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1. WO2004060899 - DERIVES DE PHOSPHOLIPIDES ET PROCEDES DE LEUR PRODUCTION

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[ JA ]
明細書

リン脂質誘導体及びその製造方法

技術分野

本発明は、ポリグリセリンを食むリン脂質誘導体及びその製造方法に関する。 また、本発明は、該リン脂質誘導体を含む界面活性剤、可溶化剤、化粧料用分散 剤、及び脂質膜構造体に関する。

背景技術 _

リポソーム製剤に代表される微粒子性薬剤キヤリァー及び蛋白製剤等のポリぺ プチドは静脈内に投与した場合に血液中での滞留性が悪く、肝臓、脾臓などの細 網内皮系組織(reticuloendothelial system:以下「RE S」と略する。)に捕 捉され易いことが知られている。 RE Sの存在は、 RE S以外の臓器へ医薬を送 達させるターゲッティング型製剤や、長時間にわたって血液中に製剤を滞留させ、 医薬の放出をコントロールする徐放型製剤としての微粒子性医薬キヤリヤーを利 用するに際して大きな障害となる。

従来から、上記製剤に微小循環性を付与するための研究がなされてきた。例え ば、リポソームの脂質二分子膜の物理化学的性質は比較的容易に調節可能である ことから、リボソームのサイズを小さくすることで血中濃度を高く維持させる方 法 (バイオキミ力 ·エト 'バイオフイジ力 'ァクタ、 76 1卷、 142頁、 1 9 8 3年)、相転移温度の高いレシチンを利用する方法(バイオケミカル 'ファー マコロジ一、 3 2卷、 3 3 8 1頁、 1 9 8 3年)、レシチンの代わりにスフイン ゴミエリンを用いる方法(バイオケミカル 'ファーマコロジ一、 32卷、 3 3 8 1頁、 1 9 8 3年)、リボソームの膜成分としてコレステロールを添加する方法

(バイオキミ力 .エト 'バイオフイジ力 'ァクタ、 7 6 1卷、 1 42頁、 1 98 3年)などが提案されている。しかしながら、これらの方法を適用して、血中滞 留性がよく、かつ RE Sに取り込まれにくい微粒子性医薬キヤリヤーを提供した 例は知られていない。

また、その他の解決方法として、リポソ一ムの膜表面を糖脂質、糖タンパク質、 アミノ酸脂質、又はポリエチレングリコール脂質などで修飾し、微小循環性を付 与するとともに RE Sを回避する研究が行われている。例えば、グリコフォン(日 本薬学会第 106年会講演要旨集、 336頁、 1 986年)、ガングリオシド G Ml (FEB Sレター、 223卷、 42頁、 1 987年)、ホスファチジルイノ シトール(FEBSレター、 223卷、 42頁、 1987年)、グリコフォンと ガンダリオシド GM 3 (特開 B召 63— 221837号公報)、ポリエチレンダリ コール誘導体(F E B Sレター、 268卷、 235頁、 1 990年)、グルクロ ン酸誘導体(ケミカル 'アンド 'ファーマシューティカル ·ブレタン、 38巻、 1663頁、 1 990年)、グルタミン酸誘導体(バイォキミカ 'エト 'バイオ フイジ力 'ァクタ、 1 108卷'、 257頁、 1 992年)、ポリグリセリンリン 脂質誘導体(特開平 6— 22801 2号公報)などがその修飾物質として報告さ れている。

ポリぺプチドを修飾する場合には、その結合点を減らしてポリペプチド中のリ ジン残基等の活性基の残存量を上げる目的で、トリアジンを用いて 2本の水溶性 高分子を導入した報告等がある。リボソーム製剤においても、水溶性高分子の分 子量を上げる目的でトリァジンに 2本の溶性高分子を導入し、それを用いてリ ポソーム表面を修飾した報告がある。し力しな力 Sら、リボソーム表面の水溶性高 分子の鎖の数を增やすためには、トリアジンを用いて水溶性高分子を導入する場 合、トリアジン環には 2本しか水溶性高分子を導入できないため、トリアジンに 2本の水溶性高分子を含む化合物を多く配合する必要がある。さらに、高分子修 飾剤として、 2又は 3本のポリアルキレングリコール鎖に 1官能基を結合してな る化合物の報告があるが、この修飾は 2又は 3本までに限られており、またこの 化合物ではポリアルキレングリコール鎖の 1末端以外がメチル基又はェチル基で 封鎖されているため 1官能基以上を有しないものである。この場合、リボソーム 表面に微小循環性を付与する効果が翁水性基を有する場合より小さいことが考え られる。さらに、ポリアルキレンォキシド基を含むリン脂質誘導体は界面活性剤 としても用いられているが、生体に対して安全性が高く、高塩濃度条件で安定に 使用できるものは知られていなかった。

発明の開示

本宪明の課題は、生体に対して安全性が高く、生理活性物質等の可溶化及び分 散、あるいはリボソームなどドラッグデリバリーシステム又は化粧料の分野にお いて好適に利用することができるリン脂質誘導体を提供することにある。本発明 者らは上記の課題を解決すベく鋭意研究を行った結果、下記の一般式で表される ポリグリセリンを含む新規なリン脂質誘導体が所望の性質を有することを見出し、 本発明を完成するに至った。

, すなわち、本発明は、下記の一般式(1) :


(式中、 [PG] kは重合度 kのポリグリセリンの残基を示し、 kは 2〜50を示 し、 I^CQ及び R2COはそれぞれ独立に炭素数 8〜22のァシル基を示し、 a はそれぞれ独立に 0〜 5の整数を示し、 bはそれぞれ独立に 0又は 1を示し、 M は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニゥム、又は有機アンモニゥムを示し、 k 1、 k2、及び k 3は下記の条件: l ^k l≤ (k + 2) /2, 0≤k 2 k l + k 2 + k 3 = k + 2を満足する数を示す)で表されるリン脂質誘導体を提供す るものである。

この発明の好ましい態様によれば、 1≤k 1 2である上記一般式(1) で表 されるリン脂質誘導体; 0≤ k 2≤ 1である上記一般式( 1 ) で表されるリン脂 質誘導体; 8≤k l + k 2 + k 3≤ 52である上記一般式(1) で表されるリン 脂質誘導体; R 1 C O及ぴ R 2 C◦がそれぞれ独立に炭素数 12 ~ 20のァシル基 である上記一般式(1) で表されるリン脂質誘導体; k 2が 0である上記一般式

( 1 ) で表されるリン脂質誘導体; a及び bが 0である上記一般式( 1 ) で表さ れるリン脂質誘導体;及ぴ 0<k 2である上記一般式(1) で表されるリン脂質 誘導体が提供される。

別の観点からは、本発明により、上記一般式(1) で表されるリン脂質誘導体 を含む界面活性剤;上記一般式( 1 )で表されるリン脂質誘導体を含む可溶化剤; 上記一般式(1) で表されるリン脂質誘導体を含む分散剤、好ましくは化粧料用 の分散剤;上記一般式( 1 )で表されるリン脂質誘導体を含有する脂質膜構造体、 好ましくはリボソームが提供される。

さらに別の観点からは、本発明により、上記一般式(1) で表されるリン脂質 誘導体の製造方法であって、下記の一般式(2) :

R1-COCH

0 II I I

R2 - Cひ CH

| . 0 0 0

CH2OPOCH2CH2NHC(CH2)aCOX

0M

(式中、 RA R2、 a、及び Mは前記と同義であり、 Xは水素原子又は N—ヒド 口キシコハク酸イミドを示す)で表される化合物と下記の一般式(3) :


(式中、 [ P G] kは重合度 kのポリグリセリンの残基であり、 kは前記と同義で あり、 k 4は下記の条件: k 4 = k + 2を満足する数である)で表されるポリグ リセリンを反応させる工程を含む方法が提供される。この方法は好ましくは有機 溶媒中 塩基性触媒の存在下に行うことができ、より好ましくは 2 0〜9 0 °Cの 範囲で、脱水縮合剤の存在下で行うことができる。

また、本発明により、一般式(1 ) で表されるリン脂質誘導体の製造方法であ つて、下記工程:

(A) ポリグリセリンと 2塩基酸又はハロゲン化カルボン酸とを反応させてカル ポキシル化ポリグリセリンを得る工程;及び

(B ) 上記工程(A) で得られた力ルポキシル化ポリグリセリンとリン脂質とを 反応させる工程

を含む方法、及び一般式(1 ) で表されるリン脂質誘導体の製造方法であって、 下記の工程:

(Α ' )ポリグリセリンとハロゲン化カルボン酸エステルとを反応させ、得られ たエステル化合物を加水分解してカルポキシル化ポリグリセリンを得る工程;及 ぴ

(Β ) 上記工程(Α) で得られたカルボキシルイ匕ポリグリセリンとリン脂質とを 反応させる工程を含む方法が提供される。

さらに、本発明により、上記一般式(1 ) で表されるリン脂質誘導体(ただし k 2が 0である場合を除く)の製造方法であって、下記の一般式(4 ) :


(式中、 [ P G] kは重合度 kのポリグリセリンの残基を示し、 kは 2〜5 0を示 し、 Yは水酸基又は脱離基を示し、 k 5及び k 6は下記の条件: l≤k 5≤ ( k + 2 ) 2、 k 5 + k 6 = k + 2を満足する数である)で表されるポリグリセリ ン誘導体と、下記の一般式(5 ) :


(式中、 R1及び R2は上記と同義である)で表されるリン脂質とを反応させるェ 程を含む方法も提供される。この方法は好ましくは有機溶媒中で塩基性触媒の存 在下に行うことができ、より好ましくは 2 0〜 9 0 °Cの範囲で行うことができる。 さらに別の観点からは、上記一般式(1 ) で表されるリン脂質誘導体を含み、 医薬を保持した脂質膜構造体(好ましくはリボソーム)を含む医薬組成物が本発 明により提供される。該医薬が抗腫瘍剤である上記医薬組成物が好ましい態様と して提供される。

発明を実施するための最良の形態

一般式(1 ) で示される本発明のリン脂質誘導体において、 [ P G].kは、重合 度 kのポリグリセリンの残基を示し、 k 1 + k 2 + k 3は k + 2である。 kは重 合度を示すが、一般的には平均重合度を意味する。ポリグリセリンの残基とは、 ポリグリセリンから全ての水酸基を除いた残りの部分を意味している。式(1 ) で示されるリン脂質誘導体を構成するポリグリセリンは、 2個以上のグリセリン がエーテル結合して連結した化合物であり、例えば、直鎖状の化合物として存在 する場合には式: HO- CH2-CH (OH) -CH2- [0- CH2- CH (OH) - CH2] k2- 0- CH2- CH (OH) - CH2- OH で表される(kは 2以上の整数を示し、重合に関与したグリセリンの個数(重合 度と呼ぶ場合もある)を意味する)。ポリグリセリンが分枝鎖状の化合物として存 在可能なことも当業者は容易に理解可能である。従って、本明細書で用いられる ポリグリセリンの用語を直鎖状の化合物に限定して解釈してはならない。ポリグ

