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1. WO2021039132 - DISPOSITIF D’ÉJECTION DE TYPE POMPE

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明 細 書

発明の名称 ポンプ式吐出装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2   3   4   5A   5B   5C  

明 細 書

発明の名称 : ポンプ式吐出装置

技術分野

[0001]
 この発明は、ノズル体を押し下げて内容積を減じることにより、シリンダから押し出した液体をノズル体の吐出孔から吐出させるポンプ式吐出装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 この種の装置の一例が特許第4521749号公報に記載されている。その装置はポンプフォーマーであって、ノズル体の押し下げ力を受けて押し下げられる液体ピストンによって液体シリンダ内の液体の内容物を押し出すと共に、上記の押し下げ力を受けて押し下げられる空気ピストンによって空気シリンダ内の空気を押し出すように構成されている。各シリンダから押し出された内容物と空気とは混合されて泡状となってノズル体の吐出孔から吐出される。また、上記の押し下げ力を解除すると、各ピストンを元の位置に復帰移動させるスプリングの弾性力によって各ピストンが押し上げられて各シリンダの内容積が増大させられる。これにより吸引力が生じるので、液体シリンダの内部に容器本体内の内容物が導液管を介して吸い上げられ、また、空気シリンダの内部に外部の空気が吸い込まれる。
[0003]
 特許第5214418号公報には、内容物を吐出した後におけるいわゆる泡切れを向上するように構成されたフォーマーディスペンサーが記載されている。そのフォーマーディスペンサーは容器の口部に取り付けられるキャップに保持される液体ポンプと空気ポンプと、それらのポンプを駆動する押圧ヘッドとを有している。押圧ヘッドの天面部に、当該天面部を板厚方向に貫通する貫通孔が形成され、その貫通孔の縁部に軸線方向に延びる筒状の内側環状周壁が形成されている。その内側環状周壁の内部に軸線方向に延びるロッドが配置されている。そのロッドの一方の端部は内側環状周壁の外側に延び出ており、押圧ヘッドの上側に配置されていて押圧ヘッドに対して軸線方向にスライド可能に構成されたカバー体に連結されている。また、ロッドにおける一方の端部側には、内側環状周壁の内面に摺接する環状シール部が設けられている。ロッドの他方の端部には、混合室の出口側開口端に形成された座面の下側に押し付けられることによって、混合室とノズルとを連通する流路を遮断するディスク状のシール部が設けられている。また、混合室には、座面にシール部を押し付けて前記流路を閉じるスプリングが配置されている。したがって、押圧ヘッドと共にカバー体を押し下げると、それに連動してロッドが押し下げられるので、座面からシール部が離隔してノズルから泡が吐出される。押圧ヘッドやカバー体を押し下げる力を解除すると、スプリングの弾性力によってロッドが押し上げられて座面にシール部が押し付けられて流路が閉じられる。また、内側環状周壁内を環状シール部が上方に移動するので、シール部からノズルの先端部に到る流路の内容積が増大させられる。これによりノズルの先端に残存する泡が上述した流路内に引き戻されるので泡切れが向上する、とされている。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 上記の特許第4521749号公報に記載されたポンプディスペンサーでは、ノズル体を押し下げる押し下げ力を解除した場合に、吐出孔に残留している内容物を容器側に引き戻すいわゆるバックサクション機能が特には生じないので、ノズル体の先端に泡が残留してしまい、泡だれや、泡が液化することによる液だれが生じる可能性がある。一方、特許第5214418号公報に記載されたフォーマーディスペンサーでは、バックサクション機能が生じるため、上述した泡だれや、泡が液化することによる液だれを抑制できる。しかしながら、バックサクション機能を奏するために、カバー体やカバー体と連動して移動するロッドなどの部材が必要となり、それに伴って部品点数や部材コスト、製造コストなどが増大し、また、装置の全体として大型化する可能性がある。
[0005]
 この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、簡易な構成で泡だれや液だれを抑制することのできるポンプ式吐出装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記の目的を達成するために、この発明は、容器の内部に連通した状態に前記容器の口部に取り付けられるシリンダと、前記シリンダの内部に前記シリンダの軸線方向に往復動可能に嵌合させられたピストンと、前記ピストンを前記軸線方向に貫通して形成され、一方の開口端がノズルに連通すると共に、他方の開口端が前記シリンダと前記ピストンとによって区画された空間に連通する流路と、前記流路の内部に前記流路の中心軸線に沿って一端部が挿入されると共に前記空間の内部に他端部が配置されていて前記シリンダに対して前記軸線方向に相対移動可能に保持された軸状部材と、前記軸状部材の前記一端部に外径を増大させて形成された弁体と、前記ピストンが前記空間の容積を増大する方向に移動することにより前記弁体に密着して前記流路を閉じるように前記流路の内部に形成された弁座部と、前記ピストンが前記空間の容積を減じる方向に移動することにより前記弁体に接触して前記軸状部材を押すように前記軸線方向で前記弁体を挟んで前記弁座部とは反対側の前記流路の内部に形成された突起部と、前記弁座部を前記弁体に押し付ける方向に前記ピストンを押圧する復帰機構とを備え、前記ピストンが押されて前記弁座部から前記弁体が離隔すると共に前記空間の容積が減じられることにより、前記空間の内部に充填された内容物が前記流路を経て前記ノズルから吐出するポンプ式吐出装置において、前記復帰機構によって前記ピストンが前記空間の容積を増大する方向に移動することによる前記空間の容積の増大に伴う負圧によって前記ノズルからの吸引を生じさせるように、前記弁体と前記弁座部とが離隔している状態を維持する前記軸状部材が前記シリンダに対して停止している不動域が設定されていることを特徴とするものである。
