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1. WO2020158618 - PROCÉDÉ DE FABRICATION DE PEINTURE, PROCÉDÉ DE FABRICATION DE SUPPORT D'ENREGISTREMENT MAGNÉTIQUE, PROCÉDÉ DE MESURE DE DISPERSIVITÉ DE PEINTURE, ET APPAREIL D'AGITATION

Document

明 細 書

発明の名称 塗料の製造方法、磁気記録媒体の製造方法、塗料の分散性の測定方法および撹拌装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094  

符号の説明

0095  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 塗料の製造方法、磁気記録媒体の製造方法、塗料の分散性の測定方法および撹拌装置

技術分野

[0001]
 本開示は、塗料の製造方法、磁気記録媒体の製造方法、塗料の分散性の測定方法および撹拌装置に関する。

背景技術

[0002]
 近年の記録量の増大に伴い、テープ状の磁気記録媒体はバックアップ用途で益々必要性が高まっている。テープ状の磁気記録媒体では、記録密度向上のために、従来主流であった磁性粉を磁性層の長手方向に平行に配向させる長手磁気記録方式に代えて、磁性層の厚み方向に磁性粉を配向させる垂直磁気記録方式の磁気記録媒体が採用されるようになっている。
[0003]
 垂直磁気記録方式の磁気記録媒体では、磁性粉の垂直配向性を向上させることが重要となる。特許文献1では、磁性粉の垂直配向性を向上させる技術として、磁性層形成用の塗料をフィルム状の支持体に塗布後、永久磁石で塗膜の厚み方向に外部磁場を加え磁性粉の配向性を整えながら、乾燥させる技術が採用されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 国際公開第2018/203468号パンフレット

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 磁性粉の配向性は、塗料中における磁性粉の分散状態に依存する。すなわち、凝集した塊状の磁性粉は、自身の慣性が大きく、外部磁場を印加しても動きが鈍いため、意図したように磁性粉を垂直配向させることは困難である。記録密度の向上に伴って、磁性粉が微細になると、磁性粉は特に凝集しやすくなるため、意図したように磁性粉を垂直配向性させることはさらに困難になる。
[0006]
 したがって、磁性粉の垂直配向性を高めるためには、塗料状態で磁性粉の分散性を評価する方法が望まれるが、従来、このような評価方法は存在していなかった。
[0007]
 本開示の目的は、塗料状態で磁性粉の分散性を評価することができる塗料の分散性の測定方法、この測定方法を用いた塗料の製造方法、磁気記録媒体の製造方法および撹拌装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 上述の課題を解決するために、第1の開示は、
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定することと、
 測定したインピーダンスに基づき、塗料の撹拌を制御することと
 を含む塗料の製造方法である。
[0009]
 第2の開示は、
 磁性粉を含む塗料を撹拌する撹拌部と、
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
 測定したインピーダンスに基づき、撹拌部を制御する制御部と
 を備える撹拌装置である。
[0010]
 第3の開示は、
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定することと、
 測定したインピーダンスに基づき、塗料の撹拌を制御することと、
 撹拌が制御された塗料を用いて磁性層を形成することと
 を含む磁気記録媒体の製造方法である。
[0011]
 第4の開示は、
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定すること
 を含む塗料の分散性の測定方法である。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 図1は、本開示の第1の実施形態に係る撹拌装置の構成の一例を示す概略図である。
[図2] 図2Aは、配管のうち、インピーダンス測定部が設けられた部分の構成の一例を示す側面図である。図2Bは、図2AのIIB-IIB線に沿った断面図である。
[図3] 図3は、撹拌時間とインピーダンスとの関係を示すグラフである。
[図4] 図4は、本開示の第1の実施形態に係る撹拌装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
[図5] 図5は、温度制御の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
[図6] 図6は、濃度制御の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
[図7] 図7Aは、インピーダンス測定部が設けられた撹拌部の構成の一例を示す概略図である。図7Bは、オフラインによるインピーダンス測定の一例を説明するための概略図である。
[図8] 図8は、本開示の第2の実施形態に係るテープ状の磁気記録媒体の構成の一例を示す断面図である。
[図9] 図9は、周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフである。
[図10] 図10は、周波数と位相差(電流に対する電圧の位相差)との関係を示すグラフである。
[図11] 図11は、分散時間とインピーダンス、垂直配向度(長手方向の角形比)との関係を示すグラフである。
[図12] 図12は、周波数と垂直配向度(長手方向の角形比)との関係を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0013]
