大きくするような電流を対象の前庭器官に印加しうる。これにより、例えば酔いが起こりやすいような環境をシミュレートすることができ、酔いに対する訓練が可能となる。
[0182]
 酔い状態判定システム500は、訓練用映像表示装置540に表示される映像を制御する映像制御部550を含みうる。映像制御部550は、例えば、酔い状態制御部533により付与される電流に応じて、訓練用映像表示装置540に表示される映像を制御しうる。例えば、より酔いが起こりやすくなるように映像を制御しうる。
 また、酔い状態判定システム500は、訓練対象に動き(例えば振動など)を与えるように、例えば訓練対象が乗っている座席などを動かす動き制御部(図示せず)を含んでもよい。当該動き制御部によって、訓練対象に動きを与えることで、より酔いが起こりやすくなりうる。
[0183]
(6-2)第5の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明
[0184]
 図23のフロー図と図7のフロー図との主な違いは、ステップS530が追加されていることである。また、第一加速度の取得のためのステップなど、他のステップについても相違がある。以下では、図7に示されるフロー図との相違点について主に説明する。
[0185]
 図23のステップS500において、訓練用映像表示装置540が起動されることに応じて、酔い状態判定システム500が酔い状態判定処理を開始する。より具体的には、酔い状態判定システム500を構成する酔い状態判定装置530、生体情報取得装置510及び周囲環境情報取得装置520が起動する。
[0186]
 ステップS501~S505は、上記(2)の「(2-2)第1の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明」において説明したステップS101~S105と同じである。当該説明が本例においても当てはまるので、ステップS501~S505についての説明は省略する。
[0187]
 ステップS511において、周囲環境情報取得装置520は、訓練用映像表示装置540から対象に対して提示される映像情報を取得する。当該映像は、対象が見ている映像の少なくとも一部を含み、例えば対象の視線方向の映像を少なくとも含みうる。当該映像の取得は、より具体的にはイメージセンサ521により行われうる。周囲環境情報取得装置520は、取得した映像情報を、通信部を通じて、酔い状態判定装置530に送信する。
[0188]
 ステップS512において、酔い状態判定装置530は、映像情報を、周囲環境情報取得装置520から受信する。酔い状態判定装置530の第二指標取得部535は、受信した映像情報に基づき加速度を検出する。以下、ステップS512において映像に基づき検出された加速度を「第一加速度」という。当該第一加速度は、対象が見ている映像に基づく加速度に相当する。当該第一加速度は、例えば対象の前後方向の加速度、左右方向の加速度、及び上下方向の加速度のうちから選ばれる1つ若しくは2つの加速度であってよく、又は、これら3つの加速度の全てであってもよい。
[0189]
 ステップS513~S516及びS521は、上記(2)の「(2-2)第1の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明」において説明したステップS113~S116及びS121と同じである。当該説明が本例においても当てはまるので、ステップS513~S516及びS521についての説明は省略する。
[0190]
 ステップS522において、制御部531は、例えば電流が流される電極の選択及び/又は電流の大きさの選択を行いうる。
 電流が印加される電極は、対象に加速度を感じさせたい方向に応じて適宜選択されてよい。上記でも述べたように、対象に上下方向における加速度差を感じさせるために、乳様突起付近の電極及び首部分の電極が、電流が流されるべき電極として選択される。対象に左右方向における加速度差を感じさせるために、左右のこめかみ付近の電極が、電流が流されるべき電極として選択される。対象に前後方向における加速度差を感じさせるために、乳様突起付近の電極及びこめかみ付近の電極が、電流が流される電極であると選択される。
 印加される電流の大きさは、例えば印加電流と当該電流に基づき誘発される酔い状態との関係に基づき設定されてよい。本技術において、印加される電流の大きさは、例えば0.01mA~3mA、より好ましくは0.1mA~2mM、さらにより好ましくは0.5mA~1.5mAでありうる。
 印加される電流は、徐々に上記選択された値へ上昇されるのではなく、印加開始当初から、上記選択された値の電流が印加されてよい。これにより、酔い状態を誘発するような加速度を対象に感じさせることができる。
[0191]