[0007]
 この発明では、前記不動域は、前記空間の容積が最も小さい状態から前記空間の容積を増大する方向に前記ピストンが移動する場合に、前記ピストンが前記軸状部材に対して相対移動する前記ピストンの移動長さであり、前記移動長さは、前記空間の容積が最も小さい状態から前記空間の容積を増大する方向に前記ピストンが移動する場合における前記軸線方向で前記弁座部の上端部と前記弁体における前記上端部に接触する部分との間の長さであってよい。
[0008]
 この発明では、前記軸線方向への前記軸状部材の可動距離が前記ピストンの可動距離の20%以上かつ80%以下であってよい。

発明の効果

[0009]
 この発明によれば、ピストンとシリンダとによって区画された空間の容積を増大する方向にピストンが移動することによる前記空間の容積の増大に伴う負圧によってノズルからの吸引を生じさせるように、軸状部材がシリンダに対して停止していて軸状部材の一端部に形成された弁体と、流路に形成された弁座部とが離隔している状態を維持する不動域が設定されている。したがって、不動域では、前記空間とノズルとが連通しており、その状態でピストンが移動することによって前記空間の容積が増大する。つまり、復帰機構によってピストンが元の位置に復帰移動する過程で、上述した空間の容積の増大に伴う負圧によって、ノズルや流路に残留している内容物が前記空間に吸い戻される。そのため、内容物を吐出した後において、ノズルの先端付近に内容物が残留しにくくなり、内容物の液だれや泡だれなどを抑制できる。また、部品点数を特には増大することがないので、装置の全体として簡易な構成とすることができると共に、部材コストや製造コストの増大を抑制できる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] この発明の実施形態に係るポンプ式吐出装置の一例を示す断面図である。
[図2] ノズル体を上死点から容器側に僅かに押し下げた場合におけるポンプ式吐出装置の断面図である。
[図3] ノズル体を上死点から容器側に僅かに押し下げた場合におけるポンプ式吐出装置の部分拡大図である。
[図4] 各ピストンが下死点に位置している場合におけるポンプ式吐出装置の断面図である。
[図5A] 各ピストンが下死点に位置している場合におけるポンプ式吐出装置の部分拡大図である。
[図5B] スプリングの弾性力によって各ピストンが容器の口部側に僅かに押し上げられた場合におけるポンプ式吐出装置の部分拡大図である。
[図5C] スプリングの弾性力によって各ピストンが押し上げられて弁体に弁座部が押し付けられた場合におけるポンプ式吐出装置の部分拡大図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 この発明の実施形態に係るポンプ式吐出装置は、容器の口部に取り付けられた状態で、ノズルヘッドをポンピングすることによって容器の内部に充填された内容物を吸い上げてノズルから吐出すると共に、内容物の吐出後には、ノズルに残留する内容物を容器側に吸い戻してノズルからの液だれを抑制するように構成されている。上述した内容物はシャンプーや洗顔料などの液状の内容物が好ましく、それらの内容物を液状のまま、もしくは、泡状にして吐出するように構成されている。
[0012]
 図1は、この発明の実施形態に係るポンプ式吐出装置の一例を示す断面図である。図1に示すポンプ式吐出装置は、いわゆるポンプフォーマー1であって、容器2の内部に充填された液状の内容物と、空気とを混合することによって泡を形成し、その泡を吐出するように構成されている。すなわち、図1に示すポンプフォーマー1は容器2の口部3に着脱可能に装着されるキャップ4を備えている。上記の口部3は容器2の胴部の上端側に形成された円筒状の開口部であり、口部3の外周面に雄ねじが形成されている。その雄ねじに嵌まり合う雌ねじがキャップ4に形成されている。つまり、キャップ4に口部3をねじ込むようになっている。
[0013]
 キャップ4は、図1に示すように、口部3の外径より大きい外径の外円筒部5と、外円筒部5の内側に外円筒部5と同心円上に設けられた内円筒部6とを備えている。内円筒部6は口部3の内径より小さい外径であってかつ軸線方向における長さが外円筒部5より短く設定されている。それらの外円筒部5の上端部と内円筒部6の上端部とは半径方向に延びる上面部7によって連結されている。すなわち、外円筒部5と内円筒部6と上面部7とは一体に形成されている。また、外円筒部5の内周面に上述した雌ねじが形成されている。上面部7の中心部には、内円筒部6の内径より小さい内径の開口部が形成されている。その開口部の周縁部に、図1の上方に延びる円筒状のガイドステム部8が立設されている。そのガイドステム部8にポンプフォーマー1をポンピングするノズル体9が軸線方向(図1では上下方向)に摺動可能に嵌合している。
[0014]
 ノズル体9は、いわゆるノズルヘッドとして押し下げ力が加えられる天面部10と、泡を吐出するノズル11と、当該ノズル11に連通する流路Pが形成されている円筒状の内筒部12と、内筒部12より大径であってかつ内筒部12と同心円上に形成された円筒状の外筒部13とを有している。ノズル体9の一部はノズル体9の軸心を中心とした半径方向で外側に延び出た筒状になっており、この部分がノズル11となっている。各筒部12,13は、軸線方向でノズル体9の天面部10から図1での下方に延びており、軸線方向における内筒部12の長さは外筒部13より長く設定されている。また、内筒部12の外径はガイドステム部8の内径より僅かに小さく設定されており、したがって、ガイドステム部8の内部に挿入できるようになっている。また、外筒部13の内径はガイドステム部8の外径より僅かに大きく設定されており、その内側にガイドステム部8を挿入できるようになっている。つまり、半径方向で内筒部12と外筒部13との間にガイドステム部8を挿入することにより、ノズル体9はガイドステム部8と各筒部12,13とによって案内されて軸線方向に移動するようになっている。また、内筒部12の外周面とガイドステム部8の内周面との間、および、ガイドステム部8の外周面と外筒部13の内周面との間には、僅かな隙間が形成されており、それらの隙間がそれぞれ空気流路となっている。それらの空気流路を介して後述する空気シリンダ内に空気が導入されるようになっている。