 本開示において、塗料のインピーダンス測定は、インライン測定およびオフライン測定のいずれであってもよいが、インライン測定が好ましい。インライン測定では、密閉下での測定となり、揮発による濃度変化が少なく、また電極と撹拌装置の配管や撹拌部等の壁面との位置関係が一定であるため、オフラインでの測定よりも測定値のバラつき要因を少なくすることができる。また、インライン測定では、オフライン測定のように、抜き取り塗料および抜き取った塗料を収容する容器を準備する必要がない。さらに、インライン測定では、有機溶媒を含有する塗料を測定者が直接ハンドリングする必要性が無い。
[0014]
 インラインでのインピーダンスの測定方法としては、例えば、配管内を流れる塗料のインピーダンスを測定する方法、または撹拌部内に収容されている塗料のインピーダンスを測定する方法が挙げられる。この場合、インピーダンスの測定は、例えば、配管内または撹拌部内に一対の電極を配置することにより行われる。迷電流の発生を抑制する観点からすると、配管または撹拌部等のうち、電極が配置される部分は、絶縁材料により構成されていることが好ましい。
[0015]
 塗料のインピーダンスは、磁性粉の分散状態以外にも、塗料の濃度、温度および流速の影響を受ける。したがって、塗料の濃度、温度および流速のうちの少なくとも1つの因子の影響を受けるような測定環境下または撹拌装置等においては、それらのうちの少なくとも1つの因子を一定に制御することが好ましい。
[0016]
 本開示の実施形態について以下の順序で説明する。
1 概要
2 第1の実施形態
 2.1 撹拌装置の構成
 2.2 塗料の製造方法
 2.3 塗料の温度の制御方法
 2.4 塗料の濃度の制御方法
 2.5 効果
 2.6 変形例
3 第2の実施形態
 3.1 磁気記録媒体の構成
 3.2 磁気記録媒体の製造方法
 3.3 塗料の測定値
 3.4 効果
 3.5 変形例
[0017]
<1 概要>
 本発明者らは、塗料組成に着目し、鋭意検討を行ったところ、以下の特徴を見出すに至った。すなわち、磁性粉や分散剤等の導電性のある粒子を絶縁性の高い溶媒に混ぜた塗料では、分散が進むと、導電パスを担っていた各粒子鎖が分離し、粒子間に絶縁性の溶媒が侵入し、導電パスが分断されることで、塗料としてはインピーダンス値が高くなる特徴を示すことを見出すに至った。
[0018]
 本発明者らは、上記検討の結果に基づき、磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定することで、塗料状態で磁性粉の分散性を評価することができる塗料の分散性の測定方法、およびこの測定方法を用いた塗料の製造方法、磁気記録媒体の製造方法および撹拌装置を案出するに至った。
[0019]
<2 第1の実施形態>
[2.1 撹拌装置の構成]
 図1は、本開示の第1の実施形態に係る撹拌装置の構成の一例を示す。撹拌装置は、撹拌部11と、配管12A、12Bと、ポンプ13と、インピーダンス測定部14と、温度測定部15と、濃度測定部16と、冷却部17と、溶媒供給部18、演算部19と、設定部20と、制御部21とを備える。撹拌装置が、表示装置およびスピーカ等の出力部(図示せず)をさらに備えていてもよい。
[0020]
(撹拌部)
 撹拌部11は、塗料を収容し撹拌する。塗料は、例えば、磁気記録媒体の磁性層形成用の塗料であり、磁性粉と結着剤(バインダ)と溶媒(有機溶媒)とを含む。塗料が、必用に応じて、潤滑剤、帯電防止剤、研磨剤、硬化剤、防錆剤および非磁性補強粒子等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。
[0021]
(配管)
 配管12A、12Bは、撹拌部11内の塗料を循環させるためのものである。配管12Aは撹拌部11とポンプ13とをつなぎ、配管12Bはポンプ13と撹拌部11との間をつなぐ。配管12Aを介して塗料が撹拌部11からポンプ13に送られ、配管12Bを介して塗料がポンプ13から撹拌部11に戻される。
[0022]
 配管12Aにはバルブ12A が設けられており、このバルブ12A を開閉することにより、撹拌部11とポンプ13と間の流路が開閉される。図1では、バルブ12A が手動操作バルブである例が示されているが、制御部21により開閉が制御されるソレノイドバルブ(電磁弁)等の自動操作バルブであってもよい。なお、バルブ12A は開閉のみならず、塗料の流量調整が可能なものであってもよい。
[0023]
(ポンプ)
 ポンプ13は、撹拌部11の塗料を配管12A、12Bを介して循環させる。具体的には、ポンプ13は、撹拌部11から配管12Aを介して塗料を引き込み、配管12Bを介して撹拌部11に送り出す。
[0024]
(インピーダンス測定部)
 インピーダンス測定部14は、配管12B内を流れる塗料のインピーダンスを測定し、その測定結果を演算部19に供給する。インピーダンス測定部14としては、例えば、インピーダンスアナライザーまたはLCRメーターを用いることができる。塗料自身は引火性を持つ有機溶媒を含有することから、可能な限り低出力条件で測定することが望ましい。予期せぬ過電流や過電圧を抑止するため、ツェナーダイオード型の防爆バリアを使用することも考慮することが望ましく、防爆バリアの定格容量から、測定機出力およびケーブル長さ等を決定することが望ましい。
[0025]
 図2A、図2Bは、配管12Bのうち、インピーダンス測定部14が設けられた部分12B の構成の一例を示す。インピーダンス測定部14は、所定の距離離して設けられた、対向する一対の電極14A、14Bを備え、この一対の電極14A、14Bにより塗料に交流電圧を印加することによりインピーダンスを測定する。電極14A、14Bは、例えば、金属板により構成された平行平板型の対向電極である。なお、電極14A、14Bは平行平板型の構成に限定されるものではなく、円筒状またはらせん状等の構成を有していてもよい。但し、撹拌装置で撹拌する塗料の種類を変更する場合に、電極14A、14Bをクリーニングすることを考慮すると、電極14A、14Bとしてはクリーニングが容易な平行平板型のものが好ましい。
[0026]
