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1. (WO2016038646) AGENT DE COLORATION CAPILLAIRE ET PROCÉDÉ DE COLORATION DE CHEVEUX

明 細 書

発明の名称

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045  

実施例

0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

産業上の利用可能性

0058  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : ヘアカラー剤及び染毛方法

技術分野

[0001]
 本発明は、主として黒髪を明るい色に染める、所謂おしゃれ染めに好ましく用いられるヘアカラー剤に関する。詳しくは、酸化染料を用いなくともおしゃれ染めができ、また、色持ちを長期に持続させることが出来るヘアカラー剤に関する。

背景技術

[0002]
 従来、合成染料であるp-フェニレンジアミン系やアミノフェノール系の酸化染料を含む酸化染毛剤が広く用いられている。酸化染毛剤は、通常、第一剤と第二剤とを混合して調製される2浴式のヘアカラー剤であって、第一剤は酸化染料とアルカリ剤とを含み、第二剤は主成分として過酸化水素水を含有する。過酸化水素水は酸化染料を酸化重合させて発色させるための酸化剤として、及び毛髪中のメラニン色素を分解するためのブリーチ剤としての作用を有する。
[0003]
 このような酸化染毛剤は、施術の直前に第一剤と第二剤とを混合して毛髪に塗布して用いられる。酸化染毛剤を塗布した場合、毛髪内部に浸透した酸化染料が、その場で酸化重合することにより嵩高いインド染料を生成し、インド染料が発色する。インド染料は嵩高いので毛髪から抜けにくく、染毛後の色持ちに優れるとともに、多彩な色調を表現できる。
[0004]
 しかしながら、酸化染料は、皮膚障害を引き起こすおそれがあることが知られている。また、生態系に悪影響を及ぼす環境ホルモンであるという指摘や、さらに、発がん性や発アレルギー性等の疑いがあるとの指摘もある。このことから、酸化染毛剤は、欧州等においては規制対象にもなっている。
[0005]
 酸化染料よりも安全性の高い染料としては、塩基性染料が知られている。塩基性染料はそのカチオンが毛髪表面のケラチンタンパク質のアニオンとイオン結合することによって染着する。従来から塩基性染料は、例えば、1~2週間程度しか色持ちしないヘアマニキュアや、1週間に数回用いることにより色を付与し続けるカラーリンスやカラートリートメントとして、用いられていた。
[0006]
 例えば、下記特許文献1は、整髪効果と染毛効果との両方を兼ね備えた染毛性整髪用組成物として、HC染料、塩基性染料、ディスパース染料及び天然色素からなる群から選択された少なくとも一つの染料又は色素である染毛性色素と共に、少なくとも一つのαヒドロキシ酸エステル及び/又は少なくとも一つの炭酸ジアルキル、並びに、少なくとも一つの架橋ポリマーを含む染毛性整髪用組成物を開示する。このような組成物は、毛髪表面にポリマー皮膜を形成させることにより染料を固着させ、頻繁に使用するうちに次第に毛髪を染色させるカラートリートメント剤である。従って、特許文献1に開示された組成物は黒髪を明るい色に染め上げるおしゃれ染めに用いられるものではなく、また、一度の施術では長期間の色持ちを実現することもできなかった。
[0007]
 また、本発明者による発明を開示する下記特許文献2は、染料主成分である塩基性染料とHC染料とを含有するベースカラー染料液を毛髪に塗布し、所定の時間放置する第一工程と、ベースカラー染料液を塗布された毛髪をリンスする第二工程と、第二工程の後に毛髪に茶カテキン水溶液を塗布し、所定の時間放置する第三工程と、を備えることを特徴とする染毛方法を開示する。しかしながらこの技術は、主として、白髪染めした毛髪に対して、染料の定着性を図るための技術であり、このような技術も、黒髪を明るい色に染め上げるおしゃれ染めに用いられるものではない。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2005-213212号公報
特許文献2 : 特許第4993396号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 塩基性染料は酸化染料に比べて安全性が高いとされている。しかしながら、塩基性染料は、分子量が大きいために毛髪の深い部分にまでは浸透しにくく、また結合力の弱いイオン結合によりケラチンタンパク質に染着されるために、染毛後の色持ちが悪いという欠点があった。従って、1ヶ月を超えるような色持ちを目的とした、所謂、永久染毛剤のような用いられ方は試みられていなかった。
[0010]
 本発明は、塩基性染料をベースカラーとして用いても、長期間色持ちするおしゃれ染めができる、2浴式のヘアカラー剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明のヘアカラー剤は、第一剤と第二剤とを混合して調製される2浴式のヘアカラー剤であって、第一剤は、塩基性染料を主成分として含む染料成分とアルカリ剤とを含み、第二剤は、主成分として過酸化水素水を含み、第一剤または第二剤の少なくとも一方に、金属ナノ粒子をさらに含むものである。
[0012]
 このようなヘアカラー剤によれば、酸化染料を含有しなくとも、黒髪を明るい色に染め上げるおしゃれ染め、詳しくは、毛髪中のメラニン色素を過酸化水素により適度にブリーチしながら塩基性染料を浸透させることによる染毛を行う場合にも、染料の色持ちを向上させることができる。
[0013]
 塩基性染料の色持ちを向上させることができたメカニズムは、現在のところ明確には検討できていないが、過酸化水素を含む水溶液中において、コロイド粒子表面の電荷の作用により金ナノ粒子や白金ナノ粒子のような金属ナノ粒子が塩基性染料の毛髪内への浸透を促すとともに、塩基性染料のカチオンの生成をより促進することにより、ケラチンタンパク質のアニオンとイオン結合しやすくなったのではないかと思われる。すなわち、金属ナノ粒子を配合することにより、塩基性染料のカチオンが活性化して毛髪のケラチンのアニオンに吸着されやすくなることにより染毛性が向上したのではないかと考えている。その結果、毛髪において、メラニン色素を含む全色素中の例えば5~30%程度を染料に置き換えることができたと思われる。なお、本発明のヘアカラー剤によれば、日本ヘアカラー協会(JHCA)が販売するヘアカラーリング・レベルスケールで8~10レベルのような明度を低下させすぎないおしゃれ染めを実現することが出来る。
[0014]
 また、ヘアカラー剤は、4.5質量%過酸化水素水を30~70質量%配合した割合に相当する過酸化水素水を含有することが、毛髪中のメラニン色素を過酸化水素により適度に分解しながら塩基性染料を毛髪中に浸透させることにより髪の明度を上げながら暗い髪を明るく染める、おしゃれ染めにとくに好ましく用いられる点から好ましい。
[0015]
 また、染料成分はHC染料をさらに含むことが調色の自由度が広がる点から好ましい。このとき、調製されたヘアカラー剤中の塩基性染料とHC染料との含有割合の合計が0.1~10質量%であることが、明度を低下させすぎないおしゃれ染めを実現することが出来る。
[0016]
 また、本発明の染毛方法は、上記何れかのヘアカラー剤を、毛髪に塗布し、所定の時間放置する第一工程と、ヘアカラー剤を塗布された毛髪をリンスする第二工程と、第二工程の後に、毛髪に茶パウダーの水溶液を塗布し、所定の時間放置する第三工程と、を備える染毛方法である。このような方法によれば、上述したヘアカラーの色落ちをより抑制することが出来る。