[0015]
 図1に示す例では、内筒部12の内周面に、均質な泡を形成するネットホルダ14が嵌合されている。具体的には、ネットホルダ14は筒状の部材であって、軸線方向での両端部に図示しないネットがそれぞれ取り付けられている。また、内筒部12の内径は、軸線方向で中央部分を挟んで天面部10とは反対側の部分で僅かに大きくなっており、この内径が大きくなっている部分に上記のネットホルダ14が嵌合されている。そして、後述するように、空気と混合されることによって泡立てられた内容物がネットホルダ14を通過することによって、きめ細かく均質な泡が形成されるようになっている。
[0016]
 キャップ4の内部にシリンダ15が配置されている。シリンダ15は、図1に示すように、内円筒部6の外周側に嵌合してキャップ4に一体化されており、内円筒部6に嵌合している嵌合部に対してその下側の部分の内径が僅かに小さくなっている。また、シリンダ15の上端部には、半径方向で外側に延びる鍔16が形成されている。鍔16の外径は口部3の先端部の外径(口部3の開口部の外径)程度もしくはそれより僅かに大きい程度の外径である。そして、口部3の先端部(開口端)と鍔16の下面(図1で鍔16の下面)との間に、気密性および液密性を担保するためにシール材17が挟み込まれている。これら鍔16とシール材17とは、口部3にキャップ4をネジによって取り付けることにより、キャップ4における上面部7と口部3の先端部との間に挟み付けられて、口部3を封止するようになっている。
[0017]
 シリンダ15の構成についてより具体的に説明すると、ここに示すシリンダ15には、空気をノズル体9に押し出す空気ポンプの空気シリンダ18と、内容物をノズル体9に押し出す液体ポンプの液体シリンダ19とが一体に形成されている。空気シリンダ18は、シリンダ15のうち、軸線方向で上述した嵌合部の下側に形成された大径の部分であって、空気シリンダ18の上端側の一部に、容器2の内部に空気を取り入れるための第1吸気孔20が空気シリンダ18の板厚方向に貫通して形成されている。液体シリンダ19は、空気シリンダ18より小径の筒状に形成されており、かつ、空気シリンダ18と同心円上に形成されている。また、図1に示すように、液体シリンダ19の一部は半径方向で空気シリンダ18の内側に形成されている。つまり、液体シリンダ19と空気シリンダ18とは軸線方向に僅かにずれて形成されており、それらの少なくとも一部が半径方向に互いに重なっている。なお、ここに示す例では、液体シリンダ19は空気シリンダ18に連続して形成されている。それらのシリンダ18,19の境界部分は、図1に示すように、空気シリンダ18の底部を図1での上方に突出するように湾曲して形成した凸曲面状の部分であり、その境界部分に後述する液体ピストンの鍔が接触することによって、ノズル体9および各ピストンのそれ以上の移動(押し込み)が阻止される。この位置が各ピストンを容器2側に押し込んだ場合におけるノズル体9および各ピストンのストロークエンドすなわち下死点である。なお、図1に示す例は、ノズル体9が上死点にある状態を示している。
[0018]
 上記の空気シリンダ18の内周面に気密状態を維持して軸線方向(図1での上下方向)に摺動する空気ピストン21が嵌合されている。これらの空気シリンダ18と空気ピストン21とによって上述した空気ポンプが構成されている。その空気ピストン21は空気シリンダ18の内部を図1での上下に区画するピストンヘッド22と、ピストンヘッド22と一体となっていて空気シリンダ18の内周面に接触する摺動部23とを有している。ピストンヘッド22によって区画された2つの内部のうち、図1でピストンヘッド22の下側の内部が空気室24となっている。摺動部23は、図1に示す例では、円筒状に形成されており、その円筒状部分の上下二箇所で空気シリンダ18の内周面に気密性を維持して摺動可能に接触するように構成されている。そして、摺動部23は軸線方向に往復動することによって上述した第1吸気孔20を開閉するようになっている。
[0019]
 半径方向でピストンヘッド22における所定の半径位置には、ピストンヘッド22を板厚方向に貫通して形成され、空気室24の内部に空気を導入する第2吸気孔25が形成されている。また、半径方向でピストンヘッド22の第2吸気孔25より内側部分には、空気室24の内圧に応じて空気室24と容器2の外部とを連通し、また、空気室24と後述する混合室とを連通する成形弁26が取り付けられている。
[0020]
 上記の成形弁26は、ピストンヘッド22に形成された凹部に嵌め込まれる円筒状の軸部と、凹部から露出している軸部の端部から半径方向で外側に延びる環状の外側弁部と、凹部から露出している軸部の端部から半径方向で内側に延びる環状の内側弁部とを備えている。外側弁部は空気室24の内圧が容器2の外部の圧力より増大した場合に第2吸気孔25を閉じ、空気室24の内圧が容器2の外部の圧力より低減した場合に第2吸気孔25を開くように、空気室24の内側から第2吸気孔25を覆っている。つまり、この外側弁部によって空気室24に対して外気を導入したり遮断したりする空気吸入弁27が構成されている。内側弁部は前記内圧が容器2の外部の圧力より高い場合に空気室24と混合室とを連通し、前記内圧が容器2の外部の圧力より低下した場合に空気室24と混合室との連通状態を遮断するように、後述する液体ピストンの鍔に接触している。つまり、その内側弁部によって混合室に対して空気室24の空気を供給し、あるいは押し出す空気排出弁28が構成されている。
[0021]
 また、半径方向でピストンヘッド22の中心部には、容器2とは反対側(図1での上側)に延びている円筒部29が一体に形成されている。円筒部29の一方の端部(図1での上端部)に、前述したノズル体9に形成されている内筒部12が嵌合すると共に、ネットホルダ14の下端部が嵌合している。図1に示す例では、円筒部29の一方の端部の外周面に凸条部が形成されると共に、内筒部12の内周面に凸条部に嵌まり合う凹溝部が形成されている。これら凸条部と凹溝部との嵌め合いにより、円筒部29と内筒部12とが強固に連結されている。なお、円筒部29と内筒部12とは、ネジ嵌合やとまり嵌めなどの手段で連結してもよい。