リセリンとしては、具体的には、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセ リン、ペンタグリセリン、へキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オタタグリセ リン、ノナグリセリン、デカグリセリン、ジデカグリセリン、トリデカグリセリ ン、テトラデカグリセリンなどを挙げることができる。また、ポリグリセリンと しては単一物質を用いてもよいが、同一又は類似の重合度を有する直鎖状及び/ 又は分枝鎖状の 2種以上のポリグリセリン残基の混合物を用いることもでき、こ のようなポリグリセリンの残基を有する化合物も本発明の範囲に包含される。 . k 1はポリグリセリンの残基に結合するリン脂質化合物の残基の数を意味して おり、 1〜(k + 2 ) Z 2である。リン脂質化合物の残基の結合数が k 1 < 1の 場合、分子中に疎水結合部分が少ないため本発明の効果が得られない。また本発 明の化合物を膜脂質構造体に用いる場合、 l≤k l≤ 2が好ましい。リン脂質化 合物の残基の結合数が 2 < k 1≤ ( k + 2 ) 2の場合、すなわち、 k lが 2個 より多く存在する場合、本発明の化合物に含まれるリン脂質化合物の残基が多く なる、すなわち分子中に疎水部分が多く存在するため、ミセルを形成しやすくな り、可溶化や分散剤用途として好適に使用することができる。

k 2はポリグリセリンの残基に結合する末端が一 C O OMで表される基の個数 を示しており、 0≤k 2である。 k 2が 0である場合には、本発明の化合物には 末端が一 C O OMで表される部分構造が実質的に存在しないことを意味する。ま た、 0 < k 2以上の場合、カルボキシル基が存在し、極性を有するため、イオン 性界面活性剤として分散剤等に使用することができる。 0 k 2≤ 1の場合には、 カルボキシル基の数が少ないため、リボソーム等の膜脂質構造体を不安定化せず、 リボソームを安定化することができ、好適に使用することができる。 Mは水素原 子、アルカリ金属原子、アンモニゥム、又は有機アンモニゥムを示し、好ましく は水素原子又はアルカリ金属原子である。具体的には、例えば、アルカリ金属原 子としてナトリゥム及ぴ力リゥム、有機アンモニゥムとしてトリエチルアンモニ ゥム、ジィソプロピノアンモニゥムなどを挙げることができる。

k 3はポリグリセリン残基に結合する水酸基の個数であり、 k l.+ k 2 + k 3 =k+ 2を満たす整数である。 k l +k 2 + k 3の値は、 4〜 52、好ましくは 8〜 52の整数であり、より好ましくは 8〜12の整数である。 k l + k 2 + k 3の値が 4より小さい場合には、本発明の効果が充分に得られない場合がある。 また、 k 1+ k 2 + k 3の値が 52より大きいと、ポリグリセリンの粘性が大き くなり入手が困難になる場合がある。

WCO及ぴ R2COはそれぞれ独立に炭素数 8〜24、好ましくは 1 2〜20 のァシル基を示す。ァシル基の種類は特に限定されず、脂肪族ァシル基又は芳香 族ァシル基のいずれを用いてもよいが、通常は脂肪酸に由来するァシル基を好適 に用いることができる。 I^CO及び R2COの具体的なものとしては、例えば力 プリル酸、力プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレ イン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ォレイン酸、リノール酸、ァラキン 酸、ベヘン酸、エル力酸、リグノセリン酸などの飽和又は不飽和の直鎖状又は分 枝鎖状の脂肪酸由来のァシル基を挙げることができる。 I^CO及び R2COは同 じであっても異なっていてもよい。炭素数が 24を越える場合には、水相への分 散が悪く反応性が低下する場合がある。また炭素数が 8より少ない場合には、精 製工程での結晶性が悪く、目的物の最終純度が低くなる場合がある。

一般式(1) において、 bはそれぞれ独立に 0又は 1の整数であり、 bが 1で ある場合には aが 1〜 4の整数であることが好ましく、 aが 2又は 3であること がさらに好ましい。 bが 0である場合には aが 0であることが好ましい。

一般式(1) で表される本発明の化合物の製造方法は特に限定されないが、目 的とする化合物の構造に応じて以下の方法により適宜製造することができる。 <製造方法 A〉

k 2が 0であるリン脂質誘導体は、例えば、一般式(2) と一般式(3) で表さ れる化合物とを反応させるこ.とにより高純度に製造することができる。一般式 (2) で表されるリン脂質化合物において、 R R2、 M、及ぴ aは一般式(1) で説明したものと同じであり、 Xは水素原子又は N—ヒドロキシコハク酸イミド である。

原料となる一般式(2 ) で表されるリン脂質化合物は公知の方法により製造す ることができる。例えば、リン脂質化合物とジカルボン酸無水物とを反応させる ことにより容易に製造することができる。用いるリン脂質は R1及び R2の定義を 満たすものであれば、天然リン脂質でも合成リン脂質でもよい。例えば、大豆及 ぴ大豆水添ホスファチジルジエタノールアミン、卵黄及び卵黄水添ホスファチジ ルジェタノールァミン等の天然及び合成ホスファチジルエタ/一ルァミンなどが 挙げられる。

本発明の一般式(1 ) で表される化合物は、一般式(2 ) で表されるリン脂質 化合物の活性化エステル誘導体と、一般式(3 ) で表されるポリグリセリン化合 物とを反応させることによつても製造できる。上記活性化エステル誘導体は、例 えば一般式(2 ) で表されるリン脂質化合物の Xが水素原子である化合物と活性 化剤とを脱水縮合剤の存在下で反応させることにより得ることができる。上記活 性化剤の種類は特に限定されないが、例えば、 N—ヒドロキシコハク酸イミド、 Ν, Ν' —ジコハク酸イミドカーボネート、 1ーヒドロキシベンゾトリァゾール、 4一-トロフエノーノレ、 Ν—ヒドロキシ一 5—ノノレポノレネン _ 2, 3—ジカノレポ キシイミド、 Ν—ヒドロキシフタルイミド、 4—ヒドロキシフエニルジメチルス ルホニゥム .メチルサルフエ一トなどが挙げられる。これらのうち Ν—ヒドロキ シコハク酸ィミドが好ましレ、。

一般式(2 ) で表されるリン脂質化合物と活性化剤との反応は、脱水縮合剤の 存在下でカルボン酸と反応しない溶媒、例えばクロ口ホルム、トルエン等の反応 溶媒中で反応温度 1 5〜 8 0 °C、好ましくは 2 5〜 5 5 °Cで行うことができ、例 えば、活性化剤をリン脂質化合物の溶液に分散撹拌することにより行うことがで きる。例えば、活性化剤として N—ヒドロキシコハク酸イミドを使用する場合に は、一般式(2 ) で表されるリン脂質化合物のカルボキシル基と N—ヒドロキシ コハク酸イミドのイミド基とが反応し、一般式(2 ) で表されるリン脂質化合物 のカルボキシル基側末端に N—ヒドロキシコハク酸イミドが結合した活性化エス テル誘導体が得られる。

反応に使用する有機溶媒は、水酸基等の反応性官能基を有しないものであれば 特に制限なく使用することができる。例えば酢酸ェチル、ジクロロメタン、クロ 口ホルム、ベンゼン及ぴトルエンなどが挙げられる。これらの中ではクロ口ホル ム及びトルエンが好ましい。エタノールなどの水酸基を有する有機溶媒は、一般 式 (4 ) で示されるポリグリセリン化合物の末端のカルボキシル基と反応する場 合がある。

一般式(2 ) で示されるリン脂質化合物と一般式(3 ) で示されるポリグリセ リン化合物との反応は、通常は有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に行うことがで き、好ましくは脱水縮合剤を用いて行うことができる。塩基性触媒の種類は特に 限定されないが、例えば、窒素含有物質としてはトリエチルァミン、ピリジン、 ジメチルァミノピリジン、酢酸アンモニゥム等が挙げられ、有機塩としてはリン 酸ナトリウム、炭酸ナトリゥム、炭酸水素ナトリゥム、ホウ酸ナトリゥム及び酢 酸ナトリゥム等が挙げられる。塩基性触媒の量は、精製などの工程を考慮すると、 反応が完結するための最小量あればよい。塩基性触媒は、一般式(2 ) で示され るリン脂質化合物との反応率を考慮すると、通常、一般式(2 ) で示されるリン 脂質化合物の 1〜 2倍モル、好ましくは 1〜1 . 5倍モルが望ましい。有機溶媒 としては水酸基等の反応性官能基を有しないものであれば特に制限なく使用する ことができる。例えば、酢酸ェチル、ジクロロメタン、クロ口ホルム、ジメチル スルホキシド、ベンゼン、及びトルエンなどが挙げられる。これらの中ではシメ チルスルホキシド、クロ口ホルム及びトルエンが好ましい。エタノールなどの水 酸基を有する有機溶媒は、一般式(2 ) で示されるリン脂質化合物の末端のカル ポキシル基と反応する場合がある。

脱水縮合剤を用いる場合、一般式(3 ) で表されるポリグリセリン化合物と一 般式 (2 ) で表されるリン脂質化合物の官能基とを脱水縮合できるものであれば その種類は特に制限されない。脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロへキシル カルポジィミド、ジイソプロピルカルポジィミド等のカルポジィミド誘導体が挙 げられ、特にジシクロへキシルカルポジイミドが好ましい。脱水縮合剤の使用量 は特に限定されない。但し、一般式(3 ) で表されるポリグリセリン化合物は水 酸基を数多く有するため、吸湿性があり、水分を多く含んでいることから、ジシ クロへキシルカルポジィミド、ジイソプロピルカルポジィミド等のカルポジィミ ド誘導体は、ポリグリセリンの水分と反応する可能性があり、目的となる一般式 ( 3 ) で表されるポリグリセリン化合物と一般式(2 ) で表されるリン脂質化合 物の官能基との脱水縮合反応が完結しない可能性がある。そのため、脱水縮合剤 の量は、例えば一般式(2 ) で示されるリン脂質化合物の 1〜1 0倍モル程度が 好ましく、好ましくは 1〜5倍モル程度である。

N—ヒドロキシコハク酸イミドを反応系中に一般式(2 ) で示されるリン脂質 化合物に対して 0 . 1〜 2倍モルを加えることにより反応率を高めることができ る。

一般式(2 ) で示されるリン脂質化合物の量は特に限定されないが、 1分子あ たりの k 1の数に対して 1〜 3倍モルが良く、好ましくは 1〜 1 . 3倍モルであ る。

反応温度は通常 2 0〜 9 0 °C、好ましくは 4 0〜 8 0 °Cである。反応時間は 1 時間以上、好ましくは 2〜 8時間である。 2 0 °Cより低温では反応率が低い場合 があり、 9 0 °Cより高温では反応に用いる一般式(2·) で表されるリン脂質化合 物のァシル基が加水分解する'場合がある。なお、本発明の化合物は合成により単 一化合物として得られる場合もあるが、 k l、 k 2、及び k 3がそれぞれ異なる 混合物として得られる場合もある。このような混合物も本発明の範囲に包含され る。また、原料として用いるポリグリセリンが単一物質ではなく、同一又は類似 の重合度を有する直鎖状及ぴ又は分枝鎖状の 2種以上のポリグリセリン残基の 混合物である場合もある。このような場合にはポリグリセリン残基について複数 の構造の混合物として目的物が得られる場合もあるが、このような混合物も本発 明の範囲に包含される。以下に説明する反応工程においても同様である。

く製造方法 B〉 .