 ステップS523において、制御部531は、ステップS522において選択された電流の大きさが上限値を超えていないかを判定する。当該上限値は予め設定されていてよく又は対象に応じて適宜変更されてもよい。当該上限値は、例えば3mA、4mA、又は5mAでありうる。
 ステップS522において選択された電流の大きさが当該上限値を超えていない場合は、制御部531は処理をステップS524に進める。
 ステップS522において選択された電流の大きさが当該上限値を超えている場合は、制御部531は処理をステップS525に進める。
[0192]
 ステップS525において、制御部531は、エラーを発して訓練用映像表示装置540及び酔い状態判定装置530を停止させうる。当該エラーは、例えば音声又は映像によって対象に通知されうる。また、酔い状態判定装置530の停止に伴い、生体情報取得装置510及び/又は周囲環境情報取得装置520も停止されてよい。
[0193]
 ステップS524において、制御部531は、酔い状態制御部533を駆動して、対象に刺激を与えうる。本例においては、例えばステップS523において選択された電極に同ステップにおいて選択された大きさの電流が印加されうる。これにより、酔い状態を誘発するような加速度を対象に感じさせることができる。電流の印加は、例えば所定時間の経過後に停止されてよい。ステップS524における電流印加後に、制御部531は、処理をステップS530に進める。
[0194]
 ステップS530において、映像制御部550は、例えば、ステップS524において酔い状態制御部533により付与される電流に応じて、訓練用映像表示装置540に表示される映像を制御しうる。例えば、より酔いが起こりやすくなるように映像を制御しうる。
 なお、ステップS530は、ステップS524の後(特には直後)に行われてもよく、又は、ステップS524と同時に行われてもよい。
[0195]
 ステップS526において、制御部531は、酔い状態判定処理を終了するかを判定する。例えば処理を終了させる対象の操作に応じた信号が検出された場合に、処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合、制御部531は処理を終了する。当該信号が検出されない場合は、制御部531は処理をステップS502、S511、及びS513に戻す。
[0196]
 以上の処理によって、例えば対象に酔い状態を誘発するような加速度を感じさせることができ、これは、酔い状態を引き起こしうる加速度に対する耐性を対象にもたせるために役立つ。
[0197]
(7)第1の実施形態の第6の例(アミラーゼ活性及び匂いに基づく判定の例)
[0198]
 本例の酔い状態判定システムのブロック図を図24に示し、且つ、本例の酔い状態判定システムの構成例を図25に示す。また、当該システムによる酔い状態判定処理のフローの一例を図26に示す。本例において、第一指標取得部は、第一の酔い状態指標として唾液中のアミラーゼ活性を取得し、且つ、第二指標取得部は、対象が嗅覚によって知覚する匂いに関する匂い情報を第二の酔い状態指標として取得する。
[0199]
(7-1)第6の例の酔い状態判定システムの構成の説明
[0200]
 図24に示されるとおり、本技術の酔い状態判定システム600は、唾液中のアミラーゼ活性を測定する生体情報取得装置(アミラーゼ検出装置)610、当該システムを使用する対象が嗅覚によって知覚する匂い情報を取得する周囲環境情報取得装置(匂い検出装置)620、及び酔い状態判定装置630を含む。
 図25に示されるとおり、生体情報取得装置610は、対象の口腔内の唾液と接触可能であるように、対象の口腔内に装着される。周囲環境情報取得装置620は、対象の感じる匂いに関する情報を取得可能であるように、対象の鼻付近に装着される。酔い状態判定装置630は、対象の頭部に装着されてよく、例えば対象の耳付近に装着されうる。
[0201]
 生体情報取得装置610は、上記(2)の「(2-1)第1の例の酔い状態判定システムの構成の説明」において説明した生体情報取得装置110と同じであり、その説明が本例にもあてはまる。
[0202]
 周囲環境情報取得装置620は、匂いセンサ621及び酔い状態制御部(匂い放出部)622を備えている。周囲環境情報取得装置620は、通信部(図示せず)をさらに含み、当該通信部によって、酔い状態判定装置630と有線又は無線によって通信可能であるように構成されている。
[0203]
 周囲環境情報取得装置620は、鼻付近に匂いセンサ621が配置されるように構成されうる。これにより対象により感知される匂いにより近い匂いを、匂いセンサ621が検出することができる。
[0204]
