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1. WO2016114229 - BANDAGE PNEUMATIQUE

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明 細 書

発明の名称 空気入りタイヤ

技術分野

0001   0002  

背景技術

0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

先行技術文献

特許文献

0011  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0012  

課題を解決するための手段

0013   0014  

発明の効果

0015   0016   0017   0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

実施例

0059   0060   0061   0062   0063   0064  

符号の説明

0065  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 空気入りタイヤ

技術分野

[0001]
 本発明は、インナーライナーのスプライス部に起因するタイヤ故障を抑制するようにした空気入りタイヤに関する。
[0002]
 さらに詳しくは、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルムを含むインナーライナー部材をタイヤ内周面に有し、そのタイヤ周方向端部を互いに重ねあわせスプライスした構造の空気入りタイヤにおいて、加硫成形時や走行時のタイヤ故障の発生を抑制するようにした空気入りタイヤに関する。

背景技術

[0003]
 近年、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルムをインナーライナー部材として使用することについて、タイヤの全体重量の軽減化と空気透過防止性の高性能化を両立するため、種々の検討がなされている(例えば特許文献1-3参照)。
[0004]
 例えば、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルムとその両サイドに積層されたゴムシートの少なくとも3層構造から構成されたインナーライナー部材をタイヤ内周面に内貼りして使用することが検討され、このようなインナーライナー部材をタイヤ構造部材として用いるためには、タイヤ成形ドラムにインナーライナー部材を巻き付けて、その端部をラップスプライスしてタイヤの加硫工程に供するという製造手法が採用される(例えば特許文献4-5参照)。
[0005]
 具体的には、そうした積層構造を持つインナーライナー部材をタイヤ成形ドラムに円筒状を呈するように巻き付け、その際に、両方の周方向端部どうしをラップスプライスした後、タイヤの加硫成形工程に供して、空気入りタイヤを製造するという手法がとられる。
[0006]
 そうした手法をとるに際して、フィルムとその両サイドに積層されたゴムシートの少なくとも3層構造から構成されたインナーライナー部材を使用することは、ゴムシートどうしが重ね合わせられてラップスプライスされることになり、両端部の接合を確実に行うことができるので好ましいものである。
[0007]
 しかし、加硫成形中~成形直後までの工程間で、フィルムとゴムシートとの界面で剥離を起こしたり、接合部(スプライス部)が開口(目開き)してしまうという現象を生ずることがあった。
[0008]
 これを、図で説明すると、図4(a)に示したように、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルム2とその両サイドに積層されたゴムシート3A、3Bの少なくとも3層構造から構成されたインナーライナー部材1が、タイヤサイズに応じて定まる所要サイズ(長さ)に形成されて、二点鎖線でモデル的に示したタイヤ成形ドラム5上にて、その両端部にラップスプライス部4を設けて、全体が環状を成すようにして重ね合わされてラップスプライスされる。ゴムシート3Bは、カーカス層などの他のタイヤ構成部材と接合させる機能を有するタイゴムとしての機能を有するものである。なお図4(a)~(c)で、上の方がタイヤ径方向外側、下の方がタイヤ径方向内側、横方向がタイヤ周方向である。
[0009]
 インナーライナー部材1のラップスプライス部4は、グリーンタイヤの成形から加硫成形までの工程で、図4(b)に示したように、フィルム2とゴムシート3Aとの界面、特に端部付近の界面で剥離状態6を起こすことがある。例えばインナーライナー部材1を構成するゴムシート3Aが、成形ドラム5の表面と間で密着力(タック)が強いため、グリーンタイヤを成形し成形ドラム5から取り外すとき、ゴムシート3Aの端部付近が成形ドラム5側に引っ張られ、フィルム2とゴムシート3Aとの界面に剥離状態6を起こすことがある。
[0010]
 加硫成形後のインナーライナー部材は、図4(c)に示したように、その全体がインナーライナー層10を形成する。ラップスプライス部4付近では、フィルム2の端部どうしが、ゴムシートからなる部材を介して重なっている。図4(c)のフィルム2の先端付近7の一点鎖線で囲んだ領域は、空気入りタイヤの成形加工時および走行時においてもフィルム2とゴム部材の剥離などのタイヤ故障の発生が注意されるべき箇所となる。