[0022]
 円筒部29の一方の端部の内径は、ネットホルダ14の下端部の外径より僅かに大きく形成されている。また、円筒部29の一方の端部のうち、上述した内径の大きい部分の下側の内周面に、半径方向で内側に突出した突起部30が複数、形成されている。その突起部30は流路P内でのネットホルダ14の位置を規定すると共に、ノズル体9が押し込まれた場合に後述する軸状部材の一端部に接触して軸状部材を押し動かするものである。更に、突起部30は流路P内での内容物の流動を特には阻害しないために、その内径はネットホルダ14の内径程度の内径に設定されている。そして、図1に示すように、ノズル体9が上死点位置にある場合に、後述する軸状部材の弁体の上端部と当該上端部に接触する突起部30の側面との間にクリアランスC1が設定されている。ネットホルダ14の下端部は上述した円筒部29の一方の端部のうち、内径の大きい部分と突起部30とによって形成された嵌合部に嵌まり合うようになっている。こうして空気ピストン21とノズル体9とは一体化され、それらの間の流路P内にネットホルダ14が保持されている。したがって、ノズル体9における天面部10を容器2側に押圧してノズル体9を押し下げると、空気ピストン21はノズル体9と共に容器2側に移動し、空気シリンダ18と空気ピストン21とによって区画された空気室24の容積あるいは空気室24の実質的な内容積が減少させられる。そして、空気室24の内部が加圧され、空気室24の内部の空気が空気室24から押し出される。また、突起部30は、空気ピストン21が上述したクリアランスC1の分、容器2側に押し下げられた場合に、軸状部材の弁体の上端部に接触して容器2側に軸状部材を押し下げるようになっている。
[0023]
 円筒部29の他方の端部(図1での下端部)に、液体ポンプの液体ピストン31が嵌合されている。液体ピストン31は図1に示すように、軸線方向に延びる筒状に形成されており、その一方の端部(図1での上端部)が円筒部29の他方の端部に嵌合されている。具体的には、円筒部29の他方の端部に液体ピストン31の一方の端部が嵌まり合う軸線方向に窪んだ凹部が形成されている。その凹部の内径は液体ピストン31の一方の端部が嵌まり合う程度の内径に設定されている。また、それらの凹部と液体ピストン31の一方の端部との間には、図示しない空気流路が形成されている。軸線方向で円筒部29の他方の端部と液体ピストン31との嵌合部と、円筒部29の内部に嵌合されたネットホルダ14との間の空間が、空気と液状の内容物とが混合される混合室32となっている。上述した空気流路の一方の端部は上述した円筒部29内の流路Pに連通し、他方の端部は液体ピストン31と空気ピストン21とによって区画された空間に連通している。
[0024]
 液体ピストン31の外周面には、半径方向で外側に突出する鍔33が形成されている。その鍔33は上述したように、空気ピストン21および液体ピストン31の下限位置を規制する。また、図1に示すように、ノズル体9が上死点にある状態では、鍔33の上面に空気排出弁28が接触している。液体ピストン31の他方の端部は、液密状態を維持して軸線方向(図1での上下方向)に摺動するように、液体シリンダ19の内周面に嵌合されている。したがって、液体シリンダ19と液体ピストン31とによって上述した液体ポンプが構成され、液体シリンダ19と液体ピストン31とによって形成される筒状の空間が液体室34となっている。上述したように、ノズル体9における天面部10を容器2側に押圧してノズル体9を押し下げると、液体ピストン31は空気ピストン21と共に容器2側に移動し、上記の液体室34の容積あるいは液体室34の実質的な内容積が減少させられる。そして、液体室34の内部が加圧され、液体室34の内部の液体が液体室34から押し出されるようになっている。
[0025]
 また、液体室34の内部には、ノズル体9および各ピストンを容器2側に押し下げる力を解除した場合に、これらノズル体9および各ピストンを元の位置に復帰移動させる復帰機構と、ノズル体9のポンピングに応じて液体室34を容器2の内部に連通し、また、液体室34を混合室32および流路Pに連通する弁機構とが配置されている。先ず、復帰機構について説明すると、復帰機構は、ここに示す実施形態では、コイルスプリング(以下、単にスプリングと記す。)35によってノズル体9および各ピストン21,31を復帰移動させるように構成されている。前述した液体ピストン31の他方の端部にスプリング35の一端部を嵌合させるばね受け部が形成され、これと同様のばね受け部が液体シリンダ19の底部内周部に設けられている。スプリング35は、これらのばね受け部の間に圧縮した状態で配置されている。したがって液体ピストン31には、容器2側とは反対側(図1の上側)に押し上げる弾性力が常時作用している。
[0026]
 上述した弁機構について説明すると、液体シリンダ19の中心軸線に沿って軸状部材36が配置されている。軸状部材36の一端部(図1での上端部)は、液体ピストン31の一方の端部から突出している。その軸状部材36の一端部には弁体37が一体に形成されている。この弁体37は、軸状部材36の一端部側に向けて外径が次第に増大するテーパー状の部分である。これに対して、液体ピストン31の一方の端部には、半径方向で内側に向けてつまり流路Pの中心側に向けて凸となった環状凸部が形成されている。その環状凸部は、弁体37よりも容器2側に位置しており、その最小内径は、弁体37の外径より小さいことにより弁体37のテーパー面に係合するように設定されている。また環状凸部の上面(弁体37のテーパー面を向く面)は、内径が上側で次第に大きくなるテーパー状に形成されている。したがって、この環状凸部は、弁体37に図1の下側から接触して流路Pおよび液体室34を液密状態に閉じるように構成されている。すなわち、その環状凸部が弁座部38となっている。
[0027]