発明の効果

[0017]
 本発明のヘアカラー剤によれば、酸化染料を含有しなくとも、塩基性染料をベースカラーとして用いて長期間色持ちする染毛を行うことが出来る。とくに、本発明のヘアカラー剤は過酸化水素水中の過酸化水素により毛髪中のメラニン色素を適度に分解してブリーチすることにより髪の明度を上げながら、塩基性染料を浸透させることにより、暗い髪を明るく染める、所謂おしゃれ染めが可能になる。

発明を実施するための形態

[0018]
 本発明のヘアカラー剤の一実施形態について、以下に詳しく説明する。
 本発明のヘアカラー剤は、第一剤と第二剤とを混合して調製される2浴式のヘアカラー剤であって、第一剤は、塩基性染料を主成分として含む染料成分とアルカリ剤とを含み、第二剤は、主成分として過酸化水素水を含み、第一剤または第二剤の少なくとも一方に、金ナノ粒子や白金ナノ粒子等の金属ナノ粒子をさらに含み、好ましくは酸化染料を含有しないヘアカラー剤である。
[0019]
 第一剤は、塩基性染料を主成分として含む染料成分とpH調節剤としてのアルカリ剤の他、必要に応じてクリーム基剤、コンディショニング剤、安定剤、香料、溶剤等を含む薬剤である。なお、アルカリ剤を含む薬剤と染料成分を含む薬剤は、アルカリ剤の活性を維持するために使用直前に混合して調製されることが好ましい。
[0020]
 染料成分は、主成分として塩基性染料を含有する。染料成分中の塩基性染料の割合としては、50質量%以上、さらには60質量%以上、特には80質量%以上であることが好ましい。このように、染料成分の主成分として塩基性染料を用いることにより、安全性の高いヘアカラーを実現することができる。
[0021]
 塩基性染料は、分子内にアミノ基、または置換アミノ基等を有し、水溶液中でカチオンになる染料であり、従来から塩基性染料として知られたものが特に限定なく用いられうる。塩基性染料は、水溶液中でカチオンになるために、毛髪表面のケラチンタンパクのアニオンとイオン結合することにより染着する。その具体例としては、例えば、ベーシックブルー7(C.I.42595)、ベーシックブルー16(C.I.12210)、ベーシックブルー22(C.I.61512)、ベーシックブルー26(C.I.44045)、ベーシックブルー99(C.I.56059)、ベーシックブルー117、ベーシックバイオレット10(C.I.45170)、ベーシックバイオレット14(C.I.42515)、ベーシックブラウン16(C.I.12250)、ベーシックブラウン17(C.I.12251)、ベーシックレッド2(C.I.50240)、ベーシックレッド12(C.I.48070)、ベーシックレッド22(C.I.11055)、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76(C.I.12245)、ベーシックレッド118(C.I.12251:1)、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー28(C.I.48054)、ベーシックイエロー57(C.I.12719)、ベーシックイエロー87、ベーシックブラック2(C.I.11825)等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0022]
 また、染料成分として用いられる塩基性染料以外の染料の具体例としては、例えば、HC染料、ポリフェノール染料等が挙げられる。なお、安全性の観点から、酸化染料を含まないことが好ましい。
[0023]
 HC染料は公知の「HC」を接頭辞として有する染料であり、分子径が小さい染料であるために毛髪の内部に浸透して水素結合や分子間引力によって染着し、より深みのある発色を付与する。その具体例としては、例えば、HCブルーNo.2、HCブルーNo.8、HCオレンジNo.1、HCオレンジNo.2、HCレッドNo.1、HCレッドNo.3、HCレッドNo.7、HCレッドNo.8、HCレッドNo.10、HCレッドNo.11、HCレッドNo.13、HCレッドNo.16、HCバイオレットNo.2、HCイエローNo.2、HCイエローNo.5、HCイエローNo.6、HCイエローNo.7、HCイエローNo.9、HCイエローNo.12、等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0024]