先行技術文献

特許文献

[0011]
特許文献1 : 日本国特開平8-217932号公報
特許文献2 : 国際公開第2008/53747号
特許文献3 : 国際公開第2012/086276号
特許文献4 : 日本国特開2006-198848号公報
特許文献5 : 日本国特開2012-6499号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0012]
 本発明の目的は、上述したような点に鑑み、インナーライナーのスプライス部に起因するタイヤ故障を抑制するようにした空気入りタイヤを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0013]
 上述した目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルム2とその両サイドに積層されたゴムシート3A、3Bの少なくとも3層構造から構成されたインナーライナー部材1をタイヤ内周面に内貼りし、前記フィルム2のタイヤ周方向端部が前記ゴムシート3A、3Bを介して重なるラップスプライス部4を有する空気入りタイヤであって、前記ラップスプライス部4において少なくともタイヤ径方向内側に位置する前記フィルム2の厚さがその端部の先端2eに向かって漸減するとともに、この先端2eがタイヤ径方向外側または内側に向かって屈曲し、かつ先端2eが前記ゴムシート3A、3Bにより覆われていることを特徴とする。
[0014]
 また本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ成形ドラムの外周にインナーライナー部材1をそのタイヤ周方向の両端部を互いに重ね合わせてスプライスする工程を含む空気入りタイヤの製造方法において、前記インナーライナー部材1として、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルム2とその両サイドに積層されたゴムシート3A、3Bの少なくとも3層構造で構成され、前記フィルム2の少なくとも1つの端部が、その厚さが前記端部の先端2eに向かって漸減するとともに、この先端2eが前記フィルム2の面外方向に屈曲する先細屈曲構造であり、かつ先端2eが前記ゴムシート3A、3Bにより覆われた複合シートを使用し、前記フィルム2が先細屈曲構造であるインナーライナー部材1の端部を、タイヤ成形ドラムの上に載せて巻き始め、前記フィルム2のタイヤ周方向端部が前記ゴムシート3A、3Bを介して互いに重なるようにラップスプライスすることを特徴とする。

