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1. (WO2002015783) PROCEDE ET DISPOSITIF POUR LA MESURE DE LA RESONANCE DU SPIN DE L'ELECTRON
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明 細 書

電子スピン共鳴の計測方法および計測装置 技術分野

本発明は、大型試料中のフリーラジカルを検出するための電子スピン共鳴(E S R) の計測方法および計測装置に関する。さらに詳しくいえば、共振器端から 外部に漏出した電磁波の磁界成分を用いて、該共振器の外部にある試料内の E S Rを計測する方法と、該方法を実施するために共振器と主電磁石と磁場変調コィ ルが一体化した E S R装置に関するものである。

背景技術

フリーラジカルは、癌、炎症性疾患、潰瘍、脳血管疾患、心筋梗塞などの各種 疾患を誘起もしくは増悪することが知られている。従って、生体中のフリーラジ カルを検出することは、フリ一ラジカルが関る疾患の診断、治療、予防法の確立 に応用し得るものとして期待されている。

従来から電子スピン共鳴(E S R) 法は、物質内のフリーラジカルの有する不 対電子を高感度かつ非破壊で検出する優れた方法として知られている。また、不 対電子の磁場中のラーモア才差運動周波数の変化や、変動幅から、物質の様々な 情報を読みとることができる。生体の E S R計測を行うためには、生体という、 大容積で高誘電損失の試料を常温で測定できなければならない。しかし、従来の E S Rは検出部である共振器の試料挿入空間が狭く、また共振周波数(約 9 . 5 GH z ) も水の誘電損失の大きい帯域であり、生体計測は不可能だった。

そこで、これまでは誘電損失を軽減させるために周波数を下げ、試料挿入空間 を広げるために共振器を大型化するという方法がとられてきた。しかし、これま で作成されてきた共振器は実験用小動物が挿入可能な大きさに留まつており、実 用に耐えうる装置には達していない。

一方、共振器をプローブヘッドとして、生体などの大型試料の表面にあてフリ —ラジカルを観測する方法も検討されている。共振器ループ部分の構成する平面 に平行なマイクロ波磁界成分を用いることにより、ループ平面と平行な平面上に 主磁石および磁場変調コイルを配置することが可能となり、これらの装置全体を プローブヘッドとして小型一体化できることが考案されている(特願平 1 1—0 4 6 0 7 6号明細書)。この方法では大型試料の表面の E S R計測は可能だが、試 料の深部、すなわち試料内の E S R計測を行うことはできない。

このよう ¾従来技術の問題点を考慮して、本発明は、大型試料の内部の E S R 計測を行うことができる E S R計測法および装置を提供することを目的とした。

発明の開示

本発明者らは上記の目的を達成すベく鋭意研究を重ねた結果、共振器端から外 部に漏出した電磁波の磁界成分を用いて該共振器の外部にある試料内の E S Rを 計測することが可能であることと、電磁波の磁界を該共振器の外部にある試料に 与えることのできる共振器と、前記共振器端を含む平面よりも共振器側から静磁 場および変調磁界を与えることのできる電磁石とを一体化した装置を用いれば、 大型試料内部の E S R計測が可能であることを見いだした。本発明はこれらの知 見をもとに完成されたものである。

すなわち本発明は、共振器端から外部に漏出した電磁波の磁界成分を用いて、 該共振器の外部にある試料内の E S Rを計測する方法を提供するものである。本 発明の好ましい態様によれば、共振器の外部にある試料に共振器端から電磁波を 印加し、該共振器端を含む平面よりも共振器側から電磁石を用いて静磁場および 変調磁界を試料に与えたうえで、該試料の E S Rを計測する。本発明の方法で使 用する電磁波としては、低周波マイクロ波〜ラジオ波を用いるのが好ましい。 また本発明は、共振器端から漏出した電磁波の磁界を該共振器の外部にある試 料に与えることのできる共振器、前記共振器端を含む平面よりも共振器側から静 磁場および変調磁界を与えることのできる電磁石から少なくとも構成される E S R装置も提供する。本発明の E S R装置では、共振器と主電磁石と磁場変調コィ ルが、共振器端を含む平面よりも共振器側に設置されている。

図面の簡単な説明

第 1図は、本発明の E S R装置構成を示した図である。

第 2図は、本発明の実施例で作成した E R S装置の概観を示した図である。 第 3図は、本発明の実施例で行った E S R計測における共振器と試料の位置関 係を示した図である。