一般式(1 ) において k 2が 0であるリン脂質誘導体、及ぴ k 2が 0ではない リン脂質誘導体、すなわちポリグリセリン残基に末端が力ルポキシル基である部 分構造が結合した化合物は、上記工程(A) 及び(B ) を含む方法に従って、力 ルポキシル化ポリグリセリンとリン脂質化合物とを反応させることにより製造す ることができる。すなわち、工程(A) において、ポリグリセリン化合物と 2塩 基酸又はハロゲン化カルボン酸とを反応させることにより、力ルポキシル化ポリ グリセリンを得た後、工程(B ) において得られた力ルポキシル化ポリ.グリセリ ンとリン脂質とを反応させることにより容易に本発明の化合物を得ることができ る。工程(A, ) においては、 2塩基酸又はハロゲン化カルボン酸の代わりにハ ロゲン化カルボン酸エステルを反応させた後、加水分解することにより、カルボ キシル化ポリグリセリンを得ることもできる。

2塩基酸、ハロゲン化カルボン酸、又はハロゲン化カルボン酸エステルとして は、具体的には、無水コハク酸、無水ダルタル酸、クロ口プロピオン酸、クロ口 プロピオン酸メチノレ、クロ口プロピオン酸ェチノレ、プロモプロピオン酸、ブロモ プロピオン酸メチル、ブロモプロピオン酸ェチル、ブロモへキサン酸、ブロモへ キサン酸メチル、プロモへキサン酸ェチルなどが挙げられる。もっとも、ポリグ リセリン化合物と反応させる 2塩基酸、ハロゲン化カルポン酸、又はハロゲン化 カルボン酸エステルは上記の化合物に限定されず、カルポキシル化ポリグリセリ ンを得るものであればいかなる化合物を用いてもよい。工程(A) 又は(Α ' ) で使用する 2塩基酸、ハロゲン化カルボン酸、又ハロゲン化カルボン酸エステ ルの量は特に限定されないが、反応率を考慮して、少し過剰に入れると良い。す なわち、目的とする k 2のカルボキシル基の数に対して、ポリグリセリン化合物 の 1 〜 2倍モル、好ましくは 1 〜 1 . 5倍モルである。

工程(A) 又は(A, ) に使用する有機溶媒は、水酸基等の官能基を有しない ものであれば特に制限なく使用することができる。例えば酢酸ェチル、ジクロロ メタン、クロ口ホルム、ジメチルスルホキシド、ベンゼン及びトルエンなどが挙 げられる。これらの中ではジメチルスルホキシド、クロ口ホルム及びトルエンが 好ましい。エタノールなどの水酸基を有する有機溶媒は、ポリグリセリンと反応 させる 2塩基酸、ハロゲン化カルボン酸、ハロゲン化カルボン酸エステル化合物 と反応するので好ましくない。ジクロロメタン等でも反応性には問題はないが、 低沸点であるため作業上好ましくない場合がある。工程(A) 又は(Α ' ) の反 応温度は特に限定されないが、例えば 2 0 ~ 1 1 0 °C、好ましくは 3 0〜9 0 °C である。反応時間は特に限定されないが、例えば 1時間以上、好ましくは 2〜4 8時間とするのが望ましい。 2 0 °Cを下回る反応温度は'反応効率の観点から好ま しくない場合がある。

工程(B ) で使用されるリン脂質は天然リン脂質でも合成リン脂質でもよく、 . 例えば大豆及ぴ大豆水添ホスファチジルェタノールァミン、卵黄及ぴ卵黄水添ホ スファチジルェタノールァミン等の天然及び合成ホスファチジルエタノールァミ ンなどが挙げられる。工程 ( B ) に使用する有機溶媒は、水酸基等の官能基を有 しないものであれば特に制限なく使用することができる。例えば酢酸ェチル、ジ クロロメタン、クロロホノレム、ジメチルスルホキシド、ベンゼン及ぴトノレェンな どが挙げられる。これらの中ではジメチルスルホキシド、クロ口ホルム及びトル ェンが好ましい。エタノールなどの水酸基を有する有機溶媒は、ポリグリセリン と反応させる 2塩基酸、ハロゲン化カルボン酸、ハロゲン化カルボン酸エステル 化合物と反応するので好ましくない。ジクロロメタン等でも反応性には問題はな いが、低沸点であるため作業上好ましくない場合がある。工程(B ) の反応温度 は特に限定されないが、例えば 2 0〜1 0 0 °C、好ましくは 2 0〜9 0 °Cである。 反応時間は特に限定されないが、例えば 0 . 5〜2 4時間、好ましくは 1〜1 2 時間とするのが望ましい。 2 0 °Cを下回る反応温度は反応効率の観点から好まし くない場合がある。

工程(B ) で示されるリン脂質化合物とカルボキシル化ポリグリセリンとの反 応には、脱水縮合剤及ぴ又は塩基性触媒を使用することができる。脱水縮合剤 としては、カルポキシル化ポリグリセリンのカルボキシル基とリン脂質化合物の 官能基とを脱水縮合させることができる脱水縮合剤であれば特に制限なく使用で きる。このような脱水縮合剤としては、ジシク口へキシルカルポジィミド等の力 ルポジイミド誘導体が挙げられる。脱水縮合剤としては、ジシクロへキシルカル ポジイミドが好ましい。脱水縮合剤の使用量は、リン脂質化合物に対して 1〜5 倍モル、好ましくは 1〜2倍モルであるのが望ましい。さらに、反応効率を高め るために、 N—ヒドロキシコハク酸イミドを反応系中にリン脂質化合物に対して 0 . 1〜 2倍モルカ卩えることが好ましい。本反応に使用する塩基性触媒の種類は 特に限定されないが、例えば窒素含有物質としてはトリェチルァミン、ジメチル アミノビリジン、酢酸アンモニゥム等を挙げることができ、有機塩としてはリン 酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム及び酢 酸ナトリゥム等を挙げることができる。塩基性触媒の量は特に限定されないが、 例えば、工程(B ) で示されるリン脂質化合物の 1〜 5倍モル、好ましくは 1〜 2倍モルであることが望ましい。工程(B ) で使用するリン脂質化合物の量は特 に限定されず、目的とする k 1の数に応じて適宜反応させることができる。例え ば、 1分子あたりの k 1の数に対して 1〜3倍モル、好ましくは 1〜1 . 3倍モ ノレである。

ぐ製造方法 C >

本発明のポリグリセリン修飾リン脂質において、一般式(1 ) において k 2が 0であるリン脂質誘導体、及び k 2が 0でないリン脂質誘導体において、 a及び b = 0である化合物は、一般式(4 ) で示されるポリグリセリン化合物と一般式

( 5 ) で示されるリン脂質とを反応させることにより容易に合成することができ る。一般式(4 ) で表されるポリグリセリン化合物において、 [ P G] kは重合度 kのポリグリセリンの残基、 kは 2〜5 0、 Yは水酸基又は脱離基を示し、 k 5 及ぴ k 6は、 l≤k 5≤ ( k + 2 ) / 2 , k 5 + k 6 = k + 2を満足する数であ る。一般式(4 ) で示されるポリグリセリン化合物において、 Yは水酸基又は脱 離基を示す。本明細書において「脱離基」とは、ポリグリセリン化合物にリン脂 質との反応活性を付与する基であり、電子吸引性基、その他の基が含まれる。こ のような基として、具体的には、イミダゾール基、 4一二トロフエニルォキシ基、 ベンゾトリアゾール基、塩素、メトキシ基、エトキシ基、プロピルォキシ基、力 ルポ二口キシ— N— 2—ピロリジノン基、力ルポニル一 2—ォキシピリミジン基、 N—スクシンイミジルォキシ基、ペンタフルォ口ベンゾィル基などが挙げられる。 この中でも、イミダゾール基、 4一二トロフエニルォキシ基、ベンゾトリァゾー ル基、塩素、 N—スクシンィミジルォキシ基が好ましく、特に N—スクシンイミ ジルォキシ基、 4一二トロフエ-ルォキシ基が特に好ましい。 '

一般式(4 ) で示されるポリグリセリン化合物を得るには、例えば、ポリグリ セリン化合物に、トリェチルァミン又はジメチルァミノピリジンなどの塩基性触 媒下、有機溶媒中、 N, N,ースクシンィミジルカーボネートやクロ口蟻酸 p— 二トロフヱニルエステルなどの活性化剤を使用して上記に示した脱離基を導入す る方法などが挙げられる。もっとも、この方法に限定されることはなく、式(4 ) で示されるポリグリセリン化合物はいかなる方法で製造してもよい。活性化剤の 量は、通常、リン脂質を導入する k 1の数と同モル以上であればよい。但し、実 質的には活性化剤の純度等も考慮し、 k 1の数の 1〜2倍モルであることが好ま しレ、。

一般式(4 ) で表されるポリグリセリン化合物を用いて、一般式(1 ) で示さ れる a及び b = 0である本発明の化合物を合成する際に用いられるリン脂質は一 般式( 5 )で表される。該リン脂質は、天然リン脂質でも合成リン脂質でもよく、 例えば大豆及び大豆水添ホスファチジルエタノールァミン、卵黄及び卵黄水添ホ スファチジルエタノールァミン等の天然及ぴ合成ホスファチジルエタノールァミ ンなどが挙げられる„本反応には塩基性触媒を用いることができるが、その種類 は特に限定されない。例えば、窒素含有物質としてはトリエチルァミン、ジメチ ルァミノピリジン、酢酸アンモニゥム等を挙げることができ、有機塩としてはリ ン酸ナトリゥム、炭酸ナトリゥム、炭酸水素ナトリゥム、ホウ酸ナトリゥム及び 酢酸ナトリゥム等を挙げることができる。塩基性触媒の使用量は特に限定されな いが、例えば、工程(B ) で使用されるリン脂質化合物の 1〜 5倍モル、好まし くは 1〜 2倍モルであることが好ましい。工程(B ) で使用するリン脂質化合物 の量は特に限定されず、目的とする k 1の数に応じて適宜反応させることができ る。例えば、 1分子あたりの k 1の数に対して 1〜 3倍モル、好ましくは 1〜1 . 3倍モルである。

本反応に使用する有機溶媒は、水酸基等の官能基を有しないものであれば特に 制限なく使用することができる。例えば酢酸ェチル、ジクロロメタン、クロロホ ルム、ベンゼン、ジメチルスルホキシド(DM S O) 及びトルエンなどが挙げら れる。これらの中ではクロ口ホルム、 DM S O、及びトルエンが好ましい。エタ ノールなどの水酸基を有する有機溶媒は、一般式(4 ) で示されるポリグリセリ ン化合物の末端の脱離基と反応するので好ましくない。ジロロメタン等でも反 応性には問題はないが、低沸点であるため作業上好ましくない場合がある。本反 応の反応温度は特に限定されないが、例えば 2 0〜1 1 0 °C、好ましくは 3 0〜 9 0 °Cである。反応時間は特に限定されないが、 1時間以上、好ましくは 2〜2 4時間とするのが望ましい。 2 0 °Cを下回る温度は反応効率の観点で好ましくな い場合があり、 9 0 °Cを上回る温度では反応に用いるリン脂質化合物のァシル基 が加水分解する場合がある。