発明の効果

[0015]
 本発明の空気入りタイヤによれば、ラップスプライス部4のタイヤ径方向内側のフィルム2が、その厚さが先端2eに向かって漸減するとともに、この先端2eがタイヤ径方向外側または内側に向かって屈曲し、かつ先端2eがゴムシート3A、3Bにより覆われるようにしたので、タイヤの加硫成形時のラップスプライス部の剥がれや開口(目開き)等が起きるのを抑制するとともに、走行を開始した後、ラップスプライス部4付近においてクラックが発生することなどのタイヤ故障発生がなく、耐久性に優れた空気入りタイヤが提供される。
[0016]
 また、本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、上述の優れた空気入りタイヤを容易かつ確実に製造することができる。
[0017]
 本発明において、前記フィルム2の本体の厚さをtとするとき、前記先端2eの厚さTが、0.05t以上0.2t以下であるとよい。また前記フィルム2の厚さが漸減する領域の長さLが、t×2以上t×4以下であるとよい。前記フィルム2の本体の厚さtとしては、50μm以上200μm以下であるとよい。
[0018]
 空気入りタイヤの赤道方向断面において、前記フィルム2の厚さ方向の中心線の前記屈曲を開始する点Fにおける接線と、前記屈曲開始点Fおよび前記先端2eの厚さTの中心を結ぶ直線とがなす屈曲角θが、90°以上135°以下であるとよい。また前記ラップスプライス部4の長さSが3~30mmの範囲にあるとよい。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 図1は、本発明の空気入りタイヤの実施形態の一例を示した一部破砕斜視図であり、インナーライナー部材のラップスプライス部のタイヤ内における位置関係を説明するものである。
[図2] 図2は、本発明の空気入りタイヤのインナーライナー部材のラップスプライス部の実施形態を例示する、タイヤ赤道方向断面の一部を拡大して示す説明図である。
[図3] 図3(a)、(b)はそれぞれ、本発明の空気入りタイヤを構成するフィルムの端部における寸法を定義する、タイヤ赤道方向断面の一部を拡大して示す説明図である。
[図4] 図4(a)、(b)、(c)は、従来の空気入りタイヤにおけるインナーライナー部材のラップスプライス部のタイヤ赤道方向の断面を模式的に説明するものであり、図4(a)は、インナーライナー部材を、周方向の両端部を重ね合わせてスプライスしタイヤ成形ドラム上で環状にした状態を示し、図4(b)は、図4(a)に示した状態でタイヤを成形する際にフィルムとゴムシートの間に剥離が生じた状態を模式的に示し、図4(c)は加硫後のスプライス部の構造例を例示する説明図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、本発明の空気入りタイヤについて、図面などを参照してさらに詳しく説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの実施形態の1例を示した一部破砕斜視図である。矢印Eはタイヤ幅方向を示し、矢印Xはタイヤ周方向を示している。
[0021]
 図1において、空気入りタイヤTは、トレッド部11の左右にサイドウォール部12とビード部13を連接するように設けている。そのタイヤ内側には、タイヤの骨格たるカーカス層14が、タイヤ幅方向に左右のビード16、16間に跨るように設けられている。トレッド部11に対応するカーカス層14の外周側にはスチールコードからなる2層のベルト層15が設けられている。カーカス層14の内側には、インナーライナー層10が配され、そのスプライス部4がタイヤ幅方向に延びて存在している。
[0022]
 図2において本発明の空気入りタイヤは、その内周面にインナーライナー部材1を有し、そのタイヤ周方向両側の端部が互いに重なりスプライスされたラップスプライス構造を有する。インナーライナー部材1は、フィルム2とその両サイドに積層されたゴムシート3A、3Bの少なくとも3層構造で構成される。フィルム2は熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルムである。なお、図2および後述する図3において、フィルム2およびゴムシート3A、3Bの本体の断面は、理解を容易にするため直線状に描かれている。実際は、空気入りタイヤの大きさに応じ、フィルム2およびゴムシート3A、3Bは、適当な曲率で延在する。
[0023]
 インナーライナー部材1を構成するフィルム2は、少なくともタイヤ径方向内側に位置するフィルム2の厚さが、その端部の先端2eに向かって漸減するとともに、この先端2eがタイヤ径方向外側または内側に向かって屈曲する先細屈曲構造を有する。スプライス部4のタイヤ径方向内側に配置されたフィルム2の端部は、上述した先細屈曲構造を必ず有する。また径方向外側に配置されたフィルム2の端部は、任意に先細屈曲構造でもよい。また同時にフィルム2の先端2eはゴムシート3A、3Bにより覆われている。また、インナーライナー部材1(フィルム2)の両端どうしの接合は、ゴムシート3Aおよび3Bを介してフィルム2が互いに重なる構造であり、ゴム-ゴムどうしが接合し加硫するため、接着力が大きい。
[0024]