 軸状部材36の弁体37とは反対側の他方の端部(図1での下端部)は、図1に示す例では、下向きの矢じり形状もしくは断面三角形状になっている。当該他方の端部は液体シリンダ19の底部に設けられている筒状の係止体39の内部に挿入され、また、係止体39の内周面に接触し、かつ、その状態で係止体39の内周面を摺動するようになっている。より具体的には、軸状部材36の下端部の外径は、係止体39の内周面の内径より僅かに大きく設定されており、その外径を小さくするように弾性変形させられて係止体39の内部に挿入されている。つまり、軸状部材36の他方の端部では、その外周面を係止体39の内周面に接触させるように弾性力が生じており、軸状部材36を軸線方向に移動させる荷重が軸状部材36に特には作用していない状態では、その弾性力や係止体39の内周面と軸状部材36の他方の端部との間の摩擦力によって軸線方向への移動が阻止されている。つまり、軸状部材36の他方の端部が係止体39に対する係合部40となっている。
[0028]
 係止体39の一端部(図1での上端部)の内周部は、上記の矢じり形状あるいは断面三角形状に形成されており、軸状部材36の係合部40に生じている顎の部分に引っ掛かる鉤部41となっている。これにより、係止体39に対して軸状部材36が抜け止めされ、ノズル体9および各ピストン21,31のそれ以上の移動が阻止される。この位置が、各ピストン21,31が元の位置に復帰移動させられた場合におけるノズル体9および各ピストン21,31のストロークエンドすなわち上死点である。軸線方向で係止体39の下側の側面には、液状の内容物の流路となる開口溝42が円周方向に一定の間隔で複数形成されている。係止体39の内側は以下に説明するように容器2の内部に連通しているため、係止体39の内側から開口溝42を介してその外側の液体室34に内容物が流動するようになっている。
[0029]
 液体用シリンダ19の底部には、容器2の内部から液体室34の内部に内容物を吸い上げて充填する場合に開となり、液体室34から内容物を押し出す場合に閉となる逆止弁が設けられている。上記の逆止弁は、ここに示す例では、ボール弁43によって構成されており、液体用シリンダ19の底部に、内径が上側で次第に大きくなるテーパー状の弁座部44が形成されている。その弁座部44のテーパー面に対して軸線方向で弁座部44の上側から接触するようにボール45が配置されている。さらに、液体用シリンダ19の底部には、容器2の内部に充填されている内容物を液体室34の内部に導入するためのチューブ46が連結されている。そのチューブ46の先端部は容器2の図示しない底部付近にまで延びている。
[0030]
 次に、この発明に係るポンプフォーマー1の作用について説明する。ノズル体9に対して、当該ノズル体9を押し下げる力が特には作用していない場合には、図1に示すように、ノズル体9は上死点にある。図1に示す状態では、各ピストン21,31はスプリング35の弾性力によって各シリンダ18,19内の上方(図1での上方)に押し上げられている。そのため、軸状部材36の弁体37に液体ピストン31の一方の端部に形成された弁座部38が押し付けられており、液体室34と、混合室32および流路Pとの連通は遮断されている。また、軸状部材36の係合部40は係止体39の鉤部41に引っ掛かって係止体39に対して抜け止めされている。ボール弁43のボール45は液体室34内の内容物によってあるいは自重によって弁座部44に接触しており、液体室34と容器2の内部との連通は遮断されている。更に、空気シリンダ18に形成されている第1吸気孔20は空気ピストン21の摺動部23によって閉じられている。そして、空気ピストン21が軸線方向に移動しないことにより、空気室24の容積は特には変化しないので、空気吸入弁27によって第2吸気孔25は覆った状態に維持され、また、空気排出弁28は液体ピストン31の鍔33に接触した状態に維持される。つまり、空気吸入弁27および空気排出弁28は共に閉じている。
[0031]
 図1に示す状態からノズル体9を僅かに押し下げると、その押し下げ力を受けて各ピストン21,31が容器2側に押し下げられる。図2に、ノズル体9を容器2側に僅かに押し下げた状態を示してある。図2に示すように、軸状部材36の係合部40は係止体39の内周面に上述した弾性力や摩擦力などによって押し付けられている。また、その時点では、上記の弾性力や摩擦力以外の力は軸状部材36に対して特には作用していない。そのため、図2に示す状態では、軸状部材36は係止体39に固定され、軸状部材36は各シリンダ18,19に対して停止した状態を維持する。また、軸状部材36は液体ピストン31に対しては相対移動する。このように軸状部材36と液体ピストン31とが相対移動する状態は、空気ピストン21が更に押し下げられて円筒部29の内周面に形成された突起部30が軸状部材36の弁体37に接触するまで、つまり上述したクリアランスC1の分、液体ピストン31が容器2側に移動するまで生じる。
[0032]
 また、図3に、ノズル体9を僅かに押し下げた場合におけるポンプフォーマー1の部分拡大図を示してある。上述したように液体ピストン31が押し下げられると、図3に示すように、軸状部材36の弁体37から液体ピストン31の弁座部38が離隔する。これにより軸状部材36と弁座部38との間に隙間が生じて液体室34と混合室32とが連通する。液体ピストン31が押し下げられた分、スプリング35が収縮すると共に、液体室34の内容積が減少し、それによって液体室34の内圧が増大する。そして、ボール弁43のボール45が弁座部44に更に押し付けられ、液体室34と容器2の内部との連通は遮断された状態を維持し、液体室34の内部に充填されている内容物が軸状部材36と弁座部38との間の隙間を流動して混合室32に更に押し出される。
[0033]
 容器2側に空気ピストン21が押し下げられると、摺動部23が第1吸気孔20の下側に移動し、ピストンヘッド22の上側の空間が第1吸気孔20を介して容器2の外部に連通する。また、各ピストン21,31が押し下げられた分、空気室24の内容積が減少する。これにより空気室24の内圧が増大するため、第2吸気孔25に空気吸入弁27が押し付けられる。一方、空気排出弁28は液体ピストン31の鍔33から離隔させられる。その結果、空気室24の内部の空気が空気排出弁28から流出し、また、円筒部29と液体ピストン31との嵌合部に形成された空気流路を流動して混合室32に押し出される。
[0034]
