Traitement en cours

Veuillez attendre...

Paramétrages

Paramétrages

Aller à Demande

1. WO2020162491 - ÉLÉMENT COULISSANT

Document

明 細 書

発明の名称 摺動部材

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

図面の簡単な説明

0015  

符号の説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 摺動部材

技術分野

[0001]
 本発明は摺動部材に関する。

背景技術

[0002]
 摺動面の特性を改善するため、裏金の表面に樹脂コーティング層を形成した摺動部材が知られている。例えば特許文献1には、バインダー樹脂としてPAI樹脂を、固体潤滑剤として黒鉛を用いた摺動部材が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特許第5683571号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 引用文献1の摺動部材においては、樹脂コーティング層と下地層(裏金)との密着性を向上させるため、下地層の表面に金属焼結層が形成されている。しかし、このような摺動部材においては、金属焼結層の上端部分に応力が集中してしまい、その結果、樹脂コーティング層の耐疲労強度が低下してしまうという問題があった。耐疲労強度を改善するには樹脂コーティング層を薄くする手法もあるが、樹脂コーティング層が薄すぎると使用に伴い樹脂コーティング層が摩耗して下地層が露出してしまうという問題があった。
[0005]
 これに対し本発明は、摺動部材において、耐疲労強度及び耐摩耗性を改善する技術を提供する。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明は、相手材を支持するための面を有する形状を有し、当該面に金属焼結層が露出していない基材と、前記内周面に形成され、厚さが20μmを超える樹脂コーティング層とを有する摺動部材を提供する。
[0007]
 前記樹脂コーティング層の厚さが50μmを超えてもよい。
[0008]
 前記樹脂コーティング層の厚さが300μm以下であってもよい。
[0009]
 前記面の表面粗さが60μmRzJIS以下であってもよい。
[0010]
 前記相手材が軸であり、前記基材が、前記軸を支持するための内周面を有する円筒形状を有してもよい。
[0011]
 前記内周面において、前記相手軸の軸方向の表面粗さが、当該相手軸の周方向の表面粗さよりも大きくてもよい。
[0012]
 前記樹脂コーティング層の耐疲労強度が50MPa以上であってもよい。
 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の摺動部材。
[0013]
 前記樹脂コーティング層の耐疲労強度が80MPa以上であってもよい。

発明の効果

[0014]
 本発明によれば、摺動部材において、耐疲労強度及び耐摩耗性を改善することができる。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 一実施形態に係るブシュ1の外観を例示する図。
[図2] ブシュ1の断面構造を例示する図。
[図3] 本体11及び樹脂層13の表面構造を例示する図。
[図4] 摩耗試験の結果を示す図。

符号の説明

[0016]
1…ブシュ、11…本体、13…樹脂層、131…バインダー樹脂、132…添加剤

発明を実施するための形態

[0017]
1.構成
 図1は、一実施形態に係るブシュ1の外観を例示する図である。ブシュ1は、本実施形態に係る摺動部材の一例である。ブシュ1は、例えば燃料噴射ポンプにおいて用いられる。ブシュ1は、本体11を有する。本体11は、相手軸9(相手材の一例)を支持するための内周面を有する円筒形状を有する。本体11は、部品として要求される強度及び信頼性を確保するため、例えば金属(具体的には、鋼、鋳鉄、アルミニウム合金、又は銅合金等)で形成される。本体11は、単層の金属で形成されてもよいし、複層の金属(例えば、裏金及びライニング層)で形成されてもよい。
[0018]
 図2は、ブシュ1の断面構造を例示する図である。図2は、摺動面に垂直な断面を示している。ブシュ1は、本体11(基材又は裏金の一例)及び樹脂層13(樹脂コーティング層の一例)を有する。ある種のブシュにおいては、樹脂層の下地となる基材の表面に金属(例えば銅又は銅合金)の粉末で形成された焼結層が形成されるが、本実施形態に係るブシュ1は焼結層を有さない(金属焼結層が露出していない)。焼結層を有さないことにより、樹脂層のうち焼結層の上端部分における応力集中を低減することができ、ひいては耐疲労強度を向上させることができる。
[0019]
 焼結層を有さない代わりに、本体11のうち樹脂層13が形成される表面には粗面化処理が施されている。表面形状における応力集中を緩和する観点から、樹脂層13が形成される表面の表面粗さは、例えば60μmRzJIS以下であり、30μmRzJIS以下であることが好ましく、5μmRzJIS以上10μmRzJIS以下の範囲にあることがさらに好ましい。
[0020]
 相手軸9が片当たり(摺動面に対して傾いた状態で相手軸9が摺動面に接触すること)した際に、せん断応力により樹脂層13が本体11から剥離してしまうことを抑制するため、相手軸9の軸方向における表面粗さが、周方向における表面粗さよりも大きいことが好ましい。
[0021]
 樹脂層13は、摺動部材用樹脂材料で形成される。この樹脂材料は、バインダー樹脂131、及びバインダー樹脂131中に分散された添加剤132を含む。バインダー樹脂131としては、例えば熱硬化性樹脂、より具体的には、例えばポリイミド(PI)樹脂及びポリアミドイミド(PAI)樹脂の少なくとも一方が用いられる。なお、耐疲労性を向上させる観点から、PAI樹脂よりもPI樹脂を用いることが好ましく、PI樹脂の中でも高強度のもの(ここで「高強度」とは引張強度が150MPa以上のものをいう)が用いられることが好ましい。耐疲労性を向上させる観点からは、樹脂層13におけるバインダー樹脂の含有量は多い方が好ましく、例えば80体積%以上であることが好ましく、83体積%以上であることがより好ましく、85体積%以上であることがさらに好ましく、90体積%以上であることがさらに好ましい。
[0022]
 添加剤132とは樹脂層13の特性を改善するための物質であり、例えば、固体潤滑剤1321、硬質物(硬質粒子)1322、及びシランカップリング剤のうち少なくとも1つを含む(シランカップリング剤は図示略)。固体潤滑剤1321は樹脂層13の摩擦係数を低減するための添加物であり、例えば、黒鉛(グラファイト)及びMoS 2のうち少なくとも一方を含む。MoS 2は樹脂層において凝集しやすい場合があるので、固体潤滑剤1321としては黒鉛を用い、MoS 2を用いないことが好ましい。固体潤滑剤1321として黒鉛を用いる場合、摩擦係数を低減する観点からその黒鉛化度は高い方が好ましく、例えば95%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。硬質物1322は樹脂層13の耐焼付性及び耐摩耗性を向上させるための物質であり、例えば、クレー、ムライト、及びタルクのうち少なくとも1種を含む。シランカップリング剤はバインダー樹脂131と固体潤滑剤1321との結合を強化するための物質である。
[0023]
 耐疲労性を向上させる観点から、添加剤の含有量は少ない方が好ましく、例えば合計で20体積%以下であることが好ましく、17体積%以下であることがより好ましく、15体積%以下であることがさらに好ましく、10体積%以下であることがさらに好ましい。摩擦係数を低減する観点からは固体潤滑剤の含有量は多い方が好ましく、例えば9体積%以上であることが好ましい。添加剤の総量を減らす観点から固体潤滑剤の含有量は少ない方が好ましく、例えば18体積%以下であることが好ましい。耐焼付性及び耐摩耗性を向上させる観点からは硬質物の含有量は多い方が好ましく、例えば0.5体積%以上であることが好ましい。添加剤の総量を減らす観点から固体潤滑剤の含有量は少ない方が好ましく、例えば3体積%以下であることが好ましい。固体潤滑剤及び硬質物の双方を添加するためには、固体潤滑剤の含有量は9体積%以上17体積%以下であることが好ましく、14体積%以下であることがより好ましい。硬質物の含有量は0.5体積%以上3体積%以下であることが好ましい。シランカップリング剤の含有量は、バインダー樹脂に対して例えば0.1重量%以上であることが好ましく、0.2重量%以上であることがより好ましい。コスト削減の観点から、シランカップリング剤の含有量は、バインダー樹脂に対して例えば5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましい。
[0024]
 切削加工後における表面粗さを低減する観点から、材料として用いる添加剤132の粒径は小さいことが好ましく、例えば、添加剤132の平均粒径は、焼結層12に用いられる金属粉の平均粒径よりも小さいことが好ましい。さらに、固体潤滑剤1321及び硬質物1322のいずれも、平均粒径が5μm以下又は5μm未満であることが好ましく、3μm以下又は3μm未満であることがより好ましい。
[0025]
 樹脂層13を摺動部材に用いるため、耐疲労強度すなわち疲労面圧は50MPa以上であることが好ましく、80MPa以上であることがより好ましく、90MPa以上であることがさらに好ましい。なお疲労面圧の測定方法は後述する。樹脂層13の耐疲労性を向上させる観点から、材料として用いる固体潤滑剤1321の平均粒径は小さいことが好ましく、例えば、硬質物1322の平均粒径の2倍以下であることが好ましく、硬質物1322の平均粒径よりも小さいことがより好ましい。
[0026]
 樹脂層13においては、添加剤132の含有量が増えると樹脂層13の耐疲労性が低下すると考えられる。本実施形態においては、添加剤の含有量を抑えることにより耐疲労性を向上させる。
[0027]
 図3は、本体11及び樹脂層13の表面構造を例示する図である。図3は、図2と同様に摺動面に垂直な断面を示している。ブシュ1の使用に伴い樹脂層13が摩耗して下地層(本体11)が露出してしまうことを抑制するため、樹脂層13の膜厚は20μmを超えることが好ましく、50μmを超えることがより好ましく、100μmを超えることがさらに好ましい。耐疲労強度を向上させ、また耐焼付性を向上させる観点から、樹脂層13の膜厚は300μm以下であることが好ましい。なお、樹脂層13の膜厚Tは、図3に示したとおり、本体11表面の凹凸のうち最高位置から、樹脂層13の表面の最高位置までの長さをいう。
[0028]
2.実施例
 本願の発明者らは、種々の条件で摺動部材の試験片を作製し、これらの試験片について樹脂層13の特性を評価した。
[0029]
2-1.試験片作製
 基材としては、厚さ1.5mmの鋼板(SPCC(JIS))を用いた。実験例1においては、基材表面をサンディングにより粗面化した。粗面化後の表面粗さは20~60μmRzJISであった。実験例2及び3においては、基材の上に銅合金粉(平均粒径100μm)を厚さ100μmで散布した後、圧下せず、還元雰囲気で930℃に加熱して焼結した。これらの試料に対し、表1の組成の樹脂層を形成するための前駆体溶液を調整し、この前駆体溶液を、焼結層の上にナイフコート法により塗布した。塗布後、室温~約200℃の範囲で60~90分程度、乾燥した。その後、約300℃まで昇温し、30~90分程度焼成した。
[0030]
[表1]


[0031]
 実験例1及び2においては黒鉛として平均粒径(体積基準によるd50)が1.5μmであり、黒鉛化度が99%のものを用いた。また、高強度PI樹脂として、引張強度が195MPa、伸びが90%、弾性率が3.8GPa、ガラス転移温度Tgが285℃のものを用いた。実験例3においては黒鉛として、平均粒径が12.5μmであり、黒鉛化度が90%のものを用いた。MoS 2としては平均粒径が1.5μmのものを用いた。さらに、PI樹脂としては、引張強度が119MPa、伸びが47%、ガラス転移温度Tgが360℃のものを、PAI樹脂として、引張強度が112MPa、伸びが17%、弾性率が2.7GPa、ガラス転移温度Tgが288℃のものを用いた。実験例1及び2において、シランカップリング剤としては、化学式が3(H 3CO)SiC 3H 6-NH-C 3H 6Si(OCH 3) 3のものを用いた。なお表1において、シランカップリング剤の含有量は、高強度PI樹脂に対する重量比で示されている。実験例1~5において、クレーとしては、構造式がAl 2O 3・2SiO 2であり、平均粒径が3μmのものを用いた。
[0032]
 実験例1及び2において、固体潤滑剤としては黒鉛のみを用いた(すなわちMoS 2等、その他の固体潤滑剤は含まない)。また、表1に示した固体潤滑剤、硬質物、及びシランカップリング剤以外の添加物は含まれていない。添加剤は全て、平均粒径が3μm以下であった。
[0033]
2-2.摩耗試験
 実験例1乃至3の試験片に対し摩耗試験を行った。摩耗試験は以下の条件で行い、試験後の摩耗深さを記録した。
 ・試験機:   箱形ブシュ試験機
 ・面圧:    1.8MPa
 ・試験パターン:ラン&ストップ(10万サイクル)
 ・潤滑油:   灯油(室温)
[0034]
 図4は、摩耗試験の結果を示す図である。実験例3と比較すると、実験例1及び2においては摩耗深さが半分以下に低減された。すなわち、実験例3と比較すると、実験例1及び2においては耐摩耗性が向上した。
[0035]
2-3.疲労試験
 実験例1乃至3の試験片に対し疲労試験を行った。疲労試験は以下の条件で行い、樹脂層に疲労が発生しなかった最大の面圧(試験機の最大面圧は100MPa)を疲労面圧とした。
 ・試験機: 往復動荷重試験機
 ・回転速度:3000rpm
 ・繰返し数:105回
 ・試験温度:100℃(潤滑油供給温度)
 ・相手材: S45C
 ・潤滑油: エンジンオイル
[0036]
 実験例3の耐疲労面圧は20MPaであるのに対し、実験例1の耐疲労面圧は110MPa以上であり、実験例2の耐疲労面圧は80MPaであった。実験例3と比較すると、実験例1及び2においては耐疲労面圧が向上した。また、実験例2と比較すると、実験例1においては耐疲労面圧が向上した。
[0037]
2-4.焼付き試験
 実験例1及び実験例2の試験片に対し焼付き試験を行った。焼付き試験は以下の条件で行い、焼付きが発生したときの面圧を焼付き面圧とした。
 ・試験機: 静荷重焼付試験機
 ・荷重:  ステップアップ 1kN/5分
 ・回転数: 6000rpm
 ・潤滑油: パラフィン油
[0038]
 この試験の結果、実験例1における焼付き面圧は40MPaであり、実験例2における焼付き面圧は32MPaであった。このように、実験例2と比較すると、実験例1においては耐焼付き性が向上した。試験後の摺動表面の状態は、いずれも樹脂層は破損していたが、裏金は露出していなかった。すなわち、実験例1においても、樹脂層が剥がれ落ちて裏金が露出することは起きていなかった。
[0039]
 また、実験例1及び実験例2に対し、本体と樹脂層との密着力の試験を行ったが、いずれも試験に用いた接着剤の強度以上の密着力を有しており、試験条件の範囲では密着力に差異が見られなかった。
[0040]
3.変形例
 なお、上述の実施例において使用した各種の材料及びその組成はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る樹脂材料は不可避不純物を含んでもよい。ブシュ1の用途は燃料噴射ポンプにおけるブシュとして用いられるものに限定されず、各種の軸受、又はコンプレッサー等において用いられてもよい。また、本発明に係る摺動部材はブシュ1に限定されず、半割軸受又は斜板等、他の摺動部材に本発明が適用されてもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 相手材を支持するための面を有する形状を有し、当該面に金属焼結層が露出していない基材と、
 前記面に形成され、厚さが20μmを超える樹脂コーティング層と
 を有する摺動部材。
[請求項2]
 前記樹脂コーティング層の厚さが50μmを超える
 請求項1に記載の摺動部材。
[請求項3]
 前記樹脂コーティング層の厚さが300μm以下である
 請求項1又は2に記載の摺動部材。
[請求項4]
 前記面の表面粗さが60μmRzJIS以下である
 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の摺動部材。
[請求項5]
 前記相手材が軸であり、
 前記基材が、前記軸を支持するための内周面を有する円筒形状を有する
 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の摺動部材。
[請求項6]
 前記内周面において、前記軸の軸方向の表面粗さが、当該軸の周方向の表面粗さよりも大きい
 請求項5に記載の摺動部材。
[請求項7]
 前記樹脂コーティング層の耐疲労強度が50MPa以上である
 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の摺動部材。
[請求項8]
 前記樹脂コーティング層の耐疲労強度が80MPa以上である
 請求項7に記載の摺動部材。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]