 アルカリ剤は、毛髪を膨潤させてキューティクルを開くことにより染料成分や過酸化水素等の有効成分の浸透を促すとともに、過酸化水素の酸化力を向上させてメラニン色素の分解を促す成分である。アルカリ剤の具体例としては、例えば、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等が挙げられる。これらの中ではアンモニア水、炭酸水素アンモニア水が特に好ましい。これらは、それぞれ、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。アルカリ剤を含む第1剤のpHは特に限定されないが、9以上、さらには、10以上であることが好ましい。
[0025]
 クリーム基剤は、第一剤を乳化させてクリーム状にして、取扱い性を向上させる成分である。クリーム基材の具体例としては、例えば、セタノール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、インステアリルアルコール、ミネラルオイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、トリグリセリル等の油脂成分とポリオキシエチレンラウリルエーテル、ラウリン酸ソルビタン、セテス-2、オレス-10、セトレス-20等の乳化剤等を適宜配合して得られるような公知のクリーム基剤が特に限定なく用いられうる。
[0026]
 コンディショニング剤としては、毛髪を保湿するための各種栄養剤、各種湿潤剤等が必要に応じて配合される。具体的には、ケラチン,システインやニンニクエキス,ローズマリーエキス,松エキス等の植物エキス等の栄養剤、ポリエチレングリコール等の湿潤剤等が挙げられる。また、安定剤としては、染料の劣化を防止するための酸化防止剤やEDTAなどのキレート剤が必要に応じて配合される。また、香料はアンモニア等のアルカリ剤の刺激臭などを和らげるために公知の香料が必要に応じて配合される。さらに、溶剤としては精製水や各種有機溶剤が適宜配合される。
[0027]
 第一剤は、上述したような、塩基性染料と必要に応じて配合されるHC染料等を含むベースカラーになる薬剤とアルカリ剤を含む薬剤とを所定の比率で配合することにより、好ましくはクリーム状またはペースト状に調製される。
[0028]
 第一剤中に含有される染料成分の濃度は特に限定されないが、例えば、1~10質量%、さらには0.5~5質量%であることが好ましい。
[0029]
 一方、第二剤は、主成分として過酸化水素水を含む、酸化染料を用いたヘアカラーの場合に所謂オキシ剤とも呼ばれる成分である。過酸化水素水は、毛髪中のメラニン色素を分解して明度を向上させるためのブリーチ剤としての作用を有する。
[0030]
 本発明のヘアカラー剤においては、第一剤または第二剤の少なくとも一方、好ましくは第一剤に、金ナノ粒子や白金ナノ粒子のような金属ナノ粒子を含む。金属ナノ粒子を配合することにより、塩基性染料が金属ナノ粒子表面に吸着され、そのまま毛髪内に浸透してケラチンにより吸着されやすくなり、塩基性染料をベースカラーとして用いても長期間色持ちする染毛を行うことが出来る。
[0031]
 ここで、金属ナノ粒子とは、コロイド溶液を形成可能な粒径が数十nm程度の金属のナノ粒子であり、金ナノ粒子、白金ナノ粒子、銀ナノ粒子、銅ナノ粒子等が挙げられる。金属ナノ粒子の粒径は、コロイド溶液に分散された金属ナノ粒子である限り特に限定されないが、入手しやすい点から、10~100nm、さらには10~50nm程度の金ナノ粒子または白金ナノ粒子がとくに好ましい。このような金属のナノ粒子のコロイド溶液は、例えば、(株)Johzen等から市販されている。
[0032]
 第一剤と第二剤とは所定の比率で配合し混合することにより、例えばクリーム状のヘアカラー剤に調製される。第一剤と第二剤との配合比率としては、第一剤の量に対して、質量比で第二剤を0.6~1.5倍、さらには0.8~1.3倍、最も好ましくはおおよそ1倍程度を配合することが配合の簡便さの点から好ましい。このようにして調製されるヘアカラー剤のpHは弱酸性~弱アルカリ性の範囲であれば特に限定されないが、具体的にはpH4~8程度、さらには、4~6程度であることが好ましい。
[0033]