 インピーダンス測定部14は、10Hz以上1000Hz以下の周波数の交流電圧を電極14A、14Bにより塗料に印加可能に構成されていることが好ましい。対象の塗料の特性として、交流電圧の周波数が10Hz以上1000Hz以下の範囲ではインピーダンス値が、周波数に対しほぼ一定で分散時間ごとの差異が大きく表れる。このため、分散状態によるインピーダンス変化を高い分解能で測定することができる。
[0027]
 配管12Bのうち一対の電極14A、14Bが設けられている部分12B を絶縁材料(例えば低誘電材料)により構成することが好ましい。迷電流の発生を抑制し、インピーダンスの測定精度(すなわち分散状態の測定精度)を向上することができるからである。
[0028]
 また、配管12Bのうちインピーダンス測定部14が設けられている部分12B の配管径または配管の断面積を、他の部分の配管径または配管の断面積よりも大きくすることが好ましい。インピーダンス測定に対する塗料の流速の影響を低減し、インピーダンスの測定精度(すなわち分散状態の測定精度)を向上することができるからである。
[0029]
 安全性を向上するために、インピーダンス測定部14の本体と一対の電極14A、14Bの間にツェナーダイオード型の防爆バリアをさらに備えることが好ましい。この場合、防爆バリアの定格電圧以下の電圧値が印加されているときには、インピーダンス測定部14により一対の電極14A、14Bの間のインピーダンスが測定されるようになっている。より具体的には、防爆バリアの定格電圧以下の電圧値が印加されているときには、防爆バリアの定格電流以下になるように、一対の電極14A、14Bの面積および電極間の距離を規定されている。
[0030]
(温度測定部)
 温度測定部15は、配管12B内を流れる塗料の温度を測定し、その測定結果を演算部19に供給する。
[0031]
(濃度測定部)
 濃度測定部16は、配管12B内を流れる塗料の濃度を測定し、その測定結果を演算部19に供給する。
[0032]
(冷却部)
 冷却部17は、配管12Bを流れる塗料を冷却可能に構成されている。具体的には、冷却部17は、冷却水を循環可能に構成された配管(冷却管)17Aを備える。配管17Aの一部が配管12Bに併設するように配置されており、配管17Aを循環する冷却水により配管12Bを流れる塗料が冷却される。配管17Aにはバルブ17A が設けられており、このバルブ17A の開閉を制御することにより、冷却水の循環が制御される。バルブ17A は、ソレノイドバルブ(電磁弁)等の自動操作バルブであり、その開閉は制御部21により制御される。なお、バルブ17A は開閉のみならず、冷却水の流量調整が可能なものであってもよい。
[0033]
(溶媒供給部)
 溶媒供給部18は、タンク18Aと配管18Bとを備える。タンク18Aは、溶媒を収容する収容部である。配管18Bは、撹拌部11とタンク18Aとを繋ぐ。配管18Bにはバルブ18B が設けられており、このバルブ18B の開閉を制御することにより、タンク18Aから撹拌部11への溶媒の供給が制御される。バルブ18B は、ソレノイドバルブ(電磁弁)等の自動操作バルブであり、その開閉は制御部21により制御される。なお、制御部21が、バルブ18B は開閉のみならず、溶媒の流量調整が可能なものであってもよい。
[0034]
(演算部)
 演算部19は、インピーダンス測定部14から供給されるインピーダンスに基づき、インピーダンスが規定の範囲内にあるか否かを判断し、その判断結果を制御部21に供給する。具体的には、演算部19は、図3に示すように、インピーダンス測定部14から供給されるインピーダンス|Z|が規定の範囲内(具体的には|Z |L<|Z|<|Z |U、但し、Z は規定のインピーダンスであり、L、Uは規定の定数である。)にあるか否かを判断し、その判断結果を制御部21に供給する。
[0035]
 なお、第1の実施形態では、演算部19がインピーダンス測定部14から供給されるインピーダンス|Z|が規定の範囲内にあるか否かを判断する場合について説明するが、演算部19がインピーダンス測定部14から供給されるインピーダンス|Z|が規定のインピーダンス|Z |Lを超えているか否かを判断するようにしてもよい。
[0036]
 演算部19は、温度測定部15から供給される塗料の温度に基づき、塗料の濃度に変化があるか否かを判断し、その判断結果を制御部21に供給する。演算部19は、濃度測定部16から供給される塗料の濃度に基づき、塗料の濃度に変化があるか否かを判断し、その判断結果を制御部21に供給する。第1の実施形態では、演算部19が制御部21とは別に設けられている場合について説明するが、演算部19が制御部21内に設けられていてもよい。
[0037]
(設定部)
 設定部20は、撹拌装置を操作するための操作パネル等を備え、作業者は操作パネルを操作することで塗料の分散状態等を所望の状態に設定可能である。
[0038]
(制御部)
 制御部21は、撹拌部11、ポンプ13、バルブ17A およびバルブ18B 等の撹拌装置の各部を制御する。制御部21は、インピーダンス測定部14から供給される判断結果に基づき、インピーダンスが規定の範囲内(|Z |L<|Z|<|Z |U)に収まるように、撹拌部11の撹拌を制御する。ここで、撹拌の制御は、例えば、撹拌速度および撹拌時間の少なくとも一方の制御である。
[0039]
 具体的には、制御部21は、インピーダンスが規定の範囲内である場合には、磁性粉の分散性が規定の範囲内にあると判断し、撹拌部11を制御し塗料撹拌を停止する。インピーダンスが規定の範囲内未満である場合には、磁性粉の分散性が不十分であると判断し、磁性粉の分散性を向上するために、撹拌部11を制御し撹拌時間を延長する。分散性が規定の範囲内を超える場合には、塗料に何らかの異常が発生していると判断し、表示装置やスピーカ等の出力部(図示せず)を介して作業者に、塗料に異常が発生していることを警告するようにしてもよい。
[0040]