 フィルム2の端部が先細屈曲構造でありゴムシート3A、3Bで覆われていることにより、フィルム2とゴムシート3Aとが剥離するのを抑制することができる。すなわち成形したグリーンタイヤを成形ドラム5から取り外すとき、ゴムシート3Aの端部付近が成形ドラム5側に引っ張られたとしても、その力はフィルム2の先細屈曲構造の端部の表面に沿って作用する力と、フィルム2の表面に垂直方向に作用する力とに分けられる。したがって、フィルム2の先細屈曲した端部の表面に垂直方向に働き、ゴムシート3Aを剥離させる力が低減される。さらに、先細屈曲した端部の表面に沿って作用するせん断力は、先細屈曲した端部が自ら柔軟に変形することにより吸収され軽減される。これにより空気入りタイヤの成形時に、ゴムシート3Aがフィルム2から剥離するのを抑制し、空気入りタイヤの品質および生産性を改良することができる。
[0025]
 また上述したように空気入りタイヤを製造するとき、インナーライナー部材1のラップスプライスを確実に行い故障を抑制するとともに、成形したタイヤにおいてフィルム2の先細屈曲した端部の形態が保持される。このため、空気入りタイヤを車両に装着し使用を開始したとき、走行時におけるタイヤ内周面上のスプライス部付近におけるクラックや剥離の発生、接合部が開口するなどのタイヤ故障が発生するのを抑制し、タイヤ耐久性を大幅に改良することができる。
[0026]
 本発明のフィルム2の先端2eが屈曲する方向は、タイヤ径方向の外向き、内向きのいずれでもよい。また少なくともラップスプライス部の径方向内側のフィルム2の先端2eが先細屈曲構造であればよく、ラップスプライス部の径方向外側のフィルム2の先端2eは任意に先細屈曲構造でもよい。また径方向内側および外側の先端2eが先細屈曲構造のとき、両方が同じ方向に向かって屈曲しても、反対方向に屈曲してもよい。好ましくは両側の先端2eが、ともに径方向内側に向かって屈曲するか、径方向外側に屈曲するのがよい。
[0027]
 本発明の空気入りタイヤにおいて、フィルム2のタイヤ周方向の両端部が互いに重なり合うラップスプライス部4の長さSは、好ましくは3~30mm、より好ましくは5~21mm、さらに好ましくは7~12mmの範囲であるとよい。ラップスプライス部4の長さSが3mm未満であると目開きを起こし易くなる。またラップスプライス部4の長さSが30mmを超えるとその周辺領域に対し剛性が過大になりタイヤの均一性(ユニフォミティ)が低下する虞がある。
[0028]
 図3(a)に示すように、フィルム2の本体の厚さをtとするとき、フィルム2の先端2eの厚さTが、好ましくは0.05t以上0.2t以下、より好ましくは0.07t以上0.15t以下であるとよい。フィルム2の先端2eの厚さTが0.05t未満であるとフィルム先端の剛性が低下するため、安定したラップスプライスがしにくくなる虞がある。また先端2eの厚さTが0.2tを超えるとフィルム先端部分の柔軟性が低下するため、グリーン成形から加硫の間で変形に追従しにくくなる虞がある。
[0029]
 またフィルム2の厚さが漸減する領域の長さLが、好ましくは2t以上4t以下、より好ましくは2.5t以上3.5t以下であるとよい。フィルム2が先細りする部分の長さLが2t未満であると先端部分を屈曲させるために十分な長さを確保することが出来なくなる虞がある。また先細りする部分の長さLが4tを超えるとフィルムの先端からゴムシート表面までの距離が短くなり、ゴムシートにクラックが発生する原因になる虞がある。本発明において、先細りする部分の長さLは、フィルム2の先端2eからフィルム本体へ向かって、その厚さの減少が始まるところまでの、フィルム厚さ方向中心を通る長さとする。
[0030]
 本発明において、フィルム2の本体の厚さtは、特に限定されないが、好ましくは50μm以上200μm以下、より好ましくは70μm以上100μm以下であるとよい。フィルム2の本体の厚さtが50μm未満であるとタイヤにしたとき空気透過防止性能が十分に得られない虞がある。またフィルム2の厚さtが200μmを超えるとフィルムの剛性が高くなるため、ゴムシートとの剛性差が大きくなり、フィルム剥がれの原因になる虞がある。
[0031]
 またゴムシート3A、3Bの厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1~1.8mm、より好ましくは0.2~1.0mmであるとよい。ゴムシート3A、3Bの厚さが0.1mm未満であるとフィルム2への積層作業が悪くなる虞がある。またゴムシート3A、3Bの厚さが1.8mmを超えるとタイヤの重量増加を招くことになるので望ましくない。
[0032]
 図3(b)に示すように、空気入りタイヤの赤道方向断面において、フィルム2の厚さ方向の中心線の屈曲を開始する点Fにおける接線と、屈曲開始点Fおよび先端2eの厚さTの中心を結ぶ直線とがなす屈曲角θが、好ましくは90°以上135°以下、より好ましくは100°以上130°以下であるとよい。先細屈曲した端部の屈曲角θが90°未満であるとラップスプライス部の強度が却って低下する。また先細屈曲した端部の屈曲角θが135°を超えると成形ドラムからグリーンタイヤを取り出す際に発生する、スプライス部分の剥離力により、フィルムとゴムシートの界面の剥離が発生する虞がある。なお上述した通り、図2および図3に記載されたフィルム2およびゴムシート3A、3Bの本体の断面は適当な曲率で延在しており、点Fはその曲線上にある。そして点Fにおけるその曲線の接線が上記屈曲角θを決める接線になる。
[0033]