上記一般式(1 ) で表される本発明の化合物を界面活性剤として用いることに より、可溶化液、乳化液、分散液を得ることができる。本発明の化合物は特に、 水難溶性薬物の可溶化剤、乳化剤、分散剤として有用である。本発明の界面活性 剤を乳化剤、可溶化剤又は分散剤として用いる場合、乳化剤、可溶化剤又は分散 剤は、本発明の界面活性剤のみを用いてもよく、また乳化、可溶化又は分散に用 いられている公知の他の成分を含んでいてもよい。可溶化液又は分散液の形態は 限定されず、水あるいは緩衝液などの分散媒に脂溶性物質等を溶解させた溶解液、 水あるいは緩衝液などの分散媒に脂溶性物質等を分散させた分散液等が挙げられ る。

乳化液又は可溶化液の形態は限定されず、本発明の界面活性剤によつて形成さ れたミセル溶液、すなわちその内部に脂溶性物質を含有したミセル溶液、また水 あるいは緩衝液などの分散媒に本発明の界面活性剤と脂溶性物質等による分散粒 子が、コロイド粒子あるいはそれ以上大きな粒子として存在するエマルション溶 液等が挙げられる。ミセル溶液としては、分散粒子径が 1 0 ~ 3 0 0 n mである ものを特に高分子ミセル溶液として挙げられる。エマルション溶液は、 OZW型、 又は W/OZW型でもよい。可溶化又は轧化できる脂溶性物質は特に限定されな いが、例えば、高級アルコール、エステル油、トリグリセリン、トコフエ口ル、 高級脂肪酸、水難溶性薬物等が挙げられる。

本発明の可溶化されうる水難溶性薬物としては、特に限定されるものではない が、例えば、 2 5 °Cで水に対して 1 0 0 0 p p m以下の溶解度を有するもの、溶 解度が 1 O m g /m 1以下のものなどが用いられる。水難溶性薬物としては、例 えば、シクロスポリン、アムホテリシン B、インドメタシン、二フエジピン、タ クロリムス、メノレファラン、ィホスファミド、ストレプトゾシン(streptozotocin)、 メトトレキサート、フルォロウラシル、シタラビン、テガフール、イドキシド (idoxido)、パクリタキセル、ドセタキセル、ダウノルビシン、ブレオマイシン、 メドロキシプロゲステロン、フエノフイブラート等を挙げることができる。

化粧料分野における分散剤としての使用形態も特に限定されないが、例えば、 -ァスコルビン酸等の水溶性物質を脂質膜構造体の内水相に保持し、又はトコフエ ロール等の脂溶性物質を脂質二重膜に保持しておく場合などにおいて、本発明の 化合物を脂質膜構造体形成剤として用いることにより、より安定に対象物質を水 溶液中に分散できる。界面活性剤及び分散剤として用いる場合には、本発明の化 合物の添加量は、例えば可溶化、分散、乳化などの対象となる物質の全質量に対 して 0 . 1〜2 0質量%、好ましくは 0 . 5〜 7質量%、より好ましくは 0 : 5 〜 5質量%である。

また、水難溶性薬物の可溶化においては、本発明の化合物の添加量が薬物の溶 解度等により変動するため、溶解度に応じて適宜添加量を決めればよい。本発明 の化合物の添加量は以下の量に限定されないが、例えば、対象となる薬物の全質 量に対して 5 0 0〜: L O O 0 O 0質量0 /0である。

上記一般式(1 ) において k 2が 0である化合物は、特にノ-オン界面活性剤 として高塩濃度条件下で有効に使用することができる。一般に、ポリグリセリン

修飾リン脂質等は、グリセリン基に由来する親水性とァシル基に由来する疎水性 とを有していので界面活性剤として使用することができる。しかしながら、通 常、ポリアルキレンォキシド修飾リン脂質に代表されるォキシアルキレン基を有 する界面活性剤は高塩濃度条件下で使用する場合に濁りを生じるという問題があ る。その他、グリシドール誘導体のノニオン系界面活性剤を高塩濃度条件下で用 いることについて報告があるが、その場合には皮膚刺激の問題等があり化粧料分 野への応用には適さないという問題がある。上記一般式(1 ) で表される化合物 は、塩濃度の高い状態においても高い可溶化能を維持できるという特徴があり'、 耐塩性に優れた界面活性剤として使用できる。また、化粧料の分野において皮膚 との相溶性の高い界面活性剤として用いることができる。

上記一般式(1 ) において 0 < k 2である化合物、すなわち分岐したグリセリ ン基の末端にカルボキシル基を有する化合物は、 p H感受性のリン脂質として、 例えば分散剤として使用することができる。カチオン性の物質(例えばカチオン 性の生理活性物質など)や塩基性物質などを水中に分散する場合、例えばカチォ ン性物質又は塩基性物質を含む微粒子等の表面を上記化合物で被覆することによ り、水中に安定に分散することができる。本発明の化合物はポリア二オン性基を 有するのでイオン結合により安定に分散することができる。

上記一般式(1 ) で表される本発明の化合物は、リボソーム、ェマルジヨン、 ミセル等の脂質膜構造体の構成リン脂質として用いることができる。本発明の化 合物を用いることにより、脂質膜構造体、好ましくはリボソームの血中滞留時間 を増大することができる。この効果は脂質膜構造体に本発明の化合物を少量添加 することにより達成できる。いかなる特定の理論に拘泥するわけではないが、 4 以上の多分岐を有する本発明の化合物を脂質膜構造体の構成リン脂質として用い ることにより、ポリグリセリン鎖が脂質膜構造体の膜中で三次元的な広がりをも つため、水溶液中での微粒子の凝集を防ぎ安定な分散状態が達成される。

脂質膜構造体中への本発明の化合物の配合量は、医薬の薬効を生体内で有効に 発現させるのに充分な量であればよく、特に限定されることはない。例えば、脂 質膜構造体に保持させるべき医薬の種類、治療や予防などの用途、脂質膜構造体 の形態などにより適宜選択可能である。本発明により提供される脂質膜構造体に 保持される医薬の種類は特に限定されないが、例えば、抗腫瘍剤として用いられ る化合物が好ましい。これら化合物としては、例えば、塩酸イリノテカン、塩酸 ノギテカン、ェキサテカン、 RFS_2000、 Lu r t o t e c a n、 BNP 一 1350、 B a y— 383441、 PNU— 166148、 I DEC— 132、 BN— 80915、 DB— 38、 DB— 81、 DB— 90、 DB— 91、 CKD 一 620、 T一 0128、 ST- 1480, ST— 1481、 DRF— 1042、 DE— 310等のカンプトテシン誘導体、ドセタキセル水和物、パクリタキセル、 IND— 5109、 BMS— 184476、 BMS— 188797、 T— 378 2、 TAX— 101 1、 SB— RA— 31012、 SBT— 1514、 D J— 9 27等のタキサン誘導体、ィホスフアミド、塩酸二ムスチン、カルボコン、シク ロホスフアミド、ダカルバジン、チォテパ、ブス^"ファン、メノレファラン、ラニ ムスチン、リン酸エストラムスチンナトリゥム、 6—メルカプトプリンリボシド、 エノシタビン、塩酸ゲムシタビン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオタ ホスフアート、テガフール、ドキシフルリジン、ヒドロキシカルバミド、フルォ ロウラシル、メトトレキサート、メルカプトプリン、リン酸フルダラビン、ァク チノマイシンひ、塩酸アクラルビシン、塩酸イダルビシン、塩酸ェビルビシン、 塩酸ダクノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸ブレオマイ シン、ジノスタチンスチマラマー、ネオ力ノレチノスタチン、マイトマイシン C、 硫酸ブレオマイシン、硫酸ぺプロマイシン、エトポシド、酒石酸ビノレルビン、 硫酸ピンクリスチン、硫酸ビンデシン、硫酸ビンブラスチン、塩酸アムルビシン、 ゲブイ二チブ、ェキセメスタン、力ぺシタビン、 TNP— 470、 TAK—16 5、 KW- 2401 KW- 2170, KW— 2871、 KT— 5555、 ΚΤ 一 8391、 ΤΖΤ— 1027、 S_3304、 CS— 682、 YM— 511、 YM— 598、 TAT— 59、 TAS - 101、 TAS— 102、 TA— 106、 FK— 228、 FK— 317、 E 7070、 E 7389、 KRN— 700、 KR

N— 5 5 0 0、 J _ 1 0 7 0 8 8、 HMN— 2 1 4、 S M— 1 1 3 5 5、 Z D— 0 4 7 3等を挙げことができる。

また、本発明の脂質膜構造体には遺伝子などを封入してもよい。遺伝子として は、オリゴヌクレオチド、 D N A及び R N Aのいずれでもよく、特に形質転換等 のイン · ビトロにおける導入用遺伝子や、ィン · ビポで発現することにより作用 する遺伝子、例えば、遺伝子治療用遺伝子、実験動物や家畜等の産業用動物の品 種改良に用いられる遺伝子を挙げることができる。遺伝子治療用遺伝子としては、 アンチセンスオリゴヌクレオチド、アンチセンス D NA、アンチセンス R NA、 酵素、サイトカイン等の生理活性物質をコードする遺伝子等を挙げることができ る。

上記の脂質膜構造体は、さらにリン脂質、コレステロール、コレスタノール等 のステロール類、その他の炭素数 8〜 2 2の飽和及び不飽和のァシル基を有する 脂肪酸類、ひ—トコフエロール等の酸化防止剤を含んでいてもよい。リン脂質と しては、ホスファチジルエタノールァミン、ホスファリジルコリン、ホスファチ ジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、カル ジォリピン、. スフインゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールァミン、セラ ミドホスホリルグリセロール、セラミドホスホリルグリセロールホスファート、 1、 2—ジミリストイル一 1, 2—デォキシホスファチジルコリン、プラスマロ ゲン及びホスファチジン酸等を挙げることができ、これらは 1種又は 2種以上を 組み合わせて用いることができる。これらのリン脂質の脂肪酸残基は特に限定さ れないが、例えば、炭素数 1 2から 2 0の飽和又は不飽和の脂肪酸残基を挙げる ことができ、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリ ン酸、ォレイン酸、リノール酸等の脂肪酸由来のァシル基を挙げることができる。 また、卵黄レシチン及び大豆レシチンのような天然物由来のリン脂質を用いるこ ともできる。

本発明の脂質膜構造体の形態及びその製造方法は特に限定されないが、存在形 態としては、例えば、乾燥した脂質混合物形態、水系溶媒に分散した形態、さら にこれを乾燥させた形態や凍結させた形態等を挙げることができる。乾燥した脂 質混合物の形態の脂質膜構造体は、例えば、使用する脂質成分をいつたんクロ口 ホルム等の有機溶媒に溶解させ、次いでエバポレータによる減圧乾固や噴霧乾燥 機による嘖霧乾燥を行うことによつて製造することができる。脂質膜構造体が水 系溶媒に分散した形態としては、一枚膜リボソーム、多重層リボソーム、 o/w 型エマルション、 w/oZw型エマルシヨン、球状ミセル、ひも状ミセル、不定 型の層状構造物などを挙げることができるが、これらのうちリポソームが好まし い。分散した状態の脂質膜構造体の大きさは特に限定されないが、例えば、リポ ソームやエマルションの場合には粒子径が 5 0 n mから 5 μ mであり、球状ミセ ルの場合、粒子径が 5 n mから 1 0 0 n mである。ひも状ミセルや不定型の層状 構造物の場合は、その 1層あたりの厚みが 5 n mから 1 0 n mでこれらが層を形 成していると考えればよい。