 制御部21は、温度測定部15から供給される判断結果に基づき、塗料の温度が一定になるように冷却部17のバルブ17A の開閉を制御する。なお、制御部21が、バルブ17A の開閉制御のみならず、配管17Aのバルブ17A の流量調整を制御してもよい。制御部21は、濃度測定部16から供給される判断結果に基づき、塗料の濃度が一定になるように溶媒供給部18のバルブ18B の開閉を制御する。なお、制御部21が、バルブ18B の開閉制御のみならず、バルブ18B の流量調整を制御してもよい。制御部21は、配管12A、12Bに流れる塗料の流速が一定になるようにポンプ13を制御する。測定中の流速上昇は、分散状態の進行をもたらし、測定値を分散が進行する方向へシフトさせる。したがって、インライン測定では、規定した流速条件になるように、配管12A、12Bを流れる塗料の流速を制御することが好ましい。
[0041]
[2.2 塗料の製造方法]
 以下、図4を参照して、上述の撹拌装置を用いた塗料の製造方法の一例について説明する。
[0042]
 まず、ステップS11において、作業者による設定部20の操作に応じて、制御部21が撹拌部11を駆動し、塗料の撹拌を開始する。また、制御部21は、撹拌部11の駆動に伴って、ポンプ13を駆動し、塗料を配管12A、12B内に循環させる。
[0043]
 次に、ステップS12において、制御部21は、撹拌部11の駆動およびポンプ13の駆動を継続する。次に、ステップS13において、制御部21は、インピーダンス測定部14により配管12Bを流れる塗料のインピーダンスを測定する。その測定結果は、インピーダンス測定部14から演算部19に供給される。このように配管12Bを流れる塗料のインピーダンスを測定することで、塗料の分散性を評価することができる。
[0044]
 次に、ステップS14において、演算部19は、インピーダンス測定部14から供給されるインピーダンスが規定の範囲内(|Z |U>|Z|>|Z |L)にあるか否かを判断し、その判断結果を制御部21に供給する。制御部21は、演算部19からインピーダンスが規定の範囲内にあるとの判断結果を受け取った場合には、撹拌部11およびポンプ13の駆動を停止する。一方、制御部21は、演算部19からインピーダンスが規定の範囲内にないとの判断結果を受け取った場合には、処理をステップS12に戻し、撹拌部11およびポンプ13の駆動を継続する。なお、制御部21が、演算部19からインピーダンスが規定の範囲未満または規定値未満との判断結果を受け取った場合には、処理をステップS12に戻し、撹拌部11およびポンプ13の駆動を継続するようにしてもよい。
[0045]
[2.3 塗料の温度の制御方法]
 以下、図5を参照して、上述の撹拌装置における塗料の温度の制御方法の一例について説明する。
[0046]
 まず、ステップS21において、制御部21は、温度測定部15により、配管12Bを流れる塗料の初期温度T を測定する。測定した初期温度T は演算部19に供給される。初期温度T は、分散性の評価精度を向上する観点からすると、初回のインピーダンス測定時に測定されることが好ましい。
[0047]
 次に、ステップS22において、制御部21は、塗料の初期温度T の測定または前回の塗料の温度Tの測定から規定時間経過後に、配管12Bを流れる塗料の温度Tを測定する。測定した温度Tは演算部19に供給される。
[0048]
 次に、ステップS23において、演算部19は、温度測定部15から供給される初期温度T および規定時間経過後の温度Tに基づき、初期温度T を基準として規定時間経過後の温度Tに変化があるか否かを判断し、その判断結果を制御部21に供給する。なお、演算部19による温度変化の判断方法はこの例に限定されるものではなく、演算部19が、温度測定部15から供給される温度Tに基づき、前回測定した温度Tを基準として今回測定した温度Tに変化があるか否かを判断し、その判断結果を制御部21に供給するようにしてもよい。
[0049]
 演算部19から温度変化ありとの判断結果が供給され、かつ、バルブ17A が閉じている状態にある場合には、ステップS24において、制御部21は、バルブ17A を開く。これにより、配管17Aによる冷却水の循環が開始され、配管12Bを流れる塗料の冷却が開始される。また、演算部19から温度変化ありとの判断結果が供給され、かつ、バルブ17A が開いている状態にある場合には、制御部21は、バルブ17A を開いている状態に保持する。これにより、配管17Aによる冷却水の循環が継続され、配管12Bを流れる塗料の冷却が継続される。
[0050]
 一方、演算部19から温度変化なしとの判断結果が供給され、かつ、バルブ17A が開いている状態にある場合には、ステップS25において、制御部21は、バルブ17A を閉じる。これにより、配管17Aを循環する冷却水が停止され、配管12Bを流れる塗料の冷却が停止される。また、演算部19から温度変化なしとの判断結果が供給され、かつ、バルブ17A が閉じている状態にある場合には、制御部21は、バルブ17A を閉じている状態に保持する。これにより、冷却水が配管17Aを循環しない状態が維持され、冷却処理なしで塗料が配管12Bを流れる状態が維持される。
[0051]
[2.4 塗料の濃度の制御方法]
 以下、図6を参照して、上述の撹拌装置における塗料の濃度の制御方法の一例について説明する。
[0052]
 まず、ステップS31において、制御部21は、濃度測定部16により、配管12Bを流れる塗料の初期濃度A を測定する。測定した初期濃度A は演算部19に供給される。初期濃度A は、分散性の評価精度を向上する観点からすると、初回のインピーダンス測定時に測定されることが好ましい。
[0053]
 次に、ステップS32において、制御部21は、塗料の初期濃度A の測定または前回の塗料の濃度Aの測定から規定時間経過後に、配管12Bを流れる塗料の濃度Aを測定する。測定した濃度Aは演算部19に供給される。
[0054]
 次に、ステップS33において、演算部19は、濃度測定部16から供給される初期濃度A および規定時間経過後の濃度Aに基づき、初期濃度A を基準として規定時間経過後の濃度Aに変化があるか否かを判断し、その判断結果を制御部21に供給する。なお、演算部19による濃度変化の判断方法はこの例に限定されるものではなく、演算部19が、濃度測定部16から供給される濃度Aに基づき、前回測定した濃度Aを基準として今回測定した濃度Aに変化があるか否かを判断し、その判断結果を制御部21に供給するようにしてもよい。