第 4図は、本発明の実施例における測定結果を示し、共振器の下端から 1 0 m mの位置に存在するフリーラジカル試料を計測したときに得られた信号を示す図 である。

発明の詳細な説明

以下において、本発明の方法および装置について第 1図を参照しながら具体的 に説明するが、本発明の範囲は以下に記載する例に限定されることはない。 本発明は、共振器端から外部に漏出した電磁波の磁界成分を用いて、該共振器 の外部にある試料内の E S Rを計測することを特徴とする。添付の第 1図は、本 発明を実施するのに適した装置の一例を示したものである。この装置では、共振 器 1、主磁石 2、磁場変調コイル 3が一体化して、これらすべてが共振器端を含 む平面上 4に配置されており、この平面下に試料 5をおくことにより、共振器 1 から外部に漏出した電磁波の磁界成分 6とこれと直交するように電磁石から発生 させた直流磁界すなわち静磁場 7を用いて、共振器 1外部における E S Rを計測 することができる。

本発明で用いられる共振器 1の部材および形状については、いずれも当業者に 公知であり適宜選択可能である。部材には銀、銅、アルミなどの磁性を有しない 導体もしくは、セラミック、テフロンなどの磁性を有しない誘電体などが用いる ことができる。形状については表面コィル型ゃループギヤヅプ型などがあげられ るが、単純な L C共振回路構成の共振器でもよい。ただし、共振器のインダク夕 部分の形状は、十分に強力かつ均一性のよい漏れ磁界を得るためには、内部磁界 が比較的均一な円筒型が望ましい。共振器のィンダク夕部分のループ径は使用す る波長より充分に小さい径を使うことが望ましい。照射電磁波の周波数、すなわ ち共振器の共振周波数に特に制約は設けないが、 1 G H z以下の低周波マイク口 波〜ラジオ波が望ましい。

主磁石 2は、共振器 1の外部に置かれる試料 5の妨げにならないように設置す ることが好ましい。具体的には、共振器端を含む平面よりも共振器側に設置する ことが必要である。主磁石 2の形状については、いずれも当業者に公知であり適 宜選択可能である。例えば、永久磁石、鉄心コイル電磁石、空心コイル電磁石な どがあげられる。ただし、十分に強力かつ均一性のよい静磁界を得るためには、 鉄心を用いたうえで、磁気回路を組み込むのが望ましい。磁界強度は、使用する 共振周波数によって適宜選択可能であるが、共振周波数が 1 GH z以下の場合は 4 0 mT以下が望ましい。

変調磁界コィル 3も共振器 1の外部に置かれる試料 5の妨げにならないように 設置することが好ましい。具体的には、共振器端を含む平面よりも共振器側に設 置することが必要である。変調磁界コイル 3の形状については、いずれも当業者 に公知であり適宜選択可能である。例えば、ソレノィド型、スパイラル型などが あげられる。変調磁界強度は、対象とするフリーラジカル信号の線幅により適宜 選択可能である。変調周波数も適宜選択可能であるが、 l /f雑音除去のため 1 0 0 k H z近辺が望ましい。

このような E S R計測装置を用いて試料の E S R計測を行うときには、共振器 3に対して、共振器端を含む平面 4の反対側に、試料 5を接触するか、共振器 3 に対して、共振器端を含む平面 4の反対側の近傍空間に試料 5を配置するだけで よい。このように、試料を共振器 3の外部に置くため、試料の大きさに関係なく 計測が可能になるため、本発明は生体などの大型試料の計測に極めて有用である。 試料の位置決めを行った後は、共振器 3から外部に漏出した電磁波の磁界 6を試 料 5に印加し、この磁界に直行する静磁場 7および変調磁界を与えて E S R計測 を行う。

本発明では計測の対象となる試料は特に限定されない。たとえば、固体試料、 水溶液もしくは非水溶液、生体から分離採取された臓器組織体液、または生体そ のもののいずれも用いることも可能である。特に本発明によれば、生体を破壊す ることなくそのまま計測することができる。生体としては、マウス、ラット、モ ルモット、ゥサギ、ネコ、ィヌ、サル、チンパンジー、ゴリラなどの実験用動物 の他、ヒトを対象とすることも可能である。

本発明による計測を行うにあたっては、スピンラペル剤やスピントラヅプ剤な どのラジカル試薬を併用しても良い。ラジカル試薬については E S R計測可能な ものであればいかなるものを用いてもよい。例えば、 4—ヒドロキシー 2 , 2 , 6, 6—テトラメチルピペリジン一 1一ォキシ(T E MP O L)等のスピンラベ ル剤を好ましく使用することができる。またこれらのラジカル試薬を被計測部位 に送り込むことのできるラジカル試薬供給子を使用して、生体の特定部位の計測 を行うこともできる。