水系溶媒(分散媒)の組成も特に限定されず、例えば、リン酸緩衝液、クェン 酸緩衝液、リン酸緩衝化生理食塩液等の緩衝液、生理食塩水、細胞培養用の培地 などであってもよい。これらの水系溶媒に対して脂質膜構造体を安定に分散させ ることができるが、さらにグルコース、乳糖、ショ糖などの糖水溶液、グリセリ ン、プロピレングリコールなどの多価アルコール水溶液等を加えてもよい。この 水系溶媒に分散した脂質膜構造体を安定に長期間保存するには、凝集などの物理 的安定性の面から、水系溶媒中の電解質を極力なくすことが望ましい。また、脂 質の化学的安定性の面から、水系溶媒の p Hを弱酸性から中性付近(p H 3 . 0 から 8 . 0 ) に設定したり、窒素パブリングにより溶存酸素を除去することが望 ましい。さらに凍結乾燥保存や噴霧乾燥保存をする場合には、例えば糖水溶液を 凍結保存するに際して糖水溶液や多価アルコール水溶液をそれぞれ用いると効果 的な保存が可能である。これらの水系溶媒の濃度は特に限定されるべきものでは ないが、例えば、糖水溶液においては、 2〜2 0 % (W/V) が好ましく、 5〜 1 0 % (W/V) がさらに好ましい。また、多価アルコール水溶液においては、 1 ~ 5 % (W/V) が好ましく、 2〜2 . 5 % (W/V) がさらに好ましい。緩

衝液においては、緩衝剤の濃度が 5〜 5 0 mMが好ましく、 1 0〜 2- 0 mMがさ らに好ましい。水系溶媒中の脂質膜構造体の濃度は特に限定されないが、脂質膜 構造体における脂質総量の濃度は、 0 . l mM〜5 0 O mMが好ましく、 1 mM 〜1 0 O mMがさらに好ましい。 .

脂質膜構造体が水系溶媒に分散した形態は、上記の乾燥した脂質混合物を水系 溶媒に添加し、さらにホモジナイザー等の乳化機、超音波乳化機、高圧噴射乳化 機等により乳化することで製造することができる。また、リボソームを製造する 方法としてよく知られている方法、例えば逆相蒸発法などによっても製造するこ ともでき、分散体の製造方法は特に限定されることはない。脂質膜構造体の大き さを制御したい場合には、孔径のそろったメンブランフィルタ一等を用いて、高 圧下でイクストルージョン—(押し出し濾過)を行えばよい。

上記の水系溶媒に分散した脂質膜構造体を乾燥させる方法としては、通常の凍 結乾燥ゃ嘖霧乾燥を挙げることができる。この際の水系溶媒としては、上記した ように糖水溶液、好ましくはショ糖水溶液、乳糖水溶液を用いるとよい。水系溶 媒に分散した脂質膜構造体をいつたん製造した上でさらに乾燥すると、脂質膜構 造体の長期保存が可能となるほか、この乾燥した脂質膜構造体に医薬水溶液を添 加すると、効率よく脂質混合物が水和されるために医薬を効率よく脂質膜構造体 に保持させることができるといったメリットがある。例えば、脂質膜構造体に医 薬を添加することにより医薬組成物を製造することができ、該脂質膜構造体は疾 病の治療及び/又は予防のための医薬組成物として用いることができる。医薬が 遺伝子の場合は、遺伝子導入用キットとして用いることも可能である。

医薬組成物の形態としては、脂質膜構造体と医薬とが混合された形態のほか、 該脂質膜構造体に医薬が保持された形態でもよい。ここでいう保持とは、医薬が 脂質膜構造体の膜の中、表面、内部、脂質層中、及び又は脂質層の表面に存在 することを意味する。医薬組成物の存在形態及びその製造方法は、脂質膜構造体 と同様に特に限定されることはないが、例えば、存在形態としては、混合乾燥物 形態、水系溶媒に分散した形態、さらにこれを乾燥させた形態や凍結させた形態 が挙げられる。

脂質類と医薬との混合乾燥物は、例えば、使用する脂質類成分と医薬とをいつ たんクロロホルム等の有機溶媒で溶解させ、次にこれをエバポレータによる減圧 乾固ゃ嘖霧乾燥機による噴霧乾燥を行うことにより製造することができる。脂質 膜構造体と医薬との混合物が水系溶媒に分散した形態としては、多重層リポソ一 ム、一枚膜リボソーム、 o/w型エマルシヨン、 w/o/w型エマルシヨン、球 状ミセル、ひも状ミセル、不定形の層状構造物などを挙げることができるが、特 に限定されることはない。混合物としての大きさ(粒子径)や水系溶媒の組成な ども特に限定されることはないが、例えばリボソームの場合には 5 0 n m〜2 m、球状ミセルの場合は 5〜1 0 0 n m、ェマルジヨンを形成する場合は 5 0 n m〜5 μ πιである。混合物としての水系溶媒における濃度も特に限定はされるこ とはない。なお、脂質膜構造体と医薬との混合物が水系溶媒に分散した形態の製 造方法としてはいくつかの方法が知られており、通常は脂質膜構造体と医薬との 混合物の存在様式に応じて下記のように適宜の製造方法を選択する必要がある。 製造方法 1

上記の脂質類と医薬との混合乾燥物に水系溶媒を添加し、さらにホモジナイザ 一等の乳化機、超音波乳化機、高圧噴射乳化機等による乳化を行う方法である。 大きさ(粒子径)を制御したい場合には、さらに孔径のそろったメンブランフィ ルターを用いて、高圧力下でイクストルージョン(押し出し慮過)を行えばよい。 この方法の場合には、まず脂質類と医薬との混合乾燥物を作るために、医薬を有 機溶媒に溶解する必要があるが、医薬と脂質膜構造体との相互作用を最大限に利 用できるメリットがある。すなわち、脂質膜構造体が層状構造を有する場合にも、 医薬は多重層の内部にまで入り込むことが可能であり、一般的にこの製造方法を 用いると医薬の脂質膜構造体への保持率を高くすることができる。

製造方法 2

脂質類成分を有機溶媒でいったん溶解後、有機溶媒を留去した乾燥物に、さら に医薬を含む水系溶媒を添加して乳化する方法である。大きさ(粒子径)を制御 したい場合には、さらに孔径のそろったメンブランフィルターを用いて、高圧力 下でイクストルージョン(押し出し慮過)を行えばよい。有機溶媒には溶解しに くいが、水系溶媒には溶解する医薬に適用できる。脂質膜構造体がリボソームの 場合、内水相部分にも医薬を保持できる長所がある。

製造方法 3

水系溶媒に既に分散したリボソーム、エマルシヨン、ミセル、又は層状構造物 などの脂質膜構造体に、さらに医薬を含む水系溶媒を添加する方法である。この 方法の適用は水溶性の医薬に限定される。既にできあがつている脂質膜構造体に 外部から医薬を添加する方法であるため、医薬が高分子の場合には、医薬は脂質 膜構造体内部には入り込めず、脂質膜構造体の表面に結合した存在様式をとる場 合がある。脂質膜構造体としてリボソームを用いた場合、この製造方法 3を用い ると、医薬がリボソーム粒子同士の間に挟まったサンドイッチ構造(一般的には 複合体あるいはコンプレックスと呼ばれている。)をとることが知られている。 この製造方法では、脂質膜構造体単独の水分散液をあらかじめ製造するため、乳 化時の医薬の分解を考慮する必要がなく、大きさ(粒子径)の制御もたやすいの で、製造方法 1や製造方法 2に比べて比較的製造が容易である。

製造方法 4

水系溶媒に分散した脂質膜構造体をいつたん製造した上でさらに乾燥させた乾 燥物に、さらに医薬を含む水系溶媒を添加する方法である。この場合も製造方法 3と同様に医薬は水溶性のものに限定される。製造方法 3と大きく違う点は、脂 質膜構造体と医薬との存在様式にある。すなわち、この製造方法 4では、水系溶 媒に分散した脂質膜構造体をいつたん製造した上でさらに乾燥させた乾燥物を製 造するために、この段階で脂質膜構造体は脂質膜の断片として固体状態で存在す る。この脂質膜の断片を固体状態に存在させるために、前記したように水系溶媒 として糖水溶液、好ましくはショ糖水溶液や乳糖水溶液を用いるのが好ましい。 ここで、医薬を含む水系溶媒を添加すると、固体状態で存在していた脂質膜の断 片は水の侵入とともに水和を速やかに始め、脂質膜構造体を再構成することがで きる。この時に、医薬が脂質膜構造体内部に保持された形態の構造体が製造でき る。

製造方法 3では、医薬が高分子の場合には、医薬は脂質膜構造体内部には入り 込めず、脂質膜構造体の表面に結合した存在様式をとるが、製造方法 4はこの点 で大きく異なっている。この製造方法 4は、脂質膜構造体単独の水分散液をあら かじめ製造するため、乳化時の医薬の分解を考慮する必要がなく、大きさ(粒子 径)の制御もたやすいので、製造方法 1や製造方法 2に比べて比較的製造が容易 であることが挙げられる。また、この他に、凍結乾燥あるいは噴霧乾燥を行うた め、製剤としての保存安定性を保証しやすいこと、乾燥製剤を医薬水溶液で再水 和しても大きさ(粒子径)を元にもどせること、高分子の医薬の場合でも脂質膜 構造体内部に医薬を保持させやすいことなどが長所として挙げられる。

脂質膜構造体と医薬との混合物が水系溶媒に分散した形態を調製するための他 の方法としては、リボソームを製造する方法としてよく知られる方法、例えば逆 相蒸発法などを別途用いてもよい。大きさ(粒子径)を制御したい場合には、さ らに孔径のそろったメンブランフィルターを用いて、高圧力下でイクストルージ ヨン (押し出し慮過)を行えばよい。また、上記の脂質膜構造体と医薬との混合 物が水系溶媒に分散した分散液をさらに乾燥させる方法としては、凍結乾燥や噴 霧乾燥が挙げられる。この時の水系溶媒としては、脂質膜構造体単独の場合と同 様に糖水溶液、好ましくはショ糖水溶液や乳糖水溶液を用いるとよい。上記の脂 質膜構造体と医薬との混合物が水系溶媒に分散した分散液をさらに凍結させる方 法としては、通常の凍結方法が挙げられるが、この時の水系溶媒としては、脂質 膜構造体単独の場合と同様に、糖水溶液や多価アルコール水溶液を用いるとよい。 医薬組成物において配合し得る脂質は、使用する医薬の種類などに応じて適宜 選択すればよいが、例えば、医薬が遺伝子以外の場合には医薬 1質量部に対して 0 . 1から 1 0 0 0質量部が好ましく、 0 . 5から 2 0 0質量部がより好ましい。 また、医薬が遺伝子の場合には、医薬(遺伝子) 1 μ §に対して、 1から 5 0 0 n m o 1が好ましく、 1 0から 2 0 0 n m o 1がより好ましい。

本発明の脂質膜構造体を含む医薬組成物の使用方法は、その形態に応じて適宜 決定することが可能である。ヒト等に対する投与経路は特に限定されず、経口投 与又は非経口投与のいずれでもよい。経口投与の剤形としては、例えば、錠剤、 散剤、顆粒剤、シロップ剤、カプセル剤、内服液剤等を挙げることができ、非経 口投与の剤形としては、例えば、注射剤、点滴剤、点眼剤、軟膏剤、座剤、懸濁 剤、パップ剤、ローション剤、エアゾール剤、プラスター剤等を挙げることがで きる。医薬の分野においては、これらのうち注射剤又は点滴剤が好ましく、投与 方法としては、静脈注射、皮下注射、皮內注射などのほか、標的とする細胞や臓 器に対しての局所注射が好ましい。また、化粧料の分野においては、化粧料の形 態としては、具体的には、ローション、クリーム、化粧水、乳液、フォーム剤、 ファンデーション、口紅、パック剤、皮膚洗浄剤、シャンプー、リンス、コンデ イショナ一、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアクリーム等を挙げることができ る。

実施例

以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記 の実施例に限定されることはない。以下の実施例において示した構造式において

P G. ( 6 ) 及び P G ( 8 ) などの標記は、それぞれへキサグリセリン及びォクタ グリセリンを意味しており、それぞれ平均重合度が 6及び 8のポリグリセリン混 合物である。

合成例 1

( 1 ) ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンサクシネートの調製 .