[0055]
 演算部19から濃度変化ありとの判断結果が供給され、かつ、バルブ18B が閉じている状態にある場合には、ステップS34において、制御部21は、バルブ18B を開く。これにより、配管18Bを介してのタンク18Aから撹拌部11に対する溶媒の供給が開始され、塗料の濃度Aが調整(低減)される。また、演算部19から濃度変化ありとの判断結果が供給され、かつ、バルブ18B が開いている状態にある場合には、制御部21は、バルブ18B を開いている状態に保持する。これにより、配管18Bを介してのタンク18Aから撹拌部11に対する溶媒の供給が維持され、塗料の濃度Aの調整(低減)が継続される。
[0056]
 一方、演算部19から濃度変化なしとの判断結果が供給され、かつ、バルブ18B が開いている状態にある場合には、ステップS35において、制御部21は、バルブ18B を閉じる。これにより、配管18Bを介してのタンク18Aから撹拌部11に対する溶媒の供給が停止され、塗料の濃度Aの調整(低減)が停止される。また、演算部19から濃度変化なしとの判断結果が供給され、かつ、バルブ18B が閉じている状態にある場合には、制御部21は、バルブ18B を閉じている状態に保持する。これにより、配管18Bを介してのタンク18Aから撹拌部11に対する溶媒の供給が停止された状態が維持され、塗料の濃度Aの調整(低減)が行われない状態が維持される。
[0057]
[2.5 効果]
 第1の実施形態に係る撹拌装置は、磁性粉を含む塗料を撹拌する撹拌部11と、磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部14と、測定したインピーダンスに基づき、撹拌部11を制御する制御部21とを備える。これにより、塗料状態で磁性粉の分散性を評価し、その評価結果に基づき、塗料に含まれる磁性粉の分散性を制御することができる。このように分散性が制御された塗料を用いて磁性層を形成することで、磁性層に含まれる磁性粉の垂直配向性を高めることができる。
[0058]
 塗料を基体に塗布、乾燥した後にしか分からなかった配向特性を、塗料状態で示唆することが可能となる。
[0059]
 塗料の分散工程または塗料の保存時間による分散状態に対する影響を製造上の管理指標として用いることで、これまで塗布乾燥後のプロセス下流で明らかになっていた分散起因の不良を、低減することができる。
[0060]
 垂直配向性のバラつきが低減され、バラつきの下限値で決まる公称特性値を向上させることができる。
[0061]
 インライン測定の実現により、測定者が有害な成分を含む塗料に触れることなく安全に、塗料の分散状態を管理することができる。加えて、測定工数を削減すると共に、測定容器等の無駄も削減することができる。
[0062]
[2.6 変形例]
(変形例1)
 上述の第1の実施形態では、配管12Bを流れる塗料のインピーダンスを測定する場合について説明したが、撹拌部11に収容されている塗料のインピーダンスを測定するようにしてもよい。また、撹拌部11とは別に、塗料を収容する収容部をさらに備え、この収容部にて塗料のインピーダンスを測定するようにしてもよい。この場合、収容部には、撹拌部11からの塗料が循環して供給され、収容部内と撹拌部11内の塗料の状態が同じようになるようにすることが好ましい。
[0063]
 図7Aは、インピーダンス測定部14が設けられた撹拌部31の構成の一例を示す。撹拌部31は塗料を収容する収容部32を備え、この収容部32内には、インピーダンス測定部14の電極14A、14Bが設けられている。収容部32に塗料が収容された状態において、電極14A、14Bが塗料に浸されるようになっている。
[0064]
 このような構成を有する撹拌部31では、塗料を収容する収容部32を絶縁材料により構成することが好ましい。絶縁材料を用いることで、迷電流の発生を抑制し、インピーダンスの測定精度(すなわち分散状態の測定精度)を向上することができるからである。なお、収容部32のうち、電極14A、14Bからの漏れ電界が実質的に及ぶ範囲内の部分のみを絶縁材料で構成するようにしてもよい。
[0065]
(変形例2)
 上述の第1の実施形態では、インライン測定により塗料のインピーダンスを測定する場合について説明したが、オフライン測定により塗料のインピーダンスを測定するようにしてもよい。この場合、第1の実施形態におけるインピーダンス測定部14はなくてもよい。
[0066]
 図7Bは、オフラインによるインピーダンス測定の一例を説明するための概略図である。オフラインによるインピーダンス測定の場合には、撹拌部11等から塗料を容器41に取り出し、容器41に収容された塗料に平行平板型の電極42A、42Bを沈めることでインピーダンスを測定する。電極42A、42B間にはスペーサ42C、42Dが設けられており、電極42A、42B間の距離は一定に保持される。
[0067]
 容器41の底面からの電極42A、42Bの高さ、および容器41の側面からの電極位置が塗料のインピーダンス測定毎にバラつかないように、電極42A、42Bの測定位置を維持することが好ましい。スタティックな状態での測定のため、塗料を収容する容器41と電極42A、42Bの位置、および、塗料の液面と電極42A、42Bの位置の再現性が、インピーダンスの測定精度を向上するためには重要となる。
[0068]
 また、抜き取りから測定までの時間および温度管理も、インピーダンスの測定精度を向上するためには重要となる。長時間放置後の測定は、分散状態の変化および溶媒成分の揮発による濃度変化を招くため、測定値のバラつき要因となる。また、温度変化は、塗料の抵抗性および誘電性の変化を招くため、測定値のバラつき要因となる。さらに、測定時における塗料濃度管理も重要であり、測定サンプルごとに濃度のバラツキがないかを確認することが好ましい。例えば、溶液質量と、加温により溶媒を揮発させた後の固形分質量の比率から濃度管理を行うことが好ましい。濃度バラつきが大きい前提で測定を行う場合は、塗料の分散および濃度を管理して作製した塗料のインピーダンス測定を行うことで、塗料の分散、濃度およびインピーダンスのマッピングを作成し、ある規定濃度に換算した分散値を評価することが望ましい。