 本発明の空気入りタイヤの製造方法は、インナーライナー部材1として、フィルム2とその両サイドにゴムシート3A、3Bを積層した少なくとも3層構造で構成された複合シートを使用する。この複合シートはフィルム2の少なくとも1つの端部が、その厚さが端部の先端2eに向かって漸減するとともに、先端2eがフィルム2の面外方向に屈曲する先細屈曲構造であり、かつ先端2eがゴムシート3A、3Bにより覆われている。この先細屈曲した端部を有するフィルム2を含むインナーライナー部材1は、フィルム2とその両サイドにゴムシート3A、3Bを積層した少なくとも3層構造の複合シートの端部にすべき位置を、刃先を丸めた刃物で押し切りすることにより形成することができる。またフィルム2は、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分として形成される。
[0034]
 本発明の製造方法は、フィルム2が先細屈曲構造であるインナーライナー部材1の端部を、タイヤ成形ドラムの上に載せて巻き始め、他方の端部(巻き終わり端)がタイヤ成形ドラム上の巻き始め端の上に重ね合わせる工程を含む。これによりフィルム2のタイヤ周方向端部がゴムシート3A、3Bを介して互いに重なるようにラップスプライスされ、同時にフィルム2の先細屈曲した端部がラップスプライス部のタイヤ径方向内側に配置される。タイヤ成形ドラムの上に巻回されたインナーライナー部材1の外周側には、カーカス層、ベルト層等の所定のタイヤ構成部材が積層される。その後、インナーライナー部材1の内周面からタイヤ成形ドラムが取り外される。
[0035]
 本発明では、インナーライナー部材1の内周面からタイヤ成形ドラムが取り外すとき、上述したように、ゴムシート3Aの端部がフィルム2から剥離するのを抑制することができる。
[0036]
 本発明の製造方法において、フィルム2の本体の厚さtに対し、先端2eの厚さTを、好ましくは0.05t以上0.2t以下、より好ましくは0.07t以上0.15t以下にするとよい。またフィルム2の端部において、その厚さが漸減する領域の長さLを、好ましくは2t以上4t以下、より好ましくは2.5t以上3.5t以下にするとよい。さらにフィルム2の本体の厚さtを、好ましくは50μm以上200μm以下、より好ましくは70μm以上100μm以下にするとよい。
[0037]
 また空気入りタイヤの赤道方向断面において、フィルム2の厚さ方向の中心線上で屈曲を開始する点Fにおける接線と、屈曲開始点Fおよび先端2eの厚さTの中心を結ぶ直線とがなす屈曲角θを、好ましくは90°以上135°以下、より好ましくは100°以上130°以下にするとよい。またフィルム2の両側の端部を互いに重ね合わせたラップスプライス部4の長さSを、好ましくは3~30mm、より好ましくは5~21mm、さらに好ましくは7~12mmの範囲にするとよい。
[0038]
 本発明において、フィルム2は、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムか、または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルムである。
[0039]
 フィルム2に用いることのできる樹脂としては、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を使用できるが、取扱い性の良さから熱可塑性樹脂を主成分にするものが好ましい。熱可塑性樹脂については、詳細を後述する。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂などが好ましい。
[0040]
 フィルム2に用いることのできる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN-アルコキシアルキル化物〔例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物〕、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体(ETFE)〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を用いることができる。
[0041]
 なかでも、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が、物性面や加工性、取扱い性などの点で好ましい。
[0042]
 また、フィルム2を構成することができる熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物(熱可塑性エラストマー組成物)は、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとる。かかる構造をとることにより、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得ることができる。熱可塑性エラストマー組成物を構成する熱可塑性樹脂とエラストマーは、熱可塑性樹脂については上述のものを使用できる。熱可塑性エラストマー組成物を構成するエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M-EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br-IIR、CI-IIR、臭素化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体(BIMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M-CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することができる。