 匂いセンサ621は、例えばコンダクトメトリックタイプの匂いセンサ(ケモレジスタ)、キャパシティブタイプの匂いセンサ(ケモキャパシタ)、ポテンショメトリックタイプの匂いセンサ(ケモダイオード又はケモトランジスタなど)、カロリメトリックタイプの匂いセンサ(サーモケモセンサ)、グラビメトリックタイプの匂いセンサ、オプティカルタイプの匂いセンサ、及び電気化学タイプの匂いセンサのうちから選ばれるいずれかであってよい。
[0205]
 酔い状態制御部(匂い放出部)622は、酔い状態判定部636の判定結果に基づき、前記対象に匂いを提示する又は前記対象周囲の匂いを除去する。より具体的には、酔い状態制御部(匂い放出部)622は、酔い状態判定部636による判定の結果に応じて、酔い状態になることを予防する又は酔い状態を緩和するための物質を放出する。当該物質は、例えば酔い状態をもたらしうる匂いを消す若しくはマスキングする物質であってよく、又は、当該匂いに勝る匂いを有する物質でありうる。
[0206]
 酔い状態判定装置630は制御部631を含み、制御部631は、第一指標取得部634、第二指標取得部635、及び酔い状態判定部636を含む。
 また、酔い状態判定装置130は通信部(図示せず)を含み、当該通信部によって、生体情報取得装置610及び周囲環境情報取得装置620と有線又は無線によって通信可能であるように構成されている。
[0207]
 第一指標取得部634は、アミラーゼセンサ612により取得されたアミラーゼ活性を第一の酔い状態指標として取得する。
[0208]
 第二指標取得部635は、周囲環境情報取得装置620の匂いセンサ621により取得された匂い情報を第二の酔い状態指標として取得する。
[0209]
 酔い状態判定部636は、前記第一の酔い状態指標及び第二の酔い状態指標に基づき、対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する。
[0210]
(7-2)第6の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明
[0211]
 図26のステップS600において、酔い状態判定システム600が、酔い状態判定処理を開始する。ステップS600において、酔い状態判定装置630が、対象によって入力された当該処理の開始信号に応じて起動し、そして、酔い状態判定装置630が、生体情報取得装置610及び周囲環境情報取得装置620を起動させるための信号をこれら装置にそれぞれ送信する。これら装置は、当該信号を受信したことに応じて起動する。
[0212]
 ステップS601~S603は、上記(2)の「(2-2)第1の例の酔い状態判定システムによる判定処理の例の説明」において説明したステップS101~S103と同じである。当該説明が本例においても当てはまるので、ステップS601~S603についての説明は省略する。
[0213]
 ステップS604において、制御部631(例えば酔い状態判定部636)が、前記アミラーゼ活性度又は前記変動率が閾値以上であるかを判定する。以下、ステップS604における判定に用いられる閾値を第一閾値という。当該第一閾値は、予め設定されたものであってよく、又は、随時更新されてもよい。当該第一閾値は、例えばデータベース、より具体的にはクラウドデータベース中に格納されているデータに基づき設定又は更新されてよい。当該設定又は更新のために用いられるデータとして例えば、過去に計測された対象のアミラーゼ活性情報、対象について行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象の身体情報から選ばれる1つ以上が用いられてよい。また、当該データとして、対象以外のヒトのアミラーゼ活性情報、対象以外のヒトについて行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象以外のヒトについて身体情報が用いられてもよい。
 ステップS604において、前記アミラーゼ活性度又は前記変動率が前記第一閾値以上である場合には、酔い状態判定部636は、処理をステップS605に進める。前記アミラーゼ活性度又は前記変動率が閾値未満である場合には、酔い状態判定部636は、処理をステップS621に進める。
[0214]
 ステップS605において、処理がステップS602に戻され、再度ステップS602~S604の処理が行われうる。
 また、酔い状態制御部633が対象に匂いを提示している状態でステップS602~604が行われた場合は、匂い放出部633は、ステップS605において当該匂いの提示を停止する。
[0215]
 ステップS611において、周囲環境情報取得装置620は、対象の鼻付近の匂いを検出する。当該匂いの検出は、より具体的には匂いセンサ621により行われうる。周囲環境情報取得装置620は、検出した匂いに関する情報を、通信部を通じて、酔い状態判定装置630に送信する。当該匂いに関する情報は、より好ましくは所定の種類の匂いの強さでありうる。