 調製されたヘアカラー剤中に含有される過酸化水素水の量は特に限定されないが、例えば、4.5質量%過酸化水素水を30~70質量%配合した割合になるように過酸化水素水を配合することが好ましい。このような範囲で過酸化水素水が配合されている場合には、毛髪中のメラニン色素を含む全色素中の5~30%程度を染料に置き換えやすくなり、それにより、日本ヘアカラー協会(JHCA)が販売するヘアカラーリング・レベルスケールで8~10レベルのような明度を低下させすぎないおしゃれ染めを実現することが出来る。
[0034]
 また、調製されたヘアカラー剤中に配合される金属ナノ粒子の量は特に限定されないが、例えば、0.0001~0.01質量%、さらには0.001~0.01質量%になるように配合することが好ましい。金属ナノ粒子の割合が高すぎる場合にはコストが高くなりすぎて実用性を失い、金属ナノ粒子の割合が低すぎる場合には吸着性を向上させる効果が不充分になる傾向がある。
[0035]
 このようにして調製されたヘアカラー剤を用いて毛髪を染毛する方法について、以下に説明する。
[0036]
 本発明のヘアカラー剤は、はじめに毛髪の染毛しようとする部分に満遍なく塗布される。そして、ヘアカラー剤を塗布された毛髪は所定の時間放置される。放置する時間は、毛髪に付与される目的とする色により適宜調整されるが、作業工程の観点から、通常5~60分間、さらには、10~30分間放置することが好ましい。また、放置の際には、ヘアカラー剤を塗布された毛髪に遠赤外線を満遍なく照射することが好ましい。遠赤外線を毛髪に照射することにより、放置時間を短くすることができる。遠赤外線照射の際の毛髪表面の温度としては、20~40℃、さらには25~35℃程度の温度であることが毛髪を損傷したり、人体に過度な負担を与えたりしない点から好ましい。
[0037]
 そして、ヘアカラー剤を塗布された毛髪をリンスする。リンスは、毛髪に付着したヘアカラー剤を洗い流すことができれば、特に、その方法は限定されないが、好ましくはシャンプー剤を用いて、水または微温湯でヘアカラー剤を洗い流すことが好ましい。また、洗い流した後は、通常、タオルドライを行う。
[0038]
 本発明のヘアカラー剤は、過酸化水素により毛髪中のメラニン色素を適度に分解して髪の明度を上げながら暗い髪を明るく染める、所謂おしゃれ染めや、白髪を染める白髪染めに好ましく用いられる。とくには、おしゃれ染めに用いることが好ましい。本発明のヘアカラー剤を用いれば、酸化染料を用いずに長期間色落ちさせないおしゃれ染めであって、例えば、日本ヘアカラー協会(JHCA)が販売するへアカラーリング・レベルスケールで8~10レベルのような明度を低下させすぎないおしゃれ染めも実現することが出来る。
[0039]
 また、本発明のヘアカラー剤は白髪染めにも用いられる。なお、とくに白髪染めの場合には、色落ちをより抑制するために、染毛した後、以下に説明するようなトリートメントを施すことが好ましい。
[0040]
 トリートメントは、リンス後の毛髪に茶パウダーの水溶液(水溶き液)を塗布し、所定の時間放置する工程である。茶パウダーの水溶液は、例えば、主成分として茶パウダーを含有するペースト状の水溶液である。
[0041]
 茶パウダーは、茶葉を粉砕したパウダーであり、生茶パウダー、蒸し茶パウダー、抹茶パウダー等が挙げられる。なお、茶葉の多くは、発酵を抑制するために、蒸されたり、焙煎されたりする処理が行われことが多いが、本発明においては、そのような処理が行われていない、生茶に由来するエピガロカテキンガレート等の茶カテキンを高濃度で含む、パウダーであることが、より長期間色持ちを維持できる点から好ましい。
[0042]
 茶パウダーの水溶液は、例えば、茶パウダーを水に溶解又は分散させることによりペースト状に調製される。茶パウダーの水溶液中に溶解される茶パウダーの含有割合は特に限定されないが、具体的には、5質量%以上、さらには10質量%以上、特には15質量%以上、であることが好ましい。
[0043]
 茶パウダーの水溶液を塗布し、所定の時間放置することにより、毛髪に浸透または付着された染料が、さらに強く定着される。この作用のメカニズムは充分に突き止めていないが、多数の実験結果から、活性が高い茶カテキンが空気中の酸素により酸化重合して、例えば、ケラチンタンパク質のアニオン性基に固定された塩基性染料等を覆うような被膜を形成し、この被膜により、経時的な色落ちが抑制されると考えている。これは、特に、放置中に遠赤外線を照射することにより、効果が増加することからも、このようなメカニズムが推定される。すなわち、茶パウダーの水溶液を塗布した後、毛髪に遠赤外線を照射することにより、経時的な色落ちがさらに抑制される。