[0043]
 特に、複数のエラストマーをブレンドするとき、そのうち50重量%以上が、ハロゲン化ブチルゴムまたは臭素化イソブチレンパラメチルスチレン共重合ゴムまたは無水マレイン酸変性エチレンαオレフィン共重合ゴムであることが、ゴム体積率を増やして低温から高温に至るまで柔軟、高耐久化できる点で好ましい。
[0044]
 また、熱可塑性エラストマー組成物中の熱可塑性樹脂の50重量%以上が、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/12共重合体、ナイロン6/10共重合体、ナイロン4/6共重合体、ナイロン6/66/12共重合体、芳香族ナイロン、およびエチレン/ビニルアルコール共重合体のいずれかであることが優れた耐久性を得ることができるものであり、好ましい。
[0045]
 また、上述した特定の熱可塑性樹脂およびエラストマーを組合せて熱可塑性エラストマー組成物を調製する際に、両者の相溶性が不足するときは、第3成分として適当な相溶化剤を用いて相溶化させることができる。熱可塑性樹脂およびエラストマーのブレンド系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマーとの界面張力が低下し、その結果、分散相を形成しているエラストマーの粒子径が微細になることから両成分の特性がより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては、一般的に熱可塑性樹脂およびエラストマーの両方または片方の構造を有する共重合体、あるいは熱可塑性樹脂またはエラストマーと反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることができる。これらはブレンドされる熱可塑性樹脂とエラストマーの種類によって選定すればよいが、通常使用されるものには、スチレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM、EPM、EPDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定されないが、好ましくは、ポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマーとの合計)100重量部に対して、0.5~10重量部がよい。
[0046]
 熱可塑性エラストマー組成物において、熱可塑性樹脂とエラストマーとの組成比は、特に限定されるものではない。例えば熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として均一に分散した構造をとるように、組成比を適宜決めればよい。熱可塑性樹脂とエラストマーとの組成比は、熱可塑性樹脂/エラストマーの重量比で、好ましくは90/10~20/80、より好ましくは80/20~30/70であるとよい。
[0047]
 本発明において、熱可塑性樹脂、または熱可塑性樹脂とエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物には、例えば、フィルム2を構成することに必要な特性を損なわない範囲内で、上述した相溶化剤以外にも、他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、材料の成型加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。
[0048]
 また、一般的にポリマー配合物に配合される充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止剤等をフィルム2としての必要特性を損なわない限り、任意に配合することもできる。
[0049]
 また、熱可塑性樹脂とブレンドされるエラストマーは、熱可塑性樹脂との混合の際に、動的に加硫することもできる。動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラストマーの組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。
[0050]
 このように熱可塑性樹脂組成物中のエラストマーが動的加硫をされていることは、得られる熱可塑性エラストマー組成物が加硫エラストマーを含んだものとなるので、外部からの変形に対して抵抗力(弾性)があり、本発明の効果を大きくできることになり好ましい。
[0051]
 加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオウ系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例えば、0.5~4phr(本明細書において、「phr」は、エラストマー成分100重量部あたりの重量部をいう。以下、同じ。)程度用いることができる。
[0052]