[0216]
 ステップS612において、酔い状態判定装置630は、前記匂いに関する情報を、周囲環境情報取得装置620から受信する。酔い状態判定装置630の第二指標取得部635は、受信した前記匂いに関する情報、を第二の酔い状態指標として取得する。
[0217]
 ステップS612において、酔い状態判定部636が、前記ステップS115において取得された第二の酔い状態指標(例えば匂いの強さなど)が閾値以上であるかを判定する。以下、ステップS612における判定に用いられる閾値を第二閾値という。当該第二閾値は、予め設定されたものであってよく、又は、随時更新されてもよい。当該第二閾値は、例えばデータベース、より具体的にはクラウドデータベース中に格納されているデータに基づき設定又は更新されてよい。当該設定又は更新のために用いられるデータとして例えば、過去に取得された匂い情報、対象について行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象の身体情報から選ばれる1つ以上が用いられてよい。また、当該データとして、対象以外のヒトについて過去に取得された匂い情報、対象以外のヒトについて行われた過去の酔い状態判定結果、及び対象以外のヒトについて身体情報が用いられてもよい。
 ステップS612において、前記第二の酔い状態指標が前記第二閾値以上である場合には、酔い状態判定部636は、処理をステップS621に進める。前記第二の酔い状態指標が前記第二閾値未満である場合には、処理をステップS611に戻し、再度ステップS611及びS612が行われうる。
[0218]
 ステップS621において、酔い状態判定部636は、前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が前記第一閾値以上であり且つ前記第二の酔い状態指標が前記第二閾値以上であるかを判定する。
 前記変動率又は前記アミラーゼ活性度が前記第一閾値以上であり且つ前記第二の酔い状態指標が前記第二閾値以上である場合には、酔い状態判定部636は、対象が酔い状態になる又は酔い状態になっていると判定し、処理をステップS622に進める。
 前記アミラーゼ活性度又は前記変動率が前記第一閾値以上であり且つ前記第二の酔い状態指標が前記第二閾値以上であるという条件を満たさない場合には、酔い状態判定部636は、対象が酔い状態にならない又は酔い状態になっていないと判定し、処理がステップS602及びS611に戻される。
[0219]
 ステップS622において、制御部631は、例えば対象に提示される匂いの種類の選択及び/又は対象に提示される匂いの強度の選択を行いうる。
 匂いの種類は、匂いセンサにより検出された匂いの種類に応じて選択されうる。匂いの強度は、例えばアミラーゼ活性度Sの変動率dS/dt又はアミラーゼ活性度Sに基づき選択されうる。例えば、匂いの強度はdS/dt×Cでありうる。Cは補正項であり、例えば予め設定された値であってよく、又は、クラウドデータベース中のデータに基づき導出されてもよい。
[0220]
 ステップS622において、クラウドデータベースが参照され、当該クラウドデータベースから、提示される匂いの種類及び/又は提示される匂いの強度が検索されてもよい。当該匂いの強度は、より具体的には匂い物質の放出量でありうる。例えば当該クラウドデータベースは、対象の身体情報(例えば性別、年齢、身長、及び体重など)、対象についての過去の酔い状態判定結果、匂い提示履歴、及び、提示された匂いと当該匂いによるアミラーゼ活性度の応答から選ばれる1つ以上のデータを含んでよい。当該クラウドデータベースは、対象以外のヒトのそれぞれの身体情報(例えば性別、年齢、身長、及び体重など)、対象以外のヒトについての過去の酔い状態判定結果、匂い提示履歴、及び、提示された匂いと当該匂いによるアミラーゼ活性度の応答から選ばれる1つ以上のデータを含んでよい。
 例えば対象が初めて本例の酔い状態判定システムを利用する場合は、当該対象に関する酔い状態判定結果のデータは蓄積されていない。そのため、対象以外のヒトに関するデータベースが利用されうる。例えば、対象の身体情報に最も近い身体情報を有する他者のデータ又は対象の身体情報に近い身体情報を有する複数の他者のデータから、提示される匂いの種類及び/又は匂いの強度が選択されうる。
[0221]
 ステップS623において、制御部631は、ステップS622において選択された匂い強度が上限値を超えていないかを判定する。当該上限値は予め設定されていてよく又は対象に応じて適宜変更されてもよい。
 ステップS622において選択された匂い強度が当該上限値を超えていない場合は、制御部631は処理をステップS624に進める。
 ステップS622において選択された匂い強度が当該上限値を超えている場合は、制御部631は処理をステップS625に進める。