0

II

CH3(CH2)i6-CO-CH2

0

II

CH3(CH2)16— CO-CH

" 0 0 0

II II II

CH2OPO(CH2)2NHCCH2CH2COH

O"

ジステアロイルホスファチジルエタノールァミン 20. 0 g (26. 7mmo 1 ) にクロ口ホルム 1 5 OmLを加えて 55 °Cで撹し、酢酸ナトリウム 2. 2 g (267mmo 1 ) を添加しリン脂質クロ口ホルム溶液とした。その溶液に無 水コハク酸 3. 5 g (34. 8mmo 1 )を加えて 55°Cで 3時間反応を行った。 反応終点の確認はシリカゲルプレートを用いた薄層クロマトグラフィー(TLC) により行い、ニンヒドリン発色にてジステアロイルホスファチジルエタノールァ ミンが検出されなくなる点とした。展開溶媒にはクロ口ホルムとメタノールの体 積比が 85 : 15の混合溶媒を用いた。反応後、溶液を濾過して酢酸ナトリゥム を除去した後、濾液を濃縮した。濾液を濃縮後、イソプロピルアルコール(10 Om l ) を加え、室温で 30分攪拌した。結晶濾過後、へキサン(80mL) 洗 浄、濾過、乾燥することによりジステアロイルホスファチジルエタノールァミン サクシネートの結晶(20. 5 g) を得た。

合成例 2

(2) ジステアロイルホスファチジルェタノールァミングルタレートの調製


ジステアロイルホスファチジルエタノールァミン 20. 0 g (26. 7mmo 1 ) にクロ口ホルム 1 5 OmLを加えて 55°Cで撹拌し、酢酸ナトリウム 2. 2 g (26 7mmo 1 ) を添加しリン脂質クロ口ホルム溶液とした。その溶液に無 水ダルタル酸 4. 0 g (34. 8mmo 1 ) を加えて 55 °Cで 3時間反応を行つ た。反応終点の確認は上記と同様に TLCにておこなった。反応後、溶液を濾過 して酢酸ナトリウムを除去した後、濾液を濃縮した。濾液を濃縮後、イソプロピ ルアルコール(100ml) を加え、室温で 30分攪拌した。結晶濾過後、へキ サン (80mL) 洗浄、濾過、乾燥することによりジステアロイルホスファチジ ルエタノールァミングルタレートの結晶(19. 8 g) を得た。

実施例 1

(3) へキサグリセロールグルタリルジステアロイルホスファチジルエタノー ルァミンの調製

0

II

CH3(CH2)16-CO- CHゥ

0

II

CH3(CH2)16— CO- CH

0 0 0

II II II

CH2OPO(CH2)2NHCCH2CH2CH2C— PG(6)

O"

ジステアロイルホスファチジルエタノールァミングルタレート 4. 3 g (5. Ommo 1) にクロ口ホルム(25m l) を加え、 45 °Cで攪拌した。このクロ 口ホルム溶液に、ジメチルスルホキシド(l OmL) で溶解したへキサグリセリ ン 11. 6 g (25mmo 1 ) を加え、続いて、ジシクロへキシルカルポジイミ ド 2. 1 g (10 mm o 1 ) 、ジメチルァミノピリジン 0. 6 g (5. 3 mm o 1 ) を加えた。反応は 45°Cで 2時間おこなった。反応終点の確認は TLCにて おこなった。シリカゲルプレートを用いた薄層クロマトグラフィー (TLC) に より行い、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミングルタレートが検出 されなくなる点とした。展開溶媒にはクロ口ホルム、メタノール、水の体積比が 65 : 25 : 4の混合溶媒を用いた。反応終了後、析出したジシクロへキシルゥ レアを濾過後、濾液をラムに充填した陽イオン交換樹脂 (DIAION SK1BH)に通し た。溶出液は、メタノールを少量添加したリン酸水素ニナトリゥム水溶液に受け、 中和した。硫酸ナトリウムで脱水後、濾過、濃縮をおこなった。'残渣をクロロホ

回晶析し、へキサグリセロールグルタリルジステアロイルホスファチジルエタ ノールァミンの結晶 4. 8 gを得た。

JH-NMR (CDC 13) より、 δ 0. 88にステアロイル基末端メチル基プ 口トン、 δ 1. 26にステアロイノレ基のメチレン基プロトン、 δ 1. 95にグ ルタル酸由来の _NH (C = O) CH2CH2CH2COO—のメチレン基プロト ン、 δ 2. 29、 2. 31に一 NH (C = 0) C H2 C H2 C H2 C O O—のメチ レン基プロトン、 δ 3.2-4.5にへキサグリセリン由来のメチレンプロトン、 メチンプロトンを確認した。

実施例 2

(4) ォクタグリセロールグルタリルジステアロイルホスファチジルエタノー ルァミンの調製


ジステアロイルホスファチジルエタノールアミングルタレート 4. 3 g (5. Ommo l) にクロ口ホルム(25ml) を加え、 45 °Cで攪拌した。このクロ 口ホルム溶液に、ジメチルスルホキシド(20mL) で溶解したオタタグリセリ ン 1 5. 3 g (25mmo 1 ) を加え、続いて、ジシクロへキシルカルポジイミ ド 2. 1 g (10 mm o 1 ) 、ジメチルァミノピリジン 0. 6 g (5. 3 mm o 1) を加えた。反応は 45°Cで 2時間おこなった。反応終点の確認は上記と同様 に TLCにておこなった。反応終了後、析出したジシクロへキシルゥレアを濾過 後、濾液をカラムに充填した陽イオン交換樹脂(DIAI0N SK1BH)に通した。溶出液 は、メタノールを少量添加したリン酸水素ニナトリゥム水溶液に受け、中和した。 硫酸ナトリゥムで脱水後、濾過、濃縮をおこなった。残渣をクロ口ホルム/ァセト オタタグリセロールグノレタリノレジステアロイノレホスファチジノレエタノーノレアミ ンの結晶 4. 5 gを得た。

'H-NMR (CDC 13) より、 δ 0. 88にステアロイル基末端メチル基 プロトン、 δ 1. 26にステアロイル基のメチレン基プロトン、 δ 1. 95に グルタル酸由来の一 NH (C = 0) CH2CH2CH2COO—のメチレン基プロ トン、 δ 2. 29、 2. 31に一NH (C = 0) C H 2 C H 2 C H2 C O O—のメ チレン基プロトン、 δ 3. 2-4. 5にォクタグリセリン由来のメチレンプロト ン、メチンプロトンを確認した。

実施例 3

(5) デカグリセロールグルタリルジステアロイルホスファチジルエタノール ァミンの調製

0)


ジステアロイノレホスファチジノレエタノーノレアミングノレタレート 4. 3 g (5. Ommo 1 ) にクロ口ホルム(25m l) を加え、 45 °Cで攪拌した。このクロ 口ホルム溶液に、ジメチルスルホキシド(20mL) で溶解したデカグリセリン 19. 0 g (25mmo 1 ) を力 [Iえ、続いて、ジシクロへキシノレカルポジイミド 2. 1 g (10 mm o 1 ) 、ジメチルァミノピリジン 0. 6 g (5. 3 mm o 1 ) を加えた。反応は 45°Cで 2時間おこなった。反応終点の確認は上記と同様に T LCにておこなった。反応終了後、析出したジシクロへキシルゥレアを濾過後、 濾液をカラムに充填した陽イオン交換樹脂 (DIAI0N SK1BH)に通した。溶出液は、 メタノールを少量添加したリン酸水素ニナトリゥム水溶液に受け、中和した。硫 酸ナトリゥムで脱水後、濾過、濃縮をおこなった。残渣をクロ口ホルム/アセトン

/ジメチルスルホキシド、又はァセトン /ジメチルスルホキシドで 3回晶析し、デ カグリセロールグルタリルジステアロイルホスファチジルエタノールアミンの 結晶 4. 3 gを得た。

1H - NMR (CDC 13) より、 δ 0. 88にステアロイル基末端メチル基プ 口トン、 δ 1. 26にステアロイル基のメチレン基プロトン、 δ 1. 95にグ ルタル酸由来の一 NH (C = 0) CH2CH2CH2COO—のメチレン基プロト ン、 δ 2. 29、 2. 31に一 NH (C = 0) C H 2 C H2 C H 2 C O O—のメチ レン基プロトン、 δ 3. 2-4. 5にデカグリセリン由来のメチレンプロトン、 メチンプロトンを確認した。

実施例 4

(6) オタタグリセロー/レサクシ二ノレジステアロイノレホスファチジノレエタノー ルァミンの調製

Ο II

CH3(CH2)16-CO-CH2

O

II

CH3(CH2)16— CO-C IH

I 0 0 0

C I II II II

H2OPO(CH2)2NHCCH2CH2C— PG(8)

O"

ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンサクシネート 4. 2 g (5. Ommo 1 ) にクロ口ホルム(10ml) を加え、 45 °Cで攪拌した。このクロ 口ホルム溶液に、ジメチルスルホキシド(20mL) で溶解したオタタグリセリ ン 15. 3 g (25mmo 1 ) を加え、続いて、ジシクロへキシルカルポジイミ ド 2. 1 g (10 mm o 1 ) 、ジメチルァミノピリジン 0. 6 g (5. 3 mm o Ί ) を加えた。反応は 45°Cで 2時間おこなった。反応終点の確認はシリカゲル プレートを用いた薄層クロマトグラフィー(TLC) により行い、ジステアロイ ルホスファチジルェタノールアミンサクシネートが検出されなくなる点とした。 展開溶媒にはクロ口ホルム、メタノール、水の体積比が 65 : 25 : 4の混合溶 媒を用いた。反応終了後、析出したジシクロへキシルゥレアを濾過後、濾液を力 ラムに充填した陽イオン交換樹脂(DIAION SK1BH)に通した。溶出液は、メタノー ルを少量添加したリン酸水素ニナトリゥム水溶液に受け、中和した。硫酸ナトリ ゥムで脱水後、濾過、濃縮をおこなった。残渣をクロ口ホルム/アセトン/ジメチ ルスルホキシド、又はァセトン /ジメチルスルホキシドで 3回晶析し、ォクタグリ セロールサクシ二ノレジステアロイノレホスファチジノレエタノーノレアミンの結晶 4. 8 gを得た。