[0069]
 また、塗料を収容した容器41は絶縁性を有するものが好ましく、容器を受ける台座部分43にも絶縁性を持たせることが好ましい。電極42A,42B間に印加する交流の電気力線はなるべく塗料内で閉じることが好ましい。周辺部に導電物があると電気力線が乱れ、外乱要因となるからである。
[0070]
(変形例3)
 上述の第1の実施形態では、撹拌装置が、塗料の温度および濃度を一定に制御する場合について説明したが、塗料の濃度および温度の少なくとも一方を一定に制御するようにしてもよいし、塗料の濃度および温度を一定に制御しなくてもよい。但し、塗料の濃度および温度が変化する環境下においては、インピーダンスの測定精度(すなわち分散状態の測定精度)を向上する観点からすると、塗料の温度および濃度を一定に制御することが好ましい。
[0071]
(変形例4)
 上述の第1の実施形態では、磁性粉を含む塗料の製造方法について説明したが、磁性粉以外の導電性粒子を含む塗料の製造方法に本開示を適用することも可能である。例えば、導電インクもしくは導電ペーストの製造方法、または電池の塗料(電極合剤スラリー)の製造方法等に対しても本開示を適用することも可能である。
[0072]
 導電インクまたは導電ペーストは、例えば、金属粒子または炭素粒子等の導電粒子と、溶媒と、必用に応じて結着剤とを含む。電池の塗料は、活物質層を形成するためのものであって、活物質と、導電助剤と、必用に応じて結着剤とを含む。活物質は、正極活物質および負極活物質のいずれであってもよい。なお、電池の塗料の製造方法に本開示を適用する場合には、インピーダンスの測定により導電助剤の分散性を評価することが好ましい。
[0073]
<3 第2の実施形態>
[3.1 磁気記録媒体の構成]
 図8は、第2の実施形態に係るテープ状の磁気記録媒体50の構成の一例を示す。磁気記録媒体50は、垂直磁気記録方式の塗布型磁気テープであって、長尺状の基体51と、基体51の一方の面上に設けられた下地層(非磁性層)52と、下地層52上に設けられた磁性層(記録層)53と、基体51の他方の面上に設けられたバック層54とを備える。なお、下地層52およびバック層54は、必要に応じて備えられるものであり、無くてもよい。
[0074]
 磁性層53は、磁性粉および結着剤を含む。磁性層53が、必要に応じて、潤滑剤、帯電防止剤、研磨剤、硬化剤、防錆剤および非磁性補強粒子等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。
[0075]
(磁性粉)
 磁性粉は、磁気記録媒体50の厚み方向(垂直方向)に配向される。磁性粉としては、例えば、ε酸化鉄磁性粉、スピネルフェライト磁性粉(例えばCo含有スピネルフェライト磁性粉)または六方晶フェライト磁性粉(例えばバリウムフェライト磁性粉)等が用いられる。
[0076]
 磁性粉の平均粒子サイズは、好ましくは30nm以下、より好ましくは8nm以上25nm以下、さらにより好ましくは12nm以上22nm以下である。磁性粉の平均粒子サイズが30nm以下であると、高記録密度の磁気記録媒体50において、良好な電磁変換特性を得ることができる。一方、磁性粉の平均粒子サイズが8nm以上であると、磁性粉の分散性がより向上し、より優れた電磁変換特性を得ることができる。
[0077]
 上記の磁性粉の平均粒子サイズは、以下のようにして求められる。まず、TEMにより磁性粉を撮影する。次に、撮影したTEM写真から50個の磁性粒子を無作為に選び出し、各磁性粒子の長軸長を測定する。ここで、長軸長とは、磁性粒子の輪郭に接するように、あらゆる角度から引いた2本の平行線間の距離のうち最大のもの(いわゆる最大フェレ径)を意味する。続いて、測定した50個の磁性粒子の長軸長を単純に平均(算術平均)して平均長軸長を求める。このようにして求めた平均長軸長を磁性粉の平均粒子サイズとする。
[0078]
(結着剤)
 結着剤としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステル-エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
[0079]
 熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
[0080]
 上記の全ての結着剤には、磁性粉の分散性を向上させる目的で、-SO M、-OSO M、-COOM、P=O(OM) (但し、式中Mは水素原子またはリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属を表す)や、-NR1R2、-NR1R2R3 で表される末端基を有する側鎖型アミン、>NR1R2 で表される主鎖型アミン(但し、式中R1、R2、R3は水素原子または炭化水素基を表し、X はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオン、無機イオンまたは有機イオンを表す。)、さらに-OH、-SH、-CN、エポキシ基等の極性官能基が導入されていてもよい。これら極性官能基の結着剤への導入量は、10 -1~10 -8モル/gであるのが好ましく、10 -2~10 -6モル/gであるのがより好ましい。
[0081]
[3.2 磁気記録媒体の製造方法]
 次に、上述の構成を有する磁気記録媒体50の製造方法の一例について説明する。
[0082]
 まず、第1の実施形態に係る塗料の製造方法と同様にして、磁性層形成用塗料を製造する。磁性層形成用塗料に用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2-エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、適宜混合して用いてもよい。
[0083]
 次に、下地層形成用塗料を基体51の一方の主面に塗布して乾燥させることにより、下地層52を形成する。続いて、この下地層52上に磁性層形成用塗料を塗布して乾燥させることにより、磁性層53を下地層12上に形成する。なお、乾燥の際に、例えばソレノイドコイルにより、磁性粉を基体51の厚み方向に磁場配向させる。また、乾燥の際に、例えばソレノイドコイルにより、磁性粉を基体51の走行方向(長手方向)に磁場配向させたのちに、基体51の厚み方向に磁場配向させるようにしてもよい。磁性層53の形成後、基体51の他方の主面にバック層54を形成する。これにより、磁気記録媒体50が得られる。