 また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、1~20phr程度用いることができる。
[0053]
 更に、フェノール樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例示でき、例えば、1~20phr程度用いることができる。
[0054]
 その他として、亜鉛華(5phr程度)、酸化マグネシウム(4phr程度)、リサージ(10~20phr程度)、p-キノンジオキシム、p-ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ-p-ベンゾキノン、ポリ-p-ジニトロソベンゼン(2~10phr程度)、メチレンジアニリン(0.2~10phr程度)が例示できる。
[0055]
 また、必要に応じて、加硫促進剤を添加してもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般的な加硫促進剤を、例えば、0.5~2phr程度用いることができる。
[0056]
 また、ゴムシート3A、3Bを構成するゴム材料には、天然ゴム、イソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、水素化スチレンブタジエンゴム等のジエン系ゴムや、エチレンプロピレンゴム、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴムなどのオレフィン系ゴム等を好ましく使用できる。
[0057]
 そして、上記フィルム2は、隣接するゴムシート3A、3Bとの接着性を高めるために接着層を介在させて積層するとよい。接着層を構成するポリマーとしては、分子量100万以上、好ましくは300万以上の超高分子量ポリエチレン、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸共重合体等のアクリレート共重合体類及びそれらの無水マレイン酸付加物、ポリプロピレン及びそのマレイン酸変性物、エチレンプロピレン共重合体及びそのマレイン酸変性物、ポリブタジエン系樹脂及びその無水マレイン酸変性物、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、フッ素系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂などが好ましく使用される。
[0058]
 以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例
[0059]
 インナーライナー部材1を構成するフィルム2の形態およびラップスプライス部4の長さSを表1のように異ならせたインナーライナー層を有する7種類(従来例、実施例1~4、比較例1~2)のグリーンタイヤ(タイヤサイズが195/65R91H)を100本ずつ成形した。なおフィルム2は、ナイロン6/66共重合体(N6/66)と、臭素化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体(BIMS)とを、重量比50/50で含む熱可塑性エラストマー組成物を主成分とし、その厚さtを100μm(0.1mm)にすることを共通にした。またゴムシート3A、3Bの厚さは、いずれも0.5mmにした。なお、実施例1~4の空気入りタイヤに使用したインナーライナー部材1は、スプライス部の径方向内側および外側の両方のフィルム2の端部が先細屈曲構造であり、両方の端部とも径方向内側に向け屈曲するようにした。グリーンタイヤの内周面における耐剥がれ性(耐剥離性)を以下に記載する評価した。
[0060]
(a)グリーンタイヤでの耐剥がれ性(耐剥離性):
 完成したグリーンタイヤの内周面を目視で観察し、インナーライナーのスプライス部における剥がれの有無を確認した。得られた結果は、従来例の剥離数を100とする指数として表1の「グリーンタイヤの耐剥離性」の欄に記載した。この指数が小さいほど、インナーライナーの剥がれが少なく、成形性が優れることを意味する。
[0061]
 得られたグリーンタイヤを加硫し、それぞれ100本ずつの空気入りタイヤを製造した。この空気入りタイヤの耐久性試験後の耐剥がれ性(耐剥離性)を以下に記載する評価した。
[0062]
(b)空気入りタイヤ(製品タイヤ)での耐剥がれ性(耐剥離性):
 製造した空気入りタイヤをJATMA標準リム15×6Jに取り付け、空気をタイヤ内圧で120kPaに充填した。このタイヤをJIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)にかけて、荷重7.24kN、速度81km/hで80時間走行させた。その後、インナーライナーのスプライス部のタイヤ内面を目視で観察し、剥がれおよびクラックの有無の確認した。得られた結果は、従来例の剥離およびクラックの数を100とする指数として表1の「製品タイヤの耐剥離性」の欄に記載した。この指数が小さいほど、インナーライナーの剥がれが少なく、タイヤ耐久性が優れることを意味する。
[0063]
 表1に示したように、本発明にかかる空気入りタイヤは、グリーンタイヤの成形時、さらに製造した空気入りタイヤの耐久性試験後のいずれにおいても、ラップスプライス部付近において剥がれやクラックの発生が抑制され、故障の発生がない空気入りタイヤであることがわかる。
[0064]
[表1]