[0222]
 ステップS625において、制御部631は、エラーを発して酔い状態判定装置630を停止させうる。当該エラーは、例えば音声又は映像によって対象に通知されうる。また、酔い状態判定装置630の停止に伴い、生体情報取得装置610及び/又は周囲環境情報取得装置620も停止されてよい。
[0223]
 ステップS624において、制御部631は、匂い放出部623を駆動して、対象に刺激を与えうる。本例においては、例えばステップS622において選択された種類及び強度の匂いが、対象に提示されうる。これにより、酔い状態を引き起こしうる又は引き起こした匂いによる対象への影響を解消又は低減することができ、酔い状態になることを防ぎ又は酔い状態を抑制することができる。匂いの提示は、例えば所定時間の経過後に停止されてよく、又は、dS/dtが前記第一閾値未満になったことに応じて停止されてもよい。匂い提示後に、ステップS602及びS611の処理が再度行われうる。
 代替的には、匂いの提示が行われたまま、ステップS602及びS611の処理が再度行われてもよい。
 ステップS624における電流印加後に、制御部631は、処理をステップS626に進める。
[0224]
 ステップS626において、制御部631は、酔い状態判定処理を終了するかを判定する。例えば処理を終了させる対象の操作に応じた信号が検出された場合に、処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合、制御部は処理を終了する。当該信号が検出されない場合は、制御部631は処理をステップS602及びS611に戻す。
[0225]
 以上の処理によって、例えば不快な匂いに曝されている対象の酔い状態を適切に判定することができる。本例の酔い状態判定システムは、以上のとおり酔い状態を適切に判定することができるので、例えば酔い状態になること又はなっていることを対象に通知することが可能となり、当該通知によって匂いを解消するための換気を対象に促すことができる。また、本例の酔い状態判定システムは、当該不快な匂いを解消するための匂いを対象に提示することができるので、酔い状態になることを防ぐ又は酔い状態を抑制することもできる。
[0226]
2.第2の実施形態(生体情報取得装置)
[0227]
 本技術は、対象の生体情報を取得する生体情報取得部を備えており、且つ、前記対象の酔い状態を判定するために、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき酔い状態指標を取得する指標取得装置と組み合わせて用いられる生体情報取得装置も提供する。
[0228]
 当該生体情報取得装置は、上記1.において説明したとおりの生体情報取得装置であり、その説明が本実施形態においても当てはまる。当該装置に含まれる前記生体情報取得部は、例えば上記1.において述べた酵素センサ又は匂いセンサでありうる。
 当該生体情報取得装置と組み合わせて用いられる前記指標取得装置は、上記1.において説明したとおりの酔い状態判定装置でありうる。これら装置の組み合わせによって、酔い状態を適切に判定することができる。
[0229]
3.第3の実施形態(周囲環境情報取得装置)
[0230]
 本技術は、対象が知覚する周囲環境情報を取得する周囲環境情報取得部を備えており、且つ、前記対象の酔い状態を判定するために、前記対象の生体情報を酔い状態指標として取得する生体情報取得装置と組み合わせて用いられる周囲環境情報取得装置も提供する。当該周囲環境情報取得装置は、上記1.において説明したとおりの周囲環境情報取得装置であり、その説明が本実施形態においても当てはまる。
[0231]
 当該周囲環境情報取得装置と組み合わせて用いられる生体情報取得装置は、上記1.において説明したとおりの生体情報取得装置であってよい。この組み合わせを、上記1.において説明したとおりの酔い状態判定装置とさらに組み合わせて使用することで、酔い状態を適切に判定することができる。
[0232]
4.第4の実施形態(酔い状態判定装置)
[0233]
 本技術は、対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得部と、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得部と、前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定部とを含む酔い状態判定装置も提供する。当該酔い状態判定装置は、上記1.において説明したとおりの酔い状態判定装置であり、その説明が本実施形態においても当てはまる。
[0234]
5.第5の実施形態(酔い状態判定方法)
[0235]