実施例

以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す 装置構成、材料、使用量、割合、操作内容、操作手順等は、本発明の趣旨を逸脱 しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す 具体例に限定されるものではない。

第 2図に実施例で作成した E S R装置の概観を示す。共振器 1は円筒型ィンダ クタとセラミックコンデンサから構成される L C回路である。円筒型インダク夕 の円筒径は 4 0 mm、軸長は 1 0 mm、厚さは 0 . 3 mmであり、部材は銅であ る。これに 5 p Fのセラミヅクコンデンサを半田付けして共振器 1を作成した。 マイクロ波は、ループ径 4 0 mm、線径 l mmの銅線からなる結合コイル 9を用 いて、共振器 1に給電される。共振周波数は約 2 8 0 MH zであり、無負荷 Q値 は 5 5 0である。

磁場変調コイル 3は内径 4 5 mm、軸長 2 mm半円形のボビンに線径 0 . 5 m mの銅線を 2 0回巻きして作成したソレノィド型である。この磁場変調コイル 3 を 2個、 4 5度内側に傾斜させて共振器 1の両側に配置した。このコイルは、共 振器 1の下端から 1 0 mmの場所で、変調周波数 1 0 0 k H zで、最大 0 . 2 m Tの変調磁界を発生することができる。共振器 1と磁場変調コイル 3は、内径 1 0 0 mm、軸長 1 0 0 mmの円筒状シールドケース 1 0内に配置した。共振器 1 の下端と磁場変調コイル 3の下端とシールドケース 1 0の底面は同一平面上にあ る o

主磁石 2には鉄心電磁石を用いた。内径 5 5 mm、軸長 6 0 mm円筒ボビンに 線径 l mmの銅線を 7 5 6回巻きして作成したソレノィド型電磁石を 2個、型 の磁気回路に接続して主磁石を作成した。磁気回路 8は、高さ 1 3 5 mm、幅 2 50mmの大きさで、材質は一般構造用圧延鋼材である。主磁石の電磁石は静磁 場の発生と磁場掃引を兼用する。静磁場の強度は、共振器 1の下端より 10mm の場所で最大 10mT、磁場掃引幅は 6. 5mTである。磁気回路 8の下端は共 振器 1の下端と同一平面上にある。

この計測装置は共振器 1、主磁石 2、磁場変調コイル 3の下端がすべて同一平 面上に配置されかつ一体化しているため、この平面下に大型試料をおいて計測す ることが可能である。これにマイクロ波給電兼検波回路、主磁石、磁場変調コィ ルへの給電ラインを接続して E SR計測を行った。

フリーラジカル試料として TEMPO Lを用いて、径 30mm、軸長 10 mm の円筒形の寒天試料を作成した。 TEMP0Lの濃度は 1 OmMである。厚さ 2 0mm、 幅 140mm、奥行き 140 mmのテフロン板 11を用意し、その下面 中央に径 30mm、深さ 10 mmの円筒形の孔をあけ、この中に円筒形フリーラ ジカル試料 5を挿入した。テフロン板 11の上面に ESR装置を乗せ、試料 5の 上に共振器 1がくるように配置して E S R計測を行なつた(第 3図)。フリーラジ カル試料 5の上端は共振器 1の下端から 10 mmの位置に存在する。計測の結果、 第 4図に示すような E S R信号を得ることができた。計測条件は以下のとおり。 マイクロ波周波数、 282MHz ;マイク口波電力、 0mW;磁場変調幅、 0. 2 mT ;磁場変調周波数、 100kHz;磁場掃引速度、 6. 25mTZ秒;時 定数、 0. 001秒;積算回数、 32回。

実施例で作成した本発明の装置を用いて、装置の外部においたフリ一ラジカル 試料の ESR信号を観測することができた。このことから、本発明の装置によつ て、大型試料の外部から試料内部に存在するフリーラジカルの E SR計測をする ことが可能であることは、明らかである。

産業上の利用の可能性

本発明の方法および装置を用いることにより、今まで測定が困難であつた大型 の試料の内部に存在するフリーラジカルの検出が可能となる。したがって、様々 な大型試料中のフリ一ラジカルに関する検査や、フリーラジカルが関る疾患の診 断、治療、予防法などの確立のために極めて有用である。