符号の説明

[0065]
 1:インナーライナー部材
 2:フィルム
 3A、3B:ゴムシート
 4:ラップスプライス部
 5:タイヤ成形ドラム
 6:剥離状態
 7:フィルムの先端付近
10:インナーライナー層
11:トレッド部
12:サイドウォール部
13:ビード
14:カーカス層
15:ベルト層
16:ビード
T:空気入りタイヤ
L:フィルムの厚さが漸減する領域の長さ
S:フィルムの周方向のラップスプライス長さ
E-E:タイヤ幅方向
X-X:タイヤ周方向

請求の範囲

[請求項1]
 熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルム2とその両サイドに積層されたゴムシート3A、3Bの少なくとも3層構造から構成されたインナーライナー部材1をタイヤ内周面に内貼りし、前記フィルム2のタイヤ周方向端部が前記ゴムシート3A、3Bを介して重なるラップスプライス部4を有する空気入りタイヤであって、前記ラップスプライス部4において少なくともタイヤ径方向内側に位置する前記フィルム2の厚さがその端部の先端2eに向かって漸減するとともに、この先端2eがタイヤ径方向外側または内側に向かって屈曲し、かつ先端2eが前記ゴムシート3A、3Bにより覆われていることを特徴とする空気入りタイヤ。
[請求項2]
 前記フィルム2の本体の厚さをtとするとき、前記先端2eの厚さTが、0.05t以上0.2t以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
[請求項3]
 前記フィルム2の本体の厚さをtとするとき、前記フィルム2の厚さが漸減する領域の長さLが、2t以上4t以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
[請求項4]
 前記空気入りタイヤの赤道方向断面において、前記フィルム2の厚さ方向の中心線の前記屈曲を開始する点Fにおける接線と、前記屈曲開始点Fおよび前記先端2eの厚さTの中心を結ぶ直線とがなす屈曲角θが、90°以上135°以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[請求項5]
 前記ラップスプライス部4の長さSが3~30mmの範囲にあることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[請求項6]
 前記フィルム2の本体の厚さtが、50μm以上200μm以下である特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[請求項7]
 タイヤ成形ドラムの外周にインナーライナー部材1をそのタイヤ周方向の両端部を互いに重ね合わせてスプライスする工程を含む空気入りタイヤの製造方法において、
 前記インナーライナー部材1として、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とするフィルム2とその両サイドに積層されたゴムシート3A、3Bの少なくとも3層構造で構成され、前記フィルム2の少なくとも1つの端部が、その厚さが前記端部の先端2eに向かって漸減するとともに、この先端2eが前記フィルム2の面外方向に屈曲する先細屈曲構造で、かつ先端2eが前記ゴムシート3A、3Bにより覆われた複合シートを使用し、
 前記フィルム2が先細屈曲構造であるインナーライナー部材1の端部を、タイヤ成形ドラムの上に載せて巻き始め、前記フィルム2のタイヤ周方向端部が前記ゴムシート3A、3Bを介して互いに重なるようにラップスプライスすることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
[請求項8]
 前記フィルム2の本体の厚さをtとするとき、前記先端2eの厚さTが、0.05t以上0.2t以下であることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤの製造方法。
[請求項9]
 前記フィルム2の本体の厚さをtとするとき、前記フィルム2の厚さが漸減する領域の長さLが、2t以上4t以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の空気入りタイヤの製造方法。
[請求項10]
 前記空気入りタイヤの赤道方向断面において、前記フィルム2の厚さ方向の中心線の前記屈曲を開始する点Fにおける接線と、前記屈曲開始点Fおよび前記先端2eの厚さTの中心を結ぶ直線とがなす屈曲角θが、90°以上135°以下であることを特徴とする請求項7~9のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
[請求項11]
 前記ラップスプライスの長さSが3~30mmの範囲にあることを特徴とする請求項7~10のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
[請求項12]
 前記フィルム2の本体の厚さtが、50μm以上200μm以下である特徴とする請求項7~11のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]