 ところで、液体室34内の内容物は軸状部材36の軸状部分と弁座部38との隙間、および、円筒部29と弁体37との間の隙間が狭いことにより流速が増大された状態で混合室32に供給される。空気室24から押し出された空気は、上述した空気流路が狭いことにより流速が増大された状態で混合室32に供給される。したがって、混合室32では、空気と液状の内容物とが撹拌された状態となって泡が形成される。
[0035]
 図2や図3に示す状態からノズル体9を更に押し下げると、軸状部材36の弁体37に突起部30が接触する。そして、弁体37に突起部30が接触している状態で、更にノズル体9を押し下げると、各ピストン21,31によって軸状部材36が容器2側に押し下げられる。つまり、各ピストン21,31と一体となって軸状部材36が移動する。なお、この状態では、軸状部材36は各シリンダ18,19に対して相対移動する。軸状部材36の係合部40は係止体39の内周面に押し付けられた状態で容器2側に摺動する。こうして、空気室24の内容積は更に減少し、その内部に充填されていた空気は空気室24から混合室32に押し出される。これと同様に、液体室34の内部の内容物は液体室34から混合室32に押し出される。混合室32では、上述したように空気と内容物とが撹拌されて泡が形成され、その泡は空気室24および液体室34から押し出されてくる空気および内容物によって混合室32からネットホルダ14に向かって押し出される。そして、上述した泡はネットホルダ14を通過することによって、きめ細かく均質にされ、その状態で流路Pを流動してノズル11から外部に吐出される。
[0036]
 上記のようにして各ピストン21,31が容器2側に移動して空気シリンダ18と液体シリンダ19の境界部分に液体ピストン31の鍔33が接触すると、ノズル体9および各ピストン21,31のそれ以上の移動(押し込み)が阻止される。この位置がノズル体9および各ピストン21,31の下死点側のストロークエンドであり、この状態を図4に示してある。そして内容物が吐出されて空気室24および液体室34の内部の圧力が下がり、外部の圧力と平衡になると、内容物の吐出が止まる。
[0037]
 図5A~図5Cは、ノズル体9および各ピストン21,31が下死点から上死点に復帰移動する過程を模式的に示す図であり、図5Aは各ピストン21,31が下死点に位置している状態を示す部分拡大図であり、図5Bはスプリング35の弾性力によって各ピストン21,31が容器2の口部3側に僅かに押し上げられた状態を示す部分拡大図であり、図5Cはスプリング35の弾性力によって各ピストン21,31が押し上げられて弁体37に弁座部38が押し付けられた状態を示す部分拡大図である。各ピストン21,31が下死点に位置している場合には、図5Aに示すように、軸状部材36の弁体37と液体ピストン31の弁座部38とは離隔している。
[0038]
 図5Aに示す状態からノズル体9に対する押し下げ力を解除すると、スプリング35の弾性力によってノズル体9および各ピストン21,31が容器2の口部3側に復帰移動を開始する。また、スプリング35の弾性力によって各ピストン21,31が復帰移動を開始した時点では、軸状部材36に対しては、上記の弾性力や摩擦力以外の力は特には作用していない。そのため、軸状部材36は係止体39に保持されて固定された状態つまり、各シリンダ18,19に対しては停止した状態となっている。軸状部材36は液体ピストン31に対しては相対移動する。そのため、図5Bに示すように、軸状部材36の一端部に形成された弁体37に対して液体ピストン31の一方の端部に形成された弁座部38が接近する。
[0039]
 こうして液体ピストン31が容器2の口部3側に復帰移動すると、液体室34の内容積が増大するので、その内部の圧力が大気圧よりも低い、負圧になる。図5Bに示す状態では、軸状部材36の弁体37に対して液体ピストン31の弁座部38が未だ接触していないので、軸状部材36と弁座部38との間に隙間が生じている。したがって、液体室34は上記の隙間を介して混合室32および流路Pに連通し、またノズル11に連通している。そのため、上述した負圧に起因する吸引力によってノズル11から液体室34に到る流路P内に残留している泡状の内容物の少なくとも一部が液体室34の内部に吸い戻される。このような、液体室34の内部に流路P内の泡状の内容物を吸い戻す動作状態は、スプリング35の弾性力によってノズル体9および各ピストン21,31が復帰移動している場合であってかつ液体室34と流路Pとの連通状態が遮断されるまで継続して生じる。具体的には、軸線方向で弁座部38の上端部と、弁体37のテーパー面のうち、前記上端部に接触する部分とが互いに接触するまで生じる。また、上記の負圧によって弁座部44からボール45が離隔して容器2の内部に充填されている液状の内容物がチューブ46を介して液体室34の内部に吸い上げられる。なお、泡状の内容物は液状の内容物と比較して軽いため、上述した負圧によって液体室34の内部に吸い戻されやすく、そのため、液体室34の内部に吸い戻される泡状の内容物の量は液状の内容物と比較して多くなる。なお、下死点から上死点に向かって液体ピストン31が復帰移動する場合における、上述した軸線方向で弁座部38の上端部と、弁体37のテーパー面のうち、前記上端部に接触する部分との間のクリアランスC2がこの発明の実施形態における不動域、および、ピストンの移動長さに相当している。また、クリアランスC2は上述したクリアランスC1と同じ長さになっている。
[0040]
 また、スプリング35の弾性力によって空気ピストン21が容器2の口部3側に復帰移動すると、それに伴って空気室24の内容積が増大するので、その内部の圧力が低下する。これにより、空気室24の内圧が大気圧よりも低い負圧になる。その負圧によって空気排出弁28は液体ピストン31の鍔33に押し付けられる。一方、空気吸入弁27は負圧によって空気室24側に変位して第2吸気孔25から離隔する。したがって、上記の負圧によって容器2の外部の空気は、ガイドステム部8と外筒部13との間の空気流路、および、ガイドステム部8と内筒部12との間の空気流路などを介してピストンヘッド22の上側の空間に至り、その空間から第2吸気孔25を介して空気室24に吸引される。
[0041]