 本技術に従う酔い状態判定方法は、対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得工程と、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得工程と、前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定工程とを含む。本技術に従う酔い状態判定方法によって、上記1.の(1-2)において説明した効果が奏される。
 以下で各工程について、図3及び図27を参照しながら説明する。図3は上記1.において説明したとおりである。図27は、当該酔い状態判定方法のフロー図の一例である。
[0236]
 図27のステップS701において、酔い状態判定システム1は、本技術に従う映像投射処理を開始する。
[0237]
 ステップS702の第一指標取得工程において、第一指標取得部12が、対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する。当該生体情報及び当該第一の酔い状態指標は、上記1.の(1-2)において説明したとおりであり、その説明が本実施形態においても当てはまる。また、本ステップは、例えば上記1.の(2-2)において説明したステップS103に対応し、その説明が本ステップについても当てはまる。
[0238]
 ステップS703に第二指標取得工程において、第二指標取得部13が、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する。当該動き情報、当該周囲環境情報、及び当該第二の酔い状態指標は、上記1.の(1-2)において説明したとおりであり、その説明が本実施形態においても当てはまる。本ステップは、例えば上記1.の(2-2)において説明したステップS115に対応し、その説明が本ステップについても当てはまる。
[0239]
 ステップS702及び703はこの順に行われてよく若しくは当該順と反対の順に行われてもよく、又は、同時に行われてもよい。
[0240]
 ステップS704の判定工程において、酔い状態判定部14が、前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する。当該判定の詳細は、上記1.の(1-2)において説明したとおりであり、その説明が本実施形態においても当てはまる。本ステップは、例えば上記1.の(2-2)において説明したステップS121に対応し、その説明が本ステップについても当てはまる。
[0241]
 ステップS705において、酔い状態判定システム1は、本技術に従う酔い状態判定処理を終了する。
[0242]
 ステップS702~S704は、より好ましくは繰り返し行われうる。
[0243]
 ステップS704とステップS705との間に、酔い状態制御部15が、ステップS704における判定結果に基づき、前記対象の酔い状態を制御する酔い状態制御工程が行われてもよい。当該酔い状態制御工程は、例えば上記1.の(2-2)において説明したステップS124に対応し、その説明が本ステップにおいても当てはまる。当該酔い状態制御工程後に、ステップS702~704が再度繰り返されてもよい。
[0244]
 本技術に従う酔い状態判定方法のより詳細な具体例は、上記1.の各例において説明したとおりであり、その説明が実施形態においても当てはまる。例えばこれらの例において述べたステップが、本技術に従う酔い状態判定方法において行われてよい。
[0245]
 なお、本技術は、以下のような構成をとることもできる。
〔1〕対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得部と、
 前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得部と、
 前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定部と
 を含む酔い状態判定システム。
〔2〕前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象の酔い状態を制御する酔い状態制御部をさらに含む、〔1〕に記載の酔い状態判定システム。
〔3〕前記酔い状態制御部が、データベースから取得した情報に基づき、酔い状態を制御するための処置内容を決定する、〔2〕に記載の酔い状態判定システム。
〔4〕リアルタイムで前記対象の酔い状態を判定する、〔1〕~〔3〕のいずれか一つに記載の酔い状態判定システム。
〔5〕前記第一の酔い状態指標及び前記第二の酔い状態指標の両方が各指標について設定された基準を満たす場合に、前記酔い状態判定部が、前記対象が酔い状態になる又はなっていると判定する、〔1〕~〔4〕のいずれか一つに記載の酔い状態判定システム。
〔6〕前記生体情報が、前記対象に由来する酵素に関する情報を含む、〔1〕~〔5〕のいずれか一つに記載の酔い状態判定システム。