^-NMR (CDC 13) より、 δ 0. 88にステアロイル基末端メチル基プ 口トン、 δ 1. 26にステアロイル基のメチレン基プロトン、 δ 2. 29、 2. 31にコハク酸由来の一 NH (C = 0) CH2CH2COO—のメチレン基プロト ン、 δ 3. 2-4. 5にォクタグリセリン由来のメチレンプロトン、メチンプロ トンを確認した。

実施例 5

(7) テトラデカグリセローノレサクシ-ノレジステアロイルホスファチジノレエタ ノールァミンの調製

0

II

CH3(CH2)16— CO- CH2

0

II

CH3(CH2)16— CO- CH

0 0 0

II II II

CH2OPO(CH2)2NHCCH2CH2C— PG(40)

O"

ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンサクシネート 1. 7 g (2. Ommo l) にクロ口ホルム(10m l) を加え、 45°Cで攪拌した。このクロ 口ホルム溶液に、ジメチルスルホキシド(40mL) で溶解したテトラデカグリ セリン 29. 8 g (1 Ommo l) を加え、続いて、ジシクロへキシルカルポジ イミド 0. 8 g (4. 0 mm o 1 ) 、ジメチルァミノピリジン 0. 3 g (2. 1 mmo 1) を加えた。反応は 45°Cで 2時間おこなった。反応終点の確認は上記 と同様に TLCにておこなった。反応終了後、析出したジシクロへキシルゥレア

を濾過後、濾液をカラムに充填した陽イオン交換樹脂 (DIAION SK1BH)に通した。 溶出液は、メタノールを少量添加したリン酸水素ニナトリゥム水溶液に受け、中 和した。硫酸ナトリウムで脱水後、濾過、濃縮をおこなった。残渣をクロ口ホル

晶析し、テトラデカグリセロールサクシ二ルジステアロイルホスファチジルェ タノールァミンの結晶 3 · 8 gを得た。

• ^-NMR (CDC 13) より、 δ 0..88にステアロイル基末端メチル基プ 口トン、 δ 1. 26にステアロイル基のメチレン基プロトン、 δ 2. 29、 2. 31にコハク酸由来の一 NH (C = 0) CH2CH2COO—のメチレン基プロト ン、 δ 3. 2-4. 5にテトラデカグリセリン由来のメチレンプロトン、メチン プロトンを確認した。

実施例 6 :血中滞留性リボソームとしての評価

(1) リボソームの調製

表 1に示した膜組成比率(実施例 1〜5、並びに対照例 1〜4) の脂質を各々 秤取し、クロ口ホルム 'メタノール混液(2 : 1) に溶解させた後、エバポレー ターにより有機溶媒を留去し、さらに 1時間減圧乾固させた。次にこの脂質乾 燥物 (リピドフィルム)に、予め 65 °Cに加温しておいた 1 55 mM硫酸アンモ -ゥム水溶液(PH5. 5) 1 Om 1を加え、湯浴につけながらボルテックスミ キサ一にて軽く撹拌した(ナスフラスコから脂質が剥がれる程度まで)。この脂質 分散液をホモジナイザーに移して、 10 s t r o k eホモジナイズした後、種々 孔径のポリカーボネートメンブレンフィルターを用いてサイジング(0. 2 μπι Χ 3回、 0. 1 μπιΧ 3回、 0. 05 111 3回及び0. 03 mX 3回)を行 い、粒子径 100 nm前後の空リボソーム分散液を調製した。

この空リポソーム分散液 4 m 1を生理食塩水で 2. 5倍希釈し、この希釈した リポソーム分散液を超遠心用チューブに入れ、 65000 r pmで 1時間遠心分 離した後、上清を捨て、生理食塩水で遠心前のリボソーム分散液量 1 Om lにな るように再懸濁させた(この時点で、トータル脂質濃度として 5 OmMとなるよ う調整した)。上記の外水相を生理食塩水に置換した空リボソーム分散液(トータ ル脂質濃度 50 mM) 及びドキソルビシン溶液(薬物濃度: 3. 3mg/m 1 生 理食塩水)を予め 60°Cに加温しておき、容量比で空リボソーム分散液 4に対し ドキソルビシン溶液 6を加えた後(即ち、最終薬物濃度は 2. Omg/m 1 , 最 終脂質濃度は 20mM)、 1時間、 60°Cでインキュベートした。更にこれを室温 にて冷却し、ドキソルビシン含有リボソーム分散液とした。

(2) リボソームの物性

ドキソルビシンのリボソームへの保持率は、上記リボソーム分散液の一部を取 つてゲル濾過(セフアデックス G— 50 ;移動相は生理食塩水)を行い、ボイ ドボリュームに溶出したリボソーム分画中のドキソルビシンを液体クロマトグラ フィ一にて定量することにより求めた。また粒子径は、上記リボソーム分散液の 一部を取っ 準弾性光散乱(QELS) 法にて測定した。その結果、表 1に示す ように、実施例 2、 4及び 5、並びに対照例 1及ぴ 2のリボソームでは、主薬ド キソルビシンの保持率はほぼ 100%であったため、元のリボソーム分散液をそ のまま用い、下に示すラット実験用に生理食塩水にて 4/ 3倍希釈した(したが つて、最終薬物濃度は 1. 5mg m l、最終脂質濃度は 15mM)。また、実施 例 1及ぴ 3、並びに対照例 3及ぴ 4のリボソームは、超遠心分離(65000 r pm、 1時間)操作を行い、上清の未封入薬物を除去した後、生理食塩水にて最 終薬物濃度が 1. 5mgZm lとなるように調製した(したがって、最終脂質濃 度は実施例 1が約 20. 9 mM、実施例 3が約 19. 3 mM、対照例 3は約 17. 2mM、対照例 4は約 18. 7mM)0 なお、いずれのリボソームもその粒子径は 100 nm前後であった。

(3) ラットでの血中滞留性実験

上記実施例 1〜5、並びに対照例 1〜4を用いて、 SD系雄性ラット(6週令) における血中滞留性実験を行った。エーテル麻酔下でラット頸静脈より各リポソ ーム分散液を投与し(1群 5匹;投与量は 7. 5mgドキソルビシンノ 5m 1 / k g )、その後、各採血時点(2、 4、 8、 24、 48、 72、 120、 168時 間)でエーテル麻酔下、頸静脈よりへパリン採血( 0 · 5 m 1から 1 m 1 ) を行 い、血漿分離を行った。その後、常法に従い、前処理して HP LC法にて血漿中 薬物濃度を測定した。各リボソーム分散液処方の血漿中薬物濃度から台形法にて AUC (0〜∞) を算出した。表 1に示すように、対照例 iの本発明脂質誘導体 を含まないリポソーム、対照例 2の本発明脂質誘導体のリン脂質部分(D S P E; ジステアロイルホスファチジルエタノールァミン)のみを添加したリボソーム、 対照例 3及び 4の特開平 6— 22802号公報や文献(インターナショナル ·ジ ヤーナル .ォブ .ファーマコ口ジィ、 111卷、 103頁、 1994年)で開示 されているポリグリセリン脂質誘導体を添加したリボソームの AUCに比して、 本発明脂質誘導体を含むリボソーム処方(実施例 1〜5) では 1オーダー以上大 きな AUCが得られ、明らかに高い血中滞留性が認められた。

表 1


DSPE-PG(8):実施例 4により合成。

DSPE-PG(40):実施例 5により合成。

DSPE-PG(6)Glu:実施例 1により合成。

DSPE-PG(8)Glu:実施例 2により合成。

DSPE-PG(lO)Glu:実施例 3により合成。

HSPC:水素添加大豆ホスファチジルコリン

08卩?0(4)及ぴ08?1^(6) :特開平6-228012号公報、文献(1 . J. Pharm., 111, 103 (1994))

.で開示されたポリグリセリン脂質銹導体

実施例 7 :化粧水の調製(可溶化剤としての評価)

合成例 4のォクタグリセロールグルタリルジステアロイルホスファチジルエタ ノールアミンを使用して化粧水を作製した。すなわち、表 2の組成からなる基材 のうち精製水にグリセリン、プロピレングリコールを加え均一に溶解した。その 他の基材をエタノールに加え均一にした後、前述の精製水相部に撹拌しながら添 加し可溶化し化粧水を得た。 '

表 2

プロピレングリコーノレ 5 0 w t %

グリセリン 2 0 t %

ォレイルァノレコール 0 5 w t %

大豆水添レシチン 0 5 t %

ヱタノ一ノレ 7 0 t %

ォクタグリセ口ールグルタリノレ

ジステアロイノレホスファチジノレエタノーノレ

ァミン 2 0 w t %

トコフエロール 0 02 w t %

香料

防腐剤

精製水 73. 0 w t

実施例 8 :リボソーム乳液の調製(化粧用分散剤としての評価)

リボソーム調製法

大豆水添ホスファチジルコリン 645mg、コレステロール 299mg及ぴミリス チン酸 23mg (モル比 1 : 1 : 0. 1) 及ぴォクタグリセロールグルタリルジ ステアロイルホスファチジルェタノールァミンを混合脂質濃度 5モル%となるよ うに加えて、予め 60°Cに加温した生理食塩水 10〜 1 1 mLを混合脂質濃度 10 質量0 /0となるよう加えて攪拌し、さらに 60°Cの水浴中でホモゲナイザーにて 1 0分間混合しリボソーム溶液を得た。そのリボソーム溶液を用いて表 3の組成か らなる基材のうち乳化剤を含む油相部を 60°Cに加温し均一に溶解した後、撹拌 しながら水相部を同温度で添加しリポソーム乳液を得た。

表 3

油相部:

セタノ一ノレ 2. 0 w t %

ワセリン 2. 0 w t %

スクヮラン 5. 0 w t %

流動パラフィン 10. 0 t %

ポリオキシェ ン酸エステノレ 2. 0 w t %

卜コフエ口ール 0. 02 w t %

香料

防腐剤

水相部:

プロピレングリコーノレ 2. 0 t %

67. 0 w t %

リポソーム溶液 10. 0 w t %

比較合成例 1

(1) モノメチルポリオキシエチレン力ルバミル(分子量 2000) ジステア口 ィルホスファチジルエタノールァミンの合成

モノメトキシポリオキシエチレン(分子量 2000) (20 g、 1 Ommo 1 ) にトルエン(80mL) を加え、 1 10°Cに昇温、還流し、脱水した。 1, 1 ' 一力ルポニルジイミダゾーノレ( 1. 95 g、 1 2mmo 1 ) を加え、 40°Cで、 2時間反応させた。ピリジン(1. 58 g、 2 Ommo 1) 、ジステアロイルホ スファチジルエタノールァミン(7 g、 9. .36mmo 1 ) を加え、 65°Cで 5 時間反応させた。反応液にへキサン(30 OmL) を入れ、'結晶化させた。結晶に 酢酸ェチル( 400 mL)を加え、 65 °Cで溶解し 30分攪拌後、 5 °Cに冷却した。 析出した結晶を濾過した。同様に酢酸ェチルでの工程を 1回おこなった。結晶を 酢酸ェチル(40 OmL) にて溶解し、吸着剤としてキヨーヮード # 700を 1 g 加え、 65 °Cにて 1時間攪拌した。濾過後、 5 °Cに冷却し結晶化させた。へキサ ン (20 OmL) にて結晶洗浄後、濾過、乾燥し、純度は 98. 3%のモノメチル ポリオキシエチレン力ルバミルジステアロイルホスファチジルエタノールァミン を 1 5. 3 g (収率 54. 7%) を得た。生成物の分析は、シリカゲルプレート を用いた薄層クロマトグラフィー(TLC) により行った。展開溶媒にはクロ口 ホルムとメタノールの混合比が 85 : 15質量比の混合溶媒を用い、ョゥ素蒸気 にて発色させて既知量の標準物質との比較により含有物質の定性定量を行った。 実施例 9 :耐塩効果の測定(界面活性剤としての評価)