 スプリング35の弾性力によってノズル体9および各ピストン21,31が容器2の口部3側に更に復帰移動すると、具体的には、上述したクリアランスC2と同じ長さ、容器2の口部3側に各ピストン21,31が押し上げられると、軸状部材36の弁体37に液体ピストン31の弁座部38が接触する。この状態を図5Cに示してある。図5Cに示す状態では、液体室34と流路Pとの連通が遮断されるため、上述した負圧によるノズル11側からの吸引は停止する。一方、ボール弁43を介した液体室34と容器2の内部との連通状態は遮断されない。そのため、前記負圧によって容器2の内部に充填されている液状の内容物はチューブ46を介して液体室34の内部に吸い上げられる。また、空気室24と外部との連通状態は遮断されないので、空気ピストン21の復帰移動に伴う内容積の増大が継続して生じ、その内容積の増大に伴う負圧によって空気室24の内部に空気が吸引される。
[0042]
 各ピストン21,31が更に復帰移動すると、軸状部材36の弁体37に液体ピストン31の弁座部38が押し付けられた状態で、軸状部材36と液体ピストン31とが一体となって図5Cでの上方に更に移動する。これにより液体室34の内容積が更に増大し、その内容積の増大に伴う負圧によって、容器2の内部に充填されている内容物がボール弁43を介して液体室34の内部に吸い上げられる。空気室24では、上述したように、空気室24と外部との連通状態は遮断されないので、空気ピストン21の復帰移動に伴う内容積の増大が継続して生じ、その内容積の増大に伴う負圧によって空気室24の内部に空気が吸引される。
[0043]
 そして更に、スプリング35の弾性力によって各ピストン21,31が容器2の口部3側に復帰移動すると、ついには鉤部41に軸状部材36の係合部40が引っ掛かって、ノズル体9および各ピストン21,31の復帰移動が停止する。そして、液体室34の内部の圧力と、容器2の内部の圧力とが平衡になると、容器2の内部に充填された内容物の吸い上げが止まる。同様に、空気室24の内部の圧力と、大気圧とが平衡になると、空気の吸引が止まる。また、摺動部23によって第1吸気孔20が塞がれる。これにより、容器2の内部と外部との連通が遮断され、容器2の内部への異物の侵入が防止もしくは抑制される。すなわち、ポンプフォーマー1は、図1に示す状態となる。
[0044]
 このように上述した構成のポンプフォーマー1では、ノズル体9および各ピストン21,31が下死点から上死点に向かって復帰移動を開始したときに、軸状部材36に形成された弁体37と液体ピストン31に形成された弁座部38とが離隔した状態を維持するように、各シリンダ18,19に対して軸状部材36が停止した不動域が設定されている。つまり、液体ピストン31が復帰移動を開始してから予め定めた長さ移動している間は、あるいは、予め定めた時間が経過するまでは、液体室34と流路Pとの間の連通状態が維持されるようになっている。そのため、上記の不動域では、流路Pと液体室34とが連通している状態で、液体ピストン31が復帰移動し、液体室34の内容積の増大に伴う負圧が生じる。その結果、上記の負圧によって、液体室34からノズル11に到る流路Pに残留している泡状の内容物の少なくとも一部が液体室34の内部に吸い戻される。これにより、流路Pやノズル11の先端部などに内容物が残留しにくくなる。そして、泡だれや、泡が液化することによる液だれを防止もしくは抑制できる。また、上述した泡だれや液だれを抑制するための構成を特には設けないので、装置の全体として簡易な構成とすることができ、部材や製造に係るコストを低減できる。
[0045]
 この発明の実施形態に係るポンプフォーマー1では、上述したクリアランスC2の大きさ、つまり、軸線方向への各ピストン21,31の可動距離に対する軸状部材36の可動距離を変更することによって、各ピストン21,31を元の位置に戻す復帰移動の過程で流路P内に残留している内容物を液体室34に吸い戻すいわゆるバックサクション機能を変化させることができる。以下に説明する実験例では、上述したクリアランスC2を1mmから15mmまで、0.5mmずつ増大させたポンプフォーマー1をそれぞれ作成し、それらのポンプフォーマー1のバックサクション機能についての評価を行った。すなわち、実験例1では、クリアランスC2を1mmに設定したポンプフォーマー1を作成し、実験例29では、クリアランスC2を15mmに設定したポンプフォーマー1を作成し、それらのバックサクション機能について評価を行った。実験例1ないし実験例29の各バックサクション機能の評価結果を下記の表1にまとめて記載してある。各ピストン21,31の全ストロークの長さは15mmに設定してある。
[0046]
 また、表1では、軸線方向への各ピストン21,31の可動距離に対する軸状部材36の可動距離を百分率で記載してある。また、空うち回数は、容器2に取り付けたポンプフォーマー1の液体室34の内部に内容物が充填されていない状態から、容器2の内部に充填されている内容物を液体室34の内部に吸い上げて充填し、その内容物がノズル11から吐出されるまでにノズル体9をポンピングした回数である。吐出量はノズル11から吐出された泡状の内容物の量である。なお、空うち回数および吐出量についての各実験をそれぞれ複数回行って、それらの空うち回数および吐出量の算術平均を表1にそれぞれ記載してある。そして、ノズル11からの泡だれを評価した。表中における「○」のシンボルはノズル11の先端部から流路Pの内部に向かって泡状の内容物が吸い戻されており、ノズル11の先端部からの泡だれが防止もしくは抑制されていることを示している。「×」のシンボルはノズル11の先端部から流路Pの内部に向かって泡状の内容物が吸い戻されておらず、したがって、ノズル11の先端部あるいはその付近に泡状の内容物が残留していて泡だれを抑制しにくいことを示している。「△」のシンボルは泡だれについての評価結果が「○」と「×」とのうちのいずれにも当てはまらないことを示している。例えば、ノズル11の先端部から流路Pの内部に向かって泡状の内容物が吸い戻されているものの、その程度が小さいことにより、気温や内容物の種類、あるいは振動などによって、泡だれを生じる可能性があることを示している。なお、表中の実験例1ないし実験例29は上述したクリアランスC2を変更した以外は、ポンプフォーマー1を同様に構成し、上述した空うち回数、内容物の吐出量やノズル11からの泡だれなどについて、複数人が主観的に評価した。
[表1]


[0047]
 (総合評価)