〔7〕前記酵素がアミラーゼである、〔6〕に記載の酔い状態判定システム。
〔8〕前記動き情報が、前記対象の体の動きに関する動き情報であり、
 前記周囲環境情報が、前記対象が視覚によって知覚する映像に関する映像情報であり、且つ、
 前記第二指標取得部が、前記動き情報及び前記映像情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する、
 〔1〕~〔7〕のいずれか一つに記載の酔い状態判定システム。
〔9〕前記動き情報が、前記対象の体の動きに基づく第一の加速度情報であり、
 前記周囲環境情報が、前記対象が視覚によって知覚する映像に基づく第二の加速度情報であり、且つ、
 前記第二指標取得部が、前記第一の加速度情報及び前記第二の加速度情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する、
 〔8〕に記載の酔い状態判定システム。
〔10〕前記第二指標取得部が、前記第一の加速度情報と前記第二の加速度情報との差を、前記第二の酔い状態指標として取得する、〔9〕に記載の酔い状態判定システム。
〔11〕前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象の頭部に電流を与える酔い状態制御部をさらに含む、〔8〕~〔10〕のいずれか一つに記載の酔い状態判定システム。
〔12〕前記周囲環境情報が、前記対象が嗅覚によって知覚する匂いに関する匂い情報であり、且つ、
 前記第二指標取得部が、前記匂い情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する、
 〔1〕~〔7〕のいずれか一つに記載の酔い状態判定システム。
〔13〕前記第二指標取得部が、所定の種類の匂いの強さを、前記第二の酔い状態指標として取得する、〔12〕に記載の酔い状態判定システム。
〔14〕前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象に匂いを提示する又は前記対象周囲の匂いを除去する酔い状態制御部をさらに含む、〔12〕又は〔13〕に記載の酔い状態判定システム。
〔15〕前記酔い状態判定部の判定結果を出力する出力部をさらに含む、〔1〕~〔14〕のいずれか一つに記載の酔い状態判定システム。
〔16〕対象の生体情報を取得する生体情報取得部を備えており、且つ、
 前記対象の酔い状態を判定するために、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき酔い状態指標を取得する指標取得装置と組み合わせて用いられる、
 生体情報取得装置。
〔17〕対象が知覚する周囲環境情報を取得する周囲環境情報取得部を備えており、且つ、
 前記対象の酔い状態を判定するために、前記対象の生体情報を酔い状態指標として取得する生体情報取得装置と組み合わせて用いられる、
 周囲環境情報取得装置。
〔18〕対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得部と、
 前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得部と、
 前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定部と
 を含む酔い状態判定装置。
〔19〕対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得工程と、
 前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得工程と、
 前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定工程と
 を含む酔い状態判定方法。

符号の説明

[0246]
1 酔い状態判定システム
10 酔い状態判定装置
11 制御部
12 第一指標取得部
13 第二指標取得部
14 酔い状態判定部
15 酔い状態制御部
16 モーションセンサ
20 生体情報取得装置
30 周囲環境情報取得装置

請求の範囲

[請求項1]
 対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得部と、
 前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得部と、
 前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定部と
 を含む酔い状態判定システム。
[請求項2]
 前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象の酔い状態を制御する酔い状態制御部をさらに含む、請求項1に記載の酔い状態判定システム。