[0044]
 遠赤外線照射の条件としては、毛髪表面の温度として20~40℃、さらには25~35℃程度の温度であり、10~60分間、さらには、15~30分間であることが、作業効率に優れ、毛髪を損傷したり、人体に過度な負担を与えたりしない点からも好ましい。なお、遠赤外線照射後に、所定の時間放置することにより、色落ちはさらに抑制される。
[0045]
 そして、茶パウダーの水溶液を塗布されて、所定の時間放置、好ましくは遠赤外線を照射して放置された毛髪に、仕上げのシャンプーを施して茶パウダー水溶液を洗い流す。洗い流した後は、タオルドライ及び通風乾燥等を行う。このようなトリートメントを行うことにより、本発明のヘアカラー剤による染毛の色落ちをさらに抑制することができる。
実施例
[0046]
 以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。なお、本発明の範囲は、本実施例により何ら限定されるものではない。
[0047]
(実施例1)
 セタノールを主成分とするクリーム基材に、染料成分である塩基性染料とHC染料とを9:1で混合した染料混合物5質量%を混合したベースカラー染料50gに金ナノコロイド((株)Johzen製)を滴下し、さらにアンモニア水と炭酸水素アンモニウムとを含むアルカリ剤50gとを混合して第1剤を調製した。なお、金ナノコロイドは、第1剤中に0.0005質量%の金ナノ粒子が含有されるように調製した。
[0048]
 そして、第1剤30gに4.5%過酸化水素水30gを混合し、ヘアカラー剤を調製した。
[0049]
 次に、白髪がほとんどない黒髪のモニター女性の毛髪に、調製されたヘアカラー剤を塗布した。そして、ヘアカラー剤が塗布された毛髪を10分間放置した後、約15分間遠赤外線を照射した。このとき、毛髪の温度は30℃程度であった。
[0050]
 そして、毛髪を市販のシャンプー剤で洗毛した。そして、タオルで水分をよく拭き取った。このようにして毛髪をおしゃれ染めした。このとき、毛髪が8レベルの茶色に満遍なく染まっていることを確認した。
[0051]
 そして、染毛された毛髪に対して、一日1回シャンプーを施し、毛髪の色の変化を観察した。その結果、1ヶ月を経過しても、毛髪が8レベルの茶色に満遍なく染まっていた。
[0052]
(実施例2)
 実施例1において、金ナノコロイドの代わりに白金ナノコロイド((株)Johzen製)を用いた以外は実施例1と同様にして染毛し、評価した。その結果、1ヶ月を経過しても、毛髪が8レベルの茶色に満遍なく染まっていた。
[0053]
(実施例3)
 黒髪のモニター女性の代わりに、白髪が多いモニター女性の毛髪を染めた以外は実施例1と同様にして染毛し、評価した。その結果、1ヶ月を経過したときに、染毛された部分の茶色の染料は多く残っていたが、やや白髪に近づいていた。
[0054]
(実施例4)
 黒髪のモニター女性の代わりに、白髪が多いモニター女性の毛髪を染めた以外は実施例1と同様にして染毛した。
[0055]
 次に、茶パウダー((株)ITCBグローバル製のお茶カラートリートメントパウダー、宇治茶の生茶の粉末)25gを微温湯175gに溶解することにより、茶パウダー水溶液を調製した。そして、調製された茶パウダー水溶液を毛髪に塗布した。そして、茶パウダー水溶液が塗布された毛髪を10分間放置した後、約20分間遠赤外線を照射した。このとき、毛髪の温度は30℃程度であった。そして、さらに、約10分間自然放置した。
[0056]
 そして、毛髪を市販のシャンプー剤で洗毛した。そして、タオルで水分をよく拭き取った。その結果、1ヶ月を経過したときに、実施例3よりも明らかに多く染毛された部分の茶色の染料が残っており、白髪が目立たなかった。
[0057]
(比較例1)
 金ナノコロイドを滴下しなかった以外は実施例1と同様にして染毛し、評価した。その結果、1ヶ月を経過した時に、毛髪が実施例1及び実施例2よりも明らかに明るすぎる色になっていた。この結果から、実施例1または実施例2におけるような金属ナノコロイドを滴下しなかった場合には、塩基性染料の吸着性が低くなっていることが分かった。