 実験例1から実験例3のポンプフォーマー1では、表1に示すように、吐出量は実験例4から実験例29と比較して多いものの、泡だれの評価結果は「×」であった。これは、クリアランスC2が短いことが要因となって、上述した復帰移動の過程で弁体37と弁座部38とが離隔している時間が短くなり、そのために、流路Pの内部に残留している内容物を液体室34の内部に吸い戻しにくくなったためであると推察される。
[0048]
 実験例4では、上述した実験例1から実験例3と比較してクリアランスC2が増大するので、その分、復帰移動の過程で弁体37と弁座部38とが離隔している時間が長くなり、泡だれの評価結果が「△」になったと推察される。すなわち、実験例4では、バックサクション機能が生じたと言うことができる。一方で、流路Pの内部に残留している泡状の内容物が液体室34の内部に吸い戻されるので、容器2の内部から液体室34の内部に吸い上げられる液状の内容物の量が減少してしまう。これが要因となって、実験例1から実験例3の吐出量と比較して実験例4のポンプフォーマー1での吐出量が減少し、また、空うち回数が増大したと推察される。
[0049]
 実験例5ないし実験例23では、実験例4と比較してクリアランスC2が増大するので、泡だれの評価結果が「○」になったと推察される。つまり、軸線方向への各ピストン21,31の可動距離に対する軸状部材36の可動距離が20%を超えると、バックサクション機能が良好に生じると言うことができる。また、実験例5ないし実験例23の各ポンプフォーマー1において、クリアランスC2の増大に伴って吐出量が減少し、また、空うち回数が増大することが認められた。これは上述したように、クリアランスC2の増大に伴ってノズル11から液体室34の内部に吸い戻される内容物の量は増大するので、容器2の内部から液体室34の内部に吸い上げられる液状の内容物の量が減少するためであると推察される。なお、実験例5ないし実験例23において、空うち回数が同じ回数の場合があるが、これは製造誤差によると思われ、全体的な傾向としてクリアランスC2の増大に伴って空うち回数が減少することが認められた。また、実験例5ないし実験例23の空うち回数は3回から5回であり、これは、使用者に対して違和感やストレスを与えにくいポンピング回数として、指標とされているポンピング回数(3回から5回)の範囲に収まっている。
[0050]
 そして、実験例24ないし実験例29では、クリアランスC2が十分に大きいことにより、上述した各実験例よりもバックサクション機能が更に良好に生じて泡だれの評価結果が「○」になったと推察される。一方で、液体室34の内部に吸い戻される泡状の内容物の量が、実験例15ないし実験例23よりも増大するために、吐出量が更に減少し、また、空うち回数が更に増大したと推察される。特に、空うち回数については顕著な増大が認められ、使用者が内容物を吐出して使用するまでの時間が長くなり、違和感やストレスを与える可能性がある。したがって、軸線方向への軸状部材36の可動距離をつまりストローク量を各ピストン21,31の全ストローク量の20%以上かつ80%以下に設定することが好ましい。
[0051]
 なお、この発明は、上述した実施形態に限定されないのであって、この発明の実施形態に係るポンプ式吐出装置は、容器2の内部に充填された液状の内容物を空気と混合することによって泡立てて吐出するいわゆるポンプフォーマー1に替えて、容器2の内部に充填された液体をそのまま吐出するように構成されたポンプディスペンサーであってもよい。要は、ピストンを復帰移動させる場合に、ノズルの近傍に溜まっている内容物をピストンとシリンダとによって区画された空間の内部に吸い戻すように構成されていればよい。

請求の範囲

[請求項1]
 容器の内部に連通した状態に前記容器の口部に取り付けられるシリンダと、前記シリンダの内部に前記シリンダの軸線方向に往復動可能に嵌合させられたピストンと、前記ピストンを前記軸線方向に貫通して形成され、一方の開口端がノズルに連通すると共に、他方の開口端が前記シリンダと前記ピストンとによって区画された空間に連通する流路と、前記流路の内部に前記流路の中心軸線に沿って一端部が挿入されると共に前記空間の内部に他端部が配置されていて前記シリンダに対して前記軸線方向に相対移動可能に保持された軸状部材と、前記軸状部材の前記一端部に外径を増大させて形成された弁体と、前記ピストンが前記空間の容積を増大する方向に移動することにより前記弁体に密着して前記流路を閉じるように前記流路の内部に形成された弁座部と、前記ピストンが前記空間の容積を減じる方向に移動することにより前記弁体に接触して前記軸状部材を押すように前記軸線方向で前記弁体を挟んで前記弁座部とは反対側の前記流路の内部に形成された突起部と、前記弁座部を前記弁体に押し付ける方向に前記ピストンを押圧する復帰機構とを備え、前記ピストンが押されて前記弁座部から前記弁体が離隔すると共に前記空間の容積が減じられることにより、前記空間の内部に充填された内容物が前記流路を経て前記ノズルから吐出するポンプ式吐出装置において、
 前記復帰機構によって前記ピストンが前記空間の容積を増大する方向に移動することによる前記空間の容積の増大に伴う負圧によって前記ノズルからの吸引を生じさせるように、前記軸状部材が前記シリンダに対して停止していて前記弁体と前記弁座部とが離隔している状態を維持する不動域が設定されている
ことを特徴とするポンプ式吐出装置。
[請求項2]
 請求項1に記載のポンプ式吐出装置において、
 前記不動域は、前記空間の容積が最も小さい状態から前記空間の容積を増大する方向に前記ピストンが移動する場合に、前記ピストンが前記軸状部材に対して相対移動する前記ピストンの移動長さであり、
 前記移動長さは、前記空間の容積が最も小さい状態から前記空間の容積を増大する方向に前記ピストンが移動する場合における前記軸線方向で前記弁座部の上端部と前記弁体における前記上端部に接触する部分との間の長さである
ことを特徴とするポンプ式吐出装置。
[請求項3]
 請求項1または2に記載のポンプ式吐出装置において、
 前記軸線方向への前記軸状部材の可動距離が前記ピストンの可動距離の20%以上かつ80%以下である
ことを特徴とするポンプ式吐出装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]