[請求項3]
 前記酔い状態制御部が、データベースから取得した情報に基づき、酔い状態を制御するための処置内容を決定する、請求項2に記載の酔い状態判定システム。
[請求項4]
 リアルタイムで前記対象の酔い状態を判定する、請求項1に記載の酔い状態判定システム。
[請求項5]
 前記第一の酔い状態指標及び前記第二の酔い状態指標の両方が各指標について設定された基準を満たす場合に、前記酔い状態判定部が、前記対象が酔い状態になる又はなっていると判定する、請求項1に記載の酔い状態判定システム。
[請求項6]
 前記生体情報が、前記対象に由来する酵素に関する情報を含む、請求項1に記載の酔い状態判定システム。
[請求項7]
 前記酵素がアミラーゼである、請求項6に記載の酔い状態判定システム。
[請求項8]
 前記動き情報が、前記対象の体の動きに関する動き情報であり、
 前記周囲環境情報が、前記対象が視覚によって知覚する映像に関する映像情報であり、且つ、
 前記第二指標取得部が、前記動き情報及び前記映像情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する、
 請求項1に記載の酔い状態判定システム。
[請求項9]
 前記動き情報が、前記対象の体の動きに基づく第一の加速度情報であり、
 前記周囲環境情報が、前記対象が視覚によって知覚する映像に基づく第二の加速度情報であり、且つ、
 前記第二指標取得部が、前記第一の加速度情報及び前記第二の加速度情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する、
 請求項8に記載の酔い状態判定システム。
[請求項10]
 前記第二指標取得部が、前記第一の加速度情報と前記第二の加速度情報との差を、前記第二の酔い状態指標として取得する、請求項9に記載の酔い状態判定システム。
[請求項11]
 前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象の頭部に電流を与える酔い状態制御部をさらに含む、請求項8に記載の酔い状態判定システム。
[請求項12]
 前記周囲環境情報が、前記対象が嗅覚によって知覚する匂いに関する匂い情報であり、且つ、
 前記第二指標取得部が、前記匂い情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する、
 請求項1に記載の酔い状態判定システム。
[請求項13]
 前記第二指標取得部が、所定の種類の匂いの強さを、前記第二の酔い状態指標として取得する、請求項12に記載の酔い状態判定システム。
[請求項14]
 前記酔い状態判定部の判定結果に基づき、前記対象に匂いを提示する又は前記対象周囲の匂いを除去する酔い状態制御部をさらに含む、請求項12に記載の酔い状態判定システム。
[請求項15]
 前記酔い状態判定部の判定結果を出力する出力部をさらに含む、請求項1に記載の酔い状態判定システム。
[請求項16]
 対象の生体情報を取得する生体情報取得部を備えており、且つ、
 前記対象の酔い状態を判定するために、前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき酔い状態指標を取得する指標取得装置と組み合わせて用いられる、
 生体情報取得装置。
[請求項17]
 対象が知覚する周囲環境情報を取得する周囲環境情報取得部を備えており、且つ、
 前記対象の酔い状態を判定するために、前記対象の生体情報を酔い状態指標として取得する生体情報取得装置と組み合わせて用いられる、
 周囲環境情報取得装置。
[請求項18]
 対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得部と、
 前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得部と、
 前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定部と
 を含む酔い状態判定装置。
[請求項19]
 対象の生体情報を第一の酔い状態指標として取得する第一指標取得工程と、
 前記対象の動きに関する動き情報及び/又は前記対象が知覚する周囲環境情報に基づき、第二の酔い状態指標を取得する第二指標取得工程と、
 前記第一の酔い状態指標と前記第二の酔い状態指標とに基づき、前記対象が酔い状態になるか又はなっているかを判定する酔い状態判定工程と
 を含む酔い状態判定方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 4C]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]