[0084]
 その後、得られた磁気記録媒体50を大径コアに巻き直し、硬化処理を行う。最後に、磁気記録媒体50に対してカレンダー処理を行った後、所定の幅(例えば1/2インチ幅)に裁断する。以上により、目的とする細長い長尺状の磁気記録媒体50が得られる。
[0085]
[3.3 塗料の測定値]
 以下に、磁性粉としてバリウムフェライト磁性粉を用いたときの塗料の測定結果について説明する。
[0086]
 図9は、塗料の分散時間を変化させた場合の周波数とインピーダンスの関係を示す。図10は、塗料の分散時間を変化させた場合の周波数と位相差(インピーダンス測定時の電流に対する電圧の位相差)の関係を示す。図11は、インピーダンスがほぼ一定となる100Hz以上1000Hz以下の周波数範囲のうち、100Hzを代表値とし、分散時間とインピーダンス、垂直配向度の関係を示したものである。なお、垂直配向度は磁気記録媒体50の長手方向に測定した角形比であり、水平配向度の低下は、垂直配向度の向上を表す。この結果より、分散時間を長くした塗料ほど、塗料インピーダンスの値は上昇し、垂直配向性は向上していくことが分かる。
[0087]
 より理解を容易にするために、これらのインピーダンスと垂直配向度の相関を取ったグラフを図12に示す。図12から、インピーダンスと垂直配向度は、非常に高い相関性を示すことがわかる。
[0088]
[3.4 効果]
 第2の実施形態に係る磁気記録媒体50の製造方法は、磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定することと、測定したインピーダンスに基づき、塗料に含まれる磁性粉の分散性を制御することと、分散性が制御された塗料を用いて磁性層を形成することとを含む。これにより、磁性層に含まれる磁性粉の垂直配向性を高めることができる。したがって、磁化遷移幅を低減し、かつ信号再生時に高出力の信号を得ることができるので、電磁変換特性を向上することができる。
[0089]
[3.5 変形例]
 上述の第2の実施形態では、垂直磁気記録方式の塗布型磁気テープに本開示を適用した場合について説明したが、水平磁気記録方式の塗布型磁気テープに本開示を適用することも可能である。この場合、磁性粉としては、例えば、メタル磁性粉等が用いられる。
[0090]
 以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
[0091]
 例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値等を用いてもよい。
[0092]
 また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
[0093]
 上述の実施形態で段階的に記載された数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値または下限値は、他の段階の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよい。上述の実施形態に例示した材料は、特に断らない限り、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0094]
 また、本開示は以下の構成を採用することもできる。
(1)
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定することと、
 測定した前記インピーダンスに基づき、前記塗料の撹拌を制御することと
 を含む塗料の製造方法。
(2)
 前記インピーダンスの測定は、交流電圧を前記塗料に印加することにより行われる(1)に記載の塗料の製造方法。
(3)
 前記交流電圧の周波数は、10Hz以上1000Hz以下である(2)に記載の塗料の製造方法。
(4)
 前記塗料の撹拌の制御は、前記インピーダンスが規定の範囲内に収まるように行われる(1)から(3)のいずれかに記載の塗料の製造方法。
(5)
 前記塗料の撹拌の制御は、前記塗料の撹拌時間および撹拌速度のうちの少なくとも一方の制御である(1)から(4)のいずれかに記載の塗料の製造方法。
(6)
 前記インピーダンスの測定は、配管内を流れる前記塗料を用いて行われる(1)から(5)のいずれかに記載の塗料の製造方法。
(7)
 前記配管内を流れる前記塗料の流速を一定に制御することをさらに含む(6)に記載の塗料の製造方法。
(8)
 前記インピーダンスの測定は、撹拌部内に収容されている前記塗料を用いて行われる(1)から(5)のいずれかに記載の塗料の製造方法。
(9)
 前記塗料の温度および濃度の少なくとも一方を一定に制御することをさらに含む(1)から(8)のいずれかに記載の塗料の製造方法。
(10)
 磁性粉を含む塗料を撹拌する撹拌部と、
 前記塗料のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
 測定した前記インピーダンスに基づき、前記撹拌部を制御する制御部と
 を備える撹拌装置。
(11)
 前記インピーダンス測定部は、交流電圧を前記塗料に印加することにより、前記インピーダンスを測定する(10)に記載の塗料の製造方法。
(12)
 前記撹拌部にて撹拌された前記塗料が流れる配管をさらに備え、
 前記インピーダンス測定部は、前記配管を流れる前記塗料のインピーダンスを測定する(10)または(11)に記載の撹拌装置。
(13)
 前記撹拌部から前記配管内に前記塗料を送るポンプをさらに備え、
 前記制御部は、前記配管に流れる前記塗料の流速が一定になるように前記ポンプを制御する(12)に記載の撹拌装置。
(14)
 前記インピーダンス測定部は、前記撹拌部内に収容された前記塗料のインピーダンスを測定する(10)または(11)に記載の撹拌装置。
(15)
 前記インピーダンス測定部は、対向する一対の電極を備え、