実施例 5で得たテトラデカグリセロールサクシ二ルジステアロルホスファ チジルェタノールァミンについて、硫酸ナトリウム 5質量%の水溶液に 1質量% 溶解した時の曇点を測定した。測定した結果 80°Cまで温度を上げても曇点を検 出することはできなかった。

比較例 1 :耐塩効果の比較(界面活性剤としての評価)

比較合成例 1で得たモノメチルポリォキシエチレン力ルバミル(分子量 200 0) ジステアロイルホスファチジルエタノールァミンについて、実施例 9と同様 にして曇点の測定を行った。測定した結果曇点は 50. 0°Cであった。この結果、 本発明のリン脂質誘導体は高い耐塩性を示すことが分かった。

実施例 10 (界面活性剤としての評価)

オタタグリセロールグルタリルジステアロイノレホスファチジルエタノー/レア ミンを用いた大豆水添ホスファチジルコリンの高分子ミセル溶液の調整 大豆水添ホスファチジルコリン(0. l g、 0. 1 3mmo 1 ) とォクタグリセ ロールグルタリノレジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(1 g、 0. 1 7mmo 1) を蒸留水(5m l) に添加し攪拌混合した。均一な混合溶液に蒸 留水 (95m l) を徐々に添加攪拌し、透明で均一な高分子ミセル溶液を得た。 得られた溶液について粒度測定装置(NICOMP Model 370:野崎産業株式会社製) を用いて粒度分布を測定した。その結果平均粒径は 40 nmであった。得られた 高分子ミセル溶液を室温にて 1か月間放置した。 3か月後の高分子ミセル溶液の 状態は、目視では変化が認められず沈殿物のない均一な高分子ミセル溶液であつ た。

実施例 1 1

ォクタグリセロールノナグルタレート(下記式において k= 8、 k 2 = 9 k 3= 1である化合物)の合成


ォクタグリセリン 6. 1 g (0. O lmo l) をジメチルスルホキシド(50 m l) に分散させ、酢酸ナトリゥム 9. Og (0. 1 1 mo 1 ) を加え、 70°C に加温した後、無水グルタル酸 1 1. 4 g (0. 1 mo 1 ) を加え、 1 2時間反 応をおこなった。反応終了後、酢酸ナトリウムを濾過し、減圧下、エバポレータ 一にて、ジメチノレスノレホキシドを留去し、ォクタグリセローノレノナグノレタレ一 ト 15. 9 gを得た。

得られた化合物の酸価と水酸基価を測定した。酸化は 3 10. 8、水酸基価は 36. 1であった。これによりオタタグリセリンの約 9個の水酸基がグルタル化 されており、約 1個の水酸基が存在することがわかった。すなわち得られた化合 物はォクタグリセローノレノナグルタレートであった。

1H- NMR (CDC 13) より、 δ 1. 97にグルタル酸由来の一 O (C = O) CH2Cli2CH2COO—のメチレン基プロトン、 δ 2. 4 1、 2. 44に一 O (C = 0) C 2CH2C 2COO—のメチレン基プロトン、 8 3. 2-4. 6 にォクタグリセリン由来のメチレンプロトン、メチンプロトンを確認した。

ォクタグリセ口ールヘプタグルタリル. ホスファチジルエタノールァミングル タレート(下記式において k = 8、 k l = l、 k 2 = 8、 k 3 = 1である化合物) の合成


ジステアロイルホスファチジノレエタノー^/アミン 9. 4 g (0. 0 1 2mo 1 ) にクロ口ホルム(1 5 0m l ) を加え 4 5 °Cにて攪拌した。このリン脂質/クロ 口ホルム溶液にジメチルスルホキシド(1 5 m l ) に溶解した上記の粗オタタグ リセロールグルタレート 1 5. 9 g (0. 0 9 7mo 1 ) を加え、続いて、ジシ クロへキシルカルポジィミド 2. 4 g (0. 0 1 2mo l )、トリエチルァミン 1. 3 g (0. 0 1 2mo l )、 N—ヒドロキシサクシンィミド 1. 4 g (0. 0 1 2 mo 1 ) を加え、 3時間反応させた。

反応終点の確認は T L Cにておこなった。シリカゲルプレートを用いた薄層ク 口マトグラフィー(T L C) により行い、ジステアロイルホスファチジルェタノ ールァミンが検出されなくなる点とした。展開溶媒にはクロ口ホルム、メタノー ル、水の体積比が 6 5 : 2 5 : 4の混合溶媒を用いた。反応終了後、析出したジ シクロへキシルゥレアを濾過後、濾液をカラムに充填した陽ィオン交換樹脂 (DIAION SK1BH)に通した。溶出液は、メタノールを少量添加したリン酸水素ニナ トリウム水溶液に受け、中和した。硫酸ナトリウムで脱水後、濾過、濃縮をおこ なった。残渣をクロ口ホルム/アセトン/ジメチルスルホキシド、又はアセトン/ ジメチルスルホキシドで 3回晶析し、ォクタグリセロールグルタリルジステア ロイルホスファチジルエタノールァミン 1 8. 1 gを得た。

1H-NMR (CDC 13) より、 δ 0. 8 8にステアロイル基末端メチル基 プロトン、 δ 1. 2 6にステアロイル基のメチレン基プロトン、 δ 1. 9 5に

グルタル酸由来の— NH (C チレン基プロト ン、 δ 2. 29、 2. 31
OO—のメチレ ン基プロトン、 δ 3. 2-4. 5にォクタグリセリン由来のメチレンプロトン、 メチンプロトンを確認した。

実施例 12

(8) へキサグリセローノレジステアロイノレホスファチジノレエタノーノレアミンサ クシネートエステルの調製

0

II

CH3(CH2)i6-CO-CH2

0

II I

CH3(CH2)16— CO-C I

IH

I O 0 0

II II II

CH2OPO(CH2)2NHCCH2CH2C— PG(6)

O"

ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンサクシネート 4. 2 g (5. Ommo 1 ) にクロ口ホルム(10m l) を加え、 45°Cで攪拌した。このクロ 口ホルム溶液に、ジメチルスルホキシド(20mL) で溶解したへキサグリセリ ン 1 1. 6 g (25mmo 1 ) を加え、続いて、ジシクロへキシルカルポジイミ ド 2. 1 g (1 Ommo 1 )、ジメチルァミノピリジン 0. 64 g (5. 3 mm o 1) を加えた。反応は 45 °Cで 2時間おこなった。反応終点の確認は上記と同様 に TLCにておこなった。

反応終了後、析出したジシク口へキシルゥレアを濾過後、濾液をカラムに充填 した陽イオン交換樹脂(DIAION SK1BH)に通した。溶出液は、メタノールを少量添 加したリン酸水素ニナトリゥム水溶液に受け、中和した。

硫酸ナトリゥムで脱水後、濾過、濃縮をおこなった。残渣をクロ口ホルム/ァセ トン /ジメチルスルホキシド、またはァセトン /ジメチルスルホキシドで 3回晶析 し、へキサグリセロールジステアロイルホスファチジルエタノールアミンサク シネートエステルの結晶 4. 7 gを得た。

^-NMR (CDC 13) より、 δ θ. 88にステアロイル基末端メチル基プロト

ン、 δ 1 , 2 6にステアロイル基のメチレン基プロトン、 δ 2. 29、 2. 3 1 にコハク酸由来の一 NH (C = 0) CH2CH2COO—のメチレン基プロトン、 6 3. 2-4. 5にへキサグリセリン由来のメチレンプロトン、メチンプロトン を確認した。

(可溶化剤としての評価)

サンプル管に、シクロスポリン A (2 5mg) (シグマ社製)を計りとり、ジメ チルスルホキシド(1 m l ) に溶解し、シクロスポリン AZジメチルスルホキシ ド溶液を調製した。実施例 4で得られたオタタグリセロールサクシ-ルジステ ァロイルホスファチジノレエタノールアミン ( 30 mg) に上記で得られたシクロス ポリン A/ジメチルスルホキシド溶液を 20 0 μ Lを加え、加温し、完全に溶解 した。得られた溶液に精製水 8 00 Lを加えて、十分に攪拌した。

同様に、実施例 1 2のへキサグリセロールジステアロイルホスファチジルェ タノールアミンサクシネートエステルについても実験をおこなった。

次に、酢酸メドロキシプロゲステロン(シグマ社製)についても同様に実験を おこなった。

サンプル管に、酢酸メドロキシプロゲステロン(2. 5mg) を計りとり、 DMS0 (l m l) に溶解し、シクロスポリン A/DMS0溶液を調製した。実施例 4で得ら れたォクタグリセローノレサクシ二ルジステアロイノレホスファチジルエタノーノレ ァミン( 3 Omg) に上記で得られたシクロスポリン A/DMS0溶液を 2 00 Lを 加え、加温し、完全に溶解した。得られた溶液に精製水 800 を加えて、十 分に攪拌した。

同様に、実施例 1 2のへキサグリセロールジステアロイルホスファチジルェ タノールアミンサクシネートエステルについても実験をおこなった。

完全に可溶化していることの確認は目視にておこない、完全溶解時は〇、不溶 時は Xとした。

〇 : 透明

X :濁り

対照例 1 4および 1 5には、特開平 6— 2 2 8 0 2号公報や文献(インターナ ショナル 'ジャーナル 'ォプ 'ファーマコ口ジィ、 1 1 1卷、 1 0 3頁、 1 9 9 4年)で開示されているポリグリセリン脂質誘導体を使用した。

対照例 1 6は、クレモファー E L (ポリオキシル 3 5ヒマシ油:シダマ社製) を使用した。

全ての結果を表 4に示す。

表 4

DSPE PG (6) :実施例 1 2により合成。

DSPE - PG (8) :実施例 4により合成。

DSPPG (6)及び DSPPG (8) :特開平 6-228012 号公報文献 (Int. J. Pharm. 111, 103 (1994) )

産業上の利用可能性

本発明のリン脂質誘導体は生体に対して安全性が高く、化粧料の分野などにお ける界面活性剤、可溶化剤、又は分散剤として有用である。ポリグリセリン誘導 体である本発明のリン脂質誘導体をリポソームなどの脂質膜構造体の製造のため に用いると、脂質膜構造体を不安定にすることなく、水系媒体中での微粒子の凝 集を防ぎ、安定な溶液状態が得られる。さらに、本発明のリン脂質誘導体を含む リボソームは血中滞留性に優れてレ、るという特徴がある。