産業上の利用可能性

[0058]
 本発明に係るヘアカラー剤を用いて染毛した場合には、塩基性染料をベースカラーとして用いても、長期間色持ちを維持させることができる。従って、塩基性染料をベースカラーとして用いて、短期的な色持ちを目的とするカラートリートメントのような染毛ではなく、長期的な色持ちを維持できる、所謂、永久染毛剤の代わりとして用いることができる。本発明に係るヘアカラー剤はとくにおしゃれ染めに好ましく用いられる。

請求の範囲

[請求項1]
 第一剤と第二剤とを混合して調製される2浴式のヘアカラー剤であって、
 第一剤は、塩基性染料を主成分として含む染料成分とアルカリ剤とを含み、
 第二剤は、主成分として過酸化水素水を含み、
 前記第一剤または前記第二剤の少なくとも一方に、金属ナノ粒子をさらに含むことを特徴とするヘアカラー剤。
[請求項2]
 酸化染料を含有しない請求項1に記載のヘアカラー剤。
[請求項3]
 4.5質量%過酸化水素水を30~70質量%配合した割合に相当する過酸化水素水を含有する請求項1または2に記載のヘアカラー剤。
[請求項4]
 前記染料成分はHC染料をさらに含む請求項1~3の何れか1項に記載のヘアカラー剤。
[請求項5]
 前記金属ナノ粒子が金ナノ粒子または白金ナノ粒子である請求項1~4の何れか1項に記載のヘアカラー剤。
[請求項6]
 請求項1~5の何れか1項に記載のヘアカラー剤を毛髪に塗布し、所定の時間放置する第一工程と、
 前記ヘアカラー剤を塗布された毛髪をリンスする第二工程と、
 前記第二工程の後に、毛髪に茶パウダーの水溶液を塗布し、所定の時間放置する第三工程と、を備えることを特徴とする染毛方法。