 前記インピーダンス測定部の本体と前記一対の電極の間に設けられたツェナーダイオード型の防爆バリアをさらに備える(10)から(14)のいずれかに記載の撹拌装置。
(16)
 前記インピーダンス測定部は、対向する一対の電極を備え、
 前記一対の電極の周囲は、絶縁材料により構成されている(10)から(14)のいずれかに記載の撹拌装置。
(17)
 前記塗料の温度を測定する温度測定部と、
 前記塗料を冷却する冷却部と
 をさらに備え、
 前記制御部は、前記温度測定部の測定結果に基づき、前記塗料の温度が一定になるように、前記冷却部を制御する(10)から(16)のいずれかに記載の撹拌装置。
(18)
 前記塗料の濃度を測定する濃度測定部と、
 前記塗料に溶媒を加える溶媒供給部と
 をさらに備え、
 前記制御部は、前記濃度測定部の測定結果に基づき、前記塗料の濃度が一定になるように、前記溶媒供給部を制御する(10)から(17)のいずれかに記載の撹拌装置。
(19)
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定することと、
 測定した前記インピーダンスに基づき、前記塗料の撹拌を制御することと、
 撹拌が制御された前記塗料を用いて磁性層を形成することと
 を含む磁気記録媒体の製造方法。
(20)
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定すること
 を含む塗料の分散性の測定方法。

符号の説明

[0095]
 11  撹拌部
 12A、12B  配管
 12A   バルブ
 13  ポンプ
 14  インピーダンス測定部
 14A、14B  電極
 15  温度測定部
 16  濃度測定部
 17  冷却部
 17A  配管
 17A   バルブ
 18  溶媒供給部
 18A  タンク
 18B  配管
 18B   バルブ
 19  演算部
 20  設定部
 21  制御部
 31  撹拌部
 32  収容部
 41  容器
 42A、42B  電極
 42C、42D  スペーサ
 43  台座部分
 50  磁気記録媒体
 51  基体
 52  下地層
 53  磁性層
 54  バック層

請求の範囲

[請求項1]
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定することと、
 測定した前記インピーダンスに基づき、前記塗料の撹拌を制御することと
 を含む塗料の製造方法。
[請求項2]
 前記インピーダンスの測定は、交流電圧を前記塗料に印加することにより行われる請求項1に記載の塗料の製造方法。
[請求項3]
 前記交流電圧の周波数は、10Hz以上1000Hz以下である請求項2に記載の塗料の製造方法。
[請求項4]
 前記塗料の撹拌の制御は、前記インピーダンスが規定の範囲内に収まるように行われる請求項1に記載の塗料の製造方法。
[請求項5]
 前記塗料の撹拌の制御は、前記塗料の撹拌時間および撹拌速度のうちの少なくとも一方の制御である請求項1に記載の塗料の製造方法。
[請求項6]
 前記インピーダンスの測定は、配管内を流れる前記塗料を用いて行われる請求項1に記載の塗料の製造方法。
[請求項7]
 前記配管内を流れる前記塗料の流速を一定に制御することをさらに含む請求項6に記載の塗料の製造方法。
[請求項8]
 前記インピーダンスの測定は、撹拌部内に収容されている前記塗料を用いて行われる請求項1に記載の塗料の製造方法。
[請求項9]
 前記塗料の温度および濃度の少なくとも一方を一定に制御することをさらに含む請求項1に記載の塗料の製造方法。
[請求項10]
 磁性粉を含む塗料を撹拌する撹拌部と、
 前記塗料のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
 測定した前記インピーダンスに基づき、前記撹拌部を制御する制御部と
 を備える撹拌装置。
[請求項11]
 前記インピーダンス測定部は、交流電圧を前記塗料に印加することにより、前記インピーダンスを測定する請求項10に記載の塗料の製造方法。
[請求項12]
 前記撹拌部にて撹拌された前記塗料が流れる配管をさらに備え、
 前記インピーダンス測定部は、前記配管を流れる前記塗料のインピーダンスを測定する請求項10に記載の撹拌装置。
[請求項13]
 前記撹拌部から前記配管内に前記塗料を送るポンプをさらに備え、
 前記制御部は、前記配管に流れる前記塗料の流速が一定になるように前記ポンプを制御する請求項12に記載の撹拌装置。
[請求項14]
 前記インピーダンス測定部は、前記撹拌部内に収容された前記塗料のインピーダンスを測定する請求項10に記載の撹拌装置。
[請求項15]
 前記インピーダンス測定部は、対向する一対の電極を備え、
 前記インピーダンス測定部の本体と前記一対の電極の間に設けられたツェナーダイオード型の防爆バリアをさらに備える請求項10に記載の撹拌装置。
[請求項16]
 前記インピーダンス測定部は、対向する一対の電極を備え、
 前記一対の電極の周囲は、絶縁材料により構成されている請求項10に記載の撹拌装置。
[請求項17]
 前記塗料の温度を測定する温度測定部と、
 前記塗料を冷却する冷却部と
 をさらに備え、
 前記制御部は、前記温度測定部の測定結果に基づき、前記塗料の温度が一定になるように、前記冷却部を制御する請求項10に記載の撹拌装置。
[請求項18]
 前記塗料の濃度を測定する濃度測定部と、
 前記塗料に溶媒を加える溶媒供給部と
 をさらに備え、
 前記制御部は、前記濃度測定部の測定結果に基づき、前記塗料の濃度が一定になるように、前記溶媒供給部を制御する請求項10に記載の撹拌装置。
[請求項19]
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定することと、
 測定した前記インピーダンスに基づき、前記塗料の撹拌を制御することと、
 撹拌が制御された前記塗料を用いて磁性層を形成することと
 を含む磁気記録媒体の製造方法。
[請求項20]
 磁性粉を含む塗料のインピーダンスを測定すること
 を含む塗料の分散